1 00:00:39,765 --> 00:00:45,104 (足音) 2 00:00:45,104 --> 00:00:48,107 これ。 上様を お見かけ致さなんだか? 3 00:00:48,107 --> 00:00:50,107 いえ…。 4 00:00:58,534 --> 00:01:07,927 ♬~ 5 00:01:07,927 --> 00:01:10,763 (雪絵)お邪魔致します。 6 00:01:10,763 --> 00:01:13,532 (忠相)さあさあ どうぞ。 7 00:01:13,532 --> 00:01:15,534 (足音) 8 00:01:15,534 --> 00:01:18,437 (千春)父上? 9 00:01:18,437 --> 00:01:20,439 (源次郎)あっ 若! 10 00:01:20,439 --> 00:01:23,709 どうした? 騒々しい。 天下の一大事でございます! 11 00:01:23,709 --> 00:01:26,428 江戸前の海に 鯨でも押し寄せてきたか? 12 00:01:26,428 --> 00:01:28,714 戯れ言を言っている場合では ありませぬぞ! 13 00:01:28,714 --> 00:01:31,100 上様が…! 上様が? 14 00:01:31,100 --> 00:01:33,536 お城を抜け出されて お忍びで➡ 15 00:01:33,536 --> 00:01:36,272 江戸市中を ご視察あそばされておいでと…。 16 00:01:36,272 --> 00:01:39,108 何!? 必ず 粗相のなきように➡ 17 00:01:39,108 --> 00:01:43,608 町奉行も手配りせよと ご老中様より お使いが。 18 00:01:45,214 --> 00:01:49,051 千春さん お支度の お手伝いを致しましょう。 19 00:01:49,051 --> 00:01:51,051 はい。 20 00:01:58,928 --> 00:02:02,128 おいしそう! 熱い! 21 00:02:07,636 --> 00:02:09,772 (外郎売り)この薬は➡ 22 00:02:09,772 --> 00:02:13,609 昔 ちんの国の唐人 外郎という人 我が朝へ来たり。➡ 23 00:02:13,609 --> 00:02:17,279 帝へ参内の折から この薬を 深く込め置き➡ 24 00:02:17,279 --> 00:02:21,433 用ゆる時は 1粒ずつ 冠の隙間より取り出す。➡ 25 00:02:21,433 --> 00:02:24,933 よって その名を 帝より 透頂香と賜る。 26 00:02:27,940 --> 00:02:32,140 (外郎売り)すなわち 文字には 「透く」「頂き」「香い」と書いて…。 27 00:02:39,935 --> 00:02:44,056 何でぇ 何でぇ! どいてくれよ! 28 00:02:44,056 --> 00:02:46,058 うっ…! 騒ぐな。 29 00:02:46,058 --> 00:02:49,061 おとなしく 獲物を置いて 消えろ。 30 00:02:49,061 --> 00:02:52,197 何!? あっ…! 31 00:02:52,197 --> 00:02:54,697 持ってけ…。 32 00:02:56,769 --> 00:02:59,469 覚えてろ! 33 00:03:06,879 --> 00:03:11,200 上様。 (吉宗)忠相。 34 00:03:11,200 --> 00:03:17,400 大事な印籠 掏られたのにも お気付きあそばさず…。 35 00:03:19,708 --> 00:03:21,710 (お秀)いらっしゃいまし! 36 00:03:21,710 --> 00:03:26,210 三次。 奥 借りるぞ。 (三次)へい どうぞ。 37 00:03:31,887 --> 00:03:33,939 なりませぬ! 38 00:03:33,939 --> 00:03:36,139 こちらへ。 39 00:03:38,761 --> 00:03:42,865 最前の男が 掏摸だったから 印籠で済みましたが➡ 40 00:03:42,865 --> 00:03:45,868 尊きお命 狙う 刺客だったら…。 41 00:03:45,868 --> 00:03:49,371 そう思っただけで 肝が冷えます! 42 00:03:49,371 --> 00:03:51,373 分かった 分かった。 43 00:03:51,373 --> 00:03:54,543 どこに どのような曲者が 潜んでいるやもしれん。 44 00:03:54,543 --> 00:03:57,046 これからは 大いに心致そう。 45 00:03:57,046 --> 00:04:02,034 お城へ お帰り頂くのが 何よりの用心。 黙れ! 46 00:04:02,034 --> 00:04:04,386 余が 江戸の者たちの暮らしを➡ 47 00:04:04,386 --> 00:04:06,438 ゆっくり 見て歩く事もできぬほど➡ 48 00:04:06,438 --> 00:04:09,208 江戸中に 不逞の輩が はびこっているのなら➡ 49 00:04:09,208 --> 00:04:12,211 町奉行たる その方の落ち度ぞ! 50 00:04:12,211 --> 00:04:17,449 手前落ち度とあらば 南町奉行は 他の者に お申しつけ下さい。 51 00:04:17,449 --> 00:04:22,204 私は いつでも お役を引きます。 52 00:04:22,204 --> 00:04:24,707 …不快だ。 53 00:04:24,707 --> 00:04:28,277 お城へ お帰り下さいまするか? 54 00:04:28,277 --> 00:04:30,477 小用じゃ。 55 00:04:32,097 --> 00:04:35,297 (三次)へい お待ち遠さま。 56 00:04:39,772 --> 00:04:42,608 気の張る お客様のようですね。 57 00:04:42,608 --> 00:04:46,945 陰供まで まんまと まかれて…。 えっ!? 58 00:04:46,945 --> 00:04:52,634 じゃあ お城の親玉? そういう事だ。 59 00:04:52,634 --> 00:04:56,134 そりゃ 大変だ…。 60 00:04:57,706 --> 00:05:00,209 おい お客様 まだ? 61 00:05:00,209 --> 00:05:03,429 いいえ。 62 00:05:03,429 --> 00:05:05,431 出てったの? (お秀)ええ。 63 00:05:05,431 --> 00:05:07,431 お奉行様! 64 00:05:14,106 --> 00:05:17,606 あっしは こっちを! ああ 頼む! 65 00:05:22,598 --> 00:06:32,298 ♬~ 66 00:06:34,386 --> 00:06:38,886 ♬~ 67 00:06:41,276 --> 00:06:43,929 ハハハハハ! 68 00:06:43,929 --> 00:06:50,035 忠相め。 ハハハハハハハ! 69 00:06:50,035 --> 00:06:53,705 (女)何が おかしいんですか? 70 00:06:53,705 --> 00:06:56,041 何でもない。 71 00:06:56,041 --> 00:07:00,295 この近くの者か? では この近くに➡ はい。 72 00:07:00,295 --> 00:07:03,432 食事ができる店がないか 教えてくれぬか? 73 00:07:03,432 --> 00:07:06,702 あら おなかが すいていらっしゃるんですか? 74 00:07:06,702 --> 00:07:09,271 食い物が出てくる前に 飛び出したからな。 75 00:07:09,271 --> 00:07:13,942 この辺りには あいにく…。 ないか。 76 00:07:13,942 --> 00:07:17,429 よろしければ 私どもへ。 77 00:07:17,429 --> 00:07:20,432 お前の家 飯屋か? 78 00:07:20,432 --> 00:07:23,936 有り合わせのもので およろしければと存じまして。 79 00:07:23,936 --> 00:07:28,136 ありがたい。 馳走になろう。 では どうぞ。 80 00:07:31,727 --> 00:07:35,764 ここです。 81 00:07:35,764 --> 00:07:38,767 汚い所で 驚きになりました? 82 00:07:38,767 --> 00:07:41,267 いや…。 83 00:07:44,873 --> 00:07:46,942 おじいちゃん ただいま。 84 00:07:46,942 --> 00:07:48,942 ああ お帰り。 85 00:07:55,100 --> 00:07:57,202 お志乃? 86 00:07:57,202 --> 00:08:00,205 こちら おなかがすいたって おっしゃるものだから。 87 00:08:00,205 --> 00:08:03,108 お前も相変わらず お人よしだな。 88 00:08:03,108 --> 00:08:06,211 こんな お武家様のお口に 合うようなもの 出来るのか? 89 00:08:06,211 --> 00:08:09,715 あら 蕎麦がきじゃ… いけませんか? 90 00:08:09,715 --> 00:08:11,767 蕎麦がき…? 91 00:08:11,767 --> 00:08:14,536 結構! 食わしてくれ。 92 00:08:14,536 --> 00:08:16,536 え? 93 00:08:18,707 --> 00:08:20,709 おい 何なんだよ? あれはよ。 94 00:08:20,709 --> 00:08:24,709 おじいちゃん 炭 頂戴ね。 (彦兵ヱ)いや 炭はいいけどよ…。 95 00:08:32,437 --> 00:08:35,274 あの… あっしはね➡ 96 00:08:35,274 --> 00:08:41,763 お志乃のおふくろの父親で 彦兵ヱと申します。 97 00:08:41,763 --> 00:08:43,765 お… お武家様は? 98 00:08:43,765 --> 00:08:49,371 余は… 私は 吉さん。 吉さんと呼んでくれ。 99 00:08:49,371 --> 00:08:51,873 吉さん? はあ…。 100 00:08:51,873 --> 00:08:53,875 彦兵ヱ。 え? 101 00:08:53,875 --> 00:08:57,446 いい娘だの。 102 00:08:57,446 --> 00:08:59,431 ありがとうございます。 103 00:08:59,431 --> 00:09:02,267 2人きりか? ええ。 104 00:09:02,267 --> 00:09:05,704 こいつの おふくろってのは 一昨年 死んじまってね。 105 00:09:05,704 --> 00:09:09,441 では そろそろ 婿を迎えねばならぬの。 106 00:09:09,441 --> 00:09:13,762 婿? 冗談 言っちゃいけませんよ。 107 00:09:13,762 --> 00:09:17,049 借金だらけの鋳掛屋に 婿に来てくれるような➡ 108 00:09:17,049 --> 00:09:19,701 そんな酔狂な男はおりませんよ。 109 00:09:19,701 --> 00:09:23,305 借金があるのか? (彦兵ヱ)ええ。 110 00:09:23,305 --> 00:09:30,095 まあ 医者だ 薬だ 弔いだなんてね 思わぬ金が出ちまったんで➡ 111 00:09:30,095 --> 00:09:33,598 それが いまだに返せねえってのは 情けねえ話ですよ。 112 00:09:33,598 --> 00:09:37,703 おじいちゃん 初めて いらした お客様に恥ずかしい話しないでよ。 113 00:09:37,703 --> 00:09:40,772 何が 恥ずかしいんだい! 俺も お前もな➡ 114 00:09:40,772 --> 00:09:45,427 朝 暗えうちから 夜遅くまで 骨身を惜しまず働いてるのに➡ 115 00:09:45,427 --> 00:09:49,264 借金が減らねえってのは もう こっちのせいじゃねえや! 116 00:09:49,264 --> 00:09:51,767 こっちのせいでなければ 一体 誰のせいだ? 117 00:09:51,767 --> 00:09:55,037 大きな声じゃ言えませんけどね➡ 118 00:09:55,037 --> 00:09:57,773 公方様のせいでしょうねぇ。 119 00:09:57,773 --> 00:10:02,761 公方様? 八代将軍 吉宗のせいか? 120 00:10:02,761 --> 00:10:06,698 贅沢する訳でもねえし 精いっぱい働いてんのに➡ 121 00:10:06,698 --> 00:10:08,700 楽にはならねえ。 122 00:10:08,700 --> 00:10:12,437 これは つまりね お上のなさり方が悪いんだと➡ 123 00:10:12,437 --> 00:10:14,373 あっしは そう思ってるんですよ。 124 00:10:14,373 --> 00:10:18,443 間違ってますかね? 吉さん。 うむ…。 125 00:10:18,443 --> 00:10:21,213 ぐうたらで怠けてる奴が➡ 126 00:10:21,213 --> 00:10:24,433 「お上が よくねえ。 世の中が悪いんだ」なんて➡ 127 00:10:24,433 --> 00:10:26,768 能書き垂れてる奴とは違ってね➡ 128 00:10:26,768 --> 00:10:30,205 こちとら 真っ黒になって 働いてるんですよ。 129 00:10:30,205 --> 00:10:33,058 おじいちゃん 出来たわよ。 はいよ。 130 00:10:33,058 --> 00:10:35,093 真っ黒な手 洗ってきて➡ 131 00:10:35,093 --> 00:10:37,429 吉さんと一緒に 蕎麦がき おあがんなさい。 132 00:10:37,429 --> 00:10:42,050 はい はい はい はい! よいしょ。 133 00:10:42,050 --> 00:10:58,700 ♬~ 134 00:10:58,700 --> 00:11:01,703 やっぱり お口に合いませんか? 135 00:11:01,703 --> 00:11:04,439 いや うまいぞ。 136 00:11:04,439 --> 00:11:08,710 おいしけりゃ おいしそうな顔に なるもんなのに…。 137 00:11:08,710 --> 00:11:13,265 してなかったか? おいしそうな顔を。 138 00:11:13,265 --> 00:11:17,035 すまんな。 蕎麦がきのせいじゃなくて➡ 139 00:11:17,035 --> 00:11:20,388 彦兵ヱの言った事が 胸に つかえていたせいだ。 140 00:11:20,388 --> 00:11:22,441 勘弁してくれ。 141 00:11:22,441 --> 00:11:25,210 ごめんなさい。 本当に おじいちゃんったら➡ 142 00:11:25,210 --> 00:11:28,046 あんな事 吉さんに話したって しょうがないのに…。 143 00:11:28,046 --> 00:11:30,215 しょうがない…? 144 00:11:30,215 --> 00:11:36,371 吉さんが将軍様なら ともかくも。 …ハハハハハ。 145 00:11:36,371 --> 00:11:41,109 彦兵ヱは 鋳掛屋で お志乃は 何をしている? 146 00:11:41,109 --> 00:11:45,130 表通りの越後屋さんから 仕立物のお仕事を頂いています。 147 00:11:45,130 --> 00:11:50,102 仕立ての手間が安いのか? いいえ。 仕事が丁寧だからと➡ 148 00:11:50,102 --> 00:11:53,371 世間並み以上の手間 払って下さってますけど…。 149 00:11:53,371 --> 00:11:57,109 楽はできない仕組みに なってるのよ 世の中…。 150 00:11:57,109 --> 00:12:02,764 世の中は 働く者の賃金が 安すぎるというのだな。 151 00:12:02,764 --> 00:12:06,768 一度 借金をしてしまうと 利息に追われて…。 152 00:12:06,768 --> 00:12:08,703 利息が 高すぎる? 153 00:12:08,703 --> 00:12:13,058 ご法どおりの利息じゃ 私たち とても お金は借りられなくて…。 154 00:12:13,058 --> 00:12:15,443 高利貸しか? 155 00:12:15,443 --> 00:12:18,713 北と南に 2人も お奉行様がいらっしゃるのに➡ 156 00:12:18,713 --> 00:12:21,466 高利は駄目って 叱って下さらないから…。 157 00:12:21,466 --> 00:12:23,702 忠相め… とっちめてやる! 158 00:12:23,702 --> 00:12:28,373 えっ? ああ… いや うまいぞ この蕎麦がき。 159 00:12:28,373 --> 00:12:31,173 ハハハハハ…。 160 00:12:35,614 --> 00:12:39,914 どけ! どけ! 邪魔だ! 161 00:12:45,373 --> 00:12:47,375 うわっ! 162 00:12:47,375 --> 00:12:49,377 (悲鳴) 163 00:12:49,377 --> 00:12:51,596 あっ…! 164 00:12:51,596 --> 00:12:53,765 すまんなぁ 痛え…。 165 00:12:53,765 --> 00:12:57,602 (伊織)大丈夫か? 怪我はないか? へい…。 166 00:12:57,602 --> 00:13:01,373 何なんだ? あいつら…。 167 00:13:01,373 --> 00:13:04,073 (権太)邪魔だ 邪魔だ! どけ! 168 00:13:06,094 --> 00:13:10,794 とっつぁん 赤間屋の親分だ。 169 00:13:25,764 --> 00:13:30,435 今月分の利息でございます。 170 00:13:30,435 --> 00:13:32,771 (赤間屋唐造)とっつぁん。 へい。 171 00:13:32,771 --> 00:13:38,894 いつまでも 毎月の利息に追われて お前も 大概 苦労だ。 172 00:13:38,894 --> 00:13:41,546 楽にしてやるよ。 えっ? 173 00:13:41,546 --> 00:13:44,432 じゃあ 利息は要らねえと? 馬鹿野郎! 174 00:13:44,432 --> 00:13:47,702 お前の書いた この証文にあるとおり➡ 175 00:13:47,702 --> 00:13:51,273 お志乃を連れていって 借金は なしにしてやる。 176 00:13:51,273 --> 00:13:53,291 親分さん ちょっと待って下さいよ。 177 00:13:53,291 --> 00:13:58,380 この証文に お志乃の事が 書いてあるんですか? あ? 178 00:13:58,380 --> 00:14:00,432 おい! 179 00:14:00,432 --> 00:14:06,104 「一金 10両なり。 右 まさに 拝借つかまつり候。➡ 180 00:14:06,104 --> 00:14:09,374 ただし まるまる2年 相たち候ても➡ 181 00:14:09,374 --> 00:14:12,377 元金 返済でき申さず候節は➡ 182 00:14:12,377 --> 00:14:15,430 借金のかたとして お志乃 お連れに相なり➡ 183 00:14:15,430 --> 00:14:20,435 いかようになされ候とも 委細 構わず候なり」。 184 00:14:20,435 --> 00:14:23,271 お前 自分で ちゃんと爪印を 押したじゃねえか。 185 00:14:23,271 --> 00:14:26,274 いや 確かに あっしの爪印ですけども➡ 186 00:14:26,274 --> 00:14:30,262 この証文を読んでもらった時には お志乃の事は 一切…! 187 00:14:30,262 --> 00:14:33,265 ねえ 親分さん! ふざけるな! おじいちゃん! 188 00:14:33,265 --> 00:14:36,368 その方ら! 189 00:14:36,368 --> 00:14:38,370 な… 何だ てめえは!? 190 00:14:38,370 --> 00:14:41,106 この家の客だ。 客なんぞに 用はねえ! 191 00:14:41,106 --> 00:14:43,108 (寅松)すっこんでろい! そうは いかん。 192 00:14:43,108 --> 00:14:46,211 彦兵ヱが書いた覚えのない事が 証文に書いてあるのは➡ 193 00:14:46,211 --> 00:14:49,214 お前たちが よからぬ事を企んで 致したに違いない。 194 00:14:49,214 --> 00:14:52,434 (唐造)うるせえよ! (権太)侍なんざ 怖かねえぞ! 195 00:14:52,434 --> 00:14:54,602 (唐造)文句があるなら 表へ 出ろい! 196 00:14:54,602 --> 00:14:56,802 よし 出よう。 197 00:14:59,107 --> 00:15:01,209 ちょっと あんた やめて下さいよ…。 198 00:15:01,209 --> 00:15:04,429 ここでも狭いなぁ。 もっと広い所はないのか? 199 00:15:04,429 --> 00:15:07,716 贅沢 言うな! やかましい! 200 00:15:07,716 --> 00:15:10,385 痛っ! 201 00:15:10,385 --> 00:15:18,977 ♬~ 202 00:15:18,977 --> 00:15:21,880 野郎! 203 00:15:21,880 --> 00:15:25,380 ≪喧嘩だ! ≪何だ 何だ!? 204 00:15:30,705 --> 00:15:32,707 野郎! 205 00:15:32,707 --> 00:15:35,260 抜いたぞ…! 206 00:15:35,260 --> 00:15:38,263 お待ち下さい! おお 参ったか。 207 00:15:38,263 --> 00:15:42,100 お刀を お引き下さい! そうは いかぬ。 208 00:15:42,100 --> 00:15:45,370 悪いのは この者たちの方じゃ。 209 00:15:45,370 --> 00:15:47,439 しかし。 210 00:15:47,439 --> 00:15:50,542 親分 また一人…。 侍が…。 211 00:15:50,542 --> 00:15:54,095 くそ… 覚えてろ! 212 00:15:54,095 --> 00:15:59,768 さあ 今のうちに! いや まだ 用があるのだ。 213 00:15:59,768 --> 00:16:04,068 (お志乃)吉さん! 水でも 飲ましてくれ。 214 00:16:19,604 --> 00:16:23,208 10両だ。 奴らに返してやりなさい。 215 00:16:23,208 --> 00:16:25,610 ええっ!? いけません! そんな…。 216 00:16:25,610 --> 00:16:27,545 奴らは また きっと来る。 217 00:16:27,545 --> 00:16:30,265 金がなければ お志乃は 連れていかれてしまうのだぞ。 218 00:16:30,265 --> 00:16:35,270 でも 頂く理由がありませんもの。 理由…。 219 00:16:35,270 --> 00:16:40,592 盗めば首の飛ぶ 10両もの大金 理由もなしに頂けますか! 220 00:16:40,592 --> 00:16:46,714 では…➡ 221 00:16:46,714 --> 00:16:49,267 蕎麦がきの代金だ。 222 00:16:49,267 --> 00:16:51,269 (2人)ええっ!? 223 00:16:51,269 --> 00:16:54,706 1杯10両の蕎麦がき!? 224 00:16:54,706 --> 00:16:57,706 うまかった。 225 00:17:00,044 --> 00:17:02,046 あっ… 待って下さい! 226 00:17:02,046 --> 00:17:04,766 忠相! 逃げろ! は? 227 00:17:04,766 --> 00:17:06,768 早く 早く! 吉さん! 228 00:17:06,768 --> 00:17:08,770 (彦兵ヱ)おい 吉さん! あっ 痛っ! 229 00:17:08,770 --> 00:17:10,772 おじいちゃん! 腰が…。 230 00:17:10,772 --> 00:17:13,541 いいから お志乃は 早く追いかけろ! ほら! 231 00:17:13,541 --> 00:17:15,777 あっ 痛い…。 232 00:17:15,777 --> 00:17:32,927 ♬~ 233 00:17:32,927 --> 00:17:35,127 吉さん…。 234 00:17:38,399 --> 00:17:40,435 愉快じゃったのぉ。 235 00:17:40,435 --> 00:17:42,937 いくら ご愉快でありましょうとも 以後は きっと➡ 236 00:17:42,937 --> 00:17:45,039 お慎み下されまするように! 237 00:17:45,039 --> 00:17:47,709 余の楽しみを 禁ずると申すか? 238 00:17:47,709 --> 00:17:51,045 どれほど大勢の者が迷惑をしたか 知れません! 239 00:17:51,045 --> 00:17:53,431 …黙れ! 240 00:17:53,431 --> 00:17:57,035 迷惑したのは 皆 余の家臣ではないか。 241 00:17:57,035 --> 00:18:00,038 日頃 何もしてやれぬ 江戸の者たちに➡ 242 00:18:00,038 --> 00:18:02,040 1つでも2つでも➡ 243 00:18:02,040 --> 00:18:04,442 喜んでもらえる事を してやれるのならば➡ 244 00:18:04,442 --> 00:18:08,263 家来は 少しぐらいの迷惑 我慢するのが当然と思うが? 245 00:18:08,263 --> 00:18:11,766 江戸の者たちが 1つでも2つでも 喜んだと お思いなのですか? 246 00:18:11,766 --> 00:18:13,768 町奉行が 金貸しどもに➡ 247 00:18:13,768 --> 00:18:18,706 「ご法どおりの利息 きっと守れ」と 厳命できずに放っておくから➡ 248 00:18:18,706 --> 00:18:21,709 彦兵ヱや お志乃は ごろつきどもに脅されていたのだ。 249 00:18:21,709 --> 00:18:24,712 それを 蕎麦がき1杯に 10両の金を払って➡ 250 00:18:24,712 --> 00:18:28,600 「救ってやった。 いい事をした」と 思し召して お喜びなら➡ 251 00:18:28,600 --> 00:18:33,204 いやはや 上様も甘いお方だ! 何!? 252 00:18:33,204 --> 00:18:36,608 物には 相応の価がございまする。 253 00:18:36,608 --> 00:18:38,710 金持ちが 心のままに➡ 254 00:18:38,710 --> 00:18:40,762 金をばらまいて 相場が崩れましたら➡ 255 00:18:40,762 --> 00:18:43,765 江戸中はおろか 国中の相場が崩れて➡ 256 00:18:43,765 --> 00:18:49,065 国中が 迷惑を被りまする! …屁理屈を申すな! 257 00:18:51,389 --> 00:18:54,242 上様。 出迎え大儀。 258 00:18:54,242 --> 00:18:56,761 帰るぞ。 259 00:18:56,761 --> 00:19:07,461 ♬~ 260 00:19:09,774 --> 00:19:14,212 どうしよう? おじいちゃん…。 261 00:19:14,212 --> 00:19:16,264 どうしようったって お前➡ 262 00:19:16,264 --> 00:19:18,433 吉さんのお屋敷が 分からねえんじゃ➡ 263 00:19:18,433 --> 00:19:20,733 どうしようもねえや。 264 00:19:23,104 --> 00:19:28,042 なあ お志乃。 265 00:19:28,042 --> 00:19:33,765 吉さんの気持ちだ。 266 00:19:33,765 --> 00:19:38,052 この10両 借りちまおう。 …え!? 267 00:19:38,052 --> 00:19:40,438 だって お前…➡ 268 00:19:40,438 --> 00:19:46,427 高え利息だから 返しても返しても 借金の10両は減らねえけども➡ 269 00:19:46,427 --> 00:19:50,798 利息のつかねえ 吉さんの10両だったら➡ 270 00:19:50,798 --> 00:19:55,270 俺とお前で一生懸命 働けば 必ず 返せる。 271 00:19:55,270 --> 00:19:58,539 ありがたい この10両のお金 吉さんに…。 272 00:19:58,539 --> 00:20:03,761 ああ。 江戸中 捜し回って 吉さんを見つけて➡ 273 00:20:03,761 --> 00:20:08,561 きっと返そう。 な? うん! 274 00:20:11,269 --> 00:20:17,725 <その晩 お志乃の長屋から近い 伊勢芳という米屋の隠居所へ➡ 275 00:20:17,725 --> 00:20:20,111 賊が押し入り➡ 276 00:20:20,111 --> 00:20:25,366 手文庫から 小判10枚 10両の金が 何者かに盗まれ➡ 277 00:20:25,366 --> 00:20:28,366 隠居が 殺された> 278 00:20:30,104 --> 00:20:32,273 おい 源の字。 279 00:20:32,273 --> 00:20:38,162 今月は 南の月番だったな。 ええ? はい。 280 00:20:38,162 --> 00:20:41,282 痛っ! だったら 饅頭なんか 食ってねえで➡ 281 00:20:41,282 --> 00:20:45,703 伊勢芳の隠居殺しの下手人 さっさと お縄にしてきなよ。 282 00:20:45,703 --> 00:20:48,439 はあ…。 ごめんなさいね 村上さん。 283 00:20:48,439 --> 00:20:53,594 忠相が しくじりはしないかと 心配で たまらないんですよ。 284 00:20:53,594 --> 00:20:56,264 かわいい伜になぁ➡ 285 00:20:56,264 --> 00:21:00,034 手柄を立てさせてやりてえと 思うのは 親心。 286 00:21:00,034 --> 00:21:03,705 どこか間違ってるか? だからと言って➡ 287 00:21:03,705 --> 00:21:10,094 村上さんに お饅頭ぐらい 食べさせておあげなさいまし。 288 00:21:10,094 --> 00:21:12,897 さあ どうぞ。 289 00:21:12,897 --> 00:21:14,932 ああ いや ご馳走さま。 290 00:21:14,932 --> 00:21:18,202 若え奴らの尻 ひっぱたいて すぐにも➡ 291 00:21:18,202 --> 00:21:20,555 下手人 お縄にして ご覧に入れますから。 292 00:21:20,555 --> 00:21:23,274 よっ! さすが 源さん! 293 00:21:23,274 --> 00:21:27,574 そう来なきゃな! ハハハ! へい。 294 00:21:30,365 --> 00:21:33,267 ウフフフ! 295 00:21:33,267 --> 00:21:36,104 (片瀬)辰三。 (辰三)へい。 296 00:21:36,104 --> 00:21:41,109 南町奉行所の者だ。 ここの隠居の事で 話が聞きてえ。 297 00:21:41,109 --> 00:21:43,928 恐れ入ります。 298 00:21:43,928 --> 00:21:47,365 (勘太)誰も見かけてねえのかぁ…。 (一同)へい。 299 00:21:47,365 --> 00:21:51,065 まあ 夜だしなぁ。 300 00:21:55,223 --> 00:21:58,593 もし 旦那。 何だ? 301 00:21:58,593 --> 00:22:01,713 てめえ 赤間屋の…。 へい。 権太って けちな野郎で。 302 00:22:01,713 --> 00:22:03,698 俺に 何か用か? 303 00:22:03,698 --> 00:22:06,698 ちょっと お耳に入れといた方が いいんじゃねえかって事で…。 304 00:22:08,436 --> 00:22:10,438 言ってみろ。 305 00:22:10,438 --> 00:22:13,708 伊勢芳の隠居が殺されて 盗まれた金は 10両? 306 00:22:13,708 --> 00:22:15,710 てめえ どこで それを…! 307 00:22:15,710 --> 00:22:17,712 「蛇の道は 蛇」でい! 308 00:22:17,712 --> 00:22:19,764 10両に 間違いねえんですね? 309 00:22:19,764 --> 00:22:24,268 うん 確かに盗られたのは10両だが それが どうした? 310 00:22:24,268 --> 00:22:28,272 2年越しに 10両の借金。 ちびちび ちびちび➡ 311 00:22:28,272 --> 00:22:30,942 月々の利息だけ払ってやがった 貧乏人が➡ 312 00:22:30,942 --> 00:22:33,778 伊勢芳の隠居が殺された 明くる日➡ 313 00:22:33,778 --> 00:22:36,697 うちの親分のところへね➡ 314 00:22:36,697 --> 00:22:40,701 耳そろえて 小判で10両 返しに来やがった。 315 00:22:40,701 --> 00:22:42,703 何!? どこの誰だ? 316 00:22:42,703 --> 00:22:44,705 その 10両の金 返しに来たって奴は? 317 00:22:44,705 --> 00:22:47,108 伊勢芳の隠居所の すぐ裏➡ 318 00:22:47,108 --> 00:22:51,712 藤八長屋の鋳掛屋で 彦兵ヱって野郎で。 何だと!? 319 00:22:51,712 --> 00:22:54,198 旦那。 色 つけておくんなせえ。 後だ! 320 00:22:54,198 --> 00:22:56,198 辰三! 合点! 321 00:23:01,205 --> 00:23:03,705 片瀬の旦那 ここでさぁ。 おう。 322 00:23:12,467 --> 00:23:14,767 ごめんよ。 へい? 323 00:23:16,437 --> 00:23:19,707 え? 鋳掛屋彦兵ヱ。 324 00:23:19,707 --> 00:23:23,561 伊勢芳の隠居殺しの下手人を 知ってると➡ 325 00:23:23,561 --> 00:23:27,031 訴えて出てきた者がいるんだ。 はあ。 326 00:23:27,031 --> 00:23:29,433 その下手人が お前だってよ。 327 00:23:29,433 --> 00:23:32,603 ええっ!? おじいちゃん! 328 00:23:32,603 --> 00:23:37,603 番屋まで来てくんな。 ちょっと話が聞きてえ。 いや…。 329 00:23:47,368 --> 00:23:51,205 人払いとは 何事じゃ? どうした? 330 00:23:51,205 --> 00:23:53,207 お志乃の祖父の彦兵ヱが➡ 331 00:23:53,207 --> 00:23:57,595 人を殺めて 10両の金を盗んだ 下手人ではないかと…。 332 00:23:57,595 --> 00:24:00,097 何…? 嫌疑を受けて➡ 333 00:24:00,097 --> 00:24:02,767 召し捕られてまいりました。 334 00:24:02,767 --> 00:24:05,203 10両の金子なら 余が与えしものと➡ 335 00:24:05,203 --> 00:24:07,722 忠相 その方が 知っているではないか! 336 00:24:07,722 --> 00:24:09,874 すぐに 彦兵ヱを解き放せ! 337 00:24:09,874 --> 00:24:12,760 隠居殺しの下手人を捕まえたと 勇み立っている➡ 338 00:24:12,760 --> 00:24:15,429 奉行所役人 同心たちに➡ 339 00:24:15,429 --> 00:24:19,934 あの10両は 上様が 1杯の蕎麦がきの代金として➡ 340 00:24:19,934 --> 00:24:24,372 お与えあそばしたものだなぞと 言えますものか どうか➡ 341 00:24:24,372 --> 00:24:28,876 お考え願わしゅう存じまする。 342 00:24:28,876 --> 00:24:32,597 それとも 彦兵ヱを裁く 天下のお白洲へ➡ 343 00:24:32,597 --> 00:24:34,866 征夷大将軍源家の頭領➡ 344 00:24:34,866 --> 00:24:37,368 徳川八代吉宗様が お出まし下さり➡ 345 00:24:37,368 --> 00:24:40,271 はっきり ご証言下さいますか? 346 00:24:40,271 --> 00:24:44,375 馬鹿… 馬鹿! 馬鹿! 347 00:24:44,375 --> 00:24:46,377 (ため息) 348 00:24:46,377 --> 00:24:51,077 馬鹿な忠相 ただ ただ 困却致しております。 349 00:24:52,700 --> 00:25:06,864 ♬~ 350 00:25:06,864 --> 00:25:10,064 おじいちゃん…。 351 00:25:13,204 --> 00:25:15,206 (筧)おい 堅太郎。 352 00:25:15,206 --> 00:25:18,209 鋳掛屋彦兵ヱ 隠居殺しを白状したかい? 353 00:25:18,209 --> 00:25:20,761 (片瀬)いえ。 「殺してない」の一点張りです。 354 00:25:20,761 --> 00:25:22,713 (立花)じゃあ 唐造のところへ持っていった➡ 355 00:25:22,713 --> 00:25:24,765 10両って金の出どころは? 356 00:25:24,765 --> 00:25:26,767 「もらった」とか「借りた」とか。➡ 357 00:25:26,767 --> 00:25:32,039 「じゃあ 誰に?」と聞くと 貝みたいに 口を噤んで…。 358 00:25:32,039 --> 00:25:35,376 (田所)村上さん。 うん? 359 00:25:35,376 --> 00:25:42,033 彦兵ヱは 誰かを 庇ってるんじゃありませんかね? 360 00:25:42,033 --> 00:25:45,036 誰を 庇ってるっていうんだい? 田所さん。 361 00:25:45,036 --> 00:25:47,038 だから…➡ 362 00:25:47,038 --> 00:25:50,942 隠居殺しの下手人を。 何ですって!? 363 00:25:50,942 --> 00:25:55,780 喬之助。 村上さんに 長屋の者の言っていた 侍の話➡ 364 00:25:55,780 --> 00:25:57,932 申し上げろい。 はっ。 365 00:25:57,932 --> 00:26:00,718 侍が 彦兵ヱのところへ来てたって➡ 366 00:26:00,718 --> 00:26:03,771 長屋の者が言っていたんですよ。 侍? 367 00:26:03,771 --> 00:26:07,875 だから その侍が 隠居殺しの下手人で➡ 368 00:26:07,875 --> 00:26:12,380 隠居を殺して奪った10両を 侍が 彦兵ヱに➡ 369 00:26:12,380 --> 00:26:15,883 恵んでくれたか 貸してくれたか したもんだから…。 370 00:26:15,883 --> 00:26:18,436 (橋田)金をくれた恩人のために➡ 371 00:26:18,436 --> 00:26:22,440 彦兵ヱは 口を噤んで 言わないでいる。 372 00:26:22,440 --> 00:26:25,593 その侍を 村上さん 捜しましょう! 373 00:26:25,593 --> 00:26:30,047 待て! どこにいるか分からねえ侍より➡ 374 00:26:30,047 --> 00:26:34,047 彦兵ヱの口を割らすのが先だろう。 375 00:26:38,105 --> 00:26:40,207 どうして はなっから➡ 376 00:26:40,207 --> 00:26:43,444 もらった金だと 言わなかったんだい? 377 00:26:43,444 --> 00:26:47,048 蕎麦がき1杯 10両払ってくれたなんて➡ 378 00:26:47,048 --> 00:26:50,034 誰も 信用しちゃくれませんよ。 379 00:26:50,034 --> 00:26:52,770 それは お前 そうだけどな…。 380 00:26:52,770 --> 00:26:58,275 ハハハ… あっしは もう諦めてます。 381 00:26:58,275 --> 00:27:02,930 私はね 何一つ 悪い事してる訳じゃねえや。 382 00:27:02,930 --> 00:27:06,701 だから 閻魔様に会ったって 大威張りで言えます。 383 00:27:06,701 --> 00:27:10,037 何一つ悪い事をしてねえ お前が➡ 384 00:27:10,037 --> 00:27:14,392 人殺しの下手人で お仕置き受けて死んでも➡ 385 00:27:14,392 --> 00:27:16,927 諦められるっていうのか? 386 00:27:16,927 --> 00:27:22,600 旦那… 貧乏人は 諦める事に慣れてます。 387 00:27:22,600 --> 00:27:26,370 彦兵ヱ! まあ あっしは慣れていても➡ 388 00:27:26,370 --> 00:27:31,942 若え お志乃には 諦めきれねえかもしれねえや。 389 00:27:31,942 --> 00:27:36,697 だから 旦那 ひとつ お志乃に 言っちゃあくれませんかね? 390 00:27:36,697 --> 00:27:40,034 (源次郎)お志乃に 何と言えってんだ? 391 00:27:40,034 --> 00:27:43,037 「吉さんを 恨んじゃいけねえよ」って。 392 00:27:43,037 --> 00:27:48,709 うん? そうか… 「吉さん」か。 393 00:27:48,709 --> 00:27:51,712 吉さんだって➡ 394 00:27:51,712 --> 00:27:56,033 まさか 俺たちに こんな迷惑が かかるとは思っちゃいねえから➡ 395 00:27:56,033 --> 00:27:59,453 大金の10両を ぽんと恵んで下さったんだい。 396 00:27:59,453 --> 00:28:03,557 だから… 恨んだら 罰が当たると➡ 397 00:28:03,557 --> 00:28:05,943 お志乃に そう お伝え下さい。 398 00:28:05,943 --> 00:28:09,380 ねえ お願いします 旦那。 このとおりです。 お願いします! 399 00:28:09,380 --> 00:28:11,365 村上から聞いて➡ 400 00:28:11,365 --> 00:28:16,103 是非 上様に お聞かせ致さねば ならないと思いました。 401 00:28:16,103 --> 00:28:19,106 安易に 人に情けをかける事が➡ 402 00:28:19,106 --> 00:28:22,376 こんなに恐ろしい結果を 生むのだという事を➡ 403 00:28:22,376 --> 00:28:27,715 お知り頂かねばと思ったからです。 404 00:28:27,715 --> 00:28:30,101 いわれのない金だから 彦兵ヱも➡ 405 00:28:30,101 --> 00:28:34,605 取り調べを受けた時に 素直に 「もらいました」と言えなかった。 406 00:28:34,605 --> 00:28:38,042 言っても 分かってもらえぬと 忠相! 思って…。 407 00:28:38,042 --> 00:28:42,446 彦兵ヱは 諦めて 仕置きを受けて 死ぬと覚悟を決めて➡ 408 00:28:42,446 --> 00:28:46,433 なおかつ お志乃に 「吉さんは恨むな」と➡ 409 00:28:46,433 --> 00:28:50,437 源次郎に 言づけを頼んでいるのです。 410 00:28:50,437 --> 00:28:55,042 彦兵ヱを助けてやってくれ。 上様…。 411 00:28:55,042 --> 00:28:58,045 その方は 町奉行であるぞ! 412 00:28:58,045 --> 00:29:01,699 おっしゃるとおり 私は 町奉行。 413 00:29:01,699 --> 00:29:04,702 そして 上様は 将軍様であらせられます。 414 00:29:04,702 --> 00:29:07,972 しかし 上様にも 私にも➡ 415 00:29:07,972 --> 00:29:12,109 筋の通らぬ 裁断裁決は 許されません! 416 00:29:12,109 --> 00:29:15,095 …彦兵ヱは 金を盗んではおらぬ! 417 00:29:15,095 --> 00:29:21,435 その事を 白洲で… いえ 日本中の人たちに➡ 418 00:29:21,435 --> 00:29:25,105 どうやって 納得させるのですか? 419 00:29:25,105 --> 00:29:29,605 どうしろと申すのじゃ! 忠相…。 420 00:29:31,929 --> 00:29:35,699 そりゃ お困りになったでしょう 上様も…。 421 00:29:35,699 --> 00:29:38,435 困らせっ放しにもできないから➡ 422 00:29:38,435 --> 00:29:42,873 三次 お前にも 一働きしてもらいたいんだ。 423 00:29:42,873 --> 00:29:47,878 隠居殺しの本当の下手人 捜せってんですね? うん。 424 00:29:47,878 --> 00:29:52,099 赤間屋の周り 調べたら 何か出てくるんじゃないだろうか。 425 00:29:52,099 --> 00:29:54,399 なるほど。 426 00:30:02,927 --> 00:30:08,032 盆中 駒 そろいました。 勝負! 427 00:30:08,032 --> 00:30:10,768 四一の半! 半と出ました。 428 00:30:10,768 --> 00:30:14,271 いけませんね 今日は。 429 00:30:14,271 --> 00:30:17,391 (十吉)悪いが 駒 回してくれ。 430 00:30:17,391 --> 00:30:19,593 また 出直しておいでなせえ。 431 00:30:19,593 --> 00:30:23,293 赤間屋の親分に おい 言われてんだろ? 432 00:30:25,933 --> 00:30:30,938 何を 親分に言われてるってんだ? ええ? 十吉さんよぉ。 433 00:30:30,938 --> 00:30:33,238 つまみ出せ。 へい。 434 00:30:38,712 --> 00:30:43,767 三次。 どこ行こうってんだ? へい。 435 00:30:43,767 --> 00:30:47,438 この裏に 赤間屋唐造の賭場があるんですよ。 436 00:30:47,438 --> 00:30:50,441 分かった。 忠相に言われたな。 437 00:30:50,441 --> 00:30:53,594 だったら 俺たちも 手伝ってやろうじゃねえか。 438 00:30:53,594 --> 00:30:57,932 殿様も ご一緒だったんですか。 驚いたなぁ。 439 00:30:57,932 --> 00:31:01,936 …で どこだい? その赤間屋の賭場ってのは。 440 00:31:01,936 --> 00:31:04,939 (寅松)おら! おととい 来やがれ! 441 00:31:04,939 --> 00:31:08,943 (十吉)赤間の親分に 会わしてくれよ! 442 00:31:08,943 --> 00:31:14,932 (権太)いい加減にしねえか! 命 無くす事になるぜ。 443 00:31:14,932 --> 00:31:20,437 (寅松)土左ヱ門と名前が変わって 大川に浮かんでたって事に…。➡ 444 00:31:20,437 --> 00:31:23,040 ねっ 兄貴? 面白い事 言うじゃねえか。 445 00:31:23,040 --> 00:31:26,340 そうならねえようにしな! しな! この野郎! 446 00:31:31,382 --> 00:31:34,385 けっ! 447 00:31:34,385 --> 00:31:36,537 にいさん。 誰でえ!? 448 00:31:36,537 --> 00:31:39,440 どこかで 厄払いで きゅっと やりませんか? あ? 449 00:31:39,440 --> 00:31:42,042 奢ってくれるのかい? 奢ってやるよ。 450 00:31:42,042 --> 00:31:44,712 奢ってやるから おとなしく ついてこい! 451 00:31:44,712 --> 00:31:47,412 遠慮するねい。 さあ 行こうぜ。 452 00:31:50,384 --> 00:31:52,770 物騒な物 持ってやがるなぁ。 453 00:31:52,770 --> 00:31:56,774 不似合いな こしらえだな この野郎には。 454 00:31:56,774 --> 00:31:59,777 こいつは 人の血を吸ってる。 455 00:31:59,777 --> 00:32:03,130 しかも 新しい。 456 00:32:03,130 --> 00:32:14,274 ♬~ 457 00:32:14,274 --> 00:32:16,710 親分さん…。 458 00:32:16,710 --> 00:32:19,096 お金は もう返しましたよ。 459 00:32:19,096 --> 00:32:21,432 金 返せってんじゃねえ。 460 00:32:21,432 --> 00:32:24,718 お前のじいちゃんを 助けてやろうって言ってんだ。 461 00:32:24,718 --> 00:32:26,704 おじいちゃんを? 462 00:32:26,704 --> 00:32:30,107 伊勢芳の隠居を殺したのは 彦兵ヱじゃねえ。 463 00:32:30,107 --> 00:32:33,594 ここへ10両 置いていった あの侍だ。 え…。 464 00:32:33,594 --> 00:32:37,047 吉さんが ご隠居様を? ああ。 465 00:32:37,047 --> 00:32:39,199 だから あいつさえ捕まりゃあ➡ 466 00:32:39,199 --> 00:32:43,037 彦兵ヱは すぐお解き放ちになって ここへ帰ってこられる。 467 00:32:43,037 --> 00:32:47,107 俺も うちの若え奴ら 江戸中 駆け回らせて➡ 468 00:32:47,107 --> 00:32:52,713 あの侍の行方 八丁堀の旦那と 一緒に 追っかけてんだ。 469 00:32:52,713 --> 00:32:56,100 だからよぉ お志乃…。 470 00:32:56,100 --> 00:32:59,900 嫌! 嫌! 待て! お志乃! 471 00:33:01,722 --> 00:33:04,041 うっ…! いい加減にしないか! 472 00:33:04,041 --> 00:33:07,711 吉さん…! この野郎! 473 00:33:07,711 --> 00:33:10,047 彦兵ヱが 隠居殺しの下手人ではないかと➡ 474 00:33:10,047 --> 00:33:12,032 奉行所役人に 告げ口したのも➡ 475 00:33:12,032 --> 00:33:15,602 あの時 ここに こいつと一緒に 来ていた 権太という子分! 476 00:33:15,602 --> 00:33:17,604 うるせえ! 477 00:33:17,604 --> 00:33:24,044 ♬~ 478 00:33:24,044 --> 00:33:27,765 ああ 旦那! 下手人の侍だ! お縄にしてやっておくんなせえ! 479 00:33:27,765 --> 00:33:29,765 うるせえ! 480 00:33:31,769 --> 00:33:34,705 勘太! 縄 かけろい! 合点だい! 481 00:33:34,705 --> 00:33:36,705 何するんでえ! 482 00:33:43,213 --> 00:33:48,886 お志乃。 迷惑をかけて すまなかった。 483 00:33:48,886 --> 00:33:50,938 お言葉に甘えて➡ 484 00:33:50,938 --> 00:33:54,942 頂いたお金 遣ってしまった 私たちが悪いんです。 485 00:33:54,942 --> 00:33:58,595 おじいちゃんも 吉さんを恨んじゃいけないって…。 486 00:33:58,595 --> 00:34:03,200 彦兵ヱの その言葉に報いるために 今夜 私は ここに来たのだ。 487 00:34:03,200 --> 00:34:06,887 さあ お志乃 一緒においで。 488 00:34:06,887 --> 00:34:09,440 どこへ行くって おっしゃるの? 489 00:34:09,440 --> 00:34:11,708 役人のところへさ。 490 00:34:11,708 --> 00:34:14,945 彦兵ヱに 10両をやったのは 私だと言ってやる。 491 00:34:14,945 --> 00:34:17,764 いけません! そんな事したら 吉さんが…。 492 00:34:17,764 --> 00:34:21,034 私は 人殺しはしていないぞ。 493 00:34:21,034 --> 00:34:24,037 吉さん…! 494 00:34:24,037 --> 00:34:33,881 ♬~ 495 00:34:33,881 --> 00:34:35,933 源さん。 はっ。 496 00:34:35,933 --> 00:34:39,436 この娘を 彦兵ヱのところへ 連れていってやってくれ。 497 00:34:39,436 --> 00:34:42,736 はい。 さあ。 498 00:34:44,708 --> 00:34:51,408 私の事は心配しないで 行きなさい。 はい。 499 00:34:56,053 --> 00:34:58,753 上様。 500 00:35:00,707 --> 00:35:03,407 うん。 501 00:35:08,098 --> 00:35:11,885 お奉行様。 伊勢芳の隠居を殺したのは…。 502 00:35:11,885 --> 00:35:13,937 黙れ! 503 00:35:13,937 --> 00:35:19,042 申す事あらば この者の顔 よく見てから 申せ。 504 00:35:19,042 --> 00:35:21,042 え? 505 00:35:26,550 --> 00:35:28,602 あっ…! 506 00:35:28,602 --> 00:35:32,039 今更 「あっ!」って言ったって 手遅れだよ。 507 00:35:32,039 --> 00:35:36,944 僅かな金を惜しむから こういう事になったんだ! けっ! 508 00:35:36,944 --> 00:35:40,464 野州無宿十吉だな? へへえ。 509 00:35:40,464 --> 00:35:45,552 伊勢芳の隠居所に忍び入り 手文庫の金子10両 盗み取りし事➡ 510 00:35:45,552 --> 00:35:48,205 相違ないな? 511 00:35:48,205 --> 00:35:50,707 赤間屋の親分に➡ 512 00:35:50,707 --> 00:35:54,378 あそこには いつでも まとまった金が置いてあると➡ 513 00:35:54,378 --> 00:35:59,216 耳元で ささやかれて つい… へい。 514 00:35:59,216 --> 00:36:01,268 唐造。 515 00:36:01,268 --> 00:36:05,272 いや 仮に いつも まとまった金が 置いてあると言ったにしても➡ 516 00:36:05,272 --> 00:36:09,209 それを盗んで 隠居を殺せだなんていう事は…。 517 00:36:09,209 --> 00:36:14,214 いいや! 常日頃から 隠居とは昵懇の その方➡ 518 00:36:14,214 --> 00:36:18,435 隠居所に 十吉が盗みに入らば➡ 519 00:36:18,435 --> 00:36:23,890 人一倍 目ざとい隠居が目を覚まし 声を上げて➡ 520 00:36:23,890 --> 00:36:28,378 十吉に殺されると➡ 521 00:36:28,378 --> 00:36:33,100 十吉を けしかけ 隠居を殺させ➡ 522 00:36:33,100 --> 00:36:37,804 その罪を 彦兵ヱになすりつけ➡ 523 00:36:37,804 --> 00:36:39,806 彦兵ヱが お召し捕りにならば➡ 524 00:36:39,806 --> 00:36:43,277 一人になった お志乃 心細くなって➡ 525 00:36:43,277 --> 00:36:47,097 その方の 意のままになろうやもしれぬと…。 526 00:36:47,097 --> 00:36:51,602 まあ…! けだものだな! 527 00:36:51,602 --> 00:36:56,106 唐造ならびに その子分 権太 寅松の両名も➡ 528 00:36:56,106 --> 00:37:00,444 十吉ともども 重き処罰 受くるものと 覚悟しておけ! 529 00:37:00,444 --> 00:37:02,429 へへえ…。 530 00:37:02,429 --> 00:37:06,033 引っ立てい! (役人たち)はっ! 531 00:37:06,033 --> 00:37:08,033 立て! 532 00:37:09,770 --> 00:37:13,070 片瀬。 はっ! 533 00:37:16,393 --> 00:37:19,763 彦兵ヱ。 へい? 534 00:37:19,763 --> 00:37:23,100 あらぬ疑いをかけられ 牢に留め置かれて➡ 535 00:37:23,100 --> 00:37:25,769 さぞ つらかったであろう。 536 00:37:25,769 --> 00:37:27,771 疑いは 晴れた。 537 00:37:27,771 --> 00:37:32,275 お志乃ともども 長屋へ帰って 稼業に励めよ。 538 00:37:32,275 --> 00:37:37,097 へい。 今度こそ 10両の金をためて➡ 539 00:37:37,097 --> 00:37:39,866 必ず 吉さんに…。 お返し致します!➡ 540 00:37:39,866 --> 00:37:42,703 だから 吉さんのお屋敷 どこにあるのか➡ 541 00:37:42,703 --> 00:37:47,003 お奉行様 お教え下さいまし! 542 00:37:50,444 --> 00:37:52,713 (お志乃) どうか お教え下さいまし! 543 00:37:52,713 --> 00:37:56,783 お志乃。 (お志乃)はい。 544 00:37:56,783 --> 00:38:02,606 屋敷へ行っても 吉さんは もう おらぬやもしれぬ。 545 00:38:02,606 --> 00:38:06,376 え…? い… いらっしゃらねえ? うむ。 546 00:38:06,376 --> 00:38:12,099 お国詰めになっての 今朝早く 発つとか 発ったとか。 547 00:38:12,099 --> 00:38:14,935 (お志乃)それじゃ もう お礼にも伺えないんですか? 548 00:38:14,935 --> 00:38:18,939 吉さんには 奉行から よう言うておいた。 549 00:38:18,939 --> 00:38:23,593 人に情けをかけるという事は まことに難しいもの。 550 00:38:23,593 --> 00:38:27,381 情けが徒になる事も ままあるのだと。 551 00:38:27,381 --> 00:38:30,434 なあ。 はい…。 552 00:38:30,434 --> 00:38:35,539 お前も だから 吉さんの事を 恨んだり致すなよ。 553 00:38:35,539 --> 00:38:38,442 恨みません 決して…。➡ 554 00:38:38,442 --> 00:38:42,112 お奉行様。 吉さんから頂いた10両は➡ 555 00:38:42,112 --> 00:38:44,448 おじいちゃんと2人 一生懸命 働いて➡ 556 00:38:44,448 --> 00:38:47,868 少しずつでも 返したいと 思っていますから。 そうとも! 557 00:38:47,868 --> 00:38:54,224 よし。 少しずつでも 出来たら 当南町奉行所へ持ってまいれ。 558 00:38:54,224 --> 00:38:57,761 きっと 吉さんに 返して遣わす。 559 00:38:57,761 --> 00:38:59,763 お願いします! 560 00:38:59,763 --> 00:39:01,963 ありがとうございます! 561 00:39:06,436 --> 00:39:12,736 本日の白洲 これまで! ははっ! 562 00:39:18,098 --> 00:39:21,218 (土屋)目安箱? 563 00:39:21,218 --> 00:39:24,371 ご承知のとおり 古き昔には➡ 564 00:39:24,371 --> 00:39:28,275 訴状 陳情を 目安というており申した。 565 00:39:28,275 --> 00:39:31,228 言いたい事があれば 何でも構わぬ 言うてこい。 566 00:39:31,228 --> 00:39:34,097 紙に書いて この箱に投げ入れよ。 567 00:39:34,097 --> 00:39:38,535 余が 一つも余す事なく 読んで遣わすと 触れを出して。 568 00:39:38,535 --> 00:39:42,539 忠相 これも お前の? いえ。 569 00:39:42,539 --> 00:39:46,376 上様が仰せだされたものに ございます。 上様が? 570 00:39:46,376 --> 00:39:49,045 江戸の者たちの暮らし➡ 571 00:39:49,045 --> 00:39:53,433 余が この目で見たいと思うても 忠相が 迷惑だと ぬかしよる。 572 00:39:53,433 --> 00:39:57,433 ならばと 知恵を働かせたのよ。 573 00:40:03,710 --> 00:40:08,598 (水野)この目安箱を 江戸城 龍口 評定所前に据え置き➡ 574 00:40:08,598 --> 00:40:12,102 上様 ご直々に 箱の鍵を お開けあそばし➡ 575 00:40:12,102 --> 00:40:16,773 誰の手も経ず 下々の訴えを ご覧下さろうという…。 576 00:40:16,773 --> 00:40:21,711 脛に傷持つ者にとっては 肝の冷える箱だのぉ。 577 00:40:21,711 --> 00:40:25,098 直訴は法度の 厳しい掟に阻まれて➡ 578 00:40:25,098 --> 00:40:29,269 上様にも ご領主 殿様にも 訴え出るには➡ 579 00:40:29,269 --> 00:40:32,105 死を覚悟して致さねば ならなかったものを➡ 580 00:40:32,105 --> 00:40:37,260 この目安箱で 救われましょう。 581 00:40:37,260 --> 00:40:41,765 まこと 後の世までも語り継がれる ご善政。 582 00:40:41,765 --> 00:40:46,369 上様 ようあそばされました。 583 00:40:46,369 --> 00:41:08,108 ♬~ 584 00:41:08,108 --> 00:41:11,761 これが…。 目安箱よ。 585 00:41:11,761 --> 00:41:13,961 先生。 586 00:41:20,270 --> 00:41:24,070 では お願いします。 はい。 587 00:41:25,709 --> 00:41:28,428 (お志乃)ありがとうございました。 588 00:41:28,428 --> 00:41:33,033 お志乃さん… ですね? はい。 589 00:41:33,033 --> 00:41:37,537 これ 仕立てて頂こうと思って 待ってましたのよ。 590 00:41:37,537 --> 00:41:39,773 どうして 私に? 591 00:41:39,773 --> 00:41:45,395 仕立物は 藤八長屋の お志乃さんにって言われましてね。 592 00:41:45,395 --> 00:41:47,797 どなたにですか? 593 00:41:47,797 --> 00:41:51,034 あ… 吉さんに。 594 00:41:51,034 --> 00:41:53,386 え? 吉さん? 595 00:41:53,386 --> 00:41:56,389 ええ。 吉さんに。 596 00:41:56,389 --> 00:41:59,042 ね? お母様。 597 00:41:59,042 --> 00:42:01,761 吉さんが 江戸を発つ朝➡ 598 00:42:01,761 --> 00:42:05,061 うちへいらして おっしゃったのよ。 599 00:42:08,385 --> 00:42:11,888 (雪絵)お願いしますね。 600 00:42:11,888 --> 00:42:13,873 はい…。 601 00:42:13,873 --> 00:42:25,769 ♬~ 602 00:42:25,769 --> 00:42:30,769 彦さん。 精が出るねえ。 ハハハ! ありがとうよ。 603 00:42:35,779 --> 00:42:37,764 おい 源の字。 604 00:42:37,764 --> 00:42:41,534 穴の開いた 鍋でも釜でも 彦兵ヱに直してもらいなよ。 605 00:42:41,534 --> 00:42:46,873 あいにく 古い鍋釜は 伊勢に 置いてきてしまいましたから。 606 00:42:46,873 --> 00:42:49,542 だったら 新しいのでもいいやな。 607 00:42:49,542 --> 00:42:52,712 その腰の十手で がんがん 穴 開けて 持ってこい。 608 00:42:52,712 --> 00:42:56,433 そんな… むちゃ言わないで下さいよ。 609 00:42:56,433 --> 00:43:02,939 <目安箱 生んだ情けの蕎麦がきの 味は 甘いか しょっぱいか。➡ 610 00:43:02,939 --> 00:43:10,139 江戸のお空は 青々と 幸せ色に晴れ渡っていた> 611 00:43:11,698 --> 00:43:14,601 仲人を頼まれた? それは よかった! 612 00:43:14,601 --> 00:43:17,203 お嫁になんか 私 行けません! 613 00:43:17,203 --> 00:43:19,723 おとみの消息が 知れたんでしょうか? 614 00:43:19,723 --> 00:43:22,876 私は おっ母さんの娘です! 615 00:43:22,876 --> 00:43:26,676 おとみの幸せ 源さんに かかってるんだ。