1 00:00:02,169 --> 00:02:40,160 ♬~ 2 00:02:41,828 --> 00:03:26,907 ♬~ 3 00:03:26,907 --> 00:03:31,778 (秀吉)助左 呂宋へは いつ渡るつもりだ。 4 00:03:31,778 --> 00:03:36,917 (助左)はい。 来年の秋の風には 乗りたいと思っております。(秀吉)うん。 5 00:03:36,917 --> 00:03:39,820 それまで できるだけ 銭を蓄えて➡ 6 00:03:39,820 --> 00:03:43,590 こちらから持っていく品物を 買い込まねばなりません。 7 00:03:43,590 --> 00:03:46,259 今の仕事は どうだ。 もうかるか? 8 00:03:46,259 --> 00:03:50,130 はっ? はあ… まあまあです。 9 00:03:50,130 --> 00:03:53,934 姫路の播州米は 堺でも 評判がいいだろう。 10 00:03:53,934 --> 00:03:57,270 はい。 米は 評判がいいんですが…。 11 00:03:57,270 --> 00:04:00,874 もうけが少ないか。 あ… はい。 12 00:04:00,874 --> 00:04:04,544 少々 人を雇い過ぎたようでございます。 13 00:04:04,544 --> 00:04:09,216 ああ 初めて船長になって ちいと 見え 張り過ぎたかな。 14 00:04:09,216 --> 00:04:11,151 ハッハッハッハ! 15 00:04:11,151 --> 00:04:14,087 どうも 来る者来る者 皆 断り切れずに つい…。 16 00:04:14,087 --> 00:04:16,089 ああ 気持ちは分かる。 はあ。 17 00:04:16,089 --> 00:04:23,563 どうだ。 ここらで ひとつ 荒稼ぎしてみる気はないか? 18 00:04:23,563 --> 00:04:29,236 はい。 船が損傷せぬ程度でしたら 何でも…。 19 00:04:29,236 --> 00:04:31,905 いやいや そんな荒事をやれというんじゃない。 20 00:04:31,905 --> 00:04:38,578 ただ 米の… 米のな 買い付けをするだけだ。 21 00:04:38,578 --> 00:04:42,449 しかし それでは 今やっていることと 大して変わりはない…。 22 00:04:42,449 --> 00:04:47,254 同じ米でも 因幡の米だ。 23 00:04:47,254 --> 00:04:49,923 因幡の米? 24 00:04:49,923 --> 00:04:54,795 その気があるんなら すぐに若狭国へたて。 25 00:04:54,795 --> 00:04:56,796 はい。 26 00:04:56,796 --> 00:05:31,231 ♬~ 27 00:05:31,231 --> 00:05:39,573 <天正8年。 この年 播磨国の三木城を 兵糧攻めで陥落させた羽柴秀吉は➡ 28 00:05:39,573 --> 00:05:46,246 次の目標を 因幡国の鳥取城に定めて 行動を開始する。➡ 29 00:05:46,246 --> 00:05:51,918 後々まで 「三木の干殺しに 鳥取の渇泣かし」と語り継がれる➡ 30 00:05:51,918 --> 00:05:56,923 「鳥取兵粮戦」の幕が ここに切って落とされた> 31 00:05:58,592 --> 00:06:01,494 帆を下ろせ! おお~! 32 00:06:01,494 --> 00:06:09,502 (掛け声) 33 00:06:12,539 --> 00:06:14,541 着いたか。 34 00:06:18,211 --> 00:06:20,146 (彦助)船長。 うん? 35 00:06:20,146 --> 00:06:23,083 どえらいお方が 出迎えに見えたぞ。 36 00:06:23,083 --> 00:06:25,085 うん? 37 00:06:31,758 --> 00:06:35,228 (行長)おお また会えたな。 38 00:06:35,228 --> 00:06:37,530 小西様。 39 00:06:42,569 --> 00:06:46,239 (行長) 因幡鳥取の村々で買い付けた米は➡ 40 00:06:46,239 --> 00:06:50,911 この袋川と千代川の川舟を利用して 賀露まで運び➡ 41 00:06:50,911 --> 00:06:53,246 若狭へ積み出している。 42 00:06:53,246 --> 00:06:59,920 ははあ。 いや~ 鳥取の港は 出船入り船で 大変 にぎわっておりましたが➡ 43 00:06:59,920 --> 00:07:03,790 あれは 皆 この若狭から出た 米買い船でございましたか。 44 00:07:03,790 --> 00:07:06,726 鳥取から この小浜へ運ばれてくる米は➡ 45 00:07:06,726 --> 00:07:11,531 全て この小西が 一石 千5百文で買い上げている。 46 00:07:11,531 --> 00:07:13,466 えっ!? 一石 千5百文!? 47 00:07:13,466 --> 00:07:15,402 (一松)まさか! (文次)そんな高い米があるのか! 48 00:07:15,402 --> 00:07:19,205 今 一石 千5百文とおっしゃいましたか? 49 00:07:19,205 --> 00:07:21,141 そう言った。 50 00:07:21,141 --> 00:07:26,546 いや 堺や姫路では 一石 5百文が相場でございます。 51 00:07:26,546 --> 00:07:31,217 それを 千5百文で 扱っていらっしゃるんでございますか? 52 00:07:31,217 --> 00:07:33,553 (行長)鳥取の百姓たちから➡ 53 00:07:33,553 --> 00:07:37,424 仮に 相場の2倍の値で 買い上げてきたとしても➡ 54 00:07:37,424 --> 00:07:40,427 まだ 5百文のもうけが出ることになる。 55 00:07:40,427 --> 00:07:43,563 鳥取の港で 一石 千文する米が➡ 56 00:07:43,563 --> 00:07:48,234 小浜の港へ着けば たちまち 千5百文になるのだからな。 57 00:07:48,234 --> 00:07:53,907 10石運べば 5千文。 100石なら 50貫。 58 00:07:53,907 --> 00:07:58,778 五百石船を一往復させれば 2百50貫のもうけだ。 59 00:07:58,778 --> 00:08:00,714 2百50貫! 60 00:08:00,714 --> 00:08:03,516 これは ただの商いとは思われませぬ。 61 00:08:03,516 --> 00:08:08,188 決まり相場の3倍の値では 採算の合うはずもないし➡ 62 00:08:08,188 --> 00:08:12,859 進んで損に走る このような商いを なぜなさるのか お教えくださいまし。 63 00:08:12,859 --> 00:08:15,528 (行長)もとより 商いをやっているつもりはない。 64 00:08:15,528 --> 00:08:19,399 えっ? 商いでないとなると…。 65 00:08:19,399 --> 00:08:25,538 では この米の扱いは 一体 どのようなことでございますか。 66 00:08:25,538 --> 00:08:29,876 北陸の国々は この冬は 大飢饉で➡ 67 00:08:29,876 --> 00:08:34,214 多くの人々が 飢えと寒さの中で死んでいる。 68 00:08:34,214 --> 00:08:38,885 因幡の米は 全て そうした地方へ送り込んでいるのだ。 69 00:08:38,885 --> 00:08:41,788 この指図は 安土の上様より➡ 70 00:08:41,788 --> 00:08:45,558 我が主 筑前守様へ下知されてきたものだ。 71 00:08:45,558 --> 00:08:47,560 さようで…。 72 00:08:49,229 --> 00:08:52,565 末蔵。 (末蔵)へい。 73 00:08:52,565 --> 00:08:54,501 舵取りの末蔵という。 74 00:08:54,501 --> 00:09:00,206 鳥取の事情にも詳しい男ゆえ おことの配下に加えるといい。 75 00:09:04,511 --> 00:09:08,815 ああ。 あ… よろしく頼む。 76 00:09:54,561 --> 00:09:59,432 一石 5百文の米が 若狭へ運ぶだけで 千5百文だとよ。 77 00:09:59,432 --> 00:10:03,236 若狭中の船が 鳥取に押し寄せるのも 無理はねえよ。ああ。 78 00:10:03,236 --> 00:10:06,139 3倍のもうけだもんな。 そうだよな。 79 00:10:06,139 --> 00:10:10,143 はるばると瀬戸内 回って やって来た かいがあったっていうもんだよな。 80 00:10:11,911 --> 00:10:16,783 しかし 肝心の米は まだ残っているんだろうな。 81 00:10:16,783 --> 00:10:20,587 あれだけの米買い船が 間断なく 行き来したんじゃ➡ 82 00:10:20,587 --> 00:10:24,257 もう 因幡には 米は残っていないんじゃ ないかと心配になる。 83 00:10:24,257 --> 00:10:28,928 あらかた 底をついた頃かもしれねえな。 84 00:10:28,928 --> 00:10:30,864 えっ? 85 00:10:30,864 --> 00:10:38,271 百姓どもの余分な米は 残らず買い取られたに違いねえ。 86 00:10:38,271 --> 00:10:40,940 百姓のところには 米はない? 87 00:10:40,940 --> 00:10:44,277 まず 当てにはできねえでしょう。 88 00:10:44,277 --> 00:10:47,180 百姓のところに米がないというのは➡ 89 00:10:47,180 --> 00:10:51,150 もう どこにも 米はないということになるじゃないか。 90 00:10:51,150 --> 00:10:56,289 もう一つだけ ございます。 どこだ? 91 00:10:56,289 --> 00:10:58,625 鳥取城です。 92 00:10:58,625 --> 00:11:00,560 鳥取城? 93 00:11:00,560 --> 00:11:05,899 城内の兵糧米が残ってございます。 94 00:11:05,899 --> 00:11:08,902 兵糧米…。 (末蔵)へい。 95 00:11:11,771 --> 00:11:13,773 <織田方に寝返るか➡ 96 00:11:13,773 --> 00:11:19,245 毛利方の盾となって 秀吉の中国進攻を阻むか。➡ 97 00:11:19,245 --> 00:11:23,917 天下の二大勢力に挟まれた 因幡国 鳥取城では➡ 98 00:11:23,917 --> 00:11:29,789 城主の山名豊国と家臣団の間で 意見が分かれた。➡ 99 00:11:29,789 --> 00:11:33,593 毛利から織田方への寝返りを 主張する豊国に➡ 100 00:11:33,593 --> 00:11:35,929 家臣がついてこない。➡ 101 00:11:35,929 --> 00:11:39,265 豊国は しかたなく ただ一人➡ 102 00:11:39,265 --> 00:11:45,371 城も家来も捨てて 姫路の秀吉陣営に逃げ込んでしまった> 103 00:11:51,844 --> 00:11:58,851 <鳥取城は 主を失ったまま その年の冬を迎えていた> 104 00:12:14,567 --> 00:12:16,903 (権六)一粒もこぼすなよ。 そっとやれ そっと。 105 00:12:16,903 --> 00:12:18,905 (2人)へい。 106 00:12:25,245 --> 00:12:28,147 (新助)よう! ハハハハハッ! 107 00:12:28,147 --> 00:12:30,917 (権六)また お前か。 すまんな 忙しいところ。 108 00:12:30,917 --> 00:12:33,820 今日は これで ちょうど10人目だ。 いくら持ってきた。 109 00:12:33,820 --> 00:12:38,258 銭10文だ。 一体 どうなってるんだい。 110 00:12:38,258 --> 00:12:40,193 はい。 111 00:12:40,193 --> 00:12:44,130 米を持ってきて 銭に換えてくれ っていうなら 話は分かるが➡ 112 00:12:44,130 --> 00:12:46,933 台所の米を 銭で売ってくれっていうんだからな。 113 00:12:46,933 --> 00:12:50,603 この城の足軽たちは 変わってるぜ。 ほれ。 114 00:12:50,603 --> 00:12:55,475 2升は 10文だ。 ハハハハハッ! すまねえな。 115 00:12:55,475 --> 00:12:58,478 アハハッ! エヘヘヘ…。 116 00:12:58,478 --> 00:13:01,881 (彦助)はい 3升は30文。 117 00:13:01,881 --> 00:13:07,553 はい ご苦労さん。1升。 1升? 1升は10文。 118 00:13:07,553 --> 00:13:09,489 2升?1升。 1升か。 119 00:13:09,489 --> 00:13:14,427 1升。 1升。はい 10文。 120 00:13:14,427 --> 00:13:18,564 はいよ。1升。 1升。 121 00:13:18,564 --> 00:13:21,901 はい ご苦労さん。 はい 10文。 122 00:13:21,901 --> 00:13:28,775 3升。3升? 3升。 はい 30文。 123 00:13:28,775 --> 00:13:31,244 (新助)2升だ! 2升。➡ 124 00:13:31,244 --> 00:13:33,179 船長 銭がなくなった。 いくら? 125 00:13:33,179 --> 00:13:35,114 (彦助)2升。 2升か。 よし。 126 00:13:35,114 --> 00:13:38,418 はい 10文。はい 10文。 あと10文な。はい。 127 00:13:40,586 --> 00:13:43,489 はい 20文。 はい 20文。 はいよ。 128 00:13:43,489 --> 00:13:46,492 倍になった!ほら。 ああ…。 129 00:13:48,928 --> 00:13:52,265 はい いくら?1升。 1升。 はい 10文。 130 00:13:52,265 --> 00:13:55,168 米こぼすなよ 米。 米がこぼれてる。 もったいない もったいない。 拾え 拾え。 131 00:13:55,168 --> 00:13:57,870 (彦助)はい いくら? はい 10文。 132 00:14:00,073 --> 00:14:05,378 (彦助)2升。 はい 20文。 133 00:14:07,213 --> 00:14:11,918 (彦助)2升。 2升?はい なくなった。 134 00:14:16,556 --> 00:14:18,491 一石 千文? 135 00:14:18,491 --> 00:14:20,460 さよう。 136 00:14:20,460 --> 00:14:26,265 北陸の大飢饉のため あちらでは 米の値が 相当に高騰しておるらしい。 137 00:14:26,265 --> 00:14:32,138 う~む。 抜け目のない若狭の商人どもが 大挙して➡ 138 00:14:32,138 --> 00:14:36,275 米の買い付けに流れ込んできていることは 知っていたが➡ 139 00:14:36,275 --> 00:14:40,613 一石 千文もの高値が付いているとは 思わなかった。 140 00:14:40,613 --> 00:14:43,516 いや~ それが 若狭から北陸に売られる時には➡ 141 00:14:43,516 --> 00:14:47,286 一石が 千5百文にもなっているそうな。 142 00:14:47,286 --> 00:14:51,624 商人どもめ ボロもうけしおって。 143 00:14:51,624 --> 00:14:55,294 のう どうであろう…。 144 00:14:55,294 --> 00:15:00,133 この折に 城中の米を 少し 金銀に換えておくというのは…。 145 00:15:00,133 --> 00:15:04,904 兵糧米を売って 織田との一戦に支障はござらぬか。 146 00:15:04,904 --> 00:15:08,574 いや~ 冬の間は 織田軍も攻めてはこぬ。 147 00:15:08,574 --> 00:15:10,910 むしろ 織田との一戦に備えて➡ 148 00:15:10,910 --> 00:15:15,782 兵士たちに与える恩賞用の金銀を 増やしておいては いかがであろうか。 149 00:15:15,782 --> 00:15:22,522 な~に 因幡は 米どころ。 米の補給ならば すぐにつく。 150 00:15:22,522 --> 00:15:25,458 うん それはよい! 151 00:15:25,458 --> 00:15:48,614 ♬~ 152 00:15:48,614 --> 00:15:50,950 さあ 急げ 急げ。 153 00:15:50,950 --> 00:15:54,821 ああ いま少しだぞ。 急げ 急げ。 154 00:15:54,821 --> 00:16:04,897 ♬~ 155 00:16:04,897 --> 00:16:11,237 そこ 大丈夫か? よし。 おっと! 大丈夫か? 156 00:16:11,237 --> 00:17:14,133 ♬~ 157 00:17:14,133 --> 00:17:18,571 あ~ 畜生! ねずみ! 158 00:17:18,571 --> 00:17:22,441 おい! ねずみいるから 見つけたら ぶっ殺して! 159 00:17:22,441 --> 00:17:32,585 ♬~ 160 00:17:32,585 --> 00:17:35,254  心の声 どうも解せぬ…。➡ 161 00:17:35,254 --> 00:17:41,594 鳥取は いずれは 秀吉様の軍勢と 矛を交えねばならぬ相手ではないか。➡ 162 00:17:41,594 --> 00:17:47,466 その敵に 秀吉様は 莫大な金銀を流し込んでいる。➡ 163 00:17:47,466 --> 00:17:50,770 どういうおつもりなんだ…。 164 00:18:00,079 --> 00:18:04,550 そうか。 鳥取城中の米が動き出したか。 165 00:18:04,550 --> 00:18:08,888 まるで 米の川のように とめどなく城外へ流れ出しております。 166 00:18:08,888 --> 00:18:15,227 そのかわり こちらの金銀も 同様の量で 敵の懐中に吸い上げられておりますが。 167 00:18:15,227 --> 00:18:18,130 ああ 欲しいだけ 吸い上げさせてやれ。 168 00:18:18,130 --> 00:18:22,101 秋には こちらへ戻ってくる金だ。 169 00:18:22,101 --> 00:18:25,237 では ご出陣は 雪解けを待って…。 170 00:18:25,237 --> 00:18:28,541 まあまあまあ のんびりゆこう。 171 00:18:30,109 --> 00:18:35,247 荷駄のことだが 鉄砲 弾薬は それほど要らぬから➡ 172 00:18:35,247 --> 00:18:39,585 柵と櫓用の木材を た~んと運ばせてくれ。 173 00:18:39,585 --> 00:18:42,488 柵は どれほどの距離を 用意いたしましょう。 174 00:18:42,488 --> 00:18:47,259 そうさなあ… まあ 2里ほどもあればよいかな。 175 00:18:47,259 --> 00:18:49,195 2里も!? 176 00:18:49,195 --> 00:18:51,597 材木商の行列と見間違うか。 177 00:18:51,597 --> 00:19:00,906 アッハッハッハッハ! 178 00:19:02,541 --> 00:19:06,412 <天正9年3月18日。➡ 179 00:19:06,412 --> 00:19:09,215 秀吉軍の進撃に備えて➡ 180 00:19:09,215 --> 00:19:15,221 毛利側から 一人の指揮官が 鳥取城へ派遣されてくる> 181 00:19:20,559 --> 00:19:24,897 <己の首桶をかざして乗り込んできた 若き武将の名は➡ 182 00:19:24,897 --> 00:19:28,901 吉川式部少輔経家> 183 00:19:33,239 --> 00:19:36,575 <毛利家一門の中では 末端に属し➡ 184 00:19:36,575 --> 00:19:40,246 石見福光城という小城の主ながら➡ 185 00:19:40,246 --> 00:19:45,951 知勇共に優れ 武功も多き名将であった> 186 00:19:51,590 --> 00:19:54,493 (経家)あの山は? 187 00:19:54,493 --> 00:20:01,267 はて あれは… 黒木山か いや 帝釈山だったかな? 188 00:20:01,267 --> 00:20:05,137 え~ どちらかでござったのう。 189 00:20:05,137 --> 00:20:10,276 ハハハハ…。 いや~ あまり 由緒ある山ではございませぬゆえ➡ 190 00:20:10,276 --> 00:20:12,211 つい 失念つかまつりました。 191 00:20:12,211 --> 00:20:14,613 あの山の名を すぐに調べられよ。 192 00:20:14,613 --> 00:20:17,516 それはまた 何故に…。 193 00:20:17,516 --> 00:20:22,288 敵が本陣を構えるとならば あの山頂をおいてあるまい。 194 00:20:22,288 --> 00:20:24,223 敵の本陣になると? 195 00:20:24,223 --> 00:20:26,959 あの山頂からならば この城内を見下ろせる。 196 00:20:26,959 --> 00:20:30,663 さような事柄なれば 早速にも。 197 00:20:32,631 --> 00:20:36,302 しかし それにしても 聞きしに勝る堅城だ。 198 00:20:36,302 --> 00:20:39,972 たとえ 2万3万の大軍が押し寄せたとしても➡ 199 00:20:39,972 --> 00:20:41,907 この城は 決して落ちまい。 200 00:20:41,907 --> 00:20:47,847 ただ戦うだけのことなれば 我ら山名衆だけで 十分なのですが➡ 201 00:20:47,847 --> 00:20:53,519 秀吉の大軍を引き受ける 天下注目の戦ともなりますれば➡ 202 00:20:53,519 --> 00:20:58,324 こちらにも それにふさわしい旗印が 必要と心得まして➡ 203 00:20:58,324 --> 00:21:00,926 元春公には 是非とも➡ 204 00:21:00,926 --> 00:21:06,599 名門 吉川の姓のあるお方を 将として お遣わしくださるよう➡ 205 00:21:06,599 --> 00:21:09,935 特に お願いをした次第でございます。 206 00:21:09,935 --> 00:21:14,273 これこれ 中村氏。 そなたの そのような言い方では➡ 207 00:21:14,273 --> 00:21:19,145 まるで 経家様を ただの旗印代わりに お迎えしたように聞こえるではないか。 208 00:21:19,145 --> 00:21:21,947 決して そのようなつもりで 申したのではない。 209 00:21:21,947 --> 00:21:24,617 旗印で 本望。 210 00:21:24,617 --> 00:21:27,953 この城と備えがあれば 下手な作戦など 無用というものだ。 211 00:21:27,953 --> 00:21:29,889 いやいや そんな…。 212 00:21:29,889 --> 00:21:33,292 どうも 軽口が過ぎまして…。 213 00:21:33,292 --> 00:21:36,629 さて 倉を見せていただこうか。 214 00:21:36,629 --> 00:21:40,966 倉の検分なら 明日になさいませ。 そう。 そろそろ➡ 215 00:21:40,966 --> 00:21:45,304 宴の支度も整った頃でございますれば。 宴とは? 216 00:21:45,304 --> 00:21:50,643 経家様御一行 お迎えの酒宴でございます。 217 00:21:50,643 --> 00:21:54,947 宴など要らぬ。 倉へ ご案内いただこう。 218 00:22:07,927 --> 00:22:09,929 どうぞ。 219 00:22:25,945 --> 00:22:29,815 これが全ての金銀か。 220 00:22:29,815 --> 00:22:34,620 鳥取城に これほどの金銀財宝が 蓄えられているとは思わなかった。 221 00:22:34,620 --> 00:22:40,292 これで まず どんな戦になろうとも 恩賞には事欠きませぬ。 ハッハッハッハ。 222 00:22:40,292 --> 00:22:44,163 兵の士気も おのずから 高まるというものでございます。 223 00:22:44,163 --> 00:22:47,166 兵力 財力 共に不足なしか。 224 00:22:47,166 --> 00:22:49,468 頼もしい限りだ。 225 00:23:06,919 --> 00:23:09,588 この土蔵は? 226 00:23:09,588 --> 00:23:11,924 米蔵でございます。 227 00:23:11,924 --> 00:23:13,926 見よう。 228 00:23:33,612 --> 00:23:35,547 米は? 229 00:23:35,547 --> 00:23:40,286 おやおや 知らぬ間に すっかりなくなったな。 230 00:23:40,286 --> 00:23:43,622 ちと売り過ぎたかのう これは…。 231 00:23:43,622 --> 00:23:45,925 売った? 232 00:23:47,493 --> 00:23:51,964 (道誉)北陸の大飢饉のため 米の値が急騰いたしまして➡ 233 00:23:51,964 --> 00:23:56,835 これは 金銀に換えるには またとない機会だと思いまして➡ 234 00:23:56,835 --> 00:24:00,773 若狭からやって来た 米買い商人どもに➡ 235 00:24:00,773 --> 00:24:04,543 倍の値で 売りつけてやったのでございます。 236 00:24:04,543 --> 00:24:10,249 まあ 秋には また新米が入りますゆえ。 237 00:24:10,249 --> 00:24:13,552 秋には 戦は終わっている! 238 00:24:18,590 --> 00:24:23,262 米は すぐ買い戻せるか。 それは 造作もないことで。 239 00:24:23,262 --> 00:24:25,931 因幡は 米どころでございます。 240 00:24:25,931 --> 00:24:31,603 ほかのものはなくとも 米だけは余ってございます。 フフフ。 241 00:24:31,603 --> 00:24:34,606 それならばよいが…。 242 00:24:39,278 --> 00:24:42,281 ともかく すぐに買い戻すんだ。 243 00:24:45,150 --> 00:24:49,288 秀吉軍の鳥取来襲は この7月と見ている。 244 00:24:49,288 --> 00:24:51,957 その兵力は 三木城攻めと同様 2万。 245 00:24:51,957 --> 00:24:54,293 我らが兵力は 7,000。 246 00:24:54,293 --> 00:24:59,631 ここは 定石に従い 籠城策をもって 秀吉軍を迎え撃つ。 247 00:24:59,631 --> 00:25:06,238 恐れながら 殿が 秀吉軍来攻のめどを 7月と定められます➡ 248 00:25:06,238 --> 00:25:09,575 その根拠をお聞かせください。 249 00:25:09,575 --> 00:25:12,911 稲の伸び具合に合わせてくると見たのだ。 250 00:25:12,911 --> 00:25:15,247 稲の? うむ。 251 00:25:15,247 --> 00:25:18,584 敵は 青田をこねてくるだろう。 252 00:25:18,584 --> 00:25:22,921 <「青田をこね」とは 植え付けたばかりの田を踏みにじり➡ 253 00:25:22,921 --> 00:25:28,794 あるいは 伸びている稲に火を放って 敵側の食糧の供給を断ってしまう➡ 254 00:25:28,794 --> 00:25:31,930 干し殺しの戦法である> 255 00:25:31,930 --> 00:25:37,269 しかし 我らは 何も恐れることはない。 256 00:25:37,269 --> 00:25:39,605 我らは 必ずや勝つ。 257 00:25:39,605 --> 00:25:43,275 しかも 最も楽な戦法で 勝ちを収めることになろう。 258 00:25:43,275 --> 00:25:48,947 すなわち 敵が この城を包囲する 7月より数えて4か月間➡ 259 00:25:48,947 --> 00:25:51,283 つまり 10月まで➡ 260 00:25:51,283 --> 00:25:55,621 ただ一つのものを待って じっと籠城を続ければよいのだ。 261 00:25:55,621 --> 00:25:59,958 10月まで 何を待てと仰せられる。 262 00:25:59,958 --> 00:26:02,227 雪だ。 263 00:26:02,227 --> 00:26:04,163 雪? 264 00:26:04,163 --> 00:26:07,099 10月まで持ちこたえることができれば➡ 265 00:26:07,099 --> 00:26:11,236 11月の冬の風が 大量の雪を運んでくれる。 266 00:26:11,236 --> 00:26:16,909 包囲軍は 雪に埋もれるか 退却を迫られることになろう。 267 00:26:16,909 --> 00:26:20,779 敵が退却を開始したら その時こそ 打って出る。➡ 268 00:26:20,779 --> 00:26:26,585 退却軍を追い打ちするほど 楽な戦はない。➡ 269 00:26:26,585 --> 00:26:30,923 しかし 秀吉も 雪のことは 計算に入れてくるだろう。➡ 270 00:26:30,923 --> 00:26:35,260 恐らく 10月になれば 2万の大軍の総攻撃が相次ぐに違いない。 271 00:26:35,260 --> 00:26:43,135 その時こそ 西国一堅牢な この城の壁が ものを言うことになる。 272 00:26:43,135 --> 00:26:48,807 播磨の三木城が 足かけ3年の兵糧攻めに 耐えたことを思えば➡ 273 00:26:48,807 --> 00:26:54,613 我らは 僅か4か月の籠城で 勝ちを この手に収めることができる。 274 00:26:54,613 --> 00:27:01,420 各将 末端の者に至るまで くれぐれも 備えに怠りなきよう➡ 275 00:27:01,420 --> 00:27:04,223 おのおの方より 手本を示されよ。 276 00:27:04,223 --> 00:27:06,158 (一同)ははっ! 277 00:27:06,158 --> 00:27:08,093 (馬のいななき) 278 00:27:08,093 --> 00:27:11,096 <6月25日。➡ 279 00:27:11,096 --> 00:27:14,399 羽柴秀吉は 姫路を出馬した> 280 00:27:19,571 --> 00:27:26,278 <秀吉率いる2万の大軍は 但馬の山道を分け 因幡へ迫る> 281 00:27:28,247 --> 00:27:30,582 3千石!? 282 00:27:30,582 --> 00:27:33,485 まだ 3千石の米しか 城中には ないというのか! 283 00:27:33,485 --> 00:27:36,455 はっ。 八方 手は尽くしたのでございます。 284 00:27:36,455 --> 00:27:44,129 城中の台所方の者を使って 近在の村々に 米の買い付けに走らせたのですが➡ 285 00:27:44,129 --> 00:27:48,600 予想の外に どこを回っても 余分の米がなく➡ 286 00:27:48,600 --> 00:27:52,271 百姓たちも 己の分は 手放そうとはいたしませぬ。 287 00:27:52,271 --> 00:27:56,608 台所方の者たちには いくらで 買いに走らせた。 288 00:27:56,608 --> 00:28:00,479 それは 相場で…。 相場とは? 289 00:28:00,479 --> 00:28:04,182 一石 5百文で。 290 00:28:06,885 --> 00:28:10,756 若狭の商人たちが 一石 千文で買い上げていったあとに➡ 291 00:28:10,756 --> 00:28:14,226 その半値で売る者がいると思うか! 292 00:28:14,226 --> 00:28:17,563 なぜ 5倍10倍の値を付けても 買い取ってこぬ! 293 00:28:17,563 --> 00:28:20,232 おことらは それほどに 城の金銀が惜しいのか! 294 00:28:20,232 --> 00:28:25,571 失礼ながら よそ者であそばされる経家様とは➡ 295 00:28:25,571 --> 00:28:29,241 これは 立場の違いもあろうかと存じます。 296 00:28:29,241 --> 00:28:31,577 我ら 山名の家臣にとりまして➡ 297 00:28:31,577 --> 00:28:36,882 山名の財宝を守り 管理するのが 我らの責任でございます! 298 00:28:38,450 --> 00:28:42,588 財宝は 常に 勝者のものぞ! 299 00:28:42,588 --> 00:28:46,291 負ければ 全てが 敵の手に渡ってしまうのだ。 300 00:28:50,462 --> 00:28:56,935 今 城中には 7,000人からの 兵とその家族が籠もっている。 301 00:28:56,935 --> 00:29:01,206 7,000人が一日に使う米は 少なく見積もっても 40石。 302 00:29:01,206 --> 00:29:05,077 4か月で 4千8百石の兵糧米が要る。 303 00:29:05,077 --> 00:29:08,080 それが まだ 3千石しかない…。 304 00:29:08,080 --> 00:29:11,850 3千石では 3か月ももたぬ。 305 00:29:11,850 --> 00:29:16,855 あとの ひとつき かすみでも食って戦う気か! 306 00:29:20,225 --> 00:29:34,773 ♬~ 307 00:29:34,773 --> 00:29:39,911 まず 石見の我が父 経安から 銀子 百枚を受け取り➡ 308 00:29:39,911 --> 00:29:43,248 その金をもって 出雲の元春公のもとに行き➡ 309 00:29:43,248 --> 00:29:49,254 窮状を訴えて兵糧米を運んでくださるよう お願いしてくれ。 310 00:29:51,923 --> 00:29:55,594 武器は要らぬ。 米だけでよい。 それも できるだけ早く。 311 00:29:55,594 --> 00:29:57,529 かしこまりました。 312 00:29:57,529 --> 00:30:01,466 しかし 金子のことならば 国元に ご無心あそばさずとも➡ 313 00:30:01,466 --> 00:30:04,603 この城の金銀を お使いあそばしても よろしいのではございませぬか。 314 00:30:04,603 --> 00:30:09,274 いや この城の金子には 手をつけたくない。 315 00:30:09,274 --> 00:30:12,944 即刻 たて。 秀吉は もう目前に迫っている。 316 00:30:12,944 --> 00:30:15,247 はっ! 早速 支度を。 317 00:30:18,817 --> 00:30:21,620 孫次郎。 (孫次郎)はっ。 318 00:30:21,620 --> 00:30:25,290 賀露の港には もう 米買い船は残っていまいな。 319 00:30:25,290 --> 00:30:27,959 (孫次郎)あらかた 若狭へ たってしまいましたが➡ 320 00:30:27,959 --> 00:30:32,831 時化で 足止めを食っている船が 二~三艘は 残っているようでございます。 321 00:30:32,831 --> 00:30:36,968 無駄でも行ってみるか 賀露まで。 322 00:30:36,968 --> 00:30:38,904 (孫次郎)はっ! 323 00:30:38,904 --> 00:31:00,592 ♬~ 324 00:31:05,931 --> 00:31:08,233 船長~! 325 00:31:10,802 --> 00:31:13,805 秀吉様の大軍が 鳥取に現れたそうだ。 326 00:31:13,805 --> 00:31:16,274 もう そんな所まで来てるのか。 327 00:31:16,274 --> 00:31:19,611 帆を上げよう。 まだ荒れてるしな 沖は。 328 00:31:19,611 --> 00:31:23,281 戦に巻き込まれるぞ! グズグズしてたら! 329 00:31:23,281 --> 00:31:26,618 よし 船出するか。 330 00:31:26,618 --> 00:31:30,956 戦か波かと言われりゃ 波の方が まだましだろう。 331 00:31:30,956 --> 00:31:34,259 おう みんな 船出の支度を! (一同)へい! 332 00:31:39,297 --> 00:31:42,300 ありゃ どこの侍だ? こっちに やって来るぞ。 333 00:31:51,877 --> 00:31:53,845 船長は どこにおる。 334 00:31:53,845 --> 00:31:55,847 はい。 335 00:31:58,650 --> 00:32:01,920 船長は 私でございます。 336 00:32:01,920 --> 00:32:04,823 米を譲ってもらいたい。 337 00:32:04,823 --> 00:32:08,794 はあ… せっかくではございますが➡ 338 00:32:08,794 --> 00:32:14,266 この船の米は 全て 若狭の米問屋へ 運んでまいりますものでございます。 339 00:32:14,266 --> 00:32:17,936 知っている。 そこをまげて頼みたい。 340 00:32:17,936 --> 00:32:21,807 そのかわり 一石につき 3千文出そう。 341 00:32:21,807 --> 00:32:24,810 3千文? 3千文!? 342 00:32:26,611 --> 00:32:29,514 何 迷ってる。 売ると言え 売ると。 343 00:32:29,514 --> 00:32:32,951 この時化だ。 荷は できるだけ軽くしてった方がいい。 344 00:32:32,951 --> 00:32:36,288 よいな。 もろうていくぞ。 なりません。 345 00:32:36,288 --> 00:32:38,957 3千文で 不服なのか。 346 00:32:38,957 --> 00:32:42,828 なんの… なんの3千文に 不足がございましょう。 347 00:32:42,828 --> 00:32:48,967 ただ この船の米は 全て 買い手が決まっております。 348 00:32:48,967 --> 00:32:51,636 一度決まったものを 勝手に かえるわけにはまいりません。 349 00:32:51,636 --> 00:32:57,309 下郎! ご城主様に向かって 対等の口をきくか! 350 00:32:57,309 --> 00:32:59,311 ご城主…。 351 00:33:04,583 --> 00:33:09,254 たとえ… たとえ どなた様であろうとも➡ 352 00:33:09,254 --> 00:33:15,260 商いの掟を曲げてまで ものを売ることはできません。 353 00:33:17,929 --> 00:33:20,632 しからば やむをえぬ。 354 00:33:24,269 --> 00:33:27,172 商人には 商いの掟に従い➡ 355 00:33:27,172 --> 00:33:32,944 金子をもって譲り受けたいと申し出たが それができぬとなれば 致し方ない。 356 00:33:32,944 --> 00:33:36,615 力ずくででも もろうていくぞ。 357 00:33:36,615 --> 00:33:39,517 盗賊に早変わりでございますか。 358 00:33:39,517 --> 00:33:42,954 ぬかしたな! 待てい! 359 00:33:42,954 --> 00:33:47,826 もはや 商いの相手となるつもりはない。 ここは戦場だ。 360 00:33:47,826 --> 00:33:52,297 我に味方せぬ者は 全て 敵と見なして 成敗する。 361 00:33:52,297 --> 00:33:55,300 戦場のならいと思え。 362 00:34:03,241 --> 00:34:08,580 どうする。 我らに味方して 米を運ぶか。 363 00:34:08,580 --> 00:34:11,583 それとも この場で 命を落とすか。 364 00:34:22,928 --> 00:34:29,634 はい… 仰せに従いましょう。 365 00:34:32,604 --> 00:34:35,941 皆 米を降ろせ。 366 00:34:35,941 --> 00:34:38,944 (一同)へい。 おい 米 降ろせ。 367 00:34:56,628 --> 00:35:01,333  心の声 これが 毛利方から来たという 吉川経家か…。 368 00:35:04,436 --> 00:35:06,438  心の声 それにしても➡ 369 00:35:06,438 --> 00:35:10,909 城主自ら 米買いに走り回るとは どういうことだ。➡ 370 00:35:10,909 --> 00:35:16,915 城中には そんなに 米が不足しているのか。 371 00:35:21,920 --> 00:35:24,222 (彦助)あれは 何だ? 372 00:35:27,592 --> 00:35:30,495 何か 燃えたものが近づいてくるぞ。 373 00:35:30,495 --> 00:35:33,264 火舟だ。 えっ! 374 00:35:33,264 --> 00:35:36,167 火舟だ! 火舟が来たぞ! 375 00:35:36,167 --> 00:35:40,138 舟を岸へ寄せろ! へい! 376 00:35:40,138 --> 00:35:43,441 おい 急げ! ぶつかるぞ! おい 急げ! 377 00:35:48,279 --> 00:35:50,281 (銃声) 378 00:36:07,232 --> 00:36:14,539 (喚声) 379 00:36:17,876 --> 00:36:19,878 逃げろ! 380 00:36:54,279 --> 00:36:58,283 殿! 早く! 早く 逃げあそばせ! 381 00:37:10,228 --> 00:37:12,931 (銃声) 382 00:37:15,567 --> 00:37:17,569 (銃声) 383 00:37:32,584 --> 00:37:35,286 おお 手伝ってくれ。 384 00:37:45,597 --> 00:37:48,266 ああ すまぬ。 385 00:37:48,266 --> 00:37:50,602 (銃声) あっ! 386 00:37:50,602 --> 00:37:52,537 うう~っ! 387 00:37:52,537 --> 00:37:54,839 (喚声) 388 00:38:03,181 --> 00:38:05,183 あああ~っ! 389 00:38:12,857 --> 00:38:15,226 さあ 起きろ。 私に構わず…。 390 00:38:15,226 --> 00:38:17,929 そうはいかぬ。 さあ! 391 00:38:35,914 --> 00:38:39,784 殿! 我らが殿だ! 392 00:38:39,784 --> 00:38:41,786 味方か。 はい。 393 00:38:41,786 --> 00:38:44,589 後方の敵を追い散らし 味方を助けよ! 394 00:38:44,589 --> 00:38:46,891 はっ! 行け! (一同)はっ! 395 00:38:49,460 --> 00:38:51,930 手当てをしてやれ。 鉄砲玉を受けている。 396 00:38:51,930 --> 00:38:53,932 はっ! (2人)はっ! 397 00:39:01,739 --> 00:39:05,743 敵は 秀吉勢か。 はい。 398 00:39:07,412 --> 00:39:10,114  心の声 なんてことだ…。 399 00:39:13,218 --> 00:39:18,890 <7月12日未明 2万の秀吉軍は 霧のような静けさで➡ 400 00:39:18,890 --> 00:39:22,594 因幡 鳥取城下に流れ込んできた> 401 00:39:27,232 --> 00:39:30,902 これで 2里はある。➡ 402 00:39:30,902 --> 00:39:36,774 この線に沿って柵を打ち 塹壕を掘るんだ。 403 00:39:36,774 --> 00:39:42,247 囲み線の10丁ごとに 100人ぐらいが寝起きできる 櫓をつくる。 404 00:39:42,247 --> 00:39:45,917 更に 5丁ごとに 物見の櫓を築いて➡ 405 00:39:45,917 --> 00:39:50,255 昼夜交代で 城からの抜け出しを監視する。 406 00:39:50,255 --> 00:39:54,926 更にだ 袋川の辺りには 乱杭 逆茂木を打ち➡ 407 00:39:54,926 --> 00:40:00,265 水底には縄網を張って 兵糧舟の運航を断つ。 408 00:40:00,265 --> 00:40:03,935 夜は かがり火を 万灯のように 赤々と照らし➡ 409 00:40:03,935 --> 00:40:07,272 抜け出す者あらば 容赦なく 鉄砲を射かけ➡ 410 00:40:07,272 --> 00:40:12,610 ねずみ一匹 あり一匹たりとも 城の外へ出してはならぬ! 411 00:40:12,610 --> 00:40:16,314 <秀吉の兵糧攻めは 徹底を極めた> 412 00:40:27,158 --> 00:40:38,870 はあ はあ はあ…。 413 00:40:47,512 --> 00:40:49,514 うっ! 414 00:40:53,251 --> 00:41:04,562 はあ はあ はあ…。 415 00:41:36,828 --> 00:41:39,530 どこだ…? 416 00:41:41,632 --> 00:41:43,634 どこだ? 417 00:42:02,253 --> 00:42:05,256 (カラスの鳴き声) 418 00:42:11,596 --> 00:42:15,299 (カラスの鳴き声) 419 00:42:24,942 --> 00:42:27,245 敵陣か…。 420 00:42:34,285 --> 00:42:49,300 ♬~ 421 00:42:49,300 --> 00:42:53,638 <人肉をむしり食らったという 記録まで残す➡ 422 00:42:53,638 --> 00:42:57,975 戦国史上 類を見ない 壮絶な兵糧攻めの一戦が➡ 423 00:42:57,975 --> 00:43:00,745 この日から始まってゆく。➡ 424 00:43:00,745 --> 00:43:02,680 この戦いが➡ 425 00:43:02,680 --> 00:43:08,252 あれほど悲惨な飢餓地獄の様相を 呈していくことになろうとは➡ 426 00:43:08,252 --> 00:43:11,923 鳥取城中に閉じ込められた助左も…➡ 427 00:43:11,923 --> 00:43:15,259 それを包囲する秀吉ですらも…➡ 428 00:43:15,259 --> 00:43:19,597 今は 夢にも思ってはいなかった> 429 00:43:19,597 --> 00:43:32,310 ♬~