1 00:00:02,102 --> 00:02:36,790 ♬~ 2 00:02:38,859 --> 00:02:40,861 (秀吉)うむ。 3 00:02:42,729 --> 00:02:44,731 早うせえ! はっ! 4 00:02:47,200 --> 00:02:49,536 <天正13年4月。➡ 5 00:02:49,536 --> 00:02:52,439 和泉 紀伊の2か国を平定した秀吉は➡ 6 00:02:52,439 --> 00:02:55,142 大坂城へ凱旋した> 7 00:03:00,147 --> 00:03:02,816 (ねね)ああ… 首尾よう お戻りなされまして➡ 8 00:03:02,816 --> 00:03:05,819 何よりでございます。 さあ…。 9 00:03:10,490 --> 00:03:12,426 さあ…。 10 00:03:12,426 --> 00:03:14,361 ええい 触れるな! 11 00:03:14,361 --> 00:03:19,066 まあ… なんぞ 私に お気に召さぬことでも? 12 00:03:20,834 --> 00:03:23,737 まあ…。 13 00:03:23,737 --> 00:03:27,040 湯殿の支度ができております。 14 00:03:38,185 --> 00:03:42,055 (長政) 全く 私めの不徳の致すところで…。 15 00:03:42,055 --> 00:03:46,526 そのために こたびの雑賀 根来攻めには出陣せず➡ 16 00:03:46,526 --> 00:03:49,429 大坂にて 城代を承っておりましたものを…。 17 00:03:49,429 --> 00:03:52,866 (秀長)いや… 長政殿の落ち度ではないわ。 18 00:03:52,866 --> 00:03:55,769 兄者が どうかしておられるのよ。 19 00:03:55,769 --> 00:03:59,206 いや 今になって 足利義昭殿に 頭を下げても➡ 20 00:03:59,206 --> 00:04:02,109 うんと言う道理がないではないか。 21 00:04:02,109 --> 00:04:07,013 秀吉殿が 何故 義昭様に? 22 00:04:07,013 --> 00:04:10,817 いや… それが たわけた話じゃ。 23 00:04:10,817 --> 00:04:17,157 兄者も それをご承知ゆえ 義姉様には 何も話さなかったと見えますのう。 24 00:04:17,157 --> 00:04:25,031 あ… 実は 秀吉殿が 義昭殿の猶子になりたいと…。 25 00:04:25,031 --> 00:04:30,170 秀吉殿が 義昭殿のお子になりたいと 申すのか? 26 00:04:30,170 --> 00:04:33,507 いや… 義姉様のご不審は もっともじゃ。 27 00:04:33,507 --> 00:04:35,442 わしらとて反対しましたが➡ 28 00:04:35,442 --> 00:04:38,178 どうでも 征夷大将軍にならねばならぬと 言われて…。 29 00:04:38,178 --> 00:04:40,514 それと義昭様と どういう…? 30 00:04:40,514 --> 00:04:43,416 将軍職というのは 武門の頭領。 31 00:04:43,416 --> 00:04:50,190 源 頼朝の頃より 源氏の流れをくむ武士が なるものと決められておりました。 32 00:04:50,190 --> 00:04:53,860 ところが 兄者には 姓などござりませぬ。 33 00:04:53,860 --> 00:04:57,531 そこで 元将軍 足利義昭殿の猶子となれば➡ 34 00:04:57,531 --> 00:05:01,801 当然 義昭殿は源氏姓 兄者も 源氏姓を継承なされて➡ 35 00:05:01,801 --> 00:05:04,471 源 秀吉となられるわけじゃ。 36 00:05:04,471 --> 00:05:07,140 ハッハッハッハッハッハ…。 37 00:05:07,140 --> 00:05:13,013 それで 義昭殿は お断りなされたのか。 ホッホッホッホ…。 38 00:05:13,013 --> 00:05:15,815 笑い事ではございませぬ。 39 00:05:15,815 --> 00:05:22,489 はあ… それほどまでにして 将軍職にお就きになりたいとは➡ 40 00:05:22,489 --> 00:05:25,158 あきれ果てたお方じゃ。 41 00:05:25,158 --> 00:05:30,864 わしも 義姉様と同じことを言うたが 兄者には通じませぬわ。 42 00:05:32,499 --> 00:05:34,801 (ため息) 43 00:05:50,050 --> 00:05:52,352 ⚟お前様。 44 00:06:10,337 --> 00:06:18,011 お前様は ちっとも お変わりにはなりませぬなあ。 45 00:06:18,011 --> 00:06:24,484 金ヶ崎の退き口の時にも 侍は嫌じゃと おっしゃって➡ 46 00:06:24,484 --> 00:06:31,157 そうやって 何日も 布団をかぶって 寝ておいでじゃった。 47 00:06:31,157 --> 00:06:37,497 征夷大将軍にならずとあらば 侍をおやめになりますか? 48 00:06:37,497 --> 00:06:41,368 フフフ…。 49 00:06:41,368 --> 00:06:47,841 将軍などならずとも 秀吉殿は秀吉殿じゃ。 50 00:06:47,841 --> 00:06:50,744 お力に変わりはありませぬ。 51 00:06:50,744 --> 00:06:53,713 将軍などという飾りがのうても➡ 52 00:06:53,713 --> 00:06:59,719 お前様は 立派に 侍としてのお役目を果たしておいでじゃ。 53 00:07:01,788 --> 00:07:06,126 おかかに 何が分かる。 54 00:07:06,126 --> 00:07:15,468 官位なら 先頃 正二位 内大臣を 賜ったではございませぬか。 55 00:07:15,468 --> 00:07:21,141 内大臣といえば 信長様と同じ大臣…。 56 00:07:21,141 --> 00:07:28,148 朝廷の政にも携われる身分になったのでは ございませぬか? 57 00:07:34,154 --> 00:07:38,024 なんぼ 力があってものう➡ 58 00:07:38,024 --> 00:07:42,829 将軍という名があるとないとでは 大違いじゃ。 59 00:07:42,829 --> 00:07:48,501 わしは 今は ただの一大名にすぎぬ。 60 00:07:48,501 --> 00:07:53,840 たとえ 家康より力があろうと 家康とは対等じゃ。 61 00:07:53,840 --> 00:07:56,509 他の大名とて 同じこと。 62 00:07:56,509 --> 00:08:03,116 じゃがのう 征夷大将軍ともなれば 帝の名代…。 63 00:08:03,116 --> 00:08:05,452 誰にも 何も言わせぬわ。 64 00:08:05,452 --> 00:08:08,755 将軍とは そうしたものじゃ。 65 00:08:17,063 --> 00:08:24,471 わしは 足軽の小せがれ。 66 00:08:24,471 --> 00:08:33,146 たとえ どのように立身出世しようと 所詮 一介の草履取り。 67 00:08:33,146 --> 00:08:37,484 一生 それが ついて回るわ。 68 00:08:37,484 --> 00:08:40,186 お前様…。 69 00:08:42,155 --> 00:08:48,028 わしものう せいぜい ここまでの男だったのよ。 70 00:08:48,028 --> 00:08:54,034 ハッハッハ…。 情けない話よのう。 ハッハ…。 71 00:08:56,703 --> 00:09:01,107 私は 足軽の娘…。 72 00:09:01,107 --> 00:09:05,979 お前様のために ここまでなりました。 73 00:09:05,979 --> 00:09:10,116 分に過ぎたと思っております。 74 00:09:10,116 --> 00:09:14,821 女子に 男の口惜しさなど 分かろうはずはないわ。 75 00:09:20,126 --> 00:09:22,829 ⚟(こほ)こほにございます。 76 00:09:25,999 --> 00:09:29,135 (こほ)ただいま 右大臣 菊亭晴季様➡ 77 00:09:29,135 --> 00:09:32,806 殿にお目通りなさりたき由にて お見えなされてございますが…。 78 00:09:32,806 --> 00:09:34,741 困りましたなあ。 79 00:09:34,741 --> 00:09:38,678 何 晴季殿が わざわざ 京より見えられたのか? 80 00:09:38,678 --> 00:09:41,815 すぐ行く! おかか 着替えじゃ! 着替えじゃ! 81 00:09:41,815 --> 00:09:43,817 着替え…。 おう! 82 00:09:48,488 --> 00:09:52,826 いや~ こたびの征夷大将軍のこと➡ 83 00:09:52,826 --> 00:09:56,696 まことに 残念至極にござりましたな。 84 00:09:56,696 --> 00:10:01,501 晴季殿には いろいろ お骨折りをいただいたにもかかわらず…。 85 00:10:01,501 --> 00:10:05,371 さすがの麻呂も こればかりはのう。 86 00:10:05,371 --> 00:10:09,843 なんとか ほかにええ知恵は…? それよ。 87 00:10:09,843 --> 00:10:11,778 では…。 88 00:10:11,778 --> 00:10:14,514 関白職では いかがかな? 89 00:10:14,514 --> 00:10:16,449 ご存じであろうが➡ 90 00:10:16,449 --> 00:10:21,855 先頃 藤原氏五摂家の筆頭 近衛前久殿が 関白太政大臣を辞せられ➡ 91 00:10:21,855 --> 00:10:25,725 これに代わって 同じく五摂家の一つ 二条昭美殿と➡ 92 00:10:25,725 --> 00:10:30,530 前久殿のご子息 近衛信輔殿が 関白の座を狙うて お互いに譲らず➡ 93 00:10:30,530 --> 00:10:33,433 目下 争っております。 そこでじゃ…。 94 00:10:33,433 --> 00:10:39,205 もし 筑前殿がご所望ならば 空いておる関白職を筑前殿にと➡ 95 00:10:39,205 --> 00:10:44,077 麻呂から 朝廷へ働きかけるは いかがかと思うてのう。 96 00:10:44,077 --> 00:10:49,215 確かに 関白職は 藤原氏五摂家の者にしか 許されておりませぬ。 97 00:10:49,215 --> 00:10:53,887 が それは 藤原氏五摂家の いずれかの猶子になられれば済むこと…。 98 00:10:53,887 --> 00:10:56,556 いや それが なかなかのことじゃ。 99 00:10:56,556 --> 00:11:00,260 将軍職とて それが かなわなんだゆえ…。 100 00:11:01,828 --> 00:11:08,501 それは この麻呂に お任せくださればええ。 101 00:11:08,501 --> 00:11:12,839 先の関白 近衛前久殿とは 昵懇の間柄ゆえ➡ 102 00:11:12,839 --> 00:11:16,509 麻呂からお願いすれば なんとか…。 103 00:11:16,509 --> 00:11:18,845 まことでござるな? 104 00:11:18,845 --> 00:11:24,150 ただ いささか 物入りかもしれませぬがのう。 105 00:11:30,857 --> 00:11:36,729 筑前殿 世の中は 持ちつ持たれつじゃ。 106 00:11:36,729 --> 00:11:39,532 ハハハハハハハッ…。 107 00:11:39,532 --> 00:11:43,236 フッハッハッハッハ…。 ハハハハハハハッ…。 108 00:11:52,879 --> 00:11:55,782 皆 そろうたか。 109 00:11:55,782 --> 00:12:00,153 (小六)殿には ご不快の由 お案じ申しておりましたぞ。 110 00:12:00,153 --> 00:12:03,456 いや もうええ。 いつにのう 晴れやかじゃ。 111 00:12:06,492 --> 00:12:10,163 さて 紀州も 落ち着き➡ 112 00:12:10,163 --> 00:12:13,833 和泉 貝塚にある本願寺には 摂津 中島の地を与え➡ 113 00:12:13,833 --> 00:12:16,736 本願寺も 新しゅう建立することに相なった。 114 00:12:16,736 --> 00:12:20,707 (小六)本願寺の一揆には 信長様の頃より さんざ痛い目に遭うたわ。 115 00:12:20,707 --> 00:12:24,844 なにも わざわざ 大坂城の膝元に 移すことは ないではないか! 116 00:12:24,844 --> 00:12:29,515 小六殿。 今はもう 武力で押さえる時ではないわ。 117 00:12:29,515 --> 00:12:32,418 一旦 恭順の意を示した者には 手厚う遇してやらねば。 118 00:12:32,418 --> 00:12:35,855 ハッハッハッハッハッハ! 119 00:12:35,855 --> 00:12:41,728 我ら 武辺の者は これから だんだんと 用のない時が来るんじゃのう。 120 00:12:41,728 --> 00:12:44,864 いや~ まだまだ これからよ。 121 00:12:44,864 --> 00:12:48,568 四国 九州 東国が控えておるわ。 122 00:12:50,536 --> 00:12:55,408 かねて 皆にも申しつけたとおり 次は いよいよ 四国攻めじゃ。 123 00:12:55,408 --> 00:12:58,711 出陣は 6月3日。 124 00:13:00,346 --> 00:13:02,815 秀長 秀次は 阿波に。 125 00:13:02,815 --> 00:13:06,686 宇喜多秀家 小六殿 ならびに 黒田官兵衛殿は 讃岐 屋島に。 126 00:13:06,686 --> 00:13:10,490 小早川隆景 吉川元春殿は 伊予に。 127 00:13:10,490 --> 00:13:14,494 三方から一挙に 長宗我部元親を攻める。 128 00:13:18,364 --> 00:13:22,502 なお 総大将は わしじゃ! 129 00:13:22,502 --> 00:13:26,839 <が 出陣の当日 6月3日…> 130 00:13:26,839 --> 00:13:35,181 (秀吉のせきこみ) 131 00:13:35,181 --> 00:13:40,053 ああ…。 もう 出陣は 10日も遅れておる。 132 00:13:40,053 --> 00:13:42,055 何としても行かねば…。 133 00:13:42,055 --> 00:13:45,825 熱が下がらずば 無理でございます。 (なか)そうじゃ。 134 00:13:45,825 --> 00:13:49,729 (とも)大事な体じゃ。 もしものことでもあったら…。 135 00:13:49,729 --> 00:13:54,200 (あさひ)征夷大将軍になれぬゆえ 落胆して病になったのかと思ったら➡ 136 00:13:54,200 --> 00:13:56,536 まことの病とはのう。 137 00:13:56,536 --> 00:14:01,140 ただの風邪でございます。 すぐ ようなられます。 138 00:14:01,140 --> 00:14:05,812 ⚟(こほ)京極様が お見舞いに渡らせられてございます。 139 00:14:05,812 --> 00:14:09,682 (なか) 京極殿というのは 龍子という女子か? 140 00:14:09,682 --> 00:14:13,686 会いとうない。 (せきこみ) 141 00:14:13,686 --> 00:14:17,824 皆様 案じなされて お見舞いに来てくだすっております。 142 00:14:17,824 --> 00:14:19,759 一度くらいは…。 143 00:14:19,759 --> 00:14:24,497 わしは おかかが そばにおってくれたら そ… それでええ。 144 00:14:24,497 --> 00:14:28,367 ハッハッハッハ。 何だかんだと言うても➡ 145 00:14:28,367 --> 00:14:31,838 やっぱり ねねさが 一番ええと見ゆるのう。 146 00:14:31,838 --> 00:14:33,773 まことじゃ。 うん。 147 00:14:33,773 --> 00:14:39,178 (せきこみ) あ… お水を差し上げましょう。 148 00:14:39,178 --> 00:14:41,114 水… 水をくれ。 149 00:14:41,114 --> 00:14:45,418 (せきこみ) 150 00:15:01,434 --> 00:15:07,140 (龍子)これは お茶々殿…。 ご機嫌よういらせられますか? 151 00:15:07,140 --> 00:15:09,475 殿のお見舞いなら 構いませぬ。 152 00:15:09,475 --> 00:15:13,179 どなたにも お会いなさりとうないそうじゃ。 153 00:15:32,498 --> 00:15:37,837 (茶々)何じゃ 人が せっかく見舞うておるのに。 154 00:15:37,837 --> 00:15:42,542 (初)筑前殿は お方様しか おそばに置かれぬそうじゃ。 155 00:15:44,510 --> 00:15:47,847 何が お方様じゃ。 156 00:15:47,847 --> 00:15:54,187 今でこそ 筑前の女房で 権勢をほしいままにしておるか知らぬが➡ 157 00:15:54,187 --> 00:15:58,524 元は 足軽の娘ではないか。 158 00:15:58,524 --> 00:16:01,427 筑前も筑前じゃ。 159 00:16:01,427 --> 00:16:04,330 (雨の音) 160 00:16:04,330 --> 00:16:08,334 (雷鳴) 161 00:16:08,334 --> 00:16:12,471 (秀長)義姉様も ようなされますのう。 162 00:16:12,471 --> 00:16:17,810 病むと 子どものように 聞き分けがのうなって。 163 00:16:17,810 --> 00:16:25,151 おかかはのう わしが 何を言わいでも わしの心が分かるのよ。 164 00:16:25,151 --> 00:16:30,490 ほ… ほかの者は 煩わしいだけじゃ。 165 00:16:30,490 --> 00:16:36,162 病んでみるとのう おかかのありがたみが よう分かる。 166 00:16:36,162 --> 00:16:39,832 ならば 時々 病んでみるのも よろしゅうございますな。 167 00:16:39,832 --> 00:16:44,504 もう 御免じゃ。 気ばかり焦ってのう…。 168 00:16:44,504 --> 00:16:48,841 それでは 治せるものも よくはなりませぬわ。 169 00:16:48,841 --> 00:16:51,177 兄者…。 うん…。 170 00:16:51,177 --> 00:16:56,849 こたびの四国攻めの総大将は わしがつとめましょう。 171 00:16:56,849 --> 00:17:01,454 わしとて 兄者の代わりくらいは もう…。 172 00:17:01,454 --> 00:17:05,324 まあ… そうしてくだされ。 173 00:17:05,324 --> 00:17:11,797 これまでも 秀長殿は 秀吉殿を助けてくだされました。 174 00:17:11,797 --> 00:17:13,733 (秀長)朝廷におかせられても➡ 175 00:17:13,733 --> 00:17:17,470 諸所の神社仏閣に 兄者の平癒を祈願せられ➡ 176 00:17:17,470 --> 00:17:21,140 四国出馬を取りやめるよう 綸旨も下されております。 177 00:17:21,140 --> 00:17:24,810 秀長…。 178 00:17:24,810 --> 00:17:28,147 よう言うてくれた。 179 00:17:28,147 --> 00:17:33,486 わしも もう 年かのう。 病には勝てぬ。 180 00:17:33,486 --> 00:17:38,190 安堵なされて ごゆるりと養生なされませ。 181 00:17:39,825 --> 00:17:49,502 おかかと秀長はのう わしには のうてはならぬ宝よ。 ああ…。 182 00:17:49,502 --> 00:17:53,506 急に気弱になられて…。 183 00:17:57,176 --> 00:18:00,079 (せきこみ) 184 00:18:00,079 --> 00:18:04,450 (雨の音) 185 00:18:04,450 --> 00:18:10,156 (雷鳴) 186 00:18:16,796 --> 00:18:24,670 今まで 病らしい病を なされたことのないお方じゃ。 187 00:18:24,670 --> 00:18:30,343 さすがに 将軍職の不首尾が こたえたのであろう…。 188 00:18:30,343 --> 00:18:37,483 いや 信長様にお仕えなされて三十有余年➡ 189 00:18:37,483 --> 00:18:41,153 戦のない時はありませなんだ。 190 00:18:41,153 --> 00:18:46,492 しゃにむに走り続けてこられて やっと 大坂城も出来➡ 191 00:18:46,492 --> 00:18:51,364 一番手ごわい家康殿との和睦も 相なりました。 192 00:18:51,364 --> 00:18:57,837 兄者も ほっとなされたのじゃろう。 お疲れも出る頃じゃ。 193 00:18:57,837 --> 00:19:04,143 ほんに 気の休まる暇とてなかったわ…。 194 00:19:46,819 --> 00:19:58,431 私とて こうして ゆっくり 秀吉殿のお世話をしたのも 初めてじゃ。 195 00:19:58,431 --> 00:20:04,837 久しぶりに おかからしゅうさせていただきました。 196 00:20:04,837 --> 00:20:09,542 兄者も 義姉様に甘えておられるのよ。 197 00:20:11,177 --> 00:20:17,183 義姉様。 兄者のこと よろしゅう頼みます。 198 00:20:19,852 --> 00:20:27,726 ようなられたら また お忙しくなるお方じゃ。 199 00:20:27,726 --> 00:20:35,201 近頃では 私のお役目もできなくなりました。 200 00:20:35,201 --> 00:20:38,504 病んでる間だけじゃ。 201 00:20:41,073 --> 00:20:49,081 せいぜい 昔に帰って おかからしゅうさせてもらいましょう。 202 00:20:52,551 --> 00:20:58,858 義姉様も いつまでたっても ご心労が絶えませぬのう。 203 00:21:02,361 --> 00:21:04,497 さあ さあ…。 204 00:21:04,497 --> 00:21:14,507 ♬~ 205 00:21:14,507 --> 00:21:19,378 ご無事でのう。 206 00:21:19,378 --> 00:21:24,183 ご武運を祈っています。 207 00:21:24,183 --> 00:21:34,894 ♬~ 208 00:21:41,734 --> 00:21:48,207 <6月16日 秀長は 諸軍を率いて 四国へ渡った。➡ 209 00:21:48,207 --> 00:21:51,877 四国を掌握していた長宗我部元親は➡ 210 00:21:51,877 --> 00:21:57,550 秀吉からの和睦の条件を拒否し 阿波 白地城を本城に抗戦したが➡ 211 00:21:57,550 --> 00:22:02,388 秀吉軍の猛攻に たちまち苦戦に陥っていた。➡ 212 00:22:02,388 --> 00:22:06,158 間もなく 秀吉の病は癒えた> 213 00:22:06,158 --> 00:22:09,061 ⚟殿のご帰城! ⚟殿のご帰城! 214 00:22:09,061 --> 00:22:11,831 <が 今度は とんでもない騒ぎが➡ 215 00:22:11,831 --> 00:22:16,535 大坂城を いや 天下を驚かせることになった> 216 00:22:25,377 --> 00:22:27,379 おかか。 217 00:22:27,379 --> 00:22:31,183 お戻りなさいませ。 218 00:22:31,183 --> 00:22:34,186 話がある。 来い。 219 00:22:42,194 --> 00:22:46,532 おかか。 今日から わしは 関白じゃ。 220 00:22:46,532 --> 00:22:48,868 関白になった。 221 00:22:48,868 --> 00:22:51,203 関白…。 222 00:22:51,203 --> 00:22:55,874 官位ものう 正二位から 従一位に叙せられた。 223 00:22:55,874 --> 00:22:59,745 関白従一位 藤原秀吉じゃ。 224 00:22:59,745 --> 00:23:02,481 とうとう上り詰めたわ。 225 00:23:02,481 --> 00:23:06,151 てっぺんじゃ。 日本一よ! 226 00:23:06,151 --> 00:23:08,087 お前様…。 227 00:23:08,087 --> 00:23:12,491 直ちにのう 四国の陣中にも 知らせを遣わした。 228 00:23:12,491 --> 00:23:17,363 秀長も 喜んでくれよう。 全軍の士気も上がろうぞ。 229 00:23:17,363 --> 00:23:19,665 ハッハッハッハ…。 230 00:23:21,834 --> 00:23:23,769 誰かある!? ⚟はっ! 231 00:23:23,769 --> 00:23:27,072 直ちに 城中の家臣たちを招集せえ。 232 00:23:36,849 --> 00:23:39,752 諸国の大名たちも 大いに集まろう。 233 00:23:39,752 --> 00:23:42,755 おかかも これから忙しゅうなるぞ。 234 00:23:51,196 --> 00:23:54,199 (女たち)おめでとう存じます。 235 00:23:57,870 --> 00:24:02,474 秀吉 こたび 朝廷より 関白に任ぜられ➡ 236 00:24:02,474 --> 00:24:07,813 今日より 関白 藤原秀吉と名乗ることと 相なった。 237 00:24:07,813 --> 00:24:11,116 秀吉の栄誉は そなたたちの栄誉でもある。 238 00:24:30,069 --> 00:24:32,504 (ため息) 239 00:24:32,504 --> 00:24:34,440 ねね様。 240 00:24:34,440 --> 00:24:38,444 まあ お越しでございましたか。 さあさあさあ…。 241 00:24:41,847 --> 00:24:46,185 ねね様。 藤吉郎が 関白とやらになったと聞いたが➡ 242 00:24:46,185 --> 00:24:50,055 一体 どういうことなのじゃ? 今 こちらに参ります。 243 00:24:50,055 --> 00:24:53,058 私にも さっぱり分かりませぬ。 244 00:24:53,058 --> 00:24:57,763 (なか)何やら 大層なことらしいのう。 はあ…。 245 00:25:01,467 --> 00:25:05,337 ああ… ハッハッハッハ。 姉様も あさひも そろうておったか。 246 00:25:05,337 --> 00:25:08,040 ハッハッハ。 ちょうどよかった。 247 00:25:13,078 --> 00:25:15,014 わしは 今日…。 248 00:25:15,014 --> 00:25:19,818 関白とやらいうものになったんであろう? うん…。 249 00:25:19,818 --> 00:25:23,489 姓ものう 藤原秀吉と改めた。 250 00:25:23,489 --> 00:25:25,824 藤原? 何じゃ それは。 251 00:25:25,824 --> 00:25:28,727 関白職というのはのう 昔から➡ 252 00:25:28,727 --> 00:25:32,498 藤原氏の流れをくむ者しか許されぬ しきたりになっておるのよ。 253 00:25:32,498 --> 00:25:37,169 わしらは 元百姓じゃ。 藤原なぞの名前 聞いたこともないわ。 254 00:25:37,169 --> 00:25:41,507 わしはのう 先の関白 近衛前久殿の 猶子になったのじゃ。 255 00:25:41,507 --> 00:25:44,843 猶子になれば 子が親の名を継ぐのは 当たり前であろうが。 256 00:25:44,843 --> 00:25:49,515 よその子になってまで 関白になりたいのか。 257 00:25:49,515 --> 00:25:55,187 征夷大将軍は逃したがのう 関白ともなれば 勝るとも劣らぬわ。 258 00:25:55,187 --> 00:25:57,856 天下の束ね役には変わりはない。 ハッハ…。 259 00:25:57,856 --> 00:26:04,129 わしも 長年の志を果たした。 おっ母様 喜んでくだされ。 260 00:26:04,129 --> 00:26:06,465 ハッハッハ…。 261 00:26:06,465 --> 00:26:09,134 それでは 藤原筑前守秀吉か? 262 00:26:09,134 --> 00:26:13,472 筑前とは 一大名の名じゃ。 わしは もはや 筑前ではない。 263 00:26:13,472 --> 00:26:16,141 全国の大名の頭領じゃ。 264 00:26:16,141 --> 00:26:18,811 藤原全国守秀吉か。 265 00:26:18,811 --> 00:26:21,146 おかか…。 ハッハッハ。 266 00:26:21,146 --> 00:26:25,484 関白従一位 藤原秀吉じゃ。 267 00:26:25,484 --> 00:26:29,354 まさかとは思っていたが…。 268 00:26:29,354 --> 00:26:33,158 まことなら これに勝る めでたいことはないわ。 269 00:26:33,158 --> 00:26:37,029 藤吉郎 よう ここまでに…。 270 00:26:37,029 --> 00:26:39,031 うむ。 271 00:26:41,033 --> 00:26:45,170 わしの関白の任官とともにな➡ 272 00:26:45,170 --> 00:26:49,041 おっ母様と おかかにも 朝廷より 結構な位を頂いた。 273 00:26:49,041 --> 00:26:52,845 おっ母様はのう 関白の生母として 従一位よ。 274 00:26:52,845 --> 00:26:55,514 おかかには 関白の正室として➡ 275 00:26:55,514 --> 00:26:57,850 従三位を叙せられるとの ありがたい仰せじゃ。 276 00:26:57,850 --> 00:27:00,119 あほらしい。 そんなもの 欲しゅうはないわ。 277 00:27:00,119 --> 00:27:02,054 何の足しにもならぬではないか。 278 00:27:02,054 --> 00:27:05,791 恐れ多いことを言うのではないわ おっ母様。 従一位とはのう…。 279 00:27:05,791 --> 00:27:10,129 よう知っておる。 正一位の次が 従一位であろう? 280 00:27:10,129 --> 00:27:13,465 おいなりさんのお狐様が正一位なら わしは その次じゃ。 281 00:27:13,465 --> 00:27:17,336 (あさひ)ハッハッハッハ! おっ母様…。 282 00:27:17,336 --> 00:27:21,340 おっ母様 藤吉郎は 親孝行がしたいのじゃ。 283 00:27:21,340 --> 00:27:23,809 ありがとうお受けなされ。 284 00:27:23,809 --> 00:27:28,680 まあ 別に 荷になるものでもなし くれるというなら もろうてもええが➡ 285 00:27:28,680 --> 00:27:31,683 うるさいことに巻き込まれるのは 御免じゃぞ。 286 00:27:31,683 --> 00:27:35,821 私とて そのようなことは もったいのうございます。 287 00:27:35,821 --> 00:27:38,490 どうぞ 朝廷にお返しくださいまし。 288 00:27:38,490 --> 00:27:44,162 そうはいかぬわ! おかかは 関白のおかかになったのじゃぞ。 289 00:27:44,162 --> 00:27:48,500 従三位ともなれば 公に政治をつかさどる➡ 290 00:27:48,500 --> 00:27:51,837 政所も開けるようになる。 おっ母様とて 同じよ。 291 00:27:51,837 --> 00:27:56,708 たわけが! わしに 何をせえと言うのじゃ。 292 00:27:56,708 --> 00:28:02,781 私とて その政所などと とんと分かりませぬ。 293 00:28:02,781 --> 00:28:08,654 それでは 困るのよ! 関白のおかかには 関白のおかかとしてのつとめがあろうが! 294 00:28:08,654 --> 00:28:12,791 今後 おかかは 北政所となる。 295 00:28:12,791 --> 00:28:14,726 お前様…。 296 00:28:14,726 --> 00:28:18,130 おっ母様は 大政所じゃ。 297 00:28:18,130 --> 00:28:20,132 ええのう!? 298 00:28:23,468 --> 00:28:29,174 位を頂いたからには 格式という けじめだけは 守ってもらわねばのう。 299 00:28:47,159 --> 00:28:49,461 (ふすまが開く音) 300 00:28:57,169 --> 00:29:02,774 今宵は どちらにも お渡りになりませぬのか? 301 00:29:02,774 --> 00:29:08,647 ふん…。 あ~ 疲れた。 302 00:29:08,647 --> 00:29:17,122 ハハッ。 おかかとのう こうしておるのが 一番休まるわ。 303 00:29:17,122 --> 00:29:19,458 お体を大事になさらぬと…。 304 00:29:19,458 --> 00:29:24,329 うむ。 わしも 来年は 50じゃ。 305 00:29:24,329 --> 00:29:28,033 信長様が お果てなされた年になる。 306 00:29:31,069 --> 00:29:38,810 わしはのう おかか 信長様の代わりに 関白になったと思うておる。 307 00:29:38,810 --> 00:29:44,683 信長様のお志を胸に 天下を治めていかねばのう。 308 00:29:44,683 --> 00:29:52,157 そして 秀勝殿が お前様の跡を継がれたら➡ 309 00:29:52,157 --> 00:29:55,460 信長様も 本望でございましょう。 310 00:29:57,029 --> 00:30:03,502 秀勝がのう 丈夫でさえいてくれたらのう。 311 00:30:03,502 --> 00:30:11,176 お茶々様 お初様 小督様にも そろそろ よいお方を…。 312 00:30:11,176 --> 00:30:16,515 ああ。 小督殿にはのう よい縁談がある。 313 00:30:16,515 --> 00:30:21,386 佐治与九郎というてのう 小督殿には いとこにあたられるお人じゃ。 314 00:30:21,386 --> 00:30:26,191 小督殿でございますか? うむ。順序から言うたら お茶々様が…。 315 00:30:26,191 --> 00:30:31,496 ハッハッハッハ。 誰から嫁ごうと 別に不都合はあるまいが。 316 00:30:33,065 --> 00:30:37,202 佐治はのう 尾張の水軍でのう➡ 317 00:30:37,202 --> 00:30:41,540 今までにも 随分と 力になってもろうておる。 318 00:30:41,540 --> 00:30:47,879 いずれ しかるべき娘を娶せようと思うていた。 319 00:30:47,879 --> 00:30:51,750 ご自分のご都合で そのような…。 320 00:30:51,750 --> 00:30:57,456 いずれ 嫁には出さねばならぬのじゃ。 佐治ならば 間違いないわ。 321 00:31:19,177 --> 00:31:24,049 (於次秀勝)そうか 小督殿が 先に…。 322 00:31:24,049 --> 00:31:29,521 小督は 幼うて まだ 分別もありませぬ。 323 00:31:29,521 --> 00:31:36,395 おとなしい小督につけいって 小督から片づけようという筑前の腹じゃ。 324 00:31:36,395 --> 00:31:45,070 次は お初…。 いずれ 私も 筑前の思う所へ やられましょう。 325 00:31:45,070 --> 00:31:47,539 茶々殿…。 326 00:31:47,539 --> 00:31:57,215 筑前は 関白で 秀勝殿は 関白のお世継ぎじゃ。 327 00:31:57,215 --> 00:32:02,521 ますます 茶々の手の届かぬお人に なってしまわれた…。 328 00:32:07,025 --> 00:32:13,698 でも 私は 筑前の思うようにはなりませぬ。 329 00:32:13,698 --> 00:32:20,172 たとえ 秀勝殿と添えずとも 一生おそばにいると 心に決めたのじゃ。 330 00:32:20,172 --> 00:32:22,474 嫁には参りませぬ。 331 00:32:24,042 --> 00:32:30,816 いつか いつか必ず 秀吉殿から お許しをもらえる時も来よう。 332 00:32:30,816 --> 00:32:33,718 それまで…。 333 00:32:33,718 --> 00:32:40,492 じゃが いつまで 筑前に逆らえるか…。 334 00:32:40,492 --> 00:32:46,865 いつか 私も 小督のように諦めて…。 335 00:32:46,865 --> 00:32:49,167 茶々殿…。 336 00:32:51,203 --> 00:32:58,910 秀勝殿は 近く 丹波の亀山に行かれると聞きました。 337 00:33:00,812 --> 00:33:06,485 私も お供させていただきとうございます。 338 00:33:06,485 --> 00:33:14,159 ♬~ 339 00:33:14,159 --> 00:33:17,162 さみしゅうなります。 340 00:33:21,833 --> 00:33:26,538 <やがて 秀勝は 丹波 亀山に去った> 341 00:33:28,173 --> 00:33:32,844 <そして 秀吉は 改めて 一門の者たちを集め➡ 342 00:33:32,844 --> 00:33:36,514 関白任官のうれしき宴を催した> 343 00:33:36,514 --> 00:33:40,385 (長政)関白ご任官 おめでとう存じます。 344 00:33:40,385 --> 00:33:43,188 (一同)おめでとう存じます。 345 00:33:43,188 --> 00:33:50,862 うむ。 秀長はのう 大和 郡山 44万石を加増じゃ。 346 00:33:50,862 --> 00:33:54,199 難しい土地柄ゆえ 秀長に任せた。 347 00:33:54,199 --> 00:33:56,868 ほう 小一郎がのう…。 348 00:33:56,868 --> 00:33:59,771 ふんっ。 おっ母様➡ 349 00:33:59,771 --> 00:34:03,141 中村から引っ張り出したかいが あったというものよのう。 350 00:34:03,141 --> 00:34:11,016 <この席で 秀吉は ともの長男 秀次を 近江八幡城主 右近衛中将参議に➡ 351 00:34:11,016 --> 00:34:16,488 於次秀勝は 丹波 亀山 29万石の領主➡ 352 00:34:16,488 --> 00:34:20,825 浅野長政は 近江のうち 2万3千石の大名➡ 353 00:34:20,825 --> 00:34:24,162 家定は 大坂城代➡ 354 00:34:24,162 --> 00:34:29,834 弥助と甚兵衛も 重要な側近として加増。➡ 355 00:34:29,834 --> 00:34:35,140 それぞれ 押しも押されぬ地位にまで 上り詰めたのである> 356 00:34:39,511 --> 00:34:43,181 のう イチやトラは どうしておるのじゃ? 357 00:34:43,181 --> 00:34:49,054 うむ。 福島正則はのう 今治に12万石➡ 358 00:34:49,054 --> 00:34:52,524 加藤清正も そのうち加増するつもりじゃ。 359 00:34:52,524 --> 00:34:55,860 皆 それぞれ よう育ってくれた。 360 00:34:55,860 --> 00:35:00,699 これものう おかかが 小姓部屋の者たちを よう面倒見てくれたおかげよのう。 361 00:35:00,699 --> 00:35:04,669 ハッハッハッハッハッハ。 362 00:35:04,669 --> 00:35:11,343 のう おっ母様 小者一僕から身を起こしたわしが➡ 363 00:35:11,343 --> 00:35:13,812 関白にまでなった。 364 00:35:13,812 --> 00:35:17,482 これものう 一門の者たちが➡ 365 00:35:17,482 --> 00:35:22,821 わしと生死を共にして 働いてくれたおかげよのう。 366 00:35:22,821 --> 00:35:26,124 秀吉は 果報者よのう。 367 00:35:29,160 --> 00:35:34,499 また 子のないわしが 頼もしい子に恵まれたわ。 368 00:35:34,499 --> 00:35:38,169 秀勝 秀家 於義伊 お豪…➡ 369 00:35:38,169 --> 00:35:40,839 辰之助 秀次 小吉 秀保。 370 00:35:40,839 --> 00:35:43,742 ハッハッハ。 皆 一門の子じゃ。 371 00:35:43,742 --> 00:35:47,512 これから 関白家を担うていってくれる子たちじゃ。 372 00:35:47,512 --> 00:35:49,848 のう。 ハッハッハッハ。 373 00:35:49,848 --> 00:35:53,518 関白家は 未来永ごう 万々歳よのう。 374 00:35:53,518 --> 00:35:56,521 ハッハッハッハ…。 375 00:36:05,463 --> 00:36:09,801 (やや)お父様や お母様が 生きておいでになったら➡ 376 00:36:09,801 --> 00:36:15,140 どんなに喜んでくだされたか…。➡ 377 00:36:15,140 --> 00:36:19,811 伯父様も亡くなられてしもうて…。➡ 378 00:36:19,811 --> 00:36:22,113 それだけが 残念じゃ。 379 00:36:23,682 --> 00:36:30,822 私はのう 足軽のおかかだった頃が 懐かしいわ。 380 00:36:30,822 --> 00:36:36,161 まあ…。 お姉様のご心労は よう分かるが➡ 381 00:36:36,161 --> 00:36:42,500 秀吉殿は 私が思うたよりも ずっと優しいお方じゃったわ。 382 00:36:42,500 --> 00:36:46,838 今でも お姉様を 正室として 大事になされておる。 383 00:36:46,838 --> 00:36:53,711 それに 長政殿や私にも いろいろと気を遣うてくだされて…。 384 00:36:53,711 --> 00:36:58,183 それは ありがたいと思っておる。 385 00:36:58,183 --> 00:37:02,887 子のできぬ私を立ててくだすって…。 386 00:37:04,456 --> 00:37:11,329 でものう 秀吉殿が 偉くなればなるほど➡ 387 00:37:11,329 --> 00:37:16,334 遠いお方になってしまったような 気がしてのう。 388 00:37:19,003 --> 00:37:26,144 関白のおかかになっても 女子は つまらぬものじゃ。 389 00:37:26,144 --> 00:37:31,483 女子の果報は そのようなものではない。 390 00:37:31,483 --> 00:37:33,818 お姉様…。 391 00:37:33,818 --> 00:37:51,169 ♬~ 392 00:37:51,169 --> 00:38:00,778 やや…。 夫婦というものはのう たとえ 貧しくてもいい➡ 393 00:38:00,778 --> 00:38:07,652 一つのものを分かち合え 苦労している時が花じゃ。 394 00:38:07,652 --> 00:38:12,791 秀吉殿には 随分と心配もさせられた。 395 00:38:12,791 --> 00:38:17,128 ないしょの苦労もさせられた。 396 00:38:17,128 --> 00:38:24,435 でも 今から思うと あのころが 一番幸せじゃった。 397 00:38:27,472 --> 00:38:34,479 もう… もう二度と あのころは戻ってこぬわ。 398 00:38:36,147 --> 00:38:43,021 (すすり泣き) 399 00:38:43,021 --> 00:38:46,324 (笑い声) 400 00:38:48,159 --> 00:38:51,496 ハッハッハッハ…。 私にまで 祝いの品を? 401 00:38:51,496 --> 00:38:57,168 おう。 諸国の大名ものう わしが そなたを いとおしんでおるのを知っておるのよ。 402 00:38:57,168 --> 00:39:01,439 ハッハッハッハ。 抜け目ないわのう。 403 00:39:01,439 --> 00:39:07,111 私も 関白様のご寵愛を頂くようになろうとは➡ 404 00:39:07,111 --> 00:39:09,047 夢のようでございます。 405 00:39:09,047 --> 00:39:11,449 ハッハッハッハ…。 406 00:39:11,449 --> 00:39:18,122 (正信)諸国大名は 競うて 関白の祝いに 上洛している由にございます。 407 00:39:18,122 --> 00:39:20,792 (家康)わしにも 行けと言うのか? 408 00:39:20,792 --> 00:39:24,662 フッ…。 何で わざわざ 頭を下げに行かねばならんのじゃ。 409 00:39:24,662 --> 00:39:30,134 関白ともなれば 秀吉殿にも 体面というものがございましょうし。 410 00:39:30,134 --> 00:39:35,006 わしに 臣従の礼をとれと…? 411 00:39:35,006 --> 00:39:38,009 いかがなされまする? 412 00:39:51,823 --> 00:39:56,160 朝廷に うもう取り入って 関白になったかは知らぬが➡ 413 00:39:56,160 --> 00:39:59,497 秀吉は 西国の頭領にすぎぬ。 414 00:39:59,497 --> 00:40:03,368 わしは それを侵そうとは思わぬ。 415 00:40:03,368 --> 00:40:07,171 わしはわしで 己の領国を治めるだけじゃ。 416 00:40:07,171 --> 00:40:09,874 ならば 断りましょう。 417 00:40:12,043 --> 00:40:14,512 正信。 418 00:40:14,512 --> 00:40:17,415 いやいやいや 私も そう思うておりました。 419 00:40:17,415 --> 00:40:19,851 徳川は徳川。 420 00:40:19,851 --> 00:40:24,522 あくまでも 秀吉殿に対しては 対等の立場を通さねば➡ 421 00:40:24,522 --> 00:40:27,859 秀吉殿の思うままになりましょう。 422 00:40:27,859 --> 00:40:31,162 それだけは させぬ! 423 00:40:41,406 --> 00:40:45,410 <依然 家康は 秀吉に臣従の礼をとらぬまま➡ 424 00:40:45,410 --> 00:40:48,579 天正13年も押し詰まり➡ 425 00:40:48,579 --> 00:40:52,550 今日は 小督の輿入れの日である> 426 00:41:02,527 --> 00:41:05,196 (鐘の音) 427 00:41:07,398 --> 00:41:09,867 小督…。 428 00:41:09,867 --> 00:41:28,886 ♬~ 429 00:41:28,886 --> 00:41:32,757 (小督)長い間 お世話になりました。 430 00:41:32,757 --> 00:41:40,898 そなたは お市の方様よりおあずかりした 大切なお方。 431 00:41:40,898 --> 00:41:47,238 行き届かぬことも…。 許してくだされ。 432 00:41:47,238 --> 00:41:52,210 与九郎殿に かわいがってもらいなされ。 433 00:42:06,190 --> 00:42:13,531 なんぞ つらいことがあったら 遠慮のう 私に言うてくだされ。 434 00:42:13,531 --> 00:42:15,466 はい。 435 00:42:15,466 --> 00:42:27,545 ♬~ 436 00:42:27,545 --> 00:42:29,881 ⚟申し上げます! 437 00:42:29,881 --> 00:42:31,816 申し上げます! 438 00:42:31,816 --> 00:42:38,089 ただいま 丹波 亀山よりのお使者にて 秀勝殿 ご危篤の知らせにございます! 439 00:42:40,525 --> 00:42:42,460 お前様! 440 00:42:42,460 --> 00:42:44,896 すぐに 亀山にたつ。 はっ! 441 00:42:44,896 --> 00:42:47,799 私も お供いたします。 442 00:42:47,799 --> 00:42:54,572 お願いでございます。 私も… 私も お連れくださいませ。 443 00:42:54,572 --> 00:42:57,909 お願いでございます! 444 00:42:57,909 --> 00:43:01,512 何故に お茶々殿が…? 445 00:43:01,512 --> 00:43:06,851 どうしても 秀勝殿に お目にかからなければ…。 446 00:43:06,851 --> 00:43:11,823 私も お供させてくださいませ! お願いでございます! 447 00:43:13,524 --> 00:43:17,395 <まさか 秀勝とお茶々が… と驚きながら➡ 448 00:43:17,395 --> 00:43:21,365 ねねには お茶々の気持ちが すぐ分かった> 449 00:43:25,136 --> 00:43:27,872 <秀勝が信長の子だからこそ➡ 450 00:43:27,872 --> 00:43:31,742 旧織田家も 秀吉についてきているのである。➡ 451 00:43:31,742 --> 00:43:38,516 秀勝の生死は 秀吉にとって まさしく 一つの危機であった> 452 00:43:38,516 --> 00:43:47,191 ♬~