1 00:00:48,694 --> 00:00:51,597 (作左ヱ門)王手。 2 00:00:51,597 --> 00:00:55,033 ヒッヒッヒ…。 3 00:00:55,033 --> 00:00:57,369 (忠高)ちょっと待て。 はあ? 4 00:00:57,369 --> 00:00:59,705 (辰三)殿様! (子吉)御前! 5 00:00:59,705 --> 00:01:02,040 おお。 どうした? (辰三)終わりました。 6 00:01:02,040 --> 00:01:04,943 ああ ご苦労さんだった。 何? もう 終わった? 7 00:01:04,943 --> 00:01:07,379 へい 御用人様からも ちゃんと➡ 8 00:01:07,379 --> 00:01:09,314 お手当を頂戴して…。 ありがとう➡ 9 00:01:09,314 --> 00:01:11,717 存じました。 おい ちょっと待て。 10 00:01:11,717 --> 00:01:15,053 お前たち 割れた釜に 穴の開いた鍋➡ 11 00:01:15,053 --> 00:01:16,989 一体 いくつ直したんだ? 12 00:01:16,989 --> 00:01:20,392 ですから 穴の開いてた鍋が1つと…。 13 00:01:20,392 --> 00:01:22,728 底の割れてた お釜も1つ。 14 00:01:22,728 --> 00:01:27,599 こいつらは 同心の下で働く 手の者小者。 15 00:01:27,599 --> 00:01:32,599 なっ? 非番の日には こうやって 働かなきゃならねえんだよ。 16 00:01:34,339 --> 00:01:41,013 だから 鋳掛をさしてくれろと お前が頼んできたんだろうが。 17 00:01:41,013 --> 00:01:45,350 だから 俺が あれだけ頭を下げたのに➡ 18 00:01:45,350 --> 00:01:49,021 鍋 釜一つずつってのは どういう了見だい! 19 00:01:49,021 --> 00:01:52,691 あっ 御前。 一つでもさせてもらやぁ…。 20 00:01:52,691 --> 00:01:55,360 有難山のホトトギス! 21 00:01:55,360 --> 00:01:59,031 お前たちは引っ込んでろ! まあ うちにはな➡ 22 00:01:59,031 --> 00:02:03,368 壊れた鍋 釜は ほかにはねえんだよ。 23 00:02:03,368 --> 00:02:08,240 まっ 勘弁してくれろ 忠高。 勘弁できねえ! 24 00:02:08,240 --> 00:02:13,378 じゃあ どうすりゃいいってんだ! 金づち持ってきてな➡ 25 00:02:13,378 --> 00:02:17,249 ガンガン ガンガン 鍋 釜に 穴開けて 稼がしてやれって➡ 26 00:02:17,249 --> 00:02:21,053 こう言ってるんだ! ああ~! 27 00:02:21,053 --> 00:02:24,389 でも 辰三さんたちも 大変なのですね。 28 00:02:24,389 --> 00:02:29,061 岡っ引き小者は 奉行所に 雇われているのではない。 29 00:02:29,061 --> 00:02:35,333 同心が手当をあてがい 手伝わせているんですものね。 30 00:02:35,333 --> 00:02:38,670 (源次郎)若! どうした? 源さん。 31 00:02:38,670 --> 00:02:43,341 上様が また お忍びで…! 32 00:02:43,341 --> 00:02:46,041 (ため息) 33 00:03:07,032 --> 00:03:10,902 (おしの)お武家様 借金取りに 追われてるんでしょ? 34 00:03:10,902 --> 00:03:13,705 (吉宗)えっ? あ~ 違う 違う 違う! 35 00:03:13,705 --> 00:03:18,043 私にも覚えがありますから…。 ちょっと隠れてなさいまし。 36 00:03:18,043 --> 00:03:20,946 かたじけない。 37 00:03:20,946 --> 00:03:26,718 団子があるなら 1皿 もらおうか。 いいんですよ 無理しないでも。 38 00:03:26,718 --> 00:03:34,018 団子代ぐらいは 持ってるぞ。 そうですか? じゃあ…。 39 00:03:35,527 --> 00:03:41,227 (おしの)お団子 1皿ですって! (店主)ああ…。 40 00:03:46,671 --> 00:03:49,341 (金兵衛)おしの。 あっ…。 41 00:03:49,341 --> 00:03:51,676 来な。 嫌! 42 00:03:51,676 --> 00:03:54,012 ハッハ…。 嫌っ! 43 00:03:54,012 --> 00:03:56,348 手を離せ! 44 00:03:56,348 --> 00:04:02,020 お侍様…。 この女は 借金 踏み倒して 逃げ回ってんですよ。 45 00:04:02,020 --> 00:04:04,689 借りたお金の利子だけでも 返そうと思って➡ 46 00:04:04,689 --> 00:04:07,359 働いてるんじゃないか! グズグズ言わずに➡ 47 00:04:07,359 --> 00:04:11,029 一緒に来な! ほれ! 嫌! 行ってはならん! 48 00:04:11,029 --> 00:04:13,932 うわ~! へぇ~! 49 00:04:13,932 --> 00:04:18,904 人殺し~! 人殺し~! 人殺し~! 50 00:04:18,904 --> 00:04:21,039 邪魔だ 邪魔だ。 何があった? おら。 51 00:04:21,039 --> 00:04:25,377 ああ~ 親分 助けて下さい! 殺される~! 52 00:04:25,377 --> 00:04:27,677 何ぃ? 53 00:04:32,651 --> 00:05:39,651 ♬~ 54 00:05:51,329 --> 00:05:55,000 十手持ちなら 話が早い。 まっ 聞いてくれ。 55 00:05:55,000 --> 00:05:59,337 このお侍が 私を突き飛ばして 斬り殺そうと…。 56 00:05:59,337 --> 00:06:02,674 そっちが先に 娘に 乱暴を働いたのではないか! 57 00:06:02,674 --> 00:06:06,344 見て下さい 親分。 この女の亭主 作蔵に➡ 58 00:06:06,344 --> 00:06:10,644 締めて10両 貸してやった時の証文。 59 00:06:12,684 --> 00:06:16,554 うん… なるほど。 60 00:06:16,554 --> 00:06:20,558 なにが なるほどだ。 うるせぇ! 61 00:06:20,558 --> 00:06:23,028 この田舎侍が! 62 00:06:23,028 --> 00:06:25,931 田舎侍…!? 63 00:06:25,931 --> 00:06:29,367 どっちに非があるか決めんのは 俺だ! 64 00:06:29,367 --> 00:06:36,174 お上の十手を預かる俺の言う事は 将軍さまが おっしゃったも同然。 65 00:06:36,174 --> 00:06:41,313 それに逆らやぁ 謀反人だぞ。 66 00:06:41,313 --> 00:06:47,652 おしの! 借りた金 返すのは 御定法だ。 67 00:06:47,652 --> 00:06:50,352 許さん…! 68 00:06:53,325 --> 00:06:55,625 忠相。 69 00:06:57,662 --> 00:06:59,597 それだけは…! あっ。 70 00:06:59,597 --> 00:07:05,897 旦那 少ねえが 今日の利息だ。 こりゃ 親分。 おかたじけ。 71 00:07:11,676 --> 00:07:15,547 (水野) 今月の月番 北町奉行 中山出雲。 72 00:07:15,547 --> 00:07:20,018 (中山)ははっ。 また 南町奉行 大岡越前。 73 00:07:20,018 --> 00:07:21,953 はっ。 この度➡ 74 00:07:21,953 --> 00:07:25,690 上様 思し召しにより 岡っ引き小者を➡ 75 00:07:25,690 --> 00:07:28,026 お取りやめに致す事と相なった。 76 00:07:28,026 --> 00:07:30,929 えっ!? いきなり お取りやめとは? 77 00:07:30,929 --> 00:07:34,632 岡っ引きには たちのよくない者もいると➡ 78 00:07:34,632 --> 00:07:39,304 余も かねて聞いてはおったが 昨日 まさしく➡ 79 00:07:39,304 --> 00:07:43,174 たちの悪い岡っ引きに 罵詈雑言を浴びせられたのだぞ! 80 00:07:43,174 --> 00:07:47,645 両町奉行所には 与力 同心がいるんだ。 81 00:07:47,645 --> 00:07:54,519 卑しい小者の力 借りずとも お上の御用 果たせるはずだ。 82 00:07:54,519 --> 00:07:59,257 (中山)かしこまりました。 早速 岡っ引き小者は…。 83 00:07:59,257 --> 00:08:01,993 お待ち下さい! 上様。 何だ? 忠相。 84 00:08:01,993 --> 00:08:05,864 たちの悪いは ほんの一握り。 岡っ引き小者たちは 皆➡ 85 00:08:05,864 --> 00:08:09,868 懸命に 江戸の治安を守ろうために 働いておりまする。 86 00:08:09,868 --> 00:08:13,605 では 来月10日まで 猶予をやろう。 87 00:08:13,605 --> 00:08:18,343 来月10日…? 月番の北町には➡ 88 00:08:18,343 --> 00:08:22,680 あと残り10日。 月が替わって 月番の南町には➡ 89 00:08:22,680 --> 00:08:26,351 来月10日まで 猶予を遣わすによって➡ 90 00:08:26,351 --> 00:08:30,688 悪しき岡っ引きを一掃してみろと 申しておるのよ! 91 00:08:30,688 --> 00:08:32,988 はは~っ! 92 00:08:35,293 --> 00:08:38,196 ほら 勘太。 もう泣くな。 93 00:08:38,196 --> 00:08:40,165 だって 悔しいじゃありませんか! 94 00:08:40,165 --> 00:08:43,168 こっちは 内職までして 骨身を惜しまず➡ 95 00:08:43,168 --> 00:08:46,638 務めてきたっつうのに。 安い手当で文句も言わずに…。 96 00:08:46,638 --> 00:08:48,973 旦那たちの手足になって やってきたんだよ。 97 00:08:48,973 --> 00:08:53,645 (お秀)でも 親分たちのお手当って お奉行所からじゃなく➡ 98 00:08:53,645 --> 00:08:59,517 旦那方が出してらしたんですか。 乏しい俺たちのお扶持の中からな。 99 00:08:59,517 --> 00:09:05,256 その乏しい旦那方の懐の中から 親分らに お手当が出て➡ 100 00:09:05,256 --> 00:09:10,995 それから やっと 俺のお手当が… あ~! 情けねえよ! 101 00:09:10,995 --> 00:09:13,665 (片瀬)でも この連中がいてくれなきゃ…。 102 00:09:13,665 --> 00:09:16,568 (立花)俺たち 御用は果たせませんよ。 103 00:09:16,568 --> 00:09:20,338 うん…。 (2人)うう~! 104 00:09:20,338 --> 00:09:23,675 (三次)いらっしゃい。 どうした? 105 00:09:23,675 --> 00:09:28,346 ん? 不景気な面 並べて。 俺たちは お払い箱だって➡ 106 00:09:28,346 --> 00:09:32,617 上様 おっしゃったんでしょ? 来月10日までのご猶予は➡ 107 00:09:32,617 --> 00:09:35,520 頂いておる。 なあ 源さん。 はい。 108 00:09:35,520 --> 00:09:39,958 昨日 上様に悪態ついた岡っ引きが 誰か調べてきたんだ。 109 00:09:39,958 --> 00:09:43,628 どこの誰です? 北町奉行所の手の者で➡ 110 00:09:43,628 --> 00:09:47,298 薬研堀の権吉。 あいつか…。 111 00:09:47,298 --> 00:09:51,970 その男に もし 不正があれば 全てを明らかにし➡ 112 00:09:51,970 --> 00:09:55,640 南 北 両奉行所の手の者たちには 決して➡ 113 00:09:55,640 --> 00:09:59,310 そのような事のなきように 厳しく戒め➡ 114 00:09:59,310 --> 00:10:04,182 上様に ご納得頂くほかあるまい。 115 00:10:04,182 --> 00:10:10,655 ひどい事するよ もう! なんて事しやがるんだ あいつは。 116 00:10:10,655 --> 00:10:14,526 おい どうした? あ~ 親分! 117 00:10:14,526 --> 00:10:18,329 いいところへ! 借金取りが 伝助んちを…。 118 00:10:18,329 --> 00:10:23,001 病人に ひどい事してんだよ! よし 任せとけ。 119 00:10:23,001 --> 00:10:26,337 お願いします! 120 00:10:26,337 --> 00:10:30,008 おっ母さん 今にも 死にそうなんです。 121 00:10:30,008 --> 00:10:35,680 死にそうな病人に 高え薬 のましたりして…。 122 00:10:35,680 --> 00:10:42,554 ああ とんだ無駄遣いだったな。 ああ~! 123 00:10:42,554 --> 00:10:47,292 伝助 泣いたって 借りた金 無くなる訳じゃねえぞ。 124 00:10:47,292 --> 00:10:50,228 ハハッ 親分。 125 00:10:50,228 --> 00:10:52,697 ほ~らよっと! 126 00:10:52,697 --> 00:10:55,033 何するんだ! (せきこみ) 127 00:10:55,033 --> 00:10:57,936 利息の代わりよ。 (せきこみ) 128 00:10:57,936 --> 00:11:01,372 おっ母さん! おい どけ。 129 00:11:01,372 --> 00:11:05,243 おっ母さん おっ母さん…! (せきこみ) 130 00:11:05,243 --> 00:11:09,047 親分! あんた どっちの味方なんだい! 131 00:11:09,047 --> 00:11:10,982 何やってんだよ~! 132 00:11:10,982 --> 00:11:16,982 見た? 見たかねえもん 見ちまったよ~。 133 00:11:22,393 --> 00:11:26,064 昨日と今日の手間だ 親分。 134 00:11:26,064 --> 00:11:29,734 へい 確かに。 135 00:11:29,734 --> 00:11:34,572 そこで もう一つ 頼みがあるんだ。 何です? 136 00:11:34,572 --> 00:11:41,012 おしのが いなくならねえように 見張っててもらいたいのさ。 137 00:11:41,012 --> 00:11:44,882 なら ついでに おしのの亭主も見つけ出して➡ 138 00:11:44,882 --> 00:11:47,885 貸した金… いや せめて 利子だけでも➡ 139 00:11:47,885 --> 00:11:51,022 取ってきやしょうか? ねっ。 140 00:11:51,022 --> 00:11:52,957 (筧)村上さん。 ん? 141 00:11:52,957 --> 00:11:56,361 (片瀬)権吉が 稼ぎの 頼りにしている 金貸し金兵衛。 142 00:11:56,361 --> 00:11:59,697 (筧)昔は 深川辺りで 小金を貸していたんですが…。 143 00:11:59,697 --> 00:12:02,033 (片瀬)2年くらい前に 駒形に店を構えて➡ 144 00:12:02,033 --> 00:12:04,936 どんどん 商いが 大きくなったってんですよ。 145 00:12:04,936 --> 00:12:07,905 (筧)何でだと思います? いや 何でだ? 146 00:12:07,905 --> 00:12:11,709 どっかの賭場へ 元手を 回してやってるらしいんで。 147 00:12:11,709 --> 00:12:15,046 えっ 賭場の元手を? 聞いた事あります! 俺も。 148 00:12:15,046 --> 00:12:17,949 (源次郎)勘太もか? へい 金に困ってる奴に➡ 149 00:12:17,949 --> 00:12:21,386 元手を貸してやるから 賭場へ行って ここ一番の大博打➡ 150 00:12:21,386 --> 00:12:23,321 やってみろよって…。 金 貸して…。 151 00:12:23,321 --> 00:12:27,258 負けたら 有無を言わさず 女房や 娘を苦界に沈めて…。 152 00:12:27,258 --> 00:12:30,728 何人もの娘が 岡場所へ売られてったって話。 153 00:12:30,728 --> 00:12:33,998 放っておけませんよ 村上さん! 154 00:12:33,998 --> 00:12:37,335 いや まだだ。 まだ? 155 00:12:37,335 --> 00:12:41,005 月が替わるまで こっちは非番。 156 00:12:41,005 --> 00:12:43,908 あ~! (勘太)そうだったんだ! 157 00:12:43,908 --> 00:12:47,345 ありがとうございます。 なあ おしの。 158 00:12:47,345 --> 00:12:51,683 利子に追われて 暮らしてるよりは きれいな着物で 飲んで踊って➡ 159 00:12:51,683 --> 00:12:54,585 アコリャ アコリャと 色町で 面白おかしく…。 160 00:12:54,585 --> 00:12:58,556 駄目だ! チッ! また てめえか! 161 00:12:58,556 --> 00:13:04,556 おい 団子1皿。 はい。 162 00:13:06,230 --> 00:13:09,701 痛ぇ目 見せてやろうか!? ええ!? 163 00:13:09,701 --> 00:13:14,572 将軍さまは もう 岡っ引きなど不要だと➡ 164 00:13:14,572 --> 00:13:19,711 おっしゃってるそうじゃねえか。 何でそんな事知ってんだ てめえ! 165 00:13:19,711 --> 00:13:22,613 くそっ! お待ち遠さま。 166 00:13:22,613 --> 00:13:29,387 おしの。 こいつらが 借金だの 利子だの言ってこぬ まじない。 167 00:13:29,387 --> 00:13:32,657 取って置きなさい。 お武家様…。 168 00:13:32,657 --> 00:13:36,994 私の事は 心配無用。 返せる時に 返してくれればいいのだから。 169 00:13:36,994 --> 00:13:39,897 そういう事なら 遠慮なく…。 170 00:13:39,897 --> 00:13:41,866 おい! 171 00:13:41,866 --> 00:13:47,338 これは 頂けません…! どうして…? 172 00:13:47,338 --> 00:13:50,007 お武家様に 借金 払って頂いたなんて聞いたら➡ 173 00:13:50,007 --> 00:13:57,707 うちの人… もう うちへ帰ってこなくなります。 174 00:13:59,350 --> 00:14:03,221 今は 借金だけが 2人をつなぐ細い糸。 175 00:14:03,221 --> 00:14:07,024 最後の糸まで切れちまったら あの人は 金輪際➡ 176 00:14:07,024 --> 00:14:10,895 私のとこへ戻っちゃきません! おしの…。 177 00:14:10,895 --> 00:14:16,895 ですから これは… お心だけ…。 178 00:14:28,713 --> 00:14:33,551 おしのの亭主は 作蔵。 浮世絵の彫り師でした。 179 00:14:33,551 --> 00:14:36,988 彫り師? はい。 版元の小嶋屋は➡ 180 00:14:36,988 --> 00:14:40,858 作蔵は 腕のいい職人だったが 酒癖が悪いのが➡ 181 00:14:40,858 --> 00:14:44,328 「玉に瑕」と申しておりました。 (橋田)酒か。 182 00:14:44,328 --> 00:14:48,666 人気絵師の下絵を黙って質に入れ それが ばれて➡ 183 00:14:48,666 --> 00:14:53,004 版元をクビになったとか。 うん…。 184 00:14:53,004 --> 00:14:57,875 ですから 今 作蔵が どこにいるか 小嶋屋の主にも➡ 185 00:14:57,875 --> 00:15:00,575 見当がつかない。 186 00:15:25,903 --> 00:15:30,203 おい 作蔵。 起きろ! 187 00:15:32,310 --> 00:15:34,979 うわ~! 188 00:15:34,979 --> 00:15:38,316 な… 何で ここが…? 189 00:15:38,316 --> 00:15:41,652 筋金入りの岡っ引きだ! 将軍さまに言ってやりてえや。 190 00:15:41,652 --> 00:15:43,988 岡っ引き 無くしちまって いいんですかってよ。 191 00:15:43,988 --> 00:15:47,658 言ってごらんよ。 うるせぇ! 192 00:15:47,658 --> 00:15:52,997 お前が逃げ回ってるうちにな おしのにゃ 金持ちの侍が➡ 193 00:15:52,997 --> 00:15:55,900 言い寄ってきてんだぞ? えっ!? 194 00:15:55,900 --> 00:15:59,670 侍で金持ちが相手じゃ 勝ち目はねえや。 195 00:15:59,670 --> 00:16:03,341 馬鹿野郎! おしのは 侍の金 受け取っちまったら➡ 196 00:16:03,341 --> 00:16:07,211 お前が戻ってこられなくなるって 金 突っ返したんだぞ。 197 00:16:07,211 --> 00:16:11,215 もったいねえ もらっときゃいいのに。 なあ? 198 00:16:11,215 --> 00:16:14,685 馬鹿野郎! 出てこい こら! 199 00:16:14,685 --> 00:16:17,021 嫌だ! 200 00:16:17,021 --> 00:16:19,357 来い! 嫌だ! 201 00:16:19,357 --> 00:16:22,693 イテテテ…! やだ 帰らねえぞ! 202 00:16:22,693 --> 00:16:26,030 金も取らずに 返すか 馬鹿! まさか 俺を➡ 203 00:16:26,030 --> 00:16:28,366 苦界とやらに売るってぇのか? ええ? 204 00:16:28,366 --> 00:16:32,236 モッコを担げって言ってんだい! 俺に力仕事なんて➡ 205 00:16:32,236 --> 00:16:34,972 できやしねえよ! 206 00:16:34,972 --> 00:16:40,645 お前… 男ならな 汗水垂らして 働いて てめえの借りた金は➡ 207 00:16:40,645 --> 00:16:44,515 てめえで返せって言ってんだ! 放せ~! 208 00:16:44,515 --> 00:16:50,515 あっ あ~! イタタタタ…! 作蔵…。 209 00:16:58,996 --> 00:17:02,867 (権吉)おう。 (子どもたち)お父ちゃん! 210 00:17:02,867 --> 00:17:07,338 (権吉)ハッハッハ… ただいま。 211 00:17:07,338 --> 00:17:10,007 ほれ~! (お留)この人 どうしたの? 212 00:17:10,007 --> 00:17:13,678 ああ 足くじいちまってな。 (お種)えっ? 213 00:17:13,678 --> 00:17:16,678 ほれ みんな 手ぇ貸してあげな。 (子どもたち)は~い。 214 00:17:18,349 --> 00:17:21,252 (太吉)寝な。 ありがとう。 215 00:17:21,252 --> 00:17:24,021 おっ…。 216 00:17:24,021 --> 00:17:28,893 おじちゃん どこが痛いの? おい 包帯 巻いてやんな。 217 00:17:28,893 --> 00:17:32,630 (寅吉)ここか? イタタタタ! ちょ… 優しくだ 優しく。 218 00:17:32,630 --> 00:17:38,330 イタタタタ! 情けねえ野郎だな。 219 00:17:41,305 --> 00:17:43,641 うめえか? うん! 220 00:17:43,641 --> 00:17:48,312 ハッハッハ…。 おい みんな たくさん食えよ ほら。 221 00:17:48,312 --> 00:17:51,012 (子どもたち)は~い! 222 00:17:52,984 --> 00:17:56,854 おじさん 食べないの? えっ? 223 00:17:56,854 --> 00:18:01,659 おいしいよ。 ああ 見てるだけで➡ 224 00:18:01,659 --> 00:18:06,530 よだれが垂れてきやがる。 さすが 権吉親分の夕飯だ。 225 00:18:06,530 --> 00:18:11,335 なあ? 親分。 言いたい事あるなら… やい➡ 226 00:18:11,335 --> 00:18:16,674 遠慮しないで言ってみやがれ。 言いたい事なんざねえよ。 227 00:18:16,674 --> 00:18:21,545 けど これだけ 大勢の子に うまいもの食わしてやろうと➡ 228 00:18:21,545 --> 00:18:27,685 思ったら ハハッ 人が何と言おうと 金が要るから金を取る。 229 00:18:27,685 --> 00:18:31,355 それが できる岡っ引きって稼業 うらやましいと➡ 230 00:18:31,355 --> 00:18:34,625 指 くわえて見ているより しかたのねえ野郎が➡ 231 00:18:34,625 --> 00:18:40,325 俺にゃあ 子どもは持てねえと 親分 見てて 諦めた。 232 00:18:48,973 --> 00:18:53,844 作蔵。 俺は 女房 子どもを食わすために➡ 233 00:18:53,844 --> 00:19:00,985 死に物狂いで働いてる。 ああ 世間の奴らが どう言おうと➡ 234 00:19:00,985 --> 00:19:08,325 お天道さまに恥じるところは… 一つもねえ。 235 00:19:08,325 --> 00:19:16,000 なのに おめえは てめえの借金の 利子 女房に払わしといて➡ 236 00:19:16,000 --> 00:19:20,871 恥ずかしくねえのか? 237 00:19:20,871 --> 00:19:23,674 亭主が借金取りに 追い回されてんだよ。 238 00:19:23,674 --> 00:19:28,345 利子ぐらい 女房が働いて返すのは 当たり前だい! 239 00:19:28,345 --> 00:19:32,950 それでも 男か…! 馬鹿! 240 00:19:32,950 --> 00:19:36,287 (2人)父ちゃん! (作蔵)痛ぇじゃねえか! 241 00:19:36,287 --> 00:19:41,959 おしのはなぁ もっともっと 痛ぇ思いしてんだぞ。 242 00:19:41,959 --> 00:19:46,297 [ 回想 ] 今は 借金だけが 2人をつなぐ細い糸。 243 00:19:46,297 --> 00:19:49,967 ほれて 一緒になった女房だったら➡ 244 00:19:49,967 --> 00:19:55,667 何で… 何で もっと大切にしてやんねえんだ! 245 00:20:04,315 --> 00:20:10,187 うん 似合ってる。 本当に? うん。 246 00:20:10,187 --> 00:20:15,187 じゃあ 私も…。 ん? 247 00:20:16,894 --> 00:20:20,865 作蔵の象。 248 00:20:20,865 --> 00:20:26,865 作蔵の象…? ヘヘヘ…。 249 00:20:30,541 --> 00:20:34,311 おじちゃん 何? それ。 ん? 象だよ。 250 00:20:34,311 --> 00:20:38,682 象? ん? 何だ お前たち。 251 00:20:38,682 --> 00:20:42,553 象 知らねえのか? 252 00:20:42,553 --> 00:20:47,691 ヘヘッ よ~し 紙と筆 持ってきな。 (子どもたち)うん! 253 00:20:47,691 --> 00:20:50,361 作蔵が? へい。 254 00:20:50,361 --> 00:20:53,264 傷が治り次第 力仕事でも何でも やらして➡ 255 00:20:53,264 --> 00:20:56,033 稼いだ金は そちらへ きっちり 返させ…。 256 00:20:56,033 --> 00:20:59,703 余計な事すんじゃねえ。 え? 257 00:20:59,703 --> 00:21:04,575 俺が欲しいのは 金じゃなくて おしのなんだ! 258 00:21:04,575 --> 00:21:09,380 (舌打ち) だから 作蔵に働いてもらっちゃ➡ 259 00:21:09,380 --> 00:21:13,250 困るんだよ。 おしのは➡ 260 00:21:13,250 --> 00:21:16,720 作蔵が うちに 帰ってこれなくなると言って➡ 261 00:21:16,720 --> 00:21:20,057 侍が出した金 突っ返したんですぜ。 262 00:21:20,057 --> 00:21:25,729 親分 聞けば 将軍さまのお達しで 岡っ引きが➡ 263 00:21:25,729 --> 00:21:30,401 無くなるそうじゃねえか。 十手が無くなりゃ➡ 264 00:21:30,401 --> 00:21:35,673 おめえなんか この先 どうやって 女房 子どもを養っていくんだ。 265 00:21:35,673 --> 00:21:41,545 四の五の言わずに 俺の言うとおりにしろ。 266 00:21:41,545 --> 00:22:12,576 ♬~ 267 00:22:12,576 --> 00:22:15,346 父ちゃ~ん! 268 00:22:15,346 --> 00:22:19,049 これ 虎! おいらの寅吉の虎だって! 269 00:22:19,049 --> 00:22:22,720 あたいのは ほら 猫。 (太吉)姉ちゃんのは? 270 00:22:22,720 --> 00:22:27,591 (お冬) 象。 それで このきれいな人が おじちゃんとこのおかみさん。 271 00:22:27,591 --> 00:22:31,996 おい 作蔵は? 帰ってったよ。 272 00:22:31,996 --> 00:22:35,866 帰るったって どこへよ? 自分のうちだろ? 273 00:22:35,866 --> 00:22:41,338 フフッ これ描いてて 里心ついたんだろ。 274 00:22:41,338 --> 00:22:48,679 俺… どうしても 欲しいものがあるんでぇ。 275 00:22:48,679 --> 00:22:51,979 あんたって人は…。 276 00:22:54,551 --> 00:22:58,689 イタタタ… 痛い! あんたって人は! 277 00:22:58,689 --> 00:23:03,027 痛い 痛い! もう帰ってこなくていい! 278 00:23:03,027 --> 00:23:08,027 ≪(作蔵)おしの おしの! 279 00:23:09,700 --> 00:23:13,037 違う… 違うんだ おしの! 280 00:23:13,037 --> 00:23:22,713 甘い顔 見せりゃ すぐに欲しいものだなんて…。 281 00:23:22,713 --> 00:23:28,585 俺が欲しいのは お前と俺の…➡ 282 00:23:28,585 --> 00:23:32,323 子どもだ! 283 00:23:32,323 --> 00:23:35,023 えっ? 284 00:23:49,873 --> 00:23:53,344 ≪(作蔵)俺が言ってるのは 俺の子どもを➡ 285 00:23:53,344 --> 00:23:58,044 おしのに産んでもらいてえと そう言って…! 286 00:24:00,217 --> 00:24:06,890 上様。 もう 余の出る幕はなさそうだな。 287 00:24:06,890 --> 00:24:08,892 はい。 288 00:24:08,892 --> 00:24:14,365 あとは 権吉の始末を どう つけるかだ。 289 00:24:14,365 --> 00:24:18,035 権吉に言われて 作蔵は おしのの所へ戻ってきたのでは➡ 290 00:24:18,035 --> 00:24:21,705 ござりませぬのか? 上様。 知らぬ 知らぬ! 291 00:24:21,705 --> 00:24:26,405 悪い岡っ引きは許せんと 申しておるだけだ。 292 00:24:33,317 --> 00:24:39,189 私の方でも まとまった金が 急に要る事になってなぁ。 293 00:24:39,189 --> 00:24:45,329 作蔵に貸してある金 元利そろえて 15両… ハハッ。 294 00:24:45,329 --> 00:24:48,232 一度に返してくれねえか? え? 295 00:24:48,232 --> 00:24:52,669 いや… 一度になんて そんなお金は…。 296 00:24:52,669 --> 00:24:59,369 ああ できねえってんなら 相談乗ってやってもいいんだが…。 297 00:25:02,346 --> 00:25:05,682 おしの! お前さん! 298 00:25:05,682 --> 00:25:09,019 行っちゃいけねえ。 こいつの目当ては 初めから➡ 299 00:25:09,019 --> 00:25:11,688 お前だったと 権吉親分 俺に知らせに来てくれた。 300 00:25:11,688 --> 00:25:17,027 権吉が? ハハハッ そんなら 話が早く済む。 301 00:25:17,027 --> 00:25:24,701 おい 作蔵。 元利合わせて 15両 今すぐ返せねえんなら➡ 302 00:25:24,701 --> 00:25:29,039 おしのは 俺がもらってく。 嫌だ!➡ 303 00:25:29,039 --> 00:25:35,312 せめて 一日待ってくれ。 一日待って どうすんだ? 304 00:25:35,312 --> 00:25:40,184 15両なんて 博打で もうけでもしなきゃ➡ 305 00:25:40,184 --> 00:25:46,884 一日で出来る金じゃねえぞ。 博打? 306 00:25:48,659 --> 00:25:53,330 大きな声じゃ言えねえがな 俺なんか➡ 307 00:25:53,330 --> 00:25:58,669 博打で稼いだ金 元手に 金貸しを始めて➡ 308 00:25:58,669 --> 00:26:05,008 今の身代 築いたんだぜ。 へぇ…。 309 00:26:05,008 --> 00:26:11,708 おめえが勝負に出るってんなら ええ… 10両 貸してやる。 310 00:26:13,350 --> 00:26:18,650 (金兵衛)それで 勝ちゃあ 借金 無くなるぜ。 311 00:26:25,362 --> 00:26:28,265 貸してくれ。 312 00:26:28,265 --> 00:26:30,234 ええっ!? おしの。 313 00:26:30,234 --> 00:26:37,234 これは おめえの亭主と この俺が おめえを賭けての大勝負。 314 00:26:38,909 --> 00:26:43,647 どっちが勝つか どっちが負けて 泣きっ面 ご覧に入れるか➡ 315 00:26:43,647 --> 00:26:47,985 知っているのは さいの目だけ。 316 00:26:47,985 --> 00:26:53,657 おめえは 作蔵が帰ってくるまでの人質だ。 317 00:26:53,657 --> 00:26:58,328 明日の朝まで 私のうちで待ってなさい。 318 00:26:58,328 --> 00:27:01,665 作蔵 やめろ! 親分! 319 00:27:01,665 --> 00:27:07,337 余計な口出しは無用だよ。 権吉親分! 320 00:27:07,337 --> 00:27:11,208 俺は やるよ! 作蔵! お前さん! 321 00:27:11,208 --> 00:27:17,508 ついてきな。 験のいい賭場 教えてやるよ。 322 00:27:19,349 --> 00:27:24,349 (金兵衛) おやじさん おしのは帰るよ~。 323 00:27:26,023 --> 00:27:30,360 作蔵の大馬鹿野郎が! 324 00:27:30,360 --> 00:27:39,169 (鐘の音) 325 00:27:39,169 --> 00:27:43,307 (源次郎)お奉行。 暮れ六つの鐘だな。 326 00:27:43,307 --> 00:27:46,977 (立花)はい。 九つ過ぎれば…。 327 00:27:46,977 --> 00:27:50,314 こっちの月番。 待ち遠しかった。 328 00:27:50,314 --> 00:27:53,614 この10日が… なあ? 329 00:27:57,988 --> 00:28:01,658 さあ 入りました。 さあ 張った 張った。 330 00:28:01,658 --> 00:28:04,561 丁! 331 00:28:04,561 --> 00:28:08,999 丁半 駒そろいました。 勝負! 332 00:28:08,999 --> 00:28:11,699 五二の半。 333 00:28:13,670 --> 00:28:18,542 お客さん 金が無くなっちまやぁ 場所を空けておくんなせぇよ。 334 00:28:18,542 --> 00:28:21,542 いや… ま… 待ってくれ! 335 00:28:23,680 --> 00:28:27,380 これで 1両 貸してくれ。 336 00:28:31,355 --> 00:28:36,960 どうしやす? ああ 10両だって 1両だって➡ 337 00:28:36,960 --> 00:28:39,630 取られちまうなぁ あっという間だ。 338 00:28:39,630 --> 00:28:44,968 5両でも貸してやんな。 へい。 339 00:28:44,968 --> 00:28:47,638 勝負! 340 00:28:47,638 --> 00:28:51,338 四の二の丁。 丁と出ました。 341 00:28:58,649 --> 00:29:00,949 伝助! 342 00:29:04,321 --> 00:29:08,621 どこ行くんだい! 伝助! 343 00:29:13,664 --> 00:29:16,566 来い おら! おい! 344 00:29:16,566 --> 00:29:19,536 おら! おととい来やがれ! おら! 345 00:29:19,536 --> 00:29:22,836 ほらっ。 ヘヘッ。 346 00:29:27,010 --> 00:29:31,010 おしの… おしの…! 347 00:29:45,295 --> 00:30:07,551 ♬~ 348 00:30:07,551 --> 00:30:11,521 やっぱり 作蔵は来なかったな。 349 00:30:11,521 --> 00:30:14,221 まあ…。 350 00:30:16,259 --> 00:30:21,665 そういう男だ。 そのおかげで おめえは➡ 351 00:30:21,665 --> 00:30:26,336 これから このうちで暮らすんだ。 352 00:30:26,336 --> 00:30:30,636 いいね? おしの。 353 00:30:32,209 --> 00:30:37,681 その前に お願いが…。 354 00:30:37,681 --> 00:30:40,584 何だい? 言ってごらん。 355 00:30:40,584 --> 00:30:43,553 作蔵が書いた証文➡ 356 00:30:43,553 --> 00:30:48,325 一枚残らず ここへ 持ってきて下さいませんか? 357 00:30:48,325 --> 00:30:58,969 それを この手で破いたら そしたら 私…。 358 00:30:58,969 --> 00:31:07,269 分かった。 今 持ってくるから 待ってなさい。 ヘッヘッヘ…。 359 00:31:18,321 --> 00:31:21,057 (伝助)金兵衛~! 360 00:31:21,057 --> 00:31:25,395 伝助 おめえ…。 361 00:31:25,395 --> 00:31:28,064 布団も きせずに 死んじまった お袋んとこ行って➡ 362 00:31:28,064 --> 00:31:33,670 謝ってこいって おめえに 言いたくて 待っていたんだい! 363 00:31:33,670 --> 00:31:36,573 うわ~! (金兵衛)ああ~! 364 00:31:36,573 --> 00:31:40,544 やめろ! やめろ!➡ 365 00:31:40,544 --> 00:31:43,013 うっ! 366 00:31:43,013 --> 00:31:45,713 う…。 367 00:31:58,361 --> 00:32:02,661 (作蔵)おしの! おしの~! 368 00:32:11,908 --> 00:32:17,208 どこに いるんだ? おしの! 369 00:32:19,382 --> 00:32:22,052 おしの~! 370 00:32:22,052 --> 00:32:24,387 あっ! 371 00:32:24,387 --> 00:32:32,687 あっ! あああ~ うわ~っ! 372 00:32:34,197 --> 00:32:39,669 作蔵? どこ いんだ? おい! 作蔵。 373 00:32:39,669 --> 00:32:43,340 作蔵。 374 00:32:43,340 --> 00:32:48,340 うわ~! 親分…。 375 00:32:52,349 --> 00:32:55,252 伝助…! (作蔵)ああ…。 376 00:32:55,252 --> 00:32:59,689 作蔵 おめえ…。 377 00:32:59,689 --> 00:33:05,389 俺じゃねえ… 俺じゃねえ! 378 00:33:09,032 --> 00:33:12,702 (太鼓の音) 379 00:33:12,702 --> 00:33:16,573 駒形の金貸し 金兵衛。 はい。 380 00:33:16,573 --> 00:33:21,044 かねてより お前に 金借りていた伝助は➡ 381 00:33:21,044 --> 00:33:24,915 病に伏せっていた母親が 息を引き取った その夜➡ 382 00:33:24,915 --> 00:33:29,386 お前の家に忍び入りとあるが 相違ないか? 383 00:33:29,386 --> 00:33:33,256 母親が 死んだかどうかは 存じませんが➡ 384 00:33:33,256 --> 00:33:39,195 伝助が 私の家に忍び込んだのは 間違いございません。 385 00:33:39,195 --> 00:33:43,333 元彫り師 作蔵。 へい。 386 00:33:43,333 --> 00:33:48,004 その方も また 金兵衛から 金を借りていて 同じ夜➡ 387 00:33:48,004 --> 00:33:52,342 金兵衛宅へ忍び込んだ? 金兵衛と刺し違えても➡ 388 00:33:52,342 --> 00:33:56,680 女房 おしのを取り返そうと… はい。 389 00:33:56,680 --> 00:34:01,017 ところが お前は 相手を間違え 伝助を刺し殺した。 390 00:34:01,017 --> 00:34:05,889 違います! 誰かに突き飛ばされて あの部屋へ倒れ込んだら➡ 391 00:34:05,889 --> 00:34:08,692 伝助ってあの男が 死んでたんです。 392 00:34:08,692 --> 00:34:11,595 金兵衛。 あっ はい。 393 00:34:11,595 --> 00:34:15,565 作蔵は このように申しておるが まこと 伝助を刺し殺したのは➡ 394 00:34:15,565 --> 00:34:19,703 誰か? 私は よく分かりませんが➡ 395 00:34:19,703 --> 00:34:25,575 権吉親分なら 確かな事が 言えるのかと… はい。 396 00:34:25,575 --> 00:34:30,046 うん。 ならば 岡っ引き 権吉をこれへ。 397 00:34:30,046 --> 00:34:32,046 (同心)はっ。 398 00:34:44,561 --> 00:34:47,561 あいつめ…! 399 00:35:03,346 --> 00:35:10,020 権吉 騒ぎを聞きつけ いち早く 金兵衛の家へ駆けつけたは➡ 400 00:35:10,020 --> 00:35:14,691 お前とあるが その時 その方が そこで見たものとは➡ 401 00:35:14,691 --> 00:35:20,563 何々であったか 言うてみなさい。 へい。 402 00:35:20,563 --> 00:35:29,039 蔵の前で 転がってた伝助の死骸と そばで 血のついた鑿➡ 403 00:35:29,039 --> 00:35:33,877 こうやって握って 震えていた作蔵。 404 00:35:33,877 --> 00:35:37,847 それだけか? へい。 405 00:35:37,847 --> 00:35:44,147 伝助のむくろのそばには 下手人を示す証拠が残されていた。 406 00:35:46,322 --> 00:35:49,622 この根付けだ。 407 00:35:54,197 --> 00:35:59,335 そいつは…。 お前さん…。 408 00:35:59,335 --> 00:36:03,206 この根付け 見つけたは 片瀬であったな。 409 00:36:03,206 --> 00:36:08,011 はい。 知らせを受けて 金兵衛方へ駆けつけました時➡ 410 00:36:08,011 --> 00:36:12,348 伝助の倒れていたそばに その根付けが落ちていました。 411 00:36:12,348 --> 00:36:18,221 となれば これは まさしく 伝助殺しの下手人が落とせし物。 412 00:36:18,221 --> 00:36:24,360 この根付けの持ち主は誰か 存じておる者はないか? 413 00:36:24,360 --> 00:36:30,033 恐れながら お奉行様。 それは 作蔵の物でございます。 414 00:36:30,033 --> 00:36:32,936 まことか? 金兵衛。 はい。 415 00:36:32,936 --> 00:36:36,840 作蔵は いつも それを身につけておりました。 416 00:36:36,840 --> 00:36:40,977 待って下さい お奉行様! そいつは 確かに 私の根付け。 417 00:36:40,977 --> 00:36:44,314 でも 私は 賭場で そいつを 金に換えたんです。 418 00:36:44,314 --> 00:36:46,249 賭場で? はい。 419 00:36:46,249 --> 00:36:49,185 ここにいる金兵衛が なじみの賭場だと➡ 420 00:36:49,185 --> 00:36:52,655 私を連れていったんです。 何を言いだすんだ! 421 00:36:52,655 --> 00:36:59,529 お奉行様 私は 賭場とは縁のない 真面目な商いをしております。 422 00:36:59,529 --> 00:37:05,235 その象の根付けは 誰が何と申しましょうとも➡ 423 00:37:05,235 --> 00:37:07,935 作蔵の物でございます! 424 00:37:09,672 --> 00:37:17,672 なるほど。 やはり この根付けが まことの下手人を教えてくれたな。 425 00:37:19,349 --> 00:37:22,252 忠高。 はい。 426 00:37:22,252 --> 00:37:26,222 下手人は誰だと 越前は申しておるのだ? 427 00:37:26,222 --> 00:37:31,361 金貸し金兵衛。 伝助を殺したは…➡ 428 00:37:31,361 --> 00:37:34,264 お前だな。 429 00:37:34,264 --> 00:37:37,264 えっ? 430 00:37:41,171 --> 00:37:44,307 何を仰せられます お奉行様! 431 00:37:44,307 --> 00:37:47,977 お前は この根付けを 象の根付けと申した。 432 00:37:47,977 --> 00:37:51,314 象の根付けだから 象の根付けと申しました。 433 00:37:51,314 --> 00:37:59,189 それが 何で 伝助を私が殺した 証拠だと おっしゃりますのか➡ 434 00:37:59,189 --> 00:38:02,926 私には一向に…。 分からぬと申すなら➡ 435 00:38:02,926 --> 00:38:08,926 言うてとらそう。 ほかの者も よ~く聞け。 436 00:38:11,334 --> 00:38:15,634 これが 象に見えるか? 437 00:38:18,007 --> 00:38:21,678 実は この根付け ここにいる片瀬が➡ 438 00:38:21,678 --> 00:38:27,350 知らずに踏ん付け 象の鼻を 折ってしまったのだ。 439 00:38:27,350 --> 00:38:32,956 これでは とても 象には見えない。 しかし 金兵衛。 440 00:38:32,956 --> 00:38:36,826 金兵衛だけが 象の根付けと言ったのは➡ 441 00:38:36,826 --> 00:38:40,630 伝助殺しは 作蔵と言わさんために➡ 442 00:38:40,630 --> 00:38:45,969 自分で そっと落としておいた 根付けだからだ。 443 00:38:45,969 --> 00:38:50,640 金兵衛。 は… はい。 444 00:38:50,640 --> 00:38:55,511 南町奉行所同心 ならびに 手の者たちの調べによれば➡ 445 00:38:55,511 --> 00:39:02,252 金兵衛の金貸しのしかた まっとう 正直な致し方とは言い難い。 446 00:39:02,252 --> 00:39:07,657 伝助殺しの詮議と合わせて 重き罰 申し渡されるものと➡ 447 00:39:07,657 --> 00:39:13,529 覚悟しておけ! (金兵衛)はは~っ! 448 00:39:13,529 --> 00:39:15,999 引っ立てい! はっ! 449 00:39:15,999 --> 00:39:17,999 立て! 450 00:39:22,338 --> 00:39:26,676 お奉行様! どうした? 権吉。 451 00:39:26,676 --> 00:39:31,676 私を罰して下さいまし。 452 00:39:34,484 --> 00:39:42,158 俺は 病気で寝てた 伝助の おっ母さんの布団 剥がして…。 453 00:39:42,158 --> 00:39:49,899 伝助は 敵の俺を殺しに行って 金兵衛に殺されちまった。 454 00:39:49,899 --> 00:39:58,308 だから お奉行様。 俺を…➡ 455 00:39:58,308 --> 00:40:08,952 死罪 獄門 磔でも 八丈ヶ島へ島流しでもして下さい。 456 00:40:08,952 --> 00:40:14,324 女房 子のためなんぞと 偉そうに…。 457 00:40:14,324 --> 00:40:22,198 お上から 十手を預かる岡っ引きが 何をやってんだと➡ 458 00:40:22,198 --> 00:40:27,337 将軍さまに申し訳がなくて…➡ 459 00:40:27,337 --> 00:40:30,673 居ても立っても いられねえんですから…。 460 00:40:30,673 --> 00:40:34,373 権吉め…。 461 00:40:36,012 --> 00:40:41,684 親分が 磔になったり 島流しになったりしたら➡ 462 00:40:41,684 --> 00:40:45,021 親分のあの子たちは どうなるってんだ! 463 00:40:45,021 --> 00:40:49,359 親分 いけねえよ そんな事 考えたりしちゃあ。 464 00:40:49,359 --> 00:40:51,694 あの子たち…。 465 00:40:51,694 --> 00:40:57,367 親分なんて 言わねえでくれ…。 466 00:40:57,367 --> 00:41:03,706 だって 親分。 この人はねぇ➡ 467 00:41:03,706 --> 00:41:07,577 親分の言われた事が身にしみて➡ 468 00:41:07,577 --> 00:41:14,050 帰ってきてくれたんですよ 私の所に…。 469 00:41:14,050 --> 00:41:18,750 おしの… 作蔵…。 470 00:41:21,924 --> 00:41:26,396 権吉。 はい。 471 00:41:26,396 --> 00:41:31,267 おしの 作蔵。 (2人)はい。 472 00:41:31,267 --> 00:41:35,204 上様が もし お前たちが 今 ここで申した事➡ 473 00:41:35,204 --> 00:41:38,975 お聞きあそばされたら…➡ 474 00:41:38,975 --> 00:41:42,879 岡っ引きが なくてはならぬ 大切なものと➡ 475 00:41:42,879 --> 00:41:46,349 思し召すやもしれんな。 476 00:41:46,349 --> 00:41:50,219 忠相め…。 477 00:41:50,219 --> 00:42:01,898 ♬~ 478 00:42:01,898 --> 00:42:05,368 へえ~ それじゃあ 皆さん 今までどおりに? 479 00:42:05,368 --> 00:42:08,037 (勘太)ああ。 俺たちと一緒に… なっ。 480 00:42:08,037 --> 00:42:11,707 へい。 よかったですね~。 481 00:42:11,707 --> 00:42:15,578 それだけじゃねえぞ。 上様が 岡っ引き小者たちにも➡ 482 00:42:15,578 --> 00:42:19,048 十分に手当が行き渡るようにと 仰せられてな。 483 00:42:19,048 --> 00:42:21,951 我々のお扶持も ちょっとばかし 上がってな。 484 00:42:21,951 --> 00:42:25,922 そりゃ めでてえや! さあ 飲んでくれ! 485 00:42:25,922 --> 00:42:28,724 遠慮は 無用だ。 大きいんで 飲ってくれ。 486 00:42:28,724 --> 00:42:31,627 えっ いいんですか? じゃあ じゃあ じゃあ…➡ 487 00:42:31,627 --> 00:42:33,563 これで! 子吉! 488 00:42:33,563 --> 00:42:36,332 いいんだ いいんだ。 誰よりも汗をかき➡ 489 00:42:36,332 --> 00:42:39,235 足を棒にして働く お前たちがいなければ➡ 490 00:42:39,235 --> 00:42:41,671 奉行所の仕事は 成り立たんのだから➡ 491 00:42:41,671 --> 00:42:45,541 これからも苦労をかけるが 頼むぞ。 492 00:42:45,541 --> 00:42:47,543 (3人)はい! 493 00:42:47,543 --> 00:42:53,015 <十手をかさに のし歩く 男泣かした名奉行。➡ 494 00:42:53,015 --> 00:43:00,315 将軍さまのお怒りも解けて 明るい大江戸の空>