1 00:00:33,299 --> 00:00:36,201 さあさあ! 江戸一番の両替商 大黒屋で➡ 2 00:00:36,201 --> 00:00:38,871 お家騒動が持ち上がった! 3 00:00:38,871 --> 00:00:41,774 子どものいねえ旦那が亡くなって 親戚の中から選ばれた➡ 4 00:00:41,774 --> 00:00:44,209 文太郎さんが跡を継いだ途端➡ 5 00:00:44,209 --> 00:00:49,715 旦那の隠し子ってえのが 証拠の 書き付けを持って現れた!➡ 6 00:00:49,715 --> 00:00:51,650 ご落胤の名は洋二郎。➡ 7 00:00:51,650 --> 00:00:54,553 10万両とも噂される 大黒屋の身代は➡ 8 00:00:54,553 --> 00:00:57,456 文太郎のものか 洋二郎のものなのか➡ 9 00:00:57,456 --> 00:01:00,225 10万両の行方や いかに!? 10 00:01:00,225 --> 00:01:02,261 さあさあさあ 買った買った 買った買った!➡ 11 00:01:02,261 --> 00:01:04,396 さあ 買った! 4文だよ。 12 00:01:04,396 --> 00:01:14,406 ♬~ 13 00:01:14,406 --> 00:01:16,342 (巳之吉)うん? 14 00:01:16,342 --> 00:01:18,342 ごめんなさいよ。 15 00:01:23,582 --> 00:01:27,453 (源次郎)奥様が お里へお帰りに? また どうしてです? 16 00:01:27,453 --> 00:01:30,456 吉本の義父上が腰を痛められてな。 17 00:01:30,456 --> 00:01:32,391 着替えも ままならぬゆえ➡ 18 00:01:32,391 --> 00:01:34,860 雪絵を貸してほしいと 言ってこられたんだよ。 19 00:01:34,860 --> 00:01:36,795 身重の奥様をですか? 20 00:01:36,795 --> 00:01:38,731 お花も一緒だ。 心配はない。 21 00:01:38,731 --> 00:01:41,533 その話 怪しいですねぇ。 うん? 22 00:01:41,533 --> 00:01:43,469 吉本の御前 本当は➡ 23 00:01:43,469 --> 00:01:46,372 雪絵様と いたいだけなんじゃ ありませんか? 24 00:01:46,372 --> 00:01:50,042 男親にとっちゃ 娘は格別ですからねぇ。 25 00:01:50,042 --> 00:01:54,913 雪絵様と枕を並べて 眠りたいだけなんじゃ… ハハハ。 26 00:01:54,913 --> 00:01:59,051 (妙)それなら それで いいじゃありませんか。 27 00:01:59,051 --> 00:02:02,721 雪絵さんも お里で手足が伸ばせて。 28 00:02:02,721 --> 00:02:05,391 いや 若のお世話は どうなります? 29 00:02:05,391 --> 00:02:07,326 私がおりますよ。 30 00:02:07,326 --> 00:02:10,896 どうぞ。 あっ どうも。 31 00:02:10,896 --> 00:02:13,732 忠相 安心なさい。 32 00:02:13,732 --> 00:02:17,236 今日から 私が泊まり込みで お世話しますから。 33 00:02:17,236 --> 00:02:21,073 では 大奥様も 若と枕を並べて? 34 00:02:21,073 --> 00:02:25,744 ええ。 母と息子 水入らずで。 35 00:02:25,744 --> 00:02:27,679 母上 源さん。 36 00:02:27,679 --> 00:02:31,083 (笑い声) 37 00:02:31,083 --> 00:02:33,685 (忠高)おい 源の字。 あっ はい。 38 00:02:33,685 --> 00:02:37,022 おめえが持ってきた この瓦版よ…。 39 00:02:37,022 --> 00:02:39,358 瓦版に何かございましたか? 40 00:02:39,358 --> 00:02:43,529 大黒屋のお家騒動だよ。 41 00:02:43,529 --> 00:02:46,432 (妙)まあ! (忠高)商人だろうが 侍だろうがな➡ 42 00:02:46,432 --> 00:02:48,700 大事なのは お家存続だ。 43 00:02:48,700 --> 00:02:51,203 子どもがいるに 越した事はねえが➡ 44 00:02:51,203 --> 00:02:55,040 お家騒動はいけねえな。 45 00:02:55,040 --> 00:02:58,911 おい 忠相 お前も どこぞに隠し子がいるんなら➡ 46 00:02:58,911 --> 00:03:01,547 今のうちに きちんとしとけよ。 47 00:03:01,547 --> 00:03:04,216 父上…。 おとうさん! 48 00:03:04,216 --> 00:03:07,119 冗談にも 忠相に そんな事言わないで下さい。 49 00:03:07,119 --> 00:03:09,721 そうですよ。 御前じゃあるまいし。 50 00:03:09,721 --> 00:03:12,224 何だ それは。 えっ? 51 00:03:12,224 --> 00:03:14,560 何ですか? 私に隠れて 隠し子を? 52 00:03:14,560 --> 00:03:18,397 バカ言っちゃいけねえ。 俺が そんな事する男に見えるか? 53 00:03:18,397 --> 00:03:21,733 そうですね。 そんな意気地ありませんものね。 54 00:03:21,733 --> 00:03:25,070 そんなに モテやしませんしね。 フフフフ…。 55 00:03:25,070 --> 00:03:28,740 抜かしやがったな。 俺だって 若え頃はな➡ 56 00:03:28,740 --> 00:03:33,178 一緒になれなきゃ死ぬって女が 2人や3人はいたんだ。 57 00:03:33,178 --> 00:03:36,515 隠し子の1人や2人…。 いるんですか? 58 00:03:36,515 --> 00:03:41,353 あたぼうよ! それが男の甲斐性ってもんだ! 59 00:03:41,353 --> 00:03:45,858 まあ! よくも今日まで 私を だましてこられましたわね。 60 00:03:45,858 --> 00:03:47,893 父上… 母上も。 61 00:03:47,893 --> 00:03:51,029 (お花)大変でございます! 旦那様 大奥様! 62 00:03:51,029 --> 00:03:53,365 おめえ 作左ヱ門ちへ 行ってたんじゃねえのか? 63 00:03:53,365 --> 00:03:56,869 奥様の忘れ物と 吉本の殿様のお薬…。 64 00:03:56,869 --> 00:03:59,669 そんな事より 大変なんです! 65 00:04:03,642 --> 00:04:05,878 どちら様ですか? 66 00:04:05,878 --> 00:04:08,380 何だ? お前は。 67 00:04:08,380 --> 00:04:10,315 お控えなすって! 68 00:04:10,315 --> 00:04:13,886 手前生国と発しますは 江戸は深川にござんす。 69 00:04:13,886 --> 00:04:18,056 目も明かぬうちに 下総は 佐倉に移って6つの年に➡ 70 00:04:18,056 --> 00:04:21,093 今日は東海 明日は陸奥と➡ 71 00:04:21,093 --> 00:04:23,562 何の因果か旅烏。 72 00:04:23,562 --> 00:04:27,432 人呼んで 山吹の巳之吉という 駆け出し者。 73 00:04:27,432 --> 00:04:34,506 どちら様も 以後 お見知りおき よろしゅう お頼申します。 74 00:04:34,506 --> 00:04:38,844 …で 妙様は ご在宅でござんすか? 75 00:04:38,844 --> 00:04:40,779 私ですけど。 76 00:04:40,779 --> 00:04:44,016 おめえ様が…➡ 77 00:04:44,016 --> 00:04:47,519 おっ母さん? えっ… おっ母さん? 78 00:04:47,519 --> 00:04:50,856 お会いしとうございました! おっ母さん! 79 00:04:50,856 --> 00:04:52,856 ええ~!? 80 00:04:57,529 --> 00:06:04,296 ♬~ 81 00:06:04,296 --> 00:06:11,596 ♬~ 82 00:06:14,373 --> 00:06:17,209 (新三郎) 大奥様に隠し子が現れただと? 83 00:06:17,209 --> 00:06:20,112 し~っ。 84 00:06:20,112 --> 00:06:22,112 それも…。 おう。 85 00:06:23,882 --> 00:06:27,386 渡世人ですって!? まさか…。 86 00:06:27,386 --> 00:06:30,288 あっ くれぐれも ないしょですよ。 87 00:06:30,288 --> 00:06:32,357 では 殿様のお薬 頂いてまいります。 88 00:06:32,357 --> 00:06:35,661 うん? ああ…。 あっ… はい。 89 00:06:35,661 --> 00:06:38,330 う~ん…。 90 00:06:38,330 --> 00:06:40,630 まさかな…。 91 00:06:45,837 --> 00:06:49,675 おい! お前は 一体 何なんだ? 92 00:06:49,675 --> 00:06:54,179 おっ母さん この… 鍾馗さんみてえなお人は? 93 00:06:54,179 --> 00:06:58,850 主人です。 えっ? ご亭主様? 94 00:06:58,850 --> 00:07:02,521 あっ それじゃあ あの… こちらが… 兄上? 95 00:07:02,521 --> 00:07:05,424 兄上? お会いしとうございました 兄上。 96 00:07:05,424 --> 00:07:08,326 いや~ ご安心を。 97 00:07:08,326 --> 00:07:11,229 名奉行と天下に名高え大岡様に➡ 98 00:07:11,229 --> 00:07:14,700 こんな半端な弟がいちゃ お名前に傷がつかぁ。 99 00:07:14,700 --> 00:07:18,036 へい。 決して 口外は致しやせん。 100 00:07:18,036 --> 00:07:21,540 黙って聞いてりゃ 好き放題 抜かしやがって。 101 00:07:21,540 --> 00:07:24,576 忠相の弟だと? 騙りにも程がある! 102 00:07:24,576 --> 00:07:26,712 おい ここから出ていけ。 103 00:07:26,712 --> 00:07:30,215 人様の口出しは 無用にござんす。 何だと!? 104 00:07:30,215 --> 00:07:35,053 おっ母さんは おっ母さん。 兄上も 兄上。 105 00:07:35,053 --> 00:07:38,490 けど おめえ様は おっ母さんの 連れ合いってだけで➡ 106 00:07:38,490 --> 00:07:41,159 俺にゃ 何の関わり合いもござんせんし。 107 00:07:41,159 --> 00:07:43,095 無礼者! 108 00:07:43,095 --> 00:07:46,665 直参旗本 大岡美濃守忠高に対して なんたる雑言! 109 00:07:46,665 --> 00:07:48,600 許さん! そこへ直れ! 110 00:07:48,600 --> 00:07:50,535 父上 落ち着かれませ。 111 00:07:50,535 --> 00:07:54,005 あっ… 巳之吉といったな。 へい。 112 00:07:54,005 --> 00:07:56,341 何か 証拠はあるのか? 113 00:07:56,341 --> 00:07:58,641 ええ。 ござんすとも。 114 00:08:00,679 --> 00:08:04,349 あれ? …あれ? 115 00:08:04,349 --> 00:08:07,018 ねえ… ねえ! 116 00:08:07,018 --> 00:08:09,818 はっ… あの時! 117 00:08:12,190 --> 00:08:14,126 ごめんなさいよ。 118 00:08:14,126 --> 00:08:18,063 ほれ見ろ! 命だけは助けてやる。 早く ここから出ていけ。 119 00:08:18,063 --> 00:08:20,532 待って。 120 00:08:20,532 --> 00:08:24,202 巳之吉さんとやら あなた➡ 121 00:08:24,202 --> 00:08:27,539 下総の佐倉で育ったって 言ったわね? 122 00:08:27,539 --> 00:08:32,144 へい… 6つの年まで あっしを育ててくれたのは➡ 123 00:08:32,144 --> 00:08:34,079 おせつという おばさんでござんす。 124 00:08:34,079 --> 00:08:37,949 そんな事は どうでもいい! 125 00:08:37,949 --> 00:08:41,319 息子です。 126 00:08:41,319 --> 00:08:43,822 今 何と言った? 127 00:08:43,822 --> 00:08:46,158 私の息子です。 128 00:08:46,158 --> 00:08:48,827 母上…。 大奥様…。 129 00:08:48,827 --> 00:08:53,165 おっ母さん…。 おい ばあさん 何を言いだすんだ。 130 00:08:53,165 --> 00:08:57,335 あなたにだって 外に子どもがいるんでしょ? 131 00:08:57,335 --> 00:08:59,271 私にいて 何が悪いんです? 132 00:08:59,271 --> 00:09:01,206 何だと? 133 00:09:01,206 --> 00:09:03,208 巳之吉。 へい。 134 00:09:03,208 --> 00:09:05,508 こっちへ いらっしゃい。 へい! 135 00:09:09,848 --> 00:09:11,848 (忠高)おい! 136 00:09:17,522 --> 00:09:19,457 (辰三)お奉行様 村上の旦那! 137 00:09:19,457 --> 00:09:21,693 おっ… 辰。 ど… どうした? 138 00:09:21,693 --> 00:09:24,393 殺しです。 えっ? 139 00:09:27,499 --> 00:09:30,368 旦那。 (片瀬)おっ おやじさん。 140 00:09:30,368 --> 00:09:32,304 身元は分かったのか? 141 00:09:32,304 --> 00:09:35,807 (片瀬)大黒屋の跡目を継いだ 文太郎です。 142 00:09:35,807 --> 00:09:39,144 お家騒動の… あの大黒屋か? ええ。 143 00:09:39,144 --> 00:09:41,980 それじゃあ 跡目争いのごたごたで 殺されたってんですか? 144 00:09:41,980 --> 00:09:45,650 どうも そうじゃなさそうなんだ。 145 00:09:45,650 --> 00:09:49,487 手代の亀助が 一部始終を見てます。 146 00:09:49,487 --> 00:09:51,990 すまないが もう一度 話してくれ。 147 00:09:51,990 --> 00:09:55,327 (亀助)旦那様と私が 取引先からの帰り道➡ 148 00:09:55,327 --> 00:09:58,027 ここを通りかかった時…。 149 00:10:00,165 --> 00:10:02,100 うっ…。 おい…。 150 00:10:02,100 --> 00:10:04,836 これは ご無礼を致しました。 151 00:10:04,836 --> 00:10:09,174 待て。 ぶつかった詫料を 置いていけ。 152 00:10:09,174 --> 00:10:11,509 当たったのは そちらじゃ…。 153 00:10:11,509 --> 00:10:13,445 うるせえ! あっ… 何をなさいます! 154 00:10:13,445 --> 00:10:17,849 おやめ下さい おやめ下さい! どけ! 155 00:10:17,849 --> 00:10:19,849 ああっ! 156 00:10:21,686 --> 00:10:23,722 ああっ あっ…。 157 00:10:23,722 --> 00:10:36,034 ♬~ 158 00:10:36,034 --> 00:10:38,069 旦那様…。 159 00:10:38,069 --> 00:10:40,372 誰か! 誰か~! 160 00:10:40,372 --> 00:10:44,242 旦那様… 旦那様! 誰か~! 161 00:10:44,242 --> 00:10:46,878 それじゃ 行き当たりばったりで 殺されたってのか? 162 00:10:46,878 --> 00:10:49,214 はあ… 浮かばれねえなぁ。 163 00:10:49,214 --> 00:10:54,552 しかし 顔も分からない渡世人じゃ 見つけ出すのは 至難ですよ。 164 00:10:54,552 --> 00:10:58,752 手がかりは 笠に挿した山吹だけ…。 165 00:11:02,427 --> 00:11:06,164 うん? こりゃ 臍の緒書きだな。 166 00:11:06,164 --> 00:11:11,736 「巳年卯月八日生まれ 巳之吉 妙」。 167 00:11:11,736 --> 00:11:14,773 ちょっと見せろ。 はい。 168 00:11:14,773 --> 00:11:19,244 つまり 巳之吉って名の渡世人が 下手人って事ですね。 169 00:11:19,244 --> 00:11:21,746 お家騒動とは 関わりなさそうですね。 170 00:11:21,746 --> 00:11:24,249 こりゃ早く片づきそうですね。 ああ。 171 00:11:24,249 --> 00:11:27,085 よし 賭場と旅籠 片っ端から当たろう。 172 00:11:27,085 --> 00:11:29,120 はい。 へい! ちょっと待て。 173 00:11:29,120 --> 00:11:31,690 おやじさん どうかしましたか? 174 00:11:31,690 --> 00:11:35,527 うん? あっ いや…。 行くぞ。 はい! 175 00:11:35,527 --> 00:11:37,727 待てったら おい! 176 00:11:45,704 --> 00:11:48,039 「巳之吉 妙」。 177 00:11:48,039 --> 00:11:50,875 この野郎 人殺しじゃねえか! 178 00:11:50,875 --> 00:11:52,911 早く行って ふん縛ってこい! 179 00:11:52,911 --> 00:11:57,749 いや… ですが もし やつが 本当に 大奥様の倅様なら➡ 180 00:11:57,749 --> 00:12:00,552 大岡家から罪人を出しちまいます。 181 00:12:00,552 --> 00:12:02,587 そんな訳ねえだろう。 182 00:12:02,587 --> 00:12:05,423 これが男ならな 女房に知れずに➡ 183 00:12:05,423 --> 00:12:07,892 外に 子どもを作る事も できるだろうよ。 184 00:12:07,892 --> 00:12:10,562 だが 女はな…➡ 185 00:12:10,562 --> 00:12:12,497 腹が膨れるんだぜ? 186 00:12:12,497 --> 00:12:14,432 あっ… なるほど。 187 00:12:14,432 --> 00:12:16,901 早く行って 偽ご落胤 ふん縛ってこい。 188 00:12:16,901 --> 00:12:20,238 あっ… はい! 189 00:12:20,238 --> 00:12:23,141 源さん。 はい。 190 00:12:23,141 --> 00:12:26,411 巳之吉は見たところ 30前後。 191 00:12:26,411 --> 00:12:29,314 30年前といえば…➡ 192 00:12:29,314 --> 00:12:32,684 父上は お上より 奈良奉行のお役を仰せつかり➡ 193 00:12:32,684 --> 00:12:35,353 2年間 江戸を お空けになりました。 194 00:12:35,353 --> 00:12:39,024 あっ そうでした! 195 00:12:39,024 --> 00:12:42,360 じゃあ その間に 子どもを産んだってのか? 196 00:12:42,360 --> 00:12:45,030 源の字。 はっ。 どうだったんだよ? 197 00:12:45,030 --> 00:12:47,365 えっ? 妙の腹は膨れたのか? 198 00:12:47,365 --> 00:12:49,701 あ… え~っと… あっ。 199 00:12:49,701 --> 00:12:53,038 何をおっしゃるんですか。 私は 御前のお供で➡ 200 00:12:53,038 --> 00:12:55,707 一緒に 奈良に 参りましたでしょうが。 201 00:12:55,707 --> 00:12:58,209 じゃあ 忠相 どうだったんだ? 202 00:12:58,209 --> 00:13:00,879 そういえば…➡ 203 00:13:00,879 --> 00:13:07,052 あのころ 母上は しばらく ご実家に戻られてましたね。 204 00:13:07,052 --> 00:13:09,387 では 本当に? 205 00:13:09,387 --> 00:13:12,057 そ… そんな…。 206 00:13:12,057 --> 00:13:15,727 いや 御前 そう性急に結論を出さずとも…。 207 00:13:15,727 --> 00:13:17,762 とにかく まずは大奥様に➡ 208 00:13:17,762 --> 00:13:20,565 真偽の程を お聞きになられては? 209 00:13:20,565 --> 00:13:23,902 おいら… ちょっと 横になってくる…。 210 00:13:23,902 --> 00:13:27,405 えっ? 忠相 聞いといてくれ。 211 00:13:27,405 --> 00:13:31,276 いや… 御前…。➡ 212 00:13:31,276 --> 00:13:33,276 若。 213 00:13:41,853 --> 00:13:44,355 あの野郎…。 214 00:13:44,355 --> 00:13:46,355 (伝蔵)姉御…。 215 00:13:50,161 --> 00:13:52,530 はあ~ 食った! 216 00:13:52,530 --> 00:13:56,034 もういいの? 好きなだけ食べていいんですよ。 217 00:13:56,034 --> 00:13:57,969 いや それより いいのかい? おっ母さん。 218 00:13:57,969 --> 00:14:01,539 お屋敷 出てきちゃってさ。 ほら… 鍾馗様➡ 219 00:14:01,539 --> 00:14:04,576 怒ってたみてえだし。 いいのよ。 220 00:14:04,576 --> 00:14:08,046 少しは懲らしめてやれば いいんです。 えっ? 221 00:14:08,046 --> 00:14:11,382 あの~ 大奥様… こちらは? 222 00:14:11,382 --> 00:14:14,382 息子です。 (三次 お秀)ええ~!? 223 00:14:16,254 --> 00:14:18,256 巳之吉と申しやす。 224 00:14:18,256 --> 00:14:21,392 おっ母さんが お世話になり かたじけのうござんす。 225 00:14:21,392 --> 00:14:23,328 いえ こちらこそ…。 226 00:14:23,328 --> 00:14:26,264 いや~ 腹減った~! ハハッ 飯 出してくれ。 227 00:14:26,264 --> 00:14:28,266 あ~ そうだ 三次。 228 00:14:28,266 --> 00:14:32,003 三度笠に山吹を挿した 巳之吉っていう渡世人が来たら➡ 229 00:14:32,003 --> 00:14:33,938 すぐに知らせてくれ。 (2人)えっ!? 230 00:14:33,938 --> 00:14:36,674 山吹の巳之吉なら あっしでござんすが? 231 00:14:36,674 --> 00:14:38,710 あっ そうですか…。 232 00:14:38,710 --> 00:14:43,014 ええ~!? 御用だ! この人殺しが! 233 00:14:43,014 --> 00:14:45,850 人殺し? 神妙にしろい! 234 00:14:45,850 --> 00:14:49,187 子吉さん! 私の息子に なんて事言うんです! 235 00:14:49,187 --> 00:14:51,122 無礼ですよ。 236 00:14:51,122 --> 00:14:53,057 息子!? 237 00:14:53,057 --> 00:14:55,693 巳之吉 参りましょう。 238 00:14:55,693 --> 00:14:58,393 おどきなさい! はい。 239 00:15:02,467 --> 00:15:06,337 どうなってんの? 全く分かんねえ。 240 00:15:06,337 --> 00:15:09,240 なあ おっ母さん どこまで行くんだい? 241 00:15:09,240 --> 00:15:13,711 そうなのよ。 ゆっくり 話がしたいんだけど➡ 242 00:15:13,711 --> 00:15:16,614 どこへ行けばいいのかしら…。 はあ? 243 00:15:16,614 --> 00:15:19,614 (足音) おっ母さん。 244 00:15:21,386 --> 00:15:23,321 何です? あなたたちは。 245 00:15:23,321 --> 00:15:26,558 早く江戸を出ろ。 何だ? おめえら。 246 00:15:26,558 --> 00:15:29,060 いいから すぐに江戸を出ていけ。 247 00:15:29,060 --> 00:15:32,330 そう言われても まだ用があるんだよ。 248 00:15:32,330 --> 00:15:34,999 なら しょうがねえ。 249 00:15:34,999 --> 00:15:36,935 何をするんです!? 250 00:15:36,935 --> 00:15:38,870 おっ母さん…➡ 251 00:15:38,870 --> 00:15:42,070 ちょいと下がっておくんねえ。 252 00:15:46,611 --> 00:15:48,546 ペッ! 253 00:15:48,546 --> 00:16:02,527 ♬~ 254 00:16:02,527 --> 00:16:05,863 死ね このガキャ! (妙)おやめなさい! おやめ…。 255 00:16:05,863 --> 00:16:08,366 おっ母さん… おっ母さん! 放せ この野郎! 256 00:16:08,366 --> 00:16:10,401 (巳之吉)おっ母さん! 257 00:16:10,401 --> 00:16:12,537 貴様も死ね! 258 00:16:12,537 --> 00:16:14,572 うっ! 忠相。 259 00:16:14,572 --> 00:16:16,708 兄上! 260 00:16:16,708 --> 00:16:20,211 巳之吉 斬るなよ。 合点だ。 261 00:16:20,211 --> 00:16:37,161 ♬~ 262 00:16:37,161 --> 00:16:39,197 うっ! あっ…。 263 00:16:39,197 --> 00:16:41,833 巳之吉! あっ…。 (伝蔵)引け! 264 00:16:41,833 --> 00:16:44,168 なに かすり傷でさぁ。 265 00:16:44,168 --> 00:16:47,368 母上 早く養生所へ。 はい! 266 00:16:49,507 --> 00:16:51,542 どうした? えっ… あまり➡ 267 00:16:51,542 --> 00:16:54,345 似てらっしゃらないと 思いまして。 268 00:16:54,345 --> 00:16:57,015 おいねさん…。 あっ…。 269 00:16:57,015 --> 00:16:59,517 (せきばらい) よし よし! これでいい。 270 00:16:59,517 --> 00:17:01,452 かたじけのうござんす。 271 00:17:01,452 --> 00:17:03,388 さて 巳之吉…。 (巳之吉)へい。 272 00:17:03,388 --> 00:17:09,193 掏られたという証拠の品は これか? 273 00:17:09,193 --> 00:17:11,893 あっ それです! 274 00:17:13,531 --> 00:17:16,434 確かに 私が書いたもの。 275 00:17:16,434 --> 00:17:19,871 では 本当に? どこで これを? 276 00:17:19,871 --> 00:17:23,708 今日 殺された 大黒屋の跡取りが 手に握っていた。 277 00:17:23,708 --> 00:17:28,880 ああ それで さっき 子吉さんが この子の事を 人殺しと。 278 00:17:28,880 --> 00:17:31,482 (2人)人殺し!? 知らねえ。 279 00:17:31,482 --> 00:17:33,418 おっ母さん 俺は何もしちゃいねえんだ。 280 00:17:33,418 --> 00:17:36,821 これは本当に掏られたんで。 女の掏摸に。 281 00:17:36,821 --> 00:17:40,325 あっ… おっ母さん 本当だ。 信じてくれよ。 282 00:17:40,325 --> 00:17:42,994 信じますよ。 283 00:17:42,994 --> 00:17:45,330 おっ母さん…。 284 00:17:45,330 --> 00:17:50,168 忠相… 巳之吉を疑う暇があったら➡ 285 00:17:50,168 --> 00:17:53,838 その掏摸を捕まえれば 分かる事ですよ。 286 00:17:53,838 --> 00:17:58,176 忠相殿 弟君は 確かに 私が預かりました。 287 00:17:58,176 --> 00:18:00,511 ですから そちらを。 288 00:18:00,511 --> 00:18:03,348 女の掏摸を捜してみよう。 289 00:18:03,348 --> 00:18:06,384 では 母上… 参りましょうか。 290 00:18:06,384 --> 00:18:09,854 私も巳之吉と一緒に ここに泊めてもらいます。 291 00:18:09,854 --> 00:18:11,789 えっ…。 292 00:18:11,789 --> 00:18:18,563 忠相 もうしばらく 私の好きにさせて下さい。 293 00:18:18,563 --> 00:18:20,865 どうしても➡ 294 00:18:20,865 --> 00:18:25,703 巳之吉に聞かなければ ならない事があるのです。 295 00:18:25,703 --> 00:18:27,703 いいでしょう? 296 00:18:30,875 --> 00:18:34,846 何かありましたら 遠慮なく おっしゃって下さいまし。 297 00:18:34,846 --> 00:18:45,523 ♬~ 298 00:18:45,523 --> 00:18:49,994 それじゃあ 聞かせてちょうだい。 299 00:18:49,994 --> 00:18:54,332 どうして 渡世人になったの? 300 00:18:54,332 --> 00:18:59,203 なぜ まっとうな大人に ならなかったの? 301 00:18:59,203 --> 00:19:03,703 そうだよな… こんな姿になっちまって。 302 00:19:06,344 --> 00:19:10,544 でもね おっ母さん これには訳があるんだ。 303 00:19:23,895 --> 00:19:27,732 俺 実は 昔 育ててくれていた➡ 304 00:19:27,732 --> 00:19:31,469 おせつって おばさんの事を おふくろだと思ってたんだ。 305 00:19:31,469 --> 00:19:36,974 でも 俺が6つの時 おばさん 病になっちまって…。 306 00:19:36,974 --> 00:19:38,910 そうだったわね。 307 00:19:38,910 --> 00:19:42,847 えっ? おっ母さん やっぱり おばさんの事 知ってるんだ? 308 00:19:42,847 --> 00:19:47,151 ええ。 おせっちゃんはね➡ 309 00:19:47,151 --> 00:19:50,988 昔 私の実家に奉公してたの。 310 00:19:50,988 --> 00:19:52,924 おせっちゃん。 はい。 311 00:19:52,924 --> 00:19:56,861 (妙)私は 本当の妹のように 思っていたのよ。 312 00:19:56,861 --> 00:20:01,699 あげる。 ありがとうございます お嬢様! 313 00:20:01,699 --> 00:20:05,169 (巳之吉)へえ… そうだったんだ。 314 00:20:05,169 --> 00:20:09,674 でも そのおばさんが いよいよ 危ねえって時に➡ 315 00:20:09,674 --> 00:20:11,609 とんでもねえ事を俺に言ったんだ。 316 00:20:11,609 --> 00:20:17,181 巳之吉… 私はね➡ 317 00:20:17,181 --> 00:20:20,084 お前の 本当のおっ母さんじゃない。 318 00:20:20,084 --> 00:20:23,354 お前の本当のおっ母さんは➡ 319 00:20:23,354 --> 00:20:31,028 江戸のお旗本 大岡様の奥方 妙様なんだよ。 320 00:20:31,028 --> 00:20:32,964 (巳之吉)弟の次郎太は➡ 321 00:20:32,964 --> 00:20:36,901 あ… そのころは 本当の弟だと 思ってたんだけれど➡ 322 00:20:36,901 --> 00:20:40,371 次郎太は 本当の子だけれど 俺は倅じゃない。➡ 323 00:20:40,371 --> 00:20:44,542 本当のおっ母さんのところへ 行けと そう言いやがったんだ。 324 00:20:44,542 --> 00:20:49,714 これは お守り。 肌身離さず持っているんだよ。 325 00:20:49,714 --> 00:20:53,584 こっちの手紙は 本当のおっ母さんに渡すんだ。➡ 326 00:20:53,584 --> 00:20:57,284 きっと お前の身の立つように して下さるからね。 327 00:21:00,224 --> 00:21:03,024 幸せになるんだよ…。 328 00:21:04,729 --> 00:21:07,064 そろそろ行こうか。 329 00:21:07,064 --> 00:21:09,000 (巳之吉)そうして 俺は➡ 330 00:21:09,000 --> 00:21:12,000 行商の野郎に預けられた。 331 00:21:13,738 --> 00:21:16,240 ところが その野郎が とんだ悪党でさ➡ 332 00:21:16,240 --> 00:21:19,143 俺は 千住の口入屋に 売られちまったんだ。 333 00:21:19,143 --> 00:21:21,913 何ですって? そこから 染物屋に➡ 334 00:21:21,913 --> 00:21:25,783 丁稚奉公に出されて… フフッ。➡ 335 00:21:25,783 --> 00:21:27,785 つらかったなぁ…。 336 00:21:27,785 --> 00:21:29,787 あっ! 337 00:21:29,787 --> 00:21:32,857 おめえは 水も ろくに くめねえのか! こら!➡ 338 00:21:32,857 --> 00:21:35,359 しっかり くまねえか このバカ! 339 00:21:35,359 --> 00:21:37,395 (巳之吉)あまりに つらくて➡ 340 00:21:37,395 --> 00:21:40,865 俺は三月で そこを逃げ出した。 341 00:21:40,865 --> 00:21:46,370 巳之吉! 巳之吉~! こら! 342 00:21:46,370 --> 00:22:05,756 ♬~ 343 00:22:05,756 --> 00:22:07,758 こら~! あっ! 344 00:22:07,758 --> 00:22:10,895 待て~! 待て…。 345 00:22:10,895 --> 00:22:17,568 ♬~ 346 00:22:17,568 --> 00:22:22,406 (巳之吉)そんな暮らしも 1年ばかり続いて➡ 347 00:22:22,406 --> 00:22:25,910 俺は もう死ぬんだと思った時➡ 348 00:22:25,910 --> 00:22:28,412 とっつあんに出会ったんだ。➡ 349 00:22:28,412 --> 00:22:32,016 山吹の銀二って渡世人に。 350 00:22:32,016 --> 00:23:22,233 ♬~ 351 00:23:22,233 --> 00:23:25,269 おっ母さん 泣いてんのかい? 352 00:23:25,269 --> 00:23:30,741 私のせいだわ 私のせい…。 おっ母さん…。 353 00:23:30,741 --> 00:23:34,178 おせっちゃんが亡くなったって 風の便りで聞いて➡ 354 00:23:34,178 --> 00:23:37,378 ご親戚に文を出したの。 355 00:23:39,050 --> 00:23:42,687 「巳之吉は どうなりました?」 って。 356 00:23:42,687 --> 00:23:45,723 そしたら 「巳之吉は➡ 357 00:23:45,723 --> 00:23:49,360 おせっちゃんの知り合いの家に 養子に出した」と➡ 358 00:23:49,360 --> 00:23:52,029 返事が届いたの。 359 00:23:52,029 --> 00:23:57,535 その知り合いが 私の事だったのね。 360 00:23:57,535 --> 00:24:02,206 あの時 私が もっと しっかりしていれば➡ 361 00:24:02,206 --> 00:24:07,712 ちゃんと 問いただしていれば…➡ 362 00:24:07,712 --> 00:24:13,384 お前を 渡世人などにしなかった。 363 00:24:13,384 --> 00:24:16,887 こんな苦労はさせなかったのに。 364 00:24:16,887 --> 00:24:20,758 巳之吉 許して…。 365 00:24:20,758 --> 00:24:26,230 おっ母さん… それほどの苦労でも ねえんだぜ?➡ 366 00:24:26,230 --> 00:24:28,899 山吹のとっつあん いい人だったんだ。 367 00:24:28,899 --> 00:24:33,337 (銀二)さあ 食べろ。 おじさんは? 368 00:24:33,337 --> 00:24:37,508 俺の事はいいから。 遠慮するな。 ほれ。 369 00:24:37,508 --> 00:24:39,508 うん。 370 00:24:42,379 --> 00:24:47,218 (巳之吉)飯は 必ず 俺から食わせてくれたし➡ 371 00:24:47,218 --> 00:24:51,021 読み書きができたから 字も教えてくれた。➡ 372 00:24:51,021 --> 00:24:53,858 俺が 無事 大人になれたのは➡ 373 00:24:53,858 --> 00:24:57,728 みんな とっつあんのおかげだ。 374 00:24:57,728 --> 00:25:16,714 ♬~ 375 00:25:16,714 --> 00:25:19,049 (巳之吉) まっとうのように見えても➡ 376 00:25:19,049 --> 00:25:21,085 鬼のようなやつもいる。➡ 377 00:25:21,085 --> 00:25:23,921 とっつあんのような はぐれ者でも いい人はいる。➡ 378 00:25:23,921 --> 00:25:26,724 でも 死んじまった。➡ 379 00:25:26,724 --> 00:25:29,393 俺は また 独りぼっちになっちまった。 380 00:25:29,393 --> 00:25:33,831 そんな時 ふと 守り袋を見てみると➡ 381 00:25:33,831 --> 00:25:38,169 長年の垢が染みついて 真っ黒に汚れちまっててさ。 382 00:25:38,169 --> 00:25:40,504 洗おうと思って 中のもん 出してみると➡ 383 00:25:40,504 --> 00:25:44,675 「巳之吉 妙」って 書いてあるじゃねえか。 384 00:25:44,675 --> 00:25:48,846 思い出したんだよ。 生きるのに精いっぺえで➡ 385 00:25:48,846 --> 00:25:53,017 二十と六年の間 すっかり忘れちまってた➡ 386 00:25:53,017 --> 00:25:56,317 「お前のおっ母さんは江戸の…」。 387 00:25:58,189 --> 00:26:00,858 居ても立っても いられなくなって 江戸へ来てみると➡ 388 00:26:00,858 --> 00:26:03,194 大岡様ってのは お奉行様で➡ 389 00:26:03,194 --> 00:26:06,096 その母上様の名が 妙様っていうじゃねえか。 390 00:26:06,096 --> 00:26:09,296 ヘヘッ 驚えたなぁ…。 391 00:26:10,935 --> 00:26:13,838 おっ母さん 俺は なにも➡ 392 00:26:13,838 --> 00:26:16,707 波風立てようと思って 江戸に来た訳じゃねえ。 393 00:26:16,707 --> 00:26:18,707 こいつ見てくれ。 394 00:26:20,578 --> 00:26:23,380 まあ…。 (巳之吉)この10両はね➡ 395 00:26:23,380 --> 00:26:26,217 もし おっ母さんが 暮らしに困ってたらと思って➡ 396 00:26:26,217 --> 00:26:28,252 これだけは 手をつけねえで 持ってきたんだ。 397 00:26:28,252 --> 00:26:32,656 だって 旗本でも貧乏なやつはいる って聞いてたからさ。 398 00:26:32,656 --> 00:26:38,829 ヘヘッ まっ その心配はなかったけどな。 399 00:26:38,829 --> 00:26:42,683 これから どうするつもりなの? 400 00:26:42,683 --> 00:26:44,718 また 旅に出るさ。 えっ? 401 00:26:44,718 --> 00:26:49,456 言ったろ? 波風立てに来た訳じゃねえ。 402 00:26:49,456 --> 00:26:53,027 ただ… 一度でいいから➡ 403 00:26:53,027 --> 00:26:56,864 おっ母さんと 親子の真似事がしたくってさ。 404 00:26:56,864 --> 00:27:00,367 巳之吉 甘えてちょうだい。 405 00:27:00,367 --> 00:27:06,874 おっ母さん お前のためだったら 何だってしてあげる。 ねっ? 406 00:27:06,874 --> 00:27:09,376 おっ母さん…。 407 00:27:09,376 --> 00:27:14,048 (鐘の音) 408 00:27:14,048 --> 00:27:18,385 遅くなってしまったわ。 409 00:27:18,385 --> 00:27:21,889 もう寝ましょう。 ねっ? 410 00:27:21,889 --> 00:27:24,558 一緒に枕を並べて。 411 00:27:24,558 --> 00:27:26,558 おっ母さん…。 412 00:27:31,065 --> 00:27:33,000 夢のようでぇ…。 413 00:27:33,000 --> 00:27:47,348 ♬~ 414 00:27:47,348 --> 00:27:50,851 ん~ ヘヘヘ…。➡ 415 00:27:50,851 --> 00:27:53,351 おっ母さん… ヘヘッ。 416 00:27:58,592 --> 00:28:01,495 巳之吉が襲われたですって? 417 00:28:01,495 --> 00:28:06,400 この一件 本当に 巳之吉は 関わりないのやもしれぬ。 418 00:28:06,400 --> 00:28:11,705 巳之吉は 例の臍の緒書きは 掏られたと言っていた。 419 00:28:11,705 --> 00:28:14,541 もし それが まことなら➡ 420 00:28:14,541 --> 00:28:19,213 どうして 大黒屋文太郎の手に 握られていたのか…。 421 00:28:19,213 --> 00:28:21,548 女の掏摸を当たりますか? 422 00:28:21,548 --> 00:28:24,218 巳之吉を襲った者たちもだ。 423 00:28:24,218 --> 00:28:29,556 人相書きを作ろう。 それと 大黒屋のご落胤も見張ってくれ。 424 00:28:29,556 --> 00:28:31,492 (一同)ははっ。 425 00:28:31,492 --> 00:28:34,828 まだ仕込み中で。 三次。 426 00:28:34,828 --> 00:28:36,864 あっ これは お奉行様。 427 00:28:36,864 --> 00:28:39,500 すまぬが 佐倉まで 行ってもらえないか? 428 00:28:39,500 --> 00:28:42,403 ああ… 弟君の素性ですね? 429 00:28:42,403 --> 00:28:46,103 うん。 頼む。 (三次)分かりやした。 430 00:28:49,209 --> 00:28:51,209 (源次郎)おう。 431 00:28:53,013 --> 00:28:57,351 ご落胤の洋二郎は あの大黒屋の寮にいるのか。 432 00:28:57,351 --> 00:28:59,853 (立花)はい。 身の振り方に ケリがつくまで➡ 433 00:28:59,853 --> 00:29:04,358 本宅ではなく ここに住まわされてるそうです。 434 00:29:04,358 --> 00:29:07,261 女掏摸の方は 堅太郎たちが当たってます。 435 00:29:07,261 --> 00:29:10,261 こんな女… 知らねえか? 436 00:29:13,867 --> 00:29:15,803 ごめんよ。 437 00:29:15,803 --> 00:29:19,673 お奉行 それらしい掏摸を 見つけました! うむ。 438 00:29:19,673 --> 00:29:22,209 名は 鳥打ちの おもん。 439 00:29:22,209 --> 00:29:26,547 伝蔵という手下を連れて 最近 金回りがよくなったそうです。 440 00:29:26,547 --> 00:29:29,383 しかも この女➡ 441 00:29:29,383 --> 00:29:32,152 小柄や つぶてを投げるのが うまく➡ 442 00:29:32,152 --> 00:29:34,352 飛んでる鳥さえ落とすとか。 443 00:29:37,958 --> 00:29:41,862 このおもんと 大黒屋洋二郎が つながっていたら…。 444 00:29:41,862 --> 00:29:46,333 大黒屋文太郎をやったのも そいつらか…。 445 00:29:46,333 --> 00:29:52,005 しかし それなら なぜ下手人役に 巳之吉が選ばれたんでしょう? 446 00:29:52,005 --> 00:29:55,042 恐らく 大黒屋と関わりのない者で➡ 447 00:29:55,042 --> 00:29:58,679 渡世人のように すぐにも 江戸を離れるような者が➡ 448 00:29:58,679 --> 00:30:00,614 うってつけだと思ったんだろう。 449 00:30:00,614 --> 00:30:04,551 つまり 赤の他人なら 誰でもよかったと? 450 00:30:04,551 --> 00:30:07,855 事実 我らが 巳之吉を知らなかったら➡ 451 00:30:07,855 --> 00:30:09,790 お手上げだったかもしれん。 452 00:30:09,790 --> 00:30:13,727 まさしく 「天網恢恢 疎にして漏らさず」ですな。 453 00:30:13,727 --> 00:30:16,563 しかし 尻尾を出すでしょうか? 454 00:30:16,563 --> 00:30:21,702 きっと出す。 一度は 巳之吉を襲っているのだ。 455 00:30:21,702 --> 00:30:28,375 何より 大黒屋の身代10万両が 目の前にあるのだからな。 456 00:30:28,375 --> 00:30:30,310 おい。 457 00:30:30,310 --> 00:30:39,310 ♬~ 458 00:30:42,556 --> 00:30:45,459 おもんさん…。 459 00:30:45,459 --> 00:30:49,429 どうだい? 洋二郎さん。 大黒屋から いい話は来たかい? 460 00:30:49,429 --> 00:30:53,901 まだですよ。 私は本当に 跡目を継げるんだろうか? 461 00:30:53,901 --> 00:30:57,237 大黒屋には 跡継ぎが いなくなっちまったんだ。 462 00:30:57,237 --> 00:30:59,740 まして おめえは 本物の跡取りなんだから。 463 00:30:59,740 --> 00:31:02,075 でも そのために 人殺しまでしなくたって…。 464 00:31:02,075 --> 00:31:04,011 たった50両の手切れ金で➡ 465 00:31:04,011 --> 00:31:06,413 たたき出されるとこ だったんだぜ? 466 00:31:06,413 --> 00:31:10,250 (おもん)心配ないよ。 見ず知らずの渡世人の懐から➡ 467 00:31:10,250 --> 00:31:14,087 何でもいい そいつの持ちもんを かすめとって➡ 468 00:31:14,087 --> 00:31:17,887 伝蔵が その渡世人に化けて 文太郎を…。 469 00:31:24,431 --> 00:31:27,100 すぐにも江戸を離れるだろと 思ったのに➡ 470 00:31:27,100 --> 00:31:29,770 あの野郎 まだ ここらを うろついてるなんて➡ 471 00:31:29,770 --> 00:31:31,770 一体 どうなってんだい。 472 00:31:35,209 --> 00:31:38,545 まあ 心配しなさんな。 473 00:31:38,545 --> 00:31:40,881 お前は 10万両の跡取り。 474 00:31:40,881 --> 00:31:44,218 私にも この世の春を 味わわせておくれ。 475 00:31:44,218 --> 00:31:46,153 姉御。 476 00:31:46,153 --> 00:31:48,088 何だい? 伝蔵。 477 00:31:48,088 --> 00:31:51,788 そんな姉御… 見たくねえぜ。 478 00:31:53,894 --> 00:31:58,094 いいから お前は さっさと あの渡世人を始末しておいで。 479 00:31:59,766 --> 00:32:01,766 (伝蔵)クソッ! 480 00:32:07,407 --> 00:32:10,911 ケッ やってられるか。 481 00:32:10,911 --> 00:32:14,248 洋二郎の野郎 亭主面しやがってよ。 482 00:32:14,248 --> 00:32:16,183 姉御も姉御だ。 483 00:32:16,183 --> 00:32:19,119 いいじゃねえか 相手は大黒屋だぜ? 484 00:32:19,119 --> 00:32:22,589 そうだよ。 千両箱の1つや2つ もらえるんだろ? 485 00:32:22,589 --> 00:32:25,492 文太郎をやったのは この俺だ。 486 00:32:25,492 --> 00:32:30,764 おまけに姉御までくれてやるんだ。 1万両は もらわねえとな。 487 00:32:30,764 --> 00:32:34,635 それだけ聞けば 十分だ! 488 00:32:34,635 --> 00:32:36,570 神妙にしやがれ! 489 00:32:36,570 --> 00:32:39,373 クソ…。 クソ~! 490 00:32:39,373 --> 00:32:58,873 ♬~ 491 00:33:01,395 --> 00:33:03,395 (襖が開く音) 492 00:33:05,065 --> 00:33:07,100 何だい!? おめえら。 (筧)やかましい! 493 00:33:07,100 --> 00:33:10,404 大黒屋文太郎殺しで召し捕る。 神妙にしやがれ! 494 00:33:10,404 --> 00:33:12,704 んっ… うっ! 495 00:33:15,075 --> 00:33:17,978 んっ! ん~! 496 00:33:17,978 --> 00:33:19,947 あ~ 痛い痛い 痛い痛い 痛い痛い! 497 00:33:19,947 --> 00:33:21,949 神妙にしろ! 498 00:33:21,949 --> 00:33:25,085 おとなしくしろ! 放せ! 499 00:33:25,085 --> 00:33:27,020 (太鼓の音) 500 00:33:27,020 --> 00:33:32,693 掏摸の もん。 大黒屋庶子 洋二郎。 501 00:33:32,693 --> 00:33:37,864 その方ら 大黒屋跡取り 文太郎を 亡き者にし➡ 502 00:33:37,864 --> 00:33:42,703 そこに控えし渡世人に その罪を着せようとした事➡ 503 00:33:42,703 --> 00:33:45,205 もはや 明白である。 504 00:33:45,205 --> 00:33:51,011 恐れながら 私にゃ 全く 身に 覚えがないんでございますがね。 505 00:33:51,011 --> 00:33:53,380 身に覚えがないと? ええ。 506 00:33:53,380 --> 00:33:55,882 それが いきなり お役人が踏み込んできて➡ 507 00:33:55,882 --> 00:33:59,553 「お前らは人殺しだ」なんて あんまりでございます。 508 00:33:59,553 --> 00:34:02,553 では これは どうじゃ? 509 00:34:14,401 --> 00:34:19,072 お前の手下の伝蔵が 全て 白状しておるぞ。 510 00:34:19,072 --> 00:34:23,372 どうじゃ? おもん 洋二郎。 511 00:34:25,412 --> 00:34:27,347 も… 申し訳…。 512 00:34:27,347 --> 00:34:29,282 そんな男 存じませんねえ。 513 00:34:29,282 --> 00:34:31,685 見た事も 聞いた事も ございませんよ。 514 00:34:31,685 --> 00:34:33,620 姉御…。 とにかく お奉行様➡ 515 00:34:33,620 --> 00:34:35,555 私には 関わりのない事。 516 00:34:35,555 --> 00:34:38,191 早く お解き放ちに してもらえませんかね。 517 00:34:38,191 --> 00:34:42,696 お前を解き放ってしまえば まことの下手人は どこにおる? 518 00:34:42,696 --> 00:34:47,534 それは この男でしょう? はあ? 姉御 そりゃねえよ! 519 00:34:47,534 --> 00:34:49,569 俺 姉御の言ったとおり やったのに…。 520 00:34:49,569 --> 00:34:54,207 伝蔵が下手人なら お前も一味となるぞ。 521 00:34:54,207 --> 00:34:57,878 伝蔵は そう証言しておるのだ。 522 00:34:57,878 --> 00:35:01,748 だったら この巳之吉とかいう 渡世人だ。 523 00:35:01,748 --> 00:35:05,385 とにかく 私たちにゃ 関わりはございません。 524 00:35:05,385 --> 00:35:09,222 ほう… おもん その方➡ 525 00:35:09,222 --> 00:35:13,060 その男が巳之吉と どうして知っておる? 526 00:35:13,060 --> 00:35:16,730 えっ? 奉行は この白洲において➡ 527 00:35:16,730 --> 00:35:22,602 そこな男が巳之吉とは 一度も申してはおらぬ。 528 00:35:22,602 --> 00:35:27,074 お前が その男を巳之吉と 知っておるのは➡ 529 00:35:27,074 --> 00:35:30,110 巳之吉の懐から➡ 530 00:35:30,110 --> 00:35:34,181 臍の緒書きを 掏ったからであろう。 531 00:35:34,181 --> 00:35:37,017 おっしゃるとおりにございます。 532 00:35:37,017 --> 00:35:41,688 おもんさん もういけないよ。 533 00:35:41,688 --> 00:35:44,024 姉御…。 534 00:35:44,024 --> 00:35:47,060 そして おもん 伝蔵➡ 535 00:35:47,060 --> 00:35:52,532 お前たちが巳之吉を襲った際 加勢した侍は➡ 536 00:35:52,532 --> 00:35:55,032 この奉行であるぞ。 537 00:35:56,703 --> 00:36:00,574 巳之吉 斬るなよ。 合点だ。 538 00:36:00,574 --> 00:36:07,714 ハッ… 鳥打ちの おもん様も 年貢の納め時か。 539 00:36:07,714 --> 00:36:10,383 恐れ入りましたよ。 540 00:36:10,383 --> 00:36:15,722 一同 重き罰が下るものと 覚悟するがよい。 541 00:36:15,722 --> 00:36:18,391 引っ立てい。 はっ。 542 00:36:18,391 --> 00:36:20,391 それ! 543 00:36:27,067 --> 00:36:29,569 巳之吉。 へい。 544 00:36:29,569 --> 00:36:32,339 続いては その方だ。 545 00:36:32,339 --> 00:36:35,639 大岡 妙 出ませい。 546 00:36:47,354 --> 00:36:50,390 さて 巳之吉。 あっ… へい。 547 00:36:50,390 --> 00:36:55,529 そちが 自らを 奉行の弟と名乗りし件だが…。 548 00:36:55,529 --> 00:36:57,729 お待ち下さいまし。 549 00:37:04,704 --> 00:37:07,607 その一件は私が…。 550 00:37:07,607 --> 00:37:10,577 妙 巳之吉も➡ 551 00:37:10,577 --> 00:37:13,277 2人に会わせたい者がおる。 552 00:37:25,091 --> 00:37:27,894 名を名乗るがよい。 553 00:37:27,894 --> 00:37:29,829 はい。 554 00:37:29,829 --> 00:37:33,166 佐倉の百姓の 次郎太と申します。 555 00:37:33,166 --> 00:37:38,004 うむ。 そこな巳之吉を知りおるか? 556 00:37:38,004 --> 00:37:39,940 はい。 557 00:37:39,940 --> 00:37:43,140 私の兄でございます。 558 00:37:45,879 --> 00:37:51,351 さて 次郎太 お前は まことに巳之吉の弟なのだな? 559 00:37:51,351 --> 00:37:57,224 はい。 兄さんがいなくなったあと おっ母さんに聞きました。 560 00:37:57,224 --> 00:38:02,529 まだ4つでしたけど はっきり覚えています。 561 00:38:02,529 --> 00:38:07,329 おっ母さん… 兄ちゃんは よその子だったの? 562 00:38:09,035 --> 00:38:13,373 本当の兄ちゃんだよ。 563 00:38:13,373 --> 00:38:15,875 本当の兄ちゃんだよ…。 564 00:38:15,875 --> 00:38:18,211 次郎太…。 565 00:38:18,211 --> 00:38:21,715 あのころは 親戚も貧しくて➡ 566 00:38:21,715 --> 00:38:25,585 おっ母さんが死んだあと 4つの私は引き取っても➡ 567 00:38:25,585 --> 00:38:29,222 6つの兄は どこかへ奉公に出す事になって➡ 568 00:38:29,222 --> 00:38:32,659 その時 兄が➡ 569 00:38:32,659 --> 00:38:36,329 母に捨てられたと思って 傷つかないように➡ 570 00:38:36,329 --> 00:38:41,201 そのお方こそが本当の母だと 嘘をついたと。 571 00:38:41,201 --> 00:38:43,701 幸せになるんだよ…。 572 00:38:45,505 --> 00:38:48,541 おっ母さん…。 573 00:38:48,541 --> 00:38:53,179 さて 妙。 はい。 574 00:38:53,179 --> 00:39:00,353 巳之吉は おせつの子であった。 だが その方は 我が子と偽った。 575 00:39:00,353 --> 00:39:02,289 それは なぜだ? 576 00:39:02,289 --> 00:39:05,225 はい。 577 00:39:05,225 --> 00:39:08,862 養子に出したと聞いていた 巳之吉が➡ 578 00:39:08,862 --> 00:39:12,365 渡世人になって現れました。 579 00:39:12,365 --> 00:39:16,870 一体 何があったのか それを聞くまでは➡ 580 00:39:16,870 --> 00:39:20,707 話を合わせようと思ったのです。 581 00:39:20,707 --> 00:39:27,213 聞けば… とんでもない苦労を しておりました。 582 00:39:27,213 --> 00:39:33,320 この子を私に託しながら 死んでいった おせっちゃんに➡ 583 00:39:33,320 --> 00:39:37,657 どう言って 詫びればいいのか…。 584 00:39:37,657 --> 00:39:43,530 この子は 親子の真似事がしたいと 申しました。 585 00:39:43,530 --> 00:39:48,835 だったら 少しの間だけでも おっ母さんになってあげよう。 586 00:39:48,835 --> 00:39:53,006 そう思ったのです。 587 00:39:53,006 --> 00:39:57,306 巳之吉 許して下さいね。 588 00:40:02,682 --> 00:40:05,352 次郎太。 589 00:40:05,352 --> 00:40:07,287 兄に言う事があるか? 590 00:40:07,287 --> 00:40:09,856 はい。 591 00:40:09,856 --> 00:40:13,727 兄さん うちは 今 蚕を飼いだして➡ 592 00:40:13,727 --> 00:40:16,730 猫の手も借りたいほどなんだ。 593 00:40:16,730 --> 00:40:20,200 佐倉に戻って 手伝ってくれないか? 594 00:40:20,200 --> 00:40:22,135 次郎太…。 595 00:40:22,135 --> 00:40:26,005 巳之吉 やり直すのだ。 596 00:40:26,005 --> 00:40:33,213 失われた26年を 次郎太と共に… な。 597 00:40:33,213 --> 00:40:36,549 できるでしょうか? 今更 俺に…。 598 00:40:36,549 --> 00:40:41,049 できるとも。 お前なら きっと。 599 00:40:42,889 --> 00:40:48,695 何かあったら 訪ねてくるのですよ。 600 00:40:48,695 --> 00:40:53,895 私は お前の 江戸のおっ母さんなんですから。 601 00:40:58,371 --> 00:41:02,071 はい。 おっ母さん。 602 00:41:03,910 --> 00:41:06,579 巳之吉 近う。 603 00:41:06,579 --> 00:41:09,379 へ… へい。 604 00:41:15,755 --> 00:41:19,955 私も 江戸の兄だぞ。 605 00:41:23,630 --> 00:41:25,765 はい! 606 00:41:25,765 --> 00:41:39,312 ♬~ 607 00:41:39,312 --> 00:41:43,612 本日の白洲 これまで。 608 00:41:47,053 --> 00:41:51,391 今頃 巳之吉は どの辺りでしょうね? 609 00:41:51,391 --> 00:42:00,567 ♬~ 610 00:42:00,567 --> 00:42:05,905 ばあさん 巳之吉は はなから おせつの子だと知ってたのに➡ 611 00:42:05,905 --> 00:42:07,841 どうして 嘘ついたんだ? 612 00:42:07,841 --> 00:42:14,414 だって… あなたに 隠し子がいるなら 私にだって。 613 00:42:14,414 --> 00:42:17,250 少しは懲らしめてあげようと 思いまして。 614 00:42:17,250 --> 00:42:22,050 女は… 怖えな。 615 00:42:23,756 --> 00:42:26,793 あの臍の緒書きには 母上の名が書いてありましたが。 616 00:42:26,793 --> 00:42:28,928 あっ… あれは何なんだ? 617 00:42:28,928 --> 00:42:33,700 私が名付け親なんです。 だから。 618 00:42:33,700 --> 00:42:35,735 そういう事か。 619 00:42:35,735 --> 00:42:45,211 ♬~ 620 00:42:45,211 --> 00:42:48,248 <親の縁に恵まれぬ➡ 621 00:42:48,248 --> 00:42:53,386 雛にも 江戸の母鳥と 兄鳥までが あたたかく➡ 622 00:42:53,386 --> 00:42:56,890 包んで おさめる 大岡裁き。➡ 623 00:42:56,890 --> 00:43:02,590 家族の絆に 深くうなずく 忠相であった>