1 00:00:02,102 --> 00:00:11,178 ♬~ (テーマ音楽) 2 00:00:11,178 --> 00:02:10,197 ♬~ 3 00:02:10,197 --> 00:02:21,875 ⚟(羽根つきをする声) 4 00:02:21,875 --> 00:02:28,582 (羽根つきをする声) 5 00:02:28,582 --> 00:02:31,284 (嘉助)はあ…。 (おきく)は~い。 6 00:02:33,320 --> 00:02:35,322 (笑い声) 7 00:02:40,861 --> 00:02:44,731 (香苗)まあ! るいさん…。 玄関に回ってくださいよ。 8 00:02:44,731 --> 00:02:47,200 (るい)いえ もうここで…。 9 00:02:47,200 --> 00:02:53,006 明けまして おめでとうございます。 はい。 おめでとうございます。 10 00:02:53,006 --> 00:02:55,709 旧年中は いろいろとお世話さまになりまして➡ 11 00:02:55,709 --> 00:02:57,644 ありがとうございました。 12 00:02:57,644 --> 00:03:00,480 今年も どうぞよろしくお願い申します。 13 00:03:00,480 --> 00:03:04,351 (香苗) こちらこそ。 さあ 上がってちょうだい。 14 00:03:04,351 --> 00:03:06,353 いえ 申し訳ございませんが…。 15 00:03:06,353 --> 00:03:08,355 (香苗)駄目 駄目。 16 00:03:08,355 --> 00:03:10,657 畝さんが見えてますのよ。 17 00:03:10,657 --> 00:03:12,592 大層面白いお話の最中ですから➡ 18 00:03:12,592 --> 00:03:15,829 あなたも聞いてらっしゃい。 さあ。 19 00:03:15,829 --> 00:03:18,665 (通之進)おお 御高祖頭巾な…。 20 00:03:18,665 --> 00:03:20,967 ⚟(香苗)あなた。 んっ? 21 00:03:23,837 --> 00:03:26,740 (香苗)るいさんが 新年のご挨拶にお見えになりましたよ。 22 00:03:26,740 --> 00:03:28,708 おお そうか そうか。 23 00:03:28,708 --> 00:03:32,846 おめでとうございます。 はいよ。 おめでとう。 24 00:03:32,846 --> 00:03:36,183 東吾が いろいろと この… 厄介をかけておるようだな。 25 00:03:36,183 --> 00:03:40,687 とんでもないことでございます。 こちらの方こそ いろいろと…。 26 00:03:40,687 --> 00:03:43,590 ま… まあまあ 入れ。 内輪ばかりだい。 27 00:03:43,590 --> 00:03:47,294 ありがとうございます。 さあ るいさん どうぞ。 28 00:03:53,266 --> 00:03:56,036 (通之進)ところでな 源さん➡ 29 00:03:56,036 --> 00:03:58,071 八丁堀じゃ なんだってな➡ 30 00:03:58,071 --> 00:04:02,142 神林東吾が いつ かわせみへ婿入りするかって➡ 31 00:04:02,142 --> 00:04:04,845 まあ 随分と 楽しみにしてるっていうじゃねえか。 32 00:04:06,480 --> 00:04:09,983 (東吾)私の婿入りよりは 源さんの 婿入りの方が早くなりゃしませんかね。 33 00:04:09,983 --> 00:04:11,918 (源三郎)東吾さん…。 34 00:04:11,918 --> 00:04:15,155 相手は 水戸の豪商の娘だそうですからね。 35 00:04:15,155 --> 00:04:17,090 い… いやいやいや 困ります。 困りますよ! 36 00:04:17,090 --> 00:04:20,293 嫁にもらってもよし 婿入りしてもよし! 37 00:04:20,293 --> 00:04:24,164 そりゃ 結構な話じゃねえか。 えっ? 38 00:04:24,164 --> 00:04:28,668 源さん そんな いい口が見つかったんなら さっさと 婿に行っちまいなよ。 39 00:04:28,668 --> 00:04:30,604 んっ? (源三郎)いえいえ…。 40 00:04:30,604 --> 00:04:33,507 町回りで 背中に ヒビを切らしているよりは ずっといい。 41 00:04:33,507 --> 00:04:37,310 (笑い声) 42 00:04:37,310 --> 00:04:40,680 見ろよ あの格好。 (笑い声) 43 00:04:40,680 --> 00:04:46,019 何にしても お正月早々 おめでたい話じゃありませんか。 ねえ? 44 00:04:46,019 --> 00:04:49,222 (笑い声) 45 00:04:53,527 --> 00:04:56,329 畝様のご縁談とは どんなお話でございますの? 46 00:04:56,329 --> 00:04:59,199 なんと 源さんが見初められてね。 ええっ? 47 00:04:59,199 --> 00:05:02,803 目下 追い回されてる最中だっていうから おかしいだろう? 48 00:05:02,803 --> 00:05:05,138 (お吉)まあ 畝様が見初められたんですか。 49 00:05:05,138 --> 00:05:07,073 ああ…。 へえ~。 50 00:05:07,073 --> 00:05:09,009 (おもよ)おめでとうございます! 51 00:05:09,009 --> 00:05:11,812 そりゃ 一体 どちら様のお嬢様なんです? 52 00:05:11,812 --> 00:05:13,747 うん。 それはな…。 あっ いや…。 53 00:05:13,747 --> 00:05:15,982 困ります。 困りますよ 東吾さん…。 54 00:05:15,982 --> 00:05:19,019 いいじゃありませんか。 おめでたい話なんですもの。 55 00:05:19,019 --> 00:05:23,723 相手は 水戸の材木問屋… 大層 金持ちの娘だそうな。 56 00:05:23,723 --> 00:05:27,994 しかも すこぶる付きの べっぴんで これが また色っぽい! 57 00:05:27,994 --> 00:05:30,497 こら 一大事だ! 放っちゃおかれませんな。 58 00:05:30,497 --> 00:05:32,832 (笑い声) 59 00:05:32,832 --> 00:05:35,168 そも なれそめは どういうことなんですか? 60 00:05:35,168 --> 00:05:37,103 きりきり 白状なさいましよ。 61 00:05:37,103 --> 00:05:39,039 いや なれそめにも何にも…➡ 62 00:05:39,039 --> 00:05:41,041 とんと こちらには 覚えがないんですから。 63 00:05:41,041 --> 00:05:44,511 町回りをしていた源さんを 娘がどっかで見初めたという。 64 00:05:44,511 --> 00:05:50,851 尋ねてみると あのお方は八丁堀の定廻り 畝 源三郎様という れっきとした独り者。 65 00:05:50,851 --> 00:05:52,786 それを聞いて 娘は たちまちさ➡ 66 00:05:52,786 --> 00:05:55,522 何としても 畝様の奥様になりてえと➡ 67 00:05:55,522 --> 00:05:59,025 毎日毎日 八丁堀の近くの橋のたもとに やって来てな➡ 68 00:05:59,025 --> 00:06:02,996 町回りに出入りする源さんに 秋波を送っているという。 69 00:06:02,996 --> 00:06:05,799 (一同)へえ~。 70 00:06:05,799 --> 00:06:07,734 明日も立ってるかしらね? 見に行くの? 71 00:06:07,734 --> 00:06:09,669 おう! 行ってこい。 72 00:06:09,669 --> 00:06:11,671 暮れも正月も休みなしで 立ってるっていうから➡ 73 00:06:11,671 --> 00:06:14,140 とっくりと顔を拝んでくるといい。 74 00:06:14,140 --> 00:06:17,477 けど 国元じゃ 親御さんたちは さぞ 心配してなさるでしょうね。 75 00:06:17,477 --> 00:06:20,146 うん。 びっくりして 江戸へ出てきて➡ 76 00:06:20,146 --> 00:06:24,017 娘にな 「相手は お侍で身分が違うから 諦めろ」と言ったが➡ 77 00:06:24,017 --> 00:06:26,019 ガンとして 言うことを聞かねえ。 78 00:06:26,019 --> 00:06:28,488 それならば 「しかるべき筋を通して➡ 79 00:06:28,488 --> 00:06:31,291 畝家へ縁談を持ち込んであげるから 橋のたもとで➡ 80 00:06:31,291 --> 00:06:35,161 畝様を見つめたりするのだけは よせ」と 言ったんだが…。 81 00:06:35,161 --> 00:06:38,498 〽 一日会わねば 千日の 82 00:06:38,498 --> 00:06:43,370 〽 思いに私ゃ 患うて 83 00:06:43,370 --> 00:06:48,174 やだ 番頭さん。 (笑い声) 84 00:06:48,174 --> 00:06:50,677 本当なんですか? 85 00:06:50,677 --> 00:06:52,612 本当なんです。 86 00:06:52,612 --> 00:06:56,850 だから… まことに まことに 困惑しております。 87 00:06:56,850 --> 00:07:01,688 (笑い声) 88 00:07:01,688 --> 00:07:40,994 ♬~ 89 00:07:40,994 --> 00:07:42,929 痛い! 痛い…。 大丈夫!? おもよちゃん。➡ 90 00:07:42,929 --> 00:07:44,931 どうしたのよ? 91 00:07:47,767 --> 00:07:49,969 行きましょ…。 92 00:07:59,312 --> 00:08:03,183 私も行って 見てきたんですけどね うわさのとおり 色っぽい…。 93 00:08:03,183 --> 00:08:05,118 ねえ 嘉助さん! 94 00:08:05,118 --> 00:08:08,455 うん。 男好きのするってやつだ。 ちょっと これ…。 95 00:08:08,455 --> 00:08:11,257 畝の旦那には ちょっと 荷が重すぎるんじゃないですか? 96 00:08:11,257 --> 00:08:13,193 ふ~ん…。 97 00:08:13,193 --> 00:08:15,628 手代の忠吉っていうのが しょっちゅう そばについてましてね➡ 98 00:08:15,628 --> 00:08:18,465 宿は 深川辺りの知る辺の別宅。 99 00:08:18,465 --> 00:08:21,368 おっと そうだ。 肝心の そのお嬢さんのお名前➡ 100 00:08:21,368 --> 00:08:23,803 おとよさんってんだそうですよ。 101 00:08:23,803 --> 00:08:26,272 もう すっかり お調べがついてるのね。 102 00:08:26,272 --> 00:08:29,476 いまだに お調べがついてないのが ただ 一つ。 103 00:08:29,476 --> 00:08:31,411 えっ 何? 104 00:08:31,411 --> 00:08:34,981 畝の旦那の胸の内。 フフフフフ…。 105 00:08:34,981 --> 00:08:37,817 まったく どうなさるおつもりなのかな? 畝の旦那も…。 106 00:08:37,817 --> 00:08:39,753 うん…。 107 00:08:39,753 --> 00:08:44,691 ♬~(三味線) 108 00:08:44,691 --> 00:08:57,670 ♬~ 109 00:08:57,670 --> 00:09:13,453 ♬~ 110 00:09:13,453 --> 00:09:18,324 ♬~(歌声) 111 00:09:18,324 --> 00:09:21,194 (戸が開く音) (甚七)旦那様。おお…。 112 00:09:21,194 --> 00:09:23,129 (甚七)日野屋さんが お越しになりましたが…。 113 00:09:23,129 --> 00:09:25,465 (源三郎)あっ 日野屋さんが? (日野屋)ハハハハハハ…。 114 00:09:25,465 --> 00:09:27,400 いや おめでとうございます。 115 00:09:27,400 --> 00:09:29,969 (源三郎)いや~ これは 斯様な むさ苦しい所へ ようこそ。 116 00:09:29,969 --> 00:09:33,006 いやいや 突然で失礼だとは思いましたが➡ 117 00:09:33,006 --> 00:09:37,644 あちこち 年始のついでもございましたので。 118 00:09:37,644 --> 00:09:40,146 どうも 旧年中は いろいろと…。 119 00:09:40,146 --> 00:09:45,819 (源三郎)いや~ こちらこそ。 いろいろと お心配り ありがとうござる。 120 00:09:45,819 --> 00:09:51,157 ところで畝様 とんだ 艶福家だってそうじゃありませんか。 121 00:09:51,157 --> 00:09:54,661 あっ もうお耳に入りましたか。 122 00:09:54,661 --> 00:10:00,300 私はね 亡くなった あなたのお父上様と 約束がありましてね。 123 00:10:00,300 --> 00:10:03,670 源三郎様の花嫁御寮は➡ 124 00:10:03,670 --> 00:10:07,307 この日野屋が きっと見つけてまいりますっていって。 125 00:10:07,307 --> 00:10:13,012 どこの誰とも知れぬ娘に 畝の嫁になられてたまるもんですか。 126 00:10:13,012 --> 00:10:15,315 いや しかし 私は まだ約束したわけでは…。 127 00:10:15,315 --> 00:10:18,518 第一 源三郎様を道で見初めたというのは➡ 128 00:10:18,518 --> 00:10:20,453 私には気に入りませんよ。 129 00:10:20,453 --> 00:10:24,390 源三郎様のよさは 見てくれで分かってたまるもんですか。 130 00:10:24,390 --> 00:10:26,860 ハハッ… なあ? ばあや。 131 00:10:26,860 --> 00:10:30,697 お前さんも そう思うだろう? (清)はい。 132 00:10:30,697 --> 00:10:35,335 そういう女はね どだい ほれっぽいってやつですよ。 133 00:10:35,335 --> 00:10:37,403 浮気っぽいって女だからね➡ 134 00:10:37,403 --> 00:10:41,207 そんなのは 源三郎様のお嫁さんには向きませんよ。 135 00:10:41,207 --> 00:10:45,345 ようございますか 源三郎様のお嫁さんは➡ 136 00:10:45,345 --> 00:10:47,280 この私が連れてまいりますから➡ 137 00:10:47,280 --> 00:10:49,883 それまで あんた 変な女に 手 出しちゃいけませんよ。 138 00:10:49,883 --> 00:10:54,687 あ… ご教訓は肝に銘じまして…。 139 00:10:57,357 --> 00:11:00,660 どうぞ よろしくお願い申します。 140 00:11:00,660 --> 00:11:05,164 任しておきなさい。 ハハハハハハハ…。 141 00:11:06,833 --> 00:11:11,838 (雨の音) 142 00:11:17,010 --> 00:11:20,847 (忠吉)お嬢様 あの… ぬれますから さあ 早く参りましょう。 143 00:11:20,847 --> 00:11:22,849 さあ…。 144 00:11:24,517 --> 00:11:26,519 (おとよ)あっ! 145 00:11:29,022 --> 00:11:32,058 さあ これを。 146 00:11:32,058 --> 00:11:34,260 (忠吉)恐れ入ります。 さあ さあ…。 147 00:11:36,329 --> 00:11:42,869 ♬~ 148 00:11:42,869 --> 00:11:45,371 では…。 149 00:11:53,513 --> 00:11:57,216 (嘉助)若様…。 んっ? 150 00:11:57,216 --> 00:12:00,653 畝の旦那が 艶話一件で➡ 151 00:12:00,653 --> 00:12:04,490 ぽ~っとしてなさる隙を 狙ったみたいに➡ 152 00:12:04,490 --> 00:12:08,995 正月のお江戸は あちこちで すりにやられたって人が増えてますがね。 153 00:12:08,995 --> 00:12:11,831 初詣で 神社仏閣 大勢 人が集まる。 154 00:12:11,831 --> 00:12:14,667 盛り場も繁盛してるだろうから 正月は すりの稼ぎ時だ。 155 00:12:14,667 --> 00:12:19,539 珍しくもなかろう。 いや それがね すりと言えるかどうか。 156 00:12:19,539 --> 00:12:22,842 えっ どういうことなの? 嘉助さん。 157 00:12:22,842 --> 00:12:26,179 いや 「すりは職人だ ぬすっとじゃねえ」なんてね➡ 158 00:12:26,179 --> 00:12:31,017 昔のやつらは みんな 自分の腕に 自信と誇りを持ってたもんですよ。 159 00:12:31,017 --> 00:12:36,889 分かった。 今年のすりは 刃物を使って たもとを切ったり➡ 160 00:12:36,889 --> 00:12:39,525 職人の仕業とは思えねえ ぶまなまねをしてやがる。 161 00:12:39,525 --> 00:12:41,461 そう言うんだろう? 162 00:12:41,461 --> 00:12:44,030 いやいや それが たもとぐれえなら ようござんすがね➡ 163 00:12:44,030 --> 00:12:46,699 相手が 大声でも立てそうになろうもんなら➡ 164 00:12:46,699 --> 00:12:49,202 いきなり どてっ腹 ブスッて やるっていうんですから。 165 00:12:49,202 --> 00:12:51,704 まあ…。 166 00:12:51,704 --> 00:12:55,341 なるほど。 そいつは すりとは言いにくいな。 167 00:12:55,341 --> 00:12:58,211 (嘉助)ええ 立派な人殺しです。 どんなやつ? 168 00:12:58,211 --> 00:13:00,480 それが お嬢さん 驚くじゃありませんか…➡ 169 00:13:00,480 --> 00:13:03,816 御高祖頭巾 かぶった 女だってんですよ。 170 00:13:03,816 --> 00:13:06,152 んっ? じゃあ 畝様の…。 171 00:13:06,152 --> 00:13:09,055 いやいやいや… そのご心配には及びやせん。 172 00:13:09,055 --> 00:13:11,290 どうぞ ご安心なさっておくんなさいまし。 173 00:13:11,290 --> 00:13:13,826 同じ 御高祖頭巾の女でも➡ 174 00:13:13,826 --> 00:13:16,729 すりの方は ごく小さな女だそうですから。 175 00:13:16,729 --> 00:13:19,165 ああ… じゃあ 例の おとよっていう娘は…。 176 00:13:19,165 --> 00:13:23,503 ええ。 手代の忠吉っていうのが 小柄なせいもありますがね➡ 177 00:13:23,503 --> 00:13:26,539 並んでるとこ 見ると 首一つぐらい 上 出てますから。 178 00:13:26,539 --> 00:13:28,741 うん…。 179 00:13:36,015 --> 00:13:38,317 あっ お嬢様…。 180 00:13:42,689 --> 00:13:44,991 あの…。 181 00:13:48,327 --> 00:13:52,198 お傘を ありがとうございました。 182 00:13:52,198 --> 00:13:56,002 あっ いや…。 183 00:14:00,907 --> 00:14:03,609 ごめん。 184 00:14:12,485 --> 00:14:15,688 (忠吉)お嬢様 さあ 参りましょう。 185 00:14:23,496 --> 00:14:26,532 いつまで ああしてるんでしょうねえ? 186 00:14:26,532 --> 00:14:30,837 そりゃ 源さんが「うん」と言うまでだろう。 187 00:14:30,837 --> 00:14:36,509 だって 畝様 とても ご自分の口からは 「うん」も「嫌」も言えやしませんよ。 188 00:14:36,509 --> 00:14:39,011 実は 俺も それを考えていたんだ。 189 00:14:39,011 --> 00:14:41,914 まとめるにしろ 壊すにしろ➡ 190 00:14:41,914 --> 00:14:44,317 俺が おせっかいを 買って出ねえことには➡ 191 00:14:44,317 --> 00:14:46,385 らちがあかねえんじゃねえかと思ってな。 192 00:14:46,385 --> 00:14:50,123 嘉助の話じゃ 蔵前の日野屋さんの旦那が心配して➡ 193 00:14:50,123 --> 00:14:53,025 わざわざ 八丁堀まで 出向いてきてくれたとか。 194 00:14:53,025 --> 00:14:58,531 なに 日野屋は「きっと 自分が いい嫁さんを世話してやるから➡ 195 00:14:58,531 --> 00:15:01,968 あんな女には手を出すな」と くぎを刺しに来たんだそうだ。 196 00:15:01,968 --> 00:15:06,806 畝様の亡くなったお父様の頃からの おつきあいだとか…。 197 00:15:06,806 --> 00:15:09,475 うん。 札差しん所には➡ 198 00:15:09,475 --> 00:15:13,146 八丁堀の同心が誰かしら 昵懇に出入りをしていて➡ 199 00:15:13,146 --> 00:15:17,984 日野屋は 源さんのおやじさんの頃からの持ち場だ。 200 00:15:17,984 --> 00:15:21,487 と言っても 源さんは あのとおりの堅物だから…➡ 201 00:15:21,487 --> 00:15:25,658 日野屋が小遣いを渡そうと思っても 頑固に受け取らねえ。 202 00:15:25,658 --> 00:15:30,530 そこで日野屋は 米だの みそだの いい頃合いを見計らって 運んでくれて➡ 203 00:15:30,530 --> 00:15:36,736 「嫁さんだけは きっと私が」と 力んでいるのさ。 ハハッ。 204 00:15:42,675 --> 00:15:44,677 (せきばらい) 205 00:15:46,312 --> 00:15:49,515 (戸が開く音) (甚七)だ 旦那様…。 206 00:15:49,515 --> 00:15:51,451 何だ 甚七? 207 00:15:51,451 --> 00:15:55,188 ひ… 日野屋の旦那が…。 日野屋の旦那…。(源三郎)んっ? 208 00:15:55,188 --> 00:15:59,859 えっ? 日野屋さんが こんなに朝早くから見えたんですか? 209 00:15:59,859 --> 00:16:01,828 (源三郎)清 膳 片づけろ。 210 00:16:01,828 --> 00:16:04,463 ち… 違います。 違います。 211 00:16:04,463 --> 00:16:06,399 何が違うんだ! 212 00:16:06,399 --> 00:16:09,135 少し落ち着きなね! 213 00:16:09,135 --> 00:16:12,972 日野屋さんが 殺されたっていうんです。 214 00:16:12,972 --> 00:16:15,875 何!? 215 00:16:15,875 --> 00:16:18,144 あっ…。 216 00:16:18,144 --> 00:16:26,853 ♬~ 217 00:16:26,853 --> 00:16:29,055 あの…。 218 00:16:31,657 --> 00:16:36,963 忠吉…。 お嬢様…。 219 00:16:42,168 --> 00:16:44,103 (長助)のけよ。 ちょっと のけ。➡ 220 00:16:44,103 --> 00:16:47,039 あっ… 開けて! あっ ご苦労はんでおます。 221 00:16:47,039 --> 00:17:18,471 ♬~ 222 00:17:18,471 --> 00:17:22,341 とんだことだったな 源さん。 はい。 223 00:17:22,341 --> 00:17:28,347 とても気のいい人で… 私にとっちゃ 親代わりみたいな人でした。 224 00:17:30,149 --> 00:17:33,819 手口は やっぱり 例の女すりか? 225 00:17:33,819 --> 00:17:36,289 間違いありませんな。 226 00:17:36,289 --> 00:17:40,660 匕首で 胸一突き それが急所に深々と。 227 00:17:40,660 --> 00:17:43,996 あれじゃ 声立てる暇もなかったでしょう。 228 00:17:43,996 --> 00:17:46,899 でも 日野屋さんほどの旦那が➡ 229 00:17:46,899 --> 00:17:49,869 何だって柳原土手みたいな寂しい所へ➡ 230 00:17:49,869 --> 00:17:54,307 しかも お供もつれずに 1人で行ったっていうんでしょうね。 231 00:17:54,307 --> 00:17:57,510 誰かに会いに行くつもり だったんじゃないかと思います。 232 00:17:57,510 --> 00:17:59,445 誰に? 233 00:17:59,445 --> 00:18:01,948 そいつは まだ分かりません。 234 00:18:01,948 --> 00:18:04,450 ゆうべは仲間に誘われて➡ 235 00:18:04,450 --> 00:18:08,254 柳橋へ出かけてったっていうんですがね。 236 00:18:08,254 --> 00:18:13,960 ♬~(歌声) 237 00:18:13,960 --> 00:18:17,797 (芸者)まあ 旦那 どちらへ いらっしゃるってんです? 238 00:18:17,797 --> 00:18:20,833 し~っ。 みんなには ないしょだ。 先に帰る。 239 00:18:20,833 --> 00:18:23,602 じゃ 駕籠を添いますから 待っとくんなさいな。 240 00:18:23,602 --> 00:18:25,972 駕籠は要らないよ! 寄る所があるんだ。 241 00:18:25,972 --> 00:18:29,775 まあ 憎らしい! (笑い声) 242 00:18:31,477 --> 00:18:33,512 店 出てから 橋 渡って➡ 243 00:18:33,512 --> 00:18:37,149 柳原同朋町を浅草御門の方へ 歩いていったっていうんですがね…。 244 00:18:37,149 --> 00:18:42,288 殺されていたのは? 柳原の郡代屋敷です。 245 00:18:42,288 --> 00:18:46,158 浅草御門 右に見て まっすぐ行きゃ 出ます。 246 00:18:46,158 --> 00:18:48,494 仏は どうしたい? 247 00:18:48,494 --> 00:18:53,366 伜の東三郎というのが 引き取りに来て…。 248 00:18:53,366 --> 00:18:55,368 今夜が通夜です。 249 00:18:58,170 --> 00:19:01,073 連れてってくれねえか 日野屋へ。 250 00:19:01,073 --> 00:19:03,109 行ってくれますか! 251 00:19:03,109 --> 00:19:05,811 源さんの敵は 俺にも敵だ。 252 00:19:09,448 --> 00:19:12,785 ⚟(鈴の音) 253 00:19:12,785 --> 00:19:19,125 (読経) 254 00:19:19,125 --> 00:19:22,028 東吾さん 東三郎さんです。 255 00:19:22,028 --> 00:19:24,997 お取り込み中のところを 申し訳ありません。 256 00:19:24,997 --> 00:19:29,135 いえいえ こちらこそ こんな所へ申し訳ございませんが。 257 00:19:29,135 --> 00:19:31,070 源さんに聞いたんだが➡ 258 00:19:31,070 --> 00:19:35,474 殺された時 日野屋さん 大金を懐に持っていたそうですね? 259 00:19:35,474 --> 00:19:37,810 はい 百両。 260 00:19:37,810 --> 00:19:42,648 おやじが店を出る時に ふくさに包んで 懐に入れるのを見ました。 261 00:19:42,648 --> 00:19:45,284 何に使う金だったか 聞かなかったんですかい? 262 00:19:45,284 --> 00:19:47,219 それが…。 263 00:19:47,219 --> 00:19:52,158 ひょっとしたら 初瀬太夫に無心された 金じゃないかと思いましたものですから。 264 00:19:52,158 --> 00:19:56,495 初瀬太夫? 吉原に なじみの花魁がいたんです。 265 00:19:56,495 --> 00:19:59,298 でございますから 帰りの遅いのも➡ 266 00:19:59,298 --> 00:20:05,004 吉原へ行ったからだと 勝手に そう思い込んで…。 267 00:20:05,004 --> 00:20:10,509 でなければ 父を一晩中 冷たい地べたに 寝かしておかずに済んだ…。 268 00:20:22,855 --> 00:20:25,891 源さんは もう少しいてくれ。 269 00:20:25,891 --> 00:20:30,196 ああ… 今日は ありがとうございました。 270 00:20:32,331 --> 00:20:37,703 すりに やられたのだから 日野屋が寄ると言った先も 百両の金も➡ 271 00:20:37,703 --> 00:20:40,606 殺しとは結び付かねえかもしれねえが…➡ 272 00:20:40,606 --> 00:20:46,412 俺には どうも そうじゃねえような気がする。 273 00:20:46,412 --> 00:20:50,416 誰に会うつもりだったか 何に使うつもりの金だったか➡ 274 00:20:50,416 --> 00:20:52,718 調べてみましょう。 うん。 275 00:20:52,718 --> 00:20:56,222 源さんのことだ ぬかりはねえと思うが 花魁の方も当たってみてくれ。 276 00:20:56,222 --> 00:21:00,659 日野屋に 金の無心をしていたかどうか。 277 00:21:00,659 --> 00:21:02,595 分かりました。 278 00:21:02,595 --> 00:21:07,433 それから もう一つ 暮れから正月にかけて ゆうべまでの➡ 279 00:21:07,433 --> 00:21:09,835 日野屋の行った先と用件を➡ 280 00:21:09,835 --> 00:21:14,173 なるべく詳しく調べて 書き抜いてきてもらいたい。 281 00:21:14,173 --> 00:21:17,076 それも 一両日中に なんとかしましょう。 282 00:21:17,076 --> 00:21:22,782 冷えるな 今夜は。 雪にでもなるかもしれねえ。 283 00:21:26,185 --> 00:21:30,055 源さん… 風邪 ひくなよ。 284 00:21:30,055 --> 00:21:38,197 ♬~ 285 00:21:38,197 --> 00:21:40,199 (七造)おお 寒い…。 あ~。 286 00:21:40,199 --> 00:21:43,035 とうとう 降ってきやがった。➡ 287 00:21:43,035 --> 00:21:45,070 あ~…。 288 00:21:45,070 --> 00:21:47,706 あっ? 289 00:21:47,706 --> 00:22:08,494 ♬~ 290 00:22:08,494 --> 00:22:12,164 あ~! 人殺しだ~! 291 00:22:12,164 --> 00:22:14,833 誰か~! だ~っ…。 292 00:22:14,833 --> 00:22:16,769 おい! 誰か~! 293 00:22:16,769 --> 00:22:20,172 ゆうべ 和泉橋で殺された侍は➡ 294 00:22:20,172 --> 00:22:22,174 遠野但馬様。 295 00:22:22,174 --> 00:22:25,010 吟味与力の遠野様が!? まあ…。 296 00:22:25,010 --> 00:22:27,513 私も これから 遠野様の方へ参ります。 297 00:22:27,513 --> 00:22:31,016 あっ これが 暮れから正月にかけての 日野屋の行き先です。 298 00:22:31,016 --> 00:22:33,919 ありがとう。 それから 日野屋が殺された晩に➡ 299 00:22:33,919 --> 00:22:37,323 日野屋と会う約束をした者は 親類知人 誰もいません。 300 00:22:37,323 --> 00:22:40,226 花魁はもとより 百両の金を 日野屋に用立ててくれと頼んだ者は➡ 301 00:22:40,226 --> 00:22:42,194 誰も見つかりませんでした。 302 00:22:42,194 --> 00:22:45,197 分かった。 行ってくれ。 ごめん。 303 00:22:45,197 --> 00:22:47,499 お気を付けて。 304 00:22:55,541 --> 00:22:57,576 大変なことになりましたね。 305 00:22:57,576 --> 00:22:59,879 るい…。 えっ? 306 00:22:59,879 --> 00:23:03,282 寒いのに すまねえが つきあってくれ。どこへ行くんです? 307 00:23:03,282 --> 00:23:05,651 これだよ。 308 00:23:05,651 --> 00:23:09,989 殺された日に 日野屋は 深川の不動様へお参りをしている。 309 00:23:09,989 --> 00:23:12,891 丁稚の幸吉というのを供に連れてな。 310 00:23:12,891 --> 00:23:15,094 ありがとうございました。 311 00:23:18,998 --> 00:23:22,835 (幸吉)この茶店で一服して 私も おだんごをごちそうになりました。 312 00:23:22,835 --> 00:23:25,304 よし それじゃあ 俺たちも休むとしよう。 313 00:23:25,304 --> 00:23:27,840 ごめんなさい。 休ませてもらいますよ。 314 00:23:27,840 --> 00:23:31,176 いらっしゃいまし。 どうぞ お掛けくださいまし。 315 00:23:31,176 --> 00:23:33,979 この子に だんごをやってくれ。 はい ただいま! 316 00:23:37,850 --> 00:23:41,720 あの日も今日みたいに 日が当たって ここ あったこうございました。 317 00:23:41,720 --> 00:23:44,623 うん。 お不動様も久しぶりだ。 318 00:23:44,623 --> 00:23:48,193 どうも 俺たちは不信心でいけねえな。 319 00:23:48,193 --> 00:23:51,196 お待ちどおさま。 320 00:23:51,196 --> 00:23:53,332 お食べなさい。 321 00:23:53,332 --> 00:23:56,335 ありがとうございます。 頂戴します。 322 00:24:00,139 --> 00:24:02,141 (日野屋)幸吉…。 (幸吉)へい! 323 00:24:02,141 --> 00:24:06,011 (日野屋)それを食べたら 治作のとこまで行ってきてもらいたい。 324 00:24:06,011 --> 00:24:08,280 (幸吉)植木屋の治作さんとこですか? 325 00:24:08,280 --> 00:24:11,817 (日野屋)うん。 いい盆栽があったら 持ってくるようにと言ってあるんだが➡ 326 00:24:11,817 --> 00:24:14,153 それっきりだ。 327 00:24:14,153 --> 00:24:17,823 どうなってんだか 行って聞いてみてくれ。 (幸吉)はい。 328 00:24:17,823 --> 00:24:19,758 (日野屋)私は ここで➡ 329 00:24:19,758 --> 00:24:22,061 ひなたぼっこ しながら 待ってるからな。 330 00:24:26,832 --> 00:24:30,169 植木屋の治作さんのうちっていうのは この近くなのね? 331 00:24:30,169 --> 00:24:33,839 (幸吉)はい。 で どうした? 332 00:24:33,839 --> 00:24:35,874 治作さん 風邪で寝てました。 333 00:24:35,874 --> 00:24:38,010 「旦那によろしく言ってくれ」と 言いますから➡ 334 00:24:38,010 --> 00:24:41,714 また ここへ帰ってくると 旦那は駕籠を見送っておいででした。 335 00:24:44,183 --> 00:24:48,854 (幸吉)旦那様。 (日野屋)おお ご苦労。 どうしたい? 336 00:24:48,854 --> 00:24:50,789 (幸吉)風邪ひいて 寝てました。➡ 337 00:24:50,789 --> 00:24:52,725 治り次第 盆栽は お届けにあがるから➡ 338 00:24:52,725 --> 00:24:55,194 旦那に よろしく申し上げてくれって。 339 00:24:55,194 --> 00:24:59,198 (日野屋) 風邪か…。 それじゃ しかたがないな。 340 00:24:59,198 --> 00:25:01,800 (幸吉)あの~ どなたなんです? 341 00:25:01,800 --> 00:25:05,137 (日野屋)うん? いや お参りの…➡ 342 00:25:05,137 --> 00:25:08,640 お前の知らない人だ。➡ 343 00:25:08,640 --> 00:25:13,946 しかし 困ったことを頼まれたもんだな…。 344 00:25:16,281 --> 00:25:19,651 「困ったことを頼まれた」…。 日野屋は そう言ったんだな? 345 00:25:19,651 --> 00:25:21,587 はい。 346 00:25:21,587 --> 00:25:25,290 駕籠に乗ってた人の名前は? おっしゃいませんでした。 347 00:25:25,290 --> 00:25:28,193 でも 女の人です。 女? 348 00:25:28,193 --> 00:25:32,064 (幸吉)駕籠の垂れは下りてましたけど たもとがのぞいて見えていましたから。 349 00:25:32,064 --> 00:25:34,833 吉原の花魁のほかにも…➡ 350 00:25:34,833 --> 00:25:37,736 日野屋さんには 誰か好きな人が いたっていうんでしょうかね? 351 00:25:37,736 --> 00:25:39,705 あっ そうだ! 352 00:25:39,705 --> 00:25:42,574 帰りの舟の中で 独り言でしたけどね➡ 353 00:25:42,574 --> 00:25:45,177 旦那様 おっしゃったんです。 354 00:25:45,177 --> 00:25:48,180 「ありゃ 素人の娘じゃない」って。 355 00:25:53,852 --> 00:25:56,522 やっぱり 女は仕掛けてきたんだ…。 356 00:25:56,522 --> 00:25:58,457 えっ? 357 00:25:58,457 --> 00:26:03,629 日野屋は 女に仕掛けられて 柳原土手へ出かけていったんだ。 358 00:26:03,629 --> 00:26:07,800 お不動様で会った 駕籠に乗っていった女にですか? 359 00:26:07,800 --> 00:26:10,702 そうさ。 この書き付けをにらんでみて➡ 360 00:26:10,702 --> 00:26:14,673 仕掛けるとしたら 日野屋が毎月欠かさず お参りに行く➡ 361 00:26:14,673 --> 00:26:17,276 深川の不動しかねえと思った。 362 00:26:17,276 --> 00:26:19,812 だから 幸吉をつれて 深川 行ってみたんだが➡ 363 00:26:19,812 --> 00:26:23,982 幸吉が使いに出たあと…➡ 364 00:26:23,982 --> 00:26:26,885 女は日野屋に近づいていって…。 365 00:26:26,885 --> 00:26:29,788 何か困ったことを頼んだんですね? 366 00:26:29,788 --> 00:26:35,994 うん。 しかし 何だろうな? 困ったことというのは…。 367 00:26:35,994 --> 00:26:38,897 百両のお金の無心じゃありませんか? 368 00:26:38,897 --> 00:26:43,168 うん。 幸吉も知らない相手に無心されて➡ 369 00:26:43,168 --> 00:26:48,040 日野屋が 百両 持って 柳原土手へ出かけていったのは なぜだ? 370 00:26:48,040 --> 00:26:53,679 さあ? ただ 何となくなんですけど➡ 371 00:26:53,679 --> 00:26:57,316 畝様のために動かれたような気が…。 372 00:26:57,316 --> 00:27:00,119 そうだ。 俺もそう思う。 373 00:27:00,119 --> 00:27:03,989 しかし どうも分からねえ…。 374 00:27:03,989 --> 00:27:09,795 あれとこれと… どうにも結び付かねえから困る。 375 00:27:09,795 --> 00:27:13,465 あれとこれと? うん。 376 00:27:13,465 --> 00:27:15,400 ⚟(お吉)若様。 (戸が開く音) 377 00:27:15,400 --> 00:27:18,137 おう! 長助親分がお見えになって➡ 378 00:27:18,137 --> 00:27:20,806 「お耳に入れたいことがある」と おっしゃってるんですけど…。 379 00:27:20,806 --> 00:27:22,841 (足音) 380 00:27:22,841 --> 00:27:25,143 あっ 若様。 どうしたい? 381 00:27:25,143 --> 00:27:27,146 ええ あの… ちょっと あの 気になることがありまして…。 382 00:27:27,146 --> 00:27:30,282 まあ 上がれ。 へい。 383 00:27:30,282 --> 00:27:32,584 おう 入ってくれ! (長助)へい。 384 00:27:37,156 --> 00:27:39,291 遠慮するな。 さあ さあ。 385 00:27:39,291 --> 00:27:41,793 あ… えっ どうも。 386 00:27:44,663 --> 00:27:46,598 よっ…。 387 00:27:46,598 --> 00:27:49,301 ハハッ ほら 入ってくれ。 寒かったろう? 388 00:27:49,301 --> 00:27:54,306 あっ… どうも。 お言葉に甘えまして。 どうも すいません。 389 00:28:02,247 --> 00:28:07,953 あの… 日野の旦那がやられはりまして そのあと 遠野様がやられました。 390 00:28:07,953 --> 00:28:10,255 私 はっと気が付いたんでおます。 391 00:28:10,255 --> 00:28:12,324 何でい? 何か心当たりがあるってのかい? 392 00:28:12,324 --> 00:28:15,093 へい。 朽縄の仁吉でおます。 393 00:28:15,093 --> 00:28:17,029 朽縄の仁吉? 394 00:28:17,029 --> 00:28:19,631 (長助)へい。 何ですか? それは。 395 00:28:19,631 --> 00:28:21,967 いや あの… すりの看板は掲げておりましたけども➡ 396 00:28:21,967 --> 00:28:23,902 あんなの すりありゃしません。 397 00:28:23,902 --> 00:28:27,839 ええ。 もう 刃物 持たしたら 人殺しでも平気でしよる男でして。 398 00:28:27,839 --> 00:28:29,841 それじゃ 今度も? 399 00:28:29,841 --> 00:28:34,980 ええ。 女すりと同じじゃないかなと思い…。 400 00:28:34,980 --> 00:28:36,982 頂戴します。 ええ。 401 00:28:39,851 --> 00:28:43,155 あっ… あっ これは どうも。 402 00:28:43,155 --> 00:28:45,824 まあ やってくれ。 ああ どうも。 403 00:28:45,824 --> 00:28:49,494 それで その仁吉っていうのは どこに住んでるんだい? 404 00:28:49,494 --> 00:28:51,997 死によりました。 えっ? 405 00:28:51,997 --> 00:28:53,932 死んだ? (長助)はい。 406 00:28:53,932 --> 00:28:55,867 5年前に お縄になって➡ 407 00:28:55,867 --> 00:28:59,171 ほんで まあ 島送りの刑が決まってから 入牢中に病気で死にはりました。 408 00:28:59,171 --> 00:29:01,106 待てよ 長助。 409 00:29:01,106 --> 00:29:05,944 5年前に 朽縄の仁吉を吟味して 島送りのお裁き つけたのが➡ 410 00:29:05,944 --> 00:29:07,980 殺された遠野さんだって いうんじゃねえだろうな!? 411 00:29:07,980 --> 00:29:11,116 そのとおりでおます。 まあ…。 412 00:29:11,116 --> 00:29:14,786 じゃあ 仁吉の子供か子分の中の誰かが 遠野さんを恨んで…。 413 00:29:14,786 --> 00:29:16,722 仁吉の敵を? 414 00:29:16,722 --> 00:29:18,657 いや そうかもしれないけど…➡ 415 00:29:18,657 --> 00:29:22,461 あの もっと言うたら 日野の旦さんかて そうでおます。 416 00:29:22,461 --> 00:29:24,396 んっ? えっ? 417 00:29:24,396 --> 00:29:27,332 仁吉は 日野屋の旦さんとこの 家作 借りて 住んどりました。 418 00:29:27,332 --> 00:29:29,334 本当かい? はい。 419 00:29:29,334 --> 00:29:31,970 そこで 旦さんが「うちに けったいなんがおります」っちゅうて➡ 420 00:29:31,970 --> 00:29:34,640 畝の旦那の所へ 言うてこられましたんだそう。 421 00:29:34,640 --> 00:29:37,275 源さんが仁吉を? 422 00:29:37,275 --> 00:29:39,211 ええ。 それで お召し捕りに。 423 00:29:39,211 --> 00:29:41,480 それじゃ 今度は➡ 424 00:29:41,480 --> 00:29:44,383 畝様が狙われる番!? 425 00:29:44,383 --> 00:29:49,354 で 源さんは そのことに まだ 気が付いてねえのかい? 426 00:29:49,354 --> 00:29:51,823 いえ… それがおかしいんです。 427 00:29:51,823 --> 00:29:53,859 こりゃ てっきり 仁吉に関わり合いのある者が➡ 428 00:29:53,859 --> 00:29:55,994 やったんやないかと 私 気付きましてね➡ 429 00:29:55,994 --> 00:29:57,929 畝の旦那にお知らせに上がったんですよ。 430 00:29:57,929 --> 00:30:00,666 なら 旦那は ぷいと こう横を向いてね➡ 431 00:30:00,666 --> 00:30:02,701 す~っと どっか行ってしまわれました。 432 00:30:02,701 --> 00:30:04,836 源さんは 気が付いてんのか…。 433 00:30:04,836 --> 00:30:07,172 ええ そうかもしれません。 私も…。 434 00:30:07,172 --> 00:30:09,107 気が付いてるのに なぜ? 435 00:30:09,107 --> 00:30:11,043 長助。 (長助)へい。 436 00:30:11,043 --> 00:30:13,845 仁吉に 娘はいなかったかい? 437 00:30:13,845 --> 00:30:17,683 いや… どうか知りまへんけど ただ…。 ただ 何だい? 438 00:30:17,683 --> 00:30:22,521 千太っちゅう 一の子分が 1人おります。 千太っていうなら 男でしょ? 439 00:30:22,521 --> 00:30:24,856 いや 男に違いまへんけど…➡ 440 00:30:24,856 --> 00:30:29,027 そら けったいな「くノ一」っちゅう あだ名 持っとります。「くノ一」!? 441 00:30:29,027 --> 00:30:30,962 (長助)へい。 女に化けるのかい? 442 00:30:30,962 --> 00:30:34,199 男のくせして こんまい体でね➡ 443 00:30:34,199 --> 00:30:37,536 かわいいおなごに化けよりますんや。 444 00:30:37,536 --> 00:30:39,538 そいつだ! 445 00:30:41,406 --> 00:30:44,876 やっと これで… あれとこれとが結び付いたぜ。 446 00:30:44,876 --> 00:30:46,812 長助! (長助)へい。源さんのとこ 行くぜ! 447 00:30:46,812 --> 00:30:48,747 (長助)へい お供します。 448 00:30:48,747 --> 00:30:56,888 ♬~ 449 00:30:56,888 --> 00:30:58,890 源さん! 450 00:31:01,493 --> 00:31:04,162 あっ これは 神林の…。 451 00:31:04,162 --> 00:31:06,832 源さんは いるかい? いえ…。 452 00:31:06,832 --> 00:31:09,668 たった今 お出かけになりました。 453 00:31:09,668 --> 00:31:12,504 あ… どこへ行ったい? さあ? 454 00:31:12,504 --> 00:31:15,841 今しがた お使いが見えたんでございますよ。 455 00:31:15,841 --> 00:31:18,510 ほら え~っと…➡ 456 00:31:18,510 --> 00:31:26,017 うちの旦那を見初めたっていう 水戸の材木問屋の娘さん…。 457 00:31:26,017 --> 00:31:29,688 親が どうしても帰ってこいと言うので 水戸へ帰るが➡ 458 00:31:29,688 --> 00:31:33,525 帰る前に 一度だけ 会ってもらいたいと…。 459 00:31:33,525 --> 00:31:38,864 二度と迷惑はかけないからって そう言って…。 460 00:31:38,864 --> 00:31:45,203 迎えの乗ってきた駕籠に乗って… ん~ つい先刻 お出かけになりましたが。 461 00:31:45,203 --> 00:31:49,040 どこへ いらしたんでしょうね…。 462 00:31:49,040 --> 00:31:50,976 あ~ 長助…。 はい。 463 00:31:50,976 --> 00:31:53,545 あの 朽縄の仁吉が 御用になったのは どこだい? 464 00:31:53,545 --> 00:31:57,716 柳原です。 ほれ あの 新シ橋と和泉橋の間辺りです。 465 00:31:57,716 --> 00:31:59,751 そこだ! えっ!? 466 00:31:59,751 --> 00:32:11,997 ♬~ 467 00:32:11,997 --> 00:32:16,501 源さんは 朽縄の仁吉の残党の仕業だと気付いて➡ 468 00:32:16,501 --> 00:32:19,404 今度は 自分が狙われると悟ったに違えねえ。 469 00:32:19,404 --> 00:32:21,673 (長助)ほな それを承知の上で? 470 00:32:21,673 --> 00:32:26,311 敵の罠に掛かったと見せて 自ら 一味に近づいていったんだろう。 471 00:32:26,311 --> 00:32:30,182 (長助)けど 迎えに来たんは 水戸の材木屋の娘と違いましたんか? 472 00:32:30,182 --> 00:32:33,852 おとよも朽縄の一味 いや 恐らくは 仁吉の娘だろう。 473 00:32:33,852 --> 00:32:35,787 えっ!? 474 00:32:35,787 --> 00:32:37,722 大柄な おとよと 小柄な女すりが➡ 475 00:32:37,722 --> 00:32:39,724 どうにも結び付かずに 困っていたんだが➡ 476 00:32:39,724 --> 00:32:42,327 おめえさんが くノ一の千太のことを 知らせてくれたので➡ 477 00:32:42,327 --> 00:32:44,863 やっと そいつが 一つの糸につながったぜ。 478 00:32:44,863 --> 00:32:47,332 おとよについてる手代の忠吉➡ 479 00:32:47,332 --> 00:32:51,870 あれが くノ一の千太だ。 なるほど…。 480 00:32:51,870 --> 00:32:53,905 長助! えっ?あれを見ろ! 481 00:32:53,905 --> 00:32:56,708 えっ? 和泉橋の向こうに➡ 482 00:32:56,708 --> 00:32:59,044 舟が一艘 もやってあるのが見えねえか? 483 00:32:59,044 --> 00:33:02,647 ああ ほんに。 見えます あそこに。 484 00:33:02,647 --> 00:33:04,583 長助! へい。 485 00:33:04,583 --> 00:33:06,785 源さんが危ねえ! えっ!? 486 00:33:13,658 --> 00:33:17,162 あなたがここに おられるとは 思いませんでした。 487 00:33:17,162 --> 00:33:19,998 (おとよ)えっ…。 488 00:33:19,998 --> 00:33:23,034 誰か ほかの者が あなたの名を語って➡ 489 00:33:23,034 --> 00:33:27,305 私を呼び出したものとばかり 思っていました。 490 00:33:27,305 --> 00:33:29,841 私ではなく➡ 491 00:33:29,841 --> 00:33:34,713 ほかの方の誘いだと思ったから 来てくだすったと おっしゃるんですか? 492 00:33:34,713 --> 00:33:37,515 憎いお方。 いや…。 493 00:33:39,517 --> 00:33:42,420 大事な役目を抱えている身です。 494 00:33:42,420 --> 00:33:46,291 御用の筋だと思ったから 来たのです。 495 00:33:46,291 --> 00:33:50,028 そうでないと分かった以上 失礼いたす。 496 00:33:50,028 --> 00:33:52,030 (おとよ)お待ちください! 497 00:33:53,899 --> 00:33:56,334 もう二度と お目にかからぬつもりで➡ 498 00:33:56,334 --> 00:34:01,039 お別れを申し上げようと思って… 畝様。 499 00:34:48,720 --> 00:34:50,855 (千太)死ね! (おとよ)あっ…。 500 00:34:50,855 --> 00:34:53,191 てい! 501 00:34:53,191 --> 00:34:57,195 源三郎様…。 502 00:34:57,195 --> 00:34:59,331 お嬢さん! 503 00:34:59,331 --> 00:35:03,201 千太… 許しておくれ。 504 00:35:03,201 --> 00:35:08,907 お嬢さん… ほ ほ 本気で この男にほれた…。 505 00:35:10,809 --> 00:35:14,279 しっかりしろ! しっかりするんだ! 506 00:35:14,279 --> 00:35:18,149 くそ… 親分の敵 この俺が討ってやる! 507 00:35:18,149 --> 00:35:21,820 や~っ! 508 00:35:21,820 --> 00:35:31,162 ♬~ 509 00:35:31,162 --> 00:35:33,365 源さん! 510 00:35:35,033 --> 00:35:37,836 どけ! やっちまえ! 511 00:35:37,836 --> 00:35:47,012 (やり合う声) 512 00:35:47,012 --> 00:35:50,515 (長助)くそっ こんにゃろう! 513 00:35:50,515 --> 00:35:53,184 痛ててっ! 痛っ! 痛ててて…。 514 00:35:53,184 --> 00:35:56,521 んっ! あっ! あっ! 515 00:35:56,521 --> 00:35:58,857 源さ~ん! ⚟(源三郎)東吾さん! 516 00:35:58,857 --> 00:36:01,559 おお 無事だったか! この野郎…。 517 00:36:04,129 --> 00:36:06,331 (長助)あっ 痛い 痛い痛い 痛い痛い…。 518 00:36:09,934 --> 00:36:13,138 ⚟(源三郎) 東吾さん そいつを捕まえてくれ! 519 00:36:15,640 --> 00:36:19,511 貴様が千太だな…。 くそ…。 520 00:36:19,511 --> 00:36:21,813 やあ~! やあ~! 521 00:36:21,813 --> 00:36:24,716 長助! (長助)御用だ!➡ 522 00:36:24,716 --> 00:36:26,684 こらっ…。 523 00:36:26,684 --> 00:36:29,554 源さん! 524 00:36:29,554 --> 00:36:33,858 東吾さん 医者 呼んでやってくれませんか? 525 00:36:56,514 --> 00:37:00,118 あっ… あの どないです? 526 00:37:00,118 --> 00:37:02,420 あきまへんの? 527 00:37:05,790 --> 00:37:08,126 長助…。 えっ? 528 00:37:08,126 --> 00:37:10,328 2人にしといてやれ。 529 00:37:36,821 --> 00:37:42,694 ♬~ 530 00:37:42,694 --> 00:37:47,699 何にも言うな。 言わないでもいい…。 531 00:37:54,372 --> 00:38:02,080 敵の命… 身を捨てて かばってくれた。 532 00:38:05,450 --> 00:38:12,157 何にも言わなくても おめえの気持ちは 私には よく…。 533 00:38:21,266 --> 00:38:28,573 朴念仁の私にも おめえの気持ちは…。 534 00:38:31,476 --> 00:38:33,511 うれしい…。 535 00:38:33,511 --> 00:39:36,341 ♬~ 536 00:39:36,341 --> 00:39:39,043 死にました…。 537 00:39:47,819 --> 00:39:50,655 今夜は かわせみで➡ 538 00:39:50,655 --> 00:39:55,660 おとよの通夜をしてやろう。 なあ? 源さん。 539 00:39:57,528 --> 00:40:00,031 はい。 540 00:40:13,678 --> 00:40:15,880 (鈴の音) 541 00:40:32,063 --> 00:40:34,866 はい。 どうぞ。 542 00:40:34,866 --> 00:40:37,769 あっ…。 543 00:40:37,769 --> 00:40:42,607 るいは 話の筋が読めたようだな。 544 00:40:42,607 --> 00:40:45,510 お不動様で待ち伏せして 縁談を頼んだのは➡ 545 00:40:45,510 --> 00:40:47,445 おとよさんだったんですね~。 546 00:40:47,445 --> 00:40:51,716 うん。 日野屋は 年の功で おかしいと思った。 547 00:40:51,716 --> 00:40:54,218 材木問屋の娘にしては 玄人っぽい。 548 00:40:54,218 --> 00:40:56,154 こりゃ 源さんが➡ 549 00:40:56,154 --> 00:40:59,557 悪い女に引っかかったんじゃねえかと 気を回したんだ。 550 00:40:59,557 --> 00:41:01,492 じゃあ その百両ってえ金は…➡ 551 00:41:01,492 --> 00:41:04,996 もし 女が食わせ者で 畝の旦那がお困りになるようだったら➡ 552 00:41:04,996 --> 00:41:08,666 手切れ金にしようと…。 そうなんだ。 553 00:41:08,666 --> 00:41:12,670 親代わりの日野屋の気持ちが裏目に出た。 554 00:41:14,839 --> 00:41:16,874 アハッ。 それにしても まあ➡ 555 00:41:16,874 --> 00:41:19,310 源さんが 鼻の下 長くして 出かけるから➡ 556 00:41:19,310 --> 00:41:23,014 俺は 頭に湯気 立てながら 柳原土手まで走らされたんだ。 557 00:41:23,014 --> 00:41:24,949 アハハハ…。 558 00:41:24,949 --> 00:41:27,885 鼻の下 長くして 出かけたわけじゃねえんですよ。 559 00:41:27,885 --> 00:41:34,325 どうも 様子がおかしいと思ったから 敵の誘いに乗っただけですよ。 560 00:41:34,325 --> 00:41:37,028 見ろ…。 色男のすることかよ。 561 00:41:37,028 --> 00:41:40,064 ウフフフフ。 アハハハ…。 562 00:41:40,064 --> 00:41:42,533 まあ おとよにしても➡ 563 00:41:42,533 --> 00:41:45,203 毎日毎日 源さんを見送ってるうちに➡ 564 00:41:45,203 --> 00:41:50,341 源さんのよさ やっと分かってきたんだろうな。 565 00:41:50,341 --> 00:41:56,214 ♬~ 566 00:41:56,214 --> 00:42:00,017 アハッ。 でも 惜しいことをしましたね。 567 00:42:00,017 --> 00:42:02,286 えっ? 何がよ? 568 00:42:02,286 --> 00:42:06,157 今年こそは 畝様も美しい奥様をお迎えになれると➡ 569 00:42:06,157 --> 00:42:08,493 楽しみにしておりましたのに。 うん…。 570 00:42:08,493 --> 00:42:10,828 源さんの嫁さんは 「きっと 見つけてくるんだ」と言っていた➡ 571 00:42:10,828 --> 00:42:13,164 日野屋も死んで➡ 572 00:42:13,164 --> 00:42:15,666 また当分 源さんの嫁さんの来手は 見つかりそうもねえな? 573 00:42:15,666 --> 00:42:17,602 アハハハハ…。 574 00:42:17,602 --> 00:42:20,104 いや~ 当分 嫁は…。 575 00:42:22,440 --> 00:42:28,846 今度ぐらい 八丁堀勤めが つれえと思ったことはありませんね。 576 00:42:28,846 --> 00:42:31,749 朽縄の仁吉の手口と全く同じだと 分かってながら➡ 577 00:42:31,749 --> 00:42:34,552 日野屋のご主人の命 救えなかった…。 578 00:42:36,721 --> 00:42:40,858 何とも申し訳ねえことです。 579 00:42:40,858 --> 00:42:45,196 源さん… 飲めよ! 580 00:42:45,196 --> 00:43:05,883 ♬~ 581 00:43:07,518 --> 00:43:12,657 畝様に敵を討っていただいて おやじも きっと喜んでおりましょう。 582 00:43:12,657 --> 00:43:15,993 ありがとうございました。 583 00:43:15,993 --> 00:43:18,029 これからは なあ 源さん➡ 584 00:43:18,029 --> 00:43:22,834 おめえさんが 東三郎さんの 親代わりになってあげろよ。 585 00:43:27,505 --> 00:43:30,842 私には とても 日野屋さんの代わりは務まりません。 586 00:43:30,842 --> 00:43:35,179 いいえ。 親代わりの あにさんだと思って 頼りにしておりますから…。 587 00:43:35,179 --> 00:43:38,182 どうか よろしく…。言わねえでくれ! えっ? 588 00:43:39,851 --> 00:43:43,688 私が もう少し しっかりしていたら…➡ 589 00:43:43,688 --> 00:43:46,691 殺さねえで済んだかもしれねえんだ…。 590 00:43:48,526 --> 00:43:54,332 (日野屋)畝様… 源三郎様…➡ 591 00:43:54,332 --> 00:43:59,704 そんなに ご自分を責めちゃ いけませんよ…。 592 00:43:59,704 --> 00:44:05,810 ♬~ 593 00:44:05,810 --> 00:44:08,846 ハハハハ ハハハハ…! 594 00:44:08,846 --> 00:44:13,484 私はね 思いのままに 生きられるだけ 生きてきて➡ 595 00:44:13,484 --> 00:44:16,821 もう 思い残すことは 何にもない。 596 00:44:16,821 --> 00:44:18,756 ただ 心残りは➡ 597 00:44:18,756 --> 00:44:26,164 畝様に花嫁御寮を お世話できなかったことだけだが…➡ 598 00:44:26,164 --> 00:44:30,168 こりゃもう 私には どうにもできないことだから➡ 599 00:44:30,168 --> 00:44:33,671 ご自分で見っけてくださいよ。 600 00:44:33,671 --> 00:44:35,606 若いんですからね あなた。 601 00:44:35,606 --> 00:44:38,175 私に負けてちゃ みっともないよ。 602 00:44:38,175 --> 00:44:52,690 ♬~ 603 00:44:52,690 --> 00:44:56,193 この娘のこともご心配なく。 604 00:44:56,193 --> 00:45:00,031 手に手を取って あの世へ 道行きと しゃれ込んで➡ 605 00:45:00,031 --> 00:45:04,468 私が極楽へ 連れていってあげましょう。 606 00:45:04,468 --> 00:45:42,506 ♬~ 607 00:45:42,506 --> 00:46:03,260 (鼻歌) 608 00:46:03,260 --> 00:46:05,262 ⚟(お吉)お嬢様…。 609 00:46:06,964 --> 00:46:12,269 (お吉)雪が降ってまいりましたよ。 えっ? ああ 本当…。 610 00:46:22,980 --> 00:46:28,486 世の中の恨みつらみを すっかり 洗い清めてくれるような…➡ 611 00:46:28,486 --> 00:46:32,790 きれいな雪ね…。 612 00:46:43,968 --> 00:48:53,164 ♬~