1 00:00:08,479 --> 00:00:10,814 (砲声) 2 00:00:10,814 --> 00:00:16,487 (玉太郎)<蛤御門の戦いで 勤皇派の長州軍が大負けして➡ 3 00:00:16,487 --> 00:00:19,323 失意の津田様が 洲本へ戻ってくると➡ 4 00:00:19,323 --> 00:00:22,359 お嬢様は 会おうともなさらん。➡ 5 00:00:22,359 --> 00:00:29,333 会わんどころか 旦那様の勧める縁談を さっさと承知してしもうた。➡ 6 00:00:29,333 --> 00:00:34,505 お登勢は 津田様が 気の毒でならん。➡ 7 00:00:34,505 --> 00:00:39,343 元治元年の暮れ お登勢は お嬢様のお供をして➡ 8 00:00:39,343 --> 00:00:42,846 若旦那様のおる 徳島へ渡った。➡ 9 00:00:42,846 --> 00:00:47,351 津田様のおる洲本を離れるのが 悲しゅうてならんかった。➡ 10 00:00:47,351 --> 00:00:49,386 ところが 津田様も➡ 11 00:00:49,386 --> 00:00:53,857 稲田役宅のある 徳島の猪尻に来ておった。➡ 12 00:00:53,857 --> 00:00:59,730 離れたはずが 実は近くにおったんじゃ。➡ 13 00:00:59,730 --> 00:01:03,534 おうおう 現金なこっちゃ…> 14 00:01:03,534 --> 00:01:14,478 ♬~ (テーマ音楽) 15 00:01:14,478 --> 00:01:20,150 (お登勢)愛は 何で こんなに悲しい顔しているんやろ…。 16 00:01:20,150 --> 00:02:49,150 ♬~ 17 00:03:10,127 --> 00:03:12,796 (小川)やあ! んん…。 18 00:03:12,796 --> 00:03:19,670 (掛け声と打ち合う音) 19 00:03:19,670 --> 00:03:21,805 浅い! 20 00:03:21,805 --> 00:03:24,505 (佐伯)そうかな? 21 00:03:28,478 --> 00:03:31,278 やあ! やっ! あっ! 22 00:03:37,154 --> 00:03:40,854 小川 大丈夫か!? 小川! くそ~っ! 23 00:03:53,503 --> 00:03:56,340 (睦太郎)加納睦太郎 お手合わせをつかまつる! 24 00:03:56,340 --> 00:03:59,176 ふふ… いや もう勘弁してくれ。 25 00:03:59,176 --> 00:04:01,876 そうはまいらぬ。 26 00:04:10,454 --> 00:04:12,454 や~っ! はっ! 27 00:04:14,124 --> 00:04:16,124 んっ! やっ! 28 00:04:17,794 --> 00:04:20,130 (睦太郎)うわっ! うっ…。 29 00:04:20,130 --> 00:04:30,774 ♬~ 30 00:04:30,774 --> 00:04:32,774 (笹原)それまでじゃ! 31 00:04:35,479 --> 00:04:39,950 (原)待った! 原 謹吾…。 32 00:04:39,950 --> 00:04:42,019 (笹原)控えい! 33 00:04:42,019 --> 00:04:53,163 ♬~ 34 00:04:53,163 --> 00:05:01,505 ははははは… いや もう少しで 命を取られるところでしたよ。 ははは…。 35 00:05:01,505 --> 00:05:06,777 いや その… 御無礼の段は平に。 36 00:05:06,777 --> 00:05:10,280 (志津)今日の試合は 勤皇派の勝ち。 37 00:05:10,280 --> 00:05:13,784 2人目の若侍は そなたの兄上だそうだな。 38 00:05:13,784 --> 00:05:17,654 はい。 あ~ 知っていれば手加減したものを。 39 00:05:17,654 --> 00:05:21,925 兄たちは 公家侍の剣法を 見くびっておりましたんじゃ。 40 00:05:21,925 --> 00:05:25,128 よう謝っておいてください。 かしこまりました。 41 00:05:25,128 --> 00:05:28,999 さあさあ 一献…。 痛み入ります。 42 00:05:28,999 --> 00:05:32,803 …して 御主君のお風邪は いかがですか? 43 00:05:32,803 --> 00:05:39,309 はい。 その… まだ 4~5日は かかりますやろうな。 44 00:05:39,309 --> 00:05:45,115 ああ そうですか…。 御返答を あまり引き延ばされるのは➡ 45 00:05:45,115 --> 00:05:47,818 お家のためにならぬと 思いますがね。 46 00:05:47,818 --> 00:05:52,155 はい。 その儀は 重々…。 47 00:05:52,155 --> 00:05:56,493 蜂須賀公は殊の外 聡明なお方と 聞き及んでおります。 48 00:05:56,493 --> 00:06:03,166 さればこそ 表向きは幕府に従いながら 陰では勤皇派を助けてくださった。 49 00:06:03,166 --> 00:06:06,069 (尾関)あっ いやいや めっそうもない。 ははは…。 50 00:06:06,069 --> 00:06:09,272 御家来衆には そのことが分からぬ。 51 00:06:09,272 --> 00:06:15,078 はい。 つきましては 本日 城中にて➡ 52 00:06:15,078 --> 00:06:19,449 洲本城代 稲田九郎兵衛が申しますには➡ 53 00:06:19,449 --> 00:06:27,324 御使者の御退屈しのぎに 是非 猪尻の別邸へ お越しいただけんかと…。 54 00:06:27,324 --> 00:06:31,628 洲本の稲田さんなら 音に聞こえた勤皇家だが➡ 55 00:06:31,628 --> 00:06:35,132 その… 猪尻というのは 淡路ですか? 56 00:06:35,132 --> 00:06:37,801 いえ 徳島です。 57 00:06:37,801 --> 00:06:41,138 稲田家の領地は 淡路だけやのうて➡ 58 00:06:41,138 --> 00:06:44,808 美馬郡の脇町 岩倉 猪尻にもあります。 59 00:06:44,808 --> 00:06:48,145 猪尻の別邸は そりゃあ景色のええとこやけん➡ 60 00:06:48,145 --> 00:06:50,814 少しは お慰めになりますじゃろう。 61 00:06:50,814 --> 00:06:56,153 なかなか結構ですな。 …で 稲田さんには お目にかかれますかな? 62 00:06:56,153 --> 00:07:01,024 はい。 御意向に沿えるもんと存じます。 はい。 63 00:07:01,024 --> 00:07:05,262 ついでに 志津さんを 連れていってはいけませんか? 64 00:07:05,262 --> 00:07:07,764 (尾関)はっ? 65 00:07:07,764 --> 00:07:12,269 いや あはは… 口説くつもりはありませんよ。 66 00:07:12,269 --> 00:07:16,907 ただ 遊び相手として お貸し願えれば 一層ありがたい。 67 00:07:16,907 --> 00:07:20,777 (尾関)はい…。 喜んで お供いたしますわいな。 68 00:07:20,777 --> 00:07:25,449 重畳至極。 おお そうじゃ… 登勢とかいうたな? 69 00:07:25,449 --> 00:07:29,286 へえ。 ああ あの人形 見事でしたよ。 70 00:07:29,286 --> 00:07:32,322 お前も 志津さんと一緒に ついてきなさい。 71 00:07:32,322 --> 00:07:35,459 へ… へえ! 72 00:07:35,459 --> 00:07:41,959 <えらいこっちゃな お登勢! そうや 猪尻には津田様がいてはる> 73 00:07:46,102 --> 00:07:50,941 <その夜 お登勢は 一旦 御長屋へ戻った。➡ 74 00:07:50,941 --> 00:07:57,141 お嬢様のお着替えと お手回りの支度を整えるためや> 75 00:08:30,914 --> 00:08:34,451 ≪(小川)たたき斬ってやる! ≪(原)佐伯織部をか? 76 00:08:34,451 --> 00:08:38,288 ≪(小川)このままでは 腹の虫が収まらんけん! 77 00:08:38,288 --> 00:08:42,158 俺も あいつは許せん。 恥をかかされた仕返しか? 78 00:08:42,158 --> 00:08:44,794 仕返しではない。 79 00:08:44,794 --> 00:08:48,798 殿に難題を吹っかける奸物を 取り除くんじゃ。 80 00:08:48,798 --> 00:08:51,298 佐伯は 手ごわいぞ。 81 00:08:53,136 --> 00:08:56,136 いざという時は これや。 82 00:08:59,476 --> 00:09:02,946 (南)しかし 御城下で公家侍を斬んのは…。 83 00:09:02,946 --> 00:09:07,751 御城下ではない。 佐伯は 猪尻の稲田別邸に滞在するそうや。 84 00:09:07,751 --> 00:09:11,755 そこへ乗り込んで 闇討ちにする! 85 00:09:11,755 --> 00:09:17,093 脇町 猪尻は 稲田の本拠地じゃ。 士分の者だけでも 2, 000人はおるじゃろ。 86 00:09:17,093 --> 00:09:22,432 猪尻で仕損のうたら 長州へ戻るところを 追いかけて たたき斬る! 87 00:09:22,432 --> 00:09:26,303 ≪(原)なるほど…。 ≪(小川)お主は どないする? 88 00:09:26,303 --> 00:09:28,305 ≪(原)もちろん行くよ! 89 00:09:28,305 --> 00:09:32,108 俺も行く。 よし 決まった! 90 00:09:32,108 --> 00:09:36,980 佐伯を斬るんなら ついでに 三田昂馬も殺すべきじゃ。 91 00:09:36,980 --> 00:09:39,983 三田昂馬? 浅葱者の頭目や。 92 00:09:39,983 --> 00:09:46,122 (南)ちょうど猪尻の役宅に来てる。 津田 貢を連れてな。 93 00:09:46,122 --> 00:09:50,994 三田を殺したら 稲田家の勤皇かぶれは 気勢をそがれるんや。 94 00:09:50,994 --> 00:09:53,463 よう分かった。 95 00:09:53,463 --> 00:09:56,366 津田 貢は 俺が殺す。 96 00:09:56,366 --> 00:10:08,812 ♬~ 97 00:10:08,812 --> 00:10:13,683 何…? 佐伯織部を殺すんじゃと? 98 00:10:13,683 --> 00:10:19,155 はい。 血の気の多い若侍が 猪尻へ押しかけて 亡い者にしようと…。 99 00:10:19,155 --> 00:10:21,091 何で それが分かったんじゃ? 100 00:10:21,091 --> 00:10:24,961 ゆんべ遅う 志津殿の下女 登勢から 駆け込み訴えがありました。 101 00:10:24,961 --> 00:10:28,832 跳ね上がり者は 誰じゃ!? それは申し上げられんと…。 102 00:10:28,832 --> 00:10:34,504 んん… 銃士じゃな? 恐らく…。 103 00:10:34,504 --> 00:10:42,178 よう分かった。 取り急ぎ 脇町の稲田役宅へ走れ。 はっ。 104 00:10:42,178 --> 00:10:47,517 猪尻奉行に 佐伯殿の身辺を守れと言うておけ。 105 00:10:47,517 --> 00:10:50,420 心得ました。 ああ それから…➡ 106 00:10:50,420 --> 00:10:53,323 登勢も連れていけ。 はっ? 107 00:10:53,323 --> 00:10:57,523 証人じゃ。 はっ。 108 00:10:59,129 --> 00:11:04,801 <猪尻は 徳島から 吉野川沿いに西へ20里。➡ 109 00:11:04,801 --> 00:11:07,470 お登勢の胸は高鳴った。➡ 110 00:11:07,470 --> 00:11:12,142 この川の上流に 津田様がおいでなんや。➡ 111 00:11:12,142 --> 00:11:18,842 この時 佐伯織部様は 稲田家の役宅に先着しておった> 112 00:11:20,483 --> 00:11:22,819 長州藩では 高杉晋作が➡ 113 00:11:22,819 --> 00:11:25,321 佐幕派の主流を追い払うたそうじゃ。 114 00:11:25,321 --> 00:11:29,959 おお…。 摩も 今度こそは 幕府と手を切るらしい。 115 00:11:29,959 --> 00:11:33,830 天下の風雲 急を告げてきたな。 116 00:11:33,830 --> 00:11:36,833 京へ上るのを もうちょっと急がれたら どうですやろ。 117 00:11:36,833 --> 00:11:39,969 うん? もはや 徳島藩を頼るよりも➡ 118 00:11:39,969 --> 00:11:42,505 岩倉具視に接近した方が早い。 119 00:11:42,505 --> 00:11:46,342 岩倉なら 天子様の不興を被って蟄居中のはずだが。 120 00:11:46,342 --> 00:11:48,845 あの方は 怪物や。 121 00:11:48,845 --> 00:11:52,682 今は勤皇派に鞍替えして 摩藩と手を結び➡ 122 00:11:52,682 --> 00:11:57,353 倒幕勢力の中心になってます。 う~む…。 123 00:11:57,353 --> 00:12:03,226 佐伯様のお力で 5人の公家と岩倉様が 首尾よう 手を組んだら➡ 124 00:12:03,226 --> 00:12:07,026 朝廷を 倒幕一色に塗り潰せますやろ。 125 00:12:13,803 --> 00:12:15,739 そなたは…。 126 00:12:15,739 --> 00:12:19,609 ああ 私の連れです。 127 00:12:19,609 --> 00:12:25,415 あまりの美しさに 心を奪われ 徳島から さらってきました。 128 00:12:25,415 --> 00:12:30,253 銃士 加納睦太郎の妹 志津と申します。 129 00:12:30,253 --> 00:12:32,655 (三田)ずっと そこにおられたんか? 130 00:12:32,655 --> 00:12:36,155 はい。 梅に見とれて…。 131 00:12:37,827 --> 00:12:40,497 どうか 御用心ください。 132 00:12:40,497 --> 00:12:44,667 徳島藩士には 佐伯さんや私の命を狙う者がいます。 133 00:12:44,667 --> 00:12:51,541 ははははは… 志津さんに殺されるなら本望ですな。 134 00:12:51,541 --> 00:12:57,180 そうではありません。 実は…。 135 00:12:57,180 --> 00:13:07,791 ♬~ 136 00:13:07,791 --> 00:13:12,929 <お登勢 お前は 途方もないことをしでかしたの。➡ 137 00:13:12,929 --> 00:13:15,832 津田様の身を守りたいのは分かるが➡ 138 00:13:15,832 --> 00:13:19,302 密告された若旦那様は どないなるんや。➡ 139 00:13:19,302 --> 00:13:23,139 事が露見したら ただごとでは済まんぞ> 140 00:13:23,139 --> 00:13:25,475 (障子が開く音) 141 00:13:25,475 --> 00:13:29,813 お嬢様…。 何で ここにいるん? 142 00:13:29,813 --> 00:13:32,482 私の着替えは? 143 00:13:32,482 --> 00:13:37,153 それが 急なことで…。 (志津)急なこととは? 144 00:13:37,153 --> 00:13:40,957 出過ぎたまねは許しません! 今すぐ 徳島に戻りなされ! 145 00:13:40,957 --> 00:13:43,257 あの…。 今すぐじゃ! 146 00:13:46,763 --> 00:13:51,601 <ほやから言わんこっちゃない。 お嬢様は 大層 ご立腹じゃ。➡ 147 00:13:51,601 --> 00:13:55,171 なあ わしゃ 知らんぞ> 148 00:13:55,171 --> 00:14:05,815 ♬~ 149 00:14:05,815 --> 00:14:10,286 <お登勢は 一人で 徳島へ帰されることになり➡ 150 00:14:10,286 --> 00:14:13,986 船着き場で 下り船を待った> 151 00:14:17,060 --> 00:14:19,060 ≪登勢。 152 00:14:31,474 --> 00:14:33,674 津田様…。 153 00:14:40,149 --> 00:14:42,652 まあ その傷…。 154 00:14:42,652 --> 00:14:48,825 (貢)ああ… とうとう こんな御面相になってしもうた。 155 00:14:48,825 --> 00:14:52,662 お懐かしゅうございます。 156 00:14:52,662 --> 00:14:58,462 話は 三田さんから聞いた。 よう知らせてくれたもんじゃ。 157 00:15:01,371 --> 00:15:07,176 そう言うたら 祭りの時も お前さんには世話になった。 158 00:15:07,176 --> 00:15:14,450 いえ あの時は…。 分かってる。 何も言うな。 159 00:15:14,450 --> 00:15:16,750 すんまへん。 160 00:15:22,325 --> 00:15:25,929 津田様…。 うん? 161 00:15:25,929 --> 00:15:29,429 お嬢様には お会いになりましたやろか。 162 00:15:32,135 --> 00:15:35,171 こんな顔を見たら 志津さんは驚くじゃろう。 163 00:15:35,171 --> 00:15:39,309 お顔なんか そんなもん…。 ふっ… ありがとう。 164 00:15:39,309 --> 00:15:44,480 いや 顔だけではない。 私は 心の中も 傷だらけじゃ。 165 00:15:44,480 --> 00:15:46,480 ふっ…。 166 00:15:49,819 --> 00:15:53,156 ここの景色は 気に入ったか? 167 00:15:53,156 --> 00:15:59,856 へえ。 あの向こう岸は どない いうんですか? 168 00:16:01,497 --> 00:16:06,102 舞中島や。 舞中島…? 169 00:16:06,102 --> 00:16:08,905 そうじゃ。 170 00:16:08,905 --> 00:16:11,405 渡ってみるか? 171 00:16:19,115 --> 00:16:23,453 一緒に来なさい。 ほんなけんど…。 172 00:16:23,453 --> 00:16:25,488 どうしたんじゃ? 173 00:16:25,488 --> 00:16:30,126 いえ… 危ないんやないかと…。 174 00:16:30,126 --> 00:16:33,796 ああ 刺客のことか? 175 00:16:33,796 --> 00:16:38,134 津田様も狙われています。 176 00:16:38,134 --> 00:16:42,638 心配するな。 ここは 稲田家の御城下のようなもんじゃ。 177 00:16:42,638 --> 00:16:45,475 乱暴者の10人や 20人 乗り込んできたところで➡ 178 00:16:45,475 --> 00:16:47,775 手も足も出んわい。 179 00:16:52,815 --> 00:16:57,153 <何をしとるんじゃ お登勢! えっ?> 180 00:16:57,153 --> 00:16:59,489 さあ! 181 00:16:59,489 --> 00:17:03,760 <ほれ… 乗るのか乗らんのか> 182 00:17:03,760 --> 00:17:22,779 ♬~ 183 00:17:22,779 --> 00:17:26,649 それに 間もなく 佐伯さんは 京へ上る。 184 00:17:26,649 --> 00:17:28,918 三田さんも私も お供するんじゃ。 185 00:17:28,918 --> 00:17:31,821 京へ? またですか? 186 00:17:31,821 --> 00:17:37,927 うん。 刺客も まさか 京までは 追うてこれまい。 187 00:17:37,927 --> 00:18:00,483 ♬~ 188 00:18:00,483 --> 00:18:04,353 <お登勢よ。 ほっぺたを つねってみい。➡ 189 00:18:04,353 --> 00:18:10,760 夢やないで。 お前は 津田様と一緒におるんやで。➡ 190 00:18:10,760 --> 00:18:13,760 2人 一緒にな…> 191 00:18:16,632 --> 00:18:20,332 ほんまに 静かな所じゃなあ。 192 00:18:24,774 --> 00:18:29,645 あの船着き場の右が 猪尻 左が 脇町や。 193 00:18:29,645 --> 00:18:31,914 あ~。 194 00:18:31,914 --> 00:18:35,114 あの山を越えると 讃岐国。 195 00:18:39,288 --> 00:18:41,224 おっ…。 196 00:18:41,224 --> 00:18:46,024 すんまへん。 ちょっと 休もう。 197 00:19:04,413 --> 00:19:07,450 津田様は…➡ 198 00:19:07,450 --> 00:19:10,650 お嬢様のことを 怒ってはるんですか? 199 00:19:14,423 --> 00:19:17,760 どうか許してあげてくだされ。 200 00:19:17,760 --> 00:19:22,431 お嬢様は きっと後悔してはります。 201 00:19:22,431 --> 00:19:24,367 後悔? 202 00:19:24,367 --> 00:19:27,770 津田様が お待ちの大浜へ 行かなんだり➡ 203 00:19:27,770 --> 00:19:31,440 せっかくのお手紙も 読まんと焼いてしもうたり…。 204 00:19:31,440 --> 00:19:34,110 しかたがあるまい。 205 00:19:34,110 --> 00:19:37,013 志津さんには 藩士の許嫁がいる。 206 00:19:37,013 --> 00:19:38,981 ほんなけんど…。 207 00:19:38,981 --> 00:19:43,281 あの人のことは もう忘れた。 うそや。 208 00:19:46,122 --> 00:19:51,460 さっき お心の中が傷だらけやと 言いなはりました。 209 00:19:51,460 --> 00:19:56,332 それは違う。 違うとは? 210 00:19:56,332 --> 00:20:02,805 私は さっき 京へ上ると言うた。 へえ。 211 00:20:02,805 --> 00:20:05,505 本当は行きとうないんや。 212 00:20:08,144 --> 00:20:12,815 登勢は 吉田稔麿さんを 知っとるじゃろ? 213 00:20:12,815 --> 00:20:17,653 へえ。 津田様と御一緒に 人形座の道具方を…。 214 00:20:17,653 --> 00:20:20,690 そうじゃ。 215 00:20:20,690 --> 00:20:26,963 私は あの人を見殺しにした。 216 00:20:26,963 --> 00:20:31,834 一人で逃げてしもうたのじゃ。 217 00:20:31,834 --> 00:20:33,836 私は卑怯者じゃった。 218 00:20:33,836 --> 00:20:37,974 やめてください! 津田様じゃって ひどい傷を負うたのに…。 219 00:20:37,974 --> 00:20:39,974 まあ 聞いてくれ。 220 00:20:41,677 --> 00:20:45,982 稲田家は 長州藩の味方じゃったのに➡ 221 00:20:45,982 --> 00:20:51,520 蛤御門の戦いでは これを裏切った。 222 00:20:51,520 --> 00:20:58,320 そして 今 勢いを取り戻した長州藩と また 手を握ろうとしておる。 223 00:21:06,936 --> 00:21:11,474 私は 何もかも嫌になった。 224 00:21:11,474 --> 00:21:15,144 勤皇やろうが 佐幕やろうが➡ 225 00:21:15,144 --> 00:21:21,651 政というもんは しょせん 裏切りと だまし合いの繰り返しなんじゃ。 226 00:21:21,651 --> 00:21:28,424 何のために… 今まで何のために この私は…。 227 00:21:28,424 --> 00:21:30,424 津田様…。 228 00:21:33,162 --> 00:21:36,065 つまらん話をしてしもうたな。 229 00:21:36,065 --> 00:21:40,836 正直言うて ややこしい話は分かりまへん。 230 00:21:40,836 --> 00:21:45,708 ほんなけんど 何で そんなに ご自分を いじめはるんですか? 231 00:21:45,708 --> 00:21:49,178 自分をいじめる? 私がか? 232 00:21:49,178 --> 00:21:54,850 そうじゃ。 心の傷が何です? そんなもん 誰にも見えん。 233 00:21:54,850 --> 00:22:00,189 お顔の傷じゃて 刀傷じゃから 恥ずかしいことありません。 234 00:22:00,189 --> 00:22:02,124 お前には分からん。 235 00:22:02,124 --> 00:22:04,060 分からんでも ええんです。 236 00:22:04,060 --> 00:22:06,996 ただ うちが初めて お目にかかった日のように➡ 237 00:22:06,996 --> 00:22:09,632 もっと シャンとしてくだされ! 238 00:22:09,632 --> 00:22:14,470 津田様が ふにゃけとると うちも泣きとうなるんです。 239 00:22:14,470 --> 00:22:18,641 私は そんなに みすぼらしいか。 240 00:22:18,641 --> 00:22:23,813 いえ 津田様は 津田様です。 ちょっと疲れてはるだけです。 241 00:22:23,813 --> 00:22:28,150 うちには よう分かります。 242 00:22:28,150 --> 00:22:31,053 私は 地獄を見てしもうたんじゃ。 243 00:22:31,053 --> 00:22:33,022 地獄? 244 00:22:33,022 --> 00:22:38,661 政の名のもとに 血で血を洗う すさまじい地獄をな。 245 00:22:38,661 --> 00:22:40,596 そんな目をせんといてください! 246 00:22:40,596 --> 00:22:43,332 いっぺんでええから 笑うたお顔を 見せてほしい。 247 00:22:43,332 --> 00:22:46,369 ほんで 何でもええから うちに言いつけてくだされ。 248 00:22:46,369 --> 00:22:48,504 津田様が お元気になるんじゃったら➡ 249 00:22:48,504 --> 00:22:51,804 うっちゃあ どんなことでもしますよって…。 250 00:22:54,377 --> 00:22:57,847 分かってます。 うちみたいな者が なんぼ言うても➡ 251 00:22:57,847 --> 00:23:00,182 何の足しにもならんのです。 252 00:23:00,182 --> 00:23:02,985 ほんなけんど 一つだけ教えてください。 253 00:23:02,985 --> 00:23:09,285 ここに お嬢様がおっても 津田様は そんな寂しいお顔をなさるんですか? 254 00:23:15,664 --> 00:23:20,403 登勢…。 へえ。 255 00:23:20,403 --> 00:23:23,806 お前は 私が好きか? 256 00:23:23,806 --> 00:23:25,741 へっ? 257 00:23:25,741 --> 00:23:28,041 私が好きか? 258 00:23:31,147 --> 00:23:35,017 こんな傷っ面になってもか? 259 00:23:35,017 --> 00:23:38,020 好きです。 260 00:23:38,020 --> 00:23:41,791 私は 抜け殻かもしれんよ。 261 00:23:41,791 --> 00:23:46,695 いえ 津田様は 迷うておいでなさるだけじゃ。 262 00:23:46,695 --> 00:23:51,167 ほんまに そう思うてくれるのか? へえ。 263 00:23:51,167 --> 00:23:54,203 そうか…。 264 00:23:54,203 --> 00:23:57,840 私も登勢が好きじゃ。 265 00:23:57,840 --> 00:24:00,676 そんなん うそです! 何でや? 266 00:24:00,676 --> 00:24:03,179 うっちゃあ 山出しの百姓の子じゃ。 267 00:24:03,179 --> 00:24:06,782 学問もないし 行儀作法も ろくに知りまへん。 268 00:24:06,782 --> 00:24:08,717 そんなん 分かってる。 269 00:24:08,717 --> 00:24:12,922 色は黒いし 手は あかぎれだらけじゃし お化粧も しとらんし➡ 270 00:24:12,922 --> 00:24:16,459 加納の若旦那様には 山猿と言われます。 271 00:24:16,459 --> 00:24:19,929 それで十分や。 うっちゃの どこが…。 272 00:24:19,929 --> 00:24:24,800 お前の心は まっすぐじゃ。 素直で明るうて 容易にくじけん。 273 00:24:24,800 --> 00:24:28,671 私は お前が羨ましい。 津田様…。 274 00:24:28,671 --> 00:24:31,307 私は 人間が信じられんのや。 275 00:24:31,307 --> 00:24:35,307 けんど お前だけは 人を裏切らんじゃろう。 276 00:24:38,080 --> 00:24:40,015 登勢…。 277 00:24:40,015 --> 00:24:51,694 ♬~ 278 00:24:51,694 --> 00:24:55,498 いけません。 279 00:24:55,498 --> 00:24:58,968 いかん いかん。 私が 嫌いか? 280 00:24:58,968 --> 00:25:01,668 いえ ほんなけんど…。 281 00:25:06,709 --> 00:25:10,646 登勢…。 お嬢様に怒られる。 282 00:25:10,646 --> 00:25:12,646 あっ…。 283 00:25:26,462 --> 00:26:28,762 ♬~ 284 00:26:57,152 --> 00:27:00,956 <どないした お登勢… えっ?➡ 285 00:27:00,956 --> 00:27:05,456 その顔は 悲しいのか うれしいのか…> 286 00:27:09,665 --> 00:27:11,634 戻ろう…。 287 00:27:11,634 --> 00:27:40,663 ♬~ 288 00:27:40,663 --> 00:27:43,363 津田様…。 289 00:27:45,467 --> 00:27:47,936 怒ってはるんですか? 290 00:27:47,936 --> 00:28:23,436 ♬~ 291 00:28:31,447 --> 00:28:36,785 ほう~ これは加納さん 銃士としては 妙な身なりですな。 292 00:28:36,785 --> 00:28:39,788 津田か。 ええとこで会うた。 293 00:28:39,788 --> 00:28:44,460 待て待て 加納。 雑魚に構うて 大物を逃すな。 294 00:28:44,460 --> 00:28:46,395 そうは いかん。 295 00:28:46,395 --> 00:28:50,332 なるほど 志津さんを案じて 猪尻まで おいでなさったか。 296 00:28:50,332 --> 00:28:54,169 よかったら 案内いたしましょう。 佐伯織部と一緒か? 297 00:28:54,169 --> 00:28:57,639 失礼やが そんな格好で 佐伯さんには会えません。 298 00:28:57,639 --> 00:29:00,476 盗人と間違えられます。 ほざくな! 299 00:29:00,476 --> 00:29:03,879 果たし合いにも応じられん 卑怯者が! 300 00:29:03,879 --> 00:29:06,415 京都のことじゃろか? 301 00:29:06,415 --> 00:29:09,752 あの時は 志津さんの兄上やからこそ 身を引いたんです。 302 00:29:09,752 --> 00:29:12,421 ここでは どうじゃ? 303 00:29:12,421 --> 00:29:16,091 お望みで あれば…。 来い! 304 00:29:16,091 --> 00:29:18,894 若旦那様! いけません 若旦那様! 305 00:29:18,894 --> 00:29:20,829 登勢… 何で お前が!? 306 00:29:20,829 --> 00:29:24,433 お願いです! どうか 若旦那様を 見んかったことにしてください。 307 00:29:24,433 --> 00:29:26,902 どけ! 一緒に たたき斬るぞ! 308 00:29:26,902 --> 00:29:30,439 おやめなされ! ここで騒ぎを起こしては 何もかも 終わりです! 309 00:29:30,439 --> 00:29:34,109 生きては お帰りになれまへん! 覚悟の上や。 310 00:29:34,109 --> 00:29:36,044 登勢… どいてなさい。 311 00:29:36,044 --> 00:29:40,282 大変じゃ~! どなたか 早う 来てくだされ~! 312 00:29:40,282 --> 00:29:42,217 うるさい! 何や 何や!? 313 00:29:42,217 --> 00:29:44,453 曲者! 出会え! 何事じゃ! 314 00:29:44,453 --> 00:29:46,922 曲者じゃ! 曲者! 出会え! 315 00:29:46,922 --> 00:29:51,126 待ってくだされ! どうか お奉行様に お取り次ぎを! 316 00:29:51,126 --> 00:29:53,126 登勢! 317 00:29:59,001 --> 00:30:05,474 やめんか やめんか! 何事や? 引け! 引け! 318 00:30:05,474 --> 00:30:07,943 この両人は 侍です。 刺客に相違ありません。 319 00:30:07,943 --> 00:30:10,479 いえ それは違います! 320 00:30:10,479 --> 00:30:14,650 お前さんの目は 節穴か。 これは ただの商人じゃ。 321 00:30:14,650 --> 00:30:17,319 そやない! 本藩の藩士と心得ます! 322 00:30:17,319 --> 00:30:19,655 たわけを言うな。 名を名乗れ! 323 00:30:19,655 --> 00:30:21,590 名乗らんでも よい。 はっ? 324 00:30:21,590 --> 00:30:24,526 (三田)分からんのか!? 客人に もしものことがあったら➡ 325 00:30:24,526 --> 00:30:27,396 徳島藩は 天下に恥をさらす! 326 00:30:27,396 --> 00:30:32,396 ひとかどの藩士なら それぐらいのことが分からんはずがない。 327 00:30:34,670 --> 00:30:36,870 さあ行け! 328 00:30:49,218 --> 00:30:51,220 やめてくだされ! 329 00:30:51,220 --> 00:30:55,220 <ああっ 危ない! お登勢 撃たれるぞ!> 330 00:31:02,731 --> 00:31:06,935 さあ 道を開けてやらんか。 331 00:31:06,935 --> 00:31:24,820 ♬~ 332 00:31:24,820 --> 00:31:28,657 <お登勢は 船で徳島へ戻った。➡ 333 00:31:28,657 --> 00:31:32,160 ほんなけんど 行きと帰りは大違いや。➡ 334 00:31:32,160 --> 00:31:37,460 無垢の生娘が 女の川を渡ってしもうたんじゃ> 335 00:31:42,504 --> 00:31:46,004 (戸の開閉音) 336 00:31:50,846 --> 00:31:53,046 お帰りなされませ。 337 00:31:54,716 --> 00:31:57,716 お前が 密告したんやな。 338 00:32:00,856 --> 00:32:06,795 下女の分際で 主人を裏切るとは 不埒千万! 手討ちにする。 339 00:32:06,795 --> 00:32:09,932 ひゃあ~…。 (睦太郎)動くな! 340 00:32:09,932 --> 00:32:13,302 堪忍してくだされ! うっちゃあ 若旦那様の お身の上を案じて…。 341 00:32:13,302 --> 00:32:15,237 いらぬ節介じゃ! 342 00:32:15,237 --> 00:32:20,437 俺は 佐伯織部を暗殺して 腹を切るつもりじゃった! 343 00:32:22,811 --> 00:32:25,647 めっそうもないこと…。 斬るぞ! 344 00:32:25,647 --> 00:32:28,483 すんまへん。 お手討ちは 覚悟はしておりました。 345 00:32:28,483 --> 00:32:32,783 ほんなけんど… なるべく 痛うないように…。 346 00:32:44,933 --> 00:32:50,172 (睦太郎)何で ここへ戻ってきた? へっ? 347 00:32:50,172 --> 00:32:52,975 (睦太郎)何で 逃げなんだ? 348 00:32:52,975 --> 00:32:57,775 うっちゃあ 加納様の奉公人じゃ。 どこへも行く所はありまへん。 349 00:33:06,121 --> 00:33:09,157 洲本へ 帰れ。 へっ? 350 00:33:09,157 --> 00:33:15,630 打ち首に したいのは やまやまやが 御家老に きついお叱りを受けた。 351 00:33:15,630 --> 00:33:21,136 決して 登勢を咎めてはならんと…。 352 00:33:21,136 --> 00:33:24,039 ええい! 早う 出ていけ! 353 00:33:24,039 --> 00:33:26,008 へえ…。 354 00:33:26,008 --> 00:33:28,010 <いや~ 危なかったな お登勢。➡ 355 00:33:28,010 --> 00:33:32,010 もうちょっとで 首が 胴から離れるとこや> 356 00:33:38,487 --> 00:33:41,323 <お登勢が 徳島から洲本に着いた時は➡ 357 00:33:41,323 --> 00:33:45,823 改元されて 慶応元年になっとった> 358 00:33:49,064 --> 00:33:54,336 (市左衛門)長い間 よう辛抱してくれたのう。 359 00:33:54,336 --> 00:34:02,536 睦太郎も 志津も 身勝手なやつじゃから さぞ 気苦労が多かったろう。 360 00:34:04,446 --> 00:34:10,252 <洲本の旦那様は 若旦那様からの書状に 目をお通しじゃった。➡ 361 00:34:10,252 --> 00:34:16,792 お登勢は 暇を出されるに違いないと観念した> 362 00:34:16,792 --> 00:34:21,129 (はま)まあまあ お登勢! ただいま戻りました。 363 00:34:21,129 --> 00:34:24,633 徳島は どうやったか? あっはは…。➡ 364 00:34:24,633 --> 00:34:28,937 お前だけでも戻ってくれて ほんまに よかった。 365 00:34:28,937 --> 00:34:31,473 もう みんな いっぺんに 出ていったもんやから➡ 366 00:34:31,473 --> 00:34:33,408 灯が消えたようになって。 367 00:34:33,408 --> 00:34:38,246 あっちゃこっちゃ 掃除は行き届かんし 儀平は へまばっかりするし。 368 00:34:38,246 --> 00:34:42,117 あの へげたれが! (はま)はっ? 369 00:34:42,117 --> 00:34:45,821 睦太郎のことじゃ! (はま)あの子が 何か? 370 00:34:45,821 --> 00:34:50,492 あろうことか 東久世通禧の使者を 闇討ちにしようとしよった! 371 00:34:50,492 --> 00:34:52,527 な… 何と…!? 372 00:34:52,527 --> 00:34:56,298 これやから 若い者には 任せておけんのじゃ。 373 00:34:56,298 --> 00:34:59,668 何が何でも勤皇方を斬ればええと 考えておる! 374 00:34:59,668 --> 00:35:05,107 いや 睦太郎のことじゃ。 きっと 家名を上げたいと思うたのでしょう。 375 00:35:05,107 --> 00:35:10,979 アホ! 仮にも 殿様への御使者やぞ。 はあ…。 376 00:35:10,979 --> 00:35:15,450 下手をすれば 打ち首の上 加納家は断絶じゃ! 377 00:35:15,450 --> 00:35:17,385 ええっ!? 378 00:35:17,385 --> 00:35:20,789 心配すな。 はあ…。 379 00:35:20,789 --> 00:35:29,131 「お登勢の働きのおかげで 大事には至らなんだ」とある。 380 00:35:29,131 --> 00:35:31,800 (はま)お登勢の働きで? 381 00:35:31,800 --> 00:35:38,306 未然に 御家老へ届け出て 睦太郎の暴挙を食い止めたんじゃ。 382 00:35:38,306 --> 00:35:40,809 (はま)ええっ…? 383 00:35:40,809 --> 00:35:42,809 見てみい。 あっ…。 384 00:35:44,479 --> 00:35:47,816 「若気の至りで 暴挙に及ばんとしたところを➡ 385 00:35:47,816 --> 00:35:53,488 お登勢のおかげで事なきを得た」と そう 記してある。 386 00:35:53,488 --> 00:35:58,827 はあ~ 登勢… でかしたの。 よう やってくれた…。 387 00:35:58,827 --> 00:36:04,527 いえ。 いや わしからも 礼を言う。 388 00:36:06,434 --> 00:36:08,734 めっそうもない! 389 00:36:13,909 --> 00:36:16,611 <へえ~ びっくりしたな お登勢。➡ 390 00:36:16,611 --> 00:36:22,117 あの 猛々しい若旦那様に こんな思いやりがあったとは…> 391 00:36:22,117 --> 00:36:25,317 ≪(儀平)よう戻ったなあ! 392 00:36:26,922 --> 00:36:32,294 (儀平)よかった よかった。 お前が おらん間は➡ 393 00:36:32,294 --> 00:36:36,798 わし一人で お小言を引き受けて えらい目に遭うたわい。 ははは…。 394 00:36:36,798 --> 00:36:40,669 ご苦労さんです。 ああ… あはは…。 395 00:36:40,669 --> 00:36:44,940 お… お前 きれいになったなあ! へっ? 396 00:36:44,940 --> 00:36:47,809 徳島の水で 磨きをかけたんじゃな!➡ 397 00:36:47,809 --> 00:36:50,712 おお 娘らしい色気が出てきよったわい。 398 00:36:50,712 --> 00:36:53,315 ほんま? (儀平)ああ ほんまじゃ! 399 00:36:53,315 --> 00:36:59,487 花なら 見頃 実なら 食べ頃じゃ。 ははは…! 400 00:36:59,487 --> 00:37:19,441 ♬~ 401 00:37:19,441 --> 00:37:21,441 (弥一郎)おるか? 402 00:37:23,311 --> 00:37:25,313 おいでなされませ。 403 00:37:25,313 --> 00:37:30,151 登勢か。 徳島では えらい働きをしたそうじゃの。 404 00:37:30,151 --> 00:37:34,623 いえ…。 ただいま お取り次ぎを…。 405 00:37:34,623 --> 00:37:37,123 (弥一郎)おお… 大丈夫か? ははは…。 406 00:37:43,798 --> 00:37:46,701 今日は 碁は打たんぞ。 407 00:37:46,701 --> 00:37:49,604 わしも ヘボとは やらん。 408 00:37:49,604 --> 00:37:55,143 志津殿は いつ戻るのじゃ? ん~ それが…。 409 00:37:55,143 --> 00:37:59,814 長州征伐が終わったら 婚儀を行う約束じゃぞ。 410 00:37:59,814 --> 00:38:03,652 うむ… しかしな 長州は うだうだしておるから…。 411 00:38:03,652 --> 00:38:07,622 娘を嫁にやるのが惜しゅうなって 徳島に足止めしておるんではないか? 412 00:38:07,622 --> 00:38:10,091 アホぬかせ。 言うてみい。 413 00:38:10,091 --> 00:38:14,963 お主は 志津殿を多村家にやる気 あるのか ないのか! 414 00:38:14,963 --> 00:38:19,100 だから それは大ありじゃ。 なら 何で徳島に置いておく? 415 00:38:19,100 --> 00:38:21,036 んん…。 416 00:38:21,036 --> 00:38:24,973 誰の差し金かは知らんが➡ 417 00:38:24,973 --> 00:38:30,712 許嫁のある娘を 公家侍の接待に出すとは何事か! えっ? 418 00:38:30,712 --> 00:38:33,648 いや わしも あれは その… けしからんと思うとる。 419 00:38:33,648 --> 00:38:38,286 「けしからん」で済むか! 婿殿の身にも なってみい。 420 00:38:38,286 --> 00:38:43,124 ここは 世話人として 一言あるべきじゃ。 421 00:38:43,124 --> 00:38:49,798 さすがに 伜殿は 憤慨して 猪尻へ乗り込んだそうやないか。 422 00:38:49,798 --> 00:38:52,634 誰に聞いた!? 多村殿じゃ。 423 00:38:52,634 --> 00:38:56,504 (慎吾)睦太郎殿はじめ 銃士の者 数名が➡ 424 00:38:56,504 --> 00:39:02,310 公家侍に天誅を加えんとしたことは 今や 藩内で公然の秘密です。 425 00:39:02,310 --> 00:39:04,879 (弥一郎)待て待て。 今日は その話やない。➡ 426 00:39:04,879 --> 00:39:09,718 祝言の日取りじゃ。 んっ? う~ん…。 427 00:39:09,718 --> 00:39:13,621 この話が あってから はや半年も過ぎておる! 428 00:39:13,621 --> 00:39:19,894 多村殿は 同輩の手前もあって つらい思いをしておるのじゃ。 429 00:39:19,894 --> 00:39:22,797 すまんことじゃ…。 430 00:39:22,797 --> 00:39:28,903 早速 志津を呼び戻して 相談することにしよう。 431 00:39:28,903 --> 00:39:31,773 武士に 二言は あるまいな。 432 00:39:31,773 --> 00:39:33,708 ない! 433 00:39:33,708 --> 00:39:39,447 何とぞ よしなに お計らいください。 434 00:39:39,447 --> 00:39:54,462 ♬~ 435 00:39:54,462 --> 00:39:56,398 (つまずく音) あっ…。 436 00:39:56,398 --> 00:39:58,333 すんまへん! 437 00:39:58,333 --> 00:40:08,476 ♬~ 438 00:40:08,476 --> 00:40:12,647 <大きな声では言えぬが 加納家は 火の車じゃ。➡ 439 00:40:12,647 --> 00:40:16,518 たったの80石では お嬢様の嫁入り支度も 満足にできん。➡ 440 00:40:16,518 --> 00:40:21,322 そこで しかたなく 一家総出で うちわ作りの手内職。➡ 441 00:40:21,322 --> 00:40:28,822 まっ これが ほんまに 内輪の話じゃ。 ぷっ ははは! のう? あはは…> 442 00:40:33,501 --> 00:40:38,339 儀平 お前 作っておるのか 壊しておるのか…。 これ…。 443 00:40:38,339 --> 00:40:40,675 あっ その… 新しいのは せんでいい。 こっちを…➡ 444 00:40:40,675 --> 00:40:43,875 こっちを ゆっくり やってから。 ふふふ…。 445 00:40:45,847 --> 00:40:48,847 (うぐいすの鳴き声) 446 00:40:51,719 --> 00:41:04,332 ♬~ 447 00:41:04,332 --> 00:41:07,802 登勢… お前は 私が好きか? 448 00:41:07,802 --> 00:41:09,737 好きです。 449 00:41:09,737 --> 00:41:15,143 ほんまに そう思うてくれるのか? へえ。 450 00:41:15,143 --> 00:41:17,812 私も登勢が好きじゃ。 451 00:41:17,812 --> 00:41:32,812 ♬~ 452 00:41:41,970 --> 00:41:44,873 <お登勢の恋い焦がれる津田 貢様は➡ 453 00:41:44,873 --> 00:41:47,675 稲田家の重臣 三田昂馬様と共に➡ 454 00:41:47,675 --> 00:41:49,978 勤皇派の急先鋒じゃ。➡ 455 00:41:49,978 --> 00:41:52,680 将軍様の世の中をひっくり返し➡ 456 00:41:52,680 --> 00:41:57,852 白足袋も浅葱足袋もない 新しい天子様の世の中をつくろうと➡ 457 00:41:57,852 --> 00:42:00,355 企てておったんじゃ。➡ 458 00:42:00,355 --> 00:42:04,626 一方 若旦那様をはじめとする 血気盛んな銃士たちは➡ 459 00:42:04,626 --> 00:42:07,529 勤皇派を一掃せんと たくらんでおった。➡ 460 00:42:07,529 --> 00:42:10,932 徳島藩は 白足袋の藩士たちが佐幕派➡ 461 00:42:10,932 --> 00:42:14,802 洲本城代 稲田様に仕える 浅葱足袋が勤皇派と➡ 462 00:42:14,802 --> 00:42:16,804 大きく 二分されてしまい➡ 463 00:42:16,804 --> 00:42:21,142 御家老 尾関源左衛門様はじめ 藩の御重役方は➡ 464 00:42:21,142 --> 00:42:24,812 頭を痛めておった。➡ 465 00:42:24,812 --> 00:42:28,816 東久世通禧の用人 佐伯織部様が➡ 466 00:42:28,816 --> 00:42:35,523 岩倉具視らへの接近を図り 再び 勤皇派が勢いを取り戻し始めた頃➡ 467 00:42:35,523 --> 00:42:39,160 お嬢様は 白足袋の藩士との縁談を破談にして➡ 468 00:42:39,160 --> 00:42:41,963 津田家へ嫁ぎたいと言いだした> 469 00:42:41,963 --> 00:42:44,832 旦那様! いけません! 470 00:42:44,832 --> 00:42:48,503 こら! 何をするんじゃ… 何をするんじゃ… こら どかんか! 471 00:42:48,503 --> 00:42:50,438 ああ~! <はてさて➡ 472 00:42:50,438 --> 00:42:54,676 一度は お登勢と結ばれた貢様の お気持ちや いかに!?➡ 473 00:42:54,676 --> 00:42:58,476 さあ どうする? 我が娘 お登勢よ!>