1 00:00:02,102 --> 00:02:40,093 ♬~ 2 00:02:43,196 --> 00:02:46,533 <天正15年6月19日➡ 3 00:02:46,533 --> 00:02:50,871 西暦1587年7月24日。➡ 4 00:02:50,871 --> 00:02:57,544 所は 九州 筑前・筥崎の陣中において。➡ 5 00:02:57,544 --> 00:03:02,382 豊臣秀吉が 突如として キリシタン禁令を発布し➡ 6 00:03:02,382 --> 00:03:07,354 在陣のキリシタン大名には 即刻 信仰を捨てることを➡ 7 00:03:07,354 --> 00:03:13,493 南蛮の宣教師たちに対しては 20日以内の国外退去を命じる> 8 00:03:13,493 --> 00:03:16,830 (秀吉)「前代未聞に候。➡ 9 00:03:16,830 --> 00:03:24,171 国郡在所知行など 給人にくだされ候儀は 当座のことに候」…。 10 00:03:24,171 --> 00:03:29,042 <秀吉麾下のキリシタン武将 小西行長は➡ 11 00:03:29,042 --> 00:03:34,181 主君の命に屈して 棄教を誓うが…➡ 12 00:03:34,181 --> 00:03:39,052 播州・明石6万石の大名 高山右近は➡ 13 00:03:39,052 --> 00:03:45,058 信仰を捨てることを拒み 追放を宣告される> 14 00:03:47,727 --> 00:03:53,533 (右近)予が領地を失うのは 惜しむに足らず➡ 15 00:03:53,533 --> 00:04:00,140 流罪に処せらるるも 驚くに足らぬ。 16 00:04:00,140 --> 00:04:06,813 これらの災いは 予の信念で招いたことであるから➡ 17 00:04:06,813 --> 00:04:10,517 いささかも遺憾に思うことはない。 18 00:04:12,152 --> 00:04:23,163 ただ 予が信念を貫くために 汝ら家臣の者たちに迷惑を及ぼし➡ 19 00:04:23,163 --> 00:04:30,036 その家族をも含めて 路頭に迷わせてしまうのが➡ 20 00:04:30,036 --> 00:04:34,508 つらく 悲しい。 21 00:04:34,508 --> 00:04:39,179 (すすり泣き) 22 00:04:39,179 --> 00:04:46,520 (右近)汝らは いかなる難局の時も 予に命を預け➡ 23 00:04:46,520 --> 00:04:54,194 予と共に 幾多の戦を戦い抜いてきてくれた。 24 00:04:54,194 --> 00:05:00,467 それら一つ一つの武功に報いたいと 念じながら➡ 25 00:05:00,467 --> 00:05:05,138 ついに それを果たしえぬまま➡ 26 00:05:05,138 --> 00:05:09,442 予は 汝らを見捨てていかねばならん。 27 00:05:12,813 --> 00:05:17,150 ただ それだけが心残りだ。 28 00:05:17,150 --> 00:05:21,021 (すすり泣き) 29 00:05:21,021 --> 00:05:27,027 どうか 予の身勝手を許してくれ。 30 00:05:30,697 --> 00:05:34,501 予は信じている。 31 00:05:34,501 --> 00:05:40,841 予が汝らを見捨てた代わりに➡ 32 00:05:40,841 --> 00:05:45,712 予の信奉する慈悲深きゼウスが➡ 33 00:05:45,712 --> 00:05:49,849 汝らを お守りくださらんことを。 34 00:05:49,849 --> 00:05:54,187 (号泣) 35 00:05:54,187 --> 00:06:04,497 ♬~ 36 00:06:07,133 --> 00:06:09,135 (助左衛門)フロイス様! 37 00:06:10,804 --> 00:06:13,473 フロイス様! 38 00:06:13,473 --> 00:06:17,143 (フロイス)おお 助左! フロイス様…。 39 00:06:17,143 --> 00:06:20,480 会えて うれしい。 はい。 40 00:06:20,480 --> 00:06:22,816 助左。 はい。 41 00:06:22,816 --> 00:06:29,489 関白様に 日本を立ち去れと命じられました。 42 00:06:29,489 --> 00:06:31,825 おい! 早く舟に乗らんか。 43 00:06:31,825 --> 00:06:35,495 ほんのしばらく。 お別れのご挨拶がしたいんでございます。 44 00:06:35,495 --> 00:06:38,398 うん? 汝も バテレンか? 45 00:06:38,398 --> 00:06:43,370 いえいえ 手前は。 手前は 堺の商人でございます。 46 00:06:43,370 --> 00:06:46,840 キリシタンとは 無縁の者でございますから。 47 00:06:46,840 --> 00:06:50,710 どうか ひとつ。 どうか ひとつ。うん? 48 00:06:50,710 --> 00:06:54,414 うむ… 少しだぞ。 はい はい。 49 00:07:00,787 --> 00:07:04,457 ポルトガルへ お引き揚げになるのでございますか? 50 00:07:04,457 --> 00:07:08,795 いいえ。 では ゴアか天川へ? 51 00:07:08,795 --> 00:07:13,667 私は どこにも逃げない。 52 00:07:13,667 --> 00:07:19,806 キリシタンと共に 日本に残ります。 53 00:07:19,806 --> 00:07:26,479 しかし 禁令に背けば お命に関わります。 54 00:07:26,479 --> 00:07:34,154 助左… あなたがた キャピタンが 海を恐れないように➡ 55 00:07:34,154 --> 00:07:38,491 私も 関白を恐れない。 56 00:07:38,491 --> 00:07:50,503 たとえ 磔になっても 私は 日本を離れない覚悟です。 57 00:07:54,040 --> 00:07:59,779 パーデレ… 私にできることがあったら おっしゃってください。 58 00:07:59,779 --> 00:08:01,715 お力になります。 59 00:08:01,715 --> 00:08:05,652 ありがとう。 忠実な助左。 60 00:08:05,652 --> 00:08:11,124 あなたは 堺の町を守りなさい。 61 00:08:11,124 --> 00:08:15,462 堺も 今 迫害を受けている。 62 00:08:15,462 --> 00:08:17,397 迫害…? 63 00:08:17,397 --> 00:08:22,102 おい! いつまで ブツブツやってんだ! 早く行かんか! 64 00:08:26,473 --> 00:08:28,408 フロイス様! 65 00:08:28,408 --> 00:08:36,149 ♬~ 66 00:08:36,149 --> 00:08:45,158 リバノの山の杉の木のように 高くそびえて見える人がいたとしても➡ 67 00:08:45,158 --> 00:08:54,167 ごく僅かの時が過ぎ去れば そこには 何にも残りはしない。 68 00:08:54,167 --> 00:09:03,443 彼らは 一瞬のうちに 泡のように消えてしまうだけだ。 69 00:09:03,443 --> 00:09:08,448 何も恐れるな! 助左! 70 00:09:10,116 --> 00:09:12,452 パーデレ! 71 00:09:12,452 --> 00:09:17,123 主のお恵みを! 72 00:09:17,123 --> 00:09:41,147 ♬~ 73 00:09:41,147 --> 00:09:46,019 <助左衛門の船が 堺へ帰る> 74 00:09:46,019 --> 00:09:54,027 ♬~ 75 00:10:01,835 --> 00:10:07,173 今夜 湯屋町を買い切りで飲みまくるぞ! みんな! なあ? 76 00:10:07,173 --> 00:10:11,044 (吾助)酒より 俺は 湯女のお加代の顔がちらついて➡ 77 00:10:11,044 --> 00:10:13,046 落ち着かねえよ! ハッハッハ! 78 00:10:13,046 --> 00:10:17,817 (弥次郎)いや 五体無事で 堺にたどりついただけでも 俺は満足だ。 79 00:10:17,817 --> 00:10:21,187 酒も女も要らねえよ。 心にもないことを言うなよ。 80 00:10:21,187 --> 00:10:24,190 (笑い声) 81 00:10:29,863 --> 00:10:32,198 五右衛門! (五右衛門)おう。 82 00:10:32,198 --> 00:10:36,536 おい 今夜 ぬしも 朝まで つきあってもらうぜ。 83 00:10:36,536 --> 00:10:38,471 いいだろ? なあ! 84 00:10:38,471 --> 00:10:43,409 まだ 知らんふうだな。 うん? 何が? 85 00:10:43,409 --> 00:10:46,546 堺の堀が埋められてしもうた。 86 00:10:46,546 --> 00:10:49,449 関白 秀吉の手で。 87 00:10:49,449 --> 00:10:51,885 何? 88 00:10:51,885 --> 00:10:54,587 堺に もう堀はない。 89 00:10:56,222 --> 00:11:06,232 (せみの声) 90 00:11:22,182 --> 00:11:24,484 (五右衛門)助左。 91 00:11:47,207 --> 00:11:50,109 なんということだ…。 92 00:11:50,109 --> 00:11:56,216 埋め立ての采配を振るったのは 奉行の石田三成だ。 93 00:11:56,216 --> 00:11:59,118 三方 20間の堀は まず水抜きされ➡ 94 00:11:59,118 --> 00:12:03,823 内と外から 一斉に埋め立てられてしまった。 95 00:12:03,823 --> 00:12:12,131 東ノ口の大橋も 北ノ橋も あれよという間に埋め立てられてな。 96 00:12:13,833 --> 00:12:19,839 これから 堺の出入りには もう 橋は渡らなくてもいいって寸法さ。 97 00:12:37,056 --> 00:12:39,058 お仙…。 98 00:12:42,528 --> 00:12:49,202 堀埋めの始まった去年の暮れごろから 病で伏せってるんだよ。 99 00:12:49,202 --> 00:12:51,871 (お仙)五右衛門かい…? 100 00:12:51,871 --> 00:12:56,743 米なら まだ残ってるから 大丈夫だよ。 101 00:12:56,743 --> 00:12:59,746 (五右衛門)助左を連れてきたんだ。 102 00:13:04,450 --> 00:13:06,386 お仙。 103 00:13:06,386 --> 00:13:11,157 ほこりだらけだろ? 顔も 着物もさ。 104 00:13:11,157 --> 00:13:15,862 久しぶりで会うのに 恥ずかしいねえ。 105 00:13:18,031 --> 00:13:23,169 呂宋からな 土産に着物を持ってきた。 106 00:13:23,169 --> 00:13:25,505 後で 届けるから。 107 00:13:25,505 --> 00:13:27,840 本当かい? 108 00:13:27,840 --> 00:13:32,512 助左。 うん? どうした? 109 00:13:32,512 --> 00:13:37,216 水が… 水が恋しい。 110 00:13:39,385 --> 00:13:42,388 (五右衛門)秀吉は 堺の敵だ。 111 00:13:44,524 --> 00:13:52,198 今の秀吉は ぬしに永楽銭を恵んでくれた 木下藤吉郎とは別人だ。 112 00:13:52,198 --> 00:13:54,534 違うか? 113 00:13:54,534 --> 00:14:01,341 ♬~ 114 00:14:01,341 --> 00:14:06,145 <7月14日 大坂城に帰陣した秀吉は➡ 115 00:14:06,145 --> 00:14:12,151 29日 朝廷に参内して 九州平定を奏上する> 116 00:14:14,821 --> 00:14:19,692 <同じ頃 播州・明石を 小豆島へ向けて船出していく➡ 117 00:14:19,692 --> 00:14:23,830 一艘の帆船がある。➡ 118 00:14:23,830 --> 00:14:28,167 船には 領土を没収されて流罪の身となった➡ 119 00:14:28,167 --> 00:14:31,871 高山右近の姿があった> 120 00:14:36,042 --> 00:14:41,714 <明くる天正16年の4月2日。➡ 121 00:14:41,714 --> 00:14:45,518 南蛮船の発着港 肥前・長崎が➡ 122 00:14:45,518 --> 00:14:50,389 秀吉の蔵入領として没収される> 123 00:14:50,389 --> 00:14:57,864 ふたつき後 明国産の生糸を満載した ポルトガル船が 長崎に入港する。 124 00:14:57,864 --> 00:15:00,133 (行長)それは存じませんことで…。 125 00:15:00,133 --> 00:15:06,906 銀2,000貫目 ポルトガルの金貨に換えれば 20万クルザード。 126 00:15:06,906 --> 00:15:12,145 これをもって ポルトガル船の生糸を 残らず買い占めてきてくれ。 127 00:15:12,145 --> 00:15:18,818 買い占め? 堺や諸国の商人を 出し抜かれるのでございますか? 128 00:15:18,818 --> 00:15:29,162 地子銀5千5百30両 地子米8百石 朝廷に吸い上げられた。 129 00:15:29,162 --> 00:15:32,498 来年には 皇居を修築せよとも言われておる。 130 00:15:32,498 --> 00:15:37,837 聚楽第の建造にも 費用をかけ過ぎたでな。 131 00:15:37,837 --> 00:15:41,707 銭は いくらあっても 足りぬのよ。 132 00:15:41,707 --> 00:15:46,846 さりながら 殿下自らが 交易品の買い占めをなさいましては➡ 133 00:15:46,846 --> 00:15:52,518 天下の商人たち 殊に 南蛮交易を主としております➡ 134 00:15:52,518 --> 00:15:57,190 堺の商人たちの立ち行く道が 塞がれてしまいます。 135 00:15:57,190 --> 00:16:00,460 今後とも 商いのことは➡ 136 00:16:00,460 --> 00:16:04,130 商人に お任せあってしかるべきと 存じ上げます。 137 00:16:04,130 --> 00:16:08,467 何とぞ お考え改めのほどを。 138 00:16:08,467 --> 00:16:12,138 堺は…➡ 139 00:16:12,138 --> 00:16:15,041 堺は 滅ぶに任すがいい。 140 00:16:15,041 --> 00:16:18,744 なんと…!? (秀吉)行長。はっ。 141 00:16:20,480 --> 00:16:24,150 おことの真の心配は 堺のことより➡ 142 00:16:24,150 --> 00:16:28,154 バテレンどもの方に 向いているのではないのか。 143 00:16:29,822 --> 00:16:32,158 イエズス会のバテレンどもが➡ 144 00:16:32,158 --> 00:16:36,495 生糸交易に投資をしていることは 先刻 承知のことだ。 145 00:16:36,495 --> 00:16:38,531 予が生糸の買い占めに乗り出せば➡ 146 00:16:38,531 --> 00:16:42,835 日本在住のバテレンどもが 食いぶちを失ってしまう。 147 00:16:42,835 --> 00:16:46,505 おことが心を痛めるのは それじゃろう。 148 00:16:46,505 --> 00:16:48,841 当然のねらいだとも。 149 00:16:48,841 --> 00:16:51,744 バテレン追放を発令したにもかかわらず➡ 150 00:16:51,744 --> 00:16:55,715 なお 多くのパーデレたちが 九州の各地に身を潜め➡ 151 00:16:55,715 --> 00:17:00,119 布教を続けている実情を➡ 152 00:17:00,119 --> 00:17:03,456 予が知らぬとでも思うてか! 153 00:17:03,456 --> 00:17:05,791 はっ…! 154 00:17:05,791 --> 00:17:09,662 バテレンどものことは 目をつぶってやる。 155 00:17:09,662 --> 00:17:14,467 そのかわりとでも思うて 行長よ➡ 156 00:17:14,467 --> 00:17:19,171 だだをこねずに 長崎へ下るがよい! 157 00:17:22,341 --> 00:17:24,343 はっ! 158 00:17:28,481 --> 00:17:35,154 <ポルトガル船は 秀吉の得た情報どおり 長崎へ来港する。➡ 159 00:17:35,154 --> 00:17:39,492 秀吉は 先手を打って ポルトガル船を待ち受け➡ 160 00:17:39,492 --> 00:17:46,365 船が入港するや 大金にものを言わせて 9万斤もの生糸を買い占めてしまう。➡ 161 00:17:46,365 --> 00:17:51,504 日を経て 堺や諸国から 商人たちが はせつけた時には➡ 162 00:17:51,504 --> 00:17:57,176 船内には 僅かの余りが 残されているのみであった。➡ 163 00:17:57,176 --> 00:18:04,784 秀吉の独占的な交易介入に 堺の豪商たちは動揺した。➡ 164 00:18:04,784 --> 00:18:10,456 同じ年の夏 秀吉は 陸の民と海の民に対し➡ 165 00:18:10,456 --> 00:18:14,126 それぞれ異なった禁令を発布する。➡ 166 00:18:14,126 --> 00:18:17,029 陸に向かっては 刀狩令。➡ 167 00:18:17,029 --> 00:18:22,802 海に向かっては 海賊禁止令の発布であった> 168 00:18:22,802 --> 00:18:27,139 (三成)「今より以後 給人 領主 油断いたし➡ 169 00:18:27,139 --> 00:18:31,811 海賊の輩 これあるにおいては ご成敗を加えられ➡ 170 00:18:31,811 --> 00:18:37,483 曲事の在所 知行以下 末代召し上げらるべきこと。➡ 171 00:18:37,483 --> 00:18:41,153 右の条々 堅く申しつくべし。➡ 172 00:18:41,153 --> 00:18:47,026 もし 違背の族 これあらば たちまち罪科に処せらるべきものなり。➡ 173 00:18:47,026 --> 00:18:54,033 天正16年7月8日。 秀吉 御朱印」。 174 00:19:36,342 --> 00:19:43,082 (三成)関白殿下よりの朱印状だ。 持ち帰るがよい。 175 00:19:43,082 --> 00:19:49,822 では 呂宋との交易を お認めくださるのでございますか。 176 00:19:49,822 --> 00:19:53,492 ぬしを海賊にはできまいよ。 177 00:19:53,492 --> 00:20:00,166 ただし 一つだけ条件がある。 それだけは 聞き入れてもらいたい。 178 00:20:00,166 --> 00:20:02,501 条件とおっしゃいますと…。 179 00:20:02,501 --> 00:20:08,374 呂宋では マイニラ政庁と 取り引きをしてもらいたい。 それだけだ。 180 00:20:08,374 --> 00:20:12,178 マイニラのイスパニア人たちと 交易をせよと…。 181 00:20:12,178 --> 00:20:17,049 呂宋の都は マイニラだ。 船も マイニラに着けるよう。 182 00:20:17,049 --> 00:20:20,052 手前の交易の相手は アゴーの村の人々でございます。 183 00:20:20,052 --> 00:20:23,189 アゴーの住民は マイニラ政庁に盾つく逆賊ではないか。 184 00:20:23,189 --> 00:20:25,124 賊は イスパニア人の方でございます。 185 00:20:25,124 --> 00:20:29,528 本朝は マイニラ政庁を呂宋の統治者と定め➡ 186 00:20:29,528 --> 00:20:32,865 通商の国書を交わすことを決定した。 187 00:20:32,865 --> 00:20:36,202 ぬしにも従うてもらわねばならぬ。 188 00:20:36,202 --> 00:20:40,539 アゴーの浜との交易は 手前にとりまして➡ 189 00:20:40,539 --> 00:20:45,878 10年以上も 往来を重ねてきた航路でございます。 190 00:20:45,878 --> 00:20:49,548 どのような都合かは存じませぬが➡ 191 00:20:49,548 --> 00:20:58,224 急に航路を変えろの アゴーの村人たちを 敵に回せのと言われましても➡ 192 00:20:58,224 --> 00:21:01,227 できない相談でございます。 193 00:21:03,496 --> 00:21:09,502 しからば 朱印状は要らぬと申すか。 194 00:21:16,509 --> 00:21:18,444 やむをえませぬ。 195 00:21:18,444 --> 00:21:20,379 かかる禁制が発せられた以上➡ 196 00:21:20,379 --> 00:21:24,383 朱印状なき船は 全て海賊船として成敗されるが➡ 197 00:21:24,383 --> 00:21:27,086 それも 承知か。 198 00:21:38,531 --> 00:21:49,875 ♬~ 199 00:21:49,875 --> 00:21:53,746 さてな…➡ 200 00:21:53,746 --> 00:21:57,550 おぬしが いくら 一人で片意地を張っても➡ 201 00:21:57,550 --> 00:22:04,156 朱印状なき海賊船に 水夫らが 集まってくるかのう…。 202 00:22:04,156 --> 00:22:11,497 手前一人にても 船は出してごらんにいれます。 203 00:22:11,497 --> 00:22:33,185 ♬~ 204 00:22:33,185 --> 00:22:36,855 日銭 3文。 いやいやいや…。 205 00:22:36,855 --> 00:22:39,558 5文 上乗せするから。 5文 上乗せするから。 206 00:22:41,193 --> 00:22:43,529 なあ 頼むよ。 なあ。 207 00:22:43,529 --> 00:22:58,878 ♬~ 208 00:22:58,878 --> 00:23:01,580 ただいま。 209 00:23:03,482 --> 00:23:06,385 あ~ こっちも駄目か。 210 00:23:06,385 --> 00:23:10,823 (弥次郎)みんな 腰抜けでさあ。 211 00:23:10,823 --> 00:23:15,160 銭丸 すまないが 水一杯くれ。 (銭丸)へい! 212 00:23:15,160 --> 00:23:19,031 はあ~ くたびれた。 213 00:23:19,031 --> 00:23:21,033 はあ~。 214 00:23:23,502 --> 00:23:32,177 おかしいなあ。 こないだまでは 南海に船を出すと言っただけで➡ 215 00:23:32,177 --> 00:23:35,848 乗り切れないほどの水夫が集まったのに➡ 216 00:23:35,848 --> 00:23:39,718 今度に限って まるっきり駄目だ。 217 00:23:39,718 --> 00:23:44,523 やっぱり 海賊禁止令のせいか…。 218 00:23:44,523 --> 00:23:48,394 博多や長崎の方へ流れていった者も 大勢いるようで。 219 00:23:48,394 --> 00:23:50,396 博多 長崎か。 220 00:23:50,396 --> 00:23:59,071 堀を埋められてしまったせいか みんな たやすく 堺を出ていきやがる。 221 00:23:59,071 --> 00:24:04,476 ああ~ 弥次郎に吾助の 2人きりになってしまったな。 222 00:24:04,476 --> 00:24:07,146 (銭丸)俺も行ってやるよ。 223 00:24:07,146 --> 00:24:12,017 あっ そうだ。 ごめん。 ここにも 力強い味方が一人いた。 224 00:24:12,017 --> 00:24:16,155 ヘヘヘ…。 4人じゃ 船は動かせねえし➡ 225 00:24:16,155 --> 00:24:19,825 悔しいが しょうがねえでしょう。 時期が悪いんだ。 226 00:24:19,825 --> 00:24:23,162 いや 俺は行くよ。 227 00:24:23,162 --> 00:24:28,033 千石船が駄目なら たとえ 三十石船に乗り換えても➡ 228 00:24:28,033 --> 00:24:31,503 俺は 大海へ乗り出すぞ。 229 00:24:31,503 --> 00:24:38,177 ここで船を出さなかったら 俺の… いや➡ 230 00:24:38,177 --> 00:24:40,112 堺の負けだ。 231 00:24:40,112 --> 00:24:42,848 (吾助)大変だ~! 大変だ~! 232 00:24:42,848 --> 00:24:46,719 船長! 港の船が! 船が どうした。 233 00:24:46,719 --> 00:24:50,189 船が乗っ取られた! 乗っ取られた!? 234 00:24:50,189 --> 00:24:54,526 槍や鉄砲を持った連中が 20~30人 いきなり 船に乗り込んできやがって➡ 235 00:24:54,526 --> 00:24:57,229 船長を呼んでこいって。 236 00:25:06,472 --> 00:25:09,375 (銭丸)弾! 弾! 237 00:25:09,375 --> 00:25:12,077 早く! 弾! 238 00:25:22,488 --> 00:25:24,490 おのれ! 239 00:25:26,358 --> 00:25:30,162 おのれら いずれのやからだ! 240 00:25:30,162 --> 00:25:32,498 船を降りろ! 241 00:25:32,498 --> 00:25:34,833 話があるなら 陸で聞こう。 242 00:25:34,833 --> 00:25:38,170 それとも 今すぐ 海へ たたき込まれたいか! 243 00:25:38,170 --> 00:25:42,174 (百足)プッ! お頭! 244 00:25:50,182 --> 00:25:52,117 五右衛門! 245 00:25:52,117 --> 00:25:55,521 呂宋行きの水夫を募ってると聞いて 来たんだが➡ 246 00:25:55,521 --> 00:25:59,191 雇ってもらえますかい。 うん? 247 00:25:59,191 --> 00:26:04,029 みんな 海は初めてだが 命は惜しまねえ連中だ。 248 00:26:04,029 --> 00:26:06,465 (銭丸)弾! 249 00:26:06,465 --> 00:26:08,767 弾! 250 00:26:17,476 --> 00:26:22,181 こいつは 無用のようだ。 251 00:26:25,818 --> 00:26:28,720 どうやら 雇ってもらえそうだぜ。 252 00:26:28,720 --> 00:26:37,429 (歓声) 253 00:26:37,429 --> 00:27:15,467 (歌声と手拍子) 254 00:27:15,467 --> 00:27:19,805 積み荷を始めたというのか 助左衛門の船が。 255 00:27:19,805 --> 00:27:23,141 はっ。 256 00:27:23,141 --> 00:27:26,478 船は出させぬ。 257 00:27:26,478 --> 00:27:31,817 日中 湾の出入り口に奉行船を出し 不審な船を取り締まれ。 258 00:27:31,817 --> 00:27:37,689 助左衛門の船が帆を上げたら 海賊禁止令を盾に ただちに捕縛せよ。 259 00:27:37,689 --> 00:27:40,826 監視は 日中のみで よろしゅうございましょうか。 260 00:27:40,826 --> 00:27:45,831 知らんのか… 夜は 船出はせぬ。 261 00:28:21,466 --> 00:28:26,338 海賊に 旗は無用だ。 262 00:28:26,338 --> 00:28:41,486 ♬~ 263 00:28:41,486 --> 00:28:46,191 小波戸の遙明台の灯が 見送ってくれてる。 264 00:28:53,498 --> 00:28:57,836 お仙が ともしてくれているのか。 265 00:28:57,836 --> 00:29:01,440 病を押して来てくれたんだな。 266 00:29:01,440 --> 00:29:17,456 ♬~ 267 00:29:17,456 --> 00:29:22,127 お仙は 堀を元に戻してもらいてえんだ。 268 00:29:22,127 --> 00:29:26,999 己の小舟を もう一度 堺の堀に浮かべたいんだ。 269 00:29:26,999 --> 00:29:32,137 ぬしに それを頼んでるんだろう。 270 00:29:32,137 --> 00:29:35,807 取り戻してやるとも。 271 00:29:35,807 --> 00:29:40,145 関白様の手から 堺を取り戻し➡ 272 00:29:40,145 --> 00:29:43,849 元の姿に戻してやる。 273 00:29:45,484 --> 00:29:48,153 待っていろ お仙。 274 00:29:48,153 --> 00:30:11,143 ♬~ 275 00:30:20,519 --> 00:30:26,391 (家康)関白殿下が 新たに おつくりになった大判金だ。 276 00:30:26,391 --> 00:30:29,194 (宗薫)これが…。 277 00:30:29,194 --> 00:30:33,865 (家康)関白殿下は 銭集めが 大層 お上手だ。 278 00:30:33,865 --> 00:30:38,737 陸においては 諸国に検地奉行を派遣し➡ 279 00:30:38,737 --> 00:30:43,542 曲尺6尺3寸の竿を使って 村々の田畑を測らせ➡ 280 00:30:43,542 --> 00:30:46,445 米の取り立てにも容赦がない。 281 00:30:46,445 --> 00:30:52,884 海では 堺 長崎 博多の港を掌中に入れて➡ 282 00:30:52,884 --> 00:30:56,722 南蛮交易を独り占めにするおつもりだ。 283 00:30:56,722 --> 00:31:02,494 おまけに 諸国の山々からは 金銀が ふきだしている。 284 00:31:02,494 --> 00:31:10,168 まず 当座の間は 殿下の城の黄金の山は 日に日に そびえ立っていく一方であろう。 285 00:31:10,168 --> 00:31:16,041 はあ~ 殿下の黄金の山が いかに高かろうと➡ 286 00:31:16,041 --> 00:31:25,183 これを大海に流し込んでいけば いずれは 無に帰してしまいますな。 287 00:31:25,183 --> 00:31:31,857 大海に黄金を投じるとは 何のことだ。 288 00:31:31,857 --> 00:31:38,196 はっ。 関白殿下の妄想のことを…。 289 00:31:38,196 --> 00:31:41,533 殿下の妄想とは…。 290 00:31:41,533 --> 00:31:43,468 唐入り。 291 00:31:43,468 --> 00:31:47,406 すなわち 明国征伐。 292 00:31:47,406 --> 00:31:49,875 宗薫。 (宗薫)はい。 293 00:31:49,875 --> 00:31:54,546 先頃 聚楽第の番所の壁に 落書があり➡ 294 00:31:54,546 --> 00:31:57,449 落書をした番衆7名が捕らえられ➡ 295 00:31:57,449 --> 00:31:59,418 処刑されたそうじゃのう。 296 00:31:59,418 --> 00:32:05,824 はい。 それはもう 無残な処刑でございましたそうで➡ 297 00:32:05,824 --> 00:32:10,495 1日目には 鼻をそぎ 2日目には 耳を切り➡ 298 00:32:10,495 --> 00:32:15,167 3日目には 逆さ磔で 刺し殺したと申します。 299 00:32:15,167 --> 00:32:19,504 どんな落書だったか 存じているか。 300 00:32:19,504 --> 00:32:23,842 はい 聞き及んでおります。 301 00:32:23,842 --> 00:32:26,511 教えよ。 302 00:32:26,511 --> 00:32:36,188 「村々に 乞食の種もつきすまじ しぼり取らるる公状の米」。 303 00:32:36,188 --> 00:32:44,529 「末世とは 別にはあらじ木の下の さる関白を見るにつけても」。 304 00:32:44,529 --> 00:32:46,465 フフ…。 305 00:32:46,465 --> 00:32:56,141 「おしつけて 結へば結わるる十らくの 都のうちは 一楽もなし」。 306 00:32:56,141 --> 00:32:59,878 「都のうちは 一楽もなし」…。 307 00:32:59,878 --> 00:33:02,480 フフフフフ…。 308 00:33:02,480 --> 00:33:11,489 ♬~ 309 00:33:28,707 --> 00:33:32,010 これを 銭に換えてみてくれ。 310 00:33:35,380 --> 00:33:39,184 四十石の葉茶壺では…。 311 00:33:39,184 --> 00:33:43,054 そうじゃ。 312 00:33:43,054 --> 00:33:51,196 松島 三日月の両葉茶壺が 本能寺の変において滅して後は➡ 313 00:33:51,196 --> 00:33:55,867 この四十石こそ 天下一の壺。 314 00:33:55,867 --> 00:33:59,537 天下一という以上の値はございませぬ。 315 00:33:59,537 --> 00:34:03,808 その天下一の壺を 金か銀か➡ 316 00:34:03,808 --> 00:34:08,146 あるいは 銭に換えれば いかほどかと 聞いておるのだ。 317 00:34:08,146 --> 00:34:12,484 無理にでも 銭に換えてみてくれ。 318 00:34:12,484 --> 00:34:18,156 どうあっても 値をつけよとの 仰せであれば➡ 319 00:34:18,156 --> 00:34:20,492 1万貫とでも…。 320 00:34:20,492 --> 00:34:25,830 なぜだ。 なぜ これに 1万貫の値をつける。 321 00:34:25,830 --> 00:34:31,503 されば 松島の壺と 同じ値をつけましてございます。 322 00:34:31,503 --> 00:34:34,839 誰が 松島の葉茶壺に 1万貫の値をつけた。 323 00:34:34,839 --> 00:34:38,510 信長公にございます。 324 00:34:38,510 --> 00:34:44,849 かつて 信長公が 堺を包囲され 矢銭2万貫を課された時➡ 325 00:34:44,849 --> 00:34:53,525 そのかわりに納められましたものが 天下に隠れもなき名物2つ➡ 326 00:34:53,525 --> 00:34:57,862 松島の葉茶壺に 紹鴎の茄子でございました。 327 00:34:57,862 --> 00:35:01,132 理屈は 相分かった。 328 00:35:01,132 --> 00:35:10,475 しかし 果たして 実際に これを 1万貫で買い取る者がおると思うか。 329 00:35:10,475 --> 00:35:17,148 それがしが 値踏みいたしましたことを 申し添えていただけますならば➡ 330 00:35:17,148 --> 00:35:19,818 売れると存じます。 331 00:35:19,818 --> 00:35:27,692 ほう。 ホッホッホッホ…。 大層な自信じゃのう。 332 00:35:27,692 --> 00:35:30,829 ついでのことだ それを試してみよう。➡ 333 00:35:30,829 --> 00:35:33,131 誰かある。 334 00:35:35,166 --> 00:35:40,038 加賀守を これへ呼べ。 かしこまりました。 335 00:35:40,038 --> 00:35:43,842 鍋島加賀守信生というてのう➡ 336 00:35:43,842 --> 00:35:47,712 去年の春より 長崎の代官を務めさせておる。 337 00:35:47,712 --> 00:35:54,185 真面目一本の武骨者だが 茶の湯には あまり関心がないようじゃ。 338 00:35:54,185 --> 00:35:57,856 ⚟(信生)鍋島加賀守 参上いたしました。 339 00:35:57,856 --> 00:36:00,558 くつろいで入るがよい。 340 00:36:12,137 --> 00:36:18,476 長崎への土産に このどちらかを持ち帰れ。 341 00:36:18,476 --> 00:36:24,149 壺か 金子か。 342 00:36:24,149 --> 00:36:30,822 金子は 10枚ある。 343 00:36:30,822 --> 00:36:33,725 (信生)金子を頂戴いたしとうございます。 344 00:36:33,725 --> 00:36:38,163 言い忘れておったが この葉茶壺は 四十石というて➡ 345 00:36:38,163 --> 00:36:40,832 本朝無双の名器だ。 346 00:36:40,832 --> 00:36:43,735 予が 1万貫の値をつけた。 347 00:36:43,735 --> 00:36:46,504 どうじゃ 考え直さぬか。 348 00:36:46,504 --> 00:36:50,842 それがし 茶の道具には 不案内でございまするゆえ…。 349 00:36:50,842 --> 00:36:53,178 予の目利きでは 信用できぬか。 350 00:36:53,178 --> 00:36:56,081 いえいえ 決して そのようなことでは…。 351 00:36:56,081 --> 00:37:01,986 予の値踏みは すなわち 利休の目利きということだ。➡ 352 00:37:01,986 --> 00:37:07,692 どうじゃ それでも やはり 金子の方がよいかな。 353 00:37:07,692 --> 00:37:10,462 (信生)利休様のお目利きとあらば➡ 354 00:37:10,462 --> 00:37:15,166 是非とも 壺の方を頂戴いたしとうございます。 355 00:37:20,138 --> 00:37:22,073 信生。 (信生)はっ。 356 00:37:22,073 --> 00:37:24,809 そちは やはり 金子の方がよかろう。 357 00:37:24,809 --> 00:37:28,146 壺を預けたら 道中で割ってしまいそうじゃ。 358 00:37:28,146 --> 00:37:30,815 下がれ。 はっ。 359 00:37:30,815 --> 00:37:33,518 下がれ! はっ! 360 00:37:45,830 --> 00:37:51,169 南蛮には 錬金術師というて➡ 361 00:37:51,169 --> 00:37:57,509 石くれを 黄金に変えてしまう者たちが おるそうじゃが➡ 362 00:37:57,509 --> 00:38:03,114 土の壺を 眼力一つで たちまち 1万貫に変えてしまう こなたは➡ 363 00:38:03,114 --> 00:38:07,819 さしずめ 本朝の錬金術師じゃのう。 364 00:38:12,123 --> 00:38:16,794 それに引き換え 我らが黄金を得るためには➡ 365 00:38:16,794 --> 00:38:23,468 血を流し 人を殺し だまし 汗をかかねばならぬ。 366 00:38:23,468 --> 00:38:26,137 利休。 367 00:38:26,137 --> 00:38:32,844 予は こなたが羨ましい。 ハッハッハ…。 368 00:38:41,152 --> 00:40:08,439 ♬~ 369 00:40:15,847 --> 00:40:20,518 どうだ。 なんとかなりそうか。 うん? うん いけそうだ。 370 00:40:20,518 --> 00:40:23,855 海の上は慣れねえもんだから よく落としやがる。 371 00:40:23,855 --> 00:40:27,525 余分に持ってきてるから 心配いらないよ。 372 00:40:27,525 --> 00:40:31,195 そりゃ 水が漏れるな。 あ? うん。 373 00:40:31,195 --> 00:40:33,531 硝薬なら 平気か? うん。 374 00:40:33,531 --> 00:40:38,403 あっ 三日月の葉茶壺って知ってるか? 375 00:40:38,403 --> 00:40:41,205 三日月? うん。 376 00:40:41,205 --> 00:40:47,545 ある戦で 3つに 壺を割ってしまったんだ。 377 00:40:47,545 --> 00:40:50,882 それを 千 利休様が こんなふうに修復なすったんだ。 378 00:40:50,882 --> 00:40:55,553 そうしたら なんと 値が3倍になったんだ。 3倍に 値が。 379 00:40:55,553 --> 00:40:57,488 すごいもんだろう。 380 00:40:57,488 --> 00:41:00,391 傷物になってからの方が 値が上がったんだ。 381 00:41:00,391 --> 00:41:04,162 ぬしが継いでも そうはいかんな。 382 00:41:04,162 --> 00:41:07,498 フッ! ハッハ そうだな。 383 00:41:07,498 --> 00:41:11,169 ああ こんなことなら 割れたまま持って帰って➡ 384 00:41:11,169 --> 00:41:13,104 利休様に継いでもらえば よかった。 385 00:41:13,104 --> 00:41:17,041 そうだよ。 そしたら お前 これだって 3倍だ。 386 00:41:17,041 --> 00:41:20,511 そうだな。 あっ 水夫たちに言っといてくれ。 387 00:41:20,511 --> 00:41:22,447 どんどん割って構わないからっつって。 388 00:41:22,447 --> 00:41:26,184 (笑い声) 389 00:41:26,184 --> 00:41:30,855 しかし 壺っていやあ 思い出すな。 390 00:41:30,855 --> 00:41:34,726 ああ 松島の葉茶壺か。 391 00:41:34,726 --> 00:41:39,530 俺が持ち逃げしようとしたのを 邪魔しやがって。 392 00:41:39,530 --> 00:41:42,867 1万貫の壺だったんだなあ。 393 00:41:42,867 --> 00:41:48,740 何を言ってるんだ。 あの壺が 堺の町を救ったんじゃないか。 394 00:41:48,740 --> 00:41:55,880 しかし どう違うってんだよ。 形だって ちっとも違わねえじゃねえか。 395 00:41:55,880 --> 00:42:00,718 なのに どうして あっちは1万貫で こっちはタダなんだ。 396 00:42:00,718 --> 00:42:04,021 この理屈だけは分からねえな。 397 00:42:08,459 --> 00:42:13,164 (蛇千代)頭! 百足の野郎が また割りやがって。 398 00:42:13,164 --> 00:42:17,835 まぬけが! いくつ割ったら 気が済むんだ! 399 00:42:17,835 --> 00:42:20,538 野郎の頭 かち割ってやる! 400 00:42:22,173 --> 00:42:24,876 すまんな。 401 00:42:34,185 --> 00:42:39,190 そういやあ… そっくりだ。 402 00:42:43,194 --> 00:42:49,066 こいつだって れっきとした呂宋の壺だ。 403 00:42:49,066 --> 00:43:00,678 ♬~ 404 00:43:00,678 --> 00:43:03,815 <天下の関白と諸大名を相手取り➡ 405 00:43:03,815 --> 00:43:09,487 呂宋壺一個1万貫の大ばくちを打ち 一躍 豪商に躍り出て➡ 406 00:43:09,487 --> 00:43:14,826 海の商人ありと驚嘆をもって 「太閤記」に その名をとどめさせた➡ 407 00:43:14,826 --> 00:43:17,495 納屋助左衛門。➡ 408 00:43:17,495 --> 00:43:21,833 戦国商人の真骨頂を見せる 一大壮挙の時が➡ 409 00:43:21,833 --> 00:43:25,169 ついに 目前に迫る。➡ 410 00:43:25,169 --> 00:43:29,507 その呂宋壺50個余りを積んだ千石船が➡ 411 00:43:29,507 --> 00:43:33,177 一路 日本を目指してゆく。➡ 412 00:43:33,177 --> 00:43:38,049 天正17年の春の風に乗って> 413 00:43:38,049 --> 00:43:47,058 ♬~