1 00:00:07,074 --> 00:00:14,214 「子曰く 仁遠からんや。 我仁を欲すれば➡ 2 00:00:14,214 --> 00:00:20,087 斯に仁至るや。 陳の司敗問ふ 昭公」。 3 00:00:20,087 --> 00:00:25,559 (桂昌院)おお… また学問してるんかいな。 4 00:00:25,559 --> 00:00:31,431 今日習ったところが 面白うございまして。 5 00:00:31,431 --> 00:00:37,571 学問もええけどな すがめになるしな ええ加減になぁ。 6 00:00:37,571 --> 00:00:41,441 女が大事なんは 器量と愛嬌や。 7 00:00:41,441 --> 00:00:49,917 いつか 徳子が上様になったらな 大奥中の男に恋をさせへんとあかんのや。 8 00:00:49,917 --> 00:00:55,589 父上は親バカじゃ。 これではのぅ。 9 00:00:55,589 --> 00:00:59,927 (もと) 徳子様は 大層お美しうございますよ。 10 00:00:59,927 --> 00:01:04,197 もとは男なら 徳子様の側室にして頂きとうございま…。 11 00:01:04,197 --> 00:01:09,069 もうよいよい。 そなたに言われると 何やら悲しうなってくるわ。 12 00:01:09,069 --> 00:01:12,072 ⚟(吉保)桂昌院様。 13 00:01:14,541 --> 00:01:18,245 (桂昌院)吉保。 14 00:01:21,214 --> 00:01:27,888 (泣き声) 15 00:01:27,888 --> 00:01:31,558 (お伝)も… 申し訳ございませぬ! 16 00:01:31,558 --> 00:01:41,268 その 高貴なお方は 泣き顔まで お美しいと! 17 00:01:45,906 --> 00:01:54,915 (綱吉)では そなたは 私が好きか。 18 00:02:00,187 --> 00:02:03,490 私に恋をしておるか。 19 00:02:06,059 --> 00:02:09,863 (お伝)信じられねえんです。➡ 20 00:02:09,863 --> 00:02:16,570 俺が徳川様のご一門の親になれたなんて。 21 00:02:22,876 --> 00:02:26,179 姫 どこ! 22 00:02:36,223 --> 00:02:39,226 (右衛門佐)おはようございます。 23 00:02:46,233 --> 00:02:54,574 佐 あの者たちはどのようにするのじゃ。 24 00:02:54,574 --> 00:03:00,847 お定めでは 奥での男色は御法度にございます。 25 00:03:00,847 --> 00:03:07,854 風紀を正す見せしめともなりますし 相応の罰を与えることといたします。 26 00:03:10,857 --> 00:03:15,729 あまり苛烈にならぬよう よい塩梅に抑えるようにな。 27 00:03:15,729 --> 00:03:22,202 男の数を減らしては 色狂いの名が廃る。 28 00:03:22,202 --> 00:03:26,073 承りました。 29 00:03:26,073 --> 00:03:31,211 ところで 上様 お添い寝のことにございますが➡ 30 00:03:31,211 --> 00:03:34,881 人を減らすこと 遠ざけること➡ 31 00:03:34,881 --> 00:03:38,885 こちらでできることがございまするかと。 32 00:03:40,754 --> 00:03:46,059 何じゃ 優しいではないか。 33 00:03:47,894 --> 00:03:54,601 大奥は 上様をお癒やしする場で あらねばなりませぬ。 34 00:03:58,538 --> 00:04:03,176 添い寝がおるのにも それなりの意味がある。 35 00:04:03,176 --> 00:04:09,483 案ずるな。 二度とは乱れぬ。 36 00:04:11,051 --> 00:04:13,520 は。 37 00:04:13,520 --> 00:04:24,531 ♬~ 38 00:04:24,531 --> 00:04:31,404  回想  上様は 天下人にあられましょう!➡ 39 00:04:31,404 --> 00:04:38,545 そのお力は 天下を治めるためにこそ 使われるべきもの。 40 00:04:38,545 --> 00:04:55,829 ♬~ 41 00:04:57,564 --> 00:05:02,836 生類憐みの触れを… 取り下げたい。 42 00:05:02,836 --> 00:05:07,174 放り出された犬を養うためのかかりも かさんでおりますし。 43 00:05:07,174 --> 00:05:09,509 金くらい何や! 44 00:05:09,509 --> 00:05:13,213 子ができひんかったらどうするんや! 45 00:05:17,851 --> 00:05:26,193 父上 私➡ 46 00:05:26,193 --> 00:05:31,064 既に月のものがないのでございます。➡ 47 00:05:31,064 --> 00:05:35,869 月のものがなければ どれだけ営みを続けたところで➡ 48 00:05:35,869 --> 00:05:41,741 子を授かることは もはや できかねるのでございます。 49 00:05:41,741 --> 00:05:46,213 ほな なおのこと 神仏にすがらんとあかんやろ。➡ 50 00:05:46,213 --> 00:05:50,083 できひんのやったら それこそ功徳を積んで➡ 51 00:05:50,083 --> 00:05:53,887 神仏のお力に頼らへんと。➡ 52 00:05:53,887 --> 00:05:58,558 将軍の何よりのつとめは 子を産むことや! 53 00:05:58,558 --> 00:06:09,836 家光公も 有功様も そのおつとめのために 涙をのんで耐え忍ばはったんや!➡ 54 00:06:09,836 --> 00:06:14,708 そのたった一つのおつとめも果たさんと 投げ出すとは➡ 55 00:06:14,708 --> 00:06:18,411 恥ずかしいとは思えへんのか! 56 00:06:26,186 --> 00:06:30,056 つとめを果たせず まこと申し訳なく。 57 00:06:30,056 --> 00:06:35,061 わしは 何のために お前をもうけたんじゃ! 58 00:06:57,550 --> 00:07:02,255 (吉保)そろそろ年も暮れますね。 59 00:07:06,826 --> 00:07:10,163 のぅ。 60 00:07:10,163 --> 00:07:17,504 もし 姫が生きておれば➡ 61 00:07:17,504 --> 00:07:22,509 今年は どんな年になったのであろうな。 62 00:07:29,849 --> 00:07:35,555 上様。 お目汚しにございますが。 63 00:07:37,524 --> 00:07:39,459 (吉保)覚えておいでですか?➡ 64 00:07:39,459 --> 00:07:47,534 館林で 一生おそばにおると お誓いした日のこと。 65 00:07:47,534 --> 00:07:51,204 忘れるわけないであろうか。 66 00:07:51,204 --> 00:08:01,481 私ごとき 何のお慰めにもならぬと 存じますが➡ 67 00:08:01,481 --> 00:08:07,787 私はずっと おそばにおりまする。 68 00:08:14,828 --> 00:08:17,831 何を今更。 69 00:08:28,375 --> 00:08:31,678 (大石)いざ! 70 00:08:34,514 --> 00:08:39,185 (大石)上野介様。 お覚悟! 71 00:08:39,185 --> 00:08:41,521 ついに赤穂浪士が討ち入った!➡ 72 00:08:41,521 --> 00:08:45,859 主君の仇 にっくき吉良上野介を討ち取った。 73 00:08:45,859 --> 00:08:50,196 (お江)主君の仇討ちなんて… 男って…。 74 00:08:50,196 --> 00:08:55,068 浪士たちを打ち首にはしたくない。 75 00:08:55,068 --> 00:08:58,071 そなたらは そう申すのか。 76 00:08:58,071 --> 00:09:00,473 恐れながら 上様。 77 00:09:00,473 --> 00:09:05,812 浅野は今どきの大名家には珍しく 男が家督を継いでおります。➡ 78 00:09:05,812 --> 00:09:10,150 城代家老の大石内蔵助はじめ 浪士四十七士のうち➡ 79 00:09:10,150 --> 00:09:12,819 四十二人が男子にございまして。 80 00:09:12,819 --> 00:09:18,158 江戸の民たちは 主君の仇を討ったと 男どもの働きを称賛しております。➡ 81 00:09:18,158 --> 00:09:23,029 ここは ひとつ なんとか ご助命を お考えになっては下さいませぬか。 82 00:09:23,029 --> 00:09:25,498 は? 83 00:09:25,498 --> 00:09:29,169 逆恨みをし 老女をなぶり殺しにした者たちを➡ 84 00:09:29,169 --> 00:09:31,838 助命しろと申すのか! 85 00:09:31,838 --> 00:09:34,174 正気か!? そなたら! 86 00:09:34,174 --> 00:09:36,843 生類憐みの触れを出しておきながら➡ 87 00:09:36,843 --> 00:09:39,746 お上が 四十人もの男子たちを処罰するとは➡ 88 00:09:39,746 --> 00:09:45,051 これまた道理が通らぬという話も 起こっておるようにございます! 89 00:09:49,856 --> 00:09:59,199 分かった。 あい分かった。 90 00:09:59,199 --> 00:10:09,542 では 打ち首ではなく 切腹を命じよ。➡ 91 00:10:09,542 --> 00:10:14,214 そうじゃ ついでに 以後➡ 92 00:10:14,214 --> 00:10:20,553 武家において 男子を跡目とすることを 禁ずると申し伝えよ! 93 00:10:20,553 --> 00:10:27,260 男を政に関わらすゆえ かような血生臭いことが起こるのじゃ。 94 00:10:30,897 --> 00:10:34,767 早速 触れを出せ! (老中たち)はっ。 95 00:10:34,767 --> 00:10:41,541 「人を愛して親しまずんば 其の仁に反れ。➡ 96 00:10:41,541 --> 00:10:47,847 人を治めて治まらずんば 其の智に反れ」。 97 00:10:50,583 --> 00:10:54,454 別のものにいたしましょうか。 98 00:10:54,454 --> 00:10:57,757 構わぬ 続けよ。 99 00:11:02,862 --> 00:11:08,535 上様➡ 100 00:11:08,535 --> 00:11:15,875 こたびこそ 生類憐みのお触れを 取り下げてはいかがでしょう。 101 00:11:15,875 --> 00:11:20,547 民の不満のもとは このお触れにございます。 102 00:11:20,547 --> 00:11:23,883 こたびのことも このお触れさえなければ➡ 103 00:11:23,883 --> 00:11:30,590 上様は厳しくも公正なご判断をされたと 民も受け止めたことかと。 104 00:11:35,495 --> 00:11:37,897 このまま 桂昌院様のお願いをかなえるより…。 105 00:11:37,897 --> 00:11:39,832 何度言うたら分かる! 106 00:11:39,832 --> 00:11:41,768 つけあがるな! 107 00:11:41,768 --> 00:11:47,907 たかが 大奥の采配役風情が 天下の政に口を挟むな! 108 00:11:47,907 --> 00:11:49,909 上様。 109 00:11:55,582 --> 00:11:58,484 (桂昌院)すまんな。 徳子。➡ 110 00:11:58,484 --> 00:12:03,389 お前は わしのせいで つとめを果たせへんねん。 111 00:12:03,389 --> 00:12:12,865 若紫が許してくれるように わしから ようようお頼みするしな。 112 00:12:12,865 --> 00:12:22,175 すぐに 子ぉができるように お願いするしな。 113 00:12:26,879 --> 00:12:31,217 堪忍や。 徳子。 114 00:12:31,217 --> 00:12:38,091 つらい目にあわして すまんな。 115 00:12:38,091 --> 00:12:49,902 ♬~ 116 00:12:49,902 --> 00:12:55,908 (読経) 117 00:12:59,245 --> 00:13:04,083 ⚟(綱吉)廊下におるのは そなたの三女であるそうじゃな。 118 00:13:04,083 --> 00:13:09,522 あの者は父の身分が低く 家臣の家に出した娘にございます。 119 00:13:09,522 --> 00:13:12,191 どうしても 江戸を一度見てみたいと申すので➡ 120 00:13:12,191 --> 00:13:16,863 連れてまいったまで。 どうぞ お捨て置き下さいませ。 121 00:13:16,863 --> 00:13:21,200 入れてやれ。 吉保。 122 00:13:21,200 --> 00:13:23,903 は。 123 00:13:41,521 --> 00:13:43,823 信にござります。 124 00:13:45,892 --> 00:13:50,229 江戸は見たか そなたら。 125 00:13:50,229 --> 00:13:54,567 はい。 街ゆく民らの姿も 美しく華やかで➡ 126 00:13:54,567 --> 00:13:57,236 なんと楽しそうなところかと! 127 00:13:57,236 --> 00:14:02,842 そうかそうか。 そなたは? 128 00:14:02,842 --> 00:14:07,180 物の値が高くて困ると 民が不平を漏らしておりました。 129 00:14:07,180 --> 00:14:10,516 (光貞)これ! よいよい。 130 00:14:10,516 --> 00:14:15,822 そなたは よう見ておるの。 頼もしきことじゃ。 131 00:14:21,160 --> 00:14:23,096 これは。 132 00:14:23,096 --> 00:14:27,066 私が若い頃 使っておったものじゃ。➡ 133 00:14:27,066 --> 00:14:32,772 遠慮はいらぬゆえ 好きなものを持っていけ。 134 00:14:32,772 --> 00:14:39,879 では 私は こちらを頂戴してよろしうございますか? 135 00:14:39,879 --> 00:14:43,216 なんとも慎ましいものを選ぶの。 136 00:14:43,216 --> 00:14:46,552 私は これと これと。 137 00:14:46,552 --> 00:14:49,455 (光貞)これ 欲張りな! よいよい。 138 00:14:49,455 --> 00:14:56,229 着飾りたいのは女の性じゃ のぅ。 139 00:14:56,229 --> 00:14:58,164 そなたもよいぞ。 140 00:14:58,164 --> 00:15:02,502 では 信は そちらに残った全てを 頂きとう存じます。 141 00:15:02,502 --> 00:15:04,837 (光貞)の… 信!? 142 00:15:04,837 --> 00:15:09,509 そなた さように かんざしに興味があるのか? 143 00:15:09,509 --> 00:15:14,380 いえ いつも助けてくれる家来衆に 分けてやりたいと考えております。 144 00:15:14,380 --> 00:15:18,184 ほ! これはこれは。➡ 145 00:15:18,184 --> 00:15:21,521 なんとも見上げた心がけではないか。 146 00:15:21,521 --> 00:15:26,192 しかし お信とやら。➡ 147 00:15:26,192 --> 00:15:36,536 家臣にやるのはよいが 己の身なりにも もう少し気を遣ってもよいのでは? 148 00:15:36,536 --> 00:15:42,208 そなたも いずれ 夫や側室を持つであろう? 149 00:15:42,208 --> 00:15:47,079 その者たちをその気にさせ 世継ぎをもうけるには➡ 150 00:15:47,079 --> 00:15:49,081 美しゅうなくては。 151 00:15:49,081 --> 00:15:51,217 そうなのでしょうか。 (光貞)信! 152 00:15:51,217 --> 00:15:55,087 構わぬ。 続けよ。 153 00:15:55,087 --> 00:15:59,091 信は 美しい男に 全く興味がないのでございます。➡ 154 00:15:59,091 --> 00:16:02,829 美しい男に興味がない信がいる ということは➡ 155 00:16:02,829 --> 00:16:07,700 美しい女に興味のない男も いるはずにございます。 156 00:16:07,700 --> 00:16:10,503 身なりや見かけを気にかけぬ➡ 157 00:16:10,503 --> 00:16:16,843 信は さような者を選べば済む話なのでは ないでしょうか。 158 00:16:16,843 --> 00:16:19,178 (光貞) 男女のことなど分からぬ子どものこと!➡ 159 00:16:19,178 --> 00:16:22,481 何とぞ お許し頂ければ! 160 00:16:28,855 --> 00:16:43,402 ふふふ はははははっ…! 161 00:16:43,402 --> 00:16:49,175 そうか そうか。➡ 162 00:16:49,175 --> 00:16:53,546 はははははっ…! 163 00:16:53,546 --> 00:16:56,449 何でもない。 164 00:16:56,449 --> 00:17:04,824 あまりにも思いつかぬ考えで あったものでな…➡ 165 00:17:04,824 --> 00:17:10,530 そう。 思ってもみなんだ…。 166 00:17:18,170 --> 00:17:22,508 気に入ったぞ! 信!➡ 167 00:17:22,508 --> 00:17:28,180 そなたに 越前葛野三万石を取らせる! 168 00:17:28,180 --> 00:17:30,116 ははっ。 169 00:17:30,116 --> 00:17:34,854 (吉保)変わった姫にございましたね。 170 00:17:34,854 --> 00:17:42,728 のぅ あのような考え 一体 どうしたら生まれてくるというのじゃ。 171 00:17:42,728 --> 00:17:53,039 桂昌院様も 甲府ではなく紀州ならば なんとかご納得頂けないでしょうか。 172 00:18:01,480 --> 00:18:05,351 (久通)今 どの辺りにございますか? 173 00:18:05,351 --> 00:18:11,490 (吉宗) 綱吉公に所領と偏諱を賜った辺りじゃ。 174 00:18:11,490 --> 00:18:16,829 あぁ あのかんざしを頂いた折にございますね。 175 00:18:16,829 --> 00:18:20,700 そなた あのかんざし どうしたのじゃ。 176 00:18:20,700 --> 00:18:25,504 上様に頂きましたもの 恐れ多くて つけられなどしませぬ。 177 00:18:25,504 --> 00:18:29,375 家宝とし 大事にしまっております。 178 00:18:29,375 --> 00:18:34,380 正直に言え。 つけどころがなかったのじゃろ。 179 00:18:42,054 --> 00:18:44,190 何じゃ。 180 00:18:44,190 --> 00:18:48,527 上様が あとどれほどで お休みになられるかと気になりまして。 181 00:18:48,527 --> 00:18:52,832 どうか よろしきところで おやすみ下さいませ。 182 00:19:11,484 --> 00:19:17,490 ⚟上様のおなーりー。 183 00:19:28,834 --> 00:19:33,172 まこと 紀州に跡を継がせるおつもりか! 184 00:19:33,172 --> 00:19:39,045 お血筋 ご器量 どこをどう取っても 跡目は 甲府の綱豊様! 185 00:19:39,045 --> 00:19:46,719 甲府の綱豊様は そもそも お体が弱く 産まれてくる子も短命や死産ばかり。 186 00:19:46,719 --> 00:19:53,859 お年もいっておられる。 その点 紀州は年若く 剛健。 187 00:19:53,859 --> 00:19:59,198 甲府ほどの仕事ぶりではないにしても 人柄は実直。➡ 188 00:19:59,198 --> 00:20:03,536 十分に つとめを果たせるのではないかと。➡ 189 00:20:03,536 --> 00:20:10,876 それでも 納得なさらぬとおっしゃるなら…➡ 190 00:20:10,876 --> 00:20:14,180 どうぞ私まで。 191 00:20:17,750 --> 00:20:21,220 甲府はあかんで。 192 00:20:21,220 --> 00:20:24,557 甲府だけはあかんで 徳子!➡ 193 00:20:24,557 --> 00:20:28,894 あのお夏いうんはな。 はいはい。 194 00:20:28,894 --> 00:20:33,566 ですので 父上 紀州にいたしますので。 195 00:20:33,566 --> 00:20:36,235 紀州はお好きにございましょう? 196 00:20:36,235 --> 00:20:40,906 これが紀州でございます。 これが紀州。 197 00:20:40,906 --> 00:20:44,210 紀州は好きや。 198 00:20:47,780 --> 00:20:53,786 そや 子はまだできひんのか? 徳子。 199 00:20:59,925 --> 00:21:05,531 ⚟「其の愚を知る者は 大愚にあらざるなり。➡ 200 00:21:05,531 --> 00:21:12,238 其の惑いを知る者は 大惑にあらざるなり」。 201 00:21:13,873 --> 00:21:18,210 ⚟「大惑なる者は 終身さとらず➡ 202 00:21:18,210 --> 00:21:24,216 大愚なる者は 終身さとからず」。 203 00:21:31,223 --> 00:21:34,527 今は荘子か。 はっ。 204 00:21:46,772 --> 00:21:49,775 (綱吉)そなたは甲府推しか。 205 00:21:54,446 --> 00:21:57,249 (綱吉)何じゃ。 206 00:21:57,249 --> 00:22:04,523 天下の政に口を挟むなと お叱りを受けましたので。 207 00:22:04,523 --> 00:22:09,228 構わぬ。 こちらから聞いておる。 208 00:22:11,197 --> 00:22:18,537 「琭琭 玉の如きを欲せず。 珞珞 石の如きか」。 209 00:22:18,537 --> 00:22:22,875 いたずらに道理をたがえることは 災いの種となると➡ 210 00:22:22,875 --> 00:22:27,746 老子も申しております。 その上で こうも考えますな。 211 00:22:27,746 --> 00:22:31,550 甲府を据えて紀州だと教えれば➡ 212 00:22:31,550 --> 00:22:38,257 もはや 桂昌院様には お分かりにもならぬのではないか とも。 213 00:22:41,894 --> 00:22:44,597 そなたらしいの。 214 00:22:49,768 --> 00:22:57,443 家光公は ひどくお忙しいお方での。 215 00:22:57,443 --> 00:23:03,515 私には 母の思い出はない。 216 00:23:03,515 --> 00:23:12,825 欲得抜きで私を慈しんで下さったのは 父上だけじゃ。 217 00:23:15,861 --> 00:23:24,203 たとえ 耄碌されたとしても➡ 218 00:23:24,203 --> 00:23:28,073 その父上を裏切りたくはない…。 219 00:23:28,073 --> 00:23:35,547 それは 上様が己が望みをかなえるに➡ 220 00:23:35,547 --> 00:23:39,551 入用な器で あられたからにございましょう? 221 00:23:44,890 --> 00:23:51,230 桂昌院様こそ もっとも欲得ずくで 上様に関わっておられるお人だと➡ 222 00:23:51,230 --> 00:23:54,133 私には思えます。 223 00:23:54,133 --> 00:24:01,040 そして この期に及んでも それを慈しみとすり替え➡ 224 00:24:01,040 --> 00:24:06,045 すがっておられる上様が 哀れでなりませぬ。 225 00:24:14,186 --> 00:24:20,526 変わらぬの。 そなたは。 226 00:24:20,526 --> 00:24:26,231 上様は今日は お怒りにならぬのですか? 227 00:24:27,866 --> 00:24:33,539 巧言令色鮮なし仁じゃ。 228 00:24:33,539 --> 00:24:40,412 ただ そこまで言うのなら➡ 229 00:24:40,412 --> 00:24:48,120 あの日 私を抱いてほしかったがな。 230 00:24:53,559 --> 00:25:00,833 (綱吉)佐。 そなたは 体を差し出さずに 力を得てみたい➡ 231 00:25:00,833 --> 00:25:09,174 と ここへ来たのだろ? 違うか? 232 00:25:09,174 --> 00:25:13,846 そなたは その己が望みを➡ 233 00:25:13,846 --> 00:25:18,717 たかが私のためになど 捨てたくはなかった…。 234 00:25:18,717 --> 00:25:25,457 そなたは とどのつまりは➡ 235 00:25:25,457 --> 00:25:28,861 父上と同じではないか? 236 00:25:28,861 --> 00:25:56,889 ♬~ 237 00:25:56,889 --> 00:25:58,824 ううっ… んん! 238 00:25:58,824 --> 00:26:02,127 死ね。 綱吉。 239 00:26:10,836 --> 00:26:15,174 (秋本)上様。 ご無事で。 240 00:26:15,174 --> 00:26:18,076 あ あぁ…。 241 00:26:18,076 --> 00:26:20,846 かような者が紛れ込んでいたとは。 242 00:26:20,846 --> 00:26:22,781 こたびの失態は この右衛門佐。 243 00:26:22,781 --> 00:26:26,518 (綱吉)さようなことはよい。 244 00:26:26,518 --> 00:26:29,855 誰のたくらみじゃ? 245 00:26:29,855 --> 00:26:33,525 それとも そなたの一存か? 246 00:26:33,525 --> 00:26:36,195 男狂いの女狐が!➡ 247 00:26:36,195 --> 00:26:40,532 もはや世継ぎも産めぬくせに 相変わらずの色狂い! 248 00:26:40,532 --> 00:26:45,204 恥ずかしくないのか! 皆 あきれて笑うておるわ!➡ 249 00:26:45,204 --> 00:26:48,540 醜い老婆が夜な夜な 男をくわえ込んでおるとな! 250 00:26:48,540 --> 00:26:51,443 下がらせよ。 (綱吉)よい。 251 00:26:51,443 --> 00:26:53,445 上様。 252 00:26:56,882 --> 00:26:59,551 言え。 253 00:26:59,551 --> 00:27:02,821 (男)犬公方!➡ 254 00:27:02,821 --> 00:27:06,158 何がお犬様じゃ!➡ 255 00:27:06,158 --> 00:27:13,499 口には出さずとも 国中 皆が貴様の死を願うておるわ!➡ 256 00:27:13,499 --> 00:27:17,369 死ね 綱吉。➡ 257 00:27:17,369 --> 00:27:24,676 死ね! 死ね! 死ね~! 258 00:27:26,512 --> 00:27:33,385 恐らく あの者をたきつけたのは 甲府の者であろうよ。 259 00:27:33,385 --> 00:27:39,091 が さようなことは どうでもよい。 260 00:27:39,091 --> 00:27:48,534 あの刺客が言っていたことは 皆 正しい。 261 00:27:48,534 --> 00:28:00,812 私は結局 何一つ 後の世につなぐことはできなかった。 262 00:28:00,812 --> 00:28:06,151 将軍として善政を行うことも 世継ぎを得ることも➡ 263 00:28:06,151 --> 00:28:14,860 人に望まれたことは 何一つできなかった。 264 00:28:18,497 --> 00:28:27,806 まったく 私は何のために生まれてきたのか。 265 00:28:33,045 --> 00:28:38,517 佐。 ご苦労であった。 266 00:28:38,517 --> 00:28:43,822 私は もう大事ないゆえ そなたも もう下がりゃ。 267 00:28:47,859 --> 00:28:49,795 どうしたのじゃ。 268 00:28:49,795 --> 00:28:53,198 頭痛があると聞いておる。 養生せい。 269 00:28:53,198 --> 00:28:56,535 下がりませぬ。 270 00:28:56,535 --> 00:29:04,543 なぜなら あなた様は お一人になられたら 命を絶つおつもりだからです。 271 00:29:09,481 --> 00:29:12,484 何をバカな。 272 00:29:17,155 --> 00:29:20,158 生きなさい。 273 00:29:33,505 --> 00:29:42,180 いやじゃ もう疲れた。 274 00:29:42,180 --> 00:29:52,190 上様 生きるということは 女と男ということは➡ 275 00:29:52,190 --> 00:29:57,529 ただ女の腹に種をつけ 子孫を残し➡ 276 00:29:57,529 --> 00:30:01,833 家の血をつないでいくことだけでは ありますまい! 277 00:30:07,873 --> 00:30:17,182 いやじゃ もう誰一人 私が生きることなど 望んでおらぬではないか! 278 00:30:19,484 --> 00:30:23,422 佐! やめよ! 279 00:30:23,422 --> 00:30:27,225 佐! やめよ! 何をしておる! 280 00:30:27,225 --> 00:30:30,562 人を呼ぶぞ! 佐! やめ…! 281 00:30:30,562 --> 00:30:35,567 嫌や! 私の夢やったんや! 282 00:30:38,437 --> 00:30:42,908 もう死ぬというんなら➡ 283 00:30:42,908 --> 00:30:46,244 今 かなえさせてもらう。 284 00:30:46,244 --> 00:31:34,559 ♬~ 285 00:31:34,559 --> 00:31:43,902 上様 私は上様に恋をしておりましたよ。 286 00:31:43,902 --> 00:31:47,205 一目お見かけした時から。 287 00:31:49,574 --> 00:31:53,245 よく言う。 288 00:31:53,245 --> 00:32:00,852 ん? では 床入りする男たちが➡ 289 00:32:00,852 --> 00:32:05,190 「恋 恋」言うておったのは。 290 00:32:05,190 --> 00:32:13,064 私の思いを 代わりに言ってもらっておりました。 291 00:32:13,064 --> 00:32:19,738 はははははっ…。 なんと まぁ。 292 00:32:19,738 --> 00:32:23,742 さように笑われずとも…。 293 00:32:27,879 --> 00:32:34,753 しかし さような次第なら➡ 294 00:32:34,753 --> 00:32:40,458 もう少し はよう打ち明けてくれれば。 295 00:32:40,458 --> 00:32:45,464 もう少し ましな私を見せられたものを。 296 00:32:50,569 --> 00:32:53,238 上様。 297 00:32:53,238 --> 00:32:58,577 私は子をなすためのしとねしか 知りませぬ。 298 00:32:58,577 --> 00:33:04,182 何の目的もなく➡ 299 00:33:04,182 --> 00:33:07,853 女性と こうしておるのは➡ 300 00:33:07,853 --> 00:33:10,856 生まれてより初めてにございます。 301 00:33:14,726 --> 00:33:18,864 ここには何もない。 302 00:33:18,864 --> 00:33:25,170 ただの男と女として ここにおるだけです。 303 00:33:28,874 --> 00:33:33,745 こうなったのが➡ 304 00:33:33,745 --> 00:33:37,449 今のあなたで本当によかった。 305 00:33:43,421 --> 00:33:47,125 なんという幸せか! 306 00:34:09,848 --> 00:34:15,520 この度 世継ぎとして➡ 307 00:34:15,520 --> 00:34:18,857 甲府宰相徳川綱豊を➡ 308 00:34:18,857 --> 00:34:23,161 正式に私の養子とすることとする。 309 00:34:24,729 --> 00:34:31,202 以後 たがえることはない。 ゆえに それぞれ よう心得よ!➡ 310 00:34:31,202 --> 00:34:39,077 六代将軍は 私の姪 甲府の綱豊である! 311 00:34:39,077 --> 00:34:47,218 許さへんで! 徳子! 何で綱豊を世継ぎにするんや。 312 00:34:47,218 --> 00:34:50,555 綱豊ではございません。 313 00:34:50,555 --> 00:34:58,430 私の養子にするにあたり 家宣という名に改めました。 314 00:34:58,430 --> 00:35:01,833 私の子にございます。 315 00:35:01,833 --> 00:35:10,842 何でや! 紀州にする言うてたやないか! 316 00:35:10,842 --> 00:35:20,185 父上 将軍である私が決めたことです。 317 00:35:20,185 --> 00:35:24,522 許さへん… 許さへんで 徳子! 318 00:35:24,522 --> 00:35:30,195 徳子! この親不孝もんが!➡ 319 00:35:30,195 --> 00:35:36,901 たった一つのつとめも… つとめも果たさんと! 320 00:35:39,204 --> 00:35:53,551 ♬~ 321 00:35:53,551 --> 00:35:58,256 佐! 佐! 322 00:36:03,161 --> 00:36:06,865 聞いてくれ。 先ほどの! 323 00:36:19,177 --> 00:36:23,048 (秋本)上様がお戻りのあと➡ 324 00:36:23,048 --> 00:36:29,187 頭が痛むので眠るとおっしゃられ…。➡ 325 00:36:29,187 --> 00:36:35,894 先ほど それがしが参った頃には。 326 00:36:57,549 --> 00:37:03,855 (秋本)安らかなお顔で ござりましょう? 327 00:37:06,825 --> 00:37:35,520 ♬~ 328 00:37:35,520 --> 00:37:41,392 宝永6年 綱吉公 御病を得られ➡ 329 00:37:41,392 --> 00:37:46,097 薨去にまつわるお噂あり…? 330 00:37:51,069 --> 00:37:53,872 佐? 331 00:37:53,872 --> 00:38:12,357 ♬~ 332 00:38:12,357 --> 00:38:16,361 す… 佐? 333 00:38:24,502 --> 00:38:27,505 吉保にございます。 334 00:38:32,377 --> 00:38:35,380 そうか。 335 00:38:40,852 --> 00:38:47,192 夢を見ておってな。 336 00:38:47,192 --> 00:38:54,065 佐が迎えに来たのかと。 337 00:38:54,065 --> 00:39:01,139 お迎えにいらっしゃるのは 佐殿なのですか。 338 00:39:01,139 --> 00:39:10,448 欲得のない慈しみを教えてくれたのじゃ。 339 00:39:14,485 --> 00:39:19,357 佐だけがの。 340 00:39:19,357 --> 00:39:22,360 そうですか。 341 00:39:38,509 --> 00:39:41,512 そうですか。 342 00:39:45,850 --> 00:39:48,753 (綱吉)ん! (吉保)上様➡ 343 00:39:48,753 --> 00:39:52,724 館林の 覚えておいでですか? (綱吉)んー…! 344 00:39:52,724 --> 00:39:55,860 あの誓いの日のこと。 345 00:39:55,860 --> 00:40:02,734 そなた 父上と何をしておった。 346 00:40:02,734 --> 00:40:05,536 申し訳ございませぬ! 347 00:40:05,536 --> 00:40:13,211 全て 綱吉様のおそばに お仕えし続けるために…➡ 348 00:40:13,211 --> 00:40:18,516 私には それしか 術がなかったからにございます! 349 00:40:25,556 --> 00:40:28,860 ならば 証しを。 350 00:40:35,566 --> 00:40:39,237 誓うか? おもと。 351 00:40:39,237 --> 00:40:47,578 何があっても 一生 私に仕えると。 352 00:40:47,578 --> 00:40:52,583 決して裏切らぬと。 353 00:40:57,588 --> 00:41:05,897 はい。 もとは生涯おそばに…。 354 00:41:12,537 --> 00:41:16,874 気付かれなかったでしょう? 355 00:41:16,874 --> 00:41:22,747 私が どれほどうれしかったか。➡ 356 00:41:22,747 --> 00:41:32,890 私は これで終生おそばにいられるのだと 天にも昇るような心もち…➡ 357 00:41:32,890 --> 00:41:42,900 私のどこに…➡ 358 00:41:42,900 --> 00:41:48,573 どこに欲得がございましたでしょうか! 359 00:41:48,573 --> 00:42:08,059 ♬~ 360 00:42:08,059 --> 00:42:10,828 上様。 361 00:42:10,828 --> 00:42:24,876 ♬~ 362 00:42:24,876 --> 00:42:34,218 もとは上様に恋をしておりましたよ。 363 00:42:34,218 --> 00:42:38,222 幼き日よりずっと。 364 00:42:41,559 --> 00:42:49,567 誰よりも 長く 深く。 365 00:42:55,106 --> 00:42:59,110 佐と… お会いになれましたか? 366 00:42:59,110 --> 00:43:20,865 ♬~ 367 00:43:20,865 --> 00:43:44,889 ♬~ 368 00:43:44,889 --> 00:43:48,559 明日 村瀬に確かめぬとな。 369 00:43:48,559 --> 00:44:05,510 ♬~ 370 00:44:05,510 --> 00:44:07,445 たわけ! 371 00:44:07,445 --> 00:44:10,848 種馬扱いも ここに極まれりにございます! 372 00:44:10,848 --> 00:44:14,519 奥から出すのではなかったの。 373 00:44:14,519 --> 00:44:16,454 はい? 大岡忠相。 374 00:44:16,454 --> 00:44:20,191 あの加納の狸ババアめは。 はい。 375 00:44:20,191 --> 00:44:25,196 赤面が治らぬ では困るのだ。 この国が滅びてしまうからの。