1 00:00:02,102 --> 00:02:40,093 ♬~ 2 00:02:52,205 --> 00:02:55,542 <天正13年9月。➡ 3 00:02:55,542 --> 00:02:59,212 京橋口の米倉から運び出された米俵が➡ 4 00:02:59,212 --> 00:03:02,816 決壊寸前の淀川堤に 山と積み上げられて➡ 5 00:03:02,816 --> 00:03:06,153 氾濫を免れるという事件があった。➡ 6 00:03:06,153 --> 00:03:10,857 助左衛門と石田三成の機転であった> 7 00:03:22,502 --> 00:03:25,405 治部。 (三成)ははっ。 8 00:03:25,405 --> 00:03:29,843 堤に積みかけし米俵は いかほどに及ぶや。 9 00:03:29,843 --> 00:03:33,513 (三成)定かな数は ただいま 調べさせておりまするが➡ 10 00:03:33,513 --> 00:03:36,850 まず 8,000俵は下るまいと存じます。 11 00:03:36,850 --> 00:03:42,189 その8,000俵の米 雨晴れて後は いかに処置するぞ。 12 00:03:42,189 --> 00:03:47,527 されば これより 河内の百姓 近在の者どもに 土俵をしつらえさせ➡ 13 00:03:47,527 --> 00:03:49,863 堤の切り口に持ちゆかせ➡ 14 00:03:49,863 --> 00:03:54,534 積みかけましたる米俵と 次第に積み替えさせます。 15 00:03:54,534 --> 00:03:58,205 なお 水浸しに相なりましたる米は➡ 16 00:03:58,205 --> 00:04:01,475 それら百姓どもの労賃に充てまする。 17 00:04:01,475 --> 00:04:05,812 以上のこと 既に 奉行より 下知いたさせましてございます。 18 00:04:05,812 --> 00:04:09,149 あっぱれ 無双の才覚じゃ。 19 00:04:09,149 --> 00:04:11,818 ははあ… 恐れながら➡ 20 00:04:11,818 --> 00:04:14,488 お褒めのお言葉なれば それがしより➡ 21 00:04:14,488 --> 00:04:18,158 納屋助左衛門に 賜りとう存じます。 22 00:04:18,158 --> 00:04:21,495 納屋助左衛門とは 誰じゃ? 23 00:04:21,495 --> 00:04:24,164 堺の助左にございます。 24 00:04:24,164 --> 00:04:28,034 ああ 知っておる。 助左も手伝うてか。 25 00:04:28,034 --> 00:04:33,507 いいえ。 手伝いましたるは それがしにございます。 26 00:04:33,507 --> 00:04:37,177 あの雨の中 己の米倉を開き➡ 27 00:04:37,177 --> 00:04:40,080 米俵を堤の切り口に持ちゆきましたのは➡ 28 00:04:40,080 --> 00:04:42,048 助左にございます。 29 00:04:42,048 --> 00:04:44,851 それがしは 助左に従うたにすぎませぬ。 30 00:04:44,851 --> 00:04:48,155 ふ~ん。 フッ…。 31 00:04:49,723 --> 00:04:56,463 はて あの者は 呂宋との交易を 専業にいたしておるはずじゃが。 32 00:04:56,463 --> 00:05:00,800 申しそびれておりましたが 助左の交易船は この春➡ 33 00:05:00,800 --> 00:05:03,703 呂宋よりの帰途に 難破を致してございます。 34 00:05:03,703 --> 00:05:05,672 船を沈めたと…。 35 00:05:05,672 --> 00:05:08,141 以後は 当人の申し出もあり➡ 36 00:05:08,141 --> 00:05:12,479 手前より貸し与えましたる三十石船にて 米の回船に励み➡ 37 00:05:12,479 --> 00:05:16,349 借財の返済に明け暮れておりました ところでございます。 38 00:05:16,349 --> 00:05:21,488 察しますところ 堤防に積み上げましたる米俵は➡ 39 00:05:21,488 --> 00:05:27,160 助左にとりましては 命にも代え難き 最後の財産であったに違いございません。 40 00:05:27,160 --> 00:05:30,497 助左に会いてえ。 助左は どこにおる!? 41 00:05:30,497 --> 00:05:34,367 助左なれば ただいま 白州に控えさせてございます。 42 00:05:34,367 --> 00:05:36,670 何だ そこにおるのかえ。 43 00:05:43,076 --> 00:05:46,513 助左。 (助左衛門)はっ。 44 00:05:46,513 --> 00:05:50,851 いろいろと 苦労を重ねておるようじゃのう。 45 00:05:50,851 --> 00:05:53,753 お恥ずかしき限りでございます。 46 00:05:53,753 --> 00:05:58,725 (秀吉)なぜ もっと早く 予を訪ねてこぬ。 47 00:05:58,725 --> 00:06:06,132 予が関白などという位についたので 遠慮をしておったな。➡ 48 00:06:06,132 --> 00:06:10,003 うん? フッフッフッフ…。 49 00:06:10,003 --> 00:06:12,005 行長。 はっ。 50 00:06:12,005 --> 00:06:17,477 助左への褒美は ぬしに任す。 望むものは 何なりと かなえてやれ。 51 00:06:17,477 --> 00:06:23,350 助左が望むなら 大名に取り立ててやってもよいぞ。 52 00:06:23,350 --> 00:06:27,821 何せ 大坂の町を 水攻めより防いでくれたんだからな。 53 00:06:27,821 --> 00:06:30,724 こりゃ 大変な武功だ。 54 00:06:30,724 --> 00:06:33,493 助左。➡ 55 00:06:33,493 --> 00:06:37,364 これを機に 予に仕えい。 56 00:06:37,364 --> 00:06:39,366 はあ…。 57 00:06:39,366 --> 00:06:42,502 行長と並んで 水軍の将となれ。 58 00:06:42,502 --> 00:06:45,839 さすれば 日本国中の船が ぬしのものだ。 59 00:06:45,839 --> 00:06:49,175 どうだ この場で 心を決めてしまえ。 アハハハハ。 60 00:06:49,175 --> 00:06:51,478 その儀ばかりは…。 61 00:06:55,048 --> 00:06:57,851 断るのか。 62 00:06:57,851 --> 00:07:02,455 根っからの無頼者でございますゆえ➡ 63 00:07:02,455 --> 00:07:07,460 気ままな海の商人の方が 性に合っております。 64 00:07:09,129 --> 00:07:13,133 いつまでも変わらぬやつ…。 65 00:07:19,472 --> 00:07:22,475 惜しい男よのう。 66 00:07:32,052 --> 00:07:35,021 さらわれたと? いつだ。 67 00:07:35,021 --> 00:07:39,793 (和泉屋)はい。 昨日の大雨のさなかの 出来事でござります。 68 00:07:39,793 --> 00:07:42,162 大坂への街道の途中にて➡ 69 00:07:42,162 --> 00:07:45,498 突如 正体不明の野盗の群れに襲われ➡ 70 00:07:45,498 --> 00:07:48,835 賊は 行列の金品には手をつけず➡ 71 00:07:48,835 --> 00:07:53,707 今井の御寮人様 ただ一人を 連れ去った由でござります。 72 00:07:53,707 --> 00:07:57,510 宗薫の狂言ではあるまいのう。 73 00:07:57,510 --> 00:07:59,446 (和泉屋)狂言とは? 74 00:07:59,446 --> 00:08:06,119 宗薫め 己が女房を関白殿下に差し出すを 快しとせず➡ 75 00:08:06,119 --> 00:08:10,990 伺候の途上を わざと賊に襲わせ いずこかへ隠し去ったのではあるまいの。 76 00:08:10,990 --> 00:08:13,993 めっそうもなきことでございまする。 そのようなことは…。 77 00:08:13,993 --> 00:08:18,465 決してないと ぬしの首をかけて 言い切れるか 和泉屋! 78 00:08:18,465 --> 00:08:21,801 はっ いえ…。 79 00:08:21,801 --> 00:08:27,107 いずれにせよ このような不始末 関白殿下のお耳に入れるわけにはゆかぬ。 80 00:08:28,675 --> 00:08:30,810 和泉屋。 はい。 81 00:08:30,810 --> 00:08:34,147 お目通りの日は 数日 延ばしてつかわすゆえ➡ 82 00:08:34,147 --> 00:08:36,816 その間にも捜し出し きっと伺候させるよう➡ 83 00:08:36,816 --> 00:08:39,719 宗薫にも さよう申し伝えい! 84 00:08:39,719 --> 00:08:42,155 ははあ! 85 00:08:42,155 --> 00:08:47,494 今井の女房には にわかの病とな…。 はい。 86 00:08:47,494 --> 00:08:50,163 仮病だろう。 いいえ。 87 00:08:50,163 --> 00:08:54,834 事実は 芸は もう少し細こうございます。 88 00:08:54,834 --> 00:08:59,172 伺候の途上を 賊に襲われた由にございます。 89 00:08:59,172 --> 00:09:03,043 ほう…。 ぬしが やらせたのか。 90 00:09:03,043 --> 00:09:07,781 いえ 手前は手を下してはおりませぬ。 91 00:09:07,781 --> 00:09:10,116 宗薫か。 92 00:09:10,116 --> 00:09:14,454 はて 宗薫の仕業とも言い切れませぬが…。 93 00:09:14,454 --> 00:09:19,125 行きずりの災難であったとすれば 気の毒な話だ。 94 00:09:19,125 --> 00:09:24,464 が 予は それは聞かなかったことにしておこう。 95 00:09:24,464 --> 00:09:27,801 宗薫が どのような出方をしてまいりますか…。 96 00:09:27,801 --> 00:09:30,136 棒の前で つっついてやれ。 97 00:09:30,136 --> 00:09:34,474 牙をむき 飛びかかってくるまで。 98 00:09:34,474 --> 00:09:36,476 はっ。 99 00:09:47,821 --> 00:09:51,491 (桔梗)小太郎! 待って! どこかな?➡ 100 00:09:51,491 --> 00:09:56,196 あっ いた! アハハ。 捕まえた。 101 00:10:00,166 --> 00:10:05,038 美緒の探索には 会合衆の手を借りることにした。 102 00:10:05,038 --> 00:10:10,810 会合衆の談合で 秀吉の無法を 洗いざらい ぶちまけてやる。 103 00:10:10,810 --> 00:10:15,815 美緒をかどわかしたのは 秀吉だ。 秀吉が襲わせたのだ。 104 00:10:22,422 --> 00:10:31,865 見ていろ。 今に 堺を挙げて 秀吉の敵にしてやる。 105 00:10:31,865 --> 00:10:35,735 はあ~。 秀吉の息のかかった者は➡ 106 00:10:35,735 --> 00:10:43,042 小西も 助左も 代官所の者ども 一人残らず 堀の外に放り出してやる。 107 00:10:45,879 --> 00:10:48,181 小太郎。 108 00:10:53,553 --> 00:10:56,856 母者の敵は きっと とってやる。 109 00:11:10,036 --> 00:11:14,507 おい 帰ったぞ! おい いないのか? 110 00:11:14,507 --> 00:11:16,509 銭丸…。 111 00:11:18,178 --> 00:11:20,113 誰だ!? 112 00:11:20,113 --> 00:11:23,816 (五右衛門)青瓦は 右近様に届けてきたぜ。 113 00:11:28,521 --> 00:11:32,859 安土の船泊まりで別れたのが 最後だったっけな。 114 00:11:32,859 --> 00:11:36,529 1日で帰るって言ってたくせに…➡ 115 00:11:36,529 --> 00:11:41,201 9年もかかりおって こいつ! 116 00:11:41,201 --> 00:11:43,870 変わらねえな。 117 00:11:43,870 --> 00:11:45,805 まず 一杯やろう。 おう。 118 00:11:45,805 --> 00:11:49,208 いいとこ来てくれた。 食い物もあるし 酒もあるんだ。 119 00:11:49,208 --> 00:11:51,544 するめは ぬしの大好物だったろう。 おう。 120 00:11:51,544 --> 00:11:53,880 見てくれ。 121 00:11:53,880 --> 00:11:57,750 大坂の関白殿下から頂戴してきた 土産物だ。 122 00:11:57,750 --> 00:12:02,488 俺も 関白 秀吉から もらってきた… いや➡ 123 00:12:02,488 --> 00:12:06,793 かっさらってきた土産があるんだが。 うん? 124 00:12:20,039 --> 00:12:24,510 美緒様! これは 一体 どうした!? 125 00:12:24,510 --> 00:12:27,180 今井の御寮様が なぜ こんな所に!? 126 00:12:27,180 --> 00:12:31,050 俺が お連れしたんだ。 どうしてだ…。 127 00:12:31,050 --> 00:12:37,190 言ったろうが。 関白様から奪い返してきたんだ。 128 00:12:37,190 --> 00:12:39,192 何のことだ? 129 00:12:40,860 --> 00:12:45,732 (美緒)五右衛門… 私をだましましたね。 130 00:12:45,732 --> 00:12:50,870 はて…。 しらばっくれてるんじゃないのか? 131 00:12:50,870 --> 00:12:53,539 ぬしの差し金じゃないのか。 132 00:12:53,539 --> 00:12:57,410 だから 何のことだと聞いてるんだ。 133 00:12:57,410 --> 00:13:02,348 ぬしの女房に頼まれたんだぞ。 美緒様を連れ戻してきてくれと。 134 00:13:02,348 --> 00:13:08,054 夢でも見てるのか? 俺には 女房などいない。 135 00:13:08,054 --> 00:13:13,760 桔梗は 女房じゃないのか。 何? 136 00:13:15,795 --> 00:13:19,165 桔梗…? 137 00:13:19,165 --> 00:13:23,036 (五右衛門)桔梗は言ったぞ 女房だと。 138 00:13:23,036 --> 00:13:26,506 いや。 139 00:13:26,506 --> 00:13:28,441 うそだったのか…。 140 00:13:28,441 --> 00:13:32,845 桔梗様は 宗久様のお忘れ形見だ。 141 00:13:32,845 --> 00:13:36,516 ここには いっとき お預かりをしているだけだ。 142 00:13:36,516 --> 00:13:38,451 帰ります。 143 00:13:38,451 --> 00:13:43,389 お待ちください。 訳をお聞かせください。 144 00:13:43,389 --> 00:13:45,858 あなたには関わりのないことです。 145 00:13:45,858 --> 00:13:49,529 御寮様を妾に差し出せと言ってきたのさ。 五右衛門! 146 00:13:49,529 --> 00:13:51,864 関白 秀吉が。 147 00:13:51,864 --> 00:13:54,767 ♬~ 148 00:13:54,767 --> 00:13:58,538 御寮様! 御寮様! 離してください。御寮様! 149 00:13:58,538 --> 00:14:01,808 私がここにいては あなた方に災いが及びます。 150 00:14:01,808 --> 00:14:03,743 御寮様! 御寮様! 151 00:14:03,743 --> 00:14:09,682 戻るも逃げるも もう ここまで来たら… 同じことでございます。 152 00:14:09,682 --> 00:14:14,821 でも 迷惑でしょうに…。 153 00:14:14,821 --> 00:14:16,756 いえ。 154 00:14:16,756 --> 00:14:30,837 ♬~ 155 00:14:30,837 --> 00:14:36,175 呂宋へ お連れしよう。 アゴーの村へ。 156 00:14:36,175 --> 00:14:39,846 船はあるのか? 157 00:14:39,846 --> 00:14:43,516 なんとかする。 …するしかあるまい。 158 00:14:43,516 --> 00:14:50,857 風は。 今年の風には 間に合わんだろう。 159 00:14:50,857 --> 00:14:53,526 1年待つ。 160 00:14:53,526 --> 00:14:56,829 1年も かくまい通せるか。 161 00:15:02,802 --> 00:15:09,475 考えてみれば ひどく厄介な荷を しょわせてしまったんだな。 162 00:15:09,475 --> 00:15:12,145 いや これでよかったんだ。 163 00:15:12,145 --> 00:15:17,817 桔梗にも ぬしにも 礼を言わねばならん。 164 00:15:17,817 --> 00:15:23,689 ぬしが留守の間 あの人は アゴーの村でのことを➡ 165 00:15:23,689 --> 00:15:28,161 こまごまと話してくれたよ。 166 00:15:28,161 --> 00:15:34,834 自分が 村で一番の医者だったこと。 浜の市のこと。➡ 167 00:15:34,834 --> 00:15:38,171 村に攻め込んできたイスパニア軍を➡ 168 00:15:38,171 --> 00:15:42,842 ぬしが 張り子の大筒で 追い払った時のこと…。➡ 169 00:15:42,842 --> 00:15:47,713 それらの話を 一つ一つ➡ 170 00:15:47,713 --> 00:15:51,517 まるで 倉から宝物でも出してみせるように➡ 171 00:15:51,517 --> 00:15:55,221 丁寧に話して聞かせてくれた。 172 00:15:57,390 --> 00:16:02,094 (五右衛門)あの人は 今でも ぬしが好きなんだな。 173 00:16:05,465 --> 00:16:08,467 ぬしも 同じ気持ちだろうが。 174 00:16:11,337 --> 00:16:17,076 御寮様を呂宋へお連れするのは 横恋慕じゃない。 175 00:16:17,076 --> 00:16:21,380 訳は ほかにあるんだ。 176 00:16:23,482 --> 00:16:27,353 (鐘の音) 177 00:16:27,353 --> 00:16:32,158 俺のことより ぬしは 何を商ってるんだ。 ええ? 178 00:16:32,158 --> 00:16:35,828 見たところ 行商のようだが。 179 00:16:35,828 --> 00:16:40,500 まあ 品物は さまざまだな。 180 00:16:40,500 --> 00:16:44,370 槍や刀も扱う。 ふ~ん。 181 00:16:44,370 --> 00:16:47,173 御寮様を どうやって さらってきた。 182 00:16:47,173 --> 00:16:51,844 まさか 一人で 行列に斬り込んだわけじゃあるまい。 183 00:16:51,844 --> 00:16:55,514 野伏せりに 銭をばらまいたんだ。 184 00:16:55,514 --> 00:16:58,184 知り合いの野伏せりがおってな。 185 00:16:58,184 --> 00:17:00,119 ふ~ん。 186 00:17:00,119 --> 00:17:02,455 (鐘の音) 187 00:17:02,455 --> 00:17:08,127 時に どうだ。 今度こそ ぬし 俺と一緒に 呂宋へ行かないか。 188 00:17:08,127 --> 00:17:10,463 (鐘の音) 189 00:17:10,463 --> 00:17:13,132 (鐘の音) 耳障りだな。 190 00:17:13,132 --> 00:17:18,471 どうした?うん? あの鐘。 (鐘の音) 191 00:17:18,471 --> 00:17:22,141 ああ あれは 日比屋の礼拝堂の鐘…。 192 00:17:22,141 --> 00:17:25,811 (鐘の音) 193 00:17:25,811 --> 00:17:27,747 あれは…。 194 00:17:27,747 --> 00:17:35,154 (鐘の音) 195 00:17:35,154 --> 00:17:37,490 あいつ…。 196 00:17:37,490 --> 00:17:41,160 誰を見ている。 197 00:17:41,160 --> 00:17:44,497 あそこに…。 198 00:17:44,497 --> 00:17:48,801 誰がいるんだ。 誰もいないじゃないか。 199 00:17:50,369 --> 00:17:54,674 モニカがいたんだ。 モニカ様? 200 00:17:59,045 --> 00:18:01,981 亡霊だ…。 201 00:18:01,981 --> 00:18:06,452 モニカは 俺が殺した。 202 00:18:06,452 --> 00:18:08,387 な…!? 203 00:18:08,387 --> 00:18:39,352 (鐘の音) 204 00:18:39,352 --> 00:18:41,354 五右衛門…。 205 00:18:59,705 --> 00:19:03,642 呂宋へ行きましょう。 206 00:19:03,642 --> 00:19:37,943 ♬~ 207 00:19:49,021 --> 00:19:57,730 おことは 私が 関白殿の茶頭であることを 承知で来たのか? 208 00:19:57,730 --> 00:19:59,698 はい。 209 00:19:59,698 --> 00:20:03,836 美緒殿の行方は 宗薫殿の依頼で➡ 210 00:20:03,836 --> 00:20:07,707 会合衆が手分けをして ひそかに探索をしている。 211 00:20:07,707 --> 00:20:12,178 私は その会合衆でもあるのだぞ。 212 00:20:12,178 --> 00:20:15,081 もとより 存じ上げております。 213 00:20:15,081 --> 00:20:18,851 なぜ 私のところへ来た。 214 00:20:18,851 --> 00:20:26,192 前に 堺を守れと 利休様に言われたことがございました。 215 00:20:26,192 --> 00:20:33,065 それと 今井の御寮人をかくまうことと 何の関わりがある。 216 00:20:33,065 --> 00:20:38,537 美緒様を関白様へ渡すことは➡ 217 00:20:38,537 --> 00:20:43,209 堺を渡すことでございます。 218 00:20:43,209 --> 00:20:46,545 美緒様を守ることは➡ 219 00:20:46,545 --> 00:20:50,549 堺を守ることでございます。 220 00:20:57,890 --> 00:21:02,161 助左衛門。 はい。 221 00:21:02,161 --> 00:21:07,500 おことの家の裏には 水濠が流れておるか。 222 00:21:07,500 --> 00:21:09,835 ございます。 223 00:21:09,835 --> 00:21:14,507 そこへ 今夜 川舟を着ける。 224 00:21:14,507 --> 00:21:18,844 黙って それに お乗せなさい。 225 00:21:18,844 --> 00:21:21,514 ありがとう存じます。 226 00:21:21,514 --> 00:21:40,533 ♬~ 227 00:21:40,533 --> 00:21:42,468 (銭丸)来たよ。 228 00:21:42,468 --> 00:21:47,406 来年の秋まで待っていてください。 229 00:21:47,406 --> 00:21:49,542 さあ。 230 00:21:49,542 --> 00:22:13,165 ♬~ 231 00:22:13,165 --> 00:22:17,469 断じて渡さぬぞ。 232 00:22:29,515 --> 00:22:35,854 <明けて 天正14年正月16日。➡ 233 00:22:35,854 --> 00:22:40,726 秀吉は 大坂城内の黄金の茶室を京都へ運び➡ 234 00:22:40,726 --> 00:22:46,198 禁中において これを組み立て 茶会を催す> 235 00:22:46,198 --> 00:22:48,200 エヘン…。 236 00:22:58,210 --> 00:23:01,113 <黄金の茶室…➡ 237 00:23:01,113 --> 00:23:04,016 大友宗滴の見物記によれば➡ 238 00:23:04,016 --> 00:23:10,789 それは 3畳敷きの茶室で 天井も壁も 明かり障子の骨までが➡ 239 00:23:10,789 --> 00:23:14,493 黄金でつくられていたという> 240 00:23:16,161 --> 00:23:22,501 (五右衛門)それだけじゃない。 そこで用いる道具も 全てが黄金だ。➡ 241 00:23:22,501 --> 00:23:27,840 茶碗も黄金 柑子口の柄杓立ても黄金➡ 242 00:23:27,840 --> 00:23:32,711 茶入や棗も黄金 四方盆も黄金➡ 243 00:23:32,711 --> 00:23:38,183 茶杓 蓋置 火箸も黄金➡ 244 00:23:38,183 --> 00:23:43,522 水指のとじ蓋も黄金 合子の建水も黄金➡ 245 00:23:43,522 --> 00:23:49,194 瓢箪の炭斗も黄金 火吹も黄金…。 246 00:23:49,194 --> 00:23:56,869 要するに 茶筅竹と柄杓竹のほかは 全てが黄金製という➡ 247 00:23:56,869 --> 00:23:59,204 夢のような茶室だ。 248 00:23:59,204 --> 00:24:03,075 ほう~! (笑い声) 249 00:24:03,075 --> 00:24:12,151 この金の茶室が 正月 大坂城本丸から 京の小御所へ運び出された。 250 00:24:12,151 --> 00:24:18,023 そして 春が来ると 再び 京から大坂へ戻ってくる。 251 00:24:18,023 --> 00:24:21,160 それ 襲うんですかい? 252 00:24:21,160 --> 00:24:23,495 「襲うんですかい」? 253 00:24:23,495 --> 00:24:26,398 ちょいと。 いい? 254 00:24:26,398 --> 00:24:31,370 黄金の天井や壁や障子が 目の前を通るんだよ。 255 00:24:31,370 --> 00:24:34,139 黙って見過ごす手はねえぜ。 256 00:24:34,139 --> 00:24:38,844 茶碗一個 くすねてもよ 一生 楽に暮らせるよ。 257 00:24:38,844 --> 00:24:40,779 (笑い声) 258 00:24:40,779 --> 00:24:43,482 やりましょう 頭! 259 00:25:10,776 --> 00:25:15,681 すげえ守りだ。 チッ! これじゃ 手も足も出やしねえぜ。 260 00:25:15,681 --> 00:25:19,485 時に 黄金の茶室っつうのは どれだよ? 261 00:25:19,485 --> 00:25:24,156 アホか あんたは。 茶室ごと運べるわけないじゃないの。 262 00:25:24,156 --> 00:25:26,492 あれ全部が そうなの。 263 00:25:26,492 --> 00:25:31,163 ああ バラバラにして運んでんのか。 264 00:25:31,163 --> 00:25:33,866 どうりで分かんねえと思ったわ。 265 00:25:36,502 --> 00:25:40,172  心の声 見てろよ 秀吉…。➡ 266 00:25:40,172 --> 00:25:46,845 たとえ 5年10年かかろうと 必ず奪い取ってみせる。➡ 267 00:25:46,845 --> 00:25:51,150 茶室ごとそっくり 奪い取ってみせるぞ。 268 00:25:59,191 --> 00:26:04,463 どうだ。これは なかなか 立派な船でございますな。 269 00:26:04,463 --> 00:26:08,801 船乗りの城は 船だ。 大名の城は断っても➡ 270 00:26:08,801 --> 00:26:12,471 船なら断るまいと思うて 私の一存で造らせた。 271 00:26:12,471 --> 00:26:15,474 受けてもらえるだろうな。 272 00:26:17,810 --> 00:26:19,745 手前に!? 273 00:26:19,745 --> 00:26:24,483 関白様よりの賜り物だ。 遠慮は無用ぞ。 274 00:26:24,483 --> 00:26:28,353 ♬~ 275 00:26:28,353 --> 00:26:32,357 この船が… 俺のものに! 276 00:26:32,357 --> 00:26:38,831 ♬~ 277 00:26:38,831 --> 00:26:42,167 まあ 千石船を…。 278 00:26:42,167 --> 00:26:47,039 あとは 水夫を募り 交易の仕入れをし➡ 279 00:26:47,039 --> 00:26:51,176 秋風を待って 帆を上げるだけでございます。 280 00:26:51,176 --> 00:26:56,048 もう5か月 待っていてください。 281 00:26:56,048 --> 00:26:59,985 ⚟助左。 はい。 282 00:26:59,985 --> 00:27:07,126 もし 呂宋へ渡ることができなくなっても 悔いはしません。 283 00:27:07,126 --> 00:27:13,465 だから あなたも むやみなことはしないように…。 284 00:27:13,465 --> 00:27:19,138 手前のことは ご心配なく。 285 00:27:19,138 --> 00:27:21,073 では…。 286 00:27:21,073 --> 00:27:27,813 ♬~ 287 00:27:27,813 --> 00:27:30,716 (宗二)美緒殿の行方は。 288 00:27:30,716 --> 00:27:32,684 (宗薫)いまだ分からぬ。 289 00:27:32,684 --> 00:27:38,824 (宗二)人の女房まで召し出せとは 関白も むちゃだな。 290 00:27:38,824 --> 00:27:42,694 (宗薫)秀吉は潰す。➡ 291 00:27:42,694 --> 00:27:48,834 見極めたいことは ただ一つ。 浜松の家康公に➡ 292 00:27:48,834 --> 00:27:52,704 秀吉めを打ち破れる見込みが あるかどうかだ。 293 00:27:52,704 --> 00:27:56,175 見込みならあるだろう。 294 00:27:56,175 --> 00:28:01,780 小牧・長久手の戦いでは 明らかに 家康の勝ちだ。➡ 295 00:28:01,780 --> 00:28:08,453 この正月に 秀吉は 浜松に使者を送って 家康に上洛を促した。➡ 296 00:28:08,453 --> 00:28:11,757 ところが それを追い返している。 297 00:28:13,325 --> 00:28:17,796 強気だな。 フフッ…。 298 00:28:17,796 --> 00:28:21,466 関白は 家康にだけは弱腰だ。 299 00:28:21,466 --> 00:28:27,806 さ~て この男の戦い どうなることやら。 300 00:28:27,806 --> 00:28:30,809 フッ… 面白い。 301 00:28:32,678 --> 00:28:40,385 知っているか? 秀吉が 己が妹を 家康の嫁に差し出そうとしているのを。 302 00:28:40,385 --> 00:28:42,821 秀吉の妹? ああ。 303 00:28:42,821 --> 00:28:47,159 旭姫といってな 尾張の地侍に嫁いでいたのを➡ 304 00:28:47,159 --> 00:28:50,495 無理やり離別して 差し出すつもりだ。 305 00:28:50,495 --> 00:28:54,166 フッ 秀吉のやることは…。 306 00:28:54,166 --> 00:28:59,504 こういうのは 婚姻とは言えまい。 307 00:28:59,504 --> 00:29:01,773 人質だ。 308 00:29:01,773 --> 00:29:06,645 家康公に秀吉が人質を送ると。 309 00:29:06,645 --> 00:29:11,950 秀吉は そんなに家康公を恐れているのか。 310 00:29:20,792 --> 00:29:24,129 (宗薫)妹だ。 311 00:29:24,129 --> 00:29:28,834 桔梗。 宗二様に ご挨拶をせぬか。 312 00:29:35,474 --> 00:29:40,145 ハハ… 山出しの田舎者でな。 313 00:29:40,145 --> 00:29:43,815 目下 礼儀作法を教えてるところだ。 314 00:29:43,815 --> 00:29:46,485 妹だと? 315 00:29:46,485 --> 00:29:51,356 どうだ おぬしの嫁にもろうてくれぬか。 316 00:29:51,356 --> 00:29:55,360 ハッ… 戯れ言を。 317 00:29:57,129 --> 00:30:02,034 ♬~ 318 00:30:02,034 --> 00:30:05,504 助左! 火事は 代官所だ! 319 00:30:05,504 --> 00:30:07,439 代官所!? 320 00:30:07,439 --> 00:30:28,193 ♬~ 321 00:30:28,193 --> 00:30:32,898 猿め 思い知れ。 322 00:30:35,067 --> 00:30:39,538 堺は 大坂へはつかぬ。 323 00:30:39,538 --> 00:30:42,441 断じて つかぬぞ。 324 00:30:42,441 --> 00:31:04,129 ♬~ 325 00:31:05,697 --> 00:31:10,168 では つけ火ではないと仰せか。 326 00:31:10,168 --> 00:31:13,071 決して つけ火ではございませぬ。 327 00:31:13,071 --> 00:31:15,507 内よりの失火にございます。 328 00:31:15,507 --> 00:31:20,379 (三成)友閑殿。 なぜ そのように 堺をかばわれる。 329 00:31:20,379 --> 00:31:23,381 かばうなどとは…。 代官所つけ火の下手人は➡ 330 00:31:23,381 --> 00:31:27,119 既に 当方で捕縛いたしてござる。 331 00:31:27,119 --> 00:31:32,858 火事の翌日 堺から京へ上る街道にて➡ 332 00:31:32,858 --> 00:31:39,531 分不相応の大金を所持したる 浪人者を捕らえ 糾弾に及びしところ➡ 333 00:31:39,531 --> 00:31:43,869 堺代官所の放火を自白いたしてござる。 334 00:31:43,869 --> 00:31:49,207 なお かの者に 代官所つけ火を下知したる者は➡ 335 00:31:49,207 --> 00:31:51,543 堺会合衆の一人…➡ 336 00:31:51,543 --> 00:31:54,546 今井宗薫。 なんと…! 337 00:31:56,882 --> 00:32:02,187 この上で なお つけ火ではなかったと言われるか。 338 00:32:04,156 --> 00:32:11,463 友閑殿… あなたも 少々 堺の町に 肩入れが過ぎましたな。 339 00:32:20,172 --> 00:32:23,508 宗薫なんか 放っておけ! 340 00:32:23,508 --> 00:32:29,181 家康を上洛させるまで しばらくは 波風を立てぬ方が懸命じゃろう。 341 00:32:29,181 --> 00:32:31,116 はい。 342 00:32:31,116 --> 00:32:38,523 年内には 何としても 家康を上洛させ 豊臣家への臣従を誓わせねばならん! 343 00:32:38,523 --> 00:32:44,196 堺の料理は 家康が上洛した後➡ 344 00:32:44,196 --> 00:32:46,865 ゆっくり取りかかるとしよう。 345 00:32:46,865 --> 00:32:49,167 心得ました。 346 00:32:54,539 --> 00:33:02,247 <6月。 石田治部少輔三成が 堺奉行として乗り込んでくる> 347 00:33:04,149 --> 00:33:11,489 <永禄11年より18年間 執政官としてよりは 数寄者として➡ 348 00:33:11,489 --> 00:33:17,162 堺の町衆にも親しまれてきた風流人 松井友閑も➡ 349 00:33:17,162 --> 00:33:22,467 この日 歴史の最前線より退けられる> 350 00:33:24,035 --> 00:33:26,171 家康公が上洛する? 351 00:33:26,171 --> 00:33:33,044 ああ。 秀吉は 生母の大政所まで人質に出して➡ 352 00:33:33,044 --> 00:33:35,847 家康に上洛を促した。 353 00:33:35,847 --> 00:33:40,185 これを断れば あとは戦しかない。 354 00:33:40,185 --> 00:33:44,523 それこそ 家康公の望むところではなかったのか。 355 00:33:44,523 --> 00:33:50,228 まだ 決戦を交える覚悟は つかなかったんだな…。 356 00:33:53,865 --> 00:34:06,811 ♬~ 357 00:34:06,811 --> 00:34:15,820 <10月27日。 徳川家康 大坂城に伺候し 秀吉に謁見する> 358 00:34:22,360 --> 00:34:31,670 徳川三河守 上洛 大儀。 359 00:34:34,839 --> 00:34:37,509 (家康)はっ。 360 00:34:37,509 --> 00:34:43,381 <このひと言で 東海の覇者 家康も 秀吉の軍門に下り➡ 361 00:34:43,381 --> 00:34:48,086 絢爛たる豊臣時代の幕が開かれる> 362 00:35:03,468 --> 00:35:07,138 それは 見間違いではないのか。 363 00:35:07,138 --> 00:35:13,144 (間者)いえ。 確かに 今井家の御寮人 美緒様でございました。 364 00:35:22,487 --> 00:35:27,359 (間者)そこは 千 利休様のお屋敷でございました。 365 00:35:27,359 --> 00:36:20,678 ♬~ 366 00:36:20,678 --> 00:36:26,151 (間者) 男は 納屋助左衛門めでございました。 367 00:36:26,151 --> 00:36:29,487 利休様の屋敷から 助左の船へ…? 368 00:36:29,487 --> 00:36:33,825 なぜ あの2人が 今井の御寮人をかくまわねばならんのだ。 369 00:36:33,825 --> 00:36:40,165 助左衛門の船は 明日 呂宋に向けて出帆をいたします。 370 00:36:40,165 --> 00:36:43,835 (三成)呂宋へ逃がす気か…。 371 00:36:43,835 --> 00:36:48,840 (間者)このこと 一刻も早く 大坂へお知らせのほどを。 372 00:36:56,414 --> 00:36:59,417 行け。 早速。 373 00:37:02,320 --> 00:37:04,622 なぜだ 助左。 374 00:37:06,791 --> 00:37:09,127 なぜ 我らを裏切る。 375 00:37:09,127 --> 00:37:12,797 たかが 女一人のために…。 376 00:37:12,797 --> 00:37:15,700 愚かなやつ…。 377 00:37:15,700 --> 00:37:21,806 関白殿下 治部様 行長様➡ 378 00:37:21,806 --> 00:37:24,142 皆様方のおかげをもちまして➡ 379 00:37:24,142 --> 00:37:30,014 本日 無事に 出帆の日を迎えることが できましてございます。 380 00:37:30,014 --> 00:37:37,689 つきましては お別れのご挨拶に 参上いたしましてございます。 381 00:37:37,689 --> 00:37:40,492 わざわざ よう来てくれた。 382 00:37:40,492 --> 00:37:44,829 長い船旅だ。 体をいとうように。 383 00:37:44,829 --> 00:37:49,501 はい。 ありがとう存じます。 384 00:37:49,501 --> 00:37:55,373 さて 積み荷は どのようなものを積んでいくのだ。 385 00:37:55,373 --> 00:38:02,447 はい。 銀に 家具類 刀 槍の類いを 主に運んでまいります。 386 00:38:02,447 --> 00:38:05,116 それだけか…。 387 00:38:05,116 --> 00:38:12,123 はあ。 あとは 櫛に扇など 女の飾り物を少々。 388 00:38:13,791 --> 00:38:15,794 ほかには。 389 00:38:21,666 --> 00:38:29,807 荷は それだけにて あとは 人ばかりでございます。 390 00:38:29,807 --> 00:38:32,110 なるほど。 391 00:38:38,149 --> 00:38:44,022 あとは 人ばかりか。 はい。 392 00:38:44,022 --> 00:38:47,492 呂宋まで 無事に行き着けるとよいが。 393 00:38:47,492 --> 00:38:52,831 何としても 行き着きます。 394 00:38:52,831 --> 00:38:56,701 無事を祈っているぞ。 395 00:38:56,701 --> 00:38:58,703 はい。 396 00:39:03,441 --> 00:39:08,746 お~ 行ってくるぞ! お~ 行ってくるぞ! 397 00:39:13,451 --> 00:39:16,788 銭丸! 店を頼んだぞ! 398 00:39:16,788 --> 00:39:20,124 助左~! 399 00:39:20,124 --> 00:39:42,814 ♬~ 400 00:39:42,814 --> 00:39:49,520 <助左衛門の船が堺の港を離れた 同じ時…> 401 00:39:56,361 --> 00:40:02,834 今井の御寮人の行方が ようやく分かった。 402 00:40:02,834 --> 00:40:07,839 堺の助左が預かっていてくれた。 403 00:40:10,174 --> 00:40:17,048 そろそろ 本心をお聞かせくださいませぬか。 404 00:40:17,048 --> 00:40:21,185 殿下の真の目当ては 女人ではないはず。 405 00:40:21,185 --> 00:40:27,859 しからば 堺の 何をお望みでございます。 406 00:40:27,859 --> 00:40:33,531 利休 こなたにだけは言うておこう。 407 00:40:33,531 --> 00:40:39,404 わしの目当ては 堺の堀を埋めることだ。➡ 408 00:40:39,404 --> 00:40:44,542 既に用意はできておる。 409 00:40:44,542 --> 00:40:49,414 なんと無益なことをあそばします。 410 00:40:49,414 --> 00:40:52,417 無益と思うか。 411 00:40:54,218 --> 00:40:59,557 たとえ 堀は埋められましょうとも➡ 412 00:40:59,557 --> 00:41:05,363 堺の町衆たちの心の堀までは 埋め尽くすことはできませぬ。 413 00:41:05,363 --> 00:41:13,838 いいや。 心の堀も やがては埋め尽くしてみせる。 414 00:41:13,838 --> 00:41:20,712 堺には 脅かされたり 支配されたりすることを➡ 415 00:41:20,712 --> 00:41:24,482 極端に嫌う気風がございます。 416 00:41:24,482 --> 00:41:31,389 殿下が 力で 堺を従わせようとなさいますかぎり➡ 417 00:41:31,389 --> 00:41:35,860 堺も 殿下になじみますまい。 418 00:41:35,860 --> 00:41:42,734 現に あの助左が 今井の御寮人を 呂宋へ逃がそうとしておりますのも➡ 419 00:41:42,734 --> 00:41:48,873 殿下の力ずくの脅迫に対する 抵抗でございましょう。 420 00:41:48,873 --> 00:41:51,776 実に あの男は➡ 421 00:41:51,776 --> 00:41:58,483 たった一人で 殿下と 戦をしているつもりなのでございます。 422 00:42:00,151 --> 00:42:04,489 まあ その気組みのけなげさに打たれて➡ 423 00:42:04,489 --> 00:42:10,828 それがしも あの男の計略に 一味いたしましてございます。 424 00:42:10,828 --> 00:42:18,169 計略とは 今井の女房を呂宋へ脱出させることか。 425 00:42:18,169 --> 00:42:23,041 いかにも。 しかも 予が与えた船でか。 426 00:42:23,041 --> 00:42:25,043 はい。 427 00:42:25,043 --> 00:42:28,179 フフフフフフフフ…。 428 00:42:28,179 --> 00:42:34,052 なんと ずうずうしいやつ。 フフフフフフ…。 429 00:42:34,052 --> 00:42:39,357 いいや 断じて呂宋へは行かせぬ。 430 00:42:41,192 --> 00:42:49,534 恐れながら 助左衛門の船は 既に 堺の港を離れましてございます。 431 00:42:49,534 --> 00:42:52,870 船ごと捕らまえる。 432 00:42:52,870 --> 00:42:55,540 そう命じてあるのだ。 433 00:42:55,540 --> 00:42:59,410 助左の船が堺をたち 難波灘へさしかかったら➡ 434 00:42:59,410 --> 00:43:06,150 船ごと捕らまえて 大坂の浜へ引きずってこいとな。➡ 435 00:43:06,150 --> 00:43:10,021 フハハハハハハ! 436 00:43:10,021 --> 00:43:24,168 ♬~ 437 00:43:24,168 --> 00:43:27,071 (吾助)船長! 大坂の浜の方から➡ 438 00:43:27,071 --> 00:43:29,841 戦舟が 何艘も こっちへ やって来まっせ! 439 00:43:29,841 --> 00:43:31,776 戦舟!? 440 00:43:31,776 --> 00:43:47,091 ♬~