1 00:00:02,202 --> 00:00:05,772 <闇夜にうごめく盗賊たち。➡ 2 00:00:05,772 --> 00:00:09,943 その悪行を許さぬ南町奉行 大岡忠相が…> 3 00:00:09,943 --> 00:00:13,947 (忠相)逃すな! 一人残らず捕らえよ! (同心一同)はっ! 4 00:00:16,116 --> 00:00:20,988 <そして 月が替われば 北町奉行 伊生正武もまた> 5 00:00:20,988 --> 00:00:25,792 (伊生) その方らの企て 既に見通しである! 6 00:00:25,792 --> 00:00:29,663 <江戸の人々の平穏な暮らしを 脅かす者たちに➡ 7 00:00:29,663 --> 00:00:32,466 命を賭して立ち向かっていた> 8 00:00:34,301 --> 00:00:36,637 <そんなある晩…> 9 00:00:36,637 --> 00:00:40,440 (物音) 10 00:00:40,440 --> 00:00:42,809 (銃声) (おつな)うっ…。 11 00:00:42,809 --> 00:00:47,014 (小判が落ちる音) 12 00:00:50,450 --> 00:00:53,153 ⚟(お秀)ありがとうございました。 ごちそうさん。 13 00:00:53,153 --> 00:00:59,459 (道之助)うん うまいな この煮浸し。 これだけで いくらでも飯が食えらあ。 14 00:00:59,459 --> 00:01:02,462 はい これ オマケ。 いいんですか? 15 00:01:02,462 --> 00:01:06,667 おにいさん かわいいから。 ないしょよ。 フフフ。 16 00:01:10,404 --> 00:01:15,242 おい 飯を頼む。 今日は あちこち 往診が多くて腹ぺこだ。 17 00:01:15,242 --> 00:01:19,413 ごちそうさまでした。 ここ置いときます。 18 00:01:19,413 --> 00:01:21,481 どうも。 あっ…。ありがとうございました。 19 00:01:21,481 --> 00:01:26,286 また どうぞ。 ごひいきにね。 はっ…。 20 00:01:26,286 --> 00:01:29,089 (三次)すぐ片づけますんで。 21 00:01:29,089 --> 00:01:31,024 あっ やられた。 22 00:01:31,024 --> 00:01:34,895 食い逃げだ! え~っ!? 23 00:01:34,895 --> 00:01:38,098 よし 俺に任せろ。 24 00:01:44,972 --> 00:01:47,474 稲城屋の旦那。 25 00:01:49,810 --> 00:01:53,447 おい 待て!あっ! さあ 捕まえた! 26 00:01:53,447 --> 00:01:57,150 いててててて…。 いい若い者が食い逃げとは情けない。 27 00:01:57,150 --> 00:02:00,120 (稲城屋)食い逃げ? あっ いや その…。 28 00:02:00,120 --> 00:02:03,590 すいません。 謝りますから 許してください。 このとおり! 29 00:02:03,590 --> 00:02:08,762 無論 店へ戻って謝ってもらう。 いや その前に番屋だな。 30 00:02:08,762 --> 00:02:12,399 番屋? ああ ちょっと。 あの~ ここは ひとつ➡ 31 00:02:12,399 --> 00:02:16,269 私の顔に免じて 大目に見てやっちゃもらえませんかね? 32 00:02:16,269 --> 00:02:20,107 あっ 私は すぐそこで たばこ屋やってる稲城屋って者です。 33 00:02:20,107 --> 00:02:24,611 この男のことは よく存じておりますんで どうか お許しを。 34 00:02:24,611 --> 00:02:27,280 もう二度と このようなことはしねえように➡ 35 00:02:27,280 --> 00:02:30,183 親のつもりで言い聞かせやすんで。 36 00:02:30,183 --> 00:02:32,953 おい 何 ボ~ッとしてんだい。 あ… はい。 37 00:02:32,953 --> 00:02:37,624 本当に申し訳ありませんでした。 申し訳ございませんでした。 38 00:02:37,624 --> 00:02:41,628 あの店の飯代は こんなにはしない。 え? 39 00:02:47,968 --> 00:02:51,638 旦那 どうして? 40 00:02:51,638 --> 00:02:55,809 お前さんに ちょっと 用があってな。 41 00:02:55,809 --> 00:02:59,679 あ… まさか おつなが何か? 42 00:02:59,679 --> 00:03:02,916 店から いなくなっちまった。 えっ!? 43 00:03:02,916 --> 00:03:08,388 それも 大枚の金 持ち出して。 嘘だろう!? 44 00:03:08,388 --> 00:03:11,758 (吉宗)盗賊 羽黒の半兵衛一味➡ 45 00:03:11,758 --> 00:03:15,595 百舌の仁助一味…。 46 00:03:15,595 --> 00:03:21,401 越前も下野も 僅かな間に よう これだけの賊を捕らえた。 47 00:03:21,401 --> 00:03:24,204 恐れ入りましてございまする。 48 00:03:26,239 --> 00:03:28,942 (讃岐守)それにしても 盗賊というものは➡ 49 00:03:28,942 --> 00:03:34,614 捕らえても捕らえても 切りなく新手が現れて 参りますな。 50 00:03:34,614 --> 00:03:38,285 いや 江戸は 上様のお膝元。 町が栄えれば➡ 51 00:03:38,285 --> 00:03:42,956 その財を狙う者たちが集まるのは 必定でござろう。 52 00:03:42,956 --> 00:03:47,294 越前。 盗賊どもを江戸から一掃する よい手はないか。 53 00:03:47,294 --> 00:03:52,132 恐れながら これまでどおり 昼夜を分かたず➡ 54 00:03:52,132 --> 00:03:56,002 地道に探索を続けるよりほかは ないものと存じます。 55 00:03:56,002 --> 00:03:58,805 それでは手ぬるいと申しておる。 56 00:04:01,742 --> 00:04:09,082 しばし 盗賊の捕縛にねらいを絞り 北南 両町奉行所が手を携えて➡ 57 00:04:09,082 --> 00:04:12,586 憎き盗賊どもを根絶やしにいたせ! 58 00:04:12,586 --> 00:04:14,588 かしこまりました。 59 00:04:32,973 --> 00:04:35,776 止めよ。 はっ。 60 00:04:55,629 --> 00:04:58,131 (筧)お奉行 いかがなさいました? 61 00:05:06,907 --> 00:06:15,108 ♬~ 62 00:06:32,392 --> 00:06:35,262 おっと! (妙)あ…! 63 00:06:35,262 --> 00:06:38,265 ばか野郎 どこ見てんだ! 64 00:06:39,933 --> 00:06:41,868 大丈夫ですか? 65 00:06:41,868 --> 00:06:44,371 おけがはありませんか? 66 00:06:50,944 --> 00:06:53,280 助かりました。 ありがとう。 67 00:06:53,280 --> 00:06:56,483 いえ。 では。 68 00:06:58,151 --> 00:07:00,453 あ… もし! 69 00:07:04,557 --> 00:07:08,061 (お花)へえ~ びっくりです。 70 00:07:08,061 --> 00:07:10,730 まるで観音様のお引き合わせみたい。 71 00:07:10,730 --> 00:07:13,767 本当に。 そんなこと あるんですね。 72 00:07:13,767 --> 00:07:17,237 私こそ驚きです。 こんなふうに 妙姫様と。 73 00:07:17,237 --> 00:07:20,907 嫌だわ 姫様だなんて。 (雪絵の笑い声) 74 00:07:20,907 --> 00:07:24,577 ハハハ… 随分と にぎやかだな。 75 00:07:24,577 --> 00:07:26,880 お帰りなさいませ。 76 00:07:32,752 --> 00:07:36,089 おお 妙姫…。 77 00:07:36,089 --> 00:07:41,394 確かに 我が母は北条家の血筋だが 何故 そのことを? 78 00:07:41,394 --> 00:07:47,200 はい。 実は わたくし 北条家家臣の末裔➡ 79 00:07:47,200 --> 00:07:51,071 浜島道之助と申します。 80 00:07:51,071 --> 00:07:55,775 <遠州掛川3万石 北条家は➡ 81 00:07:55,775 --> 00:07:59,279 跡取りとなる男児がなく 改易となった。➡ 82 00:07:59,279 --> 00:08:05,051 忠相の母 妙は 最後の藩主 氏重の娘である> 83 00:08:05,051 --> 00:08:08,555 道之助さんのおじい様やお父様は➡ 84 00:08:08,555 --> 00:08:12,058 ず~っと お家再興を願っていたんですって。 85 00:08:12,058 --> 00:08:15,729 ほ~う。 北条の家を? 86 00:08:15,729 --> 00:08:18,765 では あなたも お家再興のために何か。 87 00:08:18,765 --> 00:08:23,370 いえ わたくしに そのような器は…。 88 00:08:23,370 --> 00:08:29,242 恥ずかしながら このとおり 町人に交じっての その日暮らしです。 89 00:08:29,242 --> 00:08:33,913 どこか働き口でも 世話してさしあげられたらよいのですが。 90 00:08:33,913 --> 00:08:37,784 本当ですか!? もし お許しいただけるのであれば➡ 91 00:08:37,784 --> 00:08:41,788 お役宅の下足番でも かわやの掃除番でも 何でもいたします。 92 00:08:41,788 --> 00:08:46,626 浜島家のご子息に そんなまねは させられないわ。 93 00:08:46,626 --> 00:08:48,928 ですよね。 94 00:08:48,928 --> 00:08:54,601 だったら 姫様のおそば付きにでも してさしあげたらいかがですか? 95 00:08:54,601 --> 00:08:58,104 わたくしの? いや でも それでは…。 96 00:08:58,104 --> 00:09:01,875 求次郎 それは よいところに気が付きましたね。 97 00:09:01,875 --> 00:09:06,346 お義母様 前から 人手が欲しいと おっしゃってらしたし。 98 00:09:06,346 --> 00:09:11,184 そうよ そうだわ! そうしましょう。 99 00:09:11,184 --> 00:09:13,219 いいわね 忠相。 100 00:09:13,219 --> 00:09:17,724 は… はあ…。 101 00:09:19,559 --> 00:09:24,063 では 何とぞ よろしくお願いいたします 妙姫様。 102 00:09:24,063 --> 00:09:27,901 もう 姫様だなんて やめてちょうだい。 (笑い声) 103 00:09:27,901 --> 00:09:32,072 お義母様のこと どうぞよろしくお願いしますね。はい。 104 00:09:32,072 --> 00:09:35,108 ただの戯れ言だったのに。 105 00:09:35,108 --> 00:09:41,114 父上 どうして おなごは 面相のよい男に弱いのでしょう。 106 00:09:42,782 --> 00:09:45,385 (子吉)盗賊たちを根絶やしにって➡ 107 00:09:45,385 --> 00:09:47,921 ず~っと そのつもりで やってきてるんですけどね。 108 00:09:47,921 --> 00:09:51,391 (辰三)公方様のお達しだ 文句を言うな。 109 00:09:51,391 --> 00:09:55,261 とにかく 手分けして 大店から順に回るとしよう。 110 00:09:55,261 --> 00:09:57,197 (2人)へい。 111 00:09:57,197 --> 00:10:00,600 あっ 旦那。 くれぐれも用心しろ。 112 00:10:00,600 --> 00:10:03,269 貼っておいてくれ。 承知しました。頼むぞ。 113 00:10:03,269 --> 00:10:06,272 (堅太郎)北の連中じゃないか。 ご苦労さまです。 114 00:10:08,775 --> 00:10:11,277 おや これはまた旦那方。 115 00:10:11,277 --> 00:10:15,782 こっちは月番の南だ。 北とは 何をしゃべってたんだい? 116 00:10:15,782 --> 00:10:18,685 (喬之助)ひょっとして 盗賊がらみの聞き込みか? 117 00:10:18,685 --> 00:10:22,489 番頭さん そいつは何でえ? はい。 118 00:10:25,959 --> 00:10:29,829 (堅太郎)「盗賊用心常心得」。 119 00:10:29,829 --> 00:10:33,700 こう来たか。 (勘太)お~い ちょっと待てって! 120 00:10:33,700 --> 00:10:36,669 待てって! ちょっと待て… 待て…! 121 00:10:36,669 --> 00:10:40,139 ちょっと聞いてください。 ちょっと親分さん➡ 122 00:10:40,139 --> 00:10:44,811 ちゃんと話を聞いてください。 だから 今 公方様の御用で➡ 123 00:10:44,811 --> 00:10:47,647 それどころじゃねえんだって。 (子吉)どうしたんです 勘太の親分。 124 00:10:47,647 --> 00:10:50,550 男にだまされたんだってさ。 しかも みんな おんなじやつに。 125 00:10:50,550 --> 00:10:52,819 ええ? そりゃまた大ごとじゃないか。 126 00:10:52,819 --> 00:10:55,655 けど 旦那 せいぜい そば代 せびられたぐらいですぜ。 127 00:10:55,655 --> 00:10:59,526 私は 1朱あげました。 私だって虎の子のお小遣いを! 128 00:10:59,526 --> 00:11:02,262 分かった 分かった。 後で そのうち 話聞いてやっからよ。 129 00:11:02,262 --> 00:11:04,597 そのうちじゃなくて今聞いてください! 130 00:11:04,597 --> 00:11:07,500 (娘たちの騒ぐ声) 131 00:11:07,500 --> 00:11:10,770 「盗賊用心常心得」か。 132 00:11:10,770 --> 00:11:15,275 さすがは伊生殿。 よく考えたものだ。 ハハハハ…。 133 00:11:15,275 --> 00:11:20,780 こっちが月番だってのに 堂々と 江戸中のお店に こんなものを配り歩いて。 134 00:11:20,780 --> 00:11:27,120 こたびは 月番非番は構いなし。 こちらも負けてはおられぬぞ。 135 00:11:27,120 --> 00:11:29,622 ただいま戻りました。 遅くなりました。 136 00:11:29,622 --> 00:11:33,493 何か つかめたか? いえ それが…。 137 00:11:33,493 --> 00:11:36,129 とにかく こいつを見てください。 (駿介)北の配り紙なら➡ 138 00:11:36,129 --> 00:11:40,133 筧さんと私が一足先に…。 ん? 何だ これ。 139 00:11:43,436 --> 00:11:47,974 (堅太郎)女心をくすぐって おあしをせびる 小悪党の仕業です。 140 00:11:47,974 --> 00:11:51,311 あら これが私? 141 00:11:51,311 --> 00:11:55,315 (筧)江戸の娘は こんなに美形ぞろいだったかな。 142 00:11:55,315 --> 00:11:59,819 正直言って 2割3割 場合によっちゃ 5割増しで。 143 00:11:59,819 --> 00:12:02,789 おいおい! 話を聞いてるうち➡ 144 00:12:02,789 --> 00:12:06,926 どんどん 娘たちから 出るわ出るわ。 145 00:12:06,926 --> 00:12:11,264 急に姿が見えなくなったから とにかく捜してほしい~って。 146 00:12:11,264 --> 00:12:13,933 なら 訴えようってわけじゃねえのかい。 ええ。 147 00:12:13,933 --> 00:12:18,271 結構な男前だったんで 悪い気はしてないというか。 148 00:12:18,271 --> 00:12:22,075 大したもんですね だましといて憎まれないなんて。 149 00:12:24,143 --> 00:12:29,282 お義母様。 あら 雪絵さん。 求次郎も来てくれたの。 150 00:12:29,282 --> 00:12:33,286 おいでなさいませ。 何をしてるんです? 151 00:12:33,286 --> 00:12:38,291 あっ これって おばあ様の…。 まあ きれいだこと。 152 00:12:38,291 --> 00:12:43,162 出来たの? 見せて 見せて。 153 00:12:43,162 --> 00:12:46,165 (求次郎)というか 今のおばあ様じゃなくて➡ 154 00:12:46,165 --> 00:12:52,305 ずっと昔のおばあ様ですよね? あっ… いえ 私は そんなつもりでは。 155 00:12:52,305 --> 00:12:57,310 (小声で)しわもないし 随分…。 お茶をいれてまいります。 156 00:13:02,382 --> 00:13:07,086 道之助さんってね 器用で何でもできるのよ。 157 00:13:07,086 --> 00:13:10,957 まあ さぞ 苦労をなさってきたんでしょう。 158 00:13:10,957 --> 00:13:14,260 ふう 危ねえ 危ねえ。 159 00:13:14,260 --> 00:13:28,808 ♬~ 160 00:13:28,808 --> 00:13:32,612 いつもありがとう。 いえ。 161 00:13:36,416 --> 00:13:42,622 あの~ 大奥様は お奉行様のお役宅に お出かけになられないのですか? 162 00:13:42,622 --> 00:13:48,127 行くわよ もう そりゃ しょっちゅう。 でも 近頃は あまり。 163 00:13:48,127 --> 00:13:53,933 あなたがいてくれるから 退屈しないんだもの。 164 00:13:53,933 --> 00:14:01,674 でも たまには外に出るのもいいわね。 はい お供いたします! 165 00:14:01,674 --> 00:14:05,244 ⚟ありがとうございます。 お出かけって こういうことですか? 166 00:14:05,244 --> 00:14:09,549 何か言った? あら かわいい! 167 00:14:16,956 --> 00:14:19,792 (儀三郎)奉行の懐に入り込むのが おめえの務めだ。 168 00:14:19,792 --> 00:14:22,795 いつまで母親にくっついてる。 169 00:14:33,306 --> 00:14:35,274 おっと! あ…! 170 00:14:35,274 --> 00:14:37,777 ばか野郎 どこ見てんだ! 171 00:14:40,146 --> 00:14:43,950 しかたないでしょう。 成り行きで こうなったんだから。 172 00:14:43,950 --> 00:14:49,122 減らず口たたいてねえで 得意のタラシで なんとかしろ。 173 00:14:49,122 --> 00:14:52,792 (おいね)先生 あの人。 174 00:14:52,792 --> 00:14:56,295 あいつ 食い逃げの。 175 00:14:56,295 --> 00:14:58,965 それより 儀三郎さん 本当なんですか? 176 00:14:58,965 --> 00:15:02,235 おつなが金持って姿を消したって。 俺には とても信じられ…。 177 00:15:02,235 --> 00:15:04,537 (妙)ありがとう。 シッ! 178 00:15:08,741 --> 00:15:13,913 さあ 次は どこへ行こうかしら。 あ… どこへでも。 179 00:15:13,913 --> 00:15:19,418 大奥様…。 どうして大奥様が あの人と? 180 00:15:31,931 --> 00:15:35,601 これ あんたのいつもの手なんでしょう? 181 00:15:35,601 --> 00:15:41,274 かなわねえなあ。 じゃあ とっておきの話をしてやるよ。 182 00:15:41,274 --> 00:15:47,947 実は俺 武家の出なんだ。 フッ… フフフ 嘘ばっかり。 183 00:15:47,947 --> 00:15:51,284 嘘なもんか。 その名も浜島道之助っていって➡ 184 00:15:51,284 --> 00:15:55,288 遠州北条家の家臣の家柄でさ。 ふ~ん それで? 185 00:15:55,288 --> 00:15:59,592 おつな。 はい 今すぐに。 186 00:16:03,563 --> 00:16:06,065 おつな…。 187 00:16:09,068 --> 00:16:13,072 一人で どこ行っちまったんだ。 188 00:16:24,917 --> 00:16:30,723 おう 確か せんだっての。 そういや たばこ屋と言っていたな。 189 00:16:30,723 --> 00:16:33,259 (稲城屋)え? 食い逃げ男は どうしてる? 190 00:16:33,259 --> 00:16:36,262 ああ これはこれは あの折の。 ハハハハ…。 191 00:16:36,262 --> 00:16:40,933 もう悪さはしていないだろうな。 ハハハ… 実は あれ うちの客でして。 192 00:16:40,933 --> 00:16:43,402 客?ええ よく たばこを 買ってくれてたもんで➡ 193 00:16:43,402 --> 00:16:46,939 つい余計なまねを。 まあ 気がとがめたのか➡ 194 00:16:46,939 --> 00:16:50,409 あれっきり 姿を見せちゃおりませんがね。 薄情なもんだ。 195 00:16:50,409 --> 00:16:54,280 いやいや…。 まあ 俺は取り立ての礼に➡ 196 00:16:54,280 --> 00:16:58,117 ただ飯を食わせてもらって ありがたかったがね。 ハハハハ…。 197 00:16:58,117 --> 00:17:01,020 申し訳ございません。 ちょいと これから寄り合いがあるもんで。 198 00:17:01,020 --> 00:17:03,356 おう 引き止めてすまなかった。 いえ 失礼いたします。 199 00:17:03,356 --> 00:17:05,558 うん。 200 00:17:15,735 --> 00:17:20,039 (儀三郎)皆さん お集まりです。 (稲城屋)ああ よく見張っとけ。 201 00:17:25,378 --> 00:17:28,080 どういうつながりだ? 202 00:17:28,080 --> 00:17:31,951 (稲城屋)待たせたなあ。 おう… どうだい調子は? 203 00:17:31,951 --> 00:17:37,757 どうもいけねえ。 町じゅうどこへ行っても 役人だらけだ。 204 00:17:37,757 --> 00:17:42,395 羽黒に木更津 百舌の頭まで 立て続けに獄門送りにして➡ 205 00:17:42,395 --> 00:17:46,599 やつら調子に乗ってやがるのさ。 まあ 今は辛抱のしどころよ。 206 00:17:46,599 --> 00:17:51,771 肝心要の大岡越前さえ いなくなりゃ どんな策 練ったところで➡ 207 00:17:51,771 --> 00:17:54,607 俺たちに太刀打ちなんざ できやしねえから。 208 00:17:54,607 --> 00:17:59,111 じゃあ やってくれるんだね 鳴神の。 209 00:17:59,111 --> 00:18:03,816 ああ 何しろ 度々 やり損なってんでね こっちは。 210 00:18:11,691 --> 00:18:13,759 (舌打ち) 211 00:18:13,759 --> 00:18:18,064 しかし こう締めつけが厳しくちゃ さすがのあんたも➡ 212 00:18:18,064 --> 00:18:20,366 そうそう これを ぶっ放すわけにいかねえだろう。 213 00:18:20,366 --> 00:18:22,435 もう手は打ってある。 214 00:18:22,435 --> 00:18:28,140 別のやり方で 土手っ腹に 穴開けてやろうと思ってんのさ。 215 00:18:31,110 --> 00:18:34,747 母上の屋敷の若党が? 216 00:18:34,747 --> 00:18:40,086 ああ たぬきで食い逃げした男に 間違いない。 217 00:18:40,086 --> 00:18:42,588 道之助が…。 218 00:18:42,588 --> 00:18:47,460 代わりに金を払った たばこ屋に 会ってみたら 案の定➡ 219 00:18:47,460 --> 00:18:53,265 そいつが裏で糸を引いて 何か やらかすつもりじゃないか。 220 00:18:58,604 --> 00:19:03,209 近所のカミさん連中に聞いてみたら その稲城屋ってたばこ屋には➡ 221 00:19:03,209 --> 00:19:07,213 少し前まで 店番の女がいたそうだ。 女? 222 00:19:07,213 --> 00:19:12,885 ああ。 その女が姿を見せなくなる少し前 男ができたというんだが➡ 223 00:19:12,885 --> 00:19:15,921 これが やたらめったら 様子のいい二枚目で。 224 00:19:15,921 --> 00:19:20,359 それが まさか 道之助。(雷鳴) 225 00:19:20,359 --> 00:19:22,428 …としか思えん。 226 00:19:22,428 --> 00:19:29,902 (雷鳴) 227 00:19:29,902 --> 00:19:42,915 (雨音) 228 00:19:53,926 --> 00:19:59,265 あ~っ! あっ あっ…。 229 00:19:59,265 --> 00:20:01,767 お奉行が。 230 00:20:05,137 --> 00:20:10,943 仏は? 女です。 それもまだ若い女かと。 231 00:20:20,419 --> 00:20:23,622 胸に傷があるのではないか? 232 00:20:25,291 --> 00:20:28,594 これは もしやすると…。 233 00:20:34,934 --> 00:20:37,436 お奉行 何を!あっ! 234 00:20:37,436 --> 00:20:42,274 (筧)こいつは鉄砲の弾。 235 00:20:42,274 --> 00:20:45,077 それと もう一つ。 236 00:20:49,181 --> 00:20:51,650 もしや この絵は…。 237 00:20:51,650 --> 00:20:55,821 仏の懐に 大事そうにしまい込んでありました。 238 00:20:55,821 --> 00:21:01,927 例の女ったらしが描いたんですよ。 金目当てで だまそうとして。 239 00:21:01,927 --> 00:21:08,801 その者は今 柳原の屋敷で 母上付きの若党になっている。 240 00:21:08,801 --> 00:21:10,936 (一同)お… 大奥様の!? 241 00:21:10,936 --> 00:21:16,742 糸を引いたのは 神田花房町のたばこ屋 稲城屋庄兵衛。 242 00:21:16,742 --> 00:21:21,647 殺されたのは 稲城屋の店番だった女かもしれぬ。 243 00:21:21,647 --> 00:21:24,283 何者なんですか? 稲城屋って。 244 00:21:24,283 --> 00:21:26,952 実はな せんだって➡ 245 00:21:26,952 --> 00:21:30,289 上様の鷹狩りのお供をした折のことだ。 246 00:21:30,289 --> 00:21:32,625 (銃声) 247 00:21:32,625 --> 00:21:34,660 何やつ!? 248 00:21:34,660 --> 00:21:37,963 (一同)えっ!なんと! それで思い出したのが➡ 249 00:21:37,963 --> 00:21:43,636 かつて 押し込みに鉄砲を使う盗賊が 世間を騒がせていたことだ。 250 00:21:43,636 --> 00:21:45,571 源さん。 251 00:21:45,571 --> 00:21:48,974 (源次郎)その時分の手配書きです。 252 00:21:48,974 --> 00:21:50,910 鳴神の庄右衛門。 253 00:21:50,910 --> 00:21:52,845 (銃声) 254 00:21:52,845 --> 00:21:55,648 あっ あっ 命だけは… 命だけは! 255 00:21:55,648 --> 00:21:57,583 あ~っ! (銃声) 256 00:21:57,583 --> 00:22:03,589 (駿介)それじゃ そいつは 前々から お奉行のお命を…。 257 00:22:09,929 --> 00:22:14,767 筧。 はっ。稲城屋を連れてまいれ。 258 00:22:14,767 --> 00:22:18,270 あ… はあ…。 259 00:22:18,270 --> 00:22:23,976 越前のいる この奉行所へ 稲城屋を呼び出すのだ。 260 00:22:32,284 --> 00:22:37,790 よもぎ餅… よもぎ餅…。 あんたが見つけたのかい その女の仏さん。 261 00:22:37,790 --> 00:22:44,430 見っけたんは近所のとっつぁんだ。 畑のそばの竹やぶん中 埋められててさ➡ 262 00:22:44,430 --> 00:22:48,300 10日かそこら ほったらかしになってたらしいよ。 263 00:22:48,300 --> 00:22:52,638 まともな家の娘なら 親が捜し回ってたろうに。 264 00:22:52,638 --> 00:22:54,974 んだんだ。 265 00:22:54,974 --> 00:22:59,845 (稲城屋)おつな…。➡ 266 00:22:59,845 --> 00:23:05,251 間違いありません。 うちにいた おつなです。 267 00:23:05,251 --> 00:23:08,754 (堅太郎)たばこ屋の店番は やめたのか。 268 00:23:08,754 --> 00:23:12,391 はい 何でか急に 店辞めたいって言いだして➡ 269 00:23:12,391 --> 00:23:16,095 ぷいって いなくなっちまったもんだから 案じちゃいたんですが。 270 00:23:16,095 --> 00:23:19,131 (筧)男でもできたんじゃねえのか? 男? 271 00:23:19,131 --> 00:23:24,803 おめえが おあしを払ってやった 食い逃げの男だよ。 272 00:23:24,803 --> 00:23:29,642 そいつらしいのが おつなと いちゃついてたって話でね。 273 00:23:29,642 --> 00:23:33,412 おめえ 2人の仲を知ってたんだろう? 274 00:23:33,412 --> 00:23:36,949 じゃあ あの男が おつなを殺めたんでございますか? 275 00:23:36,949 --> 00:23:44,290 いや そうとは思えん。 何しろ 得物は これだから。 276 00:23:44,290 --> 00:23:48,627 これってのは…。鉄砲だ。 鉄砲!? 277 00:23:48,627 --> 00:23:54,967 覚えがねえとは言わせねえぜ。 いや…。 278 00:23:54,967 --> 00:23:58,170 いや あいつなら ありえるかも。 279 00:24:00,572 --> 00:24:05,911 あれは 何やら えたいの知れない男でした。 280 00:24:05,911 --> 00:24:13,252 あるいは そういう危ない輩との つながりがあったやもしれません。 281 00:24:13,252 --> 00:24:20,926 おつな… おつな… おめえ…。 282 00:24:20,926 --> 00:24:26,265 (すすり泣き) 283 00:24:26,265 --> 00:24:29,568 かわいそうにな。 284 00:24:36,909 --> 00:24:39,611 おつな…。 285 00:24:54,626 --> 00:24:58,130 旦那。 おう 自訴でもしに来たか。 286 00:24:58,130 --> 00:25:01,133 自訴って…。 ハッハ。 287 00:25:02,735 --> 00:25:07,072 若い女が死んでたって まさか まさか おつなじゃ…。 288 00:25:07,072 --> 00:25:09,575 まあ ついてきな。 289 00:25:13,579 --> 00:25:19,385 しくじりやした。 こんなことなら す巻きにして川へ投げ込んどくんだった。 290 00:25:19,385 --> 00:25:21,887 ハハハ…。 291 00:25:23,589 --> 00:25:30,362 殺したのか… おつなを殺したのか…。 292 00:25:30,362 --> 00:25:34,600 おかしいとは思ってたんだよ。 この大嘘つき! 293 00:25:34,600 --> 00:25:39,104 ハッハッ。 たらし屋に 嘘つき呼ばわりされちゃかなわねえなあ。 294 00:25:44,109 --> 00:25:47,780 (稲城屋)おい。 295 00:25:47,780 --> 00:25:51,650 それ持って あいつのとこへ行くつもりか? 296 00:25:51,650 --> 00:25:57,289 あたし 決めたの。 もう あんたの言いなりにはならないって。 297 00:25:57,289 --> 00:26:02,127 あ~あ あんなごろつきに ほだされるとはな。 298 00:26:02,127 --> 00:26:06,098 へい。 野良猫は 所詮 野良猫。 299 00:26:06,098 --> 00:26:08,734 拾い損だった。 (銃声) 300 00:26:08,734 --> 00:26:14,540 うっ…。 (小判が落ちる音) 301 00:26:18,377 --> 00:26:21,280 何が「おつなは見逃してやる」だ。 302 00:26:21,280 --> 00:26:27,486 とっくに殺しておいて よくも… よくも! 303 00:26:29,121 --> 00:26:33,625 ハハハ あ~! ハハハハ…。 304 00:26:40,399 --> 00:26:44,203 まあ ちょうどいい頃合いか。 305 00:26:47,272 --> 00:26:51,076 お前の出番が来たんだよ。 306 00:27:23,375 --> 00:27:29,248 どうしたの? 風邪をひくわよ。 大奥様。 307 00:27:29,248 --> 00:27:36,588 あのね 明日ちょっと 忠相のところに 行かなきゃならなくなって。 308 00:27:36,588 --> 00:27:39,291 お役宅へ? 309 00:27:49,268 --> 00:27:53,405 あいにく 奥様は 若様と一緒にお出かけに。 310 00:27:53,405 --> 00:27:58,710 忠相が来たら呼んでちょうだい。 かしこまりました。 311 00:28:20,499 --> 00:28:24,236 お花さん 裏口に親分さんが お見えになってます。 312 00:28:24,236 --> 00:28:27,239 勘太さんが? お花さんのいい人なんでしょう。 313 00:28:27,239 --> 00:28:32,377 ここは私にお任せください。 あっ じゃあ 悪いけど お願いね。 314 00:28:32,377 --> 00:28:34,746 はい。 315 00:28:34,746 --> 00:29:15,420 ♬~ 316 00:29:15,420 --> 00:29:19,224 道之助か。 母が世話になっておる。 317 00:29:19,224 --> 00:29:24,563 お… 恐れ多いことでございます。 うむ 客の分も茶を頼む。 318 00:29:24,563 --> 00:29:26,765 お客様…? 319 00:29:29,735 --> 00:29:33,572 どうした 俺の顔に何かついているか? 320 00:29:33,572 --> 00:29:36,375 い… いえ。 321 00:29:36,375 --> 00:29:39,745 道之助 茶を。 322 00:29:39,745 --> 00:29:42,047 はい。 323 00:29:50,922 --> 00:29:54,760 (手の震えで急須が当たる音) 324 00:29:54,760 --> 00:29:59,464 食い逃げの度胸は どこへやらだな 道之助。 325 00:30:07,272 --> 00:30:11,143 実のところ お主には すまぬと思っている。 326 00:30:11,143 --> 00:30:16,448 あの時 無理にでも 番屋に引っ張っておけばよかった。 327 00:30:19,851 --> 00:30:25,657 もういいでしょう。 そのくらいにしてあげて。 328 00:30:31,496 --> 00:30:36,201 これ以上 見ていられないわ わたくしには。 329 00:30:37,969 --> 00:30:40,772 大奥様…。 330 00:30:47,679 --> 00:30:55,387 ごめんなさいね 道之助さん あなたをだますようなまねをして。 331 00:30:55,387 --> 00:30:58,190 許してちょうだい。 332 00:31:00,759 --> 00:31:10,068 俺なんか… 俺なんか あの時 撃たれて死ねばよかったんだ! 333 00:31:12,270 --> 00:31:22,914 (すすり泣き) 334 00:31:22,914 --> 00:31:35,494 ♬~ 335 00:31:35,494 --> 00:31:42,634 ⚟南町奉行 大岡越前守様 ご出座! 336 00:31:42,634 --> 00:31:49,307 これより たばこ屋 稲城屋の元店番 つなが殺められし一件について➡ 337 00:31:49,307 --> 00:31:53,311 吟味をいたす。 面を上げよ。 338 00:31:56,815 --> 00:32:01,653 浜島道之助 ならびに 稲城屋主 庄兵衛であるな。 339 00:32:01,653 --> 00:32:07,259 へい。 あの おつなは 手前の店を辞めた身でございます。 340 00:32:07,259 --> 00:32:09,594 何故 手前が このような座に。 341 00:32:09,594 --> 00:32:13,265 その方は 道之助とも ゆかりある身。 342 00:32:13,265 --> 00:32:17,602 いわば この者の後見人としての立場もある。 343 00:32:17,602 --> 00:32:23,275 へい。 では 道之助に尋ねる。 344 00:32:23,275 --> 00:32:26,178 遠州浪人と称するは まことか? 345 00:32:26,178 --> 00:32:31,149 はい… でも お武家なんかじゃありません。 346 00:32:31,149 --> 00:32:37,289 浪人だっていうのも でたらめで 本当は 道太っていいます。 347 00:32:37,289 --> 00:32:39,291 何故 偽りを? 348 00:32:39,291 --> 00:32:44,062 じいちゃんが お殿様にお仕えしていた 浜島様のお屋敷で➡ 349 00:32:44,062 --> 00:32:46,431 下働きをしていたんです。 350 00:32:46,431 --> 00:32:52,637 それで お家再興が どうのこうのって話を ずっと聞かされていて…。 351 00:32:52,637 --> 00:32:55,674 その話を己の素性に置き換えた訳は? 352 00:32:55,674 --> 00:33:03,248 俺がお武家だって言うと みんな楽しそうだったから。 353 00:33:03,248 --> 00:33:05,917 じいちゃんが死んで 江戸へ来て➡ 354 00:33:05,917 --> 00:33:09,754 口から出任せを言ったり 絵を描いてやったりして➡ 355 00:33:09,754 --> 00:33:14,259 女の機嫌を取って 食いつないできました。 356 00:33:18,263 --> 00:33:22,934 それは そなたが描いたものだな? 357 00:33:22,934 --> 00:33:27,439 持ってたんですか おつなが。 358 00:33:31,610 --> 00:33:38,416 俺 おつなの本当の気持ちなんか これっぽっちも…。 359 00:33:40,285 --> 00:33:45,991 ねえ あんた あたしと一緒に逃げてくれない? 360 00:33:55,634 --> 00:34:00,939 じゃあ 逃げようか 2人一緒に。 361 00:34:03,742 --> 00:34:06,645 本当に? 362 00:34:06,645 --> 00:34:12,851 当たり前だ。 俺は いつだって女の味方だ。 363 00:34:17,589 --> 00:34:22,394 口先だけじゃないんです。 本気でした。 364 00:34:22,394 --> 00:34:28,099 だけど おつなは その百倍も千倍も➡ 365 00:34:28,099 --> 00:34:31,102 もっともっと思い詰めてて…。 366 00:34:33,772 --> 00:34:39,644 それから間もなく 食い逃げの騒ぎで 稲城屋に出くわしたのだな? 367 00:34:39,644 --> 00:34:46,351 はい。 おつなが店の金を盗んだから 代わりに 落とし前をつけろって。 368 00:34:46,351 --> 00:34:49,788 うむ その落とし前とは? 369 00:34:49,788 --> 00:34:55,961 「裏の商売の邪魔になるやつがいる。 いつもの ほら話を使って➡ 370 00:34:55,961 --> 00:34:58,863 うまいこと近づいてみせろ」って。 371 00:34:58,863 --> 00:35:04,569 ほ~う 裏の商売とな? (道之助)その時 初めて知ったんです。 372 00:35:04,569 --> 00:35:08,373 稲城屋の正体を。 373 00:35:08,373 --> 00:35:26,791 ♬~ 374 00:35:26,791 --> 00:35:29,094 (喬之助)どこへ隠したんでしょう。 375 00:35:31,096 --> 00:35:33,398 (筧)伏せろ! おお! 376 00:35:33,398 --> 00:35:35,767 (銃声) 377 00:35:35,767 --> 00:35:38,103 追え 追え~! 378 00:35:38,103 --> 00:35:40,038 待ちやがれ! 379 00:35:40,038 --> 00:35:44,609 お奉行様 このような輩の作り話など いくら聞いても無駄でございます。 380 00:35:44,609 --> 00:35:46,644 早く お裁きをお申しつけくださいまし! 381 00:35:46,644 --> 00:35:51,483 おつなを殺したのは俺じゃありません。 この男が鉄砲で撃ち殺したんです。 382 00:35:51,483 --> 00:35:55,253 (稲城屋)ばかを言え。 私が どうして鉄砲など…。 383 00:35:55,253 --> 00:36:00,258 さて 作り話をしているのは どちらであろうなあ。 384 00:36:03,962 --> 00:36:06,965 ありました。 鉄砲です! 385 00:36:13,071 --> 00:36:17,242 稲城屋庄兵衛こと 盗賊 鳴神の庄右衛門。 386 00:36:17,242 --> 00:36:20,245 もはや 言い逃れは許されぬ。 387 00:36:20,245 --> 00:36:25,917 おつなは その方の情婦 いや… 慰み者であった。 388 00:36:25,917 --> 00:36:28,820 そのおつなを 自ら殺めておきながら➡ 389 00:36:28,820 --> 00:36:31,256 でっちあげの責めを負わせ➡ 390 00:36:31,256 --> 00:36:35,927 道太を奉行に近づけようとしたこと 既に明白。 391 00:36:35,927 --> 00:36:41,266 再三狙った鉄砲では らちが明かず 毒薬を使わんとした。 392 00:36:41,266 --> 00:36:43,768 どうじゃ。 393 00:36:43,768 --> 00:36:45,704 ハッ ハハ…。 394 00:36:45,704 --> 00:36:49,574 そうかい。 だったら俺も 鳴神の庄右衛門だ。 395 00:36:49,574 --> 00:36:51,576 これ以上 無駄は言うまいよ。 396 00:36:55,280 --> 00:36:58,983 うわっ! ああ~! 397 00:37:03,888 --> 00:37:06,558 代わりに越前➡ 398 00:37:06,558 --> 00:37:10,729 最後に その首 たたき折ってやる! 399 00:37:10,729 --> 00:37:12,664 うう~…! (はじき飛ばす音) 400 00:37:12,664 --> 00:37:16,901 どお! おっ うっ…。 401 00:37:16,901 --> 00:37:20,238 か… ごっ…。➡ 402 00:37:20,238 --> 00:37:22,941 か… ああ。 403 00:37:29,581 --> 00:37:32,250 庄右衛門と その手下 儀三郎。 404 00:37:32,250 --> 00:37:36,588 まずは おつな殺しの罪で 厳しき沙汰を待て。 405 00:37:36,588 --> 00:37:40,925 長年重ねし盗賊としての罪は 改めて裁く。 406 00:37:40,925 --> 00:37:43,428 覚悟をもって待つがよい。 407 00:37:45,096 --> 00:37:47,031 引っ立てい! (一同)はっ! 408 00:37:47,031 --> 00:37:50,401 ほらっ 立てい! さあ来い。 ああ~! 409 00:37:50,401 --> 00:37:52,403 (稲城屋)ああ! 410 00:37:58,276 --> 00:38:01,279 さて 道太。 411 00:38:02,981 --> 00:38:08,720 お奉行様 どうか 俺も獄門にしてください。 412 00:38:08,720 --> 00:38:11,356 獄門に? 413 00:38:11,356 --> 00:38:16,895 俺が ちゃんとした男だったら… まっとうに生きてる男だったら➡ 414 00:38:16,895 --> 00:38:19,397 おつなは 死なずに済んだんです。 415 00:38:22,567 --> 00:38:29,741 ちやほやされて いい気になって 女たちを傷つけてるつもりもなくて…➡ 416 00:38:29,741 --> 00:38:35,547 俺が どうしようもない駄目男だから おつなを助けてやれなかったんです。 417 00:38:39,384 --> 00:38:46,891 そこに気付けば おつなの魂も 幾分か救われよう。 418 00:38:54,265 --> 00:38:57,602 では 裁きを申し渡す。 419 00:38:57,602 --> 00:39:00,872 多くの娘たちを侮った罪も含め➡ 420 00:39:00,872 --> 00:39:05,043 道太に 江戸払いを命ずる。 421 00:39:05,043 --> 00:39:08,713 そんな… 俺はお奉行様の命まで…。 422 00:39:08,713 --> 00:39:15,019 道太…。 奉行の母が そなたに申したことを思い出すがよい。 423 00:39:16,588 --> 00:39:19,357 (妙)ごめんなさいね 道之助さん。 424 00:39:19,357 --> 00:39:23,895 あなたをだますようなまねをして。 425 00:39:23,895 --> 00:39:26,698 許してちょうだい。 426 00:39:28,566 --> 00:39:32,437 よって この一件は どちらもどちら。 427 00:39:32,437 --> 00:39:36,140 故に 不問といたす。 428 00:39:38,743 --> 00:39:43,081 だましたのは 俺の方なのに…。 429 00:39:43,081 --> 00:39:54,092 ♬~ 430 00:39:54,092 --> 00:39:58,596 本日の白洲 これまで。 431 00:39:58,596 --> 00:40:01,099 ようやった 越前。 432 00:40:01,099 --> 00:40:06,271 鳴神の庄右衛門に加え 仲間うちの頭目どもも一網打尽とは➡ 433 00:40:06,271 --> 00:40:08,206 見事である。 434 00:40:08,206 --> 00:40:10,942 鳴神はじめ 頭目たちは 着々と➡ 435 00:40:10,942 --> 00:40:15,413 次なる押し込みの手はずを 進めておりました。 436 00:40:15,413 --> 00:40:20,218 伊生殿の探索により 捕らえられた手下も多ございます。 437 00:40:22,287 --> 00:40:24,422 は…。 438 00:40:24,422 --> 00:40:29,961 (酒井)両町奉行が力を合わせるとは まさに このことでございますな。 439 00:40:29,961 --> 00:40:32,997 いいや 余は まだ物足りぬ。 440 00:40:32,997 --> 00:40:38,136 秩序の上の繁栄こそ 上様たってのご願。 441 00:40:38,136 --> 00:40:45,310 引き続いての厳しき務め 越前も下野も よう心得ております。 442 00:40:45,310 --> 00:40:47,612 う~ん。 443 00:40:50,181 --> 00:40:55,386 下野の配り紙は なかなかよかった。 444 00:40:57,021 --> 00:41:00,325 恐悦至極に存じます。 445 00:41:03,695 --> 00:41:09,634 (筧)お奉行がな 自分が死んでも 公方様がいるし 伊生様もいる。 446 00:41:09,634 --> 00:41:12,770 ぬすっとの天下なんか なりゃしねえってな。 447 00:41:12,770 --> 00:41:15,273 お奉行らしいや。 448 00:41:15,273 --> 00:41:18,776 だからって お奉行を むざむざ死なせるわけにはいきません。 449 00:41:18,776 --> 00:41:20,712 当ったり前だ。 450 00:41:20,712 --> 00:41:25,116 町のためにも 俺たちが お奉行を しっかりお守りせねば。 451 00:41:25,116 --> 00:41:27,151 (お秀)あ~あ。 452 00:41:27,151 --> 00:41:31,889 あの人 今頃 どうしてるかしら…。 453 00:41:31,889 --> 00:41:34,292 お前 まだ ポ~ッとしてんのか。 454 00:41:34,292 --> 00:41:39,130 だって いい男だったんだもの。 (同心たちの笑い声) 455 00:41:39,130 --> 00:41:41,966 お秀ちゃん 人間 顔じゃねえってよ。 456 00:41:41,966 --> 00:41:45,436 顔がよけりゃよかったで いらねえ苦労もあるってもんさ。 457 00:41:45,436 --> 00:41:48,973 どういう意味よ。危ねえ。 (笑い声) 458 00:41:48,973 --> 00:41:53,311 (妙)まあ。 わたくしを こんなふうに…。 459 00:41:53,311 --> 00:41:56,214 江戸をたつ前に 一晩で描き上げたそうですよ。 460 00:41:56,214 --> 00:41:59,650 そう。 461 00:41:59,650 --> 00:42:03,621 私は 前に見た あの絵よりも ずっと好きです。 462 00:42:03,621 --> 00:42:06,090 あらっ。 463 00:42:06,090 --> 00:42:10,395 これはこれでいいと思うけど? 464 00:42:16,601 --> 00:42:21,406 <若者は 御仏の姿を写しながら➡ 465 00:42:21,406 --> 00:42:25,943 魂を清める旅をする。➡ 466 00:42:25,943 --> 00:42:33,251 人のために尽くす その明日を 心から願う忠相であった> 467 00:42:34,952 --> 00:42:36,888 これが江戸の町かあ。 468 00:42:36,888 --> 00:42:40,124 どこにいらしたのです? 若様! 469 00:42:40,124 --> 00:42:42,059 隠密に動いてくれ。 470 00:42:42,059 --> 00:42:45,430 そっくり?そっくりだ。 近う寄って 顔を見せてくれ。 471 00:42:45,430 --> 00:42:47,365 みんなに食わせてやりてえ。 472 00:42:47,365 --> 00:42:50,301 みなしごを集めて 盗みをさせている男がいるそうです。 473 00:42:50,301 --> 00:42:52,303 てめえ ただで済むと思うなよ。 474 00:42:52,303 --> 00:42:55,106 何故 私と分からぬのだ! そなたの名は?