1 00:00:33,397 --> 00:00:36,800 井伊家当主の一人娘 おとわには➡ 2 00:00:36,800 --> 00:00:41,672 亀之丞 鶴丸という 幼なじみがおった。 3 00:00:41,672 --> 00:00:44,675 じゃが いいなずけの亀之丞は➡ 4 00:00:44,675 --> 00:00:49,146 今川から命を狙われ 行方知れずに。 5 00:00:49,146 --> 00:00:53,484 一方 おとわは 本領安堵の見返りとして➡ 6 00:00:53,484 --> 00:00:57,821 出家をし 次郎法師と名乗る事となった。 7 00:00:57,821 --> 00:01:02,159 (おとわ)とわは 立派な次郎法師になります! 8 00:01:02,159 --> 00:01:07,159 そして 9年の月日が たった。 9 00:01:11,168 --> 00:01:13,504 ≪次郎様。➡ 10 00:01:13,504 --> 00:01:17,841 うちの前に 新しい草鞋が 置いてあったけえが➡ 11 00:01:17,841 --> 00:01:20,511 どういう事かいやぁ。 12 00:01:20,511 --> 00:01:23,180 (次郎)さあ 竜宮小僧が➡ 13 00:01:23,180 --> 00:01:25,516 編んでおいてくれたのでは ないかの。 14 00:01:25,516 --> 00:01:28,185 はあ… ありがたい小僧様じゃ。 15 00:01:28,185 --> 00:01:32,456 次郎様は 小僧様のお知り合いけぇ? 16 00:01:32,456 --> 00:01:38,756 まあ たまに会う事もあるかの。 17 00:01:41,465 --> 00:01:45,335 また よそんちの女に 手ぇ出したらあ! 18 00:01:45,335 --> 00:01:50,635 この かい性もねえくせして! うるせえ! 大食らい! 19 00:01:55,012 --> 00:01:59,483 こちょこちょこちょ…。 ハハハハハッ…! 20 00:01:59,483 --> 00:02:03,153 次郎様! 何なさるでえ~! 21 00:02:03,153 --> 00:02:06,490 すりこ木が折れてしまっては ゴマがすれぬ。 22 00:02:06,490 --> 00:02:09,393 すり鉢が割れてしまっても ゴマはすれぬ。 23 00:02:09,393 --> 00:02:14,093 つまり 飯が食えぬようになる。 24 00:02:16,500 --> 00:02:22,172 お前たちは 2人で一つではないか。 なっ。 25 00:02:22,172 --> 00:02:28,512 夫婦は すりこ木と すり鉢け! うまい事 言うやぁ~。 26 00:02:28,512 --> 00:02:30,848 (笑い声) なっ。 27 00:02:30,848 --> 00:02:34,117 (笑い声) 28 00:02:34,117 --> 00:02:45,729 (読経) 29 00:02:45,729 --> 00:02:50,729 ≪(子どもたちの声) 30 00:02:54,805 --> 00:03:16,827 ♬~(笛) 31 00:03:16,827 --> 00:03:21,527 どうしておるのかのう 亀は…。 32 00:03:23,166 --> 00:06:01,866 ♬~ 33 00:06:10,133 --> 00:06:12,135 このころ 今川は➡ 34 00:06:12,135 --> 00:06:15,005 武田との同盟を後ろ盾に➡ 35 00:06:15,005 --> 00:06:19,476 領土の西方 三河平定に乗り出し➡ 36 00:06:19,476 --> 00:06:24,147 今や その勢いは とどまるところを知らず。 37 00:06:24,147 --> 00:06:30,487 ここ 井伊谷でも 今川寄りの家老 小野和泉守の力が➡ 38 00:06:30,487 --> 00:06:35,092 ますます強大となっていた。 39 00:06:35,092 --> 00:06:39,429 (政直)亀之丞様が 行方知れずになられて 10年。 40 00:06:39,429 --> 00:06:44,768 さすがに そろそろ 次の家督を お決めにならねばならぬ頃かと。 41 00:06:44,768 --> 00:06:47,437 (直盛)そうじゃのう。 42 00:06:47,437 --> 00:06:53,437 一つ それがしに 考えがあるのでございますが。 43 00:07:00,450 --> 00:07:02,786 あ~! 44 00:07:02,786 --> 00:07:05,122 ≪相変わらず たくましうございますな。➡ 45 00:07:05,122 --> 00:07:10,794 次郎様は。 相変わらず 愛きょうがないのう。 鶴は。 46 00:07:10,794 --> 00:07:14,464 もう 子どもではないのですから 鶴は おやめ下さい。 47 00:07:14,464 --> 00:07:17,801 小野但馬守政次でございます。 48 00:07:17,801 --> 00:07:24,474 せめて 名前くらい 愛きょうが あった方がよいと思うがの~。 49 00:07:24,474 --> 00:07:28,174 少し ようございますか。 50 00:07:30,814 --> 00:07:35,652 実は 先日 殿から 内々に お話があり➡ 51 00:07:35,652 --> 00:07:39,422 奥山殿から 嫁をもらわぬかと。 52 00:07:39,422 --> 00:07:42,759 奥山殿から 嫁を? 53 00:07:42,759 --> 00:07:45,428 そして ゆくゆくは➡ 54 00:07:45,428 --> 00:07:49,428 その子を 殿の養子にせぬかという お話であった。 55 00:07:52,769 --> 00:07:58,108 つまり 俺と その奥山殿の娘の子を➡ 56 00:07:58,108 --> 00:08:02,808 次のご当主にという事じゃ。 57 00:08:08,752 --> 00:08:13,657 やはり お断りした方がよいな。 いや! いや そうではない。 58 00:08:13,657 --> 00:08:19,129 いや それは名案なのではないか? 59 00:08:19,129 --> 00:08:23,466 そうなれば 井伊と小野 互いの血を受ける子が➡ 60 00:08:23,466 --> 00:08:26,136 家督を継ぐという事じゃろ? 61 00:08:26,136 --> 00:08:30,136 わだかまりも 解けていくのではないか? 62 00:08:31,942 --> 00:08:36,942 亀の事は もう よいと思うか? 63 00:08:41,618 --> 00:08:45,622 もう 10年じゃ。 64 00:08:45,622 --> 00:08:51,922 生きておったとしても 亀にも 別の暮らしがあろうし…。 65 00:08:56,766 --> 00:09:00,766 おとわは それでよいのか。 66 00:09:10,313 --> 00:09:14,317 今 おとわと言うたぞ。 67 00:09:14,317 --> 00:09:18,788 子どもではないのじゃがの。 68 00:09:18,788 --> 00:09:26,488 ハハハッ… ハハハッ。 69 00:09:28,465 --> 00:09:32,736 (朝利)小野の息子を うちの娘と!? 70 00:09:32,736 --> 00:09:37,607 (直由)それは 小野を井伊の親族に 加えるという事にござりますか? 71 00:09:37,607 --> 00:09:40,076 (直盛)そういう事になるかの。 72 00:09:40,076 --> 00:09:43,747 (直平)お前の仕業か! 和泉!➡ 73 00:09:43,747 --> 00:09:46,082 またしても 今川の威光をかさに! 74 00:09:46,082 --> 00:09:48,985 お決めになったのは 殿にござります。 75 00:09:48,985 --> 00:09:52,422 さような言いようは むしろ 殿に ご無礼かと。 76 00:09:52,422 --> 00:09:56,092 おのれ 殿が お優しいのを よい事に! 中野殿! じじ様! 77 00:09:56,092 --> 00:09:58,762 まことに わしも それがよいと思うたのです。➡ 78 00:09:58,762 --> 00:10:02,632 亀之丞が行方知れずになり もう 10年ですし。 79 00:10:02,632 --> 00:10:06,636 それがしは お断り致す! 80 00:10:06,636 --> 00:10:10,373 娘を 小野になぞ やれませぬ! 81 00:10:10,373 --> 00:10:16,112 政次と嫁御の子が家督を継げば その父は 外祖父。➡ 82 00:10:16,112 --> 00:10:20,984 ならば 是非 奥山殿と思い お頼み申し上げたのですが。➡ 83 00:10:20,984 --> 00:10:24,788 奥山殿が お嫌と申されるのであれば➡ 84 00:10:24,788 --> 00:10:28,658 新野殿に お願いを。 (左馬助)それがしにでござるか!? 85 00:10:28,658 --> 00:10:30,660 あいや! しばし! しばし! 86 00:10:30,660 --> 00:10:35,131 朝利! …はっ。 87 00:10:35,131 --> 00:10:39,803 お返事を お待ち申し上げておりまする。 88 00:10:39,803 --> 00:10:53,817 ♬~ 89 00:10:53,817 --> 00:10:59,155 お前。 亀之丞の事は どうするつもりじゃ! 90 00:10:59,155 --> 00:11:03,827 まさか 見捨てると申すのか! 91 00:11:03,827 --> 00:11:06,730 亀を井伊に戻す事は➡ 92 00:11:06,730 --> 00:11:11,501 もう 望まぬ方が よいのではないでしょうか。 93 00:11:11,501 --> 00:11:15,171 この10年 戻す好機を うかがってきましたが➡ 94 00:11:15,171 --> 00:11:20,844 今川の勢いは増すばかり。 和泉は そこに見事に取り入り…。 95 00:11:20,844 --> 00:11:26,844 となれば 亀を戻す機会は 恐らく 訪れますまい。 96 00:11:30,854 --> 00:11:35,458 (直平) とにかく わしは認めぬからな!➡ 97 00:11:35,458 --> 00:11:38,458 直由 行くぞ! (直由)はっ。 98 00:11:45,802 --> 00:11:49,472 (政直) まあ 早晩まとまるであろう。 99 00:11:49,472 --> 00:11:54,344 川名のご隠居が ほえたところで 奥山は乗り気になるであろうし。 100 00:11:54,344 --> 00:11:57,147 そう言って まとまらなかったのですよね。 101 00:11:57,147 --> 00:12:00,817 10年前の 兄上と おとわ様との夫婦約束は。 102 00:12:00,817 --> 00:12:03,720 軽口をたたくな。 玄蕃。 (政直)ハハハハッ。 103 00:12:03,720 --> 00:12:08,491 10年前とは わしの立場も違えば 今川の強さも違う。 104 00:12:08,491 --> 00:12:11,491 大事なかろう。 105 00:12:13,830 --> 00:12:20,503 この父に感謝せよ。 政次。 お前は 次の殿の父。 106 00:12:20,503 --> 00:12:25,175 井伊は お前のものも同然じゃ。 107 00:12:25,175 --> 00:12:29,045 後見には 奥山殿が手を挙げられるかと。 108 00:12:29,045 --> 00:12:32,982 あんな草鞋 どうにでもなるわ。 (玄蕃)草鞋? 109 00:12:32,982 --> 00:12:40,123 ハハハハハハハッ! あの男 草鞋に似ておらぬか。 110 00:12:40,123 --> 00:12:43,460 父上? 111 00:12:43,460 --> 00:12:47,130 いかがされました! 父上! あ~…。 112 00:12:47,130 --> 00:12:49,830 あっ… ああ! 113 00:12:55,472 --> 00:13:00,810 (瀬名)「次郎法師様。 関口の瀬名でございます。➡ 114 00:13:00,810 --> 00:13:05,148 今日は 大変おめでたい出来事が ございましたので➡ 115 00:13:05,148 --> 00:13:08,148 お知らせ致します」。 116 00:13:12,822 --> 00:13:18,495 ≪お聞きになりまして? ≪北条様ですって? 117 00:13:18,495 --> 00:13:22,832 (瀬名)「今川氏真様に 北条の姫様が嫁いでくる事に➡ 118 00:13:22,832 --> 00:13:25,735 決まったそうにございます」。 119 00:13:25,735 --> 00:13:37,347 ♬~ 120 00:13:37,347 --> 00:13:41,347 (瀬名)「ああ めでたや めでたや」。 121 00:13:44,787 --> 00:13:50,660 (瀬名)「これで 今川は 武田 北条ともに ご縁戚」。 122 00:13:50,660 --> 00:14:00,336 ♬~ 123 00:14:00,336 --> 00:14:05,808 (瀬名)「幼き頃の約束を真に受け 縁談も断ってまいりましたので➡ 124 00:14:05,808 --> 00:14:08,711 私は行き遅れましたが」。 125 00:14:08,711 --> 00:14:15,485 ♬~ 126 00:14:15,485 --> 00:14:21,157 (瀬名) 「家臣の娘一人 行き遅れたとて 何の事がございましょう」。 127 00:14:21,157 --> 00:14:23,826 ♬~ 128 00:14:23,826 --> 00:14:28,826 (瀬名) 「ああ めでたや めでたや!」。 129 00:14:32,101 --> 00:14:39,442 (瀬名)「我が世の春の今川に あわれ打ち捨てられたるは➡ 130 00:14:39,442 --> 00:14:44,442 瀬名と三河の ぼんやりばかりなり」。 131 00:14:49,452 --> 00:14:53,152 (ため息) 132 00:15:00,463 --> 00:15:06,163 今川は ますます 盤石の構えという事か…。 133 00:15:07,804 --> 00:15:11,140 ≪(直平)待て! 南渓!➡ 134 00:15:11,140 --> 00:15:14,811 直由! 逃すな! (直由)お任せ下さい。 135 00:15:14,811 --> 00:15:17,480 (直平)こら! おおじじ様。 136 00:15:17,480 --> 00:15:20,149 おお。 おとわ。 おとわ ちょうどよい。 137 00:15:20,149 --> 00:15:24,020 一つ 祈願してくれぬか。 祈願? 何のでございますか? 138 00:15:24,020 --> 00:15:27,490 実はの 和泉が倒れたらしいのじゃ。 139 00:15:27,490 --> 00:15:29,826 和泉守が 倒れた? 140 00:15:29,826 --> 00:15:33,096 一息で いってしまえばよいものを 粘っておるらしくての。 141 00:15:33,096 --> 00:15:35,431 そこでじゃ。 ぽっくり いってくれるように➡ 142 00:15:35,431 --> 00:15:37,767 祈とうをしてくれぬか。 143 00:15:37,767 --> 00:15:41,437 さような事は 山伏にでも お頼み下さいませ。 144 00:15:41,437 --> 00:15:43,773 お前は うれしくはないのか!? 145 00:15:43,773 --> 00:15:47,443 直満を殺され 亀を追いやった やつを やっと➡ 146 00:15:47,443 --> 00:15:50,443 あの世に送れるのじゃぞ! 147 00:15:54,784 --> 00:15:59,656 何故 おおじじ様は ここまで 小野を嫌われるのですか? 148 00:15:59,656 --> 00:16:02,659 流れ者であった小野の一党を 召し抱え➡ 149 00:16:02,659 --> 00:16:05,128 その才覚を認め 取り立てたのは➡ 150 00:16:05,128 --> 00:16:09,799 そもそも おおじじ様であったと 聞きました。 151 00:16:09,799 --> 00:16:14,671 始まりは 佐名叔母の事かの。 152 00:16:14,671 --> 00:16:16,673 佐名叔母上!? 153 00:16:16,673 --> 00:16:20,810 [ 回想 ] (佐名)ナマグサに 恥を知れと 申し伝えよ! 154 00:16:20,810 --> 00:16:26,683 (直盛) まだ お前が 物心付かぬ頃かの。 ある日 突然➡ 155 00:16:26,683 --> 00:16:32,088 今川は 佐名を人質によこせと 言ってきたのじゃ。 156 00:16:32,088 --> 00:16:34,991 佐名叔母は じじ様の一人娘。 157 00:16:34,991 --> 00:16:39,691 しかも それはそれは 自慢の娘でな。 158 00:16:41,764 --> 00:16:45,435 人質をよこせと言われる事は よくある事じゃ。 159 00:16:45,435 --> 00:16:52,108 じゃが 問題は 佐名叔母を 名指しで来た事でな。 160 00:16:52,108 --> 00:16:56,446 和泉が 佐名叔母上を売ったと。 161 00:16:56,446 --> 00:16:59,746 じじ様は そう仰せだ。 162 00:17:02,118 --> 00:17:05,788 和泉のところへ行ってまいります。 え? 163 00:17:05,788 --> 00:17:09,459 和泉にも 何か 言い分があるやもしれませぬ。 164 00:17:09,459 --> 00:17:21,070 ♬~ 165 00:17:21,070 --> 00:17:25,007 (政次)父上。➡ 166 00:17:25,007 --> 00:17:31,307 聞こえますか? 次郎法師様がおいで下さりました。 167 00:17:37,620 --> 00:17:42,091 あっ どうか そのままで。 168 00:17:42,091 --> 00:17:45,791 (政直)そうはまいりませぬ。 169 00:17:54,437 --> 00:18:02,311 和泉守殿。 佐名叔母上の事を 教えてほしいのです。 170 00:18:02,311 --> 00:18:08,451 佐名叔母上を人質にするよう 今川に進言したのは➡ 171 00:18:08,451 --> 00:18:11,751 そなたなのですか? 172 00:18:17,794 --> 00:18:24,467 (政直)あのころは 今川と北条が闘っておる時で➡ 173 00:18:24,467 --> 00:18:32,275 川名のご隠居様は 「今川を西から 挟み撃ちにしてほしい」という➡ 174 00:18:32,275 --> 00:18:37,046 北条の誘いに乗ろうとしておった。 175 00:18:37,046 --> 00:18:47,690 当時の太守様のお怒りようは すさまじいものであった。➡ 176 00:18:47,690 --> 00:18:52,428 それがしは 事を収めるためには➡ 177 00:18:52,428 --> 00:18:58,768 佐名様を差し出すのが 一番じゃと思うたのです。➡ 178 00:18:58,768 --> 00:19:03,105 佐名様のお美しさは 格別であったし。➡ 179 00:19:03,105 --> 00:19:06,008 女子一人を差し出すだけで➡ 180 00:19:06,008 --> 00:19:12,782 太守様のお怒りが解けるのならば 井伊にとって➡ 181 00:19:12,782 --> 00:19:17,482 これほど うまい手打ちもないと…。 182 00:19:20,122 --> 00:19:29,799 誰も信じて下さるまいが それがしは 井伊の事を思って…。 183 00:19:29,799 --> 00:19:34,799 信じてくれとは申しませぬが。 184 00:19:43,346 --> 00:19:51,754 一本の… 旗が揺れておったのです。 185 00:19:51,754 --> 00:19:58,094 それを見て ある者は 旗が揺れていると言い➡ 186 00:19:58,094 --> 00:20:05,434 ある者は 風が揺れていると言い 言い争いになってしまった。 187 00:20:05,434 --> 00:20:11,734 そこで あるお方が こう言うたのでございます。 188 00:20:14,777 --> 00:20:21,777 揺れているのは 見る者の心だと。 189 00:20:23,786 --> 00:20:29,659 物事というのは 見る者の心によって➡ 190 00:20:29,659 --> 00:20:32,659 変わるものかと。 191 00:20:36,365 --> 00:20:40,665 (泣き声) 192 00:20:46,042 --> 00:20:53,042 では 長居も お疲れであろう。 193 00:20:56,686 --> 00:21:03,159 政次は それがしを嫌うております。➡ 194 00:21:03,159 --> 00:21:10,499 断じて それがしのような 今川の犬にはなりますまい。➡ 195 00:21:10,499 --> 00:21:15,171 井伊の御為に 粉骨砕身致しますと➡ 196 00:21:15,171 --> 00:21:22,871 何とぞ 皆様には そう お伝え下さいませ。 197 00:21:36,125 --> 00:21:38,461 伝えんでよいからな。 198 00:21:38,461 --> 00:21:43,799 伝えたところで 誰も信じてはくれまい。 199 00:21:43,799 --> 00:21:48,099 父上には それとなく お伝えしておく。 200 00:21:50,473 --> 00:21:52,408 かたじけない。 201 00:21:52,408 --> 00:21:57,108 何の。 我は竜宮小僧じゃからな。 202 00:22:09,825 --> 00:22:14,125 (政直)うまくいったか。 203 00:22:16,165 --> 00:22:22,038 (政次) まさか 偽りでございましたのか。 204 00:22:22,038 --> 00:22:27,777 お前は わしを 卑しいと思うておるじゃろ。➡ 205 00:22:27,777 --> 00:22:31,647 なりふり構わぬ うそつきの裏切り者。 206 00:22:31,647 --> 00:22:39,947 己は こうはならぬと わしを ずっと 蔑んでおるじゃろ。 207 00:22:41,791 --> 00:22:46,128 じゃがな 言うておく。 208 00:22:46,128 --> 00:22:52,828 お前は 必ず わしと同じ道をたどるぞ。 209 00:22:55,137 --> 00:22:57,807 和尚様のお心遣いで➡ 210 00:22:57,807 --> 00:23:02,144 私には 次郎法師様や 亀之丞様との間に育んだ➡ 211 00:23:02,144 --> 00:23:05,444 幼い頃からの絆がございます。 212 00:23:09,485 --> 00:23:12,154 井伊の縁戚となりますからには➡ 213 00:23:12,154 --> 00:23:16,025 井伊のお家を第一に 考えていきたいと思うております。 214 00:23:16,025 --> 00:23:21,831 その中でも 小野は さすがに 頼りになると言われる事こそ➡ 215 00:23:21,831 --> 00:23:24,831 まことの勝利かと存じます。 216 00:23:30,840 --> 00:23:37,140 お前は… めでたいやつじゃのう。 217 00:23:40,649 --> 00:23:45,788 小野和泉守政直は それから間もなくして➡ 218 00:23:45,788 --> 00:23:49,658 息を引き取った。 219 00:23:49,658 --> 00:23:57,958 最後は 人の親らしく 政次の事を くれぐれも よしなにと。 220 00:24:01,804 --> 00:24:07,476 政次の縁談話は 和泉に押し切られての事ではない。 221 00:24:07,476 --> 00:24:11,814 あれが 優れた者であるからじゃ。 222 00:24:11,814 --> 00:24:14,514 はい。 223 00:24:20,156 --> 00:24:27,496 その年の夏 今川義元の息子 氏真の婚姻とともに➡ 224 00:24:27,496 --> 00:24:34,103 駿河 甲斐 相模の三国同盟が あいなった。 225 00:24:34,103 --> 00:24:39,775 これにより 今川 北条 武田は それぞれ 憂いなく➡ 226 00:24:39,775 --> 00:24:42,678 領土を押し広げていける事となり。 227 00:24:42,678 --> 00:24:46,448 武田は 南信州に攻め入った。 228 00:24:46,448 --> 00:24:49,351 そして この事は 井伊に➡ 229 00:24:49,351 --> 00:24:54,351 思わぬ波紋を及ぼす事と なったのじゃ。 230 00:25:01,797 --> 00:25:04,097 (直平)おとわ! 231 00:25:06,468 --> 00:25:09,371 おとわ! おおじじ様。 232 00:25:09,371 --> 00:25:12,808 ついに その時が来た! 233 00:25:12,808 --> 00:25:17,680 亀之丞を呼び戻すぞ! 亀を。 234 00:25:17,680 --> 00:25:24,420 (直平)ああ! ハハハハハッ…! 235 00:25:24,420 --> 00:25:31,293 武田の戦火を逃れるため 隠れていた信州から戻ってきた。 236 00:25:31,293 --> 00:25:34,430 そういう筋書きにしようかと 思うておる。 237 00:25:34,430 --> 00:25:40,769 幸い 北条との盟約があいなり 今川も 直満叔父の謀反を➡ 238 00:25:40,769 --> 00:25:43,439 厳しく とがめ立てする気は 薄らいでおろうし。 239 00:25:43,439 --> 00:25:47,739 目の上の たんこぶも なくなりましたしな。 240 00:25:50,112 --> 00:25:52,448 当てこすりではございませぬ。 241 00:25:52,448 --> 00:26:00,322 まこと 亀之丞様を呼び戻すには またとない好機かと存じます。 242 00:26:00,322 --> 00:26:07,463 政次。 言いにくいのだが 亀之丞が帰ってくるとなると。 243 00:26:07,463 --> 00:26:12,134 子を養子にという話は 反故にする という事にございますな。 244 00:26:12,134 --> 00:26:17,434 その 縁談そのものもな。 245 00:26:19,008 --> 00:26:21,810 致し方ございますまい。 246 00:26:21,810 --> 00:26:39,295 ♬~ 247 00:26:39,295 --> 00:26:43,766 亀之丞様の事 お聞きになられたのか。 248 00:26:43,766 --> 00:26:47,102 あ… 鶴も。 249 00:26:47,102 --> 00:26:49,438 縁組みの取り消しと一緒にの。 250 00:26:49,438 --> 00:26:53,108 取り消し? 何故。 251 00:26:53,108 --> 00:27:00,108 まあ 俺が奥山殿でも そうする。 そんな…。 252 00:27:02,117 --> 00:27:05,788 そんな事より 亀が戻ってくるというのに➡ 253 00:27:05,788 --> 00:27:08,457 さほど 喜んでおらぬようではないか。 254 00:27:08,457 --> 00:27:12,328 めでたいとは思うておるのじゃ。 じゃが もう➡ 255 00:27:12,328 --> 00:27:15,798 こんな日は来ぬであろうと 思うておったゆえ…➡ 256 00:27:15,798 --> 00:27:21,136 心構えがの。 心構え? 257 00:27:21,136 --> 00:27:24,807 まあ 亀が戻ってきたところで 出家の身じゃ。 258 00:27:24,807 --> 00:27:28,477 何の関わりもないのじゃが。 259 00:27:28,477 --> 00:27:31,747 亀之丞様の竜宮小僧になるのでは なかったのか? 260 00:27:31,747 --> 00:27:35,447 あ… あんなものは 子どものざれ言じゃ。 261 00:27:38,087 --> 00:27:41,423 しかし 楽しみじゃのう。 亀が どうなっておるか。 262 00:27:41,423 --> 00:27:45,294 あ… そうじゃの。 どのようになっておるかの。 263 00:27:45,294 --> 00:27:50,099 直満殿に そっくりに なっておるかもしれぬの。 264 00:27:50,099 --> 00:27:54,399 (直満)ハハハハハハハッ…! 265 00:27:55,971 --> 00:27:59,108 いや さような事はないのではないか!? 266 00:27:59,108 --> 00:28:02,444 亀は それはそれは かわいらしい童であったし。 267 00:28:02,444 --> 00:28:06,315 大きくなるに従って 父親に似てくるというぞ。 268 00:28:06,315 --> 00:28:10,315 いや そうとは限らぬであろ。 269 00:28:14,056 --> 00:28:15,991 何じゃ。 270 00:28:15,991 --> 00:28:22,765 いや 次郎様の煩悩は すさまじいものじゃと思うてな。 271 00:28:22,765 --> 00:28:25,667 煩悩!? 出家出家と言いながら➡ 272 00:28:25,667 --> 00:28:28,137 どこかで 亀之丞様と一緒になる事を➡ 273 00:28:28,137 --> 00:28:30,072 望んでおられるではないか。 274 00:28:30,072 --> 00:28:34,410 ゆえに さように 顔形をお気になさるのでは? 275 00:28:34,410 --> 00:28:38,280 べ… 別に 我は。 さような意味で 気にしているわけでは。 276 00:28:38,280 --> 00:28:43,980 まあまあ ごゆっくり お考えなされませ。 277 00:28:51,427 --> 00:28:56,427 我の煩悩…。 278 00:29:03,772 --> 00:29:05,707 雑巾になりきれ! 279 00:29:05,707 --> 00:29:09,111 ちりと共に 己の煩悩を取り去るのじゃ! 280 00:29:09,111 --> 00:29:11,780 (一同)はい! 281 00:29:11,780 --> 00:29:14,116 そこ! 煩悩が残っておる! 282 00:29:14,116 --> 00:29:18,987 (南渓)ハハハッ。 ますます お寺が きれいになりそうじゃのう。 283 00:29:18,987 --> 00:29:20,989 (昊天)次郎に 何か お言葉をかけてやった方が➡ 284 00:29:20,989 --> 00:29:24,760 よいのではないですか? 相当 心 乱れておるようで。 285 00:29:24,760 --> 00:29:28,130 次郎 次郎! 大変じゃ!➡ 286 00:29:28,130 --> 00:29:31,733 おぬしの煩悩で 仏様が曇っておられるぞ! 287 00:29:31,733 --> 00:29:36,033 ま… まことにございますか!? 288 00:29:48,083 --> 00:29:53,383 うむ。 もう大事ないか。 289 00:29:56,758 --> 00:30:00,429 誰か分かるか? おとわ。 290 00:30:00,429 --> 00:30:07,302 か… 亀… か? 291 00:30:07,302 --> 00:30:10,105 か… 亀。 292 00:30:10,105 --> 00:30:12,441 何を。 293 00:30:12,441 --> 00:30:17,112 ずっと会いたかった。 294 00:30:17,112 --> 00:30:19,448 亀…。 295 00:30:19,448 --> 00:30:29,791 ♬~ 296 00:30:29,791 --> 00:30:32,791 おとわ。 297 00:30:39,801 --> 00:30:44,101 お… 伯父上~! 298 00:30:47,142 --> 00:30:54,483 煩悩というのは… なんと恐ろしい。 299 00:30:54,483 --> 00:31:11,483 (読経) 300 00:31:30,385 --> 00:31:35,123 (千賀)あの子 山籠もりに行っておるのですか。 301 00:31:35,123 --> 00:31:40,996 うむ… 恐ろしき煩悩を 退治すると言うてな。 302 00:31:40,996 --> 00:31:43,465 (直盛)煩悩…。 303 00:31:43,465 --> 00:31:48,165 さすがに もう そろそろ 戻ってくると思うがの。 304 00:31:49,805 --> 00:31:56,678 あの。 その昔 おとわの還俗の話も あったかと存じますが…。 305 00:31:56,678 --> 00:31:59,481 こたび その辺りは どう…。 306 00:31:59,481 --> 00:32:04,820 そこは 思案どころでな。 307 00:32:04,820 --> 00:32:08,156 ≪(左馬助)おのおの様方! 308 00:32:08,156 --> 00:32:15,456 亀之丞様が 亀之丞様が お戻り召されましたぞ! 309 00:32:18,166 --> 00:32:21,069 見えた! いた いた いた! 310 00:32:21,069 --> 00:32:24,039 亀は どこじゃ! あそこにございます! 311 00:32:24,039 --> 00:32:26,508 (直盛)お~! 312 00:32:26,508 --> 00:33:18,760 ♬~ 313 00:33:18,760 --> 00:33:24,060 (亀之丞)井伊亀之丞。 ただいま 帰参致しました。 314 00:33:27,169 --> 00:33:33,469 亀。 面を上げぃ。 はっ。 315 00:33:40,716 --> 00:33:44,653 随分。 焼けておるの。 316 00:33:44,653 --> 00:33:50,392 はい。 野駆けをよく致しますので。 317 00:33:50,392 --> 00:33:52,794 (たけ)まこと…。 318 00:33:52,794 --> 00:33:59,134 まこと あれが 亀之丞なのですかね。 319 00:33:59,134 --> 00:34:07,809 じじ様。 亀之丞 おかげさまで 無事 井伊に戻る事ができました。 320 00:34:07,809 --> 00:34:10,479 待っておったぞ! 亀!➡ 321 00:34:10,479 --> 00:34:17,179 よう戻ってきた! よう戻ってきた! ハハハハハッ! 322 00:34:18,820 --> 00:34:24,493 (南渓)亀。 和尚様。 323 00:34:24,493 --> 00:34:27,493 誰だか分かるか? 324 00:34:35,103 --> 00:34:38,440 鶴… か? 325 00:34:38,440 --> 00:34:43,140 今は 但馬守政次と申します。 326 00:34:45,781 --> 00:34:50,452 そうか… 大きうなったのう! 鶴! 327 00:34:50,452 --> 00:34:54,122 亀之丞様に 言われたくはございませぬ。 328 00:34:54,122 --> 00:35:04,466 ♬~ 329 00:35:04,466 --> 00:35:16,478 ♬~(歌声) 330 00:35:16,478 --> 00:35:21,349 (直平)そうかそうか。 もう 熱は すっかり出なくなったか。 331 00:35:21,349 --> 00:35:24,352 (亀之丞)ええ。 ごやっかいに なっていた松岡様に➡ 332 00:35:24,352 --> 00:35:27,489 信州の山中で 鍛えて頂きました。 333 00:35:27,489 --> 00:35:30,392 (直由)何が お得意かな。 武術は。 334 00:35:30,392 --> 00:35:33,295 弓が好きでございます。 おお。 では 今度➡ 335 00:35:33,295 --> 00:35:36,298 お手合わせを願えますか? 望むところにございます! 336 00:35:36,298 --> 00:35:39,434 (直平)直由 手加減は無用じゃぞ。 (直由)当然の事!➡ 337 00:35:39,434 --> 00:35:44,105 負けて 年寄り扱いされるわけには まいりませぬ。 338 00:35:44,105 --> 00:35:47,442 飲まぬのなら もらってもよいかの? 339 00:35:47,442 --> 00:35:49,742 どうぞ。 340 00:35:52,113 --> 00:35:55,984 前髪は 落とされなかったのですか? 341 00:35:55,984 --> 00:35:58,787 よい年をして恥ずかしかろうと➡ 342 00:35:58,787 --> 00:36:01,456 松岡様は 気遣って下さったのですが。 343 00:36:01,456 --> 00:36:05,126 元服は井伊でと 心に決めておりました。 344 00:36:05,126 --> 00:36:08,029 (一同)おお! でなければ➡ 345 00:36:08,029 --> 00:36:12,729 お逃がし下さった皆様に 申し訳が立たぬと。 346 00:36:14,803 --> 00:36:17,706 よくぞ申した! 347 00:36:17,706 --> 00:36:20,475 なんという 見上げた心がけじゃ!➡ 348 00:36:20,475 --> 00:36:22,811 直満も 草葉の陰で泣いておろう。➡ 349 00:36:22,811 --> 00:36:26,481 おい! 直盛! 早々に 元服をさせてやれ! 350 00:36:26,481 --> 00:36:28,416 もちろんでございまする。 351 00:36:28,416 --> 00:36:34,089 烏帽子親は…。 (直盛)それは やはり 新野殿に。 352 00:36:34,089 --> 00:36:36,424 それがしに ござりまするか? 353 00:36:36,424 --> 00:36:40,124 (直平)新野殿をおいて ほかにはあるまい。 新野殿。 354 00:37:26,741 --> 00:37:30,741 ただいま 戻りました。 355 00:37:34,616 --> 00:37:38,616 ご苦労に存じます。 ありがとう。 356 00:37:44,092 --> 00:37:46,428 (亀之丞)よければ こちらも。 357 00:37:46,428 --> 00:37:49,728 ありがとうございます。 358 00:37:52,100 --> 00:37:55,770 (亀之丞)どうでしたか? 山籠もりの方は。 359 00:37:55,770 --> 00:38:01,109 おかげさまで 少しは平静になれた気が致します。 360 00:38:01,109 --> 00:38:06,809 これで 動揺せずに会える気が…。 361 00:38:14,456 --> 00:38:18,756 久しいの。 おとわ。 362 00:38:24,799 --> 00:38:28,099 亀だ。 亀。 分からぬか。 363 00:38:37,379 --> 00:38:41,079 むさ苦しうなってしまって 分からぬか。 364 00:38:43,084 --> 00:38:49,384 それとも 忘れてしまっておったか? 365 00:38:54,429 --> 00:38:58,729 忘れるわけが あるまい。 366 00:39:01,102 --> 00:39:05,402 忘れる… わけが。 367 00:39:07,976 --> 00:39:11,112 よかった。 368 00:39:11,112 --> 00:39:29,464 ♬~ 369 00:39:29,464 --> 00:39:35,070 傑山さん。 (傑山)ん? どうしたのですか? 370 00:39:35,070 --> 00:39:38,406 間違いがあってはならんからの。 371 00:39:38,406 --> 00:39:41,106 間違い? 372 00:39:54,956 --> 00:39:59,094 こんなに小さかったか。 373 00:39:59,094 --> 00:40:01,429 おとわ。 井戸は こんなに小さかったか。 374 00:40:01,429 --> 00:40:05,767 井戸は変わらぬ。 亀之丞が大きくなったのじゃ。 375 00:40:05,767 --> 00:40:09,067 何か怒っておるのか。 376 00:40:14,109 --> 00:40:18,780 驚いたじゃろ。 かような…。 377 00:40:18,780 --> 00:40:24,119 出家した事は 和尚様の便りで 知っておったからな。 378 00:40:24,119 --> 00:40:27,989 そうなのか。 379 00:40:27,989 --> 00:40:37,665 おとわは縁談を断り 出家し 俺の竜宮小僧になると言ったと。 380 00:40:37,665 --> 00:40:41,469 まとめると 随分 殊勝に聞こえるが➡ 381 00:40:41,469 --> 00:40:45,469 まことの顛末は 成り行きと申すか…。 382 00:40:47,142 --> 00:40:50,812 俺はの おとわ。 383 00:40:50,812 --> 00:40:53,715 俺は それを聞いて…➡ 384 00:40:53,715 --> 00:40:59,821 はいつくばっても 井伊に戻ろうと思った。 385 00:40:59,821 --> 00:41:04,492 熱を出した時も おとわの顔が浮かんだ。 386 00:41:04,492 --> 00:41:10,165 追っ手に斬られそうになり 山中をさまよった時も。 387 00:41:10,165 --> 00:41:13,501 こんな所では終われぬ。 388 00:41:13,501 --> 00:41:20,842 もう一度 生きて おとわに会うのだと。 389 00:41:20,842 --> 00:41:38,793 ♬~ 390 00:41:38,793 --> 00:41:46,467 俺が戻ってこられたのは おとわのおかげじゃ。 391 00:41:46,467 --> 00:42:00,481 ♬~ 392 00:42:00,481 --> 00:42:04,152 亀之丞様。 393 00:42:04,152 --> 00:42:12,827 もし まことに 感謝をして下さっておるなら➡ 394 00:42:12,827 --> 00:42:18,700 これからは 父上の子となり 助けてさしあげてほしい。 395 00:42:18,700 --> 00:42:23,171 妻をめとり 子を大いにもうけ➡ 396 00:42:23,171 --> 00:42:31,045 父上や母上や 井伊の皆を 大いに喜ばせてやってほしい。 397 00:42:31,045 --> 00:42:37,685 我は ここで 精いっぱい 竜宮小僧をするゆえ。 398 00:42:37,685 --> 00:42:42,123 一体 何の話をしているのだ。 399 00:42:42,123 --> 00:42:46,794 おとわは 俺の妻になるのだろ? 400 00:42:46,794 --> 00:42:50,465 何を。 我は もう出家の身じゃし。 401 00:42:50,465 --> 00:42:55,803 そんなもの 還俗すればよいではないか。 402 00:42:55,803 --> 00:43:01,476 還俗…。 403 00:43:01,476 --> 00:43:06,776 俺は おとわと一緒になるつもりじゃ。 404 00:43:08,349 --> 00:43:11,152 続く。 405 00:43:11,152 --> 00:43:14,055 情に流され おとわと添う事は得策なのか? 406 00:43:14,055 --> 00:43:16,024 では おとわは それでよいのか! あ? 407 00:43:16,024 --> 00:43:18,493 捨て石になれという事です。 おとわは そなたのものには➡ 408 00:43:18,493 --> 00:43:22,363 ならぬぞ。 それは 何故じゃと思う? 409 00:43:22,363 --> 00:43:27,502 (朝利)これで 井伊のお家も 安泰でございますな。 410 00:43:27,502 --> 00:43:31,202 死ぬのは おとわだけだ。 はあ!? 411 00:43:34,108 --> 00:43:36,778 <長野県高森町。➡ 412 00:43:36,778 --> 00:43:42,778 亀之丞が 今川の手から逃れ およそ10年 過ごした地です> 413 00:43:50,124 --> 00:43:55,424 <亀之丞は この松源寺に 身を寄せていました> 414 00:44:02,704 --> 00:44:07,675 <この地を治める松岡氏の下で 弓や武術の稽古に励んでいたと➡ 415 00:44:07,675 --> 00:44:10,675 地元では伝わっています> 416 00:44:13,147 --> 00:44:16,050 <ふるさとへの思いをはせた 亀之丞に➡ 417 00:44:16,050 --> 00:44:19,050 悲願の時がやって来ます> 418 00:44:20,822 --> 00:44:24,692 <ここは 浜松市にある…> 419 00:44:24,692 --> 00:44:29,692 <亀之丞が 幼い頃に訪れた社と いわれています> 420 00:44:32,100 --> 00:44:36,437 <亀之丞は 帰還の際 感謝のしるしとして➡ 421 00:44:36,437 --> 00:44:41,137 ここに 青葉の笛を 奉納したと 伝わっています> 422 00:44:43,778 --> 00:44:45,713 <亀之丞の帰還。➡ 423 00:44:45,713 --> 00:44:51,713 それは 井伊家にもたらされた 待望の知らせだったのです> 424 00:45:33,161 --> 00:45:36,197 <雲霧仁左衛門と その一党は➡ 425 00:45:36,197 --> 00:45:41,035 藤堂家江戸家老 磯部主膳に 取り入る御用商人から➡ 426 00:45:41,035 --> 00:45:45,506 鮮やかな手口で 金を盗み出した。 これによって➡ 427 00:45:45,506 --> 00:45:51,179 藤堂和泉守の老中就任のための 金脈は断たれた。➡ 428 00:45:51,179 --> 00:45:54,849 仁左衛門への報復に燃える 磯部は➡ 429 00:45:54,849 --> 00:46:00,721 剣客 関口雄介を放ち 新たな襲撃を画策する。➡