1 00:00:33,061 --> 00:00:34,996 (直虎)目先の話ばかりするな! 2 00:00:34,996 --> 00:00:39,468 確かに 徳政が出されれば 今ある借金は消えてのうなる。 3 00:00:39,468 --> 00:00:41,468 じゃが その後は どうじゃ? 4 00:00:43,138 --> 00:00:46,808 徳政令を願い出た百姓たちに➡ 5 00:00:46,808 --> 00:00:52,681 今より潤い 借りを返せる仕組みを 提案した直虎は➡ 6 00:00:52,681 --> 00:00:59,154 無事 百姓たちの同意を 得る事となった。 7 00:00:59,154 --> 00:01:02,057 じゃが それは同時に➡ 8 00:01:02,057 --> 00:01:07,357 主家である今川の命に 背いた事となり。 9 00:01:09,164 --> 00:01:14,035 (寿桂尼)出家あがりの女子に 何をてこずっておるのやら。 10 00:01:14,035 --> 00:01:17,506 (政次)面目次第もございませぬ。 (寿桂尼)もうよい。 11 00:01:17,506 --> 00:01:20,409 連れてまいれ。➡ 12 00:01:20,409 --> 00:01:23,178 二度までも 沙汰に背くとは➡ 13 00:01:23,178 --> 00:01:28,049 これは 謀反の意ありと疑われても しかたあるまい。 14 00:01:28,049 --> 00:01:33,749 直虎を駿府に申し開きに来させよ。 15 00:01:43,465 --> 00:01:47,335 恐れながら 出家あがりの女子ごときに➡ 16 00:01:47,335 --> 00:01:49,805 いつまでも かかずろうておられては➡ 17 00:01:49,805 --> 00:01:53,475 今川の御名に 泥を塗る事になりかねませぬ。 18 00:01:53,475 --> 00:01:58,146 ここは 私に お任せ頂けぬでしょうか。 19 00:01:58,146 --> 00:02:05,020 私は 申し開きに来いと 言うておるだけじゃ。 20 00:02:05,020 --> 00:02:07,823 はっ。 21 00:02:07,823 --> 00:02:12,694 二度までも 沙汰に背き あれが来ぬと思う方が➡ 22 00:02:12,694 --> 00:02:17,165 おかしうございますが。 (南渓)が…? 23 00:02:17,165 --> 00:02:23,839 ここは ひとつ 女子のやる事と 見逃してもらえませぬかね~! 24 00:02:23,839 --> 00:02:29,177 (笑い声) 25 00:02:29,177 --> 00:02:31,780 無理じゃろうのう。 26 00:02:31,780 --> 00:02:39,480 何せ 向こうの影の大将も 女子であるからの。 27 00:02:43,124 --> 00:02:46,995 (南渓)女子だからといって ばかにもせねば➡ 28 00:02:46,995 --> 00:02:50,695 手加減もなかろうのう。 29 00:02:53,768 --> 00:05:31,768 ♬~ 30 00:05:34,396 --> 00:05:37,098 (六左衛門)三年荒野… とは? 31 00:05:37,098 --> 00:05:40,769 (方久) 瀬戸 祝田には そこここに➡ 32 00:05:40,769 --> 00:05:44,105 耕し手がいなくなった土地が ございますでしょう。 33 00:05:44,105 --> 00:05:46,041 (六左衛門) ほかの村にも ございますね。 34 00:05:46,041 --> 00:05:51,446 荒れ地となっておる所を 再び耕せるようにすれば➡ 35 00:05:51,446 --> 00:05:55,784 その土地は 新たに耕した者のものとし➡ 36 00:05:55,784 --> 00:06:00,455 実りが出て3年は 年貢は取らぬというのは➡ 37 00:06:00,455 --> 00:06:05,126 どうであろうかと。 お年貢を取らぬ…! 38 00:06:05,126 --> 00:06:07,796 直虎様。 いかがにございましょう。 39 00:06:07,796 --> 00:06:10,699 (ため息) 40 00:06:10,699 --> 00:06:15,670 直虎様! ああ よい案じゃと思うが。 41 00:06:15,670 --> 00:06:18,970 (弥吉) 殿! 但馬様が参られました。 42 00:06:21,142 --> 00:06:24,142 来たか…。 43 00:06:28,817 --> 00:06:33,517 忙しいのでな。 手短に頼む。 44 00:06:35,623 --> 00:06:39,094 では 手短に。 45 00:06:39,094 --> 00:06:44,094 今川より これなる お沙汰を 申しつかりました。 46 00:06:53,108 --> 00:06:56,010 後見 瀬戸・祝田の徳政➡ 47 00:06:56,010 --> 00:06:58,980 再々にわたり 命に従わぬ理由について➡ 48 00:06:58,980 --> 00:07:05,280 駿府まで 直虎様が申し開きに 来るようにとの仰せにございます。 49 00:07:07,655 --> 00:07:11,126 (政次)行けば どのような事が 待っておるのかは➡ 50 00:07:11,126 --> 00:07:13,461 重々お分かりの事と存じます。 51 00:07:13,461 --> 00:07:17,161 駿府へ行かずとも済む手だては ただ一つ。 52 00:07:18,800 --> 00:07:23,471 私を 虎松様の後見になさる事に ございます。 53 00:07:23,471 --> 00:07:29,471 さすれば 後の事は 万事 私が取り計らいましょう。 54 00:07:33,081 --> 00:07:38,381 ならば 申し開きに参るしかなかろうの。 55 00:07:43,725 --> 00:07:46,094 分かりました。 56 00:07:46,094 --> 00:07:49,764 では お供致しますゆえ➡ 57 00:07:49,764 --> 00:07:54,464 出立の日などを 後ほど お教え下さいませ。 58 00:08:02,110 --> 00:08:04,410 (ため息) 59 00:08:05,980 --> 00:08:08,449 虎松様のご生母様は➡ 60 00:08:08,449 --> 00:08:13,121 あくまで 直虎様の後見を 望んではおられぬと➡ 61 00:08:13,121 --> 00:08:16,024 一筆頂きたいのです。 62 00:08:16,024 --> 00:08:21,724 (しの)私の意見など 誰も 聞く耳 持たぬでありましょう。 63 00:08:24,465 --> 00:08:27,802 しの様。 64 00:08:27,802 --> 00:08:34,102 今川もまた 直虎様の後見を 望んではおらぬのでございます。 65 00:08:36,077 --> 00:08:38,413 今川に一筆が渡れば➡ 66 00:08:38,413 --> 00:08:43,284 小さな意見でも 大きく響かせる事ができます。 67 00:08:43,284 --> 00:08:47,422 しばし お待ちあれ。 68 00:08:47,422 --> 00:08:49,357 はい。 69 00:08:49,357 --> 00:09:00,768 ♬~ 70 00:09:00,768 --> 00:09:03,068 (ため息) 71 00:09:06,641 --> 00:09:09,777 (南渓)政次も供に行くのか。 72 00:09:09,777 --> 00:09:15,450 はい。 しかし 翻って考えると これは 何かあれば➡ 73 00:09:15,450 --> 00:09:19,320 即座に 政次を人質に取れる という事でもあります。 74 00:09:19,320 --> 00:09:24,459 こちらが 腕の立つ者をそろえれば 負けはせぬと思うのですが。 75 00:09:24,459 --> 00:09:27,362 どう思われますか。 ハハハ。 76 00:09:27,362 --> 00:09:31,266 次郎は ますます 物騒な女子になっていくの。 77 00:09:31,266 --> 00:09:33,735 致し方ございますまい。 78 00:09:33,735 --> 00:09:38,606 己で身を守らねば 誰も守ってはくれぬのですから。 79 00:09:38,606 --> 00:09:42,410 直虎よ。 わしゃの➡ 80 00:09:42,410 --> 00:09:46,748 一つ 必ず生き残れる策を 思いついたのじゃ。 81 00:09:46,748 --> 00:09:51,419 何にございましょう。 もう駄目じゃと思うたら➡ 82 00:09:51,419 --> 00:09:57,759 政次に後見を譲ると言って さ~っと帰ってしまうのじゃ。 83 00:09:57,759 --> 00:10:03,059 何事も 命あっての物種じゃ。 84 00:10:05,099 --> 00:10:09,399 胸に刻んでおきまする。 85 00:10:22,650 --> 00:10:25,787 直之 戻ってきてくれたのか。 86 00:10:25,787 --> 00:10:29,123 (直之)駿府から呼び出しがあった というのは まことですか。 87 00:10:29,123 --> 00:10:31,793 まことじゃ。 (直之)すぐに 後見を降り➡ 88 00:10:31,793 --> 00:10:35,663 駿府の言う事をお聞きなされ! 89 00:10:35,663 --> 00:10:37,963 嫌じゃ。 90 00:10:39,667 --> 00:10:43,404 直親様のご最期を お忘れになられたのか。 91 00:10:43,404 --> 00:10:46,140 あの二の舞となれば どうするおつもりじゃ! 92 00:10:46,140 --> 00:10:48,810 そうはならぬよう 方策を考えておる。 93 00:10:48,810 --> 00:10:53,681 供の者を犬死させるおつもりか。➡ 94 00:10:53,681 --> 00:10:56,684 殿が駿府へ行く。 ずらずらと 人がついていく。 95 00:10:56,684 --> 00:10:59,821 その先には 犬死しかなかろうが! 96 00:10:59,821 --> 00:11:03,157 これ以上 人をなくして どうするおつもりか! 97 00:11:03,157 --> 00:11:06,060 死ぬとは限らぬ! 後見を降りると言え! 98 00:11:06,060 --> 00:11:09,497 誰に向かって物を言うておる! 99 00:11:09,497 --> 00:11:15,370 六左衛門は その後も 直之の説得を続けたが➡ 100 00:11:15,370 --> 00:11:22,844 直之はもう 完全に へそを曲げてしまっての。 101 00:11:22,844 --> 00:11:30,518 直虎の守りには 龍潭寺の腕利きの 僧たちがつく事になったのじゃ。 102 00:11:30,518 --> 00:11:33,818 (傑山)何としても 殿を守り抜くんじゃ! 103 00:11:39,127 --> 00:11:42,030 直親。 104 00:11:42,030 --> 00:11:45,800 因果なものでな。 105 00:11:45,800 --> 00:11:52,100 我も明日 駿府へ 申し開きに参る事になった。 106 00:11:53,674 --> 00:11:59,814 いざとなれば 尻尾を巻いて 帰ってくるつもりだが。 107 00:11:59,814 --> 00:12:06,114 できれば 道中 守ってくれれば ありがたい。 108 00:12:34,649 --> 00:12:38,649 では 六左。 留守を頼んだぞ。 109 00:12:40,455 --> 00:12:43,124 それがしは 己が情けのうございます。 110 00:12:43,124 --> 00:12:46,994 中野殿は説得できず 殿を むざむざ駿府へ向かわせ。 111 00:12:46,994 --> 00:12:53,134 なに 女子を手にかけるほど 今川も落ちぶれてはおるまい。 112 00:12:53,134 --> 00:12:57,134 いざとなったら 逃げ戻ってくるわ。 113 00:13:00,808 --> 00:13:03,478 では 母上。 114 00:13:03,478 --> 00:13:05,478 (祐椿尼)直虎。 115 00:13:07,148 --> 00:13:10,818 まずいと思ったら 変な意地を張らず➡ 116 00:13:10,818 --> 00:13:13,518 逃げ帰るのですよ。 117 00:13:15,490 --> 00:13:19,790 約束ですよ。 はい。 118 00:13:21,829 --> 00:13:27,529 では 行ってまいります。 119 00:13:47,788 --> 00:13:51,788 では 参りましょうか。 120 00:13:54,662 --> 00:13:56,962 うむ。 121 00:13:59,800 --> 00:14:08,100 こうして 直虎たちは一路 駿府へ向かう事になったのじゃ。 122 00:14:13,347 --> 00:14:18,647 あの尼 あれだけ言うたのに…。 123 00:14:22,490 --> 00:14:27,790 暇そうじゃの。 ちょいと手伝うてくれんか。 124 00:14:31,766 --> 00:14:36,103 瀬戸村の百姓たちに 字を教えに。 125 00:14:36,103 --> 00:14:40,441 直虎から 折を見て 教えに行ってほしいと➡ 126 00:14:40,441 --> 00:14:43,110 頼まれたのじゃ。 殿が? 127 00:14:43,110 --> 00:14:47,782 (南渓)この間の田植えの時に 約束をしたらしいのじゃ。➡ 128 00:14:47,782 --> 00:14:51,652 みんなに字を教えると。 のんきな…。 129 00:14:51,652 --> 00:14:53,652 ん? 130 00:15:08,803 --> 00:15:12,673 (八助) どうでえ! 立派な名前だらあ! 131 00:15:12,673 --> 00:15:17,478 (角太郎)おらの名の方が立派だに。 (八助)字が多いだけだで! 132 00:15:17,478 --> 00:15:21,816 (甚兵衛)お運び下さいまして ありがとうごぜえますだ。 133 00:15:21,816 --> 00:15:23,751 何の。 134 00:15:23,751 --> 00:15:30,825 (甚兵衛)殿様は… 直虎様は いかがお過ごしですかいやあ? 135 00:15:30,825 --> 00:15:37,098 殿は… 駿府から呼び出しを 食らったのじゃ。 136 00:15:37,098 --> 00:15:41,798 は? 駿府から お呼び出し? 137 00:15:43,437 --> 00:15:47,775 それは わしらのお願いのせいで。 138 00:15:47,775 --> 00:15:49,710 いや…。 139 00:15:49,710 --> 00:15:55,410 まっさか ご先代の 直親様ん時のような事には。 140 00:15:57,118 --> 00:16:00,454 (富介)こんな事してる場合じゃ ねえずらあ! (福蔵)ほうで! 141 00:16:00,454 --> 00:16:03,357 わしら 瀬戸に声かけて回るで 富 福蔵は 祝田 頼むで! 142 00:16:03,357 --> 00:16:05,793 (富介)分かった! 待て待て! おい! 143 00:16:05,793 --> 00:16:08,129 このまんまじゃ 直虎様 ご先代みたいに➡ 144 00:16:08,129 --> 00:16:10,798 なっちまうかもしれんに! だったら 行かんといけんらあ! 145 00:16:10,798 --> 00:16:12,733 (直之)そなたらが行っても どうにもならぬ。 146 00:16:12,733 --> 00:16:15,469 んだって。 (直之)足手まといになるだけじゃ。 147 00:16:15,469 --> 00:16:19,807 ふんでも 直虎様は女子だでえ! 148 00:16:19,807 --> 00:16:23,807 (八助)お守りできんじゃあ 男じゃねえらあ! 149 00:16:26,147 --> 00:16:32,420 (南渓)八助。 角太郎。 ここにおっても 直虎様を➡ 150 00:16:32,420 --> 00:16:37,291 お助けできる事があるとすれば どうじゃ? 151 00:16:37,291 --> 00:16:56,591 ♬~ 152 00:16:58,646 --> 00:17:00,946 (昊天)失礼します。 153 00:17:08,122 --> 00:17:13,822 (昊天)とりあえず 本日は事もなく よろしうございましたね。 154 00:17:16,797 --> 00:17:20,468 (昊天) 部屋の四方 全て しっかりと 見張っておりますゆえ➡ 155 00:17:20,468 --> 00:17:27,768 ご安心を。 おやすみなさいませ。 うむ。 156 00:18:02,777 --> 00:18:05,446 厠です。 ご一緒致します。 157 00:18:05,446 --> 00:18:08,146 一人で行かせて下され。 158 00:18:11,318 --> 00:18:14,789 ≪た… 誰か! 何じゃ? 159 00:18:14,789 --> 00:18:17,124 殿! 殿! 160 00:18:17,124 --> 00:18:21,796 何をする 離して下され! (昊天)次郎! いかがした!? 161 00:18:21,796 --> 00:18:29,136 ♬~ 162 00:18:29,136 --> 00:18:33,407 (昊天)次郎。 そのままに!➡ 163 00:18:33,407 --> 00:18:36,744 動いてはなりませんよ。 164 00:18:36,744 --> 00:18:54,762 ♬~ 165 00:18:54,762 --> 00:18:57,097 大事ないですか。 次郎。 166 00:18:57,097 --> 00:19:03,771 こ… こ… 腰が 抜けた。 167 00:19:03,771 --> 00:19:07,471 (傑山)ハハハ 何じゃ 蛇か。 168 00:19:09,109 --> 00:19:12,980 あっ ああ…。 169 00:19:12,980 --> 00:19:16,784 (南渓)政次の事…? (なつ)はい。 170 00:19:16,784 --> 00:19:22,122 どうしても 一つ 解せぬ事がございまして。 171 00:19:22,122 --> 00:19:25,993 義兄上には 子がありませぬ。 172 00:19:25,993 --> 00:19:30,464 井伊の後見におさまり 手に入れたところで➡ 173 00:19:30,464 --> 00:19:35,302 先のない事と申しますか。 にもかかわらず➡ 174 00:19:35,302 --> 00:19:39,302 それほどまでに こだわるのは もしや…。 175 00:19:42,409 --> 00:19:49,709 井伊を 今川から守る盾になろうと しているのではないかと。 176 00:19:52,753 --> 00:19:59,426 分からん。 わしは 政次ではないからの。➡ 177 00:19:59,426 --> 00:20:05,766 じゃが もし 仮に それが 政次の本意だったとしても➡ 178 00:20:05,766 --> 00:20:11,438 政次は 認めぬであろうの。 何故。 179 00:20:11,438 --> 00:20:18,138 本意を読まれれば もう 盾にはならぬからの。 180 00:20:23,050 --> 00:20:28,350 (昊天)では 参りましょうか。 うむ。 181 00:20:34,128 --> 00:20:37,128 (政次)おとわ。 182 00:20:38,999 --> 00:20:43,137 今からでも遅くはない。 183 00:20:43,137 --> 00:20:47,474 後見をやめると言わぬか。➡ 184 00:20:47,474 --> 00:20:52,146 昨夜のような事が また あるかもしれぬし➡ 185 00:20:52,146 --> 00:20:58,146 危ない目に遭うのは お前だけではないと思わぬか。 186 00:21:06,160 --> 00:21:09,460 ≪(物音) 187 00:21:50,671 --> 00:21:53,671 うっ! ああっ! 188 00:21:58,412 --> 00:22:02,412 うああっ! うあっ! 189 00:22:05,819 --> 00:22:30,044 ♬~ 190 00:22:30,044 --> 00:22:32,980 けがはござらぬか。 191 00:22:32,980 --> 00:22:36,450 来てくれたのか。 192 00:22:36,450 --> 00:22:41,121 女子のくせに 出しゃばるから かような目に遭うのじゃ! 193 00:22:41,121 --> 00:22:44,821 女子は関わりなかろう。 194 00:22:52,466 --> 00:22:56,804 男のまねをしようが 直虎という名を付けようが➡ 195 00:22:56,804 --> 00:22:58,739 そなたは女子じゃ! 196 00:22:58,739 --> 00:23:04,144 そこで すくんでおられたが 何よりの証拠じゃ! 197 00:23:04,144 --> 00:23:08,015 男でも かような事になれば…。 守れねば➡ 198 00:23:08,015 --> 00:23:13,153 こちらの立つ瀬がないと 言うておるのじゃ。 199 00:23:13,153 --> 00:23:18,025 村の男たちは 話を聞き➡ 200 00:23:18,025 --> 00:23:22,496 そなたを守ると 駆け出さぬばかりの勢いであった。 201 00:23:22,496 --> 00:23:27,835 殿は女子ゆえ 我らが守らねばと。➡ 202 00:23:27,835 --> 00:23:32,835 そなたは さような事を 考えた事もなかろう! 203 00:23:38,445 --> 00:23:43,117 ≪(昊天)次郎…! ≪(傑山)次郎! 204 00:23:43,117 --> 00:23:45,786 次郎! 次郎! 205 00:23:45,786 --> 00:23:48,122 けがは… けがはありませんか! 206 00:23:48,122 --> 00:23:52,793 うむ…。 直之に助けてもらい。 207 00:23:52,793 --> 00:24:15,048 ♬~ 208 00:24:15,048 --> 00:24:17,748 次郎? 209 00:24:23,157 --> 00:24:27,457 政次は どこじゃ。 210 00:24:43,443 --> 00:24:46,143 御用にございますか? 211 00:24:51,118 --> 00:24:54,788 政次。 212 00:24:54,788 --> 00:24:59,660 虎松の後見は そなたに任す。 213 00:24:59,660 --> 00:25:02,462 (直之)こ… ここまで来て 何を言いだされる! 214 00:25:02,462 --> 00:25:04,798 もとより そうせよと 言うておったではないか。 215 00:25:04,798 --> 00:25:08,468 いや しかし それがしが来たからには➡ 216 00:25:08,468 --> 00:25:15,342 必ずや お守り。 何事も 命あっての物種。 217 00:25:15,342 --> 00:25:19,479 まさかの時には そうせよと➡ 218 00:25:19,479 --> 00:25:24,179 これは 和尚様からのご指図でもある。 219 00:25:29,823 --> 00:25:39,633 但馬。 直虎は引く事にしたと 駿府へ伝えてくれ。 220 00:25:39,633 --> 00:25:43,933 まこと それでよいのですか。 221 00:25:48,108 --> 00:25:54,408 かように恐ろしいのは もう たくさんじゃ。 222 00:25:57,117 --> 00:25:59,786 もうよい…。 223 00:25:59,786 --> 00:26:23,477 ♬~ 224 00:26:23,477 --> 00:26:27,177 では 我らは戻るか。 225 00:26:28,815 --> 00:26:30,815 はい。 226 00:26:40,427 --> 00:26:43,127 之の字。 227 00:26:45,766 --> 00:26:48,466 少し話さぬか。 228 00:26:50,637 --> 00:26:54,441 之の字。 何なのですか。 その呼び名は。 229 00:26:54,441 --> 00:26:58,111 お雪の方がよいか。 そなたは羨ましいほど色白じゃ。 230 00:26:58,111 --> 00:27:00,447 之の字で。 231 00:27:00,447 --> 00:27:04,747 実は一つ 頼みたい事がある。 232 00:27:06,787 --> 00:27:11,487 これは そなたにしかできぬ事じゃ。 233 00:27:33,747 --> 00:27:37,417 道中で 己のやっている事の恐ろしさに➡ 234 00:27:37,417 --> 00:27:41,088 気付いたようにございます。 235 00:27:41,088 --> 00:27:45,425 初めから こうしてくれておれば よいものを。 236 00:27:45,425 --> 00:27:48,425 お手を煩わせまして。 237 00:27:50,297 --> 00:27:52,299 ≪(家人)申し上げます。 238 00:27:52,299 --> 00:27:55,102 (寿桂尼)何じゃ。 はっ。 239 00:27:55,102 --> 00:27:58,972 井伊の中野というものが 書状を持ってまいったと。 240 00:27:58,972 --> 00:28:02,976 (寿桂尼)正式なものを 持ってまいったという事か? 241 00:28:02,976 --> 00:28:06,113 (家人)いかが致しましょうか? 242 00:28:06,113 --> 00:28:12,113 殿は ご不在ゆえ 私が会おう。 (家人)はっ。 243 00:28:44,751 --> 00:28:48,451 面を上げよ。 244 00:28:51,625 --> 00:29:05,772 ♬~ 245 00:29:05,772 --> 00:29:09,109 井伊直虎にございます。 246 00:29:09,109 --> 00:29:16,109 こたび 太守様の命により 申し開きに参上つかまつりました。 247 00:29:19,453 --> 00:29:27,127 そなた 但馬に後見を託し 井伊に戻ったと聞いたが。 248 00:29:27,127 --> 00:29:30,797 はっ。 こたびは ありがたくも➡ 249 00:29:30,797 --> 00:29:34,401 太守様より 駿府へ申し開きに来るよう➡ 250 00:29:34,401 --> 00:29:37,401 お指図を頂きまして。 251 00:29:39,072 --> 00:29:42,943 こたびこそは 決して お下知に逆らうまい➡ 252 00:29:42,943 --> 00:29:45,412 必ずや 申し開きに参ろうと➡ 253 00:29:45,412 --> 00:29:48,315 勇んで 井伊を出たので ございますが➡ 254 00:29:48,315 --> 00:29:54,421 道中 何者かに 付け狙われまして。 255 00:29:54,421 --> 00:29:59,092 これでは たどりつけぬ また お下知に逆らう事になると➡ 256 00:29:59,092 --> 00:30:04,392 涙をのんで そこなる但馬を隠れみのに使い。 257 00:30:08,768 --> 00:30:13,468 その何者かを 欺きましてございます。 258 00:30:15,442 --> 00:30:19,312 それほどまでに 申し開きがしたいとは➡ 259 00:30:19,312 --> 00:30:23,316 殊勝な心がけじゃ。 はっ。 260 00:30:23,316 --> 00:30:29,456 聞くところによれば 今川よりの命である➡ 261 00:30:29,456 --> 00:30:34,794 徳政を行わなかったと いう事であるが。 262 00:30:34,794 --> 00:30:40,133 行わなかったのではなく できなかったのでございます。 263 00:30:40,133 --> 00:30:44,004 徳政を命ぜられました折 既に 瀬戸・祝田は➡ 264 00:30:44,004 --> 00:30:48,004 寄進を受け 寺領となっておりましたゆえ。 265 00:30:57,150 --> 00:31:01,821 今川麾下の者が守るべき 「仮名目録」➡ 266 00:31:01,821 --> 00:31:05,158 第二十二条 不入の地の事。 267 00:31:05,158 --> 00:31:09,029 改めるに及ばず。 すなわち 寺社領においては➡ 268 00:31:09,029 --> 00:31:14,501 守護といえど 介入はならぬと 明記されておりますゆえ。 269 00:31:14,501 --> 00:31:19,172 井伊は 忠実に お定めに 従ったまでにございます。 270 00:31:19,172 --> 00:31:23,043 (寿桂尼)よう小理屈を ひねり出したようじゃが➡ 271 00:31:23,043 --> 00:31:29,182 あいにく この件は 義元公の追加の掟によって➡ 272 00:31:29,182 --> 00:31:33,053 改められておる。 273 00:31:33,053 --> 00:31:41,127 守護使不入とありとて お下知に背くべけんやと。 274 00:31:41,127 --> 00:31:49,803 井伊が忠実に掟に従うならば 下知には背かぬのが道理。 275 00:31:49,803 --> 00:31:54,103 速やかに 徳政を行われよ。 276 00:32:01,414 --> 00:32:07,153 私に 徳政を行え… と。 277 00:32:07,153 --> 00:32:10,056 (寿桂尼)そうじゃ。 278 00:32:10,056 --> 00:32:14,828 それは 私こそ それに ふさわしきもの➡ 279 00:32:14,828 --> 00:32:21,501 後見と お認めとなっておられる という事になりますが。 280 00:32:21,501 --> 00:32:25,801 さように受け止めて よろしいのでございましょうか。 281 00:32:28,842 --> 00:32:34,648 恐れながら 申し上げたき儀がございます!➡ 282 00:32:34,648 --> 00:32:41,648 それがし ここに 一通 文を預かっております。 283 00:32:48,128 --> 00:32:51,998 虎松君のご生母様より➡ 284 00:32:51,998 --> 00:32:57,298 直虎様の後見を望まぬという 書状にてございます。 285 00:32:59,739 --> 00:33:04,477 それは 困った話よのう。 286 00:33:04,477 --> 00:33:08,815 生母が望まぬ後見など➡ 287 00:33:08,815 --> 00:33:13,687 火種となるのは目に見えておる。 288 00:33:13,687 --> 00:33:16,489 井伊の事を思えば➡ 289 00:33:16,489 --> 00:33:22,362 さような者の後見を認めるのは 難しいのう。 290 00:33:22,362 --> 00:33:33,440 ♬~ 291 00:33:33,440 --> 00:33:36,109 (家人) ご詮議中 ごめんつかまつる! 292 00:33:36,109 --> 00:33:38,044 何じゃ。 はっ。 293 00:33:38,044 --> 00:33:40,780 ただいま かようなものが 届けられました。 294 00:33:40,780 --> 00:33:46,119 井伊のものとの事で 急ぎ お持ちした次第でございます。 295 00:33:46,119 --> 00:33:48,819 (寿桂尼)広げよ。 (家人)はっ。 296 00:34:07,807 --> 00:34:11,144 甚… 兵衛。 297 00:34:11,144 --> 00:34:14,844 八助 角太郎。 298 00:34:16,483 --> 00:34:19,819 (甚兵衛)「瀬戸村 祝田村一同➡ 299 00:34:19,819 --> 00:34:28,519 井伊直虎様の後見を 伏して 願い奉りまする」。 300 00:34:31,431 --> 00:34:35,431 どういう事なのじゃ これは。 301 00:34:37,103 --> 00:34:43,443 徳政を願い出た 瀬戸と祝田の百姓たちです。 302 00:34:43,443 --> 00:34:46,443 百姓たち? 303 00:34:54,087 --> 00:34:57,791 (南渓)「かつて 義元公は➡ 304 00:34:57,791 --> 00:35:00,460 己の力量をもって➡ 305 00:35:00,460 --> 00:35:05,799 国を治むと のたまわれり。➡ 306 00:35:05,799 --> 00:35:11,471 くらぶべくもない 小さき力量なれど➡ 307 00:35:11,471 --> 00:35:18,812 直虎にも それを お許し願いたく存じ奉り候。➡ 308 00:35:18,812 --> 00:35:23,683 なぜならば それが井伊の民が 望むところであるゆえ。➡ 309 00:35:23,683 --> 00:35:27,821 その旨 お伝え申し上げたく➡ 310 00:35:27,821 --> 00:35:35,094 お目汚しとは承知の上 差し出したる次第にて候」。 311 00:35:35,094 --> 00:35:48,394 ♬~ 312 00:35:57,784 --> 00:36:02,121 (寿桂尼)直虎。 はっ! 313 00:36:02,121 --> 00:36:06,459 もし そなたに井伊を任せれば➡ 314 00:36:06,459 --> 00:36:12,159 そなたは いかにして 民を治める。 315 00:36:19,038 --> 00:36:22,038 潤す事で。 316 00:36:23,810 --> 00:36:25,810 潤す。 317 00:36:27,680 --> 00:36:35,421 国というのは まず 民が潤わねばなりませぬ。 318 00:36:35,421 --> 00:36:43,763 民が潤わねば 国が潤う事は ないと存じます。 319 00:36:43,763 --> 00:36:49,435 民が潤えば 井伊が潤います。 320 00:36:49,435 --> 00:36:56,109 井伊が潤えば それは 今川の潤いとなっていくと➡ 321 00:36:56,109 --> 00:37:01,409 私は考えております。 322 00:37:06,119 --> 00:37:08,819 (ため息) 323 00:37:15,461 --> 00:37:18,461 井伊直虎。 324 00:37:21,801 --> 00:37:26,673 そなたに 後見を許す。 325 00:37:26,673 --> 00:37:35,673 向後は 己の力量をもって 井伊を潤すがよい。 326 00:37:37,750 --> 00:37:42,422 では! (寿桂尼)ただし 次はない!➡ 327 00:37:42,422 --> 00:37:50,763 もう二度と 生きて申し開きが できると思わぬ事じゃ。 328 00:37:50,763 --> 00:37:54,634 き… 肝に銘じておきまする! 329 00:37:54,634 --> 00:38:18,458 ♬~ 330 00:38:18,458 --> 00:38:21,794 (六左衛門)直虎様~! 331 00:38:21,794 --> 00:38:24,094 六左。 332 00:38:27,667 --> 00:38:31,404 六左! 直虎様。 333 00:38:31,404 --> 00:38:35,074 届けてくれたは お前じゃったのか! 334 00:38:35,074 --> 00:38:38,945 無事 届きましたか! うむ。 335 00:38:38,945 --> 00:38:44,083 おかげで こうしておられる。 336 00:38:44,083 --> 00:38:48,783 よう… ようございました。 337 00:38:50,423 --> 00:38:54,093 六左! はい! 338 00:38:54,093 --> 00:38:58,765 戻るぞ 井伊へ! はい! 339 00:38:58,765 --> 00:39:13,780 ♬~ 340 00:39:13,780 --> 00:39:16,683 ≪直虎様! 341 00:39:16,683 --> 00:39:46,983 ♬~ 342 00:40:08,768 --> 00:40:11,671 お帰りなさいませ。 (あやめ)よくぞ ご無事で。 343 00:40:11,671 --> 00:40:16,971 次郎 大儀であった。 よく戻ってきた。 344 00:40:32,992 --> 00:40:38,292 (たけの泣き声) 345 00:40:46,806 --> 00:40:49,806 お帰りなさい。 346 00:40:53,679 --> 00:40:59,679 井伊直虎 ただいま戻ってまいりました! 347 00:41:05,825 --> 00:41:08,525 (祐椿尼)よくぞ ご無事で。 348 00:41:10,496 --> 00:41:15,196 (南渓)直盛殿 もう少し どうじゃ。 349 00:41:17,837 --> 00:41:20,537 直親も どうじゃ。 350 00:41:23,176 --> 00:41:30,850 いつも 井伊をお守り下さり ありがたい。 351 00:41:30,850 --> 00:41:45,131 ♬~ 352 00:41:45,131 --> 00:41:50,002 小野の屋敷へ戻るのですか。 353 00:41:50,002 --> 00:41:56,475 はい。 あちらにつき こちらにつき➡ 354 00:41:56,475 --> 00:42:00,346 やじろべえのように ゆらゆらと いるのが➡ 355 00:42:00,346 --> 00:42:03,646 私のお役目ゆえ。 356 00:42:06,485 --> 00:42:10,185 亡き殿からの お指図ですから。 357 00:42:11,824 --> 00:42:14,524 そうですね。 358 00:42:16,495 --> 00:42:20,833 (氏真)申し開きなど はねつける手もあったものを。 359 00:42:20,833 --> 00:42:26,172 大方様は あの女子が いかにして 井伊を治めるか➡ 360 00:42:26,172 --> 00:42:29,508 見てみたくなったのかも しれませぬ。 361 00:42:29,508 --> 00:42:35,208 おばば様には お仲間のように 思われたのかもしれぬの。 362 00:42:38,117 --> 00:42:44,457 面白くないのう。 但馬よ。 363 00:42:44,457 --> 00:42:48,757 いずれ また 好機はございましょう。 364 00:42:54,467 --> 00:43:01,340 こうして 風変わりな女子の治める 山あいの小さな谷は➡ 365 00:43:01,340 --> 00:43:08,014 ようやく その一歩を 歩みだしたのでござる。 366 00:43:08,014 --> 00:43:10,816 続く。 367 00:43:10,816 --> 00:43:15,816 やってみねば分からぬではないか。 変わった尼様じゃのう。 368 00:43:18,157 --> 00:43:23,029 ♬「己で荒れ地を耕せば 実りがいでて お年貢も」 369 00:43:23,029 --> 00:43:28,167 ♬「三年もなしとききまする」 ♬「かの瀬戸村でありますか」 370 00:43:28,167 --> 00:43:30,867 あの女子の怖いところだ。 371 00:43:34,440 --> 00:43:37,109 <静岡県静岡市。➡ 372 00:43:37,109 --> 00:43:40,012 公家の娘として 京で育った寿桂尼は➡ 373 00:43:40,012 --> 00:43:46,118 駿府の戦国大名 今川氏親のもとへ こし入れしました。➡ 374 00:43:46,118 --> 00:43:49,455 病に伏せた夫 氏親に代わり➡ 375 00:43:49,455 --> 00:43:53,793 「今川仮名目録」の編さんに 関わったともいわれています。➡ 376 00:43:53,793 --> 00:43:56,128 土地の所有権や 借金についてなど➡ 377 00:43:56,128 --> 00:44:00,428 33か条にわたって 規約が記されています> 378 00:44:02,802 --> 00:44:06,472 <夫の死後 幼くして当主となった 息子を支え➡ 379 00:44:06,472 --> 00:44:08,407 今川家をもり立てた寿桂尼は➡ 380 00:44:08,407 --> 00:44:13,107 後に おんな戦国大名と 称されるようになります> 381 00:44:15,481 --> 00:44:20,353 <駿府の中心部から北に向かうと 油山という地域があります。➡ 382 00:44:20,353 --> 00:44:25,157 湯治場として 多くの人々を迎えていました。➡ 383 00:44:25,157 --> 00:44:28,494 寿桂尼も この湯治場に滞在し➡ 384 00:44:28,494 --> 00:44:33,194 義元や氏真ら 家族との時間を過ごしました> 385 00:44:35,301 --> 00:44:39,438 <そして 晩年になると 今川館を離れ➡ 386 00:44:39,438 --> 00:44:43,138 この龍雲寺で 暮らすようになります> 387 00:44:44,777 --> 00:44:48,447 <今川氏の栄枯盛衰と共に生きた 寿桂尼は➡ 388 00:44:48,447 --> 00:44:52,447 新たな時代を切り開いた 女性だったのです> 389 00:45:33,059 --> 00:45:49,141 ♬~ 390 00:45:49,141 --> 00:45:51,141 (刃音) 391 00:45:55,815 --> 00:45:57,850 待ちやがれ!