1 00:00:02,202 --> 00:00:04,204 ほら 道を空けろ。 2 00:00:06,139 --> 00:00:10,277 (史織)若様 間もなく東照宮でございます。 3 00:00:10,277 --> 00:00:12,946 (伝左衛門)月々のご参詣➡ 4 00:00:12,946 --> 00:00:20,287 東照大権現様が さぞ お喜びでございましょう。 5 00:00:20,287 --> 00:00:22,589 (小五郎)ああ。 6 00:00:24,157 --> 00:00:29,630 ⚟(子供たち) ♬「とおりゃんせ とおりゃんせ」 7 00:00:29,630 --> 00:00:33,800 あっ 金魚。 ♬「ここはどこの ほそみちじゃ」 8 00:00:33,800 --> 00:00:37,304 あっちは… 楽しそうだな。 9 00:00:37,304 --> 00:00:41,975 <松平小五郎。 後の名を 一橋宗尹。➡ 10 00:00:41,975 --> 00:00:46,813 やがて 御三卿の一つ 一橋家を創設することになる➡ 11 00:00:46,813 --> 00:00:50,150 吉宗4番目の男子である> 12 00:00:50,150 --> 00:00:54,821 (祝詞) 13 00:00:54,821 --> 00:01:21,982 (祝詞) 14 00:01:21,982 --> 00:01:24,985 (祝詞) 15 00:01:26,753 --> 00:01:30,290 ああ~! 清々した! 16 00:01:30,290 --> 00:01:35,963 (小銭の音) 17 00:01:35,963 --> 00:01:39,633 (太吉)くそ… くそっ。 18 00:01:39,633 --> 00:01:43,303 そなた 何をいたしておるのだ? 19 00:01:43,303 --> 00:01:45,973 (太吉)うるせえ 邪魔すんな。➡ 20 00:01:45,973 --> 00:01:49,009 やった! 21 00:01:49,009 --> 00:01:52,846 面白そうだな。 私にもやらせてくれ。 22 00:01:52,846 --> 00:01:57,351 ああ! てめえ この野郎! 23 00:02:02,923 --> 00:02:05,926 ちきしょう 覚えてろよ。 24 00:02:07,594 --> 00:02:10,397 (小五郎)ちょっと待て! (太吉)何だよ。 25 00:02:10,397 --> 00:02:12,399 おいらの顔に 何か…。 26 00:02:15,102 --> 00:02:18,138 似てる。 は? 27 00:02:18,138 --> 00:02:22,943 あっ 私をよく見ろ。 似ていると思わぬか? 28 00:02:25,612 --> 00:02:29,116 そ… そっくり? そっくりだ。 29 00:02:29,116 --> 00:02:32,152 うへえ きび悪い。 30 00:02:32,152 --> 00:02:34,921 ⚟(伝左衛門)若様! ⚟(史織)若様! 31 00:02:34,921 --> 00:02:37,290 ⚟(伝左衛門)どちらです? ⚟(史織)若様? 32 00:02:37,290 --> 00:02:40,293 ⚟(伝左衛門)若様~! ⚟(史織)若様! 33 00:02:40,293 --> 00:02:42,496 おい 隠れんのか? 34 00:02:44,164 --> 00:02:47,300 だったら こっちだ。 35 00:02:47,300 --> 00:02:51,805 若様? 若様~! 若様! 36 00:02:53,807 --> 00:02:57,978 若様! 若様? 若様!若様? 37 00:02:57,978 --> 00:03:02,816 う… これは えらいことになりました。 (史織)どうしましょう。 38 00:03:02,816 --> 00:03:05,619 (伝左衛門)若様! (史織)若様! 39 00:03:09,256 --> 00:03:11,925 (小五郎)助かった。 かたじけない。 40 00:03:11,925 --> 00:03:15,262 (太吉)おめえ どっかの若様なのか? 41 00:03:15,262 --> 00:03:17,931 うん まあ…。 42 00:03:17,931 --> 00:03:19,966 (太吉)何で逃げてんだ? 43 00:03:19,966 --> 00:03:22,402 逃げてるわけではない。 44 00:03:22,402 --> 00:03:27,774 ただ 毎日窮屈で 息が詰まるのだ。 45 00:03:27,774 --> 00:03:29,810 (太吉)ぜいたく言ってらあ。 46 00:03:29,810 --> 00:03:32,512 うめえもん たらふく食ってんだろう? 47 00:03:34,548 --> 00:03:38,285 (小五郎)そなた 名は? 48 00:03:38,285 --> 00:03:40,220 太吉。 49 00:03:40,220 --> 00:03:43,123 私は小五郎。 50 00:03:43,123 --> 00:03:45,058 どうだろう 太吉➡ 51 00:03:45,058 --> 00:03:49,796 ほんのしばらく そなたの着物を貸してくれぬか? 52 00:03:49,796 --> 00:03:52,432 え? おいらの? 53 00:03:52,432 --> 00:03:55,135 (小五郎)一刻か二刻でよい。 54 00:03:55,135 --> 00:03:59,439 江戸の町を ブラブラと歩いてみたい。 55 00:04:03,577 --> 00:04:06,480 代わりに おいらが そのべべを着てもいいのか? 56 00:04:06,480 --> 00:04:11,451 無論だ。 よし なら 取り替えっこだ。 57 00:04:11,451 --> 00:04:15,756 若様! 若様! 58 00:04:15,756 --> 00:04:19,559 (伝左衛門)若様! おお いらしたか? お見えになりませぬ。 59 00:04:22,529 --> 00:04:24,464 どうだ? 60 00:04:24,464 --> 00:04:27,767 おっ いいじゃねえか。 61 00:04:27,767 --> 00:04:30,670 おいら どうだ? 62 00:04:30,670 --> 00:04:33,673 はかまが逆さまじゃ。 63 00:04:35,509 --> 00:04:38,512 おめえも 頭が ちぐはぐだ。 64 00:04:44,117 --> 00:04:46,820 わっ! な… 何をする! 65 00:04:53,627 --> 00:04:56,530 そなた 器用だな。 66 00:04:56,530 --> 00:04:59,132 いつも チビたちの頭 いじってっから。 67 00:04:59,132 --> 00:05:01,635 チビたち? 68 00:05:13,780 --> 00:05:17,083 (小五郎)これでよい。 69 00:05:17,083 --> 00:05:19,586 代わりに 持っていきねえ。 70 00:05:22,956 --> 00:05:28,261 ⚟若様~! 若様! 若様~! 71 00:05:28,261 --> 00:05:31,164 恩に着る。 そこで待っていてくれ。 72 00:05:31,164 --> 00:05:33,934 あいよ。 73 00:05:33,934 --> 00:05:36,403 すまん。 74 00:05:36,403 --> 00:05:40,106 バ~カ。 誰が待ってやるもんかい。 75 00:05:42,275 --> 00:05:46,079 はあ~。 (雪絵)どうして行かないのです? 76 00:05:46,079 --> 00:05:48,415 道場へ通いたいと言いだしたのは➡ 77 00:05:48,415 --> 00:05:52,118 あなたなのですよ? 性に合わなかったんです。 78 00:05:52,118 --> 00:05:55,155 始めたばかりで 何が分かりますか。 79 00:05:55,155 --> 00:05:57,424 どうしたの? 求次郎。 80 00:05:57,424 --> 00:06:01,228 若様 一体 何が気に入らないんですか? 81 00:06:01,228 --> 00:06:04,231 打ったり打たれたり 勝ったり負けたり。 82 00:06:04,231 --> 00:06:09,736 私は そんなことよりも みんなと仲よくしたい。 83 00:06:09,736 --> 00:06:13,907 (忠相)ならば 行かなくてもよいぞ。 旦那様…。 84 00:06:13,907 --> 00:06:18,745 剣術が ただの喧嘩に思えるのなら お前には はなから向いておらんのだろう。 85 00:06:18,745 --> 00:06:21,581 その言い方は ひどいんじゃない? 86 00:06:21,581 --> 00:06:24,251 この子は優しいだけなのに。 87 00:06:24,251 --> 00:06:28,121 剣術は 己を鍛えるもの。 88 00:06:28,121 --> 00:06:32,626 それさえ分からぬ者が 稽古などしても無駄だ。 89 00:06:34,394 --> 00:06:39,766 どうします? 行きますか? それとも やめますか? 90 00:06:39,766 --> 00:06:42,669 行きます! 行けばいいんでしょ! 91 00:06:42,669 --> 00:06:56,182 ♬~ 92 00:06:57,951 --> 00:08:11,458 ♬~ 93 00:08:14,060 --> 00:08:23,737 (町の雑踏の音) 94 00:08:23,737 --> 00:08:28,575 (見物人たち)おお~! 95 00:08:28,575 --> 00:08:32,445 (子供たちの歌声) 96 00:08:32,445 --> 00:08:34,748 これが江戸の町か! 97 00:08:40,754 --> 00:08:43,656 (古手屋)その立派な着物を? 98 00:08:43,656 --> 00:08:47,394 そっ。 ついでに こいつも目利きしてくんな。 99 00:08:47,394 --> 00:08:49,462 まとめて いくらになる? (古手屋)はっ!➡ 100 00:08:49,462 --> 00:08:51,598 こ… これは…。 101 00:08:51,598 --> 00:08:54,501 小僧。 どっから盗んできた! 102 00:08:54,501 --> 00:08:57,404 番屋へ突き出してやる さあ 来るんだ ほらっ。 103 00:08:57,404 --> 00:08:59,339 離しやがれ! あ~ いたた! 104 00:08:59,339 --> 00:09:02,709 あ… 待たんか! 105 00:09:02,709 --> 00:09:11,351 ハアハアハア ハア~ ハア~。 106 00:09:11,351 --> 00:09:14,254 若様。 ど… えっ?お許しを! 107 00:09:14,254 --> 00:09:17,724 ちょっ… え? おいら 若様じゃ…! え? あ…。 108 00:09:17,724 --> 00:09:20,059 若様のお戻りじゃ! 109 00:09:20,059 --> 00:09:22,896 おお! それはそれは! 110 00:09:22,896 --> 00:09:26,699 (史織)若様? 若様。 111 00:09:29,669 --> 00:09:33,973 (伝左衛門)おお! 若様! 112 00:09:37,911 --> 00:09:45,785 (史織)ああ おいたわしや。 そのおぐし… 一体どうなさいました? 113 00:09:45,785 --> 00:09:48,922 いや これは…。 よりによって➡ 114 00:09:48,922 --> 00:09:54,260 ご参詣の折に 何をなさっておいでです! 115 00:09:54,260 --> 00:09:57,931 こんなことが上様のお耳に入ったら…。 116 00:09:57,931 --> 00:10:00,400 上様って 千代田の将軍様のことか? 117 00:10:00,400 --> 00:10:05,105 おふざけがすぎますよ。 お父上様を そのように。 118 00:10:05,105 --> 00:10:09,409 え…? お父っつぁんが上様? 119 00:10:09,409 --> 00:10:13,112 ってことは あの小五郎ってのは まさか 上様の…。 120 00:10:13,112 --> 00:10:15,782 (伝左衛門)いいかげんになさいませ! 121 00:10:15,782 --> 00:10:23,289 上様の4番目の男子 小五郎様は あなた様ではございませぬか! 122 00:10:23,289 --> 00:10:25,792 うへえ! 123 00:10:25,792 --> 00:10:32,665 多田様 もしや 若様は おつむりを打たれたのでは!? 124 00:10:32,665 --> 00:10:36,970 あ… 頭を? それは一大事! 125 00:10:36,970 --> 00:10:40,840 そ… そういえば 何も思い出せないや。 126 00:10:40,840 --> 00:10:44,444 さっき 転んで… ぶつけたせいかも。 127 00:10:44,444 --> 00:10:47,146 う~ん。 (家臣一同)ああ 若様! 128 00:10:49,282 --> 00:10:52,585 何だ? この香ばしい匂いは。 129 00:10:59,025 --> 00:11:02,962 1つ 所望じゃ。 おあしは あるのかね? 130 00:11:02,962 --> 00:11:07,667 さようなものは持たぬ。 あとで遣わす故 早うせい! 131 00:11:07,667 --> 00:11:10,937 ふざけるな このガキ! とっとと うせろ! 132 00:11:10,937 --> 00:11:14,607 あっ ああ… ああ~。➡ 133 00:11:14,607 --> 00:11:19,112 なんと粗暴な。 じいに言いつけてやる! 134 00:11:19,112 --> 00:11:21,414 シッ! シッ。 135 00:11:21,414 --> 00:11:25,919 しかし 腹が減ったなあ。 136 00:11:37,797 --> 00:11:39,732 (トメ)あんちゃん 頼む! 137 00:11:39,732 --> 00:11:41,968 あ… おいおい。 ちょっと待て! 138 00:11:41,968 --> 00:11:46,472 あっ! ない! ど… 泥棒。 139 00:11:49,142 --> 00:11:52,345 ああ! 気を付けろ! 140 00:12:01,087 --> 00:12:03,389 (小五郎)待たれよ! そこな者。➡ 141 00:12:03,389 --> 00:12:06,292 そちじゃ。 142 00:12:06,292 --> 00:12:10,930 これを 茶店の前で騒いでいる御仁に 返してくれ。 143 00:12:10,930 --> 00:12:13,733 貴公を見込んで お頼み申す。 144 00:12:15,602 --> 00:12:20,406 あ…。 あ~! 私の財布! 145 00:12:20,406 --> 00:12:23,276 あんた! あのガキの仲間だな! 146 00:12:23,276 --> 00:12:26,946 (駿介)どうした どうした。 あっ 若! 147 00:12:26,946 --> 00:12:29,415 あの 捕まえてください 泥棒です! 148 00:12:29,415 --> 00:12:32,785 そんなバカな。 このお方に限って そういうことは。 149 00:12:32,785 --> 00:12:38,424 じゃあ どうして あたしの財布が ここにあるんです!➡ 150 00:12:38,424 --> 00:12:43,296 まったく 親の顔が見たいもんだい! 151 00:12:43,296 --> 00:12:50,169 ハハハハ! 奉行の子に 泥棒の疑いがかけられるとは 前代未聞。 152 00:12:50,169 --> 00:12:53,806 大層な目に遭ったな 求次郎。 ハハハハハ。 153 00:12:53,806 --> 00:12:56,843 笑い事ではございません! うん。 154 00:12:56,843 --> 00:13:00,913 財布を盗んだ幼い子は 捕まったのですか? 155 00:13:00,913 --> 00:13:03,249 いや。 156 00:13:03,249 --> 00:13:07,120 逃げられてよかったというわけには まいりませんが➡ 157 00:13:07,120 --> 00:13:10,123 その子の先行きが案じられます。 158 00:13:10,123 --> 00:13:12,258 どういうことですか? 159 00:13:12,258 --> 00:13:17,130 世の中には 親もない 住むところもない子が大勢いるのです。 160 00:13:17,130 --> 00:13:21,601 求次郎も 物乞いをしている子を 見たことがあるでしょ? 161 00:13:21,601 --> 00:13:26,272 そうした子らが 食うに困って盗みを働くことも多い。 162 00:13:26,272 --> 00:13:31,110 母上はな そういう者たちの身の上を 案じているのだ。 163 00:13:31,110 --> 00:13:36,616 あの子も 物乞いなのでしょうか。 うん? 164 00:13:36,616 --> 00:13:40,953 私に財布を押しつけて逃げた子です。 165 00:13:40,953 --> 00:13:44,290 待たれよ! そこな者。 そちじゃ。 166 00:13:44,290 --> 00:13:47,627 (求次郎)汚いなりをしていましたけれど➡ 167 00:13:47,627 --> 00:13:53,433 キリッとしていて どこか 気品さえ漂うような…。 168 00:13:53,433 --> 00:13:55,501 ほう。 169 00:13:55,501 --> 00:14:00,907 財布だって 盗むどころか 持ち主に返してくれって。 170 00:14:00,907 --> 00:14:04,410 何か よほどの訳があるような気がします。 171 00:14:14,387 --> 00:14:18,925 (小太郎) おい その方ら どういうつもりだ? 172 00:14:18,925 --> 00:14:26,599 ああ~ あ~ かわいそうになあ。 173 00:14:26,599 --> 00:14:32,939 地蔵様から頂いてきたまんじゅう あんたに1つ やろうな。 174 00:14:32,939 --> 00:14:37,944 わあ まんじゅうか。 それはありがたい。 大儀じゃ。 175 00:14:42,949 --> 00:14:48,121 うへっ うえ~ 何だこれ。 うえっ。 176 00:14:48,121 --> 00:14:51,023 は? (岩八)しくじりやがって。 177 00:14:51,023 --> 00:14:53,993 てめえ ただで済むと思うなよ。 178 00:14:53,993 --> 00:14:59,298 (小五郎)離すのじゃ! 離せ! 離すのじゃ! 離せ! 179 00:14:59,298 --> 00:15:01,234 う~ん! わっ。 180 00:15:01,234 --> 00:15:04,237 出さぬか 無礼者! 出さぬか! 181 00:15:04,237 --> 00:15:07,373 私は 夕刻までに 戻らなければならぬのだ! 182 00:15:07,373 --> 00:15:09,442 飯は抜きだ。 183 00:15:09,442 --> 00:15:13,746 トメ! おめえもだ。 184 00:15:19,919 --> 00:15:23,723 おう お前ら! 今日のあがり出しな。 185 00:15:27,593 --> 00:15:30,496 (小五郎)出せ! 私は太吉ではない!➡ 186 00:15:30,496 --> 00:15:32,932 ここから出してくれ! (岩八)やかましい! 187 00:15:32,932 --> 00:15:38,805 (医師)う~ん お体に これといって お悪いところはないのですが。 188 00:15:38,805 --> 00:15:44,544 まさか このまま 何も思い出せないということは…。 189 00:15:44,544 --> 00:15:48,948 実は もう一つ 気になることが。 190 00:15:48,948 --> 00:15:52,819 どうした訳か 常ならず食がお進みで。➡ 191 00:15:52,819 --> 00:15:58,124 さっき召し上がったばかりなのに お診立てが終わりましたら また。 192 00:15:58,124 --> 00:16:00,560 (世話係)若様 動かないでくださいませ。 193 00:16:00,560 --> 00:16:02,562 骨なんていいから! 194 00:16:06,232 --> 00:16:08,167 うめえ~。➡ 195 00:16:08,167 --> 00:16:11,571 あいつらにも食わしてやりてえなあ。 196 00:16:11,571 --> 00:16:14,473 いたたたたたたた いたた。 197 00:16:14,473 --> 00:16:18,444 あっ あ 痛い。 あいててててて。 198 00:16:18,444 --> 00:16:23,249 (おかよ)太吉っつぁん。あいてててて。 おなかすいたでしょ? 199 00:16:23,249 --> 00:16:27,587 う… ああ…。 どうしたの? 200 00:16:27,587 --> 00:16:31,891 痛い… 腹が痛い。 201 00:16:34,460 --> 00:16:39,599 あいつ いつも あんななのか? あいつって? 202 00:16:39,599 --> 00:16:43,402 私をここに閉じ込めた男のことだ。 203 00:16:43,402 --> 00:16:47,106 岩八さんのこと? 204 00:16:47,106 --> 00:16:52,411 岩八…。 あいつ お前たちの何なんだ? 205 00:16:52,411 --> 00:16:56,616 お前たちに 親はいないのか? 206 00:16:56,616 --> 00:17:00,119 あんた 何か変よ。 207 00:17:02,054 --> 00:17:06,893 町で太吉と会って 着ているものを取り替えた。 208 00:17:06,893 --> 00:17:09,195 私の名は小五郎。 209 00:17:10,763 --> 00:17:16,369 似ているのは分かっている。 私だって 驚いたのだ。 210 00:17:16,369 --> 00:17:18,905 う… うう~ いたたたたたた。 211 00:17:18,905 --> 00:17:21,107 ちょっと待って。 212 00:17:24,777 --> 00:17:27,079 傷がない。 213 00:17:27,079 --> 00:17:29,982 おかよ いつになったら まともな飯がこしらえられるんだ! 214 00:17:29,982 --> 00:17:33,586 やめろ! おめえは すっ込こんでろい! 215 00:17:33,586 --> 00:17:38,457 (ぶつかる音) (太吉)ああ~ うっ… ああ…。 216 00:17:38,457 --> 00:17:42,762 (おかよ)私を助けてくれた時 けがした傷が…。 217 00:17:42,762 --> 00:17:46,966 あんた 本当に太吉っつぁんじゃないのね? 218 00:17:57,944 --> 00:18:02,248 さ~て ずらかるとするか。 219 00:18:18,898 --> 00:18:23,069 (カエルとフクロウの鳴き声) 220 00:18:23,069 --> 00:18:25,004 (いびき) 221 00:18:25,004 --> 00:18:26,939 (おかよ)みんな よく寝てるわ。 222 00:18:26,939 --> 00:18:32,578 (小五郎) しかし いつも こんな 粗末な飯を? 223 00:18:32,578 --> 00:18:34,914 食べられるだけ マシ。 224 00:18:34,914 --> 00:18:42,588 だから みんな あの人の言うことを聞いて 物乞いをしたり かっぱらいをしたり。➡ 225 00:18:42,588 --> 00:18:47,460 みんな 親に捨てられたりして 行くところがないの。➡ 226 00:18:47,460 --> 00:18:52,965 上の子が下の子を守ってやって みんなで辛抱するしかないの。 227 00:18:55,768 --> 00:19:00,606 なあ おかよ。 私を ここから出してくれ。 228 00:19:00,606 --> 00:19:03,042 えっ? 229 00:19:03,042 --> 00:19:08,347 私が戻って訴えれば お前たちを助けることができる。 230 00:19:12,218 --> 00:19:14,153 でも…。 231 00:19:14,153 --> 00:19:18,557 岩八には 勝手に逃げたと言えばよい。 232 00:19:18,557 --> 00:19:23,863 信じてくれ。 必ず お前たちの力になる。 233 00:19:28,567 --> 00:19:30,903 小五郎様のお加減が? 234 00:19:30,903 --> 00:19:34,373 (吉宗)前々から 鷹狩りに行ってみたいと ねだられておってな。 235 00:19:34,373 --> 00:19:39,578 そろそろと思って 屋敷へ使いをやったら 具合が悪いと返事があった。 236 00:19:39,578 --> 00:19:42,248 それは 案じられます。 237 00:19:42,248 --> 00:19:46,919 う~ん。 大したことはないというのだが➡ 238 00:19:46,919 --> 00:19:51,791 あれの母親は病がちで 早うに身まかっておるし➡ 239 00:19:51,791 --> 00:19:56,929 どうも気がかりじゃ。 お察しいたします。 240 00:19:56,929 --> 00:20:01,400 しかし どちらかと言うと 余に似ておる。 241 00:20:01,400 --> 00:20:06,605 何にでも興味を持つ面白いやつでなあ。 ハハハハ。 242 00:20:06,605 --> 00:20:14,113 近頃は 町の者たちの暮らしぶりが 気になってならぬそうだ。 ハハハ。 243 00:20:14,113 --> 00:20:18,951 ほれ せがまれて そちが あれこれ 話してやったことがあったろう。 244 00:20:18,951 --> 00:20:20,886 あれかららしいぞ。 245 00:20:20,886 --> 00:20:25,825 アッハ さようでございましたか。 246 00:20:25,825 --> 00:20:29,128 見舞いに行くから同道いたせ。 247 00:20:31,297 --> 00:20:36,602 はあ~ よかった~。 やっと着いた。 248 00:20:38,637 --> 00:20:41,307 あっ 小僧! 入ってはならぬ! 249 00:20:41,307 --> 00:20:44,810 おい。 ここは物乞いの来るところではない。 250 00:20:44,810 --> 00:20:49,148 見忘れたか。 私じゃ 小五郎じゃ。 251 00:20:49,148 --> 00:20:54,320 寝ぼけたことを抜かすな! え~い 来い! ほらっ。 252 00:20:54,320 --> 00:20:56,255 離せ! 離せ! 253 00:20:56,255 --> 00:21:01,060 じいを呼べ! 伝左衛門を呼べ! 史織を呼べ! 254 00:21:04,930 --> 00:21:06,866 ⚟(小五郎)離さぬか! 255 00:21:06,866 --> 00:21:08,868 とっととうせろ! (小五郎)ああ! 256 00:21:11,103 --> 00:21:13,405 どうして分からぬ! 257 00:21:13,405 --> 00:21:20,780 着ているものが違うというだけで 何故 私と分からぬのだ! 258 00:21:20,780 --> 00:21:24,116 忠相。はっ。 いかがした? 259 00:21:24,116 --> 00:21:26,118 …いえ。 260 00:21:27,786 --> 00:21:30,689 上様が!? 261 00:21:30,689 --> 00:21:32,958 う… 上様? 262 00:21:32,958 --> 00:21:36,829 それは一大事。 若様 すぐにお召し替えを。 263 00:21:36,829 --> 00:21:39,632 ほれ 何をいたしておる 急げ! 264 00:21:39,632 --> 00:21:42,134 (侍女たち)お着物でございますね。 お支度をお願いいたします。➡ 265 00:21:42,134 --> 00:21:45,804 お… お色みは? お色み…! 266 00:21:45,804 --> 00:21:49,108 おいらが 上様と会うのかい? 267 00:21:52,311 --> 00:21:57,116 おお 小五郎 起きておったか。 顔色もよいではないか。 268 00:21:58,818 --> 00:22:01,821 若様。 若様 お口。 269 00:22:07,927 --> 00:22:10,830 忠相にございます。 270 00:22:10,830 --> 00:22:12,798 はあ…。 271 00:22:12,798 --> 00:22:17,269 上様より 町の話などして 若様をお慰めするよう賜わり➡ 272 00:22:17,269 --> 00:22:20,272 お供つかまつりました。 273 00:22:20,272 --> 00:22:23,142 町の話? 274 00:22:23,142 --> 00:22:25,778 うん? 275 00:22:25,778 --> 00:22:32,117 いいよ おじさん。 だって 今更 おいらに 町の話なんて…。 276 00:22:32,117 --> 00:22:36,288 ハハ…。 若様 お顔が少し赤うございます。 277 00:22:36,288 --> 00:22:40,793 お風邪でも召されたのでは ございませぬか?おお それは一大事! 278 00:22:40,793 --> 00:22:43,629 もし 上様に おうつしでもしたら➡ 279 00:22:43,629 --> 00:22:47,433 それがし この皺腹 かっ切らねばなりません。 280 00:22:47,433 --> 00:22:52,738 ハハッ 何を大げさな。 小五郎 近う寄って 顔を見せてくれ。 281 00:22:55,174 --> 00:22:57,176 上様。 282 00:22:59,445 --> 00:23:05,084 あまり 若様に ご無理おさせ申しては いかがかと存じます。 283 00:23:05,084 --> 00:23:07,586 う~ん。 284 00:23:07,586 --> 00:23:13,292 まっ 忠相が そう言うのなら やむをえぬか。 285 00:23:15,761 --> 00:23:18,597 小五郎 体をいとえよ。 286 00:23:18,597 --> 00:23:21,300 (史織 伝左衛門)ははあ~! 287 00:23:24,937 --> 00:23:26,872 (岩八)太吉は どこ行った! 288 00:23:26,872 --> 00:23:28,807 何か知ってんなら 正直に言わねえと…。 289 00:23:28,807 --> 00:23:32,411 やめて! たたくなら 私だけにして! 290 00:23:32,411 --> 00:23:34,780 やっぱり おめえの仕業か。 291 00:23:34,780 --> 00:23:36,815 覚悟しやがれ! 292 00:23:36,815 --> 00:23:39,618 (小五郎)やめろ! 293 00:23:39,618 --> 00:23:42,655 私は ここにいる。 294 00:23:42,655 --> 00:23:45,157 (子供たち)あんちゃ~ん! 295 00:23:59,638 --> 00:24:03,375 これで文句あるまい。 てめえ…。 296 00:24:03,375 --> 00:24:05,444 いつまでも言いなりになると思うなよ。 297 00:24:05,444 --> 00:24:09,081 つまらねえ口たたきやがって。 298 00:24:09,081 --> 00:24:11,750 罰として お前ら全員 飯抜きだ。 299 00:24:11,750 --> 00:24:14,086 ひどいわ そんなの。➡ 300 00:24:14,086 --> 00:24:18,590 おなかがすいたままじゃ 誰も稼ぎに出られません。➡ 301 00:24:18,590 --> 00:24:21,093 それでもいいんですか? 302 00:24:25,464 --> 00:24:27,766 覚えてやがれ。 303 00:24:30,202 --> 00:24:32,604 あんた 小五郎さんね? 304 00:24:32,604 --> 00:24:39,111 すまない。 大きなことを言ったが 首尾よういかず 舞い戻った。 305 00:24:39,111 --> 00:24:41,046 (子供たち)あんちゃ~ん! 306 00:24:41,046 --> 00:24:43,983 あ~んちゃ~ん。 307 00:24:43,983 --> 00:24:47,619 (子供たち)あんちゃ~ん! 308 00:24:47,619 --> 00:24:50,522 小五郎様のご様子が? 309 00:24:50,522 --> 00:24:54,960 うん。 お風邪が よほど おひどいのでしょうか。 310 00:24:54,960 --> 00:24:58,797 風邪というのは何かの方便。 311 00:24:58,797 --> 00:25:02,668 むやみにしゃべられては困る というところか。 312 00:25:02,668 --> 00:25:05,671 それはまた面妖な。 313 00:25:07,906 --> 00:25:13,078 (小五郎)どうして分からぬ! 着ているものが違うというだけで➡ 314 00:25:13,078 --> 00:25:16,382 何故 私と分からぬのだ! 315 00:25:16,382 --> 00:25:20,586 (求次郎) あの子も 物乞いなのでしょうか。➡ 316 00:25:20,586 --> 00:25:22,521 汚いなりをしていましたけれど➡ 317 00:25:22,521 --> 00:25:28,227 キリッとしていて どこか 気品さえ漂うような…。 318 00:25:34,133 --> 00:25:39,138 雪絵。はい。 求次郎を呼んでくれ。 319 00:25:40,973 --> 00:25:47,112 えっ? では お奉行は 若が見かけた物乞いのような子が➡ 320 00:25:47,112 --> 00:25:49,782 本物の小五郎様ではないかと? 321 00:25:49,782 --> 00:25:51,717 さような気がしてならんのだ。 322 00:25:51,717 --> 00:25:55,421 父上に聞かれて 私も初めは驚きました。 323 00:25:55,421 --> 00:25:58,791 でも あの物腰や立ち居振る舞いは➡ 324 00:25:58,791 --> 00:26:02,761 将軍家の若君であっても ちっともおかしくありません。 325 00:26:02,761 --> 00:26:06,899 そういえば 昨日は 小五郎様の➡ 326 00:26:06,899 --> 00:26:09,568 東照宮ご参詣の日でございましたな。 327 00:26:09,568 --> 00:26:14,239 つまり あの辺りをうろついていた 物乞いの子と入れ代わって➡ 328 00:26:14,239 --> 00:26:19,378 さっき お奉行が屋敷で会った若様は 実は そっちの…。 329 00:26:19,378 --> 00:26:21,313 物乞いの子ということに。 330 00:26:21,313 --> 00:26:23,916 うん。 もし そうなら➡ 331 00:26:23,916 --> 00:26:25,851 世間に知れたら 大騒ぎです。 332 00:26:25,851 --> 00:26:29,254 本物の若様を 捜すしかないってことですね。 333 00:26:29,254 --> 00:26:31,924 さよう。 334 00:26:31,924 --> 00:26:35,594 直ちに かつ 隠密に動いてくれ。 335 00:26:35,594 --> 00:26:37,529 (一同)はい! 336 00:26:37,529 --> 00:26:40,933 父上 私もお手伝いいたします! 337 00:26:40,933 --> 00:26:43,135 頼んだぞ。 338 00:26:45,771 --> 00:26:47,706 若! 339 00:26:47,706 --> 00:27:02,521 ♬~ 340 00:27:09,561 --> 00:27:13,265 あんちゃん これ直して。 341 00:27:18,904 --> 00:27:21,373 この子たちのおもちゃ➡ 342 00:27:21,373 --> 00:27:26,578 みんな 太吉っつぁんが 木を削って こさえてるの。 343 00:27:26,578 --> 00:27:31,583 そうか。 あいつ 器用だから…。 344 00:27:35,587 --> 00:27:38,090 はあ…。 345 00:27:40,092 --> 00:27:46,965 トメ テツ サチ おかよ。 346 00:27:46,965 --> 00:27:52,271 あいつら おいらがいなくて どうしてるんだろう。 347 00:27:54,273 --> 00:27:56,475 (はなをすする音) 348 00:27:58,277 --> 00:28:06,218 私には 何一つ してやれぬことばかりだ。 349 00:28:06,218 --> 00:28:08,520 情けない。 350 00:28:10,088 --> 00:28:13,091 何? それらしい子が古手屋に? 351 00:28:13,091 --> 00:28:15,561 はい。 年は12~13。 352 00:28:15,561 --> 00:28:18,230 ちぐはぐな格好をした子が 着ているものを売りに来たそうです。 353 00:28:18,230 --> 00:28:22,568 しかも 持っていた脇差しには 葵の御紋が。 354 00:28:22,568 --> 00:28:24,503 ⚟(足音) 355 00:28:24,503 --> 00:28:27,739 お奉行! 356 00:28:27,739 --> 00:28:30,075 耳寄りな話を聞きました。 357 00:28:30,075 --> 00:28:34,379 上野辺りを根城に 年端のいかない みなしごを集めて➡ 358 00:28:34,379 --> 00:28:37,249 物乞いや盗みをさせている男が いるそうです。 359 00:28:37,249 --> 00:28:40,085 みなしごたちに? はい。 360 00:28:40,085 --> 00:28:42,588 年かさの子に 幼い子の面倒を見させて➡ 361 00:28:42,588 --> 00:28:46,258 そいつは あまり表へ出てこないようで 正体はまだ。 362 00:28:46,258 --> 00:28:49,595 例の子が その男のもとにいたとすれば➡ 363 00:28:49,595 --> 00:28:53,398 間違われて 若様が 紛れ込んでるってこともありえますよね。 364 00:28:53,398 --> 00:28:57,769 若様の御身が案じられます。 365 00:28:57,769 --> 00:29:00,205 うん。 366 00:29:00,205 --> 00:29:06,979 (伝左衛門)若様。 どうして今日に限って 少しも召し上がらないのです? 367 00:29:06,979 --> 00:29:11,183 (史織)近頃お好みのものばかり そろえましたのに。 368 00:29:15,754 --> 00:29:20,592 この飯を みんなに食わせてやりてえ。 369 00:29:20,592 --> 00:29:22,594 は? 370 00:29:22,594 --> 00:29:27,432 じいさん ねえさん 頼みがあんでえ。 371 00:29:27,432 --> 00:29:29,568 はい。 はい。 372 00:29:29,568 --> 00:29:33,071 上様ご子息 松平小五郎様のお情けにより➡ 373 00:29:33,071 --> 00:29:38,577 明朝 松平家ご門前にて 親なき子らに お振る舞いがある!➡ 374 00:29:38,577 --> 00:29:42,247 誰彼問わず 日々の飲み食いに苦労しておる子らは➡ 375 00:29:42,247 --> 00:29:44,583 こぞって集うべし!➡ 376 00:29:44,583 --> 00:29:49,287 また 近隣に そのような子がおらば 連れまいるように! 377 00:29:53,592 --> 00:29:55,594 何やってんだい。 378 00:29:59,097 --> 00:30:02,768 お前を 町奉行に引き渡す。 379 00:30:02,768 --> 00:30:04,703 ああ? 380 00:30:04,703 --> 00:30:10,509 あの子たちを守る。 それが 今の私にできることだ。 381 00:30:10,509 --> 00:30:12,944 このクソガキが! 382 00:30:12,944 --> 00:30:14,980 やあ~! (岩八)あ いてえ! うっ! 383 00:30:14,980 --> 00:30:19,418 いてっ。 やりやがったな~! 384 00:30:19,418 --> 00:30:23,121 (小五郎)やあ! (岩八)うわっ! 385 00:30:23,121 --> 00:30:25,957 やあ! やあ! (岩八)痛い! 386 00:30:25,957 --> 00:30:30,796 やあ! やあ! (岩八)ああ…。 387 00:30:30,796 --> 00:30:35,434 ハア ハア ハア ハア…。 388 00:30:35,434 --> 00:30:42,808 ♬~ 389 00:30:42,808 --> 00:30:44,810 あっ。 390 00:30:46,678 --> 00:30:50,449 フッフフフ…。いてててて いてててて。 ハハハハハ。 391 00:30:50,449 --> 00:30:52,517 おらっ! ああ! 392 00:30:52,517 --> 00:30:56,321 ああ…。 393 00:31:01,126 --> 00:31:05,263 小僧 俺を甘く見やがったな。 394 00:31:05,263 --> 00:31:09,935 ♬~ 395 00:31:09,935 --> 00:31:11,870 うう! 396 00:31:11,870 --> 00:31:14,172 (子供たちの歓声) 397 00:31:17,609 --> 00:31:22,114 はい どうぞ。 はい。 ありがとうございます。 398 00:31:22,114 --> 00:31:25,317 はい どうぞ~。 399 00:31:33,125 --> 00:31:35,427 おお~。 ごめんな。 400 00:31:43,301 --> 00:31:46,972 これ 1個。 ありがとう。 401 00:31:46,972 --> 00:31:53,745 (伝左衛門)ハハホホホ。 はあ~ みなしごたちへの施しとは➡ 402 00:31:53,745 --> 00:31:57,616 まことによいお考え。 ハハッ。➡ 403 00:31:57,616 --> 00:32:02,454 上様も さぞお喜びでございましょう。 404 00:32:02,454 --> 00:32:08,093 遠からず ご本復。 間違いございませんね。 405 00:32:08,093 --> 00:32:10,796 おかよ! 406 00:32:13,398 --> 00:32:16,601 (史織 伝左衛門)若様! 若様 お待ちください! 407 00:32:16,601 --> 00:32:20,472 若様!若様! お待ちくださいませ! 408 00:32:20,472 --> 00:32:22,774 ⚟(太吉)おかよ~! 409 00:32:24,476 --> 00:32:28,280 おかよ! 太吉っつぁん? 410 00:32:30,115 --> 00:32:33,785 若様! なりませぬ! た… 太吉っつぁん! 411 00:32:33,785 --> 00:32:36,288 なりませぬ! お戻りください! おかよ! 412 00:32:36,288 --> 00:32:39,791 (家臣たち)若様! お下がりください! (太吉)おかよ! おかよ! 413 00:32:39,791 --> 00:32:42,694 (家臣たち)ささっ さっ お戻りを! おかよ!なりません。 414 00:32:42,694 --> 00:32:46,665 離せ! うう! どけ! 離せ! 415 00:32:46,665 --> 00:32:49,301 太吉っつぁん…。 いいから 下がれ。 416 00:32:49,301 --> 00:32:53,805 離せ! どけ! おかよ! おかよ! 417 00:32:53,805 --> 00:32:57,976 太吉っつぁん…。 418 00:32:57,976 --> 00:33:00,478 (トメ)おかよねえちゃん どうしたの? 419 00:33:02,814 --> 00:33:04,816 ああ! 420 00:33:06,585 --> 00:33:08,587 あっ! 421 00:33:11,089 --> 00:33:13,024 この子は…。 422 00:33:13,024 --> 00:33:17,729 怪しい者ではない。 その子の兄貴分を捜してるんだ。 423 00:33:20,265 --> 00:33:24,769 う~ん… なりはともかく 中身は その~➡ 424 00:33:24,769 --> 00:33:26,705 まるで お城の若様みたい。 425 00:33:26,705 --> 00:33:28,907 小五郎さんのこと? 426 00:33:31,276 --> 00:33:34,946 やった! 見つけた!➡ 427 00:33:34,946 --> 00:33:37,148 やった~! 428 00:33:39,818 --> 00:33:45,123 若!(求次郎)見つけた 見つけた とうとう見つけたぞ。 見つけた。 429 00:33:48,426 --> 00:33:51,730 (岩八)どうでえ 少しは懲りたかい。 430 00:33:54,299 --> 00:33:57,102 水が欲しいなら 欲しいと言いな。 431 00:33:59,437 --> 00:34:02,440 てめえ! どこまで逆らう気だ! 432 00:34:02,440 --> 00:34:06,578 御用だ!御用だ! 岩八だな? 御用の筋だ! 433 00:34:06,578 --> 00:34:09,915 えっ? 何だってんだ! 434 00:34:09,915 --> 00:34:12,751 逃がすな ひっ捕らえろ! 待て! 435 00:34:12,751 --> 00:34:16,621 ♬~ 436 00:34:16,621 --> 00:34:20,091 御用だ! 御用だ! おとなしくしろい!勘太! 437 00:34:20,091 --> 00:34:22,127 観念しろい! 438 00:34:22,127 --> 00:34:27,966 (もみ合う声) 439 00:34:27,966 --> 00:34:30,802 この野郎! 440 00:34:30,802 --> 00:34:34,639 (岩八)ああ~ うっ! 離せ! 441 00:34:34,639 --> 00:34:37,943 離しやがれ! ああ~! 442 00:34:37,943 --> 00:34:40,979 (筧)ご無事で ようございました。 443 00:34:40,979 --> 00:34:48,286 ♬~ 444 00:34:48,286 --> 00:34:55,160 (太鼓の音) 445 00:34:55,160 --> 00:34:58,863 岩八であるな? 面を上げよ。 446 00:35:02,801 --> 00:35:06,371 へえ。 確かに あっしは岩八で。 447 00:35:06,371 --> 00:35:10,241 けど お奉行様。 どうして あっしは こんなとこに呼ばれたんです? 448 00:35:10,241 --> 00:35:16,748 その方 多くのみなしごを集め 物乞いをさせていたな? 449 00:35:16,748 --> 00:35:21,086 しかも スリや かっぱらいまで 無理強いしたであろう。 450 00:35:21,086 --> 00:35:24,389 あっしは ただ 行き場のねえやつらを あわれに思って➡ 451 00:35:24,389 --> 00:35:28,259 親身に面倒見てきたんですぜ。 お疑いなら ここへ呼んで➡ 452 00:35:28,259 --> 00:35:30,261 じかに 話を聞いてもらおうじゃありませんか。 453 00:35:30,261 --> 00:35:34,065 よかろう。 (戸が開く音) 454 00:35:45,410 --> 00:35:47,345 そなたの名は? 455 00:35:47,345 --> 00:35:51,116 太吉です。 ちょっと待ってくだせえ。 456 00:35:51,116 --> 00:35:53,785 こいつじゃ 話になんねえ。 ほかの者は 皆➡ 457 00:35:53,785 --> 00:35:56,621 その方に会うのが恐ろしいと 申しておる。 458 00:35:56,621 --> 00:36:01,059 この者一人 肝を据えて ここへ出てまいった。 459 00:36:01,059 --> 00:36:03,061 (舌打ち) 460 00:36:04,729 --> 00:36:08,600 では 太吉 そなたの話を聞こう。 461 00:36:08,600 --> 00:36:11,603 はい。こいつ 本当に 太吉なんですかい? 462 00:36:16,341 --> 00:36:19,077 おかしい おかしいと思ってたんだ。 463 00:36:19,077 --> 00:36:22,380 顔は似てたって 中身は まるっきり違う。 464 00:36:22,380 --> 00:36:28,186 このお白洲で嘘をついたら 重い罪になるんでござんしょ? 465 00:36:28,186 --> 00:36:32,123 どこのどいつか知らねえが それでも てめえは 「太吉です」って➡ 466 00:36:32,123 --> 00:36:34,926 お奉行様の前で はっきり言えんのかい? 467 00:36:41,399 --> 00:36:43,702 太吉です。 468 00:36:46,771 --> 00:36:51,276 この岩八が 幼い子らに金を稼がせ➡ 469 00:36:51,276 --> 00:36:55,280 己は のんきに遊んで暮らしているのを 見てきました。 470 00:36:58,049 --> 00:37:02,720 飯は 青物のクズや 薄い汁ばかり。 471 00:37:02,720 --> 00:37:08,226 稼ぎがなければ それさえもらえず 棒を振り回して脅すのです。 472 00:37:09,894 --> 00:37:13,231 それでも みんな こらえてきた。 473 00:37:13,231 --> 00:37:17,235 幼いながら… 幼いからこそ➡ 474 00:37:17,235 --> 00:37:21,906 見捨てられたら生きていけないと 分かっているから…。 475 00:37:21,906 --> 00:37:25,577 岩八は そういう気持ちにつけ込んで…。 476 00:37:25,577 --> 00:37:27,512 俺だって ずっと辛抱してきたんだ! 477 00:37:27,512 --> 00:37:32,350 俺だって捨て子だった みなしごだったんだ! 478 00:37:32,350 --> 00:37:34,919 食うもんがなくて 何べんも死にかけた。 479 00:37:34,919 --> 00:37:37,756 まだ こんな小せえガキの頃に ぬすっとに拾われて➡ 480 00:37:37,756 --> 00:37:41,392 おめえらなんかと比べもんになんねえほど ひでえ目に遭わされてきたんだ! 481 00:37:41,392 --> 00:37:46,097 ならば どうして 皆の気持ちが分からぬのだ。 482 00:37:47,765 --> 00:37:55,507 その苦しみを知るのなら 何故 同じ痛みを味わわせようとするのだ。 483 00:37:55,507 --> 00:37:57,475 分かった口 きくんじゃねえ! 484 00:37:57,475 --> 00:38:00,712 岩八! 485 00:38:00,712 --> 00:38:02,914 その方の負けだ。 486 00:38:04,549 --> 00:38:08,353 親のぬくもりを知らぬ同じ身の上ならば➡ 487 00:38:08,353 --> 00:38:13,558 そなたは 幼子たちに 温かい心で接するべきだった。 488 00:38:13,558 --> 00:38:19,264 それができなかったことが その方の最も大きな罪だ。 489 00:38:23,234 --> 00:38:30,975 太吉の言葉をかみしめ 覚悟して 沙汰を待つように。 490 00:38:30,975 --> 00:38:33,978 引き立てい。 はっ。 491 00:38:45,256 --> 00:38:49,093 さて 太吉。 いや…。 492 00:38:49,093 --> 00:38:51,095 太吉です。 493 00:38:52,764 --> 00:38:58,269 白洲で太吉と名乗った以上 私は これからも➡ 494 00:38:58,269 --> 00:39:01,573 太吉として生きていくしかありません。 495 00:39:09,347 --> 00:39:14,552 ⚟(太吉)駄目だよ! 駄目だ 駄目だ! 496 00:39:14,552 --> 00:39:17,555 (戸をたたく音) ⚟(太吉)駄目だよ! 497 00:39:24,896 --> 00:39:28,233 駄目だよ! 498 00:39:28,233 --> 00:39:31,569 おいらの名を返してくれよ。 499 00:39:31,569 --> 00:39:36,074 早く太吉に戻って みんなのとこに帰りてえんだ。 500 00:39:36,074 --> 00:39:39,911 太吉…。 おめえは おいらにできなかったことをしてくれた。 501 00:39:39,911 --> 00:39:43,214 大したもんだよ 小五郎様は。 502 00:39:45,250 --> 00:39:49,754 私は みんなの役に立てたのか? 503 00:39:49,754 --> 00:39:54,926 ああ。 ありがとよ 小五郎様。 504 00:39:54,926 --> 00:39:57,262 (はなをすする音) 505 00:39:57,262 --> 00:39:59,764 ありがとうございました! 506 00:40:05,403 --> 00:40:09,607 まこと お見事でございました。 507 00:40:09,607 --> 00:40:31,863 ♬~ 508 00:40:31,863 --> 00:40:39,304 白洲でのご覚悟には 越前 殊に感服つかまつりました。 509 00:40:39,304 --> 00:40:43,808 お屋敷へお戻りください 若様。 510 00:40:45,810 --> 00:40:47,845 忠相…。 511 00:40:47,845 --> 00:41:08,599 ♬~ 512 00:41:08,599 --> 00:41:12,603 本日の白洲 これまで。 513 00:41:14,272 --> 00:41:16,941 (子供たちのはしゃぐ声) (お秀)待って! お願いだから➡ 514 00:41:16,941 --> 00:41:19,844 いい子にしてちょうだい。 ほんとに…。 (三次)ハハハハ おお。 515 00:41:19,844 --> 00:41:22,814 お奉行様がな おめえたちが暮らしに困らねえよう➡ 516 00:41:22,814 --> 00:41:25,283 お世話をしてくださると おっしゃってた。➡ 517 00:41:25,283 --> 00:41:29,153 ちゃんと おとなしくしてな。 おお おお~。 518 00:41:29,153 --> 00:41:32,423 (伊織)おい そのおじちゃんの言うことは 聞いた方がいいぞ。 519 00:41:32,423 --> 00:41:35,793 (おいね)そうよ。 終わったら おじちゃんのお店で➡ 520 00:41:35,793 --> 00:41:38,429 おいしいもの食べさせてくれるって ねっ。 521 00:41:38,429 --> 00:41:41,332 (子供たちの歓声) 522 00:41:41,332 --> 00:41:44,802 ♬~ 523 00:41:44,802 --> 00:41:48,139 やあ! やあ! 524 00:41:48,139 --> 00:41:51,175 うむ。 手がちょっと低い…。 525 00:41:51,175 --> 00:41:54,645 やっと本気になってきたみたいね 道場通い。 526 00:41:54,645 --> 00:41:58,983 これからは もっと己を鍛えて 強くなりたいんだそうですよ。 527 00:41:58,983 --> 00:42:03,287 ⚟お? 剣術の稽古か 求次郎。 528 00:42:04,789 --> 00:42:08,092 小五郎 ひとつ 手合わせしてもらえ。 529 00:42:08,092 --> 00:42:10,595 まあ こんなところから。 530 00:42:10,595 --> 00:42:14,098 (小声で) あの~ お手柔らかにお願いします。 531 00:42:14,098 --> 00:42:16,901 私こそ 頼む。 532 00:42:18,603 --> 00:42:21,506 <人は形にとらわれやすい。➡ 533 00:42:21,506 --> 00:42:27,612 大切なのは 見た目だけで決めつけて 分かったつもりにならぬこと。➡ 534 00:42:27,612 --> 00:42:35,119 皆それぞれの輝く行く末を 心から願う忠相であった> 535 00:42:35,119 --> 00:42:37,955 負けるわけにはいかん。 何ですか あなたたちは。 536 00:42:37,955 --> 00:42:41,793 奥様! 若様! 人殺しだってやりかねない男です。 537 00:42:41,793 --> 00:42:44,429 受けて立ちましょうよ。 昼のお奉行殿に➡ 538 00:42:44,429 --> 00:42:48,299 夜の奉行が召し捕れるかどうか。 それができねば 越前➡ 539 00:42:48,299 --> 00:42:51,135 その方らの首が ここに並ぶことになる。 540 00:42:51,135 --> 00:42:55,339 最後の願い お聞き届けください。 夜の奉行。