1 00:00:38,469 --> 00:00:43,474 <(村瀬)三代将軍 徳川家光公の治世…> 2 00:00:43,474 --> 00:00:46,794 <ある異変が起こった> 3 00:00:46,794 --> 00:00:53,801 <国中に広がった赤面疱瘡のため 若い男は次々と命を落とし> 4 00:00:53,801 --> 00:00:56,804 <皮肉にも この国難が> 5 00:00:56,804 --> 00:01:00,475 <お二人を 運命の出会いへと導いた> 6 00:01:00,475 --> 00:01:04,145 (家光)わしだって すき好んで こんな なりをして 7 00:01:04,145 --> 00:01:07,115 大奥に息を潜めるように 生きてるわけではないぞ! 8 00:01:07,115 --> 00:01:10,134 (有功)私だって そうや 9 00:01:10,134 --> 00:01:14,734 あなたのために こないなとこに 連れて来られたのやないか 10 00:01:16,791 --> 00:01:20,461 ご自分だけが つらい思いをしてるとお思いなら 11 00:01:20,461 --> 00:01:23,231 それは大間違いや! 12 00:01:23,231 --> 00:01:26,634 <私の救わなければ ならないお方は> 13 00:01:26,634 --> 00:01:30,121 <ずっと目の前に おられたんや> 14 00:01:30,121 --> 00:01:34,142 <目の前で こないに 私に すがって> 15 00:01:34,142 --> 00:01:37,128 <もがき苦しんではる方が> 16 00:01:37,128 --> 00:01:41,128 <たった一人 おられるやないか> 17 00:01:53,828 --> 00:01:55,880 (矢の放たれる音) 18 00:01:55,880 --> 00:01:58,480 ≪(男達)お見事! 19 00:02:17,785 --> 00:02:19,837 お見事! 20 00:02:19,837 --> 00:02:22,457 (村瀬)お見事でございます 有功様 21 00:02:22,457 --> 00:02:25,793 世辞はいらぬ 正資 何をおっしゃいます 22 00:02:25,793 --> 00:02:28,796 一年で よくぞ ここまで上達なされたと 23 00:02:28,796 --> 00:02:31,799 指南役の清成様も 申しておりましたぞ 24 00:02:31,799 --> 00:02:35,803 それがまことなら 全て 清成殿の指導のおかげだ 25 00:02:35,803 --> 00:02:41,476 弓道は剣術と違い 人を傷つけずに 的を射るだけだと思うて始めたが 26 00:02:41,476 --> 00:02:43,861 なかなか奥が深く 面白い 27 00:02:43,861 --> 00:02:47,782 剣術だとて 筋が悪うは ございませぬのに 惜しいことです 28 00:02:47,782 --> 00:02:50,782 いや もう剣術では 玉栄にかなわぬ 29 00:02:52,804 --> 00:02:55,790 もしかすると 私よりも大奥へ なじんだのは 30 00:02:55,790 --> 00:02:58,790 あの子のほうだったかもしれぬな 31 00:03:04,449 --> 00:03:06,467 あッ→ 32 00:03:06,467 --> 00:03:08,469 まいった 玉栄 まいった! 33 00:03:08,469 --> 00:03:10,469 (澤村)それまで 34 00:03:11,472 --> 00:03:13,791 (玉栄)なら次や さあ次は? 35 00:03:13,791 --> 00:03:16,144 俺は まだまだや 誰ぞ! 36 00:03:16,144 --> 00:03:18,744 よし では次は俺だ! 37 00:03:20,465 --> 00:03:22,465 ≪(澤村)始め! 38 00:03:25,470 --> 00:03:28,856 有功様 次は弓も お教えくださいませ 39 00:03:28,856 --> 00:03:31,856 いや 私など とても教えられぬ 40 00:03:37,799 --> 00:03:41,135 おお 玉栄 また背が伸びたのではないか? 41 00:03:41,135 --> 00:03:45,173 御膳所の伊助に たけのこより 早う伸びると言われたわ 42 00:03:45,173 --> 00:03:47,725 去年 初めて お主を見たときは→ 43 00:03:47,725 --> 00:03:50,628 童といってもいいような 顔つきであったがの 44 00:03:50,628 --> 00:03:53,131 有功様 45 00:03:53,131 --> 00:03:56,801 次のご講義の詳しい日取りを 教えてくださいませ 46 00:03:56,801 --> 00:04:00,788 講義などと そのように 大げさなものではないのだ 47 00:04:00,788 --> 00:04:04,792 いいえ あなた様のお言葉に 耳を傾ける ひとときが→ 48 00:04:04,792 --> 00:04:07,795 どれほど 慰めになっておりますことか 49 00:04:07,795 --> 00:04:11,132 江戸城で上様を お守りするといっても 戦も無く 50 00:04:11,132 --> 00:04:15,732 大奥で鬱々と暮らさねばならない 我らでございますれば… 51 00:04:19,123 --> 00:04:22,794 相分かった これからは月のうち 52 00:04:22,794 --> 00:04:25,663 五の付く日に集うこととしよう 53 00:04:25,663 --> 00:04:28,716 はッ すぐに皆に申し伝えます 54 00:04:28,716 --> 00:04:32,136 きっと大いに 喜ぶことでございましょう 55 00:04:32,136 --> 00:04:34,436 では 56 00:04:45,466 --> 00:04:47,468 正勝 (稲葉)はッ 57 00:04:47,468 --> 00:04:52,140 確か長崎の中に キリシタンを ひとところに留め置くため 58 00:04:52,140 --> 00:04:54,809 小さな島をつくったはず 59 00:04:54,809 --> 00:04:57,812 はあ 出島でございますか? 60 00:04:57,812 --> 00:05:02,112 その出島に オランダの商館を 移したらどうか? 61 00:05:04,468 --> 00:05:07,138 そして同じ商館長が一年以上 62 00:05:07,138 --> 00:05:10,141 日本に とどまることを 禁じてしまえ 63 00:05:10,141 --> 00:05:14,145 しかし そのような 厳しい取り決めを オランダは… 64 00:05:14,145 --> 00:05:16,113 受け入れる 65 00:05:16,113 --> 00:05:19,116 幕府がポルトガル船の来航を 禁じたゆえ 66 00:05:19,116 --> 00:05:23,454 オランダは我が国との貿易を 独占できたのだぞ 67 00:05:23,454 --> 00:05:27,792 オランダが この権益を 手放すはずがない 68 00:05:27,792 --> 00:05:30,127 確かに 69 00:05:30,127 --> 00:05:33,464 面白いのう 70 00:05:33,464 --> 00:05:38,135 我が国は まるで籠の中に入ったように 71 00:05:38,135 --> 00:05:41,138 外の国からは見えぬようになる 72 00:05:41,138 --> 00:05:44,959 まさに この大奥のようじゃ 73 00:05:44,959 --> 00:05:46,961 のう 正勝 74 00:05:46,961 --> 00:05:49,061 はッ 確かに 75 00:05:51,132 --> 00:05:56,637 正勝は 「確かに 確かに」 そればかりじゃのう 76 00:05:56,637 --> 00:05:59,737 上様 よいよい 77 00:06:00,808 --> 00:06:05,446 で 赤面疱瘡だが 78 00:06:05,446 --> 00:06:08,115 まだ おさまらぬか? 79 00:06:08,115 --> 00:06:12,136 はッ おさまるどころか 一家に一人の男子が→ 80 00:06:12,136 --> 00:06:15,122 成人することさえ まれでございます→ 81 00:06:15,122 --> 00:06:18,542 民 百姓ばかりでなく 大名家においても→ 82 00:06:18,542 --> 00:06:22,463 世継ぎに死なれて難渋する藩が 次々と出てきております 83 00:06:22,463 --> 00:06:26,133 それは また好都合 84 00:06:26,133 --> 00:06:30,621 はッ? ああん 鈍いのう 85 00:06:30,621 --> 00:06:34,141 幕府にとって 脅威となる強大な大名が 86 00:06:34,141 --> 00:06:37,141 世継ぎを立てられぬとなれば… 87 00:06:38,145 --> 00:06:42,183 ああ それを機に その大名家を 88 00:06:42,183 --> 00:06:47,483 そうじゃ 取り潰すことができるではないか 89 00:06:48,456 --> 00:06:51,459 なるほど 90 00:06:51,459 --> 00:06:56,464 しかし 養子をとるという 手もございます 91 00:06:56,464 --> 00:07:01,802 養子をとるには 幕府の許しが要るであろう 92 00:07:01,802 --> 00:07:04,402 許しを出さねばよいのだ 93 00:07:05,456 --> 00:07:08,125 どうじゃ どうじゃ 94 00:07:08,125 --> 00:07:11,462 徳川の支配は これで盤石 95 00:07:11,462 --> 00:07:16,801 わしのほうが正勝より 政は上手じゃ 96 00:07:16,801 --> 00:07:19,136 まことに 97 00:07:19,136 --> 00:07:22,139 まことに そのご聡明さ 98 00:07:22,139 --> 00:07:25,739 亡きお父上様に よう似ておられます 99 00:07:29,130 --> 00:07:31,730 嬉しゅうない 100 00:07:32,800 --> 00:07:36,470 上様 お父上様は 101 00:07:36,470 --> 00:07:40,141 将軍として ご立派なお方であられたのですぞ 102 00:07:40,141 --> 00:07:43,144 もし あなた様が 男子であられたら どんなにか… 103 00:07:43,144 --> 00:07:46,147 わしは どうせ 104 00:07:46,147 --> 00:07:49,116 将軍ではない 105 00:07:49,116 --> 00:07:55,790 しかし そなたと こうして政について話すのは 106 00:07:55,790 --> 00:07:59,090 よい退屈しのぎになる 107 00:08:00,127 --> 00:08:02,780 わしも そなたも 108 00:08:02,780 --> 00:08:06,467 本来 この世に いてはならぬ者同士 109 00:08:06,467 --> 00:08:11,288 この大奥で 無聊をかこっているのだから 110 00:08:11,288 --> 00:08:14,788 上様… 111 00:08:17,144 --> 00:08:21,132 上様 失礼つかまつります 112 00:08:21,132 --> 00:08:23,732 有功か? 113 00:08:31,175 --> 00:08:36,475 はッ 有功 ただいま戻りましてございます 114 00:08:47,491 --> 00:08:52,480 海とは そのように美しいものか 115 00:08:52,480 --> 00:08:59,080 はい 寄せては返す波の音も まことに心地よく… 116 00:09:00,121 --> 00:09:05,526 「ざあ ざあ」と 117 00:09:05,526 --> 00:09:08,826 音曲のようでございました 118 00:09:10,131 --> 00:09:13,801 一度 見てみたいものだ 119 00:09:13,801 --> 00:09:16,220 そなたと 120 00:09:16,220 --> 00:09:18,220 はい 121 00:09:19,123 --> 00:09:21,459 有功 122 00:09:21,459 --> 00:09:25,129 わしが世継ぎを産みさえすれば 123 00:09:25,129 --> 00:09:29,133 わしも そなたも 用済みになるのであろう? 124 00:09:29,133 --> 00:09:31,433 はい 125 00:09:35,172 --> 00:09:38,242 大奥を出られる日が 126 00:09:38,242 --> 00:09:41,242 いつか来るかもしれぬな 127 00:09:48,135 --> 00:09:50,805 はい 128 00:09:50,805 --> 00:09:54,141 そのときは まっすぐに 129 00:09:54,141 --> 00:09:56,441 海へ行こう 130 00:09:58,179 --> 00:10:00,214 はい 131 00:10:00,214 --> 00:10:04,214 爺と婆になっておるかもしれぬが 132 00:10:09,140 --> 00:10:13,477 まことに そんな日が来ないだろうか 133 00:10:13,477 --> 00:10:15,779 上様 134 00:10:15,779 --> 00:10:18,779 もう おやすみなさいませ 135 00:10:20,468 --> 00:10:26,140 夢を見るぞ 海の夢を 136 00:10:26,140 --> 00:10:28,740 はい 137 00:10:36,450 --> 00:10:39,787 有功 138 00:10:39,787 --> 00:10:42,387 眠ったか? 139 00:10:43,474 --> 00:10:48,474 いいえ 何でございましょう 140 00:10:50,781 --> 00:10:54,468 あの… 141 00:10:54,468 --> 00:11:00,140 昼間 わしが 正勝と話していたこと 142 00:11:00,140 --> 00:11:03,740 聞いていたのであろう? 143 00:11:07,114 --> 00:11:11,114 わしを 嫌いになったりしないかえ? 144 00:11:14,138 --> 00:11:17,474 そなたが 人のどういうところを嫌うのか 145 00:11:17,474 --> 00:11:20,127 わしにも分かってきたのじゃ 146 00:11:20,127 --> 00:11:22,897 けれど どうすれば 147 00:11:22,897 --> 00:11:25,799 そなたに 好かれるよう振る舞えるのか 148 00:11:25,799 --> 00:11:28,469 わしには まだよう分からぬ 149 00:11:28,469 --> 00:11:31,138 そなたには嫌われとうない 150 00:11:31,138 --> 00:11:34,438 何をおっしゃるかと思えば… 151 00:11:37,127 --> 00:11:40,130 私が上様を嫌うなどと 152 00:11:40,130 --> 00:11:44,134 そのようなことは あるわけがございませぬ 153 00:11:44,134 --> 00:11:46,470 まことに? 154 00:11:46,470 --> 00:11:48,770 まことに!? 155 00:11:49,807 --> 00:11:54,478 この髢も 江戸の娘らから 奪った髪ではないぞ 156 00:11:54,478 --> 00:11:58,148 以前 そなたが怒ったゆえ きちんと金を出して 157 00:11:58,148 --> 00:12:01,785 伝右衛門に買ってもらった それなら よいのであろう 158 00:12:01,785 --> 00:12:05,785 なッ? はい ようお似合いです 159 00:12:06,807 --> 00:12:09,407 まことか? 160 00:12:11,178 --> 00:12:14,798 紅も おしろいも 161 00:12:14,798 --> 00:12:19,798 昼間に お召しの打ち掛けも お似合いでございました 162 00:12:21,455 --> 00:12:23,457 けれど そのお姿 163 00:12:23,457 --> 00:12:27,461 春日局様は 何も 仰せにはなりませんでしたか? 164 00:12:27,461 --> 00:12:30,497 わしだって心得ておる 165 00:12:30,497 --> 00:12:33,133 このなりのときは 166 00:12:33,133 --> 00:12:36,453 春日殿どころか 部屋さえも出ぬわ 167 00:12:36,453 --> 00:12:39,790 春日も初めは 文句を申しておったが 168 00:12:39,790 --> 00:12:42,810 今は静かなものよ 169 00:12:42,810 --> 00:12:46,410 なら よいのでございますが 170 00:12:48,465 --> 00:12:51,135 もともと父上は 171 00:12:51,135 --> 00:12:55,139 化粧をし 女のなりをして 役者を呼び 172 00:12:55,139 --> 00:12:59,810 歌や踊りに 興じることが お好きでおられた 173 00:12:59,810 --> 00:13:03,410 下々にも有名な話よ 174 00:13:04,465 --> 00:13:07,134 わしが同じことをしたとて 175 00:13:07,134 --> 00:13:10,134 何の不都合もあるまい 176 00:13:18,479 --> 00:13:21,131 有功 177 00:13:21,131 --> 00:13:24,134 目が悲しそうじゃ 178 00:13:24,134 --> 00:13:27,434 わしが 意地の悪い言い方をしたからか? 179 00:13:50,477 --> 00:13:54,477 あなた様が好きや 180 00:13:57,568 --> 00:14:00,168 有功… 181 00:14:09,129 --> 00:14:12,129 好きや… 182 00:14:16,503 --> 00:14:19,803 好きや 183 00:14:29,616 --> 00:14:43,416 ♪♪~ 184 00:16:31,939 --> 00:16:35,092 (村瀬)それはそれは お二人とも 仲むつまじいご様子で→ 185 00:16:35,092 --> 00:16:38,529 見ている我らも ほほえましいというか 186 00:16:38,529 --> 00:16:40,430 有功様は 何と申しますか 187 00:16:40,430 --> 00:16:43,433 一回りも 二回りも たくましうなられ 188 00:16:43,433 --> 00:16:46,436 大奥の者の多くが 慕っております 189 00:16:46,436 --> 00:16:50,090 何より 上様の あのお変わりよう 190 00:16:50,090 --> 00:16:53,690 別人のごとく 穏やかになられ… 191 00:17:02,436 --> 00:17:05,439 確かに上様は この大奥から 192 00:17:05,439 --> 00:17:08,425 一歩も出られたことが ないにもかかわらず 193 00:17:08,425 --> 00:17:12,863 政に関する見識も驚くほどに… (春日)そんなことはよいのじゃ 194 00:17:12,863 --> 00:17:17,100 有功を お側に召されて一年ぞ 195 00:17:17,100 --> 00:17:19,770 にもかかわらず 196 00:17:19,770 --> 00:17:23,590 いまだ上様に ご懐妊の兆しが 見えぬとは 由々しきこと 197 00:17:23,590 --> 00:17:25,609 では ございますが 198 00:17:25,609 --> 00:17:28,679 それでは 何の意味もないのじゃ! 199 00:17:28,679 --> 00:17:32,779 考えてもみよ 何のための有功か! 200 00:17:35,819 --> 00:17:38,422 まったく 201 00:17:38,422 --> 00:17:41,722 何のために ここまでの苦労を 202 00:17:43,760 --> 00:17:48,360 このままでは 家光公のお血筋は… 203 00:17:51,635 --> 00:17:56,206 「白玉か何ぞと人の問ひしとき」 204 00:17:56,206 --> 00:18:01,206 「露と答へて消なましものを」 205 00:18:03,814 --> 00:18:07,100 ことば書きを省いてあるので 分からぬが 206 00:18:07,100 --> 00:18:12,456 これは つまり 実話に基づく恋の歌なのだ 207 00:18:12,456 --> 00:18:16,109 ある高貴な女性と恋に落ちた男が 208 00:18:16,109 --> 00:18:20,109 姫を盗み出し 駆け落ちをする 209 00:18:29,089 --> 00:18:34,761 深窓の姫は 月光に光る 草の露も見たことがなく 210 00:18:34,761 --> 00:18:39,082 「あれは真珠か?」と男に尋ねる 211 00:18:39,082 --> 00:18:42,436 男は答える余裕もなかったが 212 00:18:42,436 --> 00:18:46,106 その夜 姫は現れた鬼に 213 00:18:46,106 --> 00:18:49,706 一瞬のうちに食われてしまうのだ 214 00:18:51,428 --> 00:18:53,463 本当は追っ手が来て 215 00:18:53,463 --> 00:18:57,434 姫は取り戻されてしまった ということだろう 216 00:18:57,434 --> 00:19:01,438 その後 姫は帝の妃になられ 217 00:19:01,438 --> 00:19:06,426 永久に男の手の届かぬ人となる 218 00:19:06,426 --> 00:19:09,429 そして 男は嘆く 219 00:19:09,429 --> 00:19:12,766 「あれは真珠か?」と問われたとき 220 00:19:12,766 --> 00:19:15,435 「あれは露です」と答え 221 00:19:15,435 --> 00:19:17,437 いっそ露のように 222 00:19:17,437 --> 00:19:22,037 二人 一緒に 消えてしまえばよかった… と 223 00:19:25,445 --> 00:19:30,100 では 今日は ここまでとしよう 224 00:19:30,100 --> 00:19:34,104 (一同)ありがとうございました 225 00:19:34,104 --> 00:19:36,704 素晴らしかったなあ 226 00:19:45,098 --> 00:19:48,101 (稲葉)盛況でございますな 227 00:19:48,101 --> 00:19:50,771 正勝殿 228 00:19:50,771 --> 00:19:52,771 玉栄 229 00:20:08,105 --> 00:20:11,108 皆 これほど学問に 飢えていたとは 230 00:20:11,108 --> 00:20:13,093 いや 学問などと 231 00:20:13,093 --> 00:20:17,531 諸子百家や漢詩なら いざ知らず 物語や詩歌までも 232 00:20:17,531 --> 00:20:20,767 ただ思うところを 語るだけの集いゆえ 233 00:20:20,767 --> 00:20:24,154 某も加わりたいが 234 00:20:24,154 --> 00:20:27,758 頭巾をかぶって… 235 00:20:27,758 --> 00:20:31,758 というわけにもいきませぬな 236 00:20:36,099 --> 00:20:40,470 今日も 上様のご機嫌は 麗しうあらせられるか? 237 00:20:40,470 --> 00:20:45,108 はい ことのほか 麗しうあらせられます 238 00:20:45,108 --> 00:20:48,128 有功殿と昼げの後に 239 00:20:48,128 --> 00:20:51,698 お庭を ご散策されたい とのことでございます 240 00:20:51,698 --> 00:20:54,498 心得た 241 00:20:55,769 --> 00:21:01,069 では 失礼つかまつります 242 00:21:03,110 --> 00:21:08,515 正勝殿 いかがされた? はッ? 243 00:21:08,515 --> 00:21:11,115 どことなく ご様子が… 244 00:21:14,754 --> 00:21:18,754 いや 余計なことを申した 245 00:21:21,428 --> 00:21:26,366 今日は 命日なのです 246 00:21:26,366 --> 00:21:30,166 命日? どなたの… 247 00:21:33,507 --> 00:21:38,107 某ので… ございます 248 00:21:48,421 --> 00:21:52,609 《≪(春日)そなた 代わりに死ね》 249 00:21:52,609 --> 00:21:57,097 《そなたは 上様の着物を着 顔を頭巾で隠して》 250 00:21:57,097 --> 00:21:59,397 《上様として生きるのじゃ》 251 00:23:42,786 --> 00:23:47,107 (読経) 252 00:23:47,107 --> 00:23:52,107 (読経が続く) 253 00:24:15,752 --> 00:24:17,754 (雪)お義母上 254 00:24:17,754 --> 00:24:21,054 お待ちくださいませ お義母上 255 00:24:24,094 --> 00:24:28,098 何ぞ 用でございますか? 256 00:24:28,098 --> 00:24:31,768 あの… あの 257 00:24:31,768 --> 00:24:35,068 急ぐゆえ 早う申されませ 258 00:24:38,758 --> 00:24:44,431 多少なりとも 鶴千代 野乃に お声を掛けていただけませぬか 259 00:24:44,431 --> 00:24:47,434 あの子らは おばば様に お目にかかるのを 260 00:24:47,434 --> 00:24:50,034 楽しみにしておりました 261 00:24:51,104 --> 00:24:57,093 先ほど 大きゅうなったと 声は掛けませなんだか? 262 00:24:57,093 --> 00:25:01,097 あれだけでは不満でございますか 263 00:25:01,097 --> 00:25:04,697 (雪)いえ… 264 00:25:10,090 --> 00:25:13,760 そなたの年には 私は もう 265 00:25:13,760 --> 00:25:16,429 夫と別れ 266 00:25:16,429 --> 00:25:21,101 上様の乳母となる 決心をしました 267 00:25:21,101 --> 00:25:23,753 そなたも母として 268 00:25:23,753 --> 00:25:27,090 亡き正勝の嫁として 269 00:25:27,090 --> 00:25:30,690 いま少し しっかりとなさいませ 270 00:25:33,763 --> 00:25:36,433 我が殿は 271 00:25:36,433 --> 00:25:40,433 正勝様は まことに 亡くなられたのでございますか! 272 00:25:42,105 --> 00:25:47,405 この六年 ずっと私は… 273 00:25:48,478 --> 00:25:52,098 私には どうしても 274 00:25:52,098 --> 00:25:55,098 正勝様は 生きておられるとしか… 275 00:25:57,153 --> 00:26:00,090 雪様 276 00:26:00,090 --> 00:26:03,090 お立場をわきまえられよ 277 00:26:49,439 --> 00:26:53,439 その角を左に ≪(供の者)はッ 278 00:27:09,776 --> 00:27:14,076 ≪(女)わあ いい男 279 00:27:26,776 --> 00:27:31,114 ≪(稲葉)しかし 幕府にとって 脅威となる強大な大名が→ 280 00:27:31,114 --> 00:27:33,650 世継ぎを立てられぬとなれば→ 281 00:27:33,650 --> 00:27:36,603 それを機に その大名家を 取り潰すことができます 282 00:27:36,603 --> 00:27:41,090 なんとなれば 養子をとるには 幕府の許しが要りますゆえ 283 00:27:41,090 --> 00:27:43,476 (松平)なるほど 284 00:27:43,476 --> 00:27:47,430 赤面疱瘡にて男子が育たぬという 危機を逆手にとり 285 00:27:47,430 --> 00:27:50,433 大名の改易を 一気に行うとは… 286 00:27:50,433 --> 00:27:52,769 (忠秋)妙案でござるな 287 00:27:52,769 --> 00:27:56,105 さすがは切れ者と うたわれた丹後守 288 00:27:56,105 --> 00:27:59,926 いや 某は… 謙遜召されるな 289 00:27:59,926 --> 00:28:02,962 六年間 大奥を一歩も出ずに これほどの見識 290 00:28:02,962 --> 00:28:05,098 本来ならば あなたを入れて 291 00:28:05,098 --> 00:28:08,434 七人衆としたいところです→ 292 00:28:08,434 --> 00:28:11,771 お家のためとはいえ 惜しいことよ 293 00:28:11,771 --> 00:28:15,808 ≪(太田)ともあれ あとは お世継ぎさえ生まれれば 294 00:28:15,808 --> 00:28:19,746 (三浦)上様は あの還俗した美形の僧侶を 295 00:28:19,746 --> 00:28:23,433 お側に召されて 一年になりますな 296 00:28:23,433 --> 00:28:29,105 (堀田)一年たって いまだ ご懐妊に至らぬとは… 297 00:28:29,105 --> 00:28:33,109 (春日)それについては 298 00:28:33,109 --> 00:28:36,109 ご案じ召されるな 皆々方 299 00:28:37,764 --> 00:28:40,764 すでに手は打ってあります 300 00:31:00,807 --> 00:31:05,461 (捨蔵)おいおいおい 人が見てるぜ お栄さん 301 00:31:05,461 --> 00:31:07,814 (お栄)かまうもんか 302 00:31:07,814 --> 00:31:10,466 見せつけてやりたいのさ 303 00:31:10,466 --> 00:31:13,136 男がいない ご時世に 304 00:31:13,136 --> 00:31:17,473 こんなに若くて いい男と ねんごろになれるのは 305 00:31:17,473 --> 00:31:20,143 どんな いい女かってね 306 00:31:20,143 --> 00:31:23,146 おいらとなんか 一緒にいなくったって 307 00:31:23,146 --> 00:31:25,815 お栄さんは いい女だよ 308 00:31:25,815 --> 00:31:28,134 ううん もう 309 00:31:28,134 --> 00:31:30,820 憎らしいね 捨さんたら 310 00:31:30,820 --> 00:31:35,120 ねえ またきっと 会っておくれよ 311 00:31:36,809 --> 00:31:39,409 絶対だよ 312 00:31:43,132 --> 00:31:45,485 何言ってんだよ 313 00:31:45,485 --> 00:31:48,785 会いてえのは こっちさな 314 00:31:57,146 --> 00:32:00,149 約束だぜ お栄さん 315 00:32:00,149 --> 00:32:02,749 また 必ず 316 00:32:07,807 --> 00:32:10,107 ≪(男)捨蔵ッ 317 00:32:11,144 --> 00:32:14,147 やっべ! お父っつぁん 318 00:32:14,147 --> 00:32:17,133 (父)この馬鹿 また店 ほっぽらかして 319 00:32:17,133 --> 00:32:19,635 女とイチャついてやがったのか! 320 00:32:19,635 --> 00:32:21,635 来た~ッ お父っつぁん! 321 00:32:24,807 --> 00:32:27,807 うわッ 捨蔵さんのね… 322 00:32:31,180 --> 00:32:35,468 ≪(父)ほんっとに 俺は情けねえや 323 00:32:35,468 --> 00:32:39,138 四人 生まれた男の子のうちで 324 00:32:39,138 --> 00:32:44,477 育ち上がったのは 末っ子の お前一人だっていうのによ 325 00:32:44,477 --> 00:32:47,497 聞いてんのか おめえは! 326 00:32:47,497 --> 00:32:49,816 あのよ お父っつぁん 327 00:32:49,816 --> 00:32:52,151 今じゃ どこのうちだって 328 00:32:52,151 --> 00:32:55,471 男が生まれたら 家業なんざ手伝わせねえで 329 00:32:55,471 --> 00:32:59,141 そりゃあ もう家の奥で 330 00:32:59,141 --> 00:33:03,479 将軍様みてえに 大事に育てるもんなんだぜ 331 00:33:03,479 --> 00:33:06,816 うるせえ てめえ! 男が偉えのはな 332 00:33:06,816 --> 00:33:09,468 種馬だからじゃねえんだよ こらッ 333 00:33:09,468 --> 00:33:13,139 (母)そんなに怒ると また… 黙ってろ お前は 334 00:33:13,139 --> 00:33:17,143 昔はなあ 男だって ちゃんと働いて 稼いで 335 00:33:17,143 --> 00:33:21,130 てめえのカカアとガキ 食わしてやってたからなんだぞ! 336 00:33:21,130 --> 00:33:24,133 そんじゃ 俺は いいご時世に生まれたよ 337 00:33:24,133 --> 00:33:27,733 おい 捨蔵! あんた ちょっと 338 00:33:28,804 --> 00:33:32,475 俺の生まれる前の話なんざ 聞かされても 339 00:33:32,475 --> 00:33:35,144 正直 つまらねえや 340 00:33:35,144 --> 00:33:37,146 働け働けって 341 00:33:37,146 --> 00:33:40,149 俺が女達から もらってる金は 342 00:33:40,149 --> 00:33:43,749 古着屋の稼ぎなんかより ずっと多いんだぜ 343 00:33:46,472 --> 00:33:51,072 そのうち 御殿でも建ててやるからよ 344 00:33:58,134 --> 00:34:01,804 捨さん また会っておくれよ 345 00:34:01,804 --> 00:34:04,404 ああ またな 346 00:34:05,474 --> 00:34:08,074 またね うん 347 00:34:15,151 --> 00:34:17,751 (澤村)そこな町人 348 00:34:19,155 --> 00:34:21,140 そなたのことだ 349 00:34:21,140 --> 00:34:24,644 へえ お武家様 何ぞ ご用で? 350 00:34:24,644 --> 00:34:28,464 用があるから 声を掛けておる ああ 351 00:34:28,464 --> 00:34:30,464 これへ 352 00:34:41,143 --> 00:34:44,743 ここに控えよ へえ 353 00:34:50,536 --> 00:34:53,136 連れてまいりました 354 00:35:08,154 --> 00:35:10,754 ははあ 355 00:35:14,143 --> 00:35:17,143 面を上げよ 356 00:35:20,149 --> 00:35:22,802 顔を見せよ 357 00:35:22,802 --> 00:35:25,102 へえ 358 00:37:27,476 --> 00:37:32,098 春日 はい 上様 359 00:37:32,098 --> 00:37:35,398 ありがとう 春日 360 00:37:36,435 --> 00:37:43,035 そなたは わしのことを 思ってくれていたのだな 361 00:37:44,443 --> 00:37:47,096 お万… 362 00:37:47,096 --> 00:37:50,432 有功のことじゃ 363 00:37:50,432 --> 00:37:55,032 春日のおかげで 有功と会えた 364 00:37:57,439 --> 00:38:00,426 私は いつでも 365 00:38:00,426 --> 00:38:04,026 上様の味方でございます 366 00:38:05,831 --> 00:38:08,131 うん 367 00:38:37,780 --> 00:38:40,432 私が よいのだ 368 00:38:40,432 --> 00:38:44,032 上様に お見せしたいと思うてな 369 00:39:23,092 --> 00:39:27,392 上様 失礼つかまつります 370 00:39:33,435 --> 00:39:36,735 和田様と勝田様がおいでじゃ 371 00:39:39,425 --> 00:39:42,428 あの二人が有功様に 何の用やろか 372 00:39:42,428 --> 00:39:46,728 いやいや 玉栄 そなたに用事だそうな 373 00:39:49,101 --> 00:39:51,770 ≪(和田)そう構えるな 玉栄 374 00:39:51,770 --> 00:39:54,106 構えて 当たり前や 375 00:39:54,106 --> 00:39:58,160 私は やられたことは 決して忘れませんのや 376 00:39:58,160 --> 00:40:01,430 (和田)昔の話をしている暇はない 377 00:40:01,430 --> 00:40:06,835 先の話をしよう 玉栄 378 00:40:06,835 --> 00:40:11,440 春日局様が 亡き角南様の空き部屋を 379 00:40:11,440 --> 00:40:14,740 慌ただしう掃除させておる 380 00:40:18,113 --> 00:40:21,100 分からぬか 381 00:40:21,100 --> 00:40:23,752 有功殿が一年前 382 00:40:23,752 --> 00:40:27,089 大奥へ入られたときと そっくりなのだ 383 00:40:27,089 --> 00:40:31,189 えッ… ということは 384 00:40:34,096 --> 00:40:38,100 嘘や 和田様も勝田様も 私を たばかろうと 385 00:40:38,100 --> 00:40:41,754 玉栄 有功殿はの 386 00:40:41,754 --> 00:40:45,774 我々に 正月や節句などの催し事の際 387 00:40:45,774 --> 00:40:49,411 大奥の男衆を束ねる役目を くださったのだ 388 00:40:49,411 --> 00:40:54,099 (勝田)それが 何もなす事なく 日々を暮らしていた我らにとって 389 00:40:54,099 --> 00:40:57,086 どれほど 生きる甲斐になっていることか 390 00:40:57,086 --> 00:40:59,088 我らは もう 391 00:40:59,088 --> 00:41:01,607 有功殿に感謝こそすれ 392 00:41:01,607 --> 00:41:04,107 含むところなど何も無いぞ 393 00:41:11,433 --> 00:41:16,433 もう手は打ってあると 言うたではないか 394 00:41:24,430 --> 00:41:28,430 そうそう 忘れておったわ 395 00:41:29,518 --> 00:41:33,439 稲葉丹後守正勝の七回忌 396 00:41:33,439 --> 00:41:37,039 無事 終わったゆえ 安心せよ 397 00:41:38,427 --> 00:41:43,098 あの 一つ 教えてくださいませ 398 00:41:43,098 --> 00:41:47,102 雪は 鶴千代 野乃は… 399 00:41:47,102 --> 00:41:51,702 息災であった 何も心配はない 400 00:42:03,102 --> 00:42:07,773 玉栄 今日は妙に静かではないか 401 00:42:07,773 --> 00:42:11,760 あッ… そないなこと ありませんけど 402 00:42:11,760 --> 00:42:14,060 (足音) 403 00:42:17,433 --> 00:42:20,436 (稲葉)失礼つかまつります 有功殿 404 00:42:20,436 --> 00:42:22,736 正勝様や 405 00:42:28,444 --> 00:42:32,097 有功殿 夕げを終えられましたら 406 00:42:32,097 --> 00:42:34,767 春日局様のもとへ 407 00:42:34,767 --> 00:42:37,367 春日局様が? 408 00:42:45,427 --> 00:42:48,427 お待たせいたしました 409 00:42:49,431 --> 00:42:52,431 ≪(春日)お入りください 410 00:43:27,102 --> 00:43:29,771 さて 411 00:43:29,771 --> 00:43:34,571 今日 ここへ お呼びしたのは 他でもありませぬ 412 00:43:36,195 --> 00:43:38,795 有功殿 413 00:43:41,433 --> 00:43:44,102 今日まで 上様のお相手 414 00:43:44,102 --> 00:43:48,102 まことに ご苦労さまでした 415 00:43:55,764 --> 00:43:59,134 これからは この捨蔵が→ 416 00:43:59,134 --> 00:44:02,734 上様のお相手を務めるゆえ 417 00:44:04,106 --> 00:44:08,760 (春日が笑う) 418 00:44:08,760 --> 00:44:12,431 うむ うむ 美しさでは 決して引けは取らぬ 419 00:44:12,431 --> 00:44:14,433 春日局様… 420 00:44:14,433 --> 00:44:17,436 これなら上様も ご満足じゃ よいよい 421 00:44:17,436 --> 00:44:20,105 春日局様! 何か? 422 00:44:20,105 --> 00:44:23,091 それは 423 00:44:23,091 --> 00:44:25,761 無理や 424 00:44:25,761 --> 00:44:28,764 何より上様が このようなこと 425 00:44:28,764 --> 00:44:30,766 決して… 426 00:44:30,766 --> 00:44:33,435 決して お聞き入れにはなりますまい 427 00:44:33,435 --> 00:44:38,090 では そなたから上様に 428 00:44:38,090 --> 00:44:43,428 お褥を交代させていただきますと 申し上げるのじゃ 429 00:44:43,428 --> 00:44:46,098 そないな… 430 00:44:46,098 --> 00:44:49,098 (春日)分かりませぬのか? 431 00:44:50,102 --> 00:44:54,139 上様のお側に侍って一年 432 00:44:54,139 --> 00:44:58,110 いまだ 上様に お世継ぎが生まれぬのは 433 00:44:58,110 --> 00:45:01,763 そなたに 種がないからであろう→ 434 00:45:01,763 --> 00:45:04,433 そのような者が側に侍ったとて→ 435 00:45:04,433 --> 00:45:07,769 上様のために 何のお役にも立たぬわ 436 00:45:07,769 --> 00:45:13,069 有功殿 いい加減 引き際ぐらい 心得られよ 見苦しい! 437 00:45:22,100 --> 00:45:25,103 望んで来た場所では 438 00:45:25,103 --> 00:45:28,774 決して ありませんでした 439 00:45:28,774 --> 00:45:31,777 それでも 440 00:45:31,777 --> 00:45:35,764 自分にできることを必死で探し 441 00:45:35,764 --> 00:45:40,752 やっと 上様と二人 442 00:45:40,752 --> 00:45:44,756 生きる道を見つけたのや 443 00:45:44,756 --> 00:45:47,776 もう少し もう少しだけ 444 00:45:47,776 --> 00:45:50,412 待ってはいただけませぬのか! 445 00:45:50,412 --> 00:45:53,765 このような仕打ち 何より上様にとって むごすぎます 446 00:45:53,765 --> 00:45:57,085 これでは まるで道具と同じや! 447 00:45:57,085 --> 00:46:00,088 こないにしてまで 血をつなげたとして 448 00:46:00,088 --> 00:46:03,458 そのあとに 何が待っているというのです 449 00:46:03,458 --> 00:46:06,762 そうまでして 守らねばならぬ 徳川家とは 450 00:46:06,762 --> 00:46:10,062 あなたにとって 一体 何なのですか!? 451 00:46:17,773 --> 00:46:20,792 それは 452 00:46:20,792 --> 00:46:25,392 戦のない平和な世のことです 453 00:47:36,418 --> 00:47:39,418 お願いがございます 454 00:47:40,422 --> 00:47:42,858 これより一切 455 00:47:42,858 --> 00:47:46,858 お褥を辞退させて いただきとうございます 456 00:47:56,121 --> 00:47:59,174 なぜじゃ 457 00:47:59,174 --> 00:48:03,428 なぜ そのようなことを言うのじゃ 有功… 458 00:48:03,428 --> 00:48:09,028 上様には 新しい御中臈が お側に侍りますゆえ 459 00:48:13,455 --> 00:48:16,775 わしに 460 00:48:16,775 --> 00:48:21,375 他の男と 寝所をともにせよと申すのか 461 00:48:28,437 --> 00:48:30,789 嫌… 462 00:48:30,789 --> 00:48:32,824 嫌! 463 00:48:32,824 --> 00:48:35,444 嫌~ッ 上様 464 00:48:35,444 --> 00:48:38,780 上様! お前に わしの何が分かる 465 00:48:38,780 --> 00:48:41,750 お前は痛くも かゆくもない 466 00:48:41,750 --> 00:48:45,754 他の男に なぶられるのは わしのほうだけじゃ! 467 00:48:45,754 --> 00:48:49,424 わしの体だけが いつも汚され 468 00:48:49,424 --> 00:48:53,428 辱められ 血を流し… 469 00:48:53,428 --> 00:48:56,097 春日に逆らえば 470 00:48:56,097 --> 00:48:59,768 この身が危ないと思うたか 471 00:48:59,768 --> 00:49:03,421 死ね! 死んでしまえ 472 00:49:03,421 --> 00:49:06,091 そんな腑抜けは死ねばよい! 473 00:49:06,091 --> 00:49:09,091 殺してください 474 00:49:18,103 --> 00:49:21,103 殺してください 475 00:49:31,099 --> 00:49:33,435 駄目 476 00:49:33,435 --> 00:49:36,104 そんなことをしてはやらぬぞ 477 00:49:36,104 --> 00:49:40,104 嘘じゃ 有功 死んでは嫌! 478 00:49:41,109 --> 00:49:44,429 どんなに ひどい男でも 479 00:49:44,429 --> 00:49:47,766 有功が好き 480 00:49:47,766 --> 00:49:50,066 好き! 481 00:49:52,437 --> 00:49:58,037 (家光の泣き声) 482 00:50:17,095 --> 00:50:20,395 春日は馬鹿じゃ 483 00:50:21,433 --> 00:50:24,469 子を成せぬのは 484 00:50:24,469 --> 00:50:28,069 有功のせいではない 485 00:50:29,107 --> 00:50:32,407 わしが石女なのだ 486 00:50:35,180 --> 00:50:39,780 娘を産んだときは大層 難産だった 487 00:50:41,436 --> 00:50:45,106 どんな男に抱かれようが 488 00:50:45,106 --> 00:50:48,706 わしは はらめまいよ 489 00:50:58,436 --> 00:51:02,736 なあ 有功 490 00:51:05,293 --> 00:51:08,096 そのときは 491 00:51:08,096 --> 00:51:11,396 わしと一緒に死んでくれるな? 492 00:51:14,486 --> 00:51:17,105 徳川と一緒に 493 00:51:17,105 --> 00:51:19,605 滅びてくれるな? 494 00:51:22,444 --> 00:51:25,044 はい 495 00:51:29,100 --> 00:51:31,600 はい! 496 00:53:13,838 --> 00:53:15,757 <愛憎渦巻く大奥に> 497 00:53:15,757 --> 00:53:17,757 <豪華キャストが集結>