1 00:00:32,399 --> 00:00:34,399 (セミの鳴き声) 2 00:00:36,403 --> 00:00:38,405 (森山顔太郎)では これから→ 3 00:00:38,405 --> 00:00:40,407 絵を描きに 外に出かけてもらいます。 4 00:00:40,407 --> 00:00:42,409 大事な事は→ 5 00:00:42,409 --> 00:00:45,412 皆さんが描きたいと 一番 思ったものに→ 6 00:00:45,412 --> 00:00:49,412 真剣に向き合って描く という事です。 7 00:00:50,417 --> 00:00:53,420 よろしいですか? (生徒たち)はい。 8 00:00:53,420 --> 00:00:59,426 ♬~ 9 00:00:59,426 --> 00:01:03,430 それでは 出発しましょう。 はい。 10 00:01:03,430 --> 00:01:08,435 ♬~ 11 00:01:08,435 --> 00:01:17,435 (生徒たちの話し声) 12 00:01:20,447 --> 00:01:22,447 (甘利田幸男)うるさい。 13 00:01:39,400 --> 00:01:41,400 〈私は この生徒が…〉 14 00:01:44,405 --> 00:01:49,410 (森山)〈私は この2人が苦手だ〉 15 00:01:49,410 --> 00:01:52,413 〈この生徒 どうもつかめない〉 16 00:01:52,413 --> 00:01:56,417 〈私の授業を聞いているのか 聞いていないのか→ 17 00:01:56,417 --> 00:02:00,417 興味があるのか ないのか…〉 18 00:02:01,422 --> 00:02:03,424 (森山)〈まだ見てる〉 19 00:02:03,424 --> 00:02:06,427 〈この教師は もっとつかめない〉 20 00:02:06,427 --> 00:02:09,427 〈なぜ 彼は この生徒を にらんでいるんだ?〉 21 00:02:19,440 --> 00:02:21,442 (森山)〈この2人には→ 22 00:02:21,442 --> 00:02:27,442 この2人にしか見えない風景が あるように思えてならない〉 23 00:02:30,451 --> 00:02:33,387 (森山)どうですか? 24 00:02:33,387 --> 00:02:35,387 いい感じ? 25 00:02:57,411 --> 00:03:00,414 (森山)はあ~ 素晴らしいですねえ。 26 00:03:00,414 --> 00:03:03,417 もっともっと イメージ 膨らましていきましょう。 27 00:03:03,417 --> 00:03:06,420 その調子ですよ う~ん。 28 00:03:06,420 --> 00:03:09,423 (森山)〈やはり 絵は面白い!〉 29 00:03:09,423 --> 00:03:13,427 〈同じモチーフでも三者三様の 絵が出来上がっていく!〉 30 00:03:13,427 --> 00:03:16,430 〈見え方が違うのか? 感じ方が違うのか?〉 31 00:03:16,430 --> 00:03:19,433 〈人は 見たいものを見る 見たいものを描く!〉 32 00:03:19,433 --> 00:03:21,435 ナイス 素晴らしい。 33 00:03:21,435 --> 00:03:24,438 (児嶋哲雄)また動いた…。 ああ 駄目だ 駄目だ。 34 00:03:24,438 --> 00:03:27,441 (哲雄)ちょっ… 押さえてろ。 (藤田和夫)早く描いてよ。 35 00:03:27,441 --> 00:03:29,443 (哲雄)あっ 駄目だ。 また動いた また動いた…。 36 00:03:29,443 --> 00:03:32,379 (森山) 〈こいつは 何してるんだ?〉 37 00:03:32,379 --> 00:03:35,379 何をしていますか? 38 00:03:36,383 --> 00:03:40,387 (高橋道也)蟷螂拳。 なぜ 今 カマキリのまねを? 39 00:03:40,387 --> 00:03:42,389 先生 それは違います。 40 00:03:42,389 --> 00:03:45,392 カマキリが 私のまねをしているんです。 41 00:03:45,392 --> 00:03:47,394 なるほど。 42 00:03:47,394 --> 00:03:52,394 高橋くん 今は写生の時間です。 絵を描いてください。 43 00:03:54,401 --> 00:03:56,403 今 写せる… 今 ほらほら…。 44 00:03:56,403 --> 00:03:58,405 顔しか写せない そんなんじゃ。 45 00:03:58,405 --> 00:04:00,407 顔描けばいい…。 顔だけ 顔だけ…。 46 00:04:00,407 --> 00:04:02,409 (森山)お二人は 全然進んでませんねえ。 47 00:04:02,409 --> 00:04:05,412 だって こいつ 動くんすよ! (森山)生きてますからー! 48 00:04:05,412 --> 00:04:13,420 ♬~ 49 00:04:13,420 --> 00:04:16,423 絵は描き終えたんですか? 50 00:04:16,423 --> 00:04:19,426 (大山陽一郎)まだです。 モデルになってます。 51 00:04:19,426 --> 00:04:28,426 ♬~ 52 00:04:36,376 --> 00:04:41,381 (森山)〈このクラスは 一癖も二癖もある生徒ばかりだ〉 53 00:04:41,381 --> 00:04:43,383 〈原因は 担任か?〉 54 00:04:43,383 --> 00:04:46,386 〈甘利田幸男…〉 55 00:04:46,386 --> 00:04:48,388 〈どういう指導をすれば→ 56 00:04:48,388 --> 00:04:51,391 こんなバラエティー豊かな クラスになるんだ!〉 57 00:04:51,391 --> 00:04:56,396 〈皆 奔放すぎて 評価の基準が定まらない〉 58 00:04:56,396 --> 00:05:00,400 〈ああ… やっぱり 私は→ 59 00:05:00,400 --> 00:05:05,400 甘利田幸男… あの人が苦手だ〉 60 00:05:07,407 --> 00:05:12,412 (森山)〈そして この神野ゴウ〉 61 00:05:12,412 --> 00:05:14,414 〈…ん?〉 62 00:05:14,414 --> 00:05:18,418 〈思ったより まともな絵を 描いているじゃないか〉 63 00:05:18,418 --> 00:05:23,418 〈ん? なんだ? これは…〉 64 00:05:24,424 --> 00:05:26,424 (森山)〈なんなんだ!? これは!〉 65 00:05:28,428 --> 00:05:30,430 (チャイム) (森山)はあ…。 66 00:05:30,430 --> 00:05:33,367 来週 残りの彩色をしてもらいます。 67 00:05:33,367 --> 00:05:35,369 (千葉秀和)起立。 68 00:05:35,369 --> 00:05:37,371 (チャイム) 69 00:05:37,371 --> 00:05:40,374 (岡田花子)気をつけ。 (千葉)礼。 70 00:05:40,374 --> 00:05:49,374 (チャイム) 71 00:05:53,387 --> 00:05:55,389 (御園ひとみ)あっ…。 (森山)はあ…。 72 00:05:55,389 --> 00:05:57,391 お疲れさま。 お疲れさまです。 73 00:05:57,391 --> 00:06:00,394 1人? はい。 森山先生 汗すごいですね。 74 00:06:00,394 --> 00:06:04,398 ああ… さっきまで ずっと 外にいたものですから ハハハ…。 75 00:06:04,398 --> 00:06:06,400 ああ~ 写生ですか? ええ。 76 00:06:06,400 --> 00:06:08,402 相変わらず1組は 個性派ぞろいですねえ。 77 00:06:08,402 --> 00:06:10,404 あっ 何かご迷惑を…? 78 00:06:10,404 --> 00:06:12,406 いや 別に 変な意味じゃないんですけれど。 79 00:06:12,406 --> 00:06:15,409 みんな 特徴的な絵を描くなと 思いまして。 ハハハハ…。 80 00:06:15,409 --> 00:06:19,413 ああ そうですか…。 出来上がったら見たいですね。 81 00:06:19,413 --> 00:06:21,415 もちろんですよ。 そんな所に座るな。 82 00:06:21,415 --> 00:06:23,417 シャツ 中に入れろ! 83 00:06:23,417 --> 00:06:25,419 ああ… フフフフ…。 84 00:06:25,419 --> 00:06:29,423 名札。 …眼鏡 拭いとけ。 曇ってる。 85 00:06:29,423 --> 00:06:32,359 (森山)甘利田先生。 はい。 86 00:06:32,359 --> 00:06:35,362 このあとって 授業ですか? 87 00:06:35,362 --> 00:06:37,364 いえ。 88 00:06:37,364 --> 00:06:40,367 ちょっと お時間よろしいですか? 89 00:06:40,367 --> 00:06:42,367 はい。 90 00:06:51,378 --> 00:06:53,378 どうぞ。 91 00:06:55,382 --> 00:06:57,384 …で? 92 00:06:57,384 --> 00:07:00,387 ああっ あの…→ 93 00:07:00,387 --> 00:07:02,389 先生のクラスに→ 94 00:07:02,389 --> 00:07:06,393 神野ゴウという生徒 いらっしゃいますよね。 95 00:07:06,393 --> 00:07:08,393 神野がどうかしましたか? 96 00:07:09,396 --> 00:07:11,398 ずばりお聞きします。 97 00:07:11,398 --> 00:07:15,402 彼 どういう生徒なんですか? 98 00:07:15,402 --> 00:07:18,405 どうと言われましても…。 99 00:07:18,405 --> 00:07:27,405 ♬~ 100 00:07:29,416 --> 00:07:32,352 普通だと思いますが…。 101 00:07:32,352 --> 00:07:36,356 いや あの… 先ほど 写生の時間で 公園で絵を描いていたんです。 102 00:07:36,356 --> 00:07:38,358 写生ですよ? ええ。 103 00:07:38,358 --> 00:07:42,362 なのに 彼の描いた絵は ちょっと その…→ 104 00:07:42,362 --> 00:07:44,364 変なんです。 変? 105 00:07:44,364 --> 00:07:46,366 う~ん なんていいますか その…→ 106 00:07:46,366 --> 00:07:49,366 シュールなんですよね。 107 00:07:50,370 --> 00:07:53,370 シュールレアリスムの シュールですか? 108 00:07:55,375 --> 00:07:58,378 シュールレアリスムとは なんですか? 109 00:07:58,378 --> 00:08:02,382 ああ えっと…。 一口じゃ言えませんが→ 110 00:08:02,382 --> 00:08:04,384 幻想的といいますか→ 111 00:08:04,384 --> 00:08:10,384 非合理な潜在意識の表現 といいますか…。 112 00:08:12,392 --> 00:08:15,395 つまり こういう事ですか? (森山)はい? 113 00:08:15,395 --> 00:08:17,397 あいつの絵が ぶっ飛んでいたと…。 114 00:08:17,397 --> 00:08:19,399 そう…。 115 00:08:19,399 --> 00:08:22,402 どう ぶっ飛んでたんですか? 116 00:08:22,402 --> 00:08:25,402 ちょっと待ってくださいね! すぐお持ちしますから! 117 00:08:34,347 --> 00:08:37,350 なんですか…? 先生は 絵にお詳しいんですか? 118 00:08:37,350 --> 00:08:39,352 いや それほどでも…。 119 00:08:39,352 --> 00:08:42,355 料理が得意で絵に詳しい国語教師。 なんで まとめたんですか…。 120 00:08:42,355 --> 00:08:44,357 独身。 それは余計です。 121 00:08:44,357 --> 00:08:46,359 あっ。 なんですか? 122 00:08:46,359 --> 00:08:48,359 あと お節介。 大きなお世話です! 123 00:10:26,359 --> 00:10:31,364 ♬~ 124 00:10:31,364 --> 00:10:35,364 この絵の意味 何か思い当たりました? 125 00:10:36,369 --> 00:10:39,372 確かに シュールですね。 126 00:10:39,372 --> 00:10:41,374 ああ…。 127 00:10:41,374 --> 00:10:45,378 これがシュール… なんとかですか? 128 00:10:45,378 --> 00:10:48,381 そう言っていいと思います。 129 00:10:48,381 --> 00:10:51,384 これ 公園で描いたんですよね? 130 00:10:51,384 --> 00:10:53,386 そうなんです。 131 00:10:53,386 --> 00:10:56,389 写生ですから 言葉のごとく 生を写し取るというわけで→ 132 00:10:56,389 --> 00:10:58,391 そういった意味で言いますと これは…。 133 00:10:58,391 --> 00:11:01,394 こいつは ふざけてると。 いや…→ 134 00:11:01,394 --> 00:11:04,397 絵ですから もちろん 自由に 描いてもらって構わないんです。 135 00:11:04,397 --> 00:11:06,399 ただ…→ 136 00:11:06,399 --> 00:11:10,403 この絵の意味 甘利田先生でしたら→ 137 00:11:10,403 --> 00:11:13,406 ピンとくるんじゃないかなと 思いまして…。 138 00:11:13,406 --> 00:11:15,408 なぜ 私がピンとくるんですか? 139 00:11:15,408 --> 00:11:18,411 甘利田先生と神野くん お二人には→ 140 00:11:18,411 --> 00:11:25,418 2人だけに見えている風景 …があるような気がしまして。 141 00:11:25,418 --> 00:11:27,420 2人の風景…。 142 00:11:27,420 --> 00:11:29,422 いや~…→ 143 00:11:29,422 --> 00:11:34,422 皆目 見当がつきませんが…。 144 00:11:35,362 --> 00:11:45,372 (チャイム) 145 00:11:45,372 --> 00:11:48,375 (宇田川 晃)神野! 机 動かせよ! 146 00:11:48,375 --> 00:12:01,388 ♬~ 147 00:12:01,388 --> 00:12:03,390 なんで 入れんだよ! 148 00:12:03,390 --> 00:12:05,392 なんで? それは ないだろ。 149 00:12:05,392 --> 00:12:07,394 入れないよな? 入れないよな? 150 00:12:07,394 --> 00:12:14,401 ♬~ 151 00:12:14,401 --> 00:12:18,405 ♬~(一同) 「青雲うつる まなざしで」 152 00:12:18,405 --> 00:12:22,409 ♬~「汗して挑む 若人よ」 153 00:12:22,409 --> 00:12:28,415 ♬~「ブンブン鍛えよ 育む健康」 154 00:12:28,415 --> 00:12:36,356 ♬~「常節のちから とこしえに」 155 00:12:36,356 --> 00:12:45,365 ♬~「ああ常節 常節中学校」 156 00:12:45,365 --> 00:12:47,365 ♬~ 157 00:12:48,368 --> 00:12:50,370 (花子)手を合わせてください。 158 00:12:50,370 --> 00:12:52,372 (2人)せーの…。 159 00:12:52,372 --> 00:12:54,374 いただきます。 160 00:12:54,374 --> 00:12:56,374 (一同)いただきます。 161 00:13:00,380 --> 00:13:07,387 ♬~ 162 00:13:07,387 --> 00:13:10,390 〈今日のメインは酢豚だ〉 163 00:13:10,390 --> 00:13:13,393 〈油で揚げた豚肉と 素揚げした野菜に→ 164 00:13:13,393 --> 00:13:15,395 甘酢のあんをかけた中華料理〉 165 00:13:15,395 --> 00:13:18,398 〈揚げた肉に あんをかける事で 冷めにくくなるので→ 166 00:13:18,398 --> 00:13:21,401 こういう熱々の料理は 給食には珍しい〉 167 00:13:21,401 --> 00:13:24,404 〈やはり 熱々のおかずは嬉しい〉 168 00:13:24,404 --> 00:13:27,407 〈だが すぐにメインに 飛びついたりはしない〉 169 00:13:27,407 --> 00:13:30,407 〈まずは この2品〉 170 00:13:31,344 --> 00:13:33,346 〈もやしの中華サラダ〉 171 00:13:33,346 --> 00:13:44,357 ♬~ 172 00:13:44,357 --> 00:13:47,360 〈そして 中華スープ〉 173 00:13:47,360 --> 00:13:56,369 ♬~ 174 00:13:56,369 --> 00:13:58,371 〈シンプル イズ ベスト〉 175 00:13:58,371 --> 00:14:00,373 〈中華には中華〉 176 00:14:00,373 --> 00:14:03,376 〈このスープに このもやし〉 177 00:14:03,376 --> 00:14:06,379 〈どちらも給食ならではの 優しい塩加減〉 178 00:14:06,379 --> 00:14:08,381 〈相性良し〉 179 00:14:08,381 --> 00:14:11,384 〈なんなら 最初からスープの中に もやしが入ったものでも→ 180 00:14:11,384 --> 00:14:13,386 よかったんじゃないか?〉 181 00:14:13,386 --> 00:14:16,389 〈…というのは 浅はかな考え方だ〉 182 00:14:16,389 --> 00:14:21,394 〈そう。 給食センターはわかってる〉 183 00:14:21,394 --> 00:14:23,396 〈汁物とサラダに分ける事で→ 184 00:14:23,396 --> 00:14:27,400 品数が増えて 給食がより豊かになるのだ〉 185 00:14:27,400 --> 00:14:29,402 (和夫)鈴木 何やってんだよ! 186 00:14:29,402 --> 00:14:32,338 おい… おいおい…。 (道也)えっ えっ…。 187 00:14:32,338 --> 00:14:34,340 (鈴木壮一)こうしたほうが 一石二鳥でしょ? 188 00:14:34,340 --> 00:14:38,344 〈ああ… やっぱり やる奴がいた〉 189 00:14:38,344 --> 00:14:41,347 〈これのどこが一石二鳥だ!?〉 190 00:14:41,347 --> 00:14:43,349 〈一石二鳥というのは→ 191 00:14:43,349 --> 00:14:45,351 1つの行為から 2つの利益を得る事だろう〉 192 00:14:45,351 --> 00:14:47,353 〈あいつのやってる事は→ 193 00:14:47,353 --> 00:14:49,355 2つの料理を 無駄に1つにまとめただけで→ 194 00:14:49,355 --> 00:14:51,357 不利益しか生んでない〉 195 00:14:51,357 --> 00:14:54,360 〈サラダ用に酢を多めに混ぜた もやしをぶち込んだところで→ 196 00:14:54,360 --> 00:14:57,363 スープの具には なり得ない〉 197 00:14:57,363 --> 00:15:00,366 〈酸っぱい酢豚に 酸っぱいスープで→ 198 00:15:00,366 --> 00:15:03,369 ダブル酸っぱい給食に 成り下がっただけだ〉 199 00:15:03,369 --> 00:15:05,369 〈ご愁傷さま〉 200 00:15:08,374 --> 00:15:11,374 〈いよいよ 酢豚に取りかか…〉 201 00:15:13,379 --> 00:15:15,381 パイナップル…? 202 00:15:15,381 --> 00:15:17,383 〈はっ… そうだ!〉 203 00:15:17,383 --> 00:15:20,386 〈うちの給食の酢豚は 清王朝方式だった〉 204 00:15:20,386 --> 00:15:24,390 〈今から100年ほど前 中国は清という国だった〉 205 00:15:24,390 --> 00:15:28,394 〈その頃に登場したのが このパイナップル入りの酢豚だ〉 206 00:15:28,394 --> 00:15:30,396 〈一説によると→ 207 00:15:30,396 --> 00:15:34,334 当時 パイナップルは 今では考えられないくらい希少で→ 208 00:15:34,334 --> 00:15:37,337 値段も馬鹿高かったらしく→ 209 00:15:37,337 --> 00:15:40,340 それを酢豚に入れれば 高級感が出るだろうと→ 210 00:15:40,340 --> 00:15:43,340 レシピに導入されたとか〉 211 00:15:44,344 --> 00:15:47,347 〈酢豚とパイナップル…〉 212 00:15:47,347 --> 00:15:50,350 〈それにしても この組み合わせ→ 213 00:15:50,350 --> 00:15:53,353 まだまだ食い物ビギナーの 子どもたちには→ 214 00:15:53,353 --> 00:15:57,353 いささか敷居が高い料理では ないだろうか?〉 215 00:15:58,358 --> 00:16:00,360 〈私だって こいつらくらいの頃は→ 216 00:16:00,360 --> 00:16:02,362 この組み合わせが 不可解でならなかった〉 217 00:16:02,362 --> 00:16:04,364 〈甘いんだか 酸っぱいんだか おかず食ってんだか→ 218 00:16:04,364 --> 00:16:07,367 デザート食ってんだか なんなのか わけがわからなくなり→ 219 00:16:07,367 --> 00:16:10,370 口の中が パニックになったものだ〉 220 00:16:10,370 --> 00:16:13,373 〈清王朝から100年続いた 食習慣の→ 221 00:16:13,373 --> 00:16:15,373 やめ時を失ったとしか 言いようがない〉 222 00:16:19,379 --> 00:16:21,381 〈だが 今は違う〉 223 00:16:21,381 --> 00:16:27,387 ♬~ 224 00:16:27,387 --> 00:16:29,387 〈うまい…!〉 225 00:16:31,324 --> 00:16:33,324 〈…と思う〉 226 00:16:37,330 --> 00:16:40,333 〈そう これはうまい!〉 227 00:16:40,333 --> 00:16:42,333 〈…はず〉 228 00:16:43,336 --> 00:16:46,339 〈パイナップルが 不可欠とまではいかないが→ 229 00:16:46,339 --> 00:16:49,339 食ったら食ったで とってもうまい!〉 230 00:16:52,345 --> 00:16:54,345 〈…気がする〉 231 00:16:55,348 --> 00:16:57,350 (哲雄)なんで こんなのが入ってんだよ。 232 00:16:57,350 --> 00:17:00,353 意味わかんねえよ! (和夫)母親が言ってたんだけどさ→ 233 00:17:00,353 --> 00:17:03,356 パイナップルを入れると 肉がやわらかくなるらしいよ。 234 00:17:03,356 --> 00:17:05,358 だったら 硬えほうがいいよ。 235 00:17:05,358 --> 00:17:07,360 (机をたたく音) 236 00:17:07,360 --> 00:17:10,363 〈いや~ それは 実は 間違いなのだ〉 237 00:17:10,363 --> 00:17:12,365 〈世間は誤解をしている。 パイナップルは→ 238 00:17:12,365 --> 00:17:15,368 肉をやわらかくするために 導入されたわけではない〉 239 00:17:15,368 --> 00:17:18,371 〈確かに パイナップルに 含まれている酵素には→ 240 00:17:18,371 --> 00:17:20,373 肉をやわらかくする効果がある〉 241 00:17:20,373 --> 00:17:22,375 〈だが その効果は→ 242 00:17:22,375 --> 00:17:24,377 60度以上で調理すると 消えてしまう〉 243 00:17:24,377 --> 00:17:27,380 〈ましてや この給食に入ってる パイナップルは→ 244 00:17:27,380 --> 00:17:29,382 缶詰パイナップルだ〉 245 00:17:29,382 --> 00:17:32,318 〈すでに 熱処理が施されているので→ 246 00:17:32,318 --> 00:17:34,320 効果は皆無だ〉 247 00:17:34,320 --> 00:17:39,325 〈しかし 酢豚にパイナップルの 良しあしではないんだ〉 248 00:17:39,325 --> 00:17:41,327 〈酢豚のパイナップルを 余裕で食べる→ 249 00:17:41,327 --> 00:17:43,329 大人でなければならない〉 250 00:17:43,329 --> 00:17:49,329 〈そこが 子どもとは違うのだよ 子どもとは…〉 251 00:17:50,336 --> 00:17:52,338 〈いざ!〉 252 00:17:52,338 --> 00:17:56,342 〈ニンジン 玉ねぎ しいたけ たけのこ ピーマン〉 253 00:17:56,342 --> 00:17:58,344 〈酢豚の魅力は→ 254 00:17:58,344 --> 00:18:02,348 豚肉と これら野菜たちとの相性 である事も忘れてはならない〉 255 00:18:02,348 --> 00:18:05,351 〈うまみを油で閉じ込めた豚肉→ 256 00:18:05,351 --> 00:18:07,353 うまみを油で閉じ込めた野菜→ 257 00:18:07,353 --> 00:18:11,357 この2つが口の中で絡まり 絶妙な風味が広がる〉 258 00:18:11,357 --> 00:18:15,361 〈それが 豚肉だけ食べても 味わう事のできない→ 259 00:18:15,361 --> 00:18:18,361 酢豚本来の魅力なのだ〉 260 00:18:19,365 --> 00:18:22,368 〈スープや もやしとの 相性もいい〉 261 00:18:22,368 --> 00:18:25,371 〈これらの数列組み合わせで→ 262 00:18:25,371 --> 00:18:29,375 酢豚は 無限の広がりを見せるのだ〉 263 00:18:29,375 --> 00:18:43,322 ♬~ 264 00:18:43,322 --> 00:18:45,322 〈ごちそうさまでした〉 265 00:18:46,325 --> 00:18:48,325 ああ…。 266 00:20:03,369 --> 00:20:06,369 〈あっ あいつ…!〉 267 00:20:09,375 --> 00:20:12,378 〈まさかの好き嫌い!?〉 268 00:20:12,378 --> 00:20:16,382 〈あっ… ああっ… ど… どういう事だ?〉 269 00:20:16,382 --> 00:20:20,386 〈奴は いつでも 想像の斜め前を走っていた〉 270 00:20:20,386 --> 00:20:24,390 〈いや これはこれで 斜め前を走っているが→ 271 00:20:24,390 --> 00:20:26,390 なんか違う…〉 272 00:20:30,396 --> 00:20:32,396 (神野ゴウ)ごちそうさまでした。 273 00:20:33,399 --> 00:20:35,401 〈そうか…〉 274 00:20:35,401 --> 00:20:39,405 〈あれは… あの絵は→ 275 00:20:39,405 --> 00:20:43,409 パイナップルに対する 贖罪だったのか…〉 276 00:20:43,409 --> 00:20:46,412 これ 誰ですかね…? 277 00:20:46,412 --> 00:20:48,414 (森山)子どものようにも見えます。 278 00:20:48,414 --> 00:20:52,418 顔の前にパイナップルがあるのは なぜでしょうか? 279 00:20:52,418 --> 00:20:54,420 う~ん…。 280 00:20:54,420 --> 00:20:59,425 人は 見たいものを見て 見せたいものを描く。 281 00:20:59,425 --> 00:21:01,427 だが 彼は→ 282 00:21:01,427 --> 00:21:05,431 見せたくないものを 描かざるを得なかった。 283 00:21:05,431 --> 00:21:08,431 顔を見せたくない…? 284 00:21:10,436 --> 00:21:14,440 〈奴は 今日の献立が 酢豚である事を認識していた〉 285 00:21:14,440 --> 00:21:17,443 〈そして その中に パイナップルが入っている事も→ 286 00:21:17,443 --> 00:21:19,443 予見していた〉 287 00:21:20,446 --> 00:21:23,449 〈子どもの味覚では 理解の埒外にある→ 288 00:21:23,449 --> 00:21:26,452 おかずに果物という感覚〉 289 00:21:26,452 --> 00:21:30,452 〈奴は どうしても 受け入れられなかった…〉 290 00:21:31,390 --> 00:21:34,390 〈その事が 最初から わかっていた〉 291 00:21:37,396 --> 00:21:40,396 〈奴は 給食に 全身全霊をかけている〉 292 00:21:42,401 --> 00:21:46,405 〈これまでだって 苦手なメニューはあっただろう〉 293 00:21:46,405 --> 00:21:52,411 〈でも 奴は奴なりの方法論で その難題をクリアしてきた〉 294 00:21:52,411 --> 00:21:58,417 〈しかし 酢豚にパイナップルだけは→ 295 00:21:58,417 --> 00:22:00,417 難攻不落だった〉 296 00:22:01,420 --> 00:22:03,422 〈あの絵は→ 297 00:22:03,422 --> 00:22:07,426 残す事が決定している パイナップルへの贖罪だ〉 298 00:22:07,426 --> 00:22:11,430 〈まさに 食材への贖罪〉 299 00:22:11,430 --> 00:22:16,435 〈あそこに描いてあった人物は 奴本人に他ならない〉 300 00:22:16,435 --> 00:22:21,440 〈あのパイナップルの裏で あの人物は…→ 301 00:22:21,440 --> 00:22:26,445 いや… 奴は→ 302 00:22:26,445 --> 00:22:28,445 泣いているのだ〉 303 00:22:30,449 --> 00:22:34,387 〈給食は 私や奴にとって→ 304 00:22:34,387 --> 00:22:39,392 学校生活において 最も輝きを放つ光だ〉 305 00:22:39,392 --> 00:22:44,392 〈その光から 奴は 初めて背を向けた〉 306 00:22:45,398 --> 00:22:50,403 〈だが 泣き顔を 見せるわけにはいかない〉 307 00:22:50,403 --> 00:22:53,406 〈身勝手な都合で 犠牲になったものたちに→ 308 00:22:53,406 --> 00:22:57,406 合わせる顔など あるはずがない…〉 309 00:22:59,412 --> 00:23:03,416 〈なんという すさまじい給食愛だ…〉 310 00:23:03,416 --> 00:23:07,416 〈敵ながらあっぱれと 言わざるを得ない〉 311 00:23:13,426 --> 00:23:18,431 〈今日 私は奴に 勝ったんだろうか…〉 312 00:23:18,431 --> 00:23:21,434 〈酢豚にパイナップルを 軽々クリアするのが→ 313 00:23:21,434 --> 00:23:24,437 大人の証しと息巻いて→ 314 00:23:24,437 --> 00:23:29,442 美味しさとは別の地平で 勝負していたのではないか…〉 315 00:23:29,442 --> 00:23:35,381 〈だとしたら それは…→ 316 00:23:35,381 --> 00:23:39,381 給食道に反する行為 だったのかもしれない…〉 317 00:23:54,400 --> 00:23:56,400 森山先生。 318 00:24:00,406 --> 00:24:03,409 (森山)甘利田先生。 はい…。 319 00:24:03,409 --> 00:24:05,411 神野の この絵ですが…。 320 00:24:05,411 --> 00:24:09,415 やっぱり 何かあるんですか? あっ いや…。 321 00:24:09,415 --> 00:24:12,415 やはり これは 単なる悪ふざけです。 322 00:24:13,419 --> 00:24:15,421 そうでしょうか? 323 00:24:15,421 --> 00:24:17,423 本人に戻して 私のほうで指導します。 324 00:24:17,423 --> 00:24:19,423 ああ いやいや…。 いいんです。 325 00:24:20,426 --> 00:24:24,430 この絵は預かります。 326 00:24:24,430 --> 00:24:30,436 ♬~ 327 00:24:30,436 --> 00:24:32,436 神野。 328 00:24:33,372 --> 00:24:35,372 はい。 329 00:24:38,377 --> 00:24:42,377 この絵 こんなのは写生じゃない。 330 00:24:43,382 --> 00:24:46,382 次の美術の時間で描き直せ。 331 00:24:48,387 --> 00:24:50,387 わかりました。 332 00:24:52,391 --> 00:24:54,391 待て。 333 00:24:57,396 --> 00:25:00,396 これは お前が持ってろ。 334 00:25:01,400 --> 00:25:03,402 この絵だが…→ 335 00:25:03,402 --> 00:25:06,405 私は 嫌いではない。 336 00:25:06,405 --> 00:25:16,415 ♬~ 337 00:25:16,415 --> 00:25:20,419 〈私は 給食が好きだ〉 338 00:25:20,419 --> 00:25:23,422 〈そのために学校に来ていると 言っても過言ではない〉 339 00:25:23,422 --> 00:25:28,427 〈だが そんな事は決して 周りに知られてはならない〉 340 00:25:28,427 --> 00:25:33,427 〈ただ 心の奥底で 給食を愛するのみ〉 341 00:25:36,368 --> 00:25:41,373 〈そんな私と同じ風景を見る男 神野ゴウ〉 342 00:25:41,373 --> 00:25:45,377 〈この戦いは まだまだ続きそうだ〉 343 00:25:45,377 --> 00:25:51,377 ♬~ 344 00:25:57,389 --> 00:25:59,389 「ウメモドキ」…。 345 00:26:00,392 --> 00:26:04,396 えっ…。 ん…? 346 00:26:04,396 --> 00:26:06,398 えっ…。 347 00:26:06,398 --> 00:26:12,404 ♬~ 348 00:26:12,404 --> 00:26:14,406 ん? 349 00:26:14,406 --> 00:26:21,413 ♬~ 350 00:26:21,413 --> 00:26:23,415 先生…。 351 00:26:23,415 --> 00:26:25,415 (ヒグラシの鳴き声) 352 00:26:27,419 --> 00:26:29,421 (体育教師)神野ーっ!! 353 00:26:29,421 --> 00:26:31,357 ホームルームで 席替えの案が出ましたけど…。 354 00:26:31,357 --> 00:26:34,360 でも 私は副担任です。 担任は先生じゃないですか。 355 00:26:34,360 --> 00:26:37,363 先生 ひどくないですか? なんですか? 今日は。 356 00:26:37,363 --> 00:26:40,363 さておき うまい。 頑張りすぎです。 357 00:28:33,312 --> 00:28:35,314 ここまで本気でやるか ってぐらいの振り幅で→ 358 00:28:35,314 --> 00:28:37,314 ブン回してるので…。 359 00:28:40,319 --> 00:28:43,319 ドラマにはなかった ちょっと甘酸っぱいシーンとか…。 360 00:28:53,332 --> 00:28:55,334 驚くような 甘利田とゴウの→ 361 00:28:55,334 --> 00:28:57,334 お芝居に表情が 見れるかなと思います。 362 00:28:58,337 --> 00:29:00,337 (市原)『劇場版 おいしい給食』 頑張って食べてます。