1 00:00:55,222 --> 00:03:33,413 ♬~ 2 00:03:42,522 --> 00:03:44,524 (タガログ語) 3 00:04:04,478 --> 00:04:07,481 (助左)五右衛門! ぬし…。 4 00:04:28,502 --> 00:04:32,839 腕を切る!? (善住坊)うわ~ やめてくれ やめてくれ! 5 00:04:32,839 --> 00:04:36,176 わしらのことは わしらで片をつける! 6 00:04:36,176 --> 00:04:38,178 そっちの指図は受けぬ! 7 00:04:46,820 --> 00:05:04,137 ♬~ 8 00:05:04,137 --> 00:05:06,807 大元様に命じられたのか…。 9 00:05:06,807 --> 00:05:09,509 善住坊を殺せと。 10 00:05:11,478 --> 00:05:15,148 善住坊が憎いか。 11 00:05:15,148 --> 00:05:18,051 (五右衛門)今井から 銭をもろた。 12 00:05:18,051 --> 00:05:22,022 もろた分の働きはする。 それだけだ。 13 00:05:22,022 --> 00:05:24,324 律儀だな。 14 00:05:26,159 --> 00:05:28,161 殺せよ。 15 00:05:29,829 --> 00:05:35,135 善住坊。 ぬしの気持ちは どうだ。 16 00:05:37,704 --> 00:05:44,177 五右衛門よ… ぬしは 2度とも射損じたな。 17 00:05:44,177 --> 00:05:46,846 矢が ためらっていた。 18 00:05:46,846 --> 00:05:51,718 わしには 分かっている。 ぬしは わざと外したんだ。 19 00:05:51,718 --> 00:05:56,523 わざと? フン… どうして? 20 00:05:56,523 --> 00:06:03,129 迷っていたからさ。 わしも 鉄砲撃ちだ。 ぬしの気持ちが分かる。 21 00:06:03,129 --> 00:06:05,799 俺は それほど甘くないぞ。 22 00:06:05,799 --> 00:06:12,472 助左…。 五右衛門は 寂しゅうなって 戻ってきたんじゃ。 23 00:06:12,472 --> 00:06:16,810 わしらが恋しゅうなって それで…。 うるせえな! 24 00:06:16,810 --> 00:06:23,516 善住坊。 ぬしは 優しい男だな…。 25 00:06:27,454 --> 00:06:29,389 やめてくれ! 26 00:06:29,389 --> 00:06:32,392 やめてくれ 助左。 なあ 五右衛門。 27 00:06:35,495 --> 00:06:42,202 3人きりじゃないか。 わしら 3人きりじゃないか。 28 00:06:47,107 --> 00:06:49,843 五右衛門! 29 00:06:49,843 --> 00:06:53,713 用心を怠るなよ。 やつは まだ やる気でいる。 30 00:06:53,713 --> 00:06:56,716 そうかな…。 31 00:06:56,716 --> 00:07:03,390 善住坊。 ぬし 五右衛門が怖くないのか? 32 00:07:03,390 --> 00:07:14,034 さあ… あいつのことは わしの方が分かっているかもしれんな。 33 00:07:14,034 --> 00:07:17,470 殺されかかったんだ…。 34 00:07:17,470 --> 00:07:20,173 のんきなやつだ。 35 00:07:21,808 --> 00:07:24,144 フフフ… ハハハハハハ! 36 00:07:24,144 --> 00:07:29,149 ペッ ペッ! ハハハハハハ! 37 00:07:48,835 --> 00:08:01,147 (寝息) 38 00:08:23,136 --> 00:08:26,473 うっ! 助左~! 39 00:08:26,473 --> 00:08:28,475 ああ…! 40 00:08:32,812 --> 00:08:34,814 善住坊…。 41 00:08:51,498 --> 00:08:54,200 善住坊~! 42 00:09:37,811 --> 00:09:40,513 ハハハハハハハ! 43 00:09:42,482 --> 00:09:46,152 こいつ 自分の足 銛で突いちまいやがった。 44 00:09:46,152 --> 00:09:48,488 五右衛門が来てくれなんだら➡ 45 00:09:48,488 --> 00:09:50,423 お陀仏のとこだった。 46 00:09:50,423 --> 00:09:52,826 この辺りは 鮫が出る。 うん。 47 00:09:52,826 --> 00:09:56,529 油断してると やられるぞ。 うん。 48 00:10:01,167 --> 00:10:03,503 (善住坊)どうした 助左。 49 00:10:03,503 --> 00:10:08,374 わしは… わしは まだ小さい。 50 00:10:08,374 --> 00:10:11,678 (五右衛門)おい… よせよ。 51 00:10:13,513 --> 00:10:21,187 これからは ぬしたちに負けぬ 大きな男になってみせる! 52 00:10:21,187 --> 00:10:34,200 ♬~ 53 00:10:34,200 --> 00:10:36,903 ああっ! あ~ あ~ あ~! 54 00:10:39,539 --> 00:10:44,410 (笑い声) 55 00:10:44,410 --> 00:10:46,412 そうだ… わしらのうちをつくろう! 56 00:10:46,412 --> 00:10:49,215 うん? えっ うち? 57 00:10:49,215 --> 00:10:52,719 しかし ラハが…。 森の中につくるんだよ 森の中に。 58 00:10:52,719 --> 00:10:55,755 そうすれば ラカンドーラも 文句は言うまい! 59 00:10:55,755 --> 00:11:10,837 ♬~ 60 00:11:10,837 --> 00:11:15,508 あとは ヤシの葉で 屋根をふくだけだ。 うん。 61 00:11:15,508 --> 00:11:37,797 ♬~ 62 00:11:42,535 --> 00:11:47,240 チクショー! 誰だ こんなことしやがったのは! 63 00:11:51,211 --> 00:11:53,913 助左! おい! 64 00:12:11,831 --> 00:12:19,505 (マリキット)スケザたち 仲間 違う。 ダメ…。 65 00:12:19,505 --> 00:12:21,808 ラハ! 66 00:12:30,850 --> 00:12:44,197 ♬~ 67 00:12:44,197 --> 00:12:46,866 こら! 止まるな こら。 68 00:12:46,866 --> 00:12:59,212 ♬~ 69 00:12:59,212 --> 00:13:02,482 (五右衛門)こら! こら! 70 00:13:02,482 --> 00:13:07,353 ♬~ 71 00:13:07,353 --> 00:13:12,492 イタタ! 痛ぇ…。 あ~ やった…。 72 00:13:12,492 --> 00:13:17,163 (ノーラ)イタイデスカ? え? いや 大丈夫。 73 00:13:17,163 --> 00:13:34,447 ♬~ 74 00:13:38,451 --> 00:13:40,453 誰かいるぞ! 75 00:13:42,855 --> 00:13:45,158 ハギビス! 76 00:13:50,530 --> 00:13:54,400 長い間 一体 どこへ行ってたんだ。 77 00:13:54,400 --> 00:13:58,404 (ハギビス)マイニラ。 マイニラ? 78 00:13:58,404 --> 00:14:03,810 イスパニア軍に負けたマイニラ 見たかった。 79 00:14:03,810 --> 00:14:08,114 ハギビス また一段と 日本語がうまくなったな。 80 00:14:09,682 --> 00:14:16,823 マイニラ 日本人 何人もいた。 ハギビス 仲よくした。 81 00:14:16,823 --> 00:14:19,492 コトバ おぼえた。 82 00:14:19,492 --> 00:14:23,162 マイニラには 日本人がいるのか!? 83 00:14:23,162 --> 00:14:29,502 ハギビス マイニラで イスパニア軍 見てきた。 84 00:14:29,502 --> 00:14:40,513 いまは ボコス族 トンド族 戦っているとき ちがう。 85 00:14:40,513 --> 00:14:44,517 それが よく分かった。 86 00:14:47,186 --> 00:14:54,527 ハギビス ラハ・ラカンドーラ ラハ・ガボニ➡ 87 00:14:54,527 --> 00:14:58,197 仲直りさせる。➡ 88 00:14:58,197 --> 00:15:00,800 だから 来た。 89 00:15:00,800 --> 00:15:03,136 そんなことが できるのか? 90 00:15:03,136 --> 00:15:09,809 ラハ・ラカンドーラ 頭よい。 分かってくれる。 91 00:15:09,809 --> 00:15:15,481 そうすれば ラハ・ガボニ 分かる。 92 00:15:15,481 --> 00:15:20,186 ラカンドーラを説き伏せようというのか。 93 00:15:23,156 --> 00:15:25,091 (あくび) 94 00:15:25,091 --> 00:15:29,395 疲れた…。 寝る。 95 00:15:38,504 --> 00:15:44,210 マイニラには 日本人がいる…。 96 00:15:59,192 --> 00:16:38,898 ♬~ 97 00:17:02,788 --> 00:17:05,691 勇士の首飾りだ。 98 00:17:05,691 --> 00:17:07,660 ハギビスの言ったとおりになったぞ。 99 00:17:07,660 --> 00:17:12,131 いや ハギビスは まだ 第一歩を踏み出したばかりだ。 100 00:17:12,131 --> 00:17:14,834 わしも 負けてはおれん! 101 00:17:20,473 --> 00:17:33,052 (助左の歌声) 102 00:17:33,052 --> 00:17:35,054 ⚟ゼンジ。 103 00:17:36,822 --> 00:17:38,824 どうした ノーラ。 104 00:17:48,834 --> 00:17:51,137 わしに? 105 00:17:52,705 --> 00:17:56,509 ありがとう。 おい おい! 106 00:17:56,509 --> 00:17:59,178 そんな礼を言っていいのかい? えっ? 107 00:17:59,178 --> 00:18:02,081 その花な サンパギータだぞ。 108 00:18:02,081 --> 00:18:04,016 サンパギ? うん。 109 00:18:04,016 --> 00:18:09,455 嫁にしてくれっていうことだぞ。 うん? 110 00:18:09,455 --> 00:18:11,791 善住坊… ええ? 111 00:18:11,791 --> 00:18:17,096 あの~ わしの嫁さんに? 112 00:18:20,466 --> 00:18:22,468 こう? 113 00:18:31,477 --> 00:18:33,479 やるのう。 114 00:18:39,819 --> 00:18:41,821 (たたく音) 115 00:18:43,489 --> 00:18:45,491 よせ! 116 00:18:56,068 --> 00:19:02,775 (善住坊)ラカンドーラの憎しみは いつ消えることやら…。 117 00:19:02,775 --> 00:19:05,678 どうだ 助左。 うん? 118 00:19:05,678 --> 00:19:09,448 そろそろ この村と おさらばしては。 119 00:19:09,448 --> 00:19:12,151 ああ? うん…。 120 00:19:14,320 --> 00:19:19,125 マイニラを見たいと 顔に書いてあるぞ。 121 00:19:19,125 --> 00:19:25,464 マイニラへ行けば 南蛮船も来る。 うまくいけば 日本へも。 122 00:19:25,464 --> 00:19:31,337 マイニラに行く前に なんとかして ラカンドーラと和を結びたい。 123 00:19:31,337 --> 00:19:34,807 頑固だからなぁ あいつだけは…。 124 00:19:34,807 --> 00:19:37,476 もう少しの辛抱だよ。 125 00:19:37,476 --> 00:19:44,150 村の者たちも わしらの言葉が だんだん分かるようになってきた。 126 00:19:44,150 --> 00:19:47,486 わしらの方も 連中の言葉が 少しずつ分かってきた。 127 00:19:47,486 --> 00:19:53,793 言葉が通じるようになれば もう あと少しだ。 128 00:20:04,036 --> 00:20:06,038 スケザ! 129 00:20:07,807 --> 00:20:09,809 どうした? 130 00:20:27,860 --> 00:20:45,277 ♬~ 131 00:20:45,277 --> 00:20:47,279 ゼンジュボウ! 132 00:20:50,883 --> 00:20:53,719 (ハギビス)ゼンジュボウ! ゼンジュボウ! 133 00:20:53,719 --> 00:21:06,365 ♬~ 134 00:21:06,365 --> 00:21:08,367 (悲鳴) 135 00:21:08,367 --> 00:21:17,510 ♬~ 136 00:21:17,510 --> 00:21:20,179 助左 今だ! 137 00:21:20,179 --> 00:21:31,190 ♬~ 138 00:21:31,190 --> 00:21:33,192 (銃声) 139 00:21:35,060 --> 00:21:42,368 はあ はあ はあ はあ…! 140 00:22:47,533 --> 00:22:55,241 (話し声) 141 00:23:09,788 --> 00:23:12,091 ハギビスのうちかな? 142 00:23:14,493 --> 00:23:18,831 家。 へえ~ あんなして つくるのか。 143 00:23:18,831 --> 00:23:21,166 あなた方の家。 144 00:23:21,166 --> 00:23:25,037 わしらの!? ラハ 命じた。 145 00:23:25,037 --> 00:23:27,840 ラカンドーラが? 146 00:23:27,840 --> 00:23:29,775 どういうこったよ? 147 00:23:29,775 --> 00:23:32,511 このルソンじゃ うちを建ててくれるってことは➡ 148 00:23:32,511 --> 00:23:35,414 殿様に対するような もてなしなんだぜ。 149 00:23:35,414 --> 00:24:19,658 ♬~ 150 00:24:19,658 --> 00:24:22,161 <当時のルソンにおいては➡ 151 00:24:22,161 --> 00:24:27,833 互いに協力して家を建てるということが 最高の信頼の証しであり➡ 152 00:24:27,833 --> 00:24:32,504 今で言う 市民権を与えられるに等しい 意味を持つと➡ 153 00:24:32,504 --> 00:24:35,708 フィリピンの史料は記している> 154 00:24:37,309 --> 00:24:42,114 おい 善住坊 出来上がりだな。 うん! うんうん! 155 00:24:48,687 --> 00:24:50,723 五右衛門! 156 00:24:50,723 --> 00:25:03,535 ♬~ 157 00:25:22,287 --> 00:25:24,790 勇者の首飾りだ。 158 00:25:58,857 --> 00:26:02,127 (すすり泣き) 159 00:26:02,127 --> 00:26:06,465 ばか野郎…。 泣くやつがあるかい 泣くやつが…。 160 00:26:06,465 --> 00:26:10,169 俺だって 水っぽいもの 出てくるじゃ…。 161 00:26:12,337 --> 00:26:14,640 オマエたちの家ダ。 162 00:26:18,811 --> 00:26:22,681 オマエたちの家ダ。 163 00:26:22,681 --> 00:26:26,685 オマエたちの家ダ。 164 00:26:26,685 --> 00:26:30,389 わしらの言葉を ラハが…。 165 00:26:42,835 --> 00:26:47,639 スケザ! マリキット。 マリキット。 166 00:26:53,545 --> 00:26:56,849 ゼンジ。 ノーラ。 167 00:27:00,319 --> 00:27:05,624 ゴエモン。 ありがとう ハギビス。 168 00:27:10,629 --> 00:27:12,664 ラハ…。 169 00:27:12,664 --> 00:27:20,973 ♬~ 170 00:27:24,176 --> 00:27:31,884 (鐘の音) 171 00:27:34,152 --> 00:27:37,055 (鐘の音) 172 00:27:37,055 --> 00:27:46,165 (鐘の音) 173 00:27:46,165 --> 00:27:52,371 (モニカ)美緒様のご婚礼 とうとう 今夜でございますね。 174 00:28:01,647 --> 00:28:05,250 いくら血のつながりがないとはいえ➡ 175 00:28:05,250 --> 00:28:11,456 昨日まで兄妹として 同じ家に暮らした者同士が➡ 176 00:28:11,456 --> 00:28:16,128 にわかに夫婦になれるものでしょうか…。 177 00:28:16,128 --> 00:28:22,467 宗久様の言いなりになっておられる 美緒様が お気の毒に思えてなりません。 178 00:28:22,467 --> 00:28:28,340 (弥九郎)美緒様に 琉球行きの船に 乗せてくれと頼まれたのは➡ 179 00:28:28,340 --> 00:28:30,809 去年の秋でしたね。 180 00:28:30,809 --> 00:28:34,980 弥九郎様は お断りになられた。 181 00:28:34,980 --> 00:28:39,484 悔やんでいますよ。 全ては手遅れだが…。 182 00:28:50,462 --> 00:28:57,169 人買い船で 海の向こうへ連れ去られた人々を➡ 183 00:28:57,169 --> 00:29:03,609 もう一度 この堺へ連れ戻すことが 夢だと言われていたが➡ 184 00:29:03,609 --> 00:29:08,480 今井の嫁では それもできなくなりますね。 185 00:29:08,480 --> 00:29:11,950 琉球丸の難破を知らされてからは➡ 186 00:29:11,950 --> 00:29:17,255 全てを諦めてしまわれたように 見受けられました。 187 00:29:17,255 --> 00:29:22,094 私が臆病だったのだ。 ご自分をお責めになることはありません。 188 00:29:22,094 --> 00:29:25,631 弥九郎様は分別をとられたのですから。 189 00:29:25,631 --> 00:29:29,468 分別でお断りしたのではない。 190 00:29:29,468 --> 00:29:32,971 美緒様を押さえつけている今井の力…➡ 191 00:29:32,971 --> 00:29:37,776 その今井を支えている 信長公の権勢を恐れたのだ 私は。 192 00:29:40,646 --> 00:29:45,150 弥九郎様は… 美緒様に➡ 193 00:29:45,150 --> 00:29:48,153 懸想をされていたのですね。 194 00:29:53,859 --> 00:29:56,161 (弥九郎)何を隠しましょう。➡ 195 00:29:56,161 --> 00:30:01,967 去年の秋 美緒様を嫁に欲しいと申し込み➡ 196 00:30:01,967 --> 00:30:04,870 宗久殿に断られました。 197 00:30:04,870 --> 00:30:21,586 ♬~ 198 00:30:23,255 --> 00:30:25,190 おめでとうございます。 199 00:30:25,190 --> 00:30:28,694 おめでとうございます。 どうも おめでとうございます。 200 00:30:28,694 --> 00:30:31,196 おめでとうございます。 どうも。 201 00:30:41,039 --> 00:31:09,101 (鼓の音) 202 00:31:09,101 --> 00:31:15,507 綿帽子が見当たらぬが 梢 控えの間を見てきておくれ。 203 00:31:15,507 --> 00:31:18,210 (梢)はい。 204 00:31:27,018 --> 00:31:31,890 あの者には お心をお許しになりませぬように…。 205 00:31:31,890 --> 00:31:37,529 兼久様との間のこと 館で知らぬ者はありませぬ。 206 00:31:37,529 --> 00:31:56,515 (鼓の音) 207 00:32:03,155 --> 00:32:08,827 (兼久)迎えに来たのか。 いいえ。 208 00:32:08,827 --> 00:32:12,297 こっちは いつでもいいぞ。 見ろ。 209 00:32:12,297 --> 00:32:15,500 舞台の出を待つ狂言役者だ。 210 00:32:25,510 --> 00:32:27,546 (兼久)何もかもが➡ 211 00:32:27,546 --> 00:32:32,184 親父殿の思いのままに運ばれていく。➡ 212 00:32:32,184 --> 00:32:34,519 なぜ 親父殿が 私と美緒を➡ 213 00:32:34,519 --> 00:32:37,322 夫婦にさせたかったのか分かるか? 214 00:32:39,024 --> 00:32:44,529 親父殿は ただ美緒を手放したくなかったのだ。 215 00:32:44,529 --> 00:32:49,401 今井の館から 己のそばから➡ 216 00:32:49,401 --> 00:32:52,204 美緒を外へ出したくなかったのだ。 217 00:32:54,706 --> 00:33:01,980 私も今日かぎりで お暇を頂きたいと存じます。 218 00:33:01,980 --> 00:33:05,016 ここを出て どこへ行く。 219 00:33:05,016 --> 00:33:07,652 (梢)三河へ帰ります。 220 00:33:07,652 --> 00:33:09,588 (兼久)去らないでくれ。 221 00:33:09,588 --> 00:33:12,991 私は邪魔者にはなりたくありません。 222 00:33:12,991 --> 00:33:18,296 美緒様は 私と兼久様との仲を ご存じでいらっしゃいます。 223 00:33:18,296 --> 00:33:22,167 構わんではないか。 224 00:33:22,167 --> 00:33:28,673 私が誰を妻にしようと お許との仲は変わらん。 225 00:33:28,673 --> 00:33:33,378 美緒が このことを知っていれば なおさら好都合だ。 226 00:33:35,447 --> 00:33:37,682 むごいことを…。 227 00:33:37,682 --> 00:33:48,860 ♬~ 228 00:33:48,860 --> 00:33:55,333 我らのことは誰にはばかることもない。 229 00:33:55,333 --> 00:33:59,037 私と美緒とは 終生 兄と妹だ。 230 00:33:59,037 --> 00:34:02,040 美緒も恐らく同じ気持ちだろう。 231 00:34:11,683 --> 00:34:18,523 全ては狂言 形だけだ。 232 00:34:18,523 --> 00:34:22,727 決して 兄以上の気持ちは持たぬ。 233 00:34:26,831 --> 00:34:30,702 私から離れないでくれ。 234 00:34:30,702 --> 00:34:39,411 全て今井宗久のものの中で 私のものと言えるのは お許一人だ。 235 00:34:39,411 --> 00:34:43,014 (すすり泣き) 236 00:34:43,014 --> 00:34:58,863 ♬~ 237 00:34:58,863 --> 00:35:03,835  心の声  (美緒)また一日が暮れていく…。➡ 238 00:35:03,835 --> 00:35:07,973 間もなく 春も終わる。➡ 239 00:35:07,973 --> 00:35:11,810 私も自然の移ろいに身を任せて➡ 240 00:35:11,810 --> 00:35:17,482 何度でも死に 何度でも生き返ってゆこう。➡ 241 00:35:17,482 --> 00:35:23,655 散るも 咲くも 所詮 意のままにはならぬ。 242 00:35:23,655 --> 00:35:35,967 ♬~ 243 00:35:39,137 --> 00:35:42,841 <美緒と兼久の婚礼が行われた日➡ 244 00:35:42,841 --> 00:35:48,546 南海の島でも 今 一組の夫婦が誕生しようとしている> 245 00:36:29,287 --> 00:36:34,826 では そろそろ参ろうかの 婿殿。 246 00:36:34,826 --> 00:36:37,295 遅いぞ ぬしも早う支度をせい。 247 00:36:37,295 --> 00:36:39,364 それどころじゃない。 248 00:36:39,364 --> 00:36:42,667 日本へ… 日本へ帰れるぞ 助左! 249 00:36:45,036 --> 00:36:48,740 沖に… 南蛮船が錨を下ろしてる。 250 00:36:52,510 --> 00:36:55,847 バウアンの港に水をくみに寄ったんだ。 早くせい。➡ 251 00:36:55,847 --> 00:37:00,018 急がんと 船出してしまうぞ。 その前に ラカンドーラにひと言…。 252 00:37:00,018 --> 00:37:03,788 そんな暇はない! それに あのラカンドーラが 許さぬと言ったら どうする? 253 00:37:03,788 --> 00:37:08,626 あの船が行ってしまったら 今度は いつ来るか分からんのだぞ。➡ 254 00:37:08,626 --> 00:37:12,330 ぬしが行かんなら 俺だけでも行く! 255 00:37:17,802 --> 00:37:20,638 まだか スケザ? 256 00:37:20,638 --> 00:37:23,141 い… 今… 今 行く。 257 00:37:26,144 --> 00:37:28,146 待っている。 258 00:37:45,296 --> 00:37:49,100 ゼンジュボウ… 似合うぞ。 259 00:37:55,673 --> 00:37:58,176 どうするんだ? 助左。 260 00:38:01,246 --> 00:38:03,782 行く! わしは行く… 行く 行く! 261 00:38:03,782 --> 00:38:07,252 ぬしは 駄目だ! 何でじゃ!? 262 00:38:07,252 --> 00:38:12,090 織田信長を殺し損のうた男。 帰れば 間違いなく打ち首。➡ 263 00:38:12,090 --> 00:38:14,025 忘れたわけじゃあるまい。 264 00:38:14,025 --> 00:38:17,796 善住坊… ぬしは ここへ残るんじゃ。 助左…。 265 00:38:17,796 --> 00:38:20,265 死に急ぐことはない! 266 00:38:20,265 --> 00:38:23,134 生まれ変わって… この国の人間となれ。 267 00:38:23,134 --> 00:38:25,970 なあ 善住坊。 分かったな? 268 00:38:25,970 --> 00:38:30,141 善住坊! 国へ帰りゃ 命はないぞ! 269 00:38:30,141 --> 00:38:34,145 なっ? この国で生き延びるんじゃ 善住坊。 270 00:38:34,145 --> 00:38:38,016 み… 皆に よろしく伝えてくれ。 それから 今度会うまでに子供をつくっとけ。 271 00:38:38,016 --> 00:38:40,718 男の子を… あっ。 272 00:38:50,995 --> 00:38:54,299 うう…。 273 00:38:54,299 --> 00:39:06,110 ♬~ 274 00:39:15,253 --> 00:39:17,188 ⚟お~い! 275 00:39:17,188 --> 00:39:20,992 しまった… 追っ手か? いや 違う! 善住坊だ! 276 00:39:32,971 --> 00:39:37,141 どうした? わしも… わしも一緒に連れてってくれ! 277 00:39:37,141 --> 00:39:39,811 ハァハァ…。 278 00:39:39,811 --> 00:39:42,146 (ため息) 279 00:39:42,146 --> 00:39:44,482 ぬしは…。 殺されてもいい! 280 00:39:44,482 --> 00:39:48,152 頼む! 帰りたい! 281 00:39:48,152 --> 00:39:54,826 どうしても… どうしても もういっぺん 堺の土が踏みたいんじゃ。 282 00:39:54,826 --> 00:39:57,862 ぬしらと一緒に 連れてってくれ。 283 00:39:57,862 --> 00:40:03,167 なあ 頼む 助左… なあ 五右衛門 頼む 頼む 頼む! 284 00:40:14,012 --> 00:40:16,047 どうした!? えっ? 285 00:40:16,047 --> 00:40:19,183 目印 見失うた…。 どうやら 道に迷ったらしいぞ。 286 00:40:19,183 --> 00:40:22,687 えっ? やはり駄目か…。 287 00:40:22,687 --> 00:40:25,890 諦めるのは まだ早い! こっちだ! 288 00:40:33,031 --> 00:40:36,701 あっ 出たぞ~! あとは分かるか? 289 00:40:36,701 --> 00:40:39,404 入り江に舟が隠してある。 よし…。 290 00:41:01,826 --> 00:41:06,497 帰るときは… 土産ぐらいは 持ってゆけ。 291 00:41:06,497 --> 00:41:17,675 ♬~ 292 00:41:17,675 --> 00:41:19,677 ラハ! 293 00:41:31,222 --> 00:41:35,093 ハギビス… もう一度 来る。 294 00:41:35,093 --> 00:41:37,862 必ず もう一度 来るぞ! 295 00:41:37,862 --> 00:41:49,173 ♬~ 296 00:41:55,413 --> 00:41:57,415 ノーラ…。 297 00:42:19,837 --> 00:42:22,507 すまん。 298 00:42:22,507 --> 00:42:27,512 わしも きっと… もう一度 戻ってくるでな! 299 00:42:32,850 --> 00:42:43,861 ♬~ 300 00:42:43,861 --> 00:42:49,367 <故国で待っているものは 死のみであることを知っている善住坊> 301 00:42:51,602 --> 00:42:53,871 さよなら スケザ。 302 00:42:53,871 --> 00:42:57,341 さよなら マリキット。 303 00:42:57,341 --> 00:43:02,980 <自分の船に交易の品を積んでの再来を 決意している助左。➡ 304 00:43:02,980 --> 00:43:07,151 与えられた使命を果たせなかった 五右衛門。➡ 305 00:43:07,151 --> 00:43:12,657 ともあれ 去年 秋の嵐に運ばれてきた 3人の若者たちは➡ 306 00:43:12,657 --> 00:43:18,463 今 初夏の南風に乗って 帰国の途につく。➡ 307 00:43:18,463 --> 00:43:20,398 行く手で待ち受けているのは➡ 308 00:43:20,398 --> 00:43:26,504 中世という巨大な老獪物の 最後のあえぎの時代である。➡ 309 00:43:26,504 --> 00:43:33,377 助左衛門が 再び この地を訪れるために 10年もの歳月を要しようとは➡ 310 00:43:33,377 --> 00:43:36,514 知る由もなかった> 311 00:43:36,514 --> 00:43:48,226 ♬~