1 00:00:11,525 --> 00:00:16,175 お品には この城を出てもらう 2 00:00:16,175 --> 00:00:18,125 それから… 3 00:00:18,125 --> 00:00:21,875 貞次郎が… 死んだ 4 00:00:37,525 --> 00:00:41,550 どうか 上様をお守りください 5 00:01:00,375 --> 00:01:02,000 その年 6 00:01:02,000 --> 00:01:05,475 不吉な未来を予兆するかのように 7 00:01:07,750 --> 00:01:11,325 浅間山が 火を噴いたのでした 8 00:01:18,025 --> 00:01:21,575 田沼 蟄居閉門を命ずる 9 00:01:26,275 --> 00:01:28,325 父上 10 00:01:28,325 --> 00:01:29,775 江戸の町が… 11 00:01:39,225 --> 00:01:40,950 この国に 12 00:01:40,950 --> 00:01:43,725 そして 大奥に 13 00:01:43,725 --> 00:01:47,175 かつてない危機が迫っているのでした 14 00:01:57,600 --> 00:02:00,725 信濃の浅間山が大噴火したとか? 15 00:02:00,725 --> 00:02:03,900 被害は40里にも及ぶそうです 16 00:02:03,900 --> 00:02:08,275 この国は いったい どうなってしまうのでしょう 17 00:02:09,450 --> 00:02:12,700 この城は 呪われておる… 18 00:02:23,475 --> 00:02:27,350 上様… 19 00:02:28,325 --> 00:02:30,775 このままでは 田畑が荒れ果て 20 00:02:30,775 --> 00:02:33,850 米不足に陥る 21 00:02:33,850 --> 00:02:38,400 米の値が急騰する前に何とかせねば… 22 00:02:38,400 --> 00:02:41,475 上様 動いてはなりませぬ 23 00:02:42,750 --> 00:02:43,925 上様… 24 00:02:46,025 --> 00:02:50,850 こんなときに…何もできぬとは… 25 00:03:05,650 --> 00:03:06,825 田沼を… 26 00:03:10,550 --> 00:03:12,050 呼んでくれ 27 00:03:27,225 --> 00:03:28,775 わしの代わりに… 28 00:03:34,025 --> 00:03:36,300 政を任せたい 29 00:03:40,675 --> 00:03:41,800 はっ? 30 00:03:55,300 --> 00:03:57,100 勘違いするな 31 00:03:58,425 --> 00:04:04,750 わしは断じて そなたを許さん 32 00:04:07,475 --> 00:04:08,725 しかし… 33 00:04:20,375 --> 00:04:22,775 この国のため… 34 00:04:26,725 --> 00:04:28,625 力を貸してくれ… 35 00:04:44,775 --> 00:04:50,025 ご下命 しかと承りました 36 00:04:57,650 --> 00:05:02,175 上様にお会いできないのでしょうか? 37 00:05:04,575 --> 00:05:09,475 表への出入りは 固く禁じられております故… 38 00:05:21,275 --> 00:05:25,975 松島殿は 大丈夫でございますか? 39 00:05:28,900 --> 00:05:32,375 家基さまを亡くされ 40 00:05:32,375 --> 00:05:36,100 上様まで… 41 00:05:36,100 --> 00:05:39,425 さぞかし 心労が 重なりましてございましょう 42 00:05:45,775 --> 00:05:51,850 御台さまの そういうところ 忌み嫌っておりました 43 00:05:54,575 --> 00:05:58,750 そのような清廉潔白な お振る舞いを見ていると 44 00:05:58,750 --> 00:06:05,225 こちらの心が汚れていることを まざまざと見せつけられるようで… 45 00:06:05,225 --> 00:06:06,675 そのようなつもりは… 46 00:06:06,675 --> 00:06:10,225 しかし 47 00:06:10,225 --> 00:06:12,300 そんな御台さま故に… 48 00:06:18,000 --> 00:06:21,875 今では 感謝しております 49 00:06:27,400 --> 00:06:31,250 また状況が分かり次第 お知らせいたします 50 00:06:33,000 --> 00:06:36,150 はい よろしく頼みます 51 00:06:53,000 --> 00:06:57,975 浅間山の噴火で 各地に甚大な被害が広がっておる 52 00:06:57,975 --> 00:07:00,200 まずは 諸国から米をかき集め 53 00:07:00,200 --> 00:07:03,675 何としても米の値を安定させるのだ 54 00:07:03,675 --> 00:07:05,400 おのおの よろしく頼む 55 00:07:05,400 --> 00:07:06,675 はっ! 56 00:07:13,800 --> 00:07:15,275 御台を… 57 00:07:19,225 --> 00:07:21,625 御台を呼んでくれ… 58 00:07:21,625 --> 00:07:23,400 しかし… 59 00:07:23,400 --> 00:07:24,825 構わぬ 60 00:07:30,550 --> 00:07:32,275 呼んでくれ 61 00:07:34,550 --> 00:07:35,800 はっ 62 00:07:51,675 --> 00:07:53,125 上様 63 00:07:59,600 --> 00:08:00,925 御台 64 00:08:06,725 --> 00:08:08,650 来てくれたか 65 00:08:24,050 --> 00:08:26,100 どうやら わしは… 66 00:08:30,125 --> 00:08:37,550 この肉体を…離れるときが来たらしい 67 00:08:40,550 --> 00:08:42,225 上様 68 00:08:45,250 --> 00:08:51,300 幾度も… 泣かせたな 69 00:08:58,150 --> 00:09:00,250 今も 70 00:09:12,700 --> 00:09:14,000 されど… 71 00:09:19,500 --> 00:09:27,300 泣き顔さえも… いとおしい… 72 00:09:31,475 --> 00:09:36,050 上様… 嫌でございます… 73 00:09:37,725 --> 00:09:42,850 もっと… もっと おそばに… 74 00:09:46,300 --> 00:09:48,150 上様 75 00:09:52,925 --> 00:09:57,000 わしには まだ… 76 00:09:57,000 --> 00:10:02,100 やり残したことが…たくさんある… 77 00:10:06,725 --> 00:10:15,200 子供たちを… あやめた者を 捕らえねばならぬ… 78 00:10:17,600 --> 00:10:26,275 もっと… この国を… 豊かにせねばならぬ… 79 00:10:39,900 --> 00:10:58,950 そなたともっと…生きたかった 80 00:11:13,700 --> 00:11:15,300 三つ葉 81 00:11:20,250 --> 00:11:22,400 葵のように… 82 00:11:34,725 --> 00:11:36,200 上様? 83 00:11:40,950 --> 00:11:42,350 上様 84 00:11:46,525 --> 00:11:48,525 上様 85 00:11:56,025 --> 00:11:58,025 上様 86 00:12:00,150 --> 00:12:02,125 上様 身まかられた? 87 00:12:30,050 --> 00:12:31,350 時は来た 88 00:12:33,125 --> 00:12:36,700 動きだすとしましょうか 89 00:12:36,700 --> 00:12:39,100 準備はできております 90 00:12:43,175 --> 00:12:46,700 佐野 頼んだぞ 91 00:12:47,825 --> 00:12:48,800 はっ 92 00:13:02,575 --> 00:13:04,150 田沼殿 93 00:13:04,150 --> 00:13:07,175 少しお休みになられた方が 94 00:13:07,175 --> 00:13:09,125 構わぬ 95 00:13:09,125 --> 00:13:10,750 わしは… 96 00:13:14,925 --> 00:13:16,950 上様に託されたのだ 97 00:13:20,875 --> 00:13:22,250 田沼殿 98 00:13:24,100 --> 00:13:26,375 ご子息の意知殿が… 99 00:13:37,800 --> 00:13:39,475 意知… 100 00:13:40,825 --> 00:13:43,750 殿中に紛れ込んでいた 101 00:13:43,750 --> 00:13:48,175 佐野という旗本に 斬り殺されたようにございます 102 00:13:58,400 --> 00:13:59,825 田沼殿 103 00:14:01,525 --> 00:14:06,600 こたびは誠にご愁傷さまにございます 104 00:14:07,750 --> 00:14:09,475 定信さま 105 00:14:12,175 --> 00:14:14,950 今は とにかく喪に服してくださいませ 106 00:14:16,350 --> 00:14:21,600 後のことは 他の家臣にお任せになるとよい 107 00:14:28,925 --> 00:14:34,050 恐れながら その儀はご無用にございます 108 00:14:39,125 --> 00:14:42,275 この国難を乗り切ることは 109 00:14:42,275 --> 00:14:45,550 上様に任された最後のお役目 110 00:14:45,550 --> 00:14:47,775 しかと果たす所存にございます 111 00:14:51,275 --> 00:14:53,425 まだ分かりませぬか? 112 00:14:56,250 --> 00:15:00,000 そなたは もう用済みだと 申しておるのです 113 00:15:11,925 --> 00:15:14,550 田沼 意次 114 00:15:14,550 --> 00:15:17,650 本日をもって老中職を罷免いたす 115 00:15:20,600 --> 00:15:23,425 何をおっしゃっておる 116 00:15:23,425 --> 00:15:30,250 徳川御三家 御三卿の合議により そう決まりましてござります 117 00:15:31,825 --> 00:15:37,450 本日まで お務め 誠にご苦労さまにございました 118 00:15:38,925 --> 00:15:44,475 幼い頃 私は あなたによって この城を追われました 119 00:15:46,750 --> 00:15:53,375 そして 今日 ここを去るのは あなたです 120 00:16:03,350 --> 00:16:08,925 三つ葉…葵のように… 121 00:16:10,950 --> 00:16:13,525 どういう意味にございますか? 122 00:16:17,625 --> 00:16:19,125 上様… 123 00:16:24,875 --> 00:16:27,450 申し上げます 124 00:16:27,450 --> 00:16:30,750 お品さまにお届け物が届いております 125 00:16:32,325 --> 00:16:34,050 お品に? 126 00:16:34,050 --> 00:16:36,400 どうすればよいものかと… 127 00:17:13,525 --> 00:17:16,350 世直し 世直し 128 00:17:16,350 --> 00:17:19,725 佐野さまをたたえよう 129 00:17:19,725 --> 00:17:22,540 この貧しき世をつくり 民を 130 00:17:22,564 --> 00:17:26,900 苦しめていた 田沼親子を成敗してくれたのだ 131 00:17:26,900 --> 00:17:30,975 佐野さまは世直し大明神じゃ! 132 00:17:38,175 --> 00:17:39,750 やめてください 133 00:17:39,750 --> 00:17:42,125 やめてください… 134 00:17:42,125 --> 00:17:43,525 邪魔をいたすな 135 00:17:47,325 --> 00:17:48,600 あなた… 136 00:17:50,600 --> 00:17:55,675 屋敷は幕府の命により 取り壊しとなりました 137 00:17:55,675 --> 00:17:58,050 何故 このような 138 00:17:59,750 --> 00:18:04,750 あなたは この国のため 仕えてきたのではなかったのですか 139 00:18:09,075 --> 00:18:10,300 何をしよる 140 00:18:11,225 --> 00:18:13,225 何をしておる 141 00:18:22,650 --> 00:18:29,425 やはり この国の者たちは なぁ~にも見えとらん 142 00:18:32,025 --> 00:18:35,600 ふ抜けだらけじゃ~ 143 00:18:37,700 --> 00:18:40,625 これよりは この松平 定信が 144 00:18:40,625 --> 00:18:43,850 老中首座のお役目を 引き継ぐことと相成った 145 00:18:45,300 --> 00:18:48,750 これまで田沼がなしてきた政を一掃する 146 00:18:50,400 --> 00:18:53,075 新しい世をつくるのだ 147 00:18:54,250 --> 00:18:56,225 異論は許さん 148 00:18:56,225 --> 00:18:57,425 ははっ 149 00:19:00,975 --> 00:19:02,550 定信さま 150 00:19:07,150 --> 00:19:10,825 御台さまがお会いしたい とのことでございます 151 00:19:10,825 --> 00:19:12,425 倫子殿が? 152 00:19:38,450 --> 00:19:40,475 家治公のことは 153 00:19:43,000 --> 00:19:45,675 何と申し上げればよいものか… 154 00:19:50,275 --> 00:19:56,575 いまだにお世継ぎが定まらず 将軍の席は空いたままにございますが 155 00:19:58,300 --> 00:20:02,800 この定信が しかと政の主導を 務めさせていただきます 156 00:20:08,675 --> 00:20:13,325 それが目的ですか? 157 00:20:17,650 --> 00:20:23,400 そうやって政の要に立つために そなたは… 158 00:20:28,700 --> 00:20:33,175 賢丸は 優しい人でした 159 00:20:35,225 --> 00:20:38,502 されど 時折 160 00:20:38,526 --> 00:20:42,900 どうしようもなく恐ろしい面が あったことを思い出したのです 161 00:20:54,025 --> 00:20:59,075 猿吉殿がお品に残していた文です 162 00:21:00,900 --> 00:21:04,250 ここに… 163 00:21:04,250 --> 00:21:07,825 全てはそなたの指示でしたことだと 書かれてありました 164 00:21:16,925 --> 00:21:18,375 猿吉? 165 00:21:22,050 --> 00:21:24,325 何者にございましょう 166 00:21:27,200 --> 00:21:32,000 どこの馬の骨とも分からぬような 者の言うことなど 167 00:21:32,000 --> 00:21:35,475 真に受ける必要はございません 168 00:21:35,475 --> 00:21:41,700 賢丸は…恐ろしくもありましたが 169 00:21:41,700 --> 00:21:45,175 それでも 170 00:21:45,175 --> 00:21:48,550 心の優しい人だと信じておりました 171 00:21:50,700 --> 00:21:58,225 上様がどんな思いで亡くなったか… 172 00:21:58,225 --> 00:22:01,775 大奥のおなごたちが どれほどの涙を流したか! 173 00:22:10,082 --> 00:22:16,075 もし これが誠ならば 174 00:22:16,075 --> 00:22:20,025 そなたには 天罰が下りましょう! 175 00:22:23,400 --> 00:22:26,925 いずれ 必ず! 176 00:23:07,525 --> 00:23:09,600 なぜ 気付けなかった… 177 00:23:11,575 --> 00:23:13,075 なぜ 178 00:23:22,375 --> 00:23:24,125 火事じゃ 179 00:23:25,175 --> 00:23:27,275 火事じゃ 180 00:23:27,275 --> 00:23:30,450 逃げるのです! 逃げるのです 181 00:23:36,900 --> 00:23:41,600 次から次へと何故 こんなにも災いが… 182 00:23:41,600 --> 00:23:44,950 やはり この城は呪われておるのじゃ… 183 00:23:47,250 --> 00:23:48,175 御台さま! 184 00:23:48,175 --> 00:23:49,800 火事にございます! 185 00:23:49,800 --> 00:23:51,625 お逃げください 186 00:23:51,675 --> 00:23:53,050 御台さま 187 00:23:57,675 --> 00:23:59,200 もう よい… 188 00:24:01,525 --> 00:24:07,050 このまま… ここで 189 00:24:07,050 --> 00:24:08,625 上様と… 190 00:24:12,725 --> 00:24:16,021 早く あちらへ! 早く 191 00:24:17,575 --> 00:24:19,225 早く! 急いで! 192 00:24:38,675 --> 00:24:40,300 何故… 193 00:24:42,150 --> 00:24:44,875 お役を解かれたのでは なかったのですか? 194 00:24:46,850 --> 00:24:48,775 どうじゃ? 195 00:24:48,775 --> 00:24:51,325 燃えさかる江戸城は 196 00:24:53,300 --> 00:24:54,800 奇麗じゃろ 197 00:24:56,625 --> 00:24:59,375 もしや そなたが? 198 00:25:07,475 --> 00:25:12,725 そなたと飲む酒だけは… 199 00:25:12,725 --> 00:25:14,350 うまかったのう 200 00:25:50,250 --> 00:25:53,275 何をしているのです? 201 00:25:53,275 --> 00:25:57,975 御台さまが お逃げにならないのなら 私も 202 00:26:00,175 --> 00:26:05,600 私は真っすぐで 203 00:26:05,600 --> 00:26:11,325 奇麗事ばかり並べる 御台さまが大嫌いにございました 204 00:26:19,600 --> 00:26:21,300 けれど 今は… 205 00:26:28,475 --> 00:26:34,625 ですから こんな最期も 悪くないかもしれませぬ 206 00:26:40,725 --> 00:26:43,425 倫子さま 207 00:26:43,425 --> 00:26:45,250 どうして… 208 00:26:51,450 --> 00:26:56,025 上様が身まかられたと聞いて 209 00:26:56,025 --> 00:27:00,400 どうしてもお伝えしたきことがあり 戻ってまいりました 210 00:27:00,400 --> 00:27:03,625 もう 二度と会えぬものと… 211 00:27:07,800 --> 00:27:09,075 全て… 212 00:27:10,650 --> 00:27:14,600 全て われらのためだったのです 213 00:27:14,600 --> 00:27:16,100 われらのため 214 00:27:16,100 --> 00:27:21,050 そして 徳川のために 215 00:27:21,050 --> 00:27:27,250 上様は…大きな嘘をつかれました 216 00:27:29,100 --> 00:27:30,350 嘘? 217 00:27:32,275 --> 00:27:34,025 どういうことです 218 00:27:35,850 --> 00:27:42,025 貞次郎君は…生きているのです 219 00:27:45,575 --> 00:27:51,350 貞次郎を連れて この城を出てほしい 220 00:27:51,350 --> 00:27:55,500 御三卿の一橋家の子として育てるのだ 221 00:27:57,475 --> 00:27:59,250 何故 そのような… 222 00:28:00,300 --> 00:28:05,425 御台は この書物を読んだとき 223 00:28:05,425 --> 00:28:09,800 猫を殺さず 増やすと言ったそうだな 224 00:28:11,375 --> 00:28:13,350 ならば わしは… 225 00:28:15,850 --> 00:28:17,675 隠そうと思う 226 00:28:19,675 --> 00:28:23,650 無用な争いがなくなる そのときまで 227 00:28:26,347 --> 00:28:31,325 いつか 平穏を取り戻した その後には 228 00:28:32,575 --> 00:28:36,600 貞次郎を皆で育ててほしい 229 00:28:38,525 --> 00:28:44,350 御台 お品 お知保と… 230 00:28:48,100 --> 00:28:53,325 徳川家紋の三つ葉葵のように 231 00:28:57,150 --> 00:28:58,650 上様… 232 00:29:11,300 --> 00:29:14,000 そういう意味にございましたか 233 00:29:37,625 --> 00:29:39,200 それがしは 234 00:29:43,100 --> 00:29:50,050 上様と交わした最後のお約束さえ 235 00:29:50,050 --> 00:29:52,800 守ることは相成りませんでした… 236 00:30:43,625 --> 00:30:46,375 あなたさまは天国に… 237 00:30:48,675 --> 00:30:53,500 それがしは… 地獄に… 238 00:31:04,325 --> 00:31:12,800 やはり 上様とそれがしは…表裏一体 239 00:31:35,275 --> 00:31:38,425 まさか また ここで暮らす日が来ようとは 240 00:31:39,525 --> 00:31:43,275 来月には元の暮らしに戻れるかと 241 00:31:44,200 --> 00:31:45,650 そうですか 242 00:31:47,700 --> 00:31:49,000 倫子さま 243 00:31:49,000 --> 00:31:50,725 お知保の方さま 244 00:31:50,725 --> 00:31:52,025 お品 245 00:31:57,000 --> 00:31:59,650 その子は もしや… 246 00:31:59,650 --> 00:32:03,475 名をあらため 豊千代君と申します 247 00:32:04,475 --> 00:32:06,750 上様が名付けてくださいました 248 00:32:08,275 --> 00:32:09,550 そうですか… 249 00:32:14,000 --> 00:32:15,950 上様に似ておる 250 00:32:15,950 --> 00:32:17,050 ねぇ 251 00:32:20,075 --> 00:32:25,525 この先は皆で豊千代君を守っていこう 252 00:32:43,925 --> 00:32:49,550 私は どうすればよいですか? 253 00:33:11,900 --> 00:33:19,375 いつか また子を授かれたときには 254 00:33:19,375 --> 00:33:24,000 "万寿"と名付けたいな 255 00:33:24,000 --> 00:33:30,475 限りなく長く生きてほしいのだ 256 00:33:30,475 --> 00:33:34,600 わしは学問所をつくることにした 257 00:33:34,600 --> 00:33:37,200 わしらの子のためにも 258 00:33:37,200 --> 00:33:39,125 この国の未来を 259 00:33:39,125 --> 00:33:41,200 もっと明るいものにしたいのだ 260 00:33:55,950 --> 00:33:57,700 そうですね 261 00:34:00,750 --> 00:34:02,175 上様 262 00:34:20,225 --> 00:34:23,650 やはり 住み慣れたこの城が一番ですね 263 00:34:24,775 --> 00:34:29,100 しかし 定信さまは大の倹約派とのお噂 264 00:34:29,100 --> 00:34:33,350 禁欲と娯楽の抑制を 標榜されておられます 265 00:34:33,350 --> 00:34:37,750 出版物も厳しく統制されるとか? 266 00:34:37,750 --> 00:34:42,025 自由に考えを持つことも 禁じられるんでしょう 267 00:34:42,025 --> 00:34:45,400 地獄ではないですか 268 00:34:45,400 --> 00:34:50,225 そのような暮らしで 何をよすがにすればよい 269 00:35:04,600 --> 00:35:06,775 お品の方さま 270 00:35:08,175 --> 00:35:09,550 どうして 271 00:35:12,700 --> 00:35:15,425 松島殿の計らいにより 272 00:35:15,425 --> 00:35:18,275 私の付き人として戻ってきたのです 273 00:35:22,275 --> 00:35:23,900 余計なまねを 274 00:35:30,375 --> 00:35:34,325 私から 皆に伝えたきことがございます 275 00:35:41,025 --> 00:35:46,125 家治公が身まかられ変わりゆく日々に 276 00:35:46,125 --> 00:35:49,475 皆も さぞかし不安な思いで いることでしょう 277 00:35:57,025 --> 00:36:00,150 家治公は生前 278 00:36:00,150 --> 00:36:04,350 この国を もっと豊かにしたいと仰せでした 279 00:36:04,350 --> 00:36:06,425 そのために 280 00:36:06,425 --> 00:36:08,950 民の力を信じ 281 00:36:08,950 --> 00:36:13,075 日本各地に 学問所をおつくりになったのです 282 00:36:16,500 --> 00:36:22,175 いずれ その成果が きっと 実を結ぶときが来るでしょう 283 00:36:22,175 --> 00:36:26,900 ですから どうか 心を強くお持ちください 284 00:36:30,400 --> 00:36:32,550 大丈夫 285 00:36:32,550 --> 00:36:35,075 この先 何があろうと皆のことは 286 00:36:35,075 --> 00:36:43,900 大御台と相成った私が この身をもって守ります 287 00:36:43,900 --> 00:36:45,050 はい 288 00:36:52,150 --> 00:36:53,650 ついてまいります 289 00:37:04,300 --> 00:37:06,525 浅間山の大噴火から5年! 290 00:37:06,525 --> 00:37:11,150 ついに 誰もが作れる サツマイモの栽培方法を編み出したぞ 291 00:37:11,150 --> 00:37:12,425 これは すごい 292 00:37:12,425 --> 00:37:16,950 皆さま お読みください お願いします 293 00:37:16,950 --> 00:37:20,975 いき過ぎた質素倹約は 貧しい国を生むだけです! 294 00:37:20,975 --> 00:37:23,550 松平 定信さまの治世が続けば 295 00:37:23,550 --> 00:37:25,775 われらは ますます貧しくなるでしょう 296 00:37:25,775 --> 00:37:28,850 今こそ皆で声を上げるのです 297 00:37:28,850 --> 00:37:33,100 白河の清きに魚もすみかねて 298 00:37:33,100 --> 00:37:36,075 もとの濁りの田沼 恋しき 299 00:37:39,375 --> 00:37:42,800 お前さんたち どこのもんだい? 300 00:37:42,800 --> 00:37:48,675 十代将軍 家治公がおつくりになった 学問所で学びし者です 301 00:37:48,675 --> 00:37:50,000 そうか 302 00:37:51,250 --> 00:37:53,900 配れ 配れ 配れ! 303 00:37:53,900 --> 00:37:55,000 はい! 304 00:37:55,850 --> 00:38:04,300 城下では定信さまの罷免を求める声が 次第に大きくなっているそうですね 305 00:38:05,875 --> 00:38:09,550 いき過ぎた質素倹約は 町に銭が回らなくなり 306 00:38:09,550 --> 00:38:12,675 不景気に陥る 307 00:38:12,675 --> 00:38:15,025 吉宗公の政の際 308 00:38:15,025 --> 00:38:18,125 そのことに気付かれた田沼殿は 309 00:38:18,125 --> 00:38:21,275 それを変えようと尽力されておりました 310 00:38:23,575 --> 00:38:26,725 民も そのことに 気付き始めたのでしょう 311 00:38:30,975 --> 00:38:35,352 私どもからもそなたの罷免を 求める意見書を 312 00:38:35,376 --> 00:38:40,575 御三家 御三卿の皆さまに提出し 313 00:38:40,575 --> 00:38:45,800 本日 お聞き届けいただけることに 相成りました 314 00:38:47,250 --> 00:38:49,500 まさか… 315 00:38:49,500 --> 00:38:50,725 そのようなことできるはずが… 316 00:38:50,725 --> 00:38:53,800 大奥のおなごたちの声を 侮らないでいただきたい 317 00:38:55,400 --> 00:38:59,725 将軍家を誰よりも近くでお支えし 318 00:38:59,725 --> 00:39:02,775 同じ時を過ごす家族なのですから 319 00:39:07,250 --> 00:39:13,700 そなたにはこの城から 出ていっていただきます 320 00:39:39,275 --> 00:39:44,850 倫子殿から... 321 00:39:44,850 --> 00:39:47,775 引導を渡される日が来ようとは… 322 00:40:03,025 --> 00:40:09,225 もし 私が世継ぎに選ばれていたら… 323 00:40:12,475 --> 00:40:15,825 もっと違う未来に なっていたのでしょうか 324 00:40:18,950 --> 00:40:20,975 倫子殿とも… 325 00:40:24,675 --> 00:40:27,375 私の夫は 何があろうと 326 00:40:30,175 --> 00:40:34,325 家治公 お一人です 327 00:41:20,050 --> 00:41:21,475 お待ちください 328 00:41:27,125 --> 00:41:29,725 母上 329 00:41:29,725 --> 00:41:31,100 万寿 330 00:41:49,725 --> 00:41:52,825 そして 時は巡り… 331 00:41:56,400 --> 00:42:00,875 家治公の養子として迎えられた 豊千代君が 332 00:42:00,875 --> 00:42:03,475 晴れて元服を済まされ 333 00:42:03,475 --> 00:42:10,325 十一代将軍 徳川 家斉さまと おなりあそばされたのでした 334 00:42:18,275 --> 00:42:22,350 うららかな春の日にございますね 335 00:42:22,350 --> 00:42:23,600 はい 336 00:42:25,075 --> 00:42:31,400 心行くまでめおとの時を お過ごしくださいませ 337 00:42:33,125 --> 00:42:36,800 はい ありがとう存じます 338 00:42:53,650 --> 00:42:55,250 家治さま 339 00:42:56,825 --> 00:43:02,550 あなたさまがいなくなって15回目の 春がやってまいりました 340 00:43:05,925 --> 00:43:10,700 嫁いだ頃のあなたさまは冷たい目で 341 00:43:10,700 --> 00:43:15,025 何を考えておられるのか さっぱり分からず 342 00:43:15,025 --> 00:43:19,575 私は怖いとすら感じておりました 343 00:43:22,800 --> 00:43:27,800 されど 同じ時を過ごすうちに 344 00:43:27,800 --> 00:43:32,775 誰よりも愛情深く純粋で 345 00:43:32,775 --> 00:43:37,950 そして ちょっぴり不器用なお方だと知りました 346 00:43:41,125 --> 00:43:50,925 今 あなたさまは体も地位も富も力も 持ち合わせぬお姿となりました 347 00:43:56,225 --> 00:44:02,975 それでも 私は一番に あなたさまに会いたいと願うのです 348 00:44:08,875 --> 00:44:12,800 2人で紡いだ この愛があれば 349 00:44:12,800 --> 00:44:19,575 この先も 私は 前へ前へと歩んでゆきます 350 00:44:23,825 --> 00:44:31,175 明日 私たちの娘 万寿姫が 351 00:44:31,175 --> 00:44:33,300 婚儀の時を迎えます 352 00:44:35,200 --> 00:44:38,100 ©2024 Fuji Television Network, Inc.