1 00:00:02,069 --> 00:02:37,057 ♬~ 2 00:02:39,159 --> 00:02:47,834 ♬~ 3 00:02:47,834 --> 00:02:51,171 <天文6年2月6日➡ 4 00:02:51,171 --> 00:02:56,510 尾張国愛知郡 中村の 百姓の子として生まれ➡ 5 00:02:56,510 --> 00:02:59,413 織田信長の足軽から身を起こし➡ 6 00:02:59,413 --> 00:03:03,784 その類いまれなる才覚と 努力と強運とによって➡ 7 00:03:03,784 --> 00:03:10,657 ついに天下人となり 関白太政大臣 従一位にまで上り詰めた秀吉も➡ 8 00:03:10,657 --> 00:03:13,126 老いと病には勝てず➡ 9 00:03:13,126 --> 00:03:22,135 最期は 一子 秀頼に思いを残しながら 62歳の華麗な人生を閉じた。➡ 10 00:03:22,135 --> 00:03:26,006 慶長3年8月18日➡ 11 00:03:26,006 --> 00:03:33,146 ねねと清洲で祝言を挙げてから 37年目のことであった。➡ 12 00:03:33,146 --> 00:03:36,817 ひたすら秀吉のおかかとして 生きてきた ねねは➡ 13 00:03:36,817 --> 00:03:40,687 葬儀を済ませたら 一族の菩提を弔うため出家し➡ 14 00:03:40,687 --> 00:03:43,690 ひっそりと余生を送るつもりであった。➡ 15 00:03:43,690 --> 00:03:48,161 …が 事態は ねねの思うままにはならなかった> 16 00:03:48,161 --> 00:03:54,034 (ねね)では 秀吉殿の葬儀はできぬと 言われますのか? 17 00:03:54,034 --> 00:03:59,172 (家康)今も朝鮮に陣を張っておりまする 将兵は 10万。 18 00:03:59,172 --> 00:04:06,179 これを一日も早う無事に引き揚げることが 焦眉の急にございまする。 19 00:04:07,981 --> 00:04:16,123 それは 秀吉殿が 何よりも お気にかけておられたこと…。 20 00:04:16,123 --> 00:04:22,996 朝鮮での戦は 一生の不覚じゃと 悔いておられました。 21 00:04:22,996 --> 00:04:29,469 今は 一日も早う お家もとに お帰しするのが➡ 22 00:04:29,469 --> 00:04:34,341 秀吉殿のお心に添うものと存じます。 23 00:04:34,341 --> 00:04:36,810 じゃが…。 24 00:04:36,810 --> 00:04:41,148 (家康)我らとて 太閤殿下のご遺言を守るために…。 25 00:04:41,148 --> 00:04:47,020 それには 殿下のご逝去を内密にせねば 事は成りませぬ。 26 00:04:47,020 --> 00:04:52,159 もし 殿下のご逝去が知れましたら 将兵たちは動揺し➡ 27 00:04:52,159 --> 00:04:55,862 どのような混乱に陥るやもしれませぬ。 28 00:04:57,497 --> 00:05:03,770 今のところ 殿下ご逝去のことは 我ら大老 ならびに 五奉行➡ 29 00:05:03,770 --> 00:05:08,108 そのほか ごく一部の者しか存じませぬ。 30 00:05:08,108 --> 00:05:14,781 諸大名とて ご重体としか知らされてございませぬ。 31 00:05:14,781 --> 00:05:20,654 ここは 殿下のご容体 持ち直したということにして…。 32 00:05:20,654 --> 00:05:25,125 では 秀吉殿のご遺体は…? 33 00:05:25,125 --> 00:05:29,996 ひとまず 内々にて密葬を執り行い➡ 34 00:05:29,996 --> 00:05:37,704 全ての将兵が帰国をいたしましたる暁に 改めて 全国に 殿下の喪を告げ➡ 35 00:05:37,704 --> 00:05:40,707 盛大なるご葬儀を…。 36 00:05:43,143 --> 00:05:46,846 (利家)ねね殿には 不本意でござろうが…。 37 00:05:49,482 --> 00:05:53,353 政所様のご胸中 お察しいたしまする。 38 00:05:53,353 --> 00:05:58,825 じゃが これも…。 39 00:05:58,825 --> 00:06:02,696 よう分かりました。 40 00:06:02,696 --> 00:06:07,400 10万の将兵の命には代えられませぬ。 41 00:06:09,769 --> 00:06:14,441 じゃが いつまで…。 42 00:06:14,441 --> 00:06:19,112 我らとて しかとは…。 43 00:06:19,112 --> 00:06:23,984 何と言うても 10万からの将兵を➡ 44 00:06:23,984 --> 00:06:28,455 限られた船にて 海を渡って運ばねばなりませぬ。 45 00:06:28,455 --> 00:06:35,328 しかも 目下のところ 海上は 敵の水軍に押さえられ➡ 46 00:06:35,328 --> 00:06:40,800 我が方は 航行 難渋しておりまする。 47 00:06:40,800 --> 00:06:44,504 今年中に成りまするかどうか…。 48 00:06:47,474 --> 00:06:53,813 秀吉殿も 因果なお方じゃ。 49 00:06:53,813 --> 00:07:02,122 位人臣を極めながら 葬儀も 人並みにしておもらいになれぬとは…。 50 00:07:08,094 --> 00:07:16,436 じゃが 朝鮮での戦は 秀吉殿がなすったこと…。 51 00:07:16,436 --> 00:07:20,307 自業自得かもしれませぬ。 52 00:07:20,307 --> 00:07:23,310 今は 葬儀よりも➡ 53 00:07:23,310 --> 00:07:30,317 一日も早う 引き揚げを全うすることを 望んでおりましょう。 54 00:07:31,985 --> 00:07:38,992 どうぞ よろしゅうにお願いいたします。 55 00:07:43,463 --> 00:07:49,336 政所様のお許しを得て 安堵つかまつりました。 56 00:07:49,336 --> 00:07:53,039 ならば 直ちに。 57 00:07:56,476 --> 00:08:00,080 <秀吉が没して7日後の8月25日➡ 58 00:08:00,080 --> 00:08:06,753 家康と利家は その死を隠したまま 秀吉の命令として 使者を朝鮮に派遣。➡ 59 00:08:06,753 --> 00:08:13,426 諸将に対して 速やかに和を講じ 軍を帰すよう命じた> 60 00:08:13,426 --> 00:08:21,301 (小督)こたびの太閤殿下のこと お慰め申し上げる言葉もございませぬ。 61 00:08:21,301 --> 00:08:27,974 小督殿にも いろいろ気遣うていただいて…。 62 00:08:27,974 --> 00:08:34,447 我らは 殊の外 殿下には いとおしんでいただきました。 63 00:08:34,447 --> 00:08:37,117 小谷落城の折➡ 64 00:08:37,117 --> 00:08:40,987 我らを迎えに来てくだされたのも 殿下でございました。➡ 65 00:08:40,987 --> 00:08:46,459 北の庄落城で 再び 我ら姉妹は 殿下に助けていただきました。 66 00:08:46,459 --> 00:08:53,133 我ら姉妹にとって 殿下は忘れられぬお方にございます。 67 00:08:53,133 --> 00:08:56,035 小督殿に そう言うていただけたら➡ 68 00:08:56,035 --> 00:09:02,409 秀吉殿とて 何よりの慰めになりましょう。 69 00:09:02,409 --> 00:09:09,282 そのご恩返しもいたしませず まだ ご葬儀も済みませぬのに➡ 70 00:09:09,282 --> 00:09:12,752 こたび 江戸に下ることになりました。 71 00:09:12,752 --> 00:09:16,623 それは おさみしゅうなりますな。 72 00:09:16,623 --> 00:09:21,428 淀殿も 心細うなられましょうに。 73 00:09:21,428 --> 00:09:24,330 姉上には 政所様がおられます。 74 00:09:24,330 --> 00:09:30,103 姉上が頼りにできるお方は 政所様しかおられませぬ。 75 00:09:30,103 --> 00:09:36,443 おいとま乞いとともに 姉上のことをお願いしとうて…。 76 00:09:36,443 --> 00:09:42,315 小督殿。 姉上を思われる そのお気持ち➡ 77 00:09:42,315 --> 00:09:47,787 いつまでも大事にしてくだされ。 78 00:09:47,787 --> 00:09:55,662 秀吉殿亡きあと 豊臣家は 徳川のお力添えがのうては…。 79 00:09:55,662 --> 00:10:00,366 その仲立ちをしてくださるのは 小督殿じゃ。 80 00:10:03,136 --> 00:10:07,474 秀頼君や淀殿のためにも…。 81 00:10:07,474 --> 00:10:16,149 はい。 私とて そのために徳川へ嫁いだと 心得ております。 82 00:10:16,149 --> 00:10:21,020 政所様も お力落としでございましょうが➡ 83 00:10:21,020 --> 00:10:26,159 どうか お体をおいといなされて…。 84 00:10:26,159 --> 00:10:30,830 私は 大坂に戻らねばなりませぬ。 85 00:10:30,830 --> 00:10:36,503 小督殿も また 大坂に来られる時もございましょう。 86 00:10:36,503 --> 00:10:40,840 お目もじを楽しみにしております。 87 00:10:40,840 --> 00:10:43,143 政所様…。 88 00:10:44,711 --> 00:10:47,714 息災でのう。 89 00:10:47,714 --> 00:10:53,186 (淀殿)では 政所様は 大坂へ? 90 00:10:53,186 --> 00:11:00,793 いずれ 秀頼君も 大坂城に お入りになられます。 91 00:11:00,793 --> 00:11:04,130 いろいろと おつらいこともございましょう。 92 00:11:04,130 --> 00:11:06,466 おいたわしい…。 93 00:11:06,466 --> 00:11:11,804 (大蔵卿)秀頼君には ええご家臣が 大勢ついてくだされております。 94 00:11:11,804 --> 00:11:16,676 誰にも どなたにも 指一本 触れることはなりますまい。 95 00:11:16,676 --> 00:11:20,813 たとえ 家康殿とて…。 96 00:11:20,813 --> 00:11:27,487 政所様は 家康殿の動きを ご存じでいらせられますか? 97 00:11:27,487 --> 00:11:30,823 家康殿が なんぞ…? 98 00:11:30,823 --> 00:11:33,493 (大蔵卿)太閤殿下のご遺言で➡ 99 00:11:33,493 --> 00:11:38,831 五大老の筆頭として 豊臣家を守るお立場にありながら➡ 100 00:11:38,831 --> 00:11:43,503 太閤殿下の喪中にもかかわらず しばしば 朝廷に伺候し➡ 101 00:11:43,503 --> 00:11:48,841 また 有力な大名を味方につけんと 日夜 奔走いたしております。 102 00:11:48,841 --> 00:11:55,715 このまま 家康殿の勝手を許さば 天下は 家康のほしいままになろうと➡ 103 00:11:55,715 --> 00:11:58,851 皆 憂慮いたしております。 104 00:11:58,851 --> 00:12:02,722 どなたが そのようなことを…。 105 00:12:02,722 --> 00:12:09,128 (大蔵卿)秀頼君を大事と思うておられる 心ある者は 皆…。 106 00:12:09,128 --> 00:12:16,002 淀殿。 家康殿は 秀吉殿のご遺言どおり➡ 107 00:12:16,002 --> 00:12:20,473 政務を 代行なされているだけでございます。 108 00:12:20,473 --> 00:12:25,144 殿下がご病気で滞っておった政務を 処理なされるのは➡ 109 00:12:25,144 --> 00:12:28,481 家康殿をおいて ほかにはございませぬ。 110 00:12:28,481 --> 00:12:31,818 それを そのような目で ご覧になっては➡ 111 00:12:31,818 --> 00:12:35,688 うまくいくものも うまくはまいりませぬ。 112 00:12:35,688 --> 00:12:39,158 誰がどのようなことをお耳に入れようと➡ 113 00:12:39,158 --> 00:12:42,061 軽々しゅう 言うままにはなってはなりませぬ。 114 00:12:42,061 --> 00:12:44,831 (大蔵卿)政所様! 115 00:12:44,831 --> 00:12:48,501 太閤殿下が お決めになったことじゃ。 116 00:12:48,501 --> 00:12:54,374 今は 一人でも 家康殿に不信の念を抱いてはなりませぬ。 117 00:12:54,374 --> 00:12:58,845 それでは 豊臣家が 二つに割れてしまいましょう。 118 00:12:58,845 --> 00:13:04,651 太閤殿下のご遺志に背くことになります。 119 00:13:04,651 --> 00:13:08,454 今は 私どもが心を一つにして➡ 120 00:13:08,454 --> 00:13:12,158 秀頼君をお守りせねば…。 121 00:13:14,794 --> 00:13:19,499 どうぞ お心なされませ。 122 00:13:23,803 --> 00:13:28,675 <その年の9月 秀吉の密葬を無事終えて➡ 123 00:13:28,675 --> 00:13:32,679 ねねは また 大坂へ戻ってきた> 124 00:13:38,351 --> 00:13:49,362 お前様 また 大坂に戻ってまいりました。 125 00:13:52,165 --> 00:13:57,503 こうしておりますと➡ 126 00:13:57,503 --> 00:14:06,813 また お前様が ひょっこり 帰ってこられるような気がして…。 127 00:14:08,448 --> 00:14:11,150 (秀吉)おかか! 128 00:14:28,768 --> 00:14:33,072 おかか 戻った。 129 00:14:56,829 --> 00:14:58,831 おかか。 130 00:15:24,457 --> 00:15:31,631 ♬~ 131 00:15:31,631 --> 00:15:34,667 おかか 戻った。 132 00:15:34,667 --> 00:15:36,669 戻ったぞ。 133 00:15:38,404 --> 00:15:42,141 お前様! アッハッハッハッハ! 134 00:15:42,141 --> 00:15:44,076 いろいろと面倒をかけるのう。 135 00:15:44,076 --> 00:15:49,482 お前様は ひどいお方じゃ。 何もかも放り出されて 一人で さっさと。 136 00:15:49,482 --> 00:15:54,821 後に残された者の身になってくだされ。 ハッハッハッハ。 すまん すまん。 137 00:15:54,821 --> 00:15:58,157 私も一緒に 連れてっていただきとうございます。 138 00:15:58,157 --> 00:16:00,760 生きていたとて 詮ない命…。 139 00:16:00,760 --> 00:16:05,097 そう言うな。 おかかには 豊臣家と秀頼を 見守ってもらわねばならん。 140 00:16:05,097 --> 00:16:07,033 それが おかかのつとめじゃ。 141 00:16:07,033 --> 00:16:11,437 お前様のおらぬ豊臣家は この先 どうなりますことやら。 142 00:16:11,437 --> 00:16:15,308 わしとて気にかかるゆえ おかかに頼んでおるのではないか。 143 00:16:15,308 --> 00:16:21,447 淀殿や秀頼君は とても私の手に負えませぬ。 144 00:16:21,447 --> 00:16:25,117 秀頼はのう おかかの子でもある。 145 00:16:25,117 --> 00:16:28,788 見捨ててくれるな。 気に入らずば 殴ってもええ。 146 00:16:28,788 --> 00:16:31,457 おかかの思うたとおりの男子に 育ててくれ。 147 00:16:31,457 --> 00:16:34,360 秀頼君を 私のこの手で? 148 00:16:34,360 --> 00:16:37,797 おうおうおう 殴れ 殴れ。 ハッハッハッハッハ! 149 00:16:37,797 --> 00:16:41,467 それぐらい厳しゅうせねば 男子は立派には育たぬわ。 150 00:16:41,467 --> 00:16:44,804 お茶々が文句を言うたらのう 茶々も殴ってやれ。 151 00:16:44,804 --> 00:16:46,739 淀殿を? おう。 152 00:16:46,739 --> 00:16:50,142 生みの親は 子に甘い。 それぐらいせねば こたえぬて。 153 00:16:50,142 --> 00:16:52,078 アッハッハッハッハ! 154 00:16:52,078 --> 00:16:55,014 さあ お前様。 ああ。 ハッハッハッハ。 155 00:16:55,014 --> 00:16:59,151 お前様 さあ。 お前様…。 156 00:16:59,151 --> 00:17:10,429 ♬~ 157 00:17:10,429 --> 00:17:12,431 ハッ…。 158 00:17:35,454 --> 00:17:43,462 殴りたくても 殴れる道理がないわ…。 159 00:17:45,131 --> 00:17:48,801 (孝蔵主)政所様。➡ 160 00:17:48,801 --> 00:17:51,804 政所様! 161 00:17:58,477 --> 00:18:01,480 (孝蔵主)いかがなさいました? 162 00:18:04,750 --> 00:18:09,422 夢を見ていたのじゃ。 163 00:18:09,422 --> 00:18:11,424 (孝蔵主)夢を? 164 00:18:13,092 --> 00:18:24,103 いや… あれは 私の心を見ていたのじゃ。 165 00:18:27,640 --> 00:18:32,945 皆様 おそろいなされてございます。 166 00:18:40,119 --> 00:18:45,791 皆様 既に お聞き及びと存じますが➡ 167 00:18:45,791 --> 00:18:49,462 太閤殿下には 8月18日…。 168 00:18:49,462 --> 00:18:55,334 (龍子)私どもには 何の知らせもございませなんだ。 169 00:18:55,334 --> 00:18:58,471 せめて 一目なりとも ご臨終に…。 170 00:18:58,471 --> 00:19:02,074 それが心残りでなりませぬ。 171 00:19:02,074 --> 00:19:08,948 ご臨終におそばにおりましたのは 私一人…。 172 00:19:08,948 --> 00:19:15,421 淀殿も秀頼君にも お会いになられず そのまま…。 173 00:19:15,421 --> 00:19:19,091 (すすり泣き) 174 00:19:19,091 --> 00:19:25,765 また 訳あって 殿下の喪は 内密にされております。 175 00:19:25,765 --> 00:19:31,103 それゆえ 今まで 皆様に お知らせしませなんだ。 176 00:19:31,103 --> 00:19:37,777 もしやと 一縷の望みを抱いておりましたが…。 177 00:19:37,777 --> 00:19:44,650 皆様には よう殿下に お仕えくださいました。 178 00:19:44,650 --> 00:19:52,658 殿下に代わって 心より お礼申し上げます。 179 00:19:57,463 --> 00:20:04,136 皆様方の中には 人質として 上がられた方もございましょう。 180 00:20:04,136 --> 00:20:10,009 じゃが 今からは 殿下とは縁のなきものと思われて➡ 181 00:20:10,009 --> 00:20:15,481 それぞれ 新しい道をお選びくださいまし。 182 00:20:15,481 --> 00:20:19,819 お身寄りのある方は そちらに戻られるのもよし➡ 183 00:20:19,819 --> 00:20:25,491 既に お身寄りのない方は 一生 お暮らしの立つように➡ 184 00:20:25,491 --> 00:20:28,394 ご不自由はおかけはいたしませぬ。 185 00:20:28,394 --> 00:20:34,700 また どなたか よいお方があればと 心掛けております。 186 00:20:36,502 --> 00:20:43,175 ならば もう 大坂城でお世話になることは かないませぬのか? 187 00:20:43,175 --> 00:20:50,516 大坂城には 淀殿と秀頼君が お入りになります。 188 00:20:50,516 --> 00:20:56,856 このお城は 皆様 殿下との思い出もございましょうが…。 189 00:20:56,856 --> 00:21:02,661 淀殿のように 殿下のお子をもうけておりましたらと➡ 190 00:21:02,661 --> 00:21:05,464 今更 恨めしゅうございます。 191 00:21:05,464 --> 00:21:08,167 松の丸殿…。 192 00:21:11,137 --> 00:21:17,476 政所様にも 何くれとのう お心遣いいただきました。 193 00:21:17,476 --> 00:21:22,782 ご恩は 終生 忘れはいたしませぬ。 194 00:21:25,151 --> 00:21:32,491 皆様方には よう 殿下にお仕えくださいました。 195 00:21:32,491 --> 00:21:36,829 身内も同然と思っております。 196 00:21:36,829 --> 00:21:40,499 私で お力になることがございましたら➡ 197 00:21:40,499 --> 00:21:46,172 何なりと 遠慮のう おっしゃってくださいまし。 198 00:21:46,172 --> 00:21:48,841 (三の丸)政所様…。 199 00:21:48,841 --> 00:21:53,712 これも 定めにございます。 200 00:21:53,712 --> 00:21:57,716 (すすり泣き) 201 00:21:59,485 --> 00:22:03,122  心の声  (淀殿)殿下。 殿下にお仕えしてから➡ 202 00:22:03,122 --> 00:22:05,791 15年が過ぎ去りました。➡ 203 00:22:05,791 --> 00:22:13,465 思えば 父上 母上を殺した殿下を 恨みに思ったこともございました。➡ 204 00:22:13,465 --> 00:22:20,339 じゃが 私は 力のないということは どれほど惨めなことか➡ 205 00:22:20,339 --> 00:22:23,809 嫌というほど知らされてきました。➡ 206 00:22:23,809 --> 00:22:26,478 強うなりたかった。➡ 207 00:22:26,478 --> 00:22:30,349 そのためには 殿下が頼りでした。➡ 208 00:22:30,349 --> 00:22:35,821 でも 殿下は もう この世にはおわしませぬ。➡ 209 00:22:35,821 --> 00:22:40,159 この先 秀頼と2人で➡ 210 00:22:40,159 --> 00:22:45,030 茶々は 誰を頼りに生きていったら よいのでしょうか。➡ 211 00:22:45,030 --> 00:22:48,734 茶々は寂しゅうございます。 212 00:22:54,173 --> 00:22:59,845 (まつ)それでは 側室の皆様は 皆 ねね様のお計らいで…? 213 00:22:59,845 --> 00:23:05,651 あ… 不思議なものでございますなあ。 214 00:23:05,651 --> 00:23:10,456 いざ別離ということになりますと➡ 215 00:23:10,456 --> 00:23:16,328 何やら 身内を失うような気がいたしまして…。 216 00:23:16,328 --> 00:23:23,035 ねね様は 奥の束ねとして 皆様の面倒を よくご覧なされました。 217 00:23:23,035 --> 00:23:27,006 情も移っておりましたろう。 218 00:23:27,006 --> 00:23:34,480 思えば 秀吉殿の女子好きで 苦労させられていたうちが➡ 219 00:23:34,480 --> 00:23:37,816 花だったのでございましょう。 220 00:23:37,816 --> 00:23:44,156 もう その苦労も 二度とできぬようになりました。 221 00:23:44,156 --> 00:23:46,859 ねね様…。 222 00:23:52,498 --> 00:24:02,107 おまあ様にも 長い間 申し訳ないことをいたしました。 223 00:24:02,107 --> 00:24:08,981 とうとう お輿入れもかなわず さぞ 恨んでおいでになりましょう。 224 00:24:08,981 --> 00:24:13,719 いいえ。 お恨み申すなどとは…。 225 00:24:13,719 --> 00:24:19,124 じゃが おまあ様は まだ27…。 226 00:24:19,124 --> 00:24:25,464 せめて 今からでも お幸せに なっていただきたいと思っております。 227 00:24:25,464 --> 00:24:31,136 それゆえ よいご縁組みがございまして…。 228 00:24:31,136 --> 00:24:37,009 万里小路充房殿のご内室にと。 229 00:24:37,009 --> 00:24:40,813 充房殿も 是非にと…。 230 00:24:40,813 --> 00:24:48,153 万里小路といえば 公家衆の中でも名門。 そのようなところへ…。 231 00:24:48,153 --> 00:24:51,490 ねね様…。 232 00:24:51,490 --> 00:24:57,496 おまあ様への 精いっぱいのお詫びでございます。 233 00:24:59,832 --> 00:25:10,442 おまつ様… つくづく乱世は嫌でございますな。 234 00:25:10,442 --> 00:25:18,317 男の勝手で 女子の不幸せを どれだけ見てまいりましたことか…。 235 00:25:18,317 --> 00:25:22,454 おまあ様とて そのために…。 236 00:25:22,454 --> 00:25:25,357 どのようなことがありましょうと➡ 237 00:25:25,357 --> 00:25:30,129 二度と あのような世の中には しとうはございませぬ。 238 00:25:30,129 --> 00:25:32,798 はい。 239 00:25:32,798 --> 00:25:38,470 じゃが 秀頼君は まだご幼少。 240 00:25:38,470 --> 00:25:41,807 何の力もございませぬ。 241 00:25:41,807 --> 00:25:48,680 これから ご成人あそばすまで 豊臣家は どうなりますことか…。 242 00:25:48,680 --> 00:25:53,819 ただ 戦だけは…。 243 00:25:53,819 --> 00:25:57,156 ねね様…。 244 00:25:57,156 --> 00:26:02,961 ねね様も いつまでたっても ご心労が絶えませぬな。 245 00:26:02,961 --> 00:26:04,963 ハハ…。 246 00:26:06,765 --> 00:26:13,105 <ねねが 十数人からの側室の身の振り方に 心を砕いていた その年の暮れ➡ 247 00:26:13,105 --> 00:26:16,975 加藤清正が ねねを訪れた> 248 00:26:16,975 --> 00:26:19,978 トラ。 249 00:26:19,978 --> 00:26:22,781 (清正)はっ…。 250 00:26:22,781 --> 00:26:26,785 よう無事で戻ったのう。 251 00:26:30,656 --> 00:26:36,662 虎之助 恥を忍んで 帰国いたしましてござります。 252 00:26:39,331 --> 00:26:45,471 朝鮮での戦は 厳しいと聞いておった。 253 00:26:45,471 --> 00:26:48,807 苦労したろうに…。 254 00:26:48,807 --> 00:26:53,479 じゃが 手傷一つ負わずに…。 255 00:26:53,479 --> 00:26:58,350 虎之助 生き恥をさらしても戻りましたには➡ 256 00:26:58,350 --> 00:27:02,754 太閤殿下のご面前にて 三成を詰問し➡ 257 00:27:02,754 --> 00:27:07,092 我らの冤罪を晴らした上で 三成と刺し違え➡ 258 00:27:07,092 --> 00:27:10,963 殿下に 敗戦のお詫びに 腹かき切って果てる所存にござりました。 259 00:27:10,963 --> 00:27:12,965 トラ…。 260 00:27:12,965 --> 00:27:17,736 しかるに 殿下は 既に この世にはいまわさず➡ 261 00:27:17,736 --> 00:27:21,440 何のために帰ってまいりましたか…。 262 00:27:21,440 --> 00:27:31,116 トラ…。 殿下はのう 皆のことをご案じなされて➡ 263 00:27:31,116 --> 00:27:38,123 一日も早う 引き揚げられるようにとの ご遺言じゃったのじゃ。 264 00:27:40,459 --> 00:27:48,333 生き恥の お詫びのと そのようなことを 二度と口にしてはなりませぬ。 265 00:27:48,333 --> 00:27:54,006 太閤殿下のご意志を帯して出陣しながら 存分の働きもなりませず➡ 266 00:27:54,006 --> 00:27:56,475 このような負け戦に…! 267 00:27:56,475 --> 00:28:01,079 全ては 三成の奸計によるものでござりまする。 268 00:28:01,079 --> 00:28:06,785 それを ついに 殿下には分かっていただけぬまま…。 269 00:28:11,089 --> 00:28:15,961 朝鮮での戦は 間違っておったのじゃ。 270 00:28:15,961 --> 00:28:21,733 殿も それを後悔しておられた。 271 00:28:21,733 --> 00:28:26,638 負け戦は 誰のせいでもありませぬ。 272 00:28:26,638 --> 00:28:33,779 大義名分のない してはならぬ戦を 海を越えて…。 273 00:28:33,779 --> 00:28:38,116 勝てる道理のない戦じゃったのじゃ。 274 00:28:38,116 --> 00:28:40,452 それだけではござりませぬ! 275 00:28:40,452 --> 00:28:43,789 我らが朝鮮で 厳しい戦をしておる時に➡ 276 00:28:43,789 --> 00:28:49,661 三成めは 殿下や淀殿に取り入り 豊臣家の仕置きを 我が物顔に…!➡ 277 00:28:49,661 --> 00:28:52,130 もはや 捨てては置けませぬ! 278 00:28:52,130 --> 00:28:57,469 虎之助 豊臣家のために 三成を成敗いたす所存にござりまする。 279 00:28:57,469 --> 00:29:01,740 今日は 今生のおいとま乞いに 一目 政所様にと…。 280 00:29:01,740 --> 00:29:03,675 いいかげんになされ! 281 00:29:03,675 --> 00:29:06,979 (清正)政所様のおためにもござります! 282 00:29:12,751 --> 00:29:14,686 なりませぬ。 283 00:29:14,686 --> 00:29:17,089 私一人ではござりませぬ! 284 00:29:17,089 --> 00:29:21,426 三成に ひどい目に遭うた者は 皆 同じ思いにござりまする。 285 00:29:21,426 --> 00:29:24,763 そなたたちの無念が分からぬのではない。 286 00:29:24,763 --> 00:29:26,698 政所様! 287 00:29:26,698 --> 00:29:32,437 内輪で争うなど論外じゃ。 許しませぬ。 288 00:29:32,437 --> 00:29:37,776 豊臣家を生かすも殺すも そなたたちの肩に懸かっておるのじゃ。 289 00:29:37,776 --> 00:29:43,115 そこのところを よう聞き分けておくれ。 290 00:29:43,115 --> 00:29:46,985 今宵は ゆるりとして➡ 291 00:29:46,985 --> 00:29:51,290 朝鮮の苦労話など聞かせてくだされ。 292 00:29:53,125 --> 00:29:58,797 <その年の12月10日 朝鮮よりの撤退は 無事完了。➡ 293 00:29:58,797 --> 00:30:01,700 明けて慶長4年の元旦➡ 294 00:30:01,700 --> 00:30:07,472 秀頼は 利家に付き添われて 伏見城で 諸大名の年賀を受け➡ 295 00:30:07,472 --> 00:30:13,779 秀吉の遺言によって いよいよ 大坂城へ移る準備を整えた> 296 00:30:22,821 --> 00:30:25,123 政所様。 297 00:30:32,831 --> 00:30:39,705 本丸を出て 西の丸にお移りなされると おっしゃるのでございますか? 298 00:30:39,705 --> 00:30:45,177 伏見から そのように 言うてまいったのでございますか? 299 00:30:45,177 --> 00:30:52,050 いや 私の気持ちじゃ。 300 00:30:52,050 --> 00:30:55,520 本丸を 秀頼君に明け渡されるということは➡ 301 00:30:55,520 --> 00:30:58,857 この大坂城を明け渡されるのと 同じことでございます。 302 00:30:58,857 --> 00:31:01,560 それを ご承知で!? 303 00:31:04,129 --> 00:31:09,468 大坂城は 秀頼君のお城。 304 00:31:09,468 --> 00:31:15,173 本丸に私がいては 筋が通りませぬ。 305 00:31:17,142 --> 00:31:25,016 政所様 この大坂城は 太閤殿下と政所様が 築かれたお城ではございませぬか。 306 00:31:25,016 --> 00:31:28,153 それを むざむざと…。 307 00:31:28,153 --> 00:31:35,494 それに 秀頼君は跡継ぎというても 政所様は 秀頼君の母上。 308 00:31:35,494 --> 00:31:39,831 この本丸におられて 何の不都合がございましょう。 309 00:31:39,831 --> 00:31:50,842 孝蔵主殿。 私が本丸にいては 淀殿とて 面白うはありますまい。 310 00:31:50,842 --> 00:31:57,516 私が 秀吉殿に代わって 豊臣家の権勢を握ろうとしていると➡ 311 00:31:57,516 --> 00:32:00,118 疑われるやもしれませぬ。 312 00:32:00,118 --> 00:32:07,793 それでは せいでもええ争いも起こるというもの。 313 00:32:07,793 --> 00:32:18,804 私が譲って 事が収まれば 大坂城など欲しゅうはありませぬ。 314 00:32:18,804 --> 00:32:26,478 西の丸に移っても 大坂城におるのは 秀吉殿のご遺言どおり➡ 315 00:32:26,478 --> 00:32:31,783 秀頼君の養育を 申しつけられてのことじゃ。 316 00:32:33,819 --> 00:32:41,827 この本丸には 太閤殿下との思い出も 数々 おありなされましょうに…。 317 00:32:46,164 --> 00:32:49,868 殿下との思い出なら ここに。 318 00:32:54,840 --> 00:32:57,843 いつまでも…。 319 00:33:03,448 --> 00:33:09,120 1月10日に 本丸に 秀頼君をお迎えできるように➡ 320 00:33:09,120 --> 00:33:11,823 支度をしてくだされ。 321 00:33:15,994 --> 00:33:23,134 <1月10日 秀頼は 淀殿と共に ついに 大坂城に入り➡ 322 00:33:23,134 --> 00:33:29,441 ねねは 住み慣れた本丸から 西の丸へと移っていった> 323 00:33:39,684 --> 00:33:44,823 秀頼君 ご帰城のお祝いに。 324 00:33:44,823 --> 00:33:51,162 (大蔵卿)政所様じきじきのご挨拶 痛み入りましてございます。 325 00:33:51,162 --> 00:34:00,438 あいにくと 秀頼君も淀殿も お疲れが出ましたのか ご不興にて…。 326 00:34:00,438 --> 00:34:04,776 それはいけませぬなあ。 327 00:34:04,776 --> 00:34:10,448 お二方とも 大事なお体…。 328 00:34:10,448 --> 00:34:15,787 どうぞ くれぐれも ご養生くださいますように➡ 329 00:34:15,787 --> 00:34:22,093 大蔵卿より よろしゅうお伝えくださいませ。 330 00:34:23,662 --> 00:34:33,138 なお 秀頼君のことには あまり お心をお遣いくださいませぬよう…。 331 00:34:33,138 --> 00:34:38,843 淀殿も 心苦しいと申されております。 332 00:34:41,012 --> 00:34:46,017 何とぞ ご放念くだされますよう。 333 00:35:00,298 --> 00:35:04,436 政所様は? はっ。 334 00:35:04,436 --> 00:35:07,339 お戻りなされましてございます。 335 00:35:07,339 --> 00:35:09,774 (三成)秀頼君のことは? 336 00:35:09,774 --> 00:35:13,645 はっきり 迷惑じゃと 申し上げるわけにはいきませぬ。 337 00:35:13,645 --> 00:35:17,449 じゃが お分かりくだされましたろう。 338 00:35:17,449 --> 00:35:20,352 秀頼君のことだけではない。 339 00:35:20,352 --> 00:35:23,121 諸事に うるそう口を挟まれては かなわぬ。 340 00:35:23,121 --> 00:35:27,792 これからは 淀殿が 秀頼君のご生母として➡ 341 00:35:27,792 --> 00:35:31,463 秀頼君の代わりをなされる お方にございます。 342 00:35:31,463 --> 00:35:36,134 それくらいは 政所様とて おわきまえくださらねば。 343 00:35:36,134 --> 00:35:41,806 殿下は 何かにつけて 政所様を立てておられた。 344 00:35:41,806 --> 00:35:47,479 それゆえ 政所様も そのおつもりでおられるのじゃろう。 345 00:35:47,479 --> 00:35:52,150 (治長)そろそろ隠居なされて のんびりされたら よろしいものをのう。 346 00:35:52,150 --> 00:35:57,022 諸大名とて もはや 政所様のところへ ご機嫌伺いに行く者は➡ 347 00:35:57,022 --> 00:35:59,024 のうなったというに…。 348 00:35:59,024 --> 00:36:05,096 政所様ほどのお人が それに気付かれぬわけはあるまいに…。 349 00:36:05,096 --> 00:36:07,432 利口なようでも 女子じゃ。 350 00:36:07,432 --> 00:36:12,771 太閤殿下の世は終わったということが まだ分かっておられぬのよ。 351 00:36:12,771 --> 00:36:17,642 ならば 家康のことは…。 352 00:36:17,642 --> 00:36:21,112 そなたに任せる。 353 00:36:21,112 --> 00:36:25,984 どうでも 今のうちに 増長した鼻を へし折っておかねば➡ 354 00:36:25,984 --> 00:36:28,987 あとに 悔いを残すことにもなろう。 355 00:36:28,987 --> 00:36:33,291 いざとなれば 力をもってしても…。 356 00:36:36,127 --> 00:36:41,100 <秀吉の死後 前田利家と共に 豊臣政権を支えていた徳川家康は➡ 357 00:36:41,100 --> 00:36:47,739 五大老筆頭の地位を利用し 次第に その権勢を強めていた。➡ 358 00:36:47,739 --> 00:36:52,477 かつて 秀吉が禁じていた婚姻政策を ひそかに復活させ➡ 359 00:36:52,477 --> 00:36:55,380 家康縁故の女たちを 養女として➡ 360 00:36:55,380 --> 00:36:59,350 福島正則 蜂須賀家政の子らに 嫁がせたり➡ 361 00:36:59,350 --> 00:37:03,755 六男の忠輝に 伊達政宗の娘をめとろうとするなど➡ 362 00:37:03,755 --> 00:37:07,092 有力な大名を 次々と味方につけようとする動きが➡ 363 00:37:07,092 --> 00:37:09,794 目立ち始めていた> 364 00:37:11,429 --> 00:37:16,301 <一方 家康の動きを察知した 五奉行の一人 石田三成も➡ 365 00:37:16,301 --> 00:37:22,073 利家の力を背景に 一歩も譲らぬ構えを見せていた。➡ 366 00:37:22,073 --> 00:37:28,379 豊臣家の子飼い縁者の大名たちは まさに 二分されようとしていた> 367 00:37:30,115 --> 00:37:34,452 長政殿。 そなた 何のために➡ 368 00:37:34,452 --> 00:37:40,125 秀吉殿が 五奉行の一人として お選びになったとお思いじゃ。 369 00:37:40,125 --> 00:37:46,798 三成のような者の尻馬に乗せられて 家康殿を討つの何のと。 370 00:37:46,798 --> 00:37:49,467 (正則)仰せのとおりにございます。➡ 371 00:37:49,467 --> 00:37:53,338 三成は 秀頼君のためと 大義名分を申しながら➡ 372 00:37:53,338 --> 00:37:58,476 その実は 目の上のこぶの家康殿を 体よう退け➡ 373 00:37:58,476 --> 00:38:01,079 おのれが天下の実権を握らんとの腹。 374 00:38:01,079 --> 00:38:07,418 それも見抜けいで 三成に味方するとは おぬしも とうとう もうろくしたか! 375 00:38:07,418 --> 00:38:09,354 何じゃと!? 376 00:38:09,354 --> 00:38:13,758 わしは 秀頼君守り役の利家殿に 義を尽くしておるだけよ! 377 00:38:13,758 --> 00:38:18,096 それが 太閤殿下に恩顧を被った者の 筋目というものであろうが! 378 00:38:18,096 --> 00:38:21,766 それを 家康ごときに甘いことを言われて 豊臣家を売るなど➡ 379 00:38:21,766 --> 00:38:23,701 おぬしこそ 裏切り者じゃ! 380 00:38:23,701 --> 00:38:26,437 言うたな こいつ! 三成への遺恨を忘れたのか!? 381 00:38:26,437 --> 00:38:29,340 わしは 利家殿にじゃ! 三成を助けることに変わりはないわ! 382 00:38:29,340 --> 00:38:33,044 違う!違わぬ! こやつ!(長政)よさぬか 2人とも! 383 00:38:34,779 --> 00:38:41,119 なんという 情けない様じゃ…。 384 00:38:41,119 --> 00:38:46,991 トラ そなたには よう言うたはずじゃ。 385 00:38:46,991 --> 00:38:51,129 今 内輪で争う時ではありませぬ。 386 00:38:51,129 --> 00:38:54,032 もし 二つに分かれるようなことがあったら➡ 387 00:38:54,032 --> 00:39:00,405 そなたたちで 事をまるう収めるのが つとめではありませぬか。 388 00:39:00,405 --> 00:39:03,308 長政殿とて そうじゃ。 389 00:39:03,308 --> 00:39:07,078 同じ五奉行の三成の軽挙妄動をいさめ➡ 390 00:39:07,078 --> 00:39:11,749 利家殿に ご意見して まるう収めていただくのが➡ 391 00:39:11,749 --> 00:39:15,420 豊臣家をあずかる者の つとめではありませぬか。 392 00:39:15,420 --> 00:39:22,293 今 戦にしては たちまち力のある者が 天下を狙うて➡ 393 00:39:22,293 --> 00:39:27,765 また 乱世の世の中に 逆戻りいたしましょう。 394 00:39:27,765 --> 00:39:34,439 それでは 太閤殿下のなされたことが 水の泡じゃ。 395 00:39:34,439 --> 00:39:41,112 くれぐれも肝に銘じて 軽々しいことは…。 396 00:39:41,112 --> 00:39:44,015 頼みましたぞ。 397 00:39:44,015 --> 00:39:52,123 ♬~ 398 00:39:52,123 --> 00:39:57,795 <家康と利家の対立で 豊臣家の分裂を危惧したねねは➡ 399 00:39:57,795 --> 00:40:03,801 折しも 病にふせっていた前田利家を 大坂屋敷へ訪ねた> 400 00:40:16,147 --> 00:40:18,449 お前様。 401 00:40:20,485 --> 00:40:25,189 おっ… これは ねね殿。 402 00:40:27,158 --> 00:40:31,029 お加減が悪いと伺って…。 403 00:40:31,029 --> 00:40:34,832 よう分かっております。 404 00:40:34,832 --> 00:40:40,171 私をお叱りに見えたのでござりましょう。 405 00:40:40,171 --> 00:40:44,842 長政殿から 先日の仕儀は よう…。 406 00:40:44,842 --> 00:40:47,745 ねね様のおっしゃるとおりじゃ。 407 00:40:47,745 --> 00:40:53,851 家康殿のなされようは それは 許されたことではありませぬ。 じゃが…。 408 00:40:53,851 --> 00:41:01,125 わしとて 事を荒だてるは 本意ではござりません。 409 00:41:01,125 --> 00:41:08,800 近々 伏見に 家康殿を訪ねる所存にござります。 410 00:41:08,800 --> 00:41:18,476 利家殿…。 家康殿に 頭を下げに 行ってくださるとおっしゃいますのか? 411 00:41:18,476 --> 00:41:21,379 ねね殿には かないませぬわ。 412 00:41:21,379 --> 00:41:31,055 じゃが いつまで 皆を押さえられるか…。 413 00:41:31,055 --> 00:41:35,827 家康殿とのことだけではありません。 414 00:41:35,827 --> 00:41:43,701 三成に反感を抱く者とて 豊臣家には あだになろうやもしれませぬ。 415 00:41:43,701 --> 00:41:50,174 それを押さえられるのは 利家殿だけじゃ。 416 00:41:50,174 --> 00:41:57,849 家康殿とて 利家殿がおられたら 無体なことはなさいますまい。 417 00:41:57,849 --> 00:42:02,687 利家殿だけが頼りにございます。 418 00:42:02,687 --> 00:42:12,363 じゃが いつか 家康殿とは 雌雄を決せねばならぬ時が参りましょう。 419 00:42:12,363 --> 00:42:18,136 ♬~ 420 00:42:18,136 --> 00:42:26,010 豊臣家を取るか 天下の和平を望まれるか…。 421 00:42:26,010 --> 00:42:32,016 ねね殿も つらいお立場になられましょう。 422 00:42:34,485 --> 00:42:38,823 私には そのような…。 423 00:42:38,823 --> 00:42:41,726 もはや 何の力もございません。 424 00:42:41,726 --> 00:42:45,163 (せきこみ) 425 00:42:45,163 --> 00:42:52,036 それよりも どうぞ お体を おいといあそばして。 426 00:42:52,036 --> 00:42:58,176 利家殿には どうでも 長生きしていただかねば。 427 00:42:58,176 --> 00:43:03,014 ♬~ 428 00:43:03,014 --> 00:43:06,451 <あわやと思われた2人の対立も➡ 429 00:43:06,451 --> 00:43:10,121 利家が 自ら伏見に家康を訪問。➡ 430 00:43:10,121 --> 00:43:13,791 一応の和解が成立した。➡ 431 00:43:13,791 --> 00:43:16,694 秀吉の死は 初めて公にされ➡ 432 00:43:16,694 --> 00:43:20,665 秀頼の名で 盛大な葬儀が行われるとともに➡ 433 00:43:20,665 --> 00:43:27,138 京に 豊国神社を建立。 秀吉は 神として祭られた。➡ 434 00:43:27,138 --> 00:43:30,808 が これは 単なる小康状態で➡ 435 00:43:30,808 --> 00:43:37,482 やがて もっと大きな破局が 嫌でも ねねを巻き込もうとしていた> 436 00:43:37,482 --> 00:43:43,187 ♬~