1 00:00:37,608 --> 00:00:41,479 (雪絵)今日 さとの父を 見舞ってまいりたいのですが…。 2 00:00:41,479 --> 00:00:45,283 (忠相)ほう 日頃 すこぶるお元気な吉本の父上。 3 00:00:45,283 --> 00:00:48,619 おみ足をくじかれて 外へ出られぬのでは➡ 4 00:00:48,619 --> 00:00:52,490 さぞかし ご退屈であろう。 周りの者に 無理を申して➡ 5 00:00:52,490 --> 00:00:56,961 困らせておりますとか。 うん ゆっくりと行っておいで。 6 00:00:56,961 --> 00:01:00,261 ありがとうございます。 7 00:01:18,649 --> 00:01:21,319 (三之助)おば様…。 えっ? 8 00:01:21,319 --> 00:01:26,991 私のような子 お産みなされた お覚えはござりませぬか? 9 00:01:26,991 --> 00:01:29,291 (お花)ええ~っ!? 10 00:01:36,601 --> 00:01:41,472 せっかくですが 私 まだ 子どもは 産んだ事がございません。 11 00:01:41,472 --> 00:01:44,475 そうですか…。 12 00:01:44,475 --> 00:01:46,775 あっ…! 13 00:01:50,948 --> 00:02:57,648 ♬~ 14 00:03:06,958 --> 00:03:09,860 (作左ヱ門)雪絵が来てるって? あ~。➡ 15 00:03:09,860 --> 00:03:12,296 一体 どこへ行っちまったんだい。 16 00:03:12,296 --> 00:03:14,632 子どもさん 洗ってらっしゃいます 湯殿で。 17 00:03:14,632 --> 00:03:20,504 子ども? どこの子だ? さあ…。 18 00:03:20,504 --> 00:03:26,978 どこの子かも知れねえ子どもを 雪絵が湯殿で洗ってるって➡ 19 00:03:26,978 --> 00:03:30,848 何なんだ それは 一体…。 20 00:03:30,848 --> 00:03:34,585 あなた お名前は? 三之助といいます。 21 00:03:34,585 --> 00:03:38,923 三之助様。 じゃ 三之助さん こっち向いて。 22 00:03:38,923 --> 00:03:41,592 はい。 はい。➡ 23 00:03:41,592 --> 00:03:46,263 どこか 遠い所から 一人で旅してきたらしく➡ 24 00:03:46,263 --> 00:03:49,600 ほこりまみれで 洗ってたんです。 ごめんなさい。 25 00:03:49,600 --> 00:03:52,269 おみ足のお加減は どんなですの? 父上。 26 00:03:52,269 --> 00:03:58,142 あ~ どこの誰かも知れぬ 人の子どもを➡ 27 00:03:58,142 --> 00:04:05,816 世話するよりも なあ 雪絵。 早く 忠相との子を産んでくれや。 28 00:04:05,816 --> 00:04:07,818 ハッハッハ…! 29 00:04:07,818 --> 00:04:12,289 いつもの殿の愚痴が また出ましたな。 30 00:04:12,289 --> 00:04:15,960 あの子に 何か食べさせましたら 愚痴でも お小言でも➡ 31 00:04:15,960 --> 00:04:19,830 ゆっくりと伺いますから。 32 00:04:19,830 --> 00:04:23,530 はあ~ もう~。 33 00:04:25,636 --> 00:04:31,442 あ~ 痛い 痛い 痛い… 痛いではないか もう~! 34 00:04:31,442 --> 00:04:50,795 ♬~ 35 00:04:50,795 --> 00:04:55,933 (お安)あ~! おお~! ああ~! 36 00:04:55,933 --> 00:05:00,805 あ~ イテテテテ…! どうしてくれるんだよ! 37 00:05:00,805 --> 00:05:05,276 骨が折れちまったよ~! 38 00:05:05,276 --> 00:05:09,947 こりゃ 大変だ! あの… お医者さん 呼んできて下さい! 39 00:05:09,947 --> 00:05:13,617 (片瀬)医者なんか呼ばねえでいい。 (子吉)お安~! 40 00:05:13,617 --> 00:05:16,954 あ~! ほ~ら 治った。 41 00:05:16,954 --> 00:05:19,857 怪我してないのか? 治ったんだよ~! 42 00:05:19,857 --> 00:05:21,826 治ったからって 帰れると思ってんのか? 43 00:05:21,826 --> 00:05:26,630 勘弁しとくれよ 子吉親分! なにが子吉親分だ そらぞらしい。 44 00:05:26,630 --> 00:05:29,300 うう~ 片瀬の旦那~! 45 00:05:29,300 --> 00:05:31,902 まあ 今日は まだ 金も せびっちゃいねえから➡ 46 00:05:31,902 --> 00:05:35,239 見逃してやるが…。 二度とすんなよ! 47 00:05:35,239 --> 00:05:39,110 はい! はい! はい はい はい はい…! 48 00:05:39,110 --> 00:05:43,114 てやんでぇ! うそでもつかなきゃ 女一人で➡ 49 00:05:43,114 --> 00:05:46,250 おまんま食って 生きちゃいけねぇんだ! 50 00:05:46,250 --> 00:05:49,587 この~! ごめんよ ごめんよ~! 51 00:05:49,587 --> 00:05:52,256 なんて女だ! 52 00:05:52,256 --> 00:05:56,594 うそつきお安って ここらじゃ 知らねえ者のねえ悪だ。 53 00:05:56,594 --> 00:05:58,529 え~! (子吉)気を付けなよ。 54 00:05:58,529 --> 00:06:01,529 はい ありがとうございました! 55 00:06:05,603 --> 00:06:09,940 この子が…。 ええ 私の袂をつかんで➡ 56 00:06:09,940 --> 00:06:14,612 「私のような子を お産みなされた お覚えはございませぬか」と。 57 00:06:14,612 --> 00:06:17,948 う~ん…。 58 00:06:17,948 --> 00:06:21,819 この子を育てていた人は この子の親の名➡ 59 00:06:21,819 --> 00:06:23,821 言わずに 亡くなってしまったのかな? 60 00:06:23,821 --> 00:06:27,291 それを言えないまま…。 61 00:06:27,291 --> 00:06:32,897 うん なんと哀れな…。 62 00:06:32,897 --> 00:06:36,767 我が子を こうして 見てみたいものだな。 63 00:06:36,767 --> 00:06:43,240 まあ あなたまで。 フフッ。 父にも 人の子の世話をするより➡ 64 00:06:43,240 --> 00:06:46,911 あなたのお子を産めと 叱られましたの。 そうか。 65 00:06:46,911 --> 00:06:52,211 それは すまなかった。 雪絵一人のせいではないのに。 66 00:06:57,254 --> 00:07:02,927 しかし なぜ あの子は 雪絵を 母かもしれぬと思ったのだ? 67 00:07:02,927 --> 00:07:06,597 なぜなのでしょうね…。 68 00:07:06,597 --> 00:07:13,597 今日 吉本に行く時に 雪絵が着ていた着物は? はい。 69 00:07:15,606 --> 00:07:19,944 これです。 雪絵 この紋は? 70 00:07:19,944 --> 00:07:25,244 亡くなりました母のさとの 替紋で 水沢潟。 71 00:07:27,618 --> 00:07:34,918 これだな。 三之助が捜してる 母の家紋も 水沢潟。 72 00:07:40,197 --> 00:07:42,566 おば様…。 73 00:07:42,566 --> 00:07:45,469 だから 母ではないかと 雪絵に あの子は…。 74 00:07:45,469 --> 00:07:48,906 言ったのですね? ならば 名前も➡ 75 00:07:48,906 --> 00:07:53,244 あの子は聞いていたかもしれない。 明日 あの子が目を覚ましたら➡ 76 00:07:53,244 --> 00:07:56,580 聞いてみましょう。 うん 分かったら➡ 77 00:07:56,580 --> 00:08:00,918 雪絵が 先方へ 三之助と一緒に 行っておやりなさい。 78 00:08:00,918 --> 00:08:03,618 はい そう致します。 79 00:08:05,256 --> 00:08:08,926 奥様! 奥様~! 80 00:08:08,926 --> 00:08:12,263 どうしたの? 大きな声を出して。 三之助さんが➡ 81 00:08:12,263 --> 00:08:14,932 いなくなっちゃったんです! ええっ!? 82 00:08:14,932 --> 00:08:19,603 着てた着物に着替えて 腰に差してた棒まで持って…。 83 00:08:19,603 --> 00:08:24,942 どこへ行ってしまったのかしら…。 私がいけないんです。 84 00:08:24,942 --> 00:08:30,281 ここの奥様は 私の お母様ではないの? お花さん。 85 00:08:30,281 --> 00:08:34,551 ない ない。 奥様は まだ お子をお産みになった事が➡ 86 00:08:34,551 --> 00:08:40,251 ないんですもの。 三之助さんの お母さんである訳がないわ。 87 00:08:43,894 --> 00:08:51,769 (三之助のすすり泣き) 88 00:08:51,769 --> 00:08:55,906 (お花)かわいそうになって 一人にしといてあげようと➡ 89 00:08:55,906 --> 00:08:59,777 そっと出てきちゃったから…。 90 00:08:59,777 --> 00:09:03,247 もういいわ お花。 あなたのせいではありませんよ。 91 00:09:03,247 --> 00:09:07,117 源さんたちに言って 三之助は 必ず見つけてあげるから➡ 92 00:09:07,117 --> 00:09:09,417 心配しなくていい。 93 00:09:37,548 --> 00:09:39,848 何だい? 94 00:09:41,418 --> 00:09:44,421 食べたいの? いいえ。 95 00:09:44,421 --> 00:09:47,891 子どものくせに 遠慮なんかすんじゃないよ。 96 00:09:47,891 --> 00:09:49,827 ほらっ ほらっ。 97 00:09:49,827 --> 00:09:52,229 要りません。 98 00:09:52,229 --> 00:09:57,101 お食べよ。 侍の子ですから。 99 00:09:57,101 --> 00:10:00,904 腹が減っても ひもじゅうないか。 100 00:10:00,904 --> 00:10:06,243 アッハッハ 強がり言わずに お食べったら お食べよ。 101 00:10:06,243 --> 00:10:08,178 ほら こっちだ。 102 00:10:08,178 --> 00:10:11,115 そこにお座り。 103 00:10:11,115 --> 00:10:16,253 よし。 なあ? 侍の子だって 町人の子だって➡ 104 00:10:16,253 --> 00:10:19,156 食べずにいりゃ おなかは減るんだ。 105 00:10:19,156 --> 00:10:24,928 何日も食べずにいた日にゃあ 目も回る。 106 00:10:24,928 --> 00:10:28,799 はい 回しちゃいました。 えっ? 本当に➡ 107 00:10:28,799 --> 00:10:35,272 目ぇ回しちゃったのかい? なら 痩せ我慢はよして 食べな。 108 00:10:35,272 --> 00:10:41,145 食べな。 もう一度 目ぇ回すのは お前だって 嫌だろう? 109 00:10:41,145 --> 00:10:45,616 嫌です。 ヘヘッ ほ~ら 見ろ! 110 00:10:45,616 --> 00:10:48,916 さあ お食べ。 111 00:10:51,288 --> 00:10:55,626 アッハッハッハッハ…。 112 00:10:55,626 --> 00:10:57,561 ウフフフ…。 113 00:10:57,561 --> 00:11:01,298 ボロボロの着物着て…。 縄みたいな帯して…。 114 00:11:01,298 --> 00:11:04,968 それに 棒差して 侍の子だって…。 威張ってるってんですか? 115 00:11:04,968 --> 00:11:10,307 うん 腹 減らして フラフラしながらも 侍の子らしく➡ 116 00:11:10,307 --> 00:11:14,178 ちゃんとした口きいてたって 雪絵さんが おっしゃってるんだ。 117 00:11:14,178 --> 00:11:16,647 名前は? ん? 118 00:11:16,647 --> 00:11:19,983 三之助ですね? うん。 119 00:11:19,983 --> 00:11:23,654 三之助…。 侍なら 名字があるんでしょ? 120 00:11:23,654 --> 00:11:26,990 何てんです? 名字は。 (源次郎)いや 分からん。 121 00:11:26,990 --> 00:11:29,893 分からないんですか? (源次郎)うん。 122 00:11:29,893 --> 00:11:34,798 手がかりは 水沢潟の紋だけだ。 (子吉)それだけ? 123 00:11:34,798 --> 00:11:38,602 四の五の言わずに手分けして 子どもと➡ 124 00:11:38,602 --> 00:11:41,271 子どもが捜してる 母親の屋敷を捜してきてくれ。 125 00:11:41,271 --> 00:11:43,207 (一同)はい。 126 00:11:43,207 --> 00:11:45,609 おうっ。 お帰り。 127 00:11:45,609 --> 00:11:50,280 ここが 私のお屋敷だ。 お屋敷? 128 00:11:50,280 --> 00:11:54,151 そう。 よいっと。 129 00:11:54,151 --> 00:11:56,451 お入り。 130 00:12:01,625 --> 00:12:07,297 おば様 ここに 一人でいるの? ああ 一人だよ。 131 00:12:07,297 --> 00:12:12,169 だから 行くとこがなけりゃ お前も ここに➡ 132 00:12:12,169 --> 00:12:16,306 いつまでだって いりゃあいいさ。 133 00:12:16,306 --> 00:12:19,977 私のお酒の相手…。 134 00:12:19,977 --> 00:12:24,314 嫌なガキだねえ。 はあ~。 135 00:12:24,314 --> 00:12:29,186 まあ 話し相手になら なれらぁ。 なっ。 136 00:12:29,186 --> 00:12:32,186 いつまでやってんだよ! 137 00:12:33,924 --> 00:12:36,260 おう 作左ヱ門。 138 00:12:36,260 --> 00:12:40,931 おお。 あ~ 駄目だ 駄目だ。 139 00:12:40,931 --> 00:12:44,801 酒に酔って転んだら 今度は 骨が折れるやもしれんと➡ 140 00:12:44,801 --> 00:12:48,805 医者から脅かされとるんだ。 まあ そんなら 杖を離すまでは➡ 141 00:12:48,805 --> 00:12:52,543 こいつは お預けにしておくとしてだな➡ 142 00:12:52,543 --> 00:12:55,279 おい 雪絵さんに 教えてやってくれろ。 143 00:12:55,279 --> 00:13:00,617 雪絵に 何をよ? 旗本八万騎のうちで➡ 144 00:13:00,617 --> 00:13:04,288 水沢潟の紋をつけてるのは 誰々だって➡ 145 00:13:04,288 --> 00:13:06,957 大番頭のお前なら 造作もねえだろ。 146 00:13:06,957 --> 00:13:14,298 水沢潟といやあ まず 真っ先に 水野左近之助の千五百石。 147 00:13:14,298 --> 00:13:17,634 水上五郎ヱ門 三百石も そうだな。 148 00:13:17,634 --> 00:13:23,507 川勝丹後の千と三百石… これも みずお…。 149 00:13:23,507 --> 00:13:31,582 おい 忠高。 この江戸にゃあな 旗本のほかにも➡ 150 00:13:31,582 --> 00:13:35,919 水沢潟の紋をつけてる侍は 諸国諸大名の家来にも➡ 151 00:13:35,919 --> 00:13:38,822 ごまんといるんだぞ。 そりゃそうだ。 152 00:13:38,822 --> 00:13:42,259 ほかに もっと 何か手がかりはねえのか? 153 00:13:42,259 --> 00:13:45,162 そう言われてもなあ。 全く…。 154 00:13:45,162 --> 00:13:48,599 えっ? お父様が吉本の父の所に? 155 00:13:48,599 --> 00:13:51,935 そうよ。 「旗本八万騎の中で➡ 156 00:13:51,935 --> 00:13:55,606 水沢潟の紋を つけてんなあ 誰と誰か➡ 157 00:13:55,606 --> 00:13:59,476 名前を ずらり書き出して 雪絵さんとこへ 届けてやれ」って。 158 00:13:59,476 --> 00:14:04,281 まあ…。 目に見えるようですね。 159 00:14:04,281 --> 00:14:53,930 ♬~ 160 00:14:53,930 --> 00:14:56,833 さっ お食べよ。 161 00:14:56,833 --> 00:14:59,269 食べたくない…。 162 00:14:59,269 --> 00:15:05,609 えっ? かわいくないねえ。 お前が好きだってぇから➡ 163 00:15:05,609 --> 00:15:09,909 煮ててやったんだよ? あ? 164 00:15:19,623 --> 00:15:23,293 どうしたの? 165 00:15:23,293 --> 00:15:25,593 ほらっ 166 00:15:31,568 --> 00:15:38,241 一度 聞こうと思ってたんだけどさ お前 毎日 うち出てって➡ 167 00:15:38,241 --> 00:15:42,112 何してんの? 168 00:15:42,112 --> 00:15:45,916 どこへ何しに行ってるのさ? 169 00:15:45,916 --> 00:15:50,253 お母様 捜してるんです。 170 00:15:50,253 --> 00:15:57,594 お母様って お前の母ちゃんの事かい? 171 00:15:57,594 --> 00:16:01,264 はい。 あ…➡ 172 00:16:01,264 --> 00:16:07,604 その 母ちゃ… お母様は 江戸にいるの? 173 00:16:07,604 --> 00:16:14,945 私を育ててくれたお母様が そう おっしゃってました。 174 00:16:14,945 --> 00:16:19,816 そっちのお母様は どこに いたんだい? 175 00:16:19,816 --> 00:16:24,955 姫路の奥の竜野に。 今もいるの? 176 00:16:24,955 --> 00:16:33,764 え? 産んだ方のじゃない 育ててくれたお母様。 177 00:16:33,764 --> 00:16:38,902 亡くなりました。 じゃあ お父さんは? 178 00:16:38,902 --> 00:16:42,773 まだ 私の小さい時に…。 179 00:16:42,773 --> 00:16:47,773 やっぱり 死んじゃったの? 180 00:16:51,481 --> 00:16:56,253 けど お前を産んだお母様は 江戸にいて➡ 181 00:16:56,253 --> 00:17:02,926 お侍の家のお嬢様なんだね? はい。 182 00:17:02,926 --> 00:17:07,597 じゃあ じゃあ! その お母様が見つかりゃあ➡ 183 00:17:07,597 --> 00:17:14,271 私は そのお母様の産んだ若様に おまんま 食わせてやったんだ。 184 00:17:14,271 --> 00:17:22,946 アハハッ! お安さんに たくさん お礼あげてって 言っとくれよ。 185 00:17:22,946 --> 00:17:27,284 ん? ほらっ。 186 00:17:27,284 --> 00:17:32,556 よ~し 明日から私も お母様 捜しに行こうじゃねえか! 187 00:17:32,556 --> 00:17:36,226 本当? わたしゃ うそは…。 188 00:17:36,226 --> 00:17:41,097 ハッハッハ…! 随分 ついた ついてきました。 189 00:17:41,097 --> 00:17:47,097 けど 今度だけは お前のためだ。 190 00:17:48,805 --> 00:17:51,241 おっ! どうしたの? シ~ッ! 191 00:17:51,241 --> 00:17:53,941 おりゃっ! 192 00:17:57,914 --> 00:18:00,817 何してやがるんだ? あいつら。 193 00:18:00,817 --> 00:18:03,787 あそこは お前が訪ねていって みたいって言ってる➡ 194 00:18:03,787 --> 00:18:06,087 お屋敷だろ? 195 00:18:11,261 --> 00:18:15,131 妙だよ これは…。 妙なの? 196 00:18:15,131 --> 00:18:17,831 妙だよ! 197 00:18:22,873 --> 00:18:27,611 どうした? いや… 駄目駄目。 ここには そんな子いねえって。 198 00:18:27,611 --> 00:18:30,280 はあ そうか…。 199 00:18:30,280 --> 00:18:33,884 あいつらも お屋敷のお嬢様 捜してるってのかい? 200 00:18:33,884 --> 00:18:35,819 (片瀬)じゃあ 次だ。 201 00:18:35,819 --> 00:18:37,819 へい。 202 00:18:39,556 --> 00:18:44,895 次は ここです。 (片瀬)川勝丹後守様➡ 203 00:18:44,895 --> 00:18:49,766 千と三百石。 (子吉)千石取りのお旗本か。 204 00:18:49,766 --> 00:18:52,769 (辰三)下手な事 聞いたら 無礼討ち…。 205 00:18:52,769 --> 00:18:56,907 首と胴とは生き別れ…。 やめときやすか? 206 00:18:56,907 --> 00:19:01,207 馬鹿野郎! あっ 誰か出てきやす。 207 00:19:02,779 --> 00:19:05,248 ありがとうございました。 (玄正)では…。 208 00:19:05,248 --> 00:19:08,585 辰! へい! 209 00:19:08,585 --> 00:19:12,255 すいやせん。 すいやせん すいやせん…。 210 00:19:12,255 --> 00:19:15,158 ちょいとお尋ね致しやす。 何です? 211 00:19:15,158 --> 00:19:19,129 こちらに どなたか ご病人が? はい。 212 00:19:19,129 --> 00:19:22,899 川勝のお殿様が ご病気です。 殿様が? 213 00:19:22,899 --> 00:19:27,804 よっぽど お悪いんでやすか? 御典医 沢渡玄白先生の➡ 214 00:19:27,804 --> 00:19:32,542 お見立てでは もう ひとつきは もつまいとの事でござる。 215 00:19:32,542 --> 00:19:35,445 ありゃ~。 詳しく その辺りの事を➡ 216 00:19:35,445 --> 00:19:38,415 お聞かせ願えませんか? あっ いや いや いや。 217 00:19:38,415 --> 00:19:42,218 立ち話じゃなく…。 ちょっと そこら辺で 一杯やりながら…。 218 00:19:42,218 --> 00:19:44,918 ねっ? あ… 私は そんな…。 219 00:19:46,556 --> 00:19:50,427 ≪(玄正) 大きな声では言えませんが➡ 220 00:19:50,427 --> 00:19:55,565 旗本千三百石のお家が ご当主が亡くなって➡ 221 00:19:55,565 --> 00:19:59,903 お世継ぎが まだ決まってないとなれば…。 222 00:19:59,903 --> 00:20:04,240 お家は断絶。 うん なんとかしてくれと➡ 223 00:20:04,240 --> 00:20:08,578 頼まれても もう 打つ手がない。 224 00:20:08,578 --> 00:20:12,449 え~。 打つ手がない? 225 00:20:12,449 --> 00:20:17,253 (玄正)そうなんです。 師匠 玄白先生が➡ 226 00:20:17,253 --> 00:20:21,591 「どうせ 治らぬ病人だ。 お前 行って お脈だけとり➡ 227 00:20:21,591 --> 00:20:25,462 お大事にと帰ってまいれ」と 私が…。 228 00:20:25,462 --> 00:20:30,266 けど 何で そんなになるまで お世継ぎを決めずにいたんだい? 229 00:20:30,266 --> 00:20:35,605 それについては 私が。 筧 何かつかんできたのだな? 230 00:20:35,605 --> 00:20:38,942 はっ。 聞かして下さいよ 筧さん。 231 00:20:38,942 --> 00:20:41,642 (片瀬)お願いします。 喬之助。 232 00:20:44,814 --> 00:20:50,553 川勝には 茜様とおっしゃる お嬢様しか お子ができず➡ 233 00:20:50,553 --> 00:20:55,492 茜様に 婿様を迎えられて 千代丸様というお子が➡ 234 00:20:55,492 --> 00:20:58,294 お生まれあそばしたというんです。 235 00:20:58,294 --> 00:21:01,965 それなら 跡継ぎの心配ねえじゃねえか。 236 00:21:01,965 --> 00:21:08,304 ところが 千代丸様の乳母の桃代と 婿様が 妙な具合になっちまって。 237 00:21:08,304 --> 00:21:11,207 え~っ!? 駆け落ちを…。 238 00:21:11,207 --> 00:21:14,978 駆け落ち? しかも 乳母の桃代は➡ 239 00:21:14,978 --> 00:21:19,649 千代丸様を抱いて 屋敷を抜け出し 行方知れずになってしまった。 240 00:21:19,649 --> 00:21:21,985 それで? はい。 241 00:21:21,985 --> 00:21:24,888 それで 川勝家でも 諸方に追っ手を放ち➡ 242 00:21:24,888 --> 00:21:29,325 2人の行方と 千代丸様のお行方 懸命に探索は致しましたが➡ 243 00:21:29,325 --> 00:21:34,164 ようとして知れず。 茜様も 嘆き悲しみ➡ 244 00:21:34,164 --> 00:21:37,600 ついに ご他界。 死んじゃったんですか? 245 00:21:37,600 --> 00:21:41,271 お気の毒に…。 (片瀬)それじゃあ➡ 246 00:21:41,271 --> 00:21:44,607 周りの者が いくら お勧め申し上げても➡ 247 00:21:44,607 --> 00:21:47,944 川勝様が お世継ぎを お決め なさらずにいらっしゃるのも➡ 248 00:21:47,944 --> 00:21:52,816 しかたがないや。 うん… 三之助が 川勝の➡ 249 00:21:52,816 --> 00:21:56,953 千代丸かどうかは分からないが まずは いなくなった三之助を➡ 250 00:21:56,953 --> 00:21:59,622 見つけ出してきてくれ。 (一同)はい! 251 00:21:59,622 --> 00:22:06,296 う~ん 川勝さんのお世継ぎ…。 252 00:22:06,296 --> 00:22:11,167 う~ん どうでしょうね。 分かりませんよ。 253 00:22:11,167 --> 00:22:18,167 もしかして 三ちゃんが… そのお世継ぎ? 254 00:22:25,982 --> 00:22:28,318 いいか? 255 00:22:28,318 --> 00:22:34,591 お前が身に着けていた物は これだけだ。 なっ。 256 00:22:34,591 --> 00:22:40,463 こん中に 千三百石のお旗本の お世継ぎの証拠が➡ 257 00:22:40,463 --> 00:22:45,602 あるはずなんだが…。 258 00:22:45,602 --> 00:22:49,272 エイヤッ! 259 00:22:49,272 --> 00:22:54,144 棒だ こりゃ。 違うと思います。 刀なら➡ 260 00:22:54,144 --> 00:22:59,282 お世継ぎの証拠になっても あ~ 棒切れじゃなあ…。 261 00:22:59,282 --> 00:23:03,953 ねえ 三ちゃん。 お母様 捜す時の証拠と言って➡ 262 00:23:03,953 --> 00:23:07,253 何か渡してもらわなかったかい? 263 00:23:08,825 --> 00:23:11,628 ああ…。 264 00:23:11,628 --> 00:23:16,966 あっ! 風呂敷包み しょってたろ? うん。 265 00:23:16,966 --> 00:23:21,838 風呂敷包み… あった! 266 00:23:21,838 --> 00:23:24,138 ああ…。 267 00:23:25,975 --> 00:23:29,975 開けるよ? いいね 開けるよ? はい。 268 00:23:31,581 --> 00:23:34,281 あ~ ほこり臭いね。 269 00:23:37,921 --> 00:23:40,621 あっ! 270 00:23:45,595 --> 00:23:49,265 川勝何とかって書いてない?➡ 271 00:23:49,265 --> 00:23:52,965 お位牌に…。 272 00:23:56,940 --> 00:23:59,842 (お安)ああ…。 273 00:23:59,842 --> 00:24:01,842 あれ? 274 00:24:04,614 --> 00:24:07,283 何か入ってる。 275 00:24:07,283 --> 00:24:27,604 ♬~ 276 00:24:27,604 --> 00:24:31,241 (三次)奥様! (雪絵)三次さん。 277 00:24:31,241 --> 00:24:33,910 分かりやした。 三之助って子の居所。 278 00:24:33,910 --> 00:24:38,248 どこに おりました? うそつきお安の家でさ。 279 00:24:38,248 --> 00:24:42,585 何で あの子が そんな所に? 何でだか 知らねえんでやすがね➡ 280 00:24:42,585 --> 00:24:46,923 仲よく2人で暮らしているって…。 281 00:24:46,923 --> 00:24:49,826 連れてって下さい。 奥様 私も…。 282 00:24:49,826 --> 00:24:53,263 お花は 旦那様が戻ったら この事を申し上げてちょうだい。 283 00:24:53,263 --> 00:24:56,933 はい。 三次さん。 へい! 284 00:24:56,933 --> 00:24:59,269 失礼するぜ。 285 00:24:59,269 --> 00:25:04,941 あれ? 旦那 いやせんよ 誰も。 286 00:25:04,941 --> 00:25:10,280 川勝へ お安が連れていったんだ。 お安が? 287 00:25:10,280 --> 00:25:12,949 うそつきお安が 今度は うそじゃねえ 本当の事で➡ 288 00:25:12,949 --> 00:25:16,819 褒美がもらえると 欲の皮 突っ張らかして…。 289 00:25:16,819 --> 00:25:19,822 片瀬さん。 (片瀬)奥様。 290 00:25:19,822 --> 00:25:22,292 いたでしょう? 三之助さん うそつきお安のうちに。 291 00:25:22,292 --> 00:25:24,961 いないよ。 えっ!? お奉行に➡ 292 00:25:24,961 --> 00:25:27,297 三次が知らしてきてくれたから すぐに行けと…。 293 00:25:27,297 --> 00:25:30,199 言われて 俺たち すっ飛んできたんすけどねぇ。 294 00:25:30,199 --> 00:25:37,907 お安が 三之助を 川勝の屋敷へ 連れてった…? うん。 295 00:25:37,907 --> 00:25:40,810 私も行ってみます。 ええっ!? 296 00:25:40,810 --> 00:25:45,110 片瀬さん 案内して下さい。 あ… はい! 297 00:25:47,583 --> 00:25:50,486 いや~ 立派だね~! 298 00:25:50,486 --> 00:25:53,456 これが 三ちゃんの生まれた うちだってさ。 299 00:25:53,456 --> 00:25:58,227 あ~ 大したもんだ。 若ちゃまだ~。 300 00:25:58,227 --> 00:26:01,527 (せきばらい) あっ。 301 00:26:15,278 --> 00:26:18,948 (次兵ヱ)お安と申すか。 はい。 302 00:26:18,948 --> 00:26:23,820 川勝のお殿様でございますね? いや 当家の用人➡ 303 00:26:23,820 --> 00:26:28,291 立川次兵ヱだ。 あら 御用人さん? 304 00:26:28,291 --> 00:26:32,161 お殿様に会わして下さいよう。 305 00:26:32,161 --> 00:26:36,566 大事な話で来たんですから 私たち。 306 00:26:36,566 --> 00:26:40,436 ご当家 お世継ぎの若様を お連れしたと? ええ ええ。 307 00:26:40,436 --> 00:26:43,439 ですから ご褒美下さいって そう言ってんだ。 308 00:26:43,439 --> 00:26:48,578 確かな証拠があるならば 思いどおりの褒美を遣わそう。 309 00:26:48,578 --> 00:26:51,914 なら 下さいな。 こらっ! 310 00:26:51,914 --> 00:26:58,614 証拠の品を まず見せろ。 うたぐり深いんだねえ。 311 00:27:01,257 --> 00:27:07,257 大きな目ぇ開けて さあ ご覧な! 312 00:27:16,272 --> 00:27:20,610 確かに これは ご当主 川勝丹後守様御孫➡ 313 00:27:20,610 --> 00:27:23,513 千代丸様の臍の緒書き。 314 00:27:23,513 --> 00:27:30,213 フフッ だろ? おくれよ ご褒美! 315 00:27:31,888 --> 00:27:37,560 まずは 殿様にお目通りだ。 おや お殿様にお目通り? 316 00:27:37,560 --> 00:27:40,897 うん。 ああ… ペッ ペッ。 317 00:27:40,897 --> 00:27:44,767 じゃあ おじいちゃんの所へ 行こう。 はい。 318 00:27:44,767 --> 00:27:47,570 ええい! あっ! 319 00:27:47,570 --> 00:27:52,909 な… 何しやがるんだ! 女だと思って 馬鹿にすると➡ 320 00:27:52,909 --> 00:27:57,580 おい 痛い目見る事になるよ! ギャ~ギャ~ 吠えずに おとなしく➡ 321 00:27:57,580 --> 00:28:03,252 お前は ここで待っておれ。 おとなしく待っていれば➡ 322 00:28:03,252 --> 00:28:06,923 ご褒美もらえるんだね? たんと褒美をやって下さいと➡ 323 00:28:06,923 --> 00:28:12,261 殿様に言ってやろうよ。 さすが 千石取りのお旗本の➡ 324 00:28:12,261 --> 00:28:18,134 御用人様! いい男だねえ。 お前さん… ううっ。 325 00:28:18,134 --> 00:28:21,938 いけません 奥様。 いくら何でも お一人では…。 326 00:28:21,938 --> 00:28:25,808 しかし ここは 南町奉行所の 役人の入るに入れぬ➡ 327 00:28:25,808 --> 00:28:30,613 旗本の屋敷。 同じ旗本 大岡忠相の妻なればこそ➡ 328 00:28:30,613 --> 00:28:34,884 入っていける場所なんですよ。 おっしゃるとおり… では➡ 329 00:28:34,884 --> 00:28:39,222 ござりまするが…。 その三之助って子を➡ 330 00:28:39,222 --> 00:28:42,124 連れてったのが うそつきお安だものね。 331 00:28:42,124 --> 00:28:46,896 奥様一人じゃ心配だよ。 それほど 心配だと言うのなら➡ 332 00:28:46,896 --> 00:28:50,233 私が入って半刻たっても 出てこぬ時は…。 333 00:28:50,233 --> 00:28:53,135 はい。 旦那様に。 334 00:28:53,135 --> 00:28:56,835 分かりやした。 335 00:29:02,745 --> 00:29:08,251 (たたく音) 336 00:29:08,251 --> 00:29:11,921 (甲田)御用人様。 ≪(次兵ヱ)何と致した? 337 00:29:11,921 --> 00:29:15,258 ただいま お玄関へ 大岡越前守様奥方が➡ 338 00:29:15,258 --> 00:29:17,958 お見えに相成りました。 339 00:29:21,597 --> 00:29:26,469 大岡の奥方が…? 340 00:29:26,469 --> 00:29:34,176 当家用人 立川次兵ヱ。 御用の趣き お聞かせ下さりまするよう。 341 00:29:34,176 --> 00:29:37,880 何やら お取り込みの ご様子のところを➡ 342 00:29:37,880 --> 00:29:43,219 お邪魔して 相すみませぬ。 ご当家お世継ぎ様が➡ 343 00:29:43,219 --> 00:29:47,890 皆様ご努力で見つかったと承り お喜び申し上げたく➡ 344 00:29:47,890 --> 00:29:52,228 かくは 参上つかまつりました。 どうか お世継ぎ様に➡ 345 00:29:52,228 --> 00:29:56,566 お目通りが叶いますように。 千代丸様…➡ 346 00:29:56,566 --> 00:30:01,237 ああ いや 今は 三之助様でございました。 347 00:30:01,237 --> 00:30:04,574 お世継ぎについて 大岡様奥方にまで➡ 348 00:30:04,574 --> 00:30:11,447 ご心配頂きました事 お礼の 申し上げようもござりませぬ。 349 00:30:11,447 --> 00:30:16,586 お礼より お世継ぎ様の お元気なお顔をお見せ下さりませ。 350 00:30:16,586 --> 00:30:19,488 ははっ。 お支度 相整いますれば➡ 351 00:30:19,488 --> 00:30:22,258 すぐさま これへ お連れ申し上げます。 352 00:30:22,258 --> 00:30:25,161 暫時 お待ち下さりませ。 353 00:30:25,161 --> 00:30:29,932 御用人様。 お支度 整ったか? 354 00:30:29,932 --> 00:30:33,803 はっ。 ならば 三之助様を すぐさま これへ。 355 00:30:33,803 --> 00:30:36,606 ははっ。 356 00:30:36,606 --> 00:30:39,306 いらっしゃるのね。 357 00:30:51,153 --> 00:30:54,957 いかがなされました? 358 00:30:54,957 --> 00:31:02,957 この若様が 三之助様? は? 359 00:31:06,302 --> 00:31:11,173 これが 三之助様ですかと お聞きしているのですよ。 360 00:31:11,173 --> 00:31:17,313 三之助様ではないと…。 ええ 言わずにいられないじゃ➡ 361 00:31:17,313 --> 00:31:21,651 ありませんか。 だって 私は 三之助様が 江戸に着いて➡ 362 00:31:21,651 --> 00:31:24,651 真っ先に この手で しっかり抱いてあげて…。 363 00:31:26,322 --> 00:31:30,926 本当の三之助様は どうしたのか 言ってごらん。 364 00:31:30,926 --> 00:31:34,797 さもなくば 手は見せませぬぞ。 365 00:31:34,797 --> 00:31:37,497 うっ! 366 00:31:39,268 --> 00:31:42,968 出会え~! (甲田)さあ 若様! 367 00:31:46,609 --> 00:31:49,512 慮外者だ。 368 00:31:49,512 --> 00:32:01,957 ♬~ 369 00:32:01,957 --> 00:32:03,957 あっ! 370 00:32:05,628 --> 00:32:08,964 かわいそうだが…。 371 00:32:08,964 --> 00:32:11,300 おのれ…! 372 00:32:11,300 --> 00:32:14,203 あなた! 373 00:32:14,203 --> 00:32:18,503 雪絵 この屋敷のどこかに 三之助が…。 374 00:32:23,312 --> 00:32:26,012 捜してきます! 375 00:32:27,983 --> 00:32:33,789 三之助さん! 三之助さん! 376 00:32:33,789 --> 00:32:43,933 ♬~ 377 00:32:43,933 --> 00:32:46,933 三之助さん! 378 00:32:48,604 --> 00:32:54,304 三之助さん 返事してちょうだい! ≪(物音) 379 00:32:56,479 --> 00:32:58,779 三之助さん! 380 00:33:05,621 --> 00:33:09,291 行きましょう。 待って! えっ? 381 00:33:09,291 --> 00:33:13,162 おばちゃん! ≪(お安)う~! う~!➡ 382 00:33:13,162 --> 00:33:16,966 う~ うう~! あっ! 383 00:33:16,966 --> 00:33:21,837 うっ うっ うっ うっ! 私も連れてって下さいよ~! 384 00:33:21,837 --> 00:33:25,641 私も連れてって下さい 奥様! こちら どなた? 385 00:33:25,641 --> 00:33:28,544 お安おばちゃん。 あ~ 三ちゃん! 386 00:33:28,544 --> 00:33:31,914 あなたが うそつきお安さん。 おや 奥様。 387 00:33:31,914 --> 00:33:36,252 私の事 ご存じでしたか? ええ お噂は 皆さんから➡ 388 00:33:36,252 --> 00:33:41,952 フフッ 伺ってます。 あら~ どうしましょう! 389 00:34:00,276 --> 00:34:06,615 (太鼓の音) 390 00:34:06,615 --> 00:34:14,290 旗本 川勝丹後守方 元用人 立川次兵ヱ 面を上げい。 391 00:34:14,290 --> 00:34:18,961 元…? その方儀 長年➡ 392 00:34:18,961 --> 00:34:21,864 川勝の家に 奉公致せし身にありながら➡ 393 00:34:21,864 --> 00:34:26,302 これなるお安の持参致せし 川勝千代丸こと➡ 394 00:34:26,302 --> 00:34:32,908 三之助の臍の緒書きを証拠となし どこの誰とも知れぬ者を➡ 395 00:34:32,908 --> 00:34:39,248 川勝家世継ぎと偽り 川勝千三百石の旗本の家➡ 396 00:34:39,248 --> 00:34:43,586 乗っ取りを謀りしは 病中の丹後守殿ばかりか➡ 397 00:34:43,586 --> 00:34:51,460 お上をも欺く 極悪非道な致し方。 重き仕置きは免れんぞ。 398 00:34:51,460 --> 00:34:54,597 はは~っ。 399 00:34:54,597 --> 00:34:58,467 次兵ヱを連れていけ。 (2人)はっ。 400 00:34:58,467 --> 00:35:01,470 それっ。 はっ! 401 00:35:01,470 --> 00:35:07,176 立ちませい。 (次兵ヱ)触るな 下郎! くそ~! 402 00:35:07,176 --> 00:35:13,616 さて お安。 えっ? はっ! 403 00:35:13,616 --> 00:35:18,954 人を欺き 金をせびるを生業として うそつきお安と➡ 404 00:35:18,954 --> 00:35:23,626 二ツ名のある その方が 今度ばかりは 正真正銘➡ 405 00:35:23,626 --> 00:35:28,964 まことの世継ぎを連れてきて 恐ろしい目にも遭うた。 406 00:35:28,964 --> 00:35:33,569 それを お奉行様の奥様に お助け頂いたんです。 407 00:35:33,569 --> 00:35:38,240 どうぞ 奥様にお奉行様からも お安が手ぇ合わせて➡ 408 00:35:38,240 --> 00:35:41,911 礼を言っていたと お言づけて下さいまし。 409 00:35:41,911 --> 00:35:44,580 お安。 えっ? 410 00:35:44,580 --> 00:35:48,250 お前も 今 そこで はっきりと見たであろう。 411 00:35:48,250 --> 00:35:53,923 うそをつき お上を偽り 重き仕置きを受けねばならぬ➡ 412 00:35:53,923 --> 00:35:58,594 次兵ヱの姿。 …見ました。 413 00:35:58,594 --> 00:36:05,467 はい この目で しっかり。 見たから もう うそはつくまい。 414 00:36:05,467 --> 00:36:10,940 うそつきお安は 店じまいだって。 フフフ…。 415 00:36:10,940 --> 00:36:14,276 それは よい思案だ。 416 00:36:14,276 --> 00:36:21,150 負うた子に教えられってますが 私も この年になって やっと➡ 417 00:36:21,150 --> 00:36:28,624 三ちゃん… あっ いえ 川勝の若様 三之助様に教えてもらって➡ 418 00:36:28,624 --> 00:36:32,494 気が付きました。 気が付いたのならば➡ 419 00:36:32,494 --> 00:36:36,231 今からでも遅くはない。 まっとう正直➡ 420 00:36:36,231 --> 00:36:42,905 真人間になってみせてくれ お安。 はい なります。 421 00:36:42,905 --> 00:36:49,578 正直お安に 今日ただいまから なってみせます! 422 00:36:49,578 --> 00:36:54,249 うそではないな? 「嘘から出た真」の➡ 423 00:36:54,249 --> 00:36:57,920 お奉行様とのお約束です。 424 00:36:57,920 --> 00:37:03,258 ならば お安の何より好きな褒美を とらすとしよう。 425 00:37:03,258 --> 00:37:06,161 えっ!? 奉行からではない。 426 00:37:06,161 --> 00:37:09,932 大事な世継ぎ 三之助を世話してくれし恩➡ 427 00:37:09,932 --> 00:37:14,603 末永く忘れはせぬと 川勝丹後守殿が➡ 428 00:37:14,603 --> 00:37:17,506 お前に下さるご褒美だ。 いや~! 429 00:37:17,506 --> 00:37:24,279 ありがとうございます! へえ~ 川勝のお殿様が…。 430 00:37:24,279 --> 00:37:28,150 会いたい会いたい娘の子。 かわいい孫に➡ 431 00:37:28,150 --> 00:37:31,086 お安が会わせてあげたおかげだ。 432 00:37:31,086 --> 00:37:39,762 (お安)んなら ご褒美 ありがたく頂戴します。 433 00:37:39,762 --> 00:37:55,244 ♬~ 434 00:37:55,244 --> 00:37:59,244 うわ~っ! 435 00:38:03,118 --> 00:38:07,823 ありがとうございます! ありがとうございます! 436 00:38:07,823 --> 00:38:10,259 フフフフッ! 437 00:38:10,259 --> 00:38:13,259 本日の白洲 これまで。 438 00:38:15,597 --> 00:38:18,500 おじい様! 439 00:38:18,500 --> 00:38:21,200 おお~! 440 00:38:22,938 --> 00:38:26,938 おお… 千代丸か? 441 00:38:28,610 --> 00:38:32,610 よう 戻った…! 442 00:38:41,190 --> 00:38:47,896 亡き母に よう似ておる。 443 00:38:47,896 --> 00:38:52,596 よう 戻ったのう…。 444 00:38:55,237 --> 00:39:01,110 (水野)医師 沢渡玄白 面を上げい。 はは~っ! 445 00:39:01,110 --> 00:39:05,881 玄白! お前が ひとつき もたぬと 匙投げた➡ 446 00:39:05,881 --> 00:39:09,785 川勝丹後守 すっかり元気になったというぞ。 447 00:39:09,785 --> 00:39:11,787 ええっ!? 448 00:39:11,787 --> 00:39:15,557 そんな藪に 余の体 診せていいのかと➡ 449 00:39:15,557 --> 00:39:19,928 我々老中まで 上様のお叱りを 受けてしもうたのだぞ。 450 00:39:19,928 --> 00:39:23,599 ええっ? 当分の間 玄白には➡ 451 00:39:23,599 --> 00:39:26,502 脈をとらすなとの御上意である! 452 00:39:26,502 --> 00:39:30,873 はっ あ… うへぇ~っ! 453 00:39:30,873 --> 00:39:34,743 やっぱり 医は 蘭方の方がよいのかもしれんな。 454 00:39:34,743 --> 00:39:37,746 (水野)御意。 ハッハッハッハ…! 455 00:39:37,746 --> 00:39:41,517 (笑い声) 456 00:39:41,517 --> 00:39:45,220 お奉行からの言づてだ。 お奉行様の? 457 00:39:45,220 --> 00:39:48,891 (源次郎)お奉行様が うそつき やめた お安に 仕事をよ➡ 458 00:39:48,891 --> 00:39:51,560 見つけてきて下すった。 え~? 459 00:39:51,560 --> 00:39:54,463 嫌だなんて言っても もう手遅れだからな。 460 00:39:54,463 --> 00:39:57,900 文句を言わずに 新しい仕事をやってきな。 461 00:39:57,900 --> 00:40:02,571 だから どんな仕事 私にやれって お奉行様 おっしゃってるんです? 462 00:40:02,571 --> 00:40:08,443 三之助様が 川勝の家に慣れるまで お安に そばについていて➡ 463 00:40:08,443 --> 00:40:11,580 面倒見てやれって。 えっ? 464 00:40:11,580 --> 00:40:16,880 どうでぇ お安。 いい仕事だろ? 465 00:40:18,921 --> 00:40:22,921 いい仕事も何も…。 466 00:40:25,794 --> 00:40:28,931 うそじゃないでしょうね!? お奉行様が➡ 467 00:40:28,931 --> 00:40:31,266 うそつく訳ないだろう! 468 00:40:31,266 --> 00:40:36,605 じゃあ… 本当なんだ…。 469 00:40:36,605 --> 00:40:40,905 本当なんだ! 本当なんだ! あっ! 470 00:40:42,477 --> 00:40:46,477 若様 危ないです! うわっ! 471 00:40:49,184 --> 00:40:55,290 イテ~ッ! イテテテ…! 472 00:40:55,290 --> 00:40:59,590 怪我しなかった? ん? 473 00:41:01,163 --> 00:41:05,934 怪我なんかしませんよ! うそは駄目です。 474 00:41:05,934 --> 00:41:09,934 はい! ウフフフ…! 475 00:41:11,640 --> 00:41:13,976 (忠高)おう! おう。 476 00:41:13,976 --> 00:41:17,312 もう 杖は要らねえのかい? ああ やっとな。 477 00:41:17,312 --> 00:41:20,983 ああ なら 言わしてもらうがな。 何だ? 478 00:41:20,983 --> 00:41:25,854 雪絵さんのこったよ。 えっ? 雪絵が➡ 479 00:41:25,854 --> 00:41:30,325 また何かしたってのかい? 川勝の屋敷へ乗り込んで➡ 480 00:41:30,325 --> 00:41:32,928 大立ち回り やらかしたそうじゃねえか。 481 00:41:32,928 --> 00:41:36,798 ああ それならな 聞いたよ わしも。 482 00:41:36,798 --> 00:41:41,937 はあ~ あのお転婆娘 困ったもんだ。 483 00:41:41,937 --> 00:41:49,811 まだ 分かってねえな この野郎! 奥方ならな 大岡家の跡継ぎを➡ 484 00:41:49,811 --> 00:41:53,949 早く つくってもらわなきゃ 困るんだよ! 485 00:41:53,949 --> 00:41:59,621 いやいや… すまん。 このとおりだ。 486 00:41:59,621 --> 00:42:02,524 分かりゃいいんだよ 分かりゃ! はあ~。 487 00:42:02,524 --> 00:42:04,960 んんん~っ! 何? 488 00:42:04,960 --> 00:42:07,296 あああ~! 489 00:42:07,296 --> 00:42:12,634 あっ! ああ… あ~っ! ハッハッハッハ! 490 00:42:12,634 --> 00:42:14,970 (くしゃみ) 491 00:42:14,970 --> 00:42:17,639 どうした? 風邪か? いいえ。 492 00:42:17,639 --> 00:42:21,310 お父様と吉本の父が…。 ああ そうか。 493 00:42:21,310 --> 00:42:24,980 いつまで待たせるんだって…。 言ってるんだ。 494 00:42:24,980 --> 00:42:27,883 2人が顔を合わせると…。 えっ? 495 00:42:27,883 --> 00:42:32,788 2人が顔を合わせるとって 誰と誰の事? 496 00:42:32,788 --> 00:42:34,790 お母様! あら? 497 00:42:34,790 --> 00:42:38,927 お二人のお邪魔して しまいましたかしら 私。 498 00:42:38,927 --> 00:42:42,597 どういたしまして。 お菓子 お持ちしましたの。 499 00:42:42,597 --> 00:42:45,500 頂きましょう。 はい! 500 00:42:45,500 --> 00:42:50,939 <雪絵が守った幼子は 晴れて 旗本若様と➡ 501 00:42:50,939 --> 00:42:58,639 聞いて流した お安の涙。 うそじゃないよね 本当だよ>