1 00:00:02,338 --> 00:00:08,744 次郎法師の元いいなずけ 直親と 奥山の娘 しのが→ 2 00:00:08,744 --> 00:00:13,415 夫婦となってから 4年。 3 00:00:13,415 --> 00:00:21,090 しのは いまだ 子に恵まれず つらい日々を送っておったのじゃ。 4 00:00:21,090 --> 00:00:24,390 (読経) 5 00:00:30,099 --> 00:00:35,437 (瀬名)「次郎法師様。 井伊谷は いかがにございますか?→ 6 00:00:35,437 --> 00:00:37,773 駿府は 以前にも増し→ 7 00:00:37,773 --> 00:00:42,444 ますます にぎやかに なっておりますそうで」。 8 00:00:42,444 --> 00:00:48,784 (義元) 「白妙の真砂に置ける初雪の」。 9 00:00:48,784 --> 00:00:53,455 (瀬名)「先頃は お館にて 連歌の会があり→ 10 00:00:53,455 --> 00:00:56,125 その様は まさに→ 11 00:00:56,125 --> 00:01:00,396 我が世の春といったところで あったそうでございまする」。 12 00:01:00,396 --> 00:01:05,067 (寿桂尼)「うづたかき 御代」。 13 00:01:05,067 --> 00:01:07,403 (瀬名) 「あったそうでと申しますのは→ 14 00:01:07,403 --> 00:01:13,075 私が 全く 今川様の館に参って おらぬからにございまする。→ 15 00:01:13,075 --> 00:01:15,978 なぜ参っておらぬかと 申しますと→ 16 00:01:15,978 --> 00:01:18,947 始終 はらんでいるからで ございまする」。 17 00:01:18,947 --> 00:01:25,421 ≪瀬名様! 竹千代様が お笑いになりましたよ。 18 00:01:25,421 --> 00:01:30,292 (瀬名)「三河のぼんやり 元康様と 夫婦になり2年。→ 19 00:01:30,292 --> 00:01:34,096 春には 長男 竹千代が生まれ→ 20 00:01:34,096 --> 00:01:38,434 時をおかずして またもや 授かりましてございまする。→ 21 00:01:38,434 --> 00:01:44,306 子だくさんは ありがたき事なれど みごもるのは つらい事も多く。→ 22 00:01:44,306 --> 00:01:48,777 あなうれしや あな恨めしや」。 23 00:01:48,777 --> 00:01:51,077 (次郎)フフフッ。 24 00:01:56,452 --> 00:02:01,056 しの殿 何か。 25 00:02:01,056 --> 00:02:05,728 (しの)今 私の事 お笑いになりましたか? 26 00:02:05,728 --> 00:02:08,630 いえ…。 27 00:02:08,630 --> 00:02:11,930 さようでございますか。 28 00:02:14,403 --> 00:02:18,273 どうしたのじゃ。 しの殿は。 29 00:02:18,273 --> 00:04:55,973 ♪♪~ 30 00:04:59,434 --> 00:05:05,707 (南渓)子ができぬのを えらく気に病んでおるようでの~。 31 00:05:05,707 --> 00:05:08,610 夫婦となり 早4年。 32 00:05:08,610 --> 00:05:14,049 授かる兆しも あらわれぬという事であればのう。 33 00:05:14,049 --> 00:05:16,952 もう 4年になりますか。 34 00:05:16,952 --> 00:05:22,724 そのうち おぬしを還俗させろ という話になるのではないか。 35 00:05:22,724 --> 00:05:26,595 ざれ言は おやめ頂けますか。 いやいや 分からぬぞ。 36 00:05:26,595 --> 00:05:31,066 そろそろ 今川館が 焼けて落ちるかもしれぬし。 37 00:05:31,066 --> 00:05:34,937 今川は 尾張の城を内通にて 2つも落とし→ 38 00:05:34,937 --> 00:05:37,940 一方の織田は 跡目は決まったものの 内紛続き。 39 00:05:37,940 --> 00:05:42,077 今川が 尾張を制すのも間近と ささやかれておるのにですか。 40 00:05:42,077 --> 00:05:46,415 おぬし よう知っとるの~。 41 00:05:46,415 --> 00:05:51,086 瀬名様の便りには その辺りの事も ちらほらとございますから。 42 00:05:51,086 --> 00:05:55,958 おお。 そういえば 夫になった 元康様というのは→ 43 00:05:55,958 --> 00:05:59,428 どんな男なのじゃ。 雪斎禅師は→ 44 00:05:59,428 --> 00:06:04,032 実に賢い男と 褒めておったそうじゃが。 45 00:06:04,032 --> 00:06:07,703 ぼうっとして 口数が少なく→ 46 00:06:07,703 --> 00:06:13,375 何が楽しいのか いとまがあれば 一人で延々と碁を打たれ。 47 00:06:13,375 --> 00:06:17,713 何が腹立たしいのか 己が己に負けて→ 48 00:06:17,713 --> 00:06:22,384 癇癪を起こす事もあるそうです。 49 00:06:22,384 --> 00:06:27,055 (元康)あっ! ああっ…! 50 00:06:27,055 --> 00:06:31,727 何じゃ 実に面白そうな男ではないか。 51 00:06:31,727 --> 00:06:37,027 何だかんだと申しても 夫婦仲は よろしいようです。 52 00:06:40,402 --> 00:06:45,273 昊天さんに 何か 子を授かれる よい薬はないか聞いてまいります。 53 00:06:45,273 --> 00:06:48,744 しの殿の目が これ以上 つり上がるのは→ 54 00:06:48,744 --> 00:06:51,744 見たくはございませぬゆえ。 55 00:07:06,228 --> 00:07:11,967 (ため息) (直親)また どじょうか…。→ 56 00:07:11,967 --> 00:07:16,705 これでは 井伊谷から どじょうが いなくなってしまいそうじゃの。 57 00:07:16,705 --> 00:07:19,405 (笑い声) 58 00:07:22,044 --> 00:07:24,713 どうした。 しの。 59 00:07:24,713 --> 00:07:28,383 わ… 私とて 毎夜毎夜→ 60 00:07:28,383 --> 00:07:30,318 どじょうなど出したくなど ございませぬ! 61 00:07:30,318 --> 00:07:33,055 なっ なれど 子作りには これが一番いいと。 62 00:07:33,055 --> 00:07:37,755 深い意味はないのだ。 落ち着いて。 の。 63 00:07:43,065 --> 00:07:45,734 すまなかった。 64 00:07:45,734 --> 00:07:50,405 このまま 子ができねばいいと 思ってらっしゃるのでしょう? 65 00:07:50,405 --> 00:07:53,742 俺が いつ そのような事を言ったのだ。 66 00:07:53,742 --> 00:07:57,079 子ができねば 私は お払い箱。 67 00:07:57,079 --> 00:08:03,351 大手を振って 別のお方と一緒になれますものね。 68 00:08:03,351 --> 00:08:05,287 (ため息) 69 00:08:05,287 --> 00:08:08,690 さような事はないと 何度言ったら分かるのじゃ。 70 00:08:08,690 --> 00:08:11,359 もし さような話が 持ち上がるとしたら→ 71 00:08:11,359 --> 00:08:13,295 縁も ゆかりもない若い女子じゃ。 72 00:08:13,295 --> 00:08:17,699 若い… 女子…。 73 00:08:17,699 --> 00:08:24,039 (泣き声) 74 00:08:24,039 --> 00:08:26,708 若い女子…。 75 00:08:26,708 --> 00:08:31,580 (泣き声) 76 00:08:31,580 --> 00:08:35,717 う~ん どじょうは うまいのう。 77 00:08:35,717 --> 00:08:38,386 うまいぞ。 しの。 78 00:08:38,386 --> 00:08:41,723 若い… 女子…。 79 00:08:41,723 --> 00:08:48,396 (昊天)川[外:1CF2DAE3DC93784BA6D7017D3CD5C530] 当帰 淫羊[外:AF38C89D5C247331D5D1DC1542CC01B6]。→ 80 00:08:48,396 --> 00:08:50,332 子を授かる作用があると されているのは→ 81 00:08:50,332 --> 00:08:55,270 この辺りですが 既に お使いで いらっしゃるのではないですかね。 82 00:08:55,270 --> 00:08:58,570 そう思います。 83 00:09:03,879 --> 00:09:07,682 何か ほかにはないですかね。 84 00:09:07,682 --> 00:09:10,585 麝香がありますが。 麝香。 85 00:09:10,585 --> 00:09:15,557 唐渡りのもので 井伊では手に入りませぬが。 86 00:09:15,557 --> 00:09:19,027 駿府でならば 手に入るかの。 87 00:09:19,027 --> 00:09:23,027 しかし 相当に値も張りますぞ。 88 00:09:33,041 --> 00:09:37,712 (政次)で 何故 俺が鼓を売って→ 89 00:09:37,712 --> 00:09:41,049 その麝香とやらを 買うてこねばならぬのですか。 90 00:09:41,049 --> 00:09:44,386 和尚様は 当分お出かけにならぬというし→ 91 00:09:44,386 --> 00:09:48,056 新野の伯父上に頼めば 父上や母上に伝わろう。 92 00:09:48,056 --> 00:09:50,959 さすれば 何故 この鼓を売るのか→ 93 00:09:50,959 --> 00:09:53,929 ならば 銭を出してやるなどと いろいろ…。 94 00:09:53,929 --> 00:09:56,731 買うてくるのは構いませぬが。 95 00:09:56,731 --> 00:10:00,731 まことに 売ってしまって よいのですか。 96 00:10:03,605 --> 00:10:11,279 [回想] (千賀)息子が笛を吹くなら 娘には 鼓じゃろうって。 97 00:10:11,279 --> 00:10:15,750 そもそも 墨染の身で かようなものを持っているのも→ 98 00:10:15,750 --> 00:10:17,686 おかしいのじゃ。 99 00:10:17,686 --> 00:10:20,386 本来 無一物だしの! 100 00:10:22,090 --> 00:10:27,762 その薬 己でも使ってみては いかがですか? 101 00:10:27,762 --> 00:10:31,633 ん? 直親様のお子をはらめば→ 102 00:10:31,633 --> 00:10:36,933 問答無用で 奥方の座につけるのではないか。 103 00:10:45,313 --> 00:10:48,083 次郎様のお帰りじゃ。 104 00:10:48,083 --> 00:10:52,787 さような ざれ言が しの殿に 我をにらませるのではないか。 105 00:10:52,787 --> 00:10:55,457 よい迷惑なのじゃ! 106 00:10:55,457 --> 00:11:00,128 ≪(赤子の泣き声) 107 00:11:00,128 --> 00:11:05,734 (なつ)よい子じゃ よい子じゃ…。 (泣き声) 108 00:11:05,734 --> 00:11:08,637 すまぬ。 驚かせてしまったか。 109 00:11:08,637 --> 00:11:14,743 もっともっと驚かせて下さいませ。 「泣く子は育つ」と申しますし。 110 00:11:14,743 --> 00:11:18,079 (泣き声) 111 00:11:18,079 --> 00:11:21,416 (玄蕃)おお。 次郎法師様。 おいででしたか。 112 00:11:21,416 --> 00:11:26,288 (なつ)よい子じゃ。 しかし 子に恵まれる秘けつとは→ 113 00:11:26,288 --> 00:11:29,758 何なのであろうのう。 114 00:11:29,758 --> 00:11:32,458 愛です! 115 00:11:35,430 --> 00:11:38,333 (なつ)何にもございませぬよ。 116 00:11:38,333 --> 00:11:44,105 こればかりは ただただ 授かりものにございますから。 117 00:11:44,105 --> 00:11:47,776 姉のところにも 早く授かるとよいのですが。 118 00:11:47,776 --> 00:11:50,776 ほんにの。 119 00:11:52,447 --> 00:11:58,119 このころ 既に 三河を手中に収めた今川義元は→ 120 00:11:58,119 --> 00:12:01,990 その先の 尾張侵略に本腰を入れるため→ 121 00:12:01,990 --> 00:12:06,394 家督を息子の氏真に譲り。 122 00:12:06,394 --> 00:12:13,735 駿河 遠江は 氏真の管轄となっておったのじゃ。 123 00:12:13,735 --> 00:12:16,071 (左馬助)更に 近くの村より→ 124 00:12:16,071 --> 00:12:19,407 兵糧が届く手はずに なっております。 また…。 125 00:12:19,407 --> 00:12:21,343 (あくび) (氏真)長い。 126 00:12:21,343 --> 00:12:25,747 はっ。 申し訳ございませぬ! 127 00:12:25,747 --> 00:12:29,417 (政次)お父上様は ご息災にございますか? 128 00:12:29,417 --> 00:12:32,754 あのお方も よう働くものよ。 129 00:12:32,754 --> 00:12:38,426 今では 朝廷より 三河守の名を 頂こうと躍起になっておられる。→ 130 00:12:38,426 --> 00:12:42,297 のう。 元康。 あっ はっ! 131 00:12:42,297 --> 00:12:46,301 確か 元康様は 三河のお生まれで。 132 00:12:46,301 --> 00:12:51,773 (元康)はっ。 ですが 三河が 今川に臣従してより もう久しく→ 133 00:12:51,773 --> 00:12:54,442 こちらにいる方が 長くなってしまったゆえ。 134 00:12:54,442 --> 00:12:57,779 こう見えて 元康は 戦が うまくての。 135 00:12:57,779 --> 00:13:00,382 父上は 大いに気に入っておられる。 136 00:13:00,382 --> 00:13:03,051 いやいや! そのような! 137 00:13:03,051 --> 00:13:04,986 もったいなき お言葉に ございまする! 138 00:13:04,986 --> 00:13:07,922 それがしなど まだまだ 朝比奈様に…→ 139 00:13:07,922 --> 00:13:13,395 朝比奈様の足元に及びませぬ。 (笑い声) 140 00:13:13,395 --> 00:13:18,266 (氏真)そうじゃ。 井伊には 父上から 何かあったの。 141 00:13:18,266 --> 00:13:22,404 (左馬助)太守様より。 一体 いかような仰せが。 142 00:13:22,404 --> 00:13:27,275 井伊は 槍を200本作るようにとの お話がございました。 143 00:13:27,275 --> 00:13:30,078 槍を 200本でござりますか!? 144 00:13:30,078 --> 00:13:36,778 春までにとの仰せじゃ。 急ぐようにの。 145 00:13:40,722 --> 00:13:44,092 直親殿に側女でございますか。 146 00:13:44,092 --> 00:13:46,761 (千賀)もう 4年ですからね。 147 00:13:46,761 --> 00:13:50,432 さすがに そろそろ 考えねばならぬかと。 148 00:13:50,432 --> 00:13:53,768 なれど しの殿より先に→ 149 00:13:53,768 --> 00:13:56,671 側女に子ができるなどという事に なれば→ 150 00:13:56,671 --> 00:14:00,108 いろいろと面倒な事に なりはしませぬか。 151 00:14:00,108 --> 00:14:03,978 私も 嫡男を得られませんでした。 152 00:14:03,978 --> 00:14:06,915 しのが どれだけ つらい思いをしているかは→ 153 00:14:06,915 --> 00:14:10,385 手に取るように分かります。 154 00:14:10,385 --> 00:14:17,385 なれど これは武家の女子であれば 受け入れねばならぬ事です。 155 00:14:23,932 --> 00:14:29,070 (たけ)お方様 次郎様。 小野様がおいででございます。 156 00:14:29,070 --> 00:14:33,070 通しなさい。 どうぞ。 157 00:14:38,746 --> 00:14:41,416 ただいま 駿府より戻りましてございます。 158 00:14:41,416 --> 00:14:44,116 お方様に お土産を。 159 00:14:51,759 --> 00:14:57,632 まあ… まあ うれしい。 160 00:14:57,632 --> 00:15:03,037 心遣い 礼を言いますよ。 但馬。 161 00:15:03,037 --> 00:15:06,337 それから 次郎様。 162 00:15:09,911 --> 00:15:11,911 (政次)これを。 163 00:15:15,617 --> 00:15:19,617 では。 確かに。 164 00:15:23,358 --> 00:15:27,262 なにも今渡さなくとも。 165 00:15:27,262 --> 00:15:30,064 (千賀)それは何ですか。 166 00:15:30,064 --> 00:15:35,403 しの殿にと 子作りの妙薬なのですが。 167 00:15:35,403 --> 00:15:39,703 母上から お渡し願えますか? 168 00:15:43,278 --> 00:15:48,578 これは そなたが自分で参りなさい。 169 00:15:51,753 --> 00:15:57,425 (直盛)いよいよ 織田の息の根を 止めにかかるのかの。 170 00:15:57,425 --> 00:16:04,032 (左馬助) 槍をこれだけとなると さように 考えた方がよろしいかと。→ 171 00:16:04,032 --> 00:16:09,704 しかし 今の今川と織田では さしずめ 虎と猫。 172 00:16:09,704 --> 00:16:14,375 こたびは 間違いなく有利な戦と 思われます。 173 00:16:14,375 --> 00:16:17,712 (直盛)まあ そうかもしれぬがの。 174 00:16:17,712 --> 00:16:20,615 (左馬助)いかがなされたのじゃ。 直親様。 175 00:16:20,615 --> 00:16:26,721 あ… 恥ずかしながら それがし 初陣にございまして。 176 00:16:26,721 --> 00:16:30,391 (左馬助) ああ さようでござりましたな。 177 00:16:30,391 --> 00:16:34,062 戻りましてから 井伊は 戦の機会もなく。 178 00:16:34,062 --> 00:16:36,731 それは ありがたい事ではございますが。 179 00:16:36,731 --> 00:16:39,067 (左馬助)やはり 武士たるもの→ 180 00:16:39,067 --> 00:16:41,736 武功を立てたいところに ござりますからな。 181 00:16:41,736 --> 00:16:48,409 はい。 武勇の井伊といわれた 家柄でもございますし。 182 00:16:48,409 --> 00:16:52,280 殿 何か。 183 00:16:52,280 --> 00:16:55,750 あっ あ~。 184 00:16:55,750 --> 00:17:00,588 直親には 留守居をしてもらいたいのじゃ。 185 00:17:00,588 --> 00:17:02,557 何故にございますか。 186 00:17:02,557 --> 00:17:06,694 おぬしは大事な跡取りじゃ。 戦にて もしもの事があってはの。 187 00:17:06,694 --> 00:17:08,630 負けようもない戦に ございましょう。 188 00:17:08,630 --> 00:17:13,034 なれど 戦は戦じゃ。 何が起こるかは分からぬし。 189 00:17:13,034 --> 00:17:15,937 槍も刀も 修練を積んでまいりました。 190 00:17:15,937 --> 00:17:17,905 跡継ぎがおらぬ状態で→ 191 00:17:17,905 --> 00:17:21,605 戦に出すわけにはいかぬ という事です。 192 00:17:25,380 --> 00:17:29,050 直親様に 万一の事があれば→ 193 00:17:29,050 --> 00:17:33,350 井伊の家中は また混乱しますので。 194 00:17:45,400 --> 00:17:49,270 承知致しました。 195 00:17:49,270 --> 00:17:55,076 唐渡りの 子を授かりやすくなる薬でな。 196 00:17:55,076 --> 00:18:01,076 女子がのむと よいそうなので 試されてみては いかがかと。 197 00:18:03,351 --> 00:18:07,021 しの殿? お持ち帰り下さいませ。 198 00:18:07,021 --> 00:18:10,358 そう言わず 実に よう効くと評判だそうで。 199 00:18:10,358 --> 00:18:13,261 結構です。 お持ち帰り下さいませ。 200 00:18:13,261 --> 00:18:16,030 私が持ち帰っても 詮ないものであるし。 201 00:18:16,030 --> 00:18:18,366 今 のんでいる薬もございますし。 202 00:18:18,366 --> 00:18:24,366 あ… 何と何をおのみじゃ。 のみ合わせを見て進ぜようか。 203 00:18:29,010 --> 00:18:32,714 しの殿? 204 00:18:32,714 --> 00:18:37,051 次郎様は 私に子が授からなければよいと→ 205 00:18:37,051 --> 00:18:39,387 思うてらっしゃる方では ありませんか。 206 00:18:39,387 --> 00:18:42,387 さような方の薬など…。 207 00:18:45,259 --> 00:18:53,259 私が 子ができぬ薬を盛ると そう言うておられるのか。 208 00:18:54,936 --> 00:18:56,938 私が この4年間→ 209 00:18:56,938 --> 00:19:02,009 そなたと直親殿の邪魔をした事が 一度でもあるか。 210 00:19:02,009 --> 00:19:05,880 かように授からぬのは 既に 子ができぬよう→ 211 00:19:05,880 --> 00:19:09,684 既に 呪うておいでではないのか! 212 00:19:09,684 --> 00:19:12,019 恥を知れ! 213 00:19:12,019 --> 00:19:14,355 情けない。 214 00:19:14,355 --> 00:19:19,227 さすがに あまりにも情けないお言葉。 215 00:19:19,227 --> 00:19:25,527 そなたは それでも 直親殿の 井伊の奥方様なのか! 216 00:19:28,903 --> 00:19:34,375 今日の事 父上と母上に申し上げる! 217 00:19:34,375 --> 00:19:40,248 いかなる沙汰を下されるか お覚悟召されるがよい! 218 00:19:40,248 --> 00:19:44,051 次郎様! どうか どうか それだけは ご堪忍下さいませ! 219 00:19:44,051 --> 00:19:46,387 離されよ! どうか! どうか! 220 00:19:46,387 --> 00:19:50,087 重い! 離されよ! 221 00:19:52,260 --> 00:19:55,062 殿。 222 00:19:55,062 --> 00:19:58,933 これは。 直親殿 よいところに。 223 00:19:58,933 --> 00:20:01,736 (しの)次郎様が 私に乱暴を! 224 00:20:01,736 --> 00:20:05,406 子がおりましたら 流れていたかもしれませぬ! 225 00:20:05,406 --> 00:20:07,341 何を! 恐ろしい。 226 00:20:07,341 --> 00:20:13,748 恐ろしいお方にございまする! (泣き声) 227 00:20:13,748 --> 00:20:17,084 (直親)次郎殿 ご苦労であった。 228 00:20:17,084 --> 00:20:19,987 え…? 229 00:20:19,987 --> 00:20:22,987 ご苦労であった。 230 00:20:49,984 --> 00:20:52,684 ≪(直親)おとわ。 231 00:20:59,126 --> 00:21:03,126 よかった。 まだ起きておって。 232 00:21:10,071 --> 00:21:15,409 大事ないのか。 大切な奥方様を放ってきて。 233 00:21:15,409 --> 00:21:19,747 眠ってから来たゆえ 大事なかろう。 234 00:21:19,747 --> 00:21:22,447 そうか。 235 00:21:26,621 --> 00:21:30,758 先ほどは すまなかったな。 236 00:21:30,758 --> 00:21:36,097 もう ずっと あんな様子なのか。 しの殿は。 237 00:21:36,097 --> 00:21:40,434 もともと 涙もろい女子ではあったのだが。 238 00:21:40,434 --> 00:21:45,134 このごろは 浮き沈みが激しうてな。 239 00:21:47,308 --> 00:21:50,444 (ため息) 240 00:21:50,444 --> 00:21:54,144 大変そうじゃの。 241 00:21:57,118 --> 00:22:00,418 側女を持とうかと思うておる。 242 00:22:01,956 --> 00:22:07,395 さすがに このまま 子を授かれなかったでは→ 243 00:22:07,395 --> 00:22:12,066 井伊の皆様にも 申し訳が立たぬし→ 244 00:22:12,066 --> 00:22:17,738 子を残す事は 俺の役目でもあるし。 245 00:22:17,738 --> 00:22:20,641 そのとおりなのであろうが→ 246 00:22:20,641 --> 00:22:23,611 今の しの殿に 受け入れられるのかの。 247 00:22:23,611 --> 00:22:27,415 あのありさまで。 248 00:22:27,415 --> 00:22:29,350 (ため息) 249 00:22:29,350 --> 00:22:34,350 お家のためじゃ。 受け入れてもらうしかあるまい。 250 00:22:38,759 --> 00:22:44,632 側女は まあ やぶさかではないがの。 251 00:22:44,632 --> 00:22:49,770 私も そろそろ そうすべきかと 思うておりました。 252 00:22:49,770 --> 00:22:54,642 ちなみに 後家などでも よろしいですか? 年は? 253 00:22:54,642 --> 00:22:59,447 さような事は こだわりませぬ。 しかし できますれば→ 254 00:22:59,447 --> 00:23:04,051 今度は その… 落ち着いた女子を。 255 00:23:04,051 --> 00:23:06,051 約束しましょう。 256 00:23:07,722 --> 00:23:13,022 では よろしくお願い致します。 257 00:23:25,072 --> 00:23:27,008 何か? 258 00:23:27,008 --> 00:23:30,945 しのは 大事ないかのう。 259 00:23:30,945 --> 00:23:38,619 4年も待ったのです。 さすがに もう よろしいでしょう。 260 00:23:38,619 --> 00:23:44,091 かくして 直親の側女探しとともに→ 261 00:23:44,091 --> 00:23:48,963 戦支度が 進められていったのでござった。 262 00:23:48,963 --> 00:23:52,433 (直由)鍛冶に いかによい槍を 安く作らせるかが→ 263 00:23:52,433 --> 00:23:56,103 私の腕の見せどころに ござりましてな。 264 00:23:56,103 --> 00:23:59,006 (直親)戦支度にも さまざまあるのでございますね。 265 00:23:59,006 --> 00:24:04,912 直親様。 戦場での働きは 戦の ほんの一部にしかすぎませぬ。→ 266 00:24:04,912 --> 00:24:08,382 敵の内情を探り 相手を分断させる。→ 267 00:24:08,382 --> 00:24:11,285 兵糧や武具を用意する。→ 268 00:24:11,285 --> 00:24:15,256 戦は 支度で 勝敗の8割が決まりまする。 269 00:24:15,256 --> 00:24:20,556 一番槍を決めるばかりが 働きではござりませぬよ。 270 00:24:24,732 --> 00:24:30,404 では よい支度を安くできる事が 我らの戦いなのでございますね。 271 00:24:30,404 --> 00:24:32,339 御意! 272 00:24:32,339 --> 00:24:52,093 ♪♪~ 273 00:24:52,093 --> 00:24:58,766 (千賀)そうですよ。 出戻りですが 実に さっぱりとした気性で。 274 00:24:58,766 --> 00:25:01,669 あの子に決めようかと 思うております。 275 00:25:01,669 --> 00:25:04,572 しの殿には この事は。 276 00:25:04,572 --> 00:25:10,377 奥山殿が 折を見て お伝えして 下さる事になっております。 277 00:25:10,377 --> 00:25:15,249 さようにございますか…。 278 00:25:15,249 --> 00:25:21,021 (朝利)さすがに もう これ以上 待てぬとの仰せじゃ。 279 00:25:21,021 --> 00:25:27,928 わしも つらいが ここは なんとか聞き分けてくれ。 280 00:25:27,928 --> 00:25:35,069 父上… その女子は どのような お方なのでございますか。 281 00:25:35,069 --> 00:25:37,972 (朝利)奥山の遠縁の女子でな。→ 282 00:25:37,972 --> 00:25:41,942 若いが 夫を亡くしての出戻りらしい。 283 00:25:41,942 --> 00:25:46,680 (しの)何故 そのお方が 選ばれたのでございますか。 284 00:25:46,680 --> 00:25:52,980 前の嫁ぎ先で 子を2人も産んだそうじゃ。 285 00:25:54,755 --> 00:25:58,755 さ… ようで。 286 00:26:02,363 --> 00:26:08,702 しの。 そなたも この後 授かるかもしれぬし→ 287 00:26:08,702 --> 00:26:14,375 側女に子が生まれたとて 正室は そなたじゃ。 288 00:26:14,375 --> 00:26:21,375 さすがに もう少し毅然とせねば 直親殿にも見限られるぞ。 289 00:26:23,717 --> 00:26:26,417 (朝利)ではの。 290 00:26:32,393 --> 00:26:36,093 あの女のせいじゃ。 291 00:26:53,414 --> 00:26:56,317 (傑山)ん? 何じゃあ。 その…。 292 00:26:56,317 --> 00:27:00,688 しの殿にと思うた 子作りの妙薬なのですが→ 293 00:27:00,688 --> 00:27:04,358 要らぬと言われ。 294 00:27:04,358 --> 00:27:08,696 ≪(藤七郎)次郎様! 藤七郎。 何かあったのか? 295 00:27:08,696 --> 00:27:11,365 奥方様が姿を消されて。 296 00:27:11,365 --> 00:27:14,268 姿を消した? (藤七郎)はい。 297 00:27:14,268 --> 00:27:19,268 実は かような書き置きを 残されまして。 298 00:27:23,944 --> 00:27:28,916 何故… ここまで…。 299 00:27:28,916 --> 00:27:31,385 私も捜す。 300 00:27:31,385 --> 00:27:33,320 もはや 腹が立ってまいった。 301 00:27:33,320 --> 00:27:36,257 自害する前に ひと言 言わせて頂く! 302 00:27:36,257 --> 00:27:38,259 次郎様。 303 00:27:38,259 --> 00:27:59,413 ♪♪~ 304 00:27:59,413 --> 00:28:01,348 離されよ。 305 00:28:01,348 --> 00:28:03,684 いい加減になされよ! 306 00:28:03,684 --> 00:28:07,021 なぜ 私を ここまで お恨みなさる! 307 00:28:07,021 --> 00:28:10,691 私は そなたに ここまで恨まれるような事は→ 308 00:28:10,691 --> 00:28:12,991 何もしておらぬ! 309 00:28:20,701 --> 00:28:28,401 私が おとわ様じゃったらと 誰もが思うておる。 310 00:28:31,712 --> 00:28:40,387 口には出さねど 殿も お方様も 屋敷の皆も…→ 311 00:28:40,387 --> 00:28:48,062 直親様も。 しのが おとわであったならと。 312 00:28:48,062 --> 00:28:52,399 それでも 子が生まれれば変わる。 313 00:28:52,399 --> 00:28:56,270 きっと 皆 見直して下さると→ 314 00:28:56,270 --> 00:29:01,675 一日中 子を作る事ばかり考え…→ 315 00:29:01,675 --> 00:29:07,675 なれど ただの一人にも恵まれず…。 316 00:29:10,684 --> 00:29:14,384 悪いのは 私ですか? 317 00:29:19,693 --> 00:29:26,367 私は ほかに誰を恨めばいいと 言うのですか。 318 00:29:26,367 --> 00:29:44,718 ♪♪~ 319 00:29:44,718 --> 00:29:49,056 分かった。 320 00:29:49,056 --> 00:29:52,393 そこまで言うなら ご自害なされよ。 321 00:29:52,393 --> 00:29:54,393 え…? 322 00:29:56,263 --> 00:30:02,403 正室がなくなり もう 誰も ふさわしい者がおらぬとなれば→ 323 00:30:02,403 --> 00:30:07,741 さすがに 私の還俗も 認めて頂けるであろう。 324 00:30:07,741 --> 00:30:11,612 ちょうどよい薬も 手元にある事じゃし→ 325 00:30:11,612 --> 00:30:17,418 すぐに 跡継ぎにも恵まれよう。 そうじゃ それがよい。 326 00:30:17,418 --> 00:30:26,427 ほれ 早う。 お取りなされ。 早う。 327 00:30:26,427 --> 00:30:30,427 何なら 引導でも渡してやろうか。 328 00:30:42,776 --> 00:30:45,476 しの殿。 329 00:30:47,114 --> 00:30:49,049 ああ~っ! うわっ…! 330 00:30:49,049 --> 00:30:52,786 (傑山)やめ! ああ~!→ 331 00:30:52,786 --> 00:30:58,125 私は 必ず 必ず 子を産んでみせまする! 332 00:30:58,125 --> 00:31:02,729 そなたを決して 還俗などさせはしませぬ! 333 00:31:02,729 --> 00:31:07,401 (泣き声) 334 00:31:07,401 --> 00:31:29,089 (泣き声) 335 00:31:29,089 --> 00:31:38,432 ♪♪~ 336 00:31:38,432 --> 00:31:42,132 藤七郎から騒ぎを聞いてな。 337 00:31:47,107 --> 00:31:51,445 (ため息) 338 00:31:51,445 --> 00:31:56,445 (泣き声) 339 00:31:58,785 --> 00:32:04,057 ため息をつくな! あれは そなたの女房であろう! 340 00:32:04,057 --> 00:32:08,395 なぜ いつも さように ひと事なのじゃ! 341 00:32:08,395 --> 00:32:11,298 子は 2人で作るものであろ? 342 00:32:11,298 --> 00:32:15,269 なぜ もっと 共に悲しんでやらぬのだ。 343 00:32:15,269 --> 00:32:19,406 悩んでやらぬのだ。 344 00:32:19,406 --> 00:32:25,078 なぜ しの殿は かように一人なのじゃ! 345 00:32:25,078 --> 00:32:38,091 ♪♪~ 346 00:32:38,091 --> 00:32:44,431 そなたの女房なのだから そなたが なんとかせよ。 347 00:32:44,431 --> 00:33:27,741 ♪♪~ 348 00:33:27,741 --> 00:33:30,741 しの。 349 00:33:37,084 --> 00:33:42,784 つらい思いをさせ 悪かったな。 350 00:33:45,759 --> 00:33:48,759 少し 話さぬか。 351 00:34:01,241 --> 00:34:07,714 しののやつ… まさか 思い詰めたあげく。 352 00:34:07,714 --> 00:34:09,650 そこまで愚かとは。 353 00:34:09,650 --> 00:34:12,052 愚かでございます! 354 00:34:12,052 --> 00:34:16,390 あの女は 私を逆恨みしたあげく 刺し殺そうと致しました! 355 00:34:16,390 --> 00:34:19,059 恐ろしい女子にございます! 356 00:34:19,059 --> 00:34:21,728 もし 新しい側女が来れば→ 357 00:34:21,728 --> 00:34:23,664 必ずや 私と同じ憂き目に遭いましょう! 358 00:34:23,664 --> 00:34:27,601 なれど! もし 母となった暁には→ 359 00:34:27,601 --> 00:34:33,340 ちゅうちょなく 敵を刺し殺す 心強き母になりましょう! 360 00:34:33,340 --> 00:34:38,078 夜分 まことに ご無礼を致しました! 361 00:34:38,078 --> 00:34:52,092 ♪♪~ 362 00:34:52,092 --> 00:34:55,792 何をやっておるのだ。 私は。 363 00:35:01,702 --> 00:35:05,372 (直盛)1年。 はい。 364 00:35:05,372 --> 00:35:10,043 まことに勝手な話にございますが 側女の件→ 365 00:35:10,043 --> 00:35:14,743 あと1年だけ お待ち頂く事は できませんでしょうか。 366 00:35:16,383 --> 00:35:21,054 あと1年 何の音沙汰もなければ→ 367 00:35:21,054 --> 00:35:25,354 しのも 心積もりをすると 申しております。 368 00:35:27,928 --> 00:35:33,400 1年で 覚悟ができるのですか? 369 00:35:33,400 --> 00:35:39,272 もし できそうになければ 里に戻る事も考えております。 370 00:35:39,272 --> 00:35:45,746 それが… 井伊の御為かと。 371 00:35:45,746 --> 00:35:50,046 殿。 うむ。 372 00:35:53,420 --> 00:35:56,323 分かりました。 373 00:35:56,323 --> 00:36:02,028 しの そのかわり 一つだけ約束をして下さい。 374 00:36:02,028 --> 00:36:04,028 はい。 375 00:36:07,367 --> 00:36:13,240 二度と 私の娘を 襲わないで下さいませ。 376 00:36:13,240 --> 00:36:16,940 なれど あれは次郎様…。 377 00:36:19,379 --> 00:36:21,679 …はい。 378 00:36:30,991 --> 00:36:34,728 何をしてらっしゃるのですか? 379 00:36:34,728 --> 00:36:39,399 殿に 世継観音を仰せつかっての。 380 00:36:39,399 --> 00:36:41,735 世継観音。 381 00:36:41,735 --> 00:36:47,435 一家皆で心を一つにし 願おうと。 382 00:36:53,346 --> 00:36:58,084 和尚様。 木彫りなど おできになったのですか。 383 00:36:58,084 --> 00:37:01,688 何を。 わしの観音様は→ 384 00:37:01,688 --> 00:37:06,988 あの運慶 快慶にも見劣りはせんと 言われたほどじゃぞ。 385 00:37:09,362 --> 00:37:13,362 和尚様。 大事のうございますか。 386 00:37:17,037 --> 00:37:30,584 (笑い声) 387 00:37:30,584 --> 00:37:35,722 明けて 永禄3年。 388 00:37:35,722 --> 00:37:42,062 龍潭寺にて 子宝祈願が行われたのじゃ。 389 00:37:42,062 --> 00:38:00,547 ♪♪~ 390 00:38:00,547 --> 00:38:03,350 おとわ 何をやっておる。 391 00:38:03,350 --> 00:38:07,020 あ… 終わられましたか? 392 00:38:07,020 --> 00:38:10,891 うむ。 393 00:38:10,891 --> 00:38:18,632 その… 直親と しのには 一度 きちんと礼に来させるからの。 394 00:38:18,632 --> 00:38:22,569 おやめ下され。 お気持ちだけで。 395 00:38:22,569 --> 00:38:28,569 しかし こたびの事 全て お前の働きのおかげではないか。 396 00:38:30,243 --> 00:38:38,543 まあ 竜宮小僧とは さようなものにございましょう。 397 00:38:47,060 --> 00:38:50,060 おとわ いつか。 398 00:38:53,400 --> 00:38:56,100 いつか もし。 399 00:39:03,677 --> 00:39:11,351 いや。 いい天気じゃのう。 400 00:39:11,351 --> 00:39:14,051 はい。 401 00:39:20,026 --> 00:39:27,326 この年の5月 今川義元より 尾張へ出陣の命が下った。 402 00:39:29,703 --> 00:39:32,372 こたびは またとない勝ち戦。 403 00:39:32,372 --> 00:39:35,709 鬼のように 兜首をあげてまいりまする! 404 00:39:35,709 --> 00:39:39,709 まあ 頼んだ。 (玄蕃)はっ。 405 00:39:48,054 --> 00:39:52,392 (直盛) わしがおらぬ間の事 頼んだぞ。 406 00:39:52,392 --> 00:39:58,064 はっ。 お任せ下さりませ。 ご武運をお祈り申し上げます。 407 00:39:58,064 --> 00:40:01,401 案ずる事はない。 負けようもない戦じゃ。 408 00:40:01,401 --> 00:40:07,073 なれど 殿 戦は戦にございます。 409 00:40:07,073 --> 00:40:11,745 (直盛)そうじゃな。 気を引き締めてまいる。 410 00:40:11,745 --> 00:40:16,616 はい。 直親。 411 00:40:16,616 --> 00:40:22,389 戻ってきたら 是非 わしも よい知らせを聞きたいぞ。 412 00:40:22,389 --> 00:40:28,294 はい。 それがしは そちらの戦いを。 413 00:40:28,294 --> 00:40:31,431 (直平) 直盛よ。 もちろん 隙を見て→ 414 00:40:31,431 --> 00:40:34,334 義元の首を あげるつもりであろうな。 415 00:40:34,334 --> 00:40:36,770 お… お戯れを。 416 00:40:36,770 --> 00:40:40,440 楽しみにしておるぞ。 ハハハハハッ。 417 00:40:40,440 --> 00:40:43,777 では 殿 ご武運を! 418 00:40:43,777 --> 00:40:45,777 うむ。 419 00:40:52,452 --> 00:40:59,125 これより我らは 今川に従い 尾張の織田との戦いに向かう! 420 00:40:59,125 --> 00:41:03,396 今川のために働くは 快く思わぬ者もおるじゃろうが。 421 00:41:03,396 --> 00:41:06,299 そのような者は 今川より→ 422 00:41:06,299 --> 00:41:11,738 山のごとき褒美をもぎ取る 心積もりで向かうがよい。 423 00:41:11,738 --> 00:41:16,609 では 皆の者。 いざ! 424 00:41:16,609 --> 00:41:20,080 えい! (一同)お~! えい! お~! 425 00:41:20,080 --> 00:41:23,750 えい! (一同)お~! 426 00:41:23,750 --> 00:41:27,420 (瀬名) とにかく 華々しい武功を立てる 機会にございます。 427 00:41:27,420 --> 00:41:30,757 できるだけ 太守様のお目に つきやすい所におられるが→ 428 00:41:30,757 --> 00:41:32,692 肝要にございます。 (元康)うっ…。 429 00:41:32,692 --> 00:41:35,095 わしなんぞは あまり出過ぎぬようにの。 430 00:41:35,095 --> 00:41:37,997 そのような情けない了見で どうなさいます。 431 00:41:37,997 --> 00:41:43,297 殿は 子だくさんにございますゆえ ご出世頂かねば。 432 00:41:47,674 --> 00:41:51,444 さあ 言いますよ。 お稽古しましたね。 433 00:41:51,444 --> 00:41:54,781 (竹千代)ごぶうんを。 434 00:41:54,781 --> 00:41:56,716 はい。 435 00:41:56,716 --> 00:41:58,716 ご出世を! 436 00:42:00,587 --> 00:42:02,589 はい! 437 00:42:02,589 --> 00:42:14,734 (読経) 438 00:42:14,734 --> 00:42:22,408 尾張の織田勢 3,000 対する今川勢 その数25,000。 439 00:42:22,408 --> 00:42:28,081 誰もが 今川の勝利を疑わなかった 桶狭間の戦は→ 440 00:42:28,081 --> 00:42:32,781 こうして始まったのでござった。 441 00:42:38,091 --> 00:42:40,091 続く。 442 00:42:41,961 --> 00:42:44,764 これでは 織田勢に 三河を奪われてしまいまする。 443 00:42:44,764 --> 00:42:48,434 お下知を! (佐名)まだ答えは出ておりませぬ。 444 00:42:48,434 --> 00:42:51,104 えい えい! (一同)お~! 445 00:42:51,104 --> 00:42:53,039 では 頼んだぞ。 446 00:42:53,039 --> 00:42:57,777 (朝利) 殿は 誰かに 入れ知恵されて おったのではないか? 447 00:42:57,777 --> 00:42:59,777 父上~! 448 00:43:04,584 --> 00:43:10,056 <世界遺産としても知られている 富士山の景勝地…> 449 00:43:10,056 --> 00:43:15,756 <今川義元は 京から訪れた公家を ここに案内したといいます> 450 00:43:17,730 --> 00:43:21,067 <三保の松原から4キロほど北にある 清見寺は→ 451 00:43:21,067 --> 00:43:25,067 古くから 今川家が保護してきた寺です> 452 00:43:27,740 --> 00:43:32,412 <戦乱で荒れた寺を 義元が雪斎に命じ復興させ→ 453 00:43:32,412 --> 00:43:36,112 公家たちを招き もてなしたといいます> 454 00:43:38,084 --> 00:43:42,755 <京の公家 山科言継は 「ここからの眺めが→ 455 00:43:42,755 --> 00:43:45,425 言葉にならないほど すばらしい」 と日記に記し→ 456 00:43:45,425 --> 00:43:48,125 この地を堪能しています> 457 00:43:52,098 --> 00:43:55,969 <更に 義元は 建穂寺に伝わる稚児舞を→ 458 00:43:55,969 --> 00:43:58,669 手厚く保護したといいます> 459 00:44:00,373 --> 00:44:06,713 <稚児舞は 現在も浅間神社で 毎年4月に奉納されています。→ 460 00:44:06,713 --> 00:44:09,048 義元の母 寿桂尼も→ 461 00:44:09,048 --> 00:44:12,748 宮廷文化を引き継ぐ この舞を 楽しみました> 462 00:44:14,721 --> 00:44:18,057 <優雅な京文化が花開いていた この地から→ 463 00:44:18,057 --> 00:44:22,357 今川義元は 桶狭間へと向かったのです>