1 00:00:03,400 --> 00:00:06,400 私は必ず この子を丈夫に産み 2 00:00:06,400 --> 00:00:08,325 守ります 3 00:00:08,325 --> 00:00:11,750 上様がおつくりになる未来を 見せてあげたいですから 4 00:00:13,350 --> 00:00:18,325 お品さまは 上様との男女の契りを済まされ 5 00:00:18,325 --> 00:00:22,725 名実共に側室にあらせられます 6 00:00:22,725 --> 00:00:24,250 お品 7 00:00:24,250 --> 00:00:25,625 嘘であろう? 8 00:00:25,625 --> 00:00:26,825 お品 9 00:00:29,925 --> 00:00:30,950 御台 10 00:00:50,625 --> 00:00:52,650 もう一息でございます 11 00:00:54,240 --> 00:00:56,922 御台さま しっかり… 12 00:01:11,875 --> 00:01:14,050 御台は? 13 00:01:14,050 --> 00:01:15,975 子は無事か? 14 00:01:17,300 --> 00:01:21,050 御台さまは ご無事にございます 15 00:01:23,600 --> 00:01:25,025 されど… 16 00:01:53,475 --> 00:01:56,675 それは小さな姫君だったそうで 17 00:01:56,675 --> 00:01:59,100 お生まれになったときには もう… 18 00:02:25,325 --> 00:02:28,850 死産など よくあることです 19 00:02:32,275 --> 00:02:34,100 気に病むことはない 20 00:02:39,375 --> 00:02:41,725 命とは はかないものだ 21 00:02:43,550 --> 00:02:45,850 わしを人でなしと思うか? 22 00:02:49,050 --> 00:02:52,875 最初に あらゆるものを奪ったのは あの男だ 23 00:02:54,350 --> 00:03:01,450 将軍家の世継ぎは 長子継承の習わしにより 24 00:03:01,450 --> 00:03:03,075 竹千代じゃ 25 00:03:05,900 --> 00:03:08,125 しかと頼んだぞ 26 00:03:08,125 --> 00:03:10,175 はい じじさま 27 00:03:15,350 --> 00:03:21,325 賢丸 お前もよく竹千代を支えよ 28 00:03:21,325 --> 00:03:22,825 分かったな? 29 00:03:25,200 --> 00:03:26,800 返事をせい 30 00:03:28,400 --> 00:03:29,375 はい 31 00:03:33,925 --> 00:03:38,200 何が長子継承の習わしだ 32 00:03:38,200 --> 00:03:43,450 より優れた者が跡を継ぐことこそ 世のことわりであろう 33 00:03:48,275 --> 00:03:51,650 これから先は わしが全てを奪う番だ 34 00:03:56,450 --> 00:04:02,225 こたびは 誠にご愁傷さまにございます 35 00:04:13,800 --> 00:04:17,600 胸を大層お痛めのことと存じますが 36 00:04:17,600 --> 00:04:20,500 ここは やはり お子は多いに 越したことがないと 37 00:04:20,500 --> 00:04:22,200 お分かりいただけたかと 38 00:04:24,475 --> 00:04:29,875 引き続き 何とぞ お品さまと新しいお子を… 39 00:04:50,325 --> 00:04:53,400 今すぐ 40 00:04:53,400 --> 00:04:54,600 出ていけ 41 00:05:11,775 --> 00:05:15,750 よくも まあ御台さまを裏切って 42 00:05:15,750 --> 00:05:18,750 全て お品さまのせいでは? 43 00:05:18,750 --> 00:05:21,450 御台さまが おかわいそう 44 00:05:34,300 --> 00:05:35,975 どうされたのです? 45 00:05:37,125 --> 00:05:38,400 目まいが 46 00:05:43,525 --> 00:05:44,800 まさか… 47 00:05:54,500 --> 00:05:56,625 これで満足か? 48 00:05:56,625 --> 00:06:00,450 そなたには人の心がないのか? 49 00:06:00,450 --> 00:06:03,925 そなたと飲む この酒こそが 50 00:06:03,925 --> 00:06:06,575 泥水にございました 51 00:06:16,100 --> 00:06:17,675 田沼殿 52 00:06:20,000 --> 00:06:24,025 お品さまが… 53 00:06:24,025 --> 00:06:27,175 お子を授かったようにございます 54 00:06:33,825 --> 00:06:36,825 誠か 55 00:06:36,825 --> 00:06:37,950 はい 56 00:06:52,425 --> 00:06:55,975 新たなお世継ぎ候補の出現により… 57 00:06:58,050 --> 00:06:58,900 あった 58 00:06:58,900 --> 00:07:01,925 大きく揺れ動く 大奥 59 00:07:04,625 --> 00:07:07,675 そして... 60 00:07:07,675 --> 00:07:11,525 とうてい受け入れきれない深い悲しみが 61 00:07:11,525 --> 00:07:15,200 姫様の心を 62 00:07:15,200 --> 00:07:21,350 めおとの仲をむしばんでゆくのでした 63 00:07:37,575 --> 00:07:39,300 これは どうも 64 00:07:45,300 --> 00:07:47,125 年明けには 65 00:07:47,125 --> 00:07:51,425 上様のお子にお会いできるかと思うと 66 00:07:51,425 --> 00:07:54,175 楽しみで 楽しみで 67 00:07:56,500 --> 00:08:00,425 私も大変楽しみにございます 68 00:08:00,425 --> 00:08:04,775 さぞかし かわいらしい 姫君にございましょう 69 00:08:08,425 --> 00:08:09,975 若君です 70 00:08:09,975 --> 00:08:12,025 若君に決まっています 71 00:08:16,475 --> 00:08:18,875 竹千代君がくれたのです 72 00:08:18,875 --> 00:08:21,150 今日は6つも拾ったらしい 73 00:08:21,150 --> 00:08:24,375 健やかにお育ちですね 74 00:08:24,375 --> 00:08:25,725 はい 75 00:08:25,725 --> 00:08:27,150 御台さま 76 00:08:27,150 --> 00:08:29,300 お部屋に入られませんか? 77 00:08:33,050 --> 00:08:35,850 お着替えの用意が調いましてございます 78 00:08:50,875 --> 00:08:52,125 御台さま 79 00:08:53,575 --> 00:08:56,850 本日の総触れも つつがなく終えましてございます 80 00:08:59,300 --> 00:09:00,625 そうですか 81 00:09:04,550 --> 00:09:10,625 長らくお務めをお休みし 申し訳ございません 82 00:09:12,500 --> 00:09:13,625 いえ 83 00:09:15,650 --> 00:09:16,850 それは? 84 00:09:24,275 --> 00:09:27,425 セミの抜け殻にございます 85 00:09:27,425 --> 00:09:29,650 夏も終わりに近づき 86 00:09:29,650 --> 00:09:32,175 庭のあちこちに落ちてございます 87 00:09:35,925 --> 00:09:37,625 よかったですね 88 00:09:42,075 --> 00:09:48,300 さなぎから立派な大人になれたのですね 89 00:09:58,125 --> 00:10:04,000 お品がお子を授かったと聞きました 90 00:10:07,325 --> 00:10:08,800 誠ですか? 91 00:10:12,200 --> 00:10:13,275 はい 92 00:10:17,525 --> 00:10:18,925 そうですか 93 00:10:24,300 --> 00:10:26,650 子など産もうとするからです 94 00:10:30,325 --> 00:10:35,600 お知保の方さまは その務めを見事に果たされました 95 00:10:39,450 --> 00:10:42,250 この先 何があろうと 96 00:10:42,250 --> 00:10:45,475 竹千代君を世継ぎに押し上げようぞ 97 00:10:47,075 --> 00:10:47,925 はい 98 00:10:49,375 --> 00:10:50,675 母上 99 00:10:52,775 --> 00:10:54,475 また見つけました 100 00:10:55,775 --> 00:10:58,200 すごいなあ 101 00:11:08,725 --> 00:11:10,075 母上? 102 00:11:12,375 --> 00:11:15,450 そなたは必ず大きくなるのですよ 103 00:11:17,650 --> 00:11:19,250 必ず… 104 00:11:37,325 --> 00:11:40,050 わしらの子のためにも 105 00:11:40,050 --> 00:11:43,675 この国の未来を もっと明るいものにしたいのだ 106 00:12:01,225 --> 00:12:10,650 この城で誰よりもさみしそうな あなたさまを幸せにしたい 107 00:12:26,425 --> 00:12:27,575 御台は? 108 00:12:29,125 --> 00:12:30,375 中に 109 00:12:38,600 --> 00:12:42,000 御台 聞こえるか? 110 00:12:44,650 --> 00:12:50,400 そなたに…打ち明けたいことがある 111 00:12:54,100 --> 00:12:55,250 入るぞ 112 00:13:06,925 --> 00:13:09,200 申し訳ございません 113 00:13:10,825 --> 00:13:12,625 今は… 114 00:13:15,000 --> 00:13:18,000 上様のお顔を見るのが 115 00:13:18,000 --> 00:13:20,350 どうしようもなく つらいのです 116 00:13:23,800 --> 00:13:26,225 あの子を思い出して 117 00:13:31,100 --> 00:13:34,275 確かに… 118 00:13:34,275 --> 00:13:37,950 確かに ここで生きていたのに 119 00:13:57,025 --> 00:13:58,750 貞之助さま 120 00:14:07,600 --> 00:14:11,900 もうじき あなたさまを救えます 121 00:14:28,075 --> 00:14:29,450 お品さま 122 00:14:32,875 --> 00:14:34,050 どうして… 123 00:14:34,050 --> 00:14:36,500 やはり こちらに おいででしたか 124 00:14:36,500 --> 00:14:39,700 どうしても お品さまに お会いしたかったので 125 00:14:39,700 --> 00:14:40,475 秘密裏に 126 00:14:40,475 --> 00:14:42,150 すぐに出るのです 127 00:14:42,150 --> 00:14:44,325 こんなところ 誰かに見られたら 128 00:14:44,325 --> 00:14:47,400 お体は大丈夫にございますか? 129 00:14:48,125 --> 00:14:51,575 何か 足りないものはございませぬか? 130 00:14:51,575 --> 00:14:55,550 この猿吉 電光石火のごとく 買ってまいります 131 00:15:00,175 --> 00:15:03,575 優しさは無用です 132 00:15:07,550 --> 00:15:12,575 私は 倫子さまを… 133 00:15:13,525 --> 00:15:14,700 お品… 134 00:15:16,050 --> 00:15:17,475 嘘であろう? 135 00:15:21,725 --> 00:15:25,425 おなかの子は幸せになれるのですか? 136 00:15:26,550 --> 00:15:27,575 えっ? 137 00:15:31,025 --> 00:15:35,550 今のお品さまはとっても苦しそうで 138 00:15:37,025 --> 00:15:39,625 ちっとも幸せそうじゃありませぬ 139 00:15:56,575 --> 00:16:01,050 このお香にはお子をできにくくする薬草 が使われておりました 140 00:16:03,775 --> 00:16:07,300 御台さまは おそらく そのせいで 141 00:16:41,100 --> 00:16:42,850 怒っておるのか? 142 00:16:58,525 --> 00:16:59,825 すまない 143 00:17:05,825 --> 00:17:07,425 すまなかった 144 00:17:21,000 --> 00:17:22,525 失礼いたします 145 00:17:24,625 --> 00:17:29,750 松平 定信さまから 贈り物が届いております 146 00:17:33,100 --> 00:17:34,625 賢丸から? 147 00:17:55,525 --> 00:17:58,850 こよい 夜空をご覧ください 148 00:18:00,075 --> 00:18:02,025 どんな暗闇にも 149 00:18:02,025 --> 00:18:03,500 花は咲きます 150 00:18:38,750 --> 00:18:41,900 倫子殿には悪いことをしたのう 151 00:18:43,975 --> 00:18:51,000 しかし あの男が 次々に側室を設けたわけは 152 00:18:51,000 --> 00:18:53,600 田沼の差し金だったか 153 00:18:56,775 --> 00:19:00,750 これ以上 無能な将軍に この国を任せてはおけぬ 154 00:19:03,200 --> 00:19:05,300 のろしは上がった 155 00:19:19,475 --> 00:19:21,150 季節は巡り 156 00:19:22,550 --> 00:19:26,115 お品さまは出産の時を迎えておりました 157 00:19:28,375 --> 00:19:29,575 まだか? まだなのか? 158 00:19:31,400 --> 00:19:33,850 もう少しでございます 159 00:19:35,550 --> 00:19:38,675 頭が見えてまいりました 160 00:19:38,675 --> 00:19:41,050 おいきみくださいませ 161 00:19:41,050 --> 00:19:44,125 若君か? なあ 若君であろう? 162 00:19:44,700 --> 00:19:49,525 もう少しでございます おいきみくださいませ 163 00:19:49,525 --> 00:19:52,775 若君じゃ 若君… 164 00:19:58,925 --> 00:20:01,400 おめでとうございます 165 00:20:01,400 --> 00:20:03,200 どうじゃ? 166 00:20:03,200 --> 00:20:06,100 元気な若君さまにございます 167 00:20:06,100 --> 00:20:08,025 ほれ見たことか 168 00:20:09,400 --> 00:20:11,075 高岳さま 169 00:20:25,125 --> 00:20:29,425 葉山殿 目をお覚ましくだされ 170 00:20:33,300 --> 00:20:37,125 お品さまは 見事に お務めを果たされましたぞ 171 00:20:39,625 --> 00:20:43,250 これで そなたは自由の身です 172 00:20:48,500 --> 00:20:50,000 葉山殿? 173 00:21:29,700 --> 00:21:34,350 約束どおり 貞之助さまを お助けいただけますか 174 00:21:43,850 --> 00:21:46,075 葉山殿から お預かりしました 175 00:21:48,150 --> 00:21:50,625 お品さまに渡してほしいと 176 00:22:00,850 --> 00:22:04,650 貞之助さまは? ご息災ですか? 177 00:22:10,500 --> 00:22:14,550 今ごろ はるか遠くの島で 178 00:22:14,550 --> 00:22:17,400 得意の料理でも振る舞われて いるのではないですか 179 00:22:23,600 --> 00:22:25,200 お品の方さま 180 00:22:26,875 --> 00:22:29,906 われらは そなたが産んでくださった若君を 181 00:22:29,930 --> 00:22:32,200 必ずや 次期将軍に押し上げます 182 00:22:33,425 --> 00:22:36,750 そして この世にお生まれ になったことを決して後悔させませぬ 183 00:22:41,650 --> 00:22:46,000 こたびは誠に大儀でございました 184 00:22:48,000 --> 00:22:50,350 私の子を将軍に? 185 00:22:51,450 --> 00:22:56,500 しかし 上様にはご嫡男の竹千代さまが おられるではないですか 186 00:22:58,225 --> 00:22:59,200 はい 187 00:22:59,700 --> 00:23:05,850 されど お品の方さまこそ将軍生母の 器にふさわしいお方と考えております 188 00:23:06,575 --> 00:23:11,075 それに もし 竹千代君が お世継ぎになられた場合 189 00:23:12,625 --> 00:23:17,313 お品さまの若君は生涯 日の当たらぬところで 190 00:23:17,338 --> 00:23:18,725 生きることとなるでしょう 191 00:23:22,225 --> 00:23:26,350 竹千代君を脅かす存在として 192 00:23:26,350 --> 00:23:29,025 この城を追われ 193 00:23:29,025 --> 00:23:31,375 最悪の場合… 194 00:23:31,375 --> 00:23:36,325 それ故 なんとしても若君を次期将軍に 押し上げる必要があるのです 195 00:23:39,000 --> 00:23:43,050 何とぞ ご覚悟を 196 00:24:23,125 --> 00:24:26,575 そなたには礼を申す 197 00:24:30,950 --> 00:24:32,325 上様 198 00:24:42,650 --> 00:24:45,875 差し出がましいとは存じますが 199 00:24:45,875 --> 00:24:50,625 一つだけ お願いがございます 200 00:24:53,900 --> 00:24:55,050 何だ? 201 00:24:59,700 --> 00:25:07,200 若君の御幼名に…"貞"の字を 入れていただけないでしょうか? 202 00:25:18,100 --> 00:25:24,750 貞という字には強い意志を貫くという 意味が込められているそうにございます 203 00:25:26,125 --> 00:25:29,700 私は ... 204 00:25:29,700 --> 00:25:34,075 大切な人を傷つけてまで母になりました 205 00:25:37,275 --> 00:25:43,000 そのときの罪と愛を忘れずに 206 00:25:46,950 --> 00:25:50,675 この子を守り通すという強い覚悟を 207 00:25:50,675 --> 00:25:52,425 この名に込めたいのです 208 00:25:57,075 --> 00:25:58,300 では… 209 00:26:01,950 --> 00:26:03,625 貞次郎とするか 210 00:26:10,575 --> 00:26:15,150 今日から そなたは貞次郎だ 211 00:26:35,850 --> 00:26:37,375 御台さま 212 00:26:37,375 --> 00:26:40,925 こたびも すてきな贈り物が 届いております 213 00:26:46,950 --> 00:26:48,600 賢丸から? 214 00:26:48,600 --> 00:26:49,625 はい 215 00:26:55,675 --> 00:26:57,800 いまだに おつらいでしょうが 216 00:26:57,800 --> 00:27:03,600 定信さまから贈り物が届いたときだけは 笑顔を おこぼしになって 217 00:27:03,600 --> 00:27:06,825 ほんにお優しいお方ですね 定信さまは 218 00:27:06,825 --> 00:27:10,050 御台さまを励まそうと 219 00:27:10,050 --> 00:27:13,225 においます においます 220 00:27:13,225 --> 00:27:15,200 何がです? 221 00:27:15,200 --> 00:27:19,750 いくらなんでも 贈り物が 届きすぎではありませぬか? 222 00:27:22,025 --> 00:27:24,675 もしや あのお二人… 223 00:27:35,825 --> 00:27:40,325 間もなく増上寺代参の時期が やってまいりますね 224 00:27:40,325 --> 00:27:44,500 かつて江戸の町を散策した日のことを 覚えておいででしょうか? 225 00:27:53,125 --> 00:27:58,600 あのときのように いま一度 お会いしたく存じます 226 00:27:58,600 --> 00:28:03,475 われらの思い出の地 浜御殿で お待ちしております 227 00:28:10,400 --> 00:28:13,575 まずは 20の学問所を開く 228 00:28:13,575 --> 00:28:17,525 各藩に 急ぎ方針をまとめるよう 申し伝えよ 229 00:28:17,525 --> 00:28:18,625 はっ 230 00:28:18,625 --> 00:28:21,025 せんえつながら 上様 231 00:28:21,025 --> 00:28:23,925 今は どこの藩も財政が逼迫しており 232 00:28:23,925 --> 00:28:28,225 学問所に経費を回す余裕は ないものと存じます 233 00:28:28,225 --> 00:28:31,675 どうか この件は 今しばらく 先送りに… 234 00:28:31,675 --> 00:28:36,472 藩の財政が厳しいならば 幕府から金子を出せ 235 00:28:40,341 --> 00:28:42,665 そなたの強いた政策により 236 00:28:42,665 --> 00:28:45,136 商人たちから巻き上げた銭が 237 00:28:45,136 --> 00:28:48,075 幕府の蔵には山ほどあるであろう 238 00:28:48,075 --> 00:28:52,100 しかし その金子は国を守るためのもの 239 00:28:52,100 --> 00:28:55,800 学問こそ 国を守る礎だ 240 00:28:57,300 --> 00:28:59,800 古い習わしにとらわれず 241 00:28:59,800 --> 00:29:03,450 身分の隔てなく優秀な人材を育てねば 242 00:29:03,450 --> 00:29:07,775 やがて この国は諸外国に侵略され 243 00:29:07,775 --> 00:29:10,075 この幕府も消えてなくなるであろう 244 00:29:11,875 --> 00:29:15,700 皆も しかと心得よ 245 00:29:15,700 --> 00:29:16,900 はっ 246 00:29:23,025 --> 00:29:25,275 理想ばかり語りおって 247 00:29:30,950 --> 00:29:33,200 こたびは誠に おめでたいですな 248 00:29:36,550 --> 00:29:39,525 竹千代君にご兄弟がおできになって 249 00:29:43,125 --> 00:29:46,025 そなたが何をしようと 無駄にございましょう 250 00:29:47,000 --> 00:29:49,325 長子継承の習わしにより 251 00:29:49,325 --> 00:29:53,600 お世継ぎは ご嫡男の竹千代君と 決まっております 252 00:29:59,925 --> 00:30:02,700 お忘れか? 253 00:30:02,700 --> 00:30:08,175 それがしの意向に 上様は 必ず応じること 254 00:30:11,350 --> 00:30:15,950 松島殿ともあろうお方が 255 00:30:15,950 --> 00:30:18,175 浅はかでございましたな 256 00:30:25,475 --> 00:30:28,050 誠にカワイイ 257 00:30:30,425 --> 00:30:32,075 お品の方さま 258 00:30:32,875 --> 00:30:38,075 われらの手で 何としても 貞次郎君をお守りしようぞ 259 00:30:40,050 --> 00:30:40,950 はい 260 00:30:52,350 --> 00:30:54,675 話とは何だ? 261 00:30:54,675 --> 00:30:56,650 お世継ぎの件にございます 262 00:31:03,600 --> 00:31:07,497 かつて大奥は 2人の後継者が ぶつかり合い 263 00:31:07,521 --> 00:31:10,050 大きく揺れ動いておりました 264 00:31:10,050 --> 00:31:12,650 上様も ご存じかと 265 00:31:14,625 --> 00:31:18,075 しかし 大御所の吉宗公が 266 00:31:18,075 --> 00:31:23,025 お世継ぎは家治さまであると 宣言されました 267 00:31:23,025 --> 00:31:28,275 そのおかげで 無用な争いは収まり 事なきを得たのです 268 00:31:32,425 --> 00:31:36,250 何か よからぬ災いが起こる前に 269 00:31:36,250 --> 00:31:42,700 お世継ぎはご嫡男の竹千代君であると 広く宣言していただきたいのです 270 00:31:46,600 --> 00:31:48,500 そなたの思いは分かった 271 00:31:50,800 --> 00:31:52,425 しかと考えておく 272 00:31:55,475 --> 00:31:57,225 ありがとう存じます 273 00:32:10,625 --> 00:32:11,725 何だ? 274 00:32:14,150 --> 00:32:16,425 お世継ぎの件にございます 275 00:32:18,425 --> 00:32:22,850 松島殿に お世継ぎは竹千代君にされるよう 276 00:32:22,875 --> 00:32:25,513 念を押されたのではございませぬか? 277 00:32:26,450 --> 00:32:28,725 松島の言うことも一理ある 278 00:32:36,950 --> 00:32:38,900 されど 上様は 279 00:32:38,900 --> 00:32:41,350 古い風習を変えられたいとか? 280 00:32:46,200 --> 00:32:49,750 生まれた順により 世継ぎを決める習わしは 281 00:32:49,750 --> 00:32:54,725 まさに 人から自由と可能性を奪う 悪しき風習と心得ます 282 00:32:57,500 --> 00:33:01,200 ここは一つそれがしの先見の明を信じ 283 00:33:01,200 --> 00:33:07,700 お品の方さまの若君である貞次郎君を お世継ぎにお選びくださいませ 284 00:33:15,275 --> 00:33:19,575 御台さまを裏切られてまでもうけた 285 00:33:19,575 --> 00:33:22,150 大切なお子なのですから 286 00:33:28,875 --> 00:33:32,400 なんと甘美な香り 287 00:33:32,400 --> 00:33:36,550 この甘菓子のように 御台さまと定信さまも 288 00:33:36,550 --> 00:33:39,025 甘~いご関係… 289 00:33:41,250 --> 00:33:43,275 美味でございます 290 00:33:44,525 --> 00:33:45,325 そういえば 291 00:33:45,325 --> 00:33:48,675 お世継ぎの件 どうなるのでしょうね 292 00:33:48,675 --> 00:33:50,025 お世継ぎ? 293 00:33:50,025 --> 00:33:54,300 上様は竹千代さまと貞次郎さま どちらにお決めになるのか 294 00:33:54,300 --> 00:33:57,200 大奥はその話で持ちきりにございます 295 00:33:57,200 --> 00:33:59,825 はてはて どちらになるのか 296 00:33:59,825 --> 00:34:03,650 お子が2人もおられると 迷われて大変ですね 297 00:34:16,725 --> 00:34:18,775 2人ではなかろう 298 00:34:24,500 --> 00:34:25,475 御台? 299 00:34:35,100 --> 00:34:36,500 何をしておる? 300 00:34:44,125 --> 00:34:50,800 リンドウの花 いつの間にか 枯れてしまったのですね 301 00:34:57,375 --> 00:35:01,325 咲いているときは美しいですが 302 00:35:01,325 --> 00:35:06,050 枯れてしまうとさみしいですね 303 00:35:09,375 --> 00:35:16,700 まるで…最初から いないみたいに 304 00:35:20,925 --> 00:35:25,100 ここにあったことすら皆に忘れられて 305 00:35:30,025 --> 00:35:33,800 そなたに見せたいものがある 306 00:35:41,175 --> 00:35:42,600 これは? 307 00:35:44,025 --> 00:35:45,500 松の木だ 308 00:35:47,850 --> 00:35:55,450 一年中 変わることなく 緑の葉を保ち 枯れることがない 309 00:35:55,450 --> 00:36:02,225 そして1,000年 生きるといわれておる 310 00:36:09,250 --> 00:36:14,975 わしは この松に娘を思っている 311 00:36:26,475 --> 00:36:32,300 わしは 生涯忘れぬ 312 00:36:32,300 --> 00:36:34,650 そなたが長い間 313 00:36:34,650 --> 00:36:38,200 体の中で大事に育て 314 00:36:38,200 --> 00:36:42,875 わしらの元に生まれてきてくれた 娘のことを… 315 00:36:46,825 --> 00:36:51,400 決して忘れはせぬ 316 00:37:17,875 --> 00:37:25,250 父として 娘に恥じぬ世をつくると 317 00:37:25,250 --> 00:37:26,950 誓ったのだ 318 00:38:06,450 --> 00:38:11,425 私もなかったことにはいたしません 319 00:38:16,800 --> 00:38:22,375 この子が運んでくれた 320 00:38:22,375 --> 00:38:28,175 喜びも悲しみも全て抱えて 321 00:38:31,025 --> 00:38:32,675 生きてまいります 322 00:38:43,975 --> 00:38:45,275 千代姫 323 00:38:47,375 --> 00:38:48,900 いい名です 324 00:39:12,225 --> 00:39:13,575 大事ないですか? 325 00:39:13,575 --> 00:39:14,525 はい 326 00:39:16,250 --> 00:39:17,700 申し訳ございませぬ 327 00:39:17,700 --> 00:39:18,825 いえ 328 00:39:18,825 --> 00:39:22,650 竹千代君 城の中で走ってはなりませぬ 329 00:39:22,650 --> 00:39:23,500 はい 330 00:39:24,375 --> 00:39:26,075 どうぞ 331 00:39:26,075 --> 00:39:27,850 ありがとう存じます 332 00:39:37,550 --> 00:39:41,225 御台さまと妹の分にございます 333 00:39:41,225 --> 00:39:46,425 竹千代にはとてもカワイイ妹がいると 母上から聞きました 334 00:40:02,250 --> 00:40:03,675 ありがとう 335 00:40:05,300 --> 00:40:10,500 そなたは 優しい兄上ですね 336 00:40:23,000 --> 00:40:29,300 お世継ぎは ご嫡男の竹千代君であると 広く宣言していただきたいのです 337 00:40:29,300 --> 00:40:35,950 お品の方さまの若君である貞次郎君を お世継ぎにお選びくださいませ 338 00:40:41,200 --> 00:40:42,350 御台さまが… 339 00:40:42,350 --> 00:40:45,950 ようやく戻られたんですね 340 00:40:45,950 --> 00:40:48,100 よかった 341 00:40:51,325 --> 00:40:55,000 上様の おなりにございます 342 00:41:14,075 --> 00:41:18,625 今日は 世継ぎの件で 申し伝えたきことがある 343 00:41:24,000 --> 00:41:27,275 わしには 3人の子がいる 344 00:41:29,750 --> 00:41:32,025 竹千代 345 00:41:32,025 --> 00:41:34,525 貞次郎 346 00:41:34,525 --> 00:41:39,550 そして…千代姫だ 347 00:41:42,300 --> 00:41:46,600 いずれも大切なわが子であり 優劣などない 348 00:41:52,875 --> 00:41:57,775 この先 子らには互いに 争い合うのではなく 349 00:42:00,175 --> 00:42:06,900 徳川家紋の三つ葉葵のように 支え合うことで 350 00:42:06,900 --> 00:42:09,650 天下太平の世を築いてもらいたい 351 00:42:11,450 --> 00:42:16,350 それ故 世継ぎは兄弟の要となり 352 00:42:16,350 --> 00:42:18,350 支えられる者として… 353 00:42:21,225 --> 00:42:24,775 年長者である竹千代に任せる 354 00:42:29,775 --> 00:42:34,550 竹千代には その証しとして "家基"の名を与える 355 00:42:38,550 --> 00:42:41,925 この先 いかなることがあろうと 356 00:42:43,550 --> 00:42:45,275 世継ぎは家基だ 357 00:42:47,100 --> 00:42:48,325 しかと心得よ 358 00:42:52,450 --> 00:42:54,500 承知つかまつりました 359 00:43:18,300 --> 00:43:23,925 お世継ぎの件 どういうことにございましょう? 360 00:43:34,750 --> 00:43:37,225 己の立場をお忘れか? 361 00:43:55,000 --> 00:43:56,875 将軍は このわしだ 362 00:44:01,775 --> 00:44:03,300 わしが決める 363 00:44:22,539 --> 00:44:27,175 私も お会いしたく存じます 364 00:44:27,175 --> 00:44:30,450 代参の日に 浜御殿で 365 00:44:34,950 --> 00:44:37,500 世継ぎは家基に決まったか 366 00:44:40,025 --> 00:44:42,500 では 消さねばならぬな 367 00:44:50,625 --> 00:44:52,125 できた 368 00:44:52,900 --> 00:44:54,050 家基さま!? 369 00:44:54,050 --> 00:44:55,525 お待ちくだされ 370 00:45:09,350 --> 00:45:12,500 ©2024 Fuji Television Network, Inc.