1 00:00:02,102 --> 00:00:07,040 ♬~ (テーマ音楽) 2 00:00:07,040 --> 00:02:08,829 ♬~ 3 00:02:13,500 --> 00:02:25,312 ⚟(鳥の鳴き声) 4 00:02:27,047 --> 00:02:31,318 (東吾)兄上 義姉上は どうかなされたのですか? 5 00:02:31,318 --> 00:02:34,855 (通之進)いや 今日はな あいにく具合がよくないと申してな。 6 00:02:34,855 --> 00:02:36,790 どこが お悪いのですか? (通之進)いや 別に➡ 7 00:02:36,790 --> 00:02:38,725 どこが悪いってわけじゃねえんだがな。 8 00:02:38,725 --> 00:02:43,530 ほら あの 血の道の何とやら…。 あれだろうよ。 9 00:02:43,530 --> 00:02:49,202 (源右衛門)「血の道」などとぬかして つまり 女のわがまま病だ。 10 00:02:49,202 --> 00:02:53,707 子供が おらんもんだから いつまでも 通之進殿に甘えおって… もう。 11 00:02:53,707 --> 00:02:58,045 いやいや いつも この私が どこが悪い ここが悪いと➡ 12 00:02:58,045 --> 00:03:02,482 香苗に看病さしておりますから その疲れが出たもんでしょう。 13 00:03:02,482 --> 00:03:05,519 食べるものが喉を通らんと申します。 14 00:03:05,519 --> 00:03:09,656 食わねば 体に悪かろうと 無理やり食べさせると➡ 15 00:03:09,656 --> 00:03:12,559 いや もう 吐いてしまいましてなあ。 16 00:03:12,559 --> 00:03:15,295 つわりじゃないのかな? んっ…! 17 00:03:15,295 --> 00:03:17,664 何? 18 00:03:17,664 --> 00:03:21,168 東吾 貴様 今 何と言った? 19 00:03:21,168 --> 00:03:25,038 いえ あの 「つわりではないか」と…。 20 00:03:25,038 --> 00:03:27,307 つわり? 21 00:03:27,307 --> 00:03:32,679 ええ この間 義姉上が梅干しを つまんでおられたのを見つけたんです。 22 00:03:32,679 --> 00:03:34,614 義姉上 顔を赤くなされて➡ 23 00:03:34,614 --> 00:03:38,485 「妙に 酸っぱいものが食べたくて」と さよう申されまして。 24 00:03:38,485 --> 00:03:52,532 ♬~ 25 00:03:52,532 --> 00:03:56,036 通之進。 義父上。 26 00:03:56,036 --> 00:03:58,705 東吾の申すとおりかもしれん。 でも あの…。 27 00:03:58,705 --> 00:04:01,975 ややが… できたのじゃ できたのじゃ! 28 00:04:01,975 --> 00:04:05,812 いや しかし もう十何年も できずにいたんですよ 義父上。 29 00:04:05,812 --> 00:04:09,683 いや… 20年目に ひょっこりできる例だってあるわ。 30 00:04:09,683 --> 00:04:13,153 そのようなことがございますか? あるともさ! 31 00:04:13,153 --> 00:04:18,825 いや でも あの…。 香苗に ややが! 32 00:04:18,825 --> 00:04:21,161 兄上 おめでとうございます。 33 00:04:21,161 --> 00:04:23,096 いやはや これはまた…。 34 00:04:23,096 --> 00:04:26,967 (源右衛門)ア~ハハハハッ…! 35 00:04:26,967 --> 00:04:31,805 やった~ やった~ やってくれた~!➡ 36 00:04:31,805 --> 00:04:36,610 アハハハハッ…! 37 00:04:40,547 --> 00:04:43,250 (通之進)東吾…。 兄上。 38 00:04:56,963 --> 00:04:59,533 香苗。 39 00:04:59,533 --> 00:05:01,468 (香苗)申し訳ございません…。 40 00:05:01,468 --> 00:05:04,137 いやいや そ… そのまま そのまま。 41 00:05:04,137 --> 00:05:07,808 大事にしろよ。 (香苗)もう お帰りでございますか? 42 00:05:07,808 --> 00:05:11,144 ああ~! 寝てなさい。 ああ… いやいや➡ 43 00:05:11,144 --> 00:05:14,481 寝てなさい。 はい…。 44 00:05:14,481 --> 00:05:21,354 高いところへ手を上げるなよ。 重いものなぞ持つでないぞ。 45 00:05:21,354 --> 00:05:26,359 くれぐれも大事にしてくれよ。 46 00:05:34,668 --> 00:05:38,672 くれぐれもな。 くれぐれも…。 47 00:05:48,014 --> 00:05:52,185 辛い 辛い 辛~い! とんとん とうがらし~! 48 00:05:52,185 --> 00:05:55,021 (おもん)どうも お待たせしました。 はい。 49 00:05:55,021 --> 00:05:58,525 (るい)ええ!? うん! 50 00:05:58,525 --> 00:06:02,395 (お吉)まあ…! 番頭さん! 番頭さ~ん。 51 00:06:02,395 --> 00:06:04,631 義姉上様に 赤ちゃんが? 52 00:06:04,631 --> 00:06:07,834 ああ! アッハハハハ…。 53 00:06:09,803 --> 00:06:14,140 (嘉助)若旦那 本当でございますか? ああ 本当さ。 54 00:06:14,140 --> 00:06:16,643 兄上様 お喜びでございましょう。 55 00:06:16,643 --> 00:06:19,145 (お吉)お嬢様 早速 お祝いに おいでになりませんと。 56 00:06:19,145 --> 00:06:22,048 お~っとっと そんなことしないでくれ。 なぜでございます? 57 00:06:22,048 --> 00:06:24,651 てれてんだよ。 えっ? 58 00:06:24,651 --> 00:06:27,153 兄上 すっかり てれちまってさ。 59 00:06:27,153 --> 00:06:30,824 「いい年をして恥ずかしいから 当分 世間には ないしょにしといてくれ」と➡ 60 00:06:30,824 --> 00:06:32,759 きつく言われてるんだ。 61 00:06:32,759 --> 00:06:35,996 祝いにも見舞いにも 当分 行かずに そっとしといてあげてくれろ。 62 00:06:35,996 --> 00:06:38,298 けど それで よろしいんでございましょうか? 63 00:06:38,298 --> 00:06:41,668 だって 神林の旦那が そうおっしゃってるんじゃ… ねえ? 64 00:06:41,668 --> 00:06:45,005 そのかわり なあ るい 水天宮様へ お参り行って➡ 65 00:06:45,005 --> 00:06:48,041 義姉上が無事安産あそばすように 祈ってきてあげようじゃねえか。 66 00:06:48,041 --> 00:06:50,176 はい! 67 00:06:50,176 --> 00:06:52,178 ええ~ うそ!? 68 00:06:54,014 --> 00:06:57,684 よかったわね 番頭さん! 69 00:06:57,684 --> 00:07:00,954 (かしわ手) 70 00:07:00,954 --> 00:07:03,790 そう思わないの? 嘉助さん。 71 00:07:03,790 --> 00:07:06,259 神林のお家に お世継ぎが お生まれになれば➡ 72 00:07:06,259 --> 00:07:09,162 東吾様は おっけ晴れて お嬢さんと一緒になれる。 73 00:07:09,162 --> 00:07:12,132 こんな おめでたいことはないじゃないか! 74 00:07:12,132 --> 00:07:15,635 世の中 そう うまくいくかよ。 えっ? 75 00:07:15,635 --> 00:07:19,139 そう 事がうまく運ぶと決まってりゃ➡ 76 00:07:19,139 --> 00:07:23,476 俺だって めでてえ めでてえって かっぽれでも三番叟でも踊ってやらあ。 77 00:07:23,476 --> 00:07:26,146 何が心配だっていうのさ。 78 00:07:26,146 --> 00:07:29,149 あるんだよ! いろいろ心配なことが。 79 00:07:31,284 --> 00:07:38,825 ⚟(子供たちの遊ぶ声) 80 00:07:38,825 --> 00:07:42,662 ⚟るい。 おい るい! 81 00:07:42,662 --> 00:07:44,698 はい。 82 00:07:44,698 --> 00:07:55,241 ♬~(三味線) 83 00:07:55,241 --> 00:07:58,011 ⚟るい➡ 84 00:07:58,011 --> 00:08:03,016 おめえも 俺の赤ん坊 早く産んでくれ。 85 00:08:05,452 --> 00:08:07,654 ⚟どうしたんだ? るい。 86 00:08:13,626 --> 00:08:16,663 るい➡ 87 00:08:16,663 --> 00:08:19,666 何を おい 泣いてるんだ? 88 00:08:23,269 --> 00:08:25,805 義姉上に お子ができれば➡ 89 00:08:25,805 --> 00:08:30,643 神林の家は その子が継ぐことになるから➡ 90 00:08:30,643 --> 00:08:34,948 兄上も きっと るいのことを許してくださる。 91 00:08:36,983 --> 00:08:39,819 うれしくねえのか? 92 00:08:39,819 --> 00:08:45,158 麻生様は そうさせてはくださいません。 93 00:08:45,158 --> 00:08:48,495 麻生殿が? 94 00:08:48,495 --> 00:08:52,298 七重様と東吾様 夫婦にして➡ 95 00:08:52,298 --> 00:08:56,836 今度は 麻生家の跡継ぎにすると➡ 96 00:08:56,836 --> 00:08:59,839 必ず 仰せになりましょう。 97 00:09:02,609 --> 00:09:05,645 どうして そう 次から次へと➡ 98 00:09:05,645 --> 00:09:10,784 自分で気苦労の種を 見つけてくるんだ。 99 00:09:10,784 --> 00:09:14,954 まったく もう 女ってやつは…。 100 00:09:14,954 --> 00:09:27,267 ♬~ 101 00:09:46,486 --> 00:09:49,155 七重。 (七重)はい。 102 00:09:49,155 --> 00:09:51,157 ここに座りなさい。 103 00:09:59,666 --> 00:10:06,306 秋には 祝言を挙げることにするゆえ そのつもりでいるように。 104 00:10:06,306 --> 00:10:11,177 父上 どなたの祝言を挙げると おっしゃいますのですか? 105 00:10:11,177 --> 00:10:14,514 「どなたの」? たわけたことを申すな。 106 00:10:14,514 --> 00:10:17,417 どなたのではない。 そなたのだ。 107 00:10:17,417 --> 00:10:19,385 お待ちください 父上! 108 00:10:19,385 --> 00:10:21,387 いやいや もう待てん。 109 00:10:21,387 --> 00:10:25,024 今日まで さんざん待たされたのだ。 もう待ちきれん。 110 00:10:25,024 --> 00:10:28,695 でも 一体 どなたと祝言を挙げよと おっしゃるのです? 111 00:10:28,695 --> 00:10:32,499 決まっておる。 東吾だ。 112 00:10:35,201 --> 00:10:38,204 東吾様には るい様が おいでになります。 113 00:10:38,204 --> 00:10:41,708 (源右衛門)そんなことは 言われんでも分かっておるわ。 114 00:10:41,708 --> 00:10:44,344 るい様の おいでになることを承知の上で➡ 115 00:10:44,344 --> 00:10:47,714 東吾様と私に 祝言を挙げよとおっしゃるのですか? 116 00:10:47,714 --> 00:10:52,051 お目付け役 千五百石 麻生の当主。 117 00:10:52,051 --> 00:10:54,954 妾の1人や2人おっても当然。➡ 118 00:10:54,954 --> 00:10:56,956 世間でも何とも言うまい。 119 00:10:58,825 --> 00:11:01,294 では 父上にも➡ 120 00:11:01,294 --> 00:11:04,163 そのような お方が おいでになると申されますのか? 121 00:11:04,163 --> 00:11:06,100 わしに妾が…。 ばか者! 122 00:11:06,100 --> 00:11:11,304 父を そのような ふしだらな男と 思うておるのか? 123 00:11:11,304 --> 00:11:15,842 でも 父上は そのような ふしだらな男を 私の夫にしようと仰せになっております。 124 00:11:15,842 --> 00:11:19,312 んっ な…。 お断り申し上げます! 125 00:11:19,312 --> 00:11:21,681 待て 七重! こらっ!➡ 126 00:11:21,681 --> 00:11:26,519 わがままは許さんぞ。 東吾は お前の婿だ。 決めたぞ わしは。 127 00:11:26,519 --> 00:11:49,709 ♬~ 128 00:11:52,212 --> 00:11:54,414 (おきみ)勘太さん。 129 00:11:58,017 --> 00:12:02,288 駄目だ…。 だって おめえ お嬢さんは➡ 130 00:12:02,288 --> 00:12:07,160 何としてでも 今 若旦那のお子を 産みてえと思ってらっしゃるんだ。 131 00:12:07,160 --> 00:12:10,496 ええ…? 間違いねえ。 132 00:12:10,496 --> 00:12:12,432 こいつはよ…➡ 133 00:12:12,432 --> 00:12:17,170 こいつは まあ 例えばの話だが➡ 134 00:12:17,170 --> 00:12:23,509 万が一にも 若旦那と別れ別れに 暮らすことになっても➡ 135 00:12:23,509 --> 00:12:30,283 若旦那のお子さえ持っていりゃあ その子を頼りに生きていける。 136 00:12:30,283 --> 00:12:33,019 お嬢さん 今 そう思ってらっしゃるんだ。 137 00:12:33,019 --> 00:12:36,055 (お吉)嫌だ 嘉助さん…➡ 138 00:12:36,055 --> 00:12:41,327 何で お嬢様が東吾様と離れて 暮らさなきゃならないんだよ。 139 00:12:41,327 --> 00:12:46,165 神林の旦那に お子ができたら 「東吾は こっち よこせ」って➡ 140 00:12:46,165 --> 00:12:50,036 麻生の殿様が やいのやいの言ってくるに 決まってるんだ。 141 00:12:50,036 --> 00:12:53,072 七重さんかい…。 はあ…。 142 00:12:53,072 --> 00:12:59,712 それが手に取るように分かるから お嬢様は おつれえのよ。 143 00:12:59,712 --> 00:13:01,714 嘉助さん…。 144 00:13:14,227 --> 00:13:27,674 ⚟(戸をたたく音) 145 00:13:27,674 --> 00:13:29,609 どなたです? こんな遅く。 146 00:13:29,609 --> 00:13:32,512 ⚟(正吉)おじちゃん! 開けておくれよ おじちゃん! 147 00:13:32,512 --> 00:13:34,547 あの声。正坊か? 148 00:13:34,547 --> 00:13:38,251 今 開ける。 待ってろ。 どうしたのかしら…。 149 00:13:41,220 --> 00:13:45,525 あっ 正吉っちゃん どうしたの? あら…。 正坊 しっかりしろ! 150 00:13:47,327 --> 00:13:50,630 あ~あ はだしで。 (お吉)早く上がって。 ねっ。 151 00:13:52,198 --> 00:13:55,201 お~ どうしたんだ? 正吉! (正吉)先生 おっ母ちゃん 助けて。 152 00:13:55,201 --> 00:13:57,970 おっ母ちゃん… うわあ~! おっ母ちゃん? 153 00:13:57,970 --> 00:14:01,808 「おっ母ちゃん 助けて」って 先生に言いに狸穴から? 154 00:14:01,808 --> 00:14:04,644 (泣き声) ほら 正吉… ほら。 155 00:14:04,644 --> 00:14:08,514 (お吉)たった一人で来たんでしょうかね。 正坊…。 156 00:14:08,514 --> 00:14:11,984 さあ 正吉 男だろう! 泣くんじゃねえ。 157 00:14:11,984 --> 00:14:16,489 そうだ。 泣かないで訳を話してごらん。 158 00:14:16,489 --> 00:14:19,525 おっ母ちゃんね…。 うん。 159 00:14:19,525 --> 00:14:24,664 昨日 大先生とね…。 大先生と どうした? 160 00:14:24,664 --> 00:14:27,300 行ったの。 どこへ? 161 00:14:27,300 --> 00:14:29,369 青山。 162 00:14:29,369 --> 00:14:32,672 青山。 (正吉)植木 買いに行ったの。 163 00:14:34,841 --> 00:14:39,178 ⚟(方斎)おとせさん どうだい これ? ⚟(おとせ)サルスベリですね。 164 00:14:39,178 --> 00:14:46,319 (方斎)ああ 姿が面白いし 赤い花が咲くと美しい。 165 00:14:46,319 --> 00:14:51,691 (おとせ)お庭に これがございましたら よろしゅうございますよ きっと。 166 00:14:51,691 --> 00:14:54,527 ⚟(方斎)じゃあ あの これ 届けてくれないか。 167 00:14:54,527 --> 00:14:56,462 ⚟(松造)へえ。 ありがとう存じます。➡ 168 00:14:56,462 --> 00:14:59,031 おい 治兵衛や! (治兵衛)へえ! 169 00:14:59,031 --> 00:15:01,934 (松造)よっ! お前 すまないけどな➡ 170 00:15:01,934 --> 00:15:05,138 これを方月館まで お届けしてきてくれねえか。 171 00:15:05,138 --> 00:15:09,475 狸穴までですか? 何だい… 何か用があんのかい? 172 00:15:09,475 --> 00:15:11,811 いえ 別に 用はねえんだが➡ 173 00:15:11,811 --> 00:15:14,480 かかあに「早く帰る」って そう言っていたもんで。 174 00:15:14,480 --> 00:15:17,517 なら おかみさんに あたしが訳を話してきてあげましょうよ。 175 00:15:17,517 --> 00:15:19,652 さいですか… すいません。 176 00:15:19,652 --> 00:15:23,156 いや 二十日ばっかり前に 赤ん坊が生まれたばっかりでしてね➡ 177 00:15:23,156 --> 00:15:25,992 かみさんが まだ寝たり起きたりなもんで。 178 00:15:25,992 --> 00:15:27,927 あっ こいつの家 ご存じですかい? 179 00:15:27,927 --> 00:15:29,862 よく知ってますよ。 お産の時にも➡ 180 00:15:29,862 --> 00:15:31,864 おとせさんには 手伝いに来てもらったりして➡ 181 00:15:31,864 --> 00:15:35,168 お世話になってんですよ。 そうだったんですかい。 そりゃあ。 182 00:15:35,168 --> 00:15:37,837 (おとせ)ちょうどよかった。 夕食の買い物して➡ 183 00:15:37,837 --> 00:15:40,506 お妻さんに届けてあげよう。 (治兵衛)助かります。 184 00:15:40,506 --> 00:15:43,309 (方斎)じゃあ そうしてくれないかね。 (松造)へい。 185 00:15:43,309 --> 00:15:45,678 (治兵衛)お頼申します。 お花をいじめちゃ駄目! 186 00:15:45,678 --> 00:15:47,680 正吉。 187 00:15:49,315 --> 00:15:51,250 (おとせ)おいしい? うん! 188 00:15:51,250 --> 00:15:54,453 よかったわね。 いいもの頂いてね。 189 00:15:56,088 --> 00:15:58,791 こんにちは お妻さん。 190 00:16:04,130 --> 00:16:06,132 見るんじゃない…! 191 00:16:09,268 --> 00:16:11,771 お妻さん!? 192 00:16:16,809 --> 00:16:18,811 お妻さん…。 193 00:16:20,480 --> 00:16:23,282 お妻さん!➡ 194 00:16:23,282 --> 00:16:27,820 誰か… 誰か来てください! 195 00:16:27,820 --> 00:16:30,723 何だね? どうかしたのかね。 196 00:16:30,723 --> 00:16:33,526 お役人 呼んでください! ええっ? 197 00:16:36,295 --> 00:16:38,831 (悲鳴) 198 00:16:38,831 --> 00:16:42,501 ⚟人殺し! 199 00:16:42,501 --> 00:16:44,837 おっ母ちゃん! (おとせ)あっ…。 200 00:16:44,837 --> 00:16:47,139 見るんじゃない! 201 00:16:49,675 --> 00:16:52,178 どうしたの? ほら どけ…! 202 00:16:52,178 --> 00:16:54,180 邪魔だよ。 203 00:17:24,477 --> 00:17:28,147 おい 赤ん坊は? 204 00:17:28,147 --> 00:17:30,650 いませんでした。 205 00:17:30,650 --> 00:17:32,852 あたしが来た時には もう。 206 00:17:38,991 --> 00:17:43,696 とにかく 番屋まで一緒に来てもらおうか。 207 00:17:45,765 --> 00:17:49,502 違います… 違います! 208 00:17:49,502 --> 00:17:51,504 ⚟ほら どけ どけ ほら! 209 00:17:54,373 --> 00:17:57,677 あたしじゃありません… あたしじゃありません! 210 00:17:57,677 --> 00:17:59,612 おっ母ちゃん! 正吉! 211 00:17:59,612 --> 00:18:01,547 ああ 寄るんじゃねえ 寄るんじゃねえ。 ほら。 212 00:18:01,547 --> 00:18:05,484 (おとせ)正吉! 正吉! 正吉…。 213 00:18:05,484 --> 00:18:07,486 おっ母ちゃん! 214 00:18:07,486 --> 00:18:09,622 (おとせ)正吉~! 215 00:18:09,622 --> 00:18:56,002 ♬~ 216 00:18:56,002 --> 00:19:08,247 (泣き声) 217 00:19:08,247 --> 00:19:10,316 こっちだ こっち。 おおっ…! 218 00:19:10,316 --> 00:19:24,263 ♬~ 219 00:19:24,263 --> 00:19:26,332 はあ…。 220 00:19:26,332 --> 00:19:37,810 ♬~ 221 00:19:37,810 --> 00:19:41,313 (正吉)おじちゃん! 開けておくれよ おじちゃん! 222 00:19:45,151 --> 00:19:49,989 分かった。 偉いぞ 正吉 よく知らせに来た。 223 00:19:49,989 --> 00:19:53,025 おなかだって… ねえ 減ったでしょう。 224 00:19:53,025 --> 00:19:55,161 お吉さん。 はい はい。 225 00:19:55,161 --> 00:19:58,831 その前に 湯に入って 顔や足 洗わなくちゃな。 226 00:19:58,831 --> 00:20:02,168 だって おっ母ちゃん…。 うん? 227 00:20:02,168 --> 00:20:05,671 心配するな。 すぐ行って助けてきてやる。 本当? 228 00:20:05,671 --> 00:20:08,007 正吉は安心して ここで待っていろ。 229 00:20:08,007 --> 00:20:10,009 いいな? うん! 230 00:20:11,877 --> 00:20:14,780 じゃ 行ってくる。 お気を付けて。 231 00:20:14,780 --> 00:20:17,016 明日になったら 源さんに。 ええ。 232 00:20:17,016 --> 00:20:19,919 訳 話して 相談に乗っていただきやすから。 233 00:20:19,919 --> 00:20:22,321 (お吉)行ってらっしゃいまし。 じゃ。 234 00:20:22,321 --> 00:20:24,323 (嘉助)行ってらっしゃいまし。 235 00:20:26,692 --> 00:20:30,029 (おもん おきみ)♬ お月さんいくつ 236 00:20:30,029 --> 00:20:33,899 ♬ 十三 七つ 237 00:20:33,899 --> 00:20:37,603 ♬ まだ年や若いが 238 00:20:39,538 --> 00:20:53,552 ♬~ 239 00:20:53,552 --> 00:20:56,755 ⚟(お吉)お嬢さん 正吉っちゃん 寝ました? 240 00:21:05,664 --> 00:21:08,701 1人で よくねえ。 241 00:21:08,701 --> 00:21:10,836 しっかりしてる。 242 00:21:10,836 --> 00:21:13,339 おっ母さんを助けたい一心で。 243 00:21:15,007 --> 00:21:19,512 あんな子が 私も…。 えっ? 244 00:21:19,512 --> 00:21:23,182 しみじみ欲しいと思うわ。 245 00:21:23,182 --> 00:21:26,852 できますよ そのうちに。 246 00:21:26,852 --> 00:21:30,689 神林の奥様だって とっくの昔に諦めていらしたのに➡ 247 00:21:30,689 --> 00:21:33,325 できたじゃありませんか。 248 00:21:33,325 --> 00:21:36,328 お嬢様は まだ お若いんだから。 249 00:21:41,200 --> 00:21:45,871 ええ~ しじみ あさり~。 250 00:21:45,871 --> 00:21:51,043 ええ しじみ あさりは いかが…。➡ 251 00:21:51,043 --> 00:21:53,946 ええ あさりや しじみ~。 252 00:21:53,946 --> 00:21:55,915 (正吉)ねえ おっ母ちゃんは? 253 00:21:55,915 --> 00:21:58,918 大丈夫よ。 (正吉)本当に? 254 00:21:58,918 --> 00:22:00,853 先生が行ってくれたでしょう。 255 00:22:00,853 --> 00:22:02,988 うん。 だから。 256 00:22:02,988 --> 00:22:06,825 本当に大丈夫なのよ。 心配しないで。 257 00:22:06,825 --> 00:22:09,128 さあ まいて お水。 はい。 258 00:22:11,297 --> 00:22:13,299 もっと 威勢よく。 259 00:22:15,501 --> 00:22:17,503 (おもん)ほら。 260 00:22:26,178 --> 00:22:28,848 ⚟(仙五郎)おはようございます! おお おお➡ 261 00:22:28,848 --> 00:22:30,883 飯倉の仙五郎さんじゃねえか。 262 00:22:30,883 --> 00:22:33,185 (仙五郎) 若先生の言いつけで伺いやした。 263 00:22:33,185 --> 00:22:36,188 まあ まあ… おとせさん どうなりました? 264 00:22:36,188 --> 00:22:38,991 (仙五郎)いえ もう どうってことはねえんですよ。 265 00:22:38,991 --> 00:22:41,694 岩吉って ドジな岡っ引きが うろたえやがって➡ 266 00:22:41,694 --> 00:22:45,331 下手人だと岩吉も思って引っ張ったんじゃ ねえって言うんですがね➡ 267 00:22:45,331 --> 00:22:47,867 かわいそうに 正坊もびっくりして。 268 00:22:47,867 --> 00:22:50,703 じゃあ もう おとせさんは方月館へ? 269 00:22:50,703 --> 00:22:53,739 ええ。 若先生が おいでになった時には もう帰されてきておりました。 270 00:22:53,739 --> 00:22:56,508 じゃあ 正坊がいないと おとせさん 心配したろう。 271 00:22:56,508 --> 00:22:59,211 (仙五郎)ええ もう 大先生も善助さんも青くなって。 272 00:22:59,211 --> 00:23:01,146 (嘉助)うん そうだろうって。 273 00:23:01,146 --> 00:23:03,983 それで 植木屋のおかみさん 誰がやったのか分かったんですか? 274 00:23:03,983 --> 00:23:06,285 そいつは まだ何とも…。 分からないのかい? 275 00:23:06,285 --> 00:23:09,655 へえ。 それで 若先生 調べてみたいと そうおっしゃって。 276 00:23:09,655 --> 00:23:12,291 あっ 正坊は おとせさん連れて迎えに来るから➡ 277 00:23:12,291 --> 00:23:15,494 それまで こちらで預かってくれと そういうお言づけでございます。 278 00:23:15,494 --> 00:23:18,998 分かりました。 遠いところ ご苦労さまでございました。 279 00:23:18,998 --> 00:23:21,900 さあさあ どうぞ お上がりなすって。 いや いや… そうもしてられねえんで。 280 00:23:21,900 --> 00:23:24,303 八丁堀 行って 畝の旦那を お呼びしてくるようにとも➡ 281 00:23:24,303 --> 00:23:27,206 言いづかっておりますから。 そいつは ご苦労だなあ。 282 00:23:27,206 --> 00:23:30,709 どういたしやして。 ごめんなすって。 ああ どうもご苦労さん。 283 00:23:35,848 --> 00:23:38,684 (善助)若先生 ここです。 284 00:23:38,684 --> 00:23:40,886 おい 治兵衛さん いるかい。 285 00:23:43,188 --> 00:23:45,190 善助さん…! 286 00:23:47,059 --> 00:23:50,062 とんだことだったな…。 287 00:23:51,897 --> 00:23:54,700 善助さんも知ってのとおり➡ 288 00:23:54,700 --> 00:23:56,635 実直な治兵衛。 289 00:23:56,635 --> 00:23:59,338 人に恨みを 買うはずもなし。 290 00:23:59,338 --> 00:24:01,807 どうして こんなことに なったのかと…。 291 00:24:01,807 --> 00:24:05,277 そうだろう… そうだろう。 292 00:24:05,277 --> 00:24:07,980 まあ とにかく お線香をあげさせてもらうよ。➡ 293 00:24:07,980 --> 00:24:09,982 若先生。 294 00:24:28,834 --> 00:24:35,140 (治兵衛の泣き声) 295 00:24:40,179 --> 00:24:44,683 せめて 赤ん坊の行方だけでも 分かるといいがな。 296 00:24:44,683 --> 00:24:46,618 かわいそうにな…。 297 00:24:46,618 --> 00:24:50,022 あれじゃあ 治兵衛まで どうかなっちまいますもんね。うん…。 298 00:24:50,022 --> 00:24:51,957 ⚟(源三郎)東吾さん! 299 00:24:51,957 --> 00:24:54,193 よう 源さん。 300 00:24:54,193 --> 00:24:56,128 (源三郎)どうですか? 301 00:24:56,128 --> 00:25:01,467 今 遺骸をあらためてみたが 肩先から ひと太刀。 見事なものよ。 302 00:25:01,467 --> 00:25:06,138 侍ですか? かなりの使い手… と見たが。 303 00:25:06,138 --> 00:25:09,641 侍が 何で植木屋のかみさんを? 304 00:25:09,641 --> 00:25:12,478 おまけに 赤ん坊を盗み出している。 305 00:25:12,478 --> 00:25:15,814 こいつが どうにも分からねえ。 306 00:25:15,814 --> 00:25:17,850 はあ…。 307 00:25:17,850 --> 00:25:21,987 赤ん坊が戻るまで かみさんの葬式も出さないと➡ 308 00:25:21,987 --> 00:25:25,691 治兵衛が言うんで 親方の松造も困っています。 309 00:25:32,297 --> 00:25:34,366 お帰りなさいまし。 310 00:25:34,366 --> 00:25:37,169 源さんが おとせさんから 話を聞きたいと言ってる。 311 00:25:37,169 --> 00:25:39,505 はい。 (善助)ともかく お上がりくださいまし。 312 00:25:39,505 --> 00:25:42,841 今 お茶をおいれしますから。 さあさあ。 313 00:25:42,841 --> 00:25:47,012 早速だが おとせさんが 治兵衛のうちへ行った時には➡ 314 00:25:47,012 --> 00:25:49,047 表の戸は閉まっていましたか? 315 00:25:49,047 --> 00:25:51,316 はい。 閉まっていました。 316 00:25:51,316 --> 00:25:56,321 ですから あたし 外から声をかけて 戸を開けて中に入ろうとして…。 317 00:25:58,090 --> 00:26:01,627 倒れているお妻さん 見つけたんです。 318 00:26:01,627 --> 00:26:05,264 お妻は 戸口の方に向かって 倒れていましたか? 319 00:26:05,264 --> 00:26:08,467 それとも 奥の方へ向かって 倒れていましたか? どっちです? 320 00:26:08,467 --> 00:26:15,240 奥の部屋から飛び出してきたような形で 頭を戸口の方に向けて倒れていました。 321 00:26:15,240 --> 00:26:17,176 赤ん坊は? 322 00:26:17,176 --> 00:26:21,814 その時は もう いなかったのだと思います。 323 00:26:21,814 --> 00:26:24,850 お妻を斬ったやつと 赤ん坊を連れ去った者は➡ 324 00:26:24,850 --> 00:26:29,288 同じやつと考えてよさそうだな 源さん。 とすると これは➡ 325 00:26:29,288 --> 00:26:32,157 はなっから 赤ん坊が目当て ってことになりますね。 326 00:26:32,157 --> 00:26:34,159 恐らくな。 327 00:26:38,664 --> 00:26:42,534 (泣き声) 328 00:26:42,534 --> 00:26:55,013 ♬~ 329 00:26:55,013 --> 00:26:57,015 (悲鳴) 330 00:26:58,684 --> 00:27:03,522 (源三郎)赤ん坊は 男ですか? 女ですか? 331 00:27:03,522 --> 00:27:06,258 吉松という男の子です。 332 00:27:06,258 --> 00:27:09,795 (善助)大きな子でしてね。 治兵衛に よく似て➡ 333 00:27:09,795 --> 00:27:14,266 かわいい赤ちゃんだったって 松造親方が話してましたよ。 334 00:27:14,266 --> 00:27:17,970 赤ん坊を抱いて 治兵衛のうちを 出てった者を見た者はないんですか? 335 00:27:17,970 --> 00:27:22,140 それが あいにくと 誰も見ていねえのだ。 336 00:27:22,140 --> 00:27:24,977 (善助)岩吉って岡っ引きも 仙五郎親分も➡ 337 00:27:24,977 --> 00:27:27,012 方々聞いて回っていたようでしたがね➡ 338 00:27:27,012 --> 00:27:29,014 いません。 339 00:27:32,851 --> 00:27:36,488 いくら 青山 人通りの少ないところだといっても➡ 340 00:27:36,488 --> 00:27:38,423 昼日中のことだからな。 341 00:27:38,423 --> 00:27:41,660 誰か 見ていた者がいてもいいはずなんだ。 342 00:27:41,660 --> 00:27:46,165 まして 東吾さんがおっしゃったように お妻を斬ったのが侍だというんなら➡ 343 00:27:46,165 --> 00:27:48,500 赤ん坊を抱いて歩いたら 目立ちましょう。 344 00:27:48,500 --> 00:27:51,303 うん。 (善助)それとも➡ 345 00:27:51,303 --> 00:27:54,206 赤ん坊を抱いて行ったのは 別の人間でしょうか?➡ 346 00:27:54,206 --> 00:27:58,844 女? あるいは…。 347 00:27:58,844 --> 00:28:00,779 あるいは 何ですか? 348 00:28:00,779 --> 00:28:04,650 赤ん坊は それほど遠くまで連れていかれなかった。 349 00:28:04,650 --> 00:28:06,952 ははあ…➡ 350 00:28:06,952 --> 00:28:09,254 近くへ連れ込まれた。 351 00:28:09,254 --> 00:28:12,157 それで人目に触れずに済んだ。 そうですな? 352 00:28:12,157 --> 00:28:14,126 うん…。 353 00:28:14,126 --> 00:28:16,995 けど 今まで 赤ん坊のいなかったうちに➡ 354 00:28:16,995 --> 00:28:21,800 急に 赤ん坊の泣き声がしたりすれば 近所の者が気が付きますよ。 355 00:28:21,800 --> 00:28:24,136 それもそうか…。 356 00:28:24,136 --> 00:28:29,274 しかし 赤ん坊を抱いた侍の姿 誰も見たことがないというんなら➡ 357 00:28:29,274 --> 00:28:32,177 私は 東吾さんの読みが正しいと思いますね。 358 00:28:32,177 --> 00:28:36,815 赤ん坊を 侍が 一旦 どこか近くへ連れ込んで➡ 359 00:28:36,815 --> 00:28:40,686 そこで赤ん坊を抱いても目立たない人物に 渡された。 360 00:28:40,686 --> 00:28:44,990 恐らく 女に渡されて どこかへ連れていかれた。 361 00:28:44,990 --> 00:28:47,292 うん! (源三郎)分かりました。 362 00:28:47,292 --> 00:28:52,664 その線で青山界わいを当たってみるように 仙五郎に言いつけてきましょう。 363 00:28:52,664 --> 00:28:54,600 (笑い声) 364 00:28:54,600 --> 00:28:57,836 (戸が開く音) ああ ちょっと ごめん。 365 00:28:57,836 --> 00:28:59,771 先生。 366 00:28:59,771 --> 00:29:02,674 やあ 遠いところまで ご苦労だったな。 367 00:29:02,674 --> 00:29:04,676 (源三郎)これにて おいとまつかまつります。 368 00:29:06,945 --> 00:29:10,449 先生 私も これから おとせさんを連れて 正吉を迎えに行きます。 369 00:29:10,449 --> 00:29:13,952 そうか そうか。 わしも早く正吉の元気な顔が見たい。 370 00:29:13,952 --> 00:29:16,455 ハッハッハッハッ…。 あっ そうだ➡ 371 00:29:16,455 --> 00:29:19,491 紹介しておこう。 磯貝。 (磯貝)はい。 372 00:29:19,491 --> 00:29:25,631 (せきこみ) 373 00:29:25,631 --> 00:29:28,967 (方斎)代稽古をやってもらってる 神林東吾だ。 374 00:29:28,967 --> 00:29:30,902 神林です。 375 00:29:30,902 --> 00:29:33,472 磯貝求女 よろしく。 376 00:29:33,472 --> 00:29:38,276 磯貝はな 以前 わしが剣の手ほどきをしてやった。 377 00:29:38,276 --> 00:29:41,980 なかなか筋のいい子でな 楽しみにしていたんだが…。 378 00:29:41,980 --> 00:29:45,851 いや もう いけません 体を壊して すっかり稽古を怠けてしまいましたから。 379 00:29:45,851 --> 00:29:50,289 (方斎)元気なら 一度 東吾と 試合をしてみてくれと言うところだが➡ 380 00:29:50,289 --> 00:29:52,357 ハッハッ! 残念だな。 381 00:29:52,357 --> 00:29:55,994 よくなりましたら 是非 一度 ご指南ください。 382 00:29:55,994 --> 00:29:59,498 私の方こそ 稽古をお願いします。 383 00:29:59,498 --> 00:30:02,534 (方斎) 胸ってやつは なかなか治りにくいから。 384 00:30:02,534 --> 00:30:05,370 大事にしてください。 ありがとう。 385 00:30:05,370 --> 00:30:11,677 まあ 青山辺りで のんびり養生してれば そのうち よくなるさ。 386 00:30:11,677 --> 00:30:14,513 青山に 今 お暮らしですか? はい。 387 00:30:14,513 --> 00:30:18,016 無役の旗本 気軽な身の上でして。 388 00:30:18,016 --> 00:30:19,951 ⚟(おとせ)若先生➡ 389 00:30:19,951 --> 00:30:21,887 お待たせいたしました。 390 00:30:21,887 --> 00:30:24,690 ああ もう行くのか。 正吉に よろしくな。 391 00:30:24,690 --> 00:30:28,527 はい。 では 行かせていただきます。 ああ 気を付けてな。 392 00:30:28,527 --> 00:30:30,529 では。 393 00:30:36,868 --> 00:30:40,706 (おとせ)すっかり もう 桜の花もほころんで。 394 00:30:40,706 --> 00:30:44,209 磯貝求女という あの若い侍…。 395 00:30:44,209 --> 00:30:47,112 えっ? 前にも来たことがありますか? 396 00:30:47,112 --> 00:30:51,883 いいえ。 植木を見に 松造さんのところに 先生のお供で参りました道で➡ 397 00:30:51,883 --> 00:30:53,819 お目にかかりまして それで。 398 00:30:53,819 --> 00:30:57,055 あの時に? はい。 399 00:30:57,055 --> 00:30:59,358 お妻の斬られて死んだ あの日➡ 400 00:30:59,358 --> 00:31:01,293 松造のうちの近くで会った というんですか? 401 00:31:01,293 --> 00:31:05,163 お見舞いにいらした妹さんを送っての 帰りだとか申されて➡ 402 00:31:05,163 --> 00:31:08,967 それなら 一度 遊びに来いって 大先生がおっしゃって それで。 403 00:31:10,669 --> 00:31:13,572 若先生 あの 何か? 404 00:31:13,572 --> 00:31:18,543 いや… 誰彼なしに怪しく思えてくるのは➡ 405 00:31:18,543 --> 00:31:22,013 ハッハッ 我ながら 卑しい岡っ引き根性だ。 406 00:31:22,013 --> 00:31:24,015 行きましょう。 407 00:31:33,525 --> 00:31:37,028 あっ おっ母ちゃん! 408 00:31:37,028 --> 00:31:40,332 正吉! 409 00:31:40,332 --> 00:31:45,637 おっ母ちゃん! (おとせ)正吉! 偉かったねえ。 410 00:31:49,708 --> 00:31:51,643 (おとせ)ありがとうございます。➡ 411 00:31:51,643 --> 00:31:54,880 本当に いつもいつも ご迷惑ばかりおかけして。 412 00:31:54,880 --> 00:31:58,750 いいえ。 正吉っちゃん よかったわね。 413 00:31:58,750 --> 00:32:02,988 ほら いつものとおり 先生の膝へ来ないか。 ん? 414 00:32:02,988 --> 00:32:04,923 (笑い声) 415 00:32:04,923 --> 00:32:08,794 今日はね おっ母さんの方がいいのよね。 416 00:32:08,794 --> 00:32:14,299 なんてったって 子供は正直だ。 おっ母ちゃんが一番だ。 417 00:32:14,299 --> 00:32:16,668 よし 今度から もう抱いてやらねえぞ。 418 00:32:16,668 --> 00:32:19,504 あらあら 先生 すねてるわよ。 419 00:32:19,504 --> 00:32:23,508 (笑い声) 420 00:32:29,181 --> 00:32:34,019 一度 八丁堀へ帰ってみる。 義姉上のことも心配だからな。 421 00:32:34,019 --> 00:32:36,822 正吉たちのことは よろしく頼む。 422 00:32:39,524 --> 00:32:44,029 (孝助)あっ 東吾さん お帰りなさいませ。 孝助 義姉上のお具合は? 423 00:32:44,029 --> 00:32:47,065 まだ 寝たり起きたり はかばかしくはございませんようで。 424 00:32:47,065 --> 00:32:50,202 う~ん…。 425 00:32:50,202 --> 00:32:53,905 あちっ あち…。 426 00:32:55,540 --> 00:32:57,542 ああ…。 427 00:33:06,184 --> 00:33:08,987 兄上。 428 00:33:08,987 --> 00:33:10,989 おっ… と… 東吾。 429 00:33:15,160 --> 00:33:18,997 はあ… あっ そうだ。 430 00:33:18,997 --> 00:33:22,868 おめえ すまねえがな 明日 麻生へ行ってきてくんねえかな。 431 00:33:22,868 --> 00:33:24,870 麻生へですか? 432 00:33:24,870 --> 00:33:28,506 じいさんにな 赤ん坊の名前 付けてもらってきてくれよ。 433 00:33:28,506 --> 00:33:30,442 赤ん坊の名前? 434 00:33:30,442 --> 00:33:33,011 本当を言やあ この俺が付けてやりてえんだがな➡ 435 00:33:33,011 --> 00:33:36,514 じいさんにしてもな 待ちに待っていた初孫だ。 436 00:33:36,514 --> 00:33:39,017 せっかちに もう 決めてるかもしんねえんだ。 437 00:33:39,017 --> 00:33:41,520 ヘヘッ 浮世の義理だ。 しかたがねえや➡ 438 00:33:41,520 --> 00:33:44,422 じいさんに付けてもらうことに 決めたのよ。 439 00:33:44,422 --> 00:33:46,691 いや しかし まだ早すぎませんか? 440 00:33:46,691 --> 00:33:49,327 いや なに こういうことは おめえ 早えに越したことはねえんだよ。 441 00:33:49,327 --> 00:33:51,263 でも 男か女かも分かりませんよ。 442 00:33:51,263 --> 00:33:54,199 それは おめえ… それは おめえ 男よ。 443 00:33:54,199 --> 00:33:56,701 ええ~? 444 00:33:56,701 --> 00:34:01,139 じいさんもな… 香苗を見てな➡ 445 00:34:01,139 --> 00:34:04,042 「あの顔は ありゃあ 男だ」 う~ん そう 言ってた。 446 00:34:04,042 --> 00:34:08,880 やれやれ お二人で顔を合わせれば そんな話をされてるんですか。 447 00:34:08,880 --> 00:34:13,285 (笑い声) 448 00:34:13,285 --> 00:34:15,654 それなら 兄上が麻生へいらして➡ 449 00:34:15,654 --> 00:34:19,157 お二人で 子供の名前 考えたらよろしいでしょう。 450 00:34:19,157 --> 00:34:22,160 ば… ばか野郎! こっちは これでもよ➡ 451 00:34:22,160 --> 00:34:24,963 大事な お役に縛られて 御用繁多の身の上だ。 452 00:34:24,963 --> 00:34:26,965 暇持て余してる おめえが…。 453 00:34:29,167 --> 00:34:31,670 ああ… なあ 東吾➡ 454 00:34:31,670 --> 00:34:35,507 行ってきてくれよな 頼むわ。 455 00:34:35,507 --> 00:34:38,176 はあ… はい。 456 00:34:38,176 --> 00:34:41,079 すまねえな。 457 00:34:41,079 --> 00:34:47,852 ハハハッ… 親ばかちゃんりん 開いた口が塞がらねえよ。 458 00:34:47,852 --> 00:34:51,523 ばかばかしいが 兄上の言いつけ 行かねえわけにもいかねえから。 459 00:34:51,523 --> 00:34:53,458 おい 正吉! うん? 460 00:34:53,458 --> 00:34:56,194 一緒に行こう。 うん! 461 00:34:56,194 --> 00:34:58,530 えっ 正吉っちゃん連れてですか? 462 00:34:58,530 --> 00:35:01,433 狸穴へ帰るのは明日にしても… なっ いいだろう。 463 00:35:01,433 --> 00:35:06,137 はい。 それは 一向に構いませんが… よろしいんですか? 464 00:35:06,137 --> 00:35:08,073 孫ができるってんで➡ 465 00:35:08,073 --> 00:35:10,976 小さな子供を見りゃあ 目ぇ細くしてるってから➡ 466 00:35:10,976 --> 00:35:13,878 正吉にも小遣いをくれるかもしれねえ。 467 00:35:13,878 --> 00:35:17,482 行って もらってこよう。 なあ? 正吉。 うん! 468 00:35:17,482 --> 00:35:19,517 (鈴の音) 469 00:35:19,517 --> 00:35:21,820 (かしわ手) 470 00:35:21,820 --> 00:35:28,493 ♬~(祭り囃子) 471 00:35:28,493 --> 00:35:30,495 (鈴の音) 472 00:35:33,164 --> 00:35:37,168 おい 正吉 あんころでも食ってくか? うん。 473 00:35:39,504 --> 00:35:42,207 はい お待ちどおさま。 さあ 食え。 474 00:35:47,012 --> 00:35:49,214 うまいか? うん。 475 00:35:53,184 --> 00:35:55,120 ⚟(八造)若旦那! 若旦那。 476 00:35:55,120 --> 00:35:57,522 よう 八造 何だ? 477 00:35:57,522 --> 00:36:00,025 (八造)孫が生まれてやして。 478 00:36:00,025 --> 00:36:02,260 孫!? おめえにか? (八造)へえ。 479 00:36:02,260 --> 00:36:05,463 今日 お宮参りなんですよ。 若旦那 見てやってくださいよ。 480 00:36:05,463 --> 00:36:09,634 あっしに似ましてね 役者にしてえぐらい いい男なんですから。 481 00:36:09,634 --> 00:36:12,437 ほう どれどれ。 すいません…。 482 00:36:15,974 --> 00:36:19,010 (お花)まあ 若旦那。➡ 483 00:36:19,010 --> 00:36:23,481 あたしも とうとう おばあちゃんになっちまいましたよ。 484 00:36:23,481 --> 00:36:26,284 おっ母さん そんな抱き方したら ほらほら…。あら! 485 00:36:26,284 --> 00:36:30,488 あっ… おや そうや そう。 まあ 久しく 赤ん坊なんか抱かないもんだから➡ 486 00:36:30,488 --> 00:36:33,525 おっ おっ おっ ごめん ごめん。 ほら 直しておくれ。 487 00:36:33,525 --> 00:36:38,229 若旦那 どうです? いい顔してましょう。 488 00:36:38,229 --> 00:36:40,165 役者というよりは➡ 489 00:36:40,165 --> 00:36:42,167 噺家にした方がよかねえか。 490 00:36:42,167 --> 00:36:44,169 そりゃ ひどいよ~。 491 00:36:44,169 --> 00:36:46,671 (笑い声) 492 00:37:06,791 --> 00:37:09,094 ありがとうございました。 493 00:37:12,597 --> 00:37:14,666 それじゃな。 494 00:37:14,666 --> 00:37:17,469 どうも ありがとうございました。 ごめんくださいまし。 495 00:37:26,644 --> 00:37:29,481 おい ここにいた子供は? 496 00:37:29,481 --> 00:37:31,683 あっ 何ですか 急に…。 497 00:37:42,660 --> 00:37:52,670 ♬~ 498 00:37:52,670 --> 00:37:56,508 八造! あっ 若旦那。あら どうかなさいました? 499 00:37:56,508 --> 00:37:58,443 正吉が 急に いなくなったんだ。 500 00:37:58,443 --> 00:38:00,745 えっ? 正坊が!? 501 00:38:04,115 --> 00:38:07,452 若旦那…。 八造 すまねえが➡ 502 00:38:07,452 --> 00:38:10,255 若い者 集めて捜してくれ。 へい。 503 00:38:10,255 --> 00:38:37,148 ♬~ 504 00:38:37,148 --> 00:38:39,083 おっ…。 505 00:38:39,083 --> 00:39:04,075 ♬~ 506 00:39:07,445 --> 00:39:09,380 嘉助! 507 00:39:09,380 --> 00:39:11,950 ああ お帰りなさいまし。 正吉は? 508 00:39:11,950 --> 00:39:14,986 ええっ? 戻ってきていねえか? 正吉。 509 00:39:14,986 --> 00:39:18,823 いいえ あの… 一体 どうしたっていうんです? 510 00:39:18,823 --> 00:39:22,026 いなくなったんだ 急に。 ええっ? 511 00:39:23,661 --> 00:39:25,797 おい ちょっと…。 512 00:39:25,797 --> 00:39:29,267 申し訳ねえ… 俺がついていながら。 513 00:39:29,267 --> 00:39:32,170 いえ あたしの ふだんのしつけが至りませんで➡ 514 00:39:32,170 --> 00:39:36,174 申し訳ございません。 ご心配おかけして。 515 00:39:39,277 --> 00:39:44,148 それにしても どこへ行っちゃったんでしょうねえ。 516 00:39:44,148 --> 00:39:49,654 あんな利口な子だ。 訳もなく突っ走るはずはありやせん。 517 00:39:49,654 --> 00:39:51,589 俺も そう思う。 518 00:39:51,589 --> 00:39:55,159 正吉は 何かを見つけて 後を追ったんだ。 519 00:39:55,159 --> 00:39:59,163 何かを見つけて? 何かって 何です? 520 00:39:59,163 --> 00:40:02,901 もしかして…。 えっ? 521 00:40:02,901 --> 00:40:05,303 いや… 無理だ。 522 00:40:05,303 --> 00:40:08,506 若旦那。 もしかして 正吉は➡ 523 00:40:08,506 --> 00:40:12,677 治兵衛の女房 お妻を殺した下手人を 深川八幡の境内で見つけて➡ 524 00:40:12,677 --> 00:40:15,580 後を追ったんじゃねえかと 思ったんだが…➡ 525 00:40:15,580 --> 00:40:20,285 おとせさんも正吉も 下手人の顔を見たわけじゃねえんだから。 526 00:40:22,854 --> 00:40:24,789 赤ちゃん! 527 00:40:24,789 --> 00:40:28,026 ん? 赤ちゃんなら ねえ おとせさん➡ 528 00:40:28,026 --> 00:40:29,961 正吉っちゃん 見て 知ってるんじゃありませんか? 529 00:40:29,961 --> 00:40:32,196 治兵衛さんとこの赤ちゃん。 はい。 530 00:40:32,196 --> 00:40:34,198 吉松っちゃんなら よく知っています。 531 00:40:34,198 --> 00:40:37,068 それだ。 日柄がいいのか 深川八幡へは➡ 532 00:40:37,068 --> 00:40:40,872 お宮参りの赤ん坊を連れて うん 幾組もお参りに来ていた。 533 00:40:40,872 --> 00:40:43,207 その中に さらわれた治兵衛さんとこの赤ちゃん➡ 534 00:40:43,207 --> 00:40:46,711 吉松って子に似た赤ちゃんを見つけて 正吉っちゃん…。 535 00:40:46,711 --> 00:40:49,747 後を追ったんだ。 (嘉助)違えねえ…。 536 00:40:49,747 --> 00:40:54,352 正坊なら そのぐらいのことは やりますよ きっと。 537 00:40:54,352 --> 00:40:59,891 でも そうだとすると… ねえ? あなた。 538 00:40:59,891 --> 00:41:04,662 うん 万一 相手に つけていると気付かれた時には➡ 539 00:41:04,662 --> 00:41:06,698 正吉が危ねえ! 540 00:41:06,698 --> 00:41:08,700 ⚟(八造)若旦那! おう! 541 00:41:10,835 --> 00:41:14,706 見つかったか? へい…。 それが 若えやつらに言って➡ 542 00:41:14,706 --> 00:41:17,508 深川中の路地から路地を 溝んとこまで➡ 543 00:41:17,508 --> 00:41:20,178 くまなく捜したんでやすが… いねえんで。 544 00:41:20,178 --> 00:41:22,180 もう一度 捜せ。 へえ。 545 00:41:22,180 --> 00:41:26,684 正吉はな お妻を殺して 連れ去った 治兵衛の赤ん坊を見つけたんだ。 546 00:41:26,684 --> 00:41:29,721 (八造)ええっ!? 恐らく その赤ん坊の後を追って…。 547 00:41:29,721 --> 00:41:33,858 そりゃ 大変だ。 もし 相手に感づかれでもしたりしたら。 548 00:41:33,858 --> 00:41:36,761 正吉の命が危ねえ! (八造)くっそ…! 549 00:41:36,761 --> 00:41:39,330 るい。 はい! 550 00:41:39,330 --> 00:41:49,874 ♬~ 551 00:41:49,874 --> 00:41:52,910 ⚟(源三郎)東吾さん! おう 源さん。 552 00:41:52,910 --> 00:41:57,215 深川の材木置き場で 老婆が斬られて死んでいました。 553 00:41:57,215 --> 00:42:00,051 うん? 肩先から 見事な太刀。 554 00:42:00,051 --> 00:42:03,821 植木屋 治兵衛の女房のお妻が 斬られたのと ひどく似てる➡ 555 00:42:03,821 --> 00:42:06,157 そう思って やって来たんですが。 行こう 源さん。はっ。 556 00:42:06,157 --> 00:42:15,833 ♬~ 557 00:42:15,833 --> 00:42:19,170 (徳松)ほら どいた どいた! 見せもんじゃねえぞ ほら…。➡ 558 00:42:19,170 --> 00:42:21,672 あっ 旦那! ご苦労さまです。 559 00:42:21,672 --> 00:42:23,875 あれか? (徳松)へい。 560 00:42:26,511 --> 00:42:30,014 (伝次)たったの ひと太刀。 うんもすんもなかったと思います。 561 00:42:41,993 --> 00:42:44,328 どうですか? 562 00:42:44,328 --> 00:42:47,231 お妻と そっくり同じ斬り口。 563 00:42:47,231 --> 00:42:49,200 やっぱり。 564 00:42:49,200 --> 00:42:52,870 うん。 伝次。 (伝次)へい。 565 00:42:52,870 --> 00:42:54,906 仏の身元は分かったのかい? 566 00:42:54,906 --> 00:42:57,208 近くに住んでる産婆で 「おかや」っていいます。 567 00:42:57,208 --> 00:43:00,044 産婆? へえ。 腕のいい産婆で➡ 568 00:43:00,044 --> 00:43:02,280 近所づきあいも 至っていい方だったそうで➡ 569 00:43:02,280 --> 00:43:05,149 人に恨みを受けるような ばあさんじゃねえんだがって➡ 570 00:43:05,149 --> 00:43:07,652 近所の連中もね 言ってました。 571 00:43:07,652 --> 00:43:11,522 源さん この仏も産婆。 572 00:43:11,522 --> 00:43:14,292 赤ん坊に絡んでるぜ。 573 00:43:14,292 --> 00:43:16,294 なるほど。 574 00:43:22,500 --> 00:43:28,306 ⚟(子供たちの歌声) 575 00:43:50,328 --> 00:43:59,337 ♬~ 576 00:43:59,337 --> 00:44:01,339 先生 おっ母ちゃん 助けて。 577 00:44:01,339 --> 00:44:04,142 おっ母ちゃん… うわあ~! おっ母ちゃん? 578 00:44:04,142 --> 00:44:07,345 「おっ母ちゃん 助けて」って 先生に言いに狸穴から? 579 00:44:10,648 --> 00:44:13,484 (正吉)おっ母ちゃん! 580 00:44:13,484 --> 00:44:15,419 あたしじゃありません! 581 00:44:15,419 --> 00:44:17,355 おっ母ちゃん! 正吉! 582 00:44:17,355 --> 00:44:20,258 ああ 寄るんじゃねえ 寄るんじゃねえ。 ほら。 583 00:44:20,258 --> 00:44:26,063 おっ母ちゃん! おっ母ちゃん! 584 00:44:26,063 --> 00:44:28,866  心の声 正吉…! 585 00:44:31,302 --> 00:44:34,505 くそ…! 何やってんだよ! 早くしろよ! 586 00:44:36,841 --> 00:44:39,177 見つかったか? 587 00:44:39,177 --> 00:44:41,112 見つかりません。 588 00:44:41,112 --> 00:45:14,478 ♬~ 589 00:45:14,478 --> 00:45:16,480 うまいか? うん。 590 00:45:18,149 --> 00:45:22,653  心の声 正吉… どこにいるんだ?➡ 591 00:45:22,653 --> 00:45:27,458 どうか 無事でいてくれ。 いいか 正吉。 592 00:45:38,169 --> 00:45:40,171 先生。 593 00:45:40,171 --> 00:45:42,673 東吾。 若先生。 594 00:45:46,310 --> 00:45:49,847 ご心配をおかけして 申し訳ございません。 595 00:45:49,847 --> 00:45:54,185 それより 正吉は まだ見つからんか?はい。 596 00:45:54,185 --> 00:45:58,055 けど 若先生 一体 誰が 正坊を連れてったっていうんです? 597 00:45:58,055 --> 00:46:01,626 いや 正吉は連れ去られたのではない。 598 00:46:01,626 --> 00:46:04,462 正吉の方から 誰かの後を 追いかけていったんだ。 599 00:46:04,462 --> 00:46:07,365 ええっ!? 八幡宮の境内➡ 600 00:46:07,365 --> 00:46:10,334 お宮参りの赤ん坊を抱いた者が 幾組もおりました。 601 00:46:10,334 --> 00:46:12,336 正吉は 恐らく その中に➡ 602 00:46:12,336 --> 00:46:17,141 何者かにさらわれた治兵衛の子 吉松らしいのを見つけて…。 603 00:46:17,141 --> 00:46:19,810 う~ん…。 604 00:46:19,810 --> 00:46:23,681 正吉なら… 恐らくな。 605 00:46:23,681 --> 00:46:27,985 それでなければ 青山と本所 遠く離れた場所で斬られて死んだ➡ 606 00:46:27,985 --> 00:46:34,492 治兵衛の女房 お妻 産婆のおかや 同じ斬り口というのが おかしくなります。 607 00:46:34,492 --> 00:46:38,162 では 下手人は同じだと言うのか? 608 00:46:38,162 --> 00:46:40,164 はい。 609 00:46:42,667 --> 00:46:46,003 (善助)先生…。 何か? 610 00:46:46,003 --> 00:46:48,305 いやいや…。 611 00:46:48,305 --> 00:46:53,144 わしも 正吉を捜しに 出かけてみることにしよう。 612 00:46:53,144 --> 00:46:56,047 (善助)お供します。 よい よい。 613 00:46:56,047 --> 00:46:58,249 1人でよいのだ。 614 00:47:04,622 --> 00:47:06,957 ⚟(嘉助)一体 何をやってんだよ!? 615 00:47:06,957 --> 00:47:09,460 正坊を見たって人も まだ見つからねえのかい。 616 00:47:09,460 --> 00:47:13,130 それがね いまだに どこからも 何の知らせもないんですよ。 617 00:47:13,130 --> 00:47:15,633 だらしのねえの 本当に…。 618 00:47:15,633 --> 00:47:19,336 あっ どこへ行くんです? 分かるか そんなこと! 619 00:47:21,439 --> 00:47:26,343 あたしだって 店 閉めて 正坊 捜しに行きたいよ。 620 00:47:26,343 --> 00:47:28,345 若旦那! 621 00:47:30,147 --> 00:47:32,983 ねえ 正吉っちゃん 見つかったの? 徳さん。 622 00:47:32,983 --> 00:47:36,287 そうじゃねえ。 また… 殺された! 623 00:47:36,287 --> 00:47:38,356 今度は どこで誰がやられた? 624 00:47:38,356 --> 00:47:42,993 浅草橋の仏具屋で越前屋のおふくろさんが うちのすぐ近くで斬られたってんです。 625 00:47:42,993 --> 00:47:45,029 また 肩先から ひと太刀か? (徳松)へえ。➡ 626 00:47:45,029 --> 00:47:47,298 だもんで 畝の旦那が若旦那に…。 627 00:47:47,298 --> 00:47:50,501 入っちゃ駄目だって。 道 あけてくんない! 628 00:47:53,003 --> 00:47:54,939 源さん。 629 00:47:54,939 --> 00:47:56,941 ああ…。 630 00:48:04,648 --> 00:48:09,453 治兵衛の女房 お妻 産婆のおかや そして この仏。 631 00:48:09,453 --> 00:48:12,490 3人が3人とも同じ斬り口…。 632 00:48:12,490 --> 00:48:17,795 へえ。 同じ犯人の仕業と思われます。 うむ…。 633 00:48:22,967 --> 00:48:24,969 先生…。 634 00:48:30,841 --> 00:48:33,277 東吾さん! 635 00:48:33,277 --> 00:48:45,990 ♬~