1 00:00:04,095 --> 00:00:06,595 お札がいっぱいだとインフレで その通貨は 2 00:00:08,066 --> 00:00:10,566 信用できないっていうふうな イメージですが、これまた 3 00:00:11,953 --> 00:00:14,453 別の話ですよね。 ≫通貨そのもの 4 00:00:14,889 --> 00:00:17,389 価値というところは 確かにあるかもしれません。 5 00:02:37,215 --> 00:02:39,215 (綱吉)近う。 6 00:02:46,557 --> 00:02:48,893 早う ここへ参れ。 7 00:02:48,893 --> 00:03:05,226 ♬~ 8 00:03:05,226 --> 00:03:10,548 (綱吉)そうか。 そなた 初めて故 驚いたであろう。➡ 9 00:03:10,548 --> 00:03:15,148 奥泊まりには 必ず 宿直の者が付くのじゃ。 10 00:03:16,888 --> 00:03:20,892 (綱吉)その音羽などは 武芸者での。➡ 11 00:03:20,892 --> 00:03:24,892 いざという時は 男より 腕が立つそうじゃ。 12 00:03:43,548 --> 00:03:48,548 (綱吉)このことは かねてより わしも 窮屈じゃと思うておった。 13 00:03:50,555 --> 00:03:54,555 そなたの家は 気兼ねがのうて よかった。 14 00:03:58,229 --> 00:04:05,553 されど この窮屈を忍ぶのも そなたを いつまでも➡ 15 00:04:05,553 --> 00:04:08,153 側に置いておきたいと 思うが故じゃ。 16 00:04:10,558 --> 00:04:12,558 許せ。 17 00:04:20,217 --> 00:04:21,886 (安子)やっ! 18 00:04:21,886 --> 00:04:41,555 ♬~ 19 00:04:41,555 --> 00:04:51,549 ♬~ 20 00:04:51,549 --> 00:05:11,552 ♬~ 21 00:05:11,552 --> 00:05:31,555 ♬~ 22 00:05:31,555 --> 00:05:51,559 ♬~ 23 00:05:51,559 --> 00:05:56,213 ♬~ 24 00:05:56,213 --> 00:05:58,899 ≪(音羽)しばらく。➡ 25 00:05:58,899 --> 00:06:01,499 ご短慮を お慎みください。 26 00:06:03,554 --> 00:06:08,225 この場にて 上様に もし 万一のことがあれば➡ 27 00:06:08,225 --> 00:06:13,214 牧野の家は お取り潰し。 成住様 成貞様の死罪は必定。 28 00:06:13,214 --> 00:06:16,514 それを ご承知の上での お振る舞いですか。 29 00:06:18,235 --> 00:06:21,222 あなた様が いかなる ご事情で 奥に来られたか➡ 30 00:06:21,222 --> 00:06:25,226 すべては 私どもの 知るところでございます。➡ 31 00:06:25,226 --> 00:06:28,562 ご不審な お振る舞いあらば 見逃すなと➡ 32 00:06:28,562 --> 00:06:33,551 上の方から 申しつけられておりまする。 33 00:06:33,551 --> 00:06:35,886 上の方とは? 34 00:06:35,886 --> 00:06:38,486 申し上げられませぬ。 35 00:06:40,558 --> 00:06:46,547 奥に仕えるということは 一生を お城の囲いの中で過ごし➡ 36 00:06:46,547 --> 00:06:53,554 上様に 生涯 変わらぬ ご忠誠を尽くすということ。 37 00:06:53,554 --> 00:06:59,554 安子様。 早う 大奥に お慣れくださいませ。 38 00:07:02,546 --> 00:07:10,888 ♬(音曲) 39 00:07:10,888 --> 00:07:14,558 (音羽)<この頃 およそ ご政道というものに➡ 40 00:07:14,558 --> 00:07:19,563 ご興味を持たれない上様は 政を家臣に任せ➡ 41 00:07:19,563 --> 00:07:24,568 ご自分は 日々 遊興に 浮かれておいででした。➡ 42 00:07:24,568 --> 00:07:27,888 上様をお迎えしての 花見の宴。➡ 43 00:07:27,888 --> 00:07:31,892 紅葉狩り。 能や 歌舞伎などの催しが➡ 44 00:07:31,892 --> 00:07:37,231 大奥にても 頻々と 営まれていたのでございます> 45 00:07:37,231 --> 00:07:41,886 (桂昌院)上様は よほど安子殿が お気に入られた様子じゃの。 46 00:07:41,886 --> 00:07:45,486 (桂昌院と綱吉の笑い声) 47 00:07:48,225 --> 00:07:51,896 (お伝)安子殿。 お近づきのしるしに➡ 48 00:07:51,896 --> 00:07:55,196 どうぞ ご一献 傾けさせてくださりませ。 49 00:07:57,885 --> 00:08:00,554 受けるがよい 安子。 50 00:08:00,554 --> 00:08:04,225 この伝はな 館林の頃から わしに仕え➡ 51 00:08:04,225 --> 00:08:08,562 鶴姫 徳松という 二人の子を 産んでくれた お腹様じゃ。 52 00:08:08,562 --> 00:08:13,551 (桂昌院)そうじゃ。 お伝殿にあやかり 安子殿。 53 00:08:13,551 --> 00:08:18,556 そなたにも お子が授かると よいのう。 54 00:08:18,556 --> 00:08:20,556 さっ どうぞ。 55 00:08:30,217 --> 00:08:32,219 (お伝)これは とんだ 粗相を致しました。➡ 56 00:08:32,219 --> 00:08:34,889 お許しくださいませ。 (安子)大事ござりませぬ。 57 00:08:34,889 --> 00:08:36,891 なれど このように お召し物が ぬれましては➡ 58 00:08:36,891 --> 00:08:39,560 風も冷とうございます故 毒にございます。 59 00:08:39,560 --> 00:08:41,896 早う お着替えを用意致せ! いえ 私は…。 60 00:08:41,896 --> 00:08:44,215 (お伝)お風邪など 召しましては 事でございます。 61 00:08:44,215 --> 00:08:47,515 そうじゃ 安子。 伝の言うとおり致せ。 62 00:08:49,220 --> 00:08:50,820 はい。 63 00:08:58,229 --> 00:09:00,229 (お伝)さっ 安子殿。 64 00:09:02,883 --> 00:09:04,883 (お伝)さっ こちらへ。 65 00:09:29,560 --> 00:09:32,229 何をなさいます! 66 00:09:32,229 --> 00:09:36,550 色仕掛けで 上様をたぶらかした そなたの体➡ 67 00:09:36,550 --> 00:09:40,150 どのような体か よう 吟味してみたいのです。 68 00:09:42,907 --> 00:09:50,881 安子殿。 そなたは 大した お方にございますなあ。 69 00:09:50,881 --> 00:09:55,552 お父上の牧野成貞様は 大出世。➡ 70 00:09:55,552 --> 00:10:00,224 お婿様の成住様は 牧野家から分家して➡ 71 00:10:00,224 --> 00:10:03,894 新たに 二万石を 与えられたそうな。 72 00:10:03,894 --> 00:10:09,494 これも皆 そなたの お働き故じゃ。 73 00:10:11,885 --> 00:10:16,223 二夫にまみえぬのが 武士の妻の習いというに➡ 74 00:10:16,223 --> 00:10:26,223 夫を捨て 恥を捨てて よう この大奥まで参られた。 75 00:10:28,886 --> 00:10:35,225 <お伝の方様。 お二人の お子を持つ 上様のご側室。➡ 76 00:10:35,225 --> 00:10:42,900 この日 安子様は 新たなる敵に 出会われたのでございます> 77 00:10:42,900 --> 00:10:48,555 ♬~ (テーマ曲) 78 00:10:48,555 --> 00:10:55,879 ♬~ 79 00:10:55,879 --> 00:11:00,479 (お伝)さあ。 このお刀で ご自害なされませ。 80 00:11:02,553 --> 00:11:05,222 誰か! 誰か! 81 00:11:05,222 --> 00:11:11,895 あいにくと 女子たちは皆 宴で出払うておりまする。 82 00:11:11,895 --> 00:11:15,495 泣いても騒いでも 聞く者はありませぬ。 83 00:11:17,551 --> 00:11:25,851 仮に今 ここで 私が そなたの喉を 切り裂いても。 84 00:11:28,228 --> 00:11:32,216 お母上のあとを追って ご自害なされたと申せば➡ 85 00:11:32,216 --> 00:11:35,216 疑う者はおりますまい。 86 00:11:38,555 --> 00:11:42,559 (落雷) 87 00:11:42,559 --> 00:11:44,228 (女中たちの悲鳴) 88 00:11:44,228 --> 00:11:48,882 (綱吉)嫌じゃ! 嫌じゃ 嫌じゃ! わしは 雷が嫌いじゃ! 89 00:11:48,882 --> 00:11:53,482 おう 貸せ。 嫌じゃ! 90 00:11:55,222 --> 00:11:57,522 (侍女)御台様 こちらへ。 91 00:11:59,893 --> 00:12:01,493 (綱吉)ひゃー! 92 00:12:04,548 --> 00:12:07,551 (桂昌院)上様! 93 00:12:07,551 --> 00:12:11,221 天下の将軍が 何を慌てておいでじゃ。 94 00:12:11,221 --> 00:12:13,891 見苦しゅうございますぞ。 95 00:12:13,891 --> 00:12:15,559 (落雷) 96 00:12:15,559 --> 00:12:20,559 ひゃー! 恐ろしや! 恐ろしや! 97 00:12:22,566 --> 00:12:28,889 (綱吉)安子! 安子! 安子は どこじゃ!➡ 98 00:12:28,889 --> 00:12:32,489 安子! 安子! 99 00:12:34,228 --> 00:12:37,214 安子 そこにいたのか。 100 00:12:37,214 --> 00:12:40,551 上様。 安子様は お着替えの最中にございます。 101 00:12:40,551 --> 00:12:44,555 安子。 わしは 雷が嫌いじゃ。 恐ろしいのじゃ。➡ 102 00:12:44,555 --> 00:12:46,555 あーっ! 103 00:12:50,227 --> 00:12:55,215 お驚き召されるな。 上様は 癇の強いお方故➡ 104 00:12:55,215 --> 00:12:59,515 時に このようなことが ございます。 参りましょう。 105 00:13:08,562 --> 00:13:15,552 (綱吉)うわー! 嫌じゃ 嫌じゃ! 雷は嫌いじゃ! 106 00:13:15,552 --> 00:13:23,560 雷など いずれは止みまする。 (綱吉)安子! 安子! 107 00:13:23,560 --> 00:13:31,568 ♬~ 108 00:13:31,568 --> 00:13:45,215 ♬~ 109 00:13:45,215 --> 00:13:51,215 (安子)何故 そのように 雷が恐ろしいのでございますか。 110 00:13:57,911 --> 00:14:04,218 (綱吉)幼い頃 母上に 閉じ込められた。 111 00:14:04,218 --> 00:14:06,218 桂昌院様に? 112 00:14:09,556 --> 00:14:20,217 母上は 厳しい方じゃった。 わしが 「論語」の素読を怠けると➡ 113 00:14:20,217 --> 00:14:24,888 そんなことでは 天下人になれぬと 仰せになり➡ 114 00:14:24,888 --> 00:14:27,891 炭小屋に鍵をかけて➡ 115 00:14:27,891 --> 00:14:32,491 泣いても わめいても 外に出してはくださらなんだ。 116 00:14:35,215 --> 00:14:41,515 そのような折 近くに 雷が落ちてきた。 117 00:14:46,226 --> 00:14:53,226 わしは 恐ろしゅうて 気を失うた。 118 00:14:56,220 --> 00:15:02,820 そんな時でも 母上は 慰めてはくださらなんだ。 119 00:15:07,547 --> 00:15:12,552 (綱吉)これしきのことで 気を失うのは➡ 120 00:15:12,552 --> 00:15:15,852 武士としての 胆力に欠けると言うのじゃ。 121 00:15:19,893 --> 00:15:24,493 優しかったのは 阿久里だけじゃ。 122 00:15:29,219 --> 00:15:35,519 そうじゃ。 そなたの母の 阿久里じゃ。 123 00:15:39,880 --> 00:15:45,218 (徳松の泣き声) 124 00:15:45,218 --> 00:15:53,894 (徳松)⦅阿久里。 阿久里。 阿久里。 阿久里。 阿久里…⦆ 125 00:15:53,894 --> 00:16:00,194 わしは 阿久里が好きじゃった。 126 00:16:04,554 --> 00:16:10,554 安子。 なぜ 阿久里は 死んだのであろうの。 127 00:16:15,882 --> 00:16:22,882 わしは 阿久里を 喜ばせたかったのじゃ。 128 00:16:26,560 --> 00:16:32,215 阿久里にも 阿久里の嫁いだ 牧野にも➡ 129 00:16:32,215 --> 00:16:35,515 わしは ようしてやったではないか。 130 00:16:37,571 --> 00:16:48,548 何も 死ぬことはあるまい。 そうは思わぬか? のう。 131 00:16:48,548 --> 00:17:07,548 ♬~ 132 00:17:09,886 --> 00:17:13,223 (鈴の音) 133 00:17:13,223 --> 00:17:19,880 (お鈴番)上様 おなりー。 134 00:17:19,880 --> 00:17:39,549 ♬~ 135 00:17:39,549 --> 00:17:52,549 ♬~ 136 00:17:59,236 --> 00:18:03,557 (綱吉)母上。 安子のために 新しく あつらえました➡ 137 00:18:03,557 --> 00:18:07,227 打ち掛けにございます。 いかがにございます?➡ 138 00:18:07,227 --> 00:18:11,882 よう 似合うているでしょう。 (桂昌院)上様。➡ 139 00:18:11,882 --> 00:18:14,885 上様が 安子殿を お気に入られてることは➡ 140 00:18:14,885 --> 00:18:17,554 よう分かりました。➡ 141 00:18:17,554 --> 00:18:23,243 なれど 「論語」にある 古の 聖人の教えに従えば➡ 142 00:18:23,243 --> 00:18:29,900 お大事になさるべきは まず 御台所の信子様。➡ 143 00:18:29,900 --> 00:18:37,224 そして 世継ぎの御腹様に あたられる お伝の方様。➡ 144 00:18:37,224 --> 00:18:43,524 このお二人への お気遣いも お忘れなきように。 145 00:18:45,549 --> 00:18:49,553 (綱吉)それは もちろん 母上様 忘れてなどおりません。➡ 146 00:18:49,553 --> 00:18:54,558 御台。 そなたには この前の 寛永寺参拝の折に➡ 147 00:18:54,558 --> 00:18:59,229 西陣の小袖をやったな。 それから 伝。 148 00:18:59,229 --> 00:19:02,883 そなたには ほら あの…。 (お伝)上様。 149 00:19:02,883 --> 00:19:04,885 私などよりも まず➡ 150 00:19:04,885 --> 00:19:08,889 お母上に お気遣いを お示しになってくださいませ。➡ 151 00:19:08,889 --> 00:19:12,576 桂昌院様の お好きな 加賀友禅の小袖など➡ 152 00:19:12,576 --> 00:19:15,576 一つ おあつらえになって 差し上げては。 153 00:19:17,214 --> 00:19:22,219 お伝殿は さすが よう お気がつかれる。➡ 154 00:19:22,219 --> 00:19:27,557 人の子の母は やはり 違いますなあ。➡ 155 00:19:27,557 --> 00:19:35,557 ほほほ…。 はははは…。 ふふふふ…。 156 00:23:14,884 --> 00:23:16,884 (信子)安子殿。 157 00:23:30,216 --> 00:23:38,516 (安子)美しい ギヤマンですね。 (信子)上さんからの 頂き物です。 158 00:23:59,562 --> 00:24:02,562 (信子)虫ずが走る。 159 00:24:09,556 --> 00:24:12,559 そなたも しばらく 大奥に身を置いて➡ 160 00:24:12,559 --> 00:24:16,546 分からしゃったでしょう。 世辞も 追従も➡ 161 00:24:16,546 --> 00:24:21,885 ここで 飛び交う言葉には 何の意味もない。➡ 162 00:24:21,885 --> 00:24:26,222 大奥に 女子は百人 千人いても➡ 163 00:24:26,222 --> 00:24:30,522 御台所を敬う者は 一人もありませぬ。 164 00:24:35,548 --> 00:24:42,238 上さんも 今は そなたに ご執心なようやが➡ 165 00:24:42,238 --> 00:24:46,893 さあ それも いつまでですやろか。➡ 166 00:24:46,893 --> 00:24:52,549 もともと 中身のない ギヤマンのように うつろなお方です。 167 00:24:52,549 --> 00:24:56,219 あのお方が 心を移す度ごとに➡ 168 00:24:56,219 --> 00:25:00,573 女の骸が 一つ 増えるだけのこと。➡ 169 00:25:00,573 --> 00:25:02,573 されど 安子殿。 170 00:25:05,895 --> 00:25:13,887 本当に怖いのは 上さんよりも その後ろにおられる お方。 171 00:25:13,887 --> 00:25:18,887 (安子)それは? 桂昌院さんです。 172 00:25:21,561 --> 00:25:26,549 あのお方は 上さんよりも もっともっと怖い。 173 00:25:26,549 --> 00:25:31,221 水を張った箱庭に 蟻を何匹も放して➡ 174 00:25:31,221 --> 00:25:34,224 それを 遠くから 見下ろしておられるような➡ 175 00:25:34,224 --> 00:25:38,228 底意地の悪い お方じゃ。 176 00:25:38,228 --> 00:25:43,528 蟻の身になれば ここは 生き地獄です。 177 00:25:52,225 --> 00:25:55,562 事情は あらかた聞いています。 178 00:25:55,562 --> 00:26:00,550 そなた もしや 上さんと 差し違える覚悟で➡ 179 00:26:00,550 --> 00:26:03,550 大奥に おいでになったのでは? 180 00:26:06,890 --> 00:26:12,228 (信子)お隠しあるな。 もし さようなら➡ 181 00:26:12,228 --> 00:26:16,215 わたしも いざとなれば 加勢致します。 182 00:26:16,215 --> 00:26:23,215 弱い者同士 わたしには お心を お開きくださいませ。 183 00:26:44,560 --> 00:27:01,561 ♬~ 184 00:27:01,561 --> 00:27:04,897 (安子)⦅鬼は外!⦆ (家人)⦅鬼は外!⦆ 185 00:27:04,897 --> 00:27:08,217 (安子)⦅福は内!⦆ (家人)⦅福は内!⦆ 186 00:27:08,217 --> 00:27:11,554 (安子)⦅鬼は外!⦆ (家人)⦅鬼は外!⦆ 187 00:27:11,554 --> 00:27:15,892 (阿久里)⦅これで 十分です⦆ (成貞)⦅痛い痛い 痛い痛い⦆ 188 00:27:15,892 --> 00:27:24,192 ⦅あのお方が 心を移す度ごとに 女の骸が 一つ増えるだけのこと⦆ 189 00:27:25,885 --> 00:27:31,557 (成貞)⦅阿久里。 許せよ⦆ 190 00:27:31,557 --> 00:27:47,557 ♬~ 191 00:31:36,552 --> 00:31:40,223 (綱吉)どうじゃ 成住。 新しい勤めには 慣れたか? 192 00:31:40,223 --> 00:31:43,226 (成住)はは。 お陰さまにて➡ 193 00:31:43,226 --> 00:31:47,546 つつがなく 勤めさせて 頂いておりまする。 194 00:31:47,546 --> 00:31:49,846 (綱吉)新しい女房は どうじゃ? 195 00:31:52,885 --> 00:31:54,485 (成住)はっ。 196 00:31:56,889 --> 00:32:00,189 まだ 安子が恋しいのか? 197 00:32:04,230 --> 00:32:09,885 添うてみて 分かったが 安子は 確かに よい女子じゃ。 198 00:32:09,885 --> 00:32:14,485 そなたが むくれる気持ちも 分からぬではない。 199 00:32:17,893 --> 00:32:22,214 よし。 会わせてやろう。➡ 200 00:32:22,214 --> 00:32:25,885 安子も そろそろ 里心のつく頃じゃ。➡ 201 00:32:25,885 --> 00:32:29,485 そなたに会えば 気も紛れるであろう。 202 00:32:31,557 --> 00:32:34,226 (太鼓の音) 203 00:32:34,226 --> 00:32:38,226 (美吉野)秀尾山! (秀尾)はい! 204 00:32:39,882 --> 00:32:45,482 (美吉野)小桜! (女中たち)小桜ー! 小桜ー! 205 00:32:51,894 --> 00:32:54,547 (葛原)見合って 見合って 見合って!➡ 206 00:32:54,547 --> 00:32:57,566 はっけよーい のこった! 207 00:32:57,566 --> 00:33:03,566 (太鼓の音と声援) 208 00:33:11,547 --> 00:33:15,551 (綱吉)よし! そこじゃ 行け! いいぞ! あっ ああっ…。➡ 209 00:33:15,551 --> 00:33:19,551 よし よし よし! 押せ! 押せ! 押せー! 210 00:33:24,560 --> 00:33:27,546 (綱吉)はははは…。 211 00:33:27,546 --> 00:33:32,551 (葛岡)秀尾山~。 (綱吉)秀尾山に 褒美を取らす。 212 00:33:32,551 --> 00:33:35,151 (秀尾)えっ! あっ…。 (綱吉)これへ。 213 00:33:44,880 --> 00:33:46,880 (秀尾)ははっ。 214 00:34:00,546 --> 00:34:03,549 驚いたか。➡ 215 00:34:03,549 --> 00:34:08,220 そなたらも たまには 話がしたかろうと思うての。➡ 216 00:34:08,220 --> 00:34:10,220 わしが呼んだのじゃ。 217 00:34:19,882 --> 00:34:22,482 待て。 わしが 行事をしてやろう。 218 00:34:28,891 --> 00:34:33,562 成住。 別間に 茶席が用意してある。 219 00:34:33,562 --> 00:34:37,162 あとから参る故 二人 そこにおるがよい。 220 00:34:43,556 --> 00:34:48,561 (綱吉)見合って 見合って! はっけよい のこった! 221 00:34:48,561 --> 00:34:52,561 (太鼓の音と声援) 222 00:35:06,228 --> 00:35:09,528 健勝そうで よかった。 223 00:35:12,885 --> 00:35:16,889 そなたは 上様のお覚えが めでたいようじゃ。 224 00:35:16,889 --> 00:35:20,489 そなたが幸せなら わたしは それでよい。 225 00:35:24,880 --> 00:35:28,217 わたしの取り越し苦労やも 知れぬが➡ 226 00:35:28,217 --> 00:35:36,559 もしも 事を起こす気なら やめておけ。 忘れろ。 227 00:35:36,559 --> 00:35:42,548 成住様。 今の幸せが 何よりじゃ。 228 00:35:42,548 --> 00:35:51,223 なぜ そのようなことを。 私は この大奥に来て➡ 229 00:35:51,223 --> 00:35:56,896 一度たりと 幸せであったことなど ありませぬ。 230 00:35:56,896 --> 00:36:01,884 私が 上様の仰せに 従うておりますのは➡ 231 00:36:01,884 --> 00:36:06,484 ひとえに あなたの身の ご安泰を願えばこそにございます。 232 00:36:11,560 --> 00:36:17,560 聞けば 新しく 奥方を迎えられたとか。 233 00:36:19,552 --> 00:36:26,225 成住様こそ 何もかも忘れて➡ 234 00:36:26,225 --> 00:36:31,230 これよりは お幸せに お過ごしくださいませ。 235 00:36:31,230 --> 00:36:39,572 安子。 そなたなしに わたしの幸せなどあろうか。➡ 236 00:36:39,572 --> 00:36:44,894 一度は 家を捨て この身さえ 捨てようと思うたが➡ 237 00:36:44,894 --> 00:36:47,546 牧野の養子だった間➡ 238 00:36:47,546 --> 00:36:51,217 義父上への義理もあって 果たせなんだ。 239 00:36:51,217 --> 00:37:00,559 しかし そなたを失うた今 生きていて 何の意味がある。 240 00:37:00,559 --> 00:37:03,562 いっそ…。 ならば…! 241 00:37:03,562 --> 00:37:07,562 私を 道連れにしてくださいませ。 242 00:37:12,221 --> 00:37:26,821 私も 同じ思いにございます。 あなたこそ 私の夫。 243 00:37:30,556 --> 00:37:43,156 あなたの手に掛かれば 本望です。 今 ここで 私と差し違えて。 244 00:37:48,223 --> 00:37:51,560 ≪(小山)間もなく 上様の おなりにございます。 245 00:37:51,560 --> 00:37:58,560 今 申したこと 本気か。 はい。 246 00:41:48,547 --> 00:41:53,547 (鈴の音) 247 00:42:07,883 --> 00:42:11,483 (綱吉)いかがであった? 水入らずの逢瀬は。 248 00:42:14,223 --> 00:42:15,823 (安子)はい。 249 00:42:21,880 --> 00:42:25,480 (綱吉)今日の そなたは とりわけ 美しい。 250 00:42:30,556 --> 00:42:36,556 まさか あの わずかの間に 成住に抱かれたのではあるまいの。 251 00:42:38,230 --> 00:42:40,830 そのようなことは ございませぬ。 252 00:42:42,551 --> 00:42:46,151 無論じゃ。 ある訳がない。 253 00:43:04,890 --> 00:43:09,227 <安子様は お幸せだったのでございます。➡ 254 00:43:09,227 --> 00:43:13,882 体は そこにいても もう 心は この世を離れ➡ 255 00:43:13,882 --> 00:43:20,482 夫 成住様のもとにある。 そう信じておられました故> 256 00:43:27,562 --> 00:43:32,217 <それから間もなく 寛永寺 ご参拝という➡ 257 00:43:32,217 --> 00:43:37,239 またとない好機が 巡って参りました> 258 00:43:37,239 --> 00:43:50,886 ♬~ 259 00:43:50,886 --> 00:43:52,888 (僧)こちらにございます。 260 00:43:52,888 --> 00:44:12,574 ♬~ 261 00:44:12,574 --> 00:44:32,561 ♬~ 262 00:44:32,561 --> 00:44:50,896 ♬~ 263 00:44:50,896 --> 00:44:54,496 怖くはないか? はい。 264 00:44:56,551 --> 00:45:02,908 これからは ずっと あなたの お側にいられるのです。 265 00:45:02,908 --> 00:45:06,895 安子は うれしゅうございます。 266 00:45:06,895 --> 00:45:08,895 そうか。 267 00:45:31,219 --> 00:45:35,519 行くぞ。 わたしも すぐ あとに参る。 268 00:45:37,559 --> 00:45:39,159 はい。 269 00:45:49,888 --> 00:45:51,556 うっ。 270 00:45:51,556 --> 00:45:54,559 (安子の せきこみ) 271 00:45:54,559 --> 00:45:56,561 どうした? 272 00:45:56,561 --> 00:46:00,561 申し訳ございませぬ。 うっ…。 273 00:46:04,569 --> 00:46:09,891 安子…。 もしや? 274 00:46:09,891 --> 00:46:25,223 ♬~ 275 00:46:25,223 --> 00:46:27,523 あなたの子ではない。 276 00:46:30,562 --> 00:46:35,217 愛おしゅうもない男の子を はらんだとて➡ 277 00:46:35,217 --> 00:46:42,517 何で 命が惜しかりましょう。 安子の気持ちは 変わりませぬ。 278 00:46:44,559 --> 00:46:51,559 (安子)さあ! ひと思いに 突いてくだされ! さあ! 279 00:46:53,885 --> 00:46:55,887 さあ 早く! 280 00:46:55,887 --> 00:47:02,561 ♬~ 281 00:47:02,561 --> 00:47:20,228 ♬~ 282 00:47:20,228 --> 00:47:22,228 成住様。 283 00:47:26,885 --> 00:47:28,553 (家臣)己! (成住)うわっ! 284 00:47:28,553 --> 00:47:32,574 成住様! (家臣)お覚悟 召され! 285 00:47:32,574 --> 00:47:40,549 成住め。 情けを仇で返しおって。 286 00:47:40,549 --> 00:47:44,903 (桂昌院)打ち首を お申しつけくださいませ。➡ 287 00:47:44,903 --> 00:47:46,888 上様! 288 00:47:46,888 --> 00:48:02,554 ♬~ 289 00:48:02,554 --> 00:48:12,547 ♬~ 290 00:48:12,547 --> 00:48:23,547 ♬~ 291 00:48:32,217 --> 00:48:37,217 (染子)殿。 あのお方は どうなされたのです? 292 00:48:40,225 --> 00:48:44,525 案ずるな。 そなたには かかわりないことじゃ。 293 00:48:53,888 --> 00:48:58,488 (草庵)先刻 お調べしましたが ご懐妊は 確かにございます。 294 00:49:00,562 --> 00:49:02,562 さようか。 295 00:49:04,215 --> 00:49:06,885 (桂昌院)お手柄にございますな。 296 00:49:06,885 --> 00:49:14,225 城に戻られたら つわりによい くず湯でも差し上げましょう。 297 00:49:14,225 --> 00:49:16,895 お咎めはないのですか。 298 00:49:16,895 --> 00:49:24,219 あなた様は 寛永寺参拝に 出向かれ 無事に戻られた。 299 00:49:24,219 --> 00:49:28,223 それだけのことに ございます。 300 00:49:28,223 --> 00:49:34,562 天下の お世継ぎを宿された方が 男と出奔するような➡ 301 00:49:34,562 --> 00:49:40,218 愚かしい真似を なさるはずがございませぬ。➡ 302 00:49:40,218 --> 00:49:41,818 さあ。 303 00:49:52,230 --> 00:49:54,230 (安子)桂昌院様。 304 00:49:58,553 --> 00:50:01,222 後生にございます。 305 00:50:01,222 --> 00:50:06,895 どうか 成住様のお命だけは お召し上げくださいますな。 306 00:50:06,895 --> 00:50:15,195 私は どうなっても かまいませぬ。 どうか…。 どうか夫の命だけは。 307 00:50:18,223 --> 00:50:21,223 夫とは 何のことです? 308 00:50:24,229 --> 00:50:30,885 そなたには 夫などない。 成住などという男➡ 309 00:50:30,885 --> 00:50:34,185 初めから この世には いなかったのです。 310 00:50:36,558 --> 00:50:41,858 (桂昌院)さあ 行きましょう。 ≪(成住)お待ちくだされ! 311 00:50:43,548 --> 00:50:45,216 あっ! 312 00:50:45,216 --> 00:50:47,552 (成住)武士の 最後の頼みにございます! 313 00:50:47,552 --> 00:50:51,852 今生の別れに ひと目 妻の顔を 拝ませて頂きたい! 314 00:51:02,567 --> 00:51:05,887 いいでしょう。 (安子)成住様! 315 00:51:05,887 --> 00:51:12,227 (成住)安子! よう聞け。 そなたは生きぬけ。 316 00:51:12,227 --> 00:51:17,549 わたしは 最後まで そなたを 守りきることが できなんだ。 317 00:51:17,549 --> 00:51:22,237 それも これも 一介の武士である わたしに➡ 318 00:51:22,237 --> 00:51:27,225 上様の仰せに 盾つく力が なかったからじゃ。 319 00:51:27,225 --> 00:51:32,525 そなたは強くなれ。 力を持て。 320 00:51:34,215 --> 00:51:39,888 人に指図される側ではなく 指図する側になれ。 321 00:51:39,888 --> 00:51:47,888 そして そなた自身と そなたの子を 守りぬけ。 322 00:51:50,882 --> 00:51:58,182 わたしは負けた。 だが そなたは勝て。 323 00:52:06,881 --> 00:52:08,881 成住様…。 324 00:52:16,224 --> 00:52:20,562 (侍女)安子様。 (侍女)安子様。 さあ。 325 00:52:20,562 --> 00:52:22,881 (安子)ああ 成住様! (侍女)お静かに。 326 00:52:22,881 --> 00:52:29,554 成住様! 成住様! 成住様…。 327 00:52:29,554 --> 00:52:48,239 ♬~ 328 00:52:48,239 --> 00:52:50,558 (侍女)安子様! 329 00:52:50,558 --> 00:52:52,560 成住様! 330 00:52:52,560 --> 00:53:12,547 ♬~ 331 00:53:12,547 --> 00:53:17,218 ♬~ 332 00:53:17,218 --> 00:53:19,518 (柳沢)おかわいそうに。 333 00:53:21,556 --> 00:53:26,556 (柳沢)辛き事 憂い事 多い世にございますな。 334 00:53:29,547 --> 00:53:33,547 私でよければ お味方になりまする。 335 00:53:37,906 --> 00:53:42,577 <この時 悲しみのふちに おられた 安子様は➡ 336 00:53:42,577 --> 00:53:47,882 上様のお子を 身ごもったことの 天地を変えるほどの意味に➡ 337 00:53:47,882 --> 00:53:52,554 まだ お気づきでは なかったのでございます> 338 00:53:52,554 --> 00:53:55,554 (お伝)何!? あの女が身ごもった!? 339 00:53:58,893 --> 00:54:00,893 懐妊とな。 340 00:54:05,550 --> 00:54:12,557 <そして 大きな敵が動き出した そのことにも> 341 00:54:12,557 --> 00:54:22,557 ♬~