1 00:00:02,102 --> 00:00:07,040 ♬~ (テーマ音楽) 2 00:00:07,040 --> 00:02:08,829 ♬~ 3 00:02:12,733 --> 00:02:15,435 (徳松)こらっ! どいた どいた! どけ! 4 00:02:17,504 --> 00:02:20,007 (徳松)うわっ どいた どいた どいた! どいた どいた… おっと! 5 00:02:20,007 --> 00:02:23,043 どいた どいた! おっとっと…。 おっと! 6 00:02:23,043 --> 00:02:25,512 あ~! どいた! ほら どいた! 7 00:02:25,512 --> 00:02:30,017 しじみ~。 (徳松)ほら どいた どいた! 旦那! 8 00:02:30,017 --> 00:02:31,952 どうした? どうしたんだよ? 9 00:02:31,952 --> 00:02:34,688 (徳松)ほら 邪魔だよ 邪魔だよ。 ほら! どいた!➡ 10 00:02:34,688 --> 00:02:37,891 はい ごめんよ。 ごめんよ。 11 00:02:43,864 --> 00:02:47,167 (源三郎)舟ん中で 男が殺されていました。 12 00:02:56,443 --> 00:02:58,645 (伝次)旦那。 (源三郎)ん…? 13 00:03:00,647 --> 00:03:04,284 (伝次)仏のたもとに こんなものが…。 14 00:03:04,284 --> 00:03:10,090 何だ? 元結ですよ 髪を結う。 15 00:03:10,090 --> 00:03:13,493 (源三郎)伝次が死骸のたもとから 元結を見つけて➡ 16 00:03:13,493 --> 00:03:15,996 男は 富沢町の裏店に住む➡ 17 00:03:15,996 --> 00:03:19,833 髪結いの和吉という男だと 身元が知れたんです。 18 00:03:19,833 --> 00:03:24,004 (東吾)裏店住まいの髪結いが舟遊びとは おい 源さん しゃれてるな。 19 00:03:24,004 --> 00:03:29,309 いえ 舟は去年の秋の嵐で壊れたまま つながれていたものなんですが。➡ 20 00:03:29,309 --> 00:03:34,147 いつもは 近所の悪ガキどもの いい遊び場所になっていたんです。 21 00:03:34,147 --> 00:03:37,851 で 死骸も子供たちが見つけて 自身番へ届けました。 22 00:03:37,851 --> 00:03:42,689 すると 和吉は 壊れた舟に連れ込まれて殺された? 23 00:03:42,689 --> 00:03:47,027 ええ… 毒を飲まされたのは 舟ん中かどうかは分かりません。 24 00:03:47,027 --> 00:03:49,062 毒? (源三郎)はい。➡ 25 00:03:49,062 --> 00:03:53,700 石見銀山ねずみ取りを飲まされて 和吉は死んでいました。 26 00:03:53,700 --> 00:03:57,037 (るい)自分で飲んだんじゃないんですね? 27 00:03:57,037 --> 00:04:01,875 和吉は 10を頭に 小さい子供が4人もおりますから…。➡ 28 00:04:01,875 --> 00:04:04,644 それに 出がけに 子供たちに➡ 29 00:04:04,644 --> 00:04:08,148 「きれいな着物を買ってきてやる」と そう言って出かけたっていうんです。 30 00:04:08,148 --> 00:04:10,150 恐らく てめえで毒を飲んで➡ 31 00:04:10,150 --> 00:04:12,486 死んだんじゃねえだろうと 思うんですがね。 32 00:04:12,486 --> 00:04:16,490 和吉が うちを出たのは? 昨日です。 33 00:04:37,711 --> 00:04:40,847 (源三郎)暮れ六つ過ぎに家を出て➡ 34 00:04:40,847 --> 00:04:43,750 そのまんま ゆんべは 家に戻らなかったので➡ 35 00:04:43,750 --> 00:04:48,188 女房の おふさというのが心配をして 家主に届けをして➡ 36 00:04:48,188 --> 00:04:53,193 そこで 「髪結いが殺された」と聞いて もしや 和吉では… と。 37 00:04:59,699 --> 00:05:01,701 (おふさ)お前さん…! 38 00:05:04,671 --> 00:05:06,807 (おまつ)お父ちゃん➡ 39 00:05:06,807 --> 00:05:12,479 こんなとこで寝てねえで 早く おうちへ帰ろうよ。 40 00:05:12,479 --> 00:05:16,349 (泣き声) 41 00:05:16,349 --> 00:05:38,705 ♬~ 42 00:05:38,705 --> 00:05:43,009 それで 下手人の手がかりは? 43 00:05:43,009 --> 00:05:45,912 それがまだ何とも…。 44 00:05:45,912 --> 00:05:48,682 分からないんですか? はい。 45 00:05:48,682 --> 00:05:50,617 なあ 源さん➡ 46 00:05:50,617 --> 00:05:55,322 「和吉が ゆんべ うちへ帰らずに 女房が心配して 家主へ届けた」➡ 47 00:05:55,322 --> 00:05:57,691 そう 源さん 言ったな? 言いました。 48 00:05:57,691 --> 00:05:59,626 それが どうかしましたか? 49 00:05:59,626 --> 00:06:02,662 男が一晩 うちを空けたぐらいで 女房が家主へ届けるっていうのは➡ 50 00:06:02,662 --> 00:06:04,798 ちいと おかしかねえかい? 51 00:06:04,798 --> 00:06:08,268 それが 和吉というのは すこぶるつきの子ぼんのうでして➡ 52 00:06:08,268 --> 00:06:12,138 これまで一度も うちを空けたことがないっていうんです。 53 00:06:12,138 --> 00:06:16,009 ほう… 髪結いなんぞは 女の客の機嫌取りで➡ 54 00:06:16,009 --> 00:06:21,147 結構 浮気な稼業だと思っていたが そんな堅い野郎もいたのかい。 55 00:06:21,147 --> 00:06:23,817 まあ 若いうちは いろいろあったんでしょうけれどもね➡ 56 00:06:23,817 --> 00:06:28,154 おふさと一緒になってからは たまに酒を飲むのがせいぜいで➡ 57 00:06:28,154 --> 00:06:32,025 「浮いた噂一つもなかった」と 長屋の連中が言っておりました。 58 00:06:32,025 --> 00:06:34,928 いくつなんですか? 和吉って人。 59 00:06:34,928 --> 00:06:37,163 厄だそうです。 60 00:06:37,163 --> 00:06:39,099 42かい? (源三郎)はい。 61 00:06:39,099 --> 00:06:43,036 それにしちゃ 子供が…。 うん 小せえなあ。 62 00:06:43,036 --> 00:06:45,839 おふさと一緒になったのが 遅かったんでしょう。 63 00:06:45,839 --> 00:06:49,676 それだけに 人一倍 子供がかわいくてしょうがなかった。 64 00:06:49,676 --> 00:06:54,014 子ぼんのうで堅い男が 殺されたとなると…。 65 00:06:54,014 --> 00:06:59,319 なるほど こいつは 下手人を見つけ出すのは骨だなあ。 66 00:07:01,121 --> 00:07:05,792 (お園)ええ 和吉さん よく知ってますよ。 67 00:07:05,792 --> 00:07:08,628 とってもいい人でね。 68 00:07:08,628 --> 00:07:12,465 おとついも あたしが風邪をひいて 寝込んじまったもんですからね➡ 69 00:07:12,465 --> 00:07:14,501 和吉さんが あたしの代わりに➡ 70 00:07:14,501 --> 00:07:18,338 気持ちよく 私のお得意さん 回ってくれたんですよ。 71 00:07:18,338 --> 00:07:22,142 まあ そんなに親しい仲だったの? 72 00:07:22,142 --> 00:07:26,012 ええ… ですから もうね かわいそうで かわいそうで…。 73 00:07:26,012 --> 00:07:29,649 どうして あんないい人を 殺しちまったんだろうって➡ 74 00:07:29,649 --> 00:07:32,152 下手人 見つけたら かみついてやりたいぐらいですよ。 75 00:07:36,523 --> 00:07:43,163 ⚟(子供たち)♬ 向こう横町の おいなりさんへ 一文あげて 76 00:07:43,163 --> 00:07:47,500 ♬ ちょいと おがんで お仙の茶屋へ 77 00:07:47,500 --> 00:07:51,838 ♬ 腰をかけたら しぶ茶をだして 78 00:07:51,838 --> 00:07:55,508 ♬ しぶ茶よこよこ 横目で見たら 79 00:07:55,508 --> 00:07:57,510 (おみつ)あっ…。 80 00:08:04,784 --> 00:08:07,454 (おふさ)お千代 おみつ➡ 81 00:08:07,454 --> 00:08:10,256 お母さん 越後屋さんまで これ届けに行ってくるから➡ 82 00:08:10,256 --> 00:08:13,560 おまつ 泣かさないように。 いいね? (お千代)は~い。 83 00:08:20,266 --> 00:08:25,472 (太鼓の音) 84 00:08:27,040 --> 00:08:31,277 東吾さん 和吉ですがね 殺された日の前の晩➡ 85 00:08:31,277 --> 00:08:35,482 仕事から帰ってきたら ひどく考え込んでいたっていうんですよ。 86 00:08:35,482 --> 00:08:38,284 うん。 (伝次)いえ 前の晩だけじゃねえんで。 87 00:08:38,284 --> 00:08:41,187 明くる日になっても 朝から ずっと考え込んでいて➡ 88 00:08:41,187 --> 00:08:45,992 昼少し前に 得意先の大黒屋っていう まあ これは近所の質屋なんですがね➡ 89 00:08:45,992 --> 00:08:50,830 そこ行って おかみさんと娘の髪結って 一旦 うちに戻ってきて➡ 90 00:08:50,830 --> 00:08:54,701 まあ 子供と遊んだりしてたんですが いつもと どっか違う…。 91 00:08:54,701 --> 00:08:57,003 女房のおふさが そう言ったのか? 92 00:08:57,003 --> 00:08:59,305 へえ。 (八造)一体 どう違ってたっていうんだい。 93 00:08:59,305 --> 00:09:01,941 じ~っと 何か考え込んでいて➡ 94 00:09:01,941 --> 00:09:05,245 時々 独り言をな 言ってたっていうんだよ 和吉は。 95 00:09:05,245 --> 00:09:07,180 (八造)独り言? 96 00:09:07,180 --> 00:09:23,263 ♬~ 97 00:09:23,263 --> 00:09:26,966 (和吉)世の中 広いようで狭えもんだな。 98 00:09:26,966 --> 00:09:29,636 (おみつ)お父ちゃん。➡ 99 00:09:29,636 --> 00:09:32,639 おまつちゃん 泣いちゃった。 100 00:09:38,978 --> 00:09:42,816 人の行く末っていうものは つくづく分からねえもんだ。 101 00:09:42,816 --> 00:09:49,022 ♬ 向こう横町の おいなりさんへ 一文あげて 102 00:09:50,557 --> 00:09:54,160 「世の中 広いようで狭い」ねえ。 103 00:09:54,160 --> 00:09:58,031 「人の行く末は分からぬもの」か…。 104 00:09:58,031 --> 00:10:00,300 (お花)一体 どういう意味なんでしょうね。 105 00:10:00,300 --> 00:10:03,503 ばか! それが分かりゃ 苦労するかい。 106 00:10:03,503 --> 00:10:06,172 和吉には 以前から そんな癖があったのか? 107 00:10:06,172 --> 00:10:08,107 独り言を言う癖ですか? うん。 108 00:10:08,107 --> 00:10:10,043 いいえ。 109 00:10:10,043 --> 00:10:12,679 そんなことを言ったのは その日 初めてですね。 110 00:10:12,679 --> 00:10:15,315 いえ 「仕事から戻った 前の晩にも➡ 111 00:10:15,315 --> 00:10:18,218 後から考えてみると 同じことをつぶやいて➡ 112 00:10:18,218 --> 00:10:21,020 じ~っと考え込んでいた」と おふさが言ってました。 113 00:10:21,020 --> 00:10:24,858 前の晩 仕事から帰ってきてから? (伝次)へえ。 114 00:10:24,858 --> 00:10:26,793 おい 源さん➡ 115 00:10:26,793 --> 00:10:29,529 和吉は その日 いつもとは別の仕事先を回ってるぜ。 116 00:10:29,529 --> 00:10:32,031 えっ? かわせみへ来る お園って髪結いが➡ 117 00:10:32,031 --> 00:10:35,535 風邪をひいて その日は 和吉に 自分の得意先を回ってもらったと➡ 118 00:10:35,535 --> 00:10:37,470 るいに話していた。 119 00:10:37,470 --> 00:10:40,039 旦那! では 和吉は その日➡ 120 00:10:40,039 --> 00:10:42,709 仕事に行った先で 誰かに会った。 うん。 121 00:10:42,709 --> 00:10:46,546 なるほど。 それで 「世の中は 広いようで狭い」って言ったんだ。 122 00:10:46,546 --> 00:10:50,049 しかも 会った相手の境遇が 昔とは すっかり変わっていた…。 123 00:10:50,049 --> 00:10:53,553 だから 「人の行く末ってものは つくづく分からねえもんだ」って和吉は! 124 00:10:53,553 --> 00:10:55,488 おい 源さん! はい。 125 00:10:55,488 --> 00:10:57,423 早速 お園に聞いてみましょう➡ 126 00:10:57,423 --> 00:11:00,994 和吉が回った お園の得意先っていうのを。 伝次。へい! 127 00:11:00,994 --> 00:11:16,543 ♬~ 128 00:11:16,543 --> 00:11:19,045 ごめんよ! お園さん いるかい? 129 00:11:22,849 --> 00:11:27,520 それが お園に代わって 和吉が回った仕事先です。 130 00:11:27,520 --> 00:11:31,024 7軒で13人か。 131 00:11:31,024 --> 00:11:34,327 こうやって見ると 髪結いって仕事も楽じゃねえな。 132 00:11:34,327 --> 00:11:39,532 それで この中に その和吉って人が会って びっくりするような相手 いたんですか? 133 00:11:39,532 --> 00:11:42,569 いえ それが…。 とりわけ びっくりするような相手は…➡ 134 00:11:42,569 --> 00:11:46,039 ねえ? はあ。 見つかりません。 135 00:11:46,039 --> 00:11:50,210 それに和吉は 前にも一度 これと同じ得意先を➡ 136 00:11:50,210 --> 00:11:52,545 お園に頼まれて回ったことが…。 137 00:11:52,545 --> 00:11:55,048 何? いや あるってんですよ。 138 00:11:55,048 --> 00:11:56,983 ひとつき前に一度ね。 139 00:11:56,983 --> 00:11:58,918 おい 源さん。 ええ。 140 00:11:58,918 --> 00:12:01,287 これは お園に聞いて 分かったことなんですけれどもね➡ 141 00:12:01,287 --> 00:12:05,158 その時 お園は 亭主の法事で 一日 仕事を休んだので➡ 142 00:12:05,158 --> 00:12:07,660 和吉に 代わりに行ってもらったってんですよ。 143 00:12:07,660 --> 00:12:12,165 けど 「その時は 帰ってきてからも 独り言なんぞ言ったりしなかった」➡ 144 00:12:12,165 --> 00:12:14,100 おふさは そう言ってますが。 145 00:12:14,100 --> 00:12:18,304 同じ仕事場を前にも一度回って その時は会えずに➡ 146 00:12:18,304 --> 00:12:20,240 今度 会った相手か…。 147 00:12:20,240 --> 00:12:24,844 おい 源さん それなら 相手は おのずから 絞れてきそうなもんじゃねえか? 148 00:12:24,844 --> 00:12:30,016 いや それが… いないんですよ どう調べてみても。 149 00:12:30,016 --> 00:12:32,051 いない? ええ。 150 00:12:32,051 --> 00:12:34,520 この前から今度までの ひとつきの間➡ 151 00:12:34,520 --> 00:12:38,024 そこに書き出したうちへ 新しく来た人間は 一人もいませんね。 152 00:12:38,024 --> 00:12:39,959 妙だのう。 153 00:12:39,959 --> 00:12:43,830 それで さっぱり 分かんなくなっちゃいましてねえ。 154 00:12:43,830 --> 00:12:46,332 あの…。 (源三郎)何です? 155 00:12:46,332 --> 00:12:49,702 いえ 和吉さんが うちを出る時に 子供たちに➡ 156 00:12:49,702 --> 00:12:53,206 「きれいな着物を買ってきてやる」って そう言って出かけたって➡ 157 00:12:53,206 --> 00:12:55,541 畝様 この前 おっしゃいましたね。 158 00:12:55,541 --> 00:12:58,344 はい 言いました。 ということは 和吉さん➡ 159 00:12:58,344 --> 00:13:01,247 その相手に会って お金を… ねえ➡ 160 00:13:01,247 --> 00:13:03,983 もらうつもりだったんじゃ ありませんかね? 161 00:13:03,983 --> 00:13:06,819 金ですか? ええ…。 162 00:13:06,819 --> 00:13:10,289 「人の行く末は分からない」と つぶやいて➡ 163 00:13:10,289 --> 00:13:14,494 「着物を買ってきてやる」と言って出てった っていうことは つまり…。 164 00:13:14,494 --> 00:13:17,297 なるほど! 思いがけない出世をした相手から➡ 165 00:13:17,297 --> 00:13:22,835 何かの理由で金をせびるつもりで 和吉は出かけていった…。 166 00:13:22,835 --> 00:13:25,171 そう 言うんだな? はい。 167 00:13:25,171 --> 00:13:28,074 いや しかし そんな相手は…。 168 00:13:28,074 --> 00:13:32,679 いないか? 源さん。 やっぱり いませんよ そん中にゃ。 169 00:13:32,679 --> 00:13:36,883 いや きっと どっかにいるはずだ。 170 00:13:46,859 --> 00:13:49,328 伝次。 へい。 171 00:13:49,328 --> 00:13:53,199 和吉の昔 洗ってみてくれ。 昔ですか? 172 00:13:53,199 --> 00:13:57,203 うん。 できりゃあ 子供の頃まで 念入りに洗ってみるんだ。 173 00:13:57,203 --> 00:14:01,474 下手人の何か手がかりが ひょっこり浮かんでくるかもしれねえぜ。 174 00:14:01,474 --> 00:14:03,476 分かりやした。 うん。 175 00:14:07,647 --> 00:14:10,983 思いがけない相手…。 176 00:14:10,983 --> 00:14:15,154 恐らく その相手に 和吉さんは 殺されたんだろうと思うけど…➡ 177 00:14:15,154 --> 00:14:18,658 誰なんでしょうね? 一体…。 178 00:14:18,658 --> 00:14:20,593 るいが言ったように➡ 179 00:14:20,593 --> 00:14:26,165 和吉が その相手から 金をせびろうと考えて出かけていって➡ 180 00:14:26,165 --> 00:14:31,838 そいつに殺されたとなると 奉公人じゃねえなあ。 181 00:14:31,838 --> 00:14:37,643 ええ… せびって お金の出してもらえそうな➡ 182 00:14:37,643 --> 00:14:40,847 店の旦那か おかみさんってことに なるんでしょうけど➡ 183 00:14:40,847 --> 00:14:42,782 誰なんだろう? 184 00:14:42,782 --> 00:14:46,185 いくら そいつをにらんでみたところで 無駄だよ。 185 00:14:46,185 --> 00:14:50,056 源さんも伝次も そいつは ちゃんと調べてきている。 186 00:14:50,056 --> 00:14:53,326 そこに書いてあるうちの主人も おかみさんも➡ 187 00:14:53,326 --> 00:14:55,862 番頭や奉公人の中にも➡ 188 00:14:55,862 --> 00:14:59,532 近頃 よそから来たって者は 一人もいねえ。 189 00:14:59,532 --> 00:15:03,503 つまりは 和吉の会った 思いがけねえ相手には➡ 190 00:15:03,503 --> 00:15:05,972 なれねえってことだ。 191 00:15:05,972 --> 00:15:12,745 じゃあ ねえ 和吉さんが たまたま 仕事に行ってた時に よそから来た人。 192 00:15:12,745 --> 00:15:15,681 何? そうだわ! 193 00:15:15,681 --> 00:15:17,683 おい るい! 194 00:15:17,683 --> 00:15:19,819 それなら ねえ 思いがけない➡ 195 00:15:19,819 --> 00:15:23,656 すっかり 身分も身の上も変わっちまった 人にだって会えるじゃありませんか! 196 00:15:23,656 --> 00:15:26,159 ねえ…➡ 197 00:15:26,159 --> 00:15:30,029 ここに書いてある お店 回ってみましょうよ。 198 00:15:30,029 --> 00:15:32,031 よしっ 行こう! 199 00:15:38,671 --> 00:15:41,307 あら…。 おい 源さん! 200 00:15:41,307 --> 00:15:44,677 おおっ! これはまた おそろいで。 201 00:15:44,677 --> 00:15:48,514 何か拾えたかい? ええ 実はね➡ 202 00:15:48,514 --> 00:15:53,386 ここの小僧の長松ってのが 和吉が ここへ仕事をしに来た日➡ 203 00:15:53,386 --> 00:15:58,524 女に表で道を聞かれてるのを見た っていうのを聞いたもんですからね。 204 00:15:58,524 --> 00:16:00,460 和吉が女と? 205 00:16:00,460 --> 00:16:04,130 (長松)はい。 うちから 買い物を済まして出てきた女の人が➡ 206 00:16:04,130 --> 00:16:08,634 和吉さんに「馬喰町に行くのには どう行けばいいか」って聞いてたんです。 207 00:16:08,634 --> 00:16:11,137 馬喰町への道を? 208 00:16:11,137 --> 00:16:14,473 (長松)女の人は 教わった道を 歩いていっちまったんです。➡ 209 00:16:14,473 --> 00:16:19,979 でも 和吉さん ぼ~っとしちゃって 何か考えてるみたいでした。➡ 210 00:16:19,979 --> 00:16:24,283 で 急に 「あっ!」て言って 女の人が歩いていった道 駆けだして…。 211 00:16:24,283 --> 00:16:26,285 和吉がか? (長松)はい。 212 00:16:28,154 --> 00:16:32,491 長松 ご苦労だったな。(長松)はい。 うん。 213 00:16:32,491 --> 00:16:34,427 八造。 へい。 214 00:16:34,427 --> 00:16:37,997 すまねえが 馬喰町へ飛んでくれ。 旅籠屋をしらみつぶしに探すんだ。 215 00:16:37,997 --> 00:16:40,500 近江屋で買い物をして帰ってきた 女の客ですね。 216 00:16:40,500 --> 00:16:43,836 ああ。 女は1人で泊まったとは限らねえ。 217 00:16:43,836 --> 00:16:45,771 夫婦で泊まっていたかもしれねえぞ。 218 00:16:45,771 --> 00:16:50,176 少なくも 和吉が近江屋へ仕事に来た 11日の晩は泊まっていた。 219 00:16:50,176 --> 00:16:53,679 出立は恐らく 和吉の死骸が見つかった 13日! 220 00:16:53,679 --> 00:16:55,681 分かりました! 221 00:17:10,463 --> 00:17:13,966 おう。(徳松)旦那! (寺川)畝さん これ 見てください。 222 00:17:13,966 --> 00:17:18,271 何だい 水天宮のお札じゃねえか。 (寺川)虫封じのお札です。 223 00:17:18,271 --> 00:17:21,807 これを赤ん坊の枕元に貼っておくと 赤ん坊の夜泣きが治まるんだそうで。 224 00:17:21,807 --> 00:17:25,978 おいおい 独り者の俺に 赤ん坊の夜泣きの まじないなんざ 用はねえぜ。 225 00:17:25,978 --> 00:17:29,282 いえ 違うんです。 これ 徳松が…。 徳松…!? 226 00:17:29,282 --> 00:17:32,652 (徳松)拾ったんですよ 和吉が殺されてた屋根舟ん中で。 227 00:17:32,652 --> 00:17:35,488 何…! てっきり 和吉の持ち物であると思って➡ 228 00:17:35,488 --> 00:17:37,823 和吉の遺骸と一緒に かみさんに渡してやったんですが➡ 229 00:17:37,823 --> 00:17:40,493 かみさんは 「和吉のじゃない」って返してきました。 230 00:17:40,493 --> 00:17:44,363 ここに 「いち 二才」と 赤ん坊の名前が書いてありやしょう?➡ 231 00:17:44,363 --> 00:17:47,066 和吉のうちには 「いち」って赤ん坊は いねえってんです。 232 00:17:49,168 --> 00:17:52,471 (寺川)どこへ行くんですか? 決まってるだろ 水天宮だ! 233 00:17:54,040 --> 00:17:56,842 いけねえ! いけねえ! 行くぞ! 234 00:17:56,842 --> 00:17:58,778 (鈴の音) 235 00:17:58,778 --> 00:18:00,780 (かしわ手) 236 00:18:02,448 --> 00:18:06,118 ああ このお札なら覚えております。 237 00:18:06,118 --> 00:18:11,991 授けてあげましたのは さよう 13日の昼少し前であった。 238 00:18:11,991 --> 00:18:15,127 13日!? (徳松)そりゃ おかしいや。 239 00:18:15,127 --> 00:18:18,798 あっしが そいつを拾ったのは 13日の朝早くだもの。 240 00:18:18,798 --> 00:18:21,701 何か ご記憶違いではございませぬか? 241 00:18:21,701 --> 00:18:26,539 年は取っても 記憶違いをいたすほど もうろくはしており申さん。 242 00:18:26,539 --> 00:18:30,142 確かに お札は13日に授けた。 243 00:18:30,142 --> 00:18:32,645 …が その女➡ 244 00:18:32,645 --> 00:18:37,817 前々日の11日にも お札を受けに来ておる。 245 00:18:37,817 --> 00:18:42,989 うん 「11日に受けたお札をなくした」とか 申してな➡ 246 00:18:42,989 --> 00:18:46,025 13日にもまた受けに来たのじゃ。 247 00:18:46,025 --> 00:18:50,730 その女のことを覚えておいでならば 詳しくお聞かせ願えませぬか。 248 00:18:50,730 --> 00:18:53,499 そうよのう…➡ 249 00:18:53,499 --> 00:18:57,303 年頃は まず 35~36というとこかな。 250 00:18:57,303 --> 00:18:59,238 35~36…。 ああ。 251 00:18:59,238 --> 00:19:04,944 上品な身なりをしておったが ありゃ 江戸の女ではなさそうだ。 252 00:19:04,944 --> 00:19:06,879 旅支度でもしてやしたか? 253 00:19:06,879 --> 00:19:11,250 いや 何 金のかかったものを 身にまとうておったが➡ 254 00:19:11,250 --> 00:19:15,454 あか抜けない柄行きの着物でな。 255 00:19:15,454 --> 00:19:20,126 は~ん これは田舎から出てきたなと ピンと来たのよ。 256 00:19:20,126 --> 00:19:22,061 うん…。 257 00:19:22,061 --> 00:19:26,465 在所とか名前とかは お聞きになりませんでしたか? 258 00:19:26,465 --> 00:19:29,802 ああ 残念ながら そこまでは…。➡ 259 00:19:29,802 --> 00:19:34,473 赤ん坊の生まれた年月 日にちなら聞いておるが。 260 00:19:34,473 --> 00:19:39,645 惜しいなあ。 ああ まったく 惜しいことをした。 261 00:19:39,645 --> 00:19:42,681 なまじ 美女であったために➡ 262 00:19:42,681 --> 00:19:46,986 名前まで聞くのは 何となく はばかられてな…。 263 00:19:48,988 --> 00:19:53,659 神主が名前を聞くのを遠慮したほどの いい女だったっていうのか? 264 00:19:53,659 --> 00:19:56,996 はい。 しかも 江戸には 今いない? 265 00:19:56,996 --> 00:20:01,500 そいつだなあ。 間違いなく 和吉が久しぶりに出会った相手➡ 266 00:20:01,500 --> 00:20:05,371 その女だぜ。 私も… はい そう思いました。 267 00:20:05,371 --> 00:20:08,174 上品な身なりをしていたっていうから➡ 268 00:20:08,174 --> 00:20:11,510 昔とは違って 今は結構なご身分。 うん。 269 00:20:11,510 --> 00:20:15,381 「人の行く末は分からぬものだ」と 和吉が言ったのは そのせいだ。 270 00:20:15,381 --> 00:20:17,383 ⚟(お吉)お嬢さん。 はい。 271 00:20:17,383 --> 00:20:20,219 (お吉)伝次親分が お見えになりました。 272 00:20:20,219 --> 00:20:24,090 和吉の昔が分かったかな。 どうぞ。 273 00:20:24,090 --> 00:20:26,325 ごめんくださいまし。 おう 伝次 どうだった? 274 00:20:26,325 --> 00:20:29,228 いろいろと分かりやした。 そうか! ご苦労だった。 275 00:20:29,228 --> 00:20:32,698 まあ 1杯やって 話してくれ。 あっ 頂戴いたしやす。 276 00:20:32,698 --> 00:20:34,700 どうぞ。 へい。 277 00:20:39,572 --> 00:20:41,874 あっ こりゃ どうも。 278 00:20:41,874 --> 00:20:45,211 和吉は 富沢町へ引っ越してくる前は➡ 279 00:20:45,211 --> 00:20:49,081 柳原土手に近い 郡代屋敷裏の長屋に住んでやした。 280 00:20:49,081 --> 00:20:51,350 おふさと所帯持ったのも そこなんです。 281 00:20:51,350 --> 00:20:55,888 5年ばかり そこに住んでましたが 長屋の連中の評判も悪くありません。➡ 282 00:20:55,888 --> 00:20:59,358 腰が低くって働き者だって みんな 口をそろえて言ってます。 283 00:20:59,358 --> 00:21:03,229 その前は? ええ その前は 浅草の聖天長屋。 284 00:21:03,229 --> 00:21:05,664 ここは 生まれてからずっと ってことなんですが➡ 285 00:21:05,664 --> 00:21:08,167 あいにく 店子が みんな 新しくなっちまって…。 286 00:21:08,167 --> 00:21:10,102 大家は? (伝次)ええ➡ 287 00:21:10,102 --> 00:21:13,005 大家の隠居なら 昔のことを知ってるだろうって➡ 288 00:21:13,005 --> 00:21:15,307 そう言うんで…。 (源三郎)会ったのかい? 289 00:21:15,307 --> 00:21:19,512 それが 長屋の連中と大山参りに 出かけてって いねえんですよ。 290 00:21:19,512 --> 00:21:22,181 (舌打ち) 70になろうってのに➡ 291 00:21:22,181 --> 00:21:26,185 足腰もぴんしゃんしてて 目も耳も歯も しっかりしてるってんだから➡ 292 00:21:26,185 --> 00:21:28,320 若い者は顔負けでさあ。 おい いつ帰ってくるんだ? 293 00:21:28,320 --> 00:21:30,256 山からですか? 明日だって話です。 294 00:21:30,256 --> 00:21:32,525 あたし 明日 もういっぺん 行ってみようと思ってんですがね。 295 00:21:32,525 --> 00:21:35,327 俺も連れてってくれ 源さん。 296 00:21:35,327 --> 00:21:39,031 和吉が その女を知ったのは そこだよ 源さん。 297 00:21:40,866 --> 00:21:42,802 (大家)さあさあ 上がっておくんなさい。➡ 298 00:21:42,802 --> 00:21:45,604 遠慮していただくほどのお屋敷じゃ ありませんよ。 299 00:21:50,576 --> 00:21:55,047 昨日は 留守してて すいませんでしたね。 300 00:21:55,047 --> 00:21:58,717 一体 何の話です? 親分。 301 00:21:58,717 --> 00:22:00,986 髪結いの和吉が 子供の頃から➡ 302 00:22:00,986 --> 00:22:02,922 おめえんとこの長屋に住んでた っていうんで➡ 303 00:22:02,922 --> 00:22:05,291 和吉のことをな 聞きてえと思って。 304 00:22:05,291 --> 00:22:07,359 ええ ええ 和吉! ああ。 305 00:22:07,359 --> 00:22:11,163 殺されたんですってね かわいそうに。 306 00:22:11,163 --> 00:22:17,870 ああ いい男でしたよ。 おとなしい 気の弱い 正直な働き者でね。 307 00:22:17,870 --> 00:22:23,175 だから 年頃になって 悪い連中が誘っても➡ 308 00:22:23,175 --> 00:22:27,513 女郎買い一つ行くじゃなく 真面目に働いてましたよ。 309 00:22:27,513 --> 00:22:30,015 浮いた噂一つなかったのかい? 310 00:22:30,015 --> 00:22:35,521 いえ それがね 1人だけ 和吉のほれた娘がいました。 311 00:22:35,521 --> 00:22:40,025 ええ… だから 女郎買いにも行かなかったんだろうが➡ 312 00:22:40,025 --> 00:22:44,863 浪人さんの娘でしてね 気の弱い和吉にゃ➡ 313 00:22:44,863 --> 00:22:49,201 とても 「好きだ」なんてことは言えない。 片思いってやつだ。 314 00:22:49,201 --> 00:22:51,704 浪人の娘 名は何という? 315 00:22:51,704 --> 00:22:55,341 おしの。 ええ 確か おしのって名前でした。 316 00:22:55,341 --> 00:22:59,712 いい器量でねえ。 あんな…➡ 317 00:22:59,712 --> 00:23:05,484 この汚らしい長屋に尾羽打ち枯らして 暮らしている浪人さんだ。 318 00:23:05,484 --> 00:23:08,821 武士の面目も何もあったもんじゃねえ。 319 00:23:08,821 --> 00:23:14,627 働き者の和吉が おしのと一緒になって 養ってやりゃあねえ よかったんだ。 320 00:23:14,627 --> 00:23:18,163 それを気の弱い和吉は➡ 321 00:23:18,163 --> 00:23:23,669 この身分が違うと遠慮して 言いだせねえでいるもんだから➡ 322 00:23:23,669 --> 00:23:27,840 おしのにしちゃ もう暮らせなくなって➡ 323 00:23:27,840 --> 00:23:31,677 何でも この よたかみたいなまねをして➡ 324 00:23:31,677 --> 00:23:35,014 病気のおやじさんを 養っていたようでしたよ。 325 00:23:35,014 --> 00:23:38,884 よたか…。 (大家)ええ ええ。 かわいそうにねえ。 326 00:23:38,884 --> 00:23:44,323 おやじさんが卒中で倒れて 6年も寝たきりでしたから➡ 327 00:23:44,323 --> 00:23:48,193 そうでもしなきゃ 生きていけなかったんでしょうよ。 328 00:23:48,193 --> 00:23:51,530 今 どこにいるか おい 知らねえか? 329 00:23:51,530 --> 00:23:53,866 おしのですか? うん。 330 00:23:53,866 --> 00:23:55,868 さあ…。 331 00:23:58,704 --> 00:24:03,475 おやじさんが死んで 野辺送りを済ませると➡ 332 00:24:03,475 --> 00:24:06,145 ふいっとね いなくなりましてね…。 333 00:24:06,145 --> 00:24:09,481 大川へでも 飛び込んだんじゃねえかって➡ 334 00:24:09,481 --> 00:24:12,985 長屋中 大騒ぎになったんだが…➡ 335 00:24:12,985 --> 00:24:17,189 もう それっきり いまだに行き方が知れません。 336 00:24:20,859 --> 00:24:23,162 おしのだな…。 337 00:24:23,162 --> 00:24:27,666 間違いなく 和吉が久しぶりに会った相手…➡ 338 00:24:27,666 --> 00:24:30,502 おしのだ。 339 00:24:30,502 --> 00:24:33,005 間違いありませんね。 340 00:24:33,005 --> 00:24:37,176 品のいい身なりで おいちって子の虫封じのお札を➡ 341 00:24:37,176 --> 00:24:39,678 水天宮様へ受けに行った っていうんだから➡ 342 00:24:39,678 --> 00:24:42,314 きっと 今頃は どっかのおかみさんになって➡ 343 00:24:42,314 --> 00:24:45,217 幸せに暮らしてるんでしょうけどねえ。 344 00:24:45,217 --> 00:24:48,187 (嘉助)それだけに…➡ 345 00:24:48,187 --> 00:24:51,991 忘れちまいてえ昔のことを知ってる 和吉を➡ 346 00:24:51,991 --> 00:24:54,059 生かしちゃおけなかった。 347 00:24:54,059 --> 00:24:56,195 いえ それは…。 348 00:24:56,195 --> 00:24:59,865 死んだ人の悪口を言っちゃ 申し訳ないけど➡ 349 00:24:59,865 --> 00:25:04,269 和吉さんの方から おしのさんに お金をせびってったんじゃないかしらね。 350 00:25:04,269 --> 00:25:06,205 はあ なるほど。 351 00:25:06,205 --> 00:25:11,043 「昔のことを言われたくなかったら まとまったお金を持ってこい」って。 352 00:25:11,043 --> 00:25:14,847 そうですよ… 和吉の方から言ってったんですよ。 353 00:25:17,149 --> 00:25:21,020 口封じの銭をせびりに行って➡ 354 00:25:21,020 --> 00:25:25,491 未来永ごう 口がきけねえように されちまったってわけか。 355 00:25:25,491 --> 00:25:28,994 和吉さん うちを出る時 子供たちに➡ 356 00:25:28,994 --> 00:25:33,165 「着物を買ってきてやるから」って そう言ってたっていうから…➡ 357 00:25:33,165 --> 00:25:35,100 恐らくね。 358 00:25:35,100 --> 00:25:41,840 ああ… 「親の心は闇にあらねど」って 言うじゃありませんか。 359 00:25:41,840 --> 00:25:44,510 うん…。 360 00:25:44,510 --> 00:25:52,317 「親の心は闇にあらねど 子を思う闇に惑いぬるかな」。 361 00:25:59,324 --> 00:26:05,631 ⚟(猫の鳴き声) 362 00:26:05,631 --> 00:26:09,802 (おもん)おきみさん 猫が… ねっ 鳴いてるよ。 363 00:26:09,802 --> 00:26:12,137 (おきみ)誰か 子猫 捨ててったんだよ。 364 00:26:12,137 --> 00:26:15,474 しょうがないねえ。 どうしよう? 365 00:26:15,474 --> 00:26:18,377 (おきみ)うちで飼うわけにはいかないよ 客商売だもの。 366 00:26:18,377 --> 00:26:21,814 だって ほっといたら死んじゃうよ。 367 00:26:21,814 --> 00:26:24,650 (おきみ)ここで死なれるのは 嫌だから…➡ 368 00:26:24,650 --> 00:26:27,486 ねえ おもんちゃん どっか行って 捨ててきておくれよ。 369 00:26:27,486 --> 00:26:30,823 嫌だ。 そんなことできない あたし…。 370 00:26:30,823 --> 00:26:32,858 (おきみ) 子供たちが遊んでるとこ行って➡ 371 00:26:32,858 --> 00:26:35,694 「あげる」って言えば もらってくれる子がいるよ。 372 00:26:35,694 --> 00:26:39,998 ⚟(猫の鳴き声) 373 00:26:39,998 --> 00:26:42,501 親猫も かわいそうに➡ 374 00:26:42,501 --> 00:26:46,004 今時分 子猫 捜して 鳴いてるよ きっと。 375 00:26:49,174 --> 00:26:56,682 (猫の鳴き声) 376 00:27:01,820 --> 00:27:05,257 会わなけりゃよかったのにねえ。 377 00:27:05,257 --> 00:27:07,192 ん…? 378 00:27:07,192 --> 00:27:09,795 和吉さんと おしのさん。 379 00:27:09,795 --> 00:27:12,631 ああ…。 380 00:27:12,631 --> 00:27:17,136 会っても 和吉が金をせびる気にならなかったら➡ 381 00:27:17,136 --> 00:27:19,471 無事だったんだ。 382 00:27:19,471 --> 00:27:21,807 そりゃそうだろうけど➡ 383 00:27:21,807 --> 00:27:25,143 和吉さんだって はなから お金をせびるつもりで➡ 384 00:27:25,143 --> 00:27:27,646 追いかけてったんじゃないと思う。 385 00:27:27,646 --> 00:27:29,982 うん…。 386 00:27:29,982 --> 00:27:32,651 道を聞かれて その人が➡ 387 00:27:32,651 --> 00:27:36,488 昔 一つ長屋に暮らしていた おしのさんだと気が付いて➡ 388 00:27:36,488 --> 00:27:39,158 急いで追いかけてった時には➡ 389 00:27:39,158 --> 00:27:43,362 お金じゃない… 懐かしかっただけ。 390 00:27:47,866 --> 00:27:49,868 おしのちゃん! 391 00:27:51,737 --> 00:27:54,306 だろうなあ…。 392 00:27:54,306 --> 00:28:00,012 それが 追いかけてって話を聞いたら➡ 393 00:28:00,012 --> 00:28:03,982 今は どこかの田舎で 幸せに暮らしている。 394 00:28:03,982 --> 00:28:08,987 いい身なりをしてるくらいだから 相当なうちのおかみさん。 395 00:28:10,656 --> 00:28:13,659 馬喰町に宿を取って➡ 396 00:28:13,659 --> 00:28:15,961 江戸を見物して➡ 397 00:28:15,961 --> 00:28:18,630 近江屋で買い物をして…。 398 00:28:18,630 --> 00:28:23,435 和吉さんにしてみれば 羨ましいような結構な身分。 399 00:28:30,242 --> 00:28:34,246 人の行く末ってものは つくづく分からねえもんだ…。 400 00:28:36,982 --> 00:28:40,018 よたかまでしてた おしのさんが➡ 401 00:28:40,018 --> 00:28:43,288 今は あんな いい暮らしをしていると 思ったら➡ 402 00:28:43,288 --> 00:28:46,658 道楽もしないで 一生懸命に働いても➡ 403 00:28:46,658 --> 00:28:50,295 4人の子供に晴れ着1枚買ってやれない 我が身が➡ 404 00:28:50,295 --> 00:28:52,998 しみじみ情けなくなった…。 405 00:28:58,837 --> 00:29:01,807 どこ行くの? お前さん…。 (和吉)なに ちょっと。 406 00:29:01,807 --> 00:29:04,643 お父ちゃん どこ行くの? 407 00:29:04,643 --> 00:29:07,946 きれいな着物を買ってきてやるからな➡ 408 00:29:07,946 --> 00:29:10,449 おとなしく待ってろ。 いいな? 409 00:29:14,720 --> 00:29:22,461 和吉さんは さんざん考え迷ったあげく 馬喰町へ➡ 410 00:29:22,461 --> 00:29:25,264 おしのさんに会いに出かけた。 411 00:29:25,264 --> 00:29:27,199 ええ いらっしゃいます。 412 00:29:27,199 --> 00:29:29,801 でも おかみさんは まだ お戻りじゃありませんよ。 413 00:29:29,801 --> 00:29:32,271 まだ? あっ 旦那さんなら➡ 414 00:29:32,271 --> 00:29:34,473 もう帰ってきていらっしゃいますから。 あっ…。 415 00:29:37,476 --> 00:29:42,180 まだなら いいんです。 お邪魔しました。 416 00:29:57,496 --> 00:30:04,369 ♬~ 417 00:30:04,369 --> 00:30:11,510 ♬ 親の心は 闇にあらねど 418 00:30:11,510 --> 00:30:25,691 ♬ 子ゆえの闇に 惑いぬるかな 惑いぬるかな 419 00:30:25,691 --> 00:30:40,038 ♬ 玉の緒の 命かなしく 420 00:30:40,038 --> 00:30:46,812 ♬ 燃えし その後 闇の色 421 00:30:46,812 --> 00:30:54,352 ♬ いよよ 深みて 422 00:30:54,352 --> 00:31:01,493 ♬ 親の心は 闇にあらねど 423 00:31:01,493 --> 00:31:18,009 ♬ 子ゆえの闇に 惑いぬるかな 惑いぬるかな 424 00:31:27,619 --> 00:31:29,621 おしのちゃん…。 425 00:31:42,200 --> 00:31:44,202 (落とす音) 426 00:31:46,004 --> 00:31:48,006 (おしの)和吉さん…? 427 00:31:50,909 --> 00:31:54,613 わあ… どうしたの? 428 00:31:59,584 --> 00:32:01,586 (おしの)どうしたの? 429 00:32:04,990 --> 00:32:12,197 おしのちゃん… 頼みがあるんだ。 えっ? 430 00:32:14,166 --> 00:32:18,370 金 貸してもらえねえかな。 431 00:32:22,507 --> 00:32:30,682 正月が来ても 4人の子供に 着物1枚 買ってやれなかった。 432 00:32:30,682 --> 00:32:32,984 情けねえ父親だ…。 433 00:32:34,553 --> 00:32:39,691 おしのちゃんが 今 そうやって 幸せそうにしてるのを見たら➡ 434 00:32:39,691 --> 00:32:41,893 たまらなくなって…。 435 00:32:44,029 --> 00:32:50,802 頼むから 金 貸してくれ! たんとじゃなくたっていいんだ。 436 00:32:50,802 --> 00:32:55,106 せめて 子供たちに 1枚ずつ着物を買ってやるだけの金。 437 00:32:58,577 --> 00:33:00,879 (和吉)いいだろう? おしのちゃん! 438 00:33:04,149 --> 00:33:07,986 (和吉)もし 嫌だっていうんなら…➡ 439 00:33:07,986 --> 00:33:10,889 あそこにおいでのご亭主に➡ 440 00:33:10,889 --> 00:33:15,660 おしのちゃんが 昔 どんな嫁業をしてたか 話しちまうぜ! 441 00:33:15,660 --> 00:33:18,163 和吉さん! 442 00:33:18,163 --> 00:33:20,165 そんなことは 俺だって したかねえやい! 443 00:33:20,165 --> 00:33:23,668 だから 金…! 分かった! 444 00:33:26,304 --> 00:33:30,508 持っていくから 待っててちょうだい。 445 00:33:32,110 --> 00:33:37,849 貸してくれるかい? ええ… あげますよ。 446 00:33:37,849 --> 00:33:40,185 ありがてえ…! 447 00:33:40,185 --> 00:33:46,524 だから… 大川端で待ってて。 448 00:33:46,524 --> 00:34:02,040 ♬~ 449 00:34:28,500 --> 00:34:32,370 おしのちゃん 持ってきてくれたかい? 450 00:34:32,370 --> 00:34:36,174 急に降りだしたもんだから 来てくれねえんじゃねえかって➡ 451 00:34:36,174 --> 00:34:40,178 ハハハハハッ… よく… よく来てくれたねえ。 452 00:34:40,178 --> 00:34:44,049 和吉さん…➡ 453 00:34:44,049 --> 00:34:46,051 これ。 454 00:34:49,187 --> 00:34:52,857 すまねえ… 借りるよ。 455 00:34:52,857 --> 00:34:54,893 あげます。 456 00:34:54,893 --> 00:34:56,895 あげますから…。 457 00:34:59,197 --> 00:35:02,968 悪いなあ…。 458 00:35:02,968 --> 00:35:08,173 二度と もう こんなことは言わねえから。 459 00:35:12,677 --> 00:35:15,380 じゃあ…。 待って! 460 00:35:17,482 --> 00:35:21,353 2人で食べようと思って…➡ 461 00:35:21,353 --> 00:35:23,655 お稲荷さん 買ってきたの。 462 00:35:27,158 --> 00:35:32,964 ほら 覚えてるでしょ。 和吉さんが仕事の帰りに➡ 463 00:35:32,964 --> 00:35:35,867 よく買ってきてくれたじゃないの お稲荷さん。 464 00:35:35,867 --> 00:35:40,672 「おしのちゃん 腹すいてねえか」って。 465 00:35:40,672 --> 00:35:49,681 うん… そんなこともあったな。 466 00:35:49,681 --> 00:35:54,886 優しかった… あのころの和吉さん。 467 00:35:59,858 --> 00:36:04,062 だから そのお金 その時のお礼だと思って…。 468 00:36:05,630 --> 00:36:10,935 ありがとう… ありがとよ! 469 00:36:23,815 --> 00:37:38,123 ♬~ 470 00:37:49,834 --> 00:37:53,705 あの… このお客様ではないかと思いますが。 471 00:37:53,705 --> 00:37:59,544 「青梅 名主の上川庄兵衛 妻 しの」。 472 00:37:59,544 --> 00:38:01,780 それだ! うん。 473 00:38:01,780 --> 00:38:03,782 邪魔したな。 474 00:38:23,968 --> 00:38:27,472 若旦那! おはようございます。 475 00:38:27,472 --> 00:38:29,474 ⚟八造か? へい! 476 00:38:31,809 --> 00:38:33,745 おう ばかに早えなあ。 477 00:38:33,745 --> 00:38:36,147 朝っぱらから すいません。 畝の旦那のお言づてなんで。 478 00:38:36,147 --> 00:38:38,082 源さんの? 何なんだ? 479 00:38:38,082 --> 00:38:41,486 おしのは 青梅の名主のおかみさんに 納まってんですよ。 480 00:38:41,486 --> 00:38:43,521 名主さんの…? へえ。 481 00:38:43,521 --> 00:38:45,990 伝次を連れて 畝の旦那が青梅へ。 482 00:38:45,990 --> 00:38:47,926 行ったのか? (八造)へえ。 483 00:38:47,926 --> 00:39:05,109 ♬~ 484 00:39:05,109 --> 00:39:07,045 伝次。 へい。 485 00:39:07,045 --> 00:39:10,448 おめえな 一足先に 代官所へ届けてきてくれ。 486 00:39:10,448 --> 00:39:12,383 へい。 487 00:39:12,383 --> 00:39:38,142 ♬~ 488 00:39:38,142 --> 00:39:41,846 ご苦労さまです。 お手数をおかけいたします。 489 00:39:46,017 --> 00:39:58,830 ⚟(おしの) ♬ ねんねんころりよ おころりよ 490 00:39:58,830 --> 00:40:09,641 ⚟♬ 坊やは よい子だ ねんねしな 491 00:40:20,852 --> 00:40:23,354 おしのだな! 492 00:40:26,190 --> 00:40:28,192 はい。 493 00:40:32,530 --> 00:40:58,823 (赤ん坊の泣き声) 494 00:41:04,162 --> 00:41:08,866 和吉は お前が殺したんだな。 495 00:41:10,501 --> 00:41:14,505 はい 殺しました。 496 00:41:16,174 --> 00:41:22,046 和吉は お前に いくら 金をせびった? 497 00:41:22,046 --> 00:41:26,184 (おしの)いくらとは申しません。➡ 498 00:41:26,184 --> 00:41:33,057 「4人の子供に 晴れ着を1枚ずつ買うだけのお金」➡ 499 00:41:33,057 --> 00:41:35,860 そう申しました。 500 00:41:35,860 --> 00:41:40,732 それくらいの金なら なんとか都合ができたであろうに➡ 501 00:41:40,732 --> 00:41:42,734 なぜ殺した? 502 00:41:45,536 --> 00:41:47,538 なぜだ? おしの! 503 00:41:49,874 --> 00:41:53,711 和吉さんは 私に…➡ 504 00:41:53,711 --> 00:42:00,718 「お金を貸してくれなければ 亭主に言う」 と申しました。 505 00:42:03,154 --> 00:42:11,863 「私が昔 どんなことをしていたか 庄兵衛殿に告げる」と…。 506 00:42:13,498 --> 00:42:19,837 私が昔 どのようなことをしていたか➡ 507 00:42:19,837 --> 00:42:23,841 お役人様は もう ご存じでございますね。 508 00:42:32,016 --> 00:42:40,691 草を枕に 男に抱かれて…➡ 509 00:42:40,691 --> 00:42:48,433 大川の水の流れる音を 耳にしながら➡ 510 00:42:48,433 --> 00:42:52,703 あのころ 何度 死にたいと思いましたことか…。 511 00:42:52,703 --> 00:43:02,513 ♬~ 512 00:43:02,513 --> 00:43:06,150 ああした稼業の女を➡ 513 00:43:06,150 --> 00:43:11,289 地獄と呼ぶところもあると 聞きましたが➡ 514 00:43:11,289 --> 00:43:13,491 まこと 地獄! 515 00:43:15,159 --> 00:43:19,864 (おしの)地獄の底をはい回る 毎日 毎夜でございました。 516 00:43:28,673 --> 00:43:35,179 今 やっと… その地獄から抜け出て➡ 517 00:43:35,179 --> 00:43:38,683 庄兵衛殿に拾われ➡ 518 00:43:38,683 --> 00:43:45,456 後添いとはいえ お名主様の女房。 519 00:43:45,456 --> 00:43:52,230 上の子が8つ 中のが3つ➡ 520 00:43:52,230 --> 00:43:59,704 下のおいちは 今年2歳になったばかりで よく泣きます。 521 00:43:59,704 --> 00:44:06,811 (おいちの泣き声) 522 00:44:06,811 --> 00:44:14,151 (おしの)おいち泣かすまいと 夜の夜中に抱いて出て➡ 523 00:44:14,151 --> 00:44:20,291 子守歌 歌いながら 屋敷の庭で見上げた空の➡ 524 00:44:20,291 --> 00:44:25,129 きらり光った 美しい星の色…。➡ 525 00:44:25,129 --> 00:44:36,741 柳原の土手で 男に抱かれて眺めたのと あれが同じ星かと思えば➡ 526 00:44:36,741 --> 00:44:41,045 おいちの夜泣きだけが苦の今は 極楽。 527 00:44:43,014 --> 00:44:49,687 和吉さんに金をせびられ 「貸さねば言うぞ」と脅されて➡ 528 00:44:49,687 --> 00:44:55,026 和吉さんの口を塞がなければ➡ 529 00:44:55,026 --> 00:45:03,267 いつか また 極楽から あの地獄へ突き落とされると➡ 530 00:45:03,267 --> 00:45:10,041 ただ それだけが恐ろしくて…➡ 531 00:45:10,041 --> 00:45:14,478 殺しました 和吉さんを。 532 00:45:14,478 --> 00:45:26,190 ♬~ 533 00:45:44,008 --> 00:45:47,311 ♬~ 534 00:45:47,311 --> 00:45:53,684 ♬ 親の心は 闇にあらねど 535 00:45:53,684 --> 00:46:05,796 ♬ 子ゆえの闇に 惑いぬるかな 惑いぬるかな 536 00:46:05,796 --> 00:46:13,137 ♬ 玉の緒の 537 00:46:13,137 --> 00:46:15,840 お父ちゃん…。 538 00:46:18,476 --> 00:46:24,982 ♬ 燃えし その後 闇の色 539 00:46:24,982 --> 00:46:31,155 ♬ いよよ 深みて 540 00:46:31,155 --> 00:46:37,495 ♬ 親の心は 闇にあらねど 541 00:46:37,495 --> 00:46:51,208 ♬ 子ゆえの闇に 惑いぬるかな 惑いぬるかな 542 00:46:53,844 --> 00:46:55,846 誰が悪いんですか! 543 00:47:05,456 --> 00:47:10,628 悪いのは おしのでもねえ。 和吉でもねえ。 544 00:47:10,628 --> 00:47:12,630 貧乏ってやつだろうよ。 545 00:47:17,401 --> 00:47:21,138 まっとうに働いて 道楽もせずに➡ 546 00:47:21,138 --> 00:47:25,976 それでいて 4人の子供に 晴れ着の1枚ずつも買えねえ➡ 547 00:47:25,976 --> 00:47:29,780 貧乏な暮らしが罪作りのもとだぁな。 548 00:47:35,686 --> 00:47:44,662 源さん お上がよ そいつをなくしてくれねえうちは➡ 549 00:47:44,662 --> 00:47:48,499 いつまでたっても 世の中は よかならねえぜ。 550 00:47:48,499 --> 00:47:58,676 ♬~ 551 00:47:58,676 --> 00:48:03,114 るいさん すいませんが➡ 552 00:48:03,114 --> 00:48:06,117 今夜は 思いっきり飲ませていただけませんか。 553 00:48:06,117 --> 00:48:12,123 ええ ええ 飲んでください 思いっきり! 554 00:48:12,123 --> 00:48:15,793 よしっ 俺も つきあうぜ! 555 00:48:15,793 --> 00:48:45,289 ♬~