1 00:00:02,135 --> 00:00:05,072 (綱吉)愚かな主君は➡ 2 00:00:05,072 --> 00:00:10,544 民によって殺されても当然であると。 3 00:00:10,544 --> 00:00:15,849 なるほど くせ者じゃ。 4 00:00:21,555 --> 00:00:23,490 見ておったのだろう。 5 00:00:23,490 --> 00:00:27,895 皆の言うとおり くせ者じゃと納得しただけじゃ。 6 00:00:27,895 --> 00:00:31,765 父上には さようにお知らせせよ。 7 00:00:31,765 --> 00:00:34,568 (吉保)上様…。 安堵せよ。 8 00:00:34,568 --> 00:00:38,238 大体 どこで あの男に手をつけられるというのじゃ。 9 00:00:38,238 --> 00:00:43,243 総触れや 閨も 父上の見張りだらけではないか。 10 00:00:46,580 --> 00:00:50,918 (秋本)上様 あっという間に お下がりになりましたが。 11 00:00:50,918 --> 00:00:56,790 (右衛門佐) 恐らく 近々 向こうから来られようぞ。 12 00:00:56,790 --> 00:01:02,195 右衛門佐様は まこと 上様のご側室になるおつもりなのですか? 13 00:01:02,195 --> 00:01:05,866 何故 そのようなことを聞く。 14 00:01:05,866 --> 00:01:09,736 ご側室になりたいお方というのは 選ばれたいがゆえ➡ 15 00:01:09,736 --> 00:01:15,542 どうしても媚びというものが にじむものだと 私は思うのですが。 16 00:01:15,542 --> 00:01:17,544 ふふ。 17 00:01:25,886 --> 00:01:33,594 (村瀬)大奥では 夫婦水入らずで 食事をする習わしがございまして。 18 00:01:35,562 --> 00:01:38,465 (綱吉)ところで 御台。 19 00:01:38,465 --> 00:01:43,904 この佐を 私に譲ってもらえぬか。 20 00:01:43,904 --> 00:01:46,807 (秋本)まこと狩りに来た。 21 00:01:46,807 --> 00:01:50,577 (御台)まぁ 構いませんけど。➡ 22 00:01:50,577 --> 00:01:54,247 大事な中臈を差し上げるからには➡ 23 00:01:54,247 --> 00:02:02,856 この者 桂昌院様から きちんと守って頂かんと。 24 00:02:02,856 --> 00:02:07,527 まぁ それは私があしらうゆえ。 25 00:02:07,527 --> 00:02:11,231 ほな ええか。 佐。 26 00:02:14,868 --> 00:02:22,209 上様 実は 私は来年で 35になるのでございます! 27 00:02:22,209 --> 00:02:25,212 35? 28 00:02:27,547 --> 00:02:31,418 あ! おしとねすべりのお定め! 29 00:02:31,418 --> 00:02:35,222 右衛門佐 そなた。 そんなに年なんか!? 30 00:02:35,222 --> 00:02:37,557 申し訳ござりませぬ 御台様! 31 00:02:37,557 --> 00:02:41,895 私 大奥に入りましてから 35を過ぎると➡ 32 00:02:41,895 --> 00:02:47,768 上様のおしとねに侍ってはならぬという お定めを初めて知りまして! 33 00:02:47,768 --> 00:02:54,474 ゆえに 上様にお情けを頂けたとしても それは ほんのいっとき。 34 00:02:54,474 --> 00:02:58,912 現れくる若い中臈におびえ 嫉妬に身を焦がし➡ 35 00:02:58,912 --> 00:03:03,750 私 生来の負けず嫌いでして➡ 36 00:03:03,750 --> 00:03:10,057 さような屈辱には とても耐えられませぬ! 37 00:03:11,858 --> 00:03:14,194 なるほど。 38 00:03:14,194 --> 00:03:16,863 (御台)上様 なんとかなりませんやろか! 39 00:03:16,863 --> 00:03:20,734 年なんか ちょろっと ごまかし…。 上様。 40 00:03:20,734 --> 00:03:24,538 なんとか よきお役目はございませんでしょうか。 41 00:03:24,538 --> 00:03:30,410 上様 そして できますれば 御恩のございます御台様 お二人に➡ 42 00:03:30,410 --> 00:03:35,715 私が お仕えできますようなお役目が。 43 00:03:42,889 --> 00:03:47,227 さて 困ったの。 44 00:03:47,227 --> 00:03:52,099 私には とんと思い浮かばぬが。 45 00:03:52,099 --> 00:03:58,572 もし 心当たりがあるなら申してみよ。➡ 46 00:03:58,572 --> 00:04:03,577 忠義な者は 褒美が出るかもしれぬぞ。 47 00:04:06,379 --> 00:04:09,182 (綱吉)お万の方が去って以来➡ 48 00:04:09,182 --> 00:04:15,856 長らく空いておった 大奥総取締の座であるが➡ 49 00:04:15,856 --> 00:04:26,867 こたび ここにおる右衛門佐を 役目に任ずることにした。 50 00:04:30,871 --> 00:04:38,545 この度 大奥総取締を仰せつかった 右衛門佐にござりまする。 51 00:04:38,545 --> 00:04:46,419 非才の身なれど 粉骨砕身 力の限りを尽くす所存ゆえ➡ 52 00:04:46,419 --> 00:04:52,092 皆 末永うよろしう頼みます。 53 00:04:52,092 --> 00:04:54,094 (一同)ははっ! 54 00:04:56,897 --> 00:05:00,500 右衛門佐様は側室ではなく 総取締になるために➡ 55 00:05:00,500 --> 00:05:05,172 ここに来られたのですよね。 しかし それは何故。 56 00:05:05,172 --> 00:05:08,074 決まっておるではないか。 57 00:05:08,074 --> 00:05:13,046 まことの男の頂に 俺は立ちに来たのだ。 58 00:05:13,046 --> 00:05:15,815 まことの男の頂。 59 00:05:15,815 --> 00:05:20,187 御台 側室 お腹様。 60 00:05:20,187 --> 00:05:23,857 聞こえはよいが 所詮 種付け馬ではないか。 61 00:05:23,857 --> 00:05:29,729 そうではなく 私は… 人として 確かな力を得たい。 62 00:05:29,729 --> 00:05:33,867 人として生まれたからにはの。 63 00:05:33,867 --> 00:05:43,176 私は 己に それができるか ここに試しに来たのだ。 64 00:05:44,878 --> 00:05:52,219 (桂昌院)総取締いうんはな あの 有功様のお役目なんじゃ! 65 00:05:52,219 --> 00:06:00,026 お前は あの男が 有功様並みの人間やとでも言うつもりか! 66 00:06:00,026 --> 00:06:07,167 恐れながら しばらくやらせてみるのも一興かと。 67 00:06:07,167 --> 00:06:13,039 もし あの男が チラとでも いぶかしげな様を見せれば お役目を解く。 68 00:06:13,039 --> 00:06:17,811 徳川に害をなす考えが かいま見えれば お手討ち。 69 00:06:17,811 --> 00:06:22,115 こちらに打つ手は 山のようにございましょう。 70 00:06:24,517 --> 00:06:28,388 ふふふ。 さすがは吉保。 71 00:06:28,388 --> 00:06:34,694 では 父上 しばし様子をうかがうということで。 72 00:06:47,540 --> 00:06:52,212 ほ… 待ち伏せか。 73 00:06:52,212 --> 00:06:57,884 一つ案じております儀がございまして。 74 00:06:57,884 --> 00:07:03,690 こたび 新参の私が大きなお役目を 仰せつかりましたことで➡ 75 00:07:03,690 --> 00:07:10,697 上様が まこと苦しいお立場に 置かれたのではないかと。 76 00:07:12,832 --> 00:07:17,504 そなた まるで見ておったようじゃの。 77 00:07:17,504 --> 00:07:22,509 ここは ひとつ きちんと遇されてはいかがでしょう。 78 00:07:25,378 --> 00:07:28,381 きちんと遇する? 79 00:07:30,517 --> 00:07:33,853 (お伝)そ… それがしに御殿を? 80 00:07:33,853 --> 00:07:40,193 お伝の方様は松姫様のお父上 お腹様にございます。 81 00:07:40,193 --> 00:07:46,066 ほかのご側室とは格が違いまするゆえ 大奥とは別に桂昌院様と同じく➡ 82 00:07:46,066 --> 00:07:53,540 別棟の御殿をお建てするようにと 上様より承りましてございます。 83 00:07:53,540 --> 00:07:57,844 桂昌院様と同じ! はい。 84 00:07:59,412 --> 00:08:02,148 お初にお目にかかります。 85 00:08:02,148 --> 00:08:06,486 大奥総取締 右衛門佐にございまする。 86 00:08:06,486 --> 00:08:12,826 新しい総取締は 随分やり手でございますこと。 87 00:08:12,826 --> 00:08:19,499 お伝の方様を大奥からお移しになり 桂昌院様は三の丸。 88 00:08:19,499 --> 00:08:25,171 もはや 大奥は あなた様の天下でございますね。 89 00:08:25,171 --> 00:08:32,045 恐れながら お伝の方様に御殿をと おっしゃったのは 上様のお計らい。 90 00:08:32,045 --> 00:08:36,783 私は ただの忠なるお使いにございます。 91 00:08:36,783 --> 00:08:42,522 忠なるですか。 92 00:08:42,522 --> 00:08:47,227 では これは何でしょう。 93 00:08:49,396 --> 00:08:54,868 京にて そなたが種付けしておった女子に 確かめたところ➡ 94 00:08:54,868 --> 00:08:58,204 「大奥は35で おしとねすべり。➡ 95 00:08:58,204 --> 00:09:04,477 故に 自分の年では側室として上がっても すぐに無用の長物となる」➡ 96 00:09:04,477 --> 00:09:08,348 と 閨で語っておったとか。➡ 97 00:09:08,348 --> 00:09:12,352 つまり そなたは そもそも この定めを知りながら➡ 98 00:09:12,352 --> 00:09:15,488 大奥に上がってきたわけじゃ。 99 00:09:15,488 --> 00:09:22,195 これでは そなたは 恐れ多くも 上様をたばかったことになるの。 100 00:09:26,132 --> 00:09:30,503 いかがなさいましたか。 101 00:09:30,503 --> 00:09:40,847 いえ。 かようなことは 上様は恐らく 先刻ご承知でいらっしゃいますかと。 102 00:09:40,847 --> 00:09:46,519 全てお含みの上で楽しんでいらっしゃると 私は解釈しておりました。 103 00:09:46,519 --> 00:09:52,525 上様には さような気まぐれなところが おありになると。 104 00:09:54,861 --> 00:10:00,166 柳沢様は 当然ご存じかと思いますが。 105 00:10:04,871 --> 00:10:09,542 あの者 いっそ切り捨ててはいかがでしょうか。 106 00:10:09,542 --> 00:10:13,213 まぁ 待て。 まずは男や。 107 00:10:13,213 --> 00:10:16,115 京から えりすぐりの➡ 108 00:10:16,115 --> 00:10:20,887 徳子のために生まれてきたような男 連れてこい。 109 00:10:20,887 --> 00:10:22,822 はい! 110 00:10:22,822 --> 00:10:30,230 「群臣曰く 城濮の事は舅犯の謀なり。➡ 111 00:10:30,230 --> 00:10:36,569 夫れ其の言を用いて 其の身を後にす 可なり」。 112 00:10:36,569 --> 00:10:41,441 ん? 佐。 違っておるぞ。 113 00:10:41,441 --> 00:10:51,117 私の本では 「夫れ其の言を用いて 其の身を後にす 可ならんや」➡ 114 00:10:51,117 --> 00:10:53,586 となっておる。 115 00:10:53,586 --> 00:10:56,589 はて。 116 00:10:59,926 --> 00:11:02,228 ごめん。 117 00:11:06,533 --> 00:11:09,869 まことにございますな。 118 00:11:09,869 --> 00:11:15,742 しかし 私が京でついておりました 師の写本では➡ 119 00:11:15,742 --> 00:11:19,879 「可なり」となっております。 120 00:11:19,879 --> 00:11:24,751 まことは どちらが正しいのかの。 121 00:11:24,751 --> 00:11:30,456 ⚟上様のおなーりー。 (鈴の音) 122 00:11:39,899 --> 00:11:43,903 そなた 名は? 123 00:11:45,572 --> 00:11:48,908 大典侍と申します。 124 00:11:48,908 --> 00:11:50,910 ふぅん。 125 00:11:54,581 --> 00:11:59,452 (綱吉)そなたは京の育ちか。 (大典侍)はい。 126 00:11:59,452 --> 00:12:05,525 こたびは 柳沢様が 人をお探しであると話がございまして。 127 00:12:05,525 --> 00:12:10,396 ふぅん。 学問はするか? 128 00:12:10,396 --> 00:12:14,534 さほど深くはございませんけど。 129 00:12:14,534 --> 00:12:20,406 今 韓非子を学んでおってな。 130 00:12:20,406 --> 00:12:25,878 「夫れ其の言を用いて 其の身を後にす➡ 131 00:12:25,878 --> 00:12:30,750 可ならんや」と。 132 00:12:30,750 --> 00:12:35,455 「可なり」では ございませんか。 133 00:12:37,490 --> 00:12:45,798 そう 可なり 可なりじゃ…。 134 00:12:52,905 --> 00:12:59,245 (御台)今頃 桂昌院は高笑いしてるやろな。 でしょうな。 135 00:12:59,245 --> 00:13:06,853 まさか私たちが大典侍様を呼んだとは 露ほども気付いておられぬでしょうから。 136 00:13:06,853 --> 00:13:12,725 継仁様 いえ 右衛門佐様の 熱心なお誘いがなかったら➡ 137 00:13:12,725 --> 00:13:18,464 わざわざ男妾になりに 江戸まで下ってくるはずありません。 138 00:13:18,464 --> 00:13:22,402 ご承知頂き まことにありがたく。 139 00:13:22,402 --> 00:13:28,541 この大典侍。 力の限り 上様に お仕えするつもりでございます。うん。 140 00:13:28,541 --> 00:13:32,545 ほな あんまり長居も ようないと思いますんで。 141 00:13:41,554 --> 00:13:45,892 よくやった 秋本。 142 00:13:45,892 --> 00:13:51,230 そなたが向こうの動きをつかんでくれねば 先手は打てなんだ。 143 00:13:51,230 --> 00:13:54,567 (秋本)いえ。 桂昌院様付きのお方たちが➡ 144 00:13:54,567 --> 00:13:58,237 いささか 口がお軽かったのが 幸いでございました。 145 00:13:58,237 --> 00:14:04,844 そなたの その恬淡としたところが 人の口を軽くするのであろうよ。 146 00:14:04,844 --> 00:14:07,847 大したものじゃ。 147 00:14:12,518 --> 00:14:16,189 次は いつにいたしましょうか。 148 00:14:16,189 --> 00:14:19,859 ところで 佐。 は。 149 00:14:19,859 --> 00:14:24,731 韓非子の いずれの写本が 間違いであったかという件であるがの。 150 00:14:24,731 --> 00:14:30,503 はい。 村瀬に調べさせたところ➡ 151 00:14:30,503 --> 00:14:38,544 やはり この写本 「可ならんや」が 正しいとのことじゃ。 152 00:14:38,544 --> 00:14:41,214 さようにございましたか。 153 00:14:41,214 --> 00:14:43,883 しかし 気になることに➡ 154 00:14:43,883 --> 00:14:51,557 どうも 大典侍も 同じ間違えた写本を 使っておったようじゃ。 155 00:14:51,557 --> 00:14:56,896 大典侍が学んだのは 九条景季殿の下。 156 00:14:56,896 --> 00:15:01,501 人は少なく 門下同士は まるで兄弟のようにつきおうておったと➡ 157 00:15:01,501 --> 00:15:03,836 大典侍は言っておった。 158 00:15:03,836 --> 00:15:05,772 であるにもかかわらず➡ 159 00:15:05,772 --> 00:15:11,511 そなたらは まるで ここで 初めて会うたようなふりをしておった。 160 00:15:11,511 --> 00:15:16,215 それは何故じゃ。 161 00:15:18,851 --> 00:15:20,787 あ それは。 162 00:15:20,787 --> 00:15:24,791 図に乗るなよ! 佐! 163 00:15:27,527 --> 00:15:31,397 たかが総取締ごときが➡ 164 00:15:31,397 --> 00:15:38,104 私や父上 この徳川を動かせると思うたら 大間違いじゃ! 165 00:15:39,872 --> 00:15:44,210 私と知己とあっては 大典侍様をこちらへ呼ばれた柳沢様が➡ 166 00:15:44,210 --> 00:15:49,215 お気を害するかと! 上様をたばかるつもりなどは決して! 167 00:15:56,789 --> 00:16:05,164 そなたの命など 私の心ひとつじゃ。 168 00:16:05,164 --> 00:16:11,838 だまされてやっておるうちが 花と思えよ。 佐。 169 00:16:11,838 --> 00:16:35,862 ♬~ 170 00:16:35,862 --> 00:16:38,531 (綱吉 桂昌院)ほ~れ。 171 00:16:38,531 --> 00:16:41,434 (笑い声) 172 00:16:41,434 --> 00:16:47,874 どうしたのじゃ? どれ。➡ 173 00:16:47,874 --> 00:16:52,211 ちょっと熱いなぁ。 174 00:16:52,211 --> 00:16:58,084 そうか。 では 姫 休むか。 175 00:16:58,084 --> 00:17:02,822 (松姫)いや! 母上と お鞠するの! 176 00:17:02,822 --> 00:17:09,161 母も姫と遊びたい! 故に はよう熱を下げてくれ。 177 00:17:09,161 --> 00:17:13,466 (乳母)松姫様 参りましょう。 178 00:17:15,501 --> 00:17:18,204 そうじゃ そうじゃ。 179 00:17:24,176 --> 00:17:27,179 はよう 治すのじゃぞ。 180 00:17:49,869 --> 00:17:52,538 どういうことや これは。 181 00:17:52,538 --> 00:17:58,878 (お匙) この度は お熱がなぜか下がらず 今朝方。 182 00:17:58,878 --> 00:18:11,457 ♬~ 183 00:18:11,457 --> 00:18:21,834 これ 松姫。 戯れがすぎるぞ。 184 00:18:21,834 --> 00:18:25,504 松姫。 母じゃ。➡ 185 00:18:25,504 --> 00:18:30,810 目覚めよ。 母じゃぞ。 186 00:18:35,181 --> 00:18:38,851 母じゃぞ…。 187 00:18:38,851 --> 00:18:44,190 嘘じゃ…。 松姫! 188 00:18:44,190 --> 00:18:49,862 姫~! 姫…! 189 00:18:49,862 --> 00:18:55,534 (綱吉の泣き声) 姫~! 190 00:18:55,534 --> 00:18:58,871 姫…! 191 00:18:58,871 --> 00:19:02,141 嘘じゃ… 嘘じゃ~! 192 00:19:02,141 --> 00:19:22,128 ♬~ 193 00:19:25,164 --> 00:19:32,038 (桂昌院)徳子。 どうや 具合は。 194 00:19:32,038 --> 00:19:40,179 (吉保)上様はお疲れにございまして。 (桂昌院)そうか。➡ 195 00:19:40,179 --> 00:19:47,520 けど 喪もあけたことやし➡ 196 00:19:47,520 --> 00:19:57,863 どうや そろそろ お伝とこでも行ってきたらどうや? 197 00:19:57,863 --> 00:20:04,570 2人で松姫の話でもして な。 198 00:20:08,507 --> 00:20:11,210 (吉保)恐れながら 桂昌院様。 199 00:20:11,210 --> 00:20:14,113 上様は まだ夜も ようお眠りに…。 200 00:20:14,113 --> 00:20:19,819 黙っとけ! 吉保! 誰のおかげで ここに座れてるんや! 201 00:20:26,225 --> 00:20:32,898 徳子。 つらいんは分かるけどな。 202 00:20:32,898 --> 00:20:39,238 これは お前が どうしてもやらなあかん おつとめなんじゃ。➡ 203 00:20:39,238 --> 00:20:46,912 世継ぎを生むんは 将軍しか 徳子にしかできひん。 204 00:20:46,912 --> 00:20:50,783 ほかには 誰にも代わってやることのできひん➡ 205 00:20:50,783 --> 00:20:54,487 将軍のおつとめなんじゃ。 206 00:21:00,192 --> 00:21:05,531 頼むわ。 徳子。 後生や。 207 00:21:05,531 --> 00:21:09,869 新しい孫ができひんと わしは悲しいてかなわへん。 208 00:21:09,869 --> 00:21:13,539 徳子かて そうやろ。 209 00:21:13,539 --> 00:21:28,554 松姫によう似た かいらしい子 もういっぺん わしに見せてくれ。 な…。 210 00:21:28,554 --> 00:21:47,573 ♬~ 211 00:21:47,573 --> 00:21:50,242 分かりました。 そうか。 212 00:21:50,242 --> 00:21:56,916 そうか。 ほな お伝に 話 しとくしな。 213 00:21:56,916 --> 00:22:13,866 ♬~ 214 00:22:13,866 --> 00:22:17,203 (吉保)上様 まことに。 215 00:22:17,203 --> 00:22:19,505 吉保。 216 00:22:23,876 --> 00:22:26,579 化粧を頼む。 217 00:22:32,218 --> 00:22:40,226 肌が疲れておっては 男たちも興ざめであろ。 218 00:22:42,561 --> 00:22:55,574 また 男と子をなさねばならぬ。 219 00:22:59,578 --> 00:23:28,741 ♬~ 220 00:23:28,741 --> 00:23:33,879 (大典侍)あの黒鍬もんは いまだ立ち直っておらず➡ 221 00:23:33,879 --> 00:23:38,751 とても上様のお相手どころでは ないようにござりますよ。 222 00:23:38,751 --> 00:23:44,223 (御台)ほな ここで 大典侍が 上様との間に子をもうけたら➡ 223 00:23:44,223 --> 00:23:46,892 一足飛びにお腹様に。 224 00:23:46,892 --> 00:23:50,229 もちろん そのつもりにございます。 225 00:23:50,229 --> 00:23:57,569 いや~ ほんま よう死んでくれはった!➡ 226 00:23:57,569 --> 00:24:01,173 松姫様をおまつりせんとなぁ!➡ 227 00:24:01,173 --> 00:24:07,846 ところで 右衛門佐 上様のお加減はどうなんや。 228 00:24:07,846 --> 00:24:15,721 私も お目にかかれてはおりませぬが ご心痛から いまだ伏せっておいでと。 229 00:24:15,721 --> 00:24:21,193 まぁ でも あの方のことや。 すぐに立ち直らはるわ。 230 00:24:21,193 --> 00:24:27,066 (大典侍)まこと お好きですもんねぇ。 (笑い声) 231 00:24:27,066 --> 00:24:32,204 京から もう一人呼ぶぞ。 あのつけあがりようでは➡ 232 00:24:32,204 --> 00:24:35,541 上様のお心が離れるのも そう遠くはなかろう。 233 00:24:35,541 --> 00:24:39,411 よろしいかと。 それに これだけ閨を共にして➡ 234 00:24:39,411 --> 00:24:45,884 ご懐妊の兆しがないということは。 大典侍様はもしや。 235 00:24:45,884 --> 00:24:47,820 俺もそう思う。 236 00:24:47,820 --> 00:24:51,757 新典侍にございます。 237 00:24:51,757 --> 00:24:56,528 (綱吉)佐。 そなたが連れてきたのか。 238 00:24:56,528 --> 00:25:04,370 はい。 お気に召しませなんだか? 239 00:25:04,370 --> 00:25:09,508 いや。 これもよい。 240 00:25:09,508 --> 00:25:12,211 では。 今宵。 241 00:25:17,850 --> 00:25:23,188 新しい中臈やと。 はぁ。 242 00:25:23,188 --> 00:25:27,059 わしに ひと言の断りもなく。 243 00:25:27,059 --> 00:25:30,529 ええい! お庭お目見えじゃ! 244 00:25:30,529 --> 00:25:36,535 (鈴の音) ⚟上様のおなーりー。 245 00:25:39,538 --> 00:25:43,208 どれでも選んだらええ。 246 00:25:43,208 --> 00:25:52,217 徳子が しとねを共にしたいと思う男が 授かりやすい男や。 247 00:25:52,217 --> 00:25:54,153 はい。 248 00:25:54,153 --> 00:26:07,166 ♬~ 249 00:26:07,166 --> 00:26:09,101 そう硬くなるな。 250 00:26:09,101 --> 00:26:14,039 まず 床に侍ったらの。 こう申し上げるのじゃ。 251 00:26:14,039 --> 00:26:22,181 上様 大奥にいる男たちは皆 上様に恋をしているのでござります。 252 00:26:22,181 --> 00:26:24,483 そうか。 253 00:26:35,194 --> 00:26:39,531 そなた 名は? 254 00:26:39,531 --> 00:26:43,202 そなた 名は? 255 00:26:43,202 --> 00:27:05,457 ♬~ 256 00:27:05,457 --> 00:27:11,163 (隆光) 長きにわたり 一向にご懐妊の気配がない。 257 00:27:11,163 --> 00:27:17,035 徳子は どうしたら子に恵まれますやろか お教え頂けませんか。 隆光様。 258 00:27:17,035 --> 00:27:23,175 桂昌院様。 拙僧には 世を見通せる力はござりませんのでな。 259 00:27:23,175 --> 00:27:29,047 けど わしが将軍の父になるいうことは 見通さはったやないですか! 260 00:27:29,047 --> 00:27:33,519 お願いします! このお寺で足らんいわはるんやったら➡ 261 00:27:33,519 --> 00:27:37,856 もっと大きいお寺 寄進しますから! 262 00:27:37,856 --> 00:27:44,530 どうか 隆光様 徳子に子ができる方法をなんぞ! 263 00:27:44,530 --> 00:27:46,865 どうか! 264 00:27:46,865 --> 00:27:53,205 若き折 殺生をされておいでだな。 265 00:27:53,205 --> 00:27:56,875 殺生…! 266 00:27:56,875 --> 00:28:01,713  回想 (玉栄)堪忍な 若紫。 267 00:28:01,713 --> 00:28:04,483 ああああああああ! 268 00:28:04,483 --> 00:28:14,493 「力を以て人を服する者は 心服に非ざるなり 力たらざるなり」。 269 00:28:20,499 --> 00:28:23,502 上様。 270 00:28:27,839 --> 00:28:32,844 最近は 退屈しておる暇がなくての。 271 00:28:36,848 --> 00:28:42,854 上様は まこと 学問がお好きにあられますな。 272 00:28:45,524 --> 00:28:49,394 父上には褒められぬがの。 273 00:28:49,394 --> 00:28:55,200 褒められぬ? 学をなすことがですか? 274 00:28:55,200 --> 00:28:59,538 目を悪うしては 目つきが悪うなる。 275 00:28:59,538 --> 00:29:04,843 さようなことになっては 器量を損ねると言われての。 276 00:29:07,813 --> 00:29:12,684 父上が私に器量と言う時➡ 277 00:29:12,684 --> 00:29:20,392 それは必ず中身ではなく 見かけのことであった。 278 00:29:26,164 --> 00:29:35,841 私の京でのお役目は 種付けにございました。 279 00:29:35,841 --> 00:29:38,176 一家が食うていくためには➡ 280 00:29:38,176 --> 00:29:42,848 私が 他家の娘御に種付けをして 稼ぐよりほかなく。 281 00:29:42,848 --> 00:29:47,519 兄様が見栄えもようて賢うて助かるわぁ。 282 00:29:47,519 --> 00:29:53,392 おかげさんで よそより高い種付け料がもらえるし。 283 00:29:53,392 --> 00:29:59,131 ぎょうさん学問したかいがあると 笑うておりましたが➡ 284 00:29:59,131 --> 00:30:06,538 実のところ 己の運命を呪っておりました。 285 00:30:06,538 --> 00:30:14,546 俺は 種付けをするためだけに 生まれてきたのかと…。 286 00:30:18,150 --> 00:30:21,887 ⚟(桂昌院)徳子!➡ 287 00:30:21,887 --> 00:30:24,556 徳子! 288 00:30:24,556 --> 00:30:27,459 わしや…!➡ 289 00:30:27,459 --> 00:30:32,431 子ができひんのは わしのせいやった! 290 00:30:32,431 --> 00:30:34,566 父上のせい? 291 00:30:34,566 --> 00:30:43,909 わしが昔 猫を殺したせいやて! 堪忍や。 292 00:30:43,909 --> 00:30:47,779 落ち着いて下されませ 父上。 293 00:30:47,779 --> 00:30:51,249 今後一切の殺生はならぬ。 294 00:30:51,249 --> 00:30:57,122 人以外の生き物 特に犬を大切にせよと!➡ 295 00:30:57,122 --> 00:31:01,526 そうせぬと 世継ぎに恵まれんと! 296 00:31:01,526 --> 00:31:04,429 どうしよう! どうしよう 徳子!➡ 297 00:31:04,429 --> 00:31:12,871 これでは これでは わしは 有功様に顔向けできひん! 298 00:31:12,871 --> 00:31:16,541 父上。➡ 299 00:31:16,541 --> 00:31:18,477 父上。 300 00:31:18,477 --> 00:31:24,182 (桂昌院の泣き声) 301 00:31:26,551 --> 00:31:29,454 (お美)犬猫鶏を傷つけてはならぬ。➡ 302 00:31:29,454 --> 00:31:36,762 今後 犬猫鶏を傷つけたものは 応分の刑に処す? 303 00:31:38,897 --> 00:31:42,768 (綱吉)犬を大切にせよと命じた途端➡ 304 00:31:42,768 --> 00:31:47,239 市中に犬があふれ出すとは。 305 00:31:47,239 --> 00:31:49,908 皮肉なものよのぅ。 306 00:31:49,908 --> 00:31:55,247 お犬様たちは 各所に作りました お犬小屋でお世話しておりますが➡ 307 00:31:55,247 --> 00:32:00,519 その 餌代が1万両にも届こうかという ありさまで…➡ 308 00:32:00,519 --> 00:32:05,390 その これ以上かかりがかさみますのは。 309 00:32:05,390 --> 00:32:12,531 かかりがかさむくらいなら 私が世継ぎに恵まれずともよいと。 310 00:32:12,531 --> 00:32:16,835 いえ! 決してそのようなことは! 311 00:32:22,541 --> 00:32:24,476 (お江)お犬様は実のところ➡ 312 00:32:24,476 --> 00:32:28,413 公方様にお世継ぎを授かるための 願かけらしいわよ。 313 00:32:28,413 --> 00:32:32,217 お世継ぎがないんだったら 親戚の子でも もらってくりゃいいんじゃないの。 314 00:32:32,217 --> 00:32:35,887 それが 桂昌院様が大反対らしいわよ。 315 00:32:35,887 --> 00:32:40,559 (桂昌院)甲府の綱豊に跡をいう話が 出てるみたいやけどな。➡ 316 00:32:40,559 --> 00:32:44,896 あかんで 徳子 お夏の孫なんか。 317 00:32:44,896 --> 00:32:51,770 お前は わしの女やけど あの有功様の女でもあるんや。 318 00:32:51,770 --> 00:32:57,242 せやから 何が何でも お世継ぎを産まんとあかんのや。 319 00:32:57,242 --> 00:33:02,848 父上 ご安堵下され。 (桂昌院)うん。 320 00:33:02,848 --> 00:33:08,186 これから 美しう装いますゆえ。 321 00:33:08,186 --> 00:33:13,525 おぉ 美しう美しうにな。 322 00:33:13,525 --> 00:33:15,527 (鈴の音) 323 00:33:47,425 --> 00:33:52,564 あ 父上 あの者 もう3つも鉢巻きを! 324 00:33:52,564 --> 00:33:56,868 そうよ。ふふふ。 おい もう一本! 325 00:34:19,524 --> 00:35:00,832 ♬~ 326 00:35:00,832 --> 00:35:06,705 (綱吉)では そなたたち➡ 327 00:35:06,705 --> 00:35:10,408 2人で むつみ合うてみよ。 328 00:35:12,177 --> 00:35:15,513 あの 今 何と。 329 00:35:15,513 --> 00:35:17,816 抱き合え。 330 00:35:20,185 --> 00:35:22,120 ふふ。 331 00:35:22,120 --> 00:35:25,056 何を戸惑う。 332 00:35:25,056 --> 00:35:28,059 いつもやっていることであろうが。 333 00:35:28,059 --> 00:35:34,199 あの 上様。 上様!➡ 334 00:35:34,199 --> 00:35:37,102 仰せのとおりにございます!➡ 335 00:35:37,102 --> 00:35:42,073 大奥にて 上様のおなりを 待つ身でありながら 不届き千万!➡ 336 00:35:42,073 --> 00:35:50,382 なれど ただいまの仰せだけは 何とぞご容赦を! 337 00:35:52,884 --> 00:35:56,755 誰に物を申しておる。 338 00:35:56,755 --> 00:36:00,058 天下人に逆らうつもりか。 339 00:36:02,160 --> 00:36:06,831 私がやれと言ったらやるのじゃ。➡ 340 00:36:06,831 --> 00:36:09,734 やれ。 341 00:36:09,734 --> 00:36:15,173 ほら やれ。 342 00:36:15,173 --> 00:36:17,842 抱き合え! 343 00:36:17,842 --> 00:36:31,856 ♬~ 344 00:36:31,856 --> 00:36:33,858 ⚟それまで! 345 00:36:35,527 --> 00:36:42,534 恐れ多くも上様のご寝室を 血で穢すつもりか! この不届き者が! 346 00:36:53,545 --> 00:36:59,417 お主らの沙汰は おって申しつける! 347 00:36:59,417 --> 00:37:01,720 下がれ! 348 00:37:04,155 --> 00:37:07,859 下がれ! (2人)ははぁ。 349 00:37:16,501 --> 00:37:24,843 つまらん。 面白いところであったのに。 350 00:37:24,843 --> 00:37:36,187 なるほど 仰せのとおり 上様は 天下人にあられましょう! 351 00:37:36,187 --> 00:37:39,524 しかし そのお力は➡ 352 00:37:39,524 --> 00:37:44,863 天下を治めるためにこそ 使われるべきもの。 353 00:37:44,863 --> 00:37:48,733 父親の言いなりに愚にもつかぬ 触れを出したり➡ 354 00:37:48,733 --> 00:37:52,737 大奥の若い男たちを弄び➡ 355 00:37:52,737 --> 00:37:58,743 辱めるために使うものでは ござりますまい! 356 00:38:00,812 --> 00:38:04,482 …辱め? 357 00:38:04,482 --> 00:38:11,789 人前で むつみ合えというは 辱めにございましょう! 358 00:38:15,827 --> 00:38:21,166 ふふふ…。 359 00:38:21,166 --> 00:38:30,175 は… では これは何じゃ。 360 00:38:33,511 --> 00:38:37,182 何が辱めじゃ! 361 00:38:37,182 --> 00:38:47,492 私は毎夜毎夜 こうして そなたらに 夜の営みを聞かれておるではないか! 362 00:38:50,728 --> 00:38:57,869 そうか! これは辱めであったか! 363 00:38:57,869 --> 00:39:04,475 どうであった 私の夜の営みは? 364 00:39:04,475 --> 00:39:10,815 男を喜ばせるために ありとあらゆる手を 尽くしてきたつもりだが➡ 365 00:39:10,815 --> 00:39:14,819 果たして それはどうであったかの!? 366 00:39:17,689 --> 00:39:29,167 将軍とはな 岡場所で体を売る男たちよりも卑しい➡ 367 00:39:29,167 --> 00:39:34,505 この国で一番卑しい女のことじゃ! 368 00:39:34,505 --> 00:40:00,531 ♬~ 369 00:40:00,531 --> 00:40:11,542 松姫 なぜ死んだ。 370 00:40:11,542 --> 00:40:15,246 なぜ 母を置いて…。 371 00:40:23,888 --> 00:40:28,192 のぅ 佐。 372 00:40:30,561 --> 00:40:41,873 天命を失った君主は 誰かに倒されても 致し方ないのであろう。 373 00:40:44,108 --> 00:40:54,118 なのに なぜ 誰も私を倒しに来ぬのじゃ? 374 00:40:57,588 --> 00:41:05,296 今なら喜んで殺されてやるというのに。 375 00:41:14,872 --> 00:41:21,546 佐…➡ 376 00:41:21,546 --> 00:41:25,883 今なら私を殺せるぞ? 377 00:41:25,883 --> 00:42:53,905 ♬~ 378 00:42:53,905 --> 00:42:56,207 お疲れなのです。 379 00:42:58,242 --> 00:43:05,249 今宵は ゆっくりおやすみ下さいませ。 380 00:43:18,196 --> 00:44:05,510 ♬~ 381 00:44:05,510 --> 00:44:09,380 将軍の何よりのつとめは 子を産むことや! 382 00:44:09,380 --> 00:44:12,850 いざ! 383 00:44:12,850 --> 00:44:16,521 私は 何のために生まれてきたのか。 384 00:44:16,521 --> 00:44:19,423 そなたは 私に恋をしておるか。 385 00:44:19,423 --> 00:44:24,128 私は 上様に恋をしておりましたよ。 もとは上様に恋をしておりましたよ。