1 00:00:36,607 --> 00:00:42,429 <今から 35年前に起きた 田沼意知刃傷事件。→ 2 00:00:42,429 --> 00:00:46,567 密命を受けた神谷庄左衛門が たどりついた真相は→ 3 00:00:46,567 --> 00:00:53,841 闇に葬られたが 彼は備忘録に その思いを書き残した。→ 4 00:00:53,841 --> 00:00:57,845 しかし 陰謀の魔の手が 家族に襲いかかり→ 5 00:00:57,845 --> 00:01:02,449 庄左衛門は 壮絶な最期を遂げてしまう。→ 6 00:01:02,449 --> 00:01:09,239 父 母 兄を 一時に失った 神谷又十郎は 剣の腕を磨き→ 7 00:01:09,239 --> 00:01:13,139 その名は 江戸市中で 評判になっていた> 8 00:01:15,846 --> 00:01:22,336 (蜆売りの声) 9 00:01:22,336 --> 00:01:27,675 <江戸の下町 深川に住む又十郎は いまだ独り身。→ 10 00:01:27,675 --> 00:01:33,580 しかし 訳あって 養女 千代と 二人暮らしだった> 11 00:01:33,580 --> 00:01:36,216 (千代)ゆうべ また 空飛ぶ馬が出たんだって。 12 00:01:36,216 --> 00:01:38,702 (神谷又十郎) それは 月初めの話だろ。 13 00:01:38,702 --> 00:01:41,805 ゆうべも出たの。 さっき 納豆売りの おじさんが言ってた。 14 00:01:41,805 --> 00:01:45,905 本所の方から飛んできて 本郷白山に消えたって。 15 00:01:49,780 --> 00:01:53,550 じゃあ 今度は昼間 俺が本郷辺りに行く時→ 16 00:01:53,550 --> 00:01:57,950 うちに立ち寄ってもらいたい もんだ。 それより早く飯だ! 17 00:02:10,134 --> 00:02:14,434 ♪♪~ 18 00:02:20,160 --> 00:02:22,760 ≪(町人)お千代ちゃん おはよう。 おはようございます。 19 00:02:25,499 --> 00:02:33,941 <千代が勤める菓子屋 栄華堂は 又十郎の姉 千景の嫁ぎ先である> 20 00:02:33,941 --> 00:02:37,741 (千景)あっ あっ お千代! ちょっと…。 21 00:02:40,964 --> 00:02:43,233 実は ゆうべね…。 22 00:02:43,233 --> 00:02:45,586 空飛ぶ馬でしょ? 23 00:02:45,586 --> 00:02:50,107 なんだ 知ってたのかい。 おあいにくさま。 24 00:02:50,107 --> 00:02:53,494 だけどね ゆうべのは 馬に乗った人の→ 25 00:02:53,494 --> 00:02:55,946 袖口の紋所まで 見えたらしいじゃないか。 26 00:02:55,946 --> 00:02:57,931 え~っ そうなの? 27 00:02:57,931 --> 00:03:00,667 七曜の紋だっていうんだから。 ふ~ん。 28 00:03:00,667 --> 00:03:02,667 (戸の開く音) 29 00:03:08,075 --> 00:03:13,731 <この老人こそ 又十郎たちの 育ての親 喜八郎である> 30 00:03:13,731 --> 00:03:16,617 しばらく寄れなかったから ちょいとね。 31 00:03:16,617 --> 00:03:19,117 (喜八郎) まだまだ くたばりませんぞ。 32 00:03:21,138 --> 00:03:25,743 千代に聞いたが 何だか ゆんべも 馬が飛んだらしいな。 33 00:03:25,743 --> 00:03:28,562 はい そのようで。 34 00:03:28,562 --> 00:03:31,198 誰が そんな話 言いふらしてるのかねえ。 35 00:03:31,198 --> 00:03:35,502 渋谷 道玄坂では 黄金色の亀が→ 36 00:03:35,502 --> 00:03:42,609 三田では 頭2つ持った亀が 出現したそうでございますよ。 37 00:03:42,609 --> 00:03:49,633 この息苦しいご時世が 人の心を 惑わせているんでしょうな。 38 00:03:49,633 --> 00:03:54,221 この前の銭の改鋳で またもや 何もかもが 高値でござんしょう。 39 00:03:54,221 --> 00:03:58,425 その上 度々 異国の船が 奇想天外な話を運び込んでくる。 40 00:03:58,425 --> 00:04:01,862 幻を見たり 根も葉もない噂の木に 花を咲かせるのも→ 41 00:04:01,862 --> 00:04:05,999 人々の不安の 現れでございましょうな。 42 00:04:05,999 --> 00:04:08,735 それだけ しゃべれれば 安心だ。 43 00:04:08,735 --> 00:04:12,235 ご心配 痛み入ります。 44 00:04:18,679 --> 00:04:22,933 <又十郎が 師範代を務め 彼の評判を聞きつけて→ 45 00:04:22,933 --> 00:04:27,504 多くの門弟が集まっていた> 46 00:04:27,504 --> 00:04:30,741 (木村源兵衛)頼もう! 47 00:04:30,741 --> 00:04:34,211 頼もう! 48 00:04:34,211 --> 00:04:36,663 一刀流 木村源兵衛と申す。 49 00:04:36,663 --> 00:04:41,034 諸国修行のさなか 杉崎道場の高名を聞き及び→ 50 00:04:41,034 --> 00:04:43,937 ひと手 御指南賜りたく お願い申し上げる。 51 00:04:43,937 --> 00:04:47,975 (吉岡)指南と言いながら 体のいい道場破りではないか。 52 00:04:47,975 --> 00:04:51,475 師範代 神谷又十郎殿に お相手願いたい。 53 00:04:56,300 --> 00:04:59,353 神谷殿か。 54 00:04:59,353 --> 00:05:01,338 さよう。 55 00:05:01,338 --> 00:05:03,338 いかが。 56 00:05:17,704 --> 00:05:20,991 得物は? 真剣にて。 57 00:05:20,991 --> 00:05:23,243 木村殿に木刀を。 は! 58 00:05:23,243 --> 00:05:28,198 拙者は真剣と。 道場を血で汚すわけにはいかぬ。 59 00:05:28,198 --> 00:06:02,165 ♪♪~ 60 00:06:02,165 --> 00:06:04,165 えいや! 61 00:06:09,306 --> 00:06:11,606 参った。 62 00:06:16,096 --> 00:06:20,400 (立花)必ず勝つと言うから 任せたのだぞ。 63 00:06:20,400 --> 00:06:24,671 少々侮った。 今度は勝つ。 64 00:06:24,671 --> 00:06:26,971 もうよい。 65 00:06:31,378 --> 00:06:33,363 金は? 66 00:06:33,363 --> 00:06:37,963 (斉藤)負け犬に誰が払うか。 67 00:06:40,053 --> 00:06:42,753 神谷又十郎か。 68 00:06:47,945 --> 00:06:53,267 早いもので あれからもう35年。 69 00:06:53,267 --> 00:06:58,272 ええ。 父上や母上はともかく→ 70 00:06:58,272 --> 00:07:03,672 兄上が生きておいででしたら 50も半ばですからねえ。 71 00:07:09,683 --> 00:07:14,104 前から気になってたんだけど どうして ご両親も兄上様も→ 72 00:07:14,104 --> 00:07:17,491 同じ日に亡くなられたの? 73 00:07:17,491 --> 00:07:19,509 それは…。 74 00:07:19,509 --> 00:07:22,446 あれは 災いとしか…。 75 00:07:22,446 --> 00:07:24,865 はい。 76 00:07:24,865 --> 00:07:30,604 (小僧)あの… これを神谷様の墓前にと。 77 00:07:30,604 --> 00:07:32,606 どなたが? 78 00:07:32,606 --> 00:07:37,678 名は申されませんでしたが 秋の彼岸だからと お武家様が。 79 00:07:37,678 --> 00:07:39,678 お武家? 80 00:07:42,165 --> 00:07:50,140 又十郎様 あの花の贈り主に 心当たりは? 81 00:07:50,140 --> 00:07:54,344 ない。 お前は? いいえ。 82 00:07:54,344 --> 00:08:03,303 ♪♪~ 83 00:08:03,303 --> 00:08:06,503 やってるな。 84 00:08:09,042 --> 00:08:12,262 (悲鳴) 85 00:08:12,262 --> 00:08:16,666 (おとき) 正体見破った。 春之丞 覚悟せい! 86 00:08:16,666 --> 00:08:24,174 ♪♪~ 87 00:08:24,174 --> 00:08:26,760 (観客1)よっ! 春之丞! 88 00:08:26,760 --> 00:08:29,260 (春之丞) 見破られちゃあ しかたがねえ。 89 00:08:37,604 --> 00:08:40,273 (観衆)おお! 90 00:08:40,273 --> 00:08:43,260 いいぞ いいぞ~! 91 00:08:43,260 --> 00:08:52,260 ♪♪~ 92 00:08:55,572 --> 00:08:59,543 (佐々木)神谷先生! 何事だ? 93 00:08:59,543 --> 00:09:03,080 吉岡さんたちが 武衛館の連中と にらみ合ってます。 94 00:09:03,080 --> 00:09:05,480 どこで? 初音の馬場です。 95 00:09:10,387 --> 00:09:12,773 吉岡 何事か? 96 00:09:12,773 --> 00:09:15,473 武衛館が我らに因縁を。 97 00:09:17,127 --> 00:09:23,550 話なら 杉崎道場師範代 神谷又十郎が承る。 98 00:09:23,550 --> 00:09:28,472 武衛館から引き抜いた そこにおる 槌田 岡野を返してもらおう。 99 00:09:28,472 --> 00:09:31,525 (槌田) 引き抜かれたわけではない! (岡野)我らは望んで杉崎道場に。 100 00:09:31,525 --> 00:09:33,810 (油木) 馬庭念流だかなんだか知らぬが→ 101 00:09:33,810 --> 00:09:36,780 そんな田舎剣法の道場で 腕が上がるはずがないのだ。 102 00:09:36,780 --> 00:09:40,250 おのれ~! 103 00:09:40,250 --> 00:09:42,250 (蓑田)抜け。 104 00:09:44,671 --> 00:09:47,174 抜かぬ。 (斉藤)腰抜けめ! 105 00:09:47,174 --> 00:09:51,111 杉崎道場は 女子供相手の道場ということよ。 106 00:09:51,111 --> 00:09:54,147 なるほどな。 107 00:09:54,147 --> 00:09:56,600 まあ まあ まあ 待て 待て 待て。 108 00:09:56,600 --> 00:09:58,600 や~! 109 00:10:06,042 --> 00:10:08,545 おのれ…。 110 00:10:08,545 --> 00:10:10,745 覚えてろ! 111 00:10:21,041 --> 00:10:25,045 (杉崎弥十郎) ハッハッハッハ! 田舎剣法と言うたか。 112 00:10:25,045 --> 00:10:30,050 武衛館から参った槌田に聞けば 門弟の多くが→ 113 00:10:30,050 --> 00:10:36,256 幕府や諸大名家の要職にある者の 子弟や旗本ということで。 114 00:10:36,256 --> 00:10:39,442 いや その上 道場主の松永与太夫は→ 115 00:10:39,442 --> 00:10:45,715 老中 水野出羽守の用人を務める 松永兵庫助の弟なのだ。 116 00:10:45,715 --> 00:10:51,271 しかし 相手が老中につながって いようが何であろうが→ 117 00:10:51,271 --> 00:10:55,775 武衛館とは 何らかの決着を つけねばなるまいと存じますが。 118 00:10:55,775 --> 00:10:59,175 ほう。 決着とな。 119 00:11:11,107 --> 00:11:13,207 (松永与太夫)やめい! 120 00:11:16,913 --> 00:11:21,902 杉崎道場の神谷が来た! 121 00:11:21,902 --> 00:11:26,502 飛んで火に入る何とかだ。 ここで ひねりつぶす! 122 00:11:33,063 --> 00:11:39,869 某は 杉崎道場の神谷又十郎。 123 00:11:39,869 --> 00:11:44,107 御用の趣は? 124 00:11:44,107 --> 00:11:49,763 いさかいを終らせるために はるばる出向いて参った。 125 00:11:49,763 --> 00:11:53,166 手合わせが望みか? 126 00:11:53,166 --> 00:11:56,866 話し合いにござる。 バカな! 127 00:11:58,672 --> 00:12:03,109 今日 初音の馬場で こちらの どなたかの脇差しを→ 128 00:12:03,109 --> 00:12:07,681 頂戴致したので→ 129 00:12:07,681 --> 00:12:10,367 お返しに参った。 130 00:12:10,367 --> 00:12:12,852 (立花)この道場には そのような者はおらん! 131 00:12:12,852 --> 00:12:15,052 いや いる。 132 00:12:17,207 --> 00:12:22,812 このまげの主は 旗本 斉藤美濃守の三男→ 133 00:12:22,812 --> 00:12:26,812 斉藤庄三郎殿だと分かっている。 134 00:12:29,653 --> 00:12:33,807 どうだ? このことが世間に知れちゃあ→ 135 00:12:33,807 --> 00:12:38,828 赤っ恥をかくのは この武衛館だけにとどまらねえよ。 136 00:12:38,828 --> 00:12:44,501 松永殿の兄御の松永兵庫助殿 そのまた主の→ 137 00:12:44,501 --> 00:12:51,508 老中 水野出羽守様まで 笑いものになるが→ 138 00:12:51,508 --> 00:12:53,608 いいのかい? 139 00:12:57,364 --> 00:12:59,564 用は これだけだ。 140 00:13:05,405 --> 00:13:09,776 あ そうだ。 我が道場の馬庭念流を→ 141 00:13:09,776 --> 00:13:14,731 田舎剣法だと 抜かした御仁がいたが→ 142 00:13:14,731 --> 00:13:21,571 幼い時分の九郎判官義経が ゆかりの京八流→ 143 00:13:21,571 --> 00:13:25,608 馬庭念流は その流れをくんでるんだぜ。 144 00:13:25,608 --> 00:13:27,811 おのれ~! 145 00:13:27,811 --> 00:13:30,714 (与太夫)やめ! 146 00:13:30,714 --> 00:13:37,070 頭にカッと血が上った時は 甘い菓子でも食うんだな。 147 00:13:37,070 --> 00:13:56,570 ♪♪~ 148 00:14:16,459 --> 00:14:21,664 (水野忠成) 空飛ぶ馬に乗っている者の 袖の紋は なんと七曜という噂。 149 00:14:21,664 --> 00:14:27,904 七曜は 我が父の盟友であられた 今は亡き 田沼主殿頭様の紋所よ。 150 00:14:27,904 --> 00:14:31,641 (松永兵庫助)しかし 本来 狩衣に 紋所は入れませぬが。 151 00:14:31,641 --> 00:14:35,578 空飛ぶ馬の話じゃ。 紋があっても 不思議ではなかろう。 152 00:14:35,578 --> 00:14:39,282 それは 私が。 153 00:14:39,282 --> 00:14:43,920 あの空飛ぶ馬は 何かのお告げに違いないのじゃ。 154 00:14:43,920 --> 00:14:46,339 お告げと申されますと? 155 00:14:46,339 --> 00:14:54,831 袖の七曜の紋。 あれを以前 父の遺品の中に見たのじゃ。 156 00:14:54,831 --> 00:14:58,802 これじゃ これじゃ これじゃ! ハッハッハッハッハ…。 157 00:14:58,802 --> 00:15:00,902 おっ 寧子か。 158 00:15:09,679 --> 00:15:15,902 (寧子) ご仏壇の下の扉が開いたまま でしたが 何のお改めですか? 159 00:15:15,902 --> 00:15:20,573 亡き田沼主殿頭様が 老中在職中→ 160 00:15:20,573 --> 00:15:24,177 公然と賄賂を手にして おられたことを知っておろう。 161 00:15:24,177 --> 00:15:28,932 その時分 幼少の私は 都におりましたゆえ。 162 00:15:28,932 --> 00:15:35,238 失脚の後 明け渡された田沼様の 居城 遠州相良城からも→  163 00:15:35,238 --> 00:15:39,075 江戸のお屋敷からも 金品は出ていないのじゃ。 164 00:15:39,075 --> 00:15:41,644 それとこれと一体…。 165 00:15:41,644 --> 00:15:46,499 父上が 主殿頭様が亡くなる直前→ 166 00:15:46,499 --> 00:15:50,670 これを 形見として 受け取られていたのよ。 167 00:15:50,670 --> 00:15:55,842 この絵図こそ 田沼様の残された 金銀の隠し場所を示したものに→ 168 00:15:55,842 --> 00:15:57,944 違いないのじゃ。 おい。 169 00:15:57,944 --> 00:16:02,816 測量の道具を見ている男の袖には 七曜の紋所。 170 00:16:02,816 --> 00:16:06,936 にじんで 卍のようにも見えますが。 171 00:16:06,936 --> 00:16:10,340 七曜じゃ。 172 00:16:10,340 --> 00:16:17,697 なるほど。 奥州白河の 松平越中守様が失脚なされた後→ 173 00:16:17,697 --> 00:16:26,005 後を託された老中が 先頃死んだ 伊能忠敬に測量を命じたのも→ 174 00:16:26,005 --> 00:16:33,379 もしかしたら 田沼様の埋蔵金 探しが 真の狙いであったのやも。 175 00:16:33,379 --> 00:16:36,683 それは このわしが探し出す。 176 00:16:36,683 --> 00:16:42,305 殿様は 金銀のことになると 目の色が変わられますなあ。 177 00:16:42,305 --> 00:16:47,360 フフフフフ… ハハハハハハ! 178 00:16:47,360 --> 00:16:50,060 (雷鳴) 179 00:16:55,335 --> 00:16:57,554 (戸の開く音) 180 00:16:57,554 --> 00:16:59,654 ≪ご免! 181 00:17:10,183 --> 00:17:13,369 押し売りか? 182 00:17:13,369 --> 00:17:17,073 某は 唐沢伴内と申す。 183 00:17:17,073 --> 00:17:19,242 で? 184 00:17:19,242 --> 00:17:25,698 実は さるお方が 是非とも 神谷又十郎殿の剣術について→ 185 00:17:25,698 --> 00:17:29,702 話を伺いたいと申される。 ご足労願えないか? 186 00:17:29,702 --> 00:17:33,606 (雷鳴) 187 00:17:33,606 --> 00:17:35,775 雨だしなあ。 188 00:17:35,775 --> 00:17:37,775 え? 189 00:17:57,330 --> 00:18:05,071 (楽翁)杉崎道場の神谷様のお名は 以前から耳にしておりました。 190 00:18:05,071 --> 00:18:07,073 ほう。 191 00:18:07,073 --> 00:18:10,593 また こたびは 武衛館との いさかいを→ 192 00:18:10,593 --> 00:18:17,500 剣によらず収められたと聞き ますます感服いたした次第。 193 00:18:17,500 --> 00:18:22,238 俺を見張っていたのか? いや。 194 00:18:22,238 --> 00:18:29,712 神谷殿は 馬庭念流はいつから? 195 00:18:29,712 --> 00:18:36,936 江戸に戻ってからのことだから およそ30年前からだな。 196 00:18:36,936 --> 00:18:44,761 馬庭念流の本分は 「質実」と聞き及ぶが。 197 00:18:44,761 --> 00:18:48,331 技は 守りを主眼とする。 198 00:18:48,331 --> 00:18:56,272 つまり 敵に勝つより 負けぬ技量を重んじる守りの剣。 199 00:18:56,272 --> 00:18:59,776 しかしながら 殺人の技を持ちつつも→ 200 00:18:59,776 --> 00:19:06,332 殺すことを戒めるのが 馬庭念流の神髄でもある。 201 00:19:06,332 --> 00:19:12,472 その剣の腕を 何に使うおつもりか? 202 00:19:12,472 --> 00:19:16,809 誰の世話にもならず 食うため。 203 00:19:16,809 --> 00:19:18,811 食う? 204 00:19:18,811 --> 00:19:24,183 ハッハッハ… なるほど。 205 00:19:24,183 --> 00:19:26,969 剣法については話した。 では。 206 00:19:26,969 --> 00:19:31,969 神谷殿に頼みたいことがある。 207 00:19:40,033 --> 00:19:47,774 世直しの手伝いをしては もらえまいか。 208 00:19:47,774 --> 00:19:49,759 世直し? 209 00:19:49,759 --> 00:19:58,701 当節 政を行う方々の間に 賄賂が横行していると聞く。 210 00:19:58,701 --> 00:20:06,042 そのような体たらくのしわ寄せは いずれ町人や百姓を襲ってくる。 211 00:20:06,042 --> 00:20:12,849 いや 既にあきらめと不安が 市中に蔓延している。 212 00:20:12,849 --> 00:20:17,470 将軍は 政には興味なく 今の世は→ 213 00:20:17,470 --> 00:20:24,260 おそばに仕える 重臣たちの思惑で 動いているのだ。 214 00:20:24,260 --> 00:20:33,553 その中心にいるのが 老中首座 水野出羽守。 215 00:20:33,553 --> 00:20:36,272 水野…。 216 00:20:36,272 --> 00:20:44,864 その出羽守が 田沼主殿頭殿の 隠し金があると申して→ 217 00:20:44,864 --> 00:20:49,302 探し始めましてな。 そいつは 面白い。 218 00:20:49,302 --> 00:20:55,074 だが 出羽守に それを 手に入れさせてはならぬのだ。 219 00:20:55,074 --> 00:21:02,131 そのような隠し金があって それを 万人のために使うのならよいが→ 220 00:21:02,131 --> 00:21:08,131 出羽守は 己の快楽と安泰のみに用いよう。 221 00:21:16,496 --> 00:21:19,396 いかがであろうかな? 222 00:21:21,918 --> 00:21:25,004 それは断る。 223 00:21:25,004 --> 00:21:29,225 城の連中がどうしようが 俺には 何の関心もない。 224 00:21:29,225 --> 00:21:35,448 まあ 俺の周りに 火の粉でも 飛んでくりゃ 別だがね。 225 00:21:35,448 --> 00:21:40,436 第一 楽翁だか何だか知らねえが→ 226 00:21:40,436 --> 00:21:48,311 素性を明かさねえようなお人とは どうも性が合わねえ。 では。 227 00:21:48,311 --> 00:21:54,511 (伴内)あ… いや…。 神谷殿 神谷殿! 228 00:22:07,296 --> 00:22:09,796 しつこいなあ。 あ… いやいや。 229 00:22:11,500 --> 00:22:16,072 ちょっと お耳に入れておきたいことが。 230 00:22:16,072 --> 00:22:20,076 楽翁様とお近づきになれば もしかしたら→ 231 00:22:20,076 --> 00:22:28,067 神谷殿のご両親 兄上が 何故に 命を落とされたのか 知れるやも。 232 00:22:28,067 --> 00:22:30,067 では。 233 00:22:35,208 --> 00:22:38,394 その御仁 年の頃は? 234 00:22:38,394 --> 00:22:42,231 60ぐらいだなあ。 235 00:22:42,231 --> 00:22:45,968 楽翁? ああ。 236 00:22:45,968 --> 00:22:49,038 その じいさんの用人が 言ったんだが…。 237 00:22:49,038 --> 00:22:51,057 あなた様も ご覧になったように→ 238 00:22:51,057 --> 00:22:57,914 旦那様 奥様 新之助様のご災難は 押し込みの仕業でございました。 239 00:22:57,914 --> 00:22:59,914 だよな? 240 00:23:07,106 --> 00:23:41,106 ♪♪~ 241 00:23:42,775 --> 00:23:45,378 (楽翁)音羽の菓子屋とか。 242 00:23:45,378 --> 00:23:50,399 護国寺門前の 翁屋喜八郎と申します。 243 00:23:50,399 --> 00:23:53,269 で? 244 00:23:53,269 --> 00:23:55,769 お人払いを。 245 00:24:13,839 --> 00:24:23,416 又十郎様は 世直しのご依頼を 断られたのは幸いでございました。 246 00:24:23,416 --> 00:24:26,916 その方…。 これを。 247 00:24:43,769 --> 00:24:55,498 30数年前 田沼山城守様への 刃傷に関わる取り調べをした→ 248 00:24:55,498 --> 00:25:06,598 小人目付 神谷庄左衛門の 忘れ形見が又十郎様にございます。 249 00:25:10,529 --> 00:25:14,300 それは 後日知った。 250 00:25:14,300 --> 00:25:17,269 知って? 251 00:25:17,269 --> 00:25:25,044 ああ… それで神谷家の墓に花を…。 252 00:25:25,044 --> 00:25:29,165 これは 奇縁としか言いようが…。 253 00:25:29,165 --> 00:25:31,967 奇縁? 254 00:25:31,967 --> 00:25:41,577 よろしゅうございますか。 又十郎様の父上は→ 255 00:25:41,577 --> 00:25:46,048 あなた方の手によって暗殺された。 256 00:25:46,048 --> 00:25:53,522 なぜならば 田沼様の死の真相を 突き止めたからです。 257 00:25:53,522 --> 00:26:02,522 元奥州白河松平越中守様 あなた! 258 00:26:13,008 --> 00:26:19,248 この陰謀に 直接 関わったとは思えませんが→ 259 00:26:19,248 --> 00:26:25,738 ご一統に 名を連ねておられましたな。 260 00:26:25,738 --> 00:26:35,638 又十郎様が この備忘録を読めば あなた様に刃を向けましょう。 261 00:26:37,349 --> 00:26:41,454 その時の覚悟は した上のことで…。 262 00:26:41,454 --> 00:26:53,299 今後は… どうか お近づきになられませぬよう。 263 00:26:53,299 --> 00:27:04,743 あの方が人斬りをなさるような ことがあれば この喜八郎→ 264 00:27:04,743 --> 00:27:13,402 亡き旦那様に申し訳が立ちません。 265 00:27:13,402 --> 00:27:23,802 ♪♪~ 266 00:27:30,870 --> 00:27:34,139 (女1)又十郎様。 (女2)あ~ 又様! 267 00:27:34,139 --> 00:27:36,141 お見限りね。 268 00:27:36,141 --> 00:27:40,045 刃物を持ったやつに 付きまとわれてさ。 269 00:27:40,045 --> 00:27:43,799 どこ? どこどこ? 270 00:27:43,799 --> 00:27:47,369 じゃ そこまで一緒に行こうか。 はい! 271 00:27:47,369 --> 00:27:51,574 あんなやつに 俺は…。 いつか倒してやる! 272 00:27:51,574 --> 00:27:56,745 <35年前の真相を知る一人が 楽翁だということを→ 273 00:27:56,745 --> 00:28:03,035 又十郎は まだ 知る由もなかった> 274 00:28:03,035 --> 00:28:11,727 ♪♪~(主題歌) 275 00:28:11,727 --> 00:28:15,064 (美津)ここに家を建てるから 立ち退かなきゃいけないって。 276 00:28:15,064 --> 00:28:17,783 じゃあ あの子たちは どうなるんです? 277 00:28:17,783 --> 00:28:24,006 (楽翁) 権勢を誇る者たちのために 泣きを 見る弱い者たちを出したくない。 278 00:28:24,006 --> 00:28:27,209 出羽守の弱みはご正室。 279 00:28:27,209 --> 00:28:30,946 (伴内)神谷殿の周りには 面白げな人物がおられるようで。→ 280 00:28:30,946 --> 00:28:34,283 いわば 隠密組と申しますか。 281 00:28:34,283 --> 00:28:37,102 隠密組か。 282 00:28:37,102 --> 00:29:25,302 ♪♪~ 283 00:30:34,269 --> 00:30:39,108 (歓声) 284 00:30:39,108 --> 00:30:44,108 夜空をゆっくりと昇る不思議な光。 285 00:30:46,598 --> 00:30:51,103 それは 国産大型ロケット H2A。 286 00:30:51,103 --> 00:30:57,943 重さ300トン 時速28000キロを出す モンスターマシンです。