1 00:00:02,102 --> 00:02:41,094 ♬~ 2 00:03:20,467 --> 00:03:42,522 ♬~ 3 00:03:42,522 --> 00:03:44,858 (助左衛門)着いた…。 4 00:03:44,858 --> 00:03:47,861 長崎へ着いた。 5 00:03:52,199 --> 00:03:57,537 <天正13年7月 盂蘭盆の夜。➡ 6 00:03:57,537 --> 00:04:03,243 助左衛門は 五島から 長崎へ たどりつく> 7 00:04:29,836 --> 00:04:31,838 ああ…。 8 00:04:37,177 --> 00:04:39,179 あれは!? 9 00:04:42,849 --> 00:04:45,552 イスパニアの船だ! 10 00:04:50,524 --> 00:04:52,859 <長崎港を開いたのは➡ 11 00:04:52,859 --> 00:04:56,530 ポルトガルの宣教師の ベルシオール・デ・フィゲレイドと➡ 12 00:04:56,530 --> 00:04:59,866 ポルトガル船の航海士たちである。➡ 13 00:04:59,866 --> 00:05:04,704 元亀2年 1571年の開港以来➡ 14 00:05:04,704 --> 00:05:09,142 長崎とマカオの間には 定期航路が開かれ➡ 15 00:05:09,142 --> 00:05:13,480 肥前の名もない漁村の浜でしかなかった 長崎は➡ 16 00:05:13,480 --> 00:05:16,149 南蛮の富と文化によって➡ 17 00:05:16,149 --> 00:05:21,021 たちまちのうちに 日本第一の国際港に豹変し➡ 18 00:05:21,021 --> 00:05:28,728 以後も 我が国の南蛮貿易の拠点として 繁栄を続けていた> 19 00:05:31,498 --> 00:05:34,834 (孫七)「孟子」か。 はい。 20 00:05:34,834 --> 00:05:37,504 「孟子」は 評判が悪かけんねえ…。 21 00:05:37,504 --> 00:05:42,375 いや あの 堺までの船賃と飯代に 少々 色をつけてくれれば➡ 22 00:05:42,375 --> 00:05:45,178 それでいいんで なんとか ひとつ…。 23 00:05:45,178 --> 00:05:47,848 どこで手に入れたと? こげん難しか書物ば。 24 00:05:47,848 --> 00:05:50,750 はっ…。 25 00:05:50,750 --> 00:05:56,189 形見で 父親の…。 26 00:05:56,189 --> 00:05:58,525 形見ねえ…。 27 00:05:58,525 --> 00:06:02,395 (笑い声) 28 00:06:02,395 --> 00:06:07,334 まあ 5百文だったら引き受けていいが それ以上 出せんね。 29 00:06:07,334 --> 00:06:09,803 いや それで結構です。 それで 結構です。 30 00:06:09,803 --> 00:06:14,140 あの~ イスパニア人ですか? あそこにいる船乗りたちは。 31 00:06:14,140 --> 00:06:18,478 そうです。 呂宋のマイニラから来た イスパニア人です。 32 00:06:18,478 --> 00:06:22,816 ポルトガル人とは仲が悪かけん こっちも 区別するのに往生しています。 33 00:06:22,816 --> 00:06:25,719 はあ…。 (イスパニア語) 34 00:06:25,719 --> 00:06:28,421 (孫七のイスパニア語) 35 00:06:34,828 --> 00:06:36,763  心の声 知らなかった。➡ 36 00:06:36,763 --> 00:06:42,469 長崎は 既に マイニラと交易航路を開いていたのか…。 37 00:06:47,841 --> 00:06:49,776 <同じ7月。➡ 38 00:06:49,776 --> 00:06:53,179 内大臣正二位の羽柴秀吉は➡ 39 00:06:53,179 --> 00:06:58,184 従一位に叙され 関白の位につく> 40 00:06:59,853 --> 00:07:04,457 <関白職は 長年 藤原氏の独占物であったが➡ 41 00:07:04,457 --> 00:07:06,793 秀吉は これを得るために➡ 42 00:07:06,793 --> 00:07:10,664 前関白 近衛前久の猶子となり➡ 43 00:07:10,664 --> 00:07:16,469 姓も藤原と改めての 強引な叙任であった> 44 00:07:16,469 --> 00:07:29,049 ♬~ 45 00:07:29,049 --> 00:07:32,485 <秀吉の関白就任に伴って➡ 46 00:07:32,485 --> 00:07:38,491 石田三成も 従五位下 治部少輔に任ぜられる> 47 00:07:48,835 --> 00:07:52,172 <名実共に 政権の座についた秀吉は➡ 48 00:07:52,172 --> 00:07:55,842 早速 御伽衆の大村由己に命じて➡ 49 00:07:55,842 --> 00:08:01,114 「関白任官記」と題する 自らの生い立ちの記を書かせる。➡ 50 00:08:01,114 --> 00:08:07,787 それによると 関白 秀吉公の祖父は 萩中納言という公家であったが➡ 51 00:08:07,787 --> 00:08:10,690 同僚の陰謀に遭って 都を追われ➡ 52 00:08:10,690 --> 00:08:16,129 尾州飛保の村雲という在所に わび住まいをしていた。➡ 53 00:08:16,129 --> 00:08:19,032 中納言には 一人の娘がいたが➡ 54 00:08:19,032 --> 00:08:24,471 父の縁故で 幼い頃 京に上り 宮仕えすること3年➡ 55 00:08:24,471 --> 00:08:29,342 程なく この娘が身重になって 村へ帰されてきた。➡ 56 00:08:29,342 --> 00:08:34,481 そして生まれたのが 秀吉公であるという。➡ 57 00:08:34,481 --> 00:08:38,818 暗に 天子の御落胤であるぞと いわんばかりの➡ 58 00:08:38,818 --> 00:08:41,488 でたらめの一代記であった> 59 00:08:41,488 --> 00:08:45,825 (秀吉)「上様! わしゃ… 使ってくだされ 猿と申す者でござる!➡ 60 00:08:45,825 --> 00:08:48,828 顔は このようでも なかなか気品がある!」。 61 00:08:50,497 --> 00:08:53,199 (由己)「雷動き 風行く…」。 62 00:08:55,835 --> 00:08:58,505 <「関白任官記」を書き上げた由己は➡ 63 00:08:58,505 --> 00:09:03,777 大名や家臣の集まる席上で 「太平記」読みさながらに➡ 64 00:09:03,777 --> 00:09:10,450 張り扇を使い 節回し面白く この読み本を披露している> 65 00:09:10,450 --> 00:09:13,787 (由己)「讒言によりて 遠流に処せられ➡ 66 00:09:13,787 --> 00:09:19,492 尾州飛保村雲という所に 謫居を卜し 春秋を送る」! 67 00:09:21,127 --> 00:09:29,803 (秀吉)米の値を 全国津々浦々 平均にし 銭の価値を統一させる。➡ 68 00:09:29,803 --> 00:09:36,476 これができぬうちは 天下が統一したとは言えん。 69 00:09:36,476 --> 00:09:38,478 (三成)はい。 70 00:09:40,346 --> 00:09:44,350 大坂は そのために つくった。 71 00:09:44,350 --> 00:09:50,023 仰せのとおり 国々の余剰米は 全て 大坂に運び込ませ➡ 72 00:09:50,023 --> 00:09:57,163 この大坂で 銭に換えさせております。 また 米の不足している国々からは➡ 73 00:09:57,163 --> 00:10:02,035 銭が大坂に流れ込み 当地より 米を運び出しております。 74 00:10:02,035 --> 00:10:09,175 既に 天下六十余州のうち二十四国は 殿の傘下にあり➡ 75 00:10:09,175 --> 00:10:11,845 それらの国々の銭と米が➡ 76 00:10:11,845 --> 00:10:14,747 一つの大河となって 大坂に流れ込んでおります。 77 00:10:14,747 --> 00:10:19,185 その二十四国の銭と米を一つにしても なお及び難いのが➡ 78 00:10:19,185 --> 00:10:22,889 東海 関東の米と 堺の銭だ。 79 00:10:24,524 --> 00:10:29,195 東国の米は 家康という盾に せき止められ➡ 80 00:10:29,195 --> 00:10:35,068 堺の富は 町の三方に巡らされた深い堀で 守られておる。 81 00:10:35,068 --> 00:10:43,743 東国の米と堺の銭 この2つを大坂へ向けさせぬうちは➡ 82 00:10:43,743 --> 00:10:48,214 天下の流通は いつまでも一つにはならん。 83 00:10:48,214 --> 00:10:50,884 はい。 84 00:10:50,884 --> 00:10:58,758 これから申し述べることについては 向こう1年間は ほかに漏らさぬよう➡ 85 00:10:58,758 --> 00:11:03,463 おこと一人の胸に おさめておいてもらいたい。 86 00:11:03,463 --> 00:11:05,465 はっ。 87 00:11:08,368 --> 00:11:12,071 堺の堀を埋めてしまう。 88 00:11:15,074 --> 00:11:18,511 来年の間に…➡ 89 00:11:18,511 --> 00:11:23,216 堺の堀を埋めてしまうのだ。 90 00:11:26,386 --> 00:11:30,857 おことには 来年の春より 松井友閑に代わって➡ 91 00:11:30,857 --> 00:11:35,194 堺の奉行を務めてもらう。 92 00:11:35,194 --> 00:11:41,067 …では それがしに 堺の堀を埋めよと。 93 00:11:41,067 --> 00:11:44,537 この任は おことをおいて ほかにない。 94 00:11:44,537 --> 00:11:51,878 いえ… それがしにも その任ばかりは できかねます。 95 00:11:51,878 --> 00:11:54,547 堺の堀を埋めるということは➡ 96 00:11:54,547 --> 00:11:58,418 堺の町の消滅につながる 一大事にございます。 97 00:11:58,418 --> 00:12:04,157 まず 誇り高い あの堺の商人どもが 承服いたしますまい。 98 00:12:04,157 --> 00:12:06,492 無理に埋め立てを強行すれば➡ 99 00:12:06,492 --> 00:12:10,830 永禄11年の二の舞に相なること 必至にございます。 100 00:12:10,830 --> 00:12:13,166 フフフ…。 101 00:12:13,166 --> 00:12:21,040 戦はせずとも 布石は ちゃんと打ってある。 102 00:12:21,040 --> 00:12:24,177 布石とは…。 103 00:12:24,177 --> 00:12:28,047 一石二鳥の布石をな。 104 00:12:28,047 --> 00:12:30,850 ハハハハハハ…。 105 00:12:30,850 --> 00:12:34,153 ウッハッハッハッハ! 106 00:12:40,193 --> 00:12:42,862 (宗薫)美緒を大坂へ差し出せと…。 107 00:12:42,862 --> 00:12:47,200 まあ これで 今井さんのお家は ご安泰。 108 00:12:47,200 --> 00:12:51,537 まことにもって おめでたきお話ではございませんか。 109 00:12:51,537 --> 00:12:53,873 関白殿には➡ 110 00:12:53,873 --> 00:12:58,544 美緒が 今井宗薫の女房であることを ご承知の上での ご所望でございますか。 111 00:12:58,544 --> 00:13:01,247 無論 ご承知ですとも。 112 00:13:04,350 --> 00:13:07,820 今井の女房であることを承知の上で➡ 113 00:13:07,820 --> 00:13:10,723 なおも 愛妾に召し出せと…。 114 00:13:10,723 --> 00:13:15,161 諦めが肝心でしょうな。 115 00:13:15,161 --> 00:13:19,499 災い転じて福となす例えもある。 116 00:13:19,499 --> 00:13:22,835 まあ 美緒殿とそちらとは➡ 117 00:13:22,835 --> 00:13:29,709 今は夫婦でも 元は 兄妹として お育ちになられた間柄。 118 00:13:29,709 --> 00:13:37,383 まあ 妹を差し出すおつもりなら 諦めもつくでしょう。 119 00:13:37,383 --> 00:13:48,528 ♬~ 120 00:13:48,528 --> 00:13:50,863 (美緒)小太郎。 はいどう! はいどう! 121 00:13:50,863 --> 00:13:56,202 (小太郎)はいどう! はいどう! はいどう! はいどう! はいどう! 122 00:13:56,202 --> 00:14:00,073 小太郎。 母様。 123 00:14:00,073 --> 00:14:04,477 小太郎 もう一度しましょうか。 ねえ。 124 00:14:04,477 --> 00:14:09,482 ♬~ 125 00:14:36,409 --> 00:14:39,846 (銭丸)助左! 銭丸! 126 00:14:39,846 --> 00:14:41,848 銭丸! 127 00:14:43,716 --> 00:14:47,186 元気だったか? そうか! 128 00:14:47,186 --> 00:15:00,466 ♬~ 129 00:15:00,466 --> 00:15:05,171 (銭丸)桔梗! 桔梗! 130 00:15:11,110 --> 00:15:14,480 桔梗。 131 00:15:14,480 --> 00:15:18,351 (桔梗)助左…。 132 00:15:18,351 --> 00:15:21,354 助左! 桔梗! 133 00:15:21,354 --> 00:15:30,496 ♬~ 134 00:15:30,496 --> 00:15:33,166 元気だったか? 135 00:15:33,166 --> 00:15:59,859 ♬~ 136 00:15:59,859 --> 00:16:04,163 桔梗 留守中 いろいろと ご苦労さん。 137 00:16:09,669 --> 00:16:13,406 (定吉)助左が 生きて堺に戻ったそうにございます。 138 00:16:13,406 --> 00:16:18,144 聞きました。 無事に帰ってきたのは 何よりだけど➡ 139 00:16:18,144 --> 00:16:24,817 船も荷も失ってしまって この先 どうやっていくつもりだろう。 140 00:16:24,817 --> 00:16:29,689 (定吉)一度 船を沈めた船主は 二度と 浮かばれることはないと申します。➡ 141 00:16:29,689 --> 00:16:34,827 殊に 助左の場合は 無一文になった上に➡ 142 00:16:34,827 --> 00:16:40,166 船と共に死んだ水夫たちの身内への 償い金の支払いが➡ 143 00:16:40,166 --> 00:16:42,835 のしかかってまいりますから。 144 00:16:42,835 --> 00:16:46,706 でも 水夫たちの大半は 生き残って➡ 145 00:16:46,706 --> 00:16:49,175 助左より ずっと前に 戻ってきたのでしょう? 146 00:16:49,175 --> 00:16:51,110 そう聞きましたよ。 147 00:16:51,110 --> 00:16:56,048 ほとんどの者が 高砂へ漂着して 堺の交易船で戻ってきたと…。 148 00:16:56,048 --> 00:16:59,819 でも 10人や20人は死にましたでしょう。 149 00:16:59,819 --> 00:17:03,689 その者たちの身内を 一生 面倒見るのですから➡ 150 00:17:03,689 --> 00:17:08,694 助左も これからが生き地獄でございましょう。 151 00:17:30,149 --> 00:17:33,853 御用を伺いましょう。 152 00:17:36,489 --> 00:17:38,791 どうしたの? 153 00:17:43,362 --> 00:17:47,366 私に用があって来たのでしょう? 154 00:17:52,505 --> 00:17:55,207 御用じゃなかったの? 155 00:18:00,780 --> 00:18:02,782 それなら…。 156 00:18:05,451 --> 00:18:08,788 私を ご存じですか? 157 00:18:08,788 --> 00:18:11,691 助左の女房殿でしょ? 158 00:18:11,691 --> 00:18:14,126 女房ではありません。 159 00:18:14,126 --> 00:18:19,832 そう…。 では 女房のように 一緒に暮らしている方でしょう? 160 00:18:21,467 --> 00:18:27,807 宗薫様から 何も お聞きにならなかったのですか? 161 00:18:27,807 --> 00:18:29,809 何を? 162 00:18:32,144 --> 00:18:38,451 私の父は 今井宗久です。 163 00:18:41,487 --> 00:18:44,390 名は 桔梗といいます。 164 00:18:44,390 --> 00:18:51,497 桔梗…!? お前が 桔梗…。 165 00:18:51,497 --> 00:18:55,668 はい。 お願いがあって来ました。 166 00:18:55,668 --> 00:18:59,538 助左に 50貫文 貸してください。 167 00:18:59,538 --> 00:19:02,441 50貫文あれば また船が買えます。 168 00:19:02,441 --> 00:19:05,778 船がなければ 助左は商いができません。 169 00:19:05,778 --> 00:19:07,713 どうぞ お願いでございます。 170 00:19:07,713 --> 00:19:12,718 助左に 銭を… 銭を貸してやってくださいまし! 171 00:19:16,422 --> 00:19:19,425 今井様へ行くって? 172 00:19:22,128 --> 00:19:24,830 本気か? 173 00:19:29,001 --> 00:19:34,473 じゃあ もう一度 宗薫様に掛け合ってみよう。 うん? 174 00:19:34,473 --> 00:19:38,811 話なら済んだ。 えっ? 175 00:19:38,811 --> 00:19:43,482 美緒様に お会いしたんだ。 176 00:19:43,482 --> 00:19:48,154 いつ? 今日。 177 00:19:48,154 --> 00:19:51,057 身の上をお話ししたら すぐに信じてくださった。 178 00:19:51,057 --> 00:19:53,759 喜んで引き取ってくださるって。 179 00:19:56,495 --> 00:20:00,833 ああ そうか…。 180 00:20:00,833 --> 00:20:05,705 そうか…。 いや それはよかった。 181 00:20:05,705 --> 00:20:09,508 もともと ぬしは 今井様の娘だ。 182 00:20:09,508 --> 00:20:13,179 今井様にいるのが当然なんだ。 183 00:20:13,179 --> 00:20:16,882 幸せにおなり。 184 00:20:18,517 --> 00:20:22,388 銭丸ったら 食べかけて あの子…。 185 00:20:22,388 --> 00:20:24,390 銭丸! 186 00:20:34,533 --> 00:20:36,535 銭丸。 187 00:20:49,882 --> 00:20:55,221 銭丸… ご主人様を大事にしてね。 188 00:20:55,221 --> 00:20:57,923 桔梗なんか 嫌いだ! 189 00:21:02,495 --> 00:21:05,798  回想 条件があります。 190 00:21:07,833 --> 00:21:14,173 今後は 今井の館で暮らしてください。 191 00:21:14,173 --> 00:21:17,510 いやしくも今井の血を引く者が➡ 192 00:21:17,510 --> 00:21:22,848 同じ堺の中で 夫でもない男と 寝起きを共にする暮らしは➡ 193 00:21:22,848 --> 00:21:26,519 許されるものではありません。 194 00:21:26,519 --> 00:21:31,223 あなたは 今井が引き取ります。 195 00:21:34,193 --> 00:21:39,064 助左への援助は致しましょう。 196 00:21:39,064 --> 00:22:10,362 ♬~ 197 00:22:12,498 --> 00:22:16,835 桔梗は引き取ります。 198 00:22:16,835 --> 00:22:19,171 助左に頼まれたか。 199 00:22:19,171 --> 00:22:22,841 桔梗が自ら訪ねてくれたのです。 200 00:22:22,841 --> 00:22:28,514 本人が 引き取ってもらいたい そう言ってきたのか。 201 00:22:28,514 --> 00:22:30,516 はい。 202 00:22:32,384 --> 00:22:35,854 番頭らの話によると 助左め➡ 203 00:22:35,854 --> 00:22:40,860 能登屋の荷揚げ場で 人足をしてるそうじゃないか。 204 00:22:42,528 --> 00:22:48,400 店はあっても 売るものがなければ しようがない。 205 00:22:48,400 --> 00:22:52,538 気の毒に 桔梗にも見限られたか。 206 00:22:52,538 --> 00:22:55,441 明朝 迎えの輿を出します。 207 00:22:55,441 --> 00:22:57,443 美緒。 208 00:22:59,211 --> 00:23:01,213 はい。 209 00:23:02,815 --> 00:23:05,117 何か? 210 00:23:24,103 --> 00:23:30,042 大坂より 伺候せよとのお召しがあった。 211 00:23:30,042 --> 00:23:33,178 関白様より? 212 00:23:33,178 --> 00:23:36,849 わしの名代として出向いてくれ。 213 00:23:36,849 --> 00:23:38,784 なぜ 私が? 214 00:23:38,784 --> 00:23:42,521 わしには 徳川様とのいきさつがある。 215 00:23:42,521 --> 00:23:44,857 代わりに行ってくれ。 216 00:23:44,857 --> 00:23:48,560 それでは 口実になりますまい。 217 00:23:52,531 --> 00:23:56,235 口実も お許に任す。 218 00:24:34,506 --> 00:24:45,851 ♬~ 219 00:24:45,851 --> 00:24:53,192  心の声  これで 宗久様にも 顔向けができる。 220 00:24:53,192 --> 00:25:03,469 ♬~ 221 00:25:03,469 --> 00:25:08,807  回想 (宗易)これが 納屋の鍵だ。➡ 222 00:25:08,807 --> 00:25:15,681 我が納屋の戸は おことが 自らの手で開けるがいい。➡ 223 00:25:15,681 --> 00:25:20,986 中の品物と共に 納屋も差し上げよう。 224 00:25:24,823 --> 00:25:27,126 宗易様…。 225 00:25:32,698 --> 00:25:36,702 (行長)昨日 助左に会いました。 226 00:25:38,370 --> 00:25:41,373 (行長)助左の方から訪ねてきたのです。 227 00:25:41,373 --> 00:25:44,176 お仕事中 申し訳ございません。 228 00:25:44,176 --> 00:25:47,846 お願いと申すのは ほかでもございません。 229 00:25:47,846 --> 00:25:52,718 手前の納屋を抵当に 小西様の三十石船を➡ 230 00:25:52,718 --> 00:25:55,521 2~3艘 貸していただけませんでしょうか。 231 00:25:55,521 --> 00:25:58,424 呂宋との交易は もうやめるつもりか? 232 00:25:58,424 --> 00:26:01,326 三十石では 大海には乗り出せまいに。 233 00:26:01,326 --> 00:26:05,330 いえ 呂宋との交易は 決して諦めるつもりはございません。 234 00:26:05,330 --> 00:26:11,003 しかし 当分は 米の回船業で 地道に借財を返し➡ 235 00:26:11,003 --> 00:26:14,473 資材を蓄えようと思っております。 236 00:26:14,473 --> 00:26:18,343 また一から出直しでございます。 237 00:26:18,343 --> 00:26:22,347 そういう決心なら 納屋を預かって 船は回そう。 238 00:26:22,347 --> 00:26:28,020 はっ…。 ありがとうございます。 239 00:26:28,020 --> 00:26:32,491 米を商うなら やはり 大坂だな。 240 00:26:32,491 --> 00:26:37,830 はい。 大坂に集まる米を 淡路へ運ぼうと思っております。 241 00:26:37,830 --> 00:26:41,700 淡路は 米が不足でございますし。 242 00:26:41,700 --> 00:26:43,702 なるほど。 243 00:26:43,702 --> 00:26:52,177 しかし 米を買う元手や人夫の給金は どう都合するつもりだ。 244 00:26:52,177 --> 00:26:58,851 はい。 戎町の店を売ります。 245 00:26:58,851 --> 00:27:01,153 それで なんとか。 246 00:27:02,721 --> 00:27:06,658 店を売ることはない。 247 00:27:06,658 --> 00:27:11,130 船と一緒に 50貫文 貸そう。 248 00:27:11,130 --> 00:27:13,065 えっ…。 249 00:27:13,065 --> 00:27:17,803 ぬしの納屋には それぐらいの価値はあるだろう。 250 00:27:17,803 --> 00:27:19,805 小西様…。 251 00:27:21,473 --> 00:27:23,809 (行長)美緒殿。 252 00:27:23,809 --> 00:27:29,481 あなたからお預かりした50貫文は 確かに 助左に渡しておきました。 253 00:27:29,481 --> 00:27:32,484 ありがとう存じました。 254 00:27:34,353 --> 00:27:40,058 時に あなたの方のことだが…。 255 00:27:41,827 --> 00:27:47,166 大坂城への伺候のことは… ご承知になったのですか? 256 00:27:47,166 --> 00:27:51,837 関白様よりの お呼び出しのことでございますか? 257 00:27:51,837 --> 00:27:53,772 ええ。 258 00:27:53,772 --> 00:27:58,710 それも 本来ならば 大元方の宗薫が出向くべきところ➡ 259 00:27:58,710 --> 00:28:03,115 宗薫は病のため ご無礼ながら 私めが➡ 260 00:28:03,115 --> 00:28:07,452 名代で ご挨拶に及ぶつもりでございます。 261 00:28:07,452 --> 00:28:12,124 宗薫殿の名代で伺候なさると? はあ。 262 00:28:12,124 --> 00:28:16,995 名代で行かれよとは 宗薫殿のご指図ですか? 263 00:28:16,995 --> 00:28:19,998 さようでございます。 264 00:28:19,998 --> 00:28:23,468 名代というのは おかしい。 265 00:28:23,468 --> 00:28:29,141 いや それでは あなたを だましたことになる。 266 00:28:29,141 --> 00:28:31,476 だますとは? 267 00:28:31,476 --> 00:28:37,349 我が殿は 初めから 宗薫殿への伺候など 求めてはおられませぬ。 268 00:28:37,349 --> 00:28:42,054 美緒殿お一人を召し出せと仰せなのです。 269 00:28:45,023 --> 00:28:51,730 我が殿は 美緒殿に懸想をされておられます。 270 00:28:56,501 --> 00:28:59,805 ご存じなかったのですね。 271 00:29:09,448 --> 00:29:12,784 殿のお気持ちを変えることは できませぬが➡ 272 00:29:12,784 --> 00:29:18,657 そのかわり 長崎へでも 琉球へでも 船は仕立てます。 273 00:29:18,657 --> 00:29:21,660 いつでも訪ねてください。 274 00:30:30,862 --> 00:30:34,733 小太郎を連れて 東国へたて。 275 00:30:34,733 --> 00:30:38,203 大坂行きは いかが相なりました? 276 00:30:38,203 --> 00:30:42,074 大坂へなど行かなくてもよい。 277 00:30:42,074 --> 00:30:46,545 関白様に逆らっても よろしいのですか? 278 00:30:46,545 --> 00:30:49,214 覚悟は決めた。 279 00:30:49,214 --> 00:30:55,554 わしは 堺を捨て 徳川様のもとで やり直す。 280 00:30:55,554 --> 00:31:00,158 徳川様が関白様の軍門に下った時は➡ 281 00:31:00,158 --> 00:31:04,029 今度は どこに逃げ出すおつもりですか? 282 00:31:04,029 --> 00:31:08,033 徳川は負けぬ。 283 00:31:08,033 --> 00:31:11,770 私は大坂へ参ります。 284 00:31:11,770 --> 00:31:15,474 秀吉の慰み者になってもよいのか。 285 00:31:23,181 --> 00:31:29,054 お前様 私を それほど弱い女と お思いですか。 286 00:31:29,054 --> 00:31:34,526 秀吉の腹の内 知っていたのか。 287 00:31:34,526 --> 00:31:39,231 初めから 本当のことを言ってくだされば よいものを。 288 00:31:43,869 --> 00:31:49,875 もうこれ以上 お前様の指図は受けませぬ。 289 00:31:52,878 --> 00:31:57,749 東国へ落ちたければ 落ちてゆかれるがよい。 290 00:31:57,749 --> 00:32:01,686 私は 誰にも迷惑はかけませぬ。 291 00:32:01,686 --> 00:32:05,457 たとえ どんな災いに見舞われようとも➡ 292 00:32:05,457 --> 00:32:08,827 一人で処してゆきます。 293 00:32:08,827 --> 00:32:16,701 本を正せば 私こそ 今井とは無縁の女。 294 00:32:16,701 --> 00:32:22,707 お前様とも 兄妹でもなければ 夫婦でもない。 295 00:33:02,047 --> 00:33:06,351 (雨の音) 296 00:33:08,153 --> 00:33:13,825 <9月。 秀吉は 自ら藤原の姓を捨て➡ 297 00:33:13,825 --> 00:33:22,167 新たに 豊臣という姓を選んで これを朝廷に奏聞し 勅許を得る。➡ 298 00:33:22,167 --> 00:33:25,837 以後 豊臣秀吉と名乗る> 299 00:33:25,837 --> 00:33:30,709 今日ではなかったかのう 今井の女房が出向いてくる日は。 300 00:33:30,709 --> 00:33:35,847 はい。 既に 堺はたった頃かと存じますが。 301 00:33:35,847 --> 00:33:43,188 う~ん… せっかくの日に 大雨になってしもうた。 302 00:33:43,188 --> 00:33:50,195 3里の道のり 難儀をせねばよいがのう。 303 00:33:55,534 --> 00:34:18,757 ♬~ 304 00:34:18,757 --> 00:34:25,163 いつでも 助左のもとに お帰りなさい。 305 00:34:25,163 --> 00:34:28,066 あなたの好きになさい。 306 00:34:28,066 --> 00:35:06,771 ♬~ 307 00:35:06,771 --> 00:35:10,141 秀吉め…。 308 00:35:10,141 --> 00:35:13,044 ああっ! (グラスが割れる音) 309 00:35:13,044 --> 00:35:23,355 ♬~ 310 00:35:28,827 --> 00:35:30,762 助左! 311 00:35:30,762 --> 00:35:34,165 (五右衛門)よう。 五右衛門。 312 00:35:34,165 --> 00:35:37,869 助左は 生きて帰ったのか。 313 00:35:42,841 --> 00:35:47,512 どうした。 何かあったのか? 314 00:35:47,512 --> 00:35:53,218 今井の美緒様が… 関白様のもとへ連れていかれたんだ。 315 00:36:17,809 --> 00:36:19,811 ああ~! 316 00:36:28,153 --> 00:36:30,822 皆 荷揚げを急げ! 317 00:36:30,822 --> 00:36:34,492 淀川が増水して いつ堤防が決壊するか分からぬ! 318 00:36:34,492 --> 00:36:38,363 淀川が氾濫すれば 大坂は 水浸しになる! 319 00:36:38,363 --> 00:36:41,366 作業を急げ! (一同)へい! 320 00:36:46,504 --> 00:36:48,440 助左か!? 321 00:36:48,440 --> 00:36:50,375 石田様! 322 00:36:50,375 --> 00:36:52,377 おお 助左! 323 00:36:52,377 --> 00:36:54,379 お懐かしゅう存じます。 324 00:36:54,379 --> 00:36:56,381 おい 何をしてる! 作業を急げ! 325 00:36:58,116 --> 00:37:02,454 ぬしが 大坂で回船を始めたことは 行長殿より聞いて知っていたが➡ 326 00:37:02,454 --> 00:37:04,489 このような日に会おうとはな! 327 00:37:04,489 --> 00:37:07,692 手前も お会いしとう存じました。 328 00:37:09,327 --> 00:37:15,800 おう 先に行ってくれ! 誰か もう一度 淀川堤の水かさを見てまいれ! 329 00:37:15,800 --> 00:37:19,804 おい 助左。 はい。 おう みんな あと頼んだぞ。 330 00:37:23,475 --> 00:37:26,778 馬 借りてきた。 よし。 331 00:37:31,349 --> 00:37:34,486 俺がここへ来たことは 誰にも言うな。 分かったな。 332 00:37:34,486 --> 00:37:36,421 どこ行くの? 333 00:37:36,421 --> 00:37:38,423 おりゃ~! 334 00:37:48,833 --> 00:37:54,139 (雷鳴) 335 00:37:56,174 --> 00:37:59,077 (三成)イスパニアの船が 長崎へ…。 336 00:37:59,077 --> 00:38:04,782 ええ。 去年 平戸へ来航したのが最初だと 聞きました。 337 00:38:04,782 --> 00:38:08,653 イスパニア人は マイニラを占領しております。 338 00:38:08,653 --> 00:38:12,457 アゴーの浜へも 何度か 攻め込んでまいりました。 339 00:38:12,457 --> 00:38:15,126 やつらと手を握ってはなりません。 340 00:38:15,126 --> 00:38:19,798 日本国のためにも 呂宋の人々のためにも。 341 00:38:19,798 --> 00:38:23,668 よし。 お知らせしておこう 我が殿にも…。 342 00:38:23,668 --> 00:38:27,472 (近侍)殿! 殿 もはや これまでにございます。 343 00:38:27,472 --> 00:38:29,807 いかがいたした。 濁流が 堤を越えて➡ 344 00:38:29,807 --> 00:38:31,743 これ以上 持ちこたえはできませぬ。 345 00:38:31,743 --> 00:38:33,678 土俵を積み上げよ! 346 00:38:33,678 --> 00:38:37,148 堤の切り口いっぱいに 水かさよりも高く 土俵を積み上げい! 347 00:38:37,148 --> 00:38:39,818 (近侍)その土俵が足りませぬ。 足らぬものは つくれ! 348 00:38:39,818 --> 00:38:44,155 城内の上下の諸士 皆 出合わせて 土俵をつくらせよ!(近侍)はっ! 349 00:38:44,155 --> 00:38:46,157 え~い! 350 00:39:27,699 --> 00:39:30,134 おい! 誰かいるか!? 351 00:39:30,134 --> 00:39:32,136 (人足たち)へい。 352 00:39:34,472 --> 00:39:39,811 この倉の米俵を 残らず 荷車で運び出すぞ! 353 00:39:39,811 --> 00:39:42,714 何ですって!? 積んだら まっすぐ 淀川へ上れ! 354 00:39:42,714 --> 00:39:46,484 土手の切り口に その米俵を積み上げるんだ! 355 00:39:46,484 --> 00:39:48,419 分かったな! そんなむちゃな! 356 00:39:48,419 --> 00:39:51,155 ぐずぐずしてる暇はないんだ! 早くしろ! 357 00:39:51,155 --> 00:39:55,026 早く運べ! 早くしろ! おい 荷車だ! 荷車! 358 00:39:55,026 --> 00:40:05,503 ♬~ 359 00:40:05,503 --> 00:40:09,173 頭 正気なのかい。 正気で こんなばかが できるか! 360 00:40:09,173 --> 00:40:11,843 ♬~ 361 00:40:11,843 --> 00:40:15,513 よし! 残りの米俵は あとから積んできてくれ! 362 00:40:15,513 --> 00:40:18,182 (一同)へい! さあ 行くぞ! 363 00:40:18,182 --> 00:40:30,495 ♬~ 364 00:40:42,407 --> 00:40:46,210 ⚟お~い! 帰ってきたぞ。 365 00:40:46,210 --> 00:40:50,915 橋が流されて これ以上は行けぬ。 何!? 366 00:40:53,084 --> 00:40:55,086 堺へ戻るか…。 367 00:40:56,854 --> 00:40:59,223 ⚟お~い!➡ 368 00:40:59,223 --> 00:41:03,094 おい! 何者か 後ろから追ってくるぞ。 えっ! 369 00:41:03,094 --> 00:41:05,029 ⚟(ひづめの音) 370 00:41:05,029 --> 00:41:07,832 野盗だ! 何だと!? 371 00:41:07,832 --> 00:41:13,504 (ひづめの音) 372 00:41:13,504 --> 00:41:16,207 (喚声) 373 00:41:36,527 --> 00:41:41,232 金品には目をくれるな! 獲物は ただ一つだ! 374 00:42:35,186 --> 00:42:37,188 ああ~っ! 375 00:42:41,059 --> 00:42:43,528 おい! どんどん積み上げろ! 376 00:42:43,528 --> 00:42:46,864 米俵を…。 377 00:42:46,864 --> 00:42:50,201 京橋口の 米倉という米倉を開け放ち➡ 378 00:42:50,201 --> 00:42:54,072 全ての米俵を この淀川堤に運び込め! 379 00:42:54,072 --> 00:42:57,875 よ~し これで せき止められる。 380 00:42:57,875 --> 00:43:01,579 何をぼんやりしておる! 早う行けい! はっ! 381 00:43:03,681 --> 00:43:07,151 米俵を土俵の代わりに使うとは…➡ 382 00:43:07,151 --> 00:43:10,154 なんと 大胆不敵なやつだ。 383 00:43:13,024 --> 00:43:16,327 皆も 手伝え!はっ! 384 00:43:19,730 --> 00:43:21,699 助左! 385 00:43:21,699 --> 00:43:43,688 ♬~