1 00:00:33,885 --> 00:00:37,288 (元康)えい えい! (一同)お~! 2 00:00:37,288 --> 00:00:40,959 今川を捨てて 故郷の岡崎に戻った➡ 3 00:00:40,959 --> 00:00:43,294 松平元康。 4 00:00:43,294 --> 00:00:46,965 (氏真) 松平の人質を皆殺しにせよ! 5 00:00:46,965 --> 00:00:49,868 その裏切りに激怒した今川は➡ 6 00:00:49,868 --> 00:00:54,639 元康の妻 瀬名に 自害を命じる。 7 00:00:54,639 --> 00:00:58,309 瀬名を救うべく 次郎は 駿府に向かったが➡ 8 00:00:58,309 --> 00:01:02,180 時 既に遅し。 …と その時。 9 00:01:02,180 --> 00:01:06,184 (叫び声) 10 00:01:06,184 --> 00:01:08,484 (南渓)次郎! 危ない! 11 00:01:11,322 --> 00:01:15,660 (傑山)大事ないか! 次郎! (次郎)はい…。 12 00:01:15,660 --> 00:01:18,329 (瀬名)数正。 13 00:01:18,329 --> 00:01:23,001 (数正)松平元康が家臣 石川数正と申す!➡ 14 00:01:23,001 --> 00:01:27,872 鵜殿長照殿の忘れ形見を 人質として預かっておりまする! 15 00:01:27,872 --> 00:01:33,872 瀬名殿 竹千代君 亀姫様と お引き換え願います! 16 00:01:37,949 --> 00:01:40,852 これが 後に語りぐさとなる➡ 17 00:01:40,852 --> 00:01:46,958 元康による 瀬名の人質交換劇でござった。 18 00:01:46,958 --> 00:04:24,958 ♬~ 19 00:04:28,319 --> 00:04:31,656 危うく 難を逃れた瀬名は➡ 20 00:04:31,656 --> 00:04:37,261 元康の待つ岡崎へ 発つ事とあいなった。 21 00:04:37,261 --> 00:04:41,933 これからも 便りはできるのかの。 22 00:04:41,933 --> 00:04:47,633 もう 次郎様とも 敵味方になるのですね。 23 00:04:49,607 --> 00:04:52,607 表向きはの。 24 00:04:57,949 --> 00:05:02,820 (佐名)兄上 次郎様。 25 00:05:02,820 --> 00:05:08,820 こたびは まことに ありがとうございました。 26 00:05:15,500 --> 00:05:18,269 (佐名)覚えていますか? 27 00:05:18,269 --> 00:05:24,569 あなた いつか 今川を手に入れる と言っていたんですよ。 28 00:05:26,644 --> 00:05:30,515 夢みがちな子で ございました。 29 00:05:30,515 --> 00:05:37,588 私は 大層うれしかったですよ。➡ 30 00:05:37,588 --> 00:05:45,263 あなたは 幼いながらに 私の心の内を感じ取り➡ 31 00:05:45,263 --> 00:05:49,963 私の仇を討とうとして くれていたのでしょう? 32 00:05:55,273 --> 00:05:57,973 瀬名。 33 00:06:03,948 --> 00:06:12,957 岡崎へ行けば あなたと私は 敵となります。 34 00:06:12,957 --> 00:06:20,298 なれど 迷う事はありません。 35 00:06:20,298 --> 00:06:26,298 今度こそ 今川を手に入れなさい。 36 00:06:27,972 --> 00:06:34,972 (佐名)それが あなたなら 母は本望です。 37 00:06:38,249 --> 00:06:40,549 はい。 38 00:06:42,920 --> 00:06:49,594 この後 佐名は 娘婿 松平元康の謀反の廉で➡ 39 00:06:49,594 --> 00:06:52,930 自害に追い込まれる。 40 00:06:52,930 --> 00:07:00,630 これを最後に 瀬名は 二度と 佐名に会う事はなかったのじゃ。 41 00:07:02,607 --> 00:07:13,618 ≪(読経) 42 00:07:13,618 --> 00:07:17,955 (読経) 43 00:07:17,955 --> 00:07:22,293 どなたか亡くなられたのか? 44 00:07:22,293 --> 00:07:24,993 昊天さん! 45 00:07:28,165 --> 00:07:30,635 (昊天)次郎!➡ 46 00:07:30,635 --> 00:07:34,238 あなたが勝手に飛び出すから 皆 心配されていたのですよ! 47 00:07:34,238 --> 00:07:36,574 あ…。 48 00:07:36,574 --> 00:07:39,874 (直親)無事ならばよいのだ。 49 00:07:46,917 --> 00:07:50,788 お互いの人質を取り替える…。 50 00:07:50,788 --> 00:07:56,088 松平元康様というのは 面白い策を考えるお方じゃな。 51 00:07:57,928 --> 00:08:01,599 あっ 命乞いは どなたにしたのじゃ? 52 00:08:01,599 --> 00:08:06,470 大方様じゃが… 変わっておられたの。 53 00:08:06,470 --> 00:08:10,608 どんなふうに? 昔は おおらかであられたが➡ 54 00:08:10,608 --> 00:08:16,308 もう さような余裕は なくしておられるようであった。 55 00:08:24,155 --> 00:08:27,625 今川は 盛り返せぬかもしれぬの。 56 00:08:27,625 --> 00:08:42,573 ♬~ 57 00:08:42,573 --> 00:08:47,244 お上手でございまする。 さあ もう一度。 58 00:08:47,244 --> 00:08:49,914 お上手でございます。 59 00:08:49,914 --> 00:08:54,785 鞠など うまくなっても 詮ない事ぞ。➡ 60 00:08:54,785 --> 00:09:00,485 そなたには 鞠を蹴る場も のうなるかもしれぬ。 61 00:09:06,931 --> 00:09:09,931 (寿桂尼)よくお分かりで。 62 00:09:12,803 --> 00:09:19,510 (寿桂尼)元康は こたびの事で また 名を上げた。 63 00:09:19,510 --> 00:09:23,481 瞬く間に 三河を制し➡ 64 00:09:23,481 --> 00:09:28,481 やがては 駿河へと攻め込みましょう。 65 00:09:30,955 --> 00:09:34,225 そして 人は言うのでしょうね。 66 00:09:34,225 --> 00:09:40,564 あの大今川を潰したのは 義元公の息子。 67 00:09:40,564 --> 00:09:45,903 あれは まことに 能なしであったと。 68 00:09:45,903 --> 00:09:49,573 誰がやろうと同じじゃ! 69 00:09:49,573 --> 00:09:53,911 将も兵も失い 戦おうにも 満足に戦えぬ。 70 00:09:53,911 --> 00:09:58,249 それを見た恩知らずどもは 次から次へと寝返り➡ 71 00:09:58,249 --> 00:10:00,918 ますます戦えぬようになる。 72 00:10:00,918 --> 00:10:06,918 この流れを どこの誰が 止められると言うのですか! 73 00:10:12,263 --> 00:10:18,602 事というのは 起こさせねばよいのです。 74 00:10:18,602 --> 00:10:24,302 起こる前に 握り潰すのです。 75 00:10:40,291 --> 00:10:43,194 次郎法師様はおられますか? 76 00:10:43,194 --> 00:10:49,967 松平元康様より こたびのお礼を お持ち致しました。 77 00:10:49,967 --> 00:10:51,902 お礼…? 78 00:10:51,902 --> 00:10:54,839 瀬名様のお命をお救い頂いた お礼です。 79 00:10:54,839 --> 00:10:59,643 どうぞ お納め下さいませ。 80 00:10:59,643 --> 00:11:04,943 それから こちらを井伊の殿に。 81 00:11:23,667 --> 00:11:26,003 何と書いてあるのじゃ。 82 00:11:26,003 --> 00:11:29,340 別段。 ごく普通の礼状じゃ。 83 00:11:29,340 --> 00:11:33,611 使いの方は。 まだ 寺にいらっしゃるが。 84 00:11:33,611 --> 00:11:35,546 お返事をお書きするゆえ➡ 85 00:11:35,546 --> 00:11:38,482 明日まで お泊まり頂くよう 言ってもらえるか。 86 00:11:38,482 --> 00:11:41,782 まあ 構わぬが…。 87 00:11:43,621 --> 00:11:48,921 (政次) 「松平より 鷹狩りへの招き」。 88 00:11:51,495 --> 00:11:56,967 (政次) かようなものを目付けに見せ どうなさるおつもりで。 89 00:11:56,967 --> 00:11:59,303 松平と内通をするぞと➡ 90 00:11:59,303 --> 00:12:01,238 言っておられるようなものでは ないですか。 91 00:12:01,238 --> 00:12:05,976 恐らく 今川は もう立ち直れまい。➡ 92 00:12:05,976 --> 00:12:08,879 その道連れになるのは 真っ平じゃ。 93 00:12:08,879 --> 00:12:15,579 となれば どこかで 松平と接触せねばならぬ。 94 00:12:20,324 --> 00:12:23,994 (直親)松平は今 この辺りまで来ておる。➡ 95 00:12:23,994 --> 00:12:31,669 1年も後には その波は 遠江まで達しよう。 96 00:12:31,669 --> 00:12:33,604 じかに会うのは まだ早かろう。 97 00:12:33,604 --> 00:12:37,274 じゃが 前もって 手を組めばこそ やれる事というものもあろう。 98 00:12:37,274 --> 00:12:40,945 その前に 今川に謀反の疑いを かけられるやもしれんがな。 99 00:12:40,945 --> 00:12:46,645 だから 政次に 決めてもらわねばならぬのだ。 100 00:12:54,491 --> 00:12:58,495 選ぶ余地など ないではないか。 101 00:12:58,495 --> 00:13:04,195 俺とて 今川と共倒れなど ごめんだ。 102 00:13:07,972 --> 00:13:15,846 そのかわり 2つ お約束頂きたい。 103 00:13:15,846 --> 00:13:20,551 一つは 今川の間者は どこにおるか分かりませぬ。 104 00:13:20,551 --> 00:13:24,521 この件は 決して 口外なさらぬ事。 105 00:13:24,521 --> 00:13:27,324 もう一つは。 106 00:13:27,324 --> 00:13:31,195 私に 一切をお知らせ下さる事。 107 00:13:31,195 --> 00:13:36,195 でなければ いざという時に 守りきれませぬ。 108 00:13:37,935 --> 00:13:40,935 ご承知頂けますか? 109 00:13:44,608 --> 00:13:49,608 選ぶ余地など ないではないか。 110 00:13:55,953 --> 00:14:03,953 して 直親は 招きに応じて 鷹狩りへと向かったのでござった。 111 00:14:12,503 --> 00:14:17,803 松平様。 井伊直親様が お着きになられました。 112 00:14:29,853 --> 00:14:34,591 ≪井伊直親殿にあらせられるか。 113 00:14:34,591 --> 00:14:37,291 はい。 114 00:14:41,265 --> 00:14:46,565 それがし 松平元康にござる。 115 00:14:57,281 --> 00:15:00,617 こたびは 妻子の命乞いをして頂き➡ 116 00:15:00,617 --> 00:15:04,488 まこと 助かり申した! いえ…。 117 00:15:04,488 --> 00:15:06,957 次郎法師様が いて下さらなんだら➡ 118 00:15:06,957 --> 00:15:10,627 数正が着く前に 瀬名たちは殺されておった! 119 00:15:10,627 --> 00:15:13,964 この元康 井伊のためなら➡ 120 00:15:13,964 --> 00:15:18,964 向後 どのような お力添えも 惜しむまいと思うております! 121 00:15:24,608 --> 00:15:31,315 「今後 松平は 井伊のご恩に報う事」…。 122 00:15:31,315 --> 00:15:35,185 わざわざ 感状を頂いての。 123 00:15:35,185 --> 00:15:38,122 どんなお方であった。 124 00:15:38,122 --> 00:15:42,926 お年の割に 貫禄のある 精かんな顔つきのお方で➡ 125 00:15:42,926 --> 00:15:46,926 手に 刀傷があられた。 126 00:15:54,538 --> 00:15:58,942 政次は 嫁をもらわぬのか? 127 00:15:58,942 --> 00:16:04,615 酒の上でじゃが 縁組みの話も 少し出てな。 128 00:16:04,615 --> 00:16:09,486 それは 中野殿か 奥山殿にでも。 129 00:16:09,486 --> 00:16:11,955 何故 身を固めぬのじゃ。 130 00:16:11,955 --> 00:16:14,625 小野の家の事もあるじゃろ。 131 00:16:14,625 --> 00:16:19,325 小野は 亥之助が継げばよいし。 132 00:16:20,964 --> 00:16:24,264 私は 一人でよいです。 133 00:16:29,973 --> 00:16:32,576 今川の下から脱すれば➡ 134 00:16:32,576 --> 00:16:36,914 次郎の還俗は すぐさま できるわけじゃが。 135 00:16:36,914 --> 00:16:40,584 そうなれば 俺は➡ 136 00:16:40,584 --> 00:16:44,884 お前と一緒になるのがいいのでは ないかと思うておるが。 137 00:16:47,457 --> 00:16:50,928 次郎様が お望みにはならぬでしょう。 138 00:16:50,928 --> 00:16:53,228 分からぬぞ。 139 00:17:00,604 --> 00:17:03,904 全て 次郎様のお好きに。 140 00:17:06,944 --> 00:17:09,279 これまで我慢されてきた分➡ 141 00:17:09,279 --> 00:17:13,617 何もかも 好きに おできになるよう…。 142 00:17:13,617 --> 00:17:18,917 殿には そう お計らい頂ければと 存じます。 143 00:17:20,490 --> 00:17:23,190 そうじゃな。 144 00:17:29,967 --> 00:17:32,267 どうしたのじゃ。 145 00:17:34,571 --> 00:17:37,908 (政次)次郎様の嫁入り先について 話しておったのじゃ。 146 00:17:37,908 --> 00:17:40,577 あ!? 147 00:17:40,577 --> 00:17:43,247 (政次)ざれ言じゃ。➡ 148 00:17:43,247 --> 00:17:50,120 もし 今川や三河に嫁入りしたら どうなるであろうかと。 149 00:17:50,120 --> 00:17:54,591 へえ どうなるのじゃ。 150 00:17:54,591 --> 00:17:57,494 どうせ すぐに飛び出す。 151 00:17:57,494 --> 00:18:03,600 (笑い声) 152 00:18:03,600 --> 00:18:06,937 そなたらは 思い違いをしておる。 153 00:18:06,937 --> 00:18:11,237 私ほど 尽くす女子はおらぬぞ。 154 00:18:15,279 --> 00:18:19,616 あれは どれが正しい答えで あったのであろうな。➡ 155 00:18:19,616 --> 00:18:23,954 井戸の子が なぜ助かったか。 156 00:18:23,954 --> 00:18:28,292 和尚様に 正解は聞けぬままじゃな。 157 00:18:28,292 --> 00:18:33,592 あ。 あれは どれも正解らしいぞ。 158 00:18:35,565 --> 00:18:37,501 そうなのか。 159 00:18:37,501 --> 00:18:41,501 答えは 一つとは限らぬのじゃ。 160 00:18:46,576 --> 00:19:02,576 (笑い声) 161 00:19:05,595 --> 00:19:09,466 (政次)よし。 ではな。➡ 162 00:19:09,466 --> 00:19:13,270 駿府に いつものご挨拶だ。 163 00:19:13,270 --> 00:19:18,608 (直親)よろしく頼むぞ。 家老殿。 164 00:19:18,608 --> 00:19:20,908 うむ。 165 00:19:27,951 --> 00:19:33,223 何やら 昔に戻ったようじゃの。 166 00:19:33,223 --> 00:19:37,223 竜宮小僧様のおかげでの。 167 00:19:53,910 --> 00:19:59,249 (鼻歌) 168 00:19:59,249 --> 00:20:02,919 何か よい事でもありましたか。 169 00:20:02,919 --> 00:20:07,257 日々是好日です。 170 00:20:07,257 --> 00:20:09,257 そうですか。 171 00:20:10,927 --> 00:20:13,597 (鼻歌) 172 00:20:13,597 --> 00:20:16,897 ≪次郎法師様はおられるか? 173 00:20:18,935 --> 00:20:22,606 私にございますが。 174 00:20:22,606 --> 00:20:26,476 (南渓)常慶ではないか。 175 00:20:26,476 --> 00:20:29,479 お知り合いにございますか? 176 00:20:29,479 --> 00:20:32,616 (南渓)あちこち回っておる 風来坊での。 177 00:20:32,616 --> 00:20:36,286 どうしたのじゃ。 今日は。 178 00:20:36,286 --> 00:20:42,959 (常慶)松平元康様より お礼の品をお持ちしました。 179 00:20:42,959 --> 00:20:47,659 お礼は もう 頂きましたが。 180 00:20:51,635 --> 00:20:54,971 (藤七郎)よき折を見て 岡崎にも参られますか? 181 00:20:54,971 --> 00:21:00,844 いや みだりに動いては まだ危なかろう。 182 00:21:00,844 --> 00:21:03,647 ≪直親! 183 00:21:03,647 --> 00:21:06,983 直親! どうしたのじゃ。 184 00:21:06,983 --> 00:21:12,683 我らは… 我らは 今川に はかられたのかもしれぬ! 185 00:21:19,329 --> 00:21:22,666 (寿桂尼)忙しいところ すまぬの。 186 00:21:22,666 --> 00:21:26,002 (政次) お声がかり 恐悦至極に存じます。 187 00:21:26,002 --> 00:21:28,338 (寿桂尼)そうか…。➡ 188 00:21:28,338 --> 00:21:36,038 実は 井伊が松平と内通している という噂を耳にしてな。 189 00:21:39,616 --> 00:21:41,952 まことにございますか? 190 00:21:41,952 --> 00:21:47,290 それがしは存じ上げませぬが。 何故に そのような。 191 00:21:47,290 --> 00:21:54,290 実は かようなものが 持ち込まれたのじゃ。 192 00:22:02,305 --> 00:22:06,176 (寿桂尼)そちらの殿が 書かれたようであるが➡ 193 00:22:06,176 --> 00:22:12,315 松平と鷹狩りに行かれたのか。 194 00:22:12,315 --> 00:22:15,218 (政次)いや 存じ上げませぬ。 195 00:22:15,218 --> 00:22:23,927 しかし 殿の筆とは 少し違いますような。 196 00:22:23,927 --> 00:22:26,927 そうか。 197 00:22:33,603 --> 00:22:39,303 (寿桂尼)この者が 持ち込んできたのじゃがの。 198 00:22:45,215 --> 00:22:47,617 [ 回想 ] (政次)どんなお方であった。 199 00:22:47,617 --> 00:22:51,617 手に 刀傷があられた。 200 00:22:56,960 --> 00:22:59,629 今川の仕掛けた罠。 201 00:22:59,629 --> 00:23:02,966 (南渓) 恐らく 井伊は試されたのじゃ。 202 00:23:02,966 --> 00:23:06,266 裏切る前に その芽を摘んでおこうとな。 203 00:23:08,838 --> 00:23:11,641 (寿桂尼)もう一度 聞く。 204 00:23:11,641 --> 00:23:16,341 そなたは 全く あずかり知らぬ事なのじゃな。 205 00:23:17,981 --> 00:23:25,281 まさか 目付けでありながら 加担しておったのではあるまいな。 206 00:23:27,324 --> 00:23:30,024 (寿桂尼)答えられよ。 207 00:23:31,928 --> 00:23:35,228 答えを選ばれよ。 208 00:23:46,276 --> 00:23:49,976 (政次) 選ぶ余地など ございませぬ。 209 00:23:52,148 --> 00:23:56,620 父の代より 恩顧を受けました。 210 00:23:56,620 --> 00:24:03,920 私は 今川様の目付けにございます。 211 00:24:08,965 --> 00:24:15,839 政次は… 政次は 今 駿府におるのじゃろ。 212 00:24:15,839 --> 00:24:18,975 政次は この事は知っておるのか。 213 00:24:18,975 --> 00:24:23,313 この際 松平に お助けを願おう。➡ 214 00:24:23,313 --> 00:24:25,649 松平に合力頂ければ➡ 215 00:24:25,649 --> 00:24:27,984 今川に踏み込まれても 戦う事ができよう。 216 00:24:27,984 --> 00:24:31,321 場合によっては 戦わず 取り引きできるかもしれませぬ。 217 00:24:31,321 --> 00:24:34,924 和尚様 岡崎へ行って下さりませぬか。 218 00:24:34,924 --> 00:24:39,596 分かった。 書状を頼む。 はい。 219 00:24:39,596 --> 00:24:44,296 直親! 政次は この事を。 後だ。 今は考えぬ。 220 00:24:50,940 --> 00:24:52,876 和尚様。 221 00:24:52,876 --> 00:24:55,812 私も お連れ下さいませぬか。 222 00:24:55,812 --> 00:25:15,632 ♬~ 223 00:25:15,632 --> 00:25:17,567 ≪(足音) 224 00:25:17,567 --> 00:25:21,304 (左馬助)失礼致しまする。 225 00:25:21,304 --> 00:25:27,977 今 それがしのところに 今川より 使いの者が参り。 226 00:25:27,977 --> 00:25:33,583 問いただしたい事があるゆえ 直親様に 急ぎ 駿府まで➡ 227 00:25:33,583 --> 00:25:39,456 申し開きに参るようにとの 下知が参ったのでございますが。 228 00:25:39,456 --> 00:25:42,456 これは…。 229 00:25:58,274 --> 00:26:00,974 いかがであった 常慶。 230 00:26:03,947 --> 00:26:09,619 今 合力する事はできぬとの お答えにございました。 231 00:26:09,619 --> 00:26:11,554 何故じゃ! 232 00:26:11,554 --> 00:26:15,291 (常慶)今 ここから 井伊にまで 兵を出す余力は➡ 233 00:26:15,291 --> 00:26:19,629 松平には ござらぬとの事に ございます。 234 00:26:19,629 --> 00:26:21,965 何故 さような事が言える! 235 00:26:21,965 --> 00:26:25,665 こちらは 助けてやったではないか! 236 00:26:28,304 --> 00:26:32,175 瀬名様は どちらにおられる。 237 00:26:32,175 --> 00:26:34,577 寺です。 238 00:26:34,577 --> 00:26:37,480 何故 さような所に。 239 00:26:37,480 --> 00:26:42,252 瀬名様たちは 捨て置かれるはずで ございました。➡ 240 00:26:42,252 --> 00:26:45,922 三河の者たちは 今川の出の妻子など➡ 241 00:26:45,922 --> 00:26:48,258 捨て置けばよいと。 242 00:26:48,258 --> 00:26:52,595 それを殿や石川様が あまりに忍びないと➡ 243 00:26:52,595 --> 00:26:56,595 ああいう苦肉の策に 出られたのでございます。 244 00:27:01,604 --> 00:27:05,275 その寺は どこにある! 245 00:27:05,275 --> 00:27:08,611 えい えい えい! 246 00:27:08,611 --> 00:27:14,951 来い。 えい えい えい! 来い。 247 00:27:14,951 --> 00:27:19,622 ≪(物音) 248 00:27:19,622 --> 00:27:21,558 次郎様。 249 00:27:21,558 --> 00:27:27,497 瀬名様。 お願いじゃ。 お助け下され。 250 00:27:27,497 --> 00:27:31,634 私と一緒に 井伊に来て下され。 251 00:27:31,634 --> 00:27:38,241 私と竹千代を人質にして 松平の 合力を取り付けたいと。 252 00:27:38,241 --> 00:27:42,579 事がなれば すぐにでも こちらへ お返しする。 253 00:27:42,579 --> 00:27:50,253 頼む。 なれど 私どもでは 人質になりませぬ。 254 00:27:50,253 --> 00:27:54,924 聞いておる。 ならば。 255 00:27:54,924 --> 00:27:59,596 なれど 元康様は 駿府で 人質となっておった瀬名様を➡ 256 00:27:59,596 --> 00:28:03,933 お助け下さったではないか。 ならば こたびも。 257 00:28:03,933 --> 00:28:09,233 こたびこそ 捨て置かれるだけにございます。 258 00:28:10,807 --> 00:28:14,807 我らには もう 後がないのじゃ! 259 00:28:21,484 --> 00:28:24,184 分かりました。 260 00:28:26,189 --> 00:28:30,889 すぐに 支度を致しますゆえ。 しばし お待ちを。 261 00:28:33,897 --> 00:28:36,597 かたじけのうございます! 262 00:28:45,508 --> 00:28:50,246 和尚様。 お待たせしました。 263 00:28:50,246 --> 00:28:56,586 (扉が閉まる音) 264 00:28:56,586 --> 00:29:04,260 瀬名様。 これは これは いかなる事じゃ! 265 00:29:04,260 --> 00:29:07,163 私は 参れませぬ! 266 00:29:07,163 --> 00:29:11,935 瀬名様! なぜ! 267 00:29:11,935 --> 00:29:15,271 井伊に置き去りにされては➡ 268 00:29:15,271 --> 00:29:19,142 私は 今川を手に入れる事は できませぬ!➡ 269 00:29:19,142 --> 00:29:23,613 母と… 亡き母と 約束したのでございます! 270 00:29:23,613 --> 00:29:26,950 そんな。 271 00:29:26,950 --> 00:29:30,620 (扉をたたく音) 272 00:29:30,620 --> 00:29:37,226 瀬名様! ここをお開け下され! 瀬名様! 273 00:29:37,226 --> 00:29:39,896 後生じゃ! 瀬名様! 274 00:29:39,896 --> 00:29:44,767 瀬名様! 次郎。 もう無駄じゃ。 275 00:29:44,767 --> 00:29:49,572 何故 松平は かように非情なのじゃ! 276 00:29:49,572 --> 00:29:53,242 我らは 瀬名様を助けたではないか! 277 00:29:53,242 --> 00:29:56,145 やると決めたのは 直親じゃ。➡ 278 00:29:56,145 --> 00:30:00,583 いざという時の覚悟は しておろう。➡ 279 00:30:00,583 --> 00:30:03,283 お前のせいではない。 280 00:30:05,254 --> 00:30:07,954 次郎。 281 00:30:10,927 --> 00:30:14,797 (扉をたたく音) 瀬名様! 282 00:30:14,797 --> 00:30:19,602 ここを開けろ! 瀬名! 283 00:30:19,602 --> 00:30:23,272 (扉をたたく音) 開けろ! 284 00:30:23,272 --> 00:30:25,942 (扉をたたく音) 285 00:30:25,942 --> 00:30:31,280 瀬名! 瀬名! 開けろ! 286 00:30:31,280 --> 00:30:49,280 ♬~ 287 00:30:52,969 --> 00:30:59,669 [ 回想 ] (政直)お前は 必ず わしと同じ道をたどるぞ。 288 00:31:06,516 --> 00:31:12,216 但馬。 井伊が呼び出しに応じぬのじゃが。 289 00:31:16,659 --> 00:31:22,959 少し 脅されるが よいかもしれませぬ。 290 00:31:28,004 --> 00:31:31,874 (直平)松平には 断られたのか。 291 00:31:31,874 --> 00:31:36,612 (南渓)次郎が なんとか 粘っておりますが。 恐らくは。 292 00:31:36,612 --> 00:31:39,282 (直平)無理か。 293 00:31:39,282 --> 00:31:41,617 (左馬助)次郎様。 294 00:31:41,617 --> 00:31:44,520 (直由)どうされた。 (孫一郎)兵が。 295 00:31:44,520 --> 00:31:48,491 都田川の向こうに 今川の兵が 押し寄せております!➡ 296 00:31:48,491 --> 00:31:51,961 もう 時は稼げませぬ。 297 00:31:51,961 --> 00:31:55,832 (直平)では 迎え撃つとするか! 298 00:31:55,832 --> 00:31:58,835 のう 皆の衆! 299 00:31:58,835 --> 00:32:01,637 さようにございます。 300 00:32:01,637 --> 00:32:04,540 迎え撃てばよいだけの話に ございます! 301 00:32:04,540 --> 00:32:08,840 それがしも ずっと それがよいと思うておりました! 302 00:32:14,217 --> 00:32:19,989 (直親) はい! 是非 さように願います! 303 00:32:19,989 --> 00:32:27,289 もしも 虎松が かような目に 追い込まれた時には。 304 00:32:38,474 --> 00:32:43,613 こたびの事は それがしの失態。 305 00:32:43,613 --> 00:32:50,913 それがしが申し開きに参れば それで済む事にございます。 306 00:32:53,956 --> 00:33:00,830 わしは もう これ以上 見送るのは ごめんじゃ!➡ 307 00:33:00,830 --> 00:33:05,301 見送るのは ごめんじゃ~! 308 00:33:05,301 --> 00:33:44,941 ♬~ 309 00:33:44,941 --> 00:33:47,941 直親。 310 00:33:50,279 --> 00:33:54,150 政次は戻ってはおらぬのか。 311 00:33:54,150 --> 00:33:56,953 (直親)何の音沙汰もありませぬ。➡ 312 00:33:56,953 --> 00:34:01,824 斬られたのか 捕らわれたか…➡ 313 00:34:01,824 --> 00:34:04,124 裏切ったか。 314 00:34:05,962 --> 00:34:10,962 お前は どう思うておるのじゃ? 315 00:34:14,637 --> 00:34:21,310 私は…➡ 316 00:34:21,310 --> 00:34:27,650 政次は 井伊を守ったのではないかと。 317 00:34:27,650 --> 00:34:32,350 そう 思いとうございます。 318 00:34:47,136 --> 00:34:49,836 (しの)お帰りなさいませ。 319 00:34:53,609 --> 00:34:58,909 何じゃ 虎松まで寝かせずにおったのか。 320 00:35:04,620 --> 00:35:09,920 お会いに なりたいかと。 321 00:35:21,637 --> 00:35:24,307 しの。➡ 322 00:35:24,307 --> 00:35:29,979 虎松が生まれてから 寺の井戸には 水が湧き始めてな。 323 00:35:29,979 --> 00:35:35,785 虎松は きっと ご初代様の 生まれ変わりだと思うのだ。➡ 324 00:35:35,785 --> 00:35:39,789 この子は 井伊をよみがえらせる➡ 325 00:35:39,789 --> 00:35:47,463 お前が生んだのは そういう ただならぬ子だと思うのだが➡ 326 00:35:47,463 --> 00:35:50,463 お前は どう思う? 327 00:35:58,607 --> 00:36:05,948 虎松を 頼むぞ。 328 00:36:05,948 --> 00:36:08,648 はい。 329 00:36:11,620 --> 00:36:13,920 虎松。 330 00:36:22,631 --> 00:36:27,331 覚えてほしい事が 一つだけある。 331 00:36:28,971 --> 00:36:37,971 生きておれば 必ず 好機はある。 332 00:36:41,250 --> 00:36:43,950 分かるか。 333 00:36:46,122 --> 00:36:48,822 よし。 334 00:36:52,862 --> 00:36:55,862 よい子じゃ。 335 00:36:57,800 --> 00:37:00,269 よい子じゃ。 336 00:37:00,269 --> 00:37:24,960 ♬~ 337 00:37:24,960 --> 00:37:26,960 ≪(直親)おとわ。 338 00:37:31,300 --> 00:37:35,000 よかった。 会えて。 339 00:37:37,907 --> 00:37:41,607 少し 話せるか? 340 00:37:44,780 --> 00:37:50,480 駿府へ… これから。 341 00:37:59,195 --> 00:38:04,895 約束を守れずに すまなかった。 342 00:38:09,605 --> 00:38:18,305 よき日々が続くようにと そんな井伊をと 約束したのに。 343 00:38:21,217 --> 00:38:24,620 なぜ 直親が謝る。 344 00:38:24,620 --> 00:38:29,291 悪いのは 私ではないか。 345 00:38:29,291 --> 00:38:36,899 私が あのような命乞いなどせねば 目をつけられる事もなかった。 346 00:38:36,899 --> 00:38:41,237 おとわが やらねば 和尚様が やられておられた。 347 00:38:41,237 --> 00:38:43,906 私が おとなしくしておれば➡ 348 00:38:43,906 --> 00:38:47,243 佐名叔母上との糸は 切れたままであった。 349 00:38:47,243 --> 00:38:50,579 和尚様も じじ様も 嫌というほど気にしておられたし。 350 00:38:50,579 --> 00:38:53,482 我が 男子に生まれておれば よかったのじゃ! 351 00:38:53,482 --> 00:38:58,482 さすれば 明日 駿府に参るのは 我であったはずじゃ! 352 00:39:05,594 --> 00:39:08,594 それは困る。 353 00:39:11,467 --> 00:39:15,167 おとわが女子でないのは。 354 00:39:20,142 --> 00:39:25,842 もし おとわが女子でなければ。 355 00:39:28,284 --> 00:39:35,284 俺の たった一つの美しい思い出が なくなってしまう。 356 00:39:36,892 --> 00:39:46,569 ♬~ 357 00:39:46,569 --> 00:39:48,869 おとわ。 358 00:39:52,241 --> 00:39:55,541 経を歌ってはくれぬか。 359 00:39:57,580 --> 00:40:02,580 川名での あの経を。 もう一度 聞きたい。 360 00:40:05,254 --> 00:40:08,254 断る。 361 00:40:10,926 --> 00:40:14,926 あれは 死者を悼むものじゃ。 362 00:40:17,266 --> 00:40:20,936 明日 太守様が死ぬかもしれぬ! 363 00:40:20,936 --> 00:40:25,608 今川館が焼け落ちるかもしれぬ! 364 00:40:25,608 --> 00:40:31,280 だから 断る! 365 00:40:31,280 --> 00:40:58,507 ♬~ 366 00:40:58,507 --> 00:41:04,807 では 戻ったら 一緒になってくれ。 367 00:41:09,318 --> 00:41:12,018 返事は。 368 00:41:17,660 --> 00:41:20,329 心得た。 369 00:41:20,329 --> 00:41:34,610 ♬~ 370 00:41:34,610 --> 00:41:38,910 では 行ってくる。 371 00:41:40,482 --> 00:41:42,482 うむ! 372 00:41:47,956 --> 00:41:50,956 待っておるからな。 373 00:41:53,295 --> 00:41:57,966 待っておるからな! 亀! 374 00:41:57,966 --> 00:42:03,639 何をしても どんな卑きょうな手を使っても➡ 375 00:42:03,639 --> 00:42:06,975 戻ってくるのじゃ! 376 00:42:06,975 --> 00:42:20,522 ♬~ 377 00:42:20,522 --> 00:42:27,996 この日 直親は 僅かな供を連れ 駿府へ向かった。 378 00:42:27,996 --> 00:42:35,604 誰もが 直親が生きて戻れるとは 思ってはいなかった。 379 00:42:35,604 --> 00:42:42,604 ♬~ 380 00:43:09,304 --> 00:43:11,974 続く。 381 00:43:11,974 --> 00:43:16,645 (政次)何度も 同じ事を繰り返し➡ 382 00:43:16,645 --> 00:43:20,516 井伊は 終わるべくして終わったのだ。 383 00:43:20,516 --> 00:43:27,990 あれは 女子でこそあれ次郎。 次郎の器じゃと思わぬか。 384 00:43:27,990 --> 00:43:31,990 我が 井伊直虎である。 385 00:43:34,797 --> 00:43:39,601 <静岡県御前崎市。 新野と呼ばれる この一帯は➡ 386 00:43:39,601 --> 00:43:45,274 今川一族の武将 新野左馬助親矩 ゆかりの地です。➡ 387 00:43:45,274 --> 00:43:50,274 舟ヶ谷の城山は 左馬助の 居城だったといわれています> 388 00:43:52,147 --> 00:43:56,618 <井伊谷に移り住んだ左馬助は 今川との間を取り持ち➡ 389 00:43:56,618 --> 00:43:59,618 井伊家を支えました> 390 00:44:02,491 --> 00:44:06,295 <新野川を挟んで 城の向かい側に➡ 391 00:44:06,295 --> 00:44:10,595 左馬助を祭った 左馬武神社があります> 392 00:44:14,169 --> 00:44:18,307 <井伊家は 左馬助の忠義を 歴代 語り伝え➡ 393 00:44:18,307 --> 00:44:22,307 幕末に 新野家を再興しました> 394 00:44:24,646 --> 00:44:27,316 <後年 井伊家の子孫によって➡ 395 00:44:27,316 --> 00:44:33,316 左馬助の墓と思われる五輪塔が この場所で発掘されました> 396 00:44:36,124 --> 00:44:40,863 <新野では 情けの武将として 慕われる左馬助をしのび➡ 397 00:44:40,863 --> 00:44:45,563 毎年4月 手もみの新茶が 献上されています> 398 00:44:47,269 --> 00:44:49,938 <茶畑を見下ろす社から➡ 399 00:44:49,938 --> 00:44:55,938 左馬助は 今も 新野の人々を 見守っているのです> 400 00:45:39,821 --> 00:45:46,295 <天保11年 正月 本所亀戸の 武蔵屋別宅が焼けた。➡ 401 00:45:46,295 --> 00:45:51,967 焼け跡から出た 3人の焼死体は 主 喜兵衛 妻 おその➡ 402 00:45:51,967 --> 00:45:56,638 そして 娘の おしのと断定された> 403 00:45:56,638 --> 00:45:59,975 (おしの)行ってきます…。