1 00:00:02,102 --> 00:02:41,094 ♬~ 2 00:02:45,198 --> 00:02:48,201 (助左)こっちへ! 早く 早く! 3 00:02:53,540 --> 00:02:55,542 頼むぞ。 4 00:03:05,152 --> 00:03:10,157 (わめき声) 5 00:03:24,504 --> 00:03:29,810 はあ はあ はあ…。 6 00:03:38,852 --> 00:03:42,189 (梢)大筒の図面です。 7 00:03:42,189 --> 00:03:45,525 浅井の小谷城を囲んでいた織田勢が➡ 8 00:03:45,525 --> 00:03:47,861 坂本へ移動を始めた。 9 00:03:47,861 --> 00:03:51,198 (梢)坂本というのは 叡山の門前町。 10 00:03:51,198 --> 00:03:55,068 (半蔵)岐阜へ引き揚げかと思ったが またしても 意外な方。 11 00:03:55,068 --> 00:04:01,808 佐々 柴田 佐久間 丹羽 明智 木下ら➡ 12 00:04:01,808 --> 00:04:06,480 織田の主なる諸将が 次々と叡山の麓に集結している。 13 00:04:06,480 --> 00:04:11,151 ただ まさか 叡山に攻め込むはずもなし。 14 00:04:11,151 --> 00:04:13,487 一体 何のための移動か。➡ 15 00:04:13,487 --> 00:04:17,357 いつもながら 信長公の機略には翻弄されるわ。 16 00:04:17,357 --> 00:04:21,828 (梢)三河と 我らが殿のご様子は。 17 00:04:21,828 --> 00:04:27,134 (半蔵)三河は 今や 一丸となって ひたすら 信玄の上洛に構えている。 18 00:04:28,702 --> 00:04:34,007 お許。 兼久とは 既に通じているのか。 19 00:04:35,842 --> 00:04:41,181 全て お役目のためでございます。 20 00:04:41,181 --> 00:04:44,851 その心掛けを忘れぬことだ。 21 00:04:44,851 --> 00:04:54,528 ♬~ 22 00:04:54,528 --> 00:04:57,864 あれは 今井の下女。 23 00:04:57,864 --> 00:05:01,868 徳川の間者だったのか。 24 00:05:10,143 --> 00:05:13,480 (お仙)どこで拾ってきたのさ あの女。 25 00:05:13,480 --> 00:05:17,784 湯屋町で南蛮人に絡まれていたのを 助けてやったんじゃ。 26 00:05:20,820 --> 00:05:24,157 あれ? おい…。 27 00:05:24,157 --> 00:05:29,029 (善住坊)失せたぞ あの女。 失せた? 28 00:05:29,029 --> 00:05:31,498 どこへ? 知らぬ。 29 00:05:31,498 --> 00:05:35,368 ぬしのことだけ聞いて 「今井の納屋番の者だ」と言うと➡ 30 00:05:35,368 --> 00:05:38,839 今度は 「今井の館は どっちだ」と聞いて 教えると➡ 31 00:05:38,839 --> 00:05:42,175 ふらっと出てってしもうた。 フフフ…。 32 00:05:42,175 --> 00:05:44,511 ふ~ん そうか…。 33 00:05:44,511 --> 00:05:48,215 うん。 うん? あっ? 34 00:05:52,853 --> 00:05:54,854 ああ~! 35 00:06:01,127 --> 00:06:03,430 そうか…。 36 00:06:14,674 --> 00:06:17,143 (兼久)誰もおらぬではないか。 37 00:06:17,143 --> 00:06:22,449 今まで こちらで 御寮様が お相手をなさっておられましたが。 38 00:06:25,819 --> 00:06:29,155 木下藤吉郎の女房に 間違いないのだな。 39 00:06:29,155 --> 00:06:31,825 それは 確かなようでございます。 40 00:06:31,825 --> 00:06:36,496 うん。 一応 代官所に 問い合わせた方がよい 今すぐに。 41 00:06:36,496 --> 00:06:38,498 (梢)かしこまりました。 42 00:06:48,508 --> 00:06:54,180 (ねね)まあ かわいい子だこと。 43 00:06:54,180 --> 00:06:57,517 (美緒)キリシタンの聖母様でございます。 44 00:06:57,517 --> 00:07:02,122 この坊の まるまると太って➡ 45 00:07:02,122 --> 00:07:05,025 その上に 後光までさいて。 46 00:07:05,025 --> 00:07:09,462 なんと賢そうな お顔だちだこと。 47 00:07:09,462 --> 00:07:13,133 うちの人が見たら 欲しがります こういう子を。 48 00:07:13,133 --> 00:07:17,470 そのややが イエズス・キリストと 南蛮人のあがめる➡ 49 00:07:17,470 --> 00:07:19,806 神の御子様でございます。 50 00:07:19,806 --> 00:07:23,109 南蛮の仏様でごぜえますかなも。 51 00:07:27,480 --> 00:07:32,152 うちにも どうぞ ええ子をお授けくださいませ。 52 00:07:32,152 --> 00:07:38,024 尾張国から近江へ 近江から この堺へと➡ 53 00:07:38,024 --> 00:07:43,496 まあ 飛脚の足でも難儀な旅路を よく お一人で訪ねてこられました。 54 00:07:43,496 --> 00:07:49,169 いいえ。 近江の横山城までは 供連れで参りましたがなも。 55 00:07:49,169 --> 00:07:53,506 着いたはええが 主殿は留守じゃ。 56 00:07:53,506 --> 00:07:57,177 どこへ出陣していったかも 分からんという。 57 00:07:57,177 --> 00:08:02,015 そんな時 ふっと堺のことを思い出しまして。 58 00:08:02,015 --> 00:08:08,455 いえ これも 夫婦の間だけの 愚かな契り事でございますが➡ 59 00:08:08,455 --> 00:08:13,793 たぎゃあに もしもの時には 堺で落ち合おうと。 60 00:08:13,793 --> 00:08:15,729 堺で? 61 00:08:15,729 --> 00:08:18,665 「草を食んでも 堺までたどりつき➡ 62 00:08:18,665 --> 00:08:24,804 代官所か 今井宗久様の館を お訪ねせよ」と。 63 00:08:24,804 --> 00:08:27,474 「そしたら 俺も きっと堺に行く。➡ 64 00:08:27,474 --> 00:08:32,812 たとえ 何年かかろうとも 訪ねていくから 待っとれ」➡ 65 00:08:32,812 --> 00:08:35,715 …などと 柄にもねえことを。 66 00:08:35,715 --> 00:08:38,485 まあ。 67 00:08:38,485 --> 00:08:41,154 木下様というお方➡ 68 00:08:41,154 --> 00:08:45,024 なんて お優しいご主人なんでしょう。 69 00:08:45,024 --> 00:08:49,829 この乱世に それほど安心のできる町があるなら➡ 70 00:08:49,829 --> 00:08:54,501 もしもの時でなくても いっぺん訪ねてみたいと思い立ちまして。 71 00:08:54,501 --> 00:09:00,306 ただ 供の者たちに言えば 行くなと止めるに決もうとりますゆえ➡ 72 00:09:00,306 --> 00:09:04,110 書き置きだけ残いて 横山城から 逃げ出してまいりましたわなも。 73 00:09:04,110 --> 00:09:07,013 まあ。 アハハハハ! 74 00:09:07,013 --> 00:09:09,015 誰!? 75 00:09:11,985 --> 00:09:14,120 お前か。 76 00:09:14,120 --> 00:09:19,993 ただいま 代官所から お迎えのお使者が参られました。 77 00:09:19,993 --> 00:09:22,695 代官所へは 誰が…!? 78 00:09:29,469 --> 00:09:33,473 また来るでなも。 ほしたら さいなら。 79 00:09:40,814 --> 00:09:47,821 ⚟(騒ぎ声) 80 00:10:00,834 --> 00:10:03,503 きつねか…? 81 00:10:03,503 --> 00:10:09,175 フッ… 酒に酔うこともあるのですね。 82 00:10:09,175 --> 00:10:16,516 美緒様なんぞに 化けおって。 一体 どうしようというんだ。 83 00:10:16,516 --> 00:10:19,853 火急に頼みたいことがあって。 84 00:10:19,853 --> 00:10:23,523 こんな夜更けに? 明日 代官所から➡ 85 00:10:23,523 --> 00:10:27,393 織田方の武将 木下藤吉郎様の 奥方様のご一行が➡ 86 00:10:27,393 --> 00:10:30,396 近江の横山城へ たつことになっています。 87 00:10:30,396 --> 00:10:36,536 それに お前も 加わっていってもらいたいのだけれど。 88 00:10:36,536 --> 00:10:41,207 き… 木下様の奥方様が この堺に? 89 00:10:41,207 --> 00:10:45,078 木下様のお顔は お前も存じ上げていよう。 90 00:10:45,078 --> 00:10:50,216 奥方様からも 是非とも お前に来てほしいというお頼みがあった。 91 00:10:50,216 --> 00:10:56,890 木下様は存じ上げておるが 木下様の奥方様なぞ存じ上げておらん。 92 00:10:56,890 --> 00:11:02,595 フフッ… ところが あちら様は お前を よ~くご存じだった。 93 00:11:04,163 --> 00:11:09,502 夜が明けたら 館に寄っていくように。 94 00:11:09,502 --> 00:11:13,806 旅の支度は 私が調えておきますから。 95 00:11:16,843 --> 00:11:19,178 それだけです 用は。 96 00:11:19,178 --> 00:11:23,850 ああ こりゃ… どうも申し訳ありません。 97 00:11:23,850 --> 00:11:28,521 きつねが化けたなんぞと ふらちなことを言ってしまって。 98 00:11:28,521 --> 00:11:32,392 私は きつねよ。 はっ? 99 00:11:32,392 --> 00:11:35,695 もっと たぶらかしてあげましょうか? 100 00:11:38,197 --> 00:11:42,535 私は きつね。 101 00:11:42,535 --> 00:11:48,541 ウフフフフ… アハハハハ…。 102 00:11:51,878 --> 00:11:55,181 (鶏の鳴き声) 103 00:12:02,488 --> 00:12:05,158 おい 善住坊! 善住坊! 104 00:12:05,158 --> 00:12:10,463 おい 善住坊! 善住坊! 俺だ。 105 00:12:13,833 --> 00:12:18,705 ああ~。 ゆうべの旅の女とは会えたか? 106 00:12:18,705 --> 00:12:22,175 いや~ それが あれっきりだ。 107 00:12:22,175 --> 00:12:25,845 ひょっとすると あれも きつねだったのかもしれん…。 108 00:12:25,845 --> 00:12:28,514 うん? きつねが どうした? 109 00:12:28,514 --> 00:12:30,516 あ~ いやいや…。 110 00:12:34,387 --> 00:12:38,858 なあ わし これから 近江へ行ってくるわ。 111 00:12:38,858 --> 00:12:42,195 もう辛抱できないか 納屋番の仕事。 112 00:12:42,195 --> 00:12:44,530 いやいや これも 今井の仕事じゃ。 113 00:12:44,530 --> 00:12:51,204 木下藤吉郎様の奥方様のお供をして 横山城まで 送り届けてくる。 114 00:12:51,204 --> 00:12:56,075 木下藤吉郎といえば 織田方の武将の? 115 00:12:56,075 --> 00:12:59,879 まあ 心配するな。 ぬしを捜しているのは➡ 116 00:12:59,879 --> 00:13:03,750 織田方でも 代官所の役人だ。 なあ。 117 00:13:03,750 --> 00:13:08,154 留守のことは 五右衛門に よう言うとくから。 118 00:13:08,154 --> 00:13:11,491 分かったな? それじゃ。 119 00:13:11,491 --> 00:13:13,826 待ってくれ。 120 00:13:13,826 --> 00:13:15,828 待ってくれ。 121 00:13:18,164 --> 00:13:21,834 近江へ行くなら 頼みたいことがある。 122 00:13:21,834 --> 00:13:24,504 ほう 何なりと。 123 00:13:24,504 --> 00:13:28,174 叡山へ登ってはくれまいか。 124 00:13:28,174 --> 00:13:30,476 叡山!? 125 00:13:40,520 --> 00:13:47,193 叡山の西塔の法華堂に 法林坊という山家の学生が修行している。 126 00:13:47,193 --> 00:13:52,532 法林坊。 わしの幼い頃からの朋輩だ。 127 00:13:52,532 --> 00:13:55,435 悪たれ坊主の わしとは違うて➡ 128 00:13:55,435 --> 00:13:58,204 伝教大師の再来かと言われるくらい➡ 129 00:13:58,204 --> 00:14:02,075 聡明なやつなんだ これが。 うん うん うん。 130 00:14:02,075 --> 00:14:08,014 やつの力を借りて わしゃ 叡山へ 身を隠したい。 131 00:14:08,014 --> 00:14:15,688 数百年この方 国家鎮護の霊場として 権勢並ぶもののない 比叡山延暦寺だ。 132 00:14:15,688 --> 00:14:20,460 信長も 叡山にまでは 手が出せない。 133 00:14:20,460 --> 00:14:25,164 わしゃ 叡山へ逃げる。 134 00:14:25,164 --> 00:14:29,035 法林坊に会ってきてはくれまいか。 135 00:14:29,035 --> 00:14:31,504 うん 任しとけ。 136 00:14:31,504 --> 00:14:35,375 手はずは整えておいてやるから。 137 00:14:35,375 --> 00:14:37,376 すまん。 138 00:14:39,846 --> 00:14:59,198 (鐘の音) 139 00:14:59,198 --> 00:15:01,901 (モニカ)痛みますか? 140 00:15:24,157 --> 00:15:28,161 朝げを お持ちいたします。 141 00:15:37,503 --> 00:15:39,505 あっ。 あっ。 142 00:15:48,848 --> 00:15:54,187 4~5日 堺を留守にする。 善住坊のこと 頼んだぞ。 143 00:15:54,187 --> 00:15:58,057 (五右衛門) この体じゃ 他人の世話まで見きれんな。 144 00:15:58,057 --> 00:16:02,795 大した傷でもないのに。 あんまり 厄介かけるなよ。 145 00:16:02,795 --> 00:16:06,466 向こう様が 勝手に 大事にしてくれるんだ。 146 00:16:06,466 --> 00:16:10,336 どうやら お互い 惚れ合ったらしいぜ。 147 00:16:10,336 --> 00:16:13,339 五右衛門。 うん? 148 00:16:13,339 --> 00:16:17,476 日比屋了慶は 慈悲深いキリシタンだ。 149 00:16:17,476 --> 00:16:23,149 だが いざとなれば 海賊と戦うだけの力を持ってるんだぞ。 150 00:16:23,149 --> 00:16:26,052 了慶の娘には 手を出すな。 151 00:16:26,052 --> 00:16:29,021 フンッ… 俺だって 命は惜しいさ。 152 00:16:29,021 --> 00:16:32,024 そうか。 それならいい。 153 00:16:34,160 --> 00:17:07,793 ♬~ 154 00:17:07,793 --> 00:17:11,797 木下藤吉郎様の奥方様だ。 155 00:17:18,804 --> 00:17:23,142 助左。 ゆうべは お礼も言わずと消えてまって➡ 156 00:17:23,142 --> 00:17:25,845 許してちょうだいせなも。 157 00:17:32,818 --> 00:17:38,157 (ねね)戦を知らん町というのは ああも豊かで にぎやかぁもんか。➡ 158 00:17:38,157 --> 00:17:41,827 ゆうべ 私を 湯女と間違えて 言い寄ってきた南蛮人も➡ 159 00:17:41,827 --> 00:17:46,499 え~らい伸び伸びした 顔つきしとったがなも。 160 00:17:46,499 --> 00:17:50,369 堺のような穏やかな町で 生まれ育った おまさんは➡ 161 00:17:50,369 --> 00:17:56,842 幸せ者だわなも。 ああ はあ…。 162 00:17:56,842 --> 00:18:03,449 ものを売り買いするのを見とるのは それだけでも 楽しいもんだわなも。 163 00:18:03,449 --> 00:18:11,123 堺でなら 侍大将より 商人になる方が得だわなも。 164 00:18:11,123 --> 00:18:17,797 侍でも 商人でも 己のやりたいことができないってのは➡ 165 00:18:17,797 --> 00:18:20,132 つまらんもんです。 166 00:18:20,132 --> 00:18:25,004 (ねね)おまさん 末は どんな商人になりたいと思っとりゃあす? 167 00:18:25,004 --> 00:18:28,808 末のことは ともかく 今までは➡ 168 00:18:28,808 --> 00:18:34,146 呂宋という南海の島と 交易をやりたいと思ってました。 169 00:18:34,146 --> 00:18:37,817 (ねね)交易を! はい。 170 00:18:37,817 --> 00:18:41,687 今井さんは 大きな船を 何艘も持っとらっしゃるそうだで➡ 171 00:18:41,687 --> 00:18:44,490 それだら すぐにでも できるでにゃあきゃ? 172 00:18:44,490 --> 00:18:48,361 それが… できないと言われて。 173 00:18:48,361 --> 00:18:53,833 おまけに 船を降ろされ 浜の仕事の方へ回されまして➡ 174 00:18:53,833 --> 00:18:56,736 少々 くさっているところでした。 175 00:18:56,736 --> 00:19:00,439 くさっとるふうには 見えせんけど。 え? 176 00:19:00,439 --> 00:19:06,779 もし 今井におって いかんなら 今井を辞めて➡ 177 00:19:06,779 --> 00:19:10,449 ほかの手だてを考えてみたら どうだなも。 178 00:19:10,449 --> 00:19:13,352 今井を辞める…。 179 00:19:13,352 --> 00:19:17,790 己を生かす場所は 己が探さんことには。 180 00:19:17,790 --> 00:19:24,130 うちの主殿だって 武家奉公の最初は 織田様ではないんだで。 181 00:19:24,130 --> 00:19:35,474 最初は 駿府の今川様の幕下の 久野の城主 松下之綱様に お仕えして➡ 182 00:19:35,474 --> 00:19:39,145 あんまり うだつが上がらなんだもんだで➡ 183 00:19:39,145 --> 00:19:42,048 しぶしぶ 尾張へ 舞い戻ってきて➡ 184 00:19:42,048 --> 00:19:46,819 うつけ者と言われて評判の悪かった 今の殿様に お仕えしたんだわなも。 185 00:19:46,819 --> 00:19:49,488 はあ…。 それがまあ➡ 186 00:19:49,488 --> 00:19:53,359 当人も驚くほどの出世ぶりでえも。 187 00:19:53,359 --> 00:20:00,833 あのまま今川におったら おおかた 桶狭間で討ち死にしとったわなも。 188 00:20:00,833 --> 00:20:05,171 奉公先を変えるのは それほど 大ごとかなも? 189 00:20:05,171 --> 00:20:12,511 …はい。 うちは 父親も母親も 今井の奉公人でした。 190 00:20:12,511 --> 00:20:19,385 わしは 生まれてからずっと 今井に奉公しておりましたんで➡ 191 00:20:19,385 --> 00:20:22,521 それを辞めるっていうのは…。 192 00:20:22,521 --> 00:20:25,858 諦めやあすのか? 193 00:20:25,858 --> 00:20:33,733 い… いえ。 なんとか もう一度 海へ出たいとは思ってるんですが…。 194 00:20:33,733 --> 00:20:40,206 (ねね)うちの主殿が こんなこと言わしたことがあった。 195 00:20:40,206 --> 00:20:44,877 「男児の夢は 天かける雲。➡ 196 00:20:44,877 --> 00:20:50,583 ひとたび 四散した夢は 二度と同じ形では戻ってこん」と。 197 00:20:52,218 --> 00:20:56,889 ふっ… もっとも 女房も家も忘れてまって➡ 198 00:20:56,889 --> 00:21:00,493 夢ばっかり追いかけてる ご亭主にも 困りもんだがなも。 199 00:21:00,493 --> 00:21:02,428 はっ…。 200 00:21:02,428 --> 00:21:07,733 思やあ 随分 やっとこの間 会っとらんが…。 201 00:21:09,502 --> 00:21:13,172 居所が分かれば 会ってゆかれますか? 202 00:21:13,172 --> 00:21:16,842 そらまあ 会えるもんなら 会っていきたいがなも。 203 00:21:16,842 --> 00:21:23,182 あの~ 木下様… 坂本におられるかもしれませんよ。 204 00:21:23,182 --> 00:21:25,851 確かなことではございませんが➡ 205 00:21:25,851 --> 00:21:31,190 織田軍全軍が 坂本に集結しているという 噂を耳にしました。 206 00:21:31,190 --> 00:21:33,526 その坂本というのは? 207 00:21:33,526 --> 00:21:37,863 はい 叡山の門前町です。 208 00:21:37,863 --> 00:21:40,166 叡山の…。 209 00:21:42,535 --> 00:21:46,405 <朝廷と将軍家と宗門。➡ 210 00:21:46,405 --> 00:21:51,210 中世を支え 形づくってきた 3本の柱である。➡ 211 00:21:51,210 --> 00:21:56,081 その一本の柱 宗門の頂点に君臨するのが➡ 212 00:21:56,081 --> 00:21:59,084 叡山延暦寺であった。➡ 213 00:21:59,084 --> 00:22:02,822 5つの峰々と これを連ねる いくつかの尾根には➡ 214 00:22:02,822 --> 00:22:05,491 三塔十六谷の霊場が点在し➡ 215 00:22:05,491 --> 00:22:08,828 数千人の僧徒が籠もる山門には➡ 216 00:22:08,828 --> 00:22:14,500 この時 既に 700年の歴史が築き上げられていた。➡ 217 00:22:14,500 --> 00:22:17,836 王朝の世に 後白河法皇をして➡ 218 00:22:17,836 --> 00:22:20,506 「意のままにならぬものは➡ 219 00:22:20,506 --> 00:22:26,845 双六の賽と 賀茂川の水の流れと 山法師」と嘆かせた。➡ 220 00:22:26,845 --> 00:22:33,719 その山法師とは 叡山に住む僧兵たちのことである。➡ 221 00:22:33,719 --> 00:22:41,193 叡山とは まさに侵すべからざる 中世旧体制の権威の象徴であった。➡ 222 00:22:41,193 --> 00:22:49,501 そして 今 この叡山に 真正面から 挑みかかろうとしている武将がいる> 223 00:22:51,203 --> 00:22:53,138 (風の音) 224 00:22:53,138 --> 00:22:55,441 風か…。 225 00:23:02,147 --> 00:23:05,484 光秀。 (光秀)はっ。 226 00:23:05,484 --> 00:23:10,356 そちは 日吉大社を包囲せよ。 はっ。 227 00:23:10,356 --> 00:23:14,493 藤吉郎の勢は 横川を囲め。 (藤吉郎)はい。 228 00:23:14,493 --> 00:23:21,367 既に 西塔は 丹羽・佐久間 東塔は 柴田・佐々の軍に固めさせてある。 229 00:23:21,367 --> 00:23:27,506 これより 叡山を取り詰め 山王二十一社をはじめ奉り➡ 230 00:23:27,506 --> 00:23:31,176 山上の中堂も 坊舎 堂塔も➡ 231 00:23:31,176 --> 00:23:33,846 全ての伽藍も 霊仏も 経巻も➡ 232 00:23:33,846 --> 00:23:36,749 一宇も残さず ことごとく焼き払え。 233 00:23:36,749 --> 00:23:40,719 叡山を灰燼の地となせと 仰せられまするか。 234 00:23:40,719 --> 00:23:42,855 いかにも。 235 00:23:42,855 --> 00:23:47,526 恐れながら 叡山には 3,000の仏がましまし➡ 236 00:23:47,526 --> 00:23:52,197 この700年来 国家を鎮護し 応報を冥護し➡ 237 00:23:52,197 --> 00:23:56,068 かつ 天子の玉体のご無事を 祈祷する霊場がございます。➡ 238 00:23:56,068 --> 00:24:00,005 それらを破壊することは すなわち➡ 239 00:24:00,005 --> 00:24:05,144 天下への反逆 神仏への狼藉と 相なりまする。 240 00:24:05,144 --> 00:24:07,079 構わぬ。 241 00:24:07,079 --> 00:24:11,016 殿。 そもそも 叡山延暦寺とは➡ 242 00:24:11,016 --> 00:24:14,486 かの伝教大師が 王道楽土の建設を目指し…。 243 00:24:14,486 --> 00:24:19,158 光秀。 そちは知らぬのか。 は? 244 00:24:19,158 --> 00:24:24,496 叡山の坊主どもというのは ありゃあ むじなぞね。 245 00:24:24,496 --> 00:24:26,832 なんたることを仰せられる。 246 00:24:26,832 --> 00:24:32,705 そうとも。 大むじなが坊主に化けて 叡山に住み着き➡ 247 00:24:32,705 --> 00:24:36,842 代々の天子や民を だまし続けてきたのだ。➡ 248 00:24:36,842 --> 00:24:42,514 大騙りも 700年も続けば もっともらしい権化となるによって➡ 249 00:24:42,514 --> 00:24:48,187 この辺りで わしが 大鉄槌を下し 目を覚ましてやろうと思う。 250 00:24:48,187 --> 00:24:53,192 いわば むじなの巣の大掃除よ。 251 00:24:55,527 --> 00:24:59,198 が… 伽藍の焼き打ち 確かに仰せつかりましたが➡ 252 00:24:59,198 --> 00:25:02,801 山には 数千の僧侶 堂衆がおります。 253 00:25:02,801 --> 00:25:06,472 これらの者たちの処置は いかが取り計らいましょうや。 254 00:25:06,472 --> 00:25:12,144 言うには及ばぬ。 根切りにしてしまえ。 255 00:25:12,144 --> 00:25:18,817 はぁ。 え~ されば 山にいる僧侶は 全てが僧兵とは限りません。 256 00:25:18,817 --> 00:25:24,490 叡山は こ… 古来より 天台法華宗の根本道場でもありますれば➡ 257 00:25:24,490 --> 00:25:28,360 修行中の幼い学生もおり…➡ 258 00:25:28,360 --> 00:25:34,500 なあ 天下に隠れなき高僧 名僧もおります。 259 00:25:34,500 --> 00:25:39,171 え~ これらの者に 退き口を与えませんと…。 260 00:25:39,171 --> 00:25:42,841 (信長)退き口は要らぬ。 261 00:25:42,841 --> 00:25:48,714 有知無知の僧たるを問わず 女 子童にも 仮借は無用。 262 00:25:48,714 --> 00:25:51,517 山中の人影は 皆 斬り捨て➡ 263 00:25:51,517 --> 00:25:54,853 形あるものには 火を放ち➡ 264 00:25:54,853 --> 00:25:59,191 全山 人けなき焼山にしてしまえ! 265 00:25:59,191 --> 00:26:05,898 ♬~ 266 00:26:17,142 --> 00:26:19,445 (鐘の音) 267 00:26:22,014 --> 00:26:25,484 (法林坊) 善住坊が そんな難儀をしているとは 知りませんでした。 268 00:26:25,484 --> 00:26:28,153 遠方から よく知らせに来てくださいましたね。 269 00:26:28,153 --> 00:26:32,825 はい。 あの… かくまっていただけるでしょうか。 270 00:26:32,825 --> 00:26:35,494 なんとか お願いをしてみましょう。 271 00:26:35,494 --> 00:26:40,365 幸か不幸か 叡山は 信長公と敵対しておりますから➡ 272 00:26:40,365 --> 00:26:44,837 信長公に追われている身の上を話せば 放ってはおきますまい。 273 00:26:44,837 --> 00:26:48,707 善住坊は あなた様のことを 朋輩と呼んでおりました。 274 00:26:48,707 --> 00:26:52,177 どうか ひとつ お見捨てなく。 275 00:26:52,177 --> 00:26:55,848 頭を上げてください。 あとのことは➡ 276 00:26:55,848 --> 00:26:59,184 夕べのお勤めが終わってから また話し合いましょう。 277 00:26:59,184 --> 00:27:02,788 今日は ぬしも ここで泊まってゆかれるがいい。 278 00:27:02,788 --> 00:27:04,723 ありがとうございます。 279 00:27:04,723 --> 00:27:09,661 では しばらく ここで待っていてください。はい。 280 00:27:09,661 --> 00:27:29,948 (読経) 281 00:27:40,826 --> 00:27:44,496 <助左のいる西塔から 5キロほど離れた地点に➡ 282 00:27:44,496 --> 00:27:48,367 木下藤吉郎が陣を構える横川がある> 283 00:27:48,367 --> 00:27:50,369 (小六)殿! 284 00:27:50,369 --> 00:27:53,839 良源という僧が 殿と顔見知りだとわめいて➡ 285 00:27:53,839 --> 00:27:56,508 命乞いをしておりますが。 知らん! 286 00:27:56,508 --> 00:27:59,411 さようで。 おい! 287 00:27:59,411 --> 00:28:02,314 もう 火は放ったか。 288 00:28:02,314 --> 00:28:07,786 中堂 如法塔 元大師堂 行院と あらかた燃えております。 289 00:28:07,786 --> 00:28:11,456 逃げ惑う僧侶を ことごとく斬り殺してはおりますが➡ 290 00:28:11,456 --> 00:28:15,127 無抵抗の坊主を斬るというのは あまり気色いいもんじゃありませんな。 291 00:28:15,127 --> 00:28:18,997 坊主だと思うな! 坊主に化けた むじなだと思え。 292 00:28:18,997 --> 00:28:20,999 むじな…。 293 00:28:24,803 --> 00:28:26,805 はっ。 294 00:28:31,476 --> 00:28:34,813 (発砲音) 295 00:28:34,813 --> 00:28:42,120 (読経) 296 00:28:44,489 --> 00:28:48,160 ああ… うわ~っ! 297 00:28:48,160 --> 00:28:51,163 ああ~っ! 298 00:29:06,645 --> 00:29:08,647 うわっ! 299 00:29:15,320 --> 00:29:17,623 法林坊~! 300 00:29:22,794 --> 00:29:24,730 殿! 301 00:29:24,730 --> 00:29:27,432 ⚟おみゃあ様~! 302 00:29:30,469 --> 00:29:32,471 ねね! 303 00:29:35,340 --> 00:29:38,343 おみゃあ様…。 304 00:29:38,343 --> 00:29:42,080 ああ… おみゃあ様~! ねね! 305 00:29:42,080 --> 00:29:49,154 (泣き声) 306 00:29:49,154 --> 00:29:51,490 おみゃあ様…。 うん。 307 00:29:51,490 --> 00:29:56,361 断りもなしに訪ねてきて 怒らしゃせんか。 308 00:29:56,361 --> 00:29:59,364 後で ゆっくり怒る。 309 00:29:59,364 --> 00:30:01,500 (笑い声) 310 00:30:01,500 --> 00:30:04,836 (子供)痛えよ! 離せよ! 蜂須賀様!何だ。 311 00:30:04,836 --> 00:30:07,739 わっぱがいましたが どうしたらいいのかと思いまして。 312 00:30:07,739 --> 00:30:10,709 女 わっぱにも 仮借はするなと 命じたはずだ! 313 00:30:10,709 --> 00:30:14,846 はっ! いや ちょっと待て。 314 00:30:14,846 --> 00:30:26,458 ♬~ 315 00:30:26,458 --> 00:30:30,395 小六。はっ。 横川口の道を開けよ。 316 00:30:30,395 --> 00:30:32,397 山から下りてくる者は みんな逃がせ。 317 00:30:32,397 --> 00:30:35,100 ほれ。 殿! 318 00:30:36,868 --> 00:30:40,739 お前 どこへでも 好きなとこへ行け。 319 00:30:40,739 --> 00:30:43,742 さあ 早う 行け! (小六)ハハハッ! 320 00:30:43,742 --> 00:31:04,029 ♬~ 321 00:31:04,029 --> 00:31:06,832 気を付けてな! 322 00:31:06,832 --> 00:31:12,704 (女)誰か~! 誰か 助けて! 待て~! 323 00:31:12,704 --> 00:31:16,007 お慈悲を… お慈悲を! 324 00:31:19,177 --> 00:31:21,113 殺せ。 はっ! 325 00:31:21,113 --> 00:31:23,515 ああ~っ! 326 00:31:23,515 --> 00:31:29,321 (悲鳴) 327 00:31:29,321 --> 00:31:35,127 (喚声) 328 00:31:35,127 --> 00:31:37,829 (悲鳴) 329 00:31:42,534 --> 00:31:44,536 うわっ! 330 00:32:04,790 --> 00:32:06,792 (銃声) 331 00:32:11,696 --> 00:32:13,698 ぎゃ~っ! 332 00:32:18,837 --> 00:32:20,839 この…! 333 00:32:27,512 --> 00:32:31,516 ぎゃ~っ! 334 00:32:33,852 --> 00:32:37,522 ああ~っ! あ~っ! 335 00:32:37,522 --> 00:32:40,525 追いかけろ! 待て~! 336 00:32:44,396 --> 00:32:47,199 助左とは どこで別れた。 337 00:32:47,199 --> 00:32:51,536 坂本で。 あの人は 西塔の法華堂に用があるとかで➡ 338 00:32:51,536 --> 00:32:55,207 そっち済ましといてから 横川の方へ回ってくるとか言わして。 339 00:32:55,207 --> 00:32:57,142 法華堂へ行った? ああ。 340 00:32:57,142 --> 00:33:01,813 あ~ そら もういかん。 何が いかんて? 341 00:33:01,813 --> 00:33:10,155 あ~ まず生きとらまい。 かええそうに…。 気のええ男だった。 342 00:33:10,155 --> 00:33:13,825 ちょっと 簡単に言わんといて! 343 00:33:13,825 --> 00:33:17,162 あの人が 私を ここへ連れてきてくれたんだがなも。 344 00:33:17,162 --> 00:33:19,097 うん…。 345 00:33:19,097 --> 00:33:23,034 (ねね)ちょっと 捜してきて。 捜す!? 346 00:33:23,034 --> 00:33:27,505 はあ 自分の女房の命の恩人だがなも あの人は。 347 00:33:27,505 --> 00:33:30,842 いや… 捜すというが 山には 8,000もの坊主がおって➡ 348 00:33:30,842 --> 00:33:34,713 5万もの織田の軍勢が走り回っとるんだ。 何で 捜し出せる。 349 00:33:34,713 --> 00:33:38,516 人のできんこと やってきたのが おみゃあ様でなあきゃも。 350 00:33:38,516 --> 00:33:43,855 捜しに行くだけでも行ってちょうだあせ。 私の気が済まんでなあも。 351 00:33:43,855 --> 00:33:48,727 まあ…。 こ… 小六! 小六は おらんか! 352 00:33:48,727 --> 00:33:51,530 (小六)おう! 353 00:33:51,530 --> 00:33:53,465 お呼びで。 うん…。 354 00:33:53,465 --> 00:33:57,869 人を一人 捜してきてもらいてえ。 どなたを? 355 00:33:57,869 --> 00:34:02,474 堺の今井の奉公人で 助左という若造を覚えとらせんか。 356 00:34:02,474 --> 00:34:04,409 助左…。 357 00:34:04,409 --> 00:34:07,345 ともかく 行くだけでも 行ってちょうだあせ。 358 00:34:07,345 --> 00:34:10,348 はあ…。 すまんな。 359 00:34:10,348 --> 00:34:13,652 早く行きなさい! はっ! 360 00:34:44,849 --> 00:34:47,519 待て~! あああ…。 361 00:34:47,519 --> 00:34:50,522 いたぞ~! ここにもいるぞ! 362 00:34:57,529 --> 00:34:59,464 ああ~! 363 00:34:59,464 --> 00:35:01,466 (刺さる音) 364 00:35:16,014 --> 00:35:18,016 うっ! 365 00:35:34,165 --> 00:35:38,036 人を殺めた…。 366 00:35:38,036 --> 00:35:40,739 人を殺めた…。 367 00:35:51,182 --> 00:35:55,487 ひぃ~! ひぃ~! 368 00:36:10,135 --> 00:36:29,154 ♬~(パイプオルガン) 369 00:36:29,154 --> 00:37:03,455 ♬~ 370 00:37:48,833 --> 00:37:50,835 (たたく音) 371 00:38:11,089 --> 00:38:31,142 ♬~(ミサ曲) 372 00:38:31,142 --> 00:39:43,715 ♬~ 373 00:39:43,715 --> 00:39:45,717 法林坊! 374 00:39:52,423 --> 00:40:25,723 (泣き声) 375 00:40:42,540 --> 00:40:44,475 殺すな! 376 00:40:44,475 --> 00:40:47,178 やあ~! 377 00:40:49,414 --> 00:40:51,416 この男だ。 378 00:40:56,087 --> 00:41:00,024 やあ~っ! ああ~っ! 379 00:41:00,024 --> 00:41:03,494 殺せ 殺せ!助左! 殺せ 殺せ~! 380 00:41:03,494 --> 00:41:05,430 わしだ! 殺せ~! 381 00:41:05,430 --> 00:41:08,366 蜂須賀小六だ! 殺せ~! 382 00:41:08,366 --> 00:41:12,503 (たたく音)忘れたのか!? 383 00:41:12,503 --> 00:41:16,841 助左! 終わったのだ。 もう終わったのだ! 384 00:41:16,841 --> 00:41:20,178 蜂須賀さん…。 385 00:41:20,178 --> 00:41:22,480 思い出したか。 386 00:41:28,853 --> 00:41:32,857 捜したぞ。 ゆうべから ずっと。 387 00:41:34,525 --> 00:41:39,230 あ… ああ ああ~…。 388 00:41:45,169 --> 00:41:47,105 さあ つかまれ! 389 00:41:47,105 --> 00:42:01,486 ♬~ 390 00:42:01,486 --> 00:42:04,155 <「日吉社兵乱記」によれば➡ 391 00:42:04,155 --> 00:42:07,058 この一日で 山門の社頭 百八社は➡ 392 00:42:07,058 --> 00:42:12,030 神殿 神輿 楼門 七重の大塔 彼岸所➡ 393 00:42:12,030 --> 00:42:14,499 皆 ことごとく 放火を受け➡ 394 00:42:14,499 --> 00:42:19,170 山上三塔の谷々と共に 一屋残らず 焼き尽くされ➡ 395 00:42:19,170 --> 00:42:21,839 坂本の人家も ほとんど焼亡。➡ 396 00:42:21,839 --> 00:42:26,177 討ち死には 数千人に及んだと 記されている。➡ 397 00:42:26,177 --> 00:42:29,514 また 「言継卿記」によると➡ 398 00:42:29,514 --> 00:42:32,850 男女僧俗 3,000~4,000が斬り捨てられ➡ 399 00:42:32,850 --> 00:42:38,523 明くる13日は 横川から仰木にわたって 焼け残りを更に放火し➡ 400 00:42:38,523 --> 00:42:43,861 仏像 経巻 典籍 什物の失われたものは 数え切れず➡ 401 00:42:43,861 --> 00:42:46,764 谷々の入り口は 厳重に包囲されて➡ 402 00:42:46,764 --> 00:42:52,203 山中からの亡命者も 皆 ここで殺されたという。➡ 403 00:42:52,203 --> 00:42:57,542 ただ 横川の仰木口を固めていた 木下藤吉郎のみ➡ 404 00:42:57,542 --> 00:43:01,145 逃げ落ちてくる人々を寛大に助命し➡ 405 00:43:01,145 --> 00:43:06,017 多くの宝物も ここより搬出されたと 記録されている> 406 00:43:06,017 --> 00:43:47,024 ♬~