1 00:00:01,590 --> 00:00:04,620 <紀州 平野村のお三を殺し→ 2 00:00:04,620 --> 00:00:09,330 将軍 吉宗お墨付きと短刀を奪った 天一坊は→ 3 00:00:09,330 --> 00:00:14,040 関白 九条家浪人 山内伊賀亮→ 4 00:00:14,040 --> 00:00:15,730 常楽院住職 天中→ 5 00:00:15,730 --> 00:00:19,770 浪人 赤川大膳 藤井右京と共に→ 6 00:00:19,770 --> 00:00:21,790 ご落胤だと名乗りを上げ→ 7 00:00:21,790 --> 00:00:25,490 大坂から京都を経て 江戸へと向かった。→ 8 00:00:25,490 --> 00:00:30,880 江戸では 吉宗から身に覚えありと聞いた 老中らが→ 9 00:00:30,880 --> 00:00:34,920 証拠調べの末 天一坊を本物と認めるが→ 10 00:00:34,920 --> 00:00:38,960 一人 忠相は再吟味を願い出る。→ 11 00:00:38,960 --> 00:00:42,330 怒った吉宗が 忠相を閉門とするが→ 12 00:00:42,330 --> 00:00:48,050 伊織たちの機転の末 水戸中納言の口利きで閉門は解け→ 13 00:00:48,050 --> 00:00:51,750 吉宗名代としての再吟味が認められる。→ 14 00:00:51,750 --> 00:00:58,150 一方 浪人 友部喜八郎の娘 お美和と 知り合った天一坊が→ 15 00:00:58,150 --> 00:01:01,860 心の奥底にある 秘めた気持ちに気付き始めた頃→ 16 00:01:01,860 --> 00:01:06,240 忠相の前に伊賀亮が現れた> 17 00:01:06,240 --> 00:01:09,930 (忠相)再吟味は明日のはずだが? 18 00:01:09,930 --> 00:01:16,670 (伊賀亮)昔なじみとして 挨拶しておこうと思っただけよ。 19 00:01:16,670 --> 00:01:20,030 忠相 息災で何よりだ。 20 00:01:20,030 --> 00:01:22,730 フッ… 貴公もな。 21 00:01:22,730 --> 00:01:30,140 だが 老中に認められた将軍家ご落胤 天一坊様の片腕とは 信じられまい。 22 00:01:30,140 --> 00:01:36,200 ンフフ…。 フッ 変わらんな その笑い方。 23 00:01:36,200 --> 00:01:40,910 昔 お主に言われたことがある。 うん。 24 00:01:40,910 --> 00:01:43,940 「その笑い方は やめた方がいい。→ 25 00:01:43,940 --> 00:01:48,990 相手によっては ばかにされたと感じる」とな。 26 00:01:48,990 --> 00:01:52,700 フッ… そうだったかな。 27 00:01:52,700 --> 00:01:56,730 相変わらずだな そのしたり顔。 28 00:01:56,730 --> 00:02:01,110 フフフ…。 あのころは懐かしい。 29 00:02:01,110 --> 00:02:05,830 芝の木道場で 竜虎と言われた あのころがな。 30 00:02:05,830 --> 00:02:09,860 惜しいな お前ほどの男が。 31 00:02:09,860 --> 00:02:11,220 何が惜しい? 32 00:02:11,220 --> 00:02:14,250 今では 将軍家ご落胤の お側衆だ。 33 00:02:14,250 --> 00:02:20,310 それもこれも… 本物であればの話だ。 34 00:02:20,310 --> 00:02:25,010 それは 明日 分かる。 35 00:02:25,010 --> 00:02:29,400 楽しみにしておるぞ 越前殿。 36 00:02:29,400 --> 00:02:31,400 ンフフフ…。 37 00:02:38,140 --> 00:02:40,510 (お美和)では 私は これで。 38 00:02:40,510 --> 00:02:43,510 (天一)今頃 父親は寂しがってるだろうな。 39 00:02:45,890 --> 00:02:48,930 父には いい薬です。 40 00:02:48,930 --> 00:02:51,960 でも 母が生きていれば→ 41 00:02:51,960 --> 00:02:55,660 父も あんなふうでは なかったのかもしれません。 42 00:02:55,660 --> 00:02:58,660 身内とは そういうものか。 43 00:03:00,380 --> 00:03:04,750 天一坊様も 明日には晴れて…。 44 00:03:04,750 --> 00:03:07,100 相手は あの大岡だ。 45 00:03:07,100 --> 00:03:11,100 大岡様は決して 天一坊様の邪魔はなさりません。 46 00:03:12,160 --> 00:03:15,160 あっ! 出ていけ このクソガキ! 47 00:03:16,540 --> 00:03:18,890 おんちゃん! 48 00:03:18,890 --> 00:03:20,890 ハァ…。 49 00:03:27,980 --> 00:03:29,980 身内か…。 50 00:03:40,780 --> 00:03:45,490 (大膳)徳川天一坊様のおなりでござる。 開門されたし。 51 00:03:45,490 --> 00:03:53,900 本日は 公方様ご名代 南町奉行 大岡越前守様の再吟味の席。→ 52 00:03:53,900 --> 00:03:55,260 くぐり門と心得よ! 53 00:03:55,260 --> 00:03:58,620 (右京)何? 町方風情が偉そうに! 54 00:03:58,620 --> 00:04:00,970 だったら帰ってくれていいんだぜ。 55 00:04:00,970 --> 00:04:04,010 この野郎…! ただし このまま退散するなら→ 56 00:04:04,010 --> 00:04:07,040 偽者ということになる。 その時は覚悟しろ。 57 00:04:07,040 --> 00:04:13,100 (天中)き… ば ば ば… 無礼な! 将軍家ご落胤であらせられるぞ! 58 00:04:13,100 --> 00:04:16,100 (伊賀亮)ええい よさぬか! 59 00:04:17,810 --> 00:04:21,520 くぐり門で不都合はない。 (伊賀亮)ははっ。 60 00:04:21,520 --> 00:04:25,230 町方の衆 ご無礼つかまつった。 61 00:04:25,230 --> 00:04:31,230 くぐり門で構わぬと 天一坊様の お言葉である。 62 00:04:35,990 --> 00:04:39,690 そこへ。 くぐり門のことといい 無礼にも程がある。 63 00:04:39,690 --> 00:04:44,750 天一坊君は 大坂城代 京都所司代 更には ご老中までが→ 64 00:04:44,750 --> 00:04:47,100 ご落胤と認めたお方ですぞ! 65 00:04:47,100 --> 00:04:50,470 この越前 上様のご名代であることを忘れたか! 66 00:04:50,470 --> 00:04:52,820 何!? 67 00:04:52,820 --> 00:04:54,820 (小声で)抜いたら終わりだ。 68 00:04:58,890 --> 00:05:01,890 天一坊様。 69 00:05:09,990 --> 00:05:12,020 さて…。 しばらく。 70 00:05:12,020 --> 00:05:16,730 ご老中との詮議の際も 全て この伊賀亮がお答え申した。 71 00:05:16,730 --> 00:05:21,110 何事も まずは この伊賀亮にお尋ねいただきたい。 72 00:05:21,110 --> 00:05:27,840 <こうして 忠相による天一坊の再吟味が始まった> 73 00:05:27,840 --> 00:06:33,160 ・~ 74 00:06:33,160 --> 00:06:43,610 ・~ 75 00:06:43,610 --> 00:06:48,650 ご落胤は 一生そのまま捨て置かれるのが ご定法。 76 00:06:48,650 --> 00:06:53,020 それを自ら江戸へ出てくるとは…。 77 00:06:53,020 --> 00:06:56,740 キジも鳴かずば撃たれまいものを。 のう? 伊賀亮。 78 00:06:56,740 --> 00:07:03,470 そのこと 天一坊君は 二年もの間 諸国漫遊において民草と触れ合い→ 79 00:07:03,470 --> 00:07:06,830 このまま 僧侶で終わると 仰せでござったが→ 80 00:07:06,830 --> 00:07:11,220 将軍家ご落胤であることは 証拠の2品と共に まごうことなき事実→ 81 00:07:11,220 --> 00:07:16,270 さようなことがあってはなりませぬと 我々が お諫め申したのでござる。 82 00:07:16,270 --> 00:07:20,980 ほう… 天一坊は僧侶か。 83 00:07:20,980 --> 00:07:24,680 では 尋ねる。 僧侶の身でありながら→ 84 00:07:24,680 --> 00:07:27,380 槍 鉄砲を携えて現れたは いかな子細がある!? 85 00:07:27,380 --> 00:07:32,430 これは また… 江戸で名高い越前殿とも思われぬ。 86 00:07:32,430 --> 00:07:37,130 天一坊君は将軍家ご落胤。 87 00:07:37,130 --> 00:07:40,840 いつ いかなる時 敵が現れるやもしれません。 88 00:07:40,840 --> 00:07:44,210 真田の残党に襲われた 徳川大権現様しかり→ 89 00:07:44,210 --> 00:07:48,590 秀忠様もまた 関ヶ原の石田の残党に 襲われております。 90 00:07:48,590 --> 00:07:51,620 白木の輿は天子様 塗網代は上様→ 91 00:07:51,620 --> 00:07:56,330 そして飴色網代は 上野の宮様の乗る輿と決まっておる。 92 00:07:56,330 --> 00:07:59,700 それを いまだ身分の定まらぬ天一坊が→ 93 00:07:59,700 --> 00:08:03,730 その飴色網代の輿に乗っておるのは どういうわけか! 94 00:08:03,730 --> 00:08:06,770 越前殿 よろしいか? 95 00:08:06,770 --> 00:08:13,500 もともと 飴色網代は宮様が 京の都から上野寛永寺に下りし時→ 96 00:08:13,500 --> 00:08:17,210 都に戻れるのか 上野で そのまま お過ごしになられるか→ 97 00:08:17,210 --> 00:08:20,240 つまりは 官位なき身の上ならばこそ→ 98 00:08:20,240 --> 00:08:24,280 朱色 つまり 陽の色になってはいけないと→ 99 00:08:24,280 --> 00:08:32,010 朱色の上から黒い漆を塗り 朱黒色とし これを俗に飴色と申し→ 100 00:08:32,010 --> 00:08:35,730 飴色網代の輿を用いたことに 始まりがあり申す。 101 00:08:35,730 --> 00:08:43,800 天一坊君もまた将軍家ご落胤とは申せ いまだ 身の上定まらず 親子対面の上…。 102 00:08:43,800 --> 00:08:47,510 天一坊 今の このありさまをどう思う? 103 00:08:47,510 --> 00:08:49,200 (伊賀亮)越前殿 先ほどのお約束…。 104 00:08:49,200 --> 00:08:54,240 まことの父と思うなら このように世間の耳目を集め→ 105 00:08:54,240 --> 00:09:01,980 天下に父の恥をさらすような名乗り方 決して せぬはず! いかが!? 106 00:09:01,980 --> 00:09:03,980 越前殿! 107 00:09:08,040 --> 00:09:11,750 世間を騒がせたのなら謝ろう! 108 00:09:11,750 --> 00:09:15,450 だが 越前→ 109 00:09:15,450 --> 00:09:20,840 私は ただ 父に会いたい一心で ここまで来たのだ! 110 00:09:20,840 --> 00:09:24,870 父と会えるなら…→ 111 00:09:24,870 --> 00:09:26,870 官位も身分も要らぬ! 112 00:09:29,930 --> 00:09:35,980 ただ ただ 父と会いたい…→ 113 00:09:35,980 --> 00:09:38,980 身内の温かさを知りたい。 114 00:09:42,720 --> 00:09:44,720 ただ ただ それだけで…。 115 00:09:48,460 --> 00:09:54,460 それを… 分かってほしい! 116 00:09:57,200 --> 00:10:02,260 越前殿 天一坊君のお言葉 しかと お聞きくだされたな? 117 00:10:02,260 --> 00:10:07,640 これぞ まさしく 親を思う子の言葉。 118 00:10:07,640 --> 00:10:11,640 越前殿 いかが! 119 00:10:25,490 --> 00:10:32,490 ・~ 120 00:10:38,620 --> 00:10:47,030 天一坊様… 先ほどよりのご無礼 何とぞ お許しくださいませ。 121 00:10:47,030 --> 00:10:50,730 かくなる上は ご重役と取り計らい→ 122 00:10:50,730 --> 00:10:56,470 吉日をもって 晴れて親子対面の儀と 相なりましょう。 123 00:10:56,470 --> 00:11:01,170 うれしく思うぞ 越前。 124 00:11:01,170 --> 00:11:03,170 はっ! 125 00:11:07,580 --> 00:11:11,620 若が… 負けた。 126 00:11:11,620 --> 00:11:18,350 さて お立ち会い! 江戸中大騒ぎの ご落胤騒動に決着がついたよ~。 127 00:11:18,350 --> 00:11:22,040 江戸っ子なら こいつを読まねえ手はねえぞ。 128 00:11:22,040 --> 00:11:25,070 <南町奉行の大失態→ 129 00:11:25,070 --> 00:11:28,790 ご落胤は本物という噂は その日のうちに知れ渡り→ 130 00:11:28,790 --> 00:11:34,160 天一坊の人気は ここに沸騰した> 131 00:11:34,160 --> 00:11:35,520 あ~ 面白くもねえ! 132 00:11:35,520 --> 00:11:39,560 これじゃあ お奉行様が引き立て役だ! この…。 133 00:11:39,560 --> 00:11:44,610 越前め 今頃は悔しがってることだろう! 134 00:11:44,610 --> 00:11:48,990 さすが伊賀亮殿だ! 今や 天一の人気はうなぎ登り! 135 00:11:48,990 --> 00:11:52,690 それにしても 天一の芝居 あれは見事だった! 136 00:11:52,690 --> 00:11:56,050 おお! あれぐらい朝飯前さ。 137 00:11:56,050 --> 00:11:57,410 (笑い声) 138 00:11:57,410 --> 00:11:59,430 だが なぜ あのようなことを言いだした? 139 00:11:59,430 --> 00:12:01,780 分からねえよ 俺にも。 140 00:12:01,780 --> 00:12:07,510 越前は追い詰められた。 「窮鼠 猫をかむ」。 141 00:12:07,510 --> 00:12:12,510 越前が次に打つ手があるとすれば…。 142 00:12:14,250 --> 00:12:17,940 紀州か。 紀州? 143 00:12:17,940 --> 00:12:21,650 ああ お前が5歳からのことは 老中たちも調べが済んでいる。 144 00:12:21,650 --> 00:12:27,030 だとすれば 残るは 清乃の過去 つまり… 紀州だ。 145 00:12:27,030 --> 00:12:32,760 紀州のお三が住んでた平野村 感応寺には 清乃の墓も赤子の墓もなかった。 146 00:12:32,760 --> 00:12:37,130 俺が確かめた。 だが 墓は どこかにある。 147 00:12:37,130 --> 00:12:40,500 しかし 紀州まで行って調べたとしてもだ 幾日もかかるだろう。 148 00:12:40,500 --> 00:12:45,220 老中たちに やいのやいの せかされれば いくら 越前とて→ 149 00:12:45,220 --> 00:12:49,590 持ちこたえられるはずはないわ! (笑い声) 150 00:12:49,590 --> 00:12:53,590 そうだな… フッ。 151 00:12:56,330 --> 00:13:00,700 フフフ… なかなか よく書けてるな。 152 00:13:00,700 --> 00:13:02,390 お奉行! そんな悠長な。 153 00:13:02,390 --> 00:13:06,760 今や ご落胤は本物だと 誰もが噂しておるのです。 154 00:13:06,760 --> 00:13:11,480 だが正直 再吟味の時の天一坊には驚いた。 155 00:13:11,480 --> 00:13:14,510 しかし あれこそ かたり者の芝居 手口では? 156 00:13:14,510 --> 00:13:17,540 …かもしれん。 157 00:13:17,540 --> 00:13:25,620 ご老中の屋敷で見た時の天一坊の顔には 確かに 悪意が潜んでいた。 だが…。 158 00:13:25,620 --> 00:13:28,650 身内の温かさを知りたい。 159 00:13:28,650 --> 00:13:34,710 あの時の天一坊には 芝居ではない何かがあった。 160 00:13:34,710 --> 00:13:37,740 悪意ではない 何かがな。 161 00:13:37,740 --> 00:13:44,470 お奉行 いずれにせよ 上様やご老中からは 再吟味の返答を迫られますが。 162 00:13:44,470 --> 00:13:48,510 時を稼がねばな…。 時を? 163 00:13:48,510 --> 00:13:51,540 紀州に向かった 結城先生と駿介ですね? 164 00:13:51,540 --> 00:13:55,590 しかし 紀州で調べを済ませ 帰ってくるまでには かなり かかります。 165 00:13:55,590 --> 00:13:58,620 それまで どうするおつもりですか? 166 00:13:58,620 --> 00:14:01,320 そのことなんだが…。 167 00:14:01,320 --> 00:14:05,350 病届? (松平左近将監)ああ… 越前め→ 168 00:14:05,350 --> 00:14:10,400 病に伏して起き上がれぬ故 登城できずと 届けを出してきよった。 169 00:14:10,400 --> 00:14:13,430 大岡殿が…。 江戸の民の間では→ 170 00:14:13,430 --> 00:14:19,490 再吟味は既に越前が負け ご落胤は本物との噂が飛び交っておる。 171 00:14:19,490 --> 00:14:27,900 だが… 越前本人からの返答がなくば どうにもならん。 上様も お怒りでな…。 172 00:14:27,900 --> 00:14:29,590 (吉宗)このままでは らちが明かぬ。 173 00:14:29,590 --> 00:14:32,620 予の一存で会いに出向く! (大和守)う… 上様! 174 00:14:32,620 --> 00:14:34,650 それが かなわぬのなら 早く なんとかせい! 175 00:14:34,650 --> 00:14:37,000 (一同)はっ! 176 00:14:37,000 --> 00:14:43,400 即刻登城しろと 越前には 矢の催促を続けとるが 「梨のつぶて」。 177 00:14:43,400 --> 00:14:47,090 そこでじゃ 下野。 178 00:14:47,090 --> 00:14:51,470 あ~ お主 見舞いと称して→ 179 00:14:51,470 --> 00:14:57,190 越前の様子を見てきては… くれぬか? しかし…。 180 00:14:57,190 --> 00:14:58,550 (雪絵)申し訳ございません! 181 00:14:58,550 --> 00:15:00,240 殿様は 熱に浮かされ あらぬことを口走り→ 182 00:15:00,240 --> 00:15:03,600 到底 伊生様に お会いできる体ではございませんので。 183 00:15:03,600 --> 00:15:06,960 ではございましょうが 左近将監様の言づて→ 184 00:15:06,960 --> 00:15:10,330 大岡殿に じかにお伝えしたい。 大岡殿は どちらかな? 185 00:15:10,330 --> 00:15:12,690 あ…。 お願いでございます! 186 00:15:12,690 --> 00:15:17,060 伊生様に もし うつりでもしたら…。 あっ そうですよ! 187 00:15:17,060 --> 00:15:22,790 北と南の奉行が倒れたら 江戸の町は立ち行かなくなります! 188 00:15:22,790 --> 00:15:26,500 あっ どうですか… もう あの どうか このとおりです。 189 00:15:26,500 --> 00:15:28,850 (せきばらい) 190 00:15:28,850 --> 00:15:31,550 養生所 榊原伊織先生のお申しつけです。 191 00:15:31,550 --> 00:15:34,910 (伊織)私がどうした? 雪絵さん 忠相の具合は? 192 00:15:34,910 --> 00:15:40,300 あっ これは伊生様… 養生所の榊原伊織でござる。 193 00:15:40,300 --> 00:15:42,650 うむ…。 申し訳ござらぬ。 194 00:15:42,650 --> 00:15:44,650 忠相が心配なので これにて。 195 00:15:47,030 --> 00:15:50,400 フフフ… なるほど。 196 00:15:50,400 --> 00:15:55,110 では これだけは お伝えを。 197 00:15:55,110 --> 00:15:58,810 左近将監様は仮病を疑っておいでです。 198 00:15:58,810 --> 00:16:03,190 お役御免は無論 切腹 仰せつけられることもございましょう。 199 00:16:03,190 --> 00:16:05,220 何分にも お気を付けられるようにと…。 200 00:16:05,220 --> 00:16:12,950 それがし 越前殿の介錯だけは 御免こうむりたい。 201 00:16:12,950 --> 00:16:14,950 かしこまりました。 202 00:16:15,660 --> 00:16:17,660 では。 203 00:16:19,360 --> 00:16:26,080 はあ~。 母上…。 204 00:16:26,080 --> 00:16:27,430 間に合ってよかったな 忠相。 ああ。 205 00:16:27,430 --> 00:16:31,130 お花ちゃんを 褒めてあげてください お奉行様。 206 00:16:31,130 --> 00:16:34,160 うん… すまぬな。 207 00:16:34,160 --> 00:16:35,510 あっ そんな…。 208 00:16:35,510 --> 00:16:39,900 伊生様が訪ねてらしたので 村上様に 先生を呼んでこいと言われたのです。 209 00:16:39,900 --> 00:16:42,590 だが… 綱渡りだな。 210 00:16:42,590 --> 00:16:44,940 うん…。 211 00:16:44,940 --> 00:16:46,630 新三郎たちが頼みだ。 212 00:16:46,630 --> 00:16:52,690 <忠相の密命を帯び 紀州に入った新三郎と駿介は→ 213 00:16:52,690 --> 00:16:58,070 まず 天一坊の母といわれる清乃について→ 214 00:16:58,070 --> 00:17:01,770 奉公していた加納将監の屋敷を訪ねるも→ 215 00:17:01,770 --> 00:17:06,150 20年も昔のことで 奉公人も入れ代わっており→ 216 00:17:06,150 --> 00:17:09,860 当時を知る者は一人もなかった。→ 217 00:17:09,860 --> 00:17:13,230 口入れ屋にも当たったが 古い帳簿は既に破棄され→ 218 00:17:13,230 --> 00:17:18,280 また 清乃について 覚えている者もいなかった。→ 219 00:17:18,280 --> 00:17:24,000 …が 一人だけ 加納家とゆかりのある女を見つけた> 220 00:17:24,000 --> 00:17:25,350 (駿介)あっ いました! 221 00:17:25,350 --> 00:17:29,390 はい 清乃という人なら おりました。 222 00:17:29,390 --> 00:17:33,430 (新三郎)いた!? おい 見つけた! (駿介)ああ! で その女はどうした!? 223 00:17:33,430 --> 00:17:38,140 一緒に働いていたのは ふたつき足らず。 (新三郎)うんうん! 224 00:17:38,140 --> 00:17:42,520 急に宿下がりになったのを覚えています。 あ~ どこにだ? 里はどこだ? 225 00:17:42,520 --> 00:17:46,230 確か… あっ 山沢村だったかと。 226 00:17:46,230 --> 00:17:50,260 山沢村? 山沢村! 山沢村! 山沢村! 227 00:17:50,260 --> 00:17:52,620 行きましょう! 228 00:17:52,620 --> 00:17:54,640 どうしたんですか? まるで お通夜みたいですよ。 229 00:17:54,640 --> 00:17:58,010 そうもなろうじゃねえか! 江戸中 どこ行っても→ 230 00:17:58,010 --> 00:18:02,380 天一坊 天一坊と 胸くそ悪い! 231 00:18:02,380 --> 00:18:06,760 大岡裁きも案外大したことない なんて言われましたよ 私は! 232 00:18:06,760 --> 00:18:10,800 まっ 世間ってのは そんなもんなんだが。 233 00:18:10,800 --> 00:18:15,170 (喜八郎)酒だ~! 酒! おい 酒! おい 酒 持ってこい おい! 234 00:18:15,170 --> 00:18:17,200 もう随分飲んでますよ。 やめたら どうですか? おい…。 235 00:18:17,200 --> 00:18:24,940 何よ? えっ? わしはな 天一坊様のおそば近くに仕える女官の→ 236 00:18:24,940 --> 00:18:26,960 父親だぞ おい! ああ? 237 00:18:26,960 --> 00:18:31,340 こんなところで野たれ死にしてたまるか… おい おい 見てろよ。 おい。 238 00:18:31,340 --> 00:18:37,060 今にな… 今にな あの…。 おい 酒だ! 酒を出せ! 239 00:18:37,060 --> 00:18:38,410 親分。 240 00:18:38,410 --> 00:18:40,770 んっ! あっ! 241 00:18:40,770 --> 00:18:46,150 何をするか! 少しは娘のこと心配してみろ! 242 00:18:46,150 --> 00:18:51,150 ほざけ 町方風情が! ちょ ちょ ちょ…。 243 00:18:52,560 --> 00:19:00,300 (いびき) フフフ…。 244 00:19:00,300 --> 00:19:03,660 …ったく どうしようもねえ 親父だぜ。 245 00:19:03,660 --> 00:19:07,660 お美和ちゃんも 何で 天一坊のとこなんかに…。 246 00:19:20,830 --> 00:19:23,190 清乃…。 247 00:19:23,190 --> 00:19:25,880 お前の子に会いたい。 248 00:19:25,880 --> 00:19:30,600 だが 予の一存では会えぬのが…→ 249 00:19:30,600 --> 00:19:32,600 情けない。 250 00:19:36,330 --> 00:19:40,020 これが その清乃って人の墓で→ 251 00:19:40,020 --> 00:19:43,730 こっちの小さいのが生まれた 赤ん坊の墓だって 親父が言ってた。 252 00:19:43,730 --> 00:19:45,750 結城先生! ああ。 253 00:19:45,750 --> 00:19:49,110 おい 当時のことを覚えてる人はいないか? 254 00:19:49,110 --> 00:19:51,480 いや~ 親父が 村長をしていた時のことだからな…。 255 00:19:51,480 --> 00:19:54,500 その清乃の母親 お三のうちは どこだ? 256 00:19:54,500 --> 00:19:59,220 娘が死ぬまでは ここにいたんだけど 死んだあと ちょっと おかしくなって→ 257 00:19:59,220 --> 00:20:03,600 村長だった親父が 平野村の感応寺に預けたって話だ。 258 00:20:03,600 --> 00:20:06,290 では その感応寺を訪ねてみるか。 ええ。 259 00:20:06,290 --> 00:20:09,320 行っても お三ばあさんは もういない。 どうしてだ? 260 00:20:09,320 --> 00:20:13,320 何か月か前に 火事で焼け死んだって。 死んだ? 261 00:20:16,390 --> 00:20:20,430 お三は人づきあいもしない 無口な女でしてな。 262 00:20:20,430 --> 00:20:26,150 だが 亡くなる10日も前から 急に笑顔を見せるようになって。 263 00:20:26,150 --> 00:20:27,500 何か 訳でもあったのですか? 264 00:20:27,500 --> 00:20:32,550 あちこち旅をしてきたという若い僧が 寺で お勤めを始めまして→ 265 00:20:32,550 --> 00:20:37,270 なぜか その僧にだけは 心を開いたようなそぶりで。 266 00:20:37,270 --> 00:20:41,640 名前は? 確か… 天一と。 267 00:20:41,640 --> 00:20:43,990 天一!? あ… それで!? 268 00:20:43,990 --> 00:20:48,040 天一も お三が亡くなった時 悲しみまして→ 269 00:20:48,040 --> 00:20:52,420 冥福を祈る托鉢に出ると。 270 00:20:52,420 --> 00:20:57,800 お三は 娘の形見となるような品を 持ってはいませんでしたか? 271 00:20:57,800 --> 00:21:01,510 いや~ 聞いたことがありませんな。 そうですか…。 272 00:21:01,510 --> 00:21:04,540 ですが これで決まりですよ。 273 00:21:04,540 --> 00:21:07,230 向こうの村には 清乃と赤ん坊の墓がありました。 274 00:21:07,230 --> 00:21:09,590 20年前 とっくに2人とも死んでたんです。 275 00:21:09,590 --> 00:21:13,290 あいつは お三からお墨付きと短刀を盗み→ 276 00:21:13,290 --> 00:21:15,640 付け火をして お三を殺し 逃げた。 277 00:21:15,640 --> 00:21:21,030 そうそう 山沢村の村長に お三を預かる時に→ 278 00:21:21,030 --> 00:21:22,390 一つ聞いたことを思い出しました。 279 00:21:22,390 --> 00:21:28,100 何ですか!? その死んだ赤ん坊には 秘密があると。 280 00:21:28,100 --> 00:21:30,100 秘密? 281 00:21:33,830 --> 00:21:36,860 父が? 随分と荒れてたぜ。 282 00:21:36,860 --> 00:21:40,900 申し訳ありません ご迷惑おかけして。 ああ それはいいんだが…。 283 00:21:40,900 --> 00:21:44,940 こう言っちゃなんだが… ここで働くのは もう よした方がいいんじゃないか? 284 00:21:44,940 --> 00:21:46,290 えっ? 285 00:21:46,290 --> 00:21:50,290 じゃあ 一応 伝えといたからな。 286 00:21:56,050 --> 00:21:58,050 何があった? 287 00:22:04,130 --> 00:22:09,180 そうか… 父がな。 288 00:22:09,180 --> 00:22:11,540 だが 許してやれ。 289 00:22:11,540 --> 00:22:15,250 かわいい娘と離れ離れなんだ。 さみしいのさ。 290 00:22:15,250 --> 00:22:19,280 ですが…。 娘のお前が分かってやらなくて どうする。 291 00:22:19,280 --> 00:22:23,280 天一坊様…。 身内とは そういうものだろ。 292 00:22:26,010 --> 00:22:29,040 あっ 右京。 293 00:22:29,040 --> 00:22:30,730 頼まれてくれないか? 294 00:22:30,730 --> 00:22:33,760 はは~っ! そのように かしこまることはない。 295 00:22:33,760 --> 00:22:36,790 お美和の父親なのだ 悪いようにはしない。 296 00:22:36,790 --> 00:22:42,510 はっ! ありがたき幸せ! この上は この友部喜八郎→ 297 00:22:42,510 --> 00:22:46,890 天一坊様のために 粉骨砕身 勤め上げまする。 298 00:22:46,890 --> 00:22:49,890 ですが 天一坊様 父は…。 いいんだ。 299 00:22:54,300 --> 00:22:58,000 俺に誓え。 酒をやめると。 300 00:22:58,000 --> 00:22:59,360 はい 誓います! 301 00:22:59,360 --> 00:23:03,050 酒は 今 やめました! 302 00:23:03,050 --> 00:23:07,090 ハハハ… お美和 酒をやめるとさ。 303 00:23:07,090 --> 00:23:10,790 はい。 (笑い声) 304 00:23:10,790 --> 00:23:14,500 天一坊様 この首筋のあざは? 305 00:23:14,500 --> 00:23:19,560 父上! 昔からだ。 多分 生まれた時からある。 306 00:23:19,560 --> 00:23:26,290 ほう~…。 あっ 実は 私が妻と諸国を放浪していた20年前→ 307 00:23:26,290 --> 00:23:30,990 紀州の ある村で 赤子を一人 預かったことがあります。 308 00:23:30,990 --> 00:23:35,380 え~ 当時 妻は赤子を亡くしたばかりで こう 乳が張っておりましたので→ 309 00:23:35,380 --> 00:23:39,750 その子を竹三と名付け 共に旅を続けたことが。 310 00:23:39,750 --> 00:23:42,790 竹三? はい。 その竹三に→ 311 00:23:42,790 --> 00:23:44,470 これと そっくりの あざが…。 312 00:23:44,470 --> 00:23:47,500 あっ しかも同じように首筋にあって! 313 00:23:47,500 --> 00:23:51,540 そっ その竹三は どうした!? あ… 気の強い子で→ 314 00:23:51,540 --> 00:23:56,920 3年もたった頃 美和が生まれ 疎まれたと思ったんでしょうな→ 315 00:23:56,920 --> 00:24:00,630 5つの頃に突然 いなくなりまして。 覚えてないか? お美和。 316 00:24:00,630 --> 00:24:03,990 いいえ。 その赤子は…→ 317 00:24:03,990 --> 00:24:06,010 その赤子を預かったのは 紀州の…? 318 00:24:06,010 --> 00:24:12,750 はい 紀州の… そう 山沢という村で。 その子を預けてくれた村長が→ 319 00:24:12,750 --> 00:24:17,470 赤子は 双子の片割れじゃと言うてました。 320 00:24:17,470 --> 00:24:20,500 双子? 321 00:24:20,500 --> 00:24:26,560 (お三) 孫はな… 本当は 双子じゃったんじゃ。 322 00:24:26,560 --> 00:24:35,650 でもな 村長が 双子は縁起が悪いちゅうて 旅の浪人にくれてやったんだ。 323 00:24:35,650 --> 00:24:39,650 あっ! あっ… 双子? 324 00:24:42,380 --> 00:24:47,430 そうだ… あのババが 確かに そう言った。 325 00:24:47,430 --> 00:24:50,460 そうだった…。 忘れてた。 326 00:24:50,460 --> 00:24:55,510 天一坊様? もしや… あなた様は→ 327 00:24:55,510 --> 00:24:58,540 あの竹三か? 328 00:24:58,540 --> 00:25:04,270 あ~ やはり そうか! そのあざを見た時 そうではないかと! 329 00:25:04,270 --> 00:25:07,300 お美和 あの人はな お前と一緒に暮らしたこともある→ 330 00:25:07,300 --> 00:25:14,700 あの竹三だ! ほら おんちゃんと呼んでいた あの! 331 00:25:14,700 --> 00:25:16,390 おんちゃん!? 332 00:25:16,390 --> 00:25:21,390 あっ! 出ていけ このクソガキ! 333 00:25:25,810 --> 00:25:29,170 おんちゃん! 334 00:25:29,170 --> 00:25:32,170 おんちゃ~ん! 335 00:25:33,230 --> 00:25:36,260 そうだ…。 336 00:25:36,260 --> 00:25:39,280 初めて会ったような気がしなかったのは そのせいか! 337 00:25:39,280 --> 00:25:44,340 ハハハ… こりゃ 愉快じゃ! 338 00:25:44,340 --> 00:25:49,720 わしは ご落胤の育ての親 ということになる。 のう? 竹三! 339 00:25:49,720 --> 00:25:53,420 触るな! おっと! なんと! 340 00:25:53,420 --> 00:25:56,450 親に向かって そういう言いぐさはないだろう! 341 00:25:56,450 --> 00:25:58,810 何をしてる!? ああ!? 天一坊様に…。 342 00:25:58,810 --> 00:26:02,840 うるさい! このわしを誰だと思っておる! 343 00:26:02,840 --> 00:26:04,200 おのれ~! あっ! 344 00:26:04,200 --> 00:26:06,230 うわっ! ああ…。 345 00:26:06,230 --> 00:26:10,590 ・~ 346 00:26:10,590 --> 00:26:13,620 何しやがる! あっ 父上! 347 00:26:13,620 --> 00:26:15,310 どうした? 何があった!? おい! 348 00:26:15,310 --> 00:26:17,330 何の騒ぎだ!? どうした? 349 00:26:17,330 --> 00:26:20,690 何があった? この男が 天一坊様に なれなれしく… だから…。 350 00:26:20,690 --> 00:26:22,390 あ~ 早く始末しろ! 女も連れていけ! 351 00:26:22,390 --> 00:26:27,390 嫌~! こっちへ来い! 早く来い! 352 00:26:31,800 --> 00:26:37,200 天一! はあ… どうやら 俺は→ 353 00:26:37,200 --> 00:26:40,570 双子の片割れらしい。 354 00:26:40,570 --> 00:26:43,920 何? 355 00:26:43,920 --> 00:26:46,290 (泣き声) 356 00:26:46,290 --> 00:26:49,980 父上…。 357 00:26:49,980 --> 00:26:52,340 そんなことがあるのか…。 358 00:26:52,340 --> 00:26:55,710 とんだことになっちまった。 359 00:26:55,710 --> 00:26:58,400 どうする? 伊賀亮の旦那。 360 00:26:58,400 --> 00:27:05,810 お美和の父親が死んだ今となっては 嘘かまことか誰にも分からん。 361 00:27:05,810 --> 00:27:11,210 どうした? 本物かもしれんと聞いて おじけづいたか? 362 00:27:11,210 --> 00:27:19,610 図星だな。 お前は ずる賢いが… 優しすぎる。 363 00:27:19,610 --> 00:27:24,330 それが お前の弱さだ。 364 00:27:24,330 --> 00:27:26,330 吉宗に会ってみるか? 365 00:27:28,380 --> 00:27:34,430 明後日 目黒で吉宗の鷹狩りがある。 366 00:27:34,430 --> 00:27:39,490 今の話がまことなら お前は吉宗の子だ。 367 00:27:39,490 --> 00:27:47,900 まことの父と思えるかどうか その目で確かめてみるんだ。 368 00:27:47,900 --> 00:27:52,940 本物と思えば どうするか 思えなかったら どうするか→ 369 00:27:52,940 --> 00:27:58,680 そこから先は 天一… お前次第だ。 370 00:27:58,680 --> 00:28:01,700 しっかりしろ! 371 00:28:01,700 --> 00:28:03,700 今までのお前は どうした!? 372 00:28:11,810 --> 00:28:18,870 えっほ えっほ えっほ えっほ えっほ…。 373 00:28:18,870 --> 00:28:20,560 んん…。 374 00:28:20,560 --> 00:28:25,560 <2日後 新三郎たちが江戸に戻った頃> 375 00:28:34,020 --> 00:28:36,720 はいや! 376 00:28:36,720 --> 00:28:39,420 上様! 上様! 377 00:28:39,420 --> 00:28:42,420 お茶を…。 378 00:28:44,130 --> 00:28:49,520 これから先 いつ何があろうと… なっ。 379 00:28:49,520 --> 00:28:53,230 あなた。 (源次郎)若。 うん。 380 00:28:53,230 --> 00:28:59,620 いや… 結城先生たちが 戻られました。 来たか。 381 00:28:59,620 --> 00:29:02,980 おっ! お奉行! 忠相殿! 382 00:29:02,980 --> 00:29:04,980 うん! 383 00:29:10,730 --> 00:29:30,590 ・~ 384 00:29:30,590 --> 00:29:33,950  心の声 清乃に似ておる…。→ 385 00:29:33,950 --> 00:29:35,980 天一坊か? 386 00:29:35,980 --> 00:29:46,080 ・~ 387 00:29:46,080 --> 00:29:50,460 双子? はい。 住職が村長から聞いた秘密とは→ 388 00:29:50,460 --> 00:29:54,160 赤子が2人いたということです。 まあ…。 389 00:29:54,160 --> 00:29:58,190 墓守の男を ようやく見つけ出し 聞き出したところによると…。 390 00:29:58,190 --> 00:30:01,570 ああ 双子じゃ。 この赤子が死んだ時→ 391 00:30:01,570 --> 00:30:05,280 浪人者の夫婦に くれてやらねばよかったと→ 392 00:30:05,280 --> 00:30:11,330 村長が悔やんでたのを覚えてる。 その赤子には…→ 393 00:30:11,330 --> 00:30:13,690 首に奇妙なあざがあった。 394 00:30:13,690 --> 00:30:15,690 あざ? 395 00:30:17,400 --> 00:30:19,750 あったのですか? うん…。 396 00:30:19,750 --> 00:30:23,460 では もしや 天一坊は その双子の片割れでは? 397 00:30:23,460 --> 00:30:31,190 まあ…。 されど 今… それを知るすべはない。 398 00:30:31,190 --> 00:30:34,570 となれば 天一坊は…→ 399 00:30:34,570 --> 00:30:36,920 偽者…。 400 00:30:36,920 --> 00:30:39,280 よいのですか!? それで。 401 00:30:39,280 --> 00:30:47,020 上様は 清乃の子に… 会いたいであろう。 402 00:30:47,020 --> 00:30:56,110 ・~ 403 00:30:56,110 --> 00:30:59,490  回想 よっ よっ… ほい ほい。 (笑い声) 404 00:30:59,490 --> 00:31:04,200 おっ おっ… ほっ! よっ! おお…。 405 00:31:04,200 --> 00:31:08,580 (笑い声) 406 00:31:08,580 --> 00:31:20,700 ・~ 407 00:31:20,700 --> 00:31:27,700 されど 親子対面を決めるのは 上様ではない。 408 00:31:32,140 --> 00:31:37,870 だが… そうと知らずとも…→ 409 00:31:37,870 --> 00:31:42,910 悪行にまみれて生きてきた者が→ 410 00:31:42,910 --> 00:31:45,910 上様のお子であってはならない。 411 00:31:49,650 --> 00:31:52,650 あっ! 出ていけ このクソガキ! 412 00:31:56,040 --> 00:31:59,070 おんちゃん! 413 00:31:59,070 --> 00:33:04,400 ・~ 414 00:33:04,400 --> 00:33:07,400 上様~! 上様! 415 00:33:12,810 --> 00:33:15,840 上様のお子には→ 416 00:33:15,840 --> 00:33:19,840 一点の曇りもあっては ならんのだ。 417 00:33:24,600 --> 00:33:27,960 て… 天一坊は 偽者? 418 00:33:27,960 --> 00:33:30,660 はっ。 配下の者の調べでは→ 419 00:33:30,660 --> 00:33:35,370 紀州 山沢村に 清乃と その赤子の墓があり→ 420 00:33:35,370 --> 00:33:40,760 また 平野村では 娘の形見と ご落胤お墨付きと短刀を持っていた→ 421 00:33:40,760 --> 00:33:46,140 清乃の母 お三が 火付けによって殺されておりました。 422 00:33:46,140 --> 00:33:49,850 これ まごうことなき 天一坊の仕業。 423 00:33:49,850 --> 00:33:51,200 そ… そうか。 424 00:33:51,200 --> 00:33:55,910 あ いや… ご苦労であった。 425 00:33:55,910 --> 00:33:59,280 となると… 天一坊の捕縛…。 426 00:33:59,280 --> 00:34:02,980 下野 そちに任せる。 427 00:34:02,980 --> 00:34:07,020 は… それがしが? (左近将監)親子対面の儀 許された→ 428 00:34:07,020 --> 00:34:12,060 千代田のお城にて 明日 辰の刻に 執り行うと→ 429 00:34:12,060 --> 00:34:13,420 八ツ山御殿に知らせるのだ。 430 00:34:13,420 --> 00:34:21,160 朱引き内に引き寄せて そこで…。 よいな? 431 00:34:21,160 --> 00:34:23,160 ははっ。 432 00:34:26,550 --> 00:34:30,550 伊生殿 お耳を拝借。 433 00:34:35,970 --> 00:34:39,680 なっ…! 天一坊は ほんも…。 し~っ。 434 00:34:39,680 --> 00:34:45,060 白洲を預かる 伊生殿だけに。 435 00:34:45,060 --> 00:34:47,060 ご他言無用。 436 00:34:50,110 --> 00:34:56,110 本物なれど… 偽者。 437 00:34:57,860 --> 00:34:59,550 まだ着替えてはおらんのか! 438 00:34:59,550 --> 00:35:01,570 もう出立の刻限だぞ。 439 00:35:01,570 --> 00:35:04,930 (伊賀亮)あ~ 今朝方から どうも 腹の調子がよくないんだ。 440 00:35:04,930 --> 00:35:07,960 あ~ ここまできて 伊賀亮殿がおらんというのは…。 441 00:35:07,960 --> 00:35:12,350 あ~ 我々は勝ったのだ。 親子対面の儀は目前。 442 00:35:12,350 --> 00:35:16,380 ここまで来たら 俺が いようがいまいが 事は成す。 443 00:35:16,380 --> 00:35:18,380 のう? 天一。 444 00:35:22,440 --> 00:35:25,470 出立! 445 00:35:25,470 --> 00:35:35,470 ・~ 446 00:35:38,600 --> 00:35:40,620 父親のこと 悪く思うな。 447 00:35:40,620 --> 00:35:42,980 天一坊様は? 448 00:35:42,980 --> 00:35:45,340 もう終わりよ。 終わり? 449 00:35:45,340 --> 00:35:49,040 さあ… どこにだって行け。 450 00:35:49,040 --> 00:35:51,040 (錠を投げ捨てる音) 451 00:35:54,430 --> 00:35:58,120 (荒い息遣い) 452 00:35:58,120 --> 00:36:00,820 どこ行くんだ お美和さん! 親分さん…。 453 00:36:00,820 --> 00:36:04,190 親父さん 土左衛門になってたぜ。 おい…。 454 00:36:04,190 --> 00:36:05,540 あ… ああ…。 455 00:36:05,540 --> 00:36:10,920 ・下に~ 下に。 456 00:36:10,920 --> 00:36:19,000 下に~ 下に。 下に~ 下に。 457 00:36:19,000 --> 00:36:30,790 ・~ 458 00:36:30,790 --> 00:36:35,160 父上…。 浜に打ち上げられていたんだ。 459 00:36:35,160 --> 00:36:38,540 天一坊のところに召し抱えられてんだろ? 知ってるな? お美和ちゃん。 460 00:36:38,540 --> 00:36:41,230 はい。 461 00:36:41,230 --> 00:36:44,600 配下の藤井右京という人に 斬られたんです。 462 00:36:44,600 --> 00:36:46,950 何があったんだ? 一体。 463 00:36:46,950 --> 00:36:56,380 あ… 分かりません。 私には何も…。 464 00:36:56,380 --> 00:37:01,380 (子吉)何にしても 仏になっちまったら おしめえだ。 465 00:37:06,140 --> 00:37:07,490 おんちゃん…。 466 00:37:07,490 --> 00:37:09,850  回想 おんちゃ~ん! 467 00:37:09,850 --> 00:37:15,240 孫はな… 本当は 双子じゃったんじゃ。 468 00:37:15,240 --> 00:37:22,970 ・~ 469 00:37:22,970 --> 00:37:27,020 下に~ 下に。 470 00:37:27,020 --> 00:37:30,040 あっ! (捕り方たち)御用だ! 471 00:37:30,040 --> 00:37:31,400 おお…。 472 00:37:31,400 --> 00:37:36,450 上様のお子をかたり 天下を揺るがせた天一坊! 473 00:37:36,450 --> 00:37:38,800 潔く 縛につけ! 474 00:37:38,800 --> 00:37:42,510 うるせえ! てめえら やっちまえ~! (一同)お~! 475 00:37:42,510 --> 00:37:44,860 かかれ~! 476 00:37:44,860 --> 00:37:49,580 ・~ 477 00:37:49,580 --> 00:37:52,940 うわ~! うっ! 478 00:37:52,940 --> 00:37:56,650 天一! ああ~! やっ! 479 00:37:56,650 --> 00:38:19,880 ・~ 480 00:38:19,880 --> 00:38:21,230 引っ立てい! 481 00:38:21,230 --> 00:38:28,300 出しやがれ! 俺様を誰だと思ってる! 徳川吉宗の子 天一坊だぞ!→ 482 00:38:28,300 --> 00:38:32,340 おのれ 越前! 俺を本物だと認めたくないばっかりに→ 483 00:38:32,340 --> 00:38:36,340 こんな目に遭わせやがったな! 出てこい 越前! 484 00:38:40,070 --> 00:38:42,440 大仰なまねだな 天一坊。 485 00:38:42,440 --> 00:38:45,130 何とでも言うがいいさ。 486 00:38:45,130 --> 00:38:47,130 俺は…。 487 00:38:51,860 --> 00:38:55,860 俺は徳川吉宗の子 天一坊だ! 488 00:38:56,580 --> 00:39:00,620 あざを焼いたな。 489 00:39:00,620 --> 00:39:02,980 偽者として生きるのだな? 490 00:39:02,980 --> 00:39:06,980 うるせえ! 何でもいい! 早くやってくれ! 491 00:39:13,080 --> 00:39:17,110 (あざを焼く音) (天一)うっ…。 492 00:39:17,110 --> 00:39:20,150 あざなんか ねえよ! 493 00:39:20,150 --> 00:39:24,190 俺には あざなんか ねえ! 頭が高い 越前! 494 00:39:24,190 --> 00:39:30,920 我こそは将軍家ご落胤 天一坊なるぞ! 495 00:39:30,920 --> 00:39:32,920 黙れ! 496 00:39:35,310 --> 00:39:42,380 天下の極悪人 死罪獄門になるがいい。 497 00:39:42,380 --> 00:40:08,380 ・~ 498 00:40:13,680 --> 00:40:15,710 見覚えのある顔だな。 499 00:40:15,710 --> 00:40:19,710 ここから先には行かせねえよ。 500 00:40:22,090 --> 00:40:25,470 なるほど… 後をつけられてたか。 501 00:40:25,470 --> 00:40:30,860 天一坊を置いて 己一人で逃げるのか。 502 00:40:30,860 --> 00:40:34,890 俺の役目は終わったからな。 503 00:40:34,890 --> 00:40:37,930 片腹痛い。 504 00:40:37,930 --> 00:40:45,670 天一坊の心を弄び 打ち捨てただけのお主は 人ではない! 505 00:40:45,670 --> 00:40:50,050 権力に盾つくのは浪人冥利に尽きる。 506 00:40:50,050 --> 00:40:51,400 それも ここまでだ! 507 00:40:51,400 --> 00:40:55,770 知らぬだろうが…→ 508 00:40:55,770 --> 00:41:00,140 腕は 俺の方が上なのだよ。 509 00:41:00,140 --> 00:41:07,560 ・~ 510 00:41:07,560 --> 00:41:12,610 勝ったと思うな 忠相。 511 00:41:12,610 --> 00:41:16,610 あいつは本物のご落胤だ。 512 00:41:18,670 --> 00:41:25,400 お奉行様は とんだ悪党ってわけよ。 513 00:41:25,400 --> 00:41:28,430 ンフフ…。 514 00:41:28,430 --> 00:41:30,430 (斬る音) 515 00:41:36,520 --> 00:41:43,580 <この後 天一坊は 天中 大膳 右京ともども→ 516 00:41:43,580 --> 00:41:46,580 打ち首獄門となった> 517 00:41:50,320 --> 00:41:53,010 (カラスの鳴き声) 518 00:41:53,010 --> 00:41:57,720 こたびは悪かった。 何を仰せられます。 519 00:41:57,720 --> 00:42:02,440 天一坊は… 清乃の子ではないのだな? 520 00:42:02,440 --> 00:42:07,150 上様には 家重様がいらっしゃいます。 521 00:42:07,150 --> 00:42:12,150 家重様は ご立派な跡継ぎ。 522 00:42:16,910 --> 00:42:20,620 だが… 天一坊は…→ 523 00:42:20,620 --> 00:42:26,350 あの子は 俺と清乃の…。 524 00:42:26,350 --> 00:42:29,710 ざれ言だ。 許せ。 525 00:42:29,710 --> 00:42:32,740  心の声 上様…。 526 00:42:32,740 --> 00:42:38,120 <命の尊さを心に刻んで→ 527 00:42:38,120 --> 00:42:40,480 宿命を生き抜いた人間たち> 528 00:42:40,480 --> 00:42:43,850 おんちゃん…。 529 00:42:43,850 --> 00:42:51,850 <忠相の胸中には ふつふつと 強い信念が湧いてくるのだった>