1 00:00:02,102 --> 00:02:36,089 ♬~ 2 00:02:38,191 --> 00:02:42,863 <関白 秀次の事件が 凄惨な悲劇で幕を閉じ➡ 3 00:02:42,863 --> 00:02:46,733 秀吉は 関白の政庁であった京の聚楽第をも➡ 4 00:02:46,733 --> 00:02:49,736 憎しみを込めて破壊してしまうと➡ 5 00:02:49,736 --> 00:02:52,539 伏見城を政治の中心とし➡ 6 00:02:52,539 --> 00:02:59,212 3歳の拾を豊臣家の後継者とするために その精力を傾け始めていた。➡ 7 00:02:59,212 --> 00:03:02,482 そのころから 秀吉は病気がちで➡ 8 00:03:02,482 --> 00:03:08,155 拾のために まるで 命を削り取っているようであった。➡ 9 00:03:08,155 --> 00:03:13,493 明けて文禄5年 明の講和使節が 来日することになったが…> 10 00:03:13,493 --> 00:03:15,829 (せみの声) <それより先に 加藤清正が➡ 11 00:03:15,829 --> 00:03:19,499 突然 ねねを大坂城へ訪ねてきた> 12 00:03:19,499 --> 00:03:23,804 (ねね)まあ 久しぶりじゃのう。 13 00:03:25,372 --> 00:03:30,143 トラは朝鮮に残ると聞いて 案じておったが➡ 14 00:03:30,143 --> 00:03:33,046 よう無事で…。 15 00:03:33,046 --> 00:03:36,750 (清正)北政所様にも お変わりなく。 16 00:03:38,518 --> 00:03:44,191 私は 占領地の守備のために これまで…。 17 00:03:44,191 --> 00:03:47,527 長い間 ご苦労じゃった。 18 00:03:47,527 --> 00:03:53,200 じゃが いよいよ 明国から 使節が来るとやら…。 19 00:03:53,200 --> 00:03:57,070 これで 朝鮮の戦も終わりじゃ。 20 00:03:57,070 --> 00:04:04,077 うもう収まってもらって 秀吉殿も満足でいられましょう。 21 00:04:06,480 --> 00:04:09,382 お方様! 22 00:04:09,382 --> 00:04:13,353 無念にございます。 23 00:04:13,353 --> 00:04:19,826 私は 殿下の命令に背く者として 朝鮮より呼び戻され➡ 24 00:04:19,826 --> 00:04:22,729 伏見の屋敷に 謹慎を仰せつけられましてございます。 25 00:04:22,729 --> 00:04:25,699 何故 そのような…。 26 00:04:25,699 --> 00:04:29,703 めでたく凱旋したのではなかったのか? 27 00:04:31,838 --> 00:04:35,842 私は 戦が終わったゆえ…。 28 00:04:41,181 --> 00:04:44,084 (清正)太閤殿下は 何も分かってはおられませぬ。 29 00:04:44,084 --> 00:04:49,856 殿下は 小西行長に 講和のことをお任せなされておりますが➡ 30 00:04:49,856 --> 00:04:52,192 行長は 元は堺の商人。 31 00:04:52,192 --> 00:04:55,095 ただ 明や朝鮮と 商いの取り引きができるようになれば➡ 32 00:04:55,095 --> 00:04:57,864 事足りると思うておる者でございます。 33 00:04:57,864 --> 00:05:01,134 行長の出した条件で このまま 講和が成り➡ 34 00:05:01,134 --> 00:05:03,470 我らが朝鮮を放棄して➡ 35 00:05:03,470 --> 00:05:05,805 引き揚げさせられるようなことに なりましたら➡ 36 00:05:05,805 --> 00:05:09,676 これまでの我らの努力は 水泡に帰しましょう。➡ 37 00:05:09,676 --> 00:05:14,147 何としても それだけはと 行長に申し入れましたところ➡ 38 00:05:14,147 --> 00:05:19,019 講和を妨げる者として 行長めより 殿下に ざん訴され➡ 39 00:05:19,019 --> 00:05:21,822 今回の仕儀と相なりました。 40 00:05:21,822 --> 00:05:28,495 蟄居 仰せつけられました上は 政所様にも お目通りはかないませぬが➡ 41 00:05:28,495 --> 00:05:33,800 虎之助 何としても お目にかかりとうて…。 42 00:05:35,368 --> 00:05:38,505 トラは 我が子も同然。 43 00:05:38,505 --> 00:05:43,210 私に会うのに 何の遠慮も要らぬ。 44 00:05:49,849 --> 00:05:52,519 私は 大坂暮らし。 45 00:05:52,519 --> 00:06:00,827 伏見のことは とんと疎うなってしもうて 何も知りませなんだ。 46 00:06:04,464 --> 00:06:10,136 朝鮮に4年在陣中 政所様にも いろいろ つらい思いをなされたことも➡ 47 00:06:10,136 --> 00:06:12,472 聞き及んでおります。 48 00:06:12,472 --> 00:06:20,814 トラとて口惜しいじゃろうが 朝鮮での戦は間違っておったのじゃ。 49 00:06:20,814 --> 00:06:24,684 たとえ どのような講和が成ろうと➡ 50 00:06:24,684 --> 00:06:33,827 敵も味方も 一人でも命を無駄にせぬよう 一日も早う 兵を引き揚げることが肝要。 51 00:06:33,827 --> 00:06:39,165 トラとて 気持ちをおさめて…。 52 00:06:39,165 --> 00:06:43,503 そのうち 秀吉殿のお怒りも解けよう。 53 00:06:43,503 --> 00:06:49,843 今は 長い戦の疲れを癒やすと思って…。 のう。 さあさ。 54 00:06:49,843 --> 00:06:56,549 それでは 我らは 何のために 4年も 苦しい戦をしてきたのでございますか!? 55 00:06:59,519 --> 00:07:04,357 海上を敵の水軍に押さえられ 食糧や武器の補給も途絶え➡ 56 00:07:04,357 --> 00:07:09,129 飢えにさいなまれながら 極寒の冬も耐えました。 57 00:07:09,129 --> 00:07:11,798 我らが 朝鮮の山野で➡ 58 00:07:11,798 --> 00:07:15,135 生死の境をさまようような つらい戦をしておる時に➡ 59 00:07:15,135 --> 00:07:18,805 京や大坂で ぬくぬくとして 殿下に取り入り➡ 60 00:07:18,805 --> 00:07:21,708 政をほしいままにし あげくは➡ 61 00:07:21,708 --> 00:07:25,478 我らがまるで戦が好きでやっておるような 悪口雑言をたたかれては➡ 62 00:07:25,478 --> 00:07:30,150 はらわたの煮えくり返るような思いが いたします! 63 00:07:30,150 --> 00:07:35,021 はあ… よう分かる。 64 00:07:35,021 --> 00:07:43,730 命を懸けて戦っても 朝鮮におっては 中央のことも手が届かぬ。 65 00:07:47,701 --> 00:07:51,438 そなたも 耳にしておろう。 66 00:07:51,438 --> 00:07:57,744 秀次殿のこととて そなたがいてくれたら あのようなことには…。 67 00:07:59,512 --> 00:08:03,783 あれとて お茶々殿と腹を合わせた 石田三成の仕組んだことと➡ 68 00:08:03,783 --> 00:08:05,719 聞いております。 トラ。 69 00:08:05,719 --> 00:08:10,457 三成こそ 豊臣家獅子身中の虫…! このまま のさばらせておいては➡ 70 00:08:10,457 --> 00:08:13,126 豊臣家を危ううすることにも なりましょう。 71 00:08:13,126 --> 00:08:16,796 政所様のためにもなりませぬ。 たわけたことを言うものではありませぬ! 72 00:08:16,796 --> 00:08:21,468 豊臣家一族は 拾君だけになってしまわれた。 73 00:08:21,468 --> 00:08:25,805 幼い拾君をお助けするのは トラたちではないか。 74 00:08:25,805 --> 00:08:29,476 その者たちが つまらぬことで争っていては➡ 75 00:08:29,476 --> 00:08:31,811 豊臣家は どうなるのじゃ。 76 00:08:31,811 --> 00:08:39,686 今は 私情を捨て 心を合わせて 豊臣家をもり立ててくれねば…。 77 00:08:39,686 --> 00:08:46,993 トラ くれぐれも 軽挙妄動は慎んでくだされ。 78 00:08:59,973 --> 00:09:02,442 ⚟(足音) 79 00:09:02,442 --> 00:09:07,147 ⚟(弥五六)森 弥五六にございます。 (清正)おお 待ちかねた。 80 00:09:08,782 --> 00:09:10,784 ささっ。 81 00:09:19,793 --> 00:09:22,128 よう来てくだされたのう。 82 00:09:22,128 --> 00:09:25,799 (弥五六)この度の蟄居のこと 胸中 お察し申し上げます。 83 00:09:25,799 --> 00:09:31,137 フッハハハハハ…。 このとおり 陸へ上がった河童も同然。 84 00:09:31,137 --> 00:09:34,040 何があっても ただ 手をこまねいておらねばならぬ。 85 00:09:34,040 --> 00:09:36,810 情けない体たらくじゃ。 ハッハ…。 86 00:09:36,810 --> 00:09:41,147 訪ねてくれるのも 小姓部屋で 共に過ごした ふみ殿くらいのもので…。 87 00:09:41,147 --> 00:09:43,149 さあ。 88 00:09:45,018 --> 00:09:50,824 世の中が治まってしもうたら 戦の上手などは もう無用の長物…。 89 00:09:50,824 --> 00:09:55,161 我ら 槍鉄砲でお仕えする者も お役に立てることが もうなくなりました。 90 00:09:55,161 --> 00:10:00,500 ハハハ…。今は 腕より ここでございます。 ハハハ。 91 00:10:00,500 --> 00:10:05,505 小才の利く者が 幅を利かす世の中になってしもうて…。 92 00:10:07,173 --> 00:10:10,076 長生きはしとうございませぬなあ。 93 00:10:10,076 --> 00:10:12,512 ハハハハ…。 94 00:10:12,512 --> 00:10:18,184 おぬし 秀長殿亡きあと 浅野長政殿の配下になられたそうだが…。 95 00:10:18,184 --> 00:10:23,056 はい。 じゃが 先頃 いとまを頂きました。 96 00:10:23,056 --> 00:10:25,859 武辺者には潮時でございましょう。 97 00:10:25,859 --> 00:10:30,530 妻も子もない身には 跡を継がせる者とておりませぬ。 98 00:10:30,530 --> 00:10:35,869 おかげで 気が楽になりましたわ。 ハッハッハッハッハ! 99 00:10:35,869 --> 00:10:39,739 おぬし 三成を討つために…。 100 00:10:39,739 --> 00:10:42,542 長政殿に迷惑のかからぬよう…。 101 00:10:42,542 --> 00:10:44,477 そうであろう。 めっそうもない。 102 00:10:44,477 --> 00:10:47,780 そのような大それたことなど…。 ふみ殿に聞いた。 103 00:10:50,216 --> 00:10:53,119 今日来てもろうたはな ほかでもない。 104 00:10:53,119 --> 00:10:56,089 わしも おぬしと共に…。 105 00:10:56,089 --> 00:10:59,225 清正殿!? 三成を生かしておいては➡ 106 00:10:59,225 --> 00:11:04,063 豊臣家のため… いや 天下のために 禍根を残すことになろう。 107 00:11:04,063 --> 00:11:07,033 わしも おぬしと力を合わせて…。 なりませぬ! 108 00:11:07,033 --> 00:11:09,502 清正殿は 将来のあるお方じゃ。 109 00:11:09,502 --> 00:11:13,840 また 豊臣家のためにも 生きていてくださらねばなりませぬ! 110 00:11:13,840 --> 00:11:16,843 軽々しゅうに そのような! 111 00:11:28,388 --> 00:11:33,192 わしはのう どうせ 殿に疎まれた身じゃ。 112 00:11:33,192 --> 00:11:36,095 先に望みなど ありはせぬわ。 113 00:11:36,095 --> 00:11:42,535 三成と刺し違えてもと思うたが 蟄居の身では それもかなわぬ。 114 00:11:42,535 --> 00:11:48,207 じゃが おぬしと2人なら 三成下城の途中を襲っても…。 115 00:11:48,207 --> 00:11:52,879 どうせ 志を同じうするなら 1人よりも2人の方が心強いわ。 116 00:11:52,879 --> 00:11:55,181 ハハハハッ。 117 00:12:01,154 --> 00:12:06,025 (秀吉)清正にも困ったものよのう。 118 00:12:06,025 --> 00:12:10,163 戦で勝つだけが能ではないものを…。 119 00:12:10,163 --> 00:12:14,500 武道一辺倒の者は それが分からんのよ。 120 00:12:14,500 --> 00:12:19,372 (三成)清正殿は 小姓部屋の頃から 血の気の多い男でございました。 121 00:12:19,372 --> 00:12:25,144 これからの天下には かえって 障りになるやもしれませぬ。➡ 122 00:12:25,144 --> 00:12:31,517 殿下にも ようお考えなされるのが 肝要かと存じます。 123 00:12:31,517 --> 00:12:36,856 (行長)こたびのこととて 私に逆らうは すなわち殿下の命に背くこと…。 124 00:12:36,856 --> 00:12:40,193 その罪は 軽うはございませぬ。➡ 125 00:12:40,193 --> 00:12:45,531 さきざき 再び このようなことがあっては…。 126 00:12:45,531 --> 00:12:47,533 うん…。 127 00:12:50,403 --> 00:12:54,707 腹を切らせるか。 128 00:12:58,544 --> 00:13:02,148 これ 拾。 フフフフッ。 129 00:13:02,148 --> 00:13:07,487 手々はのう ひい ふう みい よ いつじゃ。 130 00:13:07,487 --> 00:13:13,493 ほれ 父様も 同じじゃ。 のう おんなじ手じゃの…。 131 00:13:24,037 --> 00:13:32,712 ♬~ 132 00:13:32,712 --> 00:13:34,714 やあ~っ! 133 00:13:39,419 --> 00:13:42,855 (三成)何やつじゃ!? 治部少輔三成と知っての狼藉か!? 134 00:13:42,855 --> 00:13:44,857 殿は 早う! 135 00:13:46,526 --> 00:13:48,461 やあっ! うわっ! 136 00:13:48,461 --> 00:13:50,463 殿! 137 00:14:00,807 --> 00:14:02,742 三成! 138 00:14:02,742 --> 00:14:06,679 ああ~! やっ! 139 00:14:06,679 --> 00:14:08,681 離せ! 140 00:14:16,356 --> 00:14:19,158 弥五六! 141 00:14:19,158 --> 00:14:21,828 おぬし 誰に頼まれて わしの命を…! 142 00:14:21,828 --> 00:14:25,498 わしの一存で したことじゃ! 143 00:14:25,498 --> 00:14:31,170 もう少しのところだった…。 悪運の強い男よ! 144 00:14:31,170 --> 00:14:33,473 おっ! (腹を刺す音) 145 00:14:37,043 --> 00:14:40,346 (弥五六)三成…! くっ…。 146 00:14:42,782 --> 00:14:45,518 たわけが! 147 00:14:45,518 --> 00:14:48,421 三成を討つ時は共にと誓うたに! 148 00:14:48,421 --> 00:14:54,127 (みつ)それゆえ お一人で 事を急がれたのでございましょう。 149 00:14:56,863 --> 00:14:59,766 (みつ) 「清正殿を道連れにしてはならぬ。➡ 150 00:14:59,766 --> 00:15:03,669 清正殿には 豊臣家を守っていただかねばならぬ。➡ 151 00:15:03,669 --> 00:15:08,141 三成ごときに かかずり合うて 前途を誤られてはならぬ」と…➡ 152 00:15:08,141 --> 00:15:11,144 私に そう言うておられました。 153 00:15:14,013 --> 00:15:17,316 ⚟急げ! 二手に分かれろ! 154 00:15:19,152 --> 00:15:24,490 では 三成のお言葉を信じて トラに切腹を…!? 155 00:15:24,490 --> 00:15:27,160 三成もトラも 豊臣の禄を食む者じゃ。 156 00:15:27,160 --> 00:15:33,032 お互い 助け合わねばならぬものを 私事の恨みで あのような…。 157 00:15:33,032 --> 00:15:36,169 言語道断じゃ! 許しておいては 示しがつかぬわ。 158 00:15:36,169 --> 00:15:40,840 こればかりはのう おかかのとりなしとて 許すわけにはいかぬぞ。 159 00:15:40,840 --> 00:15:43,176 トラという証拠が あってのことでございますか!? 160 00:15:43,176 --> 00:15:46,512 おかかはの トラをかわいがっておるゆえ かばいたい気持ちは よう分かるがのう。 161 00:15:46,512 --> 00:15:50,183 いいえ。 かばって言ってるのではございません。 162 00:15:50,183 --> 00:15:54,053 ご成敗する前に 何故 このようなことが起こったのか➡ 163 00:15:54,053 --> 00:15:57,056 お前様に お考えいただきとうて。 164 00:15:57,056 --> 00:16:03,129 たとえ トラが加担しておろうと 弥五六殿の一存でなさろうと➡ 165 00:16:03,129 --> 00:16:06,466 三成が憎くてしたのではございませぬ。 166 00:16:06,466 --> 00:16:09,135 皆 豊臣家のために! 167 00:16:09,135 --> 00:16:11,804 三成を討つのが忠義と言うか! 168 00:16:11,804 --> 00:16:19,679 いや 三成は三成の 弥五六殿やトラには それぞれのお考えがあってのご奉公。 169 00:16:19,679 --> 00:16:22,148 たとえ 道は違っても➡ 170 00:16:22,148 --> 00:16:25,485 豊臣家大事ということは 変わりはございませぬ。 171 00:16:25,485 --> 00:16:28,387 それを 片方だけ ご成敗なさるということは➡ 172 00:16:28,387 --> 00:16:31,090 筋違いでございましょう。 173 00:16:38,497 --> 00:16:46,205 お前様…。 お前様は 誰の力で これまで なられたのじゃ。 174 00:16:50,109 --> 00:16:53,846 弥五六殿のような ご家来衆が➡ 175 00:16:53,846 --> 00:17:01,654 命を顧みず お前様のために 働いてこられたからではございませぬか。 176 00:17:01,654 --> 00:17:05,458 それを お前様は 忘れておいでになられる。 177 00:17:05,458 --> 00:17:08,361 トラとて同じでございます。 178 00:17:08,361 --> 00:17:14,800 それを思ったら この度のこと どのようなお気持ちで したことか…。 179 00:17:14,800 --> 00:17:19,505 お前様とて お分かりでございましょう。 180 00:17:25,444 --> 00:17:29,148 昔は よかったのう。 181 00:17:29,148 --> 00:17:35,821 身内も家臣も 皆 心を一つにして…。 182 00:17:35,821 --> 00:17:40,526 いつから このようになってしもうたのかのう。 183 00:17:43,162 --> 00:17:46,499 正直言うてのう➡ 184 00:17:46,499 --> 00:17:54,373 わしは 誰を信じてええのか 分からんようになってしもうた。 185 00:17:54,373 --> 00:18:01,781 信じられるのは おかかと利家殿だけじゃ。 186 00:18:01,781 --> 00:18:07,453 (せきこみ) 187 00:18:07,453 --> 00:18:12,792 お体がお悪いのではございませぬか? 188 00:18:12,792 --> 00:18:17,463 わしも もう年じゃ。 189 00:18:17,463 --> 00:18:22,335 大坂城へも なかなか戻れず➡ 190 00:18:22,335 --> 00:18:30,042 おかかと ゆっくり話す暇もなかった。 ハハハ…。 191 00:18:30,042 --> 00:18:36,482 おかかがのう そばにいてくれぬと 心もとないわ。 192 00:18:36,482 --> 00:18:42,355 ハハハ…。 これからは せいぜい 大坂へも帰るようにしようのう。 193 00:18:42,355 --> 00:18:47,126 いつまで一緒にいられるか 分からぬからのう。 194 00:18:47,126 --> 00:18:49,061 (せきこみ) 195 00:18:49,061 --> 00:18:54,834 お前様らしゅうもない 気の弱いこと…。 196 00:18:54,834 --> 00:19:19,125 ♬~ 197 00:19:20,793 --> 00:19:30,469 (地鳴り) 198 00:19:30,469 --> 00:19:33,773 おかか! おかか! 199 00:20:13,045 --> 00:20:15,514 おかか…。 200 00:20:15,514 --> 00:20:19,518 おお おお… ああ…。 201 00:20:24,523 --> 00:20:26,525 あ…。 202 00:20:32,198 --> 00:20:35,868 ⚟殿下~! ⚟政所様! 203 00:20:35,868 --> 00:20:39,205 ⚟殿下~! ああ…。 204 00:20:39,205 --> 00:20:41,540 殿下 ご無事で! ああ…。 205 00:20:41,540 --> 00:20:43,476 淀殿や 拾君は? 206 00:20:43,476 --> 00:20:45,878 はい 諸所で建物が崩れ落ち➡ 207 00:20:45,878 --> 00:20:49,215 とても奥へは参れませぬ。 ああ~! 208 00:20:49,215 --> 00:20:52,118 ああっ 動かれては危のうございます! いつ何時 また余震が…。 209 00:20:52,118 --> 00:20:54,553 拾の安否を早う! はっ。 210 00:20:54,553 --> 00:20:56,489 (地鳴り) おっ! 211 00:20:56,489 --> 00:20:59,792 拾! 拾! 212 00:21:11,504 --> 00:21:15,841 のう まだ分からんのか 拾や茶々の安否は!? 213 00:21:15,841 --> 00:21:18,744 このようなありさまでは…。 214 00:21:18,744 --> 00:21:22,448 拾に もしものことがあったら…。 215 00:21:25,518 --> 00:21:28,854 トラではないか!? 政所様!? 216 00:21:28,854 --> 00:21:31,190 拾! 217 00:21:31,190 --> 00:21:35,494 拾! アッハッハッハ! よかった! よかった よかった! 218 00:21:37,062 --> 00:21:39,064 淀殿! 219 00:21:39,064 --> 00:21:41,834 (淀殿)どうなるかと思いました。 茶々。 220 00:21:41,834 --> 00:21:44,203 四方を がれきに埋められてしもうて…。 221 00:21:44,203 --> 00:21:49,542 (大蔵卿)清正殿が来てくださらなんだら とても出ることは かないませなんだ。 222 00:21:49,542 --> 00:21:53,879 殿下は お茶々殿のところと思うて 参りましたが➡ 223 00:21:53,879 --> 00:21:56,782 まさか 政所様が 伏見においでになるとは…。 224 00:21:56,782 --> 00:22:01,687 はあ~ よかった 何事ものうて。 225 00:22:01,687 --> 00:22:05,824 拾君も かすり傷一つ負われず。 226 00:22:05,824 --> 00:22:12,164 まあ お顔を見るまでは 生きた心地がしませなんだ。 227 00:22:12,164 --> 00:22:15,834 お分かりか? まんかか様じゃ。 228 00:22:15,834 --> 00:22:21,540 (拾)まんかか様。 ああ よう覚えていてくださいました。 229 00:22:25,844 --> 00:22:27,780 トラ! 230 00:22:27,780 --> 00:22:31,717 城の周囲は 厳重に警備の武士を手配してございます。 231 00:22:31,717 --> 00:22:35,854 また ただちに 城内を調べ 死人 けが人等を収容し➡ 232 00:22:35,854 --> 00:22:40,526 速やかに取り片づけるよう 申しつけてございます。 233 00:22:40,526 --> 00:22:42,461 大儀じゃった。 234 00:22:42,461 --> 00:22:47,399 今日よりのう そなたの謹慎は無用じゃ。 235 00:22:47,399 --> 00:22:52,538 ♬~ 236 00:22:52,538 --> 00:22:54,540 はっ! 237 00:22:56,208 --> 00:22:58,878 (長政)太閤殿下! おお 長政。 238 00:22:58,878 --> 00:23:02,481 (長政)皆様 ご無事で…! 安堵いたしました。 239 00:23:02,481 --> 00:23:05,384 よう来てくれたのう。 やや殿は? 240 00:23:05,384 --> 00:23:09,355 はい。 皆 無事に避難いたしてございます。 そうか。 241 00:23:09,355 --> 00:23:13,125 ただいま 仮の御座所の手配もいたしました。 242 00:23:13,125 --> 00:23:18,030 おお! さすが長政じゃ。 あとは よろしゅう取り計ろうてくれ。 243 00:23:18,030 --> 00:23:25,704 はい。 ご案じなされますな。 それでは。 ささ…。 244 00:23:25,704 --> 00:23:31,844 おかか…。 長政といい トラといい➡ 245 00:23:31,844 --> 00:23:38,150 我らのことを思うてくれるのが こたびのことで よう分かった。 246 00:23:40,519 --> 00:23:44,390 茶々 けがはなかったか? 247 00:23:44,390 --> 00:23:50,195 はい。 よかった。 よかった よかった…。 248 00:23:50,195 --> 00:23:56,535 <この地震の時の働きにより 加藤清正の蟄居が解け➡ 249 00:23:56,535 --> 00:24:03,342 また 能登に流罪になっていた 浅野幸長の罪も許された> 250 00:24:03,342 --> 00:24:07,479 よかったのう。 はっ。 251 00:24:07,479 --> 00:24:14,353 <ねねは ひととき ほっとしたが それも つかの間のことであった> 252 00:24:14,353 --> 00:24:25,030 ♬~ 253 00:24:25,030 --> 00:24:31,503 <文禄5年8月29日 明の使節一行が 大坂へ着き➡ 254 00:24:31,503 --> 00:24:36,809 9月1日 秀吉は 大坂城で 使節らを引見した> 255 00:24:39,378 --> 00:24:45,517 <しかし 明王からの国書が 講和条件に何一つ触れていないばかりか➡ 256 00:24:45,517 --> 00:24:49,188 日本を 明の属国扱いしているものであるとは➡ 257 00:24:49,188 --> 00:24:52,491 行長らが知る由もなかった> 258 00:24:55,060 --> 00:24:57,529 <これを知った秀吉は激怒し➡ 259 00:24:57,529 --> 00:25:04,136 翌慶長2年 ねねの心配をよそに 宇喜多秀家 毛利秀元を総大将に➡ 260 00:25:04,136 --> 00:25:09,475 14万に及ぶ大軍が 再び渡海していった。➡ 261 00:25:09,475 --> 00:25:13,812 清正も 行長と共に 先鋒として再び出陣し➡ 262 00:25:13,812 --> 00:25:19,818 ここにまた 大義名分のない苦しい戦が始まった> 263 00:25:53,185 --> 00:25:58,056 (孝蔵主)政所様。 太閤殿下が ご帰城なされました。 264 00:25:58,056 --> 00:26:01,994 突然 何事であろう…。 265 00:26:01,994 --> 00:26:04,296 (孝蔵主)さあ…。 266 00:26:25,117 --> 00:26:27,820 お戻りなされませ。 267 00:26:41,500 --> 00:26:45,838 ご気分が すぐれませぬのか? 268 00:26:45,838 --> 00:26:48,507 まあ お顔の色が…。 269 00:26:48,507 --> 00:26:51,844 しばらく お休みなされたら…。 270 00:26:51,844 --> 00:26:55,514 おかか…。 271 00:26:55,514 --> 00:26:59,818 足利義昭殿が亡くなられた。 272 00:27:03,322 --> 00:27:07,326 わしと同じ 61じゃ。 273 00:27:09,061 --> 00:27:16,468 義昭殿とは 義昭殿が 信長様を頼ってこられた時から➡ 274 00:27:16,468 --> 00:27:21,173 戦乱の世を生き抜いてきたお人じゃった。 275 00:27:29,815 --> 00:27:37,489 義昭殿には わしも 随分と ひどい目にも遭わされたわ。 276 00:27:37,489 --> 00:27:45,164 じゃが 義昭殿は わしにとって よきにつけ あしきにつけ➡ 277 00:27:45,164 --> 00:27:48,500 忘れられぬお方じゃ。 278 00:27:48,500 --> 00:27:56,375 義昭殿はのう 到底 わしには及びもつかぬほど したたかに➡ 279 00:27:56,375 --> 00:28:00,112 この乱世を生きてこられた。 280 00:28:00,112 --> 00:28:07,786 じゃが あれほどのお方でも 年には勝てん。 281 00:28:07,786 --> 00:28:14,126 それが 人の定めというものよのう。 282 00:28:14,126 --> 00:28:25,137 また 小早川隆景殿も つい先頃 不帰の客となられてしもうた。 283 00:28:25,137 --> 00:28:33,145 隆景殿とはのう 若い頃より 無二の盟友じゃった。 284 00:28:36,748 --> 00:28:46,825 わしにとって懐かしいお人を 2人も続けて失うてしもうた。 285 00:28:46,825 --> 00:28:49,728 わし…。(せきこみ) わしとて➡ 286 00:28:49,728 --> 00:28:53,165 いつ 後を追うようになるやもしれぬわ。 お前様…。 287 00:28:53,165 --> 00:28:57,035 (せきこみ) 医者には 診てもろうておいでになりますか? 288 00:28:57,035 --> 00:29:00,439 お加減が悪いのに 大坂などに…。 289 00:29:00,439 --> 00:29:04,309 いや ちと せきが出るだけじゃ。 大したことはないわ。 290 00:29:04,309 --> 00:29:08,313 あ… あ…。 おかかと急に話がしとうなってのう。 291 00:29:08,313 --> 00:29:12,050 お前様らしゅうもない 気の弱いことを。 さあ…。 292 00:29:12,050 --> 00:29:15,988 何やら 急に心細うなってしもうて。 293 00:29:15,988 --> 00:29:21,727 おお…! ああ 大事ない。 大事ない。 294 00:29:21,727 --> 00:29:25,464 こういうことがのう言えるのも おかかだけじゃ。 295 00:29:25,464 --> 00:29:30,335 太閤秀吉は いつでも どこでも 太閤秀吉でおらねばならん。 296 00:29:30,335 --> 00:29:35,641 それが 近頃 ひどうつろうなった。 年かのう。 297 00:29:42,014 --> 00:29:49,021 おかか。 おかかが一番じゃ。 ハハハ…。 298 00:29:51,490 --> 00:30:01,199 ああ~。 ああ… こうしておると 昔の藤吉郎に返ったような気がするわ。 299 00:30:04,069 --> 00:30:16,381 のう おかか。 わしにとって 藤吉郎の頃が 一番 花じゃったかもしれんのう。 300 00:30:18,183 --> 00:30:20,886 太閤は重いわ。 301 00:30:22,521 --> 00:30:25,857 お前様は疲れておいでじゃ。 302 00:30:25,857 --> 00:30:29,194 しばらく 何もかも忘れて➡ 303 00:30:29,194 --> 00:30:34,199 有馬に湯治に行かれたら。 うん? 304 00:30:36,068 --> 00:30:41,073 何よりも お体をおいといあそばさねば…。 305 00:30:42,741 --> 00:30:50,482 のう おかか…。 わしが死んだら➡ 306 00:30:50,482 --> 00:30:53,418 豊臣は どうなるのかのう。 307 00:30:53,418 --> 00:30:58,890 お前様らしゅうもない。 縁起でもない。 308 00:30:58,890 --> 00:31:03,729 拾は 5つじゃ。 309 00:31:03,729 --> 00:31:06,031 不憫じゃ。 310 00:31:09,167 --> 00:31:14,840 そうじゃ 拾を元服させよう。 311 00:31:14,840 --> 00:31:18,176 朝廷に奏請して 官位ももろうてやらねば。 312 00:31:18,176 --> 00:31:21,513 まだ あの幼い拾君を…。 313 00:31:21,513 --> 00:31:26,384 いや わしがしてやれるうちは 拾には できるだけのことをしてやらねば。 314 00:31:26,384 --> 00:31:28,387 それが 父親としてのつとめじゃ。 315 00:31:28,387 --> 00:31:33,125 (せきこみ) 316 00:31:33,125 --> 00:31:36,061 こうしてはおられぬて。 317 00:31:36,061 --> 00:31:41,533 ♬~ 318 00:31:41,533 --> 00:31:45,403 <慶長2年9月28日➡ 319 00:31:45,403 --> 00:31:52,177 秀吉は 禁中で拾を元服させ 名も 秀頼と改めさせた。➡ 320 00:31:52,177 --> 00:31:59,551 僅か5歳の童子に 従四位下 左近衛権少将に叙任を賜った。➡ 321 00:31:59,551 --> 00:32:05,557 秀吉が急におかしな行動を取り始めたのも そのころからであった> 322 00:32:07,159 --> 00:32:12,497 <ねねと秀頼を連れて 方々の知人の屋敷を回り始めたのである> 323 00:32:12,497 --> 00:32:19,171 ハッハッハッハ。 利家殿には 秀頼の守り役をお願い申しておりまする。 324 00:32:19,171 --> 00:32:24,509 利家殿がついていてくだされたら 何も言うことはござりませぬわ。 325 00:32:24,509 --> 00:32:28,847 (利家)大任じゃが 老骨に むち打って…。 326 00:32:28,847 --> 00:32:35,187 我ら夫婦は 利家殿とおまつ様には 足を向けては寝られませぬて。 327 00:32:35,187 --> 00:32:38,857 おかかと一緒になった時から とうとう 今まで➡ 328 00:32:38,857 --> 00:32:42,194 利家殿とおまつ様には お世話になりっぱなしじゃ。 329 00:32:42,194 --> 00:32:44,529 利家殿がおられなんだら➡ 330 00:32:44,529 --> 00:32:48,200 おかかと一緒になることは なりませなんだわ。 ハッハッハ。 331 00:32:48,200 --> 00:32:51,870 わしをだしにして よう ねね殿のところへ通うたのう。 332 00:32:51,870 --> 00:32:56,208 ほれ 自分で手土産を買うておいては わしからじゃと言うて。 333 00:32:56,208 --> 00:33:00,478 利家殿 それは ないしょでござりまするわ。 334 00:33:00,478 --> 00:33:04,149 ねね殿は まだ ご存じないのか? 335 00:33:04,149 --> 00:33:07,819 まあ… 初めて伺いました。 336 00:33:07,819 --> 00:33:10,488 今でも あの時のものは➡ 337 00:33:10,488 --> 00:33:15,494 犬千代様から頂いたものとばかり 思っとり…。 338 00:33:19,164 --> 00:33:23,034 (まつ)それほどまでに ねね様のことを思うておられましたのか。 339 00:33:23,034 --> 00:33:26,037 おうおう その一念が通じたのよ。 340 00:33:26,037 --> 00:33:31,743 わしは 利家殿の馬のあとについて 夢中で走りましたわ。 ハッハッハ。 341 00:33:31,743 --> 00:33:36,514 ねねに会えると思うたら 少しも つろうことはありませなんだ。 342 00:33:36,514 --> 00:33:39,851 お前様…。 いや まことじゃ。 343 00:33:39,851 --> 00:33:44,723 わしは このごろ よう あのころのことを思い出します。 344 00:33:44,723 --> 00:33:47,525 天下を取った時よりも➡ 345 00:33:47,525 --> 00:33:51,196 ねねが わしのおかかになってもええと 言うてくれた時が➡ 346 00:33:51,196 --> 00:33:53,532 一番 うれしゅうござりましたわ。 347 00:33:53,532 --> 00:33:57,202 秀吉殿は果報者じゃ。 はい。 348 00:33:57,202 --> 00:34:02,040 おかかが運を運んでくれたと 思うておりまする。 349 00:34:02,040 --> 00:34:07,812 そのおかかを泣かせるようなことも いたしましたがのう。 350 00:34:07,812 --> 00:34:11,149 いや わしには おかかがのうては➡ 351 00:34:11,149 --> 00:34:15,020 手足がないのも同じでござりまするわ。 ハハハッ。 352 00:34:15,020 --> 00:34:18,823 お前様 今日は どうかなされておられるわ。 353 00:34:18,823 --> 00:34:24,496 いや 利家殿とおまつ様の前で 一度 言うておきたかったのよ。 354 00:34:24,496 --> 00:34:28,366 利家殿とおまつ様は 我らが夫婦の仲人じゃ。 355 00:34:28,366 --> 00:34:32,170 それが 利家殿とおまつ様への礼の言葉よ。 356 00:34:32,170 --> 00:34:37,042 おお よう言うてくだされた。 我々も それを聞いて➡ 357 00:34:37,042 --> 00:34:40,512 仲人したかいがあったというものじゃ。 358 00:34:40,512 --> 00:34:44,849 これからも末永う お二人で仲ように…。 359 00:34:44,849 --> 00:34:49,721 おまつ様。 おかかにとって おまつ様だけが➡ 360 00:34:49,721 --> 00:34:53,858 心許せるお方でござりまする。 361 00:34:53,858 --> 00:34:58,530 何とぞ 昔と変わらず 力になってやってくだされのう。 362 00:34:58,530 --> 00:35:01,232 お願い申し上げまする。 363 00:35:03,802 --> 00:35:07,505 ハハハ… うまいか? 364 00:35:10,141 --> 00:35:12,844 どれ…。 365 00:35:15,480 --> 00:35:18,383 <秀吉は真剣であった。➡ 366 00:35:18,383 --> 00:35:26,124 ねねには そんな秀吉の心がはかりかね また 不安であった> 367 00:35:26,124 --> 00:35:31,496 家康殿には あさひをもろうていただきながら➡ 368 00:35:31,496 --> 00:35:34,833 あのようなことになってしもうてのう。 369 00:35:34,833 --> 00:35:41,172 じゃが わしは 今でも 家康殿は わしの妹婿じゃと思うておりまする。 370 00:35:41,172 --> 00:35:49,047 ハハハッ。 ああ 秀頼のこととてのう 家康殿がついていてくだされたら➡ 371 00:35:49,047 --> 00:35:55,053 もう 秀吉 心残りはござりませぬわ。 ああ。 372 00:35:56,721 --> 00:35:59,858 わしはのう 昔➡ 373 00:35:59,858 --> 00:36:06,131 家康殿こそ 天下を取られるお方じゃと 思うたことがござった。 374 00:36:06,131 --> 00:36:10,802 ほれ 金ヶ崎の退き口よ。 375 00:36:10,802 --> 00:36:18,143 浅井長政が寝返って 信長様はじめ我らは 朝倉と浅井に挟み撃ちに遭い➡ 376 00:36:18,143 --> 00:36:20,478 袋のねずみになってしもうて…。 377 00:36:20,478 --> 00:36:28,353 (家康)ああ 秀吉殿が殿をつとめられた あの…。 378 00:36:28,353 --> 00:36:33,825 それ以後のう わしは 家康殿が恐ろしゅうてのう➡ 379 00:36:33,825 --> 00:36:39,497 ゆめゆめ 敵に回して戦をしてはならぬと 肝に銘じてまいりましたわ。 380 00:36:39,497 --> 00:36:44,369 いや これは 恐れ入りましてござる。 381 00:36:44,369 --> 00:36:49,507 その家康殿と無二の盟友になれたのじゃ。 382 00:36:49,507 --> 00:36:52,844 これほど頼もしいことはござりませぬわ。 383 00:36:52,844 --> 00:36:59,517 家康殿と利家殿が車の両輪になって 豊臣を支えてくだされたら➡ 384 00:36:59,517 --> 00:37:01,786 豊臣は盤石じゃ。 385 00:37:01,786 --> 00:37:09,794 家康殿 何とぞ よろしゅうお頼申しまするぞ。 386 00:37:14,799 --> 00:37:17,469 (小督)よう おいでくださいました。➡ 387 00:37:17,469 --> 00:37:20,805 秀忠殿には優しゅうしていただいて➡ 388 00:37:20,805 --> 00:37:24,142 小督は果報者と ありがとう思うております。 389 00:37:24,142 --> 00:37:29,013 これも ひとえに 太閤殿下と政所様のおかげにございます。 390 00:37:29,013 --> 00:37:31,816 アハハ。 それは何よりじゃ。 391 00:37:31,816 --> 00:37:37,489 秀忠殿は 徳川家のお世継ぎ。 小督殿は 茶々の妹御。 392 00:37:37,489 --> 00:37:40,825 秀頼にとっては 叔父 叔母にあたられる。 393 00:37:40,825 --> 00:37:46,164 ハハハ。 ええ叔父と叔母を持って 秀頼は幸せよのう。 394 00:37:46,164 --> 00:37:53,872 徳川家が秀頼のお味方をくだされたら もう何の心配も要らぬわ。 のう おかか。 395 00:37:55,507 --> 00:37:59,844 政所様。 千姫にございます。 396 00:37:59,844 --> 00:38:02,113 おお! ハッハッハッハ。 397 00:38:02,113 --> 00:38:06,451 姫が誕生なされたと伺いましたが このお子が…。 398 00:38:06,451 --> 00:38:09,354 ああ 千姫か。 アハハハ。 399 00:38:09,354 --> 00:38:13,124 お市の方様の血を 引いておられるだけあって➡ 400 00:38:13,124 --> 00:38:17,462 成人した時がしのばれる 美しいお子じゃ。 アッハッハッハ。 401 00:38:17,462 --> 00:38:21,332 (秀忠)この次は男の子を産んでくれと 申してあります。 402 00:38:21,332 --> 00:38:25,336 いずれは 秀頼には ええ遊び相手になってくれましょう。 403 00:38:25,336 --> 00:38:27,805 楽しみじゃのう。 のう…。 404 00:38:27,805 --> 00:38:32,811 あっ 秀頼。 あ これ 何をしておる。 秀頼。 405 00:38:43,354 --> 00:38:46,825 (淀殿) どういうご所存にございましょうか。 406 00:38:46,825 --> 00:38:49,494 太閤殿下ともあろうお方が➡ 407 00:38:49,494 --> 00:38:56,167 わざわざ 臣下の者たちの屋敷にまで 下向なされるなど…。 408 00:38:56,167 --> 00:39:01,973 御用がおありならば お召しになれば 済むことではございませぬか。 409 00:39:01,973 --> 00:39:05,777 さあ。 ああ。 410 00:39:05,777 --> 00:39:12,450 小姓部屋の者たちから 外様の伊達政宗の屋敷へまで➡ 411 00:39:12,450 --> 00:39:16,120 頭を下げて回られるなど➡ 412 00:39:16,120 --> 00:39:23,127 太閤殿下のご体面にも関わると 三成たちも案じておりまする。 413 00:39:25,129 --> 00:39:28,100 訳などないわ。 414 00:39:28,100 --> 00:39:35,139 行きたいと思うたゆえ 行ったまでじゃ。 415 00:39:35,139 --> 00:39:39,010 皆にも ええ迷惑でございましょう。 416 00:39:39,010 --> 00:39:42,013 ええかげんになされませ。 417 00:39:47,719 --> 00:39:52,156 そなたは 若い…。 418 00:39:52,156 --> 00:39:57,028 羨ましいのう。 419 00:39:57,028 --> 00:40:04,168 若い者に わしの気持ちなど 分かりはせぬて。 420 00:40:04,168 --> 00:40:28,860 ♬~ 421 00:40:28,860 --> 00:40:39,203 秀頼 せめて そなたが成人するのを 見届けることができたらのう。 422 00:40:39,203 --> 00:40:44,075 ♬~ 423 00:40:44,075 --> 00:40:52,550 (騒ぎ声) 424 00:40:52,550 --> 00:40:56,888 あっ! こりゃ こりゃ こりゃ どうした! 425 00:40:56,888 --> 00:40:59,791 あっ! おい おい おい! 426 00:40:59,791 --> 00:41:08,166 ♬~ 427 00:41:08,166 --> 00:41:13,504 秀頼のことを頼んだぞ。 428 00:41:13,504 --> 00:41:17,842 ♬~ 429 00:41:17,842 --> 00:41:25,183 秀吉殿は 身も心も すっかり弱くなられて…。 430 00:41:25,183 --> 00:41:35,193 私には 皆様に お別れを言うて 回られてるような気がしてなりませぬ。 431 00:41:35,193 --> 00:41:40,064 確かに 秀吉殿らしゅうないご所業じゃが➡ 432 00:41:40,064 --> 00:41:46,204 小早川隆景殿 足利義昭殿が 相次いで亡くなられたゆえ➡ 433 00:41:46,204 --> 00:41:49,874 急に 無常の風に お吹かれなされてのことであろう。 434 00:41:49,874 --> 00:41:53,745 あまり深うお考えなさらずとも…。 435 00:41:53,745 --> 00:41:58,883 もともと 秀吉殿は お心のお優しいお方じゃ。 436 00:41:58,883 --> 00:42:03,488 昔のことを懐かしゅう思われて…。 437 00:42:03,488 --> 00:42:08,826 それならばよろしいのでございますが…。 438 00:42:08,826 --> 00:42:14,165 何やら 不吉な気がいたしまして…。 439 00:42:14,165 --> 00:42:16,167 ねね殿。 440 00:42:18,503 --> 00:42:24,175 私が おそばで お仕えできれば よろしいのでございますが➡ 441 00:42:24,175 --> 00:42:29,514 そうそう 伏見城にいるわけにはまいりませぬ。 442 00:42:29,514 --> 00:42:35,186 利家殿に 秀吉殿のことをお願いいたさねば…。 443 00:42:35,186 --> 00:42:41,859 ねね様は 秀吉殿のご正室でありながら…。 444 00:42:41,859 --> 00:42:51,202 今は 秀頼君と淀殿を お立てせねば…。 445 00:42:51,202 --> 00:42:55,540 私の役目も終わりました。 446 00:42:55,540 --> 00:43:00,144 ♬~ 447 00:43:00,144 --> 00:43:07,485 <ねねの不安どおり 秀吉の病は 日増しに募っていった。➡ 448 00:43:07,485 --> 00:43:13,157 その年が明け 慶長3年になると いよいよ 明国が出兵し➡ 449 00:43:13,157 --> 00:43:19,497 厳冬を迎えて 朝鮮戦線は 各地で惨敗が相次いだ。➡ 450 00:43:19,497 --> 00:43:23,367 敗戦の知らせに 秀吉の心痛は募り➡ 451 00:43:23,367 --> 00:43:29,507 それが 秀吉の心身を ますます むしばみ始めていた> 452 00:43:29,507 --> 00:43:46,524 ♬~