1 00:00:04,282 --> 00:00:07,085 時は戦国。 2 00:00:07,085 --> 00:00:13,758 謀反を疑われた井伊家当主 直親は 今川の刺客に襲われて→ 3 00:00:13,758 --> 00:00:15,693 命を落とす。 4 00:00:15,693 --> 00:00:21,099 その子 虎松の後見として 今川が送り込んできたのは→ 5 00:00:21,099 --> 00:00:24,399 小野但馬守であった。 6 00:00:25,970 --> 00:00:32,110 お家の危機に 次郎が下した決断は…。 7 00:00:32,110 --> 00:00:38,449 (南渓)井伊は 今まさに 存亡の危機を迎えておる。→ 8 00:00:38,449 --> 00:00:41,786 井伊の末席に連なる者として→ 9 00:00:41,786 --> 00:00:45,456 虎松の後見となる者を 推挙したい。→ 10 00:00:45,456 --> 00:00:51,796 その者の名は 井伊直虎と申す。 11 00:00:51,796 --> 00:00:54,132 (政次)もしや。 12 00:00:54,132 --> 00:01:03,741 ♪♪~ 13 00:01:03,741 --> 00:01:08,613 (直虎)我が 井伊直虎である。 14 00:01:08,613 --> 00:01:14,085 これより 井伊は 我が治めるところとなる。 15 00:01:14,085 --> 00:03:51,785 ♪♪~ 16 00:03:55,112 --> 00:03:58,812 (六左衛門)直虎様…? 17 00:04:06,057 --> 00:04:09,927 (中野直之) 女子に何ができると言うのです! 18 00:04:09,927 --> 00:04:13,931 女子に井伊を任せるなど 和尚様 お気は確かか! 19 00:04:13,931 --> 00:04:19,070 じゃが 女子の領主も ないわけではないしの。 20 00:04:19,070 --> 00:04:21,005 お家におられたなら まだしも→ 21 00:04:21,005 --> 00:04:23,941 この方は 十の頃より 寺暮らしの女子。→ 22 00:04:23,941 --> 00:04:26,410 政ができるとは思えませぬ! 23 00:04:26,410 --> 00:04:28,746 いっそ 南渓和尚が 還俗をなさってはいかがで…。 24 00:04:28,746 --> 00:04:31,649 そのとおりじゃ! 25 00:04:31,649 --> 00:04:37,755 駿府からは 但馬を後見にという 話が来ておるが→ 26 00:04:37,755 --> 00:04:42,627 おぬしら その方がよいと お考えか。 27 00:04:42,627 --> 00:04:45,630 (直之)それは。 28 00:04:45,630 --> 00:04:50,334 しかしながら 次郎様… 直虎様のご出家は→ 29 00:04:50,334 --> 00:04:53,304 井伊の本領安堵と引き換えと 伝え聞いておりますが。 30 00:04:53,304 --> 00:04:56,107 そうじゃ。 還俗など できませぬ! 31 00:04:56,107 --> 00:04:59,777 (南渓)次郎は 還俗はせぬ。→ 32 00:04:59,777 --> 00:05:02,680 領主としての名を直虎とし→ 33 00:05:02,680 --> 00:05:09,053 虎松が元服するまでの間 それを後見するだけの話じゃ。 34 00:05:09,053 --> 00:05:14,725 そう 目くじらを立てる事も あるまいと思うがの。 35 00:05:14,725 --> 00:05:18,425 但馬守は どうじゃ? 36 00:05:20,598 --> 00:05:25,369 国を治めるのは 生半可な事ではございませぬ。 37 00:05:25,369 --> 00:05:29,073 次郎法師様には どこまでの覚悟が おありか。 38 00:05:29,073 --> 00:05:31,409 それが いささか。 39 00:05:31,409 --> 00:05:37,281 我は 我が父や先代の遺志を継ぎ→ 40 00:05:37,281 --> 00:05:40,981 井伊を守っていきたいと 思うておる。 41 00:05:42,753 --> 00:05:46,424 いたずらに侵される事なく→ 42 00:05:46,424 --> 00:05:51,424 皆が 日々を安んじて 送れる国にしたい。 43 00:05:53,297 --> 00:05:55,433 ならば それがしごときに→ 44 00:05:55,433 --> 00:05:59,303 何か申し上げる筋合いは ございませぬ。 45 00:05:59,303 --> 00:06:07,303 小野但馬 家老として 誠心誠意 直虎様に お仕え致しまする。 46 00:06:12,717 --> 00:06:16,587 ああ~! 中野殿! 47 00:06:16,587 --> 00:06:30,887 ♪♪~ 48 00:06:35,740 --> 00:06:39,076 (祐椿尼)なんとか 皆に 認めてもらえましたか。 49 00:06:39,076 --> 00:06:41,011 形だけです。 50 00:06:41,011 --> 00:06:46,751 中野の直之 奥山の六左衛門も 納得などはしておらぬでしょうし。 51 00:06:46,751 --> 00:06:51,088 政次が このまま引き下がるとも 思えません。 52 00:06:51,088 --> 00:06:55,760 まあ 半ば分かっておった事では ないですか。 53 00:06:55,760 --> 00:07:01,365 中野の息子など 「女子が 女子のくせに」と。 54 00:07:01,365 --> 00:07:04,034 ≪(南渓)直虎。 男のくせに→ 55 00:07:04,034 --> 00:07:07,371 女のような ねちっこさ。 56 00:07:07,371 --> 00:07:10,040 (南渓)直虎! 57 00:07:10,040 --> 00:07:14,340 失礼致しました。 まだ慣れず…。 58 00:07:25,589 --> 00:07:30,361 「仮名目録」… とは。 59 00:07:30,361 --> 00:07:38,068 その昔 今川の先先先代 氏親殿が 子に代を譲る際→ 60 00:07:38,068 --> 00:07:45,743 無用の乱れが起きぬようにと 国を治めるために作った掟じゃ。 61 00:07:45,743 --> 00:07:49,613 寿桂尼様が お作りになったとも 言われているが。 62 00:07:49,613 --> 00:07:56,313 大方様が…。 まあ 読んでみるがよい。 63 00:08:01,225 --> 00:08:04,525 「仮名目録」…。 64 00:08:09,934 --> 00:08:16,040 ここは 亡き新野左馬助の屋敷。 65 00:08:16,040 --> 00:08:20,711 このころ しのと虎松 そして なつと亥之助は→ 66 00:08:20,711 --> 00:08:25,382 この新野屋敷に身を寄せておった。 67 00:08:25,382 --> 00:08:29,253 ≪(六左衛門)大変じゃ~! 大変じゃ 大変じゃ。 しの! 68 00:08:29,253 --> 00:08:31,253 (しの)兄上。 69 00:08:33,057 --> 00:08:35,960 大変じゃ しの。 70 00:08:35,960 --> 00:08:39,730 (なつ)次郎様が ご領主に。 (六左衛門)はい。 71 00:08:39,730 --> 00:08:44,068 和尚様のご推挙で。 これからは 直虎様と名乗られ。 72 00:08:44,068 --> 00:08:46,403 (しの)直虎…。 73 00:08:46,403 --> 00:08:50,274 虎松様の虎を取って 直虎にございますか。 74 00:08:50,274 --> 00:08:53,277 私は 何も聞いておりませぬ。 75 00:08:53,277 --> 00:08:57,414 (なつ)事が 落ち着いてからと お考えなのでは。 76 00:08:57,414 --> 00:09:00,317 何故 奥山様が 名乗り出られぬのですか。→ 77 00:09:00,317 --> 00:09:04,221 虎松様の伯父上なのですから おかしくはございませんでしょう。 78 00:09:04,221 --> 00:09:07,024 かような事は 向き不向きが。 79 00:09:07,024 --> 00:09:11,695 私は あの女が後見など 認めたくありませぬ。 80 00:09:11,695 --> 00:09:16,367 では そなたは 政次様が 後見になる方がよいのか。 81 00:09:16,367 --> 00:09:19,703 (桔梗)小野が後見!? (あやめ)あら。 82 00:09:19,703 --> 00:09:22,039 (桜)さような話になっておるので ございますか!? 83 00:09:22,039 --> 00:09:25,376 うむ。 駿府からは さようにせよと 言われておるらしく。 84 00:09:25,376 --> 00:09:27,711 それならば 直虎様の方が。 85 00:09:27,711 --> 00:09:31,011 どちらも嫌でございまする! 86 00:09:34,385 --> 00:09:39,256 (菅沼) いや~ しかし驚きましたな。 87 00:09:39,256 --> 00:09:43,394 まさか 女子を後見に据えてくるとは。 88 00:09:43,394 --> 00:09:46,730 (鈴木)人がおらぬとは 聞いておりましたが→ 89 00:09:46,730 --> 00:09:51,068 これは深刻にございますな。 鈴木殿は確か。 90 00:09:51,068 --> 00:09:57,741 はい。 先代の直親殿の母親は 実は 我が姉。 91 00:09:57,741 --> 00:10:01,412 私の妻は 奥山の出にございます。 92 00:10:01,412 --> 00:10:03,347 では いっそ 鈴木殿が→ 93 00:10:03,347 --> 00:10:05,749 名乗りを上げてしまっては。 いやいや。 94 00:10:05,749 --> 00:10:08,749 今の井伊を頂きましたところで。 95 00:10:10,421 --> 00:10:12,756 おっしゃるとおりでございます。 96 00:10:12,756 --> 00:10:18,429 今の井伊を得たところで 苦労をするばかりかと。 97 00:10:18,429 --> 00:10:24,301 しかし こたびの事 いかがなさるおつもりか。 98 00:10:24,301 --> 00:10:29,773 直虎様は お気持ちだけで 物を言うておられる。 99 00:10:29,773 --> 00:10:32,109 井伊の内情を知れば→ 100 00:10:32,109 --> 00:10:36,109 すぐに音をあげ 放り出されましょう。 101 00:10:38,782 --> 00:10:45,122 この3人の目付は 後に 井伊谷三人衆と呼ばれ→ 102 00:10:45,122 --> 00:10:50,822 井伊の行く末に 大きく関わる事となるのじゃ。 103 00:10:55,766 --> 00:11:03,073 片や 新米城主 直虎は 「仮名目録」と向き合っておった。 104 00:11:03,073 --> 00:11:08,412 年貢や商いの取り決め 訴訟の仕組みなどをまとめた→ 105 00:11:08,412 --> 00:11:13,083 法令集じゃ。 106 00:11:13,083 --> 00:11:16,420 (たけ)面白うございますか? 107 00:11:16,420 --> 00:11:20,758 もめ事の仲裁話などは そこそこ分かるが→ 108 00:11:20,758 --> 00:11:25,095 借米や借銭の話は よう分からぬ。 109 00:11:25,095 --> 00:11:29,433 皆 米や銭を かように借りるものなのか? 110 00:11:29,433 --> 00:11:32,733 さようにございますね。 111 00:11:37,107 --> 00:11:43,781 さて まずは 何からすれば よいのであったかの。 112 00:11:43,781 --> 00:11:49,119 恥ずかしながら それがし あまり 政の事は 明るうなく。 113 00:11:49,119 --> 00:11:52,790 指図されるのは 殿の役目でござる。 114 00:11:52,790 --> 00:11:57,461 指図ができずして 何の殿。 115 00:11:57,461 --> 00:12:14,411 ♪♪~ 116 00:12:14,411 --> 00:12:17,314 (政次)安堵状 検地控え 証文類にございます。 117 00:12:17,314 --> 00:12:21,285 まずは お目通し頂いた方が よろしいかと存じまして。 118 00:12:21,285 --> 00:12:24,755 (六左衛門)かたじけのう存じます。 戻してまいれ。 119 00:12:24,755 --> 00:12:28,092 は? 私は命じておらぬ! 120 00:12:28,092 --> 00:12:33,430 六左衛門 戻して もう一度 持ってこい! 121 00:12:33,430 --> 00:12:35,365 何をしておる! 早うせよ! 122 00:12:35,365 --> 00:12:37,665 (六左衛門)は… はい! 123 00:12:40,104 --> 00:12:42,439 ≪(弥吉)失礼致します。 何じゃ! 124 00:12:42,439 --> 00:12:46,310 (弥吉)瀬戸村の百姓が ご挨拶に参りました。 125 00:12:46,310 --> 00:12:48,310 百姓が? 126 00:12:50,114 --> 00:12:52,114 (甚兵衛)おい。 127 00:13:02,693 --> 00:13:06,396 (甚兵衛) 瀬戸村の甚兵衛と申しますで。→ 128 00:13:06,396 --> 00:13:11,696 ご領主様お代替わりと お聞きして ご挨拶に参りました。 129 00:13:17,741 --> 00:13:22,079 あの 新しいご領主様は。 130 00:13:22,079 --> 00:13:24,014 私だが。 131 00:13:24,014 --> 00:13:26,950 (八助)えっ! (角太郎)あ… あんた様がけえ!? 132 00:13:26,950 --> 00:13:29,953 おぇ! 女子じゃねえけ。 どういう事でえ。 133 00:13:29,953 --> 00:13:34,091 よく分からんでえ。 まあ 我が直虎じゃ。 134 00:13:34,091 --> 00:13:36,760 今日は何用じゃ。 はっ。 135 00:13:36,760 --> 00:13:42,099 あ… あの わしらん村より 一つ お願えしてえ事がございまして。 136 00:13:42,099 --> 00:13:45,435 恐れながら そのためにも一度→ 137 00:13:45,435 --> 00:13:49,106 村へ お越し頂く事は できませんかいのお。 138 00:13:49,106 --> 00:13:51,041 村へ。 (甚兵衛)はあ。 139 00:13:51,041 --> 00:13:55,445 百姓の分際で 殿に村まで足を運べと申すか! 140 00:13:55,445 --> 00:13:58,348 私は構わぬが。 141 00:13:58,348 --> 00:14:03,053 殿というのは 軽々しく村回りなど なさらぬものでござる。 142 00:14:03,053 --> 00:14:06,353 女子は これじゃから。 143 00:14:09,927 --> 00:14:15,065 瀬戸村の甚兵衛とやら 明日にでも そちらへ参ろう。 144 00:14:15,065 --> 00:14:18,735 あ… ありがとうごぜえます! 直虎様! 145 00:14:18,735 --> 00:14:23,073 ありがとうごぜえます! 何の 大した事ではない。 146 00:14:23,073 --> 00:14:26,743 よかったのう。 ありがとうごぜえます! 147 00:14:26,743 --> 00:14:29,646 ありがとうごぜえます! ありがとうごぜえます! 148 00:14:29,646 --> 00:14:41,091 ♪♪~ 149 00:14:41,091 --> 00:14:46,763 あっ! 次郎様! やっぱし 次郎様だに~。 150 00:14:46,763 --> 00:14:52,102 あれ~! けっこいもん着てるやあ~。 151 00:14:52,102 --> 00:14:57,441 おえ おえ。 領主様になられた っちゅうのは ほんとけ! 152 00:14:57,441 --> 00:15:01,044 酒は もう やめられたのけえ? 153 00:15:01,044 --> 00:15:04,715 皆にも心配をかけたが もう 大事ない。 154 00:15:04,715 --> 00:15:08,051 これからは 領主として 力を尽くすゆえ→ 155 00:15:08,051 --> 00:15:10,387 何でも相談してくれ。 156 00:15:10,387 --> 00:15:16,059 近頃は 膝がのう。 膝が。 157 00:15:16,059 --> 00:15:18,395 (直之)瀬戸村は 山向こうですよ! 158 00:15:18,395 --> 00:15:21,732 女の足じゃ 日が暮れますよ! 159 00:15:21,732 --> 00:15:23,667 腰も。 160 00:15:23,667 --> 00:15:31,967 瀬戸村は 今は新野の娘御らの 化粧料の地となっておるのか。 161 00:15:35,078 --> 00:15:37,378 (政次)奥山殿。 162 00:15:38,949 --> 00:15:43,949 少し よいか。 …はい。 163 00:15:52,629 --> 00:15:57,100 (直之) 瀬戸村が見えてまいりましたぞ。 164 00:15:57,100 --> 00:16:00,003 何じゃ これは。 165 00:16:00,003 --> 00:16:20,324 ♪♪~ 166 00:16:20,324 --> 00:16:24,624 耕しておらぬではないか。 167 00:16:26,263 --> 00:16:30,968 何故 あのような荒れ放題のまま 放っておるのじゃ。 168 00:16:30,968 --> 00:16:38,075 (甚兵衛) 桶狭間 その後の度重なる戦に 井伊は 幾度も駆り出されまして。 169 00:16:38,075 --> 00:16:41,745 それゆえ 男手が 足りんようになってしまい→ 170 00:16:41,745 --> 00:16:46,416 は~も~ 耕し切れんように なってしまったんでごぜえます。 171 00:16:46,416 --> 00:16:48,752 人が おらぬという事か。 172 00:16:48,752 --> 00:16:53,090 そんでも お年貢は 納めねばならんで→ 173 00:16:53,090 --> 00:16:57,427 銭や米を 銭主から 借りる事になりますで。 174 00:16:57,427 --> 00:17:01,298 銭主。 そうしますと 百姓は→ 175 00:17:01,298 --> 00:17:06,703 銭主と お年貢と 二重の支払いを する事になりまして…。 176 00:17:06,703 --> 00:17:13,577 土地 手放して 一家をあげて 逃げ出す者も後を絶ちませんで。 177 00:17:13,577 --> 00:17:15,712 その銭主の名は。 178 00:17:15,712 --> 00:17:19,049 瀬戸の方久と申しますで。 179 00:17:19,049 --> 00:17:20,984 方久。 180 00:17:20,984 --> 00:17:24,388 ご領主様! お願いにございます!→ 181 00:17:24,388 --> 00:17:29,059 お代替わりに 何とぞ 徳政令をお願い致します! 182 00:17:29,059 --> 00:17:31,395 (一同)お願いします! 183 00:17:31,395 --> 00:17:33,730 徳政令!? 184 00:17:33,730 --> 00:17:40,404 銭主に 借金を棒引きするように という お沙汰でございます。 185 00:17:40,404 --> 00:17:45,075 それさえあれば 村は息を吹き返しまする! 186 00:17:45,075 --> 00:17:50,075 このままでは 村は死にまする! 187 00:17:54,418 --> 00:17:58,088 分かった。 すぐに手配をする。 188 00:17:58,088 --> 00:18:01,358 さような事 安請け合いなさっては! 189 00:18:01,358 --> 00:18:06,229 構わぬ。 領主は 我じゃ! 190 00:18:06,229 --> 00:18:08,231 あ… ありがとうごぜえます! 191 00:18:08,231 --> 00:18:10,367 ありがとうごぜえます! ありがとうごぜえます! 192 00:18:10,367 --> 00:18:15,238 このご恩は 生涯忘れませんに! 193 00:18:15,238 --> 00:18:19,376 よかったやあ~。 ありがとうごぜえます! 194 00:18:19,376 --> 00:18:21,311 ありがとうごぜえます! ありがとうごぜえます! 195 00:18:21,311 --> 00:18:23,713 何じゃ。 196 00:18:23,713 --> 00:18:27,384 女子が 勝手に決めたのが さように気に食わぬのか。 197 00:18:27,384 --> 00:18:31,254 ああいった事は 皆に はかるべきものにございます。 198 00:18:31,254 --> 00:18:35,258 皆と言うても そなたと 六左衛門しか おらぬではないか。 199 00:18:35,258 --> 00:18:38,028 さようにございますが。 200 00:18:38,028 --> 00:18:41,932 ≪(六左衛門)直虎様! 直虎様! 201 00:18:41,932 --> 00:18:44,734 何かあったのか!? 202 00:18:44,734 --> 00:18:51,734 井伊は… このままでは 井伊は 潰れてしまいまする! 203 00:18:53,410 --> 00:19:00,684 銭二十貫文 銭十五貫文 銭三十貫文…。 204 00:19:00,684 --> 00:19:02,619 何じゃ この証文は! 205 00:19:02,619 --> 00:19:06,022 (六左衛門) どうも これまで戦の度に 商人から借り入れをし→ 206 00:19:06,022 --> 00:19:08,358 支度をされていたようで。 207 00:19:08,358 --> 00:19:11,261 戦で亡くなった者への堪忍料や 化粧料なども→ 208 00:19:11,261 --> 00:19:15,699 かさんでおるようです。 やはりな。 209 00:19:15,699 --> 00:19:19,035 「瀬戸方久」。 210 00:19:19,035 --> 00:19:23,335 これも… これも。 211 00:19:24,908 --> 00:19:30,608 井伊も 瀬戸の方久とやらから 金を借りておるのか!? 212 00:19:33,049 --> 00:19:38,722 あの お目通りを願う者が。 (直之)誰じゃ! 取り込み中じゃ! 213 00:19:38,722 --> 00:19:43,022 瀬戸の方久様とおっしゃる お方にございます。 214 00:19:58,742 --> 00:20:02,612 (瀬戸方久)井伊のご領主様が お代替わりされたと伺い→ 215 00:20:02,612 --> 00:20:09,386 お祝いに参じましてございます。 瀬戸村の方久と申します。 216 00:20:09,386 --> 00:20:12,756 苦しうない。 面を上げぃ。 217 00:20:12,756 --> 00:20:15,056 はっ! 218 00:20:23,767 --> 00:20:29,439 どこかで会うた事はないか? 219 00:20:29,439 --> 00:20:32,139 ございますよ。 220 00:20:39,783 --> 00:20:43,119 はみ出し者同士 仲よくやるまい。 221 00:20:43,119 --> 00:20:47,119 [回想] はみ出し者同士 仲よくやるまい。 222 00:20:49,793 --> 00:20:52,696 おぬし あの時の。 223 00:20:52,696 --> 00:20:56,666 我を泊めてくれた! 我を突き出した! 224 00:20:56,666 --> 00:21:02,072 さようにございます。 あの時の養われ者にございます。 225 00:21:02,072 --> 00:21:06,943 そうか そうか! いや! そなたが方久であったか。 226 00:21:06,943 --> 00:21:10,747 いや~ 立派になって。 227 00:21:10,747 --> 00:21:17,087 ええ。 あの時 頂きました ご褒美の銭を元手に。→ 228 00:21:17,087 --> 00:21:21,958 まずは 浜名の湖畔に行き→ 229 00:21:21,958 --> 00:21:25,428 魚が取れ過ぎて 余って困っておるという者に→ 230 00:21:25,428 --> 00:21:28,331 安く譲ってもろうたので ございます。→ 231 00:21:28,331 --> 00:21:32,769 これを干物とし 山あいの村々に 持ち込みましたところ→ 232 00:21:32,769 --> 00:21:36,439 これが 飛ぶように売れまして。 ほう。 233 00:21:36,439 --> 00:21:40,777 (方久)その銭で 老いた夫婦から 潰れかけの茶屋を買いまして→ 234 00:21:40,777 --> 00:21:44,648 安く 茶を出すように致しました。 安く。 235 00:21:44,648 --> 00:21:46,650 (方久)すると そのうち→ 236 00:21:46,650 --> 00:21:50,787 次の戦が どこであるかという話が 入るようになりまして→ 237 00:21:50,787 --> 00:21:54,124 それからは 戦場で商いを始めました。 238 00:21:54,124 --> 00:21:56,059 戦場で商い。 239 00:21:56,059 --> 00:22:00,397 (方久)食べ物や薬を仕入れ 戦場にて売り。→ 240 00:22:00,397 --> 00:22:04,734 戦が終わりましたなら 刀剣や鎧などを拾って→ 241 00:22:04,734 --> 00:22:08,605 それを次の合戦に持ち込み。→ 242 00:22:08,605 --> 00:22:12,609 さような事を 繰り返しておりましたところ→ 243 00:22:12,609 --> 00:22:15,078 蔵が建つほどになりまして。 244 00:22:15,078 --> 00:22:18,415 蔵が! 半ば 盗人ではないか。 245 00:22:18,415 --> 00:22:22,285 いや~ 才覚じゃのう。 いやいやいや。 246 00:22:22,285 --> 00:22:27,090 銭のにおいには 鼻がきくだけ。 犬のようなものにございます。 247 00:22:27,090 --> 00:22:30,760 犬? 私は 銭の犬にございます。 248 00:22:30,760 --> 00:22:34,097 ワンではなく 銭を求めて 貫と泣きまする。 249 00:22:34,097 --> 00:22:39,769 う~ カンカンカン! う~ カンカンカン カンカンカン…! 250 00:22:39,769 --> 00:22:41,705 (辰)よっ よっ… よ~! 251 00:22:41,705 --> 00:22:43,640 よ~ カンカン! 252 00:22:43,640 --> 00:22:46,340 ハハハハハッ! 253 00:22:48,111 --> 00:22:53,111 こちらを お代替わりのお祝いに お持ち致しました。 254 00:23:08,398 --> 00:23:12,268 これは 見事な。 255 00:23:12,268 --> 00:23:14,270 ご領主様というのは→ 256 00:23:14,270 --> 00:23:17,073 よい筆で よい字を書かねばなりませぬ。 257 00:23:17,073 --> 00:23:21,745 私の思いを込めて 硯と筆をご用意致しました。 258 00:23:21,745 --> 00:23:25,615 方久。 まことに うれしいぞ。 259 00:23:25,615 --> 00:23:28,418 今後とも よしなに お願い致します。 260 00:23:28,418 --> 00:23:30,353 うむ。 261 00:23:30,353 --> 00:23:37,427 それでな 早速 ひとつ 頼み事があるのじゃが。 262 00:23:37,427 --> 00:23:41,097 何用にございましょう。 (六左衛門)直虎様 それは。 263 00:23:41,097 --> 00:23:45,969 瀬戸村の借金を 棒引きにしてやってほしいのじゃ。 264 00:23:45,969 --> 00:23:52,108 しゃ… 借金を棒引き。 265 00:23:52,108 --> 00:23:55,779 今日 徳政令というものを 出してほしいと→ 266 00:23:55,779 --> 00:24:00,617 瀬戸村の百姓に頼まれての。 井伊の家の分は支払うゆえ→ 267 00:24:00,617 --> 00:24:05,617 村の分は なんとか 負けてやってくれぬかのう。 268 00:24:08,057 --> 00:24:12,395 直虎様というのは 面白いお方にございますなあ! 269 00:24:12,395 --> 00:24:16,266 出家でいらっしゃいましたゆえ。 ハハハハハ。 270 00:24:16,266 --> 00:24:19,269 (方久)よろしうございますよ。 271 00:24:19,269 --> 00:24:22,071 井伊のお家に お貸ししている分→ 272 00:24:22,071 --> 00:24:25,408 今 ここで 耳をそろえて すぐに お返し頂ければ。 273 00:24:25,408 --> 00:24:28,077 さような事できるわけがあるまい。 274 00:24:28,077 --> 00:24:33,750 できますよ。 井伊の お屋敷と→ 275 00:24:33,750 --> 00:24:38,421 村の2つ3つ頂けますれば。 276 00:24:38,421 --> 00:24:41,758 それでは 井伊家が なくなってしまうではないか。 277 00:24:41,758 --> 00:24:44,427 さようにございます。 徳政令を出せば→ 278 00:24:44,427 --> 00:24:49,098 井伊家は 潰れてしまうのでございます。 279 00:24:49,098 --> 00:24:51,768 何じゃと! 280 00:24:51,768 --> 00:25:07,717 ♪♪~ 281 00:25:07,717 --> 00:25:09,652 カン。 282 00:25:09,652 --> 00:25:13,056 その夜 直虎たちは→ 283 00:25:13,056 --> 00:25:21,731 借財 領内の年貢などを 洗い直してみたのでござるが。 284 00:25:21,731 --> 00:25:24,067 ろ… 6,000! 285 00:25:24,067 --> 00:25:29,367 今の速さでは 30年かけても 返しきれませぬな。 286 00:25:32,408 --> 00:25:39,749 まあ 要するに 徳政を出さねば 済む話でござろう。 287 00:25:39,749 --> 00:25:43,620 なれど 瀬戸村に 約束してしもうたではないか。 288 00:25:43,620 --> 00:25:48,424 (直之)放っておけば そのうち諦めましょう。 289 00:25:48,424 --> 00:25:50,360 じゃが。 290 00:25:50,360 --> 00:25:54,097 (福蔵) 祝田村の福蔵と申しますで! 291 00:25:54,097 --> 00:25:58,434 瀬戸村が 徳政令を 出して頂けると聞きまして! 292 00:25:58,434 --> 00:26:02,038 あ… まあの。 293 00:26:02,038 --> 00:26:04,707 んなら わしらん方も是非にと→ 294 00:26:04,707 --> 00:26:08,044 お願いにあがりました次第に ごぜえます! 295 00:26:08,044 --> 00:26:14,384 (富介)瀬戸の衆らの話を聞き 直虎様は さすがに元お坊様。 296 00:26:14,384 --> 00:26:19,055 慈悲深いお方だゃ~と 皆 喜んでのお。 297 00:26:19,055 --> 00:26:22,725 (角太郎)おらのばあちゃ 涙流して喜んでやあ~。 298 00:26:22,725 --> 00:26:25,395 (福蔵)ありがたいやあ~! 新しいご領主様は→ 299 00:26:25,395 --> 00:26:28,064 生き仏様でごぜえますにい! 300 00:26:28,064 --> 00:26:30,733 (一同)ありがたいやあ ありがたいやあ。 301 00:26:30,733 --> 00:26:33,403 その話だが→ 302 00:26:33,403 --> 00:26:36,072 徳政令は 出せぬ。 303 00:26:36,072 --> 00:26:39,943 (一同)えっ? 今は 出せぬのじゃ。 304 00:26:39,943 --> 00:26:42,745 そんな えっ お約束して。 305 00:26:42,745 --> 00:26:45,081 とにかく 今は無理なのじゃ。 306 00:26:45,081 --> 00:26:48,952 今 徳政を出せば 井伊家も潰れてしまうゆえ。 307 00:26:48,952 --> 00:26:54,090 井伊のお家のためならば 我ら百姓は 黙って死ねと。 308 00:26:54,090 --> 00:26:57,427 そうではない。 今 徳政出してもらわんけりゃあ→ 309 00:26:57,427 --> 00:27:00,697 わしら 潰れてしまうにい! そうじゃ! 潰れるに~! 310 00:27:00,697 --> 00:27:02,632 直虎様! 直虎様! 311 00:27:02,632 --> 00:27:05,368 助けてくりょ~! 直虎様! 312 00:27:05,368 --> 00:27:07,704 とにかく 今は出せぬのじゃ! 313 00:27:07,704 --> 00:27:10,607 (一同)直虎様~! 314 00:27:10,607 --> 00:27:12,575 助けてくりょ~! 315 00:27:12,575 --> 00:27:26,055 ♪♪~ 316 00:27:26,055 --> 00:27:28,355 何じゃ。 317 00:27:33,396 --> 00:27:41,070 (政次)これでも まだ ご領主になられますか。 318 00:27:41,070 --> 00:27:46,070 我が降りたら そなたが後見になるではないか。 319 00:27:49,412 --> 00:27:54,712 たとえ 井伊を潰したとて それだけは ごめんじゃ! 320 00:28:28,718 --> 00:28:31,018 さて。 321 00:28:36,059 --> 00:28:39,729 このころ 三河の 松平家康は→ 322 00:28:39,729 --> 00:28:46,429 領内の一向一揆に足をすくわれて その勢力を伸ばせず。 323 00:28:48,071 --> 00:28:53,409 一方 今川は 遠江の反対勢力を鎮めて→ 324 00:28:53,409 --> 00:28:57,280 勢いを盛り返しておった。 325 00:28:57,280 --> 00:29:00,683 (寿桂尼)まあ よい景色じゃこと。 326 00:29:00,683 --> 00:29:04,020 (関口)ようやく 一息おつけになられましたから。 327 00:29:04,020 --> 00:29:07,890 (寿桂尼) それで 井伊が どうしたと。 328 00:29:07,890 --> 00:29:09,892 はい。 329 00:29:09,892 --> 00:29:16,032 次郎様が 直虎という名で 家督を継ぎましてございまする。 330 00:29:16,032 --> 00:29:19,368 (関口)なんと! お下知があるにもかかわらずか。 331 00:29:19,368 --> 00:29:23,039 (寿桂尼)井伊の横紙破りは いつもの事じゃ。 332 00:29:23,039 --> 00:29:25,708 しかし 確か 本領安堵と引き換えに→ 333 00:29:25,708 --> 00:29:27,643 出家となっておったのでは。 334 00:29:27,643 --> 00:29:32,048 還俗はせずに 直虎と 名乗っておるだけという理屈で→ 335 00:29:32,048 --> 00:29:34,717 押し通すつもりのようです。 336 00:29:34,717 --> 00:29:39,388 で いかにしようと思うておる。→ 337 00:29:39,388 --> 00:29:42,291 こちらも そなたを名指した以上→ 338 00:29:42,291 --> 00:29:46,262 おめおめと 引き下がるわけにはゆかぬぞ。 339 00:29:46,262 --> 00:29:49,732 引き下がるつもりなど ございませぬ。 340 00:29:49,732 --> 00:29:54,432 そうか。 ならば よいがな…。 341 00:29:57,406 --> 00:30:02,406 ひとつ 考えを持ってまいりました。 342 00:30:22,098 --> 00:30:27,770 あれ~。 次郎様。 どうかしたのけえ。 343 00:30:27,770 --> 00:30:30,673 あっ 次郎様。 344 00:30:30,673 --> 00:30:33,673 饅頭あるに。 345 00:30:42,785 --> 00:30:44,720 [回想] (一同)ありがとうごぜえます! 346 00:30:44,720 --> 00:30:49,020 このご恩は 生涯忘れませんに! 347 00:30:54,130 --> 00:31:00,430 我らは この手に支えられておるのじゃ。 348 00:31:02,738 --> 00:31:07,410 捨て置いては ならぬの…。 349 00:31:07,410 --> 00:31:17,420 ♪♪~ 350 00:31:17,420 --> 00:31:19,720 唐の青磁でございます。 351 00:31:21,290 --> 00:31:23,990 方久。 352 00:31:26,095 --> 00:31:28,431 方久! 353 00:31:28,431 --> 00:31:30,431 直虎様…? 354 00:31:32,101 --> 00:31:35,438 百姓の借金を 棒引きせよとは言わぬ。 355 00:31:35,438 --> 00:31:40,309 じゃが 例えば しばしの間 返済を待ってもらう事はできぬか。 356 00:31:40,309 --> 00:31:43,312 こちらも 商いにございますからね。 357 00:31:43,312 --> 00:31:46,782 お待ちした暁には その間の利ざやも→ 358 00:31:46,782 --> 00:31:50,453 きちんと頂けるという事であれば。 359 00:31:50,453 --> 00:31:52,388 それでは 百姓にとって得はない。 360 00:31:52,388 --> 00:31:55,791 疲れ切り 逃げる者が増えてしまう。 361 00:31:55,791 --> 00:31:58,127 それに 耕し手がおらぬ土地など→ 362 00:31:58,127 --> 00:32:01,731 そなたにとっても 何の うまみもないのではないか。 363 00:32:01,731 --> 00:32:04,066 土地を欲しがるお方は ございましょう。 364 00:32:04,066 --> 00:32:09,739 例えば 今川様や…→ 365 00:32:09,739 --> 00:32:12,439 小野様。 366 00:32:14,610 --> 00:32:19,081 私とて 井伊のお家には 恩は感じております。 367 00:32:19,081 --> 00:32:24,754 今までどおり 私を使うて下さり 徳政さえ出さずに下されば→ 368 00:32:24,754 --> 00:32:26,689 さような事は致しませんよ。 369 00:32:26,689 --> 00:32:30,092 しかし それでは 百姓たちが困るのじゃ! 370 00:32:30,092 --> 00:32:32,995 よいではないですか。 百姓たちなど。 371 00:32:32,995 --> 00:32:38,768 ならぬ! 我らは 百姓たちの年貢に支えられておる。 372 00:32:38,768 --> 00:32:42,104 百姓たちが 疲れ切り 力をなくしては→ 373 00:32:42,104 --> 00:32:45,441 よい事など見込めぬと 我は思う。 374 00:32:45,441 --> 00:32:49,779 井伊のために これは決して→ 375 00:32:49,779 --> 00:32:53,479 捨て置いてよい事ではないと 思うのじゃ。 376 00:32:58,454 --> 00:33:02,058 では 村の土地を利用して→ 377 00:33:02,058 --> 00:33:04,961 商いでも始めてみたら いかがですか? 378 00:33:04,961 --> 00:33:07,396 商い? 379 00:33:07,396 --> 00:33:10,066 米を多く作れる工夫をし→ 380 00:33:10,066 --> 00:33:12,969 頃合いを見て 売りさばくもよし→ 381 00:33:12,969 --> 00:33:16,405 米以外の高く売れる作物を 作るのも→ 382 00:33:16,405 --> 00:33:20,076 よろしうございましょうし。 383 00:33:20,076 --> 00:33:22,979 それじゃ。 384 00:33:22,979 --> 00:33:24,947 はい? 385 00:33:24,947 --> 00:33:29,418 それ それじゃ! 方久。 386 00:33:29,418 --> 00:33:33,089 (南渓)わしは 相当に面白い考えじゃと思うが→ 387 00:33:33,089 --> 00:33:35,758 何を迷う。 388 00:33:35,758 --> 00:33:40,629 さような事をして 許されるのかと。 389 00:33:40,629 --> 00:33:42,631 許されるも何も→ 390 00:33:42,631 --> 00:33:47,631 おぬしには 筆一本で それができる力があるではないか。 391 00:33:50,106 --> 00:33:58,447 私は 今まで 力がないというのは 悔しい事だと思っておりました。 392 00:33:58,447 --> 00:34:08,747 なれど 力を持つというのは 実は とても怖い事なのだと。 393 00:34:10,726 --> 00:34:18,401 私の決めた事が まこととなるという事は…。 394 00:34:18,401 --> 00:34:22,701 かような事に正解などないしの。 395 00:34:24,273 --> 00:34:27,743 結果がよければ 正解とされ→ 396 00:34:27,743 --> 00:34:31,414 そうでなければ 間違いとされる。 397 00:34:31,414 --> 00:34:36,114 うまくいくか いかぬかは 誰も請け負うてはくれぬ。 398 00:34:39,288 --> 00:34:47,430 己の信じたものを 明かりとし 進んでいくしかないの。 399 00:34:47,430 --> 00:34:51,767 自灯明にございますか? 400 00:34:51,767 --> 00:34:57,440 自灯明は 人の上に立つものの 喜びであり→ 401 00:34:57,440 --> 00:35:01,043 また つらさでもあろうの。 402 00:35:01,043 --> 00:35:55,343 ♪♪~ 403 00:36:14,583 --> 00:36:20,055 皆 本日は ご苦労である。 404 00:36:20,055 --> 00:36:22,725 皆も承知の事と思うが→ 405 00:36:22,725 --> 00:36:25,628 瀬戸村 祝田村の百姓が→ 406 00:36:25,628 --> 00:36:30,065 代替わりによる徳政を 願い出てきておる。 407 00:36:30,065 --> 00:36:34,403 彼らは 度重なる戦にて 男手を失い→ 408 00:36:34,403 --> 00:36:37,740 ここにおる方久に 銭を借りるはめになり→ 409 00:36:37,740 --> 00:36:43,412 今は その支払いと年貢との 二重の支払いで難儀しておる。 410 00:36:43,412 --> 00:36:49,752 一方 井伊も 戦のかかりなどで 同じく 方久に世話になっておる。 411 00:36:49,752 --> 00:36:57,452 ゆえに 井伊としては 徳政を出す事はできぬ。 412 00:37:05,234 --> 00:37:12,374 よって この2つの問題を 落着させるために→ 413 00:37:12,374 --> 00:37:18,047 方久を家臣の列に加え 瀬戸 祝田の両村を→ 414 00:37:18,047 --> 00:37:22,047 この方久の所領とする事にする! 415 00:37:27,056 --> 00:37:33,395 (直之)方久を家臣に。 (六左衛門)瀬戸と祝田を 方久に。 416 00:37:33,395 --> 00:37:43,405 ♪♪~ 417 00:37:43,405 --> 00:37:47,743 これにより 方久には 年貢が入る事となる。 418 00:37:47,743 --> 00:37:52,081 それをもって 現状の借銭の返済を猶予→ 419 00:37:52,081 --> 00:37:57,953 猶予が明けるまで百姓たちは 年貢のみを納めればよい事になる。 420 00:37:57,953 --> 00:38:01,690 加えて 村に新しい商いを興し→ 421 00:38:01,690 --> 00:38:05,027 百姓たちが おのずと返済できるように→ 422 00:38:05,027 --> 00:38:09,898 方久が 面倒を見るという事になる。 423 00:38:09,898 --> 00:38:14,703 では 方久より 皆に挨拶を。 424 00:38:14,703 --> 00:38:19,375 はっ。 お気は 確かにござりますか。 425 00:38:19,375 --> 00:38:23,245 井伊は 鎌倉公方様の頃よりのお家柄。 426 00:38:23,245 --> 00:38:27,049 そこに 素性も知らぬ商人を 加えるなど! 427 00:38:27,049 --> 00:38:31,920 そもそも 井伊のご初代様は 拾われ子ではないか。 428 00:38:31,920 --> 00:38:34,723 ただならぬ者は その身分に関わらず→ 429 00:38:34,723 --> 00:38:40,023 取り立てる事こそ 家風にかなう というものではないのか。 430 00:38:43,065 --> 00:38:46,402 乗っ取りではないか。 431 00:38:46,402 --> 00:38:48,337 さようであろう! 432 00:38:48,337 --> 00:38:51,273 借金のかたに 土地をやらざるをえぬようにする。 433 00:38:51,273 --> 00:38:54,076 それを乗っ取りと言わず 何と言う! 434 00:38:54,076 --> 00:38:59,415 それがしは かような家に 仕えるのは ごめんこうむる! 435 00:38:59,415 --> 00:39:02,685 待て! 直之! 話を! 436 00:39:02,685 --> 00:39:07,356 瀬戸村は 新野の娘御たちのご所領。 437 00:39:07,356 --> 00:39:12,227 祝田は 我が妹 しのの所領と なっております。 438 00:39:12,227 --> 00:39:14,697 方久に やってしまわれては→ 439 00:39:14,697 --> 00:39:19,568 妹や新野の娘御たちは 今後いかに。 440 00:39:19,568 --> 00:39:23,372 新野には 何らかのあてがいは するつもりじゃ。 441 00:39:23,372 --> 00:39:27,242 虎松と しのには 小野より返された所領がある。 442 00:39:27,242 --> 00:39:30,045 それで十分じゃと思う。 443 00:39:30,045 --> 00:39:36,719 祝田は 妹と直親様の思い出の 詰まった土地にございます! 444 00:39:36,719 --> 00:39:39,621 新野の屋敷に移って以来→ 445 00:39:39,621 --> 00:39:43,592 しのも虎松も その地には 一度も戻ってはおられぬ。 446 00:39:43,592 --> 00:39:47,730 思い出の地というのは 言い過ぎではないか。 447 00:39:47,730 --> 00:39:55,070 そのような情を欠くお言葉。 とても伝えられませぬ。 448 00:39:55,070 --> 00:39:58,941 六左衛門! 待ってくれ! 449 00:39:58,941 --> 00:40:00,941 …いた。 450 00:40:09,084 --> 00:40:12,384 お慣れにならぬようで。 451 00:40:19,728 --> 00:40:24,028 では それがしも これにて。 452 00:40:37,112 --> 00:40:41,812 ひどい話を聞かせてしまったな。 453 00:40:46,455 --> 00:40:49,124 慣れておりますに。 454 00:40:49,124 --> 00:40:53,462 人並みにも扱われなかった俺が 今 ここに こうしておるんは→ 455 00:40:53,462 --> 00:40:55,798 銭の力だで。 456 00:40:55,798 --> 00:40:59,468 ハハッ。 笑い事じゃねえに。 457 00:40:59,468 --> 00:41:02,371 銭さえ持っておりゃあ 人は 頭下げる。 458 00:41:02,371 --> 00:41:04,740 銭まわりが よけりゃあ 人は寄ってくるで。 459 00:41:04,740 --> 00:41:12,040 銭は 千騎の武者にも値する。 銭は… 力じゃ。 460 00:41:14,082 --> 00:41:16,985 瀬戸村から 銭が湧き出るように なってごらんなされ。 461 00:41:16,985 --> 00:41:19,955 きっと皆 手のひらを返したように 申します。 462 00:41:19,955 --> 00:41:21,957 「直虎様のおかげじゃ!→ 463 00:41:21,957 --> 00:41:24,726 あの時のご決心が あったればこそ!→ 464 00:41:24,726 --> 00:41:28,026 直虎様 直虎様」。 465 00:41:31,099 --> 00:41:35,799 あの石頭どもの鼻を 明かしてやりましょうぞ。 466 00:41:37,439 --> 00:41:41,109 方久。 467 00:41:41,109 --> 00:41:44,980 ≪(辰)旦那様! 旦那様! 旦那様! 468 00:41:44,980 --> 00:41:46,982 何用じゃ。 辰。 469 00:41:46,982 --> 00:41:52,454 村の 瀬戸村と祝田村の百姓らが 徳政令を出すよう→ 470 00:41:52,454 --> 00:41:55,357 今川に 願い出たようです! 471 00:41:55,357 --> 00:41:57,793 (方久)いま…! い! 472 00:41:57,793 --> 00:42:01,396 今川に徳政を! まことか!? はい! 473 00:42:01,396 --> 00:42:04,066 井伊の百姓が なぜ 井伊を飛び越え→ 474 00:42:04,066 --> 00:42:08,403 今川に さような事を願い出る! 475 00:42:08,403 --> 00:42:11,103 何が起こっておる。 476 00:42:13,275 --> 00:42:16,275 何が起こっておるのじゃ。 477 00:42:21,416 --> 00:42:25,416 奥山殿 中野殿。 478 00:42:31,760 --> 00:42:37,633 少し よろしうございますか? 479 00:42:37,633 --> 00:42:40,102 続く。 480 00:42:40,102 --> 00:42:43,005 これは乗っ取りなのでは。 但馬の。 481 00:42:43,005 --> 00:42:45,440 味方に 刃を向けられるのは→ 482 00:42:45,440 --> 00:42:47,776 まこと恐ろしいものらしゅう ございます。 483 00:42:47,776 --> 00:42:51,113 そなたらは 方久に売られたのじゃ。 484 00:42:51,113 --> 00:42:53,048 瀬戸村を取り返します! 485 00:42:53,048 --> 00:42:55,984 なんとかするためには 新しいやり方がいるのじゃ! 486 00:42:55,984 --> 00:42:58,453 どちらを信じる! どちらを。 487 00:42:58,453 --> 00:43:00,453 (2人)ああ~! 488 00:43:03,725 --> 00:43:07,596 <愛知県新城市。→ 489 00:43:07,596 --> 00:43:10,599 井伊谷三人衆の一人として 知られる→ 490 00:43:10,599 --> 00:43:13,899 鈴木重時が育った地です> 491 00:43:16,738 --> 00:43:21,410 <鈴木氏は 今川氏や武田氏など 巨大勢力のはざまで→ 492 00:43:21,410 --> 00:43:24,746 この地を拠点としていた 豪族でした。→ 493 00:43:24,746 --> 00:43:27,649 今川氏の配下として 重時の父の代から→ 494 00:43:27,649 --> 00:43:32,087 領内の安定に 力を注いでいました。→ 495 00:43:32,087 --> 00:43:35,757 鈴木氏が築いた 柿本城。→ 496 00:43:35,757 --> 00:43:41,457 三河と遠江との国境の備えとして 機能していたと考えられています> 497 00:43:44,099 --> 00:43:47,769 <鈴木氏は 井伊家と縁戚関係が深く→ 498 00:43:47,769 --> 00:43:50,672 井伊直親の母親と重時とは→ 499 00:43:50,672 --> 00:43:53,372 きょうだいだったとも いわれています> 500 00:43:55,110 --> 00:43:58,447 <重時自身も 奥山の娘を妻に迎え→ 501 00:43:58,447 --> 00:44:03,051 井伊家との結び付きを 強めていきました。→ 502 00:44:03,051 --> 00:44:09,751 鈴木氏の菩提を弔う 満光寺。 柿本城の麓にあります> 503 00:44:11,393 --> 00:44:16,732 <巨大な勢力の間を渡り歩き 家名を残した鈴木氏。→ 504 00:44:16,732 --> 00:44:22,432 井伊家と共に 乱世を たくましく生き抜いていきます>