1 00:00:35,036 --> 00:00:39,036 時は戦国。 2 00:00:42,777 --> 00:00:47,515 ♬~ 3 00:00:47,515 --> 00:00:49,815 (直親)おのれらは。 4 00:00:53,855 --> 00:00:56,555 かかれ~! 5 00:00:58,192 --> 00:03:35,892 ♬~ 6 00:03:39,153 --> 00:03:43,824 (読経) 7 00:03:43,824 --> 00:03:48,524 [ 心の声 ] (次郎)ご初代様 どうか。 8 00:03:51,699 --> 00:03:57,838 [ 心の声 ] どうか ご加護を。 直親に。➡ 9 00:03:57,838 --> 00:04:01,538 井伊に ご加護を。 10 00:04:07,515 --> 00:04:09,850 孫一郎! 11 00:04:09,850 --> 00:04:15,723 (読経) 12 00:04:15,723 --> 00:04:17,725 [ 心の声 ] どうか。 13 00:04:17,725 --> 00:04:20,494 (直親)孫一郎! 孫一郎! 14 00:04:20,494 --> 00:04:22,430 ≪覚悟! 15 00:04:22,430 --> 00:04:29,130 (藤七郎)殿! 殿 お逃げ下され! 16 00:04:32,473 --> 00:04:37,173 藤七郎… 藤七郎。 17 00:04:46,020 --> 00:04:51,320 [ 心の声 ] どうか 無事に 戻ってこられるよう。 18 00:04:57,698 --> 00:04:59,998 [ 心の声 ] どうか。 19 00:05:02,837 --> 00:05:05,837 [ 心の声 ] どうか。 20 00:05:20,855 --> 00:05:23,190 [ 回想 ] 待っておるからな! 亀! 21 00:05:23,190 --> 00:05:29,190 どんな卑きょうな手を使っても 戻ってくるのじゃ! 22 00:05:42,676 --> 00:05:46,376 井伊は…。 23 00:05:53,487 --> 00:05:56,157 どっちだ。 24 00:05:56,157 --> 00:06:14,508 ♬~ 25 00:06:14,508 --> 00:06:20,508 (読経) 26 00:06:30,524 --> 00:06:35,224 戻って… きたのか。 27 00:06:37,798 --> 00:06:41,469 直… 親。 28 00:06:41,469 --> 00:06:55,169 ♬~ 29 00:07:04,158 --> 00:07:06,494 おい! 30 00:07:06,494 --> 00:07:10,831 掛川城の手前で 不意を襲われ➡ 31 00:07:10,831 --> 00:07:17,705 殿 家来衆 ことごとく討ち果たされました! 32 00:07:17,705 --> 00:07:21,475 (直由)まことなのか それは。 (左馬助)申し開きの場すら➡ 33 00:07:21,475 --> 00:07:23,844 与えられなかったという事か。 34 00:07:23,844 --> 00:07:26,514 (直平)もとより そのつもりなら➡ 35 00:07:26,514 --> 00:07:30,184 切腹を申しつければ よいではないか! 36 00:07:30,184 --> 00:07:35,022 これでは なぶり殺しではないか! 37 00:07:35,022 --> 00:07:38,022 ああ~! 38 00:07:44,465 --> 00:07:47,465 (祐椿尼)次郎。 39 00:07:51,138 --> 00:07:54,041 (昊天)脈が弱くなっておりまする。 40 00:07:54,041 --> 00:07:57,478 この季節に どれだけ水垢離をしたのだか。➡ 41 00:07:57,478 --> 00:08:00,381 炭火をもっと。 体を温めるのじゃ! 42 00:08:00,381 --> 00:08:02,381 (小坊主)はい! 43 00:08:08,122 --> 00:08:16,497 ♬~(笛) 44 00:08:16,497 --> 00:08:21,368 直親。 手を離しなされ。➡ 45 00:08:21,368 --> 00:08:26,507 とわを とわを連れていくでない! 46 00:08:26,507 --> 00:08:48,462 ♬~(笛) 47 00:08:48,462 --> 00:08:52,132 (傑山)亀…。 48 00:08:52,132 --> 00:08:57,805 (南渓)おお…! 49 00:08:57,805 --> 00:09:03,477 おおっ…! あああっ…! 50 00:09:03,477 --> 00:09:17,825 ♬~(笛) 51 00:09:17,825 --> 00:09:23,497 ここは 寒かろう…。 52 00:09:23,497 --> 00:09:27,497 井伊に 帰ろう。 53 00:09:29,837 --> 00:09:33,440 井伊に 帰ろう…。 54 00:09:33,440 --> 00:09:37,140 (泣き声) 55 00:09:45,452 --> 00:09:47,752 (祐椿尼)次郎。 56 00:09:50,324 --> 00:09:53,794 母上…。 57 00:09:53,794 --> 00:09:57,094 気が付きましたか。 58 00:09:58,666 --> 00:10:01,669 私は…。 59 00:10:01,669 --> 00:10:07,969 (たけ)三日三晩 死地を さまよっておいでだったのですよ。 60 00:10:13,147 --> 00:10:17,017 殿は。 61 00:10:17,017 --> 00:10:22,823 駿府から 知らせは。 62 00:10:22,823 --> 00:10:26,523 殿は。 63 00:10:28,495 --> 00:10:32,495 ≪(昊天)殿のお帰りじゃ! 64 00:10:40,107 --> 00:10:45,407 まだ起き出してはなりませぬ! 姫様。 65 00:10:47,514 --> 00:10:50,514 (たけ)姫様! 66 00:11:18,479 --> 00:11:24,218 和尚様。 その。 67 00:11:24,218 --> 00:11:27,218 その方たちは。 68 00:11:42,169 --> 00:12:07,194 ♬~ 69 00:12:07,194 --> 00:12:10,864 亀…。 70 00:12:10,864 --> 00:12:15,564 直… 親。 71 00:12:21,875 --> 00:12:24,545 (しの)触るでない。➡ 72 00:12:24,545 --> 00:12:26,880 私の夫じゃ。 73 00:12:26,880 --> 00:12:32,152 皆 そなたが 殺したようなものではないか。 74 00:12:32,152 --> 00:12:37,825 あの時 但馬を成敗しておけば かような事には…。 75 00:12:37,825 --> 00:12:41,495 皆 全て 何もかも! 76 00:12:41,495 --> 00:12:45,165 そなたのせいではないか! 77 00:12:45,165 --> 00:12:51,505 (なつ) 次郎様。 姉は 悲しみのあまり 正気をなくしております。 78 00:12:51,505 --> 00:12:56,205 どうか お許し頂ければ。 79 00:12:59,847 --> 00:13:03,547 そのとおりじゃ。 80 00:13:06,186 --> 00:13:12,526 しの殿の おっしゃるとおりじゃ。 81 00:13:12,526 --> 00:13:30,077 ♬~ 82 00:13:30,077 --> 00:13:32,479 次郎。 83 00:13:32,479 --> 00:13:43,490 ♬~ 84 00:13:43,490 --> 00:14:01,190 (読経) 85 00:14:03,176 --> 00:14:06,079 [ 回想 ] (直親)経を聞かせてくれぬか。 86 00:14:06,079 --> 00:14:08,779 川名での あの経を。 87 00:14:11,051 --> 00:14:38,051 (読経) 88 00:14:47,688 --> 00:15:09,988 (泣き声) 89 00:15:13,513 --> 00:15:15,849 ≪(足音) 90 00:15:15,849 --> 00:15:19,149 ≪(弥吉)ご… ご隠居様! 91 00:15:20,721 --> 00:15:24,721 (弥吉) 今川から使いが参り これを! 92 00:15:31,331 --> 00:15:36,136 (直由)やはり 虎松君を殺せと来ましたな。 93 00:15:36,136 --> 00:15:38,805 南渓! 94 00:15:38,805 --> 00:15:41,708 整っております。 95 00:15:41,708 --> 00:15:45,145 しの。 虎松は どこじゃ。 96 00:15:45,145 --> 00:15:47,814 虎松が何か。 97 00:15:47,814 --> 00:15:50,150 直親様と同じにございます。 98 00:15:50,150 --> 00:15:53,487 今川が 虎松君を殺せと言うてまいり➡ 99 00:15:53,487 --> 00:15:55,822 ゆえに 逃すのでございます。 100 00:15:55,822 --> 00:15:58,158 虎松は まだ2つに…。 101 00:15:58,158 --> 00:16:00,093 私が連れてまいります。 102 00:16:00,093 --> 00:16:03,830 お方様 後生にございます! 虎松のためなのです! 103 00:16:03,830 --> 00:16:05,766 後生にございます! どうか それだけは。 104 00:16:05,766 --> 00:16:10,766 それがしが 駿府に参りまする! 105 00:16:13,507 --> 00:16:16,410 それがしに一度 駿府にて➡ 106 00:16:16,410 --> 00:16:19,379 命乞いをする事を お許し下さりませ! 107 00:16:19,379 --> 00:16:21,848 今川が聞き入れるわけがなかろう。 108 00:16:21,848 --> 00:16:26,186 腹を切ると申せば 分かりませぬ! 109 00:16:26,186 --> 00:16:29,089 (直由)何じゃと。 110 00:16:29,089 --> 00:16:38,131 しの殿 おつらいでしょうが 一度 虎松様を お預けなされ。➡ 111 00:16:38,131 --> 00:16:43,003 許されれば すぐに お返し致しましょう。 112 00:16:43,003 --> 00:16:51,478 必ず 許して頂くゆえ! 113 00:16:51,478 --> 00:16:54,778 さあ。 114 00:16:56,349 --> 00:16:59,152 はい…。 115 00:16:59,152 --> 00:17:01,822 虎松様 こちらに。 116 00:17:01,822 --> 00:17:04,157 お上手! 117 00:17:04,157 --> 00:17:08,857 それ…。 ころころころ…。 118 00:17:17,170 --> 00:17:23,844 (左馬助)こたびの謀反 まことに 言語道断にて候えども➡ 119 00:17:23,844 --> 00:17:29,516 一子 虎松君 太守様の深き お慈悲をもって➡ 120 00:17:29,516 --> 00:17:32,816 お助け下され候えば…。 (氏真)何度目じゃ! 121 00:17:35,122 --> 00:17:37,791 拾え。 122 00:17:37,791 --> 00:17:40,694 は? 拾えと言うておる! 123 00:17:40,694 --> 00:17:42,994 ははあ! 124 00:17:44,664 --> 00:17:53,807 こたびの不届き 目付である それがしの手落ちにござりまする。 125 00:17:53,807 --> 00:17:58,145 かくなる上は…➡ 126 00:17:58,145 --> 00:18:03,483 それがしが 腹を切り。 127 00:18:03,483 --> 00:18:07,354 そなたの老いた首など もろうても 何の役にも立たん。 128 00:18:07,354 --> 00:18:15,495 さような事をおっしゃらずに。 どうか どうか。 129 00:18:15,495 --> 00:18:18,195 では…。 130 00:18:22,169 --> 00:18:26,169 わしの欲しい首を取ってこい。 131 00:18:30,510 --> 00:18:34,810 わしの欲しい首はな。 132 00:18:50,463 --> 00:18:53,366 (左馬助)面目ござりませぬ。➡ 133 00:18:53,366 --> 00:18:59,472 腹を切ると申し上げたところ 逆に さような事に追い込まれ。 134 00:18:59,472 --> 00:19:01,808 (直由)いかがなさいますか。 135 00:19:01,808 --> 00:19:06,479 上々じゃ。 虎松は助かるのだから。 136 00:19:06,479 --> 00:19:11,818 あとは 我らが うまくやれば よいだけの話じゃ。 137 00:19:11,818 --> 00:19:14,721 さようでございますな。 138 00:19:14,721 --> 00:19:16,690 但馬には会わなんだか。 139 00:19:16,690 --> 00:19:21,494 やはり 直親様の件 但馬が裏切ったと。 140 00:19:21,494 --> 00:19:23,830 裏切ったどころか➡ 141 00:19:23,830 --> 00:19:29,130 初めから 一緒になって 仕組んでおったのやもしれぬ。 142 00:19:34,107 --> 00:19:37,978 (氏真)新野のやつ そなたの読んだとおりに➡ 143 00:19:37,978 --> 00:19:42,782 出てきおったわ。 (政次)それは ようございました。 144 00:19:42,782 --> 00:19:50,657 太守様。 三河の寺社より 面白き訴えが参っております。➡ 145 00:19:50,657 --> 00:19:56,329 三河の上宮寺にて 松平の家臣が 狼藉を働いたそうです。 146 00:19:56,329 --> 00:19:58,331 ほかにも 松平は➡ 147 00:19:58,331 --> 00:20:03,631 一向宗徒らの怒りを 招く事をしでかしております。 148 00:20:05,472 --> 00:20:13,772 この動きをあおれば 松平は 足をすくわれる事となりましょう。 149 00:20:16,816 --> 00:20:24,516 悪いやつじゃのう。 そなたは。 ハハハハハ…。 150 00:20:26,826 --> 00:20:32,499 その後 三河では 一向一揆が勃発。 151 00:20:32,499 --> 00:20:36,169 松平元康は 僧侶のみならず➡ 152 00:20:36,169 --> 00:20:41,869 家中の一向宗徒にも 背かれる事となり。 153 00:20:43,510 --> 00:20:46,413 ハハハハハッ ざまはないな! 154 00:20:46,413 --> 00:20:49,382 これにて 松平の勢いはそがれ➡ 155 00:20:49,382 --> 00:20:55,682 それは そのまま 今川にとっての幸いとなった。 156 00:20:57,524 --> 00:21:03,196 新野の屋敷は にぎやかにございますよ。 157 00:21:03,196 --> 00:21:10,870 しのと虎松もおりますし なつや亥之助も引き取って。 158 00:21:10,870 --> 00:21:15,208 それは ようございました。 159 00:21:15,208 --> 00:21:20,208 共に 顔でも見に行きませぬか。 160 00:21:22,082 --> 00:21:24,884 そのうちに…。 161 00:21:24,884 --> 00:21:37,163 ♬~ 162 00:21:37,163 --> 00:21:40,066 ≪(昊天)竜宮小僧は 本来の行ではないのじゃ。 163 00:21:40,066 --> 00:21:43,837 ≪んでも 人が足りんでねえ。 164 00:21:43,837 --> 00:21:46,172 (昊天)災厄をもたらしたくないと 言っておる。 165 00:21:46,172 --> 00:21:50,043 災厄? 自分が関わると ろくな事が起こらぬから。 166 00:21:50,043 --> 00:21:52,846 誰が そんな ひどい事を言ったでえ!? 167 00:21:52,846 --> 00:21:57,517 誰が言ったでえ!? なにが災厄なもんかいやぁ。 168 00:21:57,517 --> 00:22:01,855 次郎様は いい事しか起こさんに! そうでえ! 169 00:22:01,855 --> 00:22:04,524 (昊天)しかたないでしょう。 本人が そう言ってるのですから。 170 00:22:04,524 --> 00:22:08,824 誰が言うたでえ! (昊天)だから 次郎が。 171 00:22:14,200 --> 00:22:17,103 (南渓)次郎。 172 00:22:17,103 --> 00:22:22,403 館に これを持っていってくれぬか。 173 00:22:24,210 --> 00:22:27,113 届ければ…。 174 00:22:27,113 --> 00:22:33,486 おおじじ様が 戦に お出になる事になった。 175 00:22:33,486 --> 00:22:37,357 おおじじ様が!? 何故に そんな。 176 00:22:37,357 --> 00:22:42,495 お出になる前に 長年の願いをかなえたいそうじゃ。 177 00:22:42,495 --> 00:22:44,795 願い? 178 00:22:54,107 --> 00:22:56,807 姫様! 179 00:22:59,045 --> 00:23:04,517 まあまあ よく いらっしゃって。 180 00:23:04,517 --> 00:23:07,854 皆様 お喜びになりますよ。 181 00:23:07,854 --> 00:23:14,727 (笑い声) 182 00:23:14,727 --> 00:23:20,200 (左馬助)おっ 次郎様! おう。 よう来た よう来た。 183 00:23:20,200 --> 00:23:23,870 さあさあさあ。 さあさあ こちらへ。 184 00:23:23,870 --> 00:23:28,741 何故 おおじじ様が 戦に お出にならねばならぬのですか。 185 00:23:28,741 --> 00:23:34,814 あ~ ハハハッ。 我々が 今後 今川の戦に出る事が➡ 186 00:23:34,814 --> 00:23:39,152 虎松を助ける事と 引き換えであったのじゃ。➡ 187 00:23:39,152 --> 00:23:42,489 駿府の蹴鞠小僧に 「お前の首など要らぬ。➡ 188 00:23:42,489 --> 00:23:45,158 欲しいのは 元康の首じゃ。 取ってまいれ」。 189 00:23:45,158 --> 00:23:47,494 そう言われたのであったか。 はい。 190 00:23:47,494 --> 00:23:51,364 (笑い声) なれど そのお年で。 191 00:23:51,364 --> 00:23:54,834 井伊には もう 戦の采配ができる男は➡ 192 00:23:54,834 --> 00:23:57,170 我ら以外には おらぬのです。 193 00:23:57,170 --> 00:24:00,507 (直平)そういうわけでな。 我らが出番となったわけじゃ。 194 00:24:00,507 --> 00:24:02,442 (笑い声) 195 00:24:02,442 --> 00:24:06,379 お三方がいなくなったら 井伊は どうなるのでございますか!? 196 00:24:06,379 --> 00:24:11,518 何を言うておる。 我らは 必ず戻ってくる。 197 00:24:11,518 --> 00:24:14,854 (直由)そうです。 我らが 幾たび 戦いをくぐり抜け➡ 198 00:24:14,854 --> 00:24:17,757 生き永らえてきたと 思うておられるのです?➡ 199 00:24:17,757 --> 00:24:19,726 生き永らえるには コツというものが➡ 200 00:24:19,726 --> 00:24:22,529 あるのでございますよ。 いかにも。 201 00:24:22,529 --> 00:24:25,431 (笑い声) なれど もしも。 202 00:24:25,431 --> 00:24:29,202 仮に その「もしも」が あったとしてもじゃ。 203 00:24:29,202 --> 00:24:33,072 それは もはや 天命じゃ。 204 00:24:33,072 --> 00:24:44,484 ♬~ 205 00:24:44,484 --> 00:24:50,156 どこかの 誰かのせいなどではない。➡ 206 00:24:50,156 --> 00:24:55,495 仏様が お決めになった事じゃ。 おとわ。 207 00:24:55,495 --> 00:24:57,430 (直由)次郎様。 208 00:24:57,430 --> 00:25:02,168 守るべきものを守るために 死んでいける男は➡ 209 00:25:02,168 --> 00:25:05,468 果報者にござるのですよ。 210 00:25:08,508 --> 00:25:12,208 あ… 私は。 211 00:25:16,182 --> 00:25:18,482 はい。 212 00:25:20,053 --> 00:25:24,057 では 少しだけ。 213 00:25:24,057 --> 00:25:28,194 小さい時に 寺に行ってしもうたからな。 214 00:25:28,194 --> 00:25:35,894 酒を飲んだ事もなかった。 そなたと一度 こうしとうての。 215 00:25:38,471 --> 00:25:45,812 実は わしは ずっと そなたが 男子であればと思うておった。➡ 216 00:25:45,812 --> 00:25:50,812 なれど 女子で よかったぞ。 217 00:25:52,685 --> 00:26:00,360 そなたとは 逆縁にならずとも 済みそうじゃ。 ハハハハハッ!➡ 218 00:26:00,360 --> 00:26:02,660 さあ。 219 00:26:11,037 --> 00:26:14,841 ハハハハッ 見事じゃ。 ハハハハハッ。 220 00:26:14,841 --> 00:26:36,796 ♬~ 221 00:26:36,796 --> 00:26:41,496 おいおい。 大事ないか 次郎。 222 00:26:43,469 --> 00:26:51,769 私は 何故 かように 生まれついたのでしょうか。 223 00:26:53,479 --> 00:27:01,179 井伊の一人子でありながら 男子ではなく。 224 00:27:02,822 --> 00:27:11,497 誰かを守るために 戦に行くわけでもなく。 225 00:27:11,497 --> 00:27:19,197 さりとて 守るべき愛し子もなさぬ…。 226 00:27:20,840 --> 00:27:27,714 無用の 長物。 227 00:27:27,714 --> 00:27:47,467 ♬~ 228 00:27:47,467 --> 00:27:50,370 その年 直平は➡ 229 00:27:50,370 --> 00:27:55,341 今川に反旗を翻した天野氏を 攻めるため出陣。 230 00:27:55,341 --> 00:27:59,641 その陣中にて 不審な死を遂げ。 231 00:28:02,014 --> 00:28:05,485 新野左馬助と中野直由は➡ 232 00:28:05,485 --> 00:28:13,185 反乱を起こした引馬城の 飯尾連龍討伐で討死を遂げた。 233 00:28:19,031 --> 00:28:39,031 ♬~ 234 00:28:57,136 --> 00:29:00,807 久しぶりです。 但馬守。 235 00:29:00,807 --> 00:29:04,477 生きておったのですか。 はい。 236 00:29:04,477 --> 00:29:08,347 今川に捕らえられ 出るに出られずにおりました。 237 00:29:08,347 --> 00:29:12,819 (祐椿尼) 捕らえられ 出るに出られず。 238 00:29:12,819 --> 00:29:15,488 はい。 しかしながら こたび➡ 239 00:29:15,488 --> 00:29:19,358 ご隠居様 新野様 中野様の ご忠義が認められ➡ 240 00:29:19,358 --> 00:29:23,830 こうして 戻ってまいれる事になりました。 241 00:29:23,830 --> 00:29:27,500 よう出来た話のようですね。 242 00:29:27,500 --> 00:29:31,370 こちらは 井伊は ただいま 心細かろうと➡ 243 00:29:31,370 --> 00:29:36,776 太守様が お付け下さいました 目付けの方々にございます。 244 00:29:36,776 --> 00:29:39,111 近藤康用と申す。 245 00:29:39,111 --> 00:29:42,448 鈴木重時と申します。 246 00:29:42,448 --> 00:29:46,786 菅沼忠久と申します。 247 00:29:46,786 --> 00:29:49,121 (政次) 皆様それぞれ 近隣のご領主ゆえ➡ 248 00:29:49,121 --> 00:29:51,457 井伊に詰める事は ございませぬが➡ 249 00:29:51,457 --> 00:29:57,457 何かの時には 助け合うようにと 太守様のお心遣いにございます。 250 00:30:00,132 --> 00:30:03,035 つきましては お方様。 251 00:30:03,035 --> 00:30:08,007 太守様のご意向により 今日より それがしを➡ 252 00:30:08,007 --> 00:30:12,712 虎松様の後見として頂きます。 253 00:30:12,712 --> 00:30:16,148 お待ちなさい! いくら太守様でも➡ 254 00:30:16,148 --> 00:30:19,485 井伊の家督に口を挟む事など できぬはずです! 255 00:30:19,485 --> 00:30:21,420 家督は 虎松様。 256 00:30:21,420 --> 00:30:26,826 それがしは ただの後見にてございます。 257 00:30:26,826 --> 00:30:39,171 ♬~ 258 00:30:39,171 --> 00:30:42,074 お下知にございます。 259 00:30:42,074 --> 00:30:52,184 ♬~ 260 00:30:52,184 --> 00:30:54,120 ≪(祐椿尼)和尚様!? 261 00:30:54,120 --> 00:30:58,057 和尚様は おられるか!? 和尚様! 262 00:30:58,057 --> 00:31:16,409 ♬~ 263 00:31:16,409 --> 00:31:22,181 生きておったのか… 政次。 264 00:31:22,181 --> 00:31:26,181 今まで どこに おったのじゃ。 265 00:31:33,793 --> 00:31:40,499 直親の内通ゆえに 今川に捕らえられてな。 266 00:31:40,499 --> 00:31:44,837 今日まで お戻し頂けなかったのじゃ。 267 00:31:44,837 --> 00:31:49,175 そう… で… あったのか。 268 00:31:49,175 --> 00:31:57,475 厳しいおとがめも受け それはそれは 大変であったが。 269 00:31:59,185 --> 00:32:05,858 もう 政を任せられる者も おらぬようになってしまったと➡ 270 00:32:05,858 --> 00:32:09,158 戻されたというわけだ。 271 00:32:18,437 --> 00:32:25,878 皆 死んでしまったのに➡ 272 00:32:25,878 --> 00:32:30,216 政次だけ助かったのじゃな。 273 00:32:30,216 --> 00:32:33,516 何故じゃ。 274 00:32:36,822 --> 00:32:40,522 どうやって 助かった。 275 00:32:44,697 --> 00:32:49,168 直親はな。 276 00:32:49,168 --> 00:32:57,510 虎松が生まれた時 それは うれしそうにしておった。 277 00:32:57,510 --> 00:33:03,849 これで 2人で 井伊を作っていけると➡ 278 00:33:03,849 --> 00:33:10,189 そう思うておったと思う。 (泣き声) 279 00:33:10,189 --> 00:33:15,861 う… 裏切る… 裏切るつもりで裏切ったのか。 280 00:33:15,861 --> 00:33:22,535 それとも 裏切らざるをえなかったのか! 281 00:33:22,535 --> 00:33:25,835 どちらじゃ! 鶴! 282 00:33:36,482 --> 00:33:40,182 恨むなら 直親を恨め。 283 00:33:48,094 --> 00:33:52,498 ヘタを打ったのは あいつだ。 284 00:33:52,498 --> 00:34:08,047 ♬~ 285 00:34:08,047 --> 00:34:17,723 何度も同じ事を繰り返し➡ 286 00:34:17,723 --> 00:34:24,864 井伊は 終わるべくして終わったのだ。 287 00:34:24,864 --> 00:34:47,820 ♬~ 288 00:34:47,820 --> 00:34:56,820 この上は 和尚様に後見となって 頂くしかございませぬ。 289 00:34:58,464 --> 00:35:03,369 次郎を 後見にという事は? 290 00:35:03,369 --> 00:35:11,043 次郎は 井伊の家督を継ぐ者の名じゃ。 291 00:35:11,043 --> 00:35:14,743 女子にございますよ。 292 00:35:17,183 --> 00:35:22,521 覚えておるか? あの子は 追い詰められれば➡ 293 00:35:22,521 --> 00:35:28,194 川に飛び込んででも 活路を開く子であった。➡ 294 00:35:28,194 --> 00:35:32,064 たった一人 今川と闘うて➡ 295 00:35:32,064 --> 00:35:37,803 見事 出家の許しを勝ち取ってきた。 296 00:35:37,803 --> 00:35:43,142 あれは 女子でこそあれ次郎。 297 00:35:43,142 --> 00:35:47,142 次郎の器じゃと思わぬか。 298 00:35:49,815 --> 00:35:53,115 ≪(昊天)血迷ったか! 次郎! 299 00:35:59,491 --> 00:36:02,161 (祐椿尼)とわ! 300 00:36:02,161 --> 00:36:08,461 (昊天)それは 私の槍じゃ! さあ 返しなされ! 301 00:36:10,502 --> 00:36:13,802 (南渓)鶴を狩りにでも行くか? 302 00:36:15,374 --> 00:36:20,846 よし。 では わしも行く。➡ 303 00:36:20,846 --> 00:36:24,183 傑山! 弓を持て! 304 00:36:24,183 --> 00:36:27,853 次郎が 小野の屋敷に行くらしいからの! 305 00:36:27,853 --> 00:36:31,853 手伝うてやれ! …はい。 306 00:36:39,798 --> 00:36:42,498 では 行くぞ。 307 00:36:51,410 --> 00:36:56,410 おや? どうした? 308 00:36:58,150 --> 00:37:01,850 (南渓)どうした? 309 00:37:15,501 --> 00:37:18,201 私の槍…。 310 00:37:32,785 --> 00:37:35,454 どうしろと言うのじゃ! 311 00:37:35,454 --> 00:37:39,124 我のせいで 直親は死んだ! 312 00:37:39,124 --> 00:37:51,124 藤七郎も 孫一郎も おおじじ様も 左馬助伯父上も 中野殿も! 313 00:37:53,138 --> 00:37:57,476 我は 災厄をもたらすだけじゃ! 314 00:37:57,476 --> 00:38:02,815 我には 災厄をもたらす力だけはある! 315 00:38:02,815 --> 00:38:07,486 ならば これ以外…➡ 316 00:38:07,486 --> 00:38:13,186 これ以外 我に何ができると言うのじゃ! 317 00:38:18,831 --> 00:38:26,171 (泣き声) 318 00:38:26,171 --> 00:38:32,871 あの 竜宮… 小僧では? 319 00:38:35,981 --> 00:38:42,681 次郎様 井伊の竜宮小僧では ございませんでした… か? 320 00:38:54,800 --> 00:39:02,500 (南渓)己を責めたとて 死んだものは帰らぬ。 321 00:39:06,145 --> 00:39:10,816 じゃが 生きておる者は➡ 322 00:39:10,816 --> 00:39:15,816 死んだ者を 己の中で生かす事ができる。 323 00:39:18,490 --> 00:39:24,830 例えば しのぶ事で。➡ 324 00:39:24,830 --> 00:39:31,103 例えば 習う事で。➡ 325 00:39:31,103 --> 00:39:35,103 時には 習わぬ事で。 326 00:39:36,775 --> 00:39:40,775 ほかには ないかの? 327 00:39:50,322 --> 00:39:53,325 [ 回想 ] 我が 亀の手足となる。 328 00:39:53,325 --> 00:40:00,025 いざとなれば 太刀をはき 戦にも行ってやる。 329 00:40:03,802 --> 00:40:13,145 亀に この身をささげる。 330 00:40:13,145 --> 00:40:20,018 亀の魂を宿し➡ 331 00:40:20,018 --> 00:40:27,018 亀となって 生きていく。 332 00:40:35,167 --> 00:40:41,840 それが おぬしの答えなのじゃな。 333 00:40:41,840 --> 00:40:59,858 ♬~ 334 00:40:59,858 --> 00:41:06,858 (祐椿尼)夫婦約束の時に 作っておいた着物なんですよ。 335 00:41:11,870 --> 00:41:17,570 こんな時に 役に立とうとは。 336 00:41:21,213 --> 00:41:26,084 母上。 直親は最後に➡ 337 00:41:26,084 --> 00:41:32,157 戻ったら 一緒になろうと 言うたのです。 338 00:41:32,157 --> 00:41:36,457 かような意味だったのかも しれませぬ。 339 00:41:40,499 --> 00:41:47,172 (南渓)井伊は 今まさに 存亡の危機を迎えておる。➡ 340 00:41:47,172 --> 00:41:51,043 次に井伊の家督を継ぐのは 虎松じゃが➡ 341 00:41:51,043 --> 00:41:56,043 虎松は まだ あまりに幼い。 342 00:41:57,816 --> 00:42:03,522 まことに せん越ながら 井伊の末席に連なる者として➡ 343 00:42:03,522 --> 00:42:07,392 虎松の後見となる者を 推挙したい。➡ 344 00:42:07,392 --> 00:42:14,166 その者の名は 井伊直虎と申す。 345 00:42:14,166 --> 00:42:17,536 (奥山六左衛門)直虎様? 346 00:42:17,536 --> 00:42:20,872 (近藤康用)隠し子か何かか? 347 00:42:20,872 --> 00:42:23,542 もしや。 348 00:42:23,542 --> 00:42:41,026 ♬~ 349 00:42:41,026 --> 00:42:46,765 我が 井伊直虎である。 350 00:42:46,765 --> 00:42:53,505 これより 井伊は 我が治めるところとなる。 351 00:42:53,505 --> 00:43:08,053 ♬~ 352 00:43:08,053 --> 00:43:11,056 続く。 353 00:43:11,056 --> 00:43:13,191 女子に何ができると言うのです! 354 00:43:13,191 --> 00:43:16,862 瀬戸村と祝田村の百姓らが 今川に願い出たようです。 355 00:43:16,862 --> 00:43:19,197 カンカン! 何が起こっておる。 356 00:43:19,197 --> 00:43:21,867 (六左衛門)このままでは 井伊は 潰れてしまいまする! 357 00:43:21,867 --> 00:43:23,802 (寿桂尼)井伊が どうしたと。 358 00:43:23,802 --> 00:43:27,205 (南渓)但馬を後見にという話が 来ておるが。 359 00:43:27,205 --> 00:43:30,905 たとえ 井伊を潰したとて それだけは ごめんじゃ! 360 00:43:34,012 --> 00:43:36,815 <静岡県掛川市。➡ 361 00:43:36,815 --> 00:43:40,152 戦国時代 東西南北の戦略拠点として➡ 362 00:43:40,152 --> 00:43:45,152 多くの武将が この地を巡り 争いを繰り広げました> 363 00:43:46,825 --> 00:43:52,825 <当時の掛川城主は 今川家の重臣 朝比奈泰朝でした> 364 00:43:54,499 --> 00:44:01,199 <永禄5年 直親一行は その朝比奈の兵に襲撃されます> 365 00:44:05,510 --> 00:44:10,849 <掛川城の西に 十九首という地名があります。➡ 366 00:44:10,849 --> 00:44:15,549 直親たちが殺害された場所では ないかといわれています> 367 00:44:18,523 --> 00:44:22,194 <「井伊家伝記」によれば 直親のなきがらは➡ 368 00:44:22,194 --> 00:44:26,531 南渓和尚の指示の下 井伊谷に運ばれました。➡ 369 00:44:26,531 --> 00:44:32,531 都田川の堤防脇に 直親の墓があります> 370 00:44:34,139 --> 00:44:38,009 <直親の子孫 井伊直弼は この墓を訪れ➡ 371 00:44:38,009 --> 00:44:41,813 灯籠を寄進しました。➡ 372 00:44:41,813 --> 00:44:45,150 直親亡きあと 井伊家を継ぐ男子は➡ 373 00:44:45,150 --> 00:44:47,486 幼い虎松 ただ一人。➡ 374 00:44:47,486 --> 00:44:52,157 井伊家存続のため 次郎法師は 直虎と名乗り➡ 375 00:44:52,157 --> 00:44:55,157 逆境に立ち向かっていきます> 376 00:45:39,037 --> 00:45:42,674 <天保12年1月 江戸市中では➡ 377 00:45:42,674 --> 00:45:48,480 謎の殺人事件が 立て続けに起こっていた。➡ 378 00:45:48,480 --> 00:45:53,852 その夜 殺されたのは 蔵前の札差 香屋の伜 清一で➡ 379 00:45:53,852 --> 00:45:57,522 銀の平打ちの釵で 心臓を一突きにされ➡