1 00:00:02,102 --> 00:02:39,793 ♬~ 2 00:02:41,762 --> 00:02:48,535 ♬~ 3 00:02:48,535 --> 00:02:52,205 <ポルトガル宣教師 ガスパル・クエリヨが➡ 4 00:02:52,205 --> 00:03:00,013 安土城の46メートルに達する天主閣や 広大壮麗な金殿玉楼に驚嘆し➡ 5 00:03:00,013 --> 00:03:02,482 その優れた建築技術は➡ 6 00:03:02,482 --> 00:03:07,354 ヨーロッパの最も壮大な建物にも 引けを取らないという書簡を➡ 7 00:03:07,354 --> 00:03:11,158 イエズス会総長に宛て 書き送った時➡ 8 00:03:11,158 --> 00:03:17,030 日本の歴史は まさに ルネッサンスへの途上にあった> 9 00:03:17,030 --> 00:03:39,519 ♬~ 10 00:03:39,519 --> 00:03:43,857 (長秀)まさに紛れもない黄金の瓦。 11 00:03:43,857 --> 00:03:47,527 目をみはるばかりだ。 12 00:03:47,527 --> 00:03:51,198 (美緒)塗金屋瓦と申します。 13 00:03:51,198 --> 00:03:54,534 焼き上げました瓦に 漆をかけ➡ 14 00:03:54,534 --> 00:03:59,406 その上に金箔を押すという至難の手法。 15 00:03:59,406 --> 00:04:04,144 本朝にては この沢 秋斉殿のほかには➡ 16 00:04:04,144 --> 00:04:10,016 何人も用うべからざる 秘伝の技法にございます。 17 00:04:10,016 --> 00:04:15,756 さすがは 今井が天下一と折り紙を付けた瓦師。 18 00:04:15,756 --> 00:04:18,692 よくぞ工夫を凝らしてくれた。 19 00:04:18,692 --> 00:04:23,497 この黄金の瓦が 七重の天主に輝く様は➡ 20 00:04:23,497 --> 00:04:28,168 まさしく 天下人の御構えにふさわしき 景観となるであろう。 21 00:04:28,168 --> 00:04:32,038 信長公が 天下に号令をお下されまする➡ 22 00:04:32,038 --> 00:04:37,177 ご天主の御瓦を 仰せつかまつりましたることは➡ 23 00:04:37,177 --> 00:04:41,047 沢家一門の誉れにござりまする。 24 00:04:41,047 --> 00:04:49,189 天主の立柱は 来年8月をめどとし 11月までには 瓦をのせたい。 25 00:04:49,189 --> 00:04:53,860 美緒殿にも そのつもりで よろしく取り計らってもらいたい。 26 00:04:53,860 --> 00:04:58,198 かしこまってございます。 27 00:04:58,198 --> 00:05:04,805 では この瓦にて 上様にも ご承諾いただけますでございましょうか。 28 00:05:04,805 --> 00:05:10,677 上様がお気に召されることは この長秀が請け合おう。 29 00:05:10,677 --> 00:05:13,813 ありがたき幸せに存じます。 30 00:05:13,813 --> 00:05:33,834 ♬~ 31 00:05:33,834 --> 00:05:40,507 <安土城の普請は 天正4年正月中旬に開始された。➡ 32 00:05:40,507 --> 00:05:47,214 2月には 信長も岐阜より移転して 自ら工事を督励する> 33 00:05:54,521 --> 00:06:03,129 <4月に入ると 京都 奈良 堺などの地から 大勢の大工職人が安土に召し出され➡ 34 00:06:03,129 --> 00:06:08,468 加えて 尾張 美濃 伊勢 三河 若狭などの国々からも➡ 35 00:06:08,468 --> 00:06:10,804 多くの人々が動員され➡ 36 00:06:10,804 --> 00:06:14,808 その数は 1万人にも及んだ> 37 00:06:20,146 --> 00:06:22,816 <昼夜を分かたぬ突貫工事に➡ 38 00:06:22,816 --> 00:06:29,155 標高100メートルの安土山は みるみる形を変えていく。➡ 39 00:06:29,155 --> 00:06:34,828 「信長公記」は 工事の盛大さを一言で伝える。➡ 40 00:06:34,828 --> 00:06:40,133 「山も谷も 動くばかりに候いき」と> 41 00:06:51,378 --> 00:06:54,848 ⚟信長様だ! 信長様だ! 42 00:06:54,848 --> 00:06:59,552 ⚟続けよ! 構わぬ! 作業を続けよ! 43 00:07:07,127 --> 00:07:09,829 (長秀)いかがあそばされました。 44 00:07:12,999 --> 00:07:16,469 (信長)瓦か。 45 00:07:16,469 --> 00:07:21,808 琵琶湖の水底を透かしてみるような 不思議な色をしている。 46 00:07:21,808 --> 00:07:27,147 この瓦は ぬしが運んできたものか。 はい。 47 00:07:27,147 --> 00:07:30,050 これは どこの屋敷のものだ。 48 00:07:30,050 --> 00:07:38,358 はい。 羽柴筑前守様のお館の 上葺きをいたします瓦にございます。 49 00:07:40,160 --> 00:07:42,495 そちの顔には 見覚えがある。 50 00:07:42,495 --> 00:07:44,431 はっ。 51 00:07:44,431 --> 00:07:48,168 堺の今井に 奉公している者ではなかったか。 52 00:07:48,168 --> 00:07:53,840 はい。 元今井の納屋番をいたしておりました➡ 53 00:07:53,840 --> 00:07:56,743 助左と申す者にございます。 54 00:07:56,743 --> 00:08:00,113 今井は辞めたのか。 はい。 55 00:08:00,113 --> 00:08:03,450 今井を辞めて ここで どのような仕事をしている。 56 00:08:03,450 --> 00:08:08,788 はい。 羽柴様の安土のお屋敷の➡ 57 00:08:08,788 --> 00:08:14,127 瓦焼きと その運搬を 請け負わさせていただいております。 58 00:08:14,127 --> 00:08:17,998 しからば これは ぬしの瓦か。 59 00:08:17,998 --> 00:08:24,137 はい。 手前が 唐人 一観なる瓦師を雇い➡ 60 00:08:24,137 --> 00:08:29,009 長浜にて 焼かせておりますものでございます。 61 00:08:29,009 --> 00:08:32,812 明国の瓦師か。 62 00:08:32,812 --> 00:08:36,683 どうりで 形も変わっている。 63 00:08:36,683 --> 00:08:39,486 この瓦 1枚もろうていくぞ。 64 00:08:39,486 --> 00:08:41,421 はっ…? 65 00:08:41,421 --> 00:08:45,725 筑前め… 拾いものをしおったの。 66 00:08:48,161 --> 00:09:05,645 ♬~ 67 00:09:05,645 --> 00:09:08,782 (左吉)助左は おらぬか! 助左! 68 00:09:08,782 --> 00:09:13,119 (一観)はいはい はいはい…。 これは 石田様。 69 00:09:13,119 --> 00:09:17,123 殿のお召しだ。 一大事だぞ。 70 00:09:22,128 --> 00:09:26,100 (秀吉)待っていた。 待っていた 助左。 71 00:09:26,100 --> 00:09:31,471 えれえことになった。 当家の あの青瓦➡ 72 00:09:31,471 --> 00:09:34,808 上様に召し上げられることになった。 73 00:09:34,808 --> 00:09:40,146 では 上様のご城下に 異国人の瓦を用いましたことが➡ 74 00:09:40,146 --> 00:09:42,082 御勘気にさわったんでございますか? 75 00:09:42,082 --> 00:09:44,017 まあ… まあ そういうこったな。 76 00:09:44,017 --> 00:09:48,021 家来の分際で 主より立派なものを 用いているとは何事だという➡ 77 00:09:48,021 --> 00:09:50,490 えらいお叱りを被ったんだ。 78 00:09:50,490 --> 00:09:53,827 あ… 主より立派な瓦? 79 00:09:53,827 --> 00:10:00,500 うん。 まあ これで ものを選ぶというのは 難しいもんだなあ。 80 00:10:00,500 --> 00:10:04,170 よすぎても かえって迷惑することになるんだ。 81 00:10:04,170 --> 00:10:08,041 ハハッ 助左よ…。 82 00:10:08,041 --> 00:10:10,510 (せきばらい) 83 00:10:10,510 --> 00:10:14,180 ああ 助左よ。 84 00:10:14,180 --> 00:10:20,520 ぬしが選んできた瓦は わしには 少々過ぎたもんだったんだ。 85 00:10:20,520 --> 00:10:22,522 は…? 86 00:10:25,191 --> 00:10:32,499 驚くな 助左。 あの青瓦を 上様は 「天主閣に上葺きする」 仰せになった。 87 00:10:34,200 --> 00:10:37,103 天主閣に!? そう。 そうそう! 88 00:10:37,103 --> 00:10:42,075 あの一観の瓦を あ… 安土城の天主閣…!? 89 00:10:42,075 --> 00:10:47,213 ぬしが拾い上げてきた あの唐人 一観の あの瓦をだよ! 90 00:10:47,213 --> 00:10:50,116 本当でございますか!? 91 00:10:50,116 --> 00:10:53,086 でかした…。 92 00:10:53,086 --> 00:10:56,556 でかしたな 助左! おい! 93 00:10:56,556 --> 00:11:00,159 殿様~! おい おい! アッハッハッハ! 94 00:11:00,159 --> 00:11:04,864 あ~ よかった~! アハハハハ!よかった~! 95 00:11:08,501 --> 00:11:13,173 秋斉に 死ねと仰せでございますか。 96 00:11:13,173 --> 00:11:16,075 はあ~ 相すまぬ。 97 00:11:16,075 --> 00:11:19,846 訳をお聞かせくださいませ。 98 00:11:19,846 --> 00:11:25,184 上様には 塗金屋瓦のどこが お気に召さぬのか。 99 00:11:25,184 --> 00:11:28,855 予測だにしなかったことだが 上様には➡ 100 00:11:28,855 --> 00:11:35,528 天主の瓦は 空に溶け 湖水に溶ける 紺青色でなければならぬと申されて➡ 101 00:11:35,528 --> 00:11:38,865 お譲りにならぬのだ。 102 00:11:38,865 --> 00:11:42,869 紺青色の瓦をと? 103 00:11:44,737 --> 00:11:53,880 確かに 明か南蛮には 青色の瓦があると 聞いたことはございますが➡ 104 00:11:53,880 --> 00:11:56,549 本朝にて そのような瓦を焼き上げることは➡ 105 00:11:56,549 --> 00:11:59,218 無理でございましょう。 106 00:11:59,218 --> 00:12:04,490 それとも 上様には 明か南蛮に 船を出し➡ 107 00:12:04,490 --> 00:12:09,162 天主の瓦を買い付けてこいとの 仰せでございましょうか。 108 00:12:09,162 --> 00:12:12,832 それが 1人いたのだ。 109 00:12:12,832 --> 00:12:15,735 名を一観という唐人で➡ 110 00:12:15,735 --> 00:12:19,706 長浜の羽柴秀吉の領内で 窯場を開いている。 111 00:12:19,706 --> 00:12:26,846 この者が焼く瓦は 全て 青一色の瓦なのだ。 112 00:12:26,846 --> 00:12:33,186 一観などという瓦師の名は 聞き及びもございませぬ。 113 00:12:33,186 --> 00:12:38,057 ご無礼ではございますが 身元は確かな者でございましょうか。 114 00:12:38,057 --> 00:12:42,862 無論 当たらせてはみたが 詳しくは分からぬ。 115 00:12:42,862 --> 00:12:47,533 そのことについては 逆に お許に尋ねたい儀があるのだ。 116 00:12:47,533 --> 00:12:51,204 私に 何を…。 117 00:12:51,204 --> 00:12:57,877 唐人 一観と組んで 瓦の請負人をしている 若き商人がいる。 118 00:12:57,877 --> 00:13:02,148 一観を堺より見つけ 引き連れてきた男だ。 119 00:13:02,148 --> 00:13:04,083 堺より…。 120 00:13:04,083 --> 00:13:10,023 この男 元は そちら 今井に奉公していた者で➡ 121 00:13:10,023 --> 00:13:13,159 名を 助左という。 122 00:13:13,159 --> 00:13:15,828 助左…。 123 00:13:15,828 --> 00:13:20,166 聞き覚えがおありか? 124 00:13:20,166 --> 00:13:23,169 助左が…。 125 00:13:31,177 --> 00:13:38,851 (宗久)そうか…。 助左は やはり わしが見込んだとおりの男だったな。 126 00:13:38,851 --> 00:13:43,723 ⚟(定吉)美緒様へのお返事 いかがいたしましょうか。 127 00:13:43,723 --> 00:13:49,195 沢 秋斉が どうしても紺青の瓦を焼けぬとあらば➡ 128 00:13:49,195 --> 00:13:53,066 助左に頼んで 唐人 一観を もらい受けなければなるまいの。 129 00:13:53,066 --> 00:13:58,538 (定吉)助左には 羽柴筑前守様が 後ろ盾となっておられます。 130 00:13:58,538 --> 00:14:03,242 きやつめも 素直には渡さぬと存じますが。 131 00:14:10,483 --> 00:14:13,152 たとえ万金を積み上げても➡ 132 00:14:13,152 --> 00:14:17,824 唐人 一観の瓦は この今井が もらい受けなければならぬ。 133 00:14:17,824 --> 00:14:23,496 安土城天主の瓦は じきじき わしが 上様より承ったもの。 134 00:14:23,496 --> 00:14:27,834 ほかへ譲る時には 腹を切らねばならぬ。 135 00:14:27,834 --> 00:14:31,704 安土の方にも そう申し伝えよ! (定吉)はっ! 136 00:14:31,704 --> 00:15:06,139 ♬~ 137 00:15:06,139 --> 00:15:10,810 あっ 飯 来たぞ~! 皆 休め! 138 00:15:10,810 --> 00:15:14,147 ♬~ 139 00:15:14,147 --> 00:15:17,483 (ねね)みんな えらあ待たせたなも! 140 00:15:17,483 --> 00:15:21,354 屯食に 煤塗りつけて しっかり食べやあせ! 141 00:15:21,354 --> 00:15:24,824 ここの 煤飯いやあ 天下一品の味だでなも。 142 00:15:24,824 --> 00:15:26,759 (笑い声) 143 00:15:26,759 --> 00:15:30,163 一観さん その顔で 山ん中 うろついたら➡ 144 00:15:30,163 --> 00:15:33,065 熊と間違えられて 鉄砲 射かけられるでえも。 145 00:15:33,065 --> 00:15:35,034 この顔 熊が見たら➡ 146 00:15:35,034 --> 00:15:38,838 熊 逃げ出す! ア~ッハッハッハ! 147 00:15:38,838 --> 00:15:41,174 いつも 相すみません。 148 00:15:41,174 --> 00:15:43,843 おめさんの顔も 泥ねずみじゃ。 は…。 149 00:15:43,843 --> 00:15:47,513 さあ お弁当。 150 00:15:47,513 --> 00:15:52,852 どうも。 奥方様 お手ずから お運びくださるとは 恐れ入ります。 151 00:15:52,852 --> 00:15:54,787 そう 気にせんといてちょうでえ。 152 00:15:54,787 --> 00:15:59,525 今や おめさんたらは この長浜の宝なんだで。 153 00:15:59,525 --> 00:16:04,797 そうだでえも。 安土のご天主の瓦を焼いた窯場は➡ 154 00:16:04,797 --> 00:16:07,700 天下一の窯場なんだで。 155 00:16:07,700 --> 00:16:11,671 長浜は それだけで 瓦の名産地になるんでにゃあの。 156 00:16:11,671 --> 00:16:15,141 おめさんたらには 末永う頑張ってもらわななも。 157 00:16:15,141 --> 00:16:18,477 さあ そう うまくいきますかどうか…。 158 00:16:18,477 --> 00:16:22,148 いや 奥方様が これほど肩入れしてくださっているんだ。 159 00:16:22,148 --> 00:16:25,051 嫌でも 青瓦は 長浜の名物にせねばならんな。 160 00:16:25,051 --> 00:16:30,823 青瓦に肩入れしとるのは 私よりか うちの はげねずみ殿の方だがなも。 161 00:16:30,823 --> 00:16:35,495 は… はげねずみとは どなたのことでございます? 162 00:16:35,495 --> 00:16:40,833 うちの殿様のあだ名。 はげねずみだと。 163 00:16:40,833 --> 00:16:43,736 あ… 殿様が はげねずみ? 164 00:16:43,736 --> 00:16:50,176 <秀吉に はげねずみとあだ名したのは 信長である> 165 00:16:50,176 --> 00:16:55,047 ♬~ 166 00:16:55,047 --> 00:16:58,851 <このころ 秀吉の妻 ねねは➡ 167 00:16:58,851 --> 00:17:04,156 信長より 一通のほほ笑ましい手紙をもらっている> 168 00:17:06,659 --> 00:17:11,430 <事の起こりは ねねが 安土の信長のもとへ➡ 169 00:17:11,430 --> 00:17:15,134 陣中見舞いに 伺候した時のことである。➡ 170 00:17:15,134 --> 00:17:20,473 いつもの軽口から 亭主 秀吉の日頃の浮気の苦情を➡ 171 00:17:20,473 --> 00:17:23,776 主 信長に訴えてしまった> 172 00:17:25,811 --> 00:17:30,149 <信長の手紙は その時の返事である。➡ 173 00:17:30,149 --> 00:17:36,022 信長は ねねの器量やスタイルを 精いっぱい持ち上げた上➡ 174 00:17:36,022 --> 00:17:38,824 お前ほどのいい女房を➡ 175 00:17:38,824 --> 00:17:42,695 あのはげねずみは 二度と求められないのだから➡ 176 00:17:42,695 --> 00:17:50,169 やきもちなどやかずに 大名の奥方らしく おおらかにしていなさいと結んでいる。➡ 177 00:17:50,169 --> 00:17:56,842 魔王の変化と恐れられた信長の 隠れた一面を見せる手紙として➡ 178 00:17:56,842 --> 00:17:59,545 今に伝わっている> 179 00:18:03,449 --> 00:18:07,320 (信長)「なかんずく それの眉ぶり かたちまで➡ 180 00:18:07,320 --> 00:18:14,460 いつぞや見まいらせ候折ふしよりは 十もの廿ほども 見あげ候。➡ 181 00:18:14,460 --> 00:18:22,134 藤吉郎連連不足の旨 申すのよし 言語道断 曲事に候か。➡ 182 00:18:22,134 --> 00:18:24,804 いずかたを たずね候とも➡ 183 00:18:24,804 --> 00:18:30,676 それさまほどのは またふたたび かの剥げねずみ 相もとめがたき間➡ 184 00:18:30,676 --> 00:18:34,146 これより以後は 身持を陽快になし➡ 185 00:18:34,146 --> 00:18:39,485 いかにも かみさまなりに おもおもしく 悋気などに立ち入り候ては➡ 186 00:18:39,485 --> 00:18:42,488 然るべからず候」。 187 00:18:44,156 --> 00:18:49,028 (左吉)確かに 気さくで 気のいい奥方様には違いないのだが➡ 188 00:18:49,028 --> 00:18:51,831 どうも 俺には 馬が合わん。 189 00:18:51,831 --> 00:18:56,168 一つには あの尾張なまりのせいなのかもしれんな。 190 00:18:56,168 --> 00:19:01,007 奥方様の周りには 尾張から連れてきた小姓組が取り巻き➡ 191 00:19:01,007 --> 00:19:03,776 声高に お国なまりをわめき立て➡ 192 00:19:03,776 --> 00:19:07,647 徒党を組み 城中を まるで我が家のように のし歩いている。 193 00:19:07,647 --> 00:19:12,451 う~ん この近江で召し抱えられた俺などには➡ 194 00:19:12,451 --> 00:19:16,122 どうにも 癇に障る連中だ。 195 00:19:16,122 --> 00:19:19,458 我が殿でさえ 我らと話をされる時には➡ 196 00:19:19,458 --> 00:19:22,128 尾張なまりは 口には出されん。 197 00:19:22,128 --> 00:19:26,465 それだけに 奥方様の尾張なまりは どうも 虫ずが走る。 198 00:19:26,465 --> 00:19:30,136 お国なまりが そんなに 癇に障るものですか。 199 00:19:30,136 --> 00:19:33,806 ぬしは 気にならぬか。 まるで気になりませぬ。 200 00:19:33,806 --> 00:19:36,142 お国なまりどころか 堺では➡ 201 00:19:36,142 --> 00:19:40,479 南蛮語や明国語とも 接しなければなりません。 202 00:19:40,479 --> 00:19:43,149 そんな言葉遣いで いちいち気にしていたら➡ 203 00:19:43,149 --> 00:19:45,084 とても暮らしていくことはできません。 204 00:19:45,084 --> 00:19:48,821 う~ん 俺の了見が狭いのかな。 あっ…。 205 00:19:48,821 --> 00:19:51,724 いや 堺っ子は 心が広い。 考えることも大きい。 206 00:19:51,724 --> 00:19:55,161 ぬしと接して 堺という町が分かったような気がするぞ。 207 00:19:55,161 --> 00:20:00,866 石田様。 奥方様が お帰りでございます。 おう。 うん。 208 00:20:02,501 --> 00:20:08,174 あっ 見事 安土の天主に 瓦を築き上げてみい。 209 00:20:08,174 --> 00:20:11,510 ぬしも 交易船を一艘 手に入れることができるぞ。 210 00:20:11,510 --> 00:20:14,213 そのぐらいは もうけねばな。 211 00:20:25,524 --> 00:20:27,860 うわっ! あいたたた…。 212 00:20:27,860 --> 00:20:32,565 大丈夫か? お前。 足が…。 213 00:20:34,200 --> 00:20:37,203 よいしょ。 親方! 214 00:20:41,874 --> 00:20:44,210 また ぬしは…。 215 00:20:44,210 --> 00:21:02,895 ♬~ 216 00:21:10,169 --> 00:21:13,072 瓦師の一観さんだね。 217 00:21:13,072 --> 00:21:15,074 あっ? 218 00:21:27,520 --> 00:21:32,391 念のために あなたのお国の言葉で書いた 書状も添えて➡ 219 00:21:32,391 --> 00:21:35,194 二度ほど差し出したはずですが➡ 220 00:21:35,194 --> 00:21:40,065 お手元には 届きませんでしたでしょうか。 221 00:21:40,065 --> 00:21:49,542 頂きました。 あなた様が 今井様の御寮様ですか? 222 00:21:49,542 --> 00:21:55,414 今日は そのご返事を伺いに来ました。 223 00:21:55,414 --> 00:22:04,056 書状に書き添えましたことのほかにも 望みがあれば かなうように計らいます。 224 00:22:04,056 --> 00:22:08,828 ご返事せぬのが ご返事のつもりでした。 225 00:22:08,828 --> 00:22:13,699 助左は 私が堺で困っている時に➡ 226 00:22:13,699 --> 00:22:17,169 私の瓦 買ってくれた人です。 227 00:22:17,169 --> 00:22:23,509 助左を見捨てれば 私が 仁を問われます。 228 00:22:23,509 --> 00:22:28,814 助左についても あの人の損にはならぬように計らいます。 229 00:22:30,850 --> 00:22:35,187 決して裏切りにはならぬように。 230 00:22:35,187 --> 00:22:42,528 助左の留守に こうして あなた方と会っていることも➡ 231 00:22:42,528 --> 00:22:44,863 裏切りだ! 232 00:22:44,863 --> 00:23:00,145 ♬~ 233 00:23:00,145 --> 00:23:05,150 お~い 飯だぞ~! (一同)お~! 234 00:23:10,489 --> 00:23:12,825 これから 舟で 高槻へ行くところだった。 235 00:23:12,825 --> 00:23:15,494 よかった 擦れ違いにならずに済んで…。 236 00:23:15,494 --> 00:23:17,429 (五右衛門)商いか? 高槻は。 うん。 237 00:23:17,429 --> 00:23:21,367 高山右近様から 一観の青瓦を見たい という お便りを頂いたので➡ 238 00:23:21,367 --> 00:23:23,369 それを届けに行くところだった。 239 00:23:23,369 --> 00:23:26,839 僅かな間に どんどん出世しているじゃないか。 240 00:23:26,839 --> 00:23:31,510 船が欲しいからな。 モニカ様とも お約束したんだ。 241 00:23:31,510 --> 00:23:36,181 俺が船を持ったら 共に海を越えると。 242 00:23:36,181 --> 00:23:40,519 あいつは もう死んだよ…。 えっ? 243 00:23:40,519 --> 00:23:47,393 死んだとしか思えんじゃないか。 これだけ捜し歩いて 見つからないんだ。 244 00:23:47,393 --> 00:23:51,864 ただただ捜し歩いたんだ あほうのように。 245 00:23:51,864 --> 00:23:54,767 もう くたびれた…。 246 00:23:54,767 --> 00:23:57,736 どこかに落ち着きたい。 247 00:23:57,736 --> 00:24:02,041 俺と長浜へ行かないか。 248 00:24:06,378 --> 00:24:09,148 本当は堺へ帰りたいところだろうが➡ 249 00:24:09,148 --> 00:24:13,819 モニカ様とのことがある以上 ぬしも あそこでは暮らせまい。 250 00:24:13,819 --> 00:24:17,156 どうだ 長浜へ来ないか。 251 00:24:17,156 --> 00:24:21,493 迷惑だろうが。 何が迷惑なものか。 252 00:24:21,493 --> 00:24:24,396 瓦の焼き仕事を手伝ってくれ。 253 00:24:24,396 --> 00:24:29,368 瓦師になれっていうのか? いや 職は 何でもいいさ。 254 00:24:29,368 --> 00:24:33,505 まあ 瓦師も悪くはないな。 255 00:24:33,505 --> 00:24:36,408 一観という 唐人の瓦師がいるんだ。 256 00:24:36,408 --> 00:24:41,847 その男に弟子入りして 青い瓦を焼く秘伝を授かるといい。 257 00:24:41,847 --> 00:24:44,850 ぬしの好きな銭も たまるぞ。 258 00:24:46,518 --> 00:24:51,190 モニカ様も許してくださる。 259 00:24:51,190 --> 00:24:58,063 ♬~ 260 00:24:58,063 --> 00:25:03,068 ぬしも だんだん忘れていくさ。 261 00:25:08,140 --> 00:25:13,812 生き霊も このごろは やっと取りつかなくなってきた。 262 00:25:13,812 --> 00:25:18,150 どこかで生きてると思うと つらいが➡ 263 00:25:18,150 --> 00:25:23,022 もう この世にいないもんだと思えば 気も楽になる。 264 00:25:23,022 --> 00:25:29,027 あいつに 撃たれた傷も このごろは やっと痛みも止まった。 265 00:25:30,729 --> 00:25:39,738 やり直すんだ。 ぬしが そのつもりなら やり直せる。 266 00:25:41,840 --> 00:25:44,743 長浜へ連れてってくれるか…。 267 00:25:44,743 --> 00:25:50,516 行こう なあ。 万事うまくいく。 268 00:25:50,516 --> 00:25:54,853 ぬしは いい船長になるだろうな…。 269 00:25:54,853 --> 00:26:01,660 どんな時化の中でも ぬしは みんなを安心させる。 270 00:26:01,660 --> 00:26:05,798 なりたいな そんな船長に。 271 00:26:05,798 --> 00:26:12,504 なれるとも。 ぬしの船は どんなことがあっても沈まんだろう。 272 00:26:14,139 --> 00:26:18,444 よし じゃあ 俺の船に乗るか。 273 00:26:20,813 --> 00:26:24,483 そうと話が決まったら すぐに この足で長浜へと言いたいところだが➡ 274 00:26:24,483 --> 00:26:27,820 1日だけ待ってくれ。 高槻への用を済ませて すぐに帰ってくる。 275 00:26:27,820 --> 00:26:31,690 高槻には 俺が行こう。 えっ? 276 00:26:31,690 --> 00:26:35,160 瓦を届けてくるぐらいなら 俺でも間に合うだろう。 277 00:26:35,160 --> 00:26:39,832 これでも 元飛脚番だ。 簡単な口上ぐらい言えるぞ。 278 00:26:39,832 --> 00:26:42,734 ご… 五右衛門 ぬし…。 279 00:26:42,734 --> 00:26:46,738 役に立ちたいんだ 何か…。 280 00:26:48,507 --> 00:26:51,410 行かしてくれ。 281 00:26:51,410 --> 00:26:55,113 じゃあ 頼んだぞ。 282 00:26:59,852 --> 00:27:04,690 少しきついだろうが 申の刻ごろまでに戻ってきてくれないか。 283 00:27:04,690 --> 00:27:08,127 ああ。 それを過ぎると 長浜へ帰れなくなるから。 284 00:27:08,127 --> 00:27:10,429 もっと早くに戻るよ。 285 00:27:12,798 --> 00:27:16,668 五右衛門。 うん? 286 00:27:16,668 --> 00:27:22,140 また 一緒に仕事ができるんだな。 287 00:27:22,140 --> 00:27:24,476 ああ。 288 00:27:24,476 --> 00:28:00,779 ♬~ 289 00:28:14,459 --> 00:28:19,131 (鐘の音) 290 00:28:19,131 --> 00:28:25,470 ♬~(ミサ曲) 291 00:28:25,470 --> 00:28:33,812 <摂津高槻の城下は 地上の楽園を目指す 若きキリシタン大名 高山右近の下で➡ 292 00:28:33,812 --> 00:28:38,150 ヨーロッパ色の強い町づくりが 行われていたことが➡ 293 00:28:38,150 --> 00:28:41,053 フロイスや そのほかの宣教師の書き残した➡ 294 00:28:41,053 --> 00:28:45,824 文献などによって うかがうことができる。➡ 295 00:28:45,824 --> 00:28:53,498 天正4年の復活祭には 近隣各地より 六百余名のキリシタンが祝宴に招かれ➡ 296 00:28:53,498 --> 00:28:57,836 西洋風の庭園には バラの花のアーチが作られ➡ 297 00:28:57,836 --> 00:29:01,106 人工の泉からは 絶え間なく水が湧き出て➡ 298 00:29:01,106 --> 00:29:05,777 キリシタンらは さまざまの形をした ちょうちんを持ち寄って➡ 299 00:29:05,777 --> 00:29:09,448 教会の森を飾ったという。➡ 300 00:29:09,448 --> 00:29:17,322 実に 戦国の世とは思えぬ奇跡の町が ここにはあった> 301 00:29:17,322 --> 00:29:22,461 (右近)思ったとおりの見事な瓦だ。 302 00:29:22,461 --> 00:29:24,796 信長公が お許しくだされば➡ 303 00:29:24,796 --> 00:29:29,468 我らが次に建立するつもりの セミナリオの屋根に用いたい。 304 00:29:29,468 --> 00:29:31,803 仰せのとおりに申し伝えます。 305 00:29:31,803 --> 00:29:35,674 信長公には またの折に お願いをしてみよう。 306 00:29:35,674 --> 00:29:40,479 ぬしも 復活祭のミサに 参列していかぬか? 307 00:29:40,479 --> 00:29:43,382 せっかくですが 帰りを急いでおりますので➡ 308 00:29:43,382 --> 00:29:46,351 これにて失礼させてもらいます。 無理には引き止めぬが➡ 309 00:29:46,351 --> 00:29:50,822 食だけはとっていくように。 今日は 特別に馳走が用意してある。 310 00:29:50,822 --> 00:29:53,525 ありがとうございます。 311 00:30:05,170 --> 00:30:09,508 こら どこから現れた! うっ 臭い! 312 00:30:09,508 --> 00:30:11,443 出ていかぬか! この化け物が! 313 00:30:11,443 --> 00:30:13,378 何をする! 314 00:30:13,378 --> 00:30:17,382 申し訳ございませぬ。 乞食が紛れ込みましたので➡ 315 00:30:17,382 --> 00:30:21,119 今 連れ出します。 待て! 316 00:30:21,119 --> 00:30:25,524 わざわざ訪ねてきた者を なぜ追い返す。 しかし…。 317 00:30:25,524 --> 00:30:31,229 神の御前では 乞食も大名も 等しく同じ人間なのだ。 318 00:30:34,199 --> 00:30:39,504 乱暴を許してくれ。 今日が復活祭と知って 来たのか? 319 00:30:41,073 --> 00:30:44,843 しからば 私が御堂まで案内してあげよう。 320 00:30:44,843 --> 00:30:46,778 さあ そなたの手を…。 321 00:30:46,778 --> 00:30:49,548 (番卒たち)殿 いけませぬ! 殿! 322 00:30:49,548 --> 00:30:54,252 さあ 遠慮はいらぬ。 323 00:31:11,803 --> 00:31:35,527 ♬~ 324 00:31:35,527 --> 00:31:37,462 はあ はあ はあ…! 325 00:31:37,462 --> 00:31:46,772 ♬~ 326 00:31:52,077 --> 00:31:54,079 モニカ…。 327 00:31:57,215 --> 00:32:01,086 (モニカ)お告げは当たった。 328 00:32:01,086 --> 00:32:05,023 高槻の復活祭に行けば➡ 329 00:32:05,023 --> 00:32:10,028 必ず お前に会わせてやるという お告げだった。 330 00:32:12,497 --> 00:32:17,369 信じて よかった…。 331 00:32:17,369 --> 00:32:22,507 今日という日を どんな思いで待ったか➡ 332 00:32:22,507 --> 00:32:26,178 お前には分かるまい。 333 00:32:26,178 --> 00:32:30,515 生きていたのか…。 死ねなかった! 334 00:32:30,515 --> 00:32:36,855 お前の顔を 一目見るまでは…。 335 00:32:36,855 --> 00:32:44,729 (泣き声) 336 00:32:44,729 --> 00:32:51,736 泣くな。 泣くな。 今 殺してやる…。 337 00:33:10,155 --> 00:33:16,495 初めから 俺なんぞに会わなければ よかったんだ。 338 00:33:16,495 --> 00:33:19,497 会いたかった…。 339 00:33:23,835 --> 00:33:27,172 お前は 覚えてるか? 340 00:33:27,172 --> 00:33:34,513 あの日は 堺の天主堂に 十字架をつり上げていた。 341 00:33:34,513 --> 00:33:40,852 お前は パーデレと共に それを見上げていたな。 342 00:33:40,852 --> 00:33:47,726 ところが その十字架をつっていた縄が 突然 切れた。 343 00:33:47,726 --> 00:33:56,201 お前は 飛び込んできて 私を助けてくれた…。 344 00:33:56,201 --> 00:34:00,505 私の代わりに けがをしてくれた。 345 00:34:03,008 --> 00:34:09,714 あの綱を切ったのが 悪魔というやつだ。 346 00:34:15,687 --> 00:34:23,161 私は悔やんでなどいない。 347 00:34:23,161 --> 00:34:28,833 この世に生を受けたことも➡ 348 00:34:28,833 --> 00:34:32,537 お前に会うたことも…。 349 00:34:37,175 --> 00:34:43,515 今 召されていくことも…。 350 00:34:43,515 --> 00:35:25,824 ♬~ 351 00:35:25,824 --> 00:35:36,167 お前… 助左のもとへ 代わりに行ってくれるのか…。 352 00:35:36,167 --> 00:35:39,504 そしたら 伝えてくれ。 353 00:35:39,504 --> 00:35:44,376 もう二度と再び 同じ船には乗れぬ。 354 00:35:44,376 --> 00:35:48,513 長浜へは行けなくなったと。 355 00:35:48,513 --> 00:35:53,385 モニカ! 伝えろよ! 356 00:35:53,385 --> 00:35:58,857 (鐘の音) (五右衛門)モニカ~! 357 00:35:58,857 --> 00:36:29,554 (鐘の音) 358 00:36:45,837 --> 00:36:48,139 遅いな…。 359 00:36:59,384 --> 00:37:02,320 何を眺めているの? 360 00:37:02,320 --> 00:37:04,322 あっ…。 361 00:37:04,322 --> 00:37:07,459 人を待っているんです。 362 00:37:07,459 --> 00:37:13,131 御寮様も よくご存じの男で。 誰かしら? 363 00:37:13,131 --> 00:37:15,467 五右衛門です あの。 364 00:37:15,467 --> 00:37:21,139 あの モニカ様をかどわかした…。 はい。 365 00:37:21,139 --> 00:37:24,809 長浜へ帰る舟に一緒に乗せると 約束をしたんで➡ 366 00:37:24,809 --> 00:37:27,145 こうして待っているんですが…。 367 00:37:27,145 --> 00:37:30,048 どこまで行ったの? 五右衛門は。 368 00:37:30,048 --> 00:37:36,354 高槻まで 私の代わりに行ってくれました。 右近様のところへ。 369 00:37:38,490 --> 00:37:44,362 高槻は 今日は復活祭で にぎやかでしょうね。 370 00:37:44,362 --> 00:37:51,836 復活祭というのは 何でございますか? バテレンの祭りでございますか? 371 00:37:51,836 --> 00:37:59,177 復活祭とは 十字架にかけられた神の子の よみがえりを祝うお祭りです。 372 00:37:59,177 --> 00:38:04,449 よみがえりとは… 再び生き返るということで? 373 00:38:04,449 --> 00:38:11,456 そう。 一度死んだ者が 再び よみがえってくること…。 374 00:38:13,124 --> 00:38:16,995 あ… 今日は そんな祭り日だったんですか。 375 00:38:16,995 --> 00:38:21,100 それじゃ あいつ 祭り見物でもしているのか…。 376 00:38:30,675 --> 00:38:34,145 今井の大元様が➡ 377 00:38:34,145 --> 00:38:38,483 お前に戻ってきてほしいとの 仰せなのだけれど➡ 378 00:38:38,483 --> 00:38:42,187 そんな気はないでしょうね。 379 00:38:45,356 --> 00:38:51,062 今井様の奉公人に戻るつもりは ございません。 380 00:38:55,834 --> 00:39:03,841 今井の交易船を一艘 お前に任せるという話なら どうかしら。 381 00:39:05,443 --> 00:39:11,115 一観の青瓦のことでございますね。 382 00:39:11,115 --> 00:39:13,117 ええ。 383 00:39:17,455 --> 00:39:24,128 御寮様 長浜で焼きました あの青瓦➡ 384 00:39:24,128 --> 00:39:30,134 一枚残らず 今井様へ お譲りするつもりでございました。 385 00:39:32,003 --> 00:39:38,676 天主の屋根瓦を請け負うておられるのは 今井様でございます。 386 00:39:38,676 --> 00:39:46,150 どうか あの青瓦 今井のものとして 要るだけ お使いくださいまし。 387 00:39:46,150 --> 00:39:51,489 手前どもは ただ 今井様のご注文に従って➡ 388 00:39:51,489 --> 00:39:56,494 瓦を焼いて 運ばせていただければ それで結構でございます。 389 00:39:59,831 --> 00:40:02,533 いかがでございましょう。 390 00:40:04,702 --> 00:40:09,173 ありがとう。 391 00:40:09,173 --> 00:40:14,512 そうしてもらえれば 今井の面目も立ちます。 392 00:40:14,512 --> 00:40:21,386 はい。 それじゃ そういうことで…。 393 00:40:21,386 --> 00:40:38,102 ♬~ 394 00:40:50,214 --> 00:40:53,217 霧が出てきたな。 395 00:40:54,886 --> 00:40:59,223 親方 そろそろ 舟出さねえと。 396 00:40:59,223 --> 00:41:04,228 そうだな。 もう そろそろ行かないと…。 397 00:41:26,184 --> 00:41:31,189 五右衛門のやつ… 気が変わったんだな。 398 00:41:35,526 --> 00:41:55,513 ♬~ 399 00:41:58,216 --> 00:42:01,819 モニカ様だ…。 今のは モニカ様だ! 400 00:42:01,819 --> 00:42:06,157 親方 何 独りで言ってるんだ? 401 00:42:06,157 --> 00:42:10,028 いや 今 ここを通っていった舟に 乗っていた人が…➡ 402 00:42:10,028 --> 00:42:12,497 知っているお人に よく似てたもんだから。 403 00:42:12,497 --> 00:42:15,400 擦れ違ったって… 何と? 404 00:42:15,400 --> 00:42:21,839 うん? だから 今 ここを 女人を乗せた舟が通り過ぎていったろ? 405 00:42:21,839 --> 00:42:24,509 舟なんか 通らなかったぜ。 406 00:42:24,509 --> 00:42:28,179 何を言っ…。 今 ここを通ってったじゃないか。 407 00:42:28,179 --> 00:42:32,884 いや。 誰も見ちゃいないですよ 舟も 女も。 408 00:42:36,053 --> 00:42:40,758 じゃあ 今の あれは… あれ 何だ? 409 00:42:43,528 --> 00:42:46,864 幽霊船だ…。 親方 幽霊船 見たんだ。 410 00:42:46,864 --> 00:42:49,534 おい! 念仏唱えた方がいいぞ。 411 00:42:49,534 --> 00:42:52,870 南無阿弥陀仏 南無阿弥陀仏…。 412 00:42:52,870 --> 00:42:58,743 <瞬間 助左は モニカの死を悟った。➡ 413 00:42:58,743 --> 00:43:04,148 同時に 復活祭という 異国の祭りの中に紛れ込んだきり➡ 414 00:43:04,148 --> 00:43:08,486 消えてしまった 五右衛門のことを思った…> 415 00:43:08,486 --> 00:43:15,827 ♬~ 416 00:43:15,827 --> 00:43:19,697 <助左衛門には 死んだモニカがよみがえって➡ 417 00:43:19,697 --> 00:43:26,170 五右衛門を 二度と戻れぬ世界へ 連れ去ってしまったように思えた> 418 00:43:26,170 --> 00:43:35,847 ♬~ 419 00:43:35,847 --> 00:43:38,149 五右衛門…。