1 00:00:01,869 --> 00:00:04,204 (宗武)次の将軍は姉上に。 2 00:00:04,204 --> 00:00:09,877 (吉宗)私がはっきりと告げぬゆえに そなたにも いらぬ心配をさせてしまった。 3 00:00:09,877 --> 00:00:13,747 そこは まことに申し訳なかった。 4 00:00:13,747 --> 00:00:15,749 許せ。 5 00:00:15,749 --> 00:00:19,219 しかし まこと姉上に将軍がつとまるのですか? 6 00:00:19,219 --> 00:00:26,560 さように案じるなら どうか 家重を支えてやってほしい。➡ 7 00:00:26,560 --> 00:00:29,897 まぁ 得心などしておらぬだろうが…。 8 00:00:29,897 --> 00:00:33,233 (杉下)この先は 家重様が ご自身の働きをもって➡ 9 00:00:33,233 --> 00:00:36,536 納得させていくしか ございませんでしょう。 10 00:00:44,845 --> 00:00:49,249 何じゃ これは? 11 00:00:49,249 --> 00:00:52,152 春画にございます。 は! 12 00:00:52,152 --> 00:00:55,122 (杉下)上様にご献上したいと水野から。 13 00:00:55,122 --> 00:00:58,926 決して誰にも見られぬよう 知られぬように➡ 14 00:00:58,926 --> 00:01:01,828 こっそりとご覧下さいませ。 15 00:01:01,828 --> 00:01:15,842 ♬~ 16 00:01:29,556 --> 00:01:33,427 これは…! 17 00:01:33,427 --> 00:01:39,566 (忠相)「先日 市中にて ある賊を捕らえ そやつらのねぐらにて➡ 18 00:01:39,566 --> 00:01:45,906 盗品を見つけ あらためました。 その中に こちらがございまして。➡ 19 00:01:45,906 --> 00:01:50,577 上様が在りかを お探しであったものではないかと。➡ 20 00:01:50,577 --> 00:01:58,919 下手人の申すには 浄蓮寺の墓荒らしの折 村瀬殿の墓所より手に入れたとのこと。➡ 21 00:01:58,919 --> 00:02:01,822 役儀により中をあらためましたところ➡ 22 00:02:01,822 --> 00:02:08,528 この一件 私の一存では扱えぬと 判断いたしました。➡ 23 00:02:08,528 --> 00:02:13,400 まずは 何としても 上様ただお一人でお読み頂きたく…➡ 24 00:02:13,400 --> 00:02:18,205 水野を通じ 誰にも気取られぬよう お渡しできるよう➡ 25 00:02:18,205 --> 00:02:22,075 杉下様のお知恵を拝借いたしました。➡ 26 00:02:22,075 --> 00:02:28,849 煩わしい仕儀となりましたこと 深くお詫び申し上げます」。 27 00:02:28,849 --> 00:02:56,243 ♬~ 28 00:02:56,243 --> 00:02:58,178 <その後> 29 00:02:58,178 --> 00:03:04,051 ⚟上様のおなーりー。 30 00:03:04,051 --> 00:03:10,357 <家重公は将軍に 吉宗公は大御所になられた> 31 00:03:28,175 --> 00:03:34,548 (杉下)では これ。 32 00:03:34,548 --> 00:03:37,451 根気がよいのぅ。 そなたは。 33 00:03:37,451 --> 00:03:40,220 楽しうございますよ。 34 00:03:40,220 --> 00:03:44,558 (家治)ばば様は将棋できないの? いつも じじ様ばかり。 35 00:03:44,558 --> 00:03:46,493 ばばは強いからな➡ 36 00:03:46,493 --> 00:03:50,230 家治がもう少しうもうなったら 相手をしてやる。 37 00:03:50,230 --> 00:03:55,569 そんなのすぐじゃ! (吉宗)すぐか…。 38 00:03:55,569 --> 00:03:58,238 (家治)じじ様 まだか。 39 00:03:58,238 --> 00:04:00,507 <孫の家治様にも恵まれ➡ 40 00:04:00,507 --> 00:04:04,845 のどかなひとときを楽しむことも おありではございましたが…> 41 00:04:04,845 --> 00:04:07,748 ⚟(久通)大御所様。➡ 42 00:04:07,748 --> 00:04:13,186 ご老中方が急ぎ 大御所様にご意見をお伺いしたいと。 43 00:04:13,186 --> 00:04:15,122 うむ。 44 00:04:15,122 --> 00:04:17,858 御用米を蓄える蔵が十分でなければ…。 45 00:04:17,858 --> 00:04:23,530 <大御所となられてからも変わらず 政を取りしきっておられました> 46 00:04:23,530 --> 00:04:25,866 材木を切り出してもよい。 47 00:04:25,866 --> 00:04:31,571 (堀田)さすが大御所様。 では 早速 そのように取り計らいます。 48 00:04:39,880 --> 00:04:44,751 久通 家重は具合でも悪いのか? 49 00:04:44,751 --> 00:04:49,890 近頃 老中たちが 西の丸に伺いを立てに来ることが➡ 50 00:04:49,890 --> 00:04:52,225 増えたように思えるのじゃが。 51 00:04:52,225 --> 00:04:58,532 (久通)さようにございますね。 (吉宗)そなた 何か聞いておらぬか。 52 00:05:04,805 --> 00:05:08,508 (吉宗) 側室を罪人のごとく扱うとは何事じゃ!➡ 53 00:05:08,508 --> 00:05:15,182 しかも お幸は家治の父親! 一体 何を考えておる! 54 00:05:15,182 --> 00:05:19,052 (家重)で… でも 母上 お幸は。 55 00:05:19,052 --> 00:05:22,856 聞けば お幸は そなたが政を放り出し➡ 56 00:05:22,856 --> 00:05:26,193 色に溺れておるのをいさめただけと 言うではないか! 57 00:05:26,193 --> 00:05:30,897 それで この国がうまく治められると 思うておるのか! 58 00:05:33,066 --> 00:05:36,770 あい すみませぬ。 59 00:05:38,538 --> 00:05:42,409 (吉宗)あやつは世の役に立ちたいと 言うたではないか。 60 00:05:42,409 --> 00:05:44,878 どうやら お言葉を発するのが➡ 61 00:05:44,878 --> 00:05:49,216 お恥ずかしうなられてしまったように ございます。 62 00:05:49,216 --> 00:05:53,887 あけを造ればよいではないか。 63 00:05:53,887 --> 00:05:58,225 恐れながら 今一度。 64 00:05:58,225 --> 00:06:02,829 あけじゃ あけ。 65 00:06:02,829 --> 00:06:07,500 (堀田)申し訳ございませぬ。 今一度。 66 00:06:07,500 --> 00:06:11,838 (意次)酒造りを奨励することで 米の値を上げられるのではないか➡ 67 00:06:11,838 --> 00:06:16,710 と 上様は仰せにございます。 68 00:06:16,710 --> 00:06:19,179 (忠光)何か。 69 00:06:19,179 --> 00:06:29,522 (堀田)いえ 上様は まこと さような その 酒などと。➡ 70 00:06:29,522 --> 00:06:33,193 いささか…。 71 00:06:33,193 --> 00:06:38,531 (杉下)そのようなことが度重なり 大奥に入り浸られることも増えられたと。 72 00:06:38,531 --> 00:06:43,403 それをいさめたお幸を ということか。 73 00:06:43,403 --> 00:06:47,707 お龍の言葉は 上様の言葉と受け…。 74 00:06:54,080 --> 00:06:57,550 杉下! 杉下! 75 00:06:57,550 --> 00:07:00,453 誰か! ⚟は!匙を呼べ! 76 00:07:00,453 --> 00:07:03,823 ⚟は!(吉宗)杉下! 杉下様! 77 00:07:03,823 --> 00:07:06,159 (久通)それで杉下様の具合は。 78 00:07:06,159 --> 00:07:11,031 匙の見立てでは 真心痛だということじゃ。 79 00:07:11,031 --> 00:07:15,168 真心痛。 80 00:07:15,168 --> 00:07:21,041 随分前より兆しはあったはずじゃと 匙は申しておった。 81 00:07:21,041 --> 00:07:26,179 薬代など かさまぬよう こらえておったのではないかと。 82 00:07:26,179 --> 00:07:31,051 (久通)なんと杉下様らしい。 83 00:07:31,051 --> 00:07:38,358 文句の一つも言わず 随分と長い間仕えてくれた。 84 00:07:41,194 --> 00:07:49,536 せめて… せめて あやつに何か➡ 85 00:07:49,536 --> 00:07:53,239 何か一つでも報いてやりたいと思うての。 86 00:07:59,879 --> 00:08:03,149 (水野) 大奥にも既にある薬かとは思いましたが➡ 87 00:08:03,149 --> 00:08:05,485 とりわけ質のいい品を お持ちしましたので。 88 00:08:05,485 --> 00:08:09,823 しかし 高価なものなのでは。 89 00:08:09,823 --> 00:08:15,161 そうやって薬も飲まぬゆえ かようなことになったのであろう! 90 00:08:15,161 --> 00:08:17,831 今 煎じさせておるゆえ。 91 00:08:17,831 --> 00:08:20,834 私ごときに もったいない。 92 00:08:23,503 --> 00:08:26,172 ⚟ご無礼いたします。 93 00:08:26,172 --> 00:08:29,175 (吉宗)こちらへ。 は。 94 00:08:45,859 --> 00:08:48,862 もう一口。 95 00:08:57,470 --> 00:08:59,406 何じゃ。 96 00:08:59,406 --> 00:09:06,146 いや そうしておりますと まるで夫婦のようにございますね。 97 00:09:06,146 --> 00:09:10,450 夫婦のようではない 夫婦じゃ。 98 00:09:12,485 --> 00:09:16,823 姫らの父は 皆 はように亡くなった。 99 00:09:16,823 --> 00:09:22,695 父親代わりとして 娘を育ててくれたのは杉下じゃ。➡ 100 00:09:22,695 --> 00:09:26,499 姫らの父ならば 私には夫であろう。 101 00:09:26,499 --> 00:09:30,370 なるほど。 確かに そりゃあ おっしゃるとおりにございますね。 102 00:09:30,370 --> 00:09:34,174 恐ろしい…。 恐ろしいとは 何がじゃ! 103 00:09:34,174 --> 00:09:41,047 いえ 口が滑りまして…。 恐れ多い。 104 00:09:41,047 --> 00:09:44,517 ⚟(久通)大御所様。 105 00:09:44,517 --> 00:09:47,854 もうお一方 お客様がいらっしゃったのですが。 106 00:09:47,854 --> 00:09:50,757 おお。 待ちかねたぞ 通せ。 107 00:09:50,757 --> 00:09:56,196 では 私は。 (吉宗)よい そなたも もう少しおれ。 108 00:09:56,196 --> 00:09:58,498 は。 109 00:10:09,542 --> 00:10:12,245 ごめんつかまつります。 110 00:10:18,551 --> 00:10:22,422 (藤波)う… 上様。 111 00:10:22,422 --> 00:10:29,562 昔 よう似た男がおったように 覚えておりますが。 112 00:10:29,562 --> 00:10:35,235 み… 水野であるのか? はい。 113 00:10:35,235 --> 00:10:37,937 (吉宗)実はの 藤波。 114 00:10:43,910 --> 00:10:51,784 愚かにも… あまりに愚かしい殺生をしたと。 115 00:10:51,784 --> 00:10:55,788 よう生きていて下さった! 116 00:11:02,195 --> 00:11:07,200 藤波様… 藤波様。 117 00:11:09,068 --> 00:11:14,207 (藤波)それがし 今は 片岡仁左衛門という役者を➡ 118 00:11:14,207 --> 00:11:17,544 贔屓しておりましてな。 119 00:11:17,544 --> 00:11:23,216 藤波様 もしや片岡仁左衛門の後見人を しておられるのですか? 120 00:11:23,216 --> 00:11:25,151 いやいや。 何を何を。 121 00:11:25,151 --> 00:11:28,888 それがしなど しがない骨董屋。 122 00:11:28,888 --> 00:11:35,228 ただの見物人で 後見人など とてもとても。 123 00:11:35,228 --> 00:11:38,898 どうです! この片岡仁左衛門。 124 00:11:38,898 --> 00:11:44,571 これが まことに いい芝居をしておりまして…。 125 00:11:44,571 --> 00:11:52,879 そうじゃ! いっそ 大御所様が後見人をなさるというのは! 126 00:11:58,117 --> 00:12:03,856 杉下殿もぜひ! お治りになったら ちょいと抜け出し➡ 127 00:12:03,856 --> 00:12:08,528 芝居見物など いかがでございましょう。 それは お定め破りではございませぬか。 128 00:12:08,528 --> 00:12:17,870 何の何の。 大御所様のなされた お定め破りに比べたら。 129 00:12:17,870 --> 00:12:22,875 (笑い声) 130 00:12:26,546 --> 00:12:32,885 まこと かようなことがあるとは。 131 00:12:32,885 --> 00:12:34,821 ん? 132 00:12:34,821 --> 00:12:43,529 昼間の あのような 楽しいひとときがございますとは。 133 00:12:43,529 --> 00:12:47,433 にぎやかであったのぅ。 134 00:12:47,433 --> 00:12:54,440 よし 本当は一献といきたいところじゃが。 135 00:13:02,048 --> 00:13:10,189 大御所様 どうか どうか もうご勘弁を。 136 00:13:10,189 --> 00:13:13,092 遠慮するな。 137 00:13:13,092 --> 00:13:21,100 では 自分で飲みまするゆえ。 138 00:13:26,205 --> 00:13:29,542 さっきは飲んでおったではないか。 139 00:13:29,542 --> 00:13:34,881 あれは不意を襲われましたような。 140 00:13:34,881 --> 00:13:37,550 ん!? 141 00:13:37,550 --> 00:13:42,555 (笑い声) 142 00:13:54,100 --> 00:13:56,569 杉下様!杉下様! おじじ様!総取締! 143 00:13:56,569 --> 00:13:59,238 しっかりなさって下さいませ! 144 00:13:59,238 --> 00:14:05,845 (吉宗)しっかりしろ! 杉下! 皆がせがんでおる! 145 00:14:05,845 --> 00:14:12,719 しかし もう どうにも…➡ 146 00:14:12,719 --> 00:14:17,857 生来 諦めも早いたちで。 147 00:14:17,857 --> 00:14:19,792 そのふんばりのきかぬところが➡ 148 00:14:19,792 --> 00:14:21,728 そなたの悪しきところじゃ! 149 00:14:21,728 --> 00:14:25,732 ⚟上様にございます。おお! 来た! 150 00:14:25,732 --> 00:14:29,035 杉下! 上様が参ったぞ! 151 00:14:31,404 --> 00:14:34,407 (家重)父上。 152 00:14:36,209 --> 00:14:42,081 私 あの。 153 00:14:42,081 --> 00:14:47,820 うれしうございます。 154 00:14:47,820 --> 00:14:52,825 さように急いで来て下さって。 155 00:14:55,895 --> 00:14:58,898 父上。 156 00:15:01,167 --> 00:15:03,836 大御所様。 157 00:15:03,836 --> 00:15:06,539 何じゃ。 158 00:15:08,174 --> 00:15:13,513 役立たずの種馬よと➡ 159 00:15:13,513 --> 00:15:20,186 行き場もなく この大奥にたどりつき。 160 00:15:20,186 --> 00:15:31,531 そのそれがしが かように人に囲まれ➡ 161 00:15:31,531 --> 00:15:43,142 まこと 定めとは…➡ 162 00:15:43,142 --> 00:15:48,881 生きてみるまで分からない。 163 00:15:48,881 --> 00:15:52,752 (吉宗)そうじゃ! これからも分からぬ。 164 00:15:52,752 --> 00:15:59,892 これからも 何が起こるか。 165 00:15:59,892 --> 00:16:03,596 2人で楽しもうではないか。 166 00:16:06,499 --> 00:16:09,502 はい。 167 00:16:17,143 --> 00:16:19,846 はい。 168 00:16:19,846 --> 00:16:35,862 ♬~ 169 00:16:35,862 --> 00:16:40,533 おじじ様。 杉下様。 170 00:16:40,533 --> 00:16:44,403 (すすり泣き) 171 00:16:44,403 --> 00:16:53,112 まこと世話になった。 杉下。 172 00:16:53,112 --> 00:17:07,426 ♬~ 173 00:17:09,161 --> 00:17:14,500 (久通)お申しつけのとおり 杉下様の葬儀は 市ヶ谷の天桂寺で➡ 174 00:17:14,500 --> 00:17:18,838 丁重に営まれたということにございます。 175 00:17:18,838 --> 00:17:27,179 大奥の御年寄りの一人ではなく 大御所様のご側室として。 176 00:17:27,179 --> 00:17:31,484 (吉宗)そうか。 大儀であった。 177 00:17:40,192 --> 00:17:43,896 寂しくなりましたね。 178 00:17:52,538 --> 00:17:58,844 夏だというのに よう降るの。 はい。 179 00:18:01,147 --> 00:18:04,450 今年は不作になるやもしれぬ。 180 00:18:11,157 --> 00:18:15,828 いくよ! (一同)お~! 181 00:18:15,828 --> 00:18:20,166 米よこせ~! 182 00:18:20,166 --> 00:18:24,036 (扉を打ちつける音) 183 00:18:24,036 --> 00:18:26,038 行け…。 184 00:18:30,509 --> 00:18:32,445 米 出せ~! 185 00:18:32,445 --> 00:18:36,849 な… ない! 奪え~!(一同)お~! 186 00:18:36,849 --> 00:18:39,552 米 出せ~! 187 00:18:45,191 --> 00:18:52,198 (堀田)この度の不作にて 各地の村々で 百姓一揆が頻発しております。 188 00:18:57,203 --> 00:19:03,809 その 上様 頻発しておりまして…。 189 00:19:03,809 --> 00:19:06,479 堀田。 190 00:19:06,479 --> 00:19:11,350 老中の そなたらに全て任せる。 191 00:19:11,350 --> 00:19:14,353 よきに計らえ。 192 00:19:14,353 --> 00:19:16,656 (一同)ははっ! 193 00:19:23,496 --> 00:19:30,836 どうせ母上のところに参るのなら 私のところになど来なければいいのじゃ。 194 00:19:30,836 --> 00:19:34,173 無駄足もいいところじゃ。 195 00:19:34,173 --> 00:19:38,511 (意次)恐れながら 上様。 196 00:19:38,511 --> 00:19:40,446 大御所様は 決して➡ 197 00:19:40,446 --> 00:19:43,382 上様から政を取り上げるおつもりは ございませぬ。➡ 198 00:19:43,382 --> 00:19:50,122 むしろ お役目をはたされるのを 心待ちにしておられるかと。 199 00:19:50,122 --> 00:19:56,862 そなたも あの者らと一緒に行ってはどうだ? 200 00:19:56,862 --> 00:20:02,535 あの日 万民の役に立ちたい 役に立つと 大御所様にお約束なさったのは➡ 201 00:20:02,535 --> 00:20:05,538 上様にござりましょう! 202 00:20:12,211 --> 00:20:17,083 勝ち筋が見えぬのだ。 203 00:20:17,083 --> 00:20:22,221 勝ち筋がお見えにならぬ。 204 00:20:22,221 --> 00:20:28,094 凶作になれば 百姓どもが飢え死に➡ 205 00:20:28,094 --> 00:20:33,833 米の値は上がり 町人どもも飢え➡ 206 00:20:33,833 --> 00:20:40,906 豊作になったらなったで 米の値は下がり➡ 207 00:20:40,906 --> 00:20:46,912 札差しに買いたたかれ 武士の暮らしは立ち行かぬ。 208 00:20:49,248 --> 00:20:55,955 私には… まことにどうしたらよいか 分からぬのだ。 209 00:21:02,194 --> 00:21:07,533 不作は 人の力によって いかようにもしがたきもの。 210 00:21:07,533 --> 00:21:13,873 それによって起こる一揆は 私が百姓の荷を重くしてきたがゆえ。 211 00:21:13,873 --> 00:21:18,544 家重も 私のつけを 払わされているようなものじゃ。➡ 212 00:21:18,544 --> 00:21:21,881 老中たちは 私のところに駆け込んでくるが➡ 213 00:21:21,881 --> 00:21:26,185 私自身 ろくな策を打てておらぬ。 214 00:21:28,220 --> 00:21:34,527 (吉宗)勝ち筋など あるものなら 私も知りたいところじゃ。 215 00:21:38,564 --> 00:21:43,903 そなた 何か言いたいことがあるのではないか? 216 00:21:43,903 --> 00:21:47,773 (意次) いえ めっそうもないことでございます。 217 00:21:47,773 --> 00:21:50,242 申してみよ。 218 00:21:50,242 --> 00:21:55,915 そなたが将軍ならば この苦境 どう乗り越える。 219 00:21:55,915 --> 00:22:02,188 恐れながら 私なら百姓から年貢をしぼりとる前に➡ 220 00:22:02,188 --> 00:22:05,524 商人たちから税を取り立てまする。 221 00:22:05,524 --> 00:22:09,195 商人から。 (意次)はい。 222 00:22:09,195 --> 00:22:15,534 この世で一番豊かな暮らしをしているのは 大名でも 将軍でもなく➡ 223 00:22:15,534 --> 00:22:17,870 商人らにございます。 224 00:22:17,870 --> 00:22:21,540 しかし あやつらは 何も作ってはおらぬではないか。 225 00:22:21,540 --> 00:22:23,475 どうやって税を取り立てるというのじゃ。 226 00:22:23,475 --> 00:22:26,412 金そのものを差し出させるのです。➡ 227 00:22:26,412 --> 00:22:30,549 大御所様 もはや この世は➡ 228 00:22:30,549 --> 00:22:34,420 侍がお上から頂く米俵では 回ってはおりませぬ。➡ 229 00:22:34,420 --> 00:22:39,225 この世は全て 金で回っているのでござりまする。➡ 230 00:22:39,225 --> 00:22:43,562 その日食べるものにも窮しておる 百姓からしぼりとったところで➡ 231 00:22:43,562 --> 00:22:45,497 たかが知れております。 232 00:22:45,497 --> 00:22:49,235 それならば 商人たちの金蔵に手を突っ込み➡ 233 00:22:49,235 --> 00:22:55,107 お上の金蔵に放り込む方が 話が早うございます。 234 00:22:55,107 --> 00:22:59,578 それは そなた一人で考えたことなのか? 235 00:22:59,578 --> 00:23:06,185 いえ そもそもは 上様が気付かれたことにございます。 236 00:23:06,185 --> 00:23:09,521 家重が? (意次)どうあがいたところで➡ 237 00:23:09,521 --> 00:23:13,859 皆が豊かに収まることはない仕組みと なってしまっている。 238 00:23:13,859 --> 00:23:20,566 上様のそのご推察に 私は思い巡らせていただけにござります。 239 00:23:26,205 --> 00:23:32,211 どうやら 私は 随分と うぬぼれておったようじゃ。 240 00:23:34,079 --> 00:23:38,217 私は所詮 武家の女じゃ。 241 00:23:38,217 --> 00:23:45,090 どこかで金は卑しいものと。 その心持ちを捨てきれず➡ 242 00:23:45,090 --> 00:23:51,230 石高制を見直すなどという考えも 及ばなんだ。 243 00:23:51,230 --> 00:23:57,536 同じ武家の中から かような意見を持つ者が現れるとは。 244 00:23:59,571 --> 00:24:04,410 家重も 私が ぼんやりとしか 分かっておらぬところを➡ 245 00:24:04,410 --> 00:24:07,846 既に見切っておった。 246 00:24:07,846 --> 00:24:12,184 先が楽しみにございますね。 247 00:24:12,184 --> 00:24:18,524 そうじゃのう。 いつの間にやら 子らが頼もしく。 248 00:24:18,524 --> 00:24:24,229 まこと 世とは うまくできておりますことで。 249 00:24:29,168 --> 00:24:35,074 そなたは 本日が最後の出仕であったかな。 250 00:24:35,074 --> 00:24:38,377 お名残おしゅうございますが。 251 00:24:50,222 --> 00:24:59,898 尾張吉通様 紀州の手の者にかかりしかという噂…? 252 00:24:59,898 --> 00:25:08,173 紀州の加納久通殿 天英院様へ御礼に参ず。 253 00:25:08,173 --> 00:25:13,479 家継公ご薨去のすぐ後。 254 00:25:25,190 --> 00:25:28,494 のう 久通。 255 00:25:31,864 --> 00:25:39,204 私は まこと運の強い女子であった。 256 00:25:39,204 --> 00:25:45,077 4人のおなごの死がなければ 私は将軍はおろか➡ 257 00:25:45,077 --> 00:25:49,782 紀州家の主にもなれなかったからじゃ。 258 00:26:06,165 --> 00:26:12,037 私と跡目を争っておった 尾張の吉通様を亡き者にしたのは➡ 259 00:26:12,037 --> 00:26:14,039 そなたなのか? 260 00:26:22,714 --> 00:26:25,851 はい。 261 00:26:25,851 --> 00:26:28,854 私でございます。 262 00:26:31,190 --> 00:26:39,198 尾張の徳川吉通様を殺しましたのは 私にございます。 263 00:26:44,203 --> 00:26:48,073 では 幼い家継公も? 264 00:26:48,073 --> 00:26:58,217 いえ あのお方はご病弱で 手を下すまでもござりませんでした。 265 00:26:58,217 --> 00:27:07,493 幼き命を摘み取らずに済み 幸いにございました。 266 00:27:07,493 --> 00:27:13,198 紀州の 姉上たちもか? 267 00:27:16,835 --> 00:27:19,738 はい。 268 00:27:19,738 --> 00:27:26,512 私が自ら毒を盛って 弑し奉りました。 269 00:27:26,512 --> 00:27:29,414 あのお二人がおられる限り➡ 270 00:27:29,414 --> 00:27:33,719 信様は決して将軍には おなりになれませぬゆえ。➡ 271 00:27:35,521 --> 00:27:41,393 村瀬は 上様にまとわりつく 何かと暗い噂を存じておるかもしれぬ。 272 00:27:41,393 --> 00:27:44,196 いよいよ これからという時に➡ 273 00:27:44,196 --> 00:27:49,067 さような事情を上様がお知りになっては お気がくじけると。 274 00:27:49,067 --> 00:27:52,871 私が 御庭番に命じました。 275 00:27:52,871 --> 00:28:09,154 ♬~ 276 00:28:09,154 --> 00:28:16,028 いえ 少し違いますね。 277 00:28:16,028 --> 00:28:20,332 最後は上様のためではござりませぬ。 278 00:28:26,171 --> 00:28:30,175 見ていたかったのでございます。 279 00:28:31,843 --> 00:28:35,514 信様が将軍の座に就かれ➡ 280 00:28:35,514 --> 00:28:39,217 この国を導いていくお姿を。 281 00:28:45,857 --> 00:28:51,530 いつでも お手討ちになる覚悟で 今日まで生きてまいりました。 282 00:28:51,530 --> 00:28:56,401 どのみち この冬は越せぬといわれております。 283 00:28:56,401 --> 00:29:10,816 ♬~ 284 00:29:10,816 --> 00:29:16,521 (吉宗)つらかったであろう 久通。 285 00:29:20,492 --> 00:29:29,501 今までずっと 一人で背負っていてくれたのじゃな。 286 00:29:31,136 --> 00:29:34,039 信…。 287 00:29:34,039 --> 00:29:44,516 ♬~ 288 00:29:44,516 --> 00:29:49,187 一炊の夢を見させて頂きました。 289 00:29:49,187 --> 00:29:52,491 よき夢にございました。 290 00:29:57,062 --> 00:30:06,538 お信様 まこと ありがとうございました! 291 00:30:06,538 --> 00:30:26,224 ♬~ 292 00:30:26,224 --> 00:30:32,230  回想 (久通)信様~! 信様~! 293 00:30:35,567 --> 00:30:39,438 (信)久通。 どうしたのじゃ。 294 00:30:39,438 --> 00:30:42,240 どうしたのではございませぬ。 295 00:30:42,240 --> 00:30:47,112 黙っておらぬようになられては どこに行かれましたのかと! 296 00:30:47,112 --> 00:30:52,584 行列を見ておったのじゃ。➡ 297 00:30:52,584 --> 00:30:58,924 大大名とは言わぬ。 せめて5万石ほどの大名にでもなれれば➡ 298 00:30:58,924 --> 00:31:03,762 そなたの忠義に報うこともできるのに。➡ 299 00:31:03,762 --> 00:31:08,200 部屋住みの身の三女ではの。 300 00:31:08,200 --> 00:31:10,535 まぁ。 なんと。 301 00:31:10,535 --> 00:31:12,871 よろしいですか 信様! 302 00:31:12,871 --> 00:31:15,774 たとえ 今は木綿の着物を着ていても➡ 303 00:31:15,774 --> 00:31:21,546 あなた様は 紀州五十五万石 徳川光貞の娘御! 304 00:31:21,546 --> 00:31:24,883 久通は あなた様は国主どころか➡ 305 00:31:24,883 --> 00:31:28,754 公方様になってもおかしくない器量と 見込んでおります!➡ 306 00:31:28,754 --> 00:31:36,228 さような惨めな望みは 二度とお聞かせ下さいますな! 307 00:31:36,228 --> 00:31:40,098 ハハハ…。 308 00:31:40,098 --> 00:31:44,903 (久通)何がおかしうございます! だって 私が公方様など。 309 00:31:44,903 --> 00:31:48,240 いかな夢物語じゃ。 夢ではございませぬ! 310 00:31:48,240 --> 00:31:51,576 分かった分かった。 311 00:31:51,576 --> 00:31:56,581 信様は そのうち きっと 天下をお取りになります! 312 00:32:08,059 --> 00:32:11,530 この甘藷と申す芋は甘いの~。 313 00:32:11,530 --> 00:32:14,199 これを育てたのは男なのであろう? 314 00:32:14,199 --> 00:32:17,102 そうそう 確か 黒木とかいう。 315 00:32:17,102 --> 00:32:19,070 そなたと同じ名ではないか。 316 00:32:19,070 --> 00:32:21,540 黒木ではない 青木だ。 317 00:32:21,540 --> 00:32:24,209 青木昆陽様という儒学者だ。 318 00:32:24,209 --> 00:32:27,879 大御所様が将軍におわした時に 青木様に命じ作らせ➡ 319 00:32:27,879 --> 00:32:31,216 その後 飢饉の備えにと 各地に広められたのだ。 320 00:32:31,216 --> 00:32:33,552 おぬし よう知っておるの。 321 00:32:33,552 --> 00:32:40,258 まこと 大御所様は 偉大な将軍様であられたことよ。 322 00:32:47,098 --> 00:32:52,237 (忠相)異国よりの薬も かたなしでしたか。 323 00:32:52,237 --> 00:32:57,576 せっかく蘭学をお許し願ったのに。 324 00:32:57,576 --> 00:33:02,414 (笙船) しかし 大御所様のお許しのおかげで➡ 325 00:33:02,414 --> 00:33:07,853 赤面にかかると 体の内にも瘡が広がり➡ 326 00:33:07,853 --> 00:33:12,524 肺の臓まで詰まっていることが分かった。 327 00:33:12,524 --> 00:33:18,396 これとて 確かな一歩であろう。 328 00:33:18,396 --> 00:33:25,871 まこと大御所様は 偉大な将軍であられたことにございます。 329 00:33:25,871 --> 00:33:31,209 けど おりゃあ 大御所様の生きてるうちにさ➡ 330 00:33:31,209 --> 00:33:37,549 「これで治りましたぜ!」って お見せしてえんだよ。 331 00:33:37,549 --> 00:33:43,555 ⚟大御所様のおなーりー。 332 00:34:02,507 --> 00:34:07,846 お申しつけ下されば 私がお返ししておきますのに。 333 00:34:07,846 --> 00:34:15,153 これは 私が 返し忘れておったものだからの。は。 334 00:34:21,393 --> 00:34:25,196 お… 大御所様! 335 00:34:25,196 --> 00:34:28,867 苦しゅうない そのまま。 336 00:34:28,867 --> 00:34:33,204 今日は 没日録を返却しに来た。 337 00:34:33,204 --> 00:34:38,910 これは私が長らく借り出し 返却し忘れたもの。 338 00:34:42,213 --> 00:34:45,917 ここでよい。 は。 339 00:35:02,167 --> 00:35:04,169 そなた。 340 00:35:06,838 --> 00:35:13,144 (村瀬) ずっと お待ち申し上げておりました。 341 00:35:22,187 --> 00:35:28,860 <赤面疱瘡。 高熱を発し全身に赤い発疹を生じた後➡ 342 00:35:28,860 --> 00:35:33,198 数日で死に至る恐ろしい病である> 343 00:35:33,198 --> 00:35:35,867 大御所様! <いつごろからか はやりだし➡ 344 00:35:35,867 --> 00:35:38,536 定着した この疫病のせいで➡ 345 00:35:38,536 --> 00:35:44,409 この国の男は 女の4分の1しかおらぬようになった> 346 00:35:44,409 --> 00:35:48,213 上様! <そのような世の頂点に立つ将軍も➡ 347 00:35:48,213 --> 00:35:50,148 もちろん女> 348 00:35:50,148 --> 00:35:52,450 大御所様が。 349 00:35:57,555 --> 00:36:02,827 <そして 将軍の世継ぎを 生み育てる場であった大奥は➡ 350 00:36:02,827 --> 00:36:06,831 美男3,000人が仕える場となった> 351 00:36:12,504 --> 00:36:20,512 <これは その大奥の闇に葬り去られた まことの姿> 352 00:36:27,852 --> 00:36:30,855 (鈴の音) 353 00:36:39,864 --> 00:36:43,168 そなた 名は。 354 00:36:44,736 --> 00:36:53,878 (村瀬)詰める男たちも 今後は 大奥を 上様をお守りする砦とする➡ 355 00:36:53,878 --> 00:36:58,750 という表向きで集められました。 356 00:36:58,750 --> 00:37:01,686 (家光)わけも分からず 髪を切られ 名を取り上げられ➡ 357 00:37:01,686 --> 00:37:07,158 女のなりも取り上げられ にもかかわらず 女の腹だけは貸せという。 358 00:37:07,158 --> 00:37:12,831 (有功)人はみんな どうにもならん運命を 受け入れながら生きてるんや。 359 00:37:12,831 --> 00:37:16,167 あなただけやない! 私かてそうや! 360 00:37:16,167 --> 00:37:21,506 (春日)上様こそ この世で一番救われぬ お方にございます! 361 00:37:21,506 --> 00:37:32,851 (綱吉)将軍とはな 岡場所で体を売る男たちよりも卑しい➡ 362 00:37:32,851 --> 00:37:36,521 この国で一番卑しい女のことじゃ! 363 00:37:36,521 --> 00:37:42,193 (桂昌院)世継ぎを生むんは 将軍しか 徳子にしかできひん。 364 00:37:42,193 --> 00:37:45,196 おつとめなんじゃ。 365 00:37:48,867 --> 00:37:54,739 (右衛門佐)生きるということは 女と男ということは➡ 366 00:37:54,739 --> 00:37:59,878 ただ女の腹に種をつけ 子孫を残し➡ 367 00:37:59,878 --> 00:38:04,482 家の血をつないでいくことだけでは ありますまい! 368 00:38:04,482 --> 00:38:11,823 (家重)母上 お戻り下さいませ 母上! 369 00:38:11,823 --> 00:38:20,165 私… 私を 私を置いてゆかないで下さいませ! 母上。 370 00:38:20,165 --> 00:38:26,504 (家治) おばば様 お気をお戻し下さいませ。➡ 371 00:38:26,504 --> 00:38:29,841 お願いいたします。 372 00:38:29,841 --> 00:38:35,713 (家光)万が一 このまま男子が減り続け この世が滅ぶというなら➡ 373 00:38:35,713 --> 00:38:40,485 わしも共に滅ぶまでのこと。 374 00:38:40,485 --> 00:38:45,190 誰か わしが女将軍になることに 異存はあるかえ! 375 00:38:46,858 --> 00:38:53,164 私や父上 この徳川を動かせると思うたら 大間違いじゃ! 376 00:38:55,200 --> 00:39:01,472 (春日)この国は 滅びるのじゃ。 377 00:39:01,472 --> 00:39:20,458 ♬~ 378 00:39:58,529 --> 00:40:04,836 滅… びぬ…。 379 00:40:12,543 --> 00:40:20,218 この国は… 滅びぬ。 380 00:40:20,218 --> 00:40:37,769 ♬~ 381 00:40:37,769 --> 00:40:42,907 (家重)母上…。 382 00:40:42,907 --> 00:40:48,579 (泣き声) 383 00:40:48,579 --> 00:41:01,526 ♬~ 384 00:41:01,526 --> 00:41:05,196 <寛延4年6月20日。➡ 385 00:41:05,196 --> 00:41:09,901 八代将軍吉宗公薨去> 386 00:41:44,869 --> 00:41:48,573 なんと 大御所様らしい…。 387 00:41:52,577 --> 00:41:55,913  回想 (吉宗)よう来てくれた 意次。 388 00:41:55,913 --> 00:42:01,519 かようななりですまぬが 少し ばばの相手をしてやってくれ。 389 00:42:01,519 --> 00:42:08,860 何をおっしゃいます 大御所様。 お話しできて うれしうございます。 390 00:42:08,860 --> 00:42:14,532 先日 青木昆陽に会っての。 青木昆陽。 391 00:42:14,532 --> 00:42:20,204 儒学者としてのみならず 蘭学者としても名高い男にございますね。 392 00:42:20,204 --> 00:42:27,879 いかにも。 和蘭の辞書なども作っての。 393 00:42:27,879 --> 00:42:31,749 蘭学は すごい。 394 00:42:31,749 --> 00:42:37,221 しかし 肝心の本丸にて成果が出ておらぬ。 395 00:42:37,221 --> 00:42:39,924 本丸? 396 00:42:43,094 --> 00:42:47,865 (吉宗)田沼主殿頭意次。 397 00:42:47,865 --> 00:42:50,768 そなたに頼みおきたいことがある。 398 00:42:50,768 --> 00:42:52,770 はい…。 399 00:42:52,770 --> 00:42:58,910 この国から赤面を駆逐してほしい。 400 00:42:58,910 --> 00:43:04,182 そもそも洋書を解禁し 蘭学を許したのは➡ 401 00:43:04,182 --> 00:43:07,185 赤面を退治するためじゃ。 402 00:43:09,053 --> 00:43:17,528 しかし 私の目の黒いうちに 事を成し得るのは難しそうじゃ。 403 00:43:17,528 --> 00:43:24,535 どうか この後は そなたと家重と力を合わせ…。 404 00:43:26,871 --> 00:43:29,540 頼む。 405 00:43:29,540 --> 00:43:34,412 吉宗 今生最後の願いである! 406 00:43:34,412 --> 00:43:43,554 ♬~ 407 00:43:43,554 --> 00:43:46,457 いい天気…。 408 00:43:46,457 --> 00:43:58,102 ♬~ 409 00:43:58,102 --> 00:44:04,509 来たぞ~! 長崎~! 410 00:44:04,509 --> 00:44:23,194 ♬~ 411 00:44:23,194 --> 00:44:26,197 (鈴の音)