1 00:00:02,102 --> 00:02:36,390 ♬~ 2 00:02:43,530 --> 00:02:48,402 (信長) おのれ 猿め! わしに 盾つきおって! 3 00:02:48,402 --> 00:02:51,405 許せん。 打ち首じゃ!➡ 4 00:02:51,405 --> 00:02:54,174 即刻 兵をやって 長浜をたたき潰せ! 5 00:02:54,174 --> 00:02:56,877 筑前には筑前の言い分もござりましょう。 6 00:02:56,877 --> 00:02:59,212 一応 事情をお取り調べの後…。 7 00:02:59,212 --> 00:03:02,482 どう言い訳しようと わしの命に背いたことには変わらないわ。 8 00:03:02,482 --> 00:03:05,152 猿とて 覚悟でやったことであろう。 9 00:03:05,152 --> 00:03:07,087 謀反じゃ! 10 00:03:07,087 --> 00:03:09,022 謀反と同罪じゃ! 容赦はせぬ! 11 00:03:09,022 --> 00:03:11,491 それだけはなりませぬ! なりませぬ! 12 00:03:11,491 --> 00:03:18,365 今は 北国 畿内 中国に敵を控え 織田家重大の時にござります。 13 00:03:18,365 --> 00:03:21,835 秀吉ごときに かかずらわっておる 場合ではございませぬ! 14 00:03:21,835 --> 00:03:23,770 なら わしが行く! 15 00:03:23,770 --> 00:03:25,706 わしが行って たたき斬ってやるわ! 16 00:03:25,706 --> 00:03:29,709 殿! それはなりませぬ! 殿! なりませぬぞ! 17 00:03:31,511 --> 00:03:33,447 <天正5年秋。➡ 18 00:03:33,447 --> 00:03:37,851 秀吉の能登の戦線からの離脱は 大きな波紋を呼んだ。➡ 19 00:03:37,851 --> 00:03:40,754 信長の激しい気性は 骨身にしみている。➡ 20 00:03:40,754 --> 00:03:46,526 どんな処罰が下るか 長浜城内は 重苦しい不安に押し包まれていた> 21 00:03:46,526 --> 00:03:49,529 (小六)秀吉殿は何をしておるのじゃ!? 22 00:03:51,198 --> 00:03:53,133 いまだ おやすみの由にござります! 23 00:03:53,133 --> 00:03:55,869 この大事な時に! (秀長)疲れておられるのであろう。 24 00:03:55,869 --> 00:03:58,772 帰城されてから 泥のように眠っておられるそうじゃ。 25 00:03:58,772 --> 00:04:03,143 まあ わしらが騒いだところで なるようにしかならぬ。➡ 26 00:04:03,143 --> 00:04:08,482 ご一同には せっかく ご登城いただいたが 今日のところは お引き取り願おう。 27 00:04:08,482 --> 00:04:12,352 ばかを言うな! いつ何時 どのようなことがあるやもしれん! 28 00:04:12,352 --> 00:04:15,355 もし 理不尽なお沙汰があった時には➡ 29 00:04:15,355 --> 00:04:18,825 秀吉殿をお守りして 戦う覚悟もできておる! 30 00:04:18,825 --> 00:04:20,760 小六殿! 31 00:04:20,760 --> 00:04:23,697 (長政)信長様に謀反なされるというのか!? 32 00:04:23,697 --> 00:04:29,169 当たり前じゃ! 信長連れに むざむざと 秀吉殿を殺されてたまるか! 33 00:04:29,169 --> 00:04:32,506 いざという時は この俺が 信長の首を討ち取ってやる! 34 00:04:32,506 --> 00:04:36,176 そうじゃ! 我ら1万の兵をもって当たれば➡ 35 00:04:36,176 --> 00:04:38,111 信長ごとき 物の数ではないわ! 36 00:04:38,111 --> 00:04:40,046 (一同)そうじゃ そうじゃ! 信長 討つべし! 37 00:04:40,046 --> 00:04:42,516 (秀長)お静まり召されい! 38 00:04:42,516 --> 00:04:45,418 謀反などと穏やかでないことを 口にされては➡ 39 00:04:45,418 --> 00:04:48,188 秀吉殿が迷惑されるだけじゃ! しかし…! 40 00:04:48,188 --> 00:04:52,526 全て 秀吉殿のご裁量にお任せすればよい。 41 00:04:52,526 --> 00:04:55,228 秀吉殿が お決めになることじゃ。 42 00:05:31,164 --> 00:05:34,834 (なか)ハッハッハ…。 よう眠っておるわ。 43 00:05:34,834 --> 00:05:39,539 あれだけ寝ておれば 案ずることはにゃあで。 44 00:05:42,709 --> 00:05:49,182 (ねね)秀吉殿は 眠ってはおられませぬ。 45 00:05:49,182 --> 00:05:54,521 周りの者に とやかく言われるのが 煩わしゅうて 何も召し上がらずに➡ 46 00:05:54,521 --> 00:05:57,858 ただ 寝たふりを なすってらっしゃるだけでございます。 47 00:05:57,858 --> 00:06:03,129 さすが おかかじゃ。 ねねさも 見抜いておったか。 48 00:06:03,129 --> 00:06:05,465 お義母様も? (なか)ハッハッハ。➡ 49 00:06:05,465 --> 00:06:08,468 殊に 女子は うるさいでのう。 50 00:06:10,337 --> 00:06:13,807 何をお考えになってらっしゃるので ございましょう? 51 00:06:13,807 --> 00:06:18,144 はあ~ 中村を捨ていでよかった…。 52 00:06:18,144 --> 00:06:22,816 のう ねねさ 中村へ去のう。 皆一緒に去のう。 53 00:06:22,816 --> 00:06:29,155 畑さえ耕しておれば 人らしい生き方ができるぞなも。 54 00:06:29,155 --> 00:06:35,161 はあ~ そのような暮らしに戻れることが できたら…。 55 00:06:37,497 --> 00:06:41,167 ⚟(秀吉)おかか! 旅の支度じゃ! おかか! 56 00:06:41,167 --> 00:06:43,169 旅…? 57 00:06:51,177 --> 00:06:54,080 あっ お前様。 58 00:06:54,080 --> 00:06:58,051 よう寝た。 ハッハ 疲れも取れた。 59 00:06:58,051 --> 00:07:01,788 旅の支度とおっしゃいましたが どちらに行かれます? 60 00:07:01,788 --> 00:07:05,458 安土よ。 安土? 61 00:07:05,458 --> 00:07:08,795 信長様のご報告が まだじゃった。 62 00:07:08,795 --> 00:07:11,698 事の次第を お話しせねばのう。 ハッハッハ。 63 00:07:11,698 --> 00:07:15,001 腹が減った。 湯漬けも頼むぞ。 64 00:07:20,407 --> 00:07:23,410 アッハ 早うせえ。 急ぐ。 65 00:07:25,345 --> 00:07:27,347 はい…。 66 00:07:38,491 --> 00:07:40,427 (小六)たわけたことを言うな!➡ 67 00:07:40,427 --> 00:07:43,363 信長様のご気性 おぬし よう知っておろう! 68 00:07:43,363 --> 00:07:48,501 今 安土へなど わざわざ 信長様に斬られに行くようなもんじゃ! 69 00:07:48,501 --> 00:07:51,404 信長様とて 話せば分かってくださるわ。 70 00:07:51,404 --> 00:07:56,843 どのような言い訳をしようと 我らが主命に背いたことは消えはせん! 71 00:07:56,843 --> 00:07:59,546 それを許すような殿ではござらん。 72 00:08:01,114 --> 00:08:04,017 う~ん うまかった。 73 00:08:04,017 --> 00:08:06,786 (小六)おぬしが長浜におれば 我らとて おぬしを守って➡ 74 00:08:06,786 --> 00:08:09,456 信長様と戦うこともできる。 75 00:08:09,456 --> 00:08:12,459 安土では 手も足も出んではないか! 76 00:08:14,127 --> 00:08:17,030 わしは 信長様のご家来ぞ。 77 00:08:17,030 --> 00:08:20,467 どのようなことがあっても 信長様に盾つくようなことはせぬわ。 78 00:08:20,467 --> 00:08:22,802 秀吉殿! 79 00:08:22,802 --> 00:08:25,705 殿のご沙汰があるまで 皆も ゆっくりしてくれ。 80 00:08:25,705 --> 00:08:29,142 久方ぶりの休みじゃ。 のう。 (秀長)はっ。 81 00:08:29,142 --> 00:08:31,077 どうでも行くと言われるなら わしも行こう! 82 00:08:31,077 --> 00:08:33,813 すぐ 手勢をそろえよう。 供は要らん。 83 00:08:33,813 --> 00:08:36,149 戦に行くのではないぞ。 じゃがのう…! 84 00:08:36,149 --> 00:08:39,052 どうでも わしを斬られると おっしゃるならば➡ 85 00:08:39,052 --> 00:08:41,020 それだけの殿じゃったのよ。 86 00:08:41,020 --> 00:08:45,825 わしの目違いじゃったまでのこと。 致し方あるまいて。 87 00:08:45,825 --> 00:08:48,495 秀吉殿! (秀長)小六殿! 88 00:08:48,495 --> 00:08:51,831 ここは 兄者の思うとおりに。 89 00:08:51,831 --> 00:08:55,702 ものものしゅう安土に乗り込んでは 信長様のお気にも触れよう。 90 00:08:55,702 --> 00:08:59,406 かえって 兄者のためにならん。 のう。 91 00:09:03,777 --> 00:09:05,779 手ぬるいわ! 92 00:09:17,323 --> 00:10:09,175 ♬~ 93 00:10:09,175 --> 00:10:11,111 秀吉殿! 94 00:10:11,111 --> 00:10:19,119 ♬~ 95 00:10:24,524 --> 00:10:29,395 ⚟(子供たちの声) 96 00:10:29,395 --> 00:10:34,534 (子供たちの声) 97 00:10:34,534 --> 00:10:38,204 (とも)もしものことがあったら あの子たちは どうなるのじゃ。 98 00:10:38,204 --> 00:10:41,875 豪姫や松寿丸は 帰るところがおありになるが➡ 99 00:10:41,875 --> 00:10:44,177 あの子たちは…。 100 00:10:46,212 --> 00:10:49,115 (弥助)田舎へ帰って 百姓をやれば ええことよ。 101 00:10:49,115 --> 00:10:51,084 どうせ わしは 侍には向いておらぬ。 102 00:10:51,084 --> 00:10:54,087 情けないことを。 せっかく ここまで来て。 103 00:10:54,087 --> 00:11:00,493 孫七郎や小吉は 藤吉郎に負けぬ武将にと 思うていたのに… 不憫すぎるわ。 104 00:11:00,493 --> 00:11:04,797 百姓は百姓に戻るのが一番じゃ。 105 00:11:09,836 --> 00:11:14,507 (やや)長政殿も 信長様のご家臣でいればよかったものを。 106 00:11:14,507 --> 00:11:19,178 秀吉殿にお仕えしたばっかりに…。 やや。 107 00:11:19,178 --> 00:11:22,849 このようなことなら 子など産まれぬ方がよかったわ。 108 00:11:22,849 --> 00:11:26,519 やや! お姉様はええわ お子がのうて。 109 00:11:26,519 --> 00:11:28,855 余計な心配をせずに済む。 110 00:11:28,855 --> 00:11:33,726 秀吉殿には 秀吉殿のお考えがあって 安土へ行かれたのじゃ。 111 00:11:33,726 --> 00:11:37,864 案ずることはない。 必ず 首尾よう お戻りになれます。 112 00:11:37,864 --> 00:11:40,533 気休めを言うて 何になる。 113 00:11:40,533 --> 00:11:44,871 秀吉殿は 命を召されても 当たり前のことをなされたのじゃ。➡ 114 00:11:44,871 --> 00:11:49,542 じゃが 秀吉殿は 秀吉殿お一人の命ではない。➡ 115 00:11:49,542 --> 00:11:55,415 秀吉殿を頼りにしている親類縁者 ご家臣 その家族がいるということを➡ 116 00:11:55,415 --> 00:11:58,885 秀吉殿は お考えになったことがあるのか? 117 00:11:58,885 --> 00:12:05,692 あったら ご自分の 意地の 面目のというて➡ 118 00:12:05,692 --> 00:12:08,695 このような無謀なことは できぬはずじゃ。 119 00:12:08,695 --> 00:12:14,701 秀吉殿とて そのようなことは…。 私が一番よく知っています。 120 00:12:17,170 --> 00:12:22,475 なれば どうして このような短慮なことをなされた。 121 00:12:24,043 --> 00:12:29,515 所詮 秀吉殿は 12万石の城主になど なる器ではなかったのよ。 122 00:12:29,515 --> 00:12:33,186 それを思い上がったばっかりに 我らも とんだ憂き目を見ることになったわ。 123 00:12:33,186 --> 00:12:35,121 (たたく音) (秀長)義姉様! 124 00:12:35,121 --> 00:12:37,056 (長政)言葉が過ぎるぞ やや! 125 00:12:37,056 --> 00:12:40,059 私が言わねば 誰が言う。 126 00:12:40,059 --> 00:12:45,198 それとも 私の言うことは 間違うているのか? 127 00:12:45,198 --> 00:12:51,871 たとえ 姉 妹とて 秀吉殿のことを あしざまに言うことは許しませぬ。 128 00:12:51,871 --> 00:12:55,541 (嘉助)のう まあまあ あの 皆が キリキリしたところで➡ 129 00:12:55,541 --> 00:12:58,211 始まらぬではないか。 久しぶりに そろうたんじゃ。 130 00:12:58,211 --> 00:13:01,114 酒でも飲んで。 のう 秀長殿! 131 00:13:01,114 --> 00:13:05,485 (赤ん坊の泣き声) さあ おじゃれ。 132 00:13:05,485 --> 00:13:09,822 (赤ん坊の泣き声) 133 00:13:09,822 --> 00:13:12,125 やや。 134 00:13:15,695 --> 00:13:18,831 申し訳ございませぬ。 135 00:13:18,831 --> 00:13:22,502 私からも 詫びを申します。 136 00:13:22,502 --> 00:13:27,840 やや殿のお怒りは もっともじゃ。 まっこと 兄者は 罪なお人よ。 137 00:13:27,840 --> 00:13:32,545 ハッハッハッハ。 ハッハッハッハ。 138 00:13:35,515 --> 00:13:41,187 嘉助殿 酒にするか。 おう! わしが言うてこよう。 139 00:13:41,187 --> 00:13:46,893 気が付きませんで…。 私が申しつけましょう。 140 00:13:52,532 --> 00:13:55,435 酒じゃ 酒じゃ! のう! 酒が一番じゃ!➡ 141 00:13:55,435 --> 00:13:58,871 久しぶりに 休みじゃ! 皆が そろうたんじゃ➡ 142 00:13:58,871 --> 00:14:01,140 楽しくやろうではないか。 アッハッハ! 143 00:14:01,140 --> 00:14:03,476 ひとつ にぎやかにな! ハッハッハ! 144 00:14:03,476 --> 00:14:05,411 うん? 145 00:14:05,411 --> 00:14:18,024 (赤ん坊の泣き声) 146 00:14:18,024 --> 00:14:20,026 やや。 147 00:14:28,501 --> 00:14:30,837 お姉様…。 148 00:14:30,837 --> 00:14:40,847 (赤ん坊の泣き声) 149 00:14:40,847 --> 00:15:19,552 ♬~ 150 00:15:22,155 --> 00:15:25,825 何!? 猿が来たと? 151 00:15:25,825 --> 00:15:27,827 はっ。 152 00:15:30,496 --> 00:15:33,833 ようも ずうずうしゅう。 153 00:15:33,833 --> 00:15:36,169 斬られに来たのか! 154 00:15:36,169 --> 00:15:38,104 ならば わしが斬ってやるわ! 155 00:15:38,104 --> 00:15:42,041 筑前は お詫びに…! 供も連れずに参っております。 156 00:15:42,041 --> 00:15:46,179 ならん! 目通りは無用じゃ! 斬れ! 斬るのじゃ!➡ 157 00:15:46,179 --> 00:15:48,881 わしの命に背いた罰じゃ! 158 00:16:16,476 --> 00:16:19,812 蟄居じゃ! 追って沙汰する!➡ 159 00:16:19,812 --> 00:16:25,151 それまでは 長浜で謹慎せよとの仰せじゃ。 160 00:16:25,151 --> 00:16:43,836 ♬~ 161 00:16:43,836 --> 00:16:46,739 いや 眠いのう。 ああ。 162 00:16:46,739 --> 00:16:49,041 (馬のひづめの音) うん? 163 00:16:53,513 --> 00:16:56,215 殿じゃ! 殿のお戻りじゃ! 164 00:16:58,184 --> 00:17:00,119 兄者! 165 00:17:00,119 --> 00:17:02,455 戻った。 (家次)秀吉殿! 166 00:17:02,455 --> 00:17:06,792 アッハッハッハ! どうやら 亡霊ではないらしいわい。 167 00:17:06,792 --> 00:17:10,663 (家次)ご無事で 何よりでござった。 (小六)よかった よかった! 168 00:17:10,663 --> 00:17:14,467 目通りは かなわなんだ。 何? 169 00:17:14,467 --> 00:17:18,337 ならば…? 蟄居じゃ。 謹慎を仰せつけられた。 170 00:17:18,337 --> 00:17:21,340 しばらく 長浜で 昼寝でもしておれということじゃろうが。 171 00:17:21,340 --> 00:17:23,643 ハッハッハッハ。 172 00:17:30,483 --> 00:17:32,785 お前様! 173 00:17:39,825 --> 00:17:45,831 ほんに 夢のようじゃ。 ようお戻りなされました。 174 00:17:47,500 --> 00:17:52,838 そう むざむざとは 死なぬわ。 175 00:17:52,838 --> 00:17:58,711 ハハハ…。 おかかを置いて 死ねるはずがないではないか。 176 00:17:58,711 --> 00:18:00,713 はあ~。 ハッハッハ…。 177 00:18:02,448 --> 00:18:06,319 ⚟(こほ)お湯殿の支度ができております。 178 00:18:06,319 --> 00:18:10,323 分かっておるわ! 呼ぶまで 声をかけるな! お前様…。 179 00:18:13,793 --> 00:18:18,130 お城の暮らしとは 不自由じゃのう。 180 00:18:18,130 --> 00:18:24,470 足軽の時は よかった。 おかかと2人きりでのう…。 181 00:18:24,470 --> 00:18:27,473 12万石は重いのう。 182 00:18:29,141 --> 00:18:34,480 さて これから どうなるか…。 183 00:18:34,480 --> 00:18:41,153 いえ。 お命さえあれば 何とでも。 184 00:18:41,153 --> 00:18:43,489 はあ~。 185 00:18:43,489 --> 00:18:46,826 今は つながってる首ものう➡ 186 00:18:46,826 --> 00:18:52,531 いつ どこで 飛ぶやもしれぬわ。 ハッハッハッハッハ…。 187 00:19:03,109 --> 00:19:05,444 お前様。 188 00:19:05,444 --> 00:19:10,783 私で お役に立つことがあったら 私が安土へ参上して➡ 189 00:19:10,783 --> 00:19:15,454 信長様にお許しいただけるよう お願いいたします。 190 00:19:15,454 --> 00:19:20,326 信長様には 安土築城の折 お目通りいたしました。 191 00:19:20,326 --> 00:19:25,464 そのあとも お心の籠もったお文を 頂戴いたしました。 192 00:19:25,464 --> 00:19:29,335 私なら お目通り かなうかもしれませぬ。 193 00:19:29,335 --> 00:19:34,473 私を安土へ…。 お願いいたします。 194 00:19:34,473 --> 00:19:37,176 おかか…。 195 00:19:39,345 --> 00:19:41,347 わしはのう➡ 196 00:19:41,347 --> 00:19:46,352 信長様に お許しを頂かねば ならぬようなことをした覚えはないわ。 197 00:19:48,487 --> 00:19:54,360 確かに わしの一存で兵を引いたのは 主命に背いたことにはなろうが➡ 198 00:19:54,360 --> 00:19:58,831 それも わしが正しいと信じたから したまでのことじゃ。 199 00:19:58,831 --> 00:20:00,766 お前様…。 200 00:20:00,766 --> 00:20:05,504 わしが安土へ行ったのは 詫びるためではない。 201 00:20:05,504 --> 00:20:10,209 信長様に わしの信じていることを 申し上げとうて 行ったまでのことじゃ。 202 00:20:12,378 --> 00:20:17,116 お分かりいただけずば それはそれでよい。 203 00:20:17,116 --> 00:20:20,119 わしの武運がなかったまでのことよ。 204 00:20:22,054 --> 00:20:26,792 己の信じていることを通して 果てるならば➡ 205 00:20:26,792 --> 00:20:29,095 本望じゃ。 206 00:20:31,530 --> 00:20:34,200 申し訳ございませんでした。 207 00:20:34,200 --> 00:20:38,537 女子の身で 差し出がましいことを…。 208 00:20:38,537 --> 00:20:41,240 許してくだされ。 209 00:20:42,875 --> 00:20:45,177 おかか…。 210 00:20:47,213 --> 00:20:51,550 おかかにも 苦労をかけるのう。 211 00:20:51,550 --> 00:20:55,421 いえ 案じることはございません。 212 00:20:55,421 --> 00:21:00,826 お前様のお心を伺って 私の気持ちも晴れました。 213 00:21:00,826 --> 00:21:06,532 どんなことがあっても もう ねねは 黙って お前様についてまいります。 214 00:21:09,502 --> 00:21:11,837 おかか…。 215 00:21:11,837 --> 00:21:21,147 ♬~ 216 00:21:31,190 --> 00:21:38,531 ハッハッハッハ。 姫 お父は休みじゃ。 これから ずっと 姫のそばにおられるぞ。 217 00:21:38,531 --> 00:21:41,200 皆とも 一緒に遊んでやれるぞ。 (3人)はい! 218 00:21:41,200 --> 00:21:45,070 (きい)相変わらず のんき者よのう。 明日をも知れぬというのに。 219 00:21:45,070 --> 00:21:47,540 城に入り浸うてばかりおらずと➡ 220 00:21:47,540 --> 00:21:50,209 少しは うちに帰って 亭主殿の面倒も見てやれ。 221 00:21:50,209 --> 00:21:52,878 我らは そなたのことを案じて…。 ハッハ。 222 00:21:52,878 --> 00:21:56,215 亭主殿を大事にするのも 今のうちだけだぞ。 223 00:21:56,215 --> 00:22:00,486 せっかくの休みではないか。 せいぜい おかからしゅう つとめてやらねばのう。 224 00:22:00,486 --> 00:22:03,389 何が 休みじゃ。 人の気も知らいで。 225 00:22:03,389 --> 00:22:06,358 兄さのおかげで みんな 生きた心地はせぬわ。 226 00:22:06,358 --> 00:22:10,830 姫も一緒になって遊ぶか? うん? やるか? アッハッハッハ。 227 00:22:10,830 --> 00:22:15,701 かわいい手じゃのう。 紅葉のような手じゃのう。 おう? 228 00:22:15,701 --> 00:22:18,704 まあまあ 姫も ご機嫌じゃのう。 229 00:22:18,704 --> 00:22:22,441 お父様に抱いていただいて。 子供は かわいい。 230 00:22:22,441 --> 00:22:26,845 うるさいことは言わぬ。 のう。 何よりも 慰められるわ。 ハッハッハ。 231 00:22:26,845 --> 00:22:31,517 今宵は 大勢の方をお招きしてございます。 おう。 232 00:22:31,517 --> 00:22:34,186 このところ 連日 お前様を案じて➡ 233 00:22:34,186 --> 00:22:37,523 城下の町人どもが 見舞うてくれておりました。 234 00:22:37,523 --> 00:22:39,458 そのお礼にと 酒宴を…。 235 00:22:39,458 --> 00:22:42,394 皆様 喜んで来てくださるそうでございます。 236 00:22:42,394 --> 00:22:45,397 (とも)このような時に 酒を飲んで 大騒ぎをするというのか。 237 00:22:45,397 --> 00:22:50,102 くよくよしておりましても なるようにしかなりませぬ。 238 00:22:50,102 --> 00:22:53,505 このような時にこそ お遊びなされませ。 239 00:22:53,505 --> 00:22:55,874 気晴らしになりましょう? 240 00:22:55,874 --> 00:22:59,211 おかか よう言うてくれた! 241 00:22:59,211 --> 00:23:02,114 蟄居中は 戦に出ることもない。 242 00:23:02,114 --> 00:23:04,483 長浜から外へ出ることも かなわぬ。 243 00:23:04,483 --> 00:23:07,386 というて わしは田舎者じゃ。 気の利いた手すさびも知らぬ。 244 00:23:07,386 --> 00:23:11,156 ハッハッハッハ! このような時は 飲んで騒ぐのが一番じゃ! 245 00:23:11,156 --> 00:23:14,493 (きい)兄さ! おかか! おかかは 三国一のおかかじゃ! 246 00:23:14,493 --> 00:23:18,831 わしは ええおかかをもろうた! おっ母さ わしは果報者じゃのう。 247 00:23:18,831 --> 00:23:20,766 アッハッハッハッハッハ! 248 00:23:20,766 --> 00:23:25,504 それは ええ考えじゃ。 ええ考えじゃ! ええ考えじゃ! 249 00:23:25,504 --> 00:23:27,439 まあ…。 250 00:23:27,439 --> 00:23:30,843 ♬~ 251 00:23:30,843 --> 00:23:48,394 ♬~(歌声) 252 00:23:48,394 --> 00:23:51,163 さあさあ さあさあ どんどん飲んで…。 253 00:23:51,163 --> 00:24:07,680 ♬~(歌声) 254 00:24:07,680 --> 00:24:10,149 わしも踊ろうかのう。 255 00:24:10,149 --> 00:24:17,022 ♬~(歌声) 256 00:24:17,022 --> 00:24:21,760 <ところが 大宴会は この一夜だけでは済まなかった。➡ 257 00:24:21,760 --> 00:24:23,696 来る日も来る日も➡ 258 00:24:23,696 --> 00:24:27,499 秀吉は 何かと名目をつけて いろんな客を招待し➡ 259 00:24:27,499 --> 00:24:31,804 飲めや歌えの大騒ぎが 続けられたのである> 260 00:24:34,173 --> 00:24:36,842 <さすがのねねも びっくりした。➡ 261 00:24:36,842 --> 00:24:42,181 もっと驚いたのは 羽柴家の財政をあずかる家次である> 262 00:24:42,181 --> 00:24:47,052 (家次)わしから 秀吉殿に申し上げても 「馬の耳に念仏」じゃ。 263 00:24:47,052 --> 00:24:50,055 少し ねね殿から おいさめ申し上げてくだされ。 264 00:24:50,055 --> 00:24:54,526 あれでは まるで 銭を どぶへ捨てるようなものじゃ。 265 00:24:54,526 --> 00:24:57,429 わしも言うてはみたが 知らぬ顔じゃ。 266 00:24:57,429 --> 00:25:01,333 いくら 蟄居中のつれづれとはいえ ちと度が過ぎます。 267 00:25:01,333 --> 00:25:07,106 ⚟♬~(秀吉の歌声) 268 00:25:07,106 --> 00:25:12,011 おおっ。 おかかがおらぬと思うたら 朝っぱらから 評定か? ハッハッハ。 269 00:25:12,011 --> 00:25:16,782 兄者 もう昼じゃ。 あ~ ゆうべも よう飲んだで。 270 00:25:16,782 --> 00:25:19,685 お目覚めでございましたか。 ああ。 271 00:25:19,685 --> 00:25:22,488 今宵は 誰の配下が集まる? 272 00:25:22,488 --> 00:25:26,358 日頃 目の届かぬ足軽どもと 親しゅう酒を酌み交わせるのも➡ 273 00:25:26,358 --> 00:25:29,361 蟄居のおかげよのう。 ハッハッハッハ。 274 00:25:29,361 --> 00:25:33,132 せいぜい こういう時には 振る舞うといてやらねばのう。 275 00:25:33,132 --> 00:25:38,036 兄者 足軽どもを慈しむのもええがのう こう毎晩では…。 276 00:25:38,036 --> 00:25:41,173 また説教か? 銭が何じゃ! 277 00:25:41,173 --> 00:25:45,043 しかし いざという時のために 無駄な出費は お控えくださらねば。 278 00:25:45,043 --> 00:25:48,046 戦に出ることもないのに 何を蓄えることがある。 279 00:25:48,046 --> 00:25:50,182 お前様。 280 00:25:50,182 --> 00:25:54,053 慰みに酒宴を張れと言うたのは おかかじゃぞ。 281 00:25:54,053 --> 00:25:57,856 でも こう毎晩でしたら お体に障ります。 282 00:25:57,856 --> 00:26:02,461 フッハッハ。 な~に 戦の厳しさを思えば 楽なものじゃ。 283 00:26:02,461 --> 00:26:04,396 ハッハッハ…。 ああ~。 284 00:26:04,396 --> 00:26:07,132 ほら お前様。 ああ~。 285 00:26:07,132 --> 00:26:09,802 ⚟(みつ)みつにございます。➡ 286 00:26:09,802 --> 00:26:13,806 みつにございます! うん? 287 00:26:15,674 --> 00:26:18,143 おお みつ。 288 00:26:18,143 --> 00:26:21,480 (みつ)松永久秀 久通親子が 謀反にございます。 289 00:26:21,480 --> 00:26:24,817 何!? 松永久秀が謀反じゃ? 290 00:26:24,817 --> 00:26:27,486 (みつ)突如 摂津 天王寺の砦を去り➡ 291 00:26:27,486 --> 00:26:30,389 大和 信貴山城に 立て籠もりましてございます。 292 00:26:30,389 --> 00:26:35,360 久秀め とうとう 信長様に盾つきおったか。 293 00:26:35,360 --> 00:26:38,497 信長様が 越前はじめ 諸所で 苦戦なされてるのを➡ 294 00:26:38,497 --> 00:26:40,432 つけ込んでの謀反であろうが。 295 00:26:40,432 --> 00:26:44,369 ハッ… また 信長様のご心労が増えたのう。 296 00:26:44,369 --> 00:26:48,173 ハッハッハッハ…。 秀吉殿! 297 00:26:48,173 --> 00:26:53,045 誰が謀反を起こそうと 蟄居中のわしには関わりのないことじゃ。 298 00:26:53,045 --> 00:26:57,516 今こそ おぬしたちには わしの 耳にも目にも なってもらわねばのう。 299 00:26:57,516 --> 00:26:59,518 大儀じゃ。 300 00:27:03,322 --> 00:27:05,324 久秀を誰が討つのじゃ。 301 00:27:05,324 --> 00:27:10,462 柴田勝家 滝川一益 丹羽長秀 そして 前田利家➡ 302 00:27:10,462 --> 00:27:14,800 佐々成政は越前に 明智光秀は丹波に。 303 00:27:14,800 --> 00:27:17,469 めぼしい武将は みんな 出陣中じゃ。 304 00:27:17,469 --> 00:27:19,805 信長様も まさかと思うておられるであろうが➡ 305 00:27:19,805 --> 00:27:21,740 誰もおらぬではないか! 306 00:27:21,740 --> 00:27:26,478 わしには関わりのないことじゃ。 わしは 謹慎中ぞ。 307 00:27:26,478 --> 00:27:29,381 このような時に 秀吉殿が使われぬ法はない! 308 00:27:29,381 --> 00:27:33,151 わしは 殿のご勘気に触れた男じゃ。 高みの見物よ。 ハッハッハ。 309 00:27:33,151 --> 00:27:35,087 家次殿。 はっ。 310 00:27:35,087 --> 00:27:39,825 こう 方々で戦では 信長様も ご側近の方々も 大変なことじゃろう。 311 00:27:39,825 --> 00:27:43,495 見舞いじゃ。 ありったけの銭をばらまいてくれぬか。 312 00:27:43,495 --> 00:27:45,430 ええっ!? ハッハッハッハ。 313 00:27:45,430 --> 00:27:48,167 戦をせぬ身には 蓄えなど無用じゃ。 314 00:27:48,167 --> 00:27:51,503 できるだけ 気前ようにのう。 ハッハッハッハ。 315 00:27:51,503 --> 00:27:55,174 秀吉殿! おぬし 乱心したか! 316 00:27:55,174 --> 00:27:59,845 戦をせぬというても おぬしに もし 万一のお沙汰があった場合には➡ 317 00:27:59,845 --> 00:28:02,447 我々は おぬしを守って戦わねばならん。 318 00:28:02,447 --> 00:28:05,117 軍資金がのうては 戦はできんではないか。 319 00:28:05,117 --> 00:28:08,453 12万石は わしのものじゃ! わしが どのように使おうと➡ 320 00:28:08,453 --> 00:28:10,389 誰の指図も受けぬわ! お前様! 321 00:28:10,389 --> 00:28:15,127 フッハッハッハ。 信長様のご側近に 銭をばらまいておけば➡ 322 00:28:15,127 --> 00:28:17,796 信長様に うもう とりなしてくれるやもしれぬぞ。 323 00:28:17,796 --> 00:28:20,465 おぬし そのような さもしい根性で! おお。 324 00:28:20,465 --> 00:28:23,802 それで 首がつながるのであれば 安いものよ。 ハッハッハ。 325 00:28:23,802 --> 00:28:27,472 銭はのう 使う時に パ~ッと使わねばのう。 326 00:28:27,472 --> 00:28:30,142 アッハッハッハ! 327 00:28:30,142 --> 00:28:35,447 ⚟♬~(秀吉の歌声) 328 00:28:46,158 --> 00:28:48,493 休みは ええのう。 329 00:28:48,493 --> 00:28:51,830 このように のんびりしたのは 生まれて初めてじゃ。 330 00:28:51,830 --> 00:28:55,701 物心付いてから今まで 走りづめに走ってきた。 331 00:28:55,701 --> 00:28:58,503 よう働いた。 ハッハッハ…。 332 00:28:58,503 --> 00:29:03,775 お前様。 お前様の気持ちは 私も よう…。 333 00:29:03,775 --> 00:29:09,448 ただ 家次殿や 小六殿が お案じなさることも➡ 334 00:29:09,448 --> 00:29:13,318 少しは お考えなさいませ。 335 00:29:13,318 --> 00:29:15,320 おかか。 336 00:29:19,458 --> 00:29:23,795 わしが 今 銭を使うておるのはのう➡ 337 00:29:23,795 --> 00:29:29,101 わしの身や わしの家臣たちを守るためよ。 338 00:29:53,158 --> 00:29:57,496 わしが銭を持っておってはのう 危ない。 え…。 339 00:29:57,496 --> 00:30:00,399 信長様は 猜疑心の深いお方じゃ。 340 00:30:00,399 --> 00:30:04,169 わしに謀反の心あると 思われるやもしれぬ。 341 00:30:04,169 --> 00:30:08,507 現に 小六のような男もおる。 ここは どうでも わしに➡ 342 00:30:08,507 --> 00:30:13,178 謀反の心などないということを 分かっていただかねばのう。 343 00:30:13,178 --> 00:30:16,515 はあ~ そのためには 裸になることよ。 344 00:30:16,515 --> 00:30:20,185 軍資金がなくば 戦はできまいて。 345 00:30:20,185 --> 00:30:25,057 フフッ… それゆえ 派手に使うて お見せしておるのよ。 346 00:30:25,057 --> 00:30:27,526 まあ…。 347 00:30:27,526 --> 00:30:29,461 秀吉は 毎夜➡ 348 00:30:29,461 --> 00:30:33,198 酒盛りを開いて 遊びほうけておると うわさが立てば 結構。 349 00:30:33,198 --> 00:30:39,071 ハッハ 側近に 銭をばらまけば すぐさま 信長様のお耳にも入ろうて。 350 00:30:39,071 --> 00:30:41,073 それが つけめよ。 351 00:30:41,073 --> 00:30:44,543 お前様…。 ハハハ…。 352 00:30:44,543 --> 00:30:48,213 家次殿や小六殿には ないしょじゃぞ。 353 00:30:48,213 --> 00:30:53,085 信長様に頭の上がらぬ臆病者よと ばかにされるのが オチよ。 354 00:30:53,085 --> 00:30:57,889 じゃがのう 天下のためにも 今は➡ 355 00:30:57,889 --> 00:31:01,760 信長様のお力になることが わしの役目じゃ。 356 00:31:01,760 --> 00:31:08,500 どうでも 信長様に 天下統一を果たしていただかねば➡ 357 00:31:08,500 --> 00:31:10,836 戦乱の世は終わらぬわ。 358 00:31:10,836 --> 00:31:13,505 そのための辛抱じゃ。 359 00:31:13,505 --> 00:31:15,807 お前様。 360 00:31:17,843 --> 00:31:23,181 家次殿や小六殿にも いずれは 分かっていただける時が来よう。 のう。 361 00:31:23,181 --> 00:31:26,852 お前様! お好きなだけ 銭をお使いなさいませ。 362 00:31:26,852 --> 00:31:30,188 こういう時にこそ 下の者に振る舞うのが➡ 363 00:31:30,188 --> 00:31:32,124 後々 励みになりましょう。 364 00:31:32,124 --> 00:31:35,861 銭を惜しまず 私も 馳走などを手配いたします。 365 00:31:35,861 --> 00:31:38,764 おかか 急に 気が大きゅうなったのう。 366 00:31:38,764 --> 00:31:43,735 もう 今まで かかりを始末するのが おかかのつとめと苦労してまいりました。 367 00:31:43,735 --> 00:31:48,206 でも もう 何の心配ものう 思い切って パ~ッと銭を使ってしまいましょう。 368 00:31:48,206 --> 00:31:50,142 アッハッハッハ! おかか。 369 00:31:50,142 --> 00:31:55,447 (笑い声) 370 00:31:57,549 --> 00:32:16,501 ♬~ 371 00:32:16,501 --> 00:32:22,174 <家中の不安と動揺をよそに 相変わらず 夜ごと 宴会が開かれ➡ 372 00:32:22,174 --> 00:32:26,044 家次たちの反対を押して 信長や その側近たちに➡ 373 00:32:26,044 --> 00:32:29,748 惜しげもなく 付け届けが贈られていた> 374 00:32:31,850 --> 00:32:37,189 <が 一向に 信長からは 何の沙汰もなかった> 375 00:32:37,189 --> 00:32:41,526 ♬~ 376 00:32:41,526 --> 00:32:46,198 (やや)ご家中では 秀吉殿が乱心されたと 案じておる者さえある。➡ 377 00:32:46,198 --> 00:32:49,868 父上も 心を痛めておられるわ。 378 00:32:49,868 --> 00:32:53,738 お姉様は よう黙っておられるのう。 379 00:32:53,738 --> 00:32:57,209 お方様から 是非 殿に…。 380 00:32:57,209 --> 00:33:01,079 お姉様しか 言うお人はおらぬ! 381 00:33:01,079 --> 00:33:04,816 女子には 差し出がましいことは申し上げられぬ。 382 00:33:04,816 --> 00:33:07,719 お姉様! 383 00:33:07,719 --> 00:33:12,491 せっかくじゃが 私にはできませぬ。 384 00:33:12,491 --> 00:33:14,426 まあ! 385 00:33:14,426 --> 00:33:16,728 参りましょう 長政殿。 386 00:33:18,363 --> 00:33:21,499 ♬~ 387 00:33:21,499 --> 00:33:24,169 ヘヘヘヘ…。 388 00:33:24,169 --> 00:33:50,161 ♬~ 389 00:34:21,159 --> 00:34:23,094 殿。 390 00:34:23,094 --> 00:34:26,031 おお おお…。 ハッハッハッハ。 391 00:34:26,031 --> 00:34:30,168 あ~ 今宵は ええ月じゃのう。 392 00:34:30,168 --> 00:34:34,039 月を見ながら飲む酒も また風流なものよのう。 393 00:34:34,039 --> 00:34:39,511 早 秋か…。 随分 長い間 戦をしておりませぬ。 394 00:34:39,511 --> 00:34:42,847 これでは 「陸に上がった河童」も同然…。 395 00:34:42,847 --> 00:34:46,184 あ~ 腕が鳴るわ。 ハッハッハッハ。 396 00:34:46,184 --> 00:34:50,855 焦るな 焦るな。 休めるうちは 休んでおけ。 397 00:34:50,855 --> 00:34:53,758 今に 休みとうても 休めぬ時が来るぞ。 398 00:34:53,758 --> 00:34:55,727 いつ そのような時が? 399 00:34:55,727 --> 00:35:00,465 ハッハッハ まあ 飲め。 ハッハッハ…。 400 00:35:00,465 --> 00:35:02,467 うん? 401 00:35:04,336 --> 00:35:09,341 ああ…。 あ~ ええ月じゃ。 402 00:35:13,044 --> 00:35:19,150 8月14日 能登 七尾城が 上杉謙信の手に落ちましてございます。 403 00:35:19,150 --> 00:35:22,821 うん? とうとう落ちたか。 404 00:35:22,821 --> 00:35:27,158 これで 能登は 上杉謙信のものとなったのう。 405 00:35:27,158 --> 00:35:31,029 柴田勝家はじめ あれほどの武将が 越前へ出陣しながら➡ 406 00:35:31,029 --> 00:35:33,498 むざむざ謙信に敗れてしまうとは…。 407 00:35:33,498 --> 00:35:36,167 よほどの男よのう 謙信は。 408 00:35:36,167 --> 00:35:40,505 七尾城攻めの前夜 謙信は 城外の陣中にて➡ 409 00:35:40,505 --> 00:35:46,845 仲秋十三夜の月をめで 能登一国を手中に収める胸中を➡ 410 00:35:46,845 --> 00:35:50,148 この歌に託した由にございます。 411 00:35:54,519 --> 00:35:58,189 「霜は軍営に満ちて 秋気清し➡ 412 00:35:58,189 --> 00:36:01,459 数行の過雁 月三更➡ 413 00:36:01,459 --> 00:36:04,796 越山あわせ得たり 能州の景➡ 414 00:36:04,796 --> 00:36:09,501 さもあらばあれ 家郷遠征を憶う」。 415 00:36:11,136 --> 00:36:14,806 「越山あわせ得たり 能州の景➡ 416 00:36:14,806 --> 00:36:19,811 さもあらばあれ 家郷遠征を憶う」。 417 00:36:21,479 --> 00:36:28,353 ほう~ これが 上杉謙信という男か。 418 00:36:28,353 --> 00:36:32,123 ハッハッハッハッハ…。 419 00:36:32,123 --> 00:36:35,493 勝家風情では とても太刀打ちできる相手ではないわ。 420 00:36:35,493 --> 00:36:37,429 ハッハッハ。 421 00:36:37,429 --> 00:36:41,166 信長様も 情けないご家来を持たれたものよのう。 422 00:36:41,166 --> 00:36:44,502 これでは いよいよ 越前も危ないのう。 423 00:36:44,502 --> 00:36:47,172 (みつ)間もなく 北国は雪になります。➡ 424 00:36:47,172 --> 00:36:53,511 恐らく 明春の雪解けを待って 越前を侵すやに思われます。 425 00:36:53,511 --> 00:36:57,182 北国の総大将 柴田勝家も それまでの命か。 426 00:36:57,182 --> 00:37:00,785 ハッハッハッハ…。 畿内の動静は? 427 00:37:00,785 --> 00:37:06,124 大和 信貴山城の松永久秀と いまだ苦戦中にございます。 428 00:37:06,124 --> 00:37:09,994 何? まだ終わらぬのか。 429 00:37:09,994 --> 00:37:14,466 信長様は 何をしておられるのじゃ。 久秀ごときに 手を焼かれるとは…。 430 00:37:14,466 --> 00:37:18,136 (みつ)播磨の別所長治にも 不穏な動きが…。 431 00:37:18,136 --> 00:37:22,474 あれほど 信長様のお味方をすると 誓うたものを…! 432 00:37:22,474 --> 00:37:25,376 誰も彼も 信長様の足元を見よって…。 433 00:37:25,376 --> 00:37:30,682 このまま放っておいては 播磨での 秀吉様のご苦労が水の泡になりましょう。 434 00:37:32,484 --> 00:37:35,386 ハッハッハッハ。 435 00:37:35,386 --> 00:37:38,156 わしには もう 関わりのないことじゃ。 436 00:37:38,156 --> 00:37:43,828 わしは 蟄居中の身ぞ。 ハッハッハッハッハッハ! 437 00:37:43,828 --> 00:37:48,166 <高笑いはしているが 信長の戦局が はかばかしくないのを➡ 438 00:37:48,166 --> 00:37:51,069 イライラして気遣っている秀吉の胸中が➡ 439 00:37:51,069 --> 00:37:54,773 ねねには 痛いように分かっていた> 440 00:37:59,177 --> 00:38:02,180 <が それから 間もなく…> 441 00:38:03,782 --> 00:38:07,652 よいしょ よいしょ。 ほれ ほれ。 ハッハッハッハ。 442 00:38:07,652 --> 00:38:11,456 なんと かわいい手じゃ。 ほら! 443 00:38:11,456 --> 00:38:13,391 日増しに大きゅうなられて…。 444 00:38:13,391 --> 00:38:16,327 どれ どれ? あ~ うまい うまい! うまいぞ。 445 00:38:16,327 --> 00:38:20,465 ああ~。 またしても 2人して 子守か。 446 00:38:20,465 --> 00:38:23,134 おかかと そろうてのう このようなことができるのも➡ 447 00:38:23,134 --> 00:38:25,803 今のうちよ。 ハッハッハ。 448 00:38:25,803 --> 00:38:29,507 兄者! 信長様の火急の使者じゃ。 449 00:38:32,477 --> 00:38:35,146 いよいよ 信長様のご沙汰が…? 450 00:38:35,146 --> 00:38:39,150 うむ…。 お豪 ちょっと待っておれ。 451 00:39:01,105 --> 00:39:03,041 おかか! 452 00:39:03,041 --> 00:39:05,777 出陣じゃ。 戦じゃ。 お前様…。 453 00:39:05,777 --> 00:39:09,647 大和 信貴山城の松永久秀を討てと 信長様よりのご命令じゃ。 454 00:39:09,647 --> 00:39:13,451 案の定よのう わしが出ていかねば 誰も久秀を討つ者などおらぬわ。 455 00:39:13,451 --> 00:39:15,386 では 蟄居は? 休みは 終わりじゃ。 456 00:39:15,386 --> 00:39:17,789 じゃあ 信長様のご勘気も? 457 00:39:17,789 --> 00:39:20,458 解けた。 当たり前よ。 ハッハッハッハ。 458 00:39:20,458 --> 00:39:26,130 秀長 わしが勝家の言いなりになってのう 越前でウロウロしてれば どうなった。 459 00:39:26,130 --> 00:39:28,466 ああ? ほかの武将は 皆 越前に くぎづけ。 460 00:39:28,466 --> 00:39:31,369 誰も 久秀を討つ者など おらぬではないか。 461 00:39:31,369 --> 00:39:33,805 大和 摂津 紀州が不穏な時➡ 462 00:39:33,805 --> 00:39:36,474 こういう事態もあろうかと 兵を返しておいたのよ。 ハッハ。 463 00:39:36,474 --> 00:39:41,145 信長様にも ようやっと それが お分かりいただけたと見えるわ。 464 00:39:41,145 --> 00:39:43,448 おめでとうございます。 465 00:39:47,485 --> 00:39:49,420 (一同)おめでとうございます! 466 00:39:49,420 --> 00:39:53,157 (こほ)何より めでたいご出陣 祝着至極に存じまする。 467 00:39:53,157 --> 00:39:57,829 うむ。 皆にも 苦労をかけたのう。 468 00:39:57,829 --> 00:40:02,166 おっ母さあ 喜んでくだされ。 また 戦か。 469 00:40:02,166 --> 00:40:07,038 今度は ひょっとして みんなで 中村へ戻れるかと思うておったのにのう。 470 00:40:07,038 --> 00:40:12,176 ヘヘヘッ おっ母さあ。 これでまた ねねさの苦労が続くのじゃ。 471 00:40:12,176 --> 00:40:14,846 おかか 留守を頼むぞ。 472 00:40:14,846 --> 00:40:18,182 はい。 どうぞ お心おきのう。 473 00:40:18,182 --> 00:40:23,187 うむ。 さあ 出陣の支度じゃ。 はい。 474 00:40:26,858 --> 00:40:29,761 おっ母様 心配のう。 475 00:40:29,761 --> 00:40:32,063 (虎之助)よかったのう。 476 00:40:34,532 --> 00:40:39,203 毛利攻めは まず 播磨の三木城から。 477 00:40:39,203 --> 00:40:45,877 <秀吉の出陣により 松永久秀親子は 信貴山城において 自害して果て➡ 478 00:40:45,877 --> 00:40:49,213 その波乱の一生を閉じた> 479 00:40:49,213 --> 00:40:56,087 秀吉 命に代えましても 必ずや 落として ご覧に入れます。 480 00:40:56,087 --> 00:41:02,760 <無事 責務を果たした秀吉には 息つく暇もなく大仕事が待っていた> 481 00:41:02,760 --> 00:41:05,697 すぐに 播磨にたつ。 兵を 京に待機させてある。 482 00:41:05,697 --> 00:41:09,834 やっと 本腰を入れて 中国攻めができる時が来た。 483 00:41:09,834 --> 00:41:13,504 越前へ駆り出されたりして とんだ回り道をしたがのう➡ 484 00:41:13,504 --> 00:41:16,841 これで 信長様も お心を決められたと見える。 485 00:41:16,841 --> 00:41:18,776 今度は 長うなるぞ。 486 00:41:18,776 --> 00:41:21,512 しばらくは帰ってこれん。 覚悟してくれ。 はい。 487 00:41:21,512 --> 00:41:25,383 兄者。ああ? どう工面してみても とても無理じゃ。 488 00:41:25,383 --> 00:41:28,386 秀吉殿が ご蟄居の間のご散財…。 489 00:41:28,386 --> 00:41:31,856 中国攻めの軍資金など あろう道理がござらぬわ。 490 00:41:31,856 --> 00:41:35,193 こういうこともあろうかと わしも おいさめ申したのじゃ。 491 00:41:35,193 --> 00:41:37,528 銭がないのは分かっておるわ。 492 00:41:37,528 --> 00:41:43,534 長浜12万石の蔵が空っぽになったゆえ 信長様のご勘気も解けたのよ。 493 00:41:45,403 --> 00:41:50,108 なくば 才覚すれば ええことじゃ。 のう。 フッフッフッフ。 494 00:41:50,108 --> 00:41:54,545 武器も調達せねばならん。 人も養わねばなりませぬ。 495 00:41:54,545 --> 00:41:57,882 その他もろもろ どれほどのものが要ると お思いになります。 496 00:41:57,882 --> 00:42:00,885 そのような莫大なものを どこで…。 497 00:42:07,492 --> 00:42:11,829 秀長 堺へたて。 はっ? 498 00:42:11,829 --> 00:42:14,499 千 宗易殿に会うのじゃ。 499 00:42:14,499 --> 00:42:19,203 わしからじゃと言えば なんとか都合してくれるやもしれぬ。 500 00:42:24,509 --> 00:42:26,844 おぬしの腕 一つぞ。 501 00:42:26,844 --> 00:42:29,547 ハッハッハッハッハッハ。 502 00:42:32,183 --> 00:42:36,053 <千 宗易とは どんな人なのだろうか…。➡ 503 00:42:36,053 --> 00:42:40,858 果たして それだけのものを 融通してくれるのだろうか…。➡ 504 00:42:40,858 --> 00:42:45,163 千 宗易 後の利休である> 505 00:42:46,731 --> 00:42:51,502 <12万石の秀吉は 5,000からの軍団を持っていたという。➡ 506 00:42:51,502 --> 00:42:55,206 が 今 それを動かす軍資金もなく➡ 507 00:42:55,206 --> 00:42:57,542 秀吉は 中国攻めに…> 508 00:42:57,542 --> 00:43:17,028 ♬~ 509 00:43:17,028 --> 00:43:19,163 お豪。 510 00:43:19,163 --> 00:43:48,159 ♬~