1 00:00:02,102 --> 00:02:36,089 ♬~ 2 00:02:39,826 --> 00:02:42,729 (近習)しばらく! (なか)藤吉郎は どこじゃ! 藤吉郎! 3 00:02:42,729 --> 00:02:45,732 殿に申し上げますゆえ!どうか しばし 奥にて お待ちくださりませ! 4 00:02:45,732 --> 00:02:48,869 藤吉郎は わしのせがれじゃ! 構うてくれるな! 5 00:02:48,869 --> 00:02:53,340 藤吉郎! 出てこい 藤吉郎! こら! 6 00:02:53,340 --> 00:02:58,178 (秀吉)甲斐ではのう 信玄亡きあと 勝頼が その遺志を継ぎ➡ 7 00:02:58,178 --> 00:03:00,480 上洛の機会をうかごうておる。 8 00:03:00,480 --> 00:03:03,383 しばしば 美濃 三河に 兵を繰り出しおって…。 9 00:03:03,383 --> 00:03:06,153 フッハッハッハ。 ⚟(近習)申し上げます!おう。 10 00:03:06,153 --> 00:03:10,490 (小六)何事じゃ。 緊急の事態以外は 取り次ぎ無用と申してある! 11 00:03:10,490 --> 00:03:14,828 殿の母上様が…。 ただいま こちらへ。 12 00:03:14,828 --> 00:03:18,165 おっ母様が!? (秀長)見えたのか? 13 00:03:18,165 --> 00:03:22,035 はい。 奥にてお待ちくださるよう 申し上げたのですが…。 14 00:03:22,035 --> 00:03:27,174 とうとう来たか! 小一郎 さすがのおっ母様も折れたと見えるのう。 15 00:03:27,174 --> 00:03:29,509 ハハハハッ! おっ母様! おっ母様! 16 00:03:29,509 --> 00:03:33,380 <あれほど 中村と離れることを 嫌がっていた 母のなかが➡ 17 00:03:33,380 --> 00:03:35,849 突然 長浜へやって来た。➡ 18 00:03:35,849 --> 00:03:38,752 訳も分からぬまま 秀吉は飛び出した> 19 00:03:38,752 --> 00:03:45,192 おっ母様! いや~ よう来てくれた。 知らせてくれれば 迎えをやったものを。 20 00:03:45,192 --> 00:03:48,095 会いたかった! 息災で 何よりじゃ。 ハッハッハッハ! 21 00:03:48,095 --> 00:03:50,063 (なか)この 大たわけ! 22 00:03:50,063 --> 00:03:53,767 ああっ! 兄者! おっ母様…。 23 00:03:56,803 --> 00:03:58,738 (こほ)急に お姿が見えませぬゆえ➡ 24 00:03:58,738 --> 00:04:02,142 どれほど お案じ申し上げていたか 知れませぬ。 25 00:04:02,142 --> 00:04:06,012 お出かけあそばすのでしたら 私に ひと言 お話しくださいませ。 26 00:04:06,012 --> 00:04:10,817 お方様は 今までとは ご身分が違います。 もしものことがございましたら➡ 27 00:04:10,817 --> 00:04:14,688 お方様にお仕えしております 私の立場がございません。 28 00:04:14,688 --> 00:04:19,159 どちらに おいでになる ご所存でございますか? 29 00:04:19,159 --> 00:04:21,828 (ねね)心配かけて すみませぬ。 30 00:04:21,828 --> 00:04:24,498 どうぞ 気を遣ってくださいますな。 31 00:04:24,498 --> 00:04:26,800 お方様…。 32 00:04:41,848 --> 00:04:44,551 おみつ殿。 (みつ)はい。 33 00:04:47,721 --> 00:04:51,525 今日は もう 下がっててくだされ。 34 00:04:51,525 --> 00:04:57,197 お義母様に 岐阜へ帰ることは 思いとどまるように言われました。 35 00:04:57,197 --> 00:05:01,468 お義母様のお言葉に 背くわけにはまいりませぬ。 36 00:05:01,468 --> 00:05:05,805 このような時に お義母様に お目にかかれたのも➡ 37 00:05:05,805 --> 00:05:08,141 何かの縁じゃ。 38 00:05:08,141 --> 00:05:14,014 今日のことは お義母様にお任せして 見合わせましょう。 39 00:05:14,014 --> 00:05:16,483 お方様…。 40 00:05:16,483 --> 00:05:20,153 案じることはない。 41 00:05:20,153 --> 00:05:23,156 なるようにしかならぬわ。 42 00:05:31,164 --> 00:05:34,501 <長浜12万石の城主夫人として➡ 43 00:05:34,501 --> 00:05:39,839 新しい城に迎えられた喜びと戸惑いで ただ夢中だった ねねに➡ 44 00:05:39,839 --> 00:05:44,177 突然 冷や水を浴びせられるようなことが 起こった。➡ 45 00:05:44,177 --> 00:05:49,516 秀吉が 京奉行時代に手をつけた女と その女が産んだ男の子が➡ 46 00:05:49,516 --> 00:05:53,853 何の前触れもなく 長浜城へ乗り込んできたのである。➡ 47 00:05:53,853 --> 00:06:00,126 初めての秀吉の裏切りを知って さすがのねねも すっかり取り乱した。➡ 48 00:06:00,126 --> 00:06:03,463 秀吉と離別するつもりで 城を出た ねねは➡ 49 00:06:03,463 --> 00:06:07,133 たまたま長浜を訪ねてきた なかと出会った。➡ 50 00:06:07,133 --> 00:06:12,472 それが ねねの運命を 今 また 変えようとしていた> 51 00:06:12,472 --> 00:06:15,141 さあさあ…。 何にも要らんでよう! 52 00:06:15,141 --> 00:06:17,477 わしゃあ 物乞いに来たんじゃにゃあで。 53 00:06:17,477 --> 00:06:19,813 腹は すいとろうが。 ハハハハッ。 54 00:06:19,813 --> 00:06:22,148 欲しいものがあったら 何でも言うてくれ。 55 00:06:22,148 --> 00:06:25,051 どんなものでも 食べさせてやれるようになったぞ。 56 00:06:25,051 --> 00:06:27,487 これから 親孝行するぞ。 のう 小一郎。 57 00:06:27,487 --> 00:06:31,825 もうたくさんじゃ。 わしは なにも おみゃあらの顔 見に来たわけじゃない。 58 00:06:31,825 --> 00:06:35,695 城を建てたっちゅうで どないな城か そ~っと見に来ただけじゃ。 59 00:06:35,695 --> 00:06:39,165 そしたら 門のとこで 岐阜に去ぬるっていう ねねさと➡ 60 00:06:39,165 --> 00:06:42,836 ばったり会うたんじゃ! それが 腑に落ちぬのよ。 61 00:06:42,836 --> 00:06:45,739 おかかが 何で わしに黙って 岐阜へ去ぬるなど…。 62 00:06:45,739 --> 00:06:47,707 まだ 分からんのか!? 63 00:06:47,707 --> 00:06:50,510 ならば わしが お前のほっぺたを ひっぱたいたのも➡ 64 00:06:50,510 --> 00:06:52,445 何か 分からんのじゃな? 65 00:06:52,445 --> 00:06:55,181 解せぬ。 おおかた なんぞ 気に入らぬことでもあって…。 66 00:06:55,181 --> 00:06:57,851 ちいこい時から 口より手の早い おっ母様じゃ。 67 00:06:57,851 --> 00:07:01,121 訳も分からず殴られるのは もう慣れっこじゃ。 アッハッハッハ! 68 00:07:01,121 --> 00:07:05,458 己の胸に手を当てて よう考えてみい! 69 00:07:05,458 --> 00:07:07,794 わしが何をしたと言う? 70 00:07:07,794 --> 00:07:11,665 おめえには ねねさの気持ちが分からんのか! 71 00:07:11,665 --> 00:07:14,134 ねねさが どないな気持ちでおるか…。 72 00:07:14,134 --> 00:07:18,471 今まで さんざ苦労させておいて 今になって ひどい目に遭わせて! 73 00:07:18,471 --> 00:07:23,810 おみゃあは 鬼じゃ! ねねさが かわいそうだわなも…。 74 00:07:23,810 --> 00:07:26,479 おかかのことは 大事にしとる。 75 00:07:26,479 --> 00:07:29,149 おっ母様に そのようなことを言われる覚えがないわ。 76 00:07:29,149 --> 00:07:31,484 なにが 大事にしとるじゃ。 77 00:07:31,484 --> 00:07:36,156 ほかの女子や子供を 城に引っ張り込んで。 78 00:07:36,156 --> 00:07:41,828 ああ 千種と秀勝のことか。 79 00:07:41,828 --> 00:07:46,499 はあ~…。 もう おかかの耳に入っとるのか。 80 00:07:46,499 --> 00:07:48,435 いや 実は 兄者…。 81 00:07:48,435 --> 00:07:51,838 いや おかかにはのう じっくり後で話すつもりじゃった。 82 00:07:51,838 --> 00:07:55,175 おかかならば よう分かってくれる。 おかかとは そういう女子じゃ。 83 00:07:55,175 --> 00:07:57,844 おっ母様が 横から口を出すことではないわ。 84 00:07:57,844 --> 00:08:00,747 何じゃと!? この… 藤吉郎! 85 00:08:00,747 --> 00:08:07,454 はっ… あの女子と秀勝のことは おかかと話し合えば済むことじゃ。 86 00:08:07,454 --> 00:08:10,357 おっ母様は のんびりして…。 87 00:08:10,357 --> 00:08:14,327 湖も見えて ええとこじゃ。 魚も うまい。 のう。 88 00:08:14,327 --> 00:08:18,331 おっ母さにも きっと 気に入ってもらえるわ。 のう 小一郎。 89 00:08:20,467 --> 00:08:24,804 あっ そうじゃ。 秀勝に会うてやってくれ。 かわいい子じゃぞう。 90 00:08:24,804 --> 00:08:26,740 おっ母様にとっても いとしい孫ではないか。 91 00:08:26,740 --> 00:08:28,675 すぐ つれてこさせよう。 のう。 (なか)いらん。 92 00:08:28,675 --> 00:08:32,145 ねねさの産んだ子なら 喜んで会いもしようが➡ 93 00:08:32,145 --> 00:08:37,150 どこの者とも分からぬような女子の子なぞ 顔も見とうないわ。 94 00:08:38,818 --> 00:08:41,154 おっ母さ! 95 00:08:41,154 --> 00:08:46,025 秀勝は わしの子じゃ。 やっとできた わしの子じゃ。 96 00:08:46,025 --> 00:08:48,495 おかかに子ができんのじゃけ しかたあるまいが! 97 00:08:48,495 --> 00:08:51,398 よう そんなことを…! 98 00:08:51,398 --> 00:08:55,168 おっ母さ。 わしは もう足軽ではないぞ。 99 00:08:55,168 --> 00:08:58,071 側室が何人おろうと 誰にも 文句は言わせぬわ! 100 00:08:58,071 --> 00:09:01,975 おお そうか そうか! 大名というものは そういうものか! 101 00:09:01,975 --> 00:09:04,444 ならば もう わしは何も言わぬ。 102 00:09:04,444 --> 00:09:06,780 ねねさをつれて 中村へ去ぬる。➡ 103 00:09:06,780 --> 00:09:10,450 お前のような男のそばにおっては ねねさが苦労するだけじゃ。 104 00:09:10,450 --> 00:09:14,320 ねねさが 不憫じゃ。 ええな それで! 105 00:09:14,320 --> 00:09:16,790 おっ母様! おっ母さあ…。 106 00:09:16,790 --> 00:09:19,459 兄者。 ああ…。 107 00:09:19,459 --> 00:09:21,394 おっ母様! 108 00:09:21,394 --> 00:09:23,396 ええい! 109 00:09:26,132 --> 00:09:30,804 おっ母様! おっ母様! おっ母様! 110 00:09:30,804 --> 00:09:33,473 義姉様を連れて帰られては困る。 111 00:09:33,473 --> 00:09:36,376 義姉様をなだめてくれるのが おっ母様の役目ではないか! 112 00:09:36,376 --> 00:09:40,814 小一郎… おみゃあも 藤吉郎と腹を合わせてるのか。 113 00:09:40,814 --> 00:09:43,483 おみゃあまで そないな男になってしもうたのか! 114 00:09:43,483 --> 00:09:46,152 わしは 義姉様の味方じゃ。 115 00:09:46,152 --> 00:09:49,823 義姉様が岐阜へ戻りたいという気持ちは わしにも よう分かる。 116 00:09:49,823 --> 00:09:52,725 だから 止めはせなんだ。 117 00:09:52,725 --> 00:09:57,697 そいじゃが 義姉様には 兄者のそばにいてもらいたい。 118 00:09:57,697 --> 00:10:01,167 兄者は 義姉様がいなければ どうにもならんのじゃ! 119 00:10:01,167 --> 00:10:05,505 ならば どうして ねねさを踏みつけるようなことをした。 120 00:10:05,505 --> 00:10:08,174 遊びのつもりだったんじゃ。 121 00:10:08,174 --> 00:10:12,512 それが 子ができてしもうた…。 122 00:10:12,512 --> 00:10:16,182 兄者とて 子はかわいい。 123 00:10:16,182 --> 00:10:22,522 義姉様には悪いが 夫婦になって 十何年たっても 義姉様には子ができぬ。 124 00:10:22,522 --> 00:10:29,863 それだけに 兄者は うれしかったのよ。 子に引かれてるだけのことよ。 125 00:10:29,863 --> 00:10:37,737 兄者とて 人の子…。 それを責めれば 兄者も気の毒じゃ。 126 00:10:37,737 --> 00:10:42,442 ここは なんとか 義姉様に できぬ辛抱をしてもろうて…。 127 00:10:42,442 --> 00:10:47,213 おっ母様が 義姉様をなだめてくれたら…。 128 00:10:47,213 --> 00:10:53,086 わしには… わしには 何も言えん。 129 00:10:53,086 --> 00:10:58,558 御免じゃ。 一から十まで 藤吉郎が悪い。 130 00:10:58,558 --> 00:11:00,827 おっ母様! 131 00:11:00,827 --> 00:11:05,164 おっ母様! 兄者のためだけではない。 132 00:11:05,164 --> 00:11:08,067 義姉様のためでもあるんじゃ! 133 00:11:08,067 --> 00:11:11,504 今 ここで 兄者と離別でもしたら➡ 134 00:11:11,504 --> 00:11:15,375 今までの義姉様の苦労は 水の泡ではないか! 135 00:11:15,375 --> 00:11:19,379 やっと これから 楽をさせてあげられる。 136 00:11:19,379 --> 00:11:24,083 わしは 義姉様に 楽をさせてあげたいんじゃ。 137 00:11:26,519 --> 00:11:28,855 頼む…。 138 00:11:28,855 --> 00:11:34,527 頼む… このとおりじゃ おっ母様!➡ 139 00:11:34,527 --> 00:11:36,529 頼む! 140 00:11:38,197 --> 00:11:40,867 みんな わしが悪い。 141 00:11:40,867 --> 00:11:45,205 じゃがのう 産まれてきた子に罪はない。 142 00:11:45,205 --> 00:11:49,876 秀勝は おかかとわしの子じゃ。 そうは思うてくれぬか? 143 00:11:49,876 --> 00:11:52,779 もし おかかに 子ができれば その子が嫡男じゃ。 144 00:11:52,779 --> 00:11:55,748 そのことは しかと約束しよう。 あの女子はのう➡ 145 00:11:55,748 --> 00:11:58,885 秀勝の守りのために 城へ呼んだだけのことじゃ。 146 00:11:58,885 --> 00:12:02,889 わしのおかかは ねね一人じゃ。 死ぬまで おかか一人じゃ。 147 00:12:04,490 --> 00:12:09,362 わしが ほかの女子に 心を移す道理がないではないか。 148 00:12:09,362 --> 00:12:12,165 分かってくれ おかか。 149 00:12:12,165 --> 00:12:16,836 のう 岐阜へ去ぬるなどと ばかなことは言わんでくれ。 150 00:12:16,836 --> 00:12:18,771 わしのそばにおってくれ おかか! 151 00:12:18,771 --> 00:12:24,510 おかかは わしにとって この世で一番大事な女子なんじゃ。 152 00:12:24,510 --> 00:12:29,816 のう おかか 何とか言うてくれ。 153 00:12:31,851 --> 00:12:35,722 私は もう 何のお役にも立たぬ女子。 154 00:12:35,722 --> 00:12:41,194 去なせていただくのが 女子の道と心得ております。おかか…。 155 00:12:41,194 --> 00:12:43,496 どうか 去なせてくださいまし。 156 00:12:47,066 --> 00:12:49,535 おっ母さあ。 157 00:12:49,535 --> 00:12:54,207 おっ母さあ…。 おかかならば 分かってくれると思うていたに➡ 158 00:12:54,207 --> 00:12:58,077 今度こそは ほとほと参ってしもうた。 助けてくれ。 どうしたらええのか…。 159 00:12:58,077 --> 00:13:01,014 当たり前じゃ。 わしとて 女子…。 160 00:13:01,014 --> 00:13:04,817 お前のしたことを許すわけにはいかん。 おっ母さあ…。 161 00:13:04,817 --> 00:13:08,688 というて 知らん顔もできんでのう…。 162 00:13:08,688 --> 00:13:12,158 のう ねねさ。 163 00:13:12,158 --> 00:13:17,497 わしゃ なにも 藤吉郎のしたことを かばいだてしてるのではない。 164 00:13:17,497 --> 00:13:23,836 じゃが 藤吉郎にとって ねねさは 掛けがえのない嫁じゃ。 165 00:13:23,836 --> 00:13:29,709 わしも ねねさほどの嫁は ほかにいるとは思えん。➡ 166 00:13:29,709 --> 00:13:36,849 じゃが こないな男でも わしの腹を痛めた せがれじゃ。➡ 167 00:13:36,849 --> 00:13:40,520 勝手と 腹にも据えかねようが➡ 168 00:13:40,520 --> 00:13:45,391 今度だけは こらえてやってもらえまいか…。 169 00:13:45,391 --> 00:13:51,164 藤吉郎のために ねねさに そばにいてもらいたいのじゃ。 170 00:13:51,164 --> 00:13:58,538 のう わしの顔に免じて… このとおり。 171 00:13:58,538 --> 00:14:02,141 お願いじゃ! お義母様…。 172 00:14:02,141 --> 00:14:07,146 義姉様。 わしからも お願い申し上げます。 173 00:14:08,815 --> 00:14:13,519 のう おかか 機嫌を直してくれぬか? 174 00:14:15,154 --> 00:14:19,492 秀勝様が お越しでございます。 おお… 来たか 来たか。 175 00:14:19,492 --> 00:14:22,829 早速に 目通り願おうと思うてのう 呼んだ。 176 00:14:22,829 --> 00:14:26,165 会うてやってくれ。 ええ子じゃ。 177 00:14:26,165 --> 00:14:29,502 おかかも おっ母様も きっと 気に入ってくれよう。 ハハッ…。 178 00:14:29,502 --> 00:14:31,504 さあさ 入れ 入れ! 179 00:14:33,172 --> 00:14:36,476 来たか 来たか。 アッハッハッハ。 180 00:14:38,044 --> 00:14:40,046 秀勝じゃ。 181 00:14:42,181 --> 00:14:46,486 ハハハ…。 母の千種じゃ。 182 00:14:48,054 --> 00:14:50,056 おっ母様。 183 00:14:52,191 --> 00:14:57,063 秀勝 そなたの母になるお人と おばば様じゃ。 184 00:14:57,063 --> 00:15:00,800 ちゃんと ご挨拶するのじゃぞ。 ほれ。 185 00:15:00,800 --> 00:15:03,503 (秀勝)秀勝でございます。 186 00:15:05,138 --> 00:15:09,142 アッハッハッハッハ。 ようできた ようできた! アッハッハ。 187 00:15:11,477 --> 00:15:14,380 ええか? はっきり言うておく。 188 00:15:14,380 --> 00:15:17,350 おみゃあさは この子を産んだかもしれぬが➡ 189 00:15:17,350 --> 00:15:23,089 この子は 藤吉郎とねね殿の子じゃ。 おみゃあさには もう縁はない。 190 00:15:23,089 --> 00:15:26,492 おみゃあさを この城に入れたのは 藤吉郎の間違いじゃ。 191 00:15:26,492 --> 00:15:30,830 それが分かったら とっとと出ていきなされ。おっ母さあ…。 192 00:15:30,830 --> 00:15:34,500 (千種)お前様に そのようなことを 言われる筋合いはないわ。 193 00:15:34,500 --> 00:15:39,839 私は 秀吉殿に来てくれと言われたから 来たのじゃ。 194 00:15:39,839 --> 00:15:45,178 私は 秀勝の母親じゃ。 ほかに 母親は要らぬ。 195 00:15:45,178 --> 00:15:49,048 秀勝がこの城にいるかぎり 私は 秀勝のそばにいる。 196 00:15:49,048 --> 00:15:51,050 誰にも 何も言わせぬ。 197 00:15:51,050 --> 00:15:54,854 藤吉郎! こないな女子に 大きな口をたたかせて よいのか! 198 00:15:54,854 --> 00:15:56,789 とっとと 追い出せ! おっ母さあ…。 199 00:15:56,789 --> 00:15:59,725 少しは ねねさの立場も考えてやれ。 200 00:15:59,725 --> 00:16:03,129 こないな女子になめられて それでも男か! 201 00:16:03,129 --> 00:16:05,798 おみゃあが だらしにゃあで…! お義母様。 202 00:16:05,798 --> 00:16:10,670 私へのお心遣いなら 無用でございます。 203 00:16:10,670 --> 00:16:15,141 秀勝殿は まだ 母親の恋しいお年頃。 204 00:16:15,141 --> 00:16:19,479 母子を引き離すのは 秀勝殿が不憫でございます。 205 00:16:19,479 --> 00:16:23,649 そないな甘いことを言うておったら どういうことになるか…。 206 00:16:23,649 --> 00:16:27,486 私は お義母様が私のために思ってくださる➡ 207 00:16:27,486 --> 00:16:30,389 そのお気持ちだけで辛抱できます。 208 00:16:30,389 --> 00:16:33,159 このようなことになったのも➡ 209 00:16:33,159 --> 00:16:39,031 私に子供ができず おかかとして至らなかったゆえ…。 210 00:16:39,031 --> 00:16:42,501 誰も責めることはできません。 211 00:16:42,501 --> 00:16:44,837 私さえ辛抱すれば…。 212 00:16:44,837 --> 00:16:50,843 いえ 辛抱するのが おかかのつとめでございます。 213 00:16:53,513 --> 00:16:57,383 秀勝殿は 羽柴の家の大切なお子じゃ。 214 00:16:57,383 --> 00:17:01,320 立派なお子に育ててくだされ。 お願いします。 215 00:17:01,320 --> 00:17:05,124 おかか…。 あっ そうじゃ。 菓子など進ぜましょう。 216 00:17:05,124 --> 00:17:08,027 結構じゃ! さあ 戻りましょう。 217 00:17:08,027 --> 00:17:12,031 このような所に 長居は無用じゃ。 千種…。 218 00:17:16,469 --> 00:17:20,339 なんという女子じゃ! 人を ばかにしくさって! 219 00:17:20,339 --> 00:17:25,144 公家の血を引いとるでのう 頭の下げ方を知らんのよ。 220 00:17:25,144 --> 00:17:28,047 これから先が思いやられるわ。 221 00:17:28,047 --> 00:17:34,487 あないな女子に大きな顔をされておっては ねね殿が かわいそうじゃ。 222 00:17:34,487 --> 00:17:38,824 ねね殿は許せても わしは 勝手なまねは許さん。 223 00:17:38,824 --> 00:17:42,161 ここにおって じっと見届けてやるわ。 224 00:17:42,161 --> 00:17:48,501 はあ~ 中村に去にとうても 去ぬわけにもいかんのう。 225 00:17:48,501 --> 00:17:52,171 わしが 藤吉郎と あの女子の 首根っこを押さえておらねば➡ 226 00:17:52,171 --> 00:17:55,841 これから先 何が起こるか分からんでのう。 まあ それでは…。 227 00:17:55,841 --> 00:17:58,511 ねねさ一人の力では 手に負えん。 228 00:17:58,511 --> 00:18:01,113 ここは一番 わしが しっかりと気張らねば。 229 00:18:01,113 --> 00:18:04,784 おっ母さあ まことか! ずっと ここにいてくれるか! 230 00:18:04,784 --> 00:18:10,456 出来の悪いせがれを持った 因果なことよのう。 情けない! 231 00:18:10,456 --> 00:18:13,125 お義母様…。 232 00:18:13,125 --> 00:18:23,769 ♬~ 233 00:18:23,769 --> 00:18:26,672 (こほ)差し出がましい申しようでは ございますが➡ 234 00:18:26,672 --> 00:18:28,674 これからは 秀吉殿とて➡ 235 00:18:28,674 --> 00:18:32,144 何人も側室を置かれるように おなりあそばすやもしれません。➡ 236 00:18:32,144 --> 00:18:34,814 それが 今の世の習いでございます。 237 00:18:34,814 --> 00:18:37,717 それくらい お覚悟なされておいででなければ➡ 238 00:18:37,717 --> 00:18:40,720 大名のお方様は つとまりませぬ。 239 00:18:45,825 --> 00:18:49,495 女子にとっては 一番つらいこと…。 240 00:18:49,495 --> 00:18:52,832 女子の私には よう分かります。 241 00:18:52,832 --> 00:18:55,735 それでも このようなことを申し上げるのは➡ 242 00:18:55,735 --> 00:18:58,504 お方様が 少しでも お聞き分けくだされたら➡ 243 00:18:58,504 --> 00:19:02,375 お気も休まるのではないかと…。 244 00:19:02,375 --> 00:19:06,679 お方様にお仕えする者の 老婆心にございます。 245 00:19:08,314 --> 00:19:14,453 分かっています。 もう諦めました。 246 00:19:14,453 --> 00:19:17,123 失礼をお許しくださいませ。 247 00:19:17,123 --> 00:19:20,459 大名のおかかなど なりとうなかった…。 248 00:19:20,459 --> 00:19:24,797 どんなに苦労しようとも 足軽のおかかでいれば➡ 249 00:19:24,797 --> 00:19:28,801 このような思いをせずとも 済んだものを…。 250 00:19:32,471 --> 00:19:35,474 昔は よかった…。 251 00:19:37,143 --> 00:19:39,812 お方様…。 252 00:19:39,812 --> 00:19:44,150 (きい)姉さ!(とも)うん? 姉さは 弥助さに女子ができても平気か? 253 00:19:44,150 --> 00:19:47,486 (とも)ああ ああ。 弥助さが大名になってくれたら➡ 254 00:19:47,486 --> 00:19:50,156 それくらいの辛抱は いくらでもするわ。 255 00:19:50,156 --> 00:19:56,028 のう おつとめに精を出して 早う側室の持てるようになってくだされ。 256 00:19:56,028 --> 00:19:59,498 (嘉助)ハッハ! そうじゃのう。 男と生まれたからには➡ 257 00:19:59,498 --> 00:20:03,369 せめて そうなりたいものよ。 (きい)たわけも ほどほどになされ! 258 00:20:03,369 --> 00:20:05,838 わしは 今の嘉助さで十分じゃ。 259 00:20:05,838 --> 00:20:09,508 兄さのように 平気で女を作られて たまるか! 260 00:20:09,508 --> 00:20:11,844 大名のおかかなど御免じゃ。 261 00:20:11,844 --> 00:20:14,513 そんなことが分かったら たたき出してくれるわ。 262 00:20:14,513 --> 00:20:18,851 まあ 弥助さも 嘉助さも 城持ち大名にはなれぬわ。 263 00:20:18,851 --> 00:20:23,723 のう せめて 孫七郎や小吉を 立派に育てて➡ 264 00:20:23,723 --> 00:20:27,860 父様の代わりに 出世をしてもらわねばのう。 265 00:20:27,860 --> 00:20:33,532 情けないことよのう。 中村で百姓さえしておれば➡ 266 00:20:33,532 --> 00:20:36,202 出世だの何だのというて➡ 267 00:20:36,202 --> 00:20:39,872 くだらんことに心を煩わせんでも 済むものを。➡ 268 00:20:39,872 --> 00:20:42,541 藤吉郎が侍になったばっかりに!➡ 269 00:20:42,541 --> 00:20:45,211 これも みんな 藤吉郎のせいじゃ。 270 00:20:45,211 --> 00:20:49,882 まあ 皆様おそろいなのに 失礼いたしました。 271 00:20:49,882 --> 00:20:53,753 お義母様に召し上がっていただくものを 支度しておりましたほどに。 272 00:20:53,753 --> 00:20:55,755 義姉様が 厨にお入りか? 273 00:20:55,755 --> 00:21:00,826 厨に入っている時が 一番楽しゅうございます。 274 00:21:00,826 --> 00:21:06,165 何もかも忘れて… 昔に戻ったような気がいたします。 275 00:21:06,165 --> 00:21:09,835 せっかく 何もせえでよい身分に なったというのに…。 276 00:21:09,835 --> 00:21:15,508 私は 大名のおかかには なれぬ女子かもしれませぬ。 277 00:21:15,508 --> 00:21:20,379 あっ 秀吉殿も 秀長殿も まだ おつとめが お忙しいご様子。 278 00:21:20,379 --> 00:21:22,848 今宵は 皆様と ごゆるりと…。 279 00:21:22,848 --> 00:21:26,185 (市松)お久しゅうございます! (虎之助)ようおいでなされました。 280 00:21:26,185 --> 00:21:32,525 おおっ! 誰かと思うたら イチとトラではないか! 281 00:21:32,525 --> 00:21:35,427 まあ 見違えたぞ! 282 00:21:35,427 --> 00:21:38,397 息災で 何よりじゃ。 (市松)お方様のおかげで➡ 283 00:21:38,397 --> 00:21:40,866 どうにか 小姓部屋で おつとめさせてもろうとります。 284 00:21:40,866 --> 00:21:43,536 (虎之助)お方様にかわいがっていただいて なんとか 無事に…。 285 00:21:43,536 --> 00:21:47,406 そうか そうか。 お方様のご恩を忘れてなるみゃあぞ。 286 00:21:47,406 --> 00:21:52,545 イチも トラも お義母様を懐かしがっております。 287 00:21:52,545 --> 00:21:55,447 ふるさとの話も聞きとうございましょう。 288 00:21:55,447 --> 00:21:59,418 お話しいただけましたら 皆様とご一緒に こちらで…。 289 00:21:59,418 --> 00:22:04,823 ああ。 ともも きいも 顔なじみじゃ。 遠慮は要らんわなも。 290 00:22:04,823 --> 00:22:08,527 まあ よかったのう。 (2人)はい! 291 00:22:25,144 --> 00:22:29,148 無邪気な顔をして 寝ておるのう。 292 00:22:30,850 --> 00:22:37,189 今宵からは ずっと 秀勝殿と私のそばに いてくださいますな? 293 00:22:37,189 --> 00:22:42,528 いや もう遅い。 そろそろ 奥へ戻らねば…。 294 00:22:42,528 --> 00:22:49,401 どうしてじゃ。 私と秀勝殿のことは お方様も ご承知なされたではないか。 295 00:22:49,401 --> 00:22:53,172 ここで夜を過ごされたとて 誰に遠慮することがあるのじゃ? 296 00:22:53,172 --> 00:22:55,541 いや…。もう 離しはせぬ。 どこへもやらぬ。 297 00:22:55,541 --> 00:22:58,444 そうはいかんのじゃ。 おかかは ともかく➡ 298 00:22:58,444 --> 00:23:01,347 怖いお人が控えておられるけえの。 ハッハッハッハ…。 299 00:23:01,347 --> 00:23:03,816 おふくろ様が何じゃ。 300 00:23:03,816 --> 00:23:07,486 このお城で一番偉いのは お前様ではないか。 301 00:23:07,486 --> 00:23:09,421 おふくろ様じゃとて➡ 302 00:23:09,421 --> 00:23:13,158 お前様のなさることに とやかく言える道理はないわ。 303 00:23:13,158 --> 00:23:17,029 それがのう うるさいお人じゃけえ 苦手なんじゃ。 304 00:23:17,029 --> 00:23:21,033 言いたいお人には 言わせておけばよいではないか。 305 00:23:21,033 --> 00:23:25,170 おふくろ様というたとて ただの居候じゃ。 306 00:23:25,170 --> 00:23:28,507 お前様が ちいそうなってることはないわ。 307 00:23:28,507 --> 00:23:32,378 わしが どんなに偉うなってものう おっ母様は おっ母様じゃ。 308 00:23:32,378 --> 00:23:34,380 頭が上がらぬわ。 ハッハ…。 309 00:23:34,380 --> 00:23:38,851 少しは わしの身にもなってくれ。 また 折を見て来よう。 のう。 310 00:23:38,851 --> 00:23:41,754 私は 秀勝殿の母親じゃ。 311 00:23:41,754 --> 00:23:45,524 お方様にも おふくろ様にも 頭を下げるようなまねはせぬ。 312 00:23:45,524 --> 00:23:50,195 女子は 子を産んだ者が 本当の奥方じゃ。 313 00:23:50,195 --> 00:23:54,066 子も産めぬ女子に 偉そうな顔はさせぬ。 314 00:23:54,066 --> 00:23:59,538 力ずくでも お前様は 私のそばにいてもらう。 315 00:23:59,538 --> 00:24:02,141 千種…。 ハッハッハッハ。 316 00:24:02,141 --> 00:24:06,812 おお かわいいのう 秀勝。 317 00:24:06,812 --> 00:24:46,852 (雨の音) 318 00:24:46,852 --> 00:24:49,154 (ため息) 319 00:24:56,862 --> 00:25:00,466 わしを待たずと 先に寝ておれと言うておるではないか。 320 00:25:00,466 --> 00:25:03,802 私が起きていては お目障りでございましたか? 321 00:25:03,802 --> 00:25:06,105 いや…。 ハッハッハッハ。 322 00:25:08,140 --> 00:25:10,809 お疲れでございましたでしょう。 ああ 疲れた。 323 00:25:10,809 --> 00:25:13,278 肩でも おもみいたしましょうか? あっ そうよのう。 324 00:25:13,278 --> 00:25:15,814 誰ぞ呼んでくれ。 私がいたします。 325 00:25:15,814 --> 00:25:20,686 ほかに お役に立つこともできませぬ。 ハッハッハ。 おかか また 嫌みか? 326 00:25:20,686 --> 00:25:24,156 おかかの ふくれた顔など 二目と見られぬぞ。 ハッハッハ。 327 00:25:24,156 --> 00:25:27,826 それは 千種殿の方が お若くて 美しゅうございます。 328 00:25:27,826 --> 00:25:31,497 私は 古女房。 とても千種殿には かないませぬ。 329 00:25:31,497 --> 00:25:33,432 おかか いいかげんにせえ。 330 00:25:33,432 --> 00:25:36,168 なにも 嫌なものを こちらにお越しにならずとも➡ 331 00:25:36,168 --> 00:25:40,039 どうぞ 南殿へ お渡りくださいませ。 どうぞ。 332 00:25:40,039 --> 00:25:42,841 おかかは 分かってくれたのではなかったのか。 333 00:25:42,841 --> 00:25:44,777 おっ母様の前では あれほど殊勝なことを言うて。 334 00:25:44,777 --> 00:25:48,180 あれは うそか?お母様のおとりなしを 無にはできませぬ。 335 00:25:48,180 --> 00:25:52,051 それも 人前もあってと思って 気持ちを静ませました。 336 00:25:52,051 --> 00:25:56,522 おい おかか…。 おかかのことを あれほど立てておるというに➡ 337 00:25:56,522 --> 00:25:59,425 何が不足で…。 人を これだけ踏み倒しといて➡ 338 00:25:59,425 --> 00:26:02,327 おかかを立てるも何も あったもんではございませぬわ。 339 00:26:02,327 --> 00:26:05,130 おかかが それほど心の狭い女子とは 思わなんだわ。 340 00:26:05,130 --> 00:26:07,065 わしの目違いじゃったのう。 341 00:26:07,065 --> 00:26:11,470 ええ ええ。 私は 心の狭い 嫌~な女子でございます。 342 00:26:11,470 --> 00:26:16,341 お前様が千種殿に心を移されたとて 私は 何も言えた義理ではございませぬ。 343 00:26:16,341 --> 00:26:21,480 目違いじゃと悔やんでおいででしたら いっそ離別していただいた方が➡ 344 00:26:21,480 --> 00:26:23,482 さっぱりいたします。 おかか! 345 00:26:30,823 --> 00:26:33,725 そなた 人が下手に出ておれば…! 346 00:26:33,725 --> 00:26:37,162 わしのすることが気に入らぬのなら 出てけばいい! 347 00:26:37,162 --> 00:26:41,033 顔を見る度にのう 言うても詮ないことを グダグダ言われては たまらぬわ! 348 00:26:41,033 --> 00:26:43,035 それが お前様の本心か! おう! 349 00:26:43,035 --> 00:26:47,172 ああ よう分かりました。 それまで言われて 誰が…! 350 00:26:47,172 --> 00:26:51,043 私がいない方が お前様も千種殿も 清々なさいましょう。 351 00:26:51,043 --> 00:26:53,045 お お… おかか。 352 00:26:53,045 --> 00:26:57,182 おお おっ母様。 アハ… アハ…。 353 00:26:57,182 --> 00:26:59,118 まだ やすまなんだか。 ハハッ…。 354 00:26:59,118 --> 00:27:04,990 おお おお… おほほ…。 雨の中 大儀じゃのう。 大儀 大儀。 355 00:27:04,990 --> 00:27:07,292 うん。 ああ…。 356 00:27:15,133 --> 00:27:23,008 ♬~ 357 00:27:23,008 --> 00:27:25,777 ハハハハ…。 はあ~。 358 00:27:25,777 --> 00:27:30,482 おかか。 アッハッハ。 もう 寝ようぞ。 ハッハッハ。 359 00:27:30,482 --> 00:27:32,484 のう。 360 00:27:44,496 --> 00:27:48,834 私にも言わせてくださいまし。 361 00:27:48,834 --> 00:27:53,171 別れるというなら 黙って去りましょう。 362 00:27:53,171 --> 00:27:56,842 でも 辛抱せねばと決めたゆえ➡ 363 00:27:56,842 --> 00:28:00,712 恨み言の一つも言いとうなるのです。 364 00:28:00,712 --> 00:28:20,799 (いびき) 365 00:28:20,799 --> 00:28:30,809 ♬~ 366 00:28:39,818 --> 00:28:42,154 兄者! 出陣じゃ! 367 00:28:42,154 --> 00:28:44,089 信長様のご使者が参られた。 368 00:28:44,089 --> 00:28:46,825 ⚟(秀長)兄者! お目覚めでございますか? 369 00:28:46,825 --> 00:28:48,760 いかん! 寝過ごした! 370 00:28:48,760 --> 00:28:51,697 出陣じゃと!? 371 00:28:51,697 --> 00:28:54,700 甲斐の武田勝頼が 三河の長篠城を包囲し➡ 372 00:28:54,700 --> 00:28:59,171 信長様は 徳川家康殿を助けるため 直ちに兵を率いて 長篠へ向かわれる由。 373 00:28:59,171 --> 00:29:01,440 よし すぐ行く。 おぬし 出陣の指揮を執れ。 374 00:29:01,440 --> 00:29:04,109 のう のう 合戦か? おっ母さは 心配せんでええ。 375 00:29:04,109 --> 00:29:07,012 久しぶりの戦じゃ。 腕が鳴るわ。兄者! 何じゃ!? 376 00:29:07,012 --> 00:29:11,783 兄者…。 うん!?ひげ どうなされた? 377 00:29:11,783 --> 00:29:14,453 おお ひげがない…。 (なか)ほんに。➡ 378 00:29:14,453 --> 00:29:17,789 そういえば 昨日は 立派なのが ついておったのにのう。 379 00:29:17,789 --> 00:29:21,126 ひげ…。 わしのひげ どうした? 380 00:29:21,126 --> 00:29:23,795 ひげ… わしのひげ どうした? 381 00:29:23,795 --> 00:29:25,797 ひげ…。 382 00:29:27,666 --> 00:29:30,135 ああっ! あ~…。 383 00:29:30,135 --> 00:29:33,038 私が 昨夜 頂戴いたしました。 384 00:29:33,038 --> 00:29:36,041 何じゃと!? おかかが!? 385 00:29:38,477 --> 00:29:41,813 どうして!? 何の恨みがあって!? 386 00:29:41,813 --> 00:29:44,716 どうしても 胸が収まりませぬゆえ➡ 387 00:29:44,716 --> 00:29:48,487 お命の代わりに おひげを頂戴いたしました。 388 00:29:48,487 --> 00:29:50,422 おかか…。 389 00:29:50,422 --> 00:29:56,128 これで 胸のつかえも下りました。 二度と千種殿のことは申しませぬ。 390 00:29:57,829 --> 00:30:03,502 あのひげはのう 1年もかかって…。 大事な大事なひげじゃった! 391 00:30:03,502 --> 00:30:07,372 大事なおひげゆえ 頂戴いたしました。 よくも そなた…。 392 00:30:07,372 --> 00:30:11,176 アッハッハッハ! おみゃあさのしたことは➡ 393 00:30:11,176 --> 00:30:14,846 女子にとっては 命を奪われるほど切ないものじゃ。 394 00:30:14,846 --> 00:30:18,183 ひげぐらいで済んでよかったと 思うのじゃな。 395 00:30:18,183 --> 00:30:21,520 おっ母様。 じゃが ねねさも やるのう。 396 00:30:21,520 --> 00:30:25,390 これで帳消しになれば 結構 結構! (笑い声) 397 00:30:25,390 --> 00:30:28,860 笑い事ではないわ! 「身から出た錆」じゃ。 398 00:30:28,860 --> 00:30:33,732 それにしても まあ ひげをそられても 気が付かねえとは➡ 399 00:30:33,732 --> 00:30:36,201 寝首も かかれかねまいな。 400 00:30:36,201 --> 00:30:41,540 それで侍とは はてさて 頼りない大将だわなも。 401 00:30:41,540 --> 00:30:43,475 (笑い声) 402 00:30:43,475 --> 00:30:46,878 おかかのそばじゃ。 まさかと思って 寝入っておれば➡ 403 00:30:46,878 --> 00:30:50,215 気が付かぬも道理じゃ。 飼い犬に手をかまれたわ。 404 00:30:50,215 --> 00:30:54,886 ひげぐらいで 未練がましいこと言うな。 ひげがのうては戦に行けんのなら➡ 405 00:30:54,886 --> 00:30:57,556 つけひげでも こしらえてやりゃあええ。 406 00:30:57,556 --> 00:31:01,159 はい。 (笑い声) 407 00:31:01,159 --> 00:31:11,870 ♬~ 408 00:31:13,505 --> 00:31:15,440 <天正3年5月。➡ 409 00:31:15,440 --> 00:31:21,179 甲斐の武田勝頼は ついに 三河の長篠城外の設楽原で➡ 410 00:31:21,179 --> 00:31:26,051 徳川家康と信長の両軍勢と 相まみえることになった。➡ 411 00:31:26,051 --> 00:31:30,522 この長篠の合戦は 騎馬と鉄砲の戦といわれ➡ 412 00:31:30,522 --> 00:31:35,861 猛威を誇る武田の騎馬隊に 信長の新しい鉄砲作戦が功を奏して➡ 413 00:31:35,861 --> 00:31:38,864 勝利を収めたことで有名である> 414 00:31:43,535 --> 00:31:49,408 <信長は その勢いをかって 越前の一向宗門徒を攻めた。➡ 415 00:31:49,408 --> 00:31:55,714 ねねは 長浜へ来て初めて 城主夫人として留守を守ることになった> 416 00:31:59,551 --> 00:32:01,486 秀勝殿。 417 00:32:01,486 --> 00:32:03,421 (侍女)お方様…。 418 00:32:03,421 --> 00:32:08,827 母様は お出かけじゃそうな。 何をしておいでか 気になってのう。 419 00:32:08,827 --> 00:32:13,698 男の子が そのような遊びをしていては 強い子にはなれませぬ。 420 00:32:13,698 --> 00:32:17,402 さあ おじゃれ。 さあ。 421 00:32:26,178 --> 00:32:28,180 さあ。 422 00:32:34,853 --> 00:32:38,523 呼びつけて 悪かったのう。 423 00:32:38,523 --> 00:32:43,528 実は 秀勝殿の お相手をして差し上げてほしいのじゃ。 424 00:32:45,197 --> 00:32:47,532 この子は あの女子の? 425 00:32:47,532 --> 00:32:51,203 秀吉殿の大事なお子じゃ。 426 00:32:51,203 --> 00:32:54,873 お城の中では 遊び相手がおらぬ。 427 00:32:54,873 --> 00:32:58,743 男のお子は 男のお子らしい遊びをさせねば➡ 428 00:32:58,743 --> 00:33:01,479 かわいそうじゃ。 頼みましたぞ。 429 00:33:01,479 --> 00:33:05,150 (進之助)はい。 さあ おいでなされませ。 430 00:33:05,150 --> 00:33:09,821 さあさあ お日様の下で 存分 暴れておいでなされませ。 431 00:33:09,821 --> 00:33:11,823 さあ。 432 00:33:19,164 --> 00:33:24,469 それでは 木刀をお見立ていたします。 さあ こちらへ ひとまず…。 433 00:33:26,838 --> 00:33:30,175 (やや)お姉様。 まあ やや! 434 00:33:30,175 --> 00:33:32,844 いつ 長浜へ? (やや)さっき やっと。 435 00:33:32,844 --> 00:33:36,715 お父様もお母様も 岐阜を離れるのを 嫌じゃと おっしゃって。 436 00:33:36,715 --> 00:33:38,717 ついつい 延び延びに。 437 00:33:38,717 --> 00:33:42,187 荷物の片づけもあろう。 誰ぞ遣わそうか? 438 00:33:42,187 --> 00:33:45,524 長政殿も 120石の士分に お取り立ていただいて➡ 439 00:33:45,524 --> 00:33:48,193 下働きの者も抱えられるようになった。 440 00:33:48,193 --> 00:33:53,532 今までの浅野の家とは違う。 手は 十分に足りております。 フフフ。 441 00:33:53,532 --> 00:33:58,870 でも お姉様は 12万石の殿様のご内室。 442 00:33:58,870 --> 00:34:03,475 120石とは 「月とすっぽん」じゃのう。 オッホッホッホ。 443 00:34:03,475 --> 00:34:07,812 120石ぐらいが 分相応じゃ。 444 00:34:07,812 --> 00:34:10,715 ややが羨ましい…。 445 00:34:10,715 --> 00:34:15,687 聞いたわ。 秀吉殿に側室が…。 446 00:34:15,687 --> 00:34:19,157 お子まであったというではないか。 447 00:34:19,157 --> 00:34:23,028 よう我慢なされたな お姉様。 448 00:34:23,028 --> 00:34:28,500 私には 子がないのじゃ。 足軽なら いざ知らず➡ 449 00:34:28,500 --> 00:34:35,373 大名のおかかとなっては 側室の一人や二人は目をつぶるのが➡ 450 00:34:35,373 --> 00:34:39,144 それが 大名のおかかの定めじゃそうな…。 451 00:34:39,144 --> 00:34:41,846 お姉様…。 452 00:34:41,846 --> 00:34:45,717 もう覚悟はできたわ。 453 00:34:45,717 --> 00:34:48,720 ⚟(虎之助)それでは トラが お相手いたします。 454 00:34:48,720 --> 00:34:53,191 あれが 秀勝殿じゃ。 ⚟(虎之助)えい! それ! 455 00:34:53,191 --> 00:34:58,863 う~ん やっぱり 男の子よのう。 生き生きと見違えるようじゃわ。 456 00:34:58,863 --> 00:35:00,799 お姉様。 457 00:35:00,799 --> 00:35:05,103 秀吉殿のお子は 私のお子でもある。 458 00:35:06,671 --> 00:35:11,676 羽柴の家のためにも 立派に育ってもらわねば。 459 00:35:17,148 --> 00:35:21,019 アッハッハ。 あっ! 460 00:35:21,019 --> 00:35:25,023 (秀勝)くそ~。 (進之助)それ いけ! 461 00:35:27,158 --> 00:35:30,161 ああ! おお~! 参った 参った 参った! 462 00:35:32,030 --> 00:35:38,169 子供には罪はない。 いとおしめば かわいいもんじゃ。 463 00:35:38,169 --> 00:35:42,173 (進之助)さあ 石垣の上で稽古じゃ。 (市松 虎之助)はい! 464 00:35:43,842 --> 00:35:47,712 ほほう あれは 秀勝ではにゃあか。 はい。 465 00:35:47,712 --> 00:35:52,183 ねねさの裁量か? よう悪たれとるなも。 466 00:35:52,183 --> 00:35:55,854 やっぱり 普通の子じゃの…。 467 00:35:55,854 --> 00:36:01,459 妹の ややにございます。 今日 岐阜から長浜に参りました。 468 00:36:01,459 --> 00:36:05,330 秀吉殿の母上じゃ。 ややでございます。 469 00:36:05,330 --> 00:36:08,133 よう来られたのう。 470 00:36:08,133 --> 00:36:11,803 ずっと こちらに? いや わしゃ 居候じゃ。 471 00:36:11,803 --> 00:36:15,673 じゃが わしがおるとて 煙たがらずに来てくだされ。 472 00:36:15,673 --> 00:36:19,144 ねねさにとっては たった一人の妹御じゃ。 473 00:36:19,144 --> 00:36:23,815 人に話せぬことも 心を割って話すこともできよう。 474 00:36:23,815 --> 00:36:26,718 仲ようになも。 はい。 475 00:36:26,718 --> 00:36:31,689 のう ねねさ わしは 畑が欲しいんじゃがなも。 476 00:36:31,689 --> 00:36:34,159 は? 今 見てきたが➡ 477 00:36:34,159 --> 00:36:37,829 空き地が ぎょうさんあるで もったいにゃあわ。➡ 478 00:36:37,829 --> 00:36:40,498 土がのうては 寂しいんじゃ。 479 00:36:40,498 --> 00:36:43,401 はい。 すぐ その筋の者に申し伝えましょう。 480 00:36:43,401 --> 00:36:46,171 おお! ねねさは 物分かりが早えのう。 481 00:36:46,171 --> 00:36:49,074 でも あまりご無理なさいませぬように。 482 00:36:49,074 --> 00:36:53,845 な~に 土に親しんでさえおれば 病など近づかぬわ。 483 00:36:53,845 --> 00:36:55,847 まあ! (笑い声) 484 00:37:00,452 --> 00:37:03,121 秀勝殿を どうなされた!? 485 00:37:03,121 --> 00:37:07,792 お帰りなされましたか。 (千種)私の留守に 勝手なまねは許さぬ! 486 00:37:07,792 --> 00:37:11,663 何じゃ その口の利きようは! ねね殿を どなたと心得る! 487 00:37:11,663 --> 00:37:15,133 私は 秀吉殿のお世継ぎの母じゃ。 488 00:37:15,133 --> 00:37:17,469 お前様に そのようなことを 言われる覚えはないわ! 489 00:37:17,469 --> 00:37:20,138 何じゃと! お義母様。 490 00:37:20,138 --> 00:37:23,475 ⚟(市松)さあ 今度は イチが お相手いたします。 491 00:37:23,475 --> 00:37:28,146 (千種)秀勝殿! 何をなされておる!? 母様じゃ。 さあ 戻りましょう。 492 00:37:28,146 --> 00:37:31,049 嫌じゃ。 ここで遊んでいる。 なりませぬ! 493 00:37:31,049 --> 00:37:35,487 さあ 秀勝を! 早う! 494 00:37:35,487 --> 00:37:37,822 嫌じゃ! 嫌じゃ! 嫌じゃ! 嫌じゃ!  495 00:37:37,822 --> 00:37:40,492 さあ 早う 秀勝! 496 00:37:40,492 --> 00:37:43,161 ほら! (秀勝)嫌じゃ 嫌じゃ! 497 00:37:43,161 --> 00:37:45,096 早う いらっしゃい! 498 00:37:45,096 --> 00:37:50,034 よいか? 二度と このような所に参ってはなりませぬ! 499 00:37:50,034 --> 00:37:52,737 (木刀を投げる音) 戻りましょう。 500 00:37:54,506 --> 00:37:56,508 ま…。 501 00:37:58,376 --> 00:38:00,311 うつけが…! 502 00:38:00,311 --> 00:38:04,115 あのような女子に うつつを抜かしておる藤吉郎は➡ 503 00:38:04,115 --> 00:38:07,785 底抜けのうつけ者じゃ! 504 00:38:07,785 --> 00:38:13,124 <留守をあずかる ねねの気苦労は尽きなかった。➡ 505 00:38:13,124 --> 00:38:17,996 しかし 間もなく 越前は平定され 秀吉が帰還したある日➡ 506 00:38:17,996 --> 00:38:22,133 越前 府中城に赴任する 前田利家 おまつ夫妻が➡ 507 00:38:22,133 --> 00:38:24,469 長浜を訪れた> 508 00:38:24,469 --> 00:38:28,807 まあ! よう おいでくだされた。 509 00:38:28,807 --> 00:38:31,709 これは にぎやかなことよのう。 510 00:38:31,709 --> 00:38:37,148 (まつ)越前へ参る途中ゆえ このようなことになりました。おお。 511 00:38:37,148 --> 00:38:41,019 こちらが 小牧でお産まれになった…。 512 00:38:41,019 --> 00:38:44,823 はい。 ねね様にお世話になった子でございます。 513 00:38:44,823 --> 00:38:46,758 (利長)利長と申します。 514 00:38:46,758 --> 00:38:51,696 まあ 大きゅうなられて…。 515 00:38:51,696 --> 00:38:56,434 私たちが年を取るのも道理じゃ。 アッハッハッハ! 516 00:38:56,434 --> 00:39:02,774 いや 利家殿は 子福者じゃのう。 羨ましいことよのう。 ハッハッハ。 517 00:39:02,774 --> 00:39:07,645 さあさ あちらへ。 うん うん。 さあさ さあさ おじゃれ。 518 00:39:07,645 --> 00:39:09,647 さあさ。 519 00:39:16,120 --> 00:39:19,457 い~ち に~い…。 えい! やあ! 520 00:39:19,457 --> 00:39:22,360 や~い! 返して! 返して! 521 00:39:22,360 --> 00:39:30,101 越前は 雪深い所と伺っております。 お役目とはいえ 大変でございますなあ。 522 00:39:30,101 --> 00:39:34,472 荒子で 義兄上たちに 気を遣うて暮らしていることを思えば➡ 523 00:39:34,472 --> 00:39:39,143 どんな所であろうと 親子水入らずなら 言うことはございません。 524 00:39:39,143 --> 00:39:42,480 ほんに 家をあずかる者は➡ 525 00:39:42,480 --> 00:39:46,351 殿御には分からぬ気苦労が ございますゆえ…。 526 00:39:46,351 --> 00:39:50,355 (まつ)ねね様も? 私は 相変わらず まごまごと…。 527 00:39:50,355 --> 00:39:54,092 いまだに お城の暮らしが 身につきませぬ。 528 00:39:54,092 --> 00:39:56,394 (笑い声) 529 00:39:58,029 --> 00:40:02,166 (利家)ねね殿。 約束のものを持参いたしましたが➡ 530 00:40:02,166 --> 00:40:04,102 いかがなされる? 531 00:40:04,102 --> 00:40:06,104 約束…。 532 00:40:09,040 --> 00:40:12,810 ハッハッハッハッハッハッハ! 533 00:40:12,810 --> 00:40:15,179 この子じゃ。 534 00:40:15,179 --> 00:40:19,517 今度産まれる子が女子なら 養女にとの約束じゃった。 535 00:40:19,517 --> 00:40:22,854 まあ…。 さあ よしよし…。 536 00:40:22,854 --> 00:40:25,189 お豪と申します。 537 00:40:25,189 --> 00:40:28,893 ま… 本当に? 538 00:40:30,528 --> 00:40:35,867 本当に 私たちの子として…? 539 00:40:35,867 --> 00:40:38,770 よう忘れずにいてくださいました。 540 00:40:38,770 --> 00:40:42,740 ただ 秀吉殿には ご嫡男がおありなそうな。 541 00:40:42,740 --> 00:40:45,209 あの時とは 事情が変わりましたゆえ。 542 00:40:45,209 --> 00:40:52,083 いいえ。 利家様と おまつ様さえ ご承知くだされば 頂きとうございます。 543 00:40:52,083 --> 00:41:00,158 いや~ 女子の子は 男と違うて 慰められますなあ。 ハッハッハッハ。 544 00:41:00,158 --> 00:41:03,494 私には 子がございません。 545 00:41:03,494 --> 00:41:10,168 私の子としていただけますれば これ以上 心強いことはございませぬ。 546 00:41:10,168 --> 00:41:13,071 ねね様のお気持ちは よう…。 547 00:41:13,071 --> 00:41:17,508 お子がおられぬ時よりも 側室に お子がおできになった方が➡ 548 00:41:17,508 --> 00:41:20,411 もっともっと お寂しゅうございましょう。➡ 549 00:41:20,411 --> 00:41:25,183 お豪で そのお気持ちが 少しでも慰められるのでしたら…。 550 00:41:25,183 --> 00:41:27,185 おまつ様…。 551 00:41:28,853 --> 00:41:32,156 秀吉殿は 罪なお方じゃ。 552 00:41:33,725 --> 00:41:42,200 利家殿 おまつ様 ねねのためにも お豪様を…。 553 00:41:42,200 --> 00:41:47,071 何もかも承知で 連れてきたのじゃ。 554 00:41:47,071 --> 00:41:54,779 まつの ねね殿への気持ちを添えて お豪を ねね殿に差し上げよう。 555 00:41:56,748 --> 00:42:03,488 ありがとう… ありがとうございます。 556 00:42:03,488 --> 00:42:12,497 おまつ様のお心を お豪様と共に 立派なお子に育てさせていただきます。 557 00:42:18,503 --> 00:42:30,114 ♬~ 558 00:42:30,114 --> 00:42:32,517 おまつ様…。 559 00:42:32,517 --> 00:42:35,186 女子は 女子同士…。 560 00:42:35,186 --> 00:42:39,524 ねね様に喜んでいただけましたら もう それで…。 561 00:42:39,524 --> 00:42:47,865 ♬~ 562 00:42:47,865 --> 00:42:51,736 いや~ めでたい めでたい! よい子ができて 羽柴家も万々歳じゃ! 563 00:42:51,736 --> 00:42:54,205 早速に 祝いの酒盛りをのう。 564 00:42:54,205 --> 00:42:56,140 おかか。 565 00:42:56,140 --> 00:42:59,077 おまつ様…。 566 00:42:59,077 --> 00:43:17,829 ♬~ 567 00:43:17,829 --> 00:43:22,500 <やがて 秀吉が 長い長い中国遠征に出かけ➡ 568 00:43:22,500 --> 00:43:26,370 留守居役のねねの苦労が また始まることになるが➡ 569 00:43:26,370 --> 00:43:30,174 それは その前の ほんのひととき➡ 570 00:43:30,174 --> 00:43:35,046 ねねに訪れた 心温まる出来事であった> 571 00:43:35,046 --> 00:43:41,352 ♬~