1 00:00:01,983 --> 00:00:06,854 (家康)信康を 斬ります。 2 00:00:06,854 --> 00:00:08,856 (康政)武田と内通したる廉にて→ 3 00:00:08,856 --> 00:00:12,156 死罪とする事となった。 4 00:00:14,562 --> 00:00:17,332 (信康)私は 内通などしておらぬ。 5 00:00:17,332 --> 00:00:20,632 殿が晴らして下さるはずだ。 6 00:00:30,345 --> 00:00:40,345 信康様! (一同)若! 若…! 7 00:00:41,956 --> 00:00:45,256 (万福)おとわ様 何故。 8 00:00:49,364 --> 00:00:52,700 そなたは。 (直虎)そこにおります→ 9 00:00:52,700 --> 00:00:56,571 万千代の養母にございます。 10 00:00:56,571 --> 00:01:02,510 奥方様の ご機嫌伺いに 参っておりました。 11 00:01:02,510 --> 00:01:09,210 お取り込み中のようで では これにて。 12 00:01:16,891 --> 00:01:20,591 では 後を頼む。 はっ。 13 00:01:25,600 --> 00:01:28,336 信康様ご謀反の疑いあり。 14 00:01:28,336 --> 00:01:32,673 以後 刃向かうものは 同罪と見なす!→ 15 00:01:32,673 --> 00:01:38,346 では これより 信康様と 一切の交わりを断つという→ 16 00:01:38,346 --> 00:01:40,281 起請文を取る。 17 00:01:40,281 --> 00:04:19,281 ♪♪~ 18 00:04:38,993 --> 00:04:43,693 (瀬名)殿は 話す気すらないと。 19 00:04:47,335 --> 00:04:52,673 かような 根も葉もない話 一体 誰が ざん言を! 20 00:04:52,673 --> 00:04:56,344 (数正)織田様から 言いがかりを つけられたのではないかと。 21 00:04:56,344 --> 00:04:59,013 織田が…! 22 00:04:59,013 --> 00:05:01,616 織田が なぜ 信康を。 23 00:05:01,616 --> 00:05:07,955 若は 織田様の誘いを 巧みに かわしておいででした。 24 00:05:07,955 --> 00:05:13,255 いっそ 切り捨てようと 心変わりされたのではないかと…。 25 00:05:17,298 --> 00:05:19,634 あね様。 26 00:05:19,634 --> 00:05:22,303 おとわ様を呼びやれ! きっと 何か いい手を…。 27 00:05:22,303 --> 00:05:24,303 お帰りになりました。 28 00:05:25,973 --> 00:05:28,673 (瀬名)帰った…! 29 00:05:30,845 --> 00:05:36,317 そう そうですね。 30 00:05:36,317 --> 00:05:41,017 万千代の立場もあるでしょうし…。 31 00:05:57,338 --> 00:06:03,144 (南渓) そなたは 信康様を助けろと→ 32 00:06:03,144 --> 00:06:07,444 あの場で言いだすかと思うたがの。 33 00:06:09,617 --> 00:06:12,520 下手に関わり→ 34 00:06:12,520 --> 00:06:16,520 井伊谷に累が及んでは かないませぬゆえ。 35 00:06:22,963 --> 00:06:27,835 (康政) 若様を大浜城へ お届けしたと 先ほど 知らせが参りました。 36 00:06:27,835 --> 00:06:30,638 そうか。 起請文の方は。 37 00:06:30,638 --> 00:06:33,541 明日には全て整いましょう。 38 00:06:33,541 --> 00:06:36,977 (家康)では 出来上がったら 忠次に それを持たせ 織田へ。 39 00:06:36,977 --> 00:06:39,677 はっ では。 40 00:06:42,650 --> 00:06:44,985 (万千代)では 我らも。 41 00:06:44,985 --> 00:06:47,321 頼むぞ。 はっ! 42 00:06:47,321 --> 00:07:09,276 ♪♪~ 43 00:07:09,276 --> 00:07:11,612 (万福)聞いてはおりましたが→ 44 00:07:11,612 --> 00:07:14,281 随分と うらぶれた城に ございますね。 45 00:07:14,281 --> 00:07:17,952 もう 守る者など おらぬ城じゃからの。 46 00:07:17,952 --> 00:07:21,822 ゆえに 意味がある。 47 00:07:21,822 --> 00:07:24,291 殿からの お達しで参った。 48 00:07:24,291 --> 00:07:27,194 (万福)信康様を 遠江の堀江城へ お移しする。 49 00:07:27,194 --> 00:07:29,630 いや しかし こちらに入ったばかりで。 50 00:07:29,630 --> 00:07:32,930 殿からの お指図にござる。 51 00:07:44,178 --> 00:07:46,478 梅。 52 00:07:51,652 --> 00:07:54,321 何故 分かる。 53 00:07:54,321 --> 00:07:58,659 (梅)気がかりがありそうな お顔でしたので。 54 00:07:58,659 --> 00:08:01,359 かたじけない。 55 00:08:04,265 --> 00:08:06,965 (南渓)おとわ。 56 00:08:09,136 --> 00:08:11,138 面白い話がある。 57 00:08:11,138 --> 00:08:16,277 信康様が 大浜城から堀江城に移された? 58 00:08:16,277 --> 00:08:20,614 (傑山)和尚様に言われ 様子を見に 大浜城へ向こうておったところ→ 59 00:08:20,614 --> 00:08:23,517 万千代様らの一行と擦れ違い。 60 00:08:23,517 --> 00:08:25,953 万千代と!? 61 00:08:25,953 --> 00:08:30,953 (傑山)後をつけたところ 信康様の護送だったらしく。 62 00:08:33,627 --> 00:08:37,498 大浜城へ 閉じ込めたばかりのものを→ 63 00:08:37,498 --> 00:08:39,967 妙な話にございますな。 64 00:08:39,967 --> 00:08:43,304 首をはねるだけなら→ 65 00:08:43,304 --> 00:08:48,642 わざわざ 城を移す手間など取るまい。 66 00:08:48,642 --> 00:08:52,313 徳川殿には 何か→ 67 00:08:52,313 --> 00:08:58,185 表に見えておるものとは別の お考えがあるのではないか? 68 00:08:58,185 --> 00:09:01,485 別の考え…。 69 00:09:08,596 --> 00:09:12,266 これは 時稼ぎ。 はい。 70 00:09:12,266 --> 00:09:16,136 若様の御首を望んだは 織田。 71 00:09:16,136 --> 00:09:19,139 殿は 織田に従ったふりをし→ 72 00:09:19,139 --> 00:09:23,277 一方で 若様の助命をかなえるべく→ 73 00:09:23,277 --> 00:09:27,615 北条との密約を進めております。 74 00:09:27,615 --> 00:09:30,284 北条との…! 75 00:09:30,284 --> 00:09:34,154 北条が 我ら徳川と結ぶとなれば→ 76 00:09:34,154 --> 00:09:37,625 武田には 大きな痛手となりましょう。 77 00:09:37,625 --> 00:09:43,325 それを手土産に 助命を願い出るお考えです。 78 00:09:47,301 --> 00:09:49,637 父上に…→ 79 00:09:49,637 --> 00:09:55,976 あまり ご無理をなさらぬようにと 伝えてくれ。 80 00:09:55,976 --> 00:09:58,312 はっ。 81 00:09:58,312 --> 00:10:01,982 (家康)そうか。 無事 堀江城に。 82 00:10:01,982 --> 00:10:03,918 はい。 83 00:10:03,918 --> 00:10:06,854 信康は 何か言っておったか。 84 00:10:06,854 --> 00:10:11,659 (万千代)殿に あまり ご無理をなさらぬようにと。 85 00:10:11,659 --> 00:10:13,994 失うてはならぬの。 86 00:10:13,994 --> 00:10:17,331 ≪(常慶)御免。 87 00:10:17,331 --> 00:10:19,266 (家康)おお 常慶。 88 00:10:19,266 --> 00:10:22,670 そちらは どのような具合じゃ。 89 00:10:22,670 --> 00:10:26,006 (常慶) 今川殿は 徳川の名代として→ 90 00:10:26,006 --> 00:10:28,909 北条との談判に 臨まれましてございます。 91 00:10:28,909 --> 00:10:32,346 よし! あと どれほどかかる。 92 00:10:32,346 --> 00:10:37,017 半月ほどかと。 では 私も すぐに戻りますゆえ。 93 00:10:37,017 --> 00:10:40,017 かたじけない。 頼むぞ。 94 00:10:47,361 --> 00:10:49,697 あと半月もたせれば→ 95 00:10:49,697 --> 00:10:53,367 若様を救い出せるという事に ございますな。 96 00:10:53,367 --> 00:10:56,667 待っておれよ 信康。 97 00:11:08,315 --> 00:11:13,315 待っていなされ。 信康。 98 00:11:14,989 --> 00:11:18,289 ≪石川様をお連れしました。 99 00:11:25,632 --> 00:11:27,932 数正。 100 00:11:29,536 --> 00:11:37,236 そなたにも… 頼みがあります。 101 00:11:41,015 --> 00:11:44,885 (忠次) 若は 既に 大浜城にはおらぬ? 102 00:11:44,885 --> 00:11:46,887 (康政)あそこは 守りが手薄ゆえ→ 103 00:11:46,887 --> 00:11:51,025 万が一 逃げ出されてはかなわぬと 殿が言いだされまして。 104 00:11:51,025 --> 00:11:55,896 (忠次)それで それで 今は どちらへ行かれたのだ。 105 00:11:55,896 --> 00:11:59,366 堀江城です。 堀江城!? 106 00:11:59,366 --> 00:12:03,237 遠江ではないか! 私も お止めしたのですが。 107 00:12:03,237 --> 00:12:06,640 殿… 殿は いずこに。 108 00:12:06,640 --> 00:12:14,314 浜松に戻られました。 は… 浜松…!? 109 00:12:14,314 --> 00:12:17,651 まずは この旨を→ 110 00:12:17,651 --> 00:12:21,989 一旦 織田様に お知らせするが 肝心なのではございませぬか。 111 00:12:21,989 --> 00:12:26,860 織田様の事 何が お気に障るか 分かりませぬ。 112 00:12:26,860 --> 00:12:31,860 そうじゃ。 そうじゃな。 そうじゃ…。 113 00:12:40,007 --> 00:12:44,678 こうして 家康は時を稼ぎ。 114 00:12:44,678 --> 00:12:50,350 堀江城に移されましたは 岡崎の 信康への忠義が厚く→ 115 00:12:50,350 --> 00:12:53,253 奪い返される事を案じたようで。 116 00:12:53,253 --> 00:12:55,689 その後も→ 117 00:12:55,689 --> 00:13:01,295 二俣城に信康を移して 処刑を遅らせた。 118 00:13:01,295 --> 00:13:04,631 二俣城に移されましたは→ 119 00:13:04,631 --> 00:13:08,502 堀江の大沢が 元主家である今川に同情し→ 120 00:13:08,502 --> 00:13:11,505 逃がすかもしれぬと案じたようで。 (光秀)酒井殿。 121 00:13:11,505 --> 00:13:13,640 殿は まこと慎重な ご気性でありますゆえ。 122 00:13:13,640 --> 00:13:15,976 (光秀)斬れとの仰せじゃ。 123 00:13:15,976 --> 00:13:22,649 織田も さすがに いらだち始めた そのころ。 124 00:13:22,649 --> 00:13:24,985 (小五郎)申し上げます!→ 125 00:13:24,985 --> 00:13:28,655 岡崎のお方様が 瀬名様が→ 126 00:13:28,655 --> 00:13:33,527 石川数正殿と姿を消された との事にございます! 127 00:13:33,527 --> 00:13:35,529 (忠世)詳しく申せ! 128 00:13:35,529 --> 00:13:40,000 (小五郎) お方様は 武田との内通の発覚を 恐れておられたらしく→ 129 00:13:40,000 --> 00:13:44,700 文箱より かようなものも 見つかりましてございます。 130 00:13:51,345 --> 00:13:56,345 (小五郎)武田との密通の証し。 勝頼の花押もございます。 131 00:13:58,018 --> 00:14:04,291 (忠勝)武田と通じておったのは お方様という事か。 132 00:14:04,291 --> 00:14:07,291 (小五郎) そう見て 間違いなかろうと。 133 00:14:09,630 --> 00:14:15,502 (忠世)お方様の御首を差し出せば 信康様は助かる…→ 134 00:14:15,502 --> 00:14:19,802 という事になりますかな。 135 00:14:28,649 --> 00:14:33,520 (忠世)これほどの証しがあるなら。 お待ち下され! 136 00:14:33,520 --> 00:14:38,325 これほど見え透いた狂言も ございませんでしょう! 137 00:14:38,325 --> 00:14:42,996 まことに通じておるならば わざわざ かようなものを残し→ 138 00:14:42,996 --> 00:14:45,996 去る事などございますまい! ご苦労であった! 139 00:14:48,335 --> 00:14:51,004 瀬名に追っ手を放て!→ 140 00:14:51,004 --> 00:14:55,676 武田に通じる道 信康のおる 二俣城に至る道。 141 00:14:55,676 --> 00:14:59,376 捕らえ次第 首をはねるがよい! 142 00:15:01,949 --> 00:15:04,851 まことに よろしいので。 143 00:15:04,851 --> 00:15:07,151 是非もあるまい。 144 00:15:22,636 --> 00:15:24,936 頼みがある。 145 00:15:40,187 --> 00:15:44,187 数正。 行きましょう。 146 00:15:49,329 --> 00:15:55,202 おとわ様も 母上も→ 147 00:15:55,202 --> 00:15:59,202 かような所で育ったのじゃの。 148 00:16:00,941 --> 00:16:03,641 羨ましく お思いで? 149 00:16:05,812 --> 00:16:08,615 羨ましうはない。 150 00:16:08,615 --> 00:16:12,486 なれど 話は聞いてみたかったですね。 151 00:16:12,486 --> 00:16:15,186 ≪瀬名様。 152 00:16:21,194 --> 00:16:26,633 旅か? (瀬名)信康の顔を見に行くのです。 153 00:16:26,633 --> 00:16:32,306 信康様の? ええ。 許される事になったので→ 154 00:16:32,306 --> 00:16:36,643 出迎えて 驚かせてやろうと思うて。→ 155 00:16:36,643 --> 00:16:40,343 ついで …と こちらに立ち寄り。 156 00:16:42,316 --> 00:16:48,989 そうか。 ならば 事前に お知らせくらい下されば。 157 00:16:48,989 --> 00:16:51,989 急いでおりましたもので。 158 00:17:00,000 --> 00:17:06,606 そなたの首をもって 事を収めようと考えておるのか。 159 00:17:06,606 --> 00:17:10,477 武田と内通しておったのは 息子ではなく 己であると→ 160 00:17:10,477 --> 00:17:13,177 そんなところか。 161 00:17:16,283 --> 00:17:19,619 どうなさったのです。 162 00:17:19,619 --> 00:17:22,522 何故分かるか 言うてやろうか。 163 00:17:22,522 --> 00:17:27,494 そなたと同じ事をやったやつを よう知っておるからじゃ! 164 00:17:27,494 --> 00:17:29,494 瀬名! 165 00:17:31,965 --> 00:17:37,637 ならば お分かりのはずです。 お方様のお覚悟も。→ 166 00:17:37,637 --> 00:17:39,973 お方様。 167 00:17:39,973 --> 00:17:58,325 ♪♪~ 168 00:17:58,325 --> 00:18:01,025 お話がございます。 169 00:18:06,133 --> 00:18:13,273 (数正)殿は 裏で さような策を講じておられ…。 170 00:18:13,273 --> 00:18:15,208 (万千代)はい。→ 171 00:18:15,208 --> 00:18:19,146 北条との取り決めがなれば 信康様の処罰を→ 172 00:18:19,146 --> 00:18:23,283 取り消して頂く事ができる 手はずにございます。 173 00:18:23,283 --> 00:18:26,186 (数正)では 我らは。 174 00:18:26,186 --> 00:18:31,958 まあ 少々 早まったかもしれませぬな。 175 00:18:31,958 --> 00:18:36,296 (数正)では お方様は このまま お戻りになれると。 176 00:18:36,296 --> 00:18:39,966 (万千代) それが このまま お方様に→ 177 00:18:39,966 --> 00:18:42,869 ぬれぎぬを着て頂こうという 意見もあり→ 178 00:18:42,869 --> 00:18:46,640 殿も 成り行き上 止めるわけにはいかず→ 179 00:18:46,640 --> 00:18:51,311 今 お二人には 追っ手がかかっております。 180 00:18:51,311 --> 00:18:54,011 そこで…。 181 00:18:55,649 --> 00:19:00,487 しばらくの間 井伊にて かくまえという事か。 182 00:19:00,487 --> 00:19:04,787 殿からの お願いにございます。 183 00:19:07,594 --> 00:19:12,933 井伊は 逃げる 隠れるには 慣れております。 184 00:19:12,933 --> 00:19:18,271 ほとぼりが冷めるまで ご案じなく。 185 00:19:18,271 --> 00:19:20,971 かたじけのう存じます。 186 00:19:22,943 --> 00:19:26,943 ようございましたな お方様。 187 00:19:31,284 --> 00:19:35,155 (瀬名)万千代。→ 188 00:19:35,155 --> 00:19:41,928 殿の策は 必ず実るのですか。 189 00:19:41,928 --> 00:19:43,864 必ず? 190 00:19:43,864 --> 00:19:48,301 徳川殿は 死力を尽くしておられる。 191 00:19:48,301 --> 00:19:52,639 しかし 実らねば…→ 192 00:19:52,639 --> 00:19:55,542 信康は やはり→ 193 00:19:55,542 --> 00:19:59,980 殺されてしまうのでは ないですか?→ 194 00:19:59,980 --> 00:20:04,851 ならば… やはり 私が通じたとした方が→ 195 00:20:04,851 --> 00:20:11,551 間違いなく 信康を 救い出せるのではないですか。 196 00:20:17,998 --> 00:20:23,336 あの時 今川館に閉じ込められた折も→ 197 00:20:23,336 --> 00:20:28,675 すんでのところで 徳川殿の策は実ったではないか。 198 00:20:28,675 --> 00:20:31,344 ここは ひとつ→ 199 00:20:31,344 --> 00:20:37,044 徳川殿の運の強さを 信じてみぬか? 200 00:20:39,019 --> 00:20:41,688 の? 201 00:20:41,688 --> 00:20:47,360 ええ 私は あの時→ 202 00:20:47,360 --> 00:20:54,701 殿の運の強さに 命を救われたのだと思います。 203 00:20:54,701 --> 00:20:58,371 あそこで死んでおっても おかしくはなかった。 204 00:20:58,371 --> 00:21:00,974 そうであろう。 ならば。 205 00:21:00,974 --> 00:21:05,645 ゆえにこそ その命は→ 206 00:21:05,645 --> 00:21:12,345 殿と 殿の愛する息子のためにこそ 使いたいのです。 207 00:21:13,987 --> 00:21:17,287 (瀬名)徳川家の妻として。 208 00:21:18,858 --> 00:21:22,329 (瀬名)母として。 209 00:21:22,329 --> 00:21:25,999 死んでいくやつは皆 さような事を言う! 210 00:21:25,999 --> 00:21:29,869 お家のために命を捨てるは 己の本懐。 211 00:21:29,869 --> 00:21:33,873 そんな事ばかり言いよる! 212 00:21:33,873 --> 00:21:38,345 残される者の事を 考えた事はあるか。 213 00:21:38,345 --> 00:21:44,645 助けられなんだ者の無念を 考えた事があるか! 214 00:21:46,219 --> 00:21:54,219 もう二度と 私は あのような思いは しとうない! 215 00:21:59,633 --> 00:22:03,970 徳川殿を大事と言うなら→ 216 00:22:03,970 --> 00:22:10,670 どうか さような思いをさせないでくれ! 217 00:22:20,520 --> 00:22:23,657 信康が戻ってきたら→ 218 00:22:23,657 --> 00:22:31,331 徳姫と 子宝祈願をしてやって下さい。 219 00:22:31,331 --> 00:22:35,201 そなたがおらねばせぬ! その子は きっと→ 220 00:22:35,201 --> 00:22:38,501 私にございます! 221 00:22:41,007 --> 00:22:50,350 ですから 何も悲しむ事はないと 殿に お伝え下され。 222 00:22:50,350 --> 00:23:12,605 ♪♪~ 223 00:23:12,605 --> 00:23:20,605 さような事は 己の口で言え! 224 00:23:25,985 --> 00:23:32,325 おいとま致します。 あね様。 225 00:23:32,325 --> 00:23:52,345 ♪♪~ 226 00:23:52,345 --> 00:23:57,045 ここで お別れです。 227 00:23:58,685 --> 00:24:04,685 信康様のご無事を見届けましたら 私も すぐに。 228 00:24:06,292 --> 00:24:12,992 巻き込んで 申し訳ありませんね。 数正。 229 00:24:22,642 --> 00:24:29,516 お方様 私は。 230 00:24:29,516 --> 00:24:35,516 お方様ほど美しいお人を 知りませぬ。 231 00:24:39,192 --> 00:24:42,192 何を今更…。 232 00:24:48,334 --> 00:24:54,334 一度 お伝えしとうございました。 233 00:25:01,881 --> 00:25:06,581 ≪お方様! お覚悟召されい! 234 00:25:11,958 --> 00:25:15,295 な… 何事ですか。 これは! 235 00:25:15,295 --> 00:25:19,632 武田との内通の儀 もはや言い逃れはできませぬぞ! 236 00:25:19,632 --> 00:25:22,969 に… 逃げなどしておらぬ! 237 00:25:22,969 --> 00:25:27,841 私は 殿に 信康の命乞いに 参ろうとしただけ! 238 00:25:27,841 --> 00:25:30,310 まことじゃ! 239 00:25:30,310 --> 00:25:32,245 分かり申した。 240 00:25:32,245 --> 00:25:37,945 では ここからは それがしらが 浜松へ お送り致しましょう。 241 00:25:51,598 --> 00:26:11,918 ♪♪~ 242 00:26:11,918 --> 00:26:14,918 参りましょう。 243 00:26:23,963 --> 00:26:26,299 (氏真)徳川殿! 徳川殿! 244 00:26:26,299 --> 00:26:28,968 場を整えますゆえ しばし お待ち下され。 245 00:26:28,968 --> 00:26:31,638 (氏真)火急の知らせじゃ。 北条と話がついたのじゃ! 246 00:26:31,638 --> 00:26:35,338 徳川殿! お待ち下され! 徳川殿…! 247 00:26:43,983 --> 00:26:46,319 瀬名の首じゃ。 248 00:26:46,319 --> 00:26:50,990 瀬名…! 何故。 249 00:26:50,990 --> 00:26:57,290 (万福)信康様をお助けしようと ぬれぎぬを着られ。 250 00:26:58,865 --> 00:27:05,505 (氏真)瀬名… 瀬名…。 251 00:27:05,505 --> 00:27:08,505 すまなかった。 252 00:27:10,276 --> 00:27:13,179 間に合わず。 253 00:27:13,179 --> 00:27:20,879 悪いのは 私にございます。 254 00:27:24,824 --> 00:27:31,297 お方様を お止めできず。 255 00:27:31,297 --> 00:27:34,297 悪いのは わしじゃ。 256 00:27:38,972 --> 00:27:42,642 (家康)わしが 瀬名に信じてもらえなかった。 257 00:27:42,642 --> 00:27:46,642 もっと 頼りがいのある夫であれば…。 258 00:27:49,315 --> 00:27:57,657 おとなしく 岡崎に 座ってくれておったはずじゃ。→ 259 00:27:57,657 --> 00:28:03,357 のう。 瀬名。 260 00:28:17,944 --> 00:28:20,279 (信長)それは? 261 00:28:20,279 --> 00:28:26,152 我が妻 瀬名の首にてございます。 262 00:28:26,152 --> 00:28:29,288 お聞き及びの事かと存じますが→ 263 00:28:29,288 --> 00:28:36,162 武田と通じたは 信康ではなく 瀬名にてござりました。 264 00:28:36,162 --> 00:28:40,462 こちらが その証しにございます。 265 00:28:45,638 --> 00:28:50,977 (家康)武田との事 信康は何一つ知らなかった事かと。 266 00:28:50,977 --> 00:28:55,648 何とぞ お許し願えませぬでしょうか。→ 267 00:28:55,648 --> 00:28:59,986 我らは こたび 北条と手を結びました。 268 00:28:59,986 --> 00:29:04,824 これで 武田の滅亡は遠からずと 存じます。 269 00:29:04,824 --> 00:29:10,930 武田を亡き者にしたあとも 徳川は 織田と変わらず→ 270 00:29:10,930 --> 00:29:15,630 よき関わりを続けていきたいと 願うております! 271 00:29:18,805 --> 00:29:22,805 願うております。 272 00:29:27,947 --> 00:29:36,622 そこまで申すのなら 徳川殿のお好きになさるがよい。 273 00:29:36,622 --> 00:29:38,958 では…! 274 00:29:38,958 --> 00:29:42,829 そのかわり…→ 275 00:29:42,829 --> 00:29:46,299 余も好きにするがの。 276 00:29:46,299 --> 00:30:08,999 ♪♪~ 277 00:30:14,327 --> 00:30:21,027 そうして 天正7年9月15日。 278 00:30:33,012 --> 00:30:37,312 信康 自刃。 279 00:30:40,353 --> 00:30:45,691 一連の騒動は 正室と嫡男を失うという→ 280 00:30:45,691 --> 00:30:51,991 徳川にとって 最悪の結果に終わったのじゃった。 281 00:31:06,646 --> 00:31:10,646 子宝祈願もできなんだな。 282 00:31:12,518 --> 00:31:17,657 かような事が ずっと 繰り返されるのでしょうかね。 283 00:31:17,657 --> 00:31:20,326 武家の世は。 284 00:31:20,326 --> 00:31:24,997 理不尽に命を差し出せと言われ→ 285 00:31:24,997 --> 00:31:29,297 差し出す方は 本懐などと笑い。 286 00:31:32,672 --> 00:31:37,343 いっそ 大名が一堂に会し→ 287 00:31:37,343 --> 00:31:40,680 「やっ」と 盟約を結んでしまえば よいのです。 288 00:31:40,680 --> 00:31:46,018 さすれば 戦も やりにくうなりましょうし→ 289 00:31:46,018 --> 00:31:48,688 戦がなくなれば→ 290 00:31:48,688 --> 00:31:53,025 かような愚かしい命のやり取りも なくなりましょう。 291 00:31:53,025 --> 00:31:58,364 ならば やってみてはどうじゃ? 292 00:31:58,364 --> 00:32:02,635 できるわけが ございませんでしょう。 293 00:32:02,635 --> 00:32:04,570 さような夢のような。 294 00:32:04,570 --> 00:32:08,307 できる事しか やらぬのか。 295 00:32:08,307 --> 00:32:13,607 どうも しみったれた女子じゃのう! 296 00:32:15,181 --> 00:32:22,481 …と 頭がおったら やられておるところじゃのう。 297 00:32:27,326 --> 00:32:37,670 瀬名は 母として 妻として その命を使い切った。 298 00:32:37,670 --> 00:32:46,370 では そなたは 何のために その命を使うのじゃ。 299 00:32:48,014 --> 00:32:53,886 母でも 妻でもない そなたは→ 300 00:32:53,886 --> 00:33:00,293 何に その命をかけるのじゃ。 301 00:33:00,293 --> 00:33:20,313 ♪♪~ 302 00:33:20,313 --> 00:33:22,613 虎松。 303 00:33:24,183 --> 00:33:28,187 虎松を使い→ 304 00:33:28,187 --> 00:33:34,860 徳川に さような世を 目指して頂くよう→ 305 00:33:34,860 --> 00:33:38,331 持っていく。 306 00:33:38,331 --> 00:33:41,031 どうじゃ? 307 00:33:47,673 --> 00:33:51,973 何一つ 使いどころもない命。 308 00:33:54,347 --> 00:34:02,955 ならば 途方もない夢に かけてみたとて→ 309 00:34:02,955 --> 00:34:06,255 誰も何も言いますまい。 310 00:34:13,299 --> 00:34:16,635 (忠世)逃げ出す者が後を絶たぬ? 岡崎でか。 311 00:34:16,635 --> 00:34:19,538 (釜吉)榊原様が 鎮められてはおりますが→ 312 00:34:19,538 --> 00:34:22,975 岡崎の怒りは すさまじく…。 313 00:34:22,975 --> 00:34:26,645 (忠勝) 取り急ぎ それがしが兵を率いて 乗り込んでみましょうか。 314 00:34:26,645 --> 00:34:28,581 (小声で)勝手に決めるな。 (忠世)そうじゃな。→ 315 00:34:28,581 --> 00:34:32,581 では そのように。 勝手に決めるなと申しておる! 316 00:34:57,343 --> 00:35:01,643 おとわ様が いらしております。 317 00:35:21,534 --> 00:35:26,305 今日は 何用で。 318 00:35:26,305 --> 00:35:30,305 うむ。 これをな。 319 00:35:33,646 --> 00:35:38,646 殿に お渡し頂ければと思うて。 320 00:35:44,290 --> 00:35:49,590 とても お渡しできるような ご様子では。 321 00:35:52,998 --> 00:35:55,901 そうか…。 322 00:35:55,901 --> 00:36:02,901 かような事は いつまで 繰り返されるのでしょうかね。 323 00:36:04,610 --> 00:36:08,910 父上や 但馬や…。 324 00:36:10,483 --> 00:36:14,286 同じように 首を望まれ→ 325 00:36:14,286 --> 00:36:19,286 同じように 首を差し出す事を とめられず…。 326 00:36:21,961 --> 00:36:27,633 そなたの父上を救えなんだ時。 327 00:36:27,633 --> 00:36:31,504 私にできた事は→ 328 00:36:31,504 --> 00:36:36,204 父上の変わり身となって 生きる事であった。 329 00:36:41,180 --> 00:36:49,321 死んだ者は どうやったところで 戻ってはこぬ。 330 00:36:49,321 --> 00:36:51,991 生き残った者にできるのは→ 331 00:36:51,991 --> 00:36:59,331 せめて… その志を宿す事だけじゃ。 332 00:36:59,331 --> 00:37:05,031 志を宿す…。 333 00:37:06,605 --> 00:37:13,946 信康様は どのような志を持っておられた。 334 00:37:13,946 --> 00:37:18,284 信康様は…→ 335 00:37:18,284 --> 00:37:26,959 己の立場より お家の行く末を 考えるようなお方で。 336 00:37:26,959 --> 00:37:30,296 皆の信用も厚く→ 337 00:37:30,296 --> 00:37:36,969 殿も 信康様とだけは碁を打たれ…。 338 00:37:36,969 --> 00:37:45,269 ならば そなたが信康様の 変わり身となればよいではないか。 339 00:37:49,315 --> 00:37:53,986 さような 不遜な事が よう言えますな。 340 00:37:53,986 --> 00:37:59,658 ハハッ 不遜。 341 00:37:59,658 --> 00:38:04,658 そなたの口から さような言葉が出るとは。 342 00:38:08,267 --> 00:38:12,938 徳川殿にすれば 息子のごとく→ 343 00:38:12,938 --> 00:38:18,238 お家の行く末を考えてくれる 家臣ができるという事。 344 00:38:20,813 --> 00:38:24,113 ありがたいものじゃと思うがな。 345 00:38:30,289 --> 00:38:32,958 ではの。 346 00:38:32,958 --> 00:38:49,258 ♪♪~ 347 00:38:59,184 --> 00:39:01,587 せ…。 348 00:39:01,587 --> 00:39:03,522 ご無礼を。 349 00:39:03,522 --> 00:39:07,222 お考えが進んでおらぬよう 思われたので。 350 00:39:11,597 --> 00:39:16,268 では もう一度やりましょう。 351 00:39:16,268 --> 00:39:21,140 私が お相手します。 352 00:39:21,140 --> 00:39:26,278 お前は…。 353 00:39:26,278 --> 00:39:30,949 お前は何様のつもりじゃ! 354 00:39:30,949 --> 00:39:37,249 わしは もう 誰にも指図はされぬ。 355 00:39:39,625 --> 00:39:48,300 皆の話を聞いた あげくの果てが このざまじゃ! 356 00:39:48,300 --> 00:39:54,173 わしは もう 誰の言う事も聞いてはやらぬ! 357 00:39:54,173 --> 00:40:00,312 これからは 全て わしが決める! 358 00:40:00,312 --> 00:40:09,655 (泣き声) 359 00:40:09,655 --> 00:40:18,330 (万千代)昔 井伊の先代も 一人で碁を打っておりました。→ 360 00:40:18,330 --> 00:40:22,668 幼い私には 一人に見えましたが→ 361 00:40:22,668 --> 00:40:29,368 和尚に 「あれは一人ではない」と 言われました。 362 00:40:36,682 --> 00:40:42,982 見えぬけれども 相手がおると。 363 00:40:44,556 --> 00:40:49,556 (万千代)その者から 私は碁を教わりました。 364 00:40:54,032 --> 00:40:59,332 その者は 教えてくれました。 365 00:41:01,840 --> 00:41:05,978 負け戦になってしまったら→ 366 00:41:05,978 --> 00:41:11,978 そもそも どこで間違えたかを 確かめよと。 367 00:41:14,987 --> 00:41:20,859 次に 勝つためには。 368 00:41:20,859 --> 00:41:24,859 次に 勝つ…。 369 00:41:29,535 --> 00:41:37,242 負けた意味は 次に勝つためにあると。 370 00:41:37,242 --> 00:41:53,692 ♪♪~ 371 00:41:53,692 --> 00:42:00,299 (万千代)お方様が見ておられます。 372 00:42:00,299 --> 00:42:03,969 考えましょう! 373 00:42:03,969 --> 00:42:09,269 この先の 徳川のために! 374 00:42:16,548 --> 00:42:22,654 まずは 岡崎じゃな。 375 00:42:22,654 --> 00:42:25,557 はい。 376 00:42:25,557 --> 00:42:28,527 忠勝を呼べ! 377 00:42:28,527 --> 00:42:30,527 はっ! 378 00:42:32,331 --> 00:42:35,331 (家康)忠勝 頼みがある。 379 00:42:37,002 --> 00:42:39,905 続く。 380 00:42:39,905 --> 00:42:41,874 何としても 駿河を取りたい! 381 00:42:41,874 --> 00:42:44,877 まずは 高天神じゃ~! 382 00:42:44,877 --> 00:42:47,012 やってみねば 分からぬではないか! 383 00:42:47,012 --> 00:42:48,947 降伏を勧める。 (万千代)降伏…。 384 00:42:48,947 --> 00:42:50,883 (六左衛門)ええ~! 徳川は→ 385 00:42:50,883 --> 00:42:53,685 降伏を受け入れてはならぬ。 386 00:42:53,685 --> 00:42:56,588 強くなるとよいのう 徳川が。 387 00:42:56,588 --> 00:42:59,888 (万千代) 殿を 日の本一の殿にします。 388 00:43:02,294 --> 00:43:04,630 <静岡県浜松市。→ 389 00:43:04,630 --> 00:43:08,500 徳川家康の正室 瀬名は 佐鳴湖の湖岸で→ 390 00:43:08,500 --> 00:43:13,305 家康の家臣の手にかかり 命を落としたと伝わっています。→ 391 00:43:13,305 --> 00:43:16,975 太刀についた瀬名の血を 洗い流した池が→ 392 00:43:16,975 --> 00:43:20,275 かつて この辺りにあったと いわれています> 393 00:43:22,648 --> 00:43:26,985 <武田家との密通を疑われた 嫡男 信康を助けるため→ 394 00:43:26,985 --> 00:43:30,322 浜松城へ向かっていたという説も ありますが→ 395 00:43:30,322 --> 00:43:33,322 真相は謎に包まれています> 396 00:43:34,993 --> 00:43:38,330 <佐鳴湖から3キロほど離れた 地蔵院には→ 397 00:43:38,330 --> 00:43:42,200 瀬名に ゆかりのある仏像が 納められています。→ 398 00:43:42,200 --> 00:43:47,005 瀬名が肌身離さず持っていた 守り石を埋め込んだものだと→ 399 00:43:47,005 --> 00:43:49,305 伝わっています> 400 00:43:52,678 --> 00:43:58,016 <瀬名の死後 ひとつきもせず 信康は自刃。→ 401 00:43:58,016 --> 00:44:03,716 家康は清瀧寺を建立。 信康の菩提を弔いました> 402 00:44:06,625 --> 00:44:11,496 <清水が湧き出るのを見た家康は ここを清瀧寺と名付け→ 403 00:44:11,496 --> 00:44:14,499 信康の おくり名としました。→ 404 00:44:14,499 --> 00:44:19,204 乱世の無情に散った 瀬名と信康。→ 405 00:44:19,204 --> 00:44:24,504 2人の死は 徳川家の悲劇として 語り継がれています>