1 00:00:03,604 --> 00:00:08,408 <おいちには 時々 何かを背負った人の心や➡ 2 00:00:08,408 --> 00:00:14,214 亡くなった人の影が見える という力があった> 3 00:00:14,214 --> 00:00:20,153 (滝代)この子を… 殺さないで。 4 00:00:20,153 --> 00:00:24,858 <追っ手から逃れ おいちのもとで 赤子を産んだ滝代が➡ 5 00:00:24,858 --> 00:00:27,628 何者かに殺される。➡ 6 00:00:27,628 --> 00:00:34,401 そして 短刀と共に残された赤子は 十助と命名された> 7 00:00:34,401 --> 00:00:41,708 この子を 私たちに 育てさせてくださいませんか? 8 00:00:43,644 --> 00:00:48,982 <十助は 吾妻屋に 引き取られることとなった> 9 00:00:48,982 --> 00:00:51,451 (小十郎)逃げるな! <そんなある日➡ 10 00:00:51,451 --> 00:00:58,158 滝代と赤子の行方を求め 一人の侍が現れる> 11 00:00:58,158 --> 00:01:03,764 滝代様という方を もしや ご存じでは? 12 00:01:03,764 --> 00:01:08,101 (おいち)存じております。 13 00:01:08,101 --> 00:01:15,842 杉野様。 あなたは どういうお方なのですか? 14 00:01:15,842 --> 00:01:19,846 なぜ 赤子の行方を追うんです? 15 00:01:21,615 --> 00:01:25,786 滝代様が産んだ赤子は 殿のお子。 16 00:01:25,786 --> 00:01:31,658 すなわち 我らが藩のお世継ぎにございます。 17 00:01:31,658 --> 00:01:33,660 (仙五朗)おっ…。 18 00:01:33,660 --> 00:01:47,174 ♬~ 19 00:01:49,443 --> 00:01:52,746 殿様のお子…? 20 00:01:55,248 --> 00:01:58,652 詳しく 話していただきやしょう。 21 00:01:58,652 --> 00:02:04,458 滝代さんは 兄上様の いいなずけではなかったのですか? 22 00:02:04,458 --> 00:02:10,597 私の家と滝代様の家は ともに 35石取りの蔵役人。 23 00:02:10,597 --> 00:02:15,469 同じ蔵方の長屋で 幼なじみとして育った。➡ 24 00:02:15,469 --> 00:02:22,109 滝代様は いずれ 兄の妻となるはずであったが➡ 25 00:02:22,109 --> 00:02:29,850 ある側用人が滝代様を養女にし お城へ上げると言いだしたのだ。 26 00:02:29,850 --> 00:02:35,288 殿の正室は 既に男子も もうけておられたが➡ 27 00:02:35,288 --> 00:02:41,094 その側用人は 新たなる側室を探し 男子を産ませ➡ 28 00:02:41,094 --> 00:02:44,631 己の出世の糸口にしようと考えたのだ。 29 00:02:44,631 --> 00:02:48,969 そんな… 女子は命懸けで子を産むのです。 30 00:02:48,969 --> 00:02:51,872 それを まるで道具のように…! 31 00:02:51,872 --> 00:02:54,441 おいち殿の憤りは ごもっとも。 32 00:02:54,441 --> 00:02:58,812 兄との仲を引き裂かれた 滝代様の心労は ひどく➡ 33 00:02:58,812 --> 00:03:04,584 いっときは 気うつのため 宿下がりもされていたと聞く。 34 00:03:04,584 --> 00:03:09,756 だが 城に戻られた後 次第に生気を取り戻され➡ 35 00:03:09,756 --> 00:03:14,094 無事 お子も はらまれた。 36 00:03:14,094 --> 00:03:19,599 それが なぜ 江戸なんぞで 命を落とすことに? 37 00:03:19,599 --> 00:03:26,106 滝代様を支えていた側用人が 急死したのだ。➡ 38 00:03:26,106 --> 00:03:30,977 ある朝 不調を訴えられ そのまま…。 39 00:03:30,977 --> 00:03:34,281 まさか それは…。 40 00:03:34,281 --> 00:03:39,152 分からぬ。 だが 滝代様とおなかの子の立場は➡ 41 00:03:39,152 --> 00:03:43,957 一気に危ういものとなった。 滝代様は ひそかに城を抜け出し➡ 42 00:03:43,957 --> 00:03:50,297 すぐさま 追っ手が放たれた。 その一人に命じられたのが…➡ 43 00:03:50,297 --> 00:03:53,600 兄だった。 44 00:03:56,169 --> 00:04:00,740 兄は ほかの者らと共に 滝代様を追った。 45 00:04:00,740 --> 00:04:07,080 しかし 滝代様を見つけるやいなや…。 46 00:04:07,080 --> 00:04:09,382 滝代殿 逃げよ~!➡ 47 00:04:09,382 --> 00:04:11,585 早く! 48 00:04:13,253 --> 00:04:19,926 (小十郎)そして ほかの追っ手と切り結んだあげく…。 49 00:04:19,926 --> 00:04:21,928 うわ~! 50 00:04:26,266 --> 00:04:30,771 (小十郎)自らも 命を落としたのだ。 51 00:04:30,771 --> 00:04:35,408 ご家老は その後 新たなる刺客を放った。 52 00:04:35,408 --> 00:04:41,915 その連中が 今も 赤子の命を狙ってるんですね。 53 00:04:45,619 --> 00:04:50,423 頼む! 赤子の預け先を教えてくれ。 54 00:04:50,423 --> 00:04:55,796 私は兄の遺志を継ぎ 兄に代わって その子だけは なんとしても守りたい。 55 00:04:55,796 --> 00:04:58,298 このとおりだ! 56 00:04:58,298 --> 00:05:01,301 (滝代)そうではないの…。 57 00:05:02,903 --> 00:05:05,739 (滝代)そうではないんです…。 58 00:05:05,739 --> 00:05:13,547 ♬~ 59 00:05:17,751 --> 00:05:22,589 で 教えたのか? 十助の居場所を。 60 00:05:22,589 --> 00:05:28,395 いいえ。 「赤子を守りたいなら なおさら 教えるわけにはいかない」。 61 00:05:28,395 --> 00:05:31,298 そう伝えました。 それで 納得したのかい? 62 00:05:31,298 --> 00:05:39,139 あ… 分からない。 でも 黙ってうなずいて 帰っていかれた。 63 00:05:39,139 --> 00:05:41,641 実は…。 64 00:05:43,777 --> 00:05:48,281 今朝ほど 御用を仰せつかっております 草野の旦那からも じきじきに➡ 65 00:05:48,281 --> 00:05:52,619 相生町の殺しは これ以上 つっつくなと。 66 00:05:52,619 --> 00:05:55,288 下手人が挙がらずとも よいということですか? 67 00:05:55,288 --> 00:06:00,493 お武家のお家騒動に 町方は 手を出せないということさ。 68 00:06:03,563 --> 00:06:37,764 ♬~ 69 00:06:37,764 --> 00:06:40,400 何か見えたのか? 70 00:06:40,400 --> 00:06:43,904 ごめんなさい。 起こしちゃった? 71 00:06:46,273 --> 00:06:51,411 おいち 危ないことはするな。 72 00:06:51,411 --> 00:06:55,949 え? お武家の奥向きの話だ。 73 00:06:55,949 --> 00:06:59,619 町方の我々には 手が出せない。 74 00:06:59,619 --> 00:07:03,056 もし お前に何かあったら…。 安心して。 75 00:07:03,056 --> 00:07:08,361 お家騒動なんかに 首を突っ込むつもりはないから。 76 00:07:08,361 --> 00:07:10,664 そうか…。 77 00:07:19,906 --> 00:07:22,375 (お夕)おいち先生。 78 00:07:22,375 --> 00:07:27,213 あなた 吾妻屋さんの…。 (お夕)お久しぶりです。 79 00:07:27,213 --> 00:07:31,084 皆さん お元気ですか? はい。 80 00:07:31,084 --> 00:07:34,387 これを お内儀さんから。 81 00:07:34,387 --> 00:07:38,925 私に? 十助ちゃんのご様子だそうです。 82 00:07:38,925 --> 00:07:42,429 ありがとう。 いえ。 83 00:08:11,224 --> 00:08:13,226 ⚟(新吉)おいちさん! 84 00:08:14,894 --> 00:08:17,731 すぐ来てください。 刃傷沙汰で けが人が。 85 00:08:17,731 --> 00:08:19,933 はい! 86 00:08:22,569 --> 00:08:25,472 ここです。 はい! 87 00:08:25,472 --> 00:08:28,441 長治さん。 (長治)わざわざ すいやせん。 88 00:08:28,441 --> 00:08:32,245 ここの女将です。 傷は腕だけですか? 89 00:08:32,245 --> 00:08:35,048 (女将)あ… 痛たたた…。 90 00:08:39,119 --> 00:08:41,388 斬りつけたという板前さんは? 91 00:08:41,388 --> 00:08:46,760 太一が番屋へ。 女将に 間男がいると聞いて この騒ぎだ。 92 00:08:46,760 --> 00:08:50,096 ったく もめ事になった途端 居合わせたお侍たちは➡ 93 00:08:50,096 --> 00:08:53,967 すたこら逃げ出すし…。 そのお侍ってのは ここの客ですか? 94 00:08:53,967 --> 00:08:58,805 ああ 近頃 よく来る4人組でね ありゃ 江戸に慣れてないのかね。 95 00:08:58,805 --> 00:09:03,543 ちょいと なまりもあったりして。 「ちく」とか何とか言ってたようです。 96 00:09:03,543 --> 00:09:06,346 ちく…。 97 00:09:06,346 --> 00:09:10,216  回想  ちく 抜かしとったら 承知せんぞ! ちくではねえ! 98 00:09:10,216 --> 00:09:12,552 おいちさん。 99 00:09:12,552 --> 00:09:17,390 親分さん あの…。この店の お侍のことなら耳に入っておりやす。 100 00:09:17,390 --> 00:09:21,261 長治たちに探らせておりやした。 101 00:09:21,261 --> 00:09:25,932 あ… どうも へそ曲がりな性分でね。 102 00:09:25,932 --> 00:09:30,103 探るなと言われると つっつきたくなる。 103 00:09:30,103 --> 00:09:35,775 あっしの覚えをもとに 杉野様のお顔を ちょいと描いてもらいやした。 104 00:09:35,775 --> 00:09:38,111 杉野様…? ええ。 105 00:09:38,111 --> 00:09:43,616 女将。 この店に出入りするお侍のことで 尋ねてえんだが➡ 106 00:09:43,616 --> 00:09:49,956 そのお侍たちの中に こんな面のやつは いたかい? 107 00:09:49,956 --> 00:09:54,427 こいつだよ。 ここに ほくろがあってさ。 108 00:09:54,427 --> 00:09:57,630 杉野様が…。 109 00:09:57,630 --> 00:09:59,566 あっ…! 110 00:09:59,566 --> 00:10:01,801 おいちさん! 111 00:10:01,801 --> 00:10:20,653 ♬~ 112 00:10:20,653 --> 00:10:23,990 どうしたんです? いきなり。 誰かに見られた。 113 00:10:23,990 --> 00:10:26,459 えっ 何を…。 吾妻屋さんからもらった文。 114 00:10:26,459 --> 00:10:30,997 十助ちゃんのことが書いてあるの。 文は確かにあるけど➡ 115 00:10:30,997 --> 00:10:33,032 箱が何だか…。 116 00:10:33,032 --> 00:10:38,738 多分 おいちさんの勘は当たってやす。 俺も仕事場を触られたら分かります。 117 00:10:38,738 --> 00:10:41,207 どうしよう…。 118 00:10:44,177 --> 00:10:47,213 おいち先生…。 119 00:10:47,213 --> 00:10:49,349 どうしたの? 120 00:10:49,349 --> 00:10:55,221 私… 大変なこと しちまった…。 え? 121 00:10:55,221 --> 00:11:00,059 (泣き声) 122 00:11:00,059 --> 00:11:04,631 なるほど そいつは やっかいだ…。 123 00:11:04,631 --> 00:11:11,971 通りすがりの男に話しちまった。 引き受けたばかりの里子がいると。 124 00:11:11,971 --> 00:11:14,641 お夕ちゃんは うれしかったんです。 125 00:11:14,641 --> 00:11:21,147 十助ちゃんが懐いてくれて…。 それで 世間話のつもりで➡ 126 00:11:21,147 --> 00:11:24,050 赤子のことを聞かれて つい…。 127 00:11:24,050 --> 00:11:32,458 (泣き声) 128 00:11:32,458 --> 00:11:36,329 話し終わりに これを出された時に➡ 129 00:11:36,329 --> 00:11:39,098 自分がしたことに気が付いたと…。 130 00:11:41,668 --> 00:11:43,703 落ち着け! ですが➡ 131 00:11:43,703 --> 00:11:46,539 こうしてる間に 連中が 吾妻屋さんを襲うかもしれない…。 132 00:11:46,539 --> 00:11:49,175 昼日中に それはねえ。 133 00:11:49,175 --> 00:11:52,345 襲うとしたら 夜でぇ。 134 00:11:56,916 --> 00:12:02,622 けど 居所を知られたのは かえって 好都合かもしれません。 135 00:12:02,622 --> 00:12:05,959 連中の動きを封じる目安が立ちやす。 136 00:12:05,959 --> 00:12:09,295 けど 相手は お侍ですよ? 137 00:12:09,295 --> 00:12:11,231 下手をしたら こっちが けさがけに斬られて…。 138 00:12:11,231 --> 00:12:14,801 人殺しをそのままにしろってのかい。 139 00:12:14,801 --> 00:12:20,607 女を斬っただけじゃねえ。 腹に やいばを突き立てた連中を➡ 140 00:12:20,607 --> 00:12:25,144 お武家だから見過ごせってのかい。 141 00:12:25,144 --> 00:12:31,451 俺は できねえ。 お縄にできねえってんなら➡ 142 00:12:31,451 --> 00:12:36,289 その面に 拳の一つも ぶち込まなきゃ 気が済まねえ…。 143 00:12:36,289 --> 00:12:39,058 親分さん…。 144 00:12:41,661 --> 00:12:44,564 やりましょう。 手伝いますよ 俺も。 145 00:12:44,564 --> 00:12:48,434 私も。 気持ちは ありがてえが➡ 146 00:12:48,434 --> 00:12:51,170 こっから先は あっしの領分でさあ。 147 00:12:51,170 --> 00:12:57,343 お二人には ほかに やってもらいてえことがあります。 148 00:13:05,418 --> 00:13:09,122 十助が お殿様の跡継ぎ…? 149 00:13:09,122 --> 00:13:12,158 はい。 150 00:13:12,158 --> 00:13:17,630 十助ちゃんが そこまでの事情を背負った 赤子とは知らず…。 151 00:13:19,832 --> 00:13:22,001 おいちさん。 152 00:13:24,303 --> 00:13:30,977 私どもは 十助を迎えた時から どんなことがあろうとも➡ 153 00:13:30,977 --> 00:13:37,450 全て引き受ける。 そういう覚悟ができております。 154 00:13:37,450 --> 00:13:40,153 ご隠居様…。 155 00:13:40,153 --> 00:13:43,990 (藤吉)で いかがいたしますか? 156 00:13:43,990 --> 00:13:47,860 遠からず 刺客がやって来ます。 157 00:13:47,860 --> 00:13:52,332 しばらくの間 家移りをお願いできますか? 158 00:13:52,332 --> 00:13:56,836 承知いたしました。 すぐに支度を。 ありがとうございます。 159 00:13:56,836 --> 00:14:01,607 それと…。 お夕のことですね。 160 00:14:03,276 --> 00:14:08,114 もらったお金は受け取らず ずっと泣いています。 161 00:14:08,114 --> 00:14:12,285 過ちは 誰にでもありますよ。 162 00:14:13,920 --> 00:14:17,290 私にもありました。 163 00:14:17,290 --> 00:14:25,965 亭主が よその女に産ませた藤吉を どうしても 受け入れられず➡ 164 00:14:25,965 --> 00:14:30,303 幼い藤吉に ひどいことを…。 165 00:14:30,303 --> 00:14:34,073 昔のことですよ。 166 00:14:36,642 --> 00:14:44,417 そのことで自分を責め 傷ついたのは おっ母さんの方だった。 167 00:14:52,125 --> 00:14:54,594 おいちさん。 168 00:14:58,664 --> 00:15:03,936 あなたを見ていて 思い直したの。 169 00:15:03,936 --> 00:15:11,677 十助を育てることで 私たちは…➡ 170 00:15:11,677 --> 00:15:16,649 生き直せるかもしれない。 171 00:15:19,485 --> 00:15:26,125 心を殺すのではなく 育てる。 172 00:15:26,125 --> 00:15:33,633 「殺すのではなく 育てる」。 173 00:15:33,633 --> 00:15:40,306 女には そういうこともできるんですよ。 174 00:15:40,306 --> 00:15:51,918 ♬~ 175 00:15:51,918 --> 00:15:56,656 十助のことは 何にも心配いりませんよ。 176 00:15:56,656 --> 00:16:00,393 ありがとうございます。 ほら…。 177 00:16:00,393 --> 00:16:05,364 生きて。 みんなが あなたを守ってる。 178 00:16:11,604 --> 00:16:14,774 ただいま帰りました…。 179 00:16:18,377 --> 00:16:23,549 (おうた)お帰り。 伯母さん…。 180 00:16:30,990 --> 00:16:35,127 こいつが 松庵さんに話があるって やって来たんだ。 181 00:16:35,127 --> 00:16:41,434 私を見て まずいって顔したから 何か隠してるな~と思って責めたら➡ 182 00:16:41,434 --> 00:16:46,138 み~んな話してくれたよ このバカ正直が。 183 00:16:46,138 --> 00:16:50,643 すいません…。 新吉さんの バカ正直は➡ 184 00:16:50,643 --> 00:16:53,446 病かもしれないわね。 185 00:16:53,446 --> 00:16:57,316 お武家相手に 捕り物をするんだって? 186 00:16:57,316 --> 00:16:59,819 それを聞いて 松庵さん 飛び出してったよ。 187 00:16:59,819 --> 00:17:03,256 お父っつぁまが? お前を止めにね。➡ 188 00:17:03,256 --> 00:17:07,126 そんな危ない所に 行かせるわけないだろう。 189 00:17:07,126 --> 00:17:15,301 それに 約束したんだって? お武家の 事情には これ以上 関わらないって。 190 00:17:17,603 --> 00:17:22,408 松庵さんが これまで 懸命にお前を育ててきたのは➡ 191 00:17:22,408 --> 00:17:25,778 無鉄砲なことをさせるためじゃない。 192 00:17:25,778 --> 00:17:31,584 穏やかに暮らして 幸せになってほしいからだよ。 193 00:17:31,584 --> 00:17:35,421 私 そのつもりだけど…。 194 00:17:35,421 --> 00:17:39,292 おいちさんは お医者になるんですもんね。 バカッ正直は 黙っといで! 195 00:17:39,292 --> 00:17:42,295 はい…。 196 00:17:42,295 --> 00:17:47,800 おいち。 いいかい よくお聞き。 197 00:17:47,800 --> 00:17:52,438 お前が医者になりたいっていう気持ちは よ~く分かった。 198 00:17:52,438 --> 00:17:59,312 でもね 世間をなめちゃいけないよ。 世間?ああ そうだ。 199 00:17:59,312 --> 00:18:04,050 世間は そりゃあ いじわるで けんのんなもんさ。 200 00:18:04,050 --> 00:18:09,956 女が嫁に行くよりほかの道を選ぶなんて そんなこと 許しゃしないんだよ。➡ 201 00:18:09,956 --> 00:18:14,694 お前さんがやってることは 道のない やぶの中を➡ 202 00:18:14,694 --> 00:18:19,398 一人で歩いていくようなもんだ。 私も 松庵さんも➡ 203 00:18:19,398 --> 00:18:25,171 お前に そんな苦労はさせたくないんだよ。 伯母さん…。 204 00:18:29,942 --> 00:18:33,612 今日は お前をここから出さないよ。 205 00:18:33,612 --> 00:18:38,584 私はね お前を見張る。 見張るったら見張る! 206 00:18:45,224 --> 00:18:51,430 穏やかに暮らすのだって やっぱり 手探りで➡ 207 00:18:51,430 --> 00:18:55,301 一人で歩いていくんだと思う。 208 00:18:55,301 --> 00:18:57,637 え…? 209 00:18:57,637 --> 00:19:03,409 ただ黙って座ってたって 幸せになんか…。 210 00:19:05,244 --> 00:19:13,519 同じだよ。 お医者になりたいと思うのも 穏やかに暮らしたいと願うのも。 211 00:19:17,390 --> 00:19:20,292 ごめん 伯母さん。 (おうた)え?私 行くね! 212 00:19:20,292 --> 00:19:23,195 えっ… ちょっと おいち! おいち! 213 00:19:23,195 --> 00:19:25,131 あ ああ…。 214 00:19:25,131 --> 00:19:27,400 おいち~! 215 00:19:30,970 --> 00:19:33,406 お父っつぁま…。 216 00:19:33,406 --> 00:19:37,943 行くのか? 行く。 お父っつぁまが止めても。 217 00:19:37,943 --> 00:19:42,281 むちゃはしないと言ったな? 十助ちゃんの行く末を見届けたいの。 218 00:19:42,281 --> 00:19:47,787 私が 初めて取り上げた赤子だもの。 219 00:19:47,787 --> 00:19:50,823 俺がついてますから。 220 00:19:50,823 --> 00:19:53,959 俺が おいちさんに危ないこと させませんから…。 221 00:19:53,959 --> 00:19:56,629 お前じゃ駄目だ。 え? 222 00:19:58,798 --> 00:20:01,267 お願いします。 223 00:20:04,437 --> 00:20:07,306 あなた あの時の…! 224 00:20:07,306 --> 00:20:12,278  回想 (巳助)おいっちゃん こいつだ! 木戸口の辺りから 中をうかがっておった。 225 00:20:15,815 --> 00:20:18,851 ♬~ 226 00:20:18,851 --> 00:20:24,523 (犬のほえ声) 227 00:20:24,523 --> 00:20:30,663 お願いですから 何があっても ここから動かないでくださいね。 228 00:20:30,663 --> 00:20:35,000 分かってます。 何度も同じこと言わないでください。 229 00:20:35,000 --> 00:20:38,037 すいません…。 230 00:20:38,037 --> 00:20:43,676 あの助っ人のお侍は どういう人なんですか? 231 00:20:43,676 --> 00:20:47,346 父の患者さんなんです。 232 00:20:47,346 --> 00:20:50,683 一人は 水虫のお薬を受け取りに。 233 00:20:50,683 --> 00:20:54,186 恥ずかしいからって こっそり来てたみたいで。 234 00:20:54,186 --> 00:21:02,294 (新吉)ああ… そんな弱気なお侍 役に立つのかな…。 235 00:21:02,294 --> 00:21:10,970 そろそろ 丑三つ時です。 やって来るとしたら 間もなく…。 236 00:21:12,805 --> 00:21:15,574 (物音)来た! 237 00:21:23,516 --> 00:21:25,818 赤子を渡してもらおう。 238 00:21:25,818 --> 00:21:29,488 おとなしくしておれば 命までは取らん。 239 00:21:38,998 --> 00:21:40,933 何だ これは? 240 00:21:40,933 --> 00:21:45,771 お武家が押し込みたあ どういう了見ですかね。 241 00:21:45,771 --> 00:21:49,475 お前…。 あん時の目明でござんすよ。 242 00:21:49,475 --> 00:21:56,015 そちらさんは 女一人を4人で手にかけた人殺しで。 243 00:21:56,015 --> 00:21:57,950 おのれ! 244 00:21:57,950 --> 00:22:00,419 石上殿 三原殿! 245 00:22:00,419 --> 00:22:03,322 やっちまえ! (喚声) 246 00:22:03,322 --> 00:22:37,189 ♬~ 247 00:22:37,189 --> 00:22:41,193 う… 動いちゃ駄目です! 248 00:22:41,193 --> 00:22:43,862 (三原)逃げたぞ~! 249 00:22:48,667 --> 00:22:51,136 逃がさねえぞ! 250 00:22:53,339 --> 00:22:56,175 どけ。 斬り捨てるぞ! 251 00:22:56,175 --> 00:22:58,143 おやめください! 252 00:22:59,845 --> 00:23:03,816 あそこだ! あいつを引っ捕らえろ! へい! 253 00:23:03,816 --> 00:23:06,418 来るな~! 254 00:23:06,418 --> 00:23:12,091 さもなくば 娘の喉をかき切るぞ! 255 00:23:15,961 --> 00:23:19,431 杉野様…。 256 00:23:19,431 --> 00:23:23,802 どうして 滝代さんを…。 257 00:23:23,802 --> 00:23:27,139 どうして! 258 00:23:27,139 --> 00:23:29,108 うわ~! 259 00:23:31,443 --> 00:23:33,812 観念しろい! あっ…。 260 00:23:33,812 --> 00:23:37,683 杉野様! あなたが話してくれた話は➡ 261 00:23:37,683 --> 00:23:40,586 全て偽りだったんですか? 262 00:23:40,586 --> 00:23:46,525 ただ 赤子を殺すための うそだったんですか!? 263 00:23:46,525 --> 00:23:49,495 違う…。 264 00:23:51,230 --> 00:23:56,835 兄上と滝代殿は まことに思い合っていた。 265 00:23:56,835 --> 00:24:02,608 兄上は 命懸けで 滝代殿を逃がした。 266 00:24:02,608 --> 00:24:06,278 では あなたは 兄上の思いを踏みにじった! 267 00:24:06,278 --> 00:24:08,614 しかたなかろう! 268 00:24:08,614 --> 00:24:14,954 兄上はいい。 思いを貫き 心置きなく逝ったのだ。 269 00:24:14,954 --> 00:24:21,727 だが… 残された我らは どうなる? 270 00:24:23,662 --> 00:24:29,435 ご家老は 私に 滝代殿と子供を始末すれば➡ 271 00:24:29,435 --> 00:24:32,638 杉野の家は助けると約束してくれた。 272 00:24:32,638 --> 00:24:36,308 全て 家のためだ! 273 00:24:41,347 --> 00:24:50,322 武士と生まれて 女 子供を殺したいと 誰が思うものか…。 274 00:24:54,827 --> 00:24:59,331 家のためだと…? 275 00:24:59,331 --> 00:25:02,101 う… うっ…。 276 00:25:02,101 --> 00:25:05,604 人の命をはかりにかけやがって! 277 00:25:05,604 --> 00:25:08,507 てめえら 女一人 殺しただけじゃねえ。 278 00:25:08,507 --> 00:25:13,112 赤ん坊から 母親を奪ったんだい! 思い知れ! この! 279 00:25:13,112 --> 00:25:15,781 この外道が! 280 00:25:15,781 --> 00:25:38,804 ♬~ 281 00:25:38,804 --> 00:25:42,975 歯がゆいんですよ…。 282 00:25:42,975 --> 00:25:48,313 人を殺して てめえは生き残ろうとしやがる。 283 00:25:48,313 --> 00:25:55,287 そんな連中のことが どうにも…。 284 00:25:57,990 --> 00:26:12,271 (嗚咽) 285 00:26:12,271 --> 00:26:17,943 ♬~ 286 00:26:17,943 --> 00:26:24,817 (子供たちの遊ぶ声) 287 00:26:24,817 --> 00:26:27,286 吾妻屋さんが店を閉めた? 288 00:26:27,286 --> 00:26:31,290 ああ。 仙五朗親分が教えてくれた。 289 00:26:31,290 --> 00:26:35,961 吾妻屋は のれんごと 店を売り渡し➡ 290 00:26:35,961 --> 00:26:38,630 一家で どこぞの田舎に引っ込む。 291 00:26:38,630 --> 00:26:44,303 行く先は誰にも告げないが おいちさんに よろしくと。 292 00:26:44,303 --> 00:26:47,773 それは 十助ちゃんのために…? 293 00:26:58,450 --> 00:27:02,721 これを置いていったそうだ。 294 00:27:04,923 --> 00:27:08,760 全てを断ち切る覚悟だろう。 295 00:27:08,760 --> 00:27:14,399 一切のやっかい事から十助を守り通す。 296 00:27:14,399 --> 00:27:17,669 そこまで あの子のことを…。 297 00:27:19,938 --> 00:27:25,744 それから 例の追っ手の連中だが 明日 江戸をたつとさ。 298 00:27:25,744 --> 00:27:31,116 国へ戻るの? 城の者に どんな申し開きをして➡ 299 00:27:31,116 --> 00:27:35,087 どういう身の上が待っているのかは 知らないが。 300 00:27:47,566 --> 00:27:50,435 何か見えるのか? 301 00:27:50,435 --> 00:27:57,309 何も。 でも すごく熱い。 302 00:27:57,309 --> 00:28:01,113 熱い? どうしてだろう? 303 00:28:01,113 --> 00:28:04,583 何もかも終わったはずなのに。 304 00:28:04,583 --> 00:28:08,453 埋み火のようだな。 埋み火? 305 00:28:08,453 --> 00:28:16,762 眠っているんだ 灰の中で。 誰かが灰をのけてくれるのを待っている。 306 00:28:16,762 --> 00:29:02,241 ♬~ 307 00:29:02,241 --> 00:29:05,410 (滝代)そうではないの…。 308 00:29:07,112 --> 00:29:10,582 (滝代)そうではないんです…。 309 00:29:10,582 --> 00:29:27,032 ♬~ 310 00:29:27,032 --> 00:29:33,405 滝代さん そういうことだったんですね…。 311 00:29:33,405 --> 00:29:53,292 ♬~ 312 00:29:53,292 --> 00:29:56,128 新吉さん。 313 00:29:56,128 --> 00:29:59,998 あの人たちを 見送りに行くんですか? 314 00:29:59,998 --> 00:30:04,002 親分さんに頼まれたの? いいえ。 315 00:30:04,002 --> 00:30:08,974 ただ おいちさんだったら そうするんじゃないかなって。 316 00:30:26,191 --> 00:30:28,660 杉野様。 317 00:30:36,668 --> 00:30:39,171 お話しさせてください。 318 00:30:39,171 --> 00:30:44,342 もう二度と 会うことはないでしょうから。 319 00:31:03,795 --> 00:31:06,965 わびねばならぬだろうな。 320 00:31:10,302 --> 00:31:15,440 味方と偽り 赤子を奪おうとした。 321 00:31:15,440 --> 00:31:19,711 このとおりだ。 322 00:31:26,651 --> 00:31:30,322 これから 私が お話しすることは➡ 323 00:31:30,322 --> 00:31:35,460 ただのざれ言と聞いてくださって 結構です。 324 00:31:35,460 --> 00:31:42,134 でも 杉野様だけには 聞いていただきたくて。 325 00:31:48,340 --> 00:31:56,848 あなた方が 必死で捜していた赤子は お殿様のお子ではありません。 326 00:31:56,848 --> 00:32:03,522 あなたの兄上様のお子です。 327 00:32:05,424 --> 00:32:09,628 何だと…? 何の証しもないお話です。 328 00:32:09,628 --> 00:32:14,299 でも 私は そう信じております。 329 00:32:16,501 --> 00:32:19,805 なぜ そのような…。 330 00:32:19,805 --> 00:32:28,513 滝代さんは 懐妊される前 気うつとなり お宿下がりをされたそうですね。 331 00:32:28,513 --> 00:32:35,153 その折に 兄上様と 結ばれたのではないでしょうか。 332 00:32:35,153 --> 00:32:39,324 そして 身ごもられた。 333 00:32:41,927 --> 00:32:48,466 滝代さんは これを 産着やお金と一緒に➡ 334 00:32:48,466 --> 00:32:53,438 肌身離さず 大切に持ち歩かれていました。 335 00:32:58,009 --> 00:33:01,479 (小十郎)これは 兄上の…。 336 00:33:03,615 --> 00:33:07,786 兄上様は 追っ手を払われただけではない。 337 00:33:07,786 --> 00:33:12,290 我が子を守られたんです。 信じられぬ。 338 00:33:12,290 --> 00:33:16,161 そのようなことは…。 ええ もしかしたら 兄上様も➡ 339 00:33:16,161 --> 00:33:19,631 このことは ご存じなかったのかもしれない。 340 00:33:19,631 --> 00:33:26,137 いいえ… 私が 今 申し上げたことは➡ 341 00:33:26,137 --> 00:33:31,643 やはり 全て ただのざれ言なのかもしれない。 342 00:33:31,643 --> 00:33:40,352 でも 大切なのは 滝代さんは 母として 命を懸けて➡ 343 00:33:40,352 --> 00:33:43,622 赤子を守り抜いたということなんです。 344 00:33:53,665 --> 00:33:57,435 どうぞ お持ちください。 345 00:33:59,537 --> 00:34:05,110 これを証しとして 全て江戸で片がついたと申せば➡ 346 00:34:05,110 --> 00:34:12,384 お国でも 杉野様や皆様のお立場も 安堵されるのではありませんか。 347 00:34:14,119 --> 00:34:19,791 里子に出された赤子の命も。 348 00:34:19,791 --> 00:34:28,300 ♬~ 349 00:34:28,300 --> 00:34:31,136 お使いください。 350 00:34:31,136 --> 00:34:36,308 殺すのではなく 生きるために。 351 00:34:40,445 --> 00:34:42,981 生きる…。 352 00:34:42,981 --> 00:35:59,524 ♬~ 353 00:35:59,524 --> 00:36:03,294 ずっと お医者は すごいと思ってたんです。 354 00:36:03,294 --> 00:36:05,930 そうなの? 355 00:36:05,930 --> 00:36:10,769 でも 近頃 ちょっと… ほんのちょっとですけど➡ 356 00:36:10,769 --> 00:36:15,273 俺の仕事に似てるんじゃないかなって。 357 00:36:15,273 --> 00:36:18,176 新吉さんの? 358 00:36:18,176 --> 00:36:23,148 かんざしって 昔は魔よけだったんですよ。 お守りだったんです。 359 00:36:23,148 --> 00:36:25,283 へえ~。 360 00:36:25,283 --> 00:36:30,422 だから かんざしは ただ きれいなだけじゃ駄目なんです。 361 00:36:30,422 --> 00:36:33,892 命がなくっちゃ。 362 00:36:37,629 --> 00:36:43,501 新吉さん 私に また かんざし 作ってくれる? 363 00:36:43,501 --> 00:36:47,138 この前 差し上げたかんざしじゃあ お気に召しませんでしたか? 364 00:36:47,138 --> 00:36:50,041 ううん。 大切にしてる。 365 00:36:50,041 --> 00:36:59,451 でも いつも さしておけるような そういう お守りが欲しいなって。 366 00:36:59,451 --> 00:37:04,222 新吉さんに作ってほしいなって…。 367 00:37:08,593 --> 00:37:11,262 こさえてくれる? 368 00:37:14,265 --> 00:37:16,768 はい! 369 00:37:16,768 --> 00:38:04,082 ♬~ 370 00:38:04,082 --> 00:38:11,055 ほう~ きれいなもんだな 星というのは。 371 00:38:13,258 --> 00:38:20,732 滝代さんを見つけた夜も こうして空を見上げてた。 372 00:38:23,601 --> 00:38:33,077 あれから 十助ちゃんが生まれて 滝代さんが亡くなって…。 373 00:38:35,113 --> 00:38:38,950 あんなに いろんなことがあったのに➡ 374 00:38:38,950 --> 00:38:47,659 あっという間に 何もかも 遠くのことになっちゃった…。 375 00:38:47,659 --> 00:38:50,662 そんなことはない。 376 00:38:50,662 --> 00:38:55,834 お前は 命をつないだ。 377 00:38:58,303 --> 00:39:05,777 滝代さんから 十助へ。 そして おきくさんへ。 378 00:39:14,252 --> 00:39:17,088 お父っつぁま。 ん? 379 00:39:17,088 --> 00:39:23,261 私 女のためのお医者になりたい。 380 00:39:26,397 --> 00:39:32,604 ずっと考えていたの。 滝代さんのような人が➡ 381 00:39:32,604 --> 00:39:39,110 十助ちゃんのような子が どんな事情があっても➡ 382 00:39:39,110 --> 00:39:47,619 安心して子を産める… 育つことのできる そういう場所を作りたい。 383 00:39:47,619 --> 00:39:50,521 やめておけ。 384 00:39:50,521 --> 00:39:53,791 なぜ…? 385 00:39:53,791 --> 00:40:00,265 心も体も 苦しいことが増える。 386 00:40:02,300 --> 00:40:09,173 背負い切れない思いに 泣く時が必ず来る。 387 00:40:09,173 --> 00:40:12,644 お父っつぁま…。 388 00:40:12,644 --> 00:40:18,449 命の重みが お前を苦しめるくらいなら いっそ…➡ 389 00:40:18,449 --> 00:40:22,987 いっそ 医者になぞ…。 私も➡ 390 00:40:22,987 --> 00:40:27,258 そうやって生まれてきたの。 391 00:40:31,996 --> 00:40:35,667 両国橋の荒物屋で生まれて➡ 392 00:40:35,667 --> 00:40:43,341 おっ母様に育てられて お父っつぁまと長屋で暮らして…。 393 00:40:43,341 --> 00:40:48,012 そうやって生きてきた。 394 00:40:49,681 --> 00:40:55,486 お父っつぁまと おっ母様に教わったように➡ 395 00:40:55,486 --> 00:41:02,627 命だけじゃない。 思いをつなぐ。 396 00:41:02,627 --> 00:41:08,599 私は そういうお医者になる。 397 00:41:12,970 --> 00:41:16,007 分かった。 398 00:41:16,007 --> 00:41:29,153 ♬~ 399 00:41:29,153 --> 00:41:34,625 きれいな星だ。 ええ。 400 00:41:36,828 --> 00:41:41,666 思うさま見上げたら 前を向け。 401 00:41:41,666 --> 00:41:44,936 お父っつぁま。 402 00:41:47,538 --> 00:42:07,825 ♬~ 403 00:42:07,825 --> 00:42:10,828 (おうた)おや 何事だい? ああ 義姉さん 申し訳ない。 404 00:42:10,828 --> 00:42:13,131 神社の石段から 子供が転げ落ちた。 405 00:42:13,131 --> 00:42:16,634 ああ いいんだよ。 お前さんはいなくても。 おいち 行くぞ! 406 00:42:16,634 --> 00:42:19,303 はい! (おうた)おいち おいち。 407 00:42:19,303 --> 00:42:22,807 あっ 伯母さん。この先のね 袋物を扱う店の若旦那がね…。 408 00:42:22,807 --> 00:42:24,742 伯母さん ごめん。 409 00:42:24,742 --> 00:42:27,678 あっ… おいち~! 410 00:42:27,678 --> 00:42:31,149 う~ん いい話なのに! 411 00:42:31,149 --> 00:42:40,324 ♬~ 412 00:42:40,324 --> 00:42:42,593 (女の声)助けて…!