1 00:00:02,102 --> 00:02:37,090 ♬~ 2 00:02:48,201 --> 00:02:50,537 ⚟(藤吉郎)おかか 戻ったぞ。 3 00:02:50,537 --> 00:02:53,206 (ねね)藤吉郎殿! 遅うなったのう。 4 00:02:53,206 --> 00:02:55,876 もう! 城で いろいろあってのう。 5 00:02:55,876 --> 00:02:58,211 お城の土塀修理を お引き受けなすったとは➡ 6 00:02:58,211 --> 00:03:01,114 まことでございますか!? ああ まことじゃ。 7 00:03:01,114 --> 00:03:04,484 それも 3日と 期限をお切りになったとか。 8 00:03:04,484 --> 00:03:08,155 急がねばならん。 いつ 敵が攻めてくるやもしれぬ非常時じゃ。 9 00:03:08,155 --> 00:03:11,058 こないだの嵐で 100間も倒れたと聞いております。 10 00:03:11,058 --> 00:03:13,026 それを たったの3日で…。 11 00:03:13,026 --> 00:03:17,497 普請奉行様が10日でもできぬことを どうして 3日で!? 12 00:03:17,497 --> 00:03:20,400 藤吉郎様のお心が 分かりませぬ! 13 00:03:20,400 --> 00:03:24,171 ハッハッハッハ! おかかの案ずることではないわ。 14 00:03:24,171 --> 00:03:28,508 殿とのお約束が果たせぬ時は どうなさるおつもりじゃ。 15 00:03:28,508 --> 00:03:30,844 信長様のことじゃ➡ 16 00:03:30,844 --> 00:03:34,714 首が飛ぶか 腹を切るか…。 それを ご承知で!? 17 00:03:34,714 --> 00:03:37,184 命は惜しい。 どうでも やらねばなるまいのう。 18 00:03:37,184 --> 00:03:41,054 でも どうやって!? さて どうするかのう。 19 00:03:41,054 --> 00:03:44,057 ハッハッハッハ。 20 00:03:44,057 --> 00:03:46,860 おお! (みつ)お帰りなさいませ。 21 00:03:46,860 --> 00:03:49,196 酒がないではないか。 おかか 酒じゃ。 22 00:03:49,196 --> 00:03:53,900 大事な お客人じゃ。 粗末に扱うてはならんぞ。はい。 23 00:04:01,775 --> 00:04:07,781 ⚟(笑い声) 24 00:04:12,819 --> 00:04:16,690 <藤吉郎が普請奉行を仰せつけられたと 聞かされた ねねは➡ 25 00:04:16,690 --> 00:04:19,159 気が気ではなかった。➡ 26 00:04:19,159 --> 00:04:23,029 当の藤吉郎は 至って のんきな顔をしているが➡ 27 00:04:23,029 --> 00:04:27,834 事の重大さは ねねにも分かる。➡ 28 00:04:27,834 --> 00:04:31,838 ねねは 中村への道を急いでいた> 29 00:04:43,183 --> 00:04:47,521 (なか)ねね! ねねさではないか! 30 00:04:47,521 --> 00:04:49,456 一人か? はい。 31 00:04:49,456 --> 00:04:52,392 なんぞ 藤吉郎の身に変わったことでも…。 32 00:04:52,392 --> 00:04:55,862 いいえ。 久しく ご無沙汰しておりますゆえ➡ 33 00:04:55,862 --> 00:04:57,798 ご機嫌伺いに。 34 00:04:57,798 --> 00:05:01,468 (きい)義姉様! 突然 朝 早うから…。 35 00:05:01,468 --> 00:05:06,339 いや あの たわけの藤吉郎が 戦で くたばりおったかと思うたわ。 36 00:05:06,339 --> 00:05:09,810 きい 何してる! 早く すすぎの水をくんでやらぬか。 37 00:05:09,810 --> 00:05:11,812 はい! さあさ お入りなされ。 38 00:05:22,389 --> 00:05:26,159 それで 信長様が 兄さに…。 39 00:05:26,159 --> 00:05:31,498 信長様は ご気性の激しいお方…。 もし 3日たって できぬとなれば➡ 40 00:05:31,498 --> 00:05:35,168 藤吉郎様のお命を 召されるかもしれませぬ。 41 00:05:35,168 --> 00:05:40,841 あの たわけ者めが…。 いつになったら直るんじゃろう。 42 00:05:40,841 --> 00:05:46,179 また きっと 功を急いでるに違いない。 殿様の目に留まりたいばっかりに。 43 00:05:46,179 --> 00:05:48,849 藤吉郎というのは そういう男よのう。 44 00:05:48,849 --> 00:05:53,720 きっと いつか 自分の手で 自分の首を絞めるに違いない。 45 00:05:53,720 --> 00:05:59,860 いえ そうなっては… 私は生きてはいかれませぬ。 46 00:05:59,860 --> 00:06:06,132 どうあっても 藤吉郎様には お役目を果たしていただかねば…。 47 00:06:06,132 --> 00:06:11,805 頼みます 小一郎殿。 兄様に お力を貸してくだされ。 48 00:06:11,805 --> 00:06:15,475 (小一郎)いや… わしが行っても 何の役にも立たぬわ。 49 00:06:15,475 --> 00:06:17,811 わしに 塀など造れる道理がない。 50 00:06:17,811 --> 00:06:23,683 いえ ただ そばにいてくださるだけで それだけで どれだけ励みになるか。 51 00:06:23,683 --> 00:06:28,822 藤吉郎様は 小一郎殿を頼りにしておられます。 52 00:06:28,822 --> 00:06:32,158 私は よう知っております。 53 00:06:32,158 --> 00:06:35,161 そう言われてものう…。 54 00:06:37,030 --> 00:06:42,168 お義母様が お許しくださらぬことは よう分かっております。 55 00:06:42,168 --> 00:06:49,509 ただ この度だけは ほかに頼れる人がのうて…。 56 00:06:49,509 --> 00:06:53,179 小一郎 行ってやれ。➡ 57 00:06:53,179 --> 00:06:56,850 藤吉郎がどうなろうと 自業自得じゃ。 58 00:06:56,850 --> 00:07:01,121 親の頼みも聞かいで 侍になった報いじゃ。 59 00:07:01,121 --> 00:07:03,456 おっ母さあ。 ねねさのためじゃ。 60 00:07:03,456 --> 00:07:08,328 あんな男のために ここまで来られた ねねさの気持ちを無にしてはならぬ。 61 00:07:08,328 --> 00:07:13,133 わしは この人が いたわしゅうて。 お義母様…。 62 00:07:13,133 --> 00:07:17,804 小一郎など 何の役にも立たんじゃろうが➡ 63 00:07:17,804 --> 00:07:21,675 そばにおるだけで お前様の気持ちが 収まるというのでありゃ。 64 00:07:21,675 --> 00:07:24,144 ありがとうございます。 65 00:07:24,144 --> 00:07:29,816 義姉様も 兄さと添うたばっかりに ご心労なことじゃのう。いえ…。 66 00:07:29,816 --> 00:07:31,751 ⚟(嘉助)きいさん!➡ 67 00:07:31,751 --> 00:07:34,054 きいさん おるかね! 68 00:07:35,689 --> 00:07:38,158 ああ 嘉助さん。 69 00:07:38,158 --> 00:07:44,497 あれ… 客人かね? ちょうどええとこへ。 70 00:07:44,497 --> 00:07:49,169 義姉様じゃ。 兄さのおかか様じゃ。 嘉助さだ。 71 00:07:49,169 --> 00:07:52,839 きいとは幼なじみでのう 近々 祝言を挙げるんじゃ。 72 00:07:52,839 --> 00:07:57,711 まあ きい殿と? はい! 嘉助だす! 73 00:07:57,711 --> 00:08:01,114 藤吉郎殿のおかかです。 74 00:08:01,114 --> 00:08:05,785 それはまあ 藤吉郎殿も お喜びになるでしょう。 75 00:08:05,785 --> 00:08:09,656 いや~ 藤吉郎様は わしなんぞ お気には入らにゃあずらが…。 76 00:08:09,656 --> 00:08:15,128 何を言う! 兄さのような侍になるより 百姓の方が なんぼええか。 77 00:08:15,128 --> 00:08:19,466 戦に行く心配もなけりゃ 殿様にペコペコすることもない。 78 00:08:19,466 --> 00:08:21,801 わしには 一番のお人じゃ。 79 00:08:21,801 --> 00:08:24,137 きい殿の言われるとおりじゃ。 80 00:08:24,137 --> 00:08:28,007 百姓は 土さえあれば 一国一城の主。 81 00:08:28,007 --> 00:08:32,479 殿様の顔色をうかがって生きるなど 哀れなことじゃ。 82 00:08:32,479 --> 00:08:36,149 いや~ けんど 侍ともなれば 藤吉郎殿も➡ 83 00:08:36,149 --> 00:08:39,819 このように美しい人を おかかにもできる。 いや~ 大したものよのう。 84 00:08:39,819 --> 00:08:42,822 (きい)わしでは 不足か? (嘉助)そうではないと…。 85 00:08:54,167 --> 00:08:56,102 重ねて お願いいたします。 86 00:08:56,102 --> 00:09:02,976 私が 小一郎殿をお迎えに行ったことは 藤吉郎様には くれぐれも内密に。 87 00:09:02,976 --> 00:09:06,446 水を使うてきます。 あっ すすぎを持ってきますほどに…。 88 00:09:06,446 --> 00:09:09,749 いやいやいや わしは客じゃない。 気を遣うてはくださるな。 89 00:09:26,132 --> 00:09:31,137 (みつ)お留守に戻ってまいりまして 水を使わせていただいておりました。 90 00:09:35,141 --> 00:09:37,077 何者じゃ あの女子は。 91 00:09:37,077 --> 00:09:42,816 踊りを生計に 諸国を回っておるそうな。 おみつ殿とかいう…。 92 00:09:42,816 --> 00:09:44,751 あっ。 93 00:09:44,751 --> 00:09:47,487 義姉様の知り人か。 いいえ。 94 00:09:47,487 --> 00:09:51,357 藤吉郎様が お連れになったのじゃ。 95 00:09:51,357 --> 00:09:53,827 よう あのような女子を。 96 00:09:53,827 --> 00:09:56,729 おつとめに大事な客人じゃそうな。 97 00:09:56,729 --> 00:10:00,500 おつとめに 女子がか? ほかにも いろんなお人が。 98 00:10:00,500 --> 00:10:02,802 さあ。 ああ。 99 00:10:06,372 --> 00:10:08,675 (薪を割る音) 100 00:10:10,844 --> 00:10:12,779 小一郎! 101 00:10:12,779 --> 00:10:16,182 おお 兄さ 戻られたか。 何しに来た? 102 00:10:16,182 --> 00:10:19,085 ああ たまには 清洲の風に当たりとうてのう。 103 00:10:19,085 --> 00:10:21,521 塀の修理は進んどるのか? うん。 104 00:10:21,521 --> 00:10:24,858 義姉様が案じておられた。 わしにも手伝えることがあったら➡ 105 00:10:24,858 --> 00:10:27,527 手伝うてもええぞ。 それを知って 来てくれたのか。 106 00:10:27,527 --> 00:10:30,430 いや ここへ来て聞いた。 それはありがたい。 107 00:10:30,430 --> 00:10:34,868 わしはの 今ちょうど 自分の手足になって 動いてくれる者が欲しかったとこじゃ。 108 00:10:34,868 --> 00:10:37,770 今のう ご城下の大工や左官などを集めておる。 109 00:10:37,770 --> 00:10:41,741 じゃが こればっかりは 何百人 足軽の配下を持っていようと➡ 110 00:10:41,741 --> 00:10:45,211 何の役にも立ちはせぬ。 その道の者でのうてはのう。 111 00:10:45,211 --> 00:10:47,146 それを集めればいいのか。 うん。 112 00:10:47,146 --> 00:10:49,883 それじゃったら わしにもできるじゃろう。 ありがたい。 113 00:10:49,883 --> 00:10:54,220 人さえそろえば 3日はいらん。 2日で やってのけられるわ。 ハハハハ! 114 00:10:54,220 --> 00:10:56,155 (小一郎)なんぞ 成算がおありなのか? 115 00:10:56,155 --> 00:10:59,092 人は使いようじゃ。 ただ ケツをたたいてみても➡ 116 00:10:59,092 --> 00:11:02,028 怒ってみても 人は動かん。 頭で使うんじゃ。 117 00:11:02,028 --> 00:11:04,831 ここじゃよ ここ。 ハッハッハッハ! 118 00:11:04,831 --> 00:11:07,500 おかか! おかか! は… はい! 119 00:11:07,500 --> 00:11:10,403 銭を用意してくれ。 20貫文がとこ入り用じゃ。 120 00:11:10,403 --> 00:11:12,372 今宵までに そろえてくれ。 121 00:11:12,372 --> 00:11:14,374 なに 見せ金じゃ。 修理が終われば 殿より頂戴する。 122 00:11:14,374 --> 00:11:16,509 (小一郎)兄さ! 心配は無用じゃ。 123 00:11:16,509 --> 00:11:19,178 それからのう 酒も要るぞ。 いかほど支度いたしましょう。 124 00:11:19,178 --> 00:11:22,515 う~ん 大しては要らん。 あとは 空の徳利を並べておけば➡ 125 00:11:22,515 --> 00:11:24,851 ぎょうさんあるように見えるわ。 それでいい。 ハッハッハ! 126 00:11:24,851 --> 00:11:26,853 兄さ! 127 00:11:32,525 --> 00:11:36,196 (やや)藤吉郎殿は 浅野を当てにしておいでなのか!? 128 00:11:36,196 --> 00:11:40,066 やや! 私の一存で お願いに上がったのじゃ。 129 00:11:40,066 --> 00:11:42,869 藤吉郎様は 何もご存じではない。 130 00:11:42,869 --> 00:11:47,574 訳の分からぬ旅に出ては 訳の分からぬ男や女を連れてきて…! 131 00:11:49,208 --> 00:11:53,079 旅の路用と客の世話とで どれだけの銭がかかるか➡ 132 00:11:53,079 --> 00:11:55,081 藤吉郎殿が 知らぬはずはないではないか! 133 00:11:55,081 --> 00:11:57,550 20貫文の銭があるかないかぐらい。 134 00:11:57,550 --> 00:11:59,886 ないと分かっていて 無理を言えば➡ 135 00:11:59,886 --> 00:12:02,155 お姉様が 浅野へ無心に来るほかはないのじゃ! 136 00:12:02,155 --> 00:12:06,826 それを承知していて…。 あまりにも見え透いてるわ! 137 00:12:06,826 --> 00:12:11,698 もし ご無理のようでしたら 犬千代様にでも…。 138 00:12:11,698 --> 00:12:14,500 (やや)ああ~ 情けない!➡ 139 00:12:14,500 --> 00:12:18,171 それほどまでして 藤吉郎様に尽くす お姉様のお気持ちが知れぬわ。 140 00:12:18,171 --> 00:12:21,507 藤吉郎殿は 私が 一生 夫に決めたお人。 141 00:12:21,507 --> 00:12:23,843 できるだけのことをすることが 女房の務めじゃ。 142 00:12:23,843 --> 00:12:26,512 それほどまでして 藤吉郎殿に尽くされても➡ 143 00:12:26,512 --> 00:12:29,415 どぶに捨てるような銭じゃ。やや! そうではないか! 144 00:12:29,415 --> 00:12:32,852 殿とのお約束が果たせねば 藤吉郎殿のお命はない! 145 00:12:32,852 --> 00:12:35,755 死に金というものじゃ! よくも そのようなことを! 146 00:12:35,755 --> 00:12:39,525 ややとても 許さぬ! 言っていいことと悪いことがある! 147 00:12:39,525 --> 00:12:42,428 私は お姉様が あまりにも お気の毒じゃから! 148 00:12:42,428 --> 00:12:46,399 たまに浅野へ帰ってこられたと思うたら 銭の無心! 149 00:12:46,399 --> 00:12:50,169 藤吉郎殿も あんまりじゃ! もうよい。 150 00:12:50,169 --> 00:12:54,874 藤吉郎殿は 浅野の家の婿殿。 151 00:12:54,874 --> 00:12:59,212 困っておいでならば 浅野で面倒見るのは 当たり前のことじゃ。 152 00:12:59,212 --> 00:13:01,147 お母様…。 153 00:13:01,147 --> 00:13:05,485 それで 無事 お役目を果たされて お命を全うされたら➡ 154 00:13:05,485 --> 00:13:09,155 20貫文の銭など 安いものじゃ。 155 00:13:09,155 --> 00:13:11,090 ありがとうございます。 156 00:13:11,090 --> 00:13:14,494 (やや)一体 何に使うのじゃ? 157 00:13:14,494 --> 00:13:18,197 さあ。 (やや)それも ご存じないのか。 158 00:13:20,166 --> 00:13:26,039 道中 お気を付けて。 清洲へお越しの折は また お立ち寄りください。 これ。 159 00:13:26,039 --> 00:13:29,175 えろうお世話になりもうした。 いろいろ お心遣いにあずかりまして。 160 00:13:29,175 --> 00:13:32,178 お気を付けて。 どうも。では。 161 00:13:39,185 --> 00:13:42,088 さあさあ さあさあ 遠慮せず。 のう。 162 00:13:42,088 --> 00:13:44,524 明日からは 精出して働いてもらわねばならん。 163 00:13:44,524 --> 00:13:49,195 酒 肴も 十分ある。 思う存分 飲んでくれ。 のう! ハハハッ! 164 00:13:49,195 --> 00:13:51,898 おみつ殿! はい。 165 00:13:53,533 --> 00:13:56,869 ハハッ 大事な客人じゃ。 頼むぞ。 はい。 166 00:13:56,869 --> 00:14:00,740 皆様 ようおいでになりました。 どうも。 167 00:14:00,740 --> 00:14:04,444 まあまあ それでは 窮屈じゃ。 どうぞ おくつろぎくだされ。 168 00:14:06,145 --> 00:14:08,815 小一郎。 お前も 向こうで相手をしてくれ。 169 00:14:08,815 --> 00:14:12,685 いや 義姉様一人じゃ 気の毒じゃ。 いえ 私は慣れております。 170 00:14:12,685 --> 00:14:15,688 お前も わしと共に 明日から働いてもらわねばならん。 171 00:14:15,688 --> 00:14:19,459 のう 職人たちと顔なじみになってくれ。 わしも お城で? 172 00:14:19,459 --> 00:14:24,364 わしの手足になって動くのじゃ。 ほら ほら! 何やっとる 早う! 173 00:14:24,364 --> 00:14:26,365 藤吉郎様。 うん。 174 00:14:26,365 --> 00:14:30,837 あんな大勢の方でしたら 支度したお酒では とても間に合いませぬ。 175 00:14:30,837 --> 00:14:33,506 いやいや 十分じゃ。 でも せっかくの前祝いに➡ 176 00:14:33,506 --> 00:14:37,376 お酒が足りんとあっては…。 いや そうは飲まぬ。 177 00:14:37,376 --> 00:14:39,846 いや 飲めぬ。 ハッハッハッハ。 178 00:14:39,846 --> 00:14:42,849 それより 例のものは。 えっ? 179 00:14:45,518 --> 00:14:47,520 おおっ! 180 00:14:53,192 --> 00:14:56,195 万事 うまくいく。 もう こっちのもんじゃ。 181 00:15:03,803 --> 00:15:13,146 ⚟(笑い声) 182 00:15:13,146 --> 00:15:20,820 ♬~ 183 00:15:20,820 --> 00:15:22,755 (一同)よ~っ! 184 00:15:22,755 --> 00:15:42,842 ♬~ 185 00:15:42,842 --> 00:15:49,849 (拍手と歓声) 186 00:16:00,126 --> 00:16:03,462 おのおの方 お役目 ご苦労でござる。 187 00:16:03,462 --> 00:16:08,134 この席を借りて 明日からの普請の手順を ご説明申し上げる。 188 00:16:08,134 --> 00:16:10,803 修理の土塀は 100間じゃ。 189 00:16:10,803 --> 00:16:16,142 100間を おのおの方10人が 10分の1ずつ 10組に分けて受け持ってもらう。 190 00:16:16,142 --> 00:16:20,480 おのおの方が 一つの持ち場の長というわけじゃ。 191 00:16:20,480 --> 00:16:25,151 おぬしたち一人一人がのう 好きな職人を集めて 工事にかかる。 192 00:16:25,151 --> 00:16:29,021 何人 手下を集めようと おぬしたち 長の勝手じゃ。 193 00:16:29,021 --> 00:16:31,724 さて そこでじゃ。 194 00:16:34,494 --> 00:16:37,830 ここにのう…➡ 195 00:16:37,830 --> 00:16:40,166 20貫文の銭がある。 196 00:16:40,166 --> 00:16:46,839 10組のうち 一番早う上げた者には 10貫文 賞金として遣わす。 197 00:16:46,839 --> 00:16:50,710 2番手にも 5貫文。 3番手以下にも 5貫文 賞金として渡す。 198 00:16:50,710 --> 00:16:53,713 これは 手当とは別じゃ。 199 00:16:53,713 --> 00:16:56,515 誰の手に渡るかは分からぬが➡ 200 00:16:56,515 --> 00:17:01,120 ほれ このとおり ちゃんと銭は用意してある。 201 00:17:01,120 --> 00:17:03,789 まあ 作業はきついであろうがのう➡ 202 00:17:03,789 --> 00:17:07,660 賞金を励みに せいぜい精を出していただきたい。 203 00:17:07,660 --> 00:17:10,663 お分かりいただけたかのう。 204 00:17:10,663 --> 00:17:15,801 さあ あとは 無礼講じゃ。 酒もある 肴もある 美女もおる。 205 00:17:15,801 --> 00:17:18,704 思う存分 楽しんでくれ。 さあ おみつ殿 おつぎもうしてくれ。 206 00:17:18,704 --> 00:17:21,140 はい。 さあさあ さあさあ。 ハッハッハ! 207 00:17:21,140 --> 00:17:24,477 さあ! どうなされました? さあさ。 208 00:17:24,477 --> 00:17:30,149 我らがのう いくら力を尽くしてみても この仕事は おぬしたちでのうてはできん。 209 00:17:30,149 --> 00:17:34,487 おぬしたちの腕が頼りじゃ。 おぬしたちが 大将ぞ! 210 00:17:34,487 --> 00:17:37,156 ハッハッハ! さあ 気張ってくれ。 さあさ やってくれ やってくれ。 211 00:17:37,156 --> 00:17:40,826 (太助)わしは もう…。うん? 前祝いではないか。 いいではないか。 212 00:17:40,826 --> 00:17:43,162 いや わしは ちょっと…。 どこへ行かれる どこへ行かれる。 213 00:17:43,162 --> 00:17:46,499 小用。 小用じゃ。 ああ 小用か。 214 00:17:46,499 --> 00:17:51,504 どうなされました? さあさ。 やってくれ。 思う存分 やってくれ。 215 00:17:53,839 --> 00:17:57,143 かわやなら こちらでございます。 216 00:18:00,646 --> 00:18:05,952 いや 急に 用を思い出してのう。 ごちそうになりました。 217 00:18:14,460 --> 00:18:18,331 どうした? とんと進まぬではないか。 さあさあさあ やってくれ やってくれ…。 218 00:18:18,331 --> 00:18:21,801 さあさあ…。藤吉郎様。 おっ 肴が来た。 219 00:18:21,801 --> 00:18:24,136 酒は? はい。 ただいま すぐ…。 220 00:18:24,136 --> 00:18:26,472 太助殿は 遅いのう。 まだ かわやか? 221 00:18:26,472 --> 00:18:29,375 お帰りになりました。 所用がおありになるとかで。 222 00:18:29,375 --> 00:18:33,813 何 帰った?はい。 おおかた 明日の手配に忙しいんだろう。 223 00:18:33,813 --> 00:18:37,149 せっかくじゃのに 残念じゃのう。 ハッハッハッハ! 224 00:18:37,149 --> 00:18:40,052 まだ 宵の口じゃ。 おのおの方 ゆっくりなされてくださりませ。 225 00:18:40,052 --> 00:18:43,823 (平吉)わしも これで…。 うちのかかが 加減が悪うて ふせっておりますで…。 226 00:18:43,823 --> 00:18:49,495 ああ それはいかんな。 平吉 明日 頼んだぞ。はい! 227 00:18:49,495 --> 00:18:51,831 (金三)わしも そろそろ…。 まだ よいではないか。 228 00:18:51,831 --> 00:18:56,168 わしは 酒が飲めんけえのう。 そう言わずに…。 229 00:18:56,168 --> 00:19:03,976 ♬~ 230 00:19:03,976 --> 00:19:06,445 (藤吉郎と小一郎の笑い声) 231 00:19:06,445 --> 00:19:11,117 おかか ご苦労じゃった。 もう済んだ。 まだ お酒も お肴もありますのに…。 232 00:19:11,117 --> 00:19:14,787 だから 要らんと言うたではないか。 ハハッ! 小一郎 飲み直そうぞ。 233 00:19:14,787 --> 00:19:18,124 本当 兄さは 人が悪いわ。 賞金が出ると聞いたら➡ 234 00:19:18,124 --> 00:19:20,793 誰だって おちおちと 酒を飲んでおれんのは道理じゃ。 235 00:19:20,793 --> 00:19:25,464 早う帰って 明日の手当てをせにゃ 一番乗りはできんからのう。 236 00:19:25,464 --> 00:19:29,335 小一郎。 おつとめはのう ここでするものじゃ。 237 00:19:29,335 --> 00:19:31,804 皆 賞金目当てに 血眼じゃ。 238 00:19:31,804 --> 00:19:35,141 それだけではない。 競わせれば その組に負けとうないというのが➡ 239 00:19:35,141 --> 00:19:38,477 職人の意地というものじゃ。 嫌でも気張らずにはいられまいて。 240 00:19:38,477 --> 00:19:41,814 そこが つけめじゃ。 アッハッハッハッハ! 241 00:19:41,814 --> 00:19:46,686 小一郎 飲め。 明日から 気張ってもらわねばのう。 242 00:19:46,686 --> 00:19:51,824 <いよいよ 清洲城の土塀修理が始まった> 243 00:19:51,824 --> 00:19:54,727 いずれの組が 持ち場の仕事を早く上げるか➡ 244 00:19:54,727 --> 00:19:57,163 こいつは見ものじゃのう! ハッハッハ! 245 00:19:57,163 --> 00:20:01,834 一番乗りの組には たっぷり恩賞金が待っておるぞ! 246 00:20:01,834 --> 00:20:04,170 おお 急げ急げ! 急げ! 247 00:20:04,170 --> 00:20:07,073 恩賞は 我らのものだぞ! さあ かかれ! 248 00:20:07,073 --> 00:20:09,842 (市吉)銭じゃねえ! 俺たちの意地にかけて➡ 249 00:20:09,842 --> 00:20:12,511 負けられにゃあだぞ! (一同)お~! 250 00:20:12,511 --> 00:20:14,847 (小一郎)みんな 飯を持ってきたぞ! 251 00:20:14,847 --> 00:20:19,518 おい 無理をすることはない! 疲れた者は休め! ほら! 252 00:20:19,518 --> 00:20:22,421 この隙に 後れを取っちゃ 我ら 一生の恥じゃ! 253 00:20:22,421 --> 00:20:26,125 ハッハッハ。 誰も飲まんわ。 254 00:20:32,865 --> 00:20:36,535 (やや)お姉様! いよいよ 始まったのう。 255 00:20:36,535 --> 00:20:41,407 ご城下は このうわさで持ちきりじゃ。 3日で出来るとか 出来ぬとか。 256 00:20:41,407 --> 00:20:44,410 銭を賭けた者までいるそうじゃ。 257 00:20:44,410 --> 00:20:49,882 まあ こう騒ぎが大きゅうなったんでは 藤吉郎殿も 後へは引けぬのう。 258 00:20:49,882 --> 00:20:52,785 信長様とて 知らん顔はなされまい。 259 00:20:52,785 --> 00:20:57,556 はあ 藤吉郎殿も 大ぼら吹かれて…。➡ 260 00:20:57,556 --> 00:21:00,826 「身から出た錆」とは このことじゃ。 261 00:21:00,826 --> 00:21:10,169 ♬~ 262 00:21:10,169 --> 00:21:14,039 さあ 気張れ 気張れ! 一番乗りの組には 恩賞金が出るぞ! 263 00:21:14,039 --> 00:21:16,041 気張れ 気張れ! 264 00:21:16,041 --> 00:21:18,844 いいか! 手を休めるんじゃねえぞ! 265 00:21:18,844 --> 00:21:21,514 (小一郎) みんな 本当に無理することはないぞ!➡ 266 00:21:21,514 --> 00:21:23,849 時間はある。 たっぷりある。 267 00:21:23,849 --> 00:21:32,525 ♬~ 268 00:21:32,525 --> 00:21:36,195 (小一郎)休んでいいぞ! 無理しなくてもいいぞ! 269 00:21:36,195 --> 00:21:39,532 義姉様! 義姉様! 270 00:21:39,532 --> 00:21:42,201 終わりやした! 今 殿が検分しておられます。 271 00:21:42,201 --> 00:21:44,503 本当に? はい! 272 00:21:46,071 --> 00:21:50,075 ああ 義姉様。 よかった~。 273 00:22:02,488 --> 00:22:05,824 <藤吉郎の才覚は 見事当たった。➡ 274 00:22:05,824 --> 00:22:09,161 世に言う 秀吉の割り普請である。➡ 275 00:22:09,161 --> 00:22:13,832 人心を収らんし 人を使うことに 長けていた藤吉郎の才能を➡ 276 00:22:13,832 --> 00:22:17,169 如実に物語る逸話である> 277 00:22:17,169 --> 00:22:20,072 せめて 藤吉郎殿が お戻りになるまで…。 278 00:22:20,072 --> 00:22:22,841 いやいやいや わしゃ もう 用のない体。 279 00:22:22,841 --> 00:22:26,178 早う 中村へ行かねば。 畑が待っとります。 280 00:22:26,178 --> 00:22:31,851 義姉様。 義姉様は 兄さを おかしな男とお思いじゃろうが➡ 281 00:22:31,851 --> 00:22:36,722 兄さは 幼い頃 2度目の父と 折り合いが悪うて 家を出ねばならず➡ 282 00:22:36,722 --> 00:22:40,526 一人で生きるために 侍を選んだお人じゃ。 283 00:22:40,526 --> 00:22:44,196 宮仕えの侍になったからには➡ 284 00:22:44,196 --> 00:22:47,533 少しでも人の上に立ちたいと思うのは 人情。 285 00:22:47,533 --> 00:22:52,404 また 人の上に立たなければ 思うような働きもできぬ。 286 00:22:52,404 --> 00:22:55,407 ただの功名心だけではない。 287 00:22:55,407 --> 00:23:01,080 男は 自分に納得のいく仕事がしたいんじゃ。 288 00:23:01,080 --> 00:23:03,816 兄さは 無謀と見えるようなことも➡ 289 00:23:03,816 --> 00:23:08,153 実のところは 自分で自分に 無理難題を押しつけて➡ 290 00:23:08,153 --> 00:23:11,056 自分で自分に むち打って やり遂げようとする。 291 00:23:11,056 --> 00:23:13,492 兄さの知恵なのじゃ。 292 00:23:13,492 --> 00:23:16,161 手柄を立てるためには➡ 293 00:23:16,161 --> 00:23:19,498 それほど自分に厳しゅうのうては できるものではない。 294 00:23:19,498 --> 00:23:24,370 のう 義姉さ。 その辺のところを 分かってやってくだされ。 295 00:23:24,370 --> 00:23:26,372 小一郎殿…。 296 00:23:26,372 --> 00:23:31,844 いや… これは 「釈迦に説法」じゃったかのう。 297 00:23:31,844 --> 00:23:37,182 それでは きいの祝言の時は やって来てください。 298 00:23:37,182 --> 00:23:39,118 それでは。 299 00:23:39,118 --> 00:23:51,430 ♬~ 300 00:24:04,343 --> 00:24:08,480 ご普請奉行の大役 無事に おつとめなされまして➡ 301 00:24:08,480 --> 00:24:11,383 おめでとうございます。 ハッハッハッハ! いや…。 302 00:24:11,383 --> 00:24:14,353 殿にものう お褒めをいただいてのう➡ 303 00:24:14,353 --> 00:24:17,489 いささかじゃが ご加増にもあずかった。 ハッハッハッハ。 304 00:24:17,489 --> 00:24:21,193 身銭を切っても 損はせぬわ。 アッハッハッハッハ! 305 00:24:25,164 --> 00:24:28,067 名前も お許しいただいてのう。 306 00:24:28,067 --> 00:24:33,505 秀吉じゃ。 今日から わしは 木下藤吉郎秀吉と名乗る。 307 00:24:33,505 --> 00:24:36,175 どうじゃ これで 名実共に 侍らしゅうなったろうが。 308 00:24:36,175 --> 00:24:39,511 アッハッハッハッハ!秀吉…。 うん? 309 00:24:39,511 --> 00:24:42,181 秀吉様? そうじゃ! 310 00:24:42,181 --> 00:24:45,851 おかかも これから そう呼んでくれ。 311 00:24:45,851 --> 00:24:48,520 おかか。 はい。 312 00:24:48,520 --> 00:24:52,858 おかかにも いろいろ いらぬ心配をさせたのう。 313 00:24:52,858 --> 00:24:57,730 20貫文の銭は 浅野のお父上の お世話になったのじゃろう? 314 00:24:57,730 --> 00:25:02,134 わしから よう礼を言うて お返ししておく。 315 00:25:02,134 --> 00:25:05,471 小一郎を迎えに行ってくれたのも おかかじゃろう? 316 00:25:05,471 --> 00:25:09,141 いえ その…。 分かっておる。 317 00:25:09,141 --> 00:25:12,044 小一郎が そう やすやすと来る道理がないわ。 318 00:25:12,044 --> 00:25:15,814 アッハッハッハッハッハ! 319 00:25:15,814 --> 00:25:20,152 助かったぞ。 礼を言う。 320 00:25:20,152 --> 00:25:23,489 まあ そのような…。 321 00:25:23,489 --> 00:25:25,491 あっ。 322 00:25:27,826 --> 00:25:34,166 あいつは 不思議な男よ。 ぬ~っとして 余計な口は利かぬがのう➡ 323 00:25:34,166 --> 00:25:40,839 わしが何を言わいでも わしの心を 見抜いておるように働いてくれる。 324 00:25:40,839 --> 00:25:44,510 塀修理の折ものう わしが 皆に「気張れ 気張れ」と言うと➡ 325 00:25:44,510 --> 00:25:46,845 小一郎は「休め 休め」と言う。 326 00:25:46,845 --> 00:25:49,181 その両方があって 人使いも うまくいくんじゃ。 327 00:25:49,181 --> 00:25:52,518 これから 小牧へ移れば 戦も激しゅうなろう。 328 00:25:52,518 --> 00:25:55,854 小一郎がいてくれれば わしも 心強いんじゃがのう。 329 00:25:55,854 --> 00:25:59,191 あ… 小牧へ移るというのは? 330 00:25:59,191 --> 00:26:03,462 ああ 近々 殿が 小牧のお城を居城になさることになった。 331 00:26:03,462 --> 00:26:05,798 我らも お供して 小牧へ行く。 332 00:26:05,798 --> 00:26:08,467 私もでございますか? ああ。 333 00:26:08,467 --> 00:26:12,137 犬千代様も おまつ様も 浅野のお義父上も 義母上も➡ 334 00:26:12,137 --> 00:26:14,072 やや殿も 皆 一緒じゃ。 335 00:26:14,072 --> 00:26:19,011 じゃあ 清洲のお城は? せっかく 土塀の修理もできたといいますのに…➡ 336 00:26:19,011 --> 00:26:23,482 藤吉郎様のご苦労が 無駄だったということでございますか? 337 00:26:23,482 --> 00:26:26,819 清洲は 本城。 大事な城じゃ。 338 00:26:26,819 --> 00:26:31,156 小牧は 美濃攻略のための出城じゃ。 339 00:26:31,156 --> 00:26:35,027 じゃあ いよいよ…。 340 00:26:35,027 --> 00:26:40,833 始まる。 これからは 戦の明け暮れになろう。 341 00:26:40,833 --> 00:26:44,837 わしも 侍として 本当のおつとめができる。 342 00:26:57,182 --> 00:26:59,518 <永禄6年7月。➡ 343 00:26:59,518 --> 00:27:04,122 信長は 清洲を出て 小牧山を居城とした。➡ 344 00:27:04,122 --> 00:27:07,459 南には 尾張 伊勢の平野を望み➡ 345 00:27:07,459 --> 00:27:11,797 北は 木曽川を隔てて 美濃平野に接する小牧山は➡ 346 00:27:11,797 --> 00:27:17,803 美濃攻略には最高の条件を備えた 軍事基地だったのである> 347 00:27:20,472 --> 00:27:24,476 お市様…。 (利家)おっ そうじゃ。 348 00:27:42,494 --> 00:27:46,832 おいたわしいのう このような山城へ。 349 00:27:46,832 --> 00:27:49,735 清洲とても 似たようなものよ。 350 00:27:49,735 --> 00:27:53,705 信長様の妹御では 好きなこともできぬ。 351 00:27:53,705 --> 00:27:57,843 殿は お市様だけは おかわいいと見えるのう。 352 00:27:57,843 --> 00:28:01,446 いつも そばから離さん。 きょうだいとは ええものじゃ。 353 00:28:01,446 --> 00:28:04,783 おぬしも めでたいのう。 354 00:28:04,783 --> 00:28:09,655 妹がかわゆうて 大事にしていると思うておるのか。 355 00:28:09,655 --> 00:28:13,358 不憫なお人よ お市様は。 356 00:28:34,479 --> 00:28:37,149 また おまつ様のおそばで 安堵いたしました。 357 00:28:37,149 --> 00:28:40,052 (まつ)私も せっかく 清洲の暮らしに慣れましたのに➡ 358 00:28:40,052 --> 00:28:43,488 また 見知らぬ小牧へ来て どうなることかと思うておりました。 359 00:28:43,488 --> 00:28:46,158 ねね殿とご一緒できて 本当によかった。 360 00:28:46,158 --> 00:28:50,028 これからも こうして 移り歩かなければ ならぬのでございましょうか。 361 00:28:50,028 --> 00:28:55,167 我らは 殿様次第じゃからのう。 お城でもあずかるようになれば 別じゃが。 362 00:28:55,167 --> 00:28:58,503 利家様には 荒子のお城が おありでございましょう? 363 00:28:58,503 --> 00:29:02,774 荒子のお城には 利家様の兄上がおられます。 364 00:29:02,774 --> 00:29:06,445 利家様とて 藤吉郎殿と同じ身分。 365 00:29:06,445 --> 00:29:10,315 私も その方が。 お城は 息が詰まります。 366 00:29:10,315 --> 00:29:14,119 今の暮らしが 気ままで一番じゃ。 ねね殿もおられるし。 367 00:29:14,119 --> 00:29:16,788 まあ 私のような者を そのように…。 368 00:29:16,788 --> 00:29:21,126 いずれにしても これからは 女子が 留守をあずかることが多うなりましょう。 369 00:29:21,126 --> 00:29:24,463 女子は女子同士 ねね殿が頼りです。 370 00:29:24,463 --> 00:29:29,334 私も おまつ様が頼りに。 よろしゅうお願いいたします。 371 00:29:29,334 --> 00:29:35,107 あっ そうじゃ! 今日は うちで お膳の支度をしています。 ご一緒に。 372 00:29:35,107 --> 00:29:39,011 藤吉郎殿も利家殿も お城のおつとめが お忙しゅうて➡ 373 00:29:39,011 --> 00:29:42,814 遅うおなりでございましょう。 うちでも 支度したものがございます。 374 00:29:42,814 --> 00:29:46,818 それをお持ちして 後で お伺いいたします。 はい。 375 00:30:00,832 --> 00:30:03,735 <小牧山移城が一段落した頃➡ 376 00:30:03,735 --> 00:30:08,173 藤吉郎は 生まれて初めて 一軍の指揮を執ることになった。➡ 377 00:30:08,173 --> 00:30:11,510 河狩という名目の戦闘訓練であったが➡ 378 00:30:11,510 --> 00:30:16,815 信長は 藤吉郎の指揮官としての力量を はかるつもりであった> 379 00:30:18,383 --> 00:30:20,852 (信長)互いに 旗を取れ。 380 00:30:20,852 --> 00:30:23,188 互いの旗を奪った者が勝ちじゃ。➡ 381 00:30:23,188 --> 00:30:25,524 双方とも 容赦は無用。 存分にやれ。 382 00:30:25,524 --> 00:30:28,427 はっ! 383 00:30:28,427 --> 00:30:32,431 正々堂々の勝利を収めてご覧に入れます。 384 00:30:42,541 --> 00:30:46,244 どんどん飲め。 あったまるぞ。 385 00:30:49,214 --> 00:30:55,554 ああ 急くな 急くな! 待っておれば 猿め きっと 何か仕掛けてくる。 386 00:30:55,554 --> 00:30:58,857 そこを引き付けて たたけばよいのじゃ。 387 00:31:02,361 --> 00:31:05,163 では 行くか。 (一同)お~っ! 388 00:31:05,163 --> 00:31:23,181 ♬~ 389 00:31:23,181 --> 00:31:25,517 罠じゃ! 構わぬ! 放っておけ! 390 00:31:25,517 --> 00:31:27,519 引き寄せて たたけばよい! 391 00:31:30,389 --> 00:31:32,390 こしゃくな 猿め! 392 00:31:32,390 --> 00:31:34,693 (石が当たる音) 393 00:31:37,863 --> 00:31:43,201 あ~! おのれ 猿め! かかれ~! かかれ~! 394 00:31:43,201 --> 00:31:57,749 ♬~ 395 00:31:57,749 --> 00:32:00,051 うわっ! 396 00:32:05,824 --> 00:32:08,160 かかれ~! 397 00:32:08,160 --> 00:32:12,030 (喚声) 398 00:32:12,030 --> 00:32:19,171 ♬~ 399 00:32:19,171 --> 00:32:21,506 おかしな見せ物じゃ。 400 00:32:21,506 --> 00:32:24,176 こら 待て! こら! あ~ 待て! 401 00:32:24,176 --> 00:32:26,511 (笑い声) 402 00:32:26,511 --> 00:32:31,817 (歓声) 403 00:32:33,385 --> 00:32:35,520 おかか 酒じゃ! はい! 404 00:32:35,520 --> 00:32:38,190 いきなり おぬしが水の中から現れた時には➡ 405 00:32:38,190 --> 00:32:40,525 さすがの信長様も あきれておられたぞ。 406 00:32:40,525 --> 00:32:44,396 利家様 戦は ここでするものでございますよ。 407 00:32:44,396 --> 00:32:47,199 秀吉殿は 兵法まで 自分で編み出すと見えるわ。 408 00:32:47,199 --> 00:32:49,868 いやいや 兵法に かのうた やり方でございます。 409 00:32:49,868 --> 00:32:52,204 利家様が ご承知ないだけのことでございましょう。 410 00:32:52,204 --> 00:32:54,539 こやつ! (笑い声) 411 00:32:54,539 --> 00:33:00,345 殿も ご満足のご様子じゃった。 が 殿に見込まれると あとが怖いぞ。 412 00:33:00,345 --> 00:33:02,814 アハハ! 望むところでございます。 413 00:33:02,814 --> 00:33:04,749 どなたにもできぬことを やるのでなければ➡ 414 00:33:04,749 --> 00:33:08,153 木下藤吉郎の値打ちは 殿には分かっていただけませぬ。 415 00:33:08,153 --> 00:33:11,823 ねね殿。 ねね殿は とんだ男に添われたのう。 416 00:33:11,823 --> 00:33:14,493 これでは 秀吉殿は いくら命があっても足りんぞ。 417 00:33:14,493 --> 00:33:16,828 あんまり心配させられるくらいなら➡ 418 00:33:16,828 --> 00:33:19,164 やもめになった方が 安心して暮らせますなあ。 419 00:33:19,164 --> 00:33:22,067 アッハッハッハ! フフッ。 420 00:33:22,067 --> 00:33:25,837 ねね殿も 大したものよ。 すっかり女房らしゅうなられて。 421 00:33:25,837 --> 00:33:31,176 こやつには それくらい言う者がおらんと 何をするか分からぬわ。 ハッハッハ。 422 00:33:31,176 --> 00:33:34,079 少しは ねね殿のことも考えて 動くことじゃな。 423 00:33:34,079 --> 00:33:38,049 おかかのことは 一番に考えております。 誰よりも大事な おかかじゃ。 424 00:33:38,049 --> 00:33:41,520 戦に勝ちたいのも おかかのため 何事も おかかのためでございます。 425 00:33:41,520 --> 00:33:44,856 おおっ そこにおったか! (笑い声) 426 00:33:44,856 --> 00:33:48,727 肴が来た 肴が来た。 お~ うまそうな大根じゃ。 427 00:33:48,727 --> 00:33:51,029 さあ 空けてくだされ。 428 00:33:53,198 --> 00:33:55,500 こぼした。 ああ…。 429 00:33:57,869 --> 00:34:02,140 <永禄7年 春まだ浅い頃。➡ 430 00:34:02,140 --> 00:34:05,443 きいの祝言の日が近づいていた> 431 00:34:11,483 --> 00:34:13,485 よし。 432 00:34:22,127 --> 00:34:25,130 うれしいか? フフッ。 433 00:34:36,508 --> 00:34:40,378 兄さは 来てくださるかのう。 434 00:34:40,378 --> 00:34:45,517 小牧へ行かれて 遠なったけえ 来てはくださらぬかもしれんのう。 435 00:34:45,517 --> 00:34:48,186 義姉様は来ると言っておられた。 436 00:34:48,186 --> 00:34:50,855 義姉様は 言葉をたがえるようなお人ではないわ。 437 00:34:50,855 --> 00:34:54,726 じゃが 兄さは… 兄さは 百姓が嫌いじゃけえ。 438 00:34:54,726 --> 00:34:57,529 藤吉郎など 来んでもええ。 439 00:34:57,529 --> 00:35:01,132 来ても 家には入れぬわ。 (きい)おっ母さあ…。 440 00:35:01,132 --> 00:35:04,803 藤吉郎は 我らと違う人間になったのじゃ。 441 00:35:04,803 --> 00:35:09,808 とんでもない災いに巻き込まれるのが 関の山じゃ。 442 00:35:11,676 --> 00:35:15,146 では どうあっても行かぬと おっしゃいますか。 443 00:35:15,146 --> 00:35:19,017 ああ 御用繁多じゃ。 わざわざ 中村まで行く暇などないわ。 444 00:35:19,017 --> 00:35:22,487 お前様には たった一人の妹御でございますよ。 445 00:35:22,487 --> 00:35:26,358 たとえ 御用繁多でも 祝言に行くぐらいは…。 446 00:35:26,358 --> 00:35:28,827 わしの妹じゃ。 447 00:35:28,827 --> 00:35:33,164 今なら 先の見込みのある足軽ぐらいには 娶せられたものを…。 448 00:35:33,164 --> 00:35:35,834 そうなれば わしだとて 頼りになったものを。 449 00:35:35,834 --> 00:35:38,503 ばかじゃ きいは。 あのような男と…。 450 00:35:38,503 --> 00:35:40,839 百姓の どこがいけませぬ! 451 00:35:40,839 --> 00:35:43,742 百姓がのうては 人は生きられません。 452 00:35:43,742 --> 00:35:49,848 いくら お前様 偉くなられても 侍だけで 国が成り立っていかれるとお思いか! 453 00:35:49,848 --> 00:35:52,183 お前様の言葉とは思えませぬ! 454 00:35:52,183 --> 00:35:57,889 喜んで祝うてあげるのが 兄様の情というものでございましょう。 455 00:35:59,524 --> 00:36:02,127 お前様が そんな冷たい方とは 思いませなんだ。 456 00:36:02,127 --> 00:36:05,130 私の目違いでございました! 457 00:36:14,139 --> 00:36:16,474 おかか…。 458 00:36:16,474 --> 00:36:20,145 おかか。 なにも そう ムキになって怒らいでもよいではないか。 459 00:36:20,145 --> 00:36:22,080 いいえ! 百姓を侮り➡ 460 00:36:22,080 --> 00:36:26,484 身寄りの者をないがしろにする方は 許しません! 461 00:36:26,484 --> 00:36:30,822 分かった 分かった。 わしが悪かった。 おかかの言うとおりじゃ。 462 00:36:30,822 --> 00:36:35,160 わしだとて 土に生きる者を 大事に思う気持ちは変わらん。 463 00:36:35,160 --> 00:36:38,496 おっ母様を この世で一番偉いと思うとる男じゃ。 464 00:36:38,496 --> 00:36:40,832 妹だとて かわいい。 465 00:36:40,832 --> 00:36:44,169 じゃがのう いつ 何が起こるか分からん時に➡ 466 00:36:44,169 --> 00:36:49,507 小牧を離れるのが 心もとなかっただけじゃ。 うん。 467 00:36:49,507 --> 00:36:55,814 行こう! 行かねばなるまい。 一生に一度の きいの祝言じゃ。 のう。 468 00:36:59,517 --> 00:37:03,388 ヘッヘッヘッヘ…。 469 00:37:03,388 --> 00:37:07,125 おかかは 怒ると怖いのう。 ハッハッハッハ。 470 00:37:07,125 --> 00:37:09,427 おっ母様に似てきたのう。 471 00:37:10,995 --> 00:37:13,465 アッハッハッハ。 いや~ それでええのよ。 472 00:37:13,465 --> 00:37:16,134 わしが間違うとる時は いつでも言うてくれ。 473 00:37:16,134 --> 00:37:20,805 それでこそ まことのおかかじゃ。 のう。 474 00:37:20,805 --> 00:37:27,479 ねねは やっと わしのおかかになった。 475 00:37:27,479 --> 00:37:32,817 ヘヘッ。 ハッハッハッハ…。 476 00:37:32,817 --> 00:37:51,803 ♬~ 477 00:37:53,838 --> 00:37:58,176 姉様。 姉様! 478 00:37:58,176 --> 00:38:02,447 (とも)藤吉郎! ああ 来てやってくれたのか。 479 00:38:02,447 --> 00:38:07,118 きいが気にしてのう。 ねねさんも。 お久しゅうございます。 480 00:38:07,118 --> 00:38:11,789 遠路はるばる…。 さあ 入って 入って。 もうじき 祝言も始まる。 さあさあ。 481 00:38:11,789 --> 00:38:15,460 よう来てくれた。 さあさあ さあ。 482 00:38:15,460 --> 00:38:19,798 お前には出てもらうつもりはない。 おっ母様! 483 00:38:19,798 --> 00:38:22,467 今日の藤吉郎殿は 侍ではございませぬ。 484 00:38:22,467 --> 00:38:25,136 きい殿の兄様として参りました。 485 00:38:25,136 --> 00:38:29,140 藤吉郎殿のお心も くんであげてくださいまし。 486 00:38:33,478 --> 00:39:09,781 ♬~ 487 00:39:11,316 --> 00:39:13,451 おめでとうございます。 488 00:39:13,451 --> 00:39:17,789 嘉助殿 きい殿 いつまでも 仲むつまじゅう。 489 00:39:17,789 --> 00:39:20,692 ありがとうございます。 ありがとうございます。 490 00:39:20,692 --> 00:39:25,129 しかし 義兄様のような方に 祝うていただいて➡ 491 00:39:25,129 --> 00:39:27,065 きいも わしも 果報者でございます。 492 00:39:27,065 --> 00:39:30,468 まあのう きいをかわいがってやってくれ。 はい! 493 00:39:30,468 --> 00:39:34,138 ああ~ 済んだ 済んだ! やれやれじゃ。 494 00:39:34,138 --> 00:39:36,808 (とも)これ きい! 誰に遠慮がある。 495 00:39:36,808 --> 00:39:39,711 皆 身内ばっかりじゃ。 のう 兄さ。 496 00:39:39,711 --> 00:39:42,680 (とも)そうよのう。 何年ぶりかのう。➡ 497 00:39:42,680 --> 00:39:47,452 かか様ともども きょうだいが こうして 一つ屋根の下にそろうのは。 498 00:39:47,452 --> 00:39:50,154 (きい)兄さは うちへは寄りつかぬお人じゃけえ。 499 00:39:50,154 --> 00:39:55,026 (とも)藤吉郎も ねねさのような よい女子と夫婦になって。 500 00:39:55,026 --> 00:40:00,164 きいも 私も もう 人のかかじゃ。 夢のようじゃのう。 501 00:40:00,164 --> 00:40:04,836 (弥助)藤吉郎様は出世なされて 我らには 手の届かぬお人になってしまわれたが➡ 502 00:40:04,836 --> 00:40:09,173 きょうだいには変わりない。 よいきょうだいを持ったと 鼻が高いわ。 503 00:40:09,173 --> 00:40:11,843 そうじゃ そうじゃ。 まあ 義兄様のためなら➡ 504 00:40:11,843 --> 00:40:14,178 この嘉助 骨身は惜しみません。 505 00:40:14,178 --> 00:40:19,851 ひとつ 中村に 嘉助という弟がいることを 覚えといてください。 506 00:40:19,851 --> 00:40:24,722 そうよのう。 ここにいる者だけが わしの身内じゃ。 507 00:40:24,722 --> 00:40:31,729 たったこれだけがのう。 姉様 小一郎 きい。 508 00:40:33,865 --> 00:40:37,735 それに 弥助殿に 嘉助殿。 509 00:40:37,735 --> 00:40:42,540 これからは 少ない身内が 助け合うて生きていかねばのう。 510 00:40:42,540 --> 00:40:48,212 (なか)たわけたことを言うな! 我らは それぞれ 土に生きる百姓じゃ。 511 00:40:48,212 --> 00:40:51,549 戦に出て 人をあやめるような者は 関わり合いはないわ。 512 00:40:51,549 --> 00:40:54,452 お前など 身寄りなどとは思うてはおらん! 513 00:40:54,452 --> 00:40:56,888 まあ そう言うな おっ母様。 514 00:40:56,888 --> 00:41:01,192 これ 皆 餅もろたのう。 帰りや 帰りや。 515 00:41:04,162 --> 00:41:09,500 わしものう 今まで 一人で ふんばってもきた。 516 00:41:09,500 --> 00:41:14,839 じゃがのう やっぱり 血のつながった者は恋しい。 大事じゃ。 517 00:41:14,839 --> 00:41:19,177 わしも いささか 人の面倒も見られるまでになった。 518 00:41:19,177 --> 00:41:21,846 おぬしたちものう 何か困ったことがあったら➡ 519 00:41:21,846 --> 00:41:23,781 いつでも わしのところへ来てくれ。 520 00:41:23,781 --> 00:41:27,518 わしものう おぬしたちの力を 借りねばならん時もあるやもしれん。 521 00:41:27,518 --> 00:41:30,188 その時は よろしゅう頼むぞ。 522 00:41:30,188 --> 00:41:32,857 へい! いや~ ありがたいのう。 523 00:41:32,857 --> 00:41:35,760 藤吉郎様から このようなお言葉を 頂くとは思うてもみなかった。 524 00:41:35,760 --> 00:41:37,729 ありがたいことじゃ! 525 00:41:37,729 --> 00:41:40,531 小一郎 飲もうぞ。 のう。 ハハハッ! 526 00:41:40,531 --> 00:41:45,403 さあさ 弥助殿。 さあ 嘉助殿も。 527 00:41:45,403 --> 00:41:47,872 一さし舞うかのう。 うん! 528 00:41:47,872 --> 00:41:50,208 舞うぞ! (拍手) 529 00:41:50,208 --> 00:42:13,431 ♬~(歌声) 530 00:42:13,431 --> 00:42:17,135 ⚟(みつ)こちらに 木下様はおられますか!? 木下様! 531 00:42:18,836 --> 00:42:20,772 どうした? 蜂須賀小六が謀反にござります。 532 00:42:20,772 --> 00:42:22,707 何!?馬を表に…。 今すぐ行く。 533 00:42:22,707 --> 00:42:25,176 (小一郎)兄さ! 戦か!? 534 00:42:25,176 --> 00:42:28,513 小六だけはと信じておったんじゃがのう。 誰じゃ その男。 535 00:42:28,513 --> 00:42:31,849 尾張の土豪じゃ。 雇われれば 誰にでもつく。 536 00:42:31,849 --> 00:42:35,720 今 寝返られては せっかくの苦労も水の泡じゃ。 537 00:42:35,720 --> 00:42:38,723 小一郎。 おかか 頼んだぞ。 538 00:42:41,859 --> 00:42:44,529 おみつ殿は…。 539 00:42:44,529 --> 00:42:47,532 兄さの手の者であったのか…。 540 00:42:50,201 --> 00:42:55,540 あれが侍というものよのう。 おかかを泣かせて。 541 00:42:55,540 --> 00:42:59,410 人を殺せば 女房子供が泣くのじゃ。➡ 542 00:42:59,410 --> 00:43:03,147 たわけ者よ 藤吉郎は! 543 00:43:03,147 --> 00:43:12,156 ♬~ 544 00:43:12,156 --> 00:43:15,827 <信長の美濃攻略は始まっていた。➡ 545 00:43:15,827 --> 00:43:21,699 藤吉郎の役目は 木曽川沿いの土豪たちを 信長側につかせることであった。➡ 546 00:43:21,699 --> 00:43:27,171 今 その一人 蜂須賀小六が 謀反を起こしたのである。➡ 547 00:43:27,171 --> 00:43:33,511 これが 藤吉郎にとって 長い美濃攻略戦の最初の試練であり➡ 548 00:43:33,511 --> 00:43:39,183 ねねにとっては 戦国武士の妻としての 苦労の始まりであった> 549 00:43:39,183 --> 00:43:47,191 ♬~