1 00:00:33,238 --> 00:00:37,976 (与力)次 三河町 為吉。 (為吉)へい。 2 00:00:37,976 --> 00:00:47,652 ♬~ 3 00:00:47,652 --> 00:00:49,652 お前さん! 4 00:00:51,489 --> 00:00:53,424 おみつ…。 5 00:00:53,424 --> 00:00:55,360 お父つあん…。 6 00:00:55,360 --> 00:01:10,341 ♬~ 7 00:01:10,341 --> 00:01:12,277 (捕方)おっ! 8 00:01:12,277 --> 00:01:20,018 ♬~ 9 00:01:20,018 --> 00:01:22,921 いいお顔だちなさってるわね➡ 10 00:01:22,921 --> 00:01:25,690 雪絵さんの雛人形。 11 00:01:25,690 --> 00:01:30,361 今年は どうしようか 迷ったんですけど…。 12 00:01:30,361 --> 00:01:32,797 せっかくのお雛様➡ 13 00:01:32,797 --> 00:01:36,301 しまいっ放しにして どうするんです。 14 00:01:36,301 --> 00:01:38,636 赤ちゃんが生まれるんですから➡ 15 00:01:38,636 --> 00:01:41,673 あなたの身を しっかり守って頂かなくちゃ。 16 00:01:41,673 --> 00:01:44,309 旦那様がご心配なさるんです。 17 00:01:44,309 --> 00:01:46,244 奥様が何をなさるのにも➡ 18 00:01:46,244 --> 00:01:48,813 「無理するな 無理するな」って おっしゃって。 19 00:01:48,813 --> 00:01:51,316 ほ~う。 婿殿が。 20 00:01:51,316 --> 00:01:53,251 はい。 21 00:01:53,251 --> 00:01:58,489 さすがの忠相もな こうなりゃ 慌てふためくばかりよ。 22 00:01:58,489 --> 00:02:01,159 私が どうか致しましたか? 23 00:02:01,159 --> 00:02:03,828 おっ… ホホホホ。 雪絵。 24 00:02:03,828 --> 00:02:07,665 無理はしないで 雛飾りは 母上とお花に任せておきなさい。 25 00:02:07,665 --> 00:02:10,702 ほらね。 (笑い声) 26 00:02:10,702 --> 00:02:13,338 赤ちゃんは きっと女の子ですよ。 27 00:02:13,338 --> 00:02:17,842 来年の初節句には 新しいお雛様を そろえなくてはね。 28 00:02:17,842 --> 00:02:19,777 おっ 忠高➡ 29 00:02:19,777 --> 00:02:23,715 こいつに負けねえくれえのやつを 買ってやってくれ。 30 00:02:23,715 --> 00:02:25,717 俺が? 31 00:02:25,717 --> 00:02:28,853 ああいうものは そっちが そろえるもんだろう。 32 00:02:28,853 --> 00:02:30,788 誰が決めたんだ? 33 00:02:30,788 --> 00:02:35,126 大体な お前も勝手に 女の子と決めつけてやがるが➡ 34 00:02:35,126 --> 00:02:40,465 雪絵さんの顔を見てみろ。 近頃 きつくなったと思わねえか? 35 00:02:40,465 --> 00:02:43,301 まあ。 えっ? 36 00:02:43,301 --> 00:02:48,172 あら! 私は 優しくなってきたと思いますよ。 37 00:02:48,172 --> 00:02:50,641 (忠高)赤ん坊は男の子。 38 00:02:50,641 --> 00:02:53,544 大岡家の跡取り息子に 決まってるじゃねえか。 39 00:02:53,544 --> 00:02:57,515 ハハハ。 どっちにしたって かわいい初孫だ。➡ 40 00:02:57,515 --> 00:03:00,351 いいじゃねえか 男でも女でも。 41 00:03:00,351 --> 00:03:02,353 王手! 42 00:03:02,353 --> 00:03:04,655 ちょちょ ちょちょ ちょちょ ちょちょ ちょちょちょ!➡ 43 00:03:04,655 --> 00:03:08,355 待った 待った 待った 待った! (作左ヱ門)いや 待たん。 44 00:03:11,829 --> 00:04:18,496 ♬~ 45 00:04:18,496 --> 00:04:25,996 ♬~ 46 00:04:27,672 --> 00:04:31,275 ≪甘酒いかがですか~? きれいね。 47 00:04:31,275 --> 00:04:34,312 (子吉)よかったっすねぇ 今年も無事に 雛市が立って。 48 00:04:34,312 --> 00:04:36,447 (辰三)ようやっと 不知火の喜三郎一味が➡ 49 00:04:36,447 --> 00:04:39,350 お縄になったからなぁ。 ヘッ どうでえ➡ 50 00:04:39,350 --> 00:04:41,619 みんな ほっとした顔してるじゃねえか。 51 00:04:41,619 --> 00:04:46,290 まだ どこぞに 残党が潜んでいるやもしれん。 52 00:04:46,290 --> 00:04:48,326 気を抜くなよ。 あっ でも➡ 53 00:04:48,326 --> 00:04:51,462 頭から下っ端まで 一匹残らず退治したんですよね? 54 00:04:51,462 --> 00:04:54,298 ところがどっこい 勘定が合わねえんだよ。 55 00:04:54,298 --> 00:04:56,634 勘定ってえと? やつらが とっ捕まる➡ 56 00:04:56,634 --> 00:05:00,138 ちょいと前 薬種問屋から盗んだ金が2, 000両。 57 00:05:00,138 --> 00:05:04,475 子分どもへ配った分も含めて 見つかったのが ざっと 1, 500。 58 00:05:04,475 --> 00:05:06,410 あ~ するてえと 差し引き…? 59 00:05:06,410 --> 00:05:08,346 500両。 60 00:05:08,346 --> 00:05:10,348 使っちまったって事は ねえでしょうか? 61 00:05:10,348 --> 00:05:13,151 色街で総揚げでもして パ~ッと500両。 62 00:05:13,151 --> 00:05:16,053 いや しかし 誰かが 喜三郎から隠し金を預かって➡ 63 00:05:16,053 --> 00:05:18,956 逃げてるという事も。 ≪ありがとう! 64 00:05:18,956 --> 00:05:22,860 大事にするんだよ。 よかったね フフフフ。 65 00:05:22,860 --> 00:05:25,160 [ 回想 ] (おみつ)お父つあん…。 66 00:05:27,165 --> 00:05:29,500 旦那? どうしなすったんで? 67 00:05:29,500 --> 00:05:34,000 あっ… いや 何でもない。 68 00:05:36,607 --> 00:05:38,543 (店主)出てけ この野郎! 69 00:05:38,543 --> 00:05:42,413 (惣太)あっ… 何しやがる! おいら 客だぞ!? 70 00:05:42,413 --> 00:05:45,616 からっけつ野郎は客じゃねえや! 飲みたかったらな➡ 71 00:05:45,616 --> 00:05:48,519 たまってるツケを 片づけてからにしろ。 72 00:05:48,519 --> 00:05:50,955 頼むよ 大将。 なっ? もう一杯…。 73 00:05:50,955 --> 00:05:52,890 うるせえ!➡ 74 00:05:52,890 --> 00:05:55,590 おととい来やがれってんだ! 75 00:05:57,828 --> 00:06:00,631 バカにしやがって! 76 00:06:00,631 --> 00:06:04,302 払ってやろうじゃねえか! ツケぐらい! 77 00:06:04,302 --> 00:06:06,802 あの野郎…。 78 00:06:08,472 --> 00:06:10,972 あれ? …えっ? 79 00:06:13,311 --> 00:06:16,214 (おたね)ああ お帰り お前さん。 80 00:06:16,214 --> 00:06:21,185 これ お前さんに どうかと思って。 フフッ。 81 00:06:21,185 --> 00:06:24,322 おめえ… あれをどうしたんでえ? 82 00:06:24,322 --> 00:06:26,991 いい柄だろう? きっと お前さんに…。 83 00:06:26,991 --> 00:06:31,829 雛人形だよ! 後生大事に そこに飾ってあった雛人形➡ 84 00:06:31,829 --> 00:06:34,129 どこにやったって聞いてるんだ! 85 00:06:37,935 --> 00:06:41,806 今まで すまなかったね。 86 00:06:41,806 --> 00:06:43,808 あんたの言うとおり➡ 87 00:06:43,808 --> 00:06:46,944 いつまでも めそめそしてたって しょうがない。 88 00:06:46,944 --> 00:06:51,816 どんなに泣いたって あの子は もう帰ってきやしないんだから。 89 00:06:51,816 --> 00:06:55,953 何を言いだすんだい 藪から棒に。 90 00:06:55,953 --> 00:06:59,457 ちょうど雛市が立って いいシオだ。 91 00:06:59,457 --> 00:07:02,960 思い切って 手放す事にしたんだよ。 92 00:07:02,960 --> 00:07:08,132 手放すって… まさか! 93 00:07:08,132 --> 00:07:11,932 売っ払っちまったのか!? あの雛人形を! 94 00:07:13,938 --> 00:07:16,807 (新三郎)大きく息を吸って…。 95 00:07:16,807 --> 00:07:19,644 吐いて。 96 00:07:19,644 --> 00:07:22,680 うん! すっかり よくなった。 97 00:07:22,680 --> 00:07:25,816 今日からは もう 苦いお薬をのまなくてもいいぞ。 98 00:07:25,816 --> 00:07:28,653 本当? ああ。 99 00:07:28,653 --> 00:07:32,523 先生には 何て お礼を申し上げたらいいか…。 100 00:07:32,523 --> 00:07:37,094 おみつ坊の事は 村上の旦那から よくよく頼まれているからな。 101 00:07:37,094 --> 00:07:39,030 村上様が…? 102 00:07:39,030 --> 00:07:42,967 あのおじちゃんが お父つあんを 連れていったんでしょ? 103 00:07:42,967 --> 00:07:45,167 (捕方)おっ! 104 00:07:48,806 --> 00:07:52,109 これ! おみつ。 105 00:07:52,109 --> 00:07:55,946 この子は まだ 何も分かってないもんで。 106 00:07:55,946 --> 00:07:58,983 おじちゃん おみっちゃんの事 心配してた。 107 00:07:58,983 --> 00:08:02,286 きっと あの子を 治してやってくれって。 108 00:08:02,286 --> 00:08:05,623 ねっ? 先生。 うん! 109 00:08:05,623 --> 00:08:08,292 もったいない事を…。 110 00:08:08,292 --> 00:08:11,329 亭主が お上に背くようなまねを したっていうのに。 111 00:08:11,329 --> 00:08:15,800 だからって おみつ坊に何の罪がある? 112 00:08:15,800 --> 00:08:20,471 お奉行様が言ってたよ。 この養生所の事を➡ 113 00:08:20,471 --> 00:08:23,140 もっと 世の中に 知らしめなきゃいけねえとな。 114 00:08:23,140 --> 00:08:25,976 為吉だって ここを知ってりゃ➡ 115 00:08:25,976 --> 00:08:29,313 盗っ人に手を貸す事も なかったはずだ。 116 00:08:29,313 --> 00:08:31,582 おあしの事なんぞ気にせずに➡ 117 00:08:31,582 --> 00:08:34,485 おみつ坊に 療治を 受けさせてやる事ができたんだ。 118 00:08:34,485 --> 00:08:38,456 先生…。 もう来なくていいの? 119 00:08:38,456 --> 00:08:41,258 たまには 遊びに来てちょうだいね。 120 00:08:41,258 --> 00:08:44,762 ああ。 おみつ坊が 顔を見せてくれねえと➡ 121 00:08:44,762 --> 00:08:47,264 先生 寂しくなっちまうからな。 122 00:08:47,264 --> 00:08:49,600 うん! じゃあ また来てあげる。 123 00:08:49,600 --> 00:08:53,270 ハハハ うれしいね。 ハハハ…。 あっ フフフ… ねっ。 124 00:08:53,270 --> 00:08:55,970 (笑い声) 125 00:08:57,608 --> 00:08:59,608 こんにちは! 126 00:09:02,480 --> 00:09:04,480 おみつ。 127 00:09:07,118 --> 00:09:11,288 あの… おしまさんっていうのは あんたかい? 128 00:09:11,288 --> 00:09:13,324 ええ。 あっ…。 129 00:09:13,324 --> 00:09:15,324 これを。 130 00:09:17,962 --> 00:09:20,631 (おしま)まあ お雛様! 131 00:09:20,631 --> 00:09:22,566 きれ~い! 132 00:09:22,566 --> 00:09:25,302 (おしま)「節句祝」…。 133 00:09:25,302 --> 00:09:30,808 村上様… おみつのために こんなお心遣いまで。 134 00:09:30,808 --> 00:09:32,743 おじちゃんが くれたの? 135 00:09:32,743 --> 00:09:36,247 ああ。 ありがたく 飾らせて頂こう。 136 00:09:36,247 --> 00:09:38,247 うん! 137 00:09:41,419 --> 00:09:44,619 確か この辺だったはず…。 138 00:09:52,062 --> 00:09:55,762 お雛様に お菓子をあげましょうね。 139 00:09:57,435 --> 00:09:59,635 あった! 140 00:10:01,772 --> 00:10:06,644 嬢ちゃん… ちょいと その人形 見せてくれ。 141 00:10:06,644 --> 00:10:10,444 ちょっとでいいんだ。 そうすりゃ すぐに返すから。 142 00:10:12,483 --> 00:10:14,952 借りるだけって言ってるだろ? 143 00:10:14,952 --> 00:10:18,456 こっちへ よこしな。 144 00:10:18,456 --> 00:10:20,391 よし…。 145 00:10:20,391 --> 00:10:22,793 ちょっ…。 きれいにしてあげるからね。 146 00:10:22,793 --> 00:10:25,296 おっ母さん おっ母さん! 147 00:10:25,296 --> 00:10:27,231 ん~! あっ…。 148 00:10:27,231 --> 00:10:29,633 おみつに何するんです! あ… 違うんだよ。 149 00:10:29,633 --> 00:10:32,136 おいら この雛人形に 用があって…。 あたいのお雛様! 150 00:10:32,136 --> 00:10:34,171 助けて下さい! 誰か来て! 151 00:10:34,171 --> 00:10:37,007 ちょっ…! あっ! 152 00:10:37,007 --> 00:10:40,010 おいおい どうした~! 何の騒ぎでえ? 153 00:10:40,010 --> 00:10:43,510 おい 誰か~! 役人 呼んでくれ! 154 00:10:49,987 --> 00:10:53,491 雛人形に小判を隠した? 155 00:10:53,491 --> 00:10:58,162 そいつを知らねえで 女房のやつが 勝手に売っ払っちまって…。 156 00:10:58,162 --> 00:11:00,197 おったまげて 雛市へ すっ飛んだら➡ 157 00:11:00,197 --> 00:11:04,935 もう売れちまったって言うんで あの親子の住まいを聞き出して➡ 158 00:11:04,935 --> 00:11:07,505 とにかく 金だけ取り返そうと…。 159 00:11:07,505 --> 00:11:09,440 (片瀬)小判で3両といやあ➡ 160 00:11:09,440 --> 00:11:12,676 めったに お目にかかれない大金だ。 161 00:11:12,676 --> 00:11:14,712 どうやって手に入れた? 162 00:11:14,712 --> 00:11:17,348 それは…。 163 00:11:17,348 --> 00:11:21,218 言えねえところを見ると まっとうな金じゃなさそうだな。 164 00:11:21,218 --> 00:11:24,688 だから 女房にも 隠していたんだろう! 165 00:11:24,688 --> 00:11:26,624 あっ 村上の旦那。 166 00:11:26,624 --> 00:11:30,861 せっかく 旦那が買ってやった 雛人形が とんだ事に。 167 00:11:30,861 --> 00:11:33,764 旦那が!? 168 00:11:33,764 --> 00:11:36,967 この雛はな こちらの旦那が 見繕って➡ 169 00:11:36,967 --> 00:11:39,470 あの親子に届けさせたんだ。 170 00:11:39,470 --> 00:11:41,470 え~!? 171 00:11:43,641 --> 00:11:45,576 (筧)さては博打だな? 172 00:11:45,576 --> 00:11:49,313 それとも どこかから くすねてきたか? 173 00:11:49,313 --> 00:11:52,349 めっそうもねえ! 拾ったんです 道端で。 174 00:11:52,349 --> 00:11:55,185 てめえ! 出任せ言ったら ただじゃおかねえぞ! 175 00:11:55,185 --> 00:11:58,489 嘘じゃねえよ 本当の事なんだ…。 176 00:11:58,489 --> 00:12:02,326 いつの話だ? どこで拾った!? 177 00:12:02,326 --> 00:12:04,995 一月ばかり前➡ 178 00:12:04,995 --> 00:12:08,666 お稲荷さんの祠の前で…。 179 00:12:08,666 --> 00:12:11,702 どうせ おいらは甲斐性なしさ~。 180 00:12:11,702 --> 00:12:14,338 酒でも飲まなきゃ やってらんねえ…。 181 00:12:14,338 --> 00:12:19,138 あ~ クッソ~! 182 00:12:25,683 --> 00:12:28,983 小判だ! ああ…! 183 00:12:36,627 --> 00:12:39,964 (惣太)ここぞってとこで使おうと 思って➡ 184 00:12:39,964 --> 00:12:44,635 女房が大事にしている雛人形に…。 185 00:12:44,635 --> 00:13:03,988 ♬~ 186 00:13:03,988 --> 00:13:08,859 一月前といやあ まだ小正月の頃だ。 187 00:13:08,859 --> 00:13:12,496 また随分と早いうちから 雛人形を出したもんだな。 188 00:13:12,496 --> 00:13:17,368 あっ いや… そういう訳じゃ…。 189 00:13:17,368 --> 00:13:20,004 とにかく 盗んだもんじゃねえんです! 190 00:13:20,004 --> 00:13:22,339 堪忍して下せえ! 191 00:13:22,339 --> 00:13:25,843 拾ったもんを届けもしねえで 懐に入れちまえば➡ 192 00:13:25,843 --> 00:13:29,346 盗んだも同じなんだよ。 んっ? 193 00:13:29,346 --> 00:13:31,646 そんな~…。 194 00:13:37,454 --> 00:13:40,357 (立花)「ひな人形を壊した 男之名ハ 惣太。➡ 195 00:13:40,357 --> 00:13:44,157 しばし 番屋に留め置き候」っと。 196 00:13:46,163 --> 00:13:51,301 そうか 源さん 為吉の娘に 雛人形をな…。 197 00:13:51,301 --> 00:13:53,237 はい。 198 00:13:53,237 --> 00:13:55,172 ふびんで 見ていられなかったんですよね➡ 199 00:13:55,172 --> 00:13:57,174 村上さんは。 200 00:13:57,174 --> 00:14:02,479 残された女房と とりわけ… 幼い娘が。 201 00:14:02,479 --> 00:14:04,815 いかにも源さんらしい。 202 00:14:04,815 --> 00:14:06,750 あっ…。 203 00:14:06,750 --> 00:14:10,688 為吉の野郎は 大工仕事で知った 大店の間取りを➡ 204 00:14:10,688 --> 00:14:14,491 不知火一味に漏らしてた。 それも これも➡ 205 00:14:14,491 --> 00:14:18,662 胸を患った娘のためだった っていうんだから…。 206 00:14:18,662 --> 00:14:20,597 やつらを捕らえられたのは➡ 207 00:14:20,597 --> 00:14:25,169 村上さんが 為吉を説き伏せて 口を割らせたおかげです。 208 00:14:25,169 --> 00:14:27,104 (一同)御用だ! 209 00:14:27,104 --> 00:14:29,104 野郎! だ~っ! 210 00:14:37,281 --> 00:14:39,216 うう… クソッ! 211 00:14:39,216 --> 00:14:41,151 うわっ! うう…。 212 00:14:41,151 --> 00:14:43,787 不知火の喜三郎 御用だ! 213 00:14:43,787 --> 00:14:45,723 うるせえ! 放せ! 214 00:14:45,723 --> 00:14:48,625 一味の者たちは ことごとく死罪という事に。 215 00:14:48,625 --> 00:14:53,964 なれど 若は子細をくみ取って 為吉に限り ご温情を。 216 00:14:53,964 --> 00:14:59,770 罪一等を減じる 遠島のお裁き 感服致しました。 217 00:14:59,770 --> 00:15:02,639 生きていれば いつかまた➡ 218 00:15:02,639 --> 00:15:06,977 女房や娘に 会えるやもしれぬゆえな。 219 00:15:06,977 --> 00:15:08,912 はい。 220 00:15:08,912 --> 00:15:12,783 ところで その惣太という男 生業は? 221 00:15:12,783 --> 00:15:14,852 何もせずに ふらふらと…。 222 00:15:14,852 --> 00:15:18,689 1年ほど前までは 芝・金杉辺りで➡ 223 00:15:18,689 --> 00:15:22,526 女房と一緒に 「たねや」って飯屋を やっていたそうですが。 224 00:15:22,526 --> 00:15:24,526 たねや? 225 00:15:26,997 --> 00:15:30,501 (立花)といっても 女房のおたねが 一人で切り盛りして➡ 226 00:15:30,501 --> 00:15:35,939 惣太は 客にお愛想を言うのが 関の山だったようで。 227 00:15:35,939 --> 00:15:38,139 (泣き声) よしよしよし…。 228 00:15:40,611 --> 00:15:43,514 惣太が小判を拾ったのは どこだと言った? 229 00:15:43,514 --> 00:15:45,949 随分 遠くまで飲み歩いたようで➡ 230 00:15:45,949 --> 00:15:48,852 三河町の 稲荷の祠の前だったと。 231 00:15:48,852 --> 00:15:50,852 三河町? 232 00:15:52,623 --> 00:15:55,959 それを聞いて 何か気付かぬか? 233 00:15:55,959 --> 00:15:59,296 あっ そうか! 不知火一味の隠れ家ですね。 234 00:15:59,296 --> 00:16:01,799 確かに あの祠の 目と鼻の先だ! 235 00:16:01,799 --> 00:16:04,701 では まさか 惣太が拾った3両の金は➡ 236 00:16:04,701 --> 00:16:07,137 不知火一味と関わりが? 237 00:16:07,137 --> 00:16:09,137 うむ…。 238 00:16:21,151 --> 00:16:23,151 (片瀬)ちょっと待て。 239 00:16:24,988 --> 00:16:27,788 お前さん この辺りの人かい? 240 00:16:29,660 --> 00:16:32,262 一月前の満月の晩➡ 241 00:16:32,262 --> 00:16:35,933 近くで誰か 金を落としたって話を 聞いていないか? 242 00:16:35,933 --> 00:16:38,268 (おのぶ)存じません。 243 00:16:38,268 --> 00:16:41,171 今日は たまたま 通りかかっただけで➡ 244 00:16:41,171 --> 00:16:44,171 ここいらの事は何にも。 245 00:16:47,945 --> 00:16:50,945 旦那! おう。 246 00:16:52,783 --> 00:16:55,285 おっしゃるとおり この裏道を通ると➡ 247 00:16:55,285 --> 00:17:00,157 あっという間に喜三郎の隠れ家へ 抜けられますぜ。 248 00:17:00,157 --> 00:17:03,794 惣太が拾った3両は やつらの隠し金かもしれん。 249 00:17:03,794 --> 00:17:05,729 えっ? あの3両が? 250 00:17:05,729 --> 00:17:09,132 消えた500両のうちの3両…。 251 00:17:09,132 --> 00:17:13,637 惣太が金を拾ったのは 俺たちが ここへ踏み込む前の晩。 252 00:17:13,637 --> 00:17:17,307 ほんの一日違いで うまい事 誰かが運び出したんだ。 253 00:17:17,307 --> 00:17:19,243 はずみで 落っことしたんでしょうか➡ 254 00:17:19,243 --> 00:17:21,178 3両だけ? そういう事になるな。 255 00:17:21,178 --> 00:17:23,180 あっしなら 何が何でも拾いやすがね。 256 00:17:23,180 --> 00:17:26,016 でも まだ497両残ってるし。 257 00:17:26,016 --> 00:17:28,018 それでも あっしなら拾いやす。 258 00:17:28,018 --> 00:17:31,154 じゃあ それだけ 慌ててたって事か…。 259 00:17:31,154 --> 00:17:34,057 いやいやいや どんなに 慌てたって あっしなら…。 260 00:17:34,057 --> 00:17:38,262 ひょっとすると 裏切り者の仕業かも。 261 00:17:38,262 --> 00:17:40,262 裏切り者? 262 00:17:49,273 --> 00:17:55,145 ♬~ 263 00:17:55,145 --> 00:17:59,283 (泣き声) 264 00:17:59,283 --> 00:18:28,812 ♬~ 265 00:18:28,812 --> 00:18:31,612 あっ お前さん!? 266 00:18:40,257 --> 00:18:42,592 あっ お侍様…。 267 00:18:42,592 --> 00:18:47,431 金杉町の店 閉めてしまったようだな。 268 00:18:47,431 --> 00:18:52,131 お前さんがこしらえる飯 もういっぺん 食べたかった。 269 00:18:53,937 --> 00:18:57,274 あなた様は! 270 00:18:57,274 --> 00:19:02,145 ふざけるな! こんなまずい飯に 金が払えるか! 271 00:19:02,145 --> 00:19:05,015 二度と来るか! 272 00:19:05,015 --> 00:19:08,285 だっ… うわっ。 何しやがんでえ! 273 00:19:08,285 --> 00:19:10,954 こんなに うまい飯を まずいと言うなら➡ 274 00:19:10,954 --> 00:19:13,290 お前さん 日頃 どんなものを食ってるんだい? 275 00:19:13,290 --> 00:19:15,290 何? 276 00:19:17,127 --> 00:19:19,162 あっ ああ…。 277 00:19:19,162 --> 00:19:21,631 す… すまねえ。 278 00:19:21,631 --> 00:19:24,668 払う… 払う。 このとおりだ。 279 00:19:24,668 --> 00:19:26,668 このとおりだ! 280 00:19:32,275 --> 00:19:34,277 覚えていてくれたのか。 281 00:19:34,277 --> 00:19:36,277 はい! 282 00:19:38,415 --> 00:19:42,285 亭主の帰りを待っているようだな。 283 00:19:42,285 --> 00:19:47,591 実を言うと ゆうべ 御用聞きの 親分さんから知らせがあって➡ 284 00:19:47,591 --> 00:19:52,091 うちの人 番屋へ連れてかれたって。 285 00:19:53,764 --> 00:19:55,699 盗んだ おあしを➡ 286 00:19:55,699 --> 00:19:59,569 うちにあった雛人形の下に 隠してたっていうんです。 287 00:19:59,569 --> 00:20:01,638 亭主も それを認めてるって。➡ 288 00:20:01,638 --> 00:20:04,408 あたしが それを知らずに➡ 289 00:20:04,408 --> 00:20:07,277 そのお雛様 売っちまったもんだから…。 290 00:20:07,277 --> 00:20:12,077 節句が近いというのに どうして 雛を手放したのだ? 291 00:20:14,151 --> 00:20:18,851 確か 赤子がいたな。 女の子だった。 292 00:20:22,459 --> 00:20:29,132 亡くしちまったんです その子を 1年前に。 293 00:20:29,132 --> 00:20:33,632 ちょうど 去年 お雛様の頃でした。 294 00:20:36,807 --> 00:20:39,309 おはるっていいましてね➡ 295 00:20:39,309 --> 00:20:43,480 弥生三日 桃のお節句の生まれで➡ 296 00:20:43,480 --> 00:20:46,383 3つになった時 ようやっと➡ 297 00:20:46,383 --> 00:20:49,986 小さなお雛様 買ってやれたんです。 298 00:20:49,986 --> 00:20:51,922 (おはる)お雛様。 299 00:20:51,922 --> 00:20:53,857 いいかい? おはる。 300 00:20:53,857 --> 00:20:56,159 このお雛様はね おっ母さんの働きで➡ 301 00:20:56,159 --> 00:20:58,095 買ってやれたんだからね。 302 00:20:58,095 --> 00:21:00,664 おいらだって 少しは手伝ったろ? 303 00:21:00,664 --> 00:21:03,166 いいんだよ。 あんたに 商売は向いてないって➡ 304 00:21:03,166 --> 00:21:06,203 分かってんだから。 そのかわり➡ 305 00:21:06,203 --> 00:21:09,506 おはるの面倒 ちゃんと見とくれよ。 306 00:21:09,506 --> 00:21:12,843 お父ちゃん。 おお… ハハッ。 307 00:21:12,843 --> 00:21:18,043 お父ちゃん 大好き。 そうか ハハハハ! 308 00:21:19,716 --> 00:21:21,716 なのに…。 309 00:21:32,195 --> 00:21:37,167 (男)桃の花を折ろうとして 足を踏み外したらしい。 310 00:21:37,167 --> 00:21:39,636 (おたね)どいて… どいて! 311 00:21:39,636 --> 00:21:42,539 あっ ああ…。 312 00:21:42,539 --> 00:21:46,539 おはる! おはる~! 313 00:21:52,215 --> 00:21:57,215 それっきり あたしは 抜け殻みたいになっちまって…。 314 00:22:05,495 --> 00:22:08,398 いい加減 片づけねえか? 315 00:22:08,398 --> 00:22:11,368 いつまで そうやってたって 切りねえだろう。 316 00:22:11,368 --> 00:22:14,204 悪いのは亭主じゃない。 317 00:22:14,204 --> 00:22:17,841 商売 商売って おはるを任せっきりにした➡ 318 00:22:17,841 --> 00:22:20,677 この あたしなんですよ。 319 00:22:20,677 --> 00:22:26,377 悲しみを乗り越えるには それだけの時がいる。 320 00:22:28,552 --> 00:22:34,052 悲しみが大きければ大きいほど 月日が かかる。 321 00:22:36,793 --> 00:22:42,299 せんだって 聞こえた気がしたんです。 322 00:22:42,299 --> 00:22:44,801 おはるの声が。 323 00:22:44,801 --> 00:22:48,972 [ 回想 ] (おはる)お父ちゃん おっ母ちゃん。 324 00:22:48,972 --> 00:22:51,641 「おっ母ちゃん➡ 325 00:22:51,641 --> 00:22:55,341 お父ちゃんを 大事にしてあげてね」って。 326 00:22:57,447 --> 00:23:01,318 それで 雛を手放す事に…。 327 00:23:01,318 --> 00:23:05,989 どうして もっと早く 気付いてやれなかったんだろう…。 328 00:23:05,989 --> 00:23:09,659 あの人だって あたし以上に➡ 329 00:23:09,659 --> 00:23:13,163 つらい1年 過ごしてきたって事に…。 330 00:23:13,163 --> 00:23:39,289 ♬~ 331 00:23:39,289 --> 00:23:41,625 ほう…。 332 00:23:41,625 --> 00:23:53,136 ♬~ 333 00:23:53,136 --> 00:23:55,636 美しいな。 334 00:23:57,641 --> 00:23:59,676 お雛様が美しいのは➡ 335 00:23:59,676 --> 00:24:03,513 優しい思いが込められているから でございましょうね。 336 00:24:03,513 --> 00:24:06,316 優しい思い? 337 00:24:06,316 --> 00:24:11,488 父と母 それに おじい様や おばあ様。 338 00:24:11,488 --> 00:24:14,824 私の幸せを願って下さる お心が➡ 339 00:24:14,824 --> 00:24:19,496 お雛様の姿に そのまま 映っているように思えるんです。 340 00:24:19,496 --> 00:24:24,796 親にとって 我が子とは どれほど いとおしいものか…。 341 00:24:28,838 --> 00:24:34,444 まこと 命とは尊いものだな 雪絵。 342 00:24:34,444 --> 00:24:36,644 はい。 343 00:24:41,318 --> 00:24:46,156 (犬の鳴き声) 344 00:24:46,156 --> 00:24:50,460 飲んでおくれよ あたしのお酒。 うるせえな。 345 00:24:50,460 --> 00:24:53,960 取って食やあしないからさ。 346 00:24:56,266 --> 00:25:01,104 ほんの半刻 手 貸してくれりゃいいんだよ。 347 00:25:01,104 --> 00:25:06,643 頼みを聞いてくれたら お礼は たっぷりと…。 348 00:25:06,643 --> 00:25:09,546 うるせえな! おやじ。 へい。 349 00:25:09,546 --> 00:25:12,315 何ですか? あの女。 男と見りゃ 手当たりしだいに。 350 00:25:12,315 --> 00:25:14,250 おめえ ちょいと行って ゴチになってこいよ。 351 00:25:14,250 --> 00:25:16,653 嫌ですよ おっかねえ。 叔父… 叔父さん 行って下さい。 352 00:25:16,653 --> 00:25:18,588 えっ!? いやいや…。 353 00:25:18,588 --> 00:25:22,459 あっ あっ…。 おいおい 待ちねえ 待ちねえ…。 354 00:25:22,459 --> 00:25:27,297 さっきの女 おめえに 何を頼み込んでたんだい? 355 00:25:27,297 --> 00:25:29,366 荷運びを手伝えって? 356 00:25:29,366 --> 00:25:32,936 「ちょいとしたお宝で 女一人じゃ 重くて 手に余る。➡ 357 00:25:32,936 --> 00:25:35,271 そいつを運んでほしい」と 言ったそうです。 358 00:25:35,271 --> 00:25:38,174 まさか それ 喜三郎の隠れ家から消えた➡ 359 00:25:38,174 --> 00:25:40,143 例の500両なんじゃ…。 360 00:25:40,143 --> 00:25:42,145 なんとか持ち出したまでは よかったが➡ 361 00:25:42,145 --> 00:25:45,915 ひっくり返して 3両 取りこぼしちまったって訳か。 362 00:25:45,915 --> 00:25:49,786 喜三郎以下 一味の者は残らず 捕らえたはずであったな? 363 00:25:49,786 --> 00:25:51,821 はっ。 それは 間違いございません。 364 00:25:51,821 --> 00:25:56,459 まして 一味に女がいたという 話は…。 365 00:25:56,459 --> 00:25:58,395 一味とは別に➡ 366 00:25:58,395 --> 00:26:01,965 好きなように出入りできる立場に あったとしたら? 367 00:26:01,965 --> 00:26:04,801 好きなように…。 368 00:26:04,801 --> 00:26:06,736 さては イロか! 369 00:26:06,736 --> 00:26:12,675 喜三郎は消えた500両については 固く 口を閉ざしていた。 370 00:26:12,675 --> 00:26:17,814 女にしてやられたのなら 言いたくないのも道理だ。 371 00:26:17,814 --> 00:26:19,749 どっちにしても 金は まだ➡ 372 00:26:19,749 --> 00:26:22,152 隠れ家の近くにあるって事に なりますね。 373 00:26:22,152 --> 00:26:24,087 一足先に見つけましょう! おう! 374 00:26:24,087 --> 00:26:26,087 よし! 375 00:26:29,659 --> 00:26:33,096 娘のおはるを失って 惣太の女房は➡ 376 00:26:33,096 --> 00:26:37,934 この雛を 一年中 飾ったままにしていたそうだ。 377 00:26:37,934 --> 00:26:39,934 一年中? 378 00:26:41,604 --> 00:26:47,477 片づけてしまえば 娘が 本当に いなくなってしまう…。 379 00:26:47,477 --> 00:26:51,281 そんな気がしていたのだろう。 380 00:26:51,281 --> 00:26:54,317 2人で心を一つにして➡ 381 00:26:54,317 --> 00:26:58,621 共に悲しみを乗り越える事は できなかったんでしょうか? 382 00:26:58,621 --> 00:27:05,495 女房が そこまで嘆いてるのに 惣太のやつは飲んだくれて…。 383 00:27:05,495 --> 00:27:10,133 犯した罪は 断じて 裁かねばならぬ。 384 00:27:10,133 --> 00:27:14,003 されど 惣太とて 我が子を失った悲しみは➡ 385 00:27:14,003 --> 00:27:18,303 母 おたねに 少しも劣らぬはず。 386 00:27:21,311 --> 00:27:27,116 雛も気の毒。 源さんのおかげで 新たなるあるじを得て➡ 387 00:27:27,116 --> 00:27:30,019 さぞかし 喜んでおったろうに…。 388 00:27:30,019 --> 00:27:39,429 ♬~ 389 00:27:39,429 --> 00:27:42,265 おはる…。 390 00:27:42,265 --> 00:27:44,601 ハハハハ! アハハハハ! 391 00:27:44,601 --> 00:27:47,270 かわいいな お前は。 392 00:27:47,270 --> 00:28:24,807 ♬~ 393 00:28:24,807 --> 00:28:29,312 わ~! お雛様 帰ってきた! 394 00:28:29,312 --> 00:28:34,918 ハハハ… 壊れた所は おじさんが よ~く直しておいたからね。 395 00:28:34,918 --> 00:28:38,588 ありがとう! うん フフフ。 396 00:28:38,588 --> 00:28:43,927 村上様には何から何まで…。 いや かえって すまなかった。 397 00:28:43,927 --> 00:28:46,963 やっかい事に巻き込んで。 398 00:28:46,963 --> 00:28:52,268 見てやって下さいまし おみつの喜びようを。 399 00:28:52,268 --> 00:28:55,305 フフフ…。 400 00:28:55,305 --> 00:28:57,440 フフフ。 401 00:28:57,440 --> 00:29:00,343 うちの人は 旦那のおかげで➡ 402 00:29:00,343 --> 00:29:05,181 自分のした事を 正直に認める事ができたんです。 403 00:29:05,181 --> 00:29:10,153 そればかりか 私たちまで 心に留めて下さって。 404 00:29:10,153 --> 00:29:12,989 いや 俺にも娘がいる。 405 00:29:12,989 --> 00:29:18,728 いくつになっても 毎年毎年 桃の節句が来ると➡ 406 00:29:18,728 --> 00:29:23,728 雛を飾って 娘の幸せを祈ってきた。 407 00:29:27,303 --> 00:29:29,973 おじちゃん! うん? 408 00:29:29,973 --> 00:29:32,773 おじちゃんに いいもの見せてあげる。 409 00:29:34,744 --> 00:29:38,081 お~っとっとっと…。 おい おみつ坊➡ 410 00:29:38,081 --> 00:29:40,116 おじさんを どこへ連れていく気だい? 411 00:29:40,116 --> 00:29:42,116 こっち! うん? 412 00:29:44,587 --> 00:29:46,587 こっち こっち! 413 00:29:52,462 --> 00:29:58,134 おう おみつ坊の宝物の隠し場所か。 414 00:29:58,134 --> 00:30:00,134 ハッハッハ。 415 00:30:02,605 --> 00:30:05,642 これ おじちゃんにあげる! うん? 416 00:30:05,642 --> 00:30:09,946 あっ ああ… ありがとな。 417 00:30:09,946 --> 00:30:14,450 しかし こりゃまた すごいウロだな…。 418 00:30:14,450 --> 00:30:16,450 うん? 419 00:30:23,626 --> 00:30:26,663 おっ? 420 00:30:26,663 --> 00:30:28,798 あっ…。 421 00:30:28,798 --> 00:30:34,671 ♬~ 422 00:30:34,671 --> 00:30:37,306 不知火一味の隠し金と見て➡ 423 00:30:37,306 --> 00:30:39,242 間違いございません。 うむ。 424 00:30:39,242 --> 00:30:41,811 しかし 何だって 木のウロなんぞに。 425 00:30:41,811 --> 00:30:44,647 はなっから 当たりを つけておいたんでしょうか? 426 00:30:44,647 --> 00:30:48,317 行き当たりばったり とっさの判断だろうよ。 427 00:30:48,317 --> 00:30:50,253 女を捕らえて 吐かせますか? 428 00:30:50,253 --> 00:30:55,553 なに… 慌てる事はない。 429 00:31:00,496 --> 00:31:02,832 どこだよ? 430 00:31:02,832 --> 00:31:07,132 そこ その木の根元の所。 431 00:31:08,705 --> 00:31:11,507 おい これか? 432 00:31:11,507 --> 00:31:16,679 んん… 何だ 石っころじゃねえか。 433 00:31:16,679 --> 00:31:19,582 えっ? もっと奥! 奥? 434 00:31:19,582 --> 00:31:23,582 じれったいねえ ちょっと どいて。 ほら もう… んっ? 435 00:31:25,354 --> 00:31:27,290 あれ? 436 00:31:27,290 --> 00:31:29,225 (2人)あっ! 437 00:31:29,225 --> 00:31:32,462 ヘヘッ ご苦労さん。 待ってたぜ。 438 00:31:32,462 --> 00:31:34,497 嫌~! (一同)御用だ 御用だ! 439 00:31:34,497 --> 00:31:36,966 嫌~! 嫌だ 嫌だ! 440 00:31:36,966 --> 00:31:43,139 嫌だ 嫌だ 嫌だ 嫌だ 嫌だ 嫌だ 嫌だ! 嫌だ~! 441 00:31:43,139 --> 00:31:50,012 南町奉行 大岡越前守様 ご出座~! 442 00:31:50,012 --> 00:31:56,512 (太鼓の音) 443 00:32:03,326 --> 00:32:06,626 のぶとやら 面を上げよ。 444 00:32:09,499 --> 00:32:16,172 その方 盗賊 不知火の喜三郎の 情婦であると調べにあるが。 445 00:32:16,172 --> 00:32:19,075 あたしゃ だまされたんですよ。 446 00:32:19,075 --> 00:32:22,512 あの男 とんだ けちん坊で。 447 00:32:22,512 --> 00:32:27,383 それが不満で 500両もの金を 持ち出したのか? 448 00:32:27,383 --> 00:32:31,020 さんざん いい思いさせてやったんだもの➡ 449 00:32:31,020 --> 00:32:35,291 それぐらい もらって 当然でしょ。 450 00:32:35,291 --> 00:32:46,469 ♬~ 451 00:32:46,469 --> 00:32:49,669 んっ んん…。 452 00:32:52,809 --> 00:32:56,009 あっ… あっ! 453 00:32:58,681 --> 00:33:01,517 ああっ! あっ あっ…。 454 00:33:01,517 --> 00:33:33,115 ♬~ 455 00:33:33,115 --> 00:33:36,986 もともと 人様から盗んだお金だもの。 456 00:33:36,986 --> 00:33:42,686 フフッ 泥棒からお金をとったって 泥棒した事にはなりませんよね? 457 00:33:44,627 --> 00:33:47,530 仕置きは免れぬ。 458 00:33:47,530 --> 00:33:50,800 あたしゃ 一文だって 使っちゃいないんですよ!? 459 00:33:50,800 --> 00:33:55,304 追って 沙汰あるを待つがよい。 460 00:33:55,304 --> 00:33:58,140 引っ立てい! ちょ… ちょっと待っておくれよ! 461 00:33:58,140 --> 00:34:00,643 なっ… 痛いじゃないか! 何すんだよ! 462 00:34:00,643 --> 00:34:04,480 来い! 痛っ! 痛いよ 放してよ 何でよ! 463 00:34:04,480 --> 00:34:06,980 さて 惣太。 464 00:34:08,651 --> 00:34:11,554 稲荷の前に捨て置かれた 3両の小判➡ 465 00:34:11,554 --> 00:34:15,324 拾ったのは その方に間違いないな? 466 00:34:15,324 --> 00:34:17,260 はい。 467 00:34:17,260 --> 00:34:20,162 何故 すぐに届けなかった? 468 00:34:20,162 --> 00:34:23,199 お奉行様 どうか その責めは このあたしに! 469 00:34:23,199 --> 00:34:25,199 控えい! 470 00:34:26,936 --> 00:34:29,636 子細を申してみよ。 471 00:34:31,274 --> 00:34:34,110 うちは 世間とは あべこべで➡ 472 00:34:34,110 --> 00:34:38,281 あたしが この人を食べさせるって 約束で 一緒になったんです。 473 00:34:38,281 --> 00:34:44,453 なのに 娘を亡くしてから 自分の事しか見えなくなって…。 474 00:34:44,453 --> 00:34:47,490 だからって おめえに責めはねえ。 475 00:34:47,490 --> 00:34:51,794 おはるだって おいらのせいで死んだんだ。 476 00:34:51,794 --> 00:34:54,630 いっそ あの子の後を追って 死にてえと思ったよ…。 477 00:34:54,630 --> 00:34:56,966 お前さん! 478 00:34:56,966 --> 00:34:59,302 けど 死ねなかった。 479 00:34:59,302 --> 00:35:03,806 強え 強えと思ってた おめえが あんなに しおれちまって…。 480 00:35:03,806 --> 00:35:07,606 こいつを一人 残していく事は できねえと思ったから…。 481 00:35:09,312 --> 00:35:11,347 そこまでの思いがあるのなら➡ 482 00:35:11,347 --> 00:35:14,483 1年もの間 ただ 酒を食らい➡ 483 00:35:14,483 --> 00:35:18,354 憂さを晴らすばかりだったとは 思えぬが。 484 00:35:18,354 --> 00:35:23,492 奉行は その方が 口入屋へ出入りしていた旨➡ 485 00:35:23,492 --> 00:35:26,529 耳に致しておる。 486 00:35:26,529 --> 00:35:30,366 まさか 働き口を? 487 00:35:30,366 --> 00:35:36,772 おたねが気力を取り戻したら またすぐ店が始められるように➡ 488 00:35:36,772 --> 00:35:40,443 元手を稼ごうと思ったんでさぁ。 489 00:35:40,443 --> 00:35:44,313 けど おいら 根っからの ぶきっちょだから➡ 490 00:35:44,313 --> 00:35:47,216 ドジばっかり踏んで…➡ 491 00:35:47,216 --> 00:35:52,016 ほかの連中に いたぶられたり 出し抜かれたり。 492 00:35:54,290 --> 00:35:57,326 やっぱり 駄目なもんは駄目なんだ…。 493 00:35:57,326 --> 00:36:00,162 おたねが優しいのをいい事に➡ 494 00:36:00,162 --> 00:36:03,962 楽して甘えてきたツケが 回ってきたんだって…。 495 00:36:05,801 --> 00:36:12,308 心底 がっくり来てた時 あの3両を拾ったもんだから➡ 496 00:36:12,308 --> 00:36:18,814 こいつは天の助けだって 都合よく思い込んで…。 497 00:36:18,814 --> 00:36:24,320 知らなかった… あんたに そんな思いさせてたなんて。 498 00:36:24,320 --> 00:36:27,356 ごめんよ。 苦労はさせないって言ったのに➡ 499 00:36:27,356 --> 00:36:29,658 約束たがえる事になっちまって…。 500 00:36:29,658 --> 00:36:31,594 まだ それを言うか? 501 00:36:31,594 --> 00:36:34,263 あんたの罪は あたしの罪だ! 502 00:36:34,263 --> 00:36:36,766 お奉行様 この人が受ける罰は➡ 503 00:36:36,766 --> 00:36:38,701 どうか あたしに代わらせて下さいまし! 504 00:36:38,701 --> 00:36:41,270 バカを言え。 引っ込んでやがれ! そうはいくもんか! 505 00:36:41,270 --> 00:36:44,774 そこまで! 506 00:36:44,774 --> 00:36:48,277 ひととせぶりだな。 507 00:36:48,277 --> 00:36:54,950 1年前 愛し子を失って 夫婦の心には 隔てが生まれた。 508 00:36:54,950 --> 00:37:02,291 以来 互いに心を通うように 素直に伝え合ったは1年ぶり。 509 00:37:02,291 --> 00:37:05,291 そうであろう? おたね。 510 00:37:08,164 --> 00:37:10,164 あなた様は…! 511 00:37:16,305 --> 00:37:21,605 悲しみを乗り越えるには それだけの時がいる。 512 00:37:27,650 --> 00:37:30,986 あの 空の向こうで➡ 513 00:37:30,986 --> 00:37:34,857 おはるも… 安堵しておろう。 514 00:37:34,857 --> 00:37:39,428 はい… はい! 515 00:37:39,428 --> 00:37:41,464 お奉行様…。 516 00:37:41,464 --> 00:37:51,941 ♬~ 517 00:37:51,941 --> 00:37:55,641 惣太に裁きを申し渡す。 518 00:37:57,613 --> 00:38:01,951 3両の金子を拾いながら 届けを怠り➡ 519 00:38:01,951 --> 00:38:07,456 己の懐にしたは 不届き千万。 520 00:38:07,456 --> 00:38:11,327 手鎖30日に値する罪である。 521 00:38:11,327 --> 00:38:13,329 はい。 522 00:38:13,329 --> 00:38:15,331 さりながら こたび➡ 523 00:38:15,331 --> 00:38:19,468 新たなる縁を結びし 雛人形に免じて➡ 524 00:38:19,468 --> 00:38:23,268 屹度叱り申しつくる。 525 00:38:24,974 --> 00:38:28,774 お叱り… でございますか? 526 00:38:34,416 --> 00:38:39,255 新たなる縁を結びし雛人形を これへ。 ははっ! 527 00:38:39,255 --> 00:38:53,802 ♬~ 528 00:38:53,802 --> 00:38:59,275 おじちゃん おばちゃん お雛様をありがとう! 529 00:38:59,275 --> 00:39:01,575 嬢ちゃん…。 530 00:39:04,146 --> 00:39:07,149 どうしても 礼を言いたかったそうだ。 531 00:39:07,149 --> 00:39:10,619 お前たちと… そして➡ 532 00:39:10,619 --> 00:39:12,555 おはるにもな。 533 00:39:12,555 --> 00:39:14,490 おはるに? 534 00:39:14,490 --> 00:39:16,492 おはる…。 535 00:39:16,492 --> 00:39:19,795 うん! 536 00:39:19,795 --> 00:39:24,466 お父ちゃん おっ母ちゃん ありがとう。 537 00:39:24,466 --> 00:39:36,912 ♬~ 538 00:39:36,912 --> 00:39:40,249 おみつに これを遣わす。 539 00:39:40,249 --> 00:39:53,262 ♬~ 540 00:39:53,262 --> 00:39:55,197 これは? 541 00:39:55,197 --> 00:39:58,601 喜三郎一味に襲われた 薬種問屋から➡ 542 00:39:58,601 --> 00:40:02,901 残る500両を見つけてくれた 謝礼だそうな。 543 00:40:04,473 --> 00:40:09,245 私たちが そんなものを頂く訳には…。 544 00:40:09,245 --> 00:40:15,150 亭主 為吉が犯した罪は 為吉が己で償っている。 545 00:40:15,150 --> 00:40:19,288 遠慮なく受け取るがよい。 546 00:40:19,288 --> 00:40:21,288 はい。 547 00:40:23,959 --> 00:40:27,959 お奉行様 ありがとうございます! 548 00:40:35,471 --> 00:40:38,171 (惣太)ありがとうございました! 549 00:40:40,142 --> 00:40:44,342 本日の白洲 これまでと致す。 550 00:40:48,317 --> 00:40:50,836 ありがとう存じやす! おいしかったよ。 551 00:40:50,836 --> 00:40:52,871 ごちそうさま。 552 00:40:52,871 --> 00:40:54,871 また来てね! 553 00:40:57,509 --> 00:40:59,445 帰ったよ! (おたね)お帰り お前さん! 554 00:40:59,445 --> 00:41:02,014 おう! ひじき 上がったよ! へい! 555 00:41:02,014 --> 00:41:05,884 おみつ坊! はい。 頼む。 556 00:41:05,884 --> 00:41:07,884 いらっしゃいまし! 557 00:41:09,688 --> 00:41:12,591 いらっしゃいませ! おっ 偉いな おみつ坊。 558 00:41:12,591 --> 00:41:14,560 お手伝いか? 先生! 559 00:41:14,560 --> 00:41:16,562 うん どれどれ…。 560 00:41:16,562 --> 00:41:18,697 うん! 顔色もいい。 561 00:41:18,697 --> 00:41:21,367 先生 本当に ありがとうございました。 562 00:41:21,367 --> 00:41:24,036 うん。 我々も 飯をもらおうか。 563 00:41:24,036 --> 00:41:25,971 はい。 564 00:41:25,971 --> 00:41:28,540 いらっしゃいまし。 お前さん ぐずぐずしないで➡ 565 00:41:28,540 --> 00:41:31,510 ご案内しないかい! 分かってるよ。 566 00:41:31,510 --> 00:41:34,813 失礼します。 繁盛してるようだな。 567 00:41:34,813 --> 00:41:38,650 おしまさんが 一緒に店をやりたい って言って下さって➡ 568 00:41:38,650 --> 00:41:41,320 亭主ともども お助け頂きました。 569 00:41:41,320 --> 00:41:44,823 助けて頂いたのは 私たちの方です。 570 00:41:44,823 --> 00:41:47,659 おみつ坊が大きくなるまで 俺たちが みんなで➡ 571 00:41:47,659 --> 00:41:49,695 目いっぺえ働いて➡ 572 00:41:49,695 --> 00:41:52,831 お嫁入りん時にゃ うんと 盛大にしてやりてえんでさ! 573 00:41:52,831 --> 00:41:55,501 気が早いんだよ お前さんは。 (笑い声) 574 00:41:55,501 --> 00:41:57,836 よう! あっ いらっしゃい! あ~ いらっしゃい! 575 00:41:57,836 --> 00:42:00,739 お銚子 もう一本 お代わり! へい! ただいま! 576 00:42:00,739 --> 00:42:03,642 空いてるか? どうぞ どうぞ どうぞ。 577 00:42:03,642 --> 00:42:19,224 ♬~ 578 00:42:19,224 --> 00:42:21,527 (忠高) どうでえ 立派なもんだろう! 579 00:42:21,527 --> 00:42:25,697 フフッ 何を引っ張り出して 持ってきたのかと思ったら…。 580 00:42:25,697 --> 00:42:29,034 もうすぐ 端午の節句だ。 今から 飾っておきゃあな➡ 581 00:42:29,034 --> 00:42:31,937 腹の息子も喜ぶってもんだ。 582 00:42:31,937 --> 00:42:35,140 また 男と決めてやがらぁ。 583 00:42:35,140 --> 00:42:38,644 おい 忠相! えっ 懐かしいだろう? 584 00:42:38,644 --> 00:42:43,148 おめえの兜人形だ。 お静かに。 585 00:42:43,148 --> 00:42:46,985 <人の心に花ありぬ。➡ 586 00:42:46,985 --> 00:42:49,822 桃の紅 惜しみつつ➡ 587 00:42:49,822 --> 00:42:52,658 つぼみ膨らむ 桜の春を➡ 588 00:42:52,658 --> 00:42:56,858 今かと待ちわびる 忠相であった>