1 00:00:33,703 --> 00:00:36,639 (鳥の鳴き声) 2 00:00:36,639 --> 00:00:42,639 (鈴の音) 3 00:01:04,634 --> 00:01:10,306 父上 行ってまいります。 4 00:01:10,306 --> 00:01:34,430 ♬~ 5 00:01:34,430 --> 00:01:36,766 (匂いを嗅ぐ) 6 00:01:36,766 --> 00:01:41,466 おい また しじみ汁か? 7 00:01:43,105 --> 00:01:45,608 お好きでございましょう? 8 00:01:45,608 --> 00:01:50,279 いや… いくら 好きだっていったってよ➡ 9 00:01:50,279 --> 00:01:54,150 こうも 毎朝じゃあな…。 10 00:01:54,150 --> 00:01:58,988 何か ほかのものは 考えられねえのかい? 11 00:01:58,988 --> 00:02:03,459 あなたのためを思って こしらえましたのに➡ 12 00:02:03,459 --> 00:02:06,495 お気に召さないと おっしゃるんですか…。 13 00:02:06,495 --> 00:02:10,967 ああ いやいや いやいや… 頂戴します 頂戴しますよ。 14 00:02:10,967 --> 00:02:12,967 ありがたく 頂戴します。 15 00:02:15,471 --> 00:02:19,141 あ… 今日も しじみ? 16 00:02:19,141 --> 00:02:23,312 お母様から お好きと伺って…。 17 00:02:23,312 --> 00:02:26,148 さすがに 毎日では飽きますね。 18 00:02:26,148 --> 00:02:28,484 すみません。 すぐに ほかのものを…。 19 00:02:28,484 --> 00:02:31,921 いやいや 構わぬ。 大好物だ。 20 00:02:31,921 --> 00:02:34,621 頂きます。 21 00:02:41,631 --> 00:02:44,634 うん。 うまい。 22 00:02:44,634 --> 00:02:46,769 すみません。 23 00:02:46,769 --> 00:02:49,805 (お花)申し訳ございません。 24 00:02:49,805 --> 00:02:53,943 奥様 しじみ売りの郁太郎さんが 参っております。 25 00:02:53,943 --> 00:02:56,779 あら… どうしたのでしょう? 26 00:02:56,779 --> 00:02:59,682 何やら お礼を申し上げたいとかで。 27 00:02:59,682 --> 00:03:01,651 お礼? 28 00:03:01,651 --> 00:03:05,121 行ってやりなさい。 待っているのだろう? 29 00:03:05,121 --> 00:03:09,121 では 少しの間 失礼して。 30 00:03:14,797 --> 00:03:19,669 なるほど。 その子のせいか…。 31 00:03:19,669 --> 00:03:24,140 奥方様のお言葉どおり たぬきに立ち寄りましたところ➡ 32 00:03:24,140 --> 00:03:28,311 残っていた しじみを 全部 買い取って頂きました。 33 00:03:28,311 --> 00:03:30,646 そう。 よかったわね。 34 00:03:30,646 --> 00:03:34,083 また来てほしいと 言って下さいまして…➡ 35 00:03:34,083 --> 00:03:36,752 まことに ありがたい事です。 36 00:03:36,752 --> 00:03:39,088 奥方様のおかげです。 37 00:03:39,088 --> 00:03:44,260 いいえ。 郁太郎さんの人柄が そうさせたのですよ。 38 00:03:44,260 --> 00:03:49,131 わざわざ来てくれて ありがとう。 明日も待っていますからね。 39 00:03:49,131 --> 00:03:51,831 はい! それでは。 40 00:04:00,276 --> 00:04:04,113 ご覧になっていたのですか? うん。 41 00:04:04,113 --> 00:04:07,783 侍の子だとは思わなかったな。 42 00:04:07,783 --> 00:04:12,121 私も 初めは驚きました。 43 00:04:12,121 --> 00:04:18,794 でも あの子 嫌な顔一つせず 天秤棒を担いでまいります。 44 00:04:18,794 --> 00:04:23,632 察するところ 父親は浪々の身か…。 45 00:04:23,632 --> 00:04:27,970 けなげな事だな。 本当に。 46 00:04:27,970 --> 00:04:31,841 子は親の鏡と申します。 47 00:04:31,841 --> 00:04:36,412 私も あんな子を持ちたいものです。 48 00:04:36,412 --> 00:04:49,412 ♬~ 49 00:04:50,960 --> 00:05:58,260 ♬~ 50 00:06:00,930 --> 00:06:07,130 ♬~ 51 00:06:11,440 --> 00:06:13,375 (戸が開く音) 52 00:06:13,375 --> 00:06:17,175 ただいま 帰りました。 53 00:06:25,955 --> 00:06:27,890 銭。 54 00:06:27,890 --> 00:06:31,460 稼いできたのだろう? 55 00:06:31,460 --> 00:06:33,460 出さぬか。 56 00:06:36,232 --> 00:06:38,532 …はい。 57 00:07:12,768 --> 00:07:15,104 その郁太郎って子➡ 58 00:07:15,104 --> 00:07:17,039 うちで診ていた患者の伜だ。 59 00:07:17,039 --> 00:07:21,277 母親の方だが あいにく 来た時には もう手遅れで➡ 60 00:07:21,277 --> 00:07:23,212 養生所で 看取った。 61 00:07:23,212 --> 00:07:25,447 おっ母さん 死んじまったんですか? 62 00:07:25,447 --> 00:07:27,383 うん。 63 00:07:27,383 --> 00:07:30,953 にこにこして そんなふうには 見えなかったけどなあ…。 64 00:07:30,953 --> 00:07:34,723 (お秀)お武家の子にしちゃ 愛嬌あるし…。 65 00:07:34,723 --> 00:07:37,393 母親も明るい人だった。 66 00:07:37,393 --> 00:07:42,565 自分だって つらいのに いつも ほかの患者を励まして…。 67 00:07:42,565 --> 00:07:48,437 しじみ売りか… そんなに 暮らしに困っていたとはな。 68 00:07:48,437 --> 00:07:52,741 よう! いらっしゃい! 来てたのか。 69 00:07:52,741 --> 00:07:54,677 いつもので? おう。 70 00:07:54,677 --> 00:07:58,247 しじみの酒蒸し いかがです? そいつは勘弁してもらおう。 71 00:07:58,247 --> 00:08:00,182 あれ? お嫌いですかい? 72 00:08:00,182 --> 00:08:02,751 しじみは 肝の臓によいのです。 お食べなさい。 73 00:08:02,751 --> 00:08:06,088 今日は 飛びっ切りいいのが 入ってます。 お薦めですよ。 74 00:08:06,088 --> 00:08:08,757 いい加減にしろ どいつも こいつも! 75 00:08:08,757 --> 00:08:13,057 俺は しじみから逃げてきたんだ この野郎! 76 00:08:19,101 --> 00:08:23,973 八神殿ではありませんか。 ああ…。 77 00:08:23,973 --> 00:08:30,713 奇遇だな。 今し方 郁太郎の噂をしていたところです。 78 00:08:30,713 --> 00:08:33,048 しじみを売っていると聞きました。 79 00:08:33,048 --> 00:08:35,951 今度 養生所にも寄るよう 伝えて下さい。 80 00:08:35,951 --> 00:08:40,923 余計な斟酌は 無用に願いたい。 81 00:08:40,923 --> 00:08:44,660 では 余計ついでに 言わせてもらおう。 82 00:08:44,660 --> 00:08:48,530 見たところ あなたは 酒を飲んでおられるようだ。 83 00:08:48,530 --> 00:08:51,233 ご妻女を亡くして つらいのは分かるが➡ 84 00:08:51,233 --> 00:08:54,136 それは 郁太郎も同じでしょう。 85 00:08:54,136 --> 00:08:57,106 本来ならば 父親たる あなたが➡ 86 00:08:57,106 --> 00:09:00,242 あの子を 支えるべきではありませんか? 87 00:09:00,242 --> 00:09:02,745 酒に逃げても しかたがない。 88 00:09:02,745 --> 00:09:04,745 しっかりなさい! 89 00:09:19,194 --> 00:09:21,764 お帰りなさい。 90 00:09:21,764 --> 00:09:23,699 いたのか。 91 00:09:23,699 --> 00:09:25,999 ただいま お茶を。 92 00:09:28,270 --> 00:09:32,570 要らん。 すぐ出かける。 93 00:09:52,594 --> 00:10:02,905 ♬~ 94 00:10:02,905 --> 00:10:07,205 家宝の刀を どうなさるのですか? 95 00:10:08,777 --> 00:10:11,580 母上が それだけは手放すなと…。 96 00:10:11,580 --> 00:10:14,780 子どもは 口を出すな! 97 00:10:21,590 --> 00:10:32,768 ♬~(三味線) 98 00:10:32,768 --> 00:10:34,703 (悲鳴) 99 00:10:34,703 --> 00:10:36,638 待ってくれ! 100 00:10:36,638 --> 00:10:40,642 (悲鳴) 待ってくれ! 101 00:10:40,642 --> 00:10:42,945 何事だ? 102 00:10:42,945 --> 00:10:45,614 あっ… おい! あれ! 103 00:10:45,614 --> 00:10:51,814 ひ… 人殺しだ! 人殺し! 人殺し~! 104 00:10:57,326 --> 00:10:59,962 お膳を持って こう来たら➡ 105 00:10:59,962 --> 00:11:03,632 障子が開いてて…。 ちょっと待て。 106 00:11:03,632 --> 00:11:08,804 障子が開いてた? あ… はい。 107 00:11:08,804 --> 00:11:11,140 妙だな…。 108 00:11:11,140 --> 00:11:13,976 何がです? 109 00:11:13,976 --> 00:11:19,148 俺が 人を殺すんなら 人目につかぬよう➡ 110 00:11:19,148 --> 00:11:22,484 障子を閉める。 111 00:11:22,484 --> 00:11:24,820 なるほど。 112 00:11:24,820 --> 00:11:28,690 仏は 木挽町の武藏屋ってえ 高利貸しだそうです。 113 00:11:28,690 --> 00:11:31,593 阿漕だと評判の野郎だ。 114 00:11:31,593 --> 00:11:33,529 懐のものがない! 115 00:11:33,529 --> 00:11:37,099 するってえと 物取りですか? いや…。 116 00:11:37,099 --> 00:11:39,768 ただの物取りじゃあるめえよ。 117 00:11:39,768 --> 00:11:45,107 高利貸しなら 恨みの線も考えなきゃならねえや。 118 00:11:45,107 --> 00:11:47,042 (辰三)ははあ…。 119 00:11:47,042 --> 00:11:51,280 ああ 逃げた奴を知ってるって? 120 00:11:51,280 --> 00:11:55,150 はい。 確か 八神様と名乗られました。 121 00:11:55,150 --> 00:11:59,021 えっ… 今 八神って言いやした? 122 00:11:59,021 --> 00:12:01,990 お前 心当たりあるのか? 123 00:12:01,990 --> 00:12:04,827 いや でも まさか…。 124 00:12:04,827 --> 00:12:09,298 いいから 話してみろ ほら。 へい… へい。 125 00:12:09,298 --> 00:12:11,233 (足音) 126 00:12:11,233 --> 00:12:13,233 (戸が開く音) 127 00:12:23,145 --> 00:12:26,815 (荒い息遣い) 128 00:12:26,815 --> 00:12:29,615 父上…。 129 00:12:36,425 --> 00:12:38,360 これは? 130 00:12:38,360 --> 00:12:41,296 決して やましい金ではない。 131 00:12:41,296 --> 00:12:45,296 父を信じて ここで待て。 132 00:12:55,444 --> 00:12:58,280 (戸が閉まる音) 133 00:12:58,280 --> 00:13:02,080 (走り去る足音) 134 00:13:10,292 --> 00:13:12,227 若。 135 00:13:12,227 --> 00:13:15,964 ≪どうした? 源さん。 136 00:13:15,964 --> 00:13:19,301 先ほど 知らせのありました 殺しの一件。 137 00:13:19,301 --> 00:13:21,336 うむ。 下手人は➡ 138 00:13:21,336 --> 00:13:25,641 八神と申す 浪人者ではないかと 今…。 139 00:13:25,641 --> 00:13:28,143 八神…。 140 00:13:28,143 --> 00:13:32,943 しじみ売り 郁太郎の 父親でございます。 141 00:13:37,419 --> 00:13:42,119 (鳥の鳴き声) 142 00:13:44,593 --> 00:13:48,263 なぜ 父を捜しているのですか? 143 00:13:48,263 --> 00:13:53,435 え? ああ…。 144 00:13:53,435 --> 00:13:57,306 おお 郁太郎! 松田様。 145 00:13:57,306 --> 00:14:01,109 お手前方は 町方の役人か? 146 00:14:01,109 --> 00:14:03,045 いかにも。 147 00:14:03,045 --> 00:14:05,447 子どもを責めても しかたあるまい。➡ 148 00:14:05,447 --> 00:14:07,482 話は 拙者が承ろう。 149 00:14:07,482 --> 00:14:10,619 失礼ですが 旦那は? 150 00:14:10,619 --> 00:14:16,124 旗本 近藤帯刀家人 松田金吾と申す。 151 00:14:16,124 --> 00:14:20,963 八神とは 竹馬の友でござる。 152 00:14:20,963 --> 00:14:27,135 せっかくの申し出だ。 いろいろ 聞かせて頂こうか。 153 00:14:27,135 --> 00:14:29,171 教えて下さい! 154 00:14:29,171 --> 00:14:34,371 父に 何があったのです? 155 00:14:37,245 --> 00:14:41,917 人を殺めたのではないかと 疑われている。 156 00:14:41,917 --> 00:14:43,852 えっ…? 157 00:14:43,852 --> 00:14:46,254 きっと 何かの間違いだ。 158 00:14:46,254 --> 00:14:50,554 あいつは 人殺しなんかする奴じゃない。 159 00:14:52,427 --> 00:14:55,330 一人でいるのは 心細かろう。 160 00:14:55,330 --> 00:15:00,168 しばらく 私のところへ来るか? 161 00:15:00,168 --> 00:15:04,668 私は ここで 父の帰りを待ちます。 162 00:15:09,277 --> 00:15:13,115 八神が こいつで 武藏屋を刺したところを➡ 163 00:15:13,115 --> 00:15:15,050 料理屋の仲居が見てる。 164 00:15:15,050 --> 00:15:17,452 信じられん…。 165 00:15:17,452 --> 00:15:19,788 確かに 八神のものだが➡ 166 00:15:19,788 --> 00:15:22,691 これは 先祖伝来の 大切な短刀だからと➡ 167 00:15:22,691 --> 00:15:25,127 ふだんは 持ち歩かなかった。 168 00:15:25,127 --> 00:15:27,796 はい。 169 00:15:27,796 --> 00:15:32,067 …って事は 特別な用事があったって訳だ。 170 00:15:32,067 --> 00:15:35,570 八神は 武藏屋に 借金してなかったか? 171 00:15:35,570 --> 00:15:38,073 ああ それは…。 172 00:15:38,073 --> 00:15:41,910 隠しても いずれ分かる事だぞ。 173 00:15:41,910 --> 00:15:47,249 …妻女の薬代やら 仕官のための付け届けやら➡ 174 00:15:47,249 --> 00:15:49,751 少なからず 借りていたようです。 175 00:15:49,751 --> 00:15:51,787 あっ! もしかして これで➡ 176 00:15:51,787 --> 00:15:53,922 借金帳消しにしようと したんじゃないですかね? 177 00:15:53,922 --> 00:15:57,759 この業物なら 10両… いや 20両にはなる。 178 00:15:57,759 --> 00:16:00,662 しかし 話が折り合わず…。 かっとなって ぶすり! 179 00:16:00,662 --> 00:16:05,962 後先も考えず… 浅はかな奴め! 180 00:16:08,770 --> 00:16:23,118 ♬~ 181 00:16:23,118 --> 00:16:27,622 金吾。 直介か? 182 00:16:27,622 --> 00:16:30,525 お主に尋ねたい事がある。 183 00:16:30,525 --> 00:16:32,894 おい 話している暇はない。 184 00:16:32,894 --> 00:16:35,397 町方が来る! 早く 逃げろ! 185 00:16:35,397 --> 00:16:38,233 あっ! 186 00:16:38,233 --> 00:16:40,569 放せ! 187 00:16:40,569 --> 00:16:44,739 邪魔立てすれば お主も捕らえるぞ! 188 00:16:44,739 --> 00:16:51,913 ♬~ 189 00:16:51,913 --> 00:16:54,613 八神! 190 00:16:57,419 --> 00:16:59,719 抜くか? 191 00:17:06,428 --> 00:17:10,128 神妙にしろ! 縄 かけろい! 192 00:17:12,934 --> 00:17:16,271 (郁太郎)父上! 193 00:17:16,271 --> 00:17:18,206 早く 連れていけ! 194 00:17:18,206 --> 00:17:20,609 父上! 来てはならぬ! 195 00:17:20,609 --> 00:17:23,512 父を信じて 待て。 196 00:17:23,512 --> 00:17:25,512 行くぞ! 197 00:17:31,620 --> 00:17:33,555 すまんな。 198 00:17:33,555 --> 00:17:38,393 逃がしてやろうとしたんだが…。 199 00:17:38,393 --> 00:17:43,899 お調べで 間違いだと分かります。 200 00:17:43,899 --> 00:17:49,599 (鈴の音) 201 00:17:55,243 --> 00:17:57,243 (戸が開く音) 202 00:18:00,916 --> 00:18:03,818 父は もう捕まったのですから➡ 203 00:18:03,818 --> 00:18:07,789 私を見張っていても しかたないでしょう? 204 00:18:07,789 --> 00:18:10,926 そんな事 言われても…。 205 00:18:10,926 --> 00:18:13,726 おわっ! ちょっと! ちょっと ちょっと! 206 00:18:19,267 --> 00:18:22,103 おい なにも こんな時まで➡ 207 00:18:22,103 --> 00:18:24,139 しじみ とらなくたって いいじゃねえかよ。 208 00:18:24,139 --> 00:18:29,844 休む訳にはいきません。 お客様が待っていますから。 209 00:18:29,844 --> 00:18:34,644 …分かったよ。 俺も手伝うよ。 210 00:18:39,387 --> 00:18:43,225 冷た~! おわ~! 211 00:18:43,225 --> 00:18:47,395 そりゃ おかしいねえ。 (郁太郎)しじみ~! 212 00:18:47,395 --> 00:18:51,395 しじみ~! 213 00:18:57,072 --> 00:19:02,877 あれ? ちょ… ちょっと! しじみ しじみ! しじみ…。 214 00:19:02,877 --> 00:19:20,262 ♬~ 215 00:19:20,262 --> 00:19:22,297 何でえ…。 216 00:19:22,297 --> 00:19:24,432 ああ おい おい! ちょっと ちょっと ちょっと! 217 00:19:24,432 --> 00:19:27,335 ついてこないで下さい。 218 00:19:27,335 --> 00:19:31,835 あなたがいると かえって 売れません。 219 00:19:33,541 --> 00:19:36,878 郁太郎さん 来ませんね…。 220 00:19:36,878 --> 00:19:39,714 ええ…。 221 00:19:39,714 --> 00:19:54,262 ♬~ 222 00:19:54,262 --> 00:19:56,264 郁ちゃん! 223 00:19:56,264 --> 00:19:59,734 待ってたのに なかなか来ねえから 捜しに来ちまった。 224 00:19:59,734 --> 00:20:02,637 すみません。 225 00:20:02,637 --> 00:20:06,408 これ 全部 うちで 買わせてもらってもいいかい? 226 00:20:06,408 --> 00:20:09,744 でも こんなに たくさん…。 227 00:20:09,744 --> 00:20:13,248 すぐ無くなっちまうよ。 これで結構 繁盛してるんだ。 228 00:20:13,248 --> 00:20:15,750 フフフフ! 229 00:20:15,750 --> 00:20:19,621 飯 まだなんだろ? うちで食わねえか? 230 00:20:19,621 --> 00:20:21,623 えっ…? 231 00:20:21,623 --> 00:20:23,623 さあ! 232 00:20:26,928 --> 00:20:32,628 あの短刀 借金のかたに 持っていったのか? 233 00:20:34,269 --> 00:20:36,938 それなら 店に行けば済む事だ。 234 00:20:36,938 --> 00:20:42,444 わざわざ 武藏屋を呼び出したのは なぜだ? 235 00:20:42,444 --> 00:20:45,280 はなっから 殺そうと 思ってたんじゃないのか!? 236 00:20:45,280 --> 00:20:47,215 白状しろい! 237 00:20:47,215 --> 00:20:52,015 話の次第によっては お上にも 情けはある。 238 00:20:56,458 --> 00:20:59,794 こいつ…! 239 00:20:59,794 --> 00:21:17,212 ♬~ 240 00:21:17,212 --> 00:21:22,050 はい しじみの酒蒸しに 醤油漬け。 241 00:21:22,050 --> 00:21:24,486 文句言わずに 食べて下さいよ。 あたぼうよ! 242 00:21:24,486 --> 00:21:28,990 しじみは 大好物だ。 ハハハハハ! ハハハハ! 243 00:21:28,990 --> 00:21:31,960 [ 回想 ] (直介)決して やましい金ではない。 244 00:21:31,960 --> 00:21:34,660 父を信じて ここで待て。 245 00:21:36,731 --> 00:21:40,101 ああ いらっしゃい! こんちは~! 246 00:21:40,101 --> 00:21:43,438 酒蒸しと しじみ汁 それと 飯! はい! 247 00:21:43,438 --> 00:21:46,638 (三次)悪いね ちょっと 詰めてくれるかい? 248 00:21:49,944 --> 00:21:51,880 証拠も証人も そろってる。 249 00:21:51,880 --> 00:21:53,815 今更 八神を調べる必要は ないでしょう! 250 00:21:53,815 --> 00:21:56,818 それは そうなんだが…! ただ 下手人を挙げれば➡ 251 00:21:56,818 --> 00:21:59,120 いいってもんじゃない。 252 00:21:59,120 --> 00:22:04,459 なぜ 殺めてしまったのか 裏には 何があったのか…。 253 00:22:04,459 --> 00:22:08,296 (橋田)それを明らかにするのが 我々の役目だ。 254 00:22:08,296 --> 00:22:10,799 しかし 本人が 喋らん事には…! 255 00:22:10,799 --> 00:22:15,470 やけになってんだろう。 何を言っても 無駄だってな。 256 00:22:15,470 --> 00:22:18,973 おい! 八神殿が捕まったって 本当か!? 257 00:22:18,973 --> 00:22:21,009 耳が早いな。 忠相➡ 258 00:22:21,009 --> 00:22:23,812 八神殿が 死罪ともなれば 郁太郎は どうなる? 259 00:22:23,812 --> 00:22:26,481 天涯孤独 路頭に迷う身となるんだぞ! 260 00:22:26,481 --> 00:22:30,819 しかし 人を殺めた以上 相応の処罰は受けねばならぬ。 261 00:22:30,819 --> 00:22:33,721 それが ご定法というものだ。 262 00:22:33,721 --> 00:22:37,258 親の罪で 子も苦しめというのか!? そんな むごい事があるか! 263 00:22:37,258 --> 00:22:41,129 あの孝行息子が何をした? ご政道には 血も涙もないのか! 264 00:22:41,129 --> 00:22:47,129 落ち着け! まだ 八神が 下手人と決まった訳ではない。 265 00:22:49,771 --> 00:22:51,971 …そうなのか? 266 00:22:53,608 --> 00:22:57,111 源さん 八神の持ち物を見せてくれるか? 267 00:22:57,111 --> 00:22:59,911 はい。 おい。 はっ。 268 00:23:02,283 --> 00:23:04,319 ないな…。 269 00:23:04,319 --> 00:23:06,454 何がですか? 270 00:23:06,454 --> 00:23:08,790 この短刀の鞘だ。 271 00:23:08,790 --> 00:23:11,693 部屋には 落ちていたか? 272 00:23:11,693 --> 00:23:13,661 いいえ。 273 00:23:13,661 --> 00:23:18,800 逃げる途中 始末したのでは? うむ…。 274 00:23:18,800 --> 00:23:22,470 本人に 聞いてみるか。 275 00:23:22,470 --> 00:23:25,170 いや…。 ああ…。 うむ…。 276 00:23:42,590 --> 00:23:45,790 あっ あった。 277 00:23:50,765 --> 00:23:54,636 一昨日 短刀を売りに来た人が いませんでしたか? 278 00:23:54,636 --> 00:23:56,836 いないねえ。 279 00:23:58,640 --> 00:24:03,278 このくらいの長さで 吉光という銘が入ってます。 280 00:24:03,278 --> 00:24:06,578 知らないな。 281 00:24:17,625 --> 00:24:19,925 八神直介。 282 00:24:22,297 --> 00:24:26,167 短刀の鞘は どこへやった? 283 00:24:26,167 --> 00:24:28,169 知るものか。 284 00:24:28,169 --> 00:24:31,469 フフフ… だろうな。 285 00:24:33,908 --> 00:24:41,416 何故 いきさつを語ろうとせぬ? 286 00:24:41,416 --> 00:24:48,289 そなた 既に あの刀を 手放していたのではないか? 287 00:24:48,289 --> 00:24:53,995 武士の魂である刀 しかも かなりの業物。 288 00:24:53,995 --> 00:24:56,264 それを手放した事を恥じて➡ 289 00:24:56,264 --> 00:25:00,564 本当の事が 言えないのではないか? 290 00:25:02,136 --> 00:25:04,606 恥じる気持ちは 分かる。 291 00:25:04,606 --> 00:25:10,478 しかし それも 伜 郁太郎を 立派に武士の子として育てたい➡ 292 00:25:10,478 --> 00:25:14,278 その思いからではないのか? 293 00:25:21,789 --> 00:25:28,663 ここで黙り通し 打ち首になれば お主は それで気が済むだろう。 294 00:25:28,663 --> 00:25:31,132 だが 郁太郎は この先➡ 295 00:25:31,132 --> 00:25:35,737 重い荷を背負って 生きていかねばならぬ。 296 00:25:35,737 --> 00:25:41,437 父が犯した 罪のために…。 297 00:25:49,584 --> 00:25:53,254 …待ってくれ! 298 00:25:53,254 --> 00:25:59,254 私は やっていない! もう一度 調べてもらいたい。 299 00:26:10,271 --> 00:26:12,471 失礼するぜ。 300 00:26:14,108 --> 00:26:16,044 御用人に会う? 301 00:26:16,044 --> 00:26:19,981 直介が… 八神が そう申したのですか? 302 00:26:19,981 --> 00:26:23,785 しかし あの日は…。 約束はなかったって事だな? 303 00:26:23,785 --> 00:26:26,287 さよう。 う~ん…。 304 00:26:26,287 --> 00:26:28,322 なぜ そんな嘘を…。 305 00:26:28,322 --> 00:26:33,895 調べれば 分かる事なのに。 全くだな。 306 00:26:33,895 --> 00:26:36,731 八神に お伝え下さい。 307 00:26:36,731 --> 00:26:42,403 これ以上 郁太郎に 顔向けできぬような事はするなと。 308 00:26:42,403 --> 00:26:53,748 ♬~ 309 00:26:53,748 --> 00:26:58,586 古物商 井澤屋… ここですね。 おう。 310 00:26:58,586 --> 00:27:01,622 八神様? 八神…。 311 00:27:01,622 --> 00:27:03,758 いや 存じませんな。 312 00:27:03,758 --> 00:27:06,661 おととい この店で 短刀を売ったと言ってるんだ。 313 00:27:06,661 --> 00:27:10,631 この2~3日 刀をお持ちになった お客様は おいでになりません。 314 00:27:10,631 --> 00:27:14,769 何…!? 旦那! 315 00:27:14,769 --> 00:27:17,105 そうか…。 316 00:27:17,105 --> 00:27:20,775 井澤屋は 知らぬと申したか。 はい! 317 00:27:20,775 --> 00:27:24,445 いや しかし 今更 八神が嘘をつくとも思えん。 318 00:27:24,445 --> 00:27:27,281 では 井澤屋の方が 嘘をついてると? 319 00:27:27,281 --> 00:27:30,785 そうなりますね。 その訳は? 320 00:27:30,785 --> 00:27:33,054 う~ん…。 (立花)行ってまいりました! 321 00:27:33,054 --> 00:27:34,989 ご苦労。 どうだ? 322 00:27:34,989 --> 00:27:39,727 松田の話じゃ 御用人と会う 約束など なかったそうです。 323 00:27:39,727 --> 00:27:43,598 やっぱり! 全部 八神のでたらめだ! 324 00:27:43,598 --> 00:27:47,401 (田所)さあ そいつは どうかな? 325 00:27:47,401 --> 00:27:52,073 あの松田って野郎 かなり 博打に はまってて➡ 326 00:27:52,073 --> 00:27:59,413 方々で借金を重ねてるようです。 中でも 一番の大口が…➡ 327 00:27:59,413 --> 00:28:01,449 武藏屋らしい。 328 00:28:01,449 --> 00:28:04,585 武藏屋? (田所)はっ。 329 00:28:04,585 --> 00:28:07,622 若! 330 00:28:07,622 --> 00:28:11,459 あっ 松田様! 郁太郎じゃないか。 331 00:28:11,459 --> 00:28:16,764 短刀の事 父から聞いてませんか? うん? 332 00:28:16,764 --> 00:28:20,101 以前 売る気があるなら 店を紹介すると➡ 333 00:28:20,101 --> 00:28:22,436 父に 言ってたでしょう? 334 00:28:22,436 --> 00:28:26,607 ああ…。 どこですか? 335 00:28:26,607 --> 00:28:29,510 うん… 聞いて どうする? 336 00:28:29,510 --> 00:28:33,010 お店に行って 確かめたいのです。 337 00:28:35,216 --> 00:28:39,053 あの夜 父に渡されたんです。 338 00:28:39,053 --> 00:28:42,723 多分 短刀を売った お金だと思います。 339 00:28:42,723 --> 00:28:48,896 売ってしまった短刀で 人を殺せるはずありません。 340 00:28:48,896 --> 00:28:54,235 松田様も そう思いませんか? 341 00:28:54,235 --> 00:28:58,573 お前の言うとおりかもしれん。 342 00:28:58,573 --> 00:29:04,073 心当たりがある。 さあ 中へ入れ。 343 00:29:06,914 --> 00:29:10,585 郁ちゃん… どこ行っちゃったんだろう? 344 00:29:10,585 --> 00:29:12,620 そうだなあ。 345 00:29:12,620 --> 00:29:17,925 もうすぐ 日が暮れるっていうのに…。 346 00:29:17,925 --> 00:29:20,761 おいら ちょいと様子 見てきます。 347 00:29:20,761 --> 00:29:22,761 おう。 348 00:29:24,432 --> 00:29:28,269 郁太郎~! 349 00:29:28,269 --> 00:29:31,069 いたか? いえ…。 350 00:29:32,707 --> 00:29:35,376 妙な考え 起こさなきゃいいけど…。 351 00:29:35,376 --> 00:29:37,879 おい! 縁起でもない事 言うんじゃない。 352 00:29:37,879 --> 00:29:40,379 あ… すいやせん。 353 00:29:44,652 --> 00:29:47,889 どうです? まだ…。 354 00:29:47,889 --> 00:29:53,589 長屋に帰っているかもしれません。 私 もう一度 見てまいります。 355 00:29:56,397 --> 00:29:58,332 はあ…。 356 00:29:58,332 --> 00:30:00,902 子どものくせに➡ 357 00:30:00,902 --> 00:30:04,238 いらぬ知恵を回すから こういう事になるんだ。 358 00:30:04,238 --> 00:30:06,738 ハハハハハ。 359 00:30:13,414 --> 00:30:22,914 (鐘の音) 360 00:30:30,765 --> 00:30:38,465 (鐘の音) 361 00:30:48,115 --> 00:30:52,954 (鐘の音) 362 00:30:52,954 --> 00:30:56,754 「母上さま」…。 363 00:31:00,294 --> 00:31:08,094 「如何すれば もとの父上に お戻りになられましょう」。 364 00:31:12,640 --> 00:31:18,813 (郁太郎)「母上さま きょうも父上は お酒を召され➡ 365 00:31:18,813 --> 00:31:25,152 日々 気弱くなられそうろう」。 366 00:31:25,152 --> 00:31:44,505 ♬~ 367 00:31:44,505 --> 00:32:00,788 「蜆を売り お金を得ましょうとも 父上は喜んで下さらぬ。➡ 368 00:32:00,788 --> 00:32:08,295 母上 教えて下さりませ」…。 369 00:32:08,295 --> 00:32:21,842 ♬~ 370 00:32:21,842 --> 00:32:24,645 奥様…。 371 00:32:24,645 --> 00:32:28,516 …お花 旦那様に。 372 00:32:28,516 --> 00:32:50,438 ♬~ 373 00:32:50,438 --> 00:32:54,108 開門! 開門! ≪どちら様で? 374 00:32:54,108 --> 00:32:58,408 南町奉行 大岡越前守忠相である。 375 00:32:59,980 --> 00:33:03,784 こちらで。 (物音) 376 00:33:03,784 --> 00:33:06,454 郁太郎! いるか? 377 00:33:06,454 --> 00:33:10,154 郁太郎! 郁太郎! 378 00:33:12,126 --> 00:33:14,326 郁太郎…! 379 00:33:18,899 --> 00:33:20,835 お奉行様ですね? 380 00:33:20,835 --> 00:33:23,304 おお 無事か! 381 00:33:23,304 --> 00:33:25,239 これを! 382 00:33:25,239 --> 00:33:34,248 ♬~ 383 00:33:34,248 --> 00:33:37,748 よくやった! でかした! 384 00:33:45,759 --> 00:33:48,559 (田所)松田金吾殿。 385 00:33:52,099 --> 00:33:57,271 南町奉行所まで ご同道願おうか。 386 00:33:57,271 --> 00:34:00,174 えっ…。 おっと こいつは預かるぜ。 387 00:34:00,174 --> 00:34:04,778 大事な証拠の品だ。 388 00:34:04,778 --> 00:34:19,126 (太鼓の音) 389 00:34:19,126 --> 00:34:22,029 面を上げい。 390 00:34:22,029 --> 00:34:24,465 お奉行に申し上げる。 391 00:34:24,465 --> 00:34:26,400 何故 拙者が➡ 392 00:34:26,400 --> 00:34:29,803 このような咎人のごとき扱いを 受けるのでございましょう? 393 00:34:29,803 --> 00:34:34,408 我が主君 近藤帯刀が この事を知ったなれば…。 394 00:34:34,408 --> 00:34:37,912 近藤様からは 先ほど 書状が届いた。 395 00:34:37,912 --> 00:34:44,585 「松田金吾なる者 既に当家とは関わりなし」とな。 396 00:34:44,585 --> 00:34:48,756 その方が所持していた この金子➡ 397 00:34:48,756 --> 00:34:50,791 どこで手に入れた? 398 00:34:50,791 --> 00:34:53,093 その金は…! 399 00:34:53,093 --> 00:34:55,596 知っておるのか? 400 00:34:55,596 --> 00:34:59,099 それがしが 刀を売った時の代金でござる。 401 00:34:59,099 --> 00:35:02,599 その袱紗が 何よりの証拠。 402 00:35:04,605 --> 00:35:08,442 どこにでもある袱紗だ! 私の金だ! 403 00:35:08,442 --> 00:35:11,478 博打で儲けたとでも 言いたいのか? 404 00:35:11,478 --> 00:35:14,248 ああ そのとおり! 405 00:35:14,248 --> 00:35:17,748 井澤屋を これへ。 (橋田)ははっ! 406 00:35:22,456 --> 00:35:25,960 おい! 407 00:35:25,960 --> 00:35:27,960 これへ! 408 00:35:29,630 --> 00:35:34,068 井澤屋徳兵衛 この袱紗に 見覚えはあるか? 409 00:35:34,068 --> 00:35:38,939 はい。 確かに 八神様が お持ちになっていた袱紗です。 410 00:35:38,939 --> 00:35:40,941 うむ。 411 00:35:40,941 --> 00:35:44,712 こうなれば 何もかも ありていに申し上げます。 412 00:35:44,712 --> 00:35:49,083 ある男から 短刀を買い取ったあと その短刀を渡すようにと➡ 413 00:35:49,083 --> 00:35:53,283 こちらの松田様に 脅されたのでございます。 414 00:35:59,593 --> 00:36:02,496 ハハハハハハ! 415 00:36:02,496 --> 00:36:06,100 うっ… うう…! 416 00:36:06,100 --> 00:36:08,400 うう…! 417 00:36:12,973 --> 00:36:19,113 松田は その足で 武藏屋に会い 八神の短刀で殺害した後➡ 418 00:36:19,113 --> 00:36:23,613 懐の借金証文を奪って逃げた。 419 00:36:25,286 --> 00:36:28,956 どうだ? 松田。 それに 相違あるまい。 420 00:36:28,956 --> 00:36:32,559 冗談じゃない。 一体 何を証拠に…。 421 00:36:32,559 --> 00:36:37,559 こやつ まだ しらを切るか。 422 00:36:44,071 --> 00:36:47,107 郁太郎! 父上! 423 00:36:47,107 --> 00:36:53,414 松田。 ここな八神の伜 郁太郎を さらい 閉じ込めし事➡ 424 00:36:53,414 --> 00:36:56,317 知らぬとは言わさぬぞ。 425 00:36:56,317 --> 00:36:59,086 拐かしの罪は 重い。 426 00:36:59,086 --> 00:37:01,121 これは 心外な。 427 00:37:01,121 --> 00:37:03,924 郁太郎を 納戸に閉じ込めたは➡ 428 00:37:03,924 --> 00:37:07,261 非礼にも 拙者を 盗人呼ばわりしたがゆえ。 429 00:37:07,261 --> 00:37:13,061 それだ。 納戸に入れたのは 迂闊であったな。 430 00:37:15,936 --> 00:37:17,871 八神。 431 00:37:17,871 --> 00:37:21,608 これは そなたの短刀の鞘だな? はい! 432 00:37:21,608 --> 00:37:24,845 この鞘 近藤家の納戸にあったのだが➡ 433 00:37:24,845 --> 00:37:28,816 松田 どこで どう手に入れた? 434 00:37:28,816 --> 00:37:32,386 いや… それは…。 435 00:37:32,386 --> 00:37:34,321 言い逃れできまい! 436 00:37:34,321 --> 00:37:37,725 その方の罪状 もはや明らか。 437 00:37:37,725 --> 00:37:42,229 余罪 ことごとく吟味の上 きっと 仕置き致すゆえ➡ 438 00:37:42,229 --> 00:37:44,729 覚悟して待っておれ! 439 00:37:47,568 --> 00:37:49,768 立ちませい! はっ! はっ! 440 00:37:56,577 --> 00:38:00,277 郁太郎。 これへ。 441 00:38:06,920 --> 00:38:10,424 お前のおかげで 父への疑いは晴れた。 442 00:38:10,424 --> 00:38:12,359 褒めてとらすぞ。 443 00:38:12,359 --> 00:38:19,433 いいえ。 私は 父との約束を破りました。 444 00:38:19,433 --> 00:38:25,305 「父を信じて 待て」と言われたのに 勝手な振る舞いをして➡ 445 00:38:25,305 --> 00:38:29,443 皆様に ご迷惑をかけてしまいました。 446 00:38:29,443 --> 00:38:32,346 八神。 447 00:38:32,346 --> 00:38:35,146 これを存じておるか? 448 00:38:37,551 --> 00:38:44,851 郁太郎が 亡き母に宛てて綴った 日々の覚書じゃ。 449 00:38:49,062 --> 00:38:52,566 「母上さま 如何すれば➡ 450 00:38:52,566 --> 00:38:57,404 もとの父上に お戻りになられましょう。➡ 451 00:38:57,404 --> 00:39:01,742 お酒をやめられ また共に 釣りにゆき➡ 452 00:39:01,742 --> 00:39:05,412 すもうをしたいと 思いそうらえども➡ 453 00:39:05,412 --> 00:39:09,283 何をすれば もとどおりになられるか➡ 454 00:39:09,283 --> 00:39:14,283 いくたろうには わかりませぬ」。 455 00:39:18,926 --> 00:39:23,263 「蜆を売り お金を得ましょうとも➡ 456 00:39:23,263 --> 00:39:28,135 父上は 喜んで下さらぬ。➡ 457 00:39:28,135 --> 00:39:32,372 母上 教えて下さりませ。➡ 458 00:39:32,372 --> 00:39:36,372 他に 何をすれば」…。 459 00:39:38,879 --> 00:39:46,620 「何をすれば 父上は 笑うて下さりましょうか」。 460 00:39:46,620 --> 00:39:54,428 ♬~ 461 00:39:54,428 --> 00:40:05,572 (嗚咽) 462 00:40:05,572 --> 00:40:17,084 父上 このような愚痴めいた事を 書き連ねた私を お許し下さい。 463 00:40:17,084 --> 00:40:25,425 父上が 家宝の短刀を売って 仕官なさろうとしたのは➡ 464 00:40:25,425 --> 00:40:29,263 私を育てるためなのに➡ 465 00:40:29,263 --> 00:40:33,763 その気持ちも考えず…。 466 00:40:35,769 --> 00:40:38,069 八神。 467 00:40:40,607 --> 00:40:44,778 まこと 郁太郎の事を思うての 仕官であったか? 468 00:40:44,778 --> 00:40:48,448 あるいは 仕官を遂げんとするあまり➡ 469 00:40:48,448 --> 00:40:55,122 本当の幸せを 見ていなかったのではないか? 470 00:40:55,122 --> 00:40:59,459 幼き我が子が 冷たい水に身をさらして➡ 471 00:40:59,459 --> 00:41:04,331 しじみをとるつらさが そなたに分かるか? 472 00:41:04,331 --> 00:41:09,469 郁太郎のけなげな思い しかと受け止めたのか! 473 00:41:09,469 --> 00:41:14,641 八神 いかに!? 474 00:41:14,641 --> 00:41:18,979 お奉行様の仰せのとおりです…。 475 00:41:18,979 --> 00:41:23,483 拙者は 不運から逃れたい一心で➡ 476 00:41:23,483 --> 00:41:29,156 この子の幸せを顧みなかった…。 477 00:41:29,156 --> 00:41:37,431 郁太郎 父を許してくれ…。 478 00:41:37,431 --> 00:41:41,768 父上… 泣かないで。 479 00:41:41,768 --> 00:41:48,542 父上が泣くと 私も悲しくなります…。 480 00:41:48,542 --> 00:42:12,842 ♬~ 481 00:42:16,670 --> 00:42:21,308 おお たくさん とれるのぉ! うん。 482 00:42:21,308 --> 00:42:24,344 あっ ちょっと待ってくれ。 待ちません。 483 00:42:24,344 --> 00:42:27,180 親の言う事が聞けねえのかよ! 待ちません。 484 00:42:27,180 --> 00:42:30,017 何度 言ったら 分かるんですか? 頑固な野郎だな。 485 00:42:30,017 --> 00:42:32,419 頑固は 父親譲りです。 486 00:42:32,419 --> 00:42:34,454 (笑い声) ああ もう! 487 00:42:34,454 --> 00:42:36,590 出来ましたよ。 488 00:42:36,590 --> 00:42:39,626 今日は しじみを 酢味噌で あえてみました。 489 00:42:39,626 --> 00:42:42,929 あっ しじみだ しじみだ! ハハハ! 490 00:42:42,929 --> 00:42:45,599 父上! ハハハハ! 491 00:42:45,599 --> 00:42:48,502 おっ いい匂いだ! 492 00:42:48,502 --> 00:42:55,275 <小さな しじみの一粒に 幸せ ぎゅっと詰まってた。➡ 493 00:42:55,275 --> 00:42:58,779 酔いどれおやじは もういない。➡ 494 00:42:58,779 --> 00:43:06,779 親子の絆と幸せを心から願う 忠相たちであった> 495 00:43:11,792 --> 00:43:15,295 いくよ餅? やっと夢のお店が持てたんだもん。 496 00:43:15,295 --> 00:43:18,198 いくよ餅を作るのは やめとくれ! いくよ餅 捨てられるかよ! 497 00:43:18,198 --> 00:43:20,167 (吉宗) いくよ餅の一件はどうなった? 498 00:43:20,167 --> 00:43:23,637 瓦版屋が 火に油注いで すごい事になってやすよ! 499 00:43:23,637 --> 00:43:26,837 一日50個以上 商う事 まかりならん。