1 00:00:02,225 --> 00:00:07,325 この先 いかなることがあろうと 2 00:00:07,325 --> 00:00:09,100 世継ぎは家基だ 3 00:00:26,500 --> 00:00:30,250 わしも大きくなったら 父上のようになれるか? 4 00:00:30,250 --> 00:00:32,450 ええ なれますよ 5 00:00:32,450 --> 00:00:35,375 家基さまは立派な将軍となられるのです 6 00:00:41,900 --> 00:00:43,325 松島さま 7 00:00:43,325 --> 00:00:45,350 それでは代参に行ってまいります 8 00:00:45,350 --> 00:00:46,150 はい 9 00:00:47,525 --> 00:00:49,050 母上 10 00:00:50,850 --> 00:00:53,925 お土産を たぁんと買ってまいりますからね 11 00:00:53,925 --> 00:00:55,000 はい 12 00:01:28,225 --> 00:01:29,500 上様 13 00:01:37,350 --> 00:01:40,150 この後 代参に行ってまいります 14 00:01:41,850 --> 00:01:42,875 そうか 15 00:01:43,750 --> 00:01:44,725 はい 16 00:01:46,575 --> 00:01:47,800 では 17 00:02:01,650 --> 00:02:02,750 出立 18 00:02:18,000 --> 00:02:21,350 世継ぎは家基に決まったか 19 00:02:21,350 --> 00:02:23,925 では 消さねばならぬな 20 00:02:28,175 --> 00:02:32,400 代参の日は 人手が出払い 城の守りが手薄になる 21 00:02:32,400 --> 00:02:37,100 やるなら その日であろう 22 00:02:44,625 --> 00:02:46,450 五菜の猿吉にございます 23 00:02:46,450 --> 00:02:50,050 表使いのお玲殿にお目通りしたく 参上いたしました 24 00:02:50,050 --> 00:02:51,100 また お前か 25 00:02:51,100 --> 00:02:52,000 はい 26 00:02:52,000 --> 00:02:52,850 入れ 27 00:02:52,850 --> 00:02:54,625 ありがとう存じます 28 00:02:59,900 --> 00:03:01,025 賢丸 29 00:03:10,975 --> 00:03:14,200 その後 お体はいかがですか? 30 00:03:15,400 --> 00:03:16,575 少しずつですが 31 00:03:16,575 --> 00:03:18,350 気分も晴れて… 32 00:03:19,225 --> 00:03:25,450 賢丸には 文や贈り物で 幾度も励ましてもらって感謝しています 33 00:03:27,550 --> 00:03:33,050 今日は どうしても 会って お礼を言いたくて 34 00:03:33,050 --> 00:03:34,350 ありがとう 35 00:03:37,025 --> 00:03:39,200 お役に立てたなら光栄です 36 00:03:41,650 --> 00:03:43,025 そういえば 37 00:03:43,025 --> 00:03:46,125 お世継ぎが無事に決まったそうですね 38 00:03:46,125 --> 00:03:47,600 はい 39 00:03:47,600 --> 00:03:50,575 これで 大奥は安泰にございましょう 40 00:03:57,375 --> 00:03:59,325 倫子殿? 41 00:03:59,325 --> 00:04:01,400 いえ 42 00:04:02,925 --> 00:04:05,275 話が違うではないですか 43 00:04:06,400 --> 00:04:09,475 貞次郎君を世継ぎにお選びになるよう 44 00:04:09,475 --> 00:04:12,825 上様を説き伏せてくださるのでは なかったのですか! 45 00:04:16,850 --> 00:04:19,825 いったい どうするのです… 46 00:04:21,650 --> 00:04:23,600 手だては一つ 47 00:04:25,100 --> 00:04:30,925 家基さまには… 消えていただくしかあるまい 48 00:04:32,550 --> 00:04:36,700 まさか…あやめるのですか? 49 00:04:39,500 --> 00:04:42,175 それは さすがに… 50 00:04:42,175 --> 00:04:44,150 天罰が下りましょう 51 00:04:55,600 --> 00:04:58,075 抜かりない松島さまのことです 52 00:04:59,925 --> 00:05:05,950 このままでは貞次郎君は 家基さまを脅かす存在として 53 00:05:05,950 --> 00:05:07,975 この城を追われ 54 00:05:07,975 --> 00:05:14,025 最悪の場合 命を奪われるやもしれませぬ 55 00:05:20,825 --> 00:05:27,000 私は あの子のためでしたら どんなことでもいたします 56 00:05:31,800 --> 00:05:36,950 人の道など とうに外れているのですから 57 00:05:50,500 --> 00:05:52,500 そろそろ戻らないと 58 00:05:54,450 --> 00:05:56,875 今日は いい息抜きになりました 59 00:05:56,875 --> 00:05:58,775 ありがとう 60 00:05:58,775 --> 00:06:03,000 また しばらく 会えなくなってしまうのですね 61 00:06:08,125 --> 00:06:12,600 私は上様が憎いです 62 00:06:14,575 --> 00:06:19,150 倫子殿につらい思いばかりさせて… 63 00:06:22,250 --> 00:06:26,000 この際 離縁なさっては いかがでしょうか 64 00:06:26,000 --> 00:06:27,325 何を… 65 00:06:27,325 --> 00:06:30,300 あなたさまが一番苦しんでいるときに 66 00:06:30,300 --> 00:06:32,200 そばにいない者と 67 00:06:32,200 --> 00:06:34,550 めおとでいる必要があるのですか? 68 00:06:36,550 --> 00:06:41,425 他のおなごと過ごすような者を 愛する必要があるのですか? 69 00:06:54,225 --> 00:06:55,425 賢丸 70 00:06:56,100 --> 00:07:01,400 私ならば あなたさまに そのような思いはさせません 71 00:07:03,425 --> 00:07:07,775 倫子殿一人を愛してみせます 72 00:07:10,050 --> 00:07:14,750 ずっと お慕いしておりました 73 00:07:26,725 --> 00:07:28,525 そなたが平賀 源内か? 74 00:07:28,525 --> 00:07:30,250 はっ 75 00:07:30,250 --> 00:07:35,275 どうか お手討ちだけは平にご容赦を 76 00:07:35,275 --> 00:07:38,100 何の話だ? 77 00:07:38,100 --> 00:07:41,825 それがしが以前 風来山人という名で 78 00:07:41,825 --> 00:07:45,250 上様を愚弄する書物を 書いてしまったばかりに 79 00:07:45,250 --> 00:07:46,600 処分を… 80 00:07:48,750 --> 00:07:50,925 あれも そなたが書いたものか 81 00:07:58,375 --> 00:08:01,350 今日 来てもらった訳は別にある 82 00:08:03,325 --> 00:08:07,400 そなたがまとめた この博物学書を読んでな 83 00:08:10,575 --> 00:08:14,750 この国は 天変地異が相次ぎ 84 00:08:14,750 --> 00:08:17,900 また いつ飢饉に陥るか分からぬ 85 00:08:17,900 --> 00:08:22,575 それ故 米に頼らぬ食料体制を 築きたいのだ 86 00:08:29,550 --> 00:08:33,838 ここに書かれてあるサツマイモは 米の代わりになり得ると思うが 87 00:08:33,838 --> 00:08:36,275 どう思う? 88 00:08:36,275 --> 00:08:38,025 仰せのとおりにございます 89 00:08:39,400 --> 00:08:43,175 しかし この国の土では育ちづらく 90 00:08:43,175 --> 00:08:47,125 そうこうしているうちに 研究費が底を突いてしまいまして 91 00:08:47,125 --> 00:08:48,300 そうか 92 00:08:50,125 --> 00:08:51,575 ならば… 93 00:08:52,900 --> 00:08:54,925 幕府が支援しよう 94 00:08:57,600 --> 00:09:01,875 この芋は いずれ 飢饉から民を救うやもしれぬ 95 00:09:03,725 --> 00:09:08,850 その研究に財を投じるのは当然であろう 96 00:09:08,850 --> 00:09:11,800 はっ! ありがとうございます 97 00:09:14,350 --> 00:09:19,525 御台さまのおっしゃっていたとおりに ございます 98 00:09:19,525 --> 00:09:21,050 御台? 99 00:09:21,050 --> 00:09:24,300 実は それがし 御台さまが代参の折 100 00:09:24,300 --> 00:09:26,175 お見掛けしたことがございまして 101 00:09:26,175 --> 00:09:30,025 上様は しかと この国のことを 考えておられます! 102 00:09:30,025 --> 00:09:33,450 お飾りでも うつけでも 断じてございません! 103 00:09:33,450 --> 00:09:37,975 と ものすごいけんまくでございました 104 00:09:37,975 --> 00:09:39,650 そうか… 105 00:09:39,650 --> 00:09:40,900 御台が 106 00:09:40,900 --> 00:09:45,125 さぞかし仲むつまじい めおとなのでございましょう 107 00:09:45,125 --> 00:09:47,150 うらやましい限りにございます 108 00:10:07,375 --> 00:10:08,725 できた 109 00:10:09,650 --> 00:10:12,225 家基さま! お待ちくだされ 110 00:10:16,275 --> 00:10:18,425 家基さま! 家基さま 111 00:10:18,425 --> 00:10:19,225 あちらを 112 00:10:19,225 --> 00:10:20,250 分かりました 113 00:10:20,250 --> 00:10:22,950 家基さま... 114 00:10:35,225 --> 00:10:41,850 家基さま... 115 00:10:41,850 --> 00:10:43,875 いったい どちらに… 116 00:10:43,875 --> 00:10:45,775 家基さま... 117 00:10:50,925 --> 00:10:53,000 こたびもすてきでしたね 118 00:10:53,000 --> 00:10:54,775 幸治郎さま 119 00:10:54,775 --> 00:10:59,025 そういえば どこか上様に似た お顔立ちではありません? 120 00:10:59,025 --> 00:11:01,075 言われてみれば 121 00:11:02,725 --> 00:11:05,800 遠からん者は 音にも聞け 122 00:11:05,800 --> 00:11:09,375 近くばよって 目にも見よ 123 00:11:11,775 --> 00:11:13,625 お知保殿も歌舞伎を? 124 00:11:13,625 --> 00:11:17,925 いえ 私は家基さまに 土産を選んでおりました 125 00:11:17,925 --> 00:11:21,550 御台さまは代参の後 どちらへ? 126 00:11:21,550 --> 00:11:24,325 私は… 127 00:11:24,325 --> 00:11:28,850 昔 住んでいた浜御殿に 立ち寄っておりました 128 00:11:28,850 --> 00:11:30,250 そうでしたか 129 00:11:33,250 --> 00:11:35,075 お知保の方さま 130 00:11:35,075 --> 00:11:36,650 家基さまが 131 00:11:47,800 --> 00:11:49,150 家基さま 132 00:11:53,225 --> 00:11:55,300 家基さま 133 00:11:55,300 --> 00:11:56,575 何があったのです? 134 00:11:56,575 --> 00:11:58,275 目を離している間に 135 00:11:58,275 --> 00:12:00,025 池に落ちてしまったようで… 136 00:12:00,025 --> 00:12:06,325 家基さま… 137 00:12:13,125 --> 00:12:14,250 家基 138 00:12:28,175 --> 00:12:33,850 まさか 誠に このようなことになるとは… 139 00:12:33,850 --> 00:12:36,775 天命か… 140 00:12:36,775 --> 00:12:38,550 もしくは誰かが… 141 00:12:42,200 --> 00:12:44,975 そなたらであろう 142 00:12:44,975 --> 00:12:47,575 そなたらが家基さまを 143 00:12:47,575 --> 00:12:49,725 われわれは何も 144 00:12:49,725 --> 00:12:51,200 嘘をつくでない! 145 00:12:51,200 --> 00:12:56,175 家基さまには一人で橋を渡らぬよう しかと言い聞かせてきたのです 146 00:12:56,175 --> 00:12:59,550 ご聡明な家基さまは ご理解されておりました 147 00:12:59,550 --> 00:13:00,175 それが… 148 00:13:00,175 --> 00:13:03,575 まだ幼い若君です 149 00:13:03,575 --> 00:13:08,425 一瞬でも目を離した そなたらに 落ち度があったのでは? 150 00:13:12,425 --> 00:13:18,075 こたびは誠にご愁傷さまにございました 151 00:13:26,475 --> 00:13:29,675 お世継ぎのお命が失われ 152 00:13:29,675 --> 00:13:34,425 大奥の権勢が 大きく変わろうと しているのでした 153 00:13:50,325 --> 00:13:54,850 そして このお二人のご関係も… 154 00:14:33,825 --> 00:14:38,100 お前は 将軍家の子ではない 155 00:14:40,400 --> 00:14:46,750 まやかしの血は…絶たれるさだめか? 156 00:14:57,500 --> 00:15:00,025 御台さまがおみえにございます 157 00:15:02,950 --> 00:15:04,250 お知保殿 158 00:15:11,025 --> 00:15:13,600 おかげんは いかがですか? 159 00:15:17,375 --> 00:15:20,100 少しは口にした方がよいと思い 160 00:15:20,100 --> 00:15:22,775 果物をお持ちしました 161 00:15:22,775 --> 00:15:26,725 一緒にいかがですか? 162 00:15:32,650 --> 00:15:35,600 このままでは お体が… 163 00:15:38,750 --> 00:15:40,550 それでよいのです 164 00:15:44,650 --> 00:15:47,300 このまま飢え死にする方が… 165 00:15:50,075 --> 00:15:52,275 あの子に会いに行けますから 166 00:16:06,775 --> 00:16:10,000 ういのう 167 00:16:10,000 --> 00:16:14,100 次期将軍は貞次郎君に決まりですね 168 00:16:14,100 --> 00:16:17,825 何という幸運の持ち主 169 00:16:17,825 --> 00:16:20,225 これで一安心ですね 170 00:16:21,075 --> 00:16:22,000 はい 171 00:16:24,400 --> 00:16:26,425 ほんに よかった 172 00:16:28,250 --> 00:16:29,675 よかったな 173 00:16:31,050 --> 00:16:32,200 よかったな? 174 00:16:33,950 --> 00:16:35,425 御台さま 175 00:16:37,300 --> 00:16:39,450 なぜ こんなときに喜べるのです? 176 00:16:41,425 --> 00:16:46,000 家基さまが身まかられたのですよ 177 00:16:47,925 --> 00:16:50,600 わが子さえよければ それで満足ですか 178 00:16:56,825 --> 00:17:00,425 ええ そうです 179 00:17:05,650 --> 00:17:09,200 私は貞次郎君の母です 180 00:17:09,200 --> 00:17:15,225 この子の幸せを一番に願って 当然ではないですか 181 00:17:15,225 --> 00:17:20,400 そなたは人の痛みも分からぬほどに 成り下がったのか 182 00:17:20,400 --> 00:17:22,200 なぜ そんな人に… 183 00:17:27,350 --> 00:17:30,400 倫子さまには分かりません 184 00:17:30,400 --> 00:17:33,650 私には この子しかいないのです 185 00:17:40,800 --> 00:17:45,500 そなた… 変わったな… 186 00:18:03,650 --> 00:18:07,700 お風邪を? 187 00:18:07,700 --> 00:18:10,750 大事ない 188 00:18:10,750 --> 00:18:14,050 お世継ぎが身まかられた今 189 00:18:14,050 --> 00:18:18,600 かくなる上は 残された貞次郎君を 次期将軍としてもり立て 190 00:18:18,600 --> 00:18:21,650 われらの手で守ってまいりましょう 191 00:18:21,650 --> 00:18:25,275 そのためにも幕府およびに大奥は 192 00:18:25,275 --> 00:18:28,975 強靭な体制へと 生まれ変わるべきと存じます 193 00:18:30,325 --> 00:18:32,225 そこで まずは こちらを 194 00:18:37,950 --> 00:18:42,757 大奥総取締である松島殿のお役を 解くべく集められた 195 00:18:42,781 --> 00:18:44,375 嘆願書にございます 196 00:18:46,250 --> 00:18:51,075 権力をかさに着て傍若無人な振る舞いを なさる松島殿に 197 00:18:51,075 --> 00:18:55,350 多くの女中たちが不満を 抱いているようにございます 198 00:18:55,350 --> 00:18:59,675 1,000人もの奥女中を 束ねねばならぬのだ 199 00:18:59,675 --> 00:19:02,500 時に厳しく律することもあろう 200 00:19:02,500 --> 00:19:06,325 しかし これだけの数の署名が 集まったとなればむげにはできますまい 201 00:19:15,000 --> 00:19:20,600 松島殿の 代わりには高岳殿をご推挙いたします 202 00:19:27,400 --> 00:19:31,475 もうよい 好きにしろ 203 00:19:35,675 --> 00:19:37,725 よくやった 猿吉 204 00:19:49,400 --> 00:19:54,000 次は お品殿の若君 貞次郎か 205 00:19:59,300 --> 00:20:03,400 ほんに殺す必要があるのでしょうか? 206 00:20:09,375 --> 00:20:12,250 まだ幼い赤子です 207 00:20:12,250 --> 00:20:14,500 わしに口答えするな! 208 00:20:16,300 --> 00:20:19,550 われらの使命を忘れたのか? 209 00:20:19,550 --> 00:20:22,150 大義のためならば 多少の犠牲はやむを得ん 210 00:20:22,150 --> 00:20:23,200 そうであろう? 211 00:20:30,325 --> 00:20:31,300 やれ 212 00:20:35,275 --> 00:20:36,425 やるのだ 213 00:20:39,850 --> 00:20:41,400 やれ 214 00:21:05,500 --> 00:21:08,950 その方 住む所がないのか? 215 00:21:14,925 --> 00:21:17,350 ならば わしと一緒に参るがよい 216 00:21:19,850 --> 00:21:21,075 みんな 戻ったぞ 217 00:21:21,075 --> 00:21:23,050 定信さまだ... 218 00:21:23,050 --> 00:21:24,150 ちょっと待っとけ 219 00:21:24,150 --> 00:21:25,600 おう 危ないぞ 220 00:21:25,600 --> 00:21:27,375 今 配るからな 221 00:21:29,425 --> 00:21:30,625 ほら 222 00:21:32,375 --> 00:21:34,050 すごいだろ? 223 00:21:34,050 --> 00:21:36,975 ほら 順番に いいよ 224 00:21:36,975 --> 00:21:37,625 よし 225 00:21:37,625 --> 00:21:38,425 順番よ 226 00:21:44,850 --> 00:21:49,900 ここにいる者たちは皆 罪人の子なのだ 227 00:21:49,900 --> 00:21:53,000 身寄りをなくし 住む家を失い 228 00:21:53,000 --> 00:21:55,425 ここへ流れ着いた 229 00:21:55,425 --> 00:21:58,375 わしの母も... 230 00:21:58,375 --> 00:22:00,075 わしに飯を食わせようと 231 00:22:00,075 --> 00:22:02,975 盗みを働き… 232 00:22:02,975 --> 00:22:04,750 死罪となりました 233 00:22:06,350 --> 00:22:07,600 そうか… 234 00:22:08,950 --> 00:22:10,500 悔しいな 235 00:22:13,475 --> 00:22:17,100 この国には貧しいが故に罪を犯し 236 00:22:17,100 --> 00:22:20,050 行き場所を失った者たちが大勢いる 237 00:22:21,350 --> 00:22:23,800 この負の連鎖を断ち切らぬ限り 238 00:22:23,800 --> 00:22:29,000 真の意味で 天下太平の世は築けぬであろう 239 00:22:31,750 --> 00:22:34,125 それ故 わしは あの城へ行く 240 00:22:35,925 --> 00:22:38,775 そして 幕政の実権を握り 241 00:22:38,775 --> 00:22:41,525 居場所を失った者たちを救いたいのだ 242 00:22:46,225 --> 00:22:50,900 そうだ そなた 力を貸してくれぬか? 243 00:22:52,325 --> 00:22:54,725 わしには 相棒が必要なのだ 244 00:22:56,375 --> 00:23:01,950 この大義を共に背負い 戦ってくれる仲間がな 245 00:23:13,275 --> 00:23:16,300 よし 決まりだ 246 00:23:30,675 --> 00:23:32,000 上様 247 00:23:39,500 --> 00:23:40,700 これは? 248 00:23:43,925 --> 00:23:46,375 御台さまが お品の方さまのために 249 00:23:46,375 --> 00:23:49,200 書庫よりお借りした書物にございます 250 00:23:50,875 --> 00:23:52,125 そうか 251 00:24:03,600 --> 00:24:04,950 初めて見るな 252 00:24:06,600 --> 00:24:09,375 唐の時代のお話だそうです 253 00:24:09,375 --> 00:24:11,925 お品の方さまが御台さまと幼い頃に 254 00:24:11,925 --> 00:24:13,875 よくお読みになっていたそうで 255 00:24:24,450 --> 00:24:29,425 そなたは人の痛みも分からぬほどに 成り下がったのか 256 00:24:32,675 --> 00:24:37,350 そなた… 変わったな 257 00:24:39,875 --> 00:24:42,350 上様のおなりにございます 258 00:24:53,600 --> 00:24:55,750 変わりはないか? 259 00:24:55,750 --> 00:24:56,825 はい 260 00:24:57,650 --> 00:25:01,475 貞次郎君も健やかに育っております 261 00:25:01,475 --> 00:25:02,625 そうか 262 00:25:04,000 --> 00:25:07,150 その… こたびは? 263 00:25:09,975 --> 00:25:11,925 これを渡そうと思ってな 264 00:25:20,425 --> 00:25:23,575 そなたの好きな書物であろう 265 00:25:23,575 --> 00:25:26,225 どうして これを? 266 00:25:26,225 --> 00:25:31,200 御台が そなたのために 用意していたものだ 267 00:25:31,200 --> 00:25:33,700 御台さまが? 268 00:25:33,700 --> 00:25:34,825 ああ 269 00:25:46,450 --> 00:25:50,100 このお話 ご存じですか? 270 00:25:51,875 --> 00:25:52,850 いや 271 00:26:00,000 --> 00:26:04,650 一匹の猫を僧侶たちが奪い合って 272 00:26:04,650 --> 00:26:11,000 その揚げ句 猫は争いのもとに なるからと殺されてしまうのです 273 00:26:14,550 --> 00:26:20,500 欲深い僧侶たちが私は大嫌いでした 274 00:26:23,000 --> 00:26:24,300 なのに… 275 00:26:25,275 --> 00:26:28,075 わが子さえよければ それで満足ですか 276 00:26:31,050 --> 00:26:35,950 貞次郎君のためならば 私も… 277 00:26:35,950 --> 00:26:38,450 喜んで戦うと思うのです 278 00:26:49,025 --> 00:26:54,050 倫子さまは このお話を読んだとき 279 00:26:54,050 --> 00:26:57,725 猫を殺さずに増やすと仰せでした 280 00:26:59,925 --> 00:27:02,025 倫子さまらしいですよね 281 00:27:22,800 --> 00:27:24,350 賢丸 282 00:27:24,350 --> 00:27:28,875 ずっと お慕いしておりました 283 00:27:55,825 --> 00:27:57,250 お品さま 284 00:27:59,750 --> 00:28:04,375 頼まれていたもの 全て揃えてまいりましたよ 285 00:28:04,375 --> 00:28:07,325 電光石火でございましたでしょう 286 00:28:11,075 --> 00:28:13,500 貞次郎さまの前掛けに 287 00:28:14,450 --> 00:28:17,925 貞次郎さまのおもちゃにございます 288 00:28:17,925 --> 00:28:19,975 カワイイ 289 00:28:19,975 --> 00:28:23,400 他にも色々揃えてございますよ 290 00:28:24,725 --> 00:28:27,925 貞次郎さまは元気にお育ちですか? 291 00:28:30,925 --> 00:28:31,825 はい 292 00:28:33,175 --> 00:28:36,150 次期将軍になられるお方ですもんね 293 00:28:36,150 --> 00:28:38,825 立派になさらないと 294 00:28:41,700 --> 00:28:44,800 そなたはいいな 明るくて 295 00:28:46,275 --> 00:28:51,125 こうして 顔を見るだけで 元気をもらえる 296 00:28:52,450 --> 00:28:55,850 いつか 貞次郎君に 会ってもらいたいものです 297 00:28:55,850 --> 00:28:58,625 笑うと 目が三日月になって 298 00:28:58,625 --> 00:28:59,975 そなたに似ているのよ 299 00:28:59,975 --> 00:29:01,725 この顔にですか? 300 00:29:01,725 --> 00:29:04,350 いやいや めっそうもございません 301 00:29:05,425 --> 00:29:06,425 そうだ 302 00:29:09,450 --> 00:29:10,700 これを 303 00:29:13,525 --> 00:29:16,800 貞次郎君のためにこしらえたのですが 304 00:29:18,050 --> 00:29:19,400 そなたにも 305 00:29:22,925 --> 00:29:25,300 いつも仕えてくれているお礼です 306 00:29:32,075 --> 00:29:35,125 そなたといるときだけは 307 00:29:35,125 --> 00:29:38,275 昔の自分に戻れるような気がして… 308 00:29:39,975 --> 00:29:41,650 何だか うれしいのです 309 00:29:46,575 --> 00:29:50,700 その草履もずいぶん古くなるのに 310 00:29:50,700 --> 00:29:52,950 ずっと履いてくれていますよね? 311 00:29:57,650 --> 00:29:58,675 はい 312 00:30:01,150 --> 00:30:02,575 ありがとう 313 00:30:10,125 --> 00:30:16,000 そなたも きっと猫を増やす人ですね 314 00:30:16,000 --> 00:30:17,200 猫? 315 00:30:18,425 --> 00:30:26,050 猿吉は人から奪うのではなく 与えることのできる人です 316 00:30:28,625 --> 00:30:34,575 まねをしたくても できるものではございません 317 00:30:40,875 --> 00:30:43,250 大事に使わせてもらいますね 318 00:30:44,825 --> 00:30:45,725 はい 319 00:30:54,575 --> 00:30:56,600 少しよろしいですか? 320 00:31:29,675 --> 00:31:33,050 貞次郎君のために こしらえていたのですが 321 00:31:33,050 --> 00:31:34,500 そなたにも 322 00:32:01,400 --> 00:32:02,825 やれ 323 00:32:29,600 --> 00:32:31,800 おはよう 貞次郎君 324 00:32:39,175 --> 00:32:41,225 殺せなかっただと? 325 00:32:43,575 --> 00:32:44,850 なぜだ 326 00:32:48,700 --> 00:32:51,950 それがしには…できませぬ 327 00:32:55,650 --> 00:32:58,350 わしを裏切る気か? 328 00:32:58,350 --> 00:33:00,175 やれ 329 00:33:00,175 --> 00:33:01,275 できませぬ 330 00:33:01,275 --> 00:33:02,900 やれ 331 00:33:06,700 --> 00:33:08,325 貞次郎を殺せ 332 00:33:09,675 --> 00:33:12,125 さもなければ お前をここで斬る 333 00:33:15,800 --> 00:33:19,350 あなたさまに拾っていただいたわが命 334 00:33:19,350 --> 00:33:21,400 ご自由になさってくださいませ 335 00:33:22,400 --> 00:33:28,275 さては 貴様…お品殿にほだされたか? 336 00:33:28,275 --> 00:33:31,675 それがしが一番に尊敬して お慕いしていたのは… 337 00:33:35,125 --> 00:33:36,775 定信さまです 338 00:33:38,300 --> 00:33:46,025 あなたさまならば誠に この国を変えて くださるやもしれぬと信じておりました 339 00:33:46,025 --> 00:33:48,750 しかし いつの間にか 340 00:33:48,750 --> 00:33:54,050 国ではなく あなたさまが 変わられてしまった 341 00:33:54,050 --> 00:33:56,900 今の あなたさまに 大義などございませぬ 342 00:33:56,900 --> 00:34:01,200 ただ おのれをおとしめた者たちに 復讐したいだけにございます 343 00:34:01,200 --> 00:34:03,575 黙れ 彦平衛 344 00:34:07,400 --> 00:34:08,550 黙れ 345 00:34:11,400 --> 00:34:13,325 黙れ 346 00:34:28,425 --> 00:34:29,900 お知保殿 347 00:34:31,600 --> 00:34:34,050 おかげんは いかがですか? 348 00:35:02,250 --> 00:35:07,550 お知保の方さま 349 00:35:47,550 --> 00:35:50,300 何をしているのです 350 00:35:50,300 --> 00:35:51,950 おやめください 351 00:35:51,950 --> 00:35:53,500 お知保殿 352 00:35:53,500 --> 00:35:55,300 お戻りください 353 00:35:55,300 --> 00:35:56,800 は… なせ 354 00:36:01,250 --> 00:36:02,850 お願いです 355 00:36:02,850 --> 00:36:05,025 お願いです 356 00:36:05,025 --> 00:36:07,000 離してください 357 00:36:08,525 --> 00:36:13,350 もう このまま… あの子の所に行かせてください 358 00:36:14,450 --> 00:36:17,675 こんな世で 生きている意味などないのです 359 00:36:21,225 --> 00:36:22,850 離せ 360 00:36:24,775 --> 00:36:26,425 私が嫌なのです 361 00:36:28,375 --> 00:36:32,750 そなたを… 失いたくありません 362 00:36:36,975 --> 00:36:44,175 家基さまは 私に思い出させてくださいました 363 00:36:44,175 --> 00:36:46,275 人を思う心を 364 00:36:49,150 --> 00:36:50,925 そして 今も… 365 00:36:53,950 --> 00:36:59,700 そなたの中に家基さまを感じるのです 366 00:37:05,350 --> 00:37:11,100 どうか…生きてください 367 00:37:34,450 --> 00:37:40,025 上様は そなたを大奥総取締に ご拝命なさるとのこと 368 00:37:42,100 --> 00:37:46,650 これで表の実権を それがしが 369 00:37:46,650 --> 00:37:52,400 裏の実権を 高岳殿が 握ることとなりましょう 370 00:37:57,175 --> 00:38:02,625 この城は われらのものぞ 371 00:38:28,350 --> 00:38:30,850 誠によく 描けていますね 372 00:38:31,850 --> 00:38:32,800 はい 373 00:38:34,325 --> 00:38:38,625 手が器用で 好奇心が強く 374 00:38:40,950 --> 00:38:43,100 走るのが大好きで… 375 00:38:51,175 --> 00:38:55,800 その絵を 上様に届けていただけませんか? 376 00:39:00,200 --> 00:39:02,600 私なら もう大丈夫ですから 377 00:39:08,825 --> 00:39:13,000 御台さまが 大奥にいらしてからというもの 378 00:39:13,000 --> 00:39:15,975 私は ずっと腹を立てておりました 379 00:39:18,600 --> 00:39:24,450 側室に選ばれても お子を授かっても 380 00:39:27,250 --> 00:39:29,500 どこか いつも むなしくて 381 00:39:34,375 --> 00:39:37,225 それは たぶん... 382 00:39:37,225 --> 00:39:41,250 一番欲しいものが手に 入らなかったからのように思います 383 00:39:49,125 --> 00:39:51,100 上様の心です 384 00:40:01,750 --> 00:40:08,525 上様は どんなときも御台さまだけを 愛しておられました 385 00:40:11,950 --> 00:40:15,050 側室の私が言うのですから 386 00:40:15,050 --> 00:40:16,775 間違いございません 387 00:40:48,150 --> 00:40:55,225 全て… わしのせいだ… 388 00:41:11,775 --> 00:41:13,125 上様 389 00:41:29,675 --> 00:41:31,000 こちらを 390 00:41:34,400 --> 00:41:37,100 家基さまがお描きになった絵です 391 00:42:01,200 --> 00:42:08,950 ずっと… 上様のことが分かりませんでした 392 00:42:11,475 --> 00:42:16,025 お優しくて愛情深いお方なのに 393 00:42:17,175 --> 00:42:24,325 時折 どれが本当のお姿なのか 分からなくなって… 394 00:42:29,825 --> 00:42:37,475 でも 私は目の前にいる上様のことを 信じます 395 00:42:41,150 --> 00:42:45,100 子を愛し… 396 00:42:45,100 --> 00:42:51,775 私を愛してくださった あなたさまを信じます 397 00:43:07,200 --> 00:43:08,400 わしは… 398 00:43:16,550 --> 00:43:18,850 将軍家の子ではないのだ 399 00:43:25,975 --> 00:43:29,850 そなたをあざむき 400 00:43:29,850 --> 00:43:33,250 この城に仕える者たちをあざむき… 401 00:43:37,950 --> 00:43:39,500 民をあざむき… 402 00:43:41,550 --> 00:43:43,000 ここにいる 403 00:43:48,925 --> 00:43:50,975 田沼だけが このことを… 404 00:43:53,325 --> 00:43:57,175 それ故に 405 00:43:57,175 --> 00:44:03,600 あの者の言うことを聞く他なかった 406 00:44:10,800 --> 00:44:11,950 すまない… 407 00:44:14,425 --> 00:44:19,700 そなたを たくさん… 傷つけた 408 00:44:40,625 --> 00:44:47,050 どこか さみしげな背中の訳を ようやく理解した姫様 409 00:44:47,050 --> 00:44:51,000 しかし この大きすぎる秘密は 410 00:44:51,000 --> 00:44:57,800 さらなる混乱の渦へと姫様たちを 巻き込んでゆくのでした 411 00:45:02,075 --> 00:45:05,075 ©2024 Fuji Television Network, Inc.