1 00:00:02,102 --> 00:02:40,093 ♬~ 2 00:02:45,532 --> 00:02:51,872 <船に大筒を装備するという発想は 日本では 信長をして最初とする。➡ 3 00:02:51,872 --> 00:02:56,543 その大筒… いわゆる 大鉄砲の製造は➡ 4 00:02:56,543 --> 00:02:59,446 堺の今井が請け負っていた。➡ 5 00:02:59,446 --> 00:03:05,352 武器製造業から 交易業 薬種 回船 倉庫業など➡ 6 00:03:05,352 --> 00:03:11,825 多種に及ぶ今井企業体の 大元方に君臨する 今井宗久自身も➡ 7 00:03:11,825 --> 00:03:16,696 信長より 代官 松井友閑の補佐役に任じられ➡ 8 00:03:16,696 --> 00:03:22,169 信長 および 将軍 義昭の 茶頭も務める身となった。➡ 9 00:03:22,169 --> 00:03:24,838 国際商業都市 堺は➡ 10 00:03:24,838 --> 00:03:28,708 天下統一を目指す 若き武将 織田信長と組んで➡ 11 00:03:28,708 --> 00:03:35,182 日本随一の生産力と流通の機能を フル回転させていく> 12 00:03:35,182 --> 00:03:37,184 (砲声) 13 00:03:43,523 --> 00:03:47,194 (友閑)ほほう。 (宗久)いかがなものでございます。 14 00:03:47,194 --> 00:03:50,864 <もはや 畿内のみを商いの対象としてきた➡ 15 00:03:50,864 --> 00:03:55,202 門閥豪商の時代は 過ぎ去ろうとしている。➡ 16 00:03:55,202 --> 00:04:00,207 今 天下は 統一を求めて動く> 17 00:04:01,808 --> 00:04:09,483 (鐘の音) 18 00:04:09,483 --> 00:04:15,155 (助左)あ… 日比屋の礼拝堂の鐘だ。 19 00:04:15,155 --> 00:04:19,826 あの鐘の音を聞く度に すぐにでも帆を上げて➡ 20 00:04:19,826 --> 00:04:25,499 船出してしまいたい気持ちに襲われて 居ても立ってもいられなくなる。 21 00:04:25,499 --> 00:04:29,369 もしかしたら 俺の体の中には➡ 22 00:04:29,369 --> 00:04:35,842 南蛮人の血が混じっているんじゃ なかろうかと思うほど 胸が高鳴る。 23 00:04:35,842 --> 00:04:42,182 まだ 行ったことも見たこともない 異国の町の情景が浮かび上がってくる。 24 00:04:42,182 --> 00:04:45,852 善住坊 ぬしは知らないか? 25 00:04:45,852 --> 00:04:48,755 あの日比屋の礼拝堂の中に➡ 26 00:04:48,755 --> 00:04:53,527 グローボという この世の模型があるそうだ。 27 00:04:53,527 --> 00:04:59,399 (善住坊)え? この世の模型とは 何なんだ? 28 00:04:59,399 --> 00:05:03,136 うん。 それが どんなものか 見当がつかぬから➡ 29 00:05:03,136 --> 00:05:05,805 是非とも見たいもんだと思って こないだから➡ 30 00:05:05,805 --> 00:05:09,676 幾度となく 日比屋のうちの前を 行ったり来たりするんだが➡ 31 00:05:09,676 --> 00:05:13,480 どうも バテレンの御堂というのは 一人では入りにくい。 32 00:05:13,480 --> 00:05:18,818 そういうことなら 五右衛門だな。 33 00:05:18,818 --> 00:05:21,721 五右衛門? 34 00:05:21,721 --> 00:05:31,164 美緒様が このごろは バテレンのもとに通いづめだそうだ。 35 00:05:31,164 --> 00:05:34,834 美緒様 キリシタンになられたのか。 36 00:05:34,834 --> 00:05:39,172 まだ キリシタンではないらしいが➡ 37 00:05:39,172 --> 00:05:43,877 バテレンたちがやってる施療院の 看護の手伝いに通っておられる。 38 00:05:45,846 --> 00:05:49,182 五右衛門は 大元様の言いつけで➡ 39 00:05:49,182 --> 00:05:54,521 美緒様の身辺に つきまとってるらしいから…➡ 40 00:05:54,521 --> 00:05:58,191 日比屋のことにも詳しいはずだ。 41 00:05:58,191 --> 00:06:01,194 五右衛門か…。 42 00:06:03,029 --> 00:06:06,466 やつが 快く案内してくれるかな。 43 00:06:06,466 --> 00:06:10,804 やつは… やつは 銭の亡者だ。 44 00:06:10,804 --> 00:06:16,676 これが 信長様の撰銭令のおかげで➡ 45 00:06:16,676 --> 00:06:21,147 手持ちの びた銭が 一度に目減りしたと言って…➡ 46 00:06:21,147 --> 00:06:23,083 青い顔してた。 47 00:06:23,083 --> 00:06:28,021 銭さえ与えてやれば 大抵のことは引き受けるだろう。 48 00:06:28,021 --> 00:06:31,157 ああ…。 49 00:06:31,157 --> 00:06:33,460 銭か…。 50 00:06:37,497 --> 00:06:40,834 今年の秋には 俺たちの船も 天川へ行くんだ。 51 00:06:40,834 --> 00:06:45,171 天川へ行けば 生糸も 緞子も 沙羅も 綸子も 手に入る。 52 00:06:45,171 --> 00:06:47,507 ぬしの これと望むものを 持ってきてやるから➡ 53 00:06:47,507 --> 00:06:50,176 なっ 頼みを聞いてくれ。 54 00:06:50,176 --> 00:06:52,512 (五右衛門) そんな先の話なんか どうでもいいさ。 55 00:06:52,512 --> 00:06:57,183 うん? この世の模型? 56 00:06:57,183 --> 00:07:03,456 礼拝堂には ないがな あるとすれば 司祭の部屋だろう。 57 00:07:03,456 --> 00:07:06,359 いいとも 案内しようじゃないか。 おお! 58 00:07:06,359 --> 00:07:10,330 ただし まともじゃ入れんぞ。 59 00:07:10,330 --> 00:07:15,068 信者だって 司祭の部屋には入ったことはないんだ。 60 00:07:15,068 --> 00:07:18,004 何か 方法があるか? 61 00:07:18,004 --> 00:07:22,475 忍び込むしか 手はないだろうな。 えっ…。 62 00:07:22,475 --> 00:07:25,378 フッ… 心配するな。 63 00:07:25,378 --> 00:07:27,814 ちゃんと 見つからないように連れてってやるよ。 64 00:07:27,814 --> 00:07:31,484 (鐘の音) 65 00:07:31,484 --> 00:07:34,154 <堺市櫛屋町。➡ 66 00:07:34,154 --> 00:07:38,825 豪商 日比屋了慶の屋敷跡が ここにある。➡ 67 00:07:38,825 --> 00:07:43,697 熱心なキリシタンであった了慶は ここに3階建ての家を建て➡ 68 00:07:43,697 --> 00:07:51,838 2階を病院に 3階を宣教師の居室と 礼拝堂に充てていたという。➡ 69 00:07:51,838 --> 00:07:55,709 日本に初めてキリスト教を伝えた フランシスコ・ザビエルが➡ 70 00:07:55,709 --> 00:08:02,115 この地を訪れたのは 天文19年 1550年だが➡ 71 00:08:02,115 --> 00:08:05,018 それより20年余り後➡ 72 00:08:05,018 --> 00:08:09,789 南蛮船と共にやって来た この異国の宗教は➡ 73 00:08:09,789 --> 00:08:14,661 いよいよ 信長との対決を迎えようとしていた> 74 00:08:14,661 --> 00:08:37,817 ♬~(ミサ曲) 75 00:08:37,817 --> 00:08:42,689 (五右衛門) へえ… これが 南蛮人の住まいか。➡ 76 00:08:42,689 --> 00:08:45,492 結構な品が そろってるじゃないか。➡ 77 00:08:45,492 --> 00:08:49,796 おい ぬしが言う この世の模型ってのは どこにあるんだ。 78 00:09:04,444 --> 00:09:06,780 これか? 79 00:09:06,780 --> 00:09:09,082 これだ…。 80 00:09:12,452 --> 00:09:15,121 ちょっと重そうだな。 81 00:09:15,121 --> 00:09:28,668 ♬~(ミサ曲) 82 00:09:28,668 --> 00:09:33,807  心の声  俺の国は どこだ。➡ 83 00:09:33,807 --> 00:09:45,418 天川は カンボジアは 琉球は 明は 南蛮は…。 84 00:09:45,418 --> 00:09:48,822 (物音) 85 00:09:48,822 --> 00:09:51,491 おい 何をしてるんだ。 86 00:09:51,491 --> 00:09:54,394 見りゃ分かるだろうが。 87 00:09:54,394 --> 00:09:57,363 ぬしも いつまで ぼんやりしてるんだ。 これ 手伝え。 88 00:09:57,363 --> 00:10:00,500 えっ? 手伝え? 89 00:10:00,500 --> 00:10:04,204 運び出すんだよ。 それがために連れてきたんだぞ。 90 00:10:05,839 --> 00:10:09,175 おい! 俺は 盗みをしに来たんじゃないぞ。 91 00:10:09,175 --> 00:10:11,111 へえ~。 92 00:10:11,111 --> 00:10:14,047 誰にも見つからずに 忍び込めたというのに➡ 93 00:10:14,047 --> 00:10:16,049 素手で引き揚げようっていうのか。 94 00:10:16,049 --> 00:10:21,187 初めから言っておいたはずだ。 俺は 一目 これを見るだけだと。 95 00:10:21,187 --> 00:10:25,058 ほう… 変わったやつだな。 96 00:10:25,058 --> 00:10:30,530 それじゃ 気が済むまで眺めてるがいいさ。 俺は行くぞ。 97 00:10:30,530 --> 00:10:34,200 その荷物は置いてけ。 98 00:10:34,200 --> 00:10:37,537 ぬしに邪魔されるのは これで2度目だぞ。 99 00:10:37,537 --> 00:10:41,207 盗みは いかん! 100 00:10:41,207 --> 00:10:43,877 邪魔せんでくれよ。 101 00:10:43,877 --> 00:10:47,547 ぬしは 気のいいやつだから 俺も殺したくはないんだ。 102 00:10:47,547 --> 00:10:50,250 分かったな。 103 00:10:57,557 --> 00:11:01,160 盗み癖は ぬしの悪い病だ。 104 00:11:01,160 --> 00:11:03,096 俺が治してやる。 105 00:11:03,096 --> 00:11:05,798 この あほが! 106 00:11:36,062 --> 00:11:38,865 (了慶)何者ですか!? 107 00:11:38,865 --> 00:11:40,867 (美緒)助左! 108 00:11:48,541 --> 00:11:51,444 あきれた人。 109 00:11:51,444 --> 00:11:54,881 申し訳ありません。 110 00:11:54,881 --> 00:12:00,687 そんなにグローボが見たかったら 私に言ってくれればよいのに。 111 00:12:00,687 --> 00:12:03,489 申し訳ありません。 112 00:12:03,489 --> 00:12:07,660 もう一人は 誰だったのです? どうぞ ご勘弁ください。 113 00:12:07,660 --> 00:12:11,497 あなたが言わなくても見当はつきます。 五右衛門でしょ? 114 00:12:11,497 --> 00:12:14,400 い… いえ。 五右衛門に そそのかされたのでしょう。 115 00:12:14,400 --> 00:12:18,171 違います。 私が頼んだんです。 116 00:12:18,171 --> 00:12:21,074 どうか やつの方は 見逃してやってください。 117 00:12:21,074 --> 00:12:24,510 はあ~ 悪い人たちだこと。 118 00:12:24,510 --> 00:12:26,813 ⚟美緒様! 119 00:12:32,385 --> 00:12:35,855 (モニカ)パードレ フロイスも 笑って お許しになったのですから➡ 120 00:12:35,855 --> 00:12:38,758 もう あまり お叱りにならないで。 モニカ様…。 121 00:12:38,758 --> 00:12:42,528 父も パードレも 今日は 特別 ご機嫌がよろしかったのです。 122 00:12:42,528 --> 00:12:46,866 何しろ 5年ぶりで パードレの帰京が許されたものですから。 123 00:12:46,866 --> 00:12:52,205 まあ それでは とうとう フロイス様 都に お戻りになれるんですか。 124 00:12:52,205 --> 00:12:56,075 はい。 やっと。 まあ。 125 00:12:56,075 --> 00:13:01,481 (フロイス)美緒さん。 パードレ おめでとうございます。 126 00:13:01,481 --> 00:13:07,153 ありがとう。 全ては 皆さんのおかげです。 127 00:13:07,153 --> 00:13:17,497 モニカのお父上様 あなたのお父上様 堺のキリシタンの皆さんが➡ 128 00:13:17,497 --> 00:13:21,834 力を貸してくださいました。 ありがとう。 129 00:13:21,834 --> 00:13:25,505 で いつ 都へは お上りになります? 130 00:13:25,505 --> 00:13:32,178 信長公が都にいるうちに上って 朱印状 頂きたいのです。 131 00:13:32,178 --> 00:13:35,515 信長様には お会いになられるつもりですか? 132 00:13:35,515 --> 00:13:39,185 お会いしたいです 是非とも。 133 00:13:39,185 --> 00:13:45,525 モニカ あなたも一緒に 都まで来てください。 134 00:13:45,525 --> 00:13:49,395 美緒さんも行きましょう。 135 00:13:49,395 --> 00:13:52,398 あなたも来るね。 136 00:13:52,398 --> 00:13:54,534 はい? 137 00:13:54,534 --> 00:14:00,139 あなた グローボを初めて見ましたか。 はい。 138 00:14:00,139 --> 00:14:09,148 あれは 鏡や帽子 クジャクの尾と一緒に 信長公に献上するものです。 139 00:14:09,148 --> 00:14:12,819 あなたは 美緒さんの家来。 140 00:14:12,819 --> 00:14:17,156 美緒さんのお供で 都までいらっしゃい。 141 00:14:17,156 --> 00:14:21,027 でも 私は 琉球丸の水夫だから。 142 00:14:21,027 --> 00:14:23,496 諦めて 私のお供をなさい。 143 00:14:23,496 --> 00:14:27,500 どのみち 船は 秋までは出ないのでしょう? 144 00:14:31,370 --> 00:14:36,843 <永禄12年 1569年3月末。➡ 145 00:14:36,843 --> 00:14:42,181 ルイス・フロイスの一行は 堺をたって 京へ向かう> 146 00:14:42,181 --> 00:14:45,084 (フロイス)スケザ。 スケザ。 147 00:14:45,084 --> 00:14:48,521 こっちへ来なさい。 こっちへ来なさい。➡ 148 00:14:48,521 --> 00:14:52,525 来なさい こっちへ。 149 00:15:07,473 --> 00:15:10,376 ジパング。 150 00:15:10,376 --> 00:15:14,347 我らの国が ここ…。 151 00:15:14,347 --> 00:15:24,023 マカオ マラッカ ゴア➡ 152 00:15:24,023 --> 00:15:37,837 ポルトガル エスパニア ナポリ フィレンツェ ヴェネツィア。 153 00:15:37,837 --> 00:15:42,708  心の声  これが 南蛮の国々か…。 154 00:15:42,708 --> 00:15:49,849 あなたも 将来は 船で交易する商人になりたいんですね。 155 00:15:49,849 --> 00:15:51,784 はい。 156 00:15:51,784 --> 00:15:58,858 スケザ。 あなたは フィレンツェの シニヨリアの広場に建っている➡ 157 00:15:58,858 --> 00:16:01,861 ダビデの像と似ているんです。 158 00:16:06,666 --> 00:16:13,372 (フロイス)フィレンツェも ヴェネツィアも ネーデルランドも➡ 159 00:16:13,372 --> 00:16:22,481 あなた方の堺と同じ 商人たちの手でつくられた町です。➡ 160 00:16:22,481 --> 00:16:26,352 そこには 王がいない。➡ 161 00:16:26,352 --> 00:16:36,829 堺の会合衆のように 町の人々が自分の手で 町を治めていた。➡ 162 00:16:36,829 --> 00:16:49,408 町の守りも 堺と同じように 砦をつくって 金銀で雇った兵隊たちに頼んでいた。➡ 163 00:16:49,408 --> 00:16:55,181 そこに住む人々は みんな 誇り高く➡ 164 00:16:55,181 --> 00:17:01,787 若い人たちは 戦乱も知らず 飢えも知らず➡ 165 00:17:01,787 --> 00:17:07,460 自由にやりたいことをやって 生きることができた。 166 00:17:07,460 --> 00:17:11,797 フィレンツェの若きロレンツォは 詩った。 167 00:17:11,797 --> 00:17:19,105 「今を楽しめよ。 明日の日の定かならねば」。 168 00:17:20,806 --> 00:17:24,677 「今を楽しめよ」…。 169 00:17:24,677 --> 00:17:29,148 「明日の日の定かならねば」。 170 00:17:29,148 --> 00:17:33,819 それらの町々は 今も栄えてありますか? 171 00:17:33,819 --> 00:17:37,490 フィレンツェやヴェネツィアが 栄えていたのは➡ 172 00:17:37,490 --> 00:17:43,362 もう 50年以上も前の話です。 173 00:17:43,362 --> 00:17:50,069 今は それぞれ 他国の支配下に置かれて➡ 174 00:17:50,069 --> 00:17:57,076 市民たちの自由が すっかり奪われてしまっている。 175 00:17:59,512 --> 00:18:04,817 堺の町も 同じような運命をたどるのでしょうか…。 176 00:18:06,319 --> 00:18:10,790 全ては 神がお定めになることです。 177 00:18:10,790 --> 00:18:20,499 私たち人間には 明日のことは 何にも分かりません。 178 00:18:25,805 --> 00:18:27,740 <フロイスをして➡ 179 00:18:27,740 --> 00:18:33,145 ソロモン王のエルサレムの殿堂のごとしと 驚嘆せしめた二条城跡は➡ 180 00:18:33,145 --> 00:18:39,018 現在の京都市烏丸通椹木町の 交差点地下で発掘され➡ 181 00:18:39,018 --> 00:18:45,024 幅26.9メートルの大堀だったことが 確認されている> 182 00:19:07,780 --> 00:19:09,715 <この日 信長は➡ 183 00:19:09,715 --> 00:19:14,653 フロイスという 生きたヨーロッパ文化の先端に触れる。➡ 184 00:19:14,653 --> 00:19:21,794 その時の様子を フロイスは 著書「日本史」に 詳しく記録している。➡ 185 00:19:21,794 --> 00:19:26,132 信長は その時 工事場で忙しくしていて➡ 186 00:19:26,132 --> 00:19:28,467 遠方からパーデレを見ると➡ 187 00:19:28,467 --> 00:19:32,805 その場で働いていた 6,000~7,000人以上の人々の見守る中で➡ 188 00:19:32,805 --> 00:19:35,708 パーデレを待ち受けた。➡ 189 00:19:35,708 --> 00:19:39,678 パーデレが 遠くから 信長に敬意を表すると➡ 190 00:19:39,678 --> 00:19:44,150 信長は パーデレを呼んで 橋の上の板の上に座って➡ 191 00:19:44,150 --> 00:19:48,020 日が当たるから 帽子をかぶるようにと命じた。➡ 192 00:19:48,020 --> 00:19:52,024 そこに 信長は ゆっくりと 2時間近くも とどまって➡ 193 00:19:52,024 --> 00:19:56,162 パーデレと話した> 194 00:19:56,162 --> 00:19:59,832 (信長)パーデレは 何歳になるか。 195 00:19:59,832 --> 00:20:02,168 37歳です。 196 00:20:02,168 --> 00:20:05,071 わしは 36だ。 おお…。 197 00:20:05,071 --> 00:20:09,508 南蛮より我が国に来て 何年になる。 198 00:20:09,508 --> 00:20:16,182 永禄6年7月6日に 日本に着きました。 それから6年になります。 199 00:20:16,182 --> 00:20:21,520 親族は 皆 ポルトガルに残してきたのか。 はい。 200 00:20:21,520 --> 00:20:25,391 (信長)死ぬまで この国に とどまるつもりか。はい。 201 00:20:25,391 --> 00:20:30,529 (信長)親族たちは お許に会いたいと 思っているのではないか? 202 00:20:30,529 --> 00:20:33,199 (フロイス)神にささげた身でありますから➡ 203 00:20:33,199 --> 00:20:38,537 仰せのことは もはや望んではいないと思います。 204 00:20:38,537 --> 00:20:43,409 もし ゼウスの教えが この国に広まらない場合には➡ 205 00:20:43,409 --> 00:20:48,881 パーデレは インドか本国へ 引き揚げるつもりか。 206 00:20:48,881 --> 00:20:52,218 ただ一人の信者しかいなくても➡ 207 00:20:52,218 --> 00:20:58,557 その者の世話のために 生涯 その地にとどまるでありましょう。 208 00:20:58,557 --> 00:21:00,826 バテレンは いかなる動機から➡ 209 00:21:00,826 --> 00:21:05,164 かくも遠隔の国より この地に渡ってきたのか。 210 00:21:05,164 --> 00:21:07,099 それを聞きたい。 211 00:21:07,099 --> 00:21:11,036 パーデレが 進んで この地に赴きましたのは➡ 212 00:21:11,036 --> 00:21:15,508 この地の人々に 救いの道を教え➡ 213 00:21:15,508 --> 00:21:18,177 世界の創り主であり➡ 214 00:21:18,177 --> 00:21:24,049 人類の救い主なる神の御心に かないたいという望みのほかには➡ 215 00:21:24,049 --> 00:21:28,521 何の考えもなく 何らの利益も求めません。➡ 216 00:21:28,521 --> 00:21:31,423 我らが 進んで苦難を選び➡ 217 00:21:31,423 --> 00:21:35,394 長い航海にも いかなる危険にも 身を委ねるのは➡ 218 00:21:35,394 --> 00:21:41,700 それが 神の御心にかのうことであると 信じるからであります。 219 00:21:43,536 --> 00:21:47,206 何をなさる。 ぬしも バテレンか。 220 00:21:47,206 --> 00:21:51,076 バテレンは 赤子の肝を食うそうやけど ぬしも食うとるんか。 ええ? 221 00:21:51,076 --> 00:21:55,881 お離しなさい。 何や。 こら べっぴんやな~。 222 00:21:55,881 --> 00:21:58,884 おやめなさい! こらこら 逃げんでもええやないか。 223 00:22:03,489 --> 00:22:05,824 誰か! 下郎! 224 00:22:05,824 --> 00:22:08,127 手を離してやれ! 何や! 225 00:22:16,168 --> 00:22:19,505 <フロイスは こう書いている。➡ 226 00:22:19,505 --> 00:22:24,176 「一人の兵士が 戯れに ある貴婦人のかぶり物を めくり上げて➡ 227 00:22:24,176 --> 00:22:26,512 その顔を見ようとしたところ➡ 228 00:22:26,512 --> 00:22:32,851 信長が たまたま これを見て たちどころに その首をはねた」と。➡ 229 00:22:32,851 --> 00:22:38,190 足軽の首は 己に何が起こったのかも 気付かぬふうの顔つきで➡ 230 00:22:38,190 --> 00:22:40,893 春の空に飛んだ> 231 00:22:48,200 --> 00:22:50,870 銀の延べ棒 10本…。 232 00:22:50,870 --> 00:22:53,539 バテレンども 献上品のつもりか。 233 00:22:53,539 --> 00:22:58,410 (惟政)恐れながら パーデレらの暮らしは貧しく➡ 234 00:22:58,410 --> 00:23:03,716 異国の者でありますゆえに これ以上の贈呈はできませぬ。 235 00:23:05,484 --> 00:23:07,820 殿に かくも ささいなものを献上することは➡ 236 00:23:07,820 --> 00:23:10,155 かえって失礼であるということを知り➡ 237 00:23:10,155 --> 00:23:12,825 自らは 携えてこなかったのでありますが➡ 238 00:23:12,825 --> 00:23:18,497 何とぞパーデレたちの切なる善意だけでも お受け取りくださいますように➡ 239 00:23:18,497 --> 00:23:20,432 惟政よりも お願い申し上げます。 240 00:23:20,432 --> 00:23:25,838 惟政。 (惟政)はっ。わしは 金銀は受けぬ。 241 00:23:25,838 --> 00:23:32,177 朱印状のために バテレンから 金銭の贈与を受けたとあっては➡ 242 00:23:32,177 --> 00:23:36,849 諸外国への聞こえが悪い。 はっ。 243 00:23:36,849 --> 00:23:41,720 献上物は 南蛮のかぶり物とグローボで十分。 244 00:23:41,720 --> 00:23:46,859 そんなことはせずとも 朱印状は与える。 245 00:23:46,859 --> 00:23:49,194 汝が文案を作り➡ 246 00:23:49,194 --> 00:23:53,532 パーデレに これでよいかと念を押した上 持ってくるがよい。 247 00:23:53,532 --> 00:23:56,201 印は押してある。 248 00:23:56,201 --> 00:23:58,537 はっ! 249 00:23:58,537 --> 00:24:01,807 パーデレ。 250 00:24:01,807 --> 00:24:04,510 御朱印状です。 はい。 251 00:24:11,817 --> 00:24:18,490 「バテレンが都に住むことについては バテレンに自由を与え➡ 252 00:24:18,490 --> 00:24:25,831 会堂に対する徴金も免除し 領有諸国の欲する所に滞在するを許し➡ 253 00:24:25,831 --> 00:24:30,836 これにつき 妨害を受くることなからしむべし」。 254 00:24:32,504 --> 00:24:36,842 「もし 不法に バテレンを苦しめる者あらば➡ 255 00:24:36,842 --> 00:24:40,179 これに対し 断固処罰すべし」。 256 00:24:40,179 --> 00:24:46,852 (ポルトガル語) 257 00:24:46,852 --> 00:24:49,755 (砲声) 258 00:24:49,755 --> 00:24:56,195 <永禄12年8月。 鉄砲と船を組み合わせた信長の海軍は➡ 259 00:24:56,195 --> 00:25:02,001 伊勢の北畠攻めにおいて 初めて その威力を発揮する。➡ 260 00:25:02,001 --> 00:25:06,805 堺から紀州沖を回って 武器弾薬を輸送した助左は➡ 261 00:25:06,805 --> 00:25:12,478 信長の近代戦術の鮮やかな戦果を 目の当たりにして 胸を躍らせた> 262 00:25:12,478 --> 00:25:15,814 (信長)そこの小僧。 はい。 263 00:25:15,814 --> 00:25:19,685 (信長)どこかで見た顔だな。 はい。 264 00:25:19,685 --> 00:25:23,489 芥川の陣中で お目通りを願ったことがございます。 265 00:25:23,489 --> 00:25:28,160 そうか 今井の者であったな。 はい。 266 00:25:28,160 --> 00:25:31,063 大筒を運んできたのか。 267 00:25:31,063 --> 00:25:33,032 はい。 268 00:25:33,032 --> 00:25:39,171 (信長)思い出したぞ。 まだ 侍になる気はないか。 269 00:25:39,171 --> 00:25:41,840 はい。 どっちだ!? 270 00:25:41,840 --> 00:25:45,711 はい 侍になるつもりはございません。 271 00:25:45,711 --> 00:25:48,180 強情なやつ。 272 00:25:48,180 --> 00:25:51,517 戦は初めてか。 はい。 273 00:25:51,517 --> 00:25:55,187 とくと見てゆけ。 274 00:25:55,187 --> 00:25:58,490 今後の戦は かくのごとくだ。 275 00:26:05,798 --> 00:26:08,100 (砲声) 276 00:26:10,469 --> 00:26:13,138 <北畠方の籠城策に対し➡ 277 00:26:13,138 --> 00:26:18,811 信長は 敵方の陸路 海路の補給路を断って 鉄砲で攻めたてた。➡ 278 00:26:18,811 --> 00:26:26,151 開戦より50日後の10月13日 北畠方は 干ぼしとなって降伏。➡ 279 00:26:26,151 --> 00:26:34,159 鎌倉以来の名門が また一つ 戦乱の硝煙の中に姿を消していった> 280 00:26:36,795 --> 00:26:40,699 <永禄13年4月14日。➡ 281 00:26:40,699 --> 00:26:43,702 二条城落成の祝賀に 信長は➡ 282 00:26:43,702 --> 00:26:48,407 北陸の名門 越前の朝倉義景に 上洛を求めた。➡ 283 00:26:48,407 --> 00:26:53,378 しかし 義景は 信長を黙殺する。➡ 284 00:26:53,378 --> 00:26:57,116 永禄13年4月14日の宴は➡ 285 00:26:57,116 --> 00:27:04,456 信長の新体制が 反信長勢力の 連合軍ともいえる四面の敵を相手に➡ 286 00:27:04,456 --> 00:27:09,328 全面戦争へ突入していく 陣触れともなった。➡ 287 00:27:09,328 --> 00:27:14,132 その反信長同盟の組織作りに 暗躍したのは➡ 288 00:27:14,132 --> 00:27:18,804 ほかならぬ 足利将軍 義昭であった> 289 00:27:18,804 --> 00:27:24,810 (義昭)甲斐の信玄も 予の不遇を案じてくれておる。 290 00:27:26,678 --> 00:27:32,150 (藤長)信玄公も 信長の横着は よほど 腹に据えかねておる様子にございます。➡ 291 00:27:32,150 --> 00:27:37,055 この分では 信玄上洛の日も そう遠いことではございませぬ。 292 00:27:37,055 --> 00:27:41,493 (義昭)信玄が上洛する前に 信長は滅びよう。➡ 293 00:27:41,493 --> 00:27:43,428 その手も打ってある。 294 00:27:43,428 --> 00:27:47,833 手とは いかなる策で 信長を成敗あそばされまする。 295 00:27:47,833 --> 00:27:51,703 北方より 越前兵を攻め下らせる。 296 00:27:51,703 --> 00:27:54,172 朝倉義景に。 297 00:27:54,172 --> 00:27:59,044 時を移さずして 摂津 石山本願寺の後ろには➡ 298 00:27:59,044 --> 00:28:00,979 毛利が控えておる。 299 00:28:00,979 --> 00:28:05,784 北と南から挟み撃ちに遭っては 信長も立往生でございまする。 300 00:28:05,784 --> 00:28:10,455 さすが 上様。 お策が大きい。 301 00:28:10,455 --> 00:28:13,792 田舎者の信長も➡ 302 00:28:13,792 --> 00:28:18,463 これで 少しは 将軍の恐ろしさを 身に覚えるであろう。 303 00:28:18,463 --> 00:28:42,688 ♬~(能) 304 00:28:42,688 --> 00:28:46,692 (信長)春を待って 朝倉義景を討つ。 305 00:28:59,104 --> 00:29:02,975 (勝家)しからば その旨 早速 浅井家へ飛報いたしましょう。 306 00:29:02,975 --> 00:29:06,979 いや 浅井方には 案内なしでよい。 307 00:29:08,780 --> 00:29:15,654 (光秀)恐れながら 浅井家にだけは ご挨拶あって しかるべきと存じますが。 308 00:29:15,654 --> 00:29:19,124 その儀は 無用。 309 00:29:19,124 --> 00:29:21,793 しからば 誓紙は…➡ 310 00:29:21,793 --> 00:29:25,664 浅井家ゆかりの朝倉家には 弓は引かぬという誓紙を➡ 311 00:29:25,664 --> 00:29:27,666 浅井方とは お交わしのはず。 312 00:29:27,666 --> 00:29:32,437 誓紙を破りましては 殿のお名に 傷がつきましょう。 313 00:29:32,437 --> 00:29:36,742 朝倉討伐は 公儀へのご奉公。 314 00:29:38,343 --> 00:29:42,814 されば 万が一にも 浅井方に➡ 315 00:29:42,814 --> 00:29:47,486 我らが軍の退路を断たれる事態にでも 相なりますれば➡ 316 00:29:47,486 --> 00:29:54,826 遠征隊は 必殺の方位を破って 死地に入り 全滅は免れませぬ。 317 00:29:54,826 --> 00:29:57,729 長政がいるかぎり 寝返りはせぬ。 318 00:29:57,729 --> 00:30:01,166 長政は 我が妹 お市の婿。 319 00:30:01,166 --> 00:30:06,038 我らは 互いに手を取り合って 天下一統を誓い合った仲だ。 320 00:30:06,038 --> 00:30:11,176 ただし この度の朝倉攻めに加勢せよとは言わぬ。 321 00:30:11,176 --> 00:30:15,047 ただ じっと見ていてくれればいいのだ。➡ 322 00:30:15,047 --> 00:30:21,520 それしか道のないことは 浅井方には分かっているはず。 323 00:30:21,520 --> 00:30:45,744 ♬~(能) 324 00:30:45,744 --> 00:30:50,215 (友閑) 殿は 奇襲を敢行されるおつもりです。 325 00:30:50,215 --> 00:30:55,554 従って 小荷駄隊の護衛は 我が方からは出せませぬ。 326 00:30:55,554 --> 00:31:00,392 すると 送り先は 越前の敦賀…。 327 00:31:00,392 --> 00:31:06,498 この大津より 近江の浅井の領内を 通り抜けていくということになりますな。 328 00:31:06,498 --> 00:31:12,370 浅井家の領内まで入れば 味方の陣に到着したも同様です。 329 00:31:12,370 --> 00:31:15,507 大手を振って通り抜けられるがよい。 330 00:31:15,507 --> 00:31:20,178 うん。 この道のりならば 手前どもの傭い兵だけで➡ 331 00:31:20,178 --> 00:31:23,081 十分でございましょう。 かしこまりました。 332 00:31:23,081 --> 00:31:28,854 鉄砲500丁 弾薬 確かに送り届けいたします。 333 00:31:28,854 --> 00:31:32,724 時に ご進発のめどは。 334 00:31:32,724 --> 00:31:35,727 二条城落成の式の直後。 335 00:31:35,727 --> 00:32:06,725 ♬~(能) 336 00:32:08,527 --> 00:32:13,365 (拍手) 337 00:32:13,365 --> 00:32:23,842 ♬~ 338 00:32:23,842 --> 00:32:27,712 (拍手) 339 00:32:27,712 --> 00:32:39,858 ♬~ 340 00:32:39,858 --> 00:32:45,730 (拍手) 341 00:32:45,730 --> 00:33:03,815 ♬~ 342 00:33:03,815 --> 00:33:07,686 (兼久)ああ 宗二…。 343 00:33:07,686 --> 00:33:13,158 (宗二)いつまで こんなばか騒ぎをしてりゃ気が済むんだ。 344 00:33:13,158 --> 00:33:18,830 今井の総領は乱心したと 専ら評判だぞ。 345 00:33:18,830 --> 00:33:20,765 ハッハッハッハッハッハ!  346 00:33:20,765 --> 00:33:25,704 せがれは 乱心 娘は バテレンにご執心。 347 00:33:25,704 --> 00:33:32,377 はあ もっとも 今の今井宗久には 織田信長一人いれば いいか。 348 00:33:32,377 --> 00:33:40,518 はっ しかし それも 信長が死ねば 今井も終わりだ。 349 00:33:40,518 --> 00:33:44,189 そんなに信長が…。 憎い! 350 00:33:44,189 --> 00:33:46,858 (宗二)憎いか。 351 00:33:46,858 --> 00:33:49,761 ああ 憎いとも。 352 00:33:49,761 --> 00:33:53,732 堺の者は なぜ もっと信長を憎まない。 353 00:33:53,732 --> 00:34:00,138 一戸につき 1万の3万貫のと 身勝手な年貢を課せられ➡ 354 00:34:00,138 --> 00:34:02,474 訴願に赴けば さらし首だ。 355 00:34:02,474 --> 00:34:06,344 そんな横暴を いつまでも許していて よいものか。 356 00:34:06,344 --> 00:34:10,348 堺衆の誇りってのは 一体 どこへ行ってしまったんだ。 357 00:34:13,485 --> 00:34:18,156 信長は 商いの分かる武将だ。 358 00:34:18,156 --> 00:34:24,029 昨年一年に信長が行ったことを 振り返ってみりゃ そりゃ よく分かる。 359 00:34:24,029 --> 00:34:28,166 3月には 撰銭令を出した。 360 00:34:28,166 --> 00:34:32,837 4月には 南蛮人に キリシタンの布教を許し➡ 361 00:34:32,837 --> 00:34:36,708 8月には 生野銀山を押さえて これを 宗久殿に任せた。 362 00:34:36,708 --> 00:34:41,179 10月には 関所を撤廃してしまった。 363 00:34:41,179 --> 00:34:47,052 物資の流れが 驚くほどよくなり 行商が盛んになった。 364 00:34:47,052 --> 00:34:52,791 宗久殿が肩入れなさるゆえんではないか。 365 00:34:52,791 --> 00:34:56,194 そういう時代なんだよ 今は。 366 00:34:56,194 --> 00:35:02,901 今井の血はな もともと 近江源氏の流れをくんでいるんだ。 367 00:35:07,806 --> 00:35:12,143 本来ならば そう…➡ 368 00:35:12,143 --> 00:35:16,481 六角承禎辺りを 助けるべき家柄だったのだ。 369 00:35:16,481 --> 00:35:19,150 ハッハッハッハッハ。 370 00:35:19,150 --> 00:35:23,021 親父殿は こざかしい裏切り者よ。 371 00:35:23,021 --> 00:35:32,163 (拍手) 372 00:35:32,163 --> 00:35:38,870 ♬~ 373 00:35:48,513 --> 00:35:50,515 みんな 出ろ。 374 00:36:04,996 --> 00:36:08,800 場所をお間違えではござらぬか。 375 00:36:08,800 --> 00:36:14,506 ここは 今井宗久殿のようなお方が おいでになる所ではないはずだが。 376 00:36:16,141 --> 00:36:19,811 明朝 越前へたて。 377 00:36:19,811 --> 00:36:22,480 何と仰せに。 378 00:36:22,480 --> 00:36:24,416 本日20日➡ 379 00:36:24,416 --> 00:36:30,355 信長公が 朝倉義景討伐の旗を掲げて 越前へ向かわれた。 380 00:36:30,355 --> 00:36:35,493 その陣中へ 鉄砲500丁を届けてこい。 381 00:36:35,493 --> 00:36:39,164 信長に 鉄砲を届けよと? 382 00:36:39,164 --> 00:36:44,836 はあ いや それは… 身に余る大任ですが➡ 383 00:36:44,836 --> 00:36:48,506 その役目は 私には ちと荷が重すぎます。 384 00:36:48,506 --> 00:36:54,379 それに 荷駄隊の指揮など やったことがございませぬので➡ 385 00:36:54,379 --> 00:36:57,382 平に ご容赦を。 386 00:37:01,086 --> 00:37:03,088 うわっ! 387 00:37:05,790 --> 00:37:12,130 行って その目で 信長公の戦ぶり 名門 朝倉の滅ぶ様など➡ 388 00:37:12,130 --> 00:37:15,033 とくと見てこい! 389 00:37:15,033 --> 00:37:18,002 そうすれば 少しは 汝の目も開くだろう。 390 00:37:18,002 --> 00:37:20,805 出発は 日の出どき。 391 00:37:20,805 --> 00:37:23,808 すぐさま帰って 支度にかかれ! 392 00:37:39,491 --> 00:37:43,495 ⚟(物音) 393 00:38:13,124 --> 00:38:16,461 俺の蓄え金 全部だ。 預かっていてくれ。 394 00:38:16,461 --> 00:38:19,364 俺に? なぜ 俺に? 395 00:38:19,364 --> 00:38:22,133 俺が死んだら ぬしにくれてやる。 396 00:38:22,133 --> 00:38:25,470 気前がいいな。 どこへ行くんだ。 397 00:38:25,470 --> 00:38:29,140 小荷駄隊の先駆けで 越前の戦場へ向かう。 398 00:38:29,140 --> 00:38:32,043 越前へ。 399 00:38:32,043 --> 00:38:36,481 織田方の木下藤吉郎の陣まで 鉄砲を運ぶんだ。 400 00:38:36,481 --> 00:38:41,152 道中は 土一揆や叡山のやつらが うろうろしてる。 401 00:38:41,152 --> 00:38:45,023 待ち伏せのない道を探してくるのが 俺の役目なんだが➡ 402 00:38:45,023 --> 00:38:48,493 何だか 今度は 夢見が悪い。 403 00:38:48,493 --> 00:38:52,363 木下藤吉郎といえば…。 404 00:38:52,363 --> 00:38:55,366 あ… あのひょうきんな台所方のお侍が➡ 405 00:38:55,366 --> 00:38:57,502 城持ちの主!? 406 00:38:57,502 --> 00:38:59,838 何を 一人で驚いてるんだ。 407 00:38:59,838 --> 00:39:02,740 五右衛門! 五右衛門 荷駄隊は いつ出るんだ!? 408 00:39:02,740 --> 00:39:06,110 夜明け。 日の出とともに進発する。 409 00:39:06,110 --> 00:39:09,447 ぬしは まさか…。 越前で会おう。 410 00:39:09,447 --> 00:39:11,783 なぜ行くんだ!? 見定めたい人がいるんだ! 411 00:39:11,783 --> 00:39:13,718 この両の目で しっかりと! 412 00:39:13,718 --> 00:39:16,721 五右衛門! 先駆け 抜かるなよ! 413 00:39:19,457 --> 00:39:21,459 正気か? 414 00:39:30,802 --> 00:39:33,471 兼久様! 415 00:39:33,471 --> 00:39:36,374 兼久様! 兼久様は いずれじゃ!? 416 00:39:36,374 --> 00:39:39,344 知らぬか!? 知らぬか!? 417 00:39:39,344 --> 00:39:44,115 兼久様! 兼久様! 418 00:39:44,115 --> 00:39:47,485 兼久様! 419 00:39:47,485 --> 00:39:49,487 か…! 420 00:39:55,360 --> 00:39:59,831 お願いでございます。 私は 今井の奉公人で➡ 421 00:39:59,831 --> 00:40:03,701 琉球丸の水夫をしております 助左と申す者でございます。 422 00:40:03,701 --> 00:40:07,171 どうか 格別のお取り計らいをもちまして➡ 423 00:40:07,171 --> 00:40:10,842 この度の荷駄隊に お加えくださいますよう➡ 424 00:40:10,842 --> 00:40:12,844 お願い申し上げます。 425 00:40:14,712 --> 00:40:18,516 手前の船長には 許しを得てまいりました。 426 00:40:18,516 --> 00:40:22,186 ほう…。 (斎藤)兼久様!➡ 427 00:40:22,186 --> 00:40:27,525 指揮具一式でございます。 陣羽織 大小 鞭 荷駄の目録 以上。 428 00:40:27,525 --> 00:40:30,828 早速 お召しを。 この者に着せてやれ。 429 00:40:36,200 --> 00:40:39,504 (兼久)助左 ぬしが着よ。 えっ!? 430 00:40:49,213 --> 00:40:52,116 荷駄隊の指揮は 全て ぬしに任せる。 431 00:40:52,116 --> 00:40:54,886 (斎藤)お戯れを! 戯れなんかであるものか! 432 00:40:54,886 --> 00:40:59,557 指揮というものはな 進んで行きたい者が執ればいい。 433 00:40:59,557 --> 00:41:04,162 この者は 進んで行きたがってる。 しかし なぜだろうのう。 434 00:41:04,162 --> 00:41:09,500 斎藤! ぬしら傭兵組も 以後は この助左の下知に従え。 435 00:41:09,500 --> 00:41:12,837 兼久様! 不服なら ぬしが抜けよ。 436 00:41:12,837 --> 00:41:18,176 助左 ぬしも同じだ。 俺に従えぬなら この場から立ち去れ! 437 00:41:18,176 --> 00:41:20,845 は…。 438 00:41:20,845 --> 00:41:24,515 フッハッハッハ…。 439 00:41:24,515 --> 00:41:27,418 馬のくつわは 俺がとってやる。 440 00:41:27,418 --> 00:41:30,388 おい! 馬は どこだ 馬は!? 441 00:41:30,388 --> 00:41:35,693 待っててくれ すぐ連れてくるからな。 442 00:41:41,866 --> 00:41:46,537 何のかんのと難癖をつけて お役目を抜けようとされておられるが➡ 443 00:41:46,537 --> 00:41:48,473 そうはいかぬ。 444 00:41:48,473 --> 00:41:51,409 刃を突きつけても 越前までは連れていけという➡ 445 00:41:51,409 --> 00:41:54,879 大元様のご命令だからな。 あ さようで。 446 00:41:54,879 --> 00:41:57,215 あ これ お返しいたします。 447 00:41:57,215 --> 00:41:59,150 助左というのか。 はい。 448 00:41:59,150 --> 00:42:02,053 しょうがない この陣羽織 羽織ってくれ。 はい…。 えっ? 449 00:42:02,053 --> 00:42:05,490 もはや 進発の時刻だ。 これ以上 酔っ払いと言い争っていても➡ 450 00:42:05,490 --> 00:42:08,393 らちが明かぬ。 ここは ひとまず あの方の戯れ言に➡ 451 00:42:08,393 --> 00:42:10,828 つきおうてもらいたい。 それは…。 452 00:42:10,828 --> 00:42:13,731 (斎藤)なに 酒の酔いがさめるまでの間のことだ。 453 00:42:13,731 --> 00:42:16,167 いや…。(斎藤)頼む。 そ…。 454 00:42:16,167 --> 00:42:18,469 ⚟(兼久)お~い! 455 00:42:25,176 --> 00:42:29,514 ああ。 さあ 乗れや 助左殿。 456 00:42:29,514 --> 00:42:31,516 ハハハハッ! 457 00:42:33,184 --> 00:42:39,524 (兼久の笑い声) 458 00:42:39,524 --> 00:42:52,103 ♬~ 459 00:42:52,103 --> 00:42:54,872 <永禄13年4月20日。➡ 460 00:42:54,872 --> 00:43:01,679 織田信長は 3万の兵を率いて京を発し 琵琶湖畔を急進し 北へ向かう。➡ 461 00:43:01,679 --> 00:43:05,817 今井の荷駄隊も それを追った> 462 00:43:05,817 --> 00:43:08,719 (兼久)こら こら こら! あ いたっ。 463 00:43:08,719 --> 00:43:15,827 もっと胸を張れ 胸を。 ハッハッハッハ! はい! 464 00:43:15,827 --> 00:43:18,496 <これより3日後の4月23日。➡ 465 00:43:18,496 --> 00:43:25,169 将軍 義昭は 永禄の年号を 突如として 元亀と改元する。➡ 466 00:43:25,169 --> 00:43:31,042 新興勢力 信長に対し 旧体制勢力が 総掛かりで挑みかかる。➡ 467 00:43:31,042 --> 00:43:36,180 世に言う 元亀の争乱は ここに火蓋を切った> 468 00:43:36,180 --> 00:43:49,193 ♬~