1 00:00:02,102 --> 00:02:36,390 ♬~ 2 00:02:39,826 --> 00:02:42,529 <織田信長の突然の死は➡ 3 00:02:42,529 --> 00:02:47,200 多くの人たちの運命を 変えることになった。➡ 4 00:02:47,200 --> 00:02:50,103 信長の跡継ぎと 遺領分配のために➡ 5 00:02:50,103 --> 00:02:53,874 織田家の宿老たちによって開かれた 清洲会議で➡ 6 00:02:53,874 --> 00:02:59,212 信長の妹 お市は 柴田勝家と再婚することになり➡ 7 00:02:59,212 --> 00:03:04,818 秀吉の領国であった北近江は 山城と引き換えに 勝家に譲られ➡ 8 00:03:04,818 --> 00:03:08,155 羽柴一族は 長浜城を明け渡して➡ 9 00:03:08,155 --> 00:03:12,159 急きょ 姫路城へ移ることになった> 10 00:03:35,849 --> 00:03:44,858 ♬~ 11 00:03:44,858 --> 00:03:46,793 (秀吉)おかか! 12 00:03:46,793 --> 00:03:51,732 (ねね)お前様 そのおひげ… いつ おたてになりました? 13 00:03:51,732 --> 00:03:54,868 ハッハッハッハ! (とも)ほんに まあ 偉そうに。 14 00:03:54,868 --> 00:03:57,204 (笑い声) (秀長)兄者。 15 00:03:57,204 --> 00:04:00,107 おかしい? (笑い声) 16 00:04:00,107 --> 00:04:22,362 ♬~ 17 00:04:22,362 --> 00:04:25,165 そなた 人が下手に出ておれば…! 18 00:04:25,165 --> 00:04:27,501 わしのすることが気に入らぬのなら 出てけばいい! 19 00:04:27,501 --> 00:04:30,837 それが お前様の本心か! よう分かりました。 20 00:04:30,837 --> 00:04:33,173 それまで言われて 誰が…! 21 00:04:33,173 --> 00:04:37,511 私がいない方が お前様も千種殿も 清々なさいましょう。 22 00:04:37,511 --> 00:04:39,446 おかか…。 23 00:04:39,446 --> 00:04:42,849 おっ母様。 ハハ…。 24 00:04:42,849 --> 00:04:47,521 わしは よいおかかをもろうたぞ! ハッハッハッハッハッハ! 25 00:04:47,521 --> 00:04:52,192 ♬~ 26 00:04:52,192 --> 00:04:55,529 (こほ)お方様。➡ 27 00:04:55,529 --> 00:04:58,431 皆様 お待ちかねにございます。 28 00:04:58,431 --> 00:05:01,735 お名残惜しゅうはございましょうが…。 29 00:05:04,337 --> 00:05:11,011 このお城には 8年もの間 お世話になりました。 30 00:05:11,011 --> 00:05:17,784 初めて城主のおかかになって 戸惑うことばかりじゃった…。 31 00:05:17,784 --> 00:05:20,687 いろいろなことがありました。 32 00:05:20,687 --> 00:05:25,825 その日その日を ただ夢中で過ごしてきました。 33 00:05:25,825 --> 00:05:29,162 まるで 夢のようじゃ…。 34 00:05:29,162 --> 00:05:35,035 まさか 長浜を去ることになりましょうとは…。 35 00:05:35,035 --> 00:05:41,741 このお城には 勝家様とお市様が おいでになるそうな。 36 00:05:41,741 --> 00:05:48,448 せめて お市様に このお城を いとおしんでいただけたら…。 37 00:05:50,183 --> 00:05:55,522 お市様は 不幸せな方じゃ。 38 00:05:55,522 --> 00:06:01,828 今度こそは お幸せになっていただきたい…。 39 00:06:03,797 --> 00:06:06,466 お方様。 40 00:06:06,466 --> 00:06:33,493 ♬~ 41 00:06:33,493 --> 00:06:39,366 <だが お市は 元浅井の所領であった 近江に暮らすことを拒んで➡ 42 00:06:39,366 --> 00:06:43,169 長浜城へは入らず 勝家と共に➡ 43 00:06:43,169 --> 00:06:49,042 越前 北ノ庄にある 勝家の居城へ移っていった> 44 00:06:49,042 --> 00:06:56,716 (利家)この度のご婚儀 まことに 祝着至極に存じます。 45 00:06:56,716 --> 00:07:01,454 (お市)利家殿も お変わりのうて…。 46 00:07:01,454 --> 00:07:08,795 お市様にも 信長様のこと… さぞ お力落としでございましょう。 47 00:07:08,795 --> 00:07:12,132 (お市)人の定めは分からぬもの…。 48 00:07:12,132 --> 00:07:16,803 これからは 兄上様のご冥福を祈りながら➡ 49 00:07:16,803 --> 00:07:23,143 勝家殿のおそばで 静かに余生を送れたらと願っております。 50 00:07:23,143 --> 00:07:30,483 利家殿は 勝家殿の右腕ともなって 共に この北陸を守られるお方。 51 00:07:30,483 --> 00:07:35,822 よろしゅう頼みます。 はっ! 52 00:07:35,822 --> 00:07:39,125 ⚟姫様方 参られました。 53 00:07:53,373 --> 00:07:59,512 (お市)能登の七尾ご城主 前田利家殿と そのご内室じゃ。➡ 54 00:07:59,512 --> 00:08:03,383 お茶々 お初 小督じゃ。 55 00:08:03,383 --> 00:08:06,319 前田利家にございます。 56 00:08:06,319 --> 00:08:08,321 (まつ) まつにございます。 57 00:08:08,321 --> 00:08:12,792 (勝家)まあの父上と母上じゃ。➡ 58 00:08:12,792 --> 00:08:19,132 まあは 利家殿より 勝家が娘にと頂戴した姫じゃ。 59 00:08:19,132 --> 00:08:25,472 (まつ)ふつつかな娘でございますが どうぞ よろしゅうお願い申し上げます。 60 00:08:25,472 --> 00:08:29,342 姫たちにも よいきょうだいができました。 61 00:08:29,342 --> 00:08:32,145 おまあと仲ようにのう。 62 00:08:32,145 --> 00:08:35,048 ありがとうございます。 63 00:08:35,048 --> 00:08:42,789 (勝家)わしも この年になって 思いもかけず 4人もの娘の父親になった。 64 00:08:42,789 --> 00:08:46,493 うかうかしてはおれぬわ。 ハッハッハッハ。 65 00:08:46,493 --> 00:08:49,396 お方様も よう このような所へ。 66 00:08:49,396 --> 00:08:51,831 北ノ庄は 雪深い所。 67 00:08:51,831 --> 00:08:56,169 間もなく 雪に閉ざされて 身動きもなりませぬ。 68 00:08:56,169 --> 00:08:58,505 お寂しゅうございましょうに…。 69 00:08:58,505 --> 00:09:02,375 私には 勝家殿がおられます。 70 00:09:02,375 --> 00:09:05,111 姫たちもおります。 71 00:09:05,111 --> 00:09:08,782 ほかには 何も望みませぬ。 72 00:09:08,782 --> 00:09:14,454 ただ ひっそりと その日を送れれば それだけで…。 73 00:09:14,454 --> 00:09:20,326 雪に埋もれて暮らすのも いっそ幸せかもしれませぬ。 74 00:09:20,326 --> 00:09:32,472 ♬~ 75 00:09:32,472 --> 00:09:39,813 (まつ)驚きました。 お市様は 信長様亡きあと 頼るお人ものうて➡ 76 00:09:39,813 --> 00:09:45,485 しかたなく 勝家殿にお輿入れなされたと ばかり思うておりましたのに➡ 77 00:09:45,485 --> 00:09:51,791 あのようなお顔を拝見して…。 分からぬものでございますなあ。 78 00:09:53,359 --> 00:09:59,499 勝家殿とて お市様を迎えられたら 立派な織田の一門。 79 00:09:59,499 --> 00:10:06,172 所詮は これからの織田家臣の勢力争いに 有利と見ての縁組みと思うておった。 80 00:10:06,172 --> 00:10:13,046 じゃが 勝家殿は 心底 お市様をいとおしまれておられる。 81 00:10:13,046 --> 00:10:16,816 あのように 武骨な勝家殿がのう。 82 00:10:16,816 --> 00:10:22,722 長浜は 安土 京に対して 軍略上にも 重要な所じゃ。 83 00:10:22,722 --> 00:10:28,862 誰しも 勝家殿は 長浜を居城になされるものと思うていた。 84 00:10:28,862 --> 00:10:32,532 じゃが お市様が➡ 85 00:10:32,532 --> 00:10:39,205 浅井の所領であった近江は 嫌じゃと申されたとか…。 86 00:10:39,205 --> 00:10:43,543 長政殿が果てられた小谷は 目と鼻じゃ。 87 00:10:43,543 --> 00:10:47,413 勝家殿は お市様のお心を察せられて➡ 88 00:10:47,413 --> 00:10:52,552 不利を承知で 北ノ庄へ引きこもられたのよ。 89 00:10:52,552 --> 00:10:58,258 勝家殿のお心が お市様に通じぬ道理はないわ。 90 00:10:59,893 --> 00:11:03,763 じゃが もし 雪のさなかに 事が起こらば➡ 91 00:11:03,763 --> 00:11:08,501 雪に阻まれて 兵を動かすこともかなわん。 いかがなされるご所存かと…。 92 00:11:08,501 --> 00:11:14,841 そのようなことが…。 勝家殿に 刃向かおうとなさるお人が? 93 00:11:14,841 --> 00:11:18,711 秀吉殿は 急に 山崎に 城を築いておるそうな…。 94 00:11:18,711 --> 00:11:21,714 秀吉殿が…? 95 00:11:21,714 --> 00:11:26,853 今 織田家中で 勢力を二分するは 勝家殿と秀吉殿じゃ。 96 00:11:26,853 --> 00:11:33,192 では 秀吉殿と勝家殿が 争われるようなことに…!? 97 00:11:33,192 --> 00:11:38,064 もし そのようなことになりましたら 勝家殿のところには おまあが➡ 98 00:11:38,064 --> 00:11:40,867 秀吉殿のところには お豪がおります。 99 00:11:40,867 --> 00:11:43,870 おまあや お豪は どうなりましょう! 100 00:11:52,212 --> 00:11:54,514 案じるな。 101 00:11:56,082 --> 00:12:02,488 勝家殿とて 秀吉殿とて 分別はおありじゃ。 102 00:12:02,488 --> 00:12:09,162 北に上杉 東に徳川 北条 西に毛利と➡ 103 00:12:09,162 --> 00:12:12,832 時あらば 天下を狙うておる者が ひしめいているというに➡ 104 00:12:12,832 --> 00:12:16,169 内輪もめでもあるまいが。 ハッハ…。 105 00:12:16,169 --> 00:12:21,507 お豪は 秀吉殿や ねね様にかわいがられて 幸せでございましょうが➡ 106 00:12:21,507 --> 00:12:25,378 まあは… まあは 不憫じゃ。 107 00:12:25,378 --> 00:12:30,516 お茶々様たちが来られては 肩身の狭い思いもいたしましょう。 108 00:12:30,516 --> 00:12:34,854 人質でなければ 連れて帰りとうございました。 109 00:12:34,854 --> 00:12:37,523 まつ…。 110 00:12:37,523 --> 00:12:40,860 どうか お豪が おまあが➡ 111 00:12:40,860 --> 00:12:43,863 不幸せになるようなことだけは…。 112 00:12:47,200 --> 00:12:52,538 <そのころ ねねたちは やっと 姫路城へ着いていた。➡ 113 00:12:52,538 --> 00:12:56,242 天正10年の秋になっていた> 114 00:12:58,411 --> 00:13:03,149 (長政)これはこれは 無事 ご着到 何よりにございます。 115 00:13:03,149 --> 00:13:06,486 長政殿。 お疲れになりましたろう。 116 00:13:06,486 --> 00:13:11,824 長政殿こそ 長い間のご留守居役 ご苦労さまでございました。 117 00:13:11,824 --> 00:13:16,496 なんとか着きましたが 難渋いたしました。 (なか)なんの。 118 00:13:16,496 --> 00:13:21,834 道中 初めて見るものばかりで 楽しましてもろうたわ。 119 00:13:21,834 --> 00:13:25,838 (しの)今日か明日かと お待ち申し上げておりました。 120 00:13:27,707 --> 00:13:33,179 しの様。 久しぶりじゃのう。 変わりはないか? 121 00:13:33,179 --> 00:13:38,051 おかげさまで 何不自由のう 過ごさせていただいております。 122 00:13:38,051 --> 00:13:42,522 これから 皆 姫路暮らし。 よろしゅう頼みます。 123 00:13:42,522 --> 00:13:46,526 とにかく 奥で休まれて…。 124 00:13:48,194 --> 00:13:50,897 さあ さあ。 125 00:14:12,151 --> 00:14:14,087 (長政)やや。 126 00:14:14,087 --> 00:14:16,022 (やや)長政殿…。 127 00:14:16,022 --> 00:14:20,493 やや! やっと会えた。 フフフッ! 128 00:14:20,493 --> 00:14:27,834 やや。 本能寺の変のあとは 大変じゃったそうな。 案じたぞ。 129 00:14:27,834 --> 00:14:31,504 もう 命からがら 大吉寺へ逃げて…。 130 00:14:31,504 --> 00:14:35,842 あの時は 本当に もう おしまいかと思うたわ。 131 00:14:35,842 --> 00:14:39,712 よかった。 それより お前様のことが心配で…。 132 00:14:39,712 --> 00:14:41,714 毛利に攻められるのではないかと。 133 00:14:41,714 --> 00:14:47,453 いや。 毛利は 高松城の和睦のあと 秀吉殿のお味方じゃ。 134 00:14:47,453 --> 00:14:52,391 では 久しぶり 戦ものう 一緒にいられるのじゃのう。 135 00:14:52,391 --> 00:14:57,130 やや。 父上や母上 それに 坊たちは? 136 00:14:57,130 --> 00:15:01,467 ああ もう 皆 無事に着かれた。 坊たちも 元気じゃ。 137 00:15:01,467 --> 00:15:04,137 お城へは寄らずに まっすぐ 家へ行かれたわ。 138 00:15:04,137 --> 00:15:08,007 秀吉殿のご身内と一緒では 気詰まりじゃと言うて…。 フフッ! 139 00:15:08,007 --> 00:15:13,479 そう思うてな わしも 慌てて うちを用意しておいたのよ。 140 00:15:13,479 --> 00:15:18,484 私は もう 一刻も早う お前様の顔が見とうて。 141 00:15:20,153 --> 00:15:22,088 やや…。 ウフフ。 142 00:15:22,088 --> 00:15:27,493 ⚟(足音) 143 00:15:27,493 --> 00:15:29,428 あっ!殿! おお! 144 00:15:29,428 --> 00:15:33,833 山崎におられたのではなかったのか? ああ 残念じゃのう。 145 00:15:33,833 --> 00:15:37,170 皆より早う着いてのう 皆を出迎えてやろうと思うたが➡ 146 00:15:37,170 --> 00:15:39,505 どうやら 間に合わなんだらしいのう。 ハッハッハッハ。 147 00:15:39,505 --> 00:15:44,377 やや殿。 今日は 長政と ゆっくり 別れを惜しまれたらよい。 148 00:15:44,377 --> 00:15:47,180 長政は 明日にも 京へたたれる。 ハハッ。 149 00:15:47,180 --> 00:15:54,854 長政。 今日は 早う下がってのう。 おう? 長政! ハッハッハッハ…。 150 00:15:54,854 --> 00:15:57,190 お前様…? 151 00:15:57,190 --> 00:16:03,796 うん。 今度 家次殿と共に 京都奉行を仰せつけられたのじゃ。 152 00:16:03,796 --> 00:16:06,132 京都奉行じゃと!? 153 00:16:06,132 --> 00:16:09,468 ああ。 154 00:16:09,468 --> 00:16:14,340 また 別れ別れか…。 155 00:16:14,340 --> 00:16:17,810 秀吉殿は 鬼じゃ! やっと姫路へ来て➡ 156 00:16:17,810 --> 00:16:21,147 今度こそ お前様と 親子そろうて暮らせると思うたのに。 157 00:16:21,147 --> 00:16:23,816 やや…。 嫌じゃ 嫌じゃ 嫌じゃ 嫌じゃ! 158 00:16:23,816 --> 00:16:26,719 もう嫌じゃ! このような生活は ほとほと嫌じゃ! 159 00:16:26,719 --> 00:16:30,723 やや! 出世などして 何になる! 160 00:16:34,827 --> 00:16:36,829 鬼! 161 00:16:40,500 --> 00:16:43,169 ハッハッハッハッハ! (あさひ)兄様! 162 00:16:43,169 --> 00:16:46,839 お前様! どうした? なんぞあったのか? 163 00:16:46,839 --> 00:16:49,175 今日辺り 姫路へ入ると 知らせがあったのでのう➡ 164 00:16:49,175 --> 00:16:53,045 飛んできたのよ。 どうじゃ? おっ母さ 姫路の城は。 165 00:16:53,045 --> 00:16:56,515 (とも)藤吉郎は 山崎の城普請で忙しいと聞いたゆえ➡ 166 00:16:56,515 --> 00:17:00,386 まさか会えるとは…。 ああ いろいろ忙しゅうてのう。 ハッハ。 167 00:17:00,386 --> 00:17:02,788 (あさひ)わしらのことを思い出すことも あるのか。 168 00:17:02,788 --> 00:17:06,125 アッハッハッハッハ! 忘れるわけがないではないか。 169 00:17:06,125 --> 00:17:13,799 わしが命を懸けて働いておるのものう 皆 わしが身内のためよ。 ハッハッハ。 170 00:17:13,799 --> 00:17:21,674 姫! ハッハッハ。 また一段と 美しゅうなったのう。 うん。 171 00:17:21,674 --> 00:17:25,811 姫。 姫の婿殿を決めたぞ。 172 00:17:25,811 --> 00:17:28,714 ハッハッハ。 宇喜多秀家殿じゃ。 173 00:17:28,714 --> 00:17:31,684 秀家殿は 宇喜多を継がれたお人じゃがのう➡ 174 00:17:31,684 --> 00:17:34,487 我らが養子として 頂いたお子じゃ。 175 00:17:34,487 --> 00:17:38,357 また 姫も 我らにとっては 大事な大事な娘じゃ。 176 00:17:38,357 --> 00:17:42,161 何よりの縁組みじゃ。 のう おかか。 ハッハッハッハッハ! 177 00:17:42,161 --> 00:17:44,096 いずれ 天下も定まろう。 178 00:17:44,096 --> 00:17:48,501 その折には 盛大な祝言じゃ。 ああ? アッハッハッハ! 179 00:17:48,501 --> 00:17:51,837 今宵はのう 皆 姫路へ 無事着いた祝いじゃ。 180 00:17:51,837 --> 00:17:57,510 大いに飲もうぞ! 飲もうぞ! なあ! 誰かあるか! 誰か! ああ!? 181 00:17:57,510 --> 00:18:31,143 ♬~ 182 00:18:31,143 --> 00:18:33,479 どうした? おかか。 183 00:18:33,479 --> 00:18:35,815 なんぞ 気にかかることでもあるのか? 184 00:18:35,815 --> 00:18:39,151 久しぶりに会うたというのに 今日は 一日中 浮かぬ顔をして。 185 00:18:39,151 --> 00:18:41,153 おかからしゅうないぞ。 186 00:18:42,822 --> 00:18:49,161 いつまで 姫路におられます? うん…。 187 00:18:49,161 --> 00:18:53,032 播磨にも 城主としてせねばならぬことが 山ほどあるわ。 188 00:18:53,032 --> 00:18:55,034 所領をあてごうたり➡ 189 00:18:55,034 --> 00:18:59,805 手柄のあった者たちには 加増もしてやらねばのう。 190 00:18:59,805 --> 00:19:03,109 また 山崎へ戻られるのでございますか? 191 00:19:03,109 --> 00:19:08,447 山崎だけではないわ。 京にも行かねばならん。 192 00:19:08,447 --> 00:19:12,118 私たちは どうなります? うん? 193 00:19:12,118 --> 00:19:18,991 ご家来衆は 戦がある時と同じように 山崎へ集めておいでだとか。 194 00:19:18,991 --> 00:19:23,129 まだ 戦をなさるおつもりですか? 195 00:19:23,129 --> 00:19:27,466 当たり前よ。 いつ どこで 何が起こるか 分からぬわ。 196 00:19:27,466 --> 00:19:32,138 でも 上様亡きあと 清洲でのお集まりで➡ 197 00:19:32,138 --> 00:19:35,474 織田信雄様は 伊勢 尾張を➡ 198 00:19:35,474 --> 00:19:37,410 信孝様は 美濃を➡ 199 00:19:37,410 --> 00:19:42,348 勝家殿は 越前八郡の旧領と 北近江三郡を➡ 200 00:19:42,348 --> 00:19:48,054 お前様は 播磨と山城と丹波をと それぞれの所領も決まり➡ 201 00:19:48,054 --> 00:19:50,389 三法師様をお世継ぎとして➡ 202 00:19:50,389 --> 00:19:54,160 ご重臣4人が 合議の上 ご政道を補佐すると➡ 203 00:19:54,160 --> 00:19:57,830 申し合わせたそうではございませぬか。 204 00:19:57,830 --> 00:20:00,733 いかにも そのとおりじゃ。 205 00:20:00,733 --> 00:20:05,171 ならば 兵を引いて それぞれの領国を治めることで➡ 206 00:20:05,171 --> 00:20:07,106 それでよろしゅうございましょう? 207 00:20:07,106 --> 00:20:09,842 領国だけを守って 天下が平和に治まるならば➡ 208 00:20:09,842 --> 00:20:13,512 誰も苦労はせぬわ。 でも 柴田勝家殿は➡ 209 00:20:13,512 --> 00:20:16,182 お市様 お茶々様ともども➡ 210 00:20:16,182 --> 00:20:21,053 北ノ庄へ引きこもられたと 伺っております。 211 00:20:21,053 --> 00:20:25,191 勝家殿のなされたことを お前様がなされぬということは➡ 212 00:20:25,191 --> 00:20:27,126 どういうわけでございますか? 213 00:20:27,126 --> 00:20:31,530 山崎に築城なされ そこを居城になさるというなら➡ 214 00:20:31,530 --> 00:20:38,838 私たちも そこに移り ご家来衆ともども 家族と暮らせる日を待ちましょう。 215 00:20:40,873 --> 00:20:47,213 でも ほかにお考えがあっての築城なら…。 おかか。 216 00:20:47,213 --> 00:20:51,884 お前様。 くれぐれも お前様から事を構えるようなことは➡ 217 00:20:51,884 --> 00:20:54,553 なさいませぬよう…。 ああ 黙れ! 218 00:20:54,553 --> 00:20:58,257 女子が さかしらに 口を出すことではないわ! 219 00:21:07,833 --> 00:21:13,706 おかかはのう のんびりと この姫路で待っておればええのよ。 220 00:21:13,706 --> 00:21:17,843 そのうち おかかが望むように 天下も治まり➡ 221 00:21:17,843 --> 00:21:21,514 家臣たちも 兵たちも 家族と一緒に 暮らせるような時が来る。 222 00:21:21,514 --> 00:21:27,520 わしの苦労も そのためのものよ。 今しばらくの辛抱じゃ。 223 00:21:31,190 --> 00:21:41,200 お前様は 何も分からぬ私に いろいろと話してくださいました。 224 00:21:41,200 --> 00:21:44,537 難しいことは分からないでも➡ 225 00:21:44,537 --> 00:21:49,408 お前様が何を考えておいでたか 悟ることができました。 226 00:21:49,408 --> 00:21:53,879 それゆえ 黙ってついてまいりました。 227 00:21:53,879 --> 00:21:57,750 でも 今のお前様には 私は…。 228 00:21:57,750 --> 00:22:00,452 わしを信じておればええ。 229 00:22:02,488 --> 00:22:08,360 おかか。 わしはのう おかかを天下一の幸せ者にしてみせるぞ。 230 00:22:08,360 --> 00:22:10,362 きっと してみせる。 231 00:22:10,362 --> 00:22:16,035 いいえ。 私は 今のままで幸せでございます。 232 00:22:16,035 --> 00:22:18,504 これ以上は…。 233 00:22:18,504 --> 00:22:24,176 ハッハッハ。 相変わらず 欲がないのう。 ハッハッハッハ。 234 00:22:24,176 --> 00:22:27,880 さあさ おかか 冷えるぞ。 うん? 235 00:22:33,852 --> 00:22:37,723 今のお前様は➡ 236 00:22:37,723 --> 00:22:42,728 遠い遠い所においでのような 気がいたします。 237 00:22:57,076 --> 00:22:59,078 (矢を放つ音) 238 00:23:03,015 --> 00:23:07,019 (矢を放つ音と拍手) 239 00:23:09,488 --> 00:23:14,159 アッハッハッハッハ。 2人とも 随分と上達したであろうが。 240 00:23:14,159 --> 00:23:16,495 侍のたしなみというても➡ 241 00:23:16,495 --> 00:23:19,832 戦で役に立つようなことに なってほしゅうないわ。 242 00:23:19,832 --> 00:23:22,501 戦で功を立てねば 出世はできぬわ。 243 00:23:22,501 --> 00:23:27,172 偉うならずともよい。 戦がないのが一番じゃ。 244 00:23:27,172 --> 00:23:29,842 ここのところ 戦のことを聞かぬが➡ 245 00:23:29,842 --> 00:23:32,745 このまま 収まってくれたら ええんじゃがのう。 246 00:23:32,745 --> 00:23:35,514 城下へ行っておられたそうな。 247 00:23:35,514 --> 00:23:38,417 町の様子を見てまいりました。 248 00:23:38,417 --> 00:23:41,387 播磨は 米どころと聞いておりますが➡ 249 00:23:41,387 --> 00:23:44,857 今年は 風雨もなく 豊作だそうでございます。 250 00:23:44,857 --> 00:23:49,194 戦がなければ 荒らされることもない。 結構なことじゃ。 251 00:23:49,194 --> 00:23:54,066 塩のとるところも 見てまいりました。 皆様も 一度 ご覧になっては? 252 00:23:54,066 --> 00:23:57,870 義姉様は ようなされるのう。 まめに 方々へ…。 253 00:23:57,870 --> 00:24:02,708 領民の暮らしを見るのも 残されたおかかのつとめでございます。 254 00:24:02,708 --> 00:24:09,148 藤吉郎は 一体 何をしておるのじゃ? ちっとも 姫路に戻ってこんと。 255 00:24:09,148 --> 00:24:11,817 いろいろと お忙しいのでございましょう。 256 00:24:11,817 --> 00:24:17,156 領地を放っておいて ほかに何をすることがあるというのじゃ。 257 00:24:17,156 --> 00:24:19,091 (矢を放つ音) 258 00:24:19,091 --> 00:24:21,794 (とも)おみつ殿ではないか。 259 00:24:24,496 --> 00:24:27,399 秀吉殿や 皆様 お変わりないか? 260 00:24:27,399 --> 00:24:32,371 (みつ)はい。 おとといの10月15日 紫野の大徳寺において➡ 261 00:24:32,371 --> 00:24:36,108 無事 信長様のご葬儀を 相つとめられましてございます。 262 00:24:36,108 --> 00:24:41,046 おお。 確か 上様の百か日は過ぎたと 思うておったが➡ 263 00:24:41,046 --> 00:24:44,516 葬式は まだじゃったのか。 (みつ)はい。 264 00:24:44,516 --> 00:24:49,221 まあ とにかく お上がりなさいませ。 はい。 265 00:24:51,857 --> 00:24:53,859 (矢を放つ音) 266 00:24:55,527 --> 00:25:00,366 それは 盛大なご葬儀で 1万余りの兵がお守りする中を➡ 267 00:25:00,366 --> 00:25:03,335 秀勝様が 信長様の棺を担がれ➡ 268 00:25:03,335 --> 00:25:07,139 筑前様は 太刀持ちをおつとめなされまして。 269 00:25:07,139 --> 00:25:10,476 信雄様と信孝様は? 270 00:25:10,476 --> 00:25:14,346 いえ。 お知らせなされた由にはございますが…。 271 00:25:14,346 --> 00:25:18,350 お市様は? (みつ)勝家殿ともども ご不参にございました。 272 00:25:18,350 --> 00:25:22,821 でも 公卿衆をはじめ おもだった武将の方々が➡ 273 00:25:22,821 --> 00:25:24,757 きら星のごとく参列なされ➡ 274 00:25:24,757 --> 00:25:29,495 また 町の者たちが 大勢 見物に集まりまして➡ 275 00:25:29,495 --> 00:25:33,832 筑前様のご権勢のほどがうかがわれる ご葬儀にございました。 276 00:25:33,832 --> 00:25:39,505 何を うろうろしとるのかと思うたら 上様のご葬儀の準備をしておったのか。 277 00:25:39,505 --> 00:25:43,375 いずれ 筑前様よりお知らせがあるとは 存じますが➡ 278 00:25:43,375 --> 00:25:48,180 この度 帝より 筑前様のご武功をよみせられまして➡ 279 00:25:48,180 --> 00:25:51,083 筑前様に お褒めの綸旨を賜り➡ 280 00:25:51,083 --> 00:25:53,852 なお 従五位下に叙し➡ 281 00:25:53,852 --> 00:25:57,723 左近衛権少将に 任ぜられましてございます。 282 00:25:57,723 --> 00:25:59,725 一体 それは何じゃ? 283 00:25:59,725 --> 00:26:02,661 朝廷より下された位にございます。 284 00:26:02,661 --> 00:26:06,131 へえ~。 ありがたいものなのか? 285 00:26:06,131 --> 00:26:09,468 はい。 筑前様は 帝のためにも➡ 286 00:26:09,468 --> 00:26:12,771 いろいろと お尽くしなされておられますゆえ。 287 00:26:14,339 --> 00:26:16,809 よう知らせてくれました。 288 00:26:16,809 --> 00:26:21,480 このところ 何の使者もなく 案じておりました。 289 00:26:21,480 --> 00:26:25,350 久しぶりの姫路じゃ。 ゆっくりなさいませ。 290 00:26:25,350 --> 00:26:28,654 はい。 それでは…。 291 00:26:31,156 --> 00:26:34,460 さ湯をお持ちいたしましょう。 292 00:26:37,830 --> 00:26:42,534 おみつ殿。 はい。 293 00:26:44,169 --> 00:26:49,174 そなた 今 どのようなお役目をなされておる? 294 00:26:51,510 --> 00:26:56,381 おみつ殿のお役目は 内密にせねばならぬこと。 295 00:26:56,381 --> 00:27:00,119 私とて 話してはくれますまい。 296 00:27:00,119 --> 00:27:06,124 じゃが 秀吉殿のなさり方 私には解せません。 297 00:27:08,460 --> 00:27:13,332 まして この度の上様のご葬儀の時➡ 298 00:27:13,332 --> 00:27:18,804 お市様や勝家様を差し置いての なさりようじゃ。 299 00:27:18,804 --> 00:27:24,142 まして 秀吉殿お一人 朝廷より叙任なされたとあっては➡ 300 00:27:24,142 --> 00:27:29,815 ほかの重臣たちが 面白くはありますまい。 301 00:27:29,815 --> 00:27:36,155 秀吉殿は それをご承知の上じゃ。 302 00:27:36,155 --> 00:27:42,494 ご自分が 上様の跡を継がれようと なさっているとしか思えませぬ。 303 00:27:42,494 --> 00:27:48,167 それでは ほかの重臣たちが 黙ってはおいでになりますまい。 304 00:27:48,167 --> 00:27:54,506 恐らく 秀吉殿は その時の来るのを覚悟の上で…。 305 00:27:54,506 --> 00:28:02,314 おみつ殿にも その時のために いろいろと 探らせているのではありますまいか。 306 00:28:02,314 --> 00:28:04,783 いいえ。 307 00:28:04,783 --> 00:28:07,452 おみつ殿! 308 00:28:07,452 --> 00:28:11,123 私とて 戦にならぬよう➡ 309 00:28:11,123 --> 00:28:16,128 筑前様を信じて おつとめを果たしているのでございます。 310 00:28:26,471 --> 00:28:28,774 ⚟(こほ)お方様。 311 00:28:30,342 --> 00:28:32,344 こほ様か? 312 00:28:34,146 --> 00:28:40,018 ただいま 越前 前田利家殿ご内室 おまつ様より 火急のご使者にて➡ 313 00:28:40,018 --> 00:28:43,722 お方様に お文を持参されました。 314 00:28:48,493 --> 00:28:51,396 まあ 明かりも まだ…。 315 00:28:51,396 --> 00:28:54,399 ご気分でも すぐれませぬか? 316 00:29:03,775 --> 00:29:08,447 ♬~ 317 00:29:08,447 --> 00:29:12,317 なんぞ お気がかりなことでも…? 318 00:29:12,317 --> 00:29:16,121 明日 山崎へたちます。 319 00:29:16,121 --> 00:29:19,791 進之介に供をするように 申しつけてくだされ。 320 00:29:19,791 --> 00:29:23,128 お方様。 おまつ様は…。 321 00:29:23,128 --> 00:29:26,832 旅の支度を頼みます。 (こほ)はい。 322 00:29:31,003 --> 00:29:35,474 (勝家)どうじゃ りりしい若武者であろう。➡ 323 00:29:35,474 --> 00:29:40,345 十蔵は ゆくゆくは 柴田の家には のうてはならぬ男と見込んで➡ 324 00:29:40,345 --> 00:29:43,148 まあの婿にと決めた。➡ 325 00:29:43,148 --> 00:29:47,019 ええ夫婦になってくれよう。 326 00:29:47,019 --> 00:29:51,823 おまあのためのお心遣い かたじけのう存じます。 327 00:29:51,823 --> 00:29:55,494 おまあは 利家殿の大事なお子じゃ。➡ 328 00:29:55,494 --> 00:29:59,364 縁組みが決まった内輪の祝いも兼ねてと 思うてのう。➡ 329 00:29:59,364 --> 00:30:03,368 さあ めでたい酒じゃ。 遠慮のう。 330 00:30:03,368 --> 00:30:08,073 (茶々)十蔵殿は ええ男。 羨ましいほどじゃ。➡ 331 00:30:08,073 --> 00:30:11,510 のう? おまあ。 332 00:30:11,510 --> 00:30:15,180 お茶々。 333 00:30:15,180 --> 00:30:19,851 利家殿は 明日 山崎へたたれますそうな。 334 00:30:19,851 --> 00:30:27,192 はっ。 勝家殿のお使者として 不破勝光 金森長近殿と共に…。 335 00:30:27,192 --> 00:30:32,064 利家殿は 秀吉殿とは 昔よりご昵懇の仲。 336 00:30:32,064 --> 00:30:37,836 勝家の胸中 よう 筑前殿に お取り次ぎくだされ。 337 00:30:37,836 --> 00:30:41,740 今 事を起こすは 天下を乱すもと…。 338 00:30:41,740 --> 00:30:45,544 くれぐれも 心されたいとな。 339 00:30:45,544 --> 00:30:47,546 はっ。 340 00:30:54,219 --> 00:31:05,497 ♬~ 341 00:31:05,497 --> 00:31:09,835 また 雪でございます。 342 00:31:09,835 --> 00:31:15,507 お市様を このような所へ お連れしてしもうて…。 343 00:31:15,507 --> 00:31:18,176 私が望んだことでございます。 344 00:31:18,176 --> 00:31:24,049 ただ 政情不穏の折 勝家殿が ご迷惑なされているのではないかと…。 345 00:31:24,049 --> 00:31:31,189 いや… わしとて 戦には もう飽き申した。 346 00:31:31,189 --> 00:31:36,528 信長様にお仕えして これまで 戦に明け暮れる毎日は➡ 347 00:31:36,528 --> 00:31:41,199 心休める暇とて ありませなんだ。 348 00:31:41,199 --> 00:31:49,875 はあ… 勝家 この年になって初めて 人をいとおしむことを知りました。 349 00:31:49,875 --> 00:31:52,544 お市様のおかげじゃ。 350 00:31:52,544 --> 00:31:54,479 勝家殿…。 351 00:31:54,479 --> 00:31:58,884 今は もう 何も欲しゅうものはありませぬ。 352 00:31:58,884 --> 00:32:03,722 晩年に得た この静かな幸せを守ることだけが➡ 353 00:32:03,722 --> 00:32:07,159 勝家の願いにございます。 354 00:32:07,159 --> 00:32:14,499 ただ 信孝様が 筑前を快う思うておられず➡ 355 00:32:14,499 --> 00:32:18,837 事ごとに 筑前と対立なされておりますのが➡ 356 00:32:18,837 --> 00:32:21,740 不本意にございます。 357 00:32:21,740 --> 00:32:27,179 信孝は 勝家殿をお味方にして…。 358 00:32:27,179 --> 00:32:29,848 事が大きゅうならねばよいが…。 359 00:32:29,848 --> 00:32:37,556 そのために 利家殿を使者に遣わしました。 戦だけは 避けねばなりませぬ。 360 00:32:39,191 --> 00:32:47,199 勝家 この北ノ庄の暮らしを 誰にも壊させはいたしませぬ。 361 00:33:00,478 --> 00:33:02,814 おかか! 何事じゃ!? 362 00:33:02,814 --> 00:33:07,486 突然 参上いたしまして…。 (秀長)よう来られました。 363 00:33:07,486 --> 00:33:10,388 このような所へ 女子が…。 364 00:33:10,388 --> 00:33:12,824 城は出来たというてものう ここは 砦のようなものじゃ。 365 00:33:12,824 --> 00:33:14,759 いつ 何が起こるか 分からん。 むちゃじゃ! 366 00:33:14,759 --> 00:33:18,496 おまつ様に お会いしとうて。 うん? 367 00:33:18,496 --> 00:33:21,399 利家殿がお越しになるそうな。 368 00:33:21,399 --> 00:33:26,171 おまつ様も ご一緒だそうでございます。 それゆえ お懐かしゅうて…。 369 00:33:26,171 --> 00:33:30,842 ほう… おまつ様が見えることは知らなんだが➡ 370 00:33:30,842 --> 00:33:34,179 しかしまあ そのような くだらんことで…。 371 00:33:34,179 --> 00:33:37,515 ハハッ 女子とは のんきなものよのう。 372 00:33:37,515 --> 00:33:41,853 義姉様 部屋の支度をさせてあります。 まず おくつろぎなされませ。 373 00:33:41,853 --> 00:33:45,524 では しばらく世話になります。 374 00:33:45,524 --> 00:33:49,828 秀長殿。 (秀長)はっ。折り入って お話が…。 375 00:34:04,476 --> 00:34:08,813 しの様から おあずかりした文です。 376 00:34:08,813 --> 00:34:15,487 しの様は 目がご不自由なのに 文をしたためられるとは知りませなんだ。 377 00:34:15,487 --> 00:34:20,158 読むことはかないませぬが 書くことは…。 378 00:34:20,158 --> 00:34:22,827 息災にしておりますでしょうか? 379 00:34:22,827 --> 00:34:26,164 いつも お一人で…。 380 00:34:26,164 --> 00:34:30,502 お寂しいはないかと 気にかけておりましたが➡ 381 00:34:30,502 --> 00:34:37,175 「私のそばには いつも 秀長殿がおられる」とおっしゃられて。 382 00:34:37,175 --> 00:34:45,517 いっそ 目が見えぬ方が 秀長殿のお心が 見えるのかもしれませぬな。 383 00:34:45,517 --> 00:34:53,224 私には 秀吉殿のお心が見えなくなりました。 384 00:34:56,528 --> 00:35:01,800 秀吉殿と勝家殿が ことごとく うまくいっていないということは➡ 385 00:35:01,800 --> 00:35:04,102 まことですか? 386 00:35:09,674 --> 00:35:15,347 義姉様…。 義姉様は 誰から そのようなことを? 387 00:35:15,347 --> 00:35:20,151 やはり まことですか…。 388 00:35:20,151 --> 00:35:23,488 このようなことになっていたとは…。 389 00:35:23,488 --> 00:35:27,826 おまつ様の文で それを知ることができました。 390 00:35:27,826 --> 00:35:32,163 実は わしも 兄者のなされようには…。 391 00:35:32,163 --> 00:35:36,034 しかし 上様の跡を継ごうとなされる 兄者の心を➡ 392 00:35:36,034 --> 00:35:39,037 引き止められる者は 誰もおりませぬ。 393 00:35:39,037 --> 00:35:41,840 秀長殿…。 394 00:35:41,840 --> 00:35:44,743 兄者は変わられた…。 395 00:35:44,743 --> 00:35:49,714 上様一筋に 忠勤を励んでおられたお人が➡ 396 00:35:49,714 --> 00:35:55,186 上様が亡くなり 目の前に 天下がぶら下がると➡ 397 00:35:55,186 --> 00:35:58,490 あのようになるとは…。 398 00:36:02,994 --> 00:36:05,463 よう分かりました! 399 00:36:05,463 --> 00:36:09,334 そのようなことはさせませぬ! 400 00:36:09,334 --> 00:36:12,337 私がさせませぬ! 401 00:36:12,337 --> 00:36:15,140 義姉様…。 402 00:36:15,140 --> 00:36:18,143 そのために ここへ来たのじゃ。 403 00:36:19,811 --> 00:36:24,149 ⚟(進之介)前田利家様 ご内室様 ただいま ご着到にございます。 404 00:36:24,149 --> 00:36:34,793 ♬~ 405 00:36:34,793 --> 00:36:38,496 利家殿! ねね殿! 406 00:36:38,496 --> 00:36:41,166 お久しゅうございます。 407 00:36:41,166 --> 00:36:43,835 こちらに おられたのか…? 408 00:36:43,835 --> 00:36:49,174 ねね様…。 おまつ様…。 409 00:36:49,174 --> 00:36:55,046 よう来てくださいました。 はい。 410 00:36:55,046 --> 00:37:02,454 ♬~ 411 00:37:02,454 --> 00:37:06,124 ハッハッハッハ。 懐かしいのう。 412 00:37:06,124 --> 00:37:09,994 今宵は お役目を離れて 昔語りなどしながら➡ 413 00:37:09,994 --> 00:37:13,998 思う存分 飲み明かしましょうぞ。 ハッハッハッハ! 414 00:37:13,998 --> 00:37:18,136 利家殿には 足を向けては 寝られませぬわ。 ハッハッハ。 415 00:37:18,136 --> 00:37:21,806 おかかと一緒になれたのも 利家殿のおかげじゃ。 416 00:37:21,806 --> 00:37:24,709 のう おかか。 はい。秀吉殿。 417 00:37:24,709 --> 00:37:29,681 この度 勝家殿が わしを和議の使者に立てられたのも➡ 418 00:37:29,681 --> 00:37:33,818 おぬしとの昔のよしみを 見込まれてのことじゃ。 419 00:37:33,818 --> 00:37:37,689 利家殿 今宵は そのようなお話は…。 420 00:37:37,689 --> 00:37:43,828 分かっておる。 公の場にて話し合わねばならぬこと。 421 00:37:43,828 --> 00:37:50,702 じゃがのう 昔の秀吉殿とわしに返って 聞いてもらいたいのじゃ。 422 00:37:50,702 --> 00:37:57,175 信孝様の数々のなされよう 秀吉殿には腹に据えかねることもあろう。 423 00:37:57,175 --> 00:38:01,446 じゃがのう 勝家殿には 何ら関わり合いのないこと。 424 00:38:01,446 --> 00:38:03,782 むしろ 迷惑に思うておられる。 425 00:38:03,782 --> 00:38:09,120 今 織田家中が相争うて 何になる。 共食いではないか。 426 00:38:09,120 --> 00:38:13,992 その隙に 上杉 北条 徳川 毛利に乗ぜられたら 何とする! 427 00:38:13,992 --> 00:38:16,794 まことの敵は ほかにあるのじゃ。 428 00:38:16,794 --> 00:38:19,130 今は 織田家中が結束して…。 429 00:38:19,130 --> 00:38:23,802 利家殿。 女子の前でする話ではござりませぬのう。 430 00:38:23,802 --> 00:38:27,672 いいえ。 私が山崎に参りましたのは➡ 431 00:38:27,672 --> 00:38:32,143 その儀について 秀吉殿に お願いしとうございましたゆえ。 432 00:38:32,143 --> 00:38:34,078 ほう…。 433 00:38:34,078 --> 00:38:40,018 もし 秀吉殿と勝家殿が 争うようなことになりましたら➡ 434 00:38:40,018 --> 00:38:44,489 私は生きてはおりませぬ。 おまつ様…。 435 00:38:44,489 --> 00:38:48,827 秀吉殿には お豪をもろうていただいております。 436 00:38:48,827 --> 00:38:54,499 勝家様には 人質として おまあを 養女にもろうていただいております。 437 00:38:54,499 --> 00:38:56,834 どちらが勝たれましても➡ 438 00:38:56,834 --> 00:39:01,139 敗れた方の娘の命はないものと 思わねばなりませぬ。 439 00:39:03,441 --> 00:39:08,112 お豪も おまあも 私が腹を痛めました子。 440 00:39:08,112 --> 00:39:11,783 どちらに 何がございましても…。 441 00:39:11,783 --> 00:39:17,789 どうか この戦だけは…。 母親の気持ち…。 442 00:39:20,792 --> 00:39:28,666 お前様。 私も おまつ様ともども お前様に お願いいたしとうて➡ 443 00:39:28,666 --> 00:39:31,369 ここまで参りました。 444 00:39:39,477 --> 00:39:43,147 ハッハッハッハッハッハ! 445 00:39:43,147 --> 00:39:47,018 利家殿も おまつ様も 取り越し苦労なされて…。 446 00:39:47,018 --> 00:39:51,489 秀吉とて それぐらいのことは 重々承知しております。 447 00:39:51,489 --> 00:39:57,829 勝家殿には 何の他意もござりませぬ。 ご安堵召されい。 448 00:39:57,829 --> 00:40:03,167 いや… おまつ様には 恐れ入りました。 449 00:40:03,167 --> 00:40:07,038 母親の一念とは 岩をも動かすものでござりまするなあ。 450 00:40:07,038 --> 00:40:10,508 秀吉 感服つかまつった。 451 00:40:10,508 --> 00:40:15,179 秀吉 肝に銘じて 勝家殿とは…。 452 00:40:15,179 --> 00:40:17,115 秀吉殿…。 453 00:40:17,115 --> 00:40:19,851 さあさあ さあさあ ハッハッハッハ。 454 00:40:19,851 --> 00:40:22,520 せっかくの酒が まずうなりまする。 455 00:40:22,520 --> 00:40:26,190 今宵は 天下のことは忘れて。 ささっ。 ハッハッハッハ。 456 00:40:26,190 --> 00:40:28,893 ハッハッハッハッハ。 457 00:40:54,552 --> 00:41:00,258 そのような所で うたた寝なされていては お風邪を召します。 458 00:41:01,826 --> 00:41:04,729 お酔いになられたのでございますか? 459 00:41:04,729 --> 00:41:07,031 ああ…。 460 00:41:10,835 --> 00:41:13,538 さあ。 ああ…。 461 00:41:18,176 --> 00:41:20,845 あ~。 462 00:41:20,845 --> 00:41:27,719 秀長殿は お前様が変わられたと 言うておられました。 463 00:41:27,719 --> 00:41:32,190 でも 私は そうは思いとうはございませぬ。 464 00:41:32,190 --> 00:41:34,492 おお…。 465 00:41:38,529 --> 00:41:47,205 私が お前様のおかかになった時 お前様は 足軽組頭でおいででした。 466 00:41:47,205 --> 00:41:51,876 それが 上様のお引き立てで 足軽大将になり➡ 467 00:41:51,876 --> 00:41:55,546 侍大将まで 出世なされました。 468 00:41:55,546 --> 00:42:01,819 今は 勝家殿と並ぶ 大大名になられました。 469 00:42:01,819 --> 00:42:09,160 勝家殿と共に 三法師様をお助けなされ 織田の家をお守りするのが➡ 470 00:42:09,160 --> 00:42:13,030 上様に対する ご恩返しではございませぬか。 471 00:42:13,030 --> 00:42:17,035 夢にも 上様に取って代わろうなどと➡ 472 00:42:17,035 --> 00:42:21,172 大それたことは…。 473 00:42:21,172 --> 00:42:28,846 私は 昔のままのお前様でいてほしいのです。 474 00:42:28,846 --> 00:42:32,183 くれぐれも 無益な戦だけは…。 475 00:42:32,183 --> 00:42:37,188 もうええ。 よう分かった。 476 00:42:40,525 --> 00:42:45,196 おかか2人に攻められては この秀吉も 形なしじゃのう。 477 00:42:45,196 --> 00:42:47,131 ハッハッハッハッハ。 478 00:42:47,131 --> 00:42:51,068 女子とは 強いのう。 ハッハッハッハ…。 479 00:42:51,068 --> 00:42:58,543 お前様…。 山崎まで来た かいがございました。 480 00:42:58,543 --> 00:43:04,348 おかか よう来てくれた。 481 00:43:04,348 --> 00:43:07,819 よう来てくれた…。 482 00:43:07,819 --> 00:43:12,123 はあ~ おかか。 ハッハッハ…。 483 00:43:15,493 --> 00:43:18,830 <天正10年11月2日➡ 484 00:43:18,830 --> 00:43:25,169 利家たちを使者に立てた勝家と 秀吉との和睦交渉は 無事成立。➡ 485 00:43:25,169 --> 00:43:32,844 ねねと おまつは 胸をなで下ろして 北と西に別れ 能登と姫路に帰った。➡ 486 00:43:32,844 --> 00:43:37,181 が 天下の趨勢は ねねとおまつの願いを裏切り➡ 487 00:43:37,181 --> 00:43:41,886 大きな悲劇へと流れ始めていたのである>