1 00:00:02,202 --> 00:00:05,138 ⚟(嘉兵衛)ほら おみつ! ほら 酒買ってこいよ 早く! 2 00:00:05,138 --> 00:00:07,774 ⚟(おみつ)お父っつぁん もう およしよ。 3 00:00:07,774 --> 00:00:10,410 (嘉兵衛) 親に向かって指図するんじゃねえよ! 4 00:00:10,410 --> 00:00:14,114 (おみつ) でも そんなに飲んだら 体に悪いよ。 5 00:00:14,114 --> 00:00:16,149 ちょいと 何やってんだ。 おい。 6 00:00:16,149 --> 00:00:19,920 酒がこぼれるだろ! チッ 余計なことするんじゃねえよ。 7 00:00:19,920 --> 00:00:22,789 お父っつぁん…。 (嘉兵衛)何だよ その目は。 8 00:00:22,789 --> 00:00:26,960 ここは俺のうちだぞ。 嫌なら とっとと出ていけよ!➡ 9 00:00:26,960 --> 00:00:31,131 出ていかねえんだったら さっさと酒買ってこいよ! 10 00:00:31,131 --> 00:00:33,800 ⚟(おみつ)お父っつぁん 本当に…。 (辰三)どうしたい? 11 00:00:33,800 --> 00:00:37,437 (お京)あ 辰三親分。 それがさ ほれ。 ⚟(嘉兵衛のどなり声と皿が割れる音) 12 00:00:37,437 --> 00:00:39,506 (作兵衛)嘉兵衛のうちだ。 13 00:00:39,506 --> 00:00:45,312 ♬~ 14 00:00:45,312 --> 00:00:48,649 親が子を? (辰三)へえ。 15 00:00:48,649 --> 00:00:53,654 (筧)しつけじゃねえのか? ありゃ どう見ても しつけなんかじゃ…。 16 00:00:56,156 --> 00:00:58,825 親は子を守るもんだろうに。 17 00:00:58,825 --> 00:01:01,261 まったく どんな親だよ。 18 00:01:01,261 --> 00:01:05,132 う~ん。 19 00:01:05,132 --> 00:01:07,134 う~ん…。 20 00:01:07,134 --> 00:01:09,970 長屋の連中は 誰も止めないんですか? 21 00:01:09,970 --> 00:01:13,974 もちろん心配はしてるんだが なかなか じかにっていうのは…。 22 00:01:13,974 --> 00:01:16,109 そら 言いづらいでしょうね。 23 00:01:16,109 --> 00:01:19,947 しかし かわいいはずの我が子に よく そんなまねが…。 24 00:01:19,947 --> 00:01:24,284 まったくですよ。 長屋の連中も 「あれは鬼の所業だ」って。 25 00:01:24,284 --> 00:01:30,791 鬼か。 だが どんな鬼でも 子にしてみれば 親は親だ。 26 00:01:30,791 --> 00:01:33,126 う~ん…。 27 00:01:33,126 --> 00:01:36,163 さっきから うんうん うんうん うるせえな。 28 00:01:36,163 --> 00:01:38,432 あっ。 おい!わっ びっくりした! 29 00:01:38,432 --> 00:01:41,635 いや~ 引っ込んじまった~! 何が! 30 00:01:41,635 --> 00:01:45,806 何だ おめえ まだ思い出せねえのか。 今ね ここまで出てたんですけどね…。 31 00:01:45,806 --> 00:01:49,443 ハハッ どうしたんです? 子吉が あの親子を見たことがあるって。 32 00:01:49,443 --> 00:01:53,146 どこで!だから 今 びっくりして それを飲み込んじまったんですよ! 33 00:01:53,146 --> 00:01:56,450 煮つけをこしらえましたので どうぞ。➡ 34 00:01:56,450 --> 00:02:00,153 どうぞ。 おお これはおいしそうだ。 35 00:02:00,153 --> 00:02:04,124 (筧)では お奉行から どうぞ。 いやいや いいんだ。 先にやってくれ。 36 00:02:04,124 --> 00:02:07,761 (筧)じゃあ 遠慮なく…。 ああ~! 37 00:02:07,761 --> 00:02:12,933 ああ! 思い出した~! い~ひ~。 38 00:02:12,933 --> 00:02:14,968 (筧)こらっ おい! 39 00:02:14,968 --> 00:03:28,275 ♬~ 40 00:03:30,944 --> 00:03:36,116 確かに 嘉兵衛とおみつは 蛤町の一膳飯屋の親子ですが。 41 00:03:36,116 --> 00:03:38,785 ほら やっぱり。 よく覚えてたな。 42 00:03:38,785 --> 00:03:40,720 いや~ すっかり様子が変わっちまったんでね➡ 43 00:03:40,720 --> 00:03:44,658 すぐにピンとは来やせんでしたけど そこの飯屋の煮つけが大評判で➡ 44 00:03:44,658 --> 00:03:47,294 すっげえ行列並んで食ったから 覚えてんすよ。 45 00:03:47,294 --> 00:03:49,796 ああ うまいもんってのは 忘れられねえからな。 46 00:03:49,796 --> 00:03:53,133 ええ。 それに 随分と仲いい親子だった ってのもあるし。 47 00:03:53,133 --> 00:03:55,068 仲がよかった? (子吉)ええ。 48 00:03:55,068 --> 00:03:58,638 (辰三)そんなにうまい煮つけなら 片瀬の旦那のおごりで食べに行くか。 49 00:03:58,638 --> 00:04:00,907 いいっすね~。こらっ。 残念ですが➡ 50 00:04:00,907 --> 00:04:04,377 その飯屋も 半年ほど前に 店を畳んじまって。 51 00:04:04,377 --> 00:04:07,914 (子吉)ええ? あんな繁盛してたのに。 (堅太郎)商いは うまくいってたんだろ? 52 00:04:07,914 --> 00:04:10,951 そりゃもう。 行列が出来るくらいですから。 53 00:04:10,951 --> 00:04:14,588 ありがとうございました! 毎度! 54 00:04:14,588 --> 00:04:17,924 (作兵衛)あのころは 親子3人 仲よく働いて➡ 55 00:04:17,924 --> 00:04:21,595 嘉兵衛は 特に おみつに優しかった。 56 00:04:21,595 --> 00:04:24,631 (おみつ)お待たせしました~。 おお 来た来た来た来た来た。 57 00:04:24,631 --> 00:04:27,767 あっつい。 おい 大丈夫か? 58 00:04:27,767 --> 00:04:30,804 大丈夫 大丈夫。 ちょっと汁が飛んだだけだから。 59 00:04:30,804 --> 00:04:33,406 ちょっと見せてみろ。 痕になったら大変だ。 60 00:04:33,406 --> 00:04:37,777 大げさだよ。 自分で大丈夫って言ってるじゃないか。 61 00:04:37,777 --> 00:04:40,814 おお 商売繁盛で大したもんだ。 (笑い声) 62 00:04:40,814 --> 00:04:42,949 (作兵衛)ところが ある日➡ 63 00:04:42,949 --> 00:04:46,419 連れ合いのおきぬが はやり病にかかりまして…。➡ 64 00:04:46,419 --> 00:04:49,289 それからは 看病しながら➡ 65 00:04:49,289 --> 00:04:52,292 店も なんとかやってはいたんです。➡ 66 00:04:52,292 --> 00:04:58,965 ですが いよいよ おきぬが亡くなりますと…。 67 00:04:58,965 --> 00:05:02,936 (堅太郎)店を閉め 酒をあおりだし…。 68 00:05:02,936 --> 00:05:07,073 すっかり 人が変わってしまったと? はい。 69 00:05:07,073 --> 00:05:11,945 (橋田)連れ合いに先立たれて あまりの悲しさで捨てばちになったか。 70 00:05:11,945 --> 00:05:14,948 まあ 心中は察するが…。 71 00:05:14,948 --> 00:05:18,385 しかし だからといって どうして娘に…。 72 00:05:18,385 --> 00:05:20,320 暮らしは どうしてるんだ? 73 00:05:20,320 --> 00:05:24,191 おみつが 松榮という料理屋に 働きに出てまして➡ 74 00:05:24,191 --> 00:05:29,396 恐らく 女中でしょうね。 その年で…? 75 00:05:29,396 --> 00:05:32,098 しっかりした いい子みたいだな。 76 00:05:32,098 --> 00:05:34,935 はい。 我慢強くて 働き者で➡ 77 00:05:34,935 --> 00:05:38,271 嘉兵衛にはもったいないぐらいの よくできた娘です。 78 00:05:38,271 --> 00:05:42,275 しかし その我慢強さが かえって心配だなあ。 79 00:05:42,275 --> 00:05:46,947 確かに 嘉兵衛の およそ親とは言えぬ ひどい振る舞い。 80 00:05:46,947 --> 00:05:51,785 (筧)よしっ。 筧さん どこに…。 81 00:05:51,785 --> 00:05:55,121 はあ~。 大ごとになる前に なんとかしねえと。 82 00:05:55,121 --> 00:05:58,625 しかし 我々町方が そこまで首を突っ込むのは…。 83 00:05:58,625 --> 00:06:02,495 だが 黙って見てもおれんだろう。 84 00:06:02,495 --> 00:06:04,431 (喬之介)お奉行…。 85 00:06:04,431 --> 00:06:07,133 う~ん…。 86 00:06:15,075 --> 00:06:18,878 (お京)よいしょ。 あ あとで荷物取りおいで。 87 00:06:21,248 --> 00:06:24,251 おみつ? (おみつ)ああ お京さん。 88 00:06:24,251 --> 00:06:28,922 あんた その手。 え? ああ これは…。 89 00:06:28,922 --> 00:06:31,825 もう勘弁ならねえ! 90 00:06:31,825 --> 00:06:35,795 あんた 娘にケガまでさして 一体 何考えてんだい! 91 00:06:35,795 --> 00:06:39,633 だから お京さん これは 自分で転んだだけで…。 92 00:06:39,633 --> 00:06:43,270 おみつ! こんなやつ かばうことはねえ! 93 00:06:43,270 --> 00:06:45,272 (おみつ)そうじゃなくて…。 94 00:06:45,272 --> 00:06:49,976 (作兵衛)嘉兵衛。 こればっかりは 親だからって許されることじゃねえぞ。 95 00:06:52,779 --> 00:06:56,616 おめえ 一体 どうしちまったんだい。 え? 96 00:06:56,616 --> 00:07:00,487 そりゃあ おきぬさんのことは 気の毒だとは思うよ。 97 00:07:00,487 --> 00:07:03,423 だけどな おみつを これ以上 苦しめるんなら➡ 98 00:07:03,423 --> 00:07:06,893 もう この子を おめえと一緒に 置いとくわけにはいかねえな。 99 00:07:06,893 --> 00:07:09,562 そらいいや。 何? 100 00:07:09,562 --> 00:07:16,903 おみつ。 俺が嫌だったら このうち とっと とっとと出てってよ…。 101 00:07:16,903 --> 00:07:21,074 おめえ 何を言いだすんだ。 その 何とかって料理屋➡ 102 00:07:21,074 --> 00:07:24,577 住み込みで働きゃいいじゃねえかよ お父っつぁん。 103 00:07:24,577 --> 00:07:27,480 あんた おみつ 何だと思ってんだ。 (戸が開く音) 104 00:07:27,480 --> 00:07:31,351 (筧)確かに そりゃいい。 (作兵衛)筧の旦那。 105 00:07:31,351 --> 00:07:34,754 嘉兵衛 お前 いいこと言うじゃねえか。 106 00:07:34,754 --> 00:07:37,657 (作兵衛)ちょっと 旦那! おみつのことを思えば➡ 107 00:07:37,657 --> 00:07:39,626 その方が よほどいいだろう。 108 00:07:39,626 --> 00:07:44,397 いや でも…。いや まあ 確かに このまま ここにいるよりは…。 109 00:07:44,397 --> 00:07:48,768 よほどいいさ。 おみつ 皆 お前のこと思ってな…。 110 00:07:48,768 --> 00:07:51,104 親子のことですので。 いや しかし…。 111 00:07:51,104 --> 00:07:54,974 あっ そろそろお店に行かないと。 お父っつぁん 行ってまいります。 112 00:07:54,974 --> 00:08:00,113 おい…。 皆さんも 失礼します。 113 00:08:00,113 --> 00:08:03,016 おい おみつ…。 114 00:08:03,016 --> 00:08:06,219 (お京)何で あんなに かたくななのかね。 115 00:08:12,225 --> 00:08:14,160 ここか。 116 00:08:14,160 --> 00:08:20,900 (徳右衛門)そうでしたか。 かわいそうになあ。 117 00:08:20,900 --> 00:08:24,371 すいません 通ります。 失礼します。 通ります。 118 00:08:24,371 --> 00:08:28,074 女中じゃないのか? はい。 119 00:08:28,074 --> 00:08:32,379 料理を覚えたいというもんで。 料理を? 120 00:08:32,379 --> 00:08:35,582 失礼します 置いておきます。 水 持ってきて。はい! 121 00:08:35,582 --> 00:08:41,454 しかし あの嘉兵衛が… とても信じられません。 122 00:08:41,454 --> 00:08:43,757 嘉兵衛とは 知り合いかい。 123 00:08:43,757 --> 00:08:47,594 もちろん。 嘉兵衛は かつて うちの板前で➡ 124 00:08:47,594 --> 00:08:51,264 おきぬと出会ったのも ここなんです。➡ 125 00:08:51,264 --> 00:08:54,100 以前は優しい男でね➡ 126 00:08:54,100 --> 00:08:59,272 腕も確かで。 うちを出て独り立ちしたいと 言いだした時には➡ 127 00:08:59,272 --> 00:09:03,143 そらもう 必死で止めたくらいです。 ほう~。 128 00:09:03,143 --> 00:09:08,548 だけど 親子3人で店をやるのが夢だからって。 129 00:09:08,548 --> 00:09:11,351 それで 一膳飯屋を。 130 00:09:11,351 --> 00:09:16,356 それが おきぬが あんなことになるとは…。 131 00:09:18,725 --> 00:09:23,596 (おてい)お前さん あのことも お伝えした方が…。 132 00:09:23,596 --> 00:09:25,799 あのこと? 133 00:09:28,234 --> 00:09:32,906 実は おみつは もらい子なんで。 134 00:09:32,906 --> 00:09:34,941 えっ? 135 00:09:34,941 --> 00:09:38,378 (徳右衛門) 子宝に恵まれなかった嘉兵衛とおきぬが➡ 136 00:09:38,378 --> 00:09:42,749 捨て子を引き取ってきたのが おみつなんです。 137 00:09:42,749 --> 00:09:44,784 (筧)そのことを おみつは…。 138 00:09:44,784 --> 00:09:46,920 (徳右衛門)知るはずありません。 139 00:09:46,920 --> 00:09:50,757 (求次郎)やです。 まあ。 親の言うことが聞けないんですか? 140 00:09:50,757 --> 00:09:53,793 見たことのないのもいますよ。 見ますか? 141 00:09:53,793 --> 00:09:57,397 見たくありません。 早く放してらっしゃい。 142 00:09:57,397 --> 00:10:01,267 やです。 まあ! 143 00:10:01,267 --> 00:10:04,170 どうした? (お花)旦那様。 144 00:10:04,170 --> 00:10:08,141 若様が また 虫を…。 145 00:10:08,141 --> 00:10:10,410 これはまた 随分たくさん取ったなあ。 146 00:10:10,410 --> 00:10:13,279 ハハハハハ。 笑い事ではありません。 147 00:10:13,279 --> 00:10:17,150 どんどん捕まえてしまって。 ほらっ 早く放してらっしゃい! 148 00:10:17,150 --> 00:10:19,152 やです! まあ! 149 00:10:19,152 --> 00:10:21,955 (妙)フフフ…。 お義母様? 150 00:10:21,955 --> 00:10:25,425 ごめんなさい。 でも 求次郎が➡ 151 00:10:25,425 --> 00:10:28,328 忠相の幼い時にそっくりだから…。 152 00:10:28,328 --> 00:10:31,297 あ いや そんなことは…。 153 00:10:31,297 --> 00:10:36,803 あなたも へんてこな虫を 次から次へと捕まえてきては➡ 154 00:10:36,803 --> 00:10:41,441 「放してらっしゃい」って言っても 「嫌です」の一点張りで。 155 00:10:41,441 --> 00:10:44,978 似た者親子とは このことね。 156 00:10:44,978 --> 00:10:49,649 あっ そういえば… 用事を思い出したな。 157 00:10:49,649 --> 00:10:53,453 この親にして この子ありですね。 158 00:10:53,453 --> 00:10:55,388 求次郎! 159 00:10:55,388 --> 00:10:57,991 ハハハハハハ…。 160 00:10:57,991 --> 00:11:01,494 お奉行。 あ 筧さん。 161 00:11:02,962 --> 00:11:05,732 そうであったか。 162 00:11:05,732 --> 00:11:10,270 何かあってからでは遅いですから 筧さんの言うとおり➡ 163 00:11:10,270 --> 00:11:14,274 勤め先に住み込ませてもらうのが 一番ではないかと。 164 00:11:14,274 --> 00:11:18,778 はい。 料理屋の主も 本人が望めば いつでもと➡ 165 00:11:18,778 --> 00:11:20,713 言ってくれてるのですが。 166 00:11:20,713 --> 00:11:26,286 しかし 肝心のおみつが かたくなに首を縦に振らぬか。はい。 167 00:11:26,286 --> 00:11:31,157 親元を離れるのに 不安もあるのでしょうね。 168 00:11:31,157 --> 00:11:34,961 では 本当の母親を探すというのは? 169 00:11:34,961 --> 00:11:39,432 でも その母親は 一度 その子を捨てております。 170 00:11:39,432 --> 00:11:44,304 確かに。 それでは 見つかったとしても 手放しでは喜べませんね。 171 00:11:44,304 --> 00:11:49,442 うん。 生みの親も 育ての親も➡ 172 00:11:49,442 --> 00:11:57,183 親の勝手な都合で振り回される子供が かわいそうね。 173 00:11:57,183 --> 00:12:03,590 生まれてくる子は 親を選べんからなあ。 174 00:12:03,590 --> 00:12:06,926 ああ そういえば…。 175 00:12:06,926 --> 00:12:12,265 今 ちまたでは 「親クジ」などという言葉が はやっているようで。 176 00:12:12,265 --> 00:12:14,200 親クジ? 177 00:12:14,200 --> 00:12:17,403 どの親のもとに生まれるかで 人生が決まると➡ 178 00:12:17,403 --> 00:12:20,940 親をクジに例えているのだ。 179 00:12:20,940 --> 00:12:25,645 まあ。 自分のことを棚に上げて? 180 00:12:34,287 --> 00:12:36,623 (雷鳴) 181 00:12:36,623 --> 00:12:39,125 親クジか…。 182 00:12:39,125 --> 00:12:41,427 (喬之助)まったく ひどい話ですね。 183 00:12:41,427 --> 00:12:43,363 (雷鳴) 184 00:12:43,363 --> 00:12:46,299 ハアハアハア…。 どうした? 185 00:12:46,299 --> 00:12:51,170 柳町の長屋で 子供が殺されました。 186 00:12:51,170 --> 00:12:53,172 (雷鳴) 187 00:12:53,172 --> 00:12:55,174 筧 頼む。 188 00:13:02,382 --> 00:13:04,450 死んだ子の様子は? 189 00:13:04,450 --> 00:13:08,921 体じゅう アザだらけで。 (喬之助)ひどいことを。 190 00:13:08,921 --> 00:13:12,258 (勘太)それに ろくに 飯も食わしちゃもらえなかったみたいで。 191 00:13:12,258 --> 00:13:14,193 飯? 192 00:13:14,193 --> 00:13:18,064 飯って 一体 この殺しは 誰が…。 193 00:13:18,064 --> 00:13:21,601 それが…。 誰だよ。 194 00:13:21,601 --> 00:13:24,270 母親です。 195 00:13:24,270 --> 00:13:26,773 鬼みたいな女だな。 196 00:13:26,773 --> 00:13:29,776 鬼? とんでもない。 197 00:13:31,411 --> 00:13:39,218 (雷鳴) 198 00:13:41,087 --> 00:13:47,393 当たり前の母親ですよ。 どこにでもいる 当たり前の。 199 00:13:54,967 --> 00:13:56,903 こんな幼い子が…。 200 00:13:56,903 --> 00:13:58,838 母親の方は? 201 00:13:58,838 --> 00:14:01,574 しょうすいして 何もしゃべらん。 202 00:14:01,574 --> 00:14:07,246 そうか。 しかし なぜ こんなことが。 203 00:14:07,246 --> 00:14:10,149 きっと…➡ 204 00:14:10,149 --> 00:14:17,256 きっと その母親も さぞ苦しかったことかと…。 205 00:14:17,256 --> 00:14:19,926 母親も? 206 00:14:19,926 --> 00:14:26,933 母となり 子を育てる不安というのは 大変なものでしょうから。 207 00:14:28,935 --> 00:14:31,237 無念だな。 208 00:14:33,106 --> 00:14:35,942 うちの中のことは 明るみに出にくい。 209 00:14:35,942 --> 00:14:40,646 だから そこに手を差し伸べるのは 容易ではないが…。 210 00:14:44,283 --> 00:14:48,488 こんな悲しいことが起きてしまう その根っこには…。 211 00:14:50,089 --> 00:14:55,795 子を産み 育てるのが不安になる➡ 212 00:14:55,795 --> 00:14:59,966 世の政にこそ責めがある。 213 00:14:59,966 --> 00:15:03,970 こうきち 成仏してくれよ。 214 00:15:08,574 --> 00:15:13,746 (堅太郎)親が子を殺すなんて あっちゃいけない。 215 00:15:13,746 --> 00:15:17,917 でも 親子の数だけ それぞれ事情もありますからねえ。 216 00:15:17,917 --> 00:15:20,753 それに うちん中まで 見回るわけにもいかねえし。 217 00:15:20,753 --> 00:15:22,688 そりゃそうだが…。 218 00:15:22,688 --> 00:15:24,624 (大八車が近づく音) 219 00:15:24,624 --> 00:15:26,626 どけどけ! あっ! 220 00:15:29,262 --> 00:15:32,265 あっぶね! 221 00:15:32,265 --> 00:15:35,134 あんた 飛び出すなって 何べん言ったら分かるんだい! 222 00:15:35,134 --> 00:15:38,604 もう! もう! もう! 223 00:15:38,604 --> 00:15:40,540 (堅太郎)おいおいおい もう それぐらいで…。 224 00:15:40,540 --> 00:15:43,109 死んじまうとこだったんだよ! 225 00:15:43,109 --> 00:15:48,281 もう… よかった~。(泣き声) 226 00:15:48,281 --> 00:15:51,951 親か…。 どうしました? 227 00:15:51,951 --> 00:15:54,954 世の中 親子だらけだ。 228 00:15:57,423 --> 00:15:59,959 (子吉)当たり前じゃないですか。 (堅太郎)だが➡ 229 00:15:59,959 --> 00:16:05,765 当たり前の親になるってのは どういうことなのかねえ。 230 00:16:05,765 --> 00:16:08,568 てめえが親になるなんて 思いも寄らねえや。 231 00:16:08,568 --> 00:16:11,604 子が生まれた途端に 急に親だと言われてもな。 232 00:16:11,604 --> 00:16:14,240 うちを守るために 強くなきゃいけねえし。 233 00:16:14,240 --> 00:16:16,909 弱音なんて吐いてらんねえし。 234 00:16:16,909 --> 00:16:20,379 なのに 「親クジに外れた」なんて言われたら…。 235 00:16:20,379 --> 00:16:24,250 しばらく 親の墓参りに行けてないな。 236 00:16:24,250 --> 00:16:27,153 久しぶりに怒られに行きますか。 237 00:16:27,153 --> 00:16:30,590 フッ ハハハ…。➡ 238 00:16:30,590 --> 00:16:33,092 あれ? 239 00:16:33,092 --> 00:16:35,795 旦那。 ああ。 240 00:16:42,602 --> 00:16:45,638 (おみつ)お父っつぁん お帰りなさい。 すぐに ごはんの支度を…。 241 00:16:45,638 --> 00:16:49,375 はあ 飯の前に酒だろ。 242 00:16:49,375 --> 00:16:52,945 うちには お酒を買うお金なんてないよ。 243 00:16:52,945 --> 00:16:56,782 そんなもん お前の給金 前借りすりゃいいじゃねえかよ。 244 00:16:56,782 --> 00:16:58,818 そんなこと 頼めるわけ…。 245 00:16:58,818 --> 00:17:03,222 チッ。 だったら 内職でもすりゃいいだろ! 246 00:17:03,222 --> 00:17:06,525 そうだね すぐに始めるよ。 247 00:17:09,896 --> 00:17:13,366 (辰三)見てらんねえ。 よく我慢してる。 248 00:17:13,366 --> 00:17:17,069 旦那 いっそのこと おみつに 嘉兵衛は本当の親じゃねえって➡ 249 00:17:17,069 --> 00:17:19,372 言っちゃいましょうか。 (堅太郎)そうだな。➡ 250 00:17:19,372 --> 00:17:21,741 そうすれば きっと おみつも…。 251 00:17:21,741 --> 00:17:25,244 (辰三)ん? どうした?あれ…。 252 00:17:27,914 --> 00:17:35,655 ♬~ 253 00:17:35,655 --> 00:17:39,258 何? 毒を? 254 00:17:39,258 --> 00:17:43,963 信じたくはありませんが… 恐らく。 255 00:17:51,771 --> 00:17:56,108 何だ あいつ。 昼間っからフラフラと。 256 00:17:56,108 --> 00:17:59,612 ここんとこ いつも あんなふうに 出歩いててさ。 257 00:17:59,612 --> 00:18:02,915 何か起こさなきゃいいがなあ。 258 00:18:15,227 --> 00:18:23,936 ♬~ 259 00:18:26,372 --> 00:18:30,576 留守ですね。 (辰三)よし。 じゃあ 行くか。 260 00:18:30,576 --> 00:18:32,611 え… ちょちょちょ 親分 親分。 261 00:18:32,611 --> 00:18:35,448 いいか? 俺は あの粉が毒かどうか 確かめるために…。 262 00:18:35,448 --> 00:18:38,250 盗むんすね。 言い方! 263 00:18:38,250 --> 00:18:41,153 だから 俺は 何か事が起こる前に…。 264 00:18:41,153 --> 00:18:43,389 盗む と…。 265 00:18:43,389 --> 00:18:46,392 やっぱ やめとこう。 そうしやしょう。 266 00:18:49,195 --> 00:18:51,130 (辰三)おっ。 (子吉)あっ 旦那! 旦那 旦那。➡ 267 00:18:51,130 --> 00:18:53,132 旦那。おお。 何か? 268 00:18:53,132 --> 00:18:55,134 押し込みだ。 ええ? 269 00:18:59,271 --> 00:19:01,540 旦那 そいつですか? 270 00:19:01,540 --> 00:19:03,576 捕まえてみたら 驚いたぜ。 271 00:19:03,576 --> 00:19:06,879 押し込みなんて バカなまねを! ふん。 272 00:19:06,879 --> 00:19:11,050 おめえのしたことで 娘のおみつの この先 どれだけ苦労するか分からねえのか? 273 00:19:11,050 --> 00:19:14,920 (お藤)おみつ…? んなこと知らねえよ! 274 00:19:14,920 --> 00:19:20,226 そんなこと? てめえ! おみつを罪人の子にして➡ 275 00:19:20,226 --> 00:19:23,562 そんなことだと? (駿介)筧さん。 276 00:19:23,562 --> 00:19:28,067 おみつ おみつって あいつは 俺の本当の子じゃねえんだよ。 277 00:19:28,067 --> 00:19:31,270 はなから関わりなんてねえんだよ! 278 00:19:33,939 --> 00:19:37,076 (辰三)行くぞ! 279 00:19:37,076 --> 00:19:40,112 ったく とんだ悪党だ。 280 00:19:40,112 --> 00:19:42,748 じゃあ 私たちも そろそろ引き揚げて…。 281 00:19:42,748 --> 00:19:45,451 いや。 調べがまだだ。 282 00:19:47,086 --> 00:19:50,890 お前さん 嘉兵衛を知ってるな? 283 00:19:54,960 --> 00:19:58,097 どういう関わりだい? 284 00:19:58,097 --> 00:20:01,133 私…➡ 285 00:20:01,133 --> 00:20:04,970 おみつの母親です。 286 00:20:04,970 --> 00:20:08,774 じゃ…。 おめえが おみつを…。 287 00:20:11,110 --> 00:20:19,819 はい。 14年前に おみつを捨てました。 288 00:20:23,289 --> 00:20:26,992 (お藤)おみつ ごめんよ。 289 00:20:29,428 --> 00:20:32,965 (嘉兵衛)ちょっと あんた。 290 00:20:32,965 --> 00:20:36,302 待った。 待った待った! ちょっと 待った待った! 291 00:20:36,302 --> 00:20:38,637 ああ 大丈夫かい あんた。 292 00:20:38,637 --> 00:20:41,307 すみません 見逃してください。 293 00:20:41,307 --> 00:20:43,242 いや そういうわけには…。 294 00:20:43,242 --> 00:20:46,645 (赤ちゃんの泣き声) (おきぬ)よしよし よしよし。 295 00:20:46,645 --> 00:20:48,647 何だって こんなまねを。 296 00:20:50,983 --> 00:20:54,820 お前さん そのあざ…。 297 00:20:54,820 --> 00:21:00,626 (おきぬ)あんた…。 (嘉兵衛)話 聞かしちゃもらえないかね? 298 00:21:00,626 --> 00:21:02,628 (お藤)何でもないんです。 299 00:21:02,628 --> 00:21:09,135 ここはお寺。 私たちじゃなくて 仏さんに聞いてもらうつもりでさ。 300 00:21:11,270 --> 00:21:17,610 (お藤)酔った亭主に 毎晩 手を上げられて…。 301 00:21:17,610 --> 00:21:22,114 は… それで そのあざ。 302 00:21:22,114 --> 00:21:28,888 (お藤)鬼のような形相で 毎晩 毎晩…。 303 00:21:28,888 --> 00:21:31,824 だから 殺される前に➡ 304 00:21:31,824 --> 00:21:36,662 この子と2人 どうとでも生きていけると 飛び出したんですが➡ 305 00:21:36,662 --> 00:21:43,135 世の中 そんなに甘くないんですね。 もう 3日も何も…。 306 00:21:43,135 --> 00:21:49,008 それで この子を預け 自分だけ…? 307 00:21:49,008 --> 00:21:55,447 何のツテもない江戸で こうするより しかたがなかったんです。 308 00:21:55,447 --> 00:21:58,651 仏様に おすがりするしか…。 309 00:22:00,753 --> 00:22:03,789 俺らじゃ 駄目かい? 310 00:22:03,789 --> 00:22:06,091 え…? だから➡ 311 00:22:06,091 --> 00:22:09,762 俺ら2人で育てるっていうんじゃ。 312 00:22:09,762 --> 00:22:11,697 (お藤)でも…。 313 00:22:11,697 --> 00:22:18,771 実はさ あたしたちには 子供ができなくてさ。 314 00:22:18,771 --> 00:22:20,973 (お藤)そうなんですか? 315 00:22:23,275 --> 00:22:25,778 ごめんなさい。 (嘉兵衛)だから➡ 316 00:22:25,778 --> 00:22:29,415 俺らも あんたと一緒だ。 え? 317 00:22:29,415 --> 00:22:32,318 俺らも もう 仏さんに頼るしかなくってよ。 318 00:22:32,318 --> 00:22:37,156 今日だって そうだ。 毎日 せっせと お百度参り。 319 00:22:37,156 --> 00:22:44,296 「どうか 子宝に恵まれますように」って 雨の日も 風の日も 雪の日も。 320 00:22:44,296 --> 00:22:46,632 嘘をお言いよ。 え? 321 00:22:46,632 --> 00:22:50,803 雪の日は 寒くて休んだじゃないか。 ああ~ そうだよな。 322 00:22:50,803 --> 00:22:53,439 ああ 雪降っちまうとよ 足元滑って 危ねえから。 323 00:22:53,439 --> 00:22:57,309 でも それ以外は…。 いや。 あんた 二日酔いの日も寝てたよ。 324 00:22:57,309 --> 00:23:00,212 あ… ん… あ… そうだっけ? あっ そうだよな。 325 00:23:00,212 --> 00:23:03,115 二日酔いで酒臭えと 仏さんに失礼だからよ。 326 00:23:03,115 --> 00:23:07,119 ハッハハハハハハハハハ…。 327 00:23:09,755 --> 00:23:15,928 あ… 俺 まだ 板前としちゃあ半人前だが➡ 328 00:23:15,928 --> 00:23:22,401 いずれは そのうち 独り立ちして 店 持ちてえと思ってる。 329 00:23:22,401 --> 00:23:24,336 (お藤)はい。 330 00:23:24,336 --> 00:23:26,939 豊かな暮らしとは言えねえが➡ 331 00:23:26,939 --> 00:23:31,410 この子の幸せを一番に 大切に育てるって約束する。 332 00:23:31,410 --> 00:23:35,948 ああ 仏さんの前で 約束する。 333 00:23:35,948 --> 00:23:37,950 だから…。 334 00:23:45,624 --> 00:23:50,796 おみつを よろしくお願いします。 335 00:23:50,796 --> 00:23:54,600 ああ ああ… よかった。 336 00:23:57,670 --> 00:24:09,248 あと1つ… 仏さんの前で あんたも 1つ 約束してくれる? 337 00:24:09,248 --> 00:24:14,253 決して 1人で死んだりしないって。 338 00:24:16,956 --> 00:24:20,592 お前さん まさか…。 339 00:24:20,592 --> 00:24:26,799 駄目だよ。 この子のためにも…。 340 00:24:28,334 --> 00:24:33,772 はい。 約束します。 341 00:24:33,772 --> 00:24:38,577 よし それじゃ お互い約束だ。 342 00:24:40,646 --> 00:24:43,849 本当に ありがとうございます。 343 00:24:49,254 --> 00:24:52,791 仏の前での約束か。 344 00:24:52,791 --> 00:24:55,694 そんな大切な約束を 嘉兵衛の野郎は…。 345 00:24:55,694 --> 00:25:01,066 しかし 押し入った先に 本当の母親がいるなんて…。 346 00:25:01,066 --> 00:25:04,570 そんな巡り合わせ ほんとにあるんですね。 347 00:25:04,570 --> 00:25:09,375 不思議な因縁だが まあ よかったじゃねえか。 348 00:25:09,375 --> 00:25:12,077 そうなんですか? これで おみつは➡ 349 00:25:12,077 --> 00:25:14,380 本当の親のもとへ 帰れるんだからよ。 350 00:25:14,380 --> 00:25:19,084 確かに。 たまたまだったとはいえ おみつにとっては いい方に進みましたね。 351 00:25:19,084 --> 00:25:24,957 うん。 では これにて一件落着 ですね。 352 00:25:24,957 --> 00:25:31,263 (筧)お奉行?筧 お藤を呼んでくれ。 はい。 353 00:25:31,263 --> 00:25:33,932 (おみつ)お奉行様が なぜ? 354 00:25:33,932 --> 00:25:39,738 おみつ 少し長い話になるが よいか? 355 00:25:39,738 --> 00:25:42,408 はい。 356 00:25:42,408 --> 00:25:49,615 (お藤)お奉行様 私から… 私から話をさせてください。 357 00:25:49,615 --> 00:25:54,420 ならば 私たちは座を外そう。 はっ。 358 00:25:54,420 --> 00:25:58,791 ああ 喉が渇いたなあ。 359 00:25:58,791 --> 00:26:02,594 水を1杯もらうぞ。 (おみつ)はい。 360 00:26:09,435 --> 00:26:14,940 (作兵衛)こちらはな 古着屋のお藤さんだ。 (おみつ)みつです。 361 00:26:19,078 --> 00:26:21,280 それは…。 362 00:26:28,587 --> 00:26:30,589 お奉行…! 363 00:26:32,257 --> 00:26:38,597 (太鼓の音) 364 00:26:38,597 --> 00:26:42,401 これより 嘉兵衛の押し込みの一件について➡ 365 00:26:42,401 --> 00:26:47,206 吟味をいたす。 一同 面を上げよ。 366 00:26:50,943 --> 00:26:56,415 嘉兵衛 こたびの押し込み お主の所業で相違ないな? 367 00:26:56,415 --> 00:26:58,951 はい 相違ございません。 368 00:26:58,951 --> 00:27:01,220 何故 このような悪行を? 369 00:27:01,220 --> 00:27:03,155 酒飲む金欲しさに。 370 00:27:03,155 --> 00:27:05,724 それだけか? はい。 371 00:27:05,724 --> 00:27:12,064 では 押し入った先が お藤の店とは承知の上か? 372 00:27:12,064 --> 00:27:14,566 それは 全く知りませんで。 373 00:27:14,566 --> 00:27:18,237 そうか。 では お藤➡ 374 00:27:18,237 --> 00:27:22,741 嘉兵衛とお前は 14年前に見知っておるとのこと。 375 00:27:22,741 --> 00:27:25,244 相違ないな? はい。 376 00:27:25,244 --> 00:27:30,082 うん。 嘉兵衛に言いたいことあらば 申すがよい。 377 00:27:30,082 --> 00:27:32,084 はい。 378 00:27:34,253 --> 00:27:38,123 あんた ぬすっとだったのかい? 379 00:27:38,123 --> 00:27:43,929 最初は きちんと板前やってたのがよ おきぬも死んで➡ 380 00:27:43,929 --> 00:27:46,965 真面目に生きるのが バカらしくなってよ。 381 00:27:46,965 --> 00:27:51,803 だから 拾いもんのおみつを 働かせてたんだが…。拾いもんだと!? 382 00:27:51,803 --> 00:27:55,641 こんなことなら 吉原に とっとと 売り飛ばせばよかったんだ。 383 00:27:55,641 --> 00:27:57,943 おめえは…! ひどいじゃないか! 384 00:27:57,943 --> 00:28:01,346 あんたが あの子の幸せを一番にって言うから➡ 385 00:28:01,346 --> 00:28:06,185 あたしは それを信じて…。 どうせ 俺のほんとの子じゃねえしよ。 386 00:28:06,185 --> 00:28:10,889 この… 鬼! ハッハハハハハハ…。 387 00:28:10,889 --> 00:28:12,824 まあ もう 勝手にやってくれよ。 388 00:28:12,824 --> 00:28:17,062 俺は このまま 奉行所のごやっかいになるわけだし➡ 389 00:28:17,062 --> 00:28:19,965 おみつ お前んところにいるんだろ? 390 00:28:19,965 --> 00:28:24,803 いや。 おみつは まだ お前のうちだ。 391 00:28:24,803 --> 00:28:26,772 えっ? 392 00:28:26,772 --> 00:28:29,074 留守を守ると申しておる。 393 00:28:29,074 --> 00:28:33,946 え… どうして… お前 おみつと話 したんだろ? 394 00:28:33,946 --> 00:28:37,749 おい どういうことだよ。 395 00:28:37,749 --> 00:28:41,386 やっぱり 捨てた親は許せねえって? 396 00:28:41,386 --> 00:28:47,759 いや。 初めは戸惑っておったが 事情を つぶさに申し聞かせたところ➡ 397 00:28:47,759 --> 00:28:50,262 ふに落ちた様子であった。 分かりました。 398 00:28:50,262 --> 00:28:53,765 じゃあ 一体 何で…。 399 00:28:53,765 --> 00:28:57,636 おめえ もう一遍 おみつと話 してよ…。 400 00:28:57,636 --> 00:28:59,638 ハハハ。 401 00:28:59,638 --> 00:29:02,874 よほど おみつのことが気になるようだな。 402 00:29:02,874 --> 00:29:04,810 いや… そんな…。 403 00:29:04,810 --> 00:29:10,349 しかし そんなに気になるのなら じかに本人に聞くがよい。 404 00:29:10,349 --> 00:29:13,218 えっ? これからのこともあるのでな➡ 405 00:29:13,218 --> 00:29:17,055 おみつを ここに呼んでおる。 ここに…? 406 00:29:17,055 --> 00:29:19,725 入れ。 はっ。 407 00:29:19,725 --> 00:29:23,428 (戸を開ける音) 408 00:29:27,065 --> 00:29:29,067 さあ。 409 00:29:38,677 --> 00:29:44,883 おみつ 嘉兵衛が どうにも お前のことが気になるようでな。 410 00:29:46,451 --> 00:29:48,754 どうした? 嘉兵衛。 411 00:29:48,754 --> 00:29:50,689 聞きたいことがあるのであろう。 412 00:29:50,689 --> 00:29:53,392 いえ…。 お奉行様! 413 00:29:53,392 --> 00:29:57,262 この男を もう おみつに近づけないでください! 414 00:29:57,262 --> 00:30:00,599 言われなくたって関わりゃしねえよ。 何だと! 415 00:30:00,599 --> 00:30:03,101 ⚟双方控えよ! 416 00:30:03,101 --> 00:30:05,604 嘉兵衛。 417 00:30:07,606 --> 00:30:11,410 何で お藤のところに行かねえ? 418 00:30:11,410 --> 00:30:14,279 私には うちがあるから。 419 00:30:14,279 --> 00:30:16,782 あそこは もう おめえのうちじゃねえ。 420 00:30:16,782 --> 00:30:19,818 えっ? とっとと出ていけよ! 421 00:30:19,818 --> 00:30:21,953 お父っつぁん…。 422 00:30:21,953 --> 00:30:25,424 恐れながら…。控えよ! 恐れながら! 423 00:30:25,424 --> 00:30:27,359 何だ? 424 00:30:27,359 --> 00:30:31,129 私からも おみつに言いたいことが…。 425 00:30:31,129 --> 00:30:34,966 申してみよ。 はっ。 426 00:30:34,966 --> 00:30:40,839 おみつ 急にいろんなこと聞かされて 戸惑ってんのは分かる。 427 00:30:40,839 --> 00:30:44,309 おめえを捨てたお藤さんを 許せねえのも分かる。 428 00:30:44,309 --> 00:30:48,980 だけど 嘉兵衛の言葉 聞いただろ? 大家さん…。 429 00:30:48,980 --> 00:30:53,819 (作兵衛)おみつ これ以上 苦しむのは やめろ。 430 00:30:53,819 --> 00:30:58,123 早く この身勝手な男から 離れるんだよ! 431 00:30:59,691 --> 00:31:02,194 (作兵衛)おみつ! 432 00:31:03,929 --> 00:31:08,400 おみつ 決めるのは お前だ。 433 00:31:08,400 --> 00:31:10,769 いかがいたす? 434 00:31:10,769 --> 00:31:14,406 お父っつぁんは…➡ 435 00:31:14,406 --> 00:31:19,277 お父っつぁんは 身勝手なんかじゃありません! 436 00:31:19,277 --> 00:31:22,781 それに 私は苦しんでなんかいない。 437 00:31:22,781 --> 00:31:24,716 だって こいつは…。 438 00:31:24,716 --> 00:31:30,422 お父っつぁん ほんとは 私のために…。 439 00:31:30,422 --> 00:31:32,424 どういうことだ? 440 00:31:34,626 --> 00:31:38,296 お父っつぁんは 長い間ずっと➡ 441 00:31:38,296 --> 00:31:41,633 苦しむおっ母さんの 看病をしてきました。➡ 442 00:31:41,633 --> 00:31:44,669 来る日も来る日も 休むことなく➡ 443 00:31:44,669 --> 00:31:47,973 朝も夜もなく ずっと…。➡ 444 00:31:47,973 --> 00:31:51,843 私には 「大丈夫 大丈夫」って…。 445 00:31:51,843 --> 00:31:54,646 お父っつぁん。 寝ないで大丈夫かい? 446 00:31:54,646 --> 00:31:56,581 ああ 大丈夫だ。 447 00:31:56,581 --> 00:31:59,985 (おみつ)「お前は心配すんな」って そればかりで…。 448 00:31:59,985 --> 00:32:02,954 (せきこみ) 449 00:32:02,954 --> 00:32:07,793 (おみつ)でも お父っつぁん 最後まで頑張りすぎて…。 450 00:32:07,793 --> 00:32:10,929 (せきこみ) 451 00:32:10,929 --> 00:32:15,434 (おみつ)今度は 自分の体を壊したんです。 452 00:32:19,404 --> 00:32:21,339 (作兵衛)医者には診てもらったのかい? 453 00:32:21,339 --> 00:32:25,110 そんなお金 うちには…。 454 00:32:25,110 --> 00:32:29,781 でも… それで 何で おめえに つらく当たるんだ? 455 00:32:29,781 --> 00:32:33,952 お父っつぁんは 看病の大変さを知ればこそ➡ 456 00:32:33,952 --> 00:32:37,823 私に それをさせたくないんだと思います。 457 00:32:37,823 --> 00:32:44,629 おきぬ… 俺は 一体どうすりゃいいんだよ。 458 00:32:49,301 --> 00:32:53,171 (せきこみ) 459 00:32:53,171 --> 00:32:57,876 (嘉兵衛)かせっつうんだよ! 酔っ払いが嫌なら 出てけ! 460 00:33:07,586 --> 00:33:10,889 (小声で)すまねえ おみつ…。 461 00:33:12,757 --> 00:33:17,095 まさか…。 では 嘉兵衛は➡ 462 00:33:17,095 --> 00:33:19,931 自分が つらく当たることで➡ 463 00:33:19,931 --> 00:33:23,768 お前が 自ら うちを出るよう しむけたと? 464 00:33:23,768 --> 00:33:26,671 はい。 そんなバカな。 465 00:33:26,671 --> 00:33:29,407 なぜ そうだと分かる? 466 00:33:29,407 --> 00:33:36,114 それは… 私とお父っつぁんが 親子だから。 467 00:33:36,114 --> 00:33:38,049 だから! 俺は おめえの…。 468 00:33:38,049 --> 00:33:40,418 (せきこみ) お父っつぁん! 469 00:33:40,418 --> 00:33:46,291 嘉兵衛 おみつの申したことは まことか? 470 00:33:46,291 --> 00:33:49,961 そんなわけはねえ。 嘉兵衛! 471 00:33:49,961 --> 00:33:52,464 まことか? 472 00:33:54,132 --> 00:33:57,035 はあ~。 473 00:33:57,035 --> 00:33:59,804 あれだけ つらく当たったんだ。 474 00:33:59,804 --> 00:34:05,610 親クジに外れたと諦めて とっとと出ていきゃいいものをよ。 475 00:34:05,610 --> 00:34:10,382 あんた…。 おみつは出ていかず➡ 476 00:34:10,382 --> 00:34:14,252 具合の悪くなるところは見せられねえし➡ 477 00:34:14,252 --> 00:34:21,593 すがる思いで また あのお寺に向かったんだ。➡ 478 00:34:21,593 --> 00:34:28,366 すると そこで よさそうな暮らしをしてる お前さんを見つけた。➡ 479 00:34:28,366 --> 00:34:32,103 仏さんのお導きだと思ったんです。➡ 480 00:34:32,103 --> 00:34:38,276 やっぱり 本当の親のもとの方が 一番なんだろうなと…。 481 00:34:38,276 --> 00:34:41,279 あっ おかみさん お帰りなさいまし。 (お藤)帰ったよ。 482 00:34:41,279 --> 00:34:44,416 それで 押し込みを働き 罪を犯せば➡ 483 00:34:44,416 --> 00:34:51,623 己は捕まり お藤が おみつを引き取ると踏んだのか。 484 00:34:51,623 --> 00:34:53,658 お父っつぁん…。 485 00:34:53,658 --> 00:34:58,296 なのに こいつは ったく 頑固な野郎だよ。 486 00:34:58,296 --> 00:35:00,231 お父っつぁんに似たんだよ。 487 00:35:00,231 --> 00:35:04,569 バカがつくくれえ辛抱強くて。 お父っつぁん譲りさ。 488 00:35:04,569 --> 00:35:07,238 楽に生きりゃいいものを。 それも お父っつぁん…。 489 00:35:07,238 --> 00:35:10,141 もう お父っつぁん お父っつぁんって 呼ぶの やめろよ! 490 00:35:10,141 --> 00:35:14,980 お父っつぁんを お父っつぁんと呼ばずに これから何と呼べばいいのさ。 491 00:35:14,980 --> 00:35:18,383 これから… だから… 俺は おめえの…。 492 00:35:18,383 --> 00:35:21,186 お父っつぁんだよ!呼ぶなったら! 493 00:35:27,759 --> 00:35:30,795 それは無理だよ。 何で? 494 00:35:30,795 --> 00:35:35,633 だって… お父っつぁんは➡ 495 00:35:35,633 --> 00:35:40,438 私の たった一人のお父っつぁんなんだから。 496 00:35:42,273 --> 00:35:44,275 おみつ…。 497 00:35:44,275 --> 00:35:49,614 もう一度 おっ母さんが 元気だった頃みたいな店をやるんだ。 498 00:35:49,614 --> 00:35:54,486 そのために 今 料理も覚えてる。➡ 499 00:35:54,486 --> 00:36:01,226 だから 早く元気になっておくれよ お父っつぁん。 500 00:36:01,226 --> 00:36:11,236 ♬~ 501 00:36:11,236 --> 00:36:18,977 嘉兵衛 おきぬの看病は 苦労であったか? 502 00:36:18,977 --> 00:36:23,748 俺の女房だ。 苦労だなんて思うわけがねえ。 503 00:36:23,748 --> 00:36:29,087 ならば おみつは 親孝行を苦労と思う娘なのか? 504 00:36:29,087 --> 00:36:32,757 こいつが そんなふうに思うわけがねえ。 505 00:36:32,757 --> 00:36:34,693 何故 そうだと分かる? 506 00:36:34,693 --> 00:36:37,896 そりゃ 俺とこいつが…。 507 00:36:48,239 --> 00:36:53,244 お主たちは 本当に 似た者親子だな。 508 00:36:58,416 --> 00:37:01,720 お奉行様! 何だ? 509 00:37:01,720 --> 00:37:06,224 こたびの押し込み なかったことにできませんでしょうか。 510 00:37:08,493 --> 00:37:12,731 嘉兵衛さんは 何かを奪ったのではなく➡ 511 00:37:12,731 --> 00:37:15,934 むしろ 多くを与えてくださいました。 512 00:37:18,069 --> 00:37:26,244 あなたは 約束どおり おみつの…➡ 513 00:37:26,244 --> 00:37:34,953 この子の幸せを一番に… 抱えきれない幸せを この子にくれた。 514 00:37:37,255 --> 00:37:39,190 おっ母さん。 515 00:37:39,190 --> 00:37:43,128 ♬~ 516 00:37:43,128 --> 00:37:45,597 おみつ…。 517 00:37:45,597 --> 00:37:50,902 (泣き声) 518 00:37:53,271 --> 00:37:55,273 ありがとうございました! 519 00:37:55,273 --> 00:37:58,610 いや… 俺は何も…。 520 00:37:58,610 --> 00:38:01,513 これからは おめえら2人 親子仲よく…。 521 00:38:01,513 --> 00:38:04,883 (お藤)いいえ! 522 00:38:04,883 --> 00:38:10,688 これからも おみつを よろしくお願いします。 523 00:38:10,688 --> 00:38:13,057 だから 俺はもう…。 524 00:38:13,057 --> 00:38:19,564 おみつ 親が多くいるというのは 幸せなことだな。 525 00:38:19,564 --> 00:38:23,902 えっ? 生みの親と育ての親➡ 526 00:38:23,902 --> 00:38:28,740 どちらの恩にも報いて 生きよ。 527 00:38:28,740 --> 00:38:31,376 はい! 528 00:38:31,376 --> 00:38:34,579 そしてまた そこの 大家 作兵衛。 529 00:38:34,579 --> 00:38:38,249 お主もまた おみつの親であった。 530 00:38:38,249 --> 00:38:41,152 私も 親? 531 00:38:41,152 --> 00:38:48,893 お前だけではない。 長屋にも町にも まだまだ多くの親がいる。 532 00:38:48,893 --> 00:38:55,800 そして 皆が親となり この国の子供たちを育てていくんだ。 533 00:38:55,800 --> 00:39:02,607 そうして育った子たちが また 親となり 子を育てる。 534 00:39:04,409 --> 00:39:08,546 だから嘉兵衛よ。 535 00:39:08,546 --> 00:39:11,349 お主は1人ではない。 536 00:39:11,349 --> 00:39:18,122 人を頼り 親子ともに支え合って 生きよ。 537 00:39:18,122 --> 00:39:20,892 はい! 538 00:39:20,892 --> 00:39:23,394 ありがとうございます! 539 00:39:25,230 --> 00:39:29,033 本日の白洲 これまで。 540 00:39:41,379 --> 00:39:44,082 先生…? 541 00:39:44,082 --> 00:39:48,753 確かに 体調は優れぬが➡ 542 00:39:48,753 --> 00:39:52,590 今日明日死ぬようなことではない。 543 00:39:52,590 --> 00:39:54,926 へっ? 544 00:39:54,926 --> 00:39:56,861 とっとと診せに来たらよかったのだ。 545 00:39:56,861 --> 00:39:59,597 いや… 俺はもう… てっきり…。 546 00:39:59,597 --> 00:40:05,937 もう! お父っつぁんが 深刻そうな顔するから 私も てっきり…。 547 00:40:05,937 --> 00:40:10,108 ハハハハ。 そそっかしいのも 親子そっくりだな。(笑い声) 548 00:40:10,108 --> 00:40:13,411 え? それじゃ 俺 もう 明日から働いても…? 549 00:40:13,411 --> 00:40:15,780 もちろん! お父っつぁん! 550 00:40:15,780 --> 00:40:17,715 ああ。 (おいね)ああ でも➡ 551 00:40:17,715 --> 00:40:21,286 まだ万全じゃありませんよ。 へえ。 552 00:40:21,286 --> 00:40:23,621 だから この➡ 553 00:40:23,621 --> 00:40:28,960 おみっちゃんお手製の煎じ薬は よ~く効くので のみ続けてくださいね。 554 00:40:28,960 --> 00:40:31,429 うん ちょっと苦いがな。 555 00:40:31,429 --> 00:40:34,799 (笑い声) 556 00:40:34,799 --> 00:40:37,302 で また 一膳飯屋を? 557 00:40:37,302 --> 00:40:41,806 はい。 またすぐに始めるそうです。 558 00:40:41,806 --> 00:40:44,842 これで 待望の煮つけが食べられます。 559 00:40:44,842 --> 00:40:47,312 もう 食い意地ばかり張って…。 560 00:40:47,312 --> 00:40:51,816 そこは 母上に似てしまい…。 まあ! 561 00:40:51,816 --> 00:40:55,153 (笑い声) 親か…。 562 00:40:55,153 --> 00:40:58,990 お花 どうかしたか? 563 00:40:58,990 --> 00:41:03,961 親とは 一体 何なのでしょう。 564 00:41:03,961 --> 00:41:06,798 う~ん。 565 00:41:06,798 --> 00:41:08,800 親とは…➡ 566 00:41:08,800 --> 00:41:16,941 初めから親なのではなく 親もまた 子とともに育つもの。 567 00:41:16,941 --> 00:41:19,243 母上…。 568 00:41:22,413 --> 00:41:29,120 そして 親と子は 互いに人生を歩みながら➡ 569 00:41:29,120 --> 00:41:36,627 やがて 親は親に 子は子となり➡ 570 00:41:36,627 --> 00:41:42,133 そして 本当の親子となるのです。 571 00:41:42,133 --> 00:41:44,836 とどのつまり…。 572 00:41:46,971 --> 00:41:51,642 案ずるよりも 産むがやすし。 573 00:41:51,642 --> 00:41:53,578 お上手! 求次郎! 574 00:41:53,578 --> 00:41:56,814 <親とは何かと問われた忠相。➡ 575 00:41:56,814 --> 00:42:00,151 育つ子にこそ その答えがあると➡ 576 00:42:00,151 --> 00:42:06,958 親の慈恩に感謝し思う 親の目をした忠相であった。➡ 577 00:42:06,958 --> 00:42:12,096 そして 旅の途中の村上源次郎は➡ 578 00:42:12,096 --> 00:42:15,400 今 三島宿にあった> (物音) 579 00:42:17,769 --> 00:42:20,671 (源次郎)どうした! 盗賊が…。 580 00:42:20,671 --> 00:42:22,640 おい! 581 00:42:22,640 --> 00:42:24,642 (盗賊)おい! はい! 582 00:42:24,642 --> 00:42:32,850 (もみ合う声) 583 00:42:35,286 --> 00:42:39,624 清国からの使節が今 江戸に向かっておる。 584 00:42:39,624 --> 00:42:43,428 何故 その娘を襲う。 言葉が通じないのが やっかいだぜ。 585 00:42:43,428 --> 00:42:45,963 海の向こうへ渡ったことはあるか。 幾たびか。 586 00:42:45,963 --> 00:42:48,866 尾張の殿様は 一体何を考えてるんだ! 587 00:42:48,866 --> 00:42:52,837 公方様と大納言様 一騎打ち。 お守りするのが我らの務め。 588 00:42:52,837 --> 00:42:54,839 そのようなことがあってはなりませぬ!