1 00:00:02,135 --> 00:02:40,127 ♬~ 2 00:03:20,200 --> 00:03:22,869 (雷鳴) 3 00:03:22,869 --> 00:03:25,772 (才蔵)ぬしの親父も こうして死んでいったのだ。➡ 4 00:03:25,772 --> 00:03:29,743 己が船の沈む時は 船長も一緒に死ぬ!➡ 5 00:03:29,743 --> 00:03:34,214 船長は 船を見捨てることはない!➡ 6 00:03:34,214 --> 00:03:36,149 それが 船長の誇りだ!➡ 7 00:03:36,149 --> 00:03:39,553 船を操る者の掟だ!➡ 8 00:03:39,553 --> 00:03:42,889 それ 行け! 行け! (助左)船長~! 9 00:03:42,889 --> 00:03:45,192 (雷鳴) 10 00:03:58,238 --> 00:04:03,243 五右衛門~! 善住坊~! 11 00:04:08,849 --> 00:04:11,518 五右衛門~! 善住坊~! 12 00:04:11,518 --> 00:04:16,223 ああ~っ! 13 00:05:18,185 --> 00:05:20,887 生きている…。 14 00:05:27,861 --> 00:05:29,863 はあ~! 15 00:05:31,531 --> 00:05:35,836 五右衛門… 五右衛門! 善住坊! 16 00:05:47,881 --> 00:05:50,584 善住坊~! 17 00:05:54,554 --> 00:05:57,557 どこなんだ ここは…。 18 00:06:07,834 --> 00:06:13,506 <元亀元年 西暦1570年の10月。➡ 19 00:06:13,506 --> 00:06:19,846 海流に運ばれて 一人の若者が 南海の小島に漂着した。➡ 20 00:06:19,846 --> 00:06:24,517 ルソン島の北にある バタン島である> 21 00:06:24,517 --> 00:06:27,220 善住坊~! 22 00:06:35,161 --> 00:06:37,530 五右衛門~! 23 00:06:37,530 --> 00:06:39,833 助左! 24 00:06:41,401 --> 00:06:43,703 善住坊…。 25 00:06:50,543 --> 00:06:52,545 善住坊! 26 00:06:54,881 --> 00:06:57,584 けがでもしてるのか!? 27 00:07:08,828 --> 00:07:10,764 はっ! 28 00:07:10,764 --> 00:08:13,493 ♬~ 29 00:08:13,493 --> 00:08:15,428 (タガログ語) 30 00:08:15,428 --> 00:08:49,195 ♬~ 31 00:08:49,195 --> 00:08:51,131 (タガログ語) 32 00:08:51,131 --> 00:09:02,842 ♬~ 33 00:09:05,478 --> 00:09:09,482 待て! 俺たちを どうする気だ! 34 00:09:11,351 --> 00:09:13,653 (たたく音) イテッ! イテテ…。 35 00:09:25,165 --> 00:09:27,167 (タガログ語) 36 00:09:34,841 --> 00:09:40,847 ぬしは… 生きて ここを出られると思うか? 37 00:09:44,184 --> 00:09:48,054 こんな所で 朽ち果ててたまるか! 38 00:09:48,054 --> 00:10:01,201 (戦闘の歌声) 39 00:10:01,201 --> 00:10:07,073 ⚟(戦闘の歌声) 40 00:10:07,073 --> 00:10:10,210 戦に出た。 41 00:10:10,210 --> 00:10:14,214 帰ってきたら 殺す気だ。 42 00:10:31,231 --> 00:10:36,536 ぬしに 鉄砲さえあればな。 43 00:10:40,573 --> 00:10:44,277 やるだけ やってみるさ。 44 00:10:50,583 --> 00:10:52,585 やるぞ! 45 00:10:54,921 --> 00:10:57,590 その前に 水が飲みたい。 46 00:10:57,590 --> 00:11:00,193 ショ ショ… ションベンもしたい。 47 00:11:00,193 --> 00:11:02,495 水も飲んでないのに。 48 00:11:12,205 --> 00:11:17,076 ⚟(少女の歌声) 49 00:11:17,076 --> 00:11:20,079 確かに 奥からじゃ。 50 00:11:20,079 --> 00:11:56,583 ⚟(少女の歌声) 51 00:11:56,583 --> 00:12:00,186 で… 出口じゃ! まさか! 52 00:12:00,186 --> 00:12:18,471 (少女の歌声) 53 00:12:29,549 --> 00:12:33,886 捕虜か? 敵の姫君かな? 54 00:12:33,886 --> 00:12:38,558 戦に 人質…。 やることは 異国でも同じだな。 55 00:12:38,558 --> 00:12:40,860 がんぜない子供を…。 56 00:12:43,896 --> 00:12:47,233 あっ いや 大丈夫だ。 わしら お前の敵じゃない。 57 00:12:47,233 --> 00:12:49,902 敵じゃない。 大丈夫だ。 逃げんでもええ。 58 00:12:49,902 --> 00:12:52,572 怖がることはない。 わしらは…。 59 00:12:52,572 --> 00:12:55,241 あっ 善住坊 何か やれ。 えっ? 60 00:12:55,241 --> 00:12:58,911 いきなり言われても… どうする? 笑わすんじゃ。 61 00:12:58,911 --> 00:13:01,514 ベロベロベロベロ… バァ! 62 00:13:01,514 --> 00:13:05,385 ベロベロベロベロ… バァ! バァ!早う 早う。 63 00:13:05,385 --> 00:13:07,854 ベロベロベロベロ… バァ! 64 00:13:07,854 --> 00:13:09,789 駄目だな。 65 00:13:09,789 --> 00:13:12,525 (手をたたく音) よし。 66 00:13:12,525 --> 00:13:18,197 よっ それ! それ! どうじゃ? ベロベロベロベロ… バァ! 67 00:13:18,197 --> 00:13:21,100 善住坊 ぬしもやれ。 わしも?早う。 68 00:13:21,100 --> 00:13:23,069 アア~ オホホホホ…。 あっ! 69 00:13:23,069 --> 00:13:27,206 痛い 痛い! 痛ぇ! お前 ばかだな! 70 00:13:27,206 --> 00:13:29,542 (マリキットの笑い声) 71 00:13:29,542 --> 00:13:33,846 笑うた。 ハハハハハ…。 72 00:13:36,215 --> 00:13:39,552 かわいいのう。 うん。 73 00:13:39,552 --> 00:13:44,223 助左 仲間が増えたのう。 74 00:13:44,223 --> 00:13:47,560 だが 逃げるのは 難しくなったな。 75 00:13:47,560 --> 00:13:53,232 ぬし この子を置いていけるか? 76 00:13:53,232 --> 00:13:56,135 この子とて 同じ宿命だ。 77 00:13:56,135 --> 00:14:00,440 ここにいれば 殺される。 78 00:14:03,509 --> 00:14:08,514 逃げる時は この子も一緒だ。 79 00:14:10,183 --> 00:14:13,519 <助左が漂着するより5か月前➡ 80 00:14:13,519 --> 00:14:19,859 マイニラは 海軍総督 レガスピの率いる イスパニアの大攻撃を受けていた。➡ 81 00:14:19,859 --> 00:14:22,195 マイニラは陥落した。➡ 82 00:14:22,195 --> 00:14:24,130 その敗因は➡ 83 00:14:24,130 --> 00:14:28,534 イスパニア軍が 強力な兵器を 所持していたということもあったが➡ 84 00:14:28,534 --> 00:14:34,841 ルソン全島に頻発していた部族間抗争が 大きく作用していたのだった> 85 00:14:38,544 --> 00:14:42,215 <このボコス族とトンド族の戦いも➡ 86 00:14:42,215 --> 00:14:46,519 そうした部族間抗争の一つであった> 87 00:14:49,889 --> 00:14:51,891 スケザ。 88 00:14:53,559 --> 00:14:58,231 あ… ス ケ ザ! 89 00:14:58,231 --> 00:15:00,166 スケザ? 90 00:15:00,166 --> 00:15:05,037 いやいやいや わしが スケザ。 91 00:15:05,037 --> 00:15:08,040 スケザ? うん そうそう! 92 00:15:08,040 --> 00:15:12,512 スケザ スケザ。 分かってきた。 ぬしもやれ。 93 00:15:12,512 --> 00:15:15,414 ゼンジュボウ。 94 00:15:15,414 --> 00:15:19,852 あ…。 (2人)ゼン ジュ ボウ。 95 00:15:19,852 --> 00:15:25,525 少し長いから 無理かな? 無理だな~。 96 00:15:25,525 --> 00:15:29,195 ゼンジ。 うん? ゼンジ?ゼンジ。 97 00:15:29,195 --> 00:15:32,498 スケザ。 ゼンジ。 98 00:15:34,534 --> 00:15:37,870 ん~ あ… スケザ。 99 00:15:37,870 --> 00:15:39,872 ゼンジ。 100 00:15:44,744 --> 00:15:47,547 マリキット…。 101 00:15:47,547 --> 00:15:50,883 マリキット! マリキット? 102 00:15:50,883 --> 00:15:53,219 マリキット。 103 00:15:53,219 --> 00:15:56,889 ああ マリキット。 ハハハハハ! 104 00:15:56,889 --> 00:15:59,559 スケザ。 うん スケザ。 105 00:15:59,559 --> 00:16:01,828 ゼンジ。 うん ゼンジ。 106 00:16:01,828 --> 00:16:04,163 マリキット。 ああ~! 107 00:16:04,163 --> 00:16:06,098 (拍手と笑い声) 108 00:16:06,098 --> 00:16:10,803 分かった 分かった。 通じるんだなあ。通じた。 109 00:16:12,505 --> 00:16:15,408 ア…。 110 00:16:15,408 --> 00:16:17,844 (マリキットの声) 111 00:16:17,844 --> 00:16:26,853 ♬~ 112 00:16:26,853 --> 00:16:29,188 通じるはずだよな。 113 00:16:29,188 --> 00:16:33,860 堺で見るのと おんなじ夕焼けだ。 114 00:16:33,860 --> 00:16:40,533 <異国の夕映えの中に 若者は もはや 二度と会えぬかもしれぬ➡ 115 00:16:40,533 --> 00:16:44,403 一人の女性を思い出していた> 116 00:16:44,403 --> 00:16:47,874  心の声  お連れしないで よかったのだ。➡ 117 00:16:47,874 --> 00:16:51,544 あの時 船に乗せていたら➡ 118 00:16:51,544 --> 00:16:57,416 恐らく あの大時化の中で 命をなくされていたに違いない。➡ 119 00:16:57,416 --> 00:17:04,724 琉球へ行き着くことは どちらにしても あの方には できなかったのだ…。 120 00:17:07,827 --> 00:17:16,836 <助左たちの琉球丸が 堺の港を出帆して 20日目の日が暮れようとしている。➡ 121 00:17:16,836 --> 00:17:22,842 美緒は 琉球丸の遭難を まだ知らない> 122 00:17:26,178 --> 00:17:32,051 (美緒)お仙ちゃん…。 あの時の船で売られてった みんなは➡ 123 00:17:32,051 --> 00:17:37,189 今頃 どこで どうしてるのかしら…。 124 00:17:37,189 --> 00:17:41,527 あなたのあとには 誰も帰ってこないけれど…。 125 00:17:41,527 --> 00:17:46,866 (お仙)早く死んでしまった者は 幸せだけれど➡ 126 00:17:46,866 --> 00:17:55,207 生きてるかぎりは 南国の港々で 地獄の責め苦にあえいでいるだろうね。 127 00:17:55,207 --> 00:18:00,813 こないだ あなたが言っていた マイニラという美しい港にも? 128 00:18:00,813 --> 00:18:06,485 マイニラにも 天川にも 高砂にも ゴアにも➡ 129 00:18:06,485 --> 00:18:10,823 日本の女なら どこにでもいるよ。 130 00:18:10,823 --> 00:18:15,161 みんな 日本に連れ戻してやりたい…。 131 00:18:15,161 --> 00:18:19,498 連れ戻す? お前が? 132 00:18:19,498 --> 00:18:23,369 できない相談だけれど…。 133 00:18:23,369 --> 00:18:31,510 できるともさ。 船で迎えに行って 銭で買い戻せば済む話じゃないか。 134 00:18:31,510 --> 00:18:35,381 お前には 銭だって船だってあるんだ。 135 00:18:35,381 --> 00:18:38,851 目の前にはあっても 自分のものじゃない。 136 00:18:38,851 --> 00:18:41,520 私一人乗せる船だって ないのに…。 137 00:18:41,520 --> 00:18:44,857 でも お前にはできるよ。 138 00:18:44,857 --> 00:18:50,196 お前なら あの時一緒だったみんなを 連れ戻すことができる。 139 00:18:50,196 --> 00:18:56,535 できないから やらないんじゃない。 できるのに やらないのが…➡ 140 00:18:56,535 --> 00:18:58,838 お前さんだよ。 141 00:19:04,143 --> 00:19:22,828 (鐘の音) 142 00:19:58,864 --> 00:20:00,800 (モニカ)来年の春までは➡ 143 00:20:00,800 --> 00:20:04,203 うちの船は出ないということなのです。 144 00:20:04,203 --> 00:20:08,541 顔見知りの按針に 何気なく尋ねてみましたところ➡ 145 00:20:08,541 --> 00:20:13,879 長崎まで行く船はあっても 琉球までは やはり…。 146 00:20:13,879 --> 00:20:16,782 ありがとうございました。 147 00:20:16,782 --> 00:20:20,553 申し訳ありません。 変なお願いを持ちかけて。 148 00:20:20,553 --> 00:20:23,456 ついでに ほかも当たってみましたら➡ 149 00:20:23,456 --> 00:20:26,892 1つだけ見つかりました。 150 00:20:26,892 --> 00:20:29,228 ほかにとは? 151 00:20:29,228 --> 00:20:32,898 小西家の船が 来月 琉球へ出ます。 152 00:20:32,898 --> 00:20:34,834 小西様の…。 153 00:20:34,834 --> 00:20:38,771 話の次第では 引き受けてもらえそうな 気配もありましたので➡ 154 00:20:38,771 --> 00:20:41,240 上の礼拝堂に来ていただいております。 155 00:20:41,240 --> 00:20:43,175 お会いになってください。 156 00:20:43,175 --> 00:20:46,579 会えとは どなたに…。 157 00:20:46,579 --> 00:20:51,584 小西家の若頭領で 弥九郎様とおっしゃいます。 158 00:20:56,255 --> 00:20:58,958 お待たせ申しました。 159 00:21:06,532 --> 00:21:09,435 (弥九郎)お会いするのは これで 2度目になりますね。 160 00:21:09,435 --> 00:21:13,405 もう2年も前になりますが 都で お会いしました。 161 00:21:13,405 --> 00:21:17,877 はい。 あの時は フロイス様のお供で…。 162 00:21:17,877 --> 00:21:22,748 私の方は あれからも 都の出店で 商いの修業をしていましたが➡ 163 00:21:22,748 --> 00:21:26,552 やっと 先月 堺の店に戻されました。 164 00:21:26,552 --> 00:21:31,557 お父上様には 数々のお引き立てを頂いております。 165 00:21:33,225 --> 00:21:37,096 弥九郎様と私は キリシタン同士というよりも➡ 166 00:21:37,096 --> 00:21:40,566 幼なじみといった方が よいのかもしれませんね。 167 00:21:40,566 --> 00:21:45,237 モニカに聞いたのですが 琉球へ お渡りになりたいとか。 168 00:21:45,237 --> 00:21:47,573 …できますことなら。 169 00:21:47,573 --> 00:21:53,245 手前どもの店からは 来月 硫黄を積んで 琉球へ渡る船がございますが➡ 170 00:21:53,245 --> 00:21:55,915 もし 商いで行かれるなら➡ 171 00:21:55,915 --> 00:22:00,519 客商として できるかぎりの便宜を お取り計らいいたしましょう。 172 00:22:00,519 --> 00:22:04,190 お供や積み荷は? 173 00:22:04,190 --> 00:22:06,859 はあ…。 174 00:22:06,859 --> 00:22:09,762 お供も積み荷もございません。 175 00:22:09,762 --> 00:22:12,731 美緒様お一人を運んでいただければ。 176 00:22:12,731 --> 00:22:15,201 お一人で? 177 00:22:15,201 --> 00:22:18,204 はい。 (弥九郎)琉球へ お一人で? 178 00:22:21,874 --> 00:22:25,544 お父上様のお許しは 得ておられますか? 179 00:22:25,544 --> 00:22:31,417 いえ… 許しは得ておりません。 180 00:22:31,417 --> 00:22:33,886 お話が 少し違うようだが。 181 00:22:33,886 --> 00:22:39,758 実は 密航の手助けをしていただきたいのです。 182 00:22:39,758 --> 00:22:43,229 本気で お考えですか。 183 00:22:43,229 --> 00:22:45,164 はい。 184 00:22:45,164 --> 00:22:52,571 ♬~ 185 00:22:52,571 --> 00:22:58,444 今井の娘とは申しましても 所詮は養女。 186 00:22:58,444 --> 00:23:04,850 人買い船から買い上げられてきた 身の上でございます。 187 00:23:04,850 --> 00:23:09,188 同じ船の荷倉に 詰め込まれていた童たちは➡ 188 00:23:09,188 --> 00:23:15,527 皆 明や南蛮に 奴隷として売られていきました。 189 00:23:15,527 --> 00:23:21,400 下は 7つ8つから 12~13までの女の子ばかりが➡ 190 00:23:21,400 --> 00:23:25,204 50人… 100人…➡ 191 00:23:25,204 --> 00:23:29,074 いえ もっといたかもしれません。 192 00:23:29,074 --> 00:23:34,546 おなかをすかし 寒さに震え 水夫たちの乱暴におびえて➡ 193 00:23:34,546 --> 00:23:38,851 遠い異国に連れ去られていきました。 194 00:23:40,886 --> 00:23:46,225 あれから十余年…➡ 195 00:23:46,225 --> 00:23:49,895 再び生きて堺の町に戻ってきた者は➡ 196 00:23:49,895 --> 00:23:52,564 遙明台の明かり守をしている➡ 197 00:23:52,564 --> 00:23:57,903 お仙という者 ただ一人でございます。 198 00:23:57,903 --> 00:24:03,509 お仙は もう一人の私でございます。 199 00:24:03,509 --> 00:24:06,412 今夜は その もう一人の私に➡ 200 00:24:06,412 --> 00:24:13,419 これから先 私がなさねばならぬことを 教えられたような気がいたしました。 201 00:24:23,195 --> 00:24:27,533 人買い船から 私を救い出し➡ 202 00:24:27,533 --> 00:24:30,869 この堺の町に とどめてくださったことが➡ 203 00:24:30,869 --> 00:24:34,540 神のご意志によるものならば➡ 204 00:24:34,540 --> 00:24:39,878 神が私にご命じになることは ただ一つのことに ほかなりません。 205 00:24:39,878 --> 00:24:45,217 それは 神が 私にしてくださったとおりのことを➡ 206 00:24:45,217 --> 00:24:48,887 今度は 私が ほかに行うこと。 207 00:24:48,887 --> 00:24:54,226 すなわち あの時の人買い船を追いかけ➡ 208 00:24:54,226 --> 00:25:00,833 異国に 苦しんでいる大勢の私自身を捜し出し➡ 209 00:25:00,833 --> 00:25:06,839 もう一度 この港に連れ帰ってくること。 210 00:25:10,175 --> 00:25:16,882 それが 私に課せられた天命ではないかと…。 211 00:25:20,185 --> 00:25:22,855 無謀だ…。 212 00:25:22,855 --> 00:25:37,870 ♬~ 213 00:25:40,406 --> 00:25:45,878 琉球へ行き着けたとしても そこから先が 難儀ではありませんか。 214 00:25:45,878 --> 00:25:51,750 かといって ここにいたのでは どこの島に 幾人の奴隷がいるのか➡ 215 00:25:51,750 --> 00:25:54,219 遠すぎて 見当もつきません。 216 00:25:54,219 --> 00:25:57,556 ひとまず琉球に渡り そこを足場に➡ 217 00:25:57,556 --> 00:26:02,561 南の島々に散っている者たちの消息を 当たってみようと思いましたが…。 218 00:26:04,363 --> 00:26:10,836 海を渡りたいと思われたのは それだけですか? 219 00:26:10,836 --> 00:26:13,172 それだけとは? 220 00:26:13,172 --> 00:26:21,180 どこかへ逃れたいというようなことが 別にも おありなのではないかと。 221 00:26:26,718 --> 00:26:31,523 最初は それもございました。 222 00:26:31,523 --> 00:26:36,195 一身上のことで 今井の家を出てしまいたいと思い➡ 223 00:26:36,195 --> 00:26:40,866 琉球丸の水夫に 密航の手引きを頼んだのですが➡ 224 00:26:40,866 --> 00:26:43,202 断られてしまいました。 225 00:26:43,202 --> 00:26:48,540 私が その水夫なら 手伝ったかもしれない。 226 00:26:48,540 --> 00:26:54,213 私も 今なら もっと 無理押しをしたかもしれません。 227 00:26:54,213 --> 00:26:59,518 無理にも紛れ込んでいけばよかったと 悔やんでおります。 228 00:27:10,162 --> 00:27:17,169 (波の音) 229 00:27:32,184 --> 00:27:34,186 今だ! 230 00:28:03,482 --> 00:28:08,487 うっ… ううっ… う~。 231 00:28:18,030 --> 00:28:20,032 五右衛門! 232 00:28:27,706 --> 00:28:31,843 (五右衛門)俺が この島へたどりついたのは 3日前だ。➡ 233 00:28:31,843 --> 00:28:36,515 洞窟に隠れて 腹が減ると やつらの村へ出かけちゃ➡ 234 00:28:36,515 --> 00:28:38,850 食い物を盗んで 命つないできた。➡ 235 00:28:38,850 --> 00:28:43,855 ところが あのハギビスに見つかってしまってな。 236 00:28:48,193 --> 00:28:51,096 死に物狂いで逃げた。 237 00:28:51,096 --> 00:28:58,203 もう安心と思って 油断してた寝込みを 今夜になって襲われた。 238 00:28:58,203 --> 00:29:00,472 さんざん暴れてやったがな…➡ 239 00:29:00,472 --> 00:29:02,407 このざまだ。 240 00:29:02,407 --> 00:29:06,144 あのハギビスというのが 頭なのか? 241 00:29:06,144 --> 00:29:09,815 いや 頭は 今 戦に出てる。 242 00:29:09,815 --> 00:29:14,486 今夜にでも 戦から帰ってくるそうだ。 243 00:29:14,486 --> 00:29:21,360 まあ 帰ってくれば その子は殺されるな。➡ 244 00:29:21,360 --> 00:29:25,664 フン フフッ… 俺たちもな。 245 00:29:30,502 --> 00:29:33,205 マリキット…。 246 00:29:35,173 --> 00:29:41,046 この子だけでも 逃がしてやれないものか。 247 00:29:41,046 --> 00:29:54,526 ♬~ 248 00:29:54,526 --> 00:30:06,838 (ほら貝の音) 249 00:30:08,540 --> 00:30:21,553 (ほら貝の音) 250 00:30:21,553 --> 00:30:38,570 ⚟(ほら貝の音) 251 00:30:52,250 --> 00:30:55,954 ああ~っ! 252 00:31:06,765 --> 00:31:09,735 この野郎! 253 00:31:09,735 --> 00:31:11,737 助左! あとは 俺がやる。 254 00:31:11,737 --> 00:31:15,874 南へ 小半刻ばかり走ると 海岸に小舟がつないである。 早く行け! 255 00:31:15,874 --> 00:31:18,210 五右衛門! 行け 早く! 256 00:31:18,210 --> 00:31:52,577 ♬~ 257 00:31:52,577 --> 00:31:56,248 (男たちの声) 258 00:31:56,248 --> 00:32:12,264 ♬~ 259 00:32:17,202 --> 00:32:19,905 (矢が刺さる音) 260 00:33:08,486 --> 00:33:53,198 ♬~ 261 00:33:57,569 --> 00:34:00,572 (マリキットの声) 262 00:34:03,842 --> 00:34:06,544 (マリキットの声) 263 00:34:08,513 --> 00:34:13,385 そうだな 少し休もうか。 なあ 善住坊。 264 00:34:13,385 --> 00:34:15,387 (いびき) 少し休も…。 265 00:34:15,387 --> 00:34:18,523 ああ もう休んでる。 266 00:34:18,523 --> 00:34:22,193 (笑い声) もう休んでる。 ハハハハハ! 267 00:34:22,193 --> 00:34:27,198 はあ はあ… はあ~。 268 00:34:35,740 --> 00:34:40,211 マリキット。 うん? 269 00:34:40,211 --> 00:34:42,514 マリキット。 270 00:34:50,855 --> 00:34:58,863 そうか… マリキットというのは 星のことか。 271 00:35:02,834 --> 00:35:07,505 お前の名前は 星姫か。 272 00:35:07,505 --> 00:35:30,195 ♬~ 273 00:36:01,493 --> 00:36:05,797 ⚟(足音) 274 00:36:08,833 --> 00:36:12,504 (兼久)何か 手前に御用とか。 275 00:36:12,504 --> 00:36:15,840 (宗久)うちの忍びの者を使って 善住坊を捜しているそうだが➡ 276 00:36:15,840 --> 00:36:19,177 余計なことはやめろ。 話は それだけだ。 277 00:36:19,177 --> 00:36:21,112 ハッハッハッハ。 278 00:36:21,112 --> 00:36:23,848 いや 信長公狙撃の下手人が➡ 279 00:36:23,848 --> 00:36:27,185 織田の探索方に捕まっても 構わないのですか? 280 00:36:27,185 --> 00:36:30,088 善住坊は もう この国にはおらん。 281 00:36:30,088 --> 00:36:32,524 え…。 282 00:36:32,524 --> 00:36:35,427 (宗久)琉球丸に 助左という水夫がおるだろう。➡ 283 00:36:35,427 --> 00:36:40,398 やつが手引きして 琉球まで連れていってしまった。 284 00:36:40,398 --> 00:36:42,534 フッフッフッフッフ…。 285 00:36:42,534 --> 00:36:45,870 またしても やつに 先を越されてしまったな。 286 00:36:45,870 --> 00:36:48,206 助左が…。 287 00:36:48,206 --> 00:36:54,879 わしはな どうせのことなら やつのような跡継ぎが欲しかった。 288 00:36:54,879 --> 00:36:57,182 分かったら うせろ。 289 00:36:59,551 --> 00:37:03,154 助左を褒められるのは結構ですが…➡ 290 00:37:03,154 --> 00:37:06,825 黙って見逃してしまったのですか? 291 00:37:06,825 --> 00:37:14,165 五右衛門を 同じ船に乗せた。 善住坊は やつが始末するだろう。 292 00:37:14,165 --> 00:37:16,101 そうですか。 293 00:37:16,101 --> 00:37:19,104 ⚟(番頭)申し上げます。 何だ。 294 00:37:21,506 --> 00:37:26,177 (番頭)ただいま 小西弥九郎様 火急の御用にて お目通りを願いたいと➡ 295 00:37:26,177 --> 00:37:28,513 お越しでございますが。 296 00:37:28,513 --> 00:37:33,818 小西のせがれが? 今どき 何用だ。 297 00:37:42,861 --> 00:37:45,764 弥九郎様…! 298 00:37:45,764 --> 00:37:49,534 美緒殿。 299 00:37:49,534 --> 00:37:53,204 琉球丸が難破しました。 300 00:37:53,204 --> 00:38:01,012 夕刻帰港した手前どもの船が 琉球沖で 琉球丸の残骸を見つけてまいったのです。 301 00:38:01,012 --> 00:38:04,149 ひとまず お知らせに参じました。 302 00:38:04,149 --> 00:38:33,845 ♬~ 303 00:38:33,845 --> 00:38:38,516  心の声  あの船が 沈んだ…。➡ 304 00:38:38,516 --> 00:38:42,854 あの船が 沈んだ…。➡ 305 00:38:42,854 --> 00:38:50,862 助左も 船長の才蔵も みんな死んでしまったのだろうか…。 306 00:38:52,864 --> 00:38:59,737  心の声  主よ あなたは このしもべに 海を渡れと ご命じになりながら➡ 307 00:38:59,737 --> 00:39:06,811 なぜ しもべが乗るべき船を お沈めになったのですか。➡ 308 00:39:06,811 --> 00:39:10,682 私には あなたの御心が分かりません。 309 00:39:10,682 --> 00:39:26,397 ♬~ 310 00:39:42,513 --> 00:39:45,817 (マリキットの声) 311 00:40:11,876 --> 00:40:44,575 (歓声) 312 00:40:44,575 --> 00:40:46,511 (マリキットの声) 313 00:40:46,511 --> 00:40:48,513 (ラカンドーラ)マリキット! 314 00:40:53,584 --> 00:40:55,586 マリキット! 315 00:41:29,220 --> 00:41:54,212 ♬~ 316 00:42:04,856 --> 00:42:10,194 <一隻の交易船が難破し 3人の若者が生き残った。➡ 317 00:42:10,194 --> 00:42:15,867 当時 世界は 競って 大航海の開拓に 乗り出している時代である。➡ 318 00:42:15,867 --> 00:42:20,738 イスパニア艦隊の フィリピン セブ島発見より50年➡ 319 00:42:20,738 --> 00:42:23,741 ルソン島 アゴオの浜へ➡ 320 00:42:23,741 --> 00:42:28,746 助左衛門は やっと その一歩を踏み出していった> 321 00:42:45,563 --> 00:42:52,236 わしらは マリキット助けたんだ! 敵ではない! 戦う気はない! 322 00:42:52,236 --> 00:42:55,239 わしら マリキットの友達だ! 323 00:42:58,109 --> 00:43:01,846 わしらは… あ~ 何と言ったらいいんだ! 324 00:43:01,846 --> 00:43:03,781 味方じゃ! 325 00:43:03,781 --> 00:43:05,783 (タガログ語) 326 00:43:08,519 --> 00:43:12,857 ワア~ッ! マリキット! 327 00:43:12,857 --> 00:43:16,527 <ルソン島北西部 アゴオにたどりついた助左衛門は➡ 328 00:43:16,527 --> 00:43:21,199 ほっとしたのも つかの間 再び とらわれの身となります。➡ 329 00:43:21,199 --> 00:43:24,102 王女 マリキットを 救出してきたにもかかわらず➡ 330 00:43:24,102 --> 00:43:28,539 なぜ 父王 ラカンドーラは 憎しみの目を向けるのか。➡ 331 00:43:28,539 --> 00:43:33,878 助左衛門は この人たちと 親交を深めることができるのか。➡ 332 00:43:33,878 --> 00:43:39,884 果たして どのようにして 意思を通じ合い 交易を深めていくのでしょうか> 333 00:43:41,552 --> 00:43:47,859 <来週放送の第九話「交易事始」に ご期待ください>