1 00:00:35,580 --> 00:00:40,051 (源次郎)ああ おやじ。 十ばかり包んでくれるか? 2 00:00:40,051 --> 00:00:42,387 あいよ! 3 00:00:42,387 --> 00:00:45,056 (子吉)あれ? 旦那。 ん? 4 00:00:45,056 --> 00:00:49,394 お見回りですかい? うん… いや まあな。 5 00:00:49,394 --> 00:00:52,730 プッ プッ! あっしも お供しましょう。 6 00:00:52,730 --> 00:00:57,402 無用だ! はい いつものやつ 出来たよ。 7 00:00:57,402 --> 00:00:59,702 ではな。 8 00:01:02,073 --> 00:01:04,976 おやじ 俺も いつもの。 9 00:01:04,976 --> 00:01:08,946 ♬「うしろの正面 だあれ」 10 00:01:08,946 --> 00:01:13,685 (於満紀)おまつ? (子どもたち)は~ずれ~! 11 00:01:13,685 --> 00:01:22,760 ♬「まわりのまわりの小仏は 何で背がひくいの」 12 00:01:22,760 --> 00:01:27,098 ♬「親の日に 魚食べて」 13 00:01:27,098 --> 00:01:29,033 (彦四郎)村上様。 14 00:01:29,033 --> 00:01:30,968 あっ…。➡ 15 00:01:30,968 --> 00:01:34,706 ああ いや 藤川殿。 16 00:01:34,706 --> 00:01:38,042 近くまで来たもので 子どもたちに…。 17 00:01:38,042 --> 00:01:41,379 ああ これは いつも かたじけのう存じます。 18 00:01:41,379 --> 00:01:44,282 於満紀様! 19 00:01:44,282 --> 00:01:53,958 ♬~ 20 00:01:53,958 --> 00:01:58,930 あっ フフフ。 ここは このように…➡ 21 00:01:58,930 --> 00:02:04,068 首を このように折って 出来上がり。 ああ なるほど。 22 00:02:04,068 --> 00:02:08,740 こうと…。 首が短い! ウフフフ! 23 00:02:08,740 --> 00:02:12,440 (笑い声) 24 00:02:15,413 --> 00:02:19,083 甘ぇ…。 25 00:02:19,083 --> 00:02:24,756 はは~ん 老いらくの恋ってやつだな。 26 00:02:24,756 --> 00:02:28,426 (立花)恋ですか? (片瀬)あの村上さんが? 27 00:02:28,426 --> 00:02:31,696 (筧)まさか~。 本当ですって! 28 00:02:31,696 --> 00:02:34,599 (辰三)分かった 分かった。 で どんな人だい? 29 00:02:34,599 --> 00:02:38,369 ああ… 何て言うか こう 凜とした たたずまいの…。 30 00:02:38,369 --> 00:02:40,705 例えて言うなら…➡ 31 00:02:40,705 --> 00:02:44,375 あの お花のようなお方でしたね。 32 00:02:44,375 --> 00:02:48,246 おお~ 桔梗か。 (一同)おお~。 33 00:02:48,246 --> 00:02:51,249 (お秀)誰が桔梗ですって? (三次)お前じゃないから➡ 34 00:02:51,249 --> 00:02:54,719 気にすんな。 あっそ! はい。 35 00:02:54,719 --> 00:02:59,590 ちょっと待てよ。 うちは 増上寺の裏手だと言ったな。 36 00:02:59,590 --> 00:03:04,395 へい かわらけ町の外れです。 よし ちょいと見てくらぁ。 37 00:03:04,395 --> 00:03:07,732 (一同)えっ? そのさ… おめぇじゃねえんだい。 38 00:03:07,732 --> 00:03:11,432 桔梗の君をな! ハハッ。 39 00:03:16,073 --> 00:03:19,410 (雪絵) あなた。 お父様がおいでです。 40 00:03:19,410 --> 00:03:22,079 (忠相)父上 どうされました? 41 00:03:22,079 --> 00:03:25,950 知ってるかい? 何をです? 42 00:03:25,950 --> 00:03:30,888 源の字が懸想しているお方だ。 懸想? 43 00:03:30,888 --> 00:03:34,358 まあ 村上さんに そのようなお方が? 44 00:03:34,358 --> 00:03:37,261 また たぬきで 噂話でも仕入れてきましたか? 45 00:03:37,261 --> 00:03:42,700 いやいや 噂なもんか。 この目で ちゃんと確かめた。 46 00:03:42,700 --> 00:03:46,370 どのような方でございますか? うん。 47 00:03:46,370 --> 00:03:52,043 於満紀様といってな 水野和泉守様の➡ 48 00:03:52,043 --> 00:03:56,743 御養母だったお方だ。 (2人)御老中の? 49 00:03:58,382 --> 00:04:00,718 まことですか? おう。 50 00:04:00,718 --> 00:04:06,591 あの 御養母様と申しますと 実のお母上ではないのですか? 51 00:04:06,591 --> 00:04:08,593 (忠高)三男坊だったからな。 52 00:04:08,593 --> 00:04:12,063 水野様は 御分家筋へ 養子に出されていたんだよ。 53 00:04:12,063 --> 00:04:15,933 ところが 御本家では 兄上が 2人とも他界されて➡ 54 00:04:15,933 --> 00:04:20,738 水野様が呼び戻された。 それまで 20年間➡ 55 00:04:20,738 --> 00:04:26,410 於満紀様を 母上と呼んでた訳だ。 20年…。 56 00:04:26,410 --> 00:04:30,681 元は 呉服屋の娘だからな 御本家に入るのは畏れ多いと➡ 57 00:04:30,681 --> 00:04:34,352 今じゃ 町場の小さな家で 身寄りのねえ➡ 58 00:04:34,352 --> 00:04:36,287 子どもたち 引き取って 暮らしてる。 59 00:04:36,287 --> 00:04:41,025 きっと 一人でいるのが お寂しかったのですね。 うん。 60 00:04:41,025 --> 00:04:46,697 頭が下がるよなぁ。 まあ 伊達や酔狂で➡ 61 00:04:46,697 --> 00:04:50,034 できるこっちゃねえや。 62 00:04:50,034 --> 00:04:51,969 (源次郎)若。 あっ 村上さん。 63 00:04:51,969 --> 00:04:55,907 おっ 色男 来たな? はあ? 64 00:04:55,907 --> 00:04:59,043 父上。 於満紀さんとは どうなったい? 65 00:04:59,043 --> 00:05:02,380 もう 言い交わしたのかい? えっ… なんて事を➡ 66 00:05:02,380 --> 00:05:04,715 おっしゃるんですか! ああ じゃあ まだ➡ 67 00:05:04,715 --> 00:05:07,051 打ち明けてねえんだ。 え… あ…。 68 00:05:07,051 --> 00:05:11,051 源さん 用があったのではないか? あっ…。 69 00:05:12,723 --> 00:05:16,594 お目通し願います。 分かった。 70 00:05:16,594 --> 00:05:19,597 では…。 71 00:05:19,597 --> 00:05:23,367 よっ 色男! 72 00:05:23,367 --> 00:05:27,271 ハッハッハッハ…。 73 00:05:27,271 --> 00:06:34,271 ♬~ 74 00:06:45,616 --> 00:06:50,354 (お秀)村上様 それから 行ってないんですか お方様の所。 75 00:06:50,354 --> 00:06:54,225 ああ。 真面目な人だからな…。 76 00:06:54,225 --> 00:06:59,697 己の立場ってもんを こう 振り返っちゃったんじゃないか? 77 00:06:59,697 --> 00:07:03,367 殿様も 罪な事したもんだ。 78 00:07:03,367 --> 00:07:06,704 おいら 何だか悪い事しちまったなぁ。 79 00:07:06,704 --> 00:07:09,373 しかたないさ。 どのみち 叶わぬ恋だよ。 80 00:07:09,373 --> 00:07:11,709 (立花)大変… 大変です! 81 00:07:11,709 --> 00:07:15,579 おい ど どうした!? 大変は分かった。 何だ? 82 00:07:15,579 --> 00:07:18,049 桔梗の君が来ました。 な… 誰だって? 83 00:07:18,049 --> 00:07:20,718 於満紀様か!? 84 00:07:20,718 --> 00:07:26,057 こんな時 どうすればよいか 分かりませず➡ 85 00:07:26,057 --> 00:07:31,328 村上様に ご相談申し上げるのが 一番だろうと思いました。 86 00:07:31,328 --> 00:07:36,000 いや 拙者が お役に立ちますならば…。 87 00:07:36,000 --> 00:07:41,872 実は 私…。 あ… はい。 88 00:07:41,872 --> 00:07:45,676 人を殺めました…。 89 00:07:45,676 --> 00:08:20,578 ♬~ 90 00:08:20,578 --> 00:08:23,278 旦那…。 91 00:08:25,349 --> 00:08:29,053 (筧)お方様の仰せのとおり 武蔵屋の寮に➡ 92 00:08:29,053 --> 00:08:31,322 主 仙右衛門のむくろが ございました。 93 00:08:31,322 --> 00:08:34,658 (源次郎)そんな馬鹿な! 何かの間違いだ! 94 00:08:34,658 --> 00:08:38,529 於満紀様は 人を殺めるようなお方ではない。 95 00:08:38,529 --> 00:08:41,999 しかし 本人が名乗り出たんだから…。 96 00:08:41,999 --> 00:08:46,337 (橋田)うん… では 決まりだな。 馬鹿な事 言わんで下さい! 97 00:08:46,337 --> 00:08:49,240 源さん。 お奉行。 98 00:08:49,240 --> 00:08:54,011 これには きっと 訳があるんです。 何か裏があるに違いありません! 99 00:08:54,011 --> 00:08:55,946 源さん! はっ。 100 00:08:55,946 --> 00:09:01,886 少し落ち着かぬか。 あ… 申し訳ありません。 101 00:09:01,886 --> 00:09:06,357 うん…。 だが 私も お方様の申し出を➡ 102 00:09:06,357 --> 00:09:10,227 うのみにしてよいとは思わぬ。 お奉行…。 103 00:09:10,227 --> 00:09:15,032 皆も 思い込みを捨て 一から 調べに当たってもらいたい。 104 00:09:15,032 --> 00:09:20,332 (一同)はっ! 某 早速 聞き込みに参ります。 105 00:09:26,644 --> 00:09:30,514 お方様は いかが致しましょう? 牢屋敷に送るのも…。 106 00:09:30,514 --> 00:09:35,319 逃げる気遣いもあるまい。 奥座敷にいて頂こう。 107 00:09:35,319 --> 00:09:46,330 (風鈴の音) 108 00:09:46,330 --> 00:09:49,330 ご無礼つかまつります。 109 00:09:51,669 --> 00:09:56,006 南町奉行 大岡越前守忠相にございます。 110 00:09:56,006 --> 00:09:58,706 あなた様が…。 111 00:10:02,346 --> 00:10:07,646 こたびは すまぬ事を致しました。 112 00:10:12,690 --> 00:10:17,027 いくつか お尋ねして よろしゅうございますか? 113 00:10:17,027 --> 00:10:20,898 はい 何なりと。 114 00:10:20,898 --> 00:10:25,703 武蔵屋とは どういった用向きで 会われたのでしょう? 115 00:10:25,703 --> 00:10:30,574 金子を借りておりました。 その返済を待ってほしいと➡ 116 00:10:30,574 --> 00:10:35,713 頼みに参りましたところ 言い争いになり➡ 117 00:10:35,713 --> 00:10:38,616 とっさに刺してしまいました。 118 00:10:38,616 --> 00:10:43,387 そのような乱暴が働ける方とは お見受け致しませぬが…。 119 00:10:43,387 --> 00:10:49,687 怒りで血がのぼせて 我を見失ったのです。 120 00:10:51,262 --> 00:10:55,966 なぜ 水野様を お頼りにならなかったんです? 121 00:10:55,966 --> 00:11:00,938 私は とうに 水野家を出た身でございます。 122 00:11:00,938 --> 00:11:05,643 御老中様に 借財を申し込むなど…。 123 00:11:05,643 --> 00:11:10,414 いかに 身分を捨てられたとはいえ この件が表沙汰になれば➡ 124 00:11:10,414 --> 00:11:13,751 御老中のお立場にも 関わりましょう。 125 00:11:13,751 --> 00:11:18,422 私なら まず 水野様に ご相談申し上げ➡ 126 00:11:18,422 --> 00:11:22,122 内々に事を運ぼうと考えまする。 127 00:11:24,094 --> 00:11:31,368 仰せのとおりなれど そこまでは 思い至りませんでした。 128 00:11:31,368 --> 00:11:38,709 旗本の奥方であった あなた様が 気付かなかったと申されますか。 129 00:11:38,709 --> 00:11:46,583 浅はかでございました。 しかしながら 水野様とは➡ 130 00:11:46,583 --> 00:11:50,721 遠い昔に ご縁がなくなっております。 131 00:11:50,721 --> 00:11:57,394 お奉行様。 何とぞ 厳しいお裁きを賜りますよう➡ 132 00:11:57,394 --> 00:12:01,265 伏して お願い申し上げます。 133 00:12:01,265 --> 00:12:07,071 (風鈴の音) 134 00:12:07,071 --> 00:12:09,973 (彦四郎) 私は留守番を仰せつかりました。➡ 135 00:12:09,973 --> 00:12:13,410 子どもたちがおりますので。 136 00:12:13,410 --> 00:12:19,083 失礼だが 藤川殿は 一体 どのようなお立場で? 137 00:12:19,083 --> 00:12:22,419 於満紀様が 水野家においでの頃から➡ 138 00:12:22,419 --> 00:12:27,091 身辺をお守りしておりました。 うん…。 139 00:12:27,091 --> 00:12:30,961 一緒に行ってたら あんな事には ならなかったと思うと➡ 140 00:12:30,961 --> 00:12:33,961 さぞ 無念でしょう。 141 00:12:38,369 --> 00:12:42,039 この辺りは 夜になると 人通りが絶えますんで。 142 00:12:42,039 --> 00:12:49,339 物音? あ~ これといって 覚えありやせんね。 すいやせん。 143 00:12:54,618 --> 00:12:57,588 確かに その夜 ここを通りましたが➡ 144 00:12:57,588 --> 00:13:03,588 舟があったかどうかは…。 いや… すまなかった。 145 00:13:05,262 --> 00:13:08,065 村上さん。 おう。 目新しい話➡ 146 00:13:08,065 --> 00:13:10,734 出てきましたか? いや。 147 00:13:10,734 --> 00:13:14,405 こっちも とんと…。 誰か一人ぐらい➡ 148 00:13:14,405 --> 00:13:17,307 見たって奴が いそうなもんですけどね…。 149 00:13:17,307 --> 00:13:20,077 今から 武蔵屋の店の方を 当たってみます。 150 00:13:20,077 --> 00:13:23,377 あっ そうか。 ご苦労さん。 はい。 151 00:13:25,749 --> 00:13:28,419 舟 乗ろう! 舟! 152 00:13:28,419 --> 00:13:36,419 (子どもたちの遊ぶ声) 153 00:13:38,028 --> 00:13:40,931 (吉宗) このような場所で話も何だが➡ 154 00:13:40,931 --> 00:13:45,903 老中どもに聞かれとうない。 和泉守様の事でございますか? 155 00:13:45,903 --> 00:13:51,575 老中を 解任せよとの声が出ている。 156 00:13:51,575 --> 00:13:55,045 その方が 忠之の養母 預かってる というのは まことか? 157 00:13:55,045 --> 00:13:59,917 まことでございます。 咎人であるか? 158 00:13:59,917 --> 00:14:05,689 今のところ 違うという証しは 出ておりません。 159 00:14:05,689 --> 00:14:07,689 うん…。 160 00:14:09,393 --> 00:14:13,730 御養母の不祥事は 老中解任の理由になりまするか? 161 00:14:13,730 --> 00:14:18,068 忠之を取り立てた事で 不満を抱いてる者は大勢いる。 162 00:14:18,068 --> 00:14:21,939 その者らにとっては 願ってもない機会だろう。 163 00:14:21,939 --> 00:14:25,943 ならば 早急に 真実を 突き止めねばなりませぬ。 164 00:14:25,943 --> 00:14:32,015 うん 忠之は 辞めずに済むか。 165 00:14:32,015 --> 00:14:35,686 そう願っておりまする。 166 00:14:35,686 --> 00:14:40,023 忠之は 改革を進めるためには なくてはならぬ男だ。 167 00:14:40,023 --> 00:14:46,023 心して事に当たってくれ。 かしこまりました。 168 00:14:53,036 --> 00:14:59,376 (阿部)越前 久しいのう。 豊後守様には お変わりもなく➡ 169 00:14:59,376 --> 00:15:02,713 ご壮健のご様子。 何よりと存じ上げます。 170 00:15:02,713 --> 00:15:09,586 そう見えるか。 老中職を辞してから 暇でのう➡ 171 00:15:09,586 --> 00:15:14,324 すっかり 肥えてしもうたわい。 ハッハ…。 172 00:15:14,324 --> 00:15:20,624 和泉守の一件 災難じゃなあ。 173 00:15:22,733 --> 00:15:27,604 今更 隠すでない。 とっくに噂になっておるわ。 174 00:15:27,604 --> 00:15:31,341 噂ほど 当てにならぬものは ございませぬ。 175 00:15:31,341 --> 00:15:37,014 問題は 老中たる者に さような醜聞の生じた事じゃ。 176 00:15:37,014 --> 00:15:45,689 わしは 和泉守の老中職解任を 上様に進言申し上げた。 177 00:15:45,689 --> 00:15:51,689 山城守殿 参ろう。 はっ。 178 00:16:01,038 --> 00:16:05,375 (水野) こたびは 母が世話をかける。 179 00:16:05,375 --> 00:16:09,046 お手をお上げ下さい。 180 00:16:09,046 --> 00:16:13,917 私が 何度 訪うても いつも 母は会って下さらなんだ。 181 00:16:13,917 --> 00:16:16,720 借金までしていたとは…。 ご心配を➡ 182 00:16:16,720 --> 00:16:20,591 おかけしたくなかったのでしょう。 母に会わせてもらえぬか? 183 00:16:20,591 --> 00:16:24,891 少しの間でよい。 話がしたい。 184 00:16:32,669 --> 00:16:35,572 母上! 185 00:16:35,572 --> 00:16:38,342 おそれながら 御老中様。 186 00:16:38,342 --> 00:16:43,013 私は もはや あなた様の母親ではございません。 187 00:16:43,013 --> 00:16:46,350 何を申されます! いいえ。 188 00:16:46,350 --> 00:16:51,688 あなた様が 御本家にお帰りあそばす時に➡ 189 00:16:51,688 --> 00:16:58,028 親子の縁は切りました。 もし この度の事で➡ 190 00:16:58,028 --> 00:17:01,698 上様から お叱りを受ける事が ありますれば➡ 191 00:17:01,698 --> 00:17:05,035 そのように言上下さいませ。 母上! 192 00:17:05,035 --> 00:17:10,707 そのように呼んではなりません。 いま一度 申します。 193 00:17:10,707 --> 00:17:17,407 あなた様と私は 無縁でございます。 194 00:17:22,052 --> 00:17:37,000 ♬~ 195 00:17:37,000 --> 00:17:43,674 もはや 無縁とは… 悲しい事を申される。 196 00:17:43,674 --> 00:17:47,344 御老中のお立場を 慮っておいでなのです。 197 00:17:47,344 --> 00:17:52,215 私には 深い親心と聞こえました。 198 00:17:52,215 --> 00:17:57,988 越前。 母をよろしく頼む。 199 00:17:57,988 --> 00:18:14,371 ♬~ 200 00:18:14,371 --> 00:18:18,071 忠之様…。 201 00:18:20,243 --> 00:18:23,714 (雪絵)失礼致します。 202 00:18:23,714 --> 00:18:27,014 何でしょう? 203 00:18:30,053 --> 00:18:34,053 ありがとう。 戻っていいわ。 (お花)はい。 204 00:18:46,002 --> 00:18:52,002 御老中様が お手すさびにと 置いてゆかれました。 205 00:19:08,692 --> 00:19:15,365 忠之様の幼い頃 よく一緒に折りましたの。 206 00:19:15,365 --> 00:19:19,035 それで お持ちになったのですね。 207 00:19:19,035 --> 00:19:26,910 私の所に参られましたのは 忠之様が 5つの時でした。 208 00:19:26,910 --> 00:19:35,318 初めて会うた時 すぐに 母上と呼んでくれましてね。 209 00:19:35,318 --> 00:19:40,190 私が 子を授からないのは 忠之様を➡ 210 00:19:40,190 --> 00:19:45,662 お育て申し上げるためだったのか と思うたものです。 211 00:19:45,662 --> 00:20:21,565 ♬~ 212 00:20:21,565 --> 00:20:24,701 母上…。 213 00:20:24,701 --> 00:20:29,001 (風鈴の音) 214 00:20:37,714 --> 00:20:42,052 はあ… 何だか気の毒ですねぇ。 215 00:20:42,052 --> 00:20:46,389 水野様がか? いいえ 村上さん。 216 00:20:46,389 --> 00:20:49,726 な~に ほれた女のために 走り回ってるんだ。 217 00:20:49,726 --> 00:20:53,597 本人は まんざらでもねえだろうよ。 218 00:20:53,597 --> 00:20:56,399 ≪(源次郎)御前! おいでですか? 219 00:20:56,399 --> 00:20:59,069 ≪(忠高)おう こっちだ。 上がれ。 220 00:20:59,069 --> 00:21:02,939 噂をすれば何とやらだ。 221 00:21:02,939 --> 00:21:08,078 どうぞ。 お知恵をお貸し下さいませ。 222 00:21:08,078 --> 00:21:10,413 おう 何でも聞いてくれ。 (源次郎)いえ!➡ 223 00:21:10,413 --> 00:21:14,284 大奥様に。 私? 224 00:21:14,284 --> 00:21:20,423 はい 大奥様にとって ご自分の命と引き換えにしても➡ 225 00:21:20,423 --> 00:21:24,761 守りたい人とは どなたですか? 226 00:21:24,761 --> 00:21:29,633 命懸けで守りたい人ですか。 馬鹿な事 聞くんじゃないよ。 227 00:21:29,633 --> 00:21:33,570 おいらに決まってんだろ。 忠相か雪絵さんね。 228 00:21:33,570 --> 00:21:36,706 ああ なるほど。 やはり そうですか。 229 00:21:36,706 --> 00:21:40,043 いや これで確信が持てました。 230 00:21:40,043 --> 00:21:44,915 源さん 手伝うぞ。 お気持ちだけ ありがたく! 231 00:21:44,915 --> 00:21:47,918 おい。 ん? 232 00:21:47,918 --> 00:21:52,389 於満紀様が守ろうとしてる ってのは 老中様の事か? 233 00:21:52,389 --> 00:21:57,060 ほかにも おりますでしょ。 えっ? 234 00:21:57,060 --> 00:22:01,731 於満紀様の所を巣立った子の 行き先ですか。 235 00:22:01,731 --> 00:22:04,067 町名主のお前さんなら 知ってるだろ? 236 00:22:04,067 --> 00:22:08,939 ええ 大方は…。 書き留めてまいりますので➡ 237 00:22:08,939 --> 00:22:12,409 少々お待ちを。 頼む。 238 00:22:12,409 --> 00:22:26,957 ♬~ 239 00:22:26,957 --> 00:22:33,029 (西田) では 和泉守様が罷免された後 再び 殿が老中に? 240 00:22:33,029 --> 00:22:38,702 山城守殿が 推挙してくれる手はずじゃ。 241 00:22:38,702 --> 00:22:41,402 それは 重畳。 242 00:22:43,373 --> 00:22:47,711 [ 回想 ] (阿部)ささやかながら ご助力申し上げたい。 243 00:22:47,711 --> 00:22:51,581 はあ 困ります。 このような…。 244 00:22:51,581 --> 00:22:56,386 某にも 徳を積ませて下さらぬか?➡ 245 00:22:56,386 --> 00:23:03,259 是非にも。 無論 これは 差し上げる金でござるが➡ 246 00:23:03,259 --> 00:23:09,959 形だけ証文を書いて頂くのが よろしいかと存ずる。 247 00:23:14,738 --> 00:23:21,611 (武蔵屋)豊後守様が この証文を 形に 金を借りたんですよ。 248 00:23:21,611 --> 00:23:26,750 四の五の言わねえで 耳そろえて 返してもらいましょう。 249 00:23:26,750 --> 00:23:31,588 そんな馬鹿な話が…! あくまで しらを切るなら➡ 250 00:23:31,588 --> 00:23:34,557 奉行所へ 訴え出てもいいんですよ? 251 00:23:34,557 --> 00:23:39,029 もっとも 御養母が 借金を踏み倒したとあっては➡ 252 00:23:39,029 --> 00:23:45,029 御老中 水野様の御名に 傷がつきましょうな。 253 00:23:46,903 --> 00:23:50,373 あの証文が 武蔵屋の手に渡ろうとは➡ 254 00:23:50,373 --> 00:23:56,713 夢にも思わなかったでしょう。 あまり善人すぎるのも➡ 255 00:23:56,713 --> 00:23:59,713 考えものじゃのう。 256 00:24:01,384 --> 00:24:07,257 ハッハッハ… ハッハッハッハ! 257 00:24:07,257 --> 00:24:10,393 ≪(源次郎)若 お耳に入れたい事が。 258 00:24:10,393 --> 00:24:14,731 うん 入ってくれ。 ≪(源次郎)はっ。 259 00:24:14,731 --> 00:24:20,070 於満紀様が育てた子の中に 行き方知れずになってる者が➡ 260 00:24:20,070 --> 00:24:24,407 おります。 行き方知れず? はい。 長吉と申しまして➡ 261 00:24:24,407 --> 00:24:28,078 茶問屋の中条屋に 奉公している者です。 262 00:24:28,078 --> 00:24:31,681 於満紀様に引き取られたのは 8年ほど前ですが…。 263 00:24:31,681 --> 00:24:33,981 まずは こちらを。 264 00:24:35,552 --> 00:24:41,357 長吉は 日本橋魚河岸に店を構える 大店の伜でした。 265 00:24:41,357 --> 00:24:48,231 しかし 店が潰れて 二親は 長吉を残して 心中致しました。 266 00:24:48,231 --> 00:24:55,371 幼い我が子を連れていくのは 忍びなかったのであろう。 267 00:24:55,371 --> 00:24:58,708 於満紀様は いたく ふびんに思われたようで➡ 268 00:24:58,708 --> 00:25:05,381 是非 引き取らせてほしいと 申し出たんだそうです。 269 00:25:05,381 --> 00:25:09,719 父親は 武蔵屋に借金をしていたのか。 270 00:25:09,719 --> 00:25:15,592 はい。 魚河岸の連中が言うには 父親が商いをしくじったのは➡ 271 00:25:15,592 --> 00:25:18,394 武蔵屋に 仕組まれたからじゃないかと➡ 272 00:25:18,394 --> 00:25:22,732 随分と噂になってたそうです。 長吉は その事を知り➡ 273 00:25:22,732 --> 00:25:28,404 武蔵屋を恨んでいたと…。 長吉は 於満紀様が引き取り➡ 274 00:25:28,404 --> 00:25:32,008 育てた最初の子。 思い入れも ひとしおでしょう。 275 00:25:32,008 --> 00:25:35,678 身代わりになって 罪をかぶろうとしても➡ 276 00:25:35,678 --> 00:25:38,348 不思議はありません。 いずれにしても➡ 277 00:25:38,348 --> 00:25:42,218 鍵を握ってるのは 長吉だ。 源さん。 278 00:25:42,218 --> 00:25:45,221 はっ。 早々に捜し出してくれ。 279 00:25:45,221 --> 00:25:47,221 はい。 280 00:25:50,360 --> 00:26:00,036 ♬~ 281 00:26:00,036 --> 00:26:03,907 (弁蔵)お呼びだそうで。 弁蔵。 へい。 282 00:26:03,907 --> 00:26:08,378 長吉の居所を突き止めろ。 おや… 御家来衆では➡ 283 00:26:08,378 --> 00:26:11,714 見つけられやせんか。 町奉行所の目がある。 284 00:26:11,714 --> 00:26:14,714 表立っては動けん。 285 00:26:16,386 --> 00:26:23,726 さいですか。 まっ 裏の事は あっしに任せて頂ければ…。 286 00:26:23,726 --> 00:26:28,064 万が一にも 小僧が 越前めの手に落ち➡ 287 00:26:28,064 --> 00:26:30,967 於満紀の詮議が ひっくり返ると やっかいじゃ。 288 00:26:30,967 --> 00:26:35,672 急げ。 承知しやした。 289 00:26:35,672 --> 00:26:48,017 ♬~ 290 00:26:48,017 --> 00:26:51,688 ≪(阿部)あやつも いささか知り過ぎたのう。 291 00:26:51,688 --> 00:26:56,988 ≪(西田)はい 用が済めば その時は…。 292 00:26:58,561 --> 00:27:02,332 ≪三次か。 (三次)へい。 293 00:27:02,332 --> 00:27:06,236 お察しのとおり 豊後守が 一枚 かんでおりやした。 294 00:27:06,236 --> 00:27:10,707 やはりな…。 弁蔵という奴を使って➡ 295 00:27:10,707 --> 00:27:13,707 長吉を捜してるようです。 296 00:27:17,380 --> 00:27:21,251 おっ いつものやつ。 297 00:27:21,251 --> 00:27:25,054 (片瀬)村上さん。 (源次郎)おう。➡ 298 00:27:25,054 --> 00:27:28,391 変わりはないか? (筧)どうしました? 299 00:27:28,391 --> 00:27:32,262 いろいろ考えたが 長吉の居場所を知ってるのは➡ 300 00:27:32,262 --> 00:27:37,667 藤川殿しかあるまいと思ってな。 知っていたとしても➡ 301 00:27:37,667 --> 00:27:41,004 言わんでしょう。 その時は その時で➡ 302 00:27:41,004 --> 00:27:46,004 何か動きがあるだろう。 とにかく聞いてみる。 はい。 303 00:27:48,678 --> 00:27:53,016 おう みんな どうした? 元気がないな。 304 00:27:53,016 --> 00:27:57,716 うん? ほら 土産だ。 305 00:27:59,889 --> 00:28:03,660 藤川殿は? いないよ。 306 00:28:03,660 --> 00:28:08,031 いない? 長吉にいちゃんとこ。 307 00:28:08,031 --> 00:28:10,031 何? 308 00:28:11,701 --> 00:28:15,001 (彦四郎)さあ 食べなさい。 309 00:28:16,572 --> 00:28:21,872 おいら 町奉行所へ行きます。 310 00:28:23,713 --> 00:28:28,584 気持ちは分かるが 於満紀様のお言いつけだ。 311 00:28:28,584 --> 00:28:32,989 彦四郎様は 平気なんですか!? 於満紀様は無実なのに! 312 00:28:32,989 --> 00:28:37,327 長吉! 身代わりになると お決めになったのは➡ 313 00:28:37,327 --> 00:28:40,997 於満紀様だ! 私の役目は➡ 314 00:28:40,997 --> 00:28:45,868 お前を無事に逃がす事だ。 315 00:28:45,868 --> 00:28:50,673 あいにくだが そうはいかねえよ。 弁蔵さん。 316 00:28:50,673 --> 00:28:54,344 よう 長吉。 お父っつぁんと おっ母さんの敵が討てて➡ 317 00:28:54,344 --> 00:28:56,279 よかったじゃねえか。 318 00:28:56,279 --> 00:28:59,215 長吉をそそのかしたのは お主か! 319 00:28:59,215 --> 00:29:04,687 俺は 親切に 教えてやっただけだけどなぁ。 320 00:29:04,687 --> 00:29:07,357 (西田)弁蔵。 へい。 321 00:29:07,357 --> 00:29:11,027 ご苦労であった。 へい。 322 00:29:11,027 --> 00:29:13,930 うっ! くっ…。 323 00:29:13,930 --> 00:29:19,702 お手前方は一体…。 (西田)名乗る必要もあるまい。 324 00:29:19,702 --> 00:29:25,002 長吉 離れるなよ。 325 00:29:26,576 --> 00:29:29,045 えい! 326 00:29:29,045 --> 00:29:31,745 (西田)逃がすな! 327 00:29:37,854 --> 00:29:40,154 うっ! うう…。 328 00:29:48,998 --> 00:29:50,933 (筧)待て! 329 00:29:50,933 --> 00:29:57,673 ♬~ 330 00:29:57,673 --> 00:30:01,544 引け! 引け~! 331 00:30:01,544 --> 00:30:04,547 待て~! 2人とも大丈夫か? 332 00:30:04,547 --> 00:30:06,682 村上様…。 333 00:30:06,682 --> 00:30:12,555 申し上げます。 武蔵屋さんを 殺めたのは おいらです。 334 00:30:12,555 --> 00:30:16,692 どうか お縄にして下さい! 335 00:30:16,692 --> 00:30:21,392 どうか… お願いします。 336 00:30:27,703 --> 00:30:30,003 こちらへ。 337 00:30:36,045 --> 00:30:38,948 長吉。 於満紀様。 338 00:30:38,948 --> 00:30:42,648 なぜです? 彦四郎。 339 00:30:49,392 --> 00:31:09,078 ♬~ 340 00:31:09,078 --> 00:31:18,087 南町奉行 大岡越前守様 ご出座。 341 00:31:18,087 --> 00:31:20,990 (太鼓の音) 342 00:31:20,990 --> 00:31:24,990 一同の者 面を上げい。 343 00:31:27,430 --> 00:31:32,702 ただいまより 武蔵屋殺害の 一件について 吟味を致す。 344 00:31:32,702 --> 00:31:36,572 おそれながら…。 何か? 345 00:31:36,572 --> 00:31:42,712 長吉が お白洲におりますのは いかなる理由にござりましょうや。 346 00:31:42,712 --> 00:31:45,615 これは 長吉の白洲にて➡ 347 00:31:45,615 --> 00:31:51,053 於満紀様には 証人としての ご同席と ご承知下され。 348 00:31:51,053 --> 00:31:56,726 これは異な事を。 武蔵屋を殺めたのは私だと➡ 349 00:31:56,726 --> 00:32:00,062 申し上げました。 しかしながら 長吉も➡ 350 00:32:00,062 --> 00:32:05,401 下手人は己であり 於満紀様は 身代わりに立たれただけと➡ 351 00:32:05,401 --> 00:32:07,737 申し出てまいった。 352 00:32:07,737 --> 00:32:13,409 さて 中条屋奉公人 長吉。 はい。 353 00:32:13,409 --> 00:32:17,747 その方の申し状によれば 親の恨みを晴らしたい一心で➡ 354 00:32:17,747 --> 00:32:21,617 武蔵屋に会いに行ったとあるが 相違ないか? 355 00:32:21,617 --> 00:32:27,089 お調べの時は そう思ったけど 本当は…。 356 00:32:27,089 --> 00:32:30,693 うん 申してみよ。 357 00:32:30,693 --> 00:32:35,364 お父っつぁんと おっ母さんの事は➡ 358 00:32:35,364 --> 00:32:39,235 そりゃあ 恨んでなかった訳じゃないけど…。 359 00:32:39,235 --> 00:32:42,705 憎しみに とらわれている暇があるのなら➡ 360 00:32:42,705 --> 00:32:47,577 失った御店を取り戻す 才覚を身につけなさい。 361 00:32:47,577 --> 00:32:53,877 その方が 父様 母様が どれほど お喜びになるかしれません。 362 00:32:58,721 --> 00:33:02,592 では 何故 武蔵屋を殺めた? 363 00:33:02,592 --> 00:33:06,596 於満紀様を だまそうとしたからです。 364 00:33:06,596 --> 00:33:10,733 長吉! 弁蔵さんから 聞いたんです。 365 00:33:10,733 --> 00:33:13,636 (弁蔵)ひでえ話じゃねえかよ。➡ 366 00:33:13,636 --> 00:33:18,074 お方様がおとなしいのを いい事によう…。 367 00:33:18,074 --> 00:33:20,074 本当なの? 368 00:33:23,412 --> 00:33:29,412 なあ このままじゃ お前の親の二の舞だぜ! 369 00:33:32,021 --> 00:33:35,691 馬鹿! ここで 恩返ししねえで どうすんだよ! 370 00:33:35,691 --> 00:33:39,362 ましてや 武蔵屋は 親の敵だろうがよ。 371 00:33:39,362 --> 00:33:44,233 俺も手伝うからよ! 一緒に恨み晴らそうや。 なっ? 372 00:33:44,233 --> 00:33:49,038 ほら! ほら… ああ もう! 373 00:33:49,038 --> 00:33:52,375 男だろ? 374 00:33:52,375 --> 00:33:58,047 ハッハ… そんなの怖くねえよ。 いくらでも訴えろ。 375 00:33:58,047 --> 00:34:02,385 うちにはな 証文があるんだ。 ヘッヘッヘ。 376 00:34:02,385 --> 00:34:05,287 お前の二親も まぬけだったけど➡ 377 00:34:05,287 --> 00:34:08,057 於満紀さんは もっと まぬけだよな。 378 00:34:08,057 --> 00:34:10,726 ハッハッハ! うわ~っ! 379 00:34:10,726 --> 00:34:13,062 ああ~! うっ…。 380 00:34:13,062 --> 00:34:16,062 く~! 381 00:34:17,933 --> 00:34:21,233 小僧…! 382 00:34:23,706 --> 00:34:28,077 そのあとの事は よく覚えていません。 383 00:34:28,077 --> 00:34:32,348 気が付いたら 於満紀様の家の前でした。 384 00:34:32,348 --> 00:34:37,048 殺めたのは 私です。 385 00:34:42,358 --> 00:34:46,696 お奉行様 この子に罪はございません。 386 00:34:46,696 --> 00:34:50,566 私が愚かだったのです。 私の罪にございます。 387 00:34:50,566 --> 00:34:54,570 於満紀様 お戻り下さい。 いいえ。 388 00:34:54,570 --> 00:34:58,040 長吉一人を 白洲に置く訳にはまいりません。 389 00:34:58,040 --> 00:35:05,381 長吉が お裁きを受けますならば 私も一緒にお裁き願います。 390 00:35:05,381 --> 00:35:10,720 お奉行様 おそれながら申し上げまする! 391 00:35:10,720 --> 00:35:13,055 於満紀様の借金証文と 申しますのは…! 392 00:35:13,055 --> 00:35:16,726 豊後守が書かせたものであろう? 393 00:35:16,726 --> 00:35:21,063 ご存じでしたか…。 証人を これへ。 394 00:35:21,063 --> 00:35:23,063 はっ。 395 00:35:33,342 --> 00:35:36,245 アイタッ! イテテテ…! 396 00:35:36,245 --> 00:35:39,014 荒くれの弁蔵。 へい。 397 00:35:39,014 --> 00:35:42,885 その方 ここにおる長吉を 存じておろう。 398 00:35:42,885 --> 00:35:44,887 へい。 399 00:35:44,887 --> 00:35:49,358 もう こうなりゃ 何でも しゃべりますぜ! 400 00:35:49,358 --> 00:35:54,658 武蔵屋を殺ったのは 長吉じゃございやせん! 401 00:36:02,905 --> 00:36:06,709 逃がしちまっていいんですかい? 構わぬさ。 402 00:36:06,709 --> 00:36:12,381 殿のお考えどおりなら 於満紀を 頼っていくだろうからな。 403 00:36:12,381 --> 00:36:15,284 ガキの始末は そのあとだ。 404 00:36:15,284 --> 00:36:18,254 (武蔵屋)おのれ~! 405 00:36:18,254 --> 00:36:23,025 豊後守の差し金か…! 406 00:36:23,025 --> 00:36:26,729 ううっ ぐ…! 407 00:36:26,729 --> 00:36:32,729 まだ 生きていたか。 手間をかける奴だ。 408 00:36:35,337 --> 00:36:39,008 うわっ ぐっ…! 409 00:36:39,008 --> 00:36:44,680 「豊後守の差し金」。 武蔵屋は 確かに そう申したのだな? 410 00:36:44,680 --> 00:36:48,350 ええ。 長吉に話して けしかけたのも➡ 411 00:36:48,350 --> 00:36:50,686 豊後が書いた筋書きでさぁ。 412 00:36:50,686 --> 00:36:55,558 この俺まで 消そうとしやがって… あの大悪党め! 勘弁ならねえ! 413 00:36:55,558 --> 00:36:59,695 アイテテテ…! 豊後守様が…。 414 00:36:59,695 --> 00:37:05,568 於満紀様。 豊後守は 水野様を 老中の座から➡ 415 00:37:05,568 --> 00:37:11,307 引きずり下ろさんがために 長吉と あなた様を利用したのです。 416 00:37:11,307 --> 00:37:14,243 そうとも知らず 私は…。 417 00:37:14,243 --> 00:37:16,245 弁蔵。 (弁蔵)へい。 418 00:37:16,245 --> 00:37:20,382 その方 再吟味の上 追って沙汰致す。 419 00:37:20,382 --> 00:37:22,718 へへ~。 420 00:37:22,718 --> 00:37:26,718 ほら。 はいはい 分かってますよ。 421 00:37:29,391 --> 00:37:33,662 さて 中条屋奉公人 長吉。 422 00:37:33,662 --> 00:37:38,000 はい。 怨恨を持って 刃傷に及び➡ 423 00:37:38,000 --> 00:37:42,671 武蔵屋に傷を負わせた罪は 償わねばならぬ。 424 00:37:42,671 --> 00:37:47,343 よって 江戸所払いを 申し付くるところなれど➡ 425 00:37:47,343 --> 00:37:53,215 年若き故 罪一等を減じ かわらけ町外れに住まう➡ 426 00:37:53,215 --> 00:37:57,987 満紀方へ預けと致す。 よいな? 427 00:37:57,987 --> 00:38:00,687 はい。 428 00:38:02,691 --> 00:38:07,029 ご温情 かたじけのうございます。 429 00:38:07,029 --> 00:38:11,329 元水野家奥 満紀。 430 00:38:12,902 --> 00:38:18,374 人を殺めたと偽りを申し立て 世上を騒がせし事➡ 431 00:38:18,374 --> 00:38:22,711 まこと 不届き千万。 はい。 432 00:38:22,711 --> 00:38:26,582 なれど そのもとは 長吉を救わんがための➡ 433 00:38:26,582 --> 00:38:33,989 一途な思いより いでし事。 また みなしごたちの母となり➡ 434 00:38:33,989 --> 00:38:39,328 育て 慈しむ心根は 何物にも代え難く➡ 435 00:38:39,328 --> 00:38:45,668 尊いものと存ず。 もったいのうございます。 436 00:38:45,668 --> 00:38:51,340 血のつながらぬ 母子であっても…➡ 437 00:38:51,340 --> 00:38:58,213 いや だからこそ 一度つないだ親子の縁は➡ 438 00:38:58,213 --> 00:39:02,351 そう やすやすと 消えるものではありませんぞ。 439 00:39:02,351 --> 00:39:08,023 それは 御老中 水野様にとっても 同じ事。 440 00:39:08,023 --> 00:39:12,361 あ…。 441 00:39:12,361 --> 00:39:18,033 水野様を慮るあまり 自ら遠ざかろうとされました事➡ 442 00:39:18,033 --> 00:39:23,733 水野様の心中は いかばかりであったか…。 443 00:39:26,709 --> 00:39:34,316 私が意地を張ったばかりに 忠之様を苦しめていたと…。 444 00:39:34,316 --> 00:39:41,190 親が子を案ずるのと同様に 子も また 親を案ずるのです。 445 00:39:41,190 --> 00:39:45,327 もっと 水野様をお頼りなされ。 446 00:39:45,327 --> 00:39:51,327 あなた様がお育てしたお子です。 何の遠慮がいるものか。 447 00:39:58,340 --> 00:40:08,350 (すすり泣き) 448 00:40:08,350 --> 00:40:19,361 ♬~ 449 00:40:19,361 --> 00:40:22,031 山城守。 (戸田)はっ。 450 00:40:22,031 --> 00:40:27,903 先日より わしが預かっていた 和泉守解任の上申書だが…。 451 00:40:27,903 --> 00:40:29,903 (戸田)はっ。 452 00:40:31,707 --> 00:40:34,007 無用になった。 453 00:40:37,379 --> 00:40:42,051 忠之 これからも ますます 励んでくれ。 454 00:40:42,051 --> 00:40:47,723 お言葉 肝に銘じまして…! 455 00:40:47,723 --> 00:40:51,393 (安藤)時に豊後。 はっ。 456 00:40:51,393 --> 00:40:55,064 用人の西田が 腹を切ったそうじゃな。 457 00:40:55,064 --> 00:40:59,935 はっ 己のした事を 恥じ入ったものと存じます。 458 00:40:59,935 --> 00:41:02,738 ほう~。 459 00:41:02,738 --> 00:41:05,641 その方は 恥じてはおらぬのか。 460 00:41:05,641 --> 00:41:11,747 いいえ… 知らぬ事とはいえ 家臣の不始末は 主の不始末。 461 00:41:11,747 --> 00:41:15,617 某も 責めを負う覚悟に ございます。 462 00:41:15,617 --> 00:41:19,088 よき心がけじゃ。 ははっ。 463 00:41:19,088 --> 00:41:25,788 トカゲの尻尾を切ったと 安心致すなよ。 464 00:41:31,667 --> 00:41:36,367 (子どもたち)先生~! 465 00:41:40,042 --> 00:41:43,712 (子どもたち) 先生~ お帰りなさい! 466 00:41:43,712 --> 00:41:46,381 (於満紀)ただいま。 鶴千羽! 467 00:41:46,381 --> 00:41:49,284 まあ~! 先生 おうち 帰ろう。 468 00:41:49,284 --> 00:41:52,054 うん。 おうち 帰ろう! 469 00:41:52,054 --> 00:41:55,390 はい 帰ろう。 (子どもたち)帰ろう 帰ろう!➡ 470 00:41:55,390 --> 00:41:59,261 帰ろう 帰ろう 帰ろう 帰ろう! 471 00:41:59,261 --> 00:42:16,078 ♬~ 472 00:42:16,078 --> 00:42:19,414 おい 源の字。 ああ 御前。 若も。 473 00:42:19,414 --> 00:42:22,317 よかったな。 はい。 474 00:42:22,317 --> 00:42:28,423 やはり 於満紀様 お優しい方です。 私 ますます…。 475 00:42:28,423 --> 00:42:31,026 ますます… 何だい? 476 00:42:31,026 --> 00:42:34,897 何ですか。 若まで…。 アッハッハッハ! 477 00:42:34,897 --> 00:42:37,900 おい たまには 3人で 一杯やらねえか? 478 00:42:37,900 --> 00:42:42,600 いいですね。 私が奢りましょう。 お供します。 479 00:42:46,375 --> 00:42:52,047 <優しい日ざしを背に浴びて 並んで帰る道すがら。➡ 480 00:42:52,047 --> 00:43:00,047 このままでいい このままが いいのだと笑う 源次郎であった>