1 00:00:00,960 --> 00:00:02,980 (佐藤良子)じゃあ 説明始めます。 2 00:00:02,980 --> 00:00:05,000 もうちょっと 前 来て。 3 00:00:05,000 --> 00:00:08,000 はい その辺で大丈夫です。 4 00:00:09,040 --> 00:00:12,070 (佐藤)この子の体重は500キロで→ 5 00:00:12,070 --> 00:00:16,110 毎日 大体 40キロのご飯を 食べています。 6 00:00:16,110 --> 00:00:21,160 (佐藤)牛のおっぱいの周りには 太い血管が走っていて→ 7 00:00:21,160 --> 00:00:25,200 たくさんの血液が 豊富な栄養を運びながら→ 8 00:00:25,200 --> 00:00:28,230 おっぱいの中で お乳の成分になります。 9 00:00:28,230 --> 00:00:31,260 (甘利田幸男) 〈初めて 間近で牛を見る〉 10 00:00:31,260 --> 00:00:34,290 〈こいつの乳を 毎日 給食で頂いてると思うと→ 11 00:00:34,290 --> 00:00:37,320 まるで 育ての母に会ったような 感慨を覚える〉 12 00:00:37,320 --> 00:00:39,340 (山田)どうぞ。 (国生道子)1頭から→ 13 00:00:39,340 --> 00:00:42,370 1日 どれぐらいの牛乳が できるんですか? 14 00:00:42,370 --> 00:00:45,400 (山田)大体 25から30リットルくらいです。 15 00:00:45,400 --> 00:00:47,420 (男子生徒)30リットル!? 16 00:00:47,420 --> 00:00:50,450 (佐藤)では これから 何人かに→ 17 00:00:50,450 --> 00:00:53,480 乳搾りを体験してもらおうと 思いますが…。 18 00:00:53,480 --> 00:00:55,500 やってみたい人? (生徒たち)はい! 19 00:00:55,500 --> 00:00:57,500 (男子生徒)やりたい やりたい! (男子生徒)やりたい! 20 00:00:58,530 --> 00:01:01,900 はい 体験する人。 じゃあ 3人ね。 21 00:01:01,900 --> 00:01:08,970 やり方は 中指 薬指 小指の順番に握るだけ。 22 00:01:08,970 --> 00:01:10,990 (女子生徒)おお~ すごい! 23 00:01:10,990 --> 00:01:13,010 (佐藤)これさえできれば→ 24 00:01:13,010 --> 00:01:16,040 勢いよく お乳が飛び出してきます。 25 00:01:16,040 --> 00:01:19,070 (佐藤)おお~ そうそうそう。 うまい うまい うまい。 26 00:01:19,070 --> 00:01:21,070 (山田)ああ いい…。 (佐藤)おお~ いいねえ。 27 00:01:23,110 --> 00:01:26,140 〈こいつら みんな うまいな〉 28 00:01:26,140 --> 00:01:28,160 〈さすが 地元民〉 29 00:01:28,160 --> 00:01:30,180 〈巨大な牛にも動じず→ 30 00:01:30,180 --> 00:01:33,180 よく そんな シャーシャーやれるもんだな〉 31 00:01:34,220 --> 00:01:36,240 先生も どうですか? 32 00:01:36,240 --> 00:01:38,240 いえ 結構。 33 00:01:39,270 --> 00:01:42,270 (粒来ケン)なんでも やってみるといいですよ。 34 00:01:43,310 --> 00:01:46,310 自分のやり方でいいんです。 35 00:01:49,370 --> 00:01:51,370 (山田)おお おお おお…。 (佐藤)おお~! 36 00:01:52,400 --> 00:01:54,400 おお~ お上手です! 37 00:01:55,430 --> 00:01:58,460 このお乳は すごいんですよ。 38 00:01:58,460 --> 00:01:59,810 ここから いろいろ加工されて→ 39 00:01:59,810 --> 00:02:02,840 バターやチーズやヨーグルトに 進化するんです。 40 00:02:02,840 --> 00:02:04,840 (生徒たち)へえ~! 41 00:02:05,870 --> 00:02:07,890 (雷鳴) 42 00:02:07,890 --> 00:02:13,950 〈こいつ… こんなタイミングで 何を思いつきやがった?〉 43 00:02:13,950 --> 00:02:16,980 (佐藤)それじゃあ 皆さん 移動するので→ 44 00:02:16,980 --> 00:02:19,980 いったん 外に出ましょう。 (生徒たち)はーい! 45 00:02:21,020 --> 00:02:23,040 (佐藤)ゆっくりで大丈夫です。 46 00:02:23,040 --> 00:02:33,040 ・~ 47 00:02:50,310 --> 00:02:52,330 〈今日のメニューは→ 48 00:02:52,330 --> 00:02:55,360 ここ 函館ならではのご当地給食 くじら汁〉 49 00:02:55,360 --> 00:02:58,390 〈初めて食べた時は 衝撃を受けたが→ 50 00:02:58,390 --> 00:03:01,760 今や そのクセになる味を 待ち望むようになった〉 51 00:03:01,760 --> 00:03:05,800 〈くじらといえば竜田揚げだった 給食の常識を覆す逸品だ〉 52 00:03:05,800 --> 00:03:09,800 〈そして 地味で見逃されがちな これ…〉 53 00:03:10,850 --> 00:03:14,890 〈サイドメニューの たくあんのごま和え〉 54 00:03:14,890 --> 00:03:17,920 〈これの楽しみ方を 知っている人間は→ 55 00:03:17,920 --> 00:03:19,940 恐らく 私ただ一人〉 56 00:03:19,940 --> 00:03:22,970 〈このメソッドは たくあんを進化させる発明だと→ 57 00:03:22,970 --> 00:03:26,970 私は ひそかに確信している〉 58 00:03:36,100 --> 00:03:38,120 何をしてるんです? 59 00:03:38,120 --> 00:03:40,140 (比留川 愛) あっ 献立を見ています。 60 00:03:40,140 --> 00:03:43,170 そんなもの見続けて 何か あるんですか? 61 00:03:43,170 --> 00:03:46,200 それを探ろうと思いまして。 (ドアの開く音) 62 00:03:46,200 --> 00:03:48,220 (坂爪 勲)甘利田先生。 はい? 63 00:03:48,220 --> 00:03:51,250 ちょっと。 はあ…。 64 00:03:51,250 --> 00:03:54,280 (坂爪)あっ… あと 比留川先生もいいですか? 65 00:03:54,280 --> 00:03:56,300 ええ…。 66 00:03:56,300 --> 00:03:58,300 はい。 67 00:04:01,690 --> 00:04:03,690 失礼します。 68 00:04:04,730 --> 00:04:07,760 (坂爪)今日から転校してきた 峰岸マルコくん。 69 00:04:07,760 --> 00:04:10,790 甘利田先生のクラスで お願いしようかと思って。 70 00:04:10,790 --> 00:04:13,790 わかりました。 (坂爪)まあ かけて。 71 00:04:14,830 --> 00:04:16,850 (峰岸恵美)Relax. Okay? 72 00:04:16,850 --> 00:04:20,890 (坂爪)峰岸くんは 生まれてから ずっとアメリカだったんだけど→ 73 00:04:20,890 --> 00:04:23,920 お父さんの転勤で 初めて 日本に来たそうです。 74 00:04:23,920 --> 00:04:27,920 なのでね まだ あんまり 日本に慣れてないみたいで…。 75 00:04:28,970 --> 00:04:30,990 ああ どうぞ。 76 00:04:30,990 --> 00:04:33,010 あっ…。 77 00:04:33,010 --> 00:04:36,040 (坂爪)甘利田先生なら 生徒さんを よく見てくれますしね→ 78 00:04:36,040 --> 00:04:39,070 なんかトラブルがあっても 大丈夫かなって。 79 00:04:39,070 --> 00:04:41,090 ああ…。 はあ。 80 00:04:41,090 --> 00:04:45,130 あとね 言葉の問題なんですが…。 81 00:04:45,130 --> 00:04:49,170 あっ… 幼少の頃から 日本語は教えていたので→ 82 00:04:49,170 --> 00:04:53,210 聞く事はできるんですけど まだ うまく しゃべれなくて…。 83 00:04:53,210 --> 00:04:55,230 で この際 比留川先生に→ 84 00:04:55,230 --> 00:04:58,260 1組の副担任になってほしいと 思うんですが。 85 00:04:58,260 --> 00:05:00,610 えっ? 86 00:05:00,610 --> 00:05:02,630 (坂爪)峰岸くんとね コミュニケーションも必要だし→ 87 00:05:02,630 --> 00:05:05,660 適任だと思うんですが いかがでしょうか? 88 00:05:05,660 --> 00:05:07,680 私は構いませんが。 89 00:05:07,680 --> 00:05:08,700 うん。 じゃあ 決定! 90 00:05:08,700 --> 00:05:11,730 (恵美)あっ それと… この子 いつまで経っても→ 91 00:05:11,730 --> 00:05:14,760 日本の食べ物に 慣れてくれなくって…。 92 00:05:14,760 --> 00:05:18,800 なので 給食は ご迷惑を おかけするかもしれません。 93 00:05:18,800 --> 00:05:20,800 ほうほう…。 94 00:05:24,860 --> 00:05:28,860 あっ… はい。 わかりました。 (恵美)すみません。 95 00:05:29,910 --> 00:05:34,960 峰岸は ヒアリングはできるが 話すのは まだ不慣れだそうだ。 96 00:05:34,960 --> 00:05:39,000 みんな 協力してやってくれ。 (生徒たち)はい。 97 00:05:39,000 --> 00:05:42,030 それと 今日から 比留川先生に→ 98 00:05:42,030 --> 00:05:45,060 1組の副担任を お願いする事になった。 99 00:05:45,060 --> 00:05:48,090 (男子生徒)えっ! マジ? では ひと言。 100 00:05:48,090 --> 00:05:50,090 はい。 101 00:05:54,150 --> 00:05:58,190 あの… 今日から 英語の授業だけじゃなく→ 102 00:05:58,190 --> 00:06:02,560 ホームルームとかも 1組に入る事になりましたので→ 103 00:06:02,560 --> 00:06:06,560 改めて よろしくお願いします! 104 00:06:07,610 --> 00:06:10,640 (浅葉浩二)愛ちゃーん! (中村 徹)かわいい! 105 00:06:10,640 --> 00:06:12,660 ああっ…! 106 00:06:12,660 --> 00:06:14,660 (教卓をたたく音) 107 00:06:15,700 --> 00:06:17,720 親しき仲にも礼儀あり。 108 00:06:17,720 --> 00:06:20,720 教師に ちゃん付けなど 言語道断だ。 109 00:06:25,800 --> 00:06:29,840 峰岸 お前の席は決めてある。 110 00:06:29,840 --> 00:06:31,840 あそこだ。 111 00:06:32,870 --> 00:06:34,870 (峰岸マルコ)イ… イエス…。 112 00:06:41,960 --> 00:06:46,000 いいか 今日は言ってあったとおり 雑巾提出日だ。 113 00:06:46,000 --> 00:06:48,020 忘れた者はいないな? 114 00:06:48,020 --> 00:06:53,070 ・~ 115 00:06:53,070 --> 00:06:55,090 どうした? 溝渕。 116 00:06:55,090 --> 00:06:58,120 (溝渕泰葉) うちの母親 裁縫できないんで。 117 00:06:58,120 --> 00:07:01,490 裁縫って… 雑巾だぞ。 ちゃんと お願いしたのか? 118 00:07:01,490 --> 00:07:04,520 (浅葉)自分でやれよ。 やった事ねえもん。 119 00:07:04,520 --> 00:07:06,540 やればできる。 ちなみに…→ 120 00:07:06,540 --> 00:07:08,560 私も 1枚 作ってみた。 121 00:07:08,560 --> 00:07:11,590 (生徒たちの笑い声) (浅葉)なんで 赤? 122 00:07:11,590 --> 00:07:13,610 雑巾は 毎日の清掃に欠かせない。 123 00:07:13,610 --> 00:07:16,640 1年に1枚 各家庭から集めるルールだ。 124 00:07:16,640 --> 00:07:18,660 例外は認めん。 125 00:07:18,660 --> 00:07:20,680 やってみます。 126 00:07:20,680 --> 00:07:25,680 手ぬぐい タオル ぼろきれも 重ねて縫えば 進化する。 127 00:07:26,750 --> 00:07:29,780 掃除の時間に活躍する 雑巾となって→ 128 00:07:29,780 --> 00:07:32,810 第二の人生を送る。 129 00:07:32,810 --> 00:07:34,830 感謝して活用しろ。 130 00:07:34,830 --> 00:07:36,830 (生徒たち)はい。 131 00:07:44,930 --> 00:07:46,950 〈う~ん そうだ〉 132 00:07:46,950 --> 00:07:48,970 〈一度 役目を終えたと思ったら→ 133 00:07:48,970 --> 00:07:53,010 そのあと 思わぬ実力を発揮する ケースはある〉 134 00:07:53,010 --> 00:07:55,030 〈今日のたくあんも→ 135 00:07:55,030 --> 00:07:59,070 白米の付け合わせとしての 香の物という役目を全うしつつ→ 136 00:07:59,070 --> 00:08:01,420 第二の人生がある〉 137 00:08:01,420 --> 00:08:04,450 〈それを 私は 広く全国に言いたいが→ 138 00:08:04,450 --> 00:08:07,480 あえて黙っている〉 139 00:08:07,480 --> 00:08:11,520 〈あれは 私だけの特別な秘め事〉 140 00:08:11,520 --> 00:08:13,540 (チャイム) 141 00:08:13,540 --> 00:08:15,540 フッ… ハハハッ…。 142 00:08:16,570 --> 00:08:19,600 (生徒たちの話し声) 143 00:08:19,600 --> 00:08:22,630 (高木 唯)ねえねえ 峰岸くんって 何人なの? 144 00:08:22,630 --> 00:08:24,650 (細川耕一郎)アメリカって 先生 言ってたよ。 145 00:08:24,650 --> 00:08:26,670 (高木)えーっ! (森本陽子)アメリカのどこ? 146 00:08:26,670 --> 00:08:28,690 (本田美紀) ねえ どうして 日本に来たの? 147 00:08:28,690 --> 00:08:30,720 (高木)教えて 教えて 教えて! (細川)アメリカのおいしい食べ物…。 148 00:08:30,720 --> 00:08:34,760 (国生)ねえ 峰岸くん しゃべるの まだ苦手なんだから…。 149 00:08:34,760 --> 00:08:38,800 マルコってさ 『母をたずねて三千里』だよな。 150 00:08:38,800 --> 00:08:40,820 (加藤広志) あっ やっぱり? 思ってた。 151 00:08:40,820 --> 00:08:42,840 (浅葉) じゃあ マルコって呼んでいい? 152 00:08:42,840 --> 00:08:44,860 ヘ… ヘイ。 オッケーです。 153 00:08:44,860 --> 00:08:46,880 オッケー! (生徒たち)おお~! 154 00:08:46,880 --> 00:08:50,880 (女子生徒)マルコ! (女子生徒)かっこいい! 155 00:08:58,060 --> 00:08:59,510 ふう…。 156 00:09:01,350 --> 00:09:02,350 ん…? 157 00:09:21,550 --> 00:09:23,550 くじら…? 158 00:09:24,580 --> 00:09:26,600 くじら汁。 159 00:09:26,600 --> 00:09:28,620 Whale? 160 00:09:28,620 --> 00:09:30,620 うん。 ホエール。 161 00:09:32,490 --> 00:09:35,010 Whaleを食べるの? 162 00:09:35,010 --> 00:09:38,010 うん。 おいしいよ。 163 00:09:39,050 --> 00:09:41,050 I don’t wanna eat it. 164 00:09:41,080 --> 00:09:44,110 (チャイム) 165 00:09:44,110 --> 00:10:02,290 ・~ 166 00:10:02,290 --> 00:10:04,310 どけーっ! わあっ…! 167 00:10:04,310 --> 00:10:06,310 どけ! 168 00:10:10,370 --> 00:10:13,400 (ぶつかる音) シャーッ! 169 00:10:13,400 --> 00:10:15,420 (世戸口 望)これは ここ。 170 00:10:15,420 --> 00:10:18,450 で このちっちゃいの2つが ここと ここ。 171 00:10:18,450 --> 00:10:21,480 ・~ 172 00:10:21,480 --> 00:10:29,560 ・~(一同)「深雪をこえて 春匂う」 173 00:10:29,560 --> 00:10:37,980 ・~「友らと希望の窓ひらく」 174 00:10:37,980 --> 00:10:46,060 ・~「おしもおされぬ忍川よ」 175 00:10:46,060 --> 00:10:53,140 ・~「燃ゆる心の やまつつじ」 176 00:10:53,140 --> 00:11:01,220 ・~「咲いて誇れよ 忍川中学校」 177 00:11:01,220 --> 00:11:03,240 (手が机にぶつかる音) イタッ…! 178 00:11:03,240 --> 00:11:06,270 (松本和徳・渡辺明菜) 手を合わせてください。 179 00:11:06,270 --> 00:11:08,290 せーの… いただきます。 180 00:11:08,290 --> 00:11:11,290 (生徒たち)いただきます。 いただきます…。 181 00:11:13,340 --> 00:11:15,340 いただきます。 182 00:11:20,410 --> 00:11:24,450 〈ご当地給食というものを 私は この地で初めて体験した〉 183 00:11:24,450 --> 00:11:26,470 〈地産地消を味わう事で→ 184 00:11:26,470 --> 00:11:29,500 人は 狂おしいまでの 郷土愛を育む〉 185 00:11:29,500 --> 00:11:31,850 〈今日のメニューは→ 186 00:11:31,850 --> 00:11:34,880 この地のたんぱく源を 長年 支え続けた→ 187 00:11:34,880 --> 00:11:36,900 くじらをふんだんに使った くじら汁に→ 188 00:11:36,900 --> 00:11:41,950 白身魚のフライ 白米 牛乳 ゆで卵 という白物トリオ〉 189 00:11:41,950 --> 00:11:44,980 〈そして 嬉しい たくあんのごま和え〉 190 00:11:44,980 --> 00:11:48,980 〈今日 私は これを デザートとして位置づけている〉 191 00:11:51,040 --> 00:11:53,060 〈刮目〉 192 00:11:53,060 --> 00:12:00,140 ・~ 193 00:12:00,140 --> 00:12:04,180 〈ああ… うまい〉 194 00:12:04,180 --> 00:12:07,210 〈この地に来てよかったと 実感する〉 195 00:12:07,210 --> 00:12:11,250 〈くじらから出るうまみと 野菜から染み出た甘みの相性が→ 196 00:12:11,250 --> 00:12:13,270 素晴らしい〉 197 00:12:13,270 --> 00:12:17,310 〈そして くじら汁に使用する くじらは これだ〉 198 00:12:17,310 --> 00:12:19,330 〈保存食用に塩漬けした くじらの身〉 199 00:12:19,330 --> 00:12:23,330 〈本皮と呼ばれる くじらの背中部分の脂身だ〉 200 00:12:27,410 --> 00:12:32,790 〈う~ん! まさに し・ふ・く!〉 201 00:12:32,790 --> 00:12:34,810 〈噛めば噛むほど うまみがあふれ出る〉 202 00:12:34,810 --> 00:12:37,840 〈最初食べた時は ゴムを噛んでいるようだったが→ 203 00:12:37,840 --> 00:12:40,870 染み出る脂の深みあるコクの とりこになってからは→ 204 00:12:40,870 --> 00:12:44,910 この プルップル コリッコリした 食感がたまらなくなった〉 205 00:12:44,910 --> 00:12:47,940 〈これは 厳しい冬を乗り切るために→ 206 00:12:47,940 --> 00:12:51,980 地元民が編み出した 貴重な養分なのだ〉 207 00:12:51,980 --> 00:12:58,040 〈豆腐 山菜 大根 ねぎ しいたけ 里芋などの野菜と合わせて→ 208 00:12:58,040 --> 00:13:00,060 醤油味で煮込んでいる〉 209 00:13:00,060 --> 00:13:04,060 〈汁物でメシが進むというのが なんとも嬉しいではないか〉 210 00:13:06,130 --> 00:13:09,160 (浅葉)お前ら 今日の給食 普通に食おうとしてるだろ。 211 00:13:09,160 --> 00:13:11,180 ちょっと 見とけ。 (安藤直人)えっ えっ えっ…! 212 00:13:11,180 --> 00:13:14,210 (中村)えーっ! マジで? (浅葉)やっぱ こうだよな! 213 00:13:14,210 --> 00:13:16,230 (男子生徒)味は 味は? 味は? 214 00:13:16,230 --> 00:13:18,250 (安藤)うまい? うまい うまい? (浅葉)うまっ! 215 00:13:18,250 --> 00:13:22,290 〈まあ それは ありだな〉 216 00:13:22,290 --> 00:13:24,310 〈ありだが→ 217 00:13:24,310 --> 00:13:26,330 そんなふうに かっ込むのは 失礼だ〉 218 00:13:26,330 --> 00:13:30,330 〈地元民としての地産食材への 尊敬の念に欠けている〉 219 00:13:31,710 --> 00:13:34,740 〈あいつらに 敬意というものを 教えてやろう〉 220 00:13:34,740 --> 00:13:37,770 〈今日は 若干早いが… いざ!〉 221 00:13:37,770 --> 00:13:55,950 ・~ 222 00:13:55,950 --> 00:13:57,970 ああ… ト・マ・ト! 223 00:13:57,970 --> 00:14:00,970 函館~! 函館~! 224 00:14:03,020 --> 00:14:05,040 アーオッ! 225 00:14:05,040 --> 00:14:08,070 とぅるっとぅる。 あっ とぅるっとぅる。 フゥ! 226 00:14:08,070 --> 00:14:10,070 ああ…。 227 00:14:12,120 --> 00:14:14,120 あっ… はあ…! ちっこいな。 228 00:14:15,150 --> 00:14:18,180 あった あった…。 う~ん! 229 00:14:18,180 --> 00:14:28,180 ・~ 230 00:14:29,290 --> 00:14:30,750 〈さーて…〉 231 00:14:30,750 --> 00:14:33,370 〈そして… これだ〉 232 00:14:33,370 --> 00:14:43,270 ・~ 233 00:14:43,270 --> 00:14:46,300 〈甘~い!〉 234 00:14:46,300 --> 00:14:49,240 〈これに気づいている人類は 恐らく いない〉 235 00:14:49,240 --> 00:14:53,570 〈私だけが発見した スペシャルメソッド〉 236 00:14:53,570 --> 00:14:56,400 〈たくあんを食べたあとに 水を飲むと→ 237 00:14:56,400 --> 00:14:58,830 なぜか 甘いのだ〉 238 00:14:58,830 --> 00:15:02,660 〈それも たくあんのしょっぱさが ありつつの甘みなので→ 239 00:15:02,660 --> 00:15:04,680 不思議な幸福感をもたらす〉 240 00:15:04,680 --> 00:15:05,200 〈これは まさに→ 241 00:15:05,200 --> 00:15:08,720 給食を締めるにふさわしい デザートだ〉 242 00:15:08,720 --> 00:15:21,720 ・~ 243 00:15:23,880 --> 00:15:26,900 〈今日も仕上がった〉 244 00:15:26,900 --> 00:15:27,920 〈ごちそうさまでした〉 245 00:15:27,920 --> 00:15:30,270 (物音) 246 00:15:30,270 --> 00:15:31,770 〈ん? なんだ?〉 247 00:15:42,260 --> 00:15:46,260 (物音) 248 00:15:50,340 --> 00:15:52,340 〈あれは…〉 249 00:15:54,380 --> 00:15:56,380 〈また 米をまとめやがったか〉 250 00:15:59,430 --> 00:16:02,460 〈それは くじらの身を 混ぜ込んだのか?〉 251 00:16:02,460 --> 00:16:04,480 〈おこわ風おにぎり… はっ!〉 252 00:16:04,480 --> 00:16:06,500 ここから いろいろ加工されて→ 253 00:16:06,500 --> 00:16:10,540 バターやチーズやヨーグルトに 進化するんです。 254 00:16:10,540 --> 00:16:12,560 〈進化か!〉 255 00:16:12,560 --> 00:16:16,600 〈こいつ… 米を進化させていくつもりか〉 256 00:16:16,600 --> 00:16:18,620 〈ん? あ… あいつ→ 257 00:16:18,620 --> 00:16:20,640 具材だけ 全部 先に平らげたのか〉 258 00:16:20,640 --> 00:16:23,670 〈汁だけ そんなに残して どうするというんだ〉 259 00:16:23,670 --> 00:16:25,690 先生。 260 00:16:25,690 --> 00:16:27,710 な… なんだ? 261 00:16:27,710 --> 00:16:29,710 峰岸くんが 全然 食べてません。 262 00:16:37,140 --> 00:16:41,140 食べられるものだけ 食べてみよっか。 263 00:16:45,220 --> 00:16:47,220 (卵の殻をむく音) 264 00:16:54,310 --> 00:16:57,340 (においを嗅ぐ音) 265 00:16:57,340 --> 00:16:59,360 あっ…! 266 00:16:59,360 --> 00:17:02,390 〈いつの間にか 焼きおにぎりーっ!〉 267 00:17:02,390 --> 00:17:05,420 〈あいつ また ストーブを コンロ代わりにして→ 268 00:17:05,420 --> 00:17:08,450 おこわで 焼きおにぎりを作りやがった!〉 269 00:17:08,450 --> 00:17:10,470 〈なんて奴だ!〉 270 00:17:10,470 --> 00:17:13,500 〈おこわにしただけで 十分な進化だというのに→ 271 00:17:13,500 --> 00:17:15,520 あいつは さらに第二形態を…〉 272 00:17:15,520 --> 00:17:18,550 〈えっ? ええっ…!?〉 273 00:17:18,550 --> 00:17:20,570 〈焼きおにぎり茶漬けーっ!〉 274 00:17:20,570 --> 00:17:22,590 〈あんのガキャア…!〉 275 00:17:22,590 --> 00:17:25,620 〈どこまで 米を進化させようというんだ〉 276 00:17:25,620 --> 00:17:28,650 〈たくあん 添えたーっ!〉 277 00:17:28,650 --> 00:17:31,680 〈なんたる趣…〉 278 00:17:31,680 --> 00:17:34,710 〈米が くじらと野菜のエキスを吸って→ 279 00:17:34,710 --> 00:17:37,740 自らを染め上げている〉 280 00:17:37,740 --> 00:17:40,770 〈こいつ… 与えられた献立を→ 281 00:17:40,770 --> 00:17:43,800 一度 バラバラに分解して 自ら再構築し→ 282 00:17:43,800 --> 00:17:47,800 完成された 独自の一品を作り出した〉 283 00:17:51,880 --> 00:17:54,910 〈自分のやり方で よかったんだ…〉 284 00:17:54,910 --> 00:17:57,940 〈私は くじら汁への尊敬の念に→ 285 00:17:57,940 --> 00:18:00,970 縛られすぎていたのかも しれない…〉 286 00:18:00,970 --> 00:18:06,020 〈地産地消の食材に敬意を払い 自由な発想を見失っていた〉 287 00:18:06,020 --> 00:18:10,060 〈白米にぶっかけたり 具材だけ先に食べるような非礼は→ 288 00:18:10,060 --> 00:18:13,090 許せないと勝手に決めつけた〉 289 00:18:13,090 --> 00:18:19,150 〈それでも… それでも地元民かと 意識の低さをなじった〉 290 00:18:19,150 --> 00:18:23,190 〈だが 奴らは 地元民だからこそ→ 291 00:18:23,190 --> 00:18:26,220 その献立のストロングポイントを 知っていたのではないか?〉 292 00:18:26,220 --> 00:18:28,240 〈こうすると うまいという 自分のセオリーを→ 293 00:18:28,240 --> 00:18:30,260 編み出していたのではないか?〉 294 00:18:30,260 --> 00:18:36,260 〈そう 私のたくあんのセオリーと 同じように…〉 295 00:18:36,660 --> 00:18:42,660 〈私は しょせん この地にとっては よそ者だ〉 296 00:18:43,730 --> 00:18:45,750 〈負けた…〉 297 00:18:45,750 --> 00:18:49,750 〈また 負けた…〉 298 00:18:51,810 --> 00:18:53,830 (国生)だって もう べちゃべちゃだよ。 299 00:18:53,830 --> 00:18:55,850 (磯貝太郎) おかず 全然減ってねえのに→ 300 00:18:55,850 --> 00:18:57,850 なんで 米 そんな減ってんだよ。 301 00:18:58,880 --> 00:19:01,880 (浅葉)卵に全部 塩 使っちゃった。 (加藤)あらら。 302 00:19:02,920 --> 00:19:04,940 本当? 303 00:19:04,940 --> 00:19:12,010 ・~ 304 00:19:12,010 --> 00:19:15,040 峰岸くん 大丈夫ですかね? 305 00:19:15,040 --> 00:19:19,040 給食も ほとんど 食べてなかったですし…。 306 00:19:20,090 --> 00:19:23,120 無理に合わせようとしないで→ 307 00:19:23,120 --> 00:19:26,150 彼の個性を尊重してあげたほうが いいんでしょうか? 308 00:19:26,150 --> 00:19:29,150 郷には入りては郷に従え。 309 00:19:30,190 --> 00:19:32,550 ゴ… ゴー? 310 00:19:32,550 --> 00:19:35,580 土地になじむには その土地のルールを守れ→ 311 00:19:35,580 --> 00:19:37,580 という意味です。 312 00:19:39,620 --> 00:19:43,660 それは 個人の個性とは 別次元の問題です。 313 00:19:43,660 --> 00:19:47,660 でも 自分らしく生きたほうが…。 314 00:19:49,720 --> 00:19:53,760 やりたい事だけやるのが 自分らしい生き方じゃない。 315 00:19:53,760 --> 00:19:57,800 嫌な事を押しつけられても 自分なりの方法で片付けるのが→ 316 00:19:57,800 --> 00:20:00,830 自分らしく生きるという事です。 317 00:20:00,830 --> 00:20:03,860 でも 言葉も ままならないですし…。 318 00:20:03,860 --> 00:20:06,890 だから 比留川先生が副担任になった。 319 00:20:06,890 --> 00:20:10,930 個性を殺さず 土地になじませる。 320 00:20:10,930 --> 00:20:13,930 しっかり やってください。 321 00:20:16,990 --> 00:20:18,990 わかりました。 322 00:20:26,080 --> 00:20:29,080 (噛む音) 323 00:20:32,490 --> 00:20:34,490 〈たくあん…〉 324 00:20:35,520 --> 00:20:37,540 〈水…〉 325 00:20:37,540 --> 00:20:41,540 〈そ… それって もしかして…〉 326 00:20:42,590 --> 00:20:45,620 (竹本 豊)こうすると 面白い味になるんですよ。 327 00:20:45,620 --> 00:20:47,620 甘いっていうか。 328 00:20:48,650 --> 00:20:51,680 〈わ… 私メソッド…!〉 329 00:20:51,680 --> 00:20:54,680 (竹本)先生も食べます? 結構。 330 00:20:58,750 --> 00:21:02,790 〈世の中に 自分だけしか知らない事など→ 331 00:21:02,790 --> 00:21:04,790 ない〉 332 00:21:06,830 --> 00:21:13,900 〈今日 私は 郷に従うがあまりに 個性を見失った〉 333 00:21:13,900 --> 00:21:17,940 〈給食は 自由に食べていい〉 334 00:21:17,940 --> 00:21:24,000 ・~ 335 00:21:24,000 --> 00:21:27,000 学校でやるなと言っただろう。 336 00:21:28,750 --> 00:21:30,100 はい。 337 00:21:30,100 --> 00:21:35,150 ・~ 338 00:21:35,150 --> 00:21:38,180 できないのか? 逆上がり。 339 00:21:38,180 --> 00:21:40,200 難しいです。 340 00:21:40,200 --> 00:21:43,230 なんで 今 練習してる? 341 00:21:43,230 --> 00:21:45,250 さっき 浅葉くんたちが→ 342 00:21:45,250 --> 00:21:50,300 逆上がりが初めてできたら 人生変わるって言ってたから。 343 00:21:50,300 --> 00:21:53,330 なんだ? それ。 そんなわけないだろう。 344 00:21:53,330 --> 00:21:57,370 そうかもしれないけど やってみます! 345 00:21:57,370 --> 00:22:10,500 ・~ 346 00:22:10,500 --> 00:22:14,540 お前… いつも ああしてるのか? 347 00:22:14,540 --> 00:22:16,540 はい? 348 00:22:19,590 --> 00:22:22,590 くじら汁で お茶漬け。 349 00:22:23,630 --> 00:22:25,630 あれは 初めて やってみました。 350 00:22:27,670 --> 00:22:29,690 そうなのか…。 351 00:22:29,690 --> 00:22:32,050 思ったよりも うまくいきました。 352 00:22:32,050 --> 00:22:35,050 今度 先生も やってみてください。 353 00:22:39,120 --> 00:22:41,140 早く帰れ。 354 00:22:41,140 --> 00:22:47,200 ・~ 355 00:22:47,200 --> 00:22:48,200 失礼します。 356 00:22:52,950 --> 00:22:55,280 〈私は給食が好きだ〉 357 00:22:55,280 --> 00:22:59,320 〈おいしい給食を食べるためなら なんだってする〉 358 00:22:59,320 --> 00:23:04,320 〈だが 食のライバルからの施しは 受けない〉 359 00:23:08,000 --> 00:23:09,830 〈毎度 いまいましいまねを繰り出す→ 360 00:23:09,830 --> 00:23:13,430 食の冒険家 粒来ケン〉 361 00:23:16,490 --> 00:23:23,490 〈奴との戦いは まだまだ続く〉 362 00:23:25,580 --> 00:23:27,600 (木戸四郎) これは 愉快犯の仕業ですね。 363 00:23:27,600 --> 00:23:29,620 ダメなものはダメです。 364 00:23:29,620 --> 00:23:31,980 (坂爪)甘利田先生は 何が引っかかってるんですか? 365 00:23:31,980 --> 00:23:34,000 (牧野文枝) でも 先生… やってみます? 366 00:23:34,000 --> 00:23:37,030 やるべきか やらぬべきか…。 367 00:23:37,030 --> 00:23:39,930 そのやり方は アウトだ。 368 00:23:40,710 --> 00:23:59,910 ・~